JP2005535765A - 向上した水接着安定性を有する、乾いた及びぬれた表面に取付けるための改善された熱可塑性親水性接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、湿った又はぬれた表面に対して向上した接着能及び安定性を有する熱可塑性親水性接着剤組成物に関する。接着剤組成物は、選択された液体吸収能、液体吸収速度及びレオロジーを有する熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスを含む。本発明の接着剤組成物は、使い捨て排泄物処理物品、使い捨て吸収性物品及びパーソナルケア物品のような物品の皮膚への接着のための局所用接着剤として特に好適である。

Description

本発明は、湿った又はぬれた表面にて、特に湿った又はぬれた皮膚上で多量の水性流体と接触する場合であっても、向上した接着能及び安定性を有する熱可塑性接着剤組成物に関する。特に本発明は、皮膚に、好ましくは体液の吸収が所望される領域に取付けるための、特に衛生ナプキン、パンティライナー、成人用失禁製品又は汗パッドを接着させるための局所用接着剤として使用できる接着剤組成物に関する。この接着剤組成物は、湿った又はぬれた表面での確実な取付け及び向上した接着安定性を与えるとともに、皮膚に取付けるための局所用接着剤として使用される場合には、適用時に皮膚にとって快いだけでなく、取外し時には不快感がない。
本発明は、湿った又はぬれた表面での接着に特に有用な接着剤組成物に関し、この組成物は向上した接着能及び安定性を与える。特に、本発明の接着剤組成物は、皮膚に取付けるための局所用接着剤として、例えば体液を吸収するための吸収性物品において、性器領域に衛生ナプキン又はパンティライナーを取付けるためなど、局所用接着剤として好適である。また、例えば人の性器領域にて着用される失禁用具、又は人の脇の下領域にて着用される汗パッドは、着用者の皮膚に直接接着させるために本発明の接着剤組成物を好適に使用できる。
皮膚へ取付けるための接着剤組成物は、例えば米国法定発明登録H1602又はPCT国際公開特許WO96/33683及びPCT国際公開特許WO95/16424に一般に開示されている。後者の文献は、衛生ナプキンの周囲全体にわたって、着用者に面する表面に適用される局所用接着剤を有する衛生物品を開示している。PCT国際公開特許WO96/13238は、周波数依存の観点から記載される局所用接着剤を開示している。EP638303は、直立位置にカフスを維持するために、衛生ナプキンの側部カフスへの局所用接着剤の使用を開示している。スイス公開CH643730は、陰毛発育領域の十分外側に局所用接着剤領域を提供するために外縁部の四隅に局所用接着剤を備えた面取りされた外縁部を有する非常に長い衛生ナプキンの使用を開示している。
しかしこれらの開示の全ては、下着と組み合わせて利用されるように設計された製品を通常は開示しており、故に実際に提供される接着程度は非常に低く、過度の応力又は力に耐えるようには設計されていない。さらに接着剤は、総括的に議論されているだけであるか、又は物品への接着剤適用領域に集中している。感圧性のような基本的な物理的要件以外に接着剤自体の性質、特に化学的組成又は接着基準に関しては議論されていない。
皮膚に取付けるための接着剤の一般的な分野における先行技術は、バンドエイド、硬膏及び包帯のような物品の分野において特に開発されている。しかし、これらの物品は、通常、例えば着用者の皮膚が切れた時のように、緊急の状況で適用される。このような状況において、製品の簡単な適用及び使用、快適な着用、並びに痛みのない取外し及び分離性のような物品の性能の観点は、傷の無菌、治癒補助及び機械的保護のような他の基準より軽視される。またこのような傷を被覆する吸収性物品は、多くの場合、吸収性物品の適用の前に体毛が除去され得る皮膚か、又はほとんど毛髪が発育しない皮膚に接着される。
全ての可能な状況で、所望の接着レベルをもった包帯を提供するために、先行技術は通常、非常に強い接着強度及び粘着強度を有する、例えば天然ゴム又は合成ゴム類を含むゴム系接着剤及びアクリル製品のような特定の接着剤の利用を開示している。適用時に所望のレベルの接着力、さらにまた湿った又はぬれた皮膚の存在下で許容できる接着安定性を達成するために、これらの接着剤は、非常に高いレベルの初期接着を与えるように配合され、またそれは非常に硬い、すなわちレオロジー的用語で高い弾性率G’を有する。このことは、これらの接着剤が快適でもなく、皮膚に優しくもなく、かなり強力で、取外し時に相当なレベルの痛みを生じることを暗示する。
一方、皮膚への適用に関して、特に着用者の皮膚に直接接着されるべき吸収性物品の適用に関して、接着剤は、皮膚適合性組成物を有し、皮膚に対して過酷でも強力でもなく、又は皮膚に刺激や炎症を生じないことが重要である。また、接着剤と皮膚とが皮膚表面で最大限接触するように、接着剤が着用者の皮膚に対して適応していることが好ましい。このように、十分な接着レベルは、強力な接着強度をもたない接着剤であっても達成できる。さらに、着用者が許容できないレベルの痛みを感じることなく、吸収性物品を着用者から容易に取外しできるような接着剤を提供することも望ましい。このことは、物品を取外し、一度若しくは何度も再適用しなければならない状況で、例えば排尿を可能にするために、及び/又は敏感な皮膚に及び幼児のような着用者群にこのような物品を確実に適用するために、特に重要である。しかし一方で、痛みがなくとも、無論このような複数回の物品適用の間も所望の接着レベルが維持されなければならない。
所望の接着レベルを達成する問題は、ぬれた皮膚という状況の下ではさらに悪化する。通常、物品の交換時に皮膚は生理学的なレベルの湿気を有し、そのレベルは個々によって異なるが、非常に高い場合もある。
現在入手可能な接着剤は、ぬれた皮膚には直ぐに強く接着しないことが多く、十分な最小限の接着が生じるまで定位置に保持されなければならない場合がある。さらに、このような接着剤の全体の接着能は、本質的にぬれた皮膚表面で顕著に減少する傾向にあり、そのため、例えば着用者の動きによって物品に力又は応力が働く場合には、通常、着用中に物品が皮膚に取付けられたままにならない。
しかし、物品の使用中でも着用者の発汗によって、そして体液からも多量の湿分が発生し、その湿分は多量に接着剤と接触することさえもあるので、湿った及びぬれた皮膚は、物品の適用時だけに限られた問題ではない。現在市販されている接着剤に関して、接着強度は、こうした状況で、物品が自然に又は着用中の非常に小さい力又は応力の作用下でも多くの場合は剥がれてしまう程度にまで低下する。
より一般的には、適用段階において、又は使用中の接着剤が接触することになる湿分又は液体に対して、ぬれた又は湿った表面での有効な接着能及び接着安定性は、皮膚と接触し続けることを目的とした物品、通常は吸収性物品の好ましい適用のためだけでなく、異なる用途についても接着剤組成物に対して望まれることである。
乾燥した及びぬれた皮膚へ取付けるための局所用接着剤として、当該技術分野において既知の接着剤のうち、例えば合成ゴム、好ましくはポリイソブチレンで構成される疎水性ポリマーマトリックスを通常含み、そこに水溶性又は水膨潤性ヒドロコロイド、例えばペクチン、ゼラチン又はカルボキシメチルセルロースの粒子が分散しているヒドロコロイド型の接着剤が存在する。この種類の接着剤組成物において、疎水性ポリマーマトリックスは、乾燥条件で接着剤特性を与える一方で、分散したヒドロコロイド粒子は水性流体を吸収し、接着剤を少なくともある程度まで、湿った表面、通常は湿った皮膚に接着できるようにする。しかし、ヒドロコロイド粒子は疎水性マトリックスに囲まれ、多くの場合内包されるので、吸収はあまり効率的でない。
一方で、液体吸収能を向上させるため、及び吸収性粒子への液体の出入りを促進するためにヒドロコロイド含量を増加させると、ヒドロコロイド接着剤が相対的に多量の流体に曝される時に、例えば体液を吸収することを目的とした物品、例えば通常皮膚のバリアとしても作用する、すなわち液体漏れを密閉する失禁用具の皮膚への取付けに使用される場合、ヒドロコロイド接着剤が壊れることがある。相対的に多量の流体と接触する際に、事実、ヒドロコロイド粒子の膨潤によって、接着剤組成物がその一体性を失う場合がある。このことにより、バリア効果が失われ、さらに物品を取外す時に皮膚に残留物が残ることが非常に多い。さらに、ヒドロコロイド接着剤は、通常かなり硬く、皮膚にとってあまり心地よくなく、取外し時に痛みを伴うこともある。これは、ヒドロコロイド接着剤特有の構造によるものであり、その構造ではヒドロコロイドの不相溶性分散相が疎水性ゴム状連続マトリックスに含まれることで、得られた材料はより硬くなり、すなわちレオロジー的用語では、弾性率G’及び貯蔵弾性率G”がより高くなり、それが次に皮膚への初期接着をより困難にし、取外しが痛いものとなる。
皮膚に取付けるための局所用接着剤として特に有用な他の既知の接着剤組成物は、実質的にゲル様構造を有するもの、好ましくはゲルである。それらは通常、主要構成成分として室温で液体の物質である可塑剤、及び高分子又はポリマー構成成分、好ましい実施形態では分子同士の物理的又は化学的架橋によって生じる三次元ネットワークを形成する高分子又はポリマー構成成分を含む。こうした接着剤組成物は、主要な構成成分、すなわち普通は可塑剤の性質に応じて分類され得る。油−ゲルとしても知られる疎水性組成物は、可塑剤が、通常、植物性又は鉱物性の油又はそれらの油類のブレンドであり、ポリマーは、一般に、油(類)に可溶性又は膨潤性の合成疎水性ポリマー、好ましくはエラストマーである組成物である。ヒドロゲルとしても知られる親水性組成物は、通常、可塑剤が水/グリセロール/グリコール類など及び/又はこれらの混合物であり、ポリマー相が合成(例えばポリアクリル系)又は天然(例えば天然ガム類)由来のものである組成物である。混合相の組成物も知られており、この組成物では疎水性と親水性の両方の構成成分が、おそらく可塑剤類とポリマー類の両方で、2以上の分離相を形成する。
ゲル及びゲル様接着剤組成物は、皮膚にとって柔らかく、心地よいものにするようなレオロジー及び物理的特性を有し、毛髪のある皮膚表面にも固く接着し、取外し時に痛みが少ないように好適に配合されることができる。しかし、それらは湿った又はぬれた表面、通常は湿った又はぬれた皮膚に対して、及び特に接着剤の使用中に、すなわち接着剤が表面、例えば皮膚に実際に接着される間に発生する多量の湿分又は液体の存在下でも、接着特性に関しては依然として改善の余地がある。
実際、上述の油−ゲル型接着剤は、それらの化学的性質のために、湿分又は水性液体を吸収できず、そのため湿った又はぬれた表面での接着が、全てではないが限定される。それらが一旦表面、例えば皮膚に接着すると、それらは使用中に発生する相対的に少量の湿分又は液体であっても存在又は増加(例えば発汗により)すれば耐えることができず、それらの接着能を相当量まで失い、その時点で表面から自然に剥がれることがある。
一方でヒドロゲル型の接着剤は、通常、非常に高い液体吸収能を有し、それらは、接着された時に表面上にある、又は使用中に発生した限られた量の湿分又は液体の存在下で有効であるが、それはこの接着剤が、このような限られた量の湿分又は水性液体を吸収し、許容できるレベルの表面接着を維持できるからであり、それらの高い吸収能は多量の湿分又は液体の存在下では不利になることがある。事実、このような接着剤は、そのような多量の湿分又は水性液体と接触した後、それらのレオロジーを劇的に変化させ、それらの接着能を非常に素早く失う程度にまで、水を吸収する傾向にある。
混合相接着剤組成物は、通常、油−ゲル及びヒドロゲルの両方よりも硬く、それらは疎水性相及び親水性相を含むので、基本的に上述のような油−ゲル及びヒドロゲルの両方の欠点を有する。さらに、親水性相が分散相である場合、混合相接着剤組成物は、吸収時にヒドロコロイド接着剤のように振舞う傾向にあり、分散した親水性相への吸収によって相分離が増大し、上記で説明したように一体性が失われる可能性がある。
ゲル又はゲル様接着剤の例は、先行技術に開示されている。
米国特許第4,699,146号には、オストミー用具、包帯、潰瘍パッド、衛生ナプキン、おむつ及び運動競技用パディングと共に使用するのに好適な親水性エラストマーの感圧接着剤が開示されている。接着剤は、照射架橋された有機ポリマー及び接着可塑剤を少なくとも含む。
GB2115431には、包帯、傷又は火傷包帯、EKG接着剤、衛生ナプキン、おむつ及び潰瘍パッドのための接着剤が開示されている。接着剤は、照射架橋された有機ポリマー、例えばポリビニルピロリドン及び接着性可塑剤を含む。
ぬれた皮膚への接着は、例えばPCT国際公開特許WO98/03208にて対処されており、この文献には、乾燥した又はぬれた皮膚に接着でき、三級アミノ基類を含有する親水性(メタ)アクリレートコポリマー、カルボキシル基を含有する疎水性(メタ)アクリレートコポリマー、カルボン酸類及び架橋系の混合物を含む混合相組成物を含む医療用感圧接着剤が開示されている。しかし、この文献では、過剰の液体に曝された後の接着については議論されていない。
さらにゲル様接着剤、特にヒドロゲルは、三次元ネットワークを得るために架橋される必要があり、通常この架橋工程は好適な基材に対して架橋していない組成物を適用した後に生じ、そのため前記接着剤を含む物品の形成のために処理がかなり複雑になることを暗示している。
さらにヒドロゲル接着剤は、水をその周囲環境と交換する能力のために、外部条件に応じて水を失ったり、獲得したりし、それによって自らのレオロジーを実質的に変化させることがあり、故にその接着挙動が変化させる場合がある。結果として、ヒドロゲル接着剤は、水及び湿分耐性のある包装に保存される必要がある。
従って、湿った又はぬれた表面、特に湿った又はぬれた皮膚に対して、より詳細には、物品が湿った又はぬれた表面、例えば皮膚へ直接適用される際であるかどうかとは無関係に、多量の湿分又は液体の存在下で、あるいは湿分若しくは液体が表面に発生する場合又は使用中に接着剤と接触するいかなる場合でも、向上した接着能及び安定性を有する接着剤組成物が依然として必要とされている。特に本発明の目的は、皮膚に取付けるための局所用接着剤として使用される場合に、特に水及び水性流体、より詳細には経血、尿又は汗のような体液に対して液体安定性であり、本発明の接着剤を含む体液吸収用物品が使用される期間にわたって接着特性が前記流体の存在によっても顕著に影響されないような接着剤を提供することにある。
本発明の別の目的は、確実に取付けられ、皮膚から取外す時に痛みがない、皮膚への取付けのための、特に幼児及び/又は性器の敏感な皮膚に使用するための局所用接着剤として使用するのに特に好適でもある、上記特性を有する接着剤組成物を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、湿蒸気透過性であると同時に、好ましくは液体の漏れを密閉することもでき、物品、特に接着剤がそのため皮膚バリアとして作用し得る使い捨て吸収性物品を皮膚に取付けるための局所用接着剤としての好ましい使用において特に所望される接着剤組成物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、再適用時、特に複数回の再適用時、例えば接着剤を含む物品、例えば吸収性物品が排尿目的で取外される場合又は間違って配置される場合にも、取外し時に痛みがないとともに、表面、例えば皮膚に対して接着能をも示す接着剤組成物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、可撓性、伸縮性、収縮性を与え、その結果、あらゆる身体動作の間に、接着剤組成物が適用されるべき表面、特に身体の外形に適合可能になり、そのため接着剤組成物を含む物品の着用者にとって快適となると同時に、使用中に確実な取付けを保証する十分な接着能を依然として有する接着剤組成物を提供することにある。
今般、驚くべきことに、皮膚に取付けるための局所用接着剤として通常使用される既知の接着剤の上記欠点は、以下で定義される接着剤組成物を提供することによって実質的に軽減され得ることを見出した。接着剤組成物は、湿った又はぬれた表面、特に湿った又はぬれた皮膚に対して向上した接着能及び安定性を有する。皮膚のための局所用接着剤としてのそれらの好ましい使用において、それらは確実に取付けられ、さらに取外し時にも不快感を生じず、過剰の液体に曝されても使用期間を通じて接着強度を維持できる。
接着剤組成物はまた、製造するのが簡便であり、物品に導入、すなわち直接コーティングによって、例えば既知のホットメルトコーティング技術によって好適な基材上に又は物品上に直接導入するのが簡便である。それらはまた、保存時及び使用中の両方で実質的に安定でもあり、特定の包装を必要としない。
上述した全ての利点は、本発明の接着剤組成物によって達成され、それは、均一であると同時に元来親水性でもある、好ましくは以下で説明されるように湿蒸気透過性でもある熱可塑性ポリマーマトリックスを好適に配合することによって与えられる。
本発明は、温度37℃での弾性率G’37及び温度37℃での粘性率G”37を有する熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスを含む接着剤組成物に関する。前記熱可塑性親水性均一ポリマーのマトリックスは:
0.02g/g〜5g/g、好ましくは0.05g/g〜3g/g、より好ましくは0.1g/g〜2.0g/gの、本明細書で記載される液体吸収試験に従って測定される24時間の最大液体吸収能;
本明細書に記載される液体吸収試験に従って測定される液体吸収速度であって、1分間の前記液体吸収能が、24時間の前記最大液体吸収能の少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%となるような液体吸収速度;
100Pa〜500.000Pa、好ましくは1.000Pa〜100.000Pa、より好ましくは3.000Pa〜70.000Paの範囲の弾性率G’37(1rad/s);
50Pa〜200.000Pa、好ましくは300Pa〜50.000Pa、より好ましくは500Pa〜30.000Paの範囲の粘性率G”37(1rad/s);
20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下の比G’37(100rad/s)/G’37(1rad/s)を有する。
「均一」ポリマーマトリックスとは、本明細書において、単一相で構成されるポリマー組成物を意図し、故にその組成物では、少なくとも巨視的に検出可能なレベルで、すなわち少なくとも約1μmのオーダーで連続相と分散相との間に相分離がない。無論、ミクロン以下の分子内レベルでは、例えば組成物の構成成分の単一分子に様々な相が存在することもあり、ここで例えば、熱可塑性ブロックコポリマーに含まれるもののような通常様々な相又はドメインは、上述のようなマトリックスの均一な性質に影響することなく存在してもよい。
「熱可塑性親水性」均一ポリマーマトリックスとは、本明細書において、上記で説明されたように均一であることに加えて、本質的に親水性でもある熱可塑性ポリマー組成物を意図し、すなわちそのその親水性は、以下の記載にて説明されるように、均一マトリックスの構成成分の選択によって達成され、反対に、例えば発明の背景で説明したようなヒドロコロイド又は混合相接着剤組成物については、親水性は巨視的に分離した親水性相又は構成成分のマトリックス中に含まれることによって与えられる。
好ましくは本発明の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスはまた、材料内の開孔又は開口から湿蒸気を通さないが、湿蒸気濃度がより高い層の一方の側から水分を吸収して層の湿蒸気濃度がより低い反対側で水分を脱着又は蒸発させることにより、連続層を通してかなりの量の湿蒸気を移動させる連続層を形成できる。一般に、上述の湿蒸気透過特性を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、当該技術分野において知られているような「モノリシック組成物」として同定されることもでき、それから製造された、湿蒸気透過性の、典型的には液体不透過性層は「モノリシック層」として知られている。この定義は、それゆえ好ましくはモノリシックマトリックスである本発明の熱可塑性親水性の均一ポリマーマトリックスにも適用できる。
本明細書では、用語「通気性のある」及び「通気性」は、本明細書で定義した「モノリシック組成物」及び「モノリシック層又はフィルム」と関連して、「湿蒸気透過性の」又は「水蒸気透過性の」、及び「湿蒸気透過性」又は「水蒸気透過性」に対応するものとする。「湿蒸気」と「水蒸気」も等価とみなす。
本発明の接着剤組成物は、以下で説明されるように、湿った又はぬれた表面での向上した接着能及び安定性が所望される種々の物品に及び様々な用途で利用できるが、特に好ましい本発明の実施形態では、接着剤組成物は、物品、特に着用者の皮膚に付着されるべき衛生ナプキン、パンティライナー、成人失禁用製品又は汗パッドのような体液の吸収を目的とした使い捨て吸収性物品を着用者の皮膚に取付けるための局所用接着剤として使用できる。そのため、本発明の接着剤組成物は、特に断らない限り、この種類の物品を皮膚へ取付けるための局所用接着剤としての好ましい使用に関して本明細書にて説明される。
吸収性物品の適用からこのような物品の取外し時までに起こる一連の一般的な状況を詳細に分析することによって、望ましい性能目的を達成するため、特に、最初の取付けを確実にし、使用中の持続した取付けを確実にし、また着用後の痛みを伴わない取外しのため、特別な接着特性が満たされるのが好ましいことが示された。ここで考慮した特性は、材料の弾性を表す弾性率と、接着材料の粘性を表す粘性率である。
接着剤の粘性は、特定の表面に迅速に取付けられ、しっかりと接着する接着剤の能力の指標を表すものと解釈できる。弾性は、接着剤の「硬さ」及び取外しに耐える能力の指標として解釈されることができる。またその値は、良好な初期取付けのためにも重要である。それらの組み合わせは、取外し時に必要な力の指標と考えられている。弾性率と粘性率との関係は、取外しエネルギーの一部が接着剤内で消散し、その一部が実際の取外しを誘引するのに利用可能であるという指標と見なされる。
初期に及び長期にわたりしっかりと取付け、容易に/痛みを伴わずに取外される接着剤を提供するためには、弾性率と粘性率との関係、並びにそれらの動的挙動も重要である。
本発明の接着剤組成物は、温度37℃での弾性率G’37及び温度37℃での粘性率G”37を有する。
本発明によれば、接着剤組成物は、均一で、本明細書で説明されるような選択されたレオロジーを有し、並びに水、一般には水性流体及び湿分に対する選択された挙動を有する熱可塑性親水性ポリマーマトリックスを含み、その挙動は熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの24時間の最大液体吸収能及び液体吸収速度の好適な組み合わせとして表され、最大液体吸収能及び液体吸収速度の両方とも、本明細書に記載される液体吸収試験に従って評価される。事実、最大液体吸収能として表される、本発明の接着剤組成物の液体、特に水及び水性流体を吸収する絶対的な能力が重要であるだけでなく、本明細書に記載される利点を有する接着剤組成物を提供するためには、この吸収が起こる速度も重要であることを見出した。
典型的に体毛及び粘液組織をもった人の皮膚用接着剤は感圧接着剤として分類され得るが、このような材料を特定する最も特徴的なレオロジー的挙動に基づいて、局所用接着剤の組成物が、かろうじて典型的な感圧接着剤(以下、PSAと呼ぶ)として考慮できるにすぎないことがわかっている。
実際、接着剤分野の当業者には既知のように、PSAと一時的に物体を接着可能な他の物質(例えば、2枚のガラス板の間の水のような)とを区別する最も特徴的な点は、それらのレオロジーパラメータ、特に弾性率G’が、与えられた応力の周波数とともに大幅に変動するということである。さらに詳しくいえば、与えられた応力の周波数が典型的な結合周波数から典型的な分離周波数まで、すなわち、以下に示すように、1rad/sから100rad/sまで変動すると、PSAのG’は、桁違いの大きさで増大し得る。
周波数に応じたG’の増加は、使用条件を示す周波数範囲で接着剤が高い硬化レベルを有することを示している。接着剤の硬化によって、巨視的に取外しのための剥離力が非常に高くなる記録があり、最も重要なことには皮膚接着剤に関して取外し時の痛みのレベルが高くなることである。事実、皮膚接着剤の取外し時の生理学的な痛みの知覚は、典型的な取外し条件の周波数領域における接着剤のG’の増大によって比例関係以上に増大することが知られている。そのため、本発明の接着剤組成物は、以下で説明されるように、周波数に応じて相対的に限られた弾性率G’の増大を有する。
上記で示したように、皮膚への取付けのための局所用接着剤として特に有用な本発明の接着剤組成物は、参照温度37℃(通常の人の体温)で一連の周波数にて測定されるレオロジー特性を有する。接着剤を備えた使い捨て吸収性物品の適用時、接着剤の接触は低周波数で形成されるが、分離は物品の取外し速度で起こることがわかった。この速度は、100rad/sの周波数で表されるが、接着剤の結合を形成する低周波数は、約1rad/sであることが分かった。従って、本発明により使用する周波数範囲は、1〜100rad/sである。
良好な、すなわち、約1rad/sの周波数で結合状態をもたらすために、弾性率の絶対値は、高すぎるものであってはならず、さもなければ接着剤は硬くなりすぎて、接着する予定の表面に密接に接合又は密着させることができない。また、材料が柔らかいままで皮膚に優しく接着可能なまま、良好な粘着を得るために、G”の相対的に低い絶対値を有することも重要である。
接着剤材料の粘着性の指標は、比G”37(100rad/s)/G’37(1rad/s)=tan(□)であることをも周知である。それ故に、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、1rad/s及び37℃にて2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下のtan(□)を有するのが好ましい。
本発明によれば、次の組のレオロジー特性は、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに関して充足される:
100Pa〜500.000Pa、好ましくは1.000Pa〜100.000Pa、より好ましくは3.000Pa〜70.000Paの範囲の弾性率G’37(1rad/s);
50Pa〜200.000Pa、好ましくは300Pa〜50.000Pa、より好ましくは500Pa〜30.000Paの範囲の粘性率G”37(1rad/s);
20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下の比G’37(100rad/s)/G’37(1rad/s)。
先行技術の接着剤組成物とは異なり、本発明の接着剤組成物は、均一で、元来親水性である、すなわち、例えばヒドロコロイド接着剤におけるように巨視的に分散した親水性構成成分の添加によってある程度の親水性が与えられるのではなく、それ自体が親水性である熱可塑性ポリマーマトリックスを含む。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、本明細書に記載される液体吸収試験に従って評価される場合、0.02g/g〜5g/g、好ましくは0.05g/g〜3g/g、より好ましくは0.1g/g〜2.0g/gの24時間の最大液体吸収能を有する。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスはまた、本明細書に記載される液体吸収試験に従って評価される場合に、1分あたりの液体吸収能が、24時間の前記最大液体吸収能の少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%となるような液体吸収速度を有する。
それ故に、本発明の接着剤組成物は、かなり高速で相対的に限られた量の液体、通常は水又は水性流体を吸収でき、結果として、このような接着剤は、ぬれた及び湿った表面、例えば湿った又はぬれた皮膚に有効に接着でき、24時間の最大吸収能として測定される相対的に限られた液体吸収能と、高い液体吸収速度との組み合わせにより、接着剤組成物は、湿分又は液体が、接着が生じる時に既に存在していたか、又は表面に直接生じたか、あるいは接着剤が表面に接着されている間に、例えば本発明の接着剤組成物によって着用者の皮膚に接着した使い捨て吸収性物品の着用時に、接着剤と直接接触するかどうかにかかわらず、過剰の液体の存在下又は高湿度でも接着強度を維持する。
これは、例えばそれよりも非常に素早く多量の液体を吸収して、接着強度を急速に実質的に失うヒドロゲル型の接着剤の挙動とは異なる。
本発明によれば、接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、少なくとも第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド、少なくとも第2の極性接着熱可塑性ポリマー又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド、相溶性の可塑剤又は相溶性の可塑剤類のブレンド、並びに任意に粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂のブレンドを含む。
本明細書で意図されるように、「極性」熱可塑性ポリマーとは、極性の高い特性をもった熱可塑性ポリマーを意味する。
熱可塑性ポリマーの極性特性は、その親水性の、すなわち水に対する親和性の尺度であり、好適な極性パラメータによって測定できる。所与の物質に関する好適な極性パラメータは、科学文献で周知である多数のパラメータの中から選択することができ、また公知の方法に準じて測定可能である。好適な極性パラメータは、例えばいわゆるヒルデブランド(Hildebrand)溶解度パラメータHであることができる。
本発明によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス中に第1の粘着熱可塑性ポリマーとして、又は第2の接着熱可塑性ポリマーとして含まれる熱可塑性ポリマーも極性であり、すなわち少なくとも18MPa1/2のヒルデブランド溶解度パラメータHに関する値を有する場合、極性の高い特性を有する。熱可塑性ポリマーが、分子内レベルで、様々な値のヒルデブランド溶解度パラメータを有する分離相、例えば第1の極性粘着熱可塑性ポリマーとして通常選択可能な熱可塑性ブロックコポリマー中のドメインを有する場合、前記様々な値のうち最も高いものは、すなわちコポリマー構造において最も極性の高い相は、熱可塑性ポリマーの選択に関して考慮されなければならない。
熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる第1の極性熱可塑性ポリマーはまた、粘着性であり、すなわち高度の内部粘着性を有する。本発明によれば、粘着熱可塑性ポリマーは、ASTM D 1238試験方法に従って測定されるメルトフローインデックス(MFI)が2500未満、好ましくは2000未満、より好ましくは1000未満であるとして定義される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー、又は前記極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンドの少なくとも1つのポリマーは、熱可塑性エラストマー類から選択される。より好ましくは、極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンドにおいて、このようなポリマーは全て、極性粘着熱可塑性エラストマー類である。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの第2の極性接着熱可塑性ポリマーは、熱可塑性接着剤組成物の分野において周知であり、上記で与えられた定義に従って極性でもあるポリマー類から好適に選択されることができる。このような極性接着熱可塑性ポリマー類は、それ自体が接着性、すなわちそれ自体感圧性であるものから選択されることができ、あるいは当該技術分野において既知のように、好適な粘着付与樹脂又は樹脂類の添加によって容易に接着性又は粘着性にされ得るものから選択されることができる。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド中の少なくとも1つのポリマーはまた、極性であることに加えて、液体、通常は水又はより一般的には水性流体を有効に吸収できる。さらにより好ましくは、このようなブレンド中の極性粘着熱可塑性ポリマー類は全て、好ましい液体吸収能を有する。好ましくは、第2の極性接着熱可塑性ポリマー又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド中の少なくとも1つのポリマー、より好ましくはそれら全ても、液体、通常は水又はより一般的には水性流体を吸収できるように選択される。
本発明によれば、第1の極性粘着及び/若しくは第2の接着熱可塑性ポリマー、又は熱可塑性ポリマー類のそれぞれのブレンドに関する前記液体吸収能は、本明細書に記載される液体吸収試験に従って評価される、24時間の最大液体吸収能によって表される。
好ましくは、前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類、及び/又は前記第2の極性接着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類に関する液体吸収能は、少なくとも0.01g/g、より好ましくは少なくとも0.02g/g、最も好ましくは少なくとも0.05g/gの24時間の最大液体吸収能からなり、ここでこの液体吸収能は、本明細書に記載される液体吸収試験に従って評価される。
無論、好ましい液体吸収能を有さない、すなわち極性であるが液体を吸収しない、又は液体吸収試験に従う24時間の最大液体吸収能が0.01g/g未満である極性粘着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類及び/又は極性接着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類は、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれることができるが、好ましくはそれらは、全体として、前記極性粘着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類及び前記極性接着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類全体の70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらにより好ましくは50重量%以下を構成すべきである。
逆に、本発明の接着剤組成物中の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、液体、すなわち液体吸収試験に使用される、水に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する食塩水溶液に可溶性又は分散性の極性粘着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類及び/又は極性接着熱可塑性ポリマー若しくはポリマー類を含むことができる。この場合、試験方法の記載にて説明されるように、液体可溶性又は分散性の熱可塑性ポリマーの液体吸収能は、無限であると考えられ、そのため第1及び第2の熱可塑性ポリマー又はポリマー類に関して上記で説明された最大液体吸収能の好ましい条件を充足すると考えられる。しかし、本発明によれば、以下でより詳細に説明されるように、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス全体は、水に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する食塩水溶液に可溶性又は分散性の1以上の構成成分を前記マトリックスの25重量%以下、より好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下で含むのが好ましい。
本発明によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンドは、ポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエステル類及びコポリエステル類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;ポリアミド類及びコポリアミド類;ビニルアセテート含量が少なくとも28%のポリエチレンビニルアセテート;ポリエチレンアクリル酸エステル及びポリエチレンメタクリル酸エステルのコポリマー類;ポリエチレンアクリル酸コポリマー類;ポリエチレンビニルアルコールコポリマー類;挿入若しくはグラフト化によって、又は極性の高い基類/モノマー類、例えば無水マレイン酸又は無水コハク酸、一酸化炭素基、スルホン酸基などとの共重合によって極性が修正されているスチレン性ブロックコポリマー類及びポリオレフィン類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択されることができる。このような極性が修正されたスチレン性ブロックコポリマー類及びポリオレフィン類の好ましい例は、スチレン−エチレン−ブチレン−無水マレイン酸コポリマー類、及び典型的な極性コモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、アクリル酸エステル類、ビニルエステル類、無水マレイン酸、メタクリル酸グリシジル、及びこれらのブレンドとエチレンとのコポリマー類又はターポリマー類である。
好ましい極性粘着熱可塑性ポリマー類は、ポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;スチレン−エチレン−ブチレン−無水マレイン酸コポリマー類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択される熱可塑性エラストマー類である。
本発明による特に好ましい極性粘着熱可塑性ポリマー類は、ポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択され、それらも好ましい最大液体吸収能を有する。
本発明によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる第2の極性接着熱可塑性ポリマー又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンドは、スルホン化ポリエステル類;熱可塑性ポリアクリレート類;ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー類、例えばポリビニルピロリドンビニルアセテートコポリマー;ポリビニルエーテル類;ポリビニルアルコール;ポリエチレンオキシド;ポリケトン類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択されることができる。
好ましい極性接着熱可塑性ポリマー類は、スルホン化ポリエステル類;熱可塑性ポリアクリレート類;ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー類;ポリビニルエーテル類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択される。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、以下で説明される相溶性の可塑剤又は相溶性の可塑剤類のブレンドをさらに含む。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる、上述したような第1及び第2の熱可塑性ポリマー(又は熱可塑性ポリマー類のブレンド)は、既知の形成処理、例えば高エネルギースクリュ押出成形機を含む押出成形処理で典型的な処理条件にて溶融状態で、通常は高度に粘稠であり得る。例えば、これらは、DSC(示差走査熱量計)ピークに相当するか、又は1つより多くのピークを示しているポリマー混合物の場合にはDSCの最大ピークに相当するものとして同定される温度であるDSC融点より20℃高い温度、且つ1rad/sの周波数で、5000ポアズより高い粘度を有する場合がある。
そのため、第1及び第2の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマー類のブレンドを含む、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、処理条件において溶融状態で極めて粘稠なままであり得る。
本発明によれば、及び本発明者らの出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はPCT国際公開特許WO99/64505に開示されているように、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの粘度は、第1及び第2の熱可塑性ポリマーと相溶性であり、処理条件における溶融状態の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの粘度を低下させる適切な可塑剤又は可塑剤類のブレンドを、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含めることによって調整できる。
上述の特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077及びPCT国際公開特許WO99/64505で説明されているように、事実、組成物の処理には好適なホットメルトコーティング処理が好ましい。これは、処理条件における熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの粘度を、好適な低いレベルにまで調整しなければならないことを意味する。
このような場合、本発明のこの好ましい実施形態の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、それらが好ましくは次の複素粘度(η*)を有するように、好適な可塑剤又は可塑剤類のブレンドを含む:
周波数1rad/sにて5ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは10ポアズ<η*<2000ポアズ、より好ましくは10ポアズ<η*<1000ポアズ、及び周波数1000rad/sにてη*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズ、ここで、前記複素粘度(η*)は110℃〜210℃、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは140℃〜170℃を含む処理温度(T)におけるものであり、η*は本発明の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの複素粘度を表す。本発明によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの複素粘度η*は、レオメトリックス社(Rheometrics Co.)(米国)より入手可能なRDA−IIレオメーターを用いて測定される。
本発明のこの好ましい実施形態によれば、上述の複素粘度を有する熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスによって、低粘度のホットメルト組成物を基材上にコーティングして必要な厚さの層にする当該技術分野で既知の典型的なコーティング条件及び装置を用いて層を基材にコーティングすることができるようになり、また本明細書に記載される有益な特性を有する接着剤組成物を提供するという点において、本発明の好ましい熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの有利な特性も維持することができる。
熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる可塑剤又は可塑剤類のブレンドは、本発明の接着剤組成物のレオロジー特性を調整するという第1の目的を有する、すなわち上記で説明されるように、処理条件における溶融粘度の好適な変更に加えて、可塑剤又は可塑剤類のブレンドは、本発明の接着剤組成物の所望の接着特性の発現を助け、最適化するためにレオロジー係数G’及びG”のようなマトリックスのレオロジーパラメータを変更する。
本発明のこの好ましい実施形態による熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれる好適な相溶性の可塑剤類としては、クエン酸エステル類、酒石酸エステル類、安息香酸エステル類、スクロースエステル類、トリ−メリテート類、ソルビトール、尿素、エポキシ化植物油類、重合植物油類、ヒマシ油及びその誘導体類、フタレート類、液状ポリエステル類、液状ポリアミド類、グリコレート類、芳香族スルホンアミド類、多価アルコール類及びそれらのエステル類、グリセロール及びそのエステル類、ペンタエリスリトール及びそのエステル類、グリコール類及びポリグリコール類並びにそれらのエステル類及びエーテル類、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー類、ソルビタンエステル類、ホスフェート類、乳酸及びそのエステル類、モノ−及びジカルボキシ脂肪酸類(C8〜C22)並びにそれらのエステル類、ベースのエステル1モルあたり1〜40モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを分子鎖に挿入することによって親水性が修正されたモノ−及びジカルボキシ脂肪酸類(C8〜C22)のエステル類、ポリエーテル類及びそれらの誘導体類、並びにこれらのブレンドが挙げられる。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、特に好ましい可塑剤類は、親水性可塑剤類、例えばクエン酸エステル類、芳香族スルホンアミド類、ベンゾエート類、グリコール類及びポリグリコール類並びにそれらのエステル類、グリセロール及びそのエステル類、並びにこれらのブレンドであり、それらの一部は本発明者らの出願であるPCT国際公開特許WO99/64505に開示される。前記の特に好ましい親水性可塑剤類は、特に極性の高い特性を有し、前記第1及び第2の熱可塑性ポリマー並びに前記好適な相溶性可塑剤又は可塑剤類のブレンドを含む熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスから形成される本発明の接着剤組成物の得られた層の湿蒸気透過性を損なわず、さらにはその湿蒸気透過性に寄与し得る可能性のあるさらなる利点を提供する。
特に好ましい親水性可塑剤又は可塑剤類のブレンドはまた、通常、所望のレベルの最大液体吸収能及び液体吸収速度をマトリックスに与えるのを助けるために、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの親水性を調整できる。
任意に、また好ましくは、粘着付与樹脂あるいは粘着付与樹脂類のブレンドは、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに含まれることができる。粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンドは、本発明の接着剤組成物において所望のレベルの粘着性を与えるのを助けるために含まれるのが好ましい。特に粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンドを添加することは、元来接着性である、すなわち感圧特性をもった第2の熱可塑性ポリマーによって既に与えられている熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの粘着レベルをさらに向上させ、制御することを意味する。あるいは、粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンドを添加することによって、実際、それ自体感圧性でないが、その代わり以上で説明されたように、好適な粘着付与樹脂又はその樹脂類のブレンドの添加によって、容易に接着性にされ、又は粘着性にされることのできるものから選択される第2の熱可塑性接着ポリマーに粘着性を与える。
好適な粘着付与樹脂類は、例えば本発明者らの出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はPCT国際公開特許WO99/64505に開示されるように、ロジン類及びロジンエステル類、芳香族及び脂肪族−芳香族樹脂類、テルペン及びテルペンフェノール樹脂類、芳香族アクリル樹脂類、並びにこれらのブレンドから選択されることができる。好ましいものは、ロジン類及びロジンエステル類、並びに芳香族アクリル樹脂類である。特に好ましいものは、本発明者らの出願であるPCT国際公開特許WO02/14417に開示されるように、極性の高い特性を有する、例えばイーストマン(Eastman)によって製造され、コードResA−2690、ResA−2691、ResA−2682、ResA−2683、ResA−2698として入手可能な粘着付与樹脂類である。
好ましくは、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、前記マトリックスの1重量%〜50重量%、好ましくは3重量%〜40%、より好ましくは5重量%〜25重量%の前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー;前記マトリックスの1重量%〜80重量%、好ましくは3重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜50重量%の前記第2の接着熱可塑性ポリマー;前記マトリックスの5重量%〜85重量%、好ましくは7重量%〜75重量%、より好ましくは10重量%〜60重量%の相溶性の可塑剤又は相溶性の可塑剤類のブレンド;並びに前記マトリックスの0重量%〜45重量%、好ましくは5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンドを含む。
本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、前記の熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスから形成された層の、光線や酸素による老化に対する耐性、目に見える外観等のような他の特性と同様に、組成物の処理性、及び機械的特性をさらに改善するために、追加的な任意成分をさらに含んでいてもよい。このような他の任意成分には、酸化防止剤、UV安定剤、界面活性剤、染料、及びこれらの混合物を挙げることができ、これらは熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス中にマトリックスの10重量%までの濃度で存在してもよい。
さらに、例えばシリカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ゼオライト類、顔料、ラポナイトなどのような固体の充填剤化合物も、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに任意に分散されることができる。
特に好ましいわけではないが、粒子又は繊維形態の既知の吸収性ゲル化材料も、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに任意に分散されることができる。
活性剤、すなわち、例えば化粧品又は医薬品物質、香料のような、例えば皮膚に活性な物質を放出できる化合物も、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスに任意に含まれることができる。
特に好ましいわけではないが、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、通常は水又は水性流体に可溶性又は分散性の1以上の構成成分を含むことができる。例えば、可塑剤は、水又は水性流体に可溶性又は分散性であることができる。本発明によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスは、水に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する食塩水溶液に可溶性又は分散性である1以上の構成成分を、前記マトリックスの25重量%以下、より好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下で含むのが好ましい。構成成分は、前記食塩水溶液に少なくとも0.3重量%の濃度で可溶性又は分散性である場合に、可溶性又は分散性であると考えられる。
熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスを含む本発明の接着剤組成物は、既知のいかなる方法によっても製造されることができ、その方法は、通常、少なくとも第1の極性粘着熱可塑性ポリマー若しくは極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド、第2の極性接着熱可塑性ポリマー若しくは極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド、及び相溶性の可塑剤又は相溶性の可塑剤類のブレンド、並びに任意に粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンド、並びに上記で説明されるように、マトリックスに分散される可能性もあるが、実際熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの一部でない構成成分を含むさらなる追加の構成成分を提供する工程、前記構成成分を溶融するし、例えば既知の好適な混合器を用いて化合して、接着剤組成物、すなわち熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスと任意にさらなる構成成分とを後続処理工程のために溶融状態で形成する工程を含む。
本発明による接着剤組成物の層を製造する方法は、通常、前記組成物を提供する工程、それを流動可能にするために加熱する工程、及び例えば好ましくは上記で説明されるように、ホットメルトコーティング方法を用いて、溶融状態、半溶融状態又は可塑状態の前記組成物を、所望の厚さを有する層状にて基材に形成する工程を含む。
あるいは、溶媒又はエマルション系を作り出して使用し、前記接着剤組成物の製造において中間工程又は最終工程として、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス、又は選択された基材上にコーティングされた前記接着剤組成物の層を含む複合構造、又は前記接着剤組成物若しくは前記構造を含む物品を処理することができる。
前記基材として典型的な材料には、不織布材料、織布、連続気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡型熱可塑性発泡体、連続気泡型発泡体と伸縮性不織布との複合物、及びフィルムが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスを含む接着剤組成物は、湿蒸気透過性であると同時に、液体バリアを提供できる連続層に形成されることができる。これは、皮膚への取付けのための局所用接着剤としての接着剤組成物の使用において着用者の快適さを増大させ、ここで同時に接着剤組成物はまた皮膚バリアとして作用し、液体漏れに対して密閉効果を提供し、それは接着剤組成物が、着用者の皮膚に直接取付けられることを目的とした、体液吸収用の使い捨て物品に導入される場合に特に有用である。湿分透過性及び液体バリアはまた、以下で説明されるように、吸収性物品への導入とは異なる本発明の接着剤組成物の他の使用においても好ましい。
本発明によれば、例えば接着剤組成物を既知の方法により、通常これも湿蒸気透過性である好適な基材上に載置することによって、本発明の接着剤組成物から、湿蒸気透過性で液体不透過性の連続層を形成することができる。本発明の接着剤組成物は、前記層又はフィルムの厚さが少なくとも20μmである場合に、好ましくは少なくとも200g/m2・24h、より好ましくは少なくとも300g/m2・24h、さらにより好ましくは少なくとも500g/m2・24hの湿蒸気透過率を有し、この水蒸気透過率はASTM E−96B「直立カップ」方法に従って測定される。
本発明によれば、通常はこれまでに説明した接着剤組成物から連続層を形成でき、その厚さは約5μm〜約2500μm及びそれ以上であり、この層は、例えば不織布繊維性基材を含む複合積層構造におけるように、異なる基材と組み合わせて使用される。
本発明の接着剤組成物は、以下で説明されるように、多数の種々の物品及び構造に使用できる。
(接着剤組成物を含む物品)
本明細書の好ましい実施形態において、本発明は、上述した特性を有する本発明による接着剤組成物を含有する、着用者の皮膚に接着できるパーソナルケア製品に関する。
本発明の目的では、パーソナルケア製品とは、人の健康、安らぎ、快適さ、又は快さを指向した機能を達成するために人体に接触して又は近接して着用されるように設計された、従って身体への一時的な接着を必要とする、使い捨て製品又は再利用可能な製品を意味する。
このような物品の第1の種類には、尿、月経、及び糞便処理装置のような、使い捨ての人排泄物処理装置が挙げられる。
(使い捨て排泄物処理装置)
本明細書における尿、月経又は糞便の処理装置は、着用者の泌尿生殖器領域及び/又は肛門周囲領域に接着剤で取付けるための、開口及びこの開口を囲むフランジを有する袋を含む。当該技術分野において既知の糞便、月経又は尿の処理装置はどれも、本発明に従う接着剤組成物を備えることができる。このような装置は、例えばPCT国際公開特許WO99/00084及びWO99/00085に記載されている。
また、本明細書の尿、月経、又は糞便処理装置には、オストミー/人工肛門装置のような、身体の人工的な開口に取付けられるように設計された装置が含まれる。
このような物品に使用される袋は、尿、月経、及び排泄された糞便物質を封じ込めておくための可撓性容器である。
袋は、取り込んだ物質を安全に封じ込めておくように設計されており、通常は液体不透過性であるが、それにもかかわらず通気性であることができる。袋は、使用中に破裂せず、またさらに着座時のような典型的な着用条件において袋に圧力が加わる時にも破裂しない、十分な強度に設計される。
袋は吸収性材料を含有してもよい。吸収性材料は、液体を吸収及び保持可能ないかなる吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプのような、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用されている多種多様な液体吸収性材料を含んでもよい。
人排泄物処理装置、特に本発明による尿/月経処理装置は、また、追加的な捕捉層を含んでもよい。捕捉層は、通常、袋の内側表面に固定されている。ただし、捕捉層は、フランジに固定してもよく、又はフランジと袋の内側表面との両方に固定してもよい。捕捉層は、好ましくは、着用者の性器が吸収性材料と直接接触しないよう隔てておくように配置される。捕捉層は、流体透過性であり、尿/経血を容易に通過させて、それらを吸収性材料によって吸収することができる。
袋には開口が設けられており、排泄された物質は、この開口によって身体から受け取られてから、袋の空洞内に貯蔵される。開口は、フランジによって囲まれており、円形、長方形、ハート形のようないかなる形状又はサイズで提供されてもよく、また対称形又は非対称形であってよく、好ましくは、開口は、長手方向若しくは横方向のいずれか又は両方向に細長い外形をしており、例えば開口の輪郭は、それぞれの主軸がほぼ垂直な2つの楕円の形状である。
フランジは、衣類に面する表面と、着用者に面する表面とを含む。好ましい実施形態では、これらは、大きく実質的に平らな2つの表面であるが、フランジはまた、着用者の会陰領域又は尾骨領域に適合するように設計された突出部を含んでもよい。
フランジを肛門周囲領域に容易に配置させるために、フランジは、柔軟性、可撓性、及び適応性のある材料で作製すべきである。典型的な材料には、不織布材料、織布、連続気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡型熱可塑性発泡体、連続気泡型発泡体と伸縮性不織布との複合体、及びフィルムが挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、スロットコート、スパイラル、ビード適用又は転写のような当該分野において既知の手段によって、フランジの着用者に面する表面に適用され得る。通常、接着剤は、想定される最終用途によって、10g/m2〜2500g/m2、より好ましくは100g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは200g/m2〜1500g/m2の坪量で適用される。例えば、乳児用の糞便処理装置の接着剤の量は、活動性のある成人失禁患者用に設計された糞便処理装置の場合よりも少なくてもよい。
(使い捨て吸収性物品)
本明細書のパーソナルケア物品の他の種類には、おむつ、衛生ナプキン又は月経、パンティライナー、タンポン、汗パッドのような使い捨て吸収性物品が挙げられる。吸収性物品とは、吸収性コアを含有する物品であり、当該技術分野において一般的ないかなる方法によっても作製することができる。着用者に面する表面、典型的には吸収性物品のトップシート表面への本発明の接着剤組成物の適用は、接着剤を適用するために一般に用いられるいかなる周知の技術によっても提供され得るため、当業者にとって重大な問題であるはずはない。最も好ましくは、接着剤は、点又は類似のもののような、小さい漸進的領域のパターンで提供される。
本発明は、ユーザーの皮膚に直接適用される使い捨て吸収性物品に、有益に使用することができる。この物品は、通常、体液に関して吸収性を示し、ユーザーの衣類を汚れから保護するので、ユーザーにとって快適であり、生産及び包装が容易である。
(その他のパーソナルケア製品)
本発明によれば、本明細書の接着剤組成物はまた、他のパーソナルケア製品に適用されてもよい。接着剤は、例えば、皮膚に接着する機能性物品、例えば、皮膚処置物質、クリーム、ローション、ホルモン、ビタミン、防臭剤、薬品のような物質を皮膚に提供する、化粧品又は医薬品送達物品;殺虫剤、吸入薬、香料などのような皮膚から発散させる物質を提供する化粧品又は医薬品送達物品;必ずしも皮膚に取付ける必要はないが、皮膚上で長い滞留時間を必要とする機能性物品、例えば装飾的な化粧品(口紅、アイシャドウ、舞台化粧)、及び洗浄物品(ハンドクリーナー、フェイスマスク、及び衛生的毛穴洗浄剤)などを接着させるための有用性を見出すことができる。このような物品は、好ましくは体液に関して非吸収性である。
また、この接着剤は、物品を皮膚に取付ける用途、例えば、性器、膝用若しくは肘用のプロテクター又は包帯のような保護物品;ブラジャー、手術衣、又は仕立屋で衣類を合わせている間の衣類片のような衣料品;鼻ギプス;胸部の代用品又はかつらのような人工装具;例えば打撲の鎮痛をもたらし腫れを軽減するための冷却ラップ;例えばPCT国際公開特許WO97/36968及びWO97/49361に開示されるような一時的及び慢性的な痛みを緩和するための熱電池を含む保温性ラップ、例えば米国特許第5,728,146号に開示される頚部用ラップ、PCT国際公開特許WO97/01311に例示される膝用ラップ、及び、例えば米国特許第5,741,318号に開示される背中用ラップ;補聴器;保護用のフェイスマスク(有毒物質の吸入の軽減又は防止用);イビキ防止貼付剤、宝石類、イヤリング、変装、入れ墨のような装飾品;ゴーグル又はその他のアイウェア、テープ、包帯、一般的効用の包帯、創傷治癒及び創傷処置装置;並びに生体用皮膚電極、例えばECG、EMG、EEG、TENS電気外科、除細動、顔面/美容用途EMS及び電極;並びに患者のカテーテル、チュービングリード線ケーブルなどを固定する目的の固定製品及び/又は装置を皮膚に取り付ける用途をさらに見出すことができる。
(他の物品)
本発明の接着剤組成物はまた、例えば壁紙、カーペット、接着剤テープなどのような、人の皮膚への取付けを含まない物品に使用されることができる。
本発明を以下の実施例によって説明する。本明細書の実施例全てにおいて組成物は全て、指示のない限り重量%で表示される。
(実施例1)
熱可塑性親水性接着剤組成物は、ホットメルト用の加熱ブレンダー(イタリアのFratelli Erba s.r.I.から入手可能なタイプCOMER3000)にて、140℃〜160℃で以下の成分を溶融化合によって調製した:
Figure 2005535765
組成物は、最大液体吸収能及び液体吸収速度について試験液体として使用される生理学的食塩水溶液に可溶性又は分散性の成分を含有しない。
本明細書に記載される方法に従って液体吸収能及び液体吸収速度について試験された組成物は、0.62g/gの24時間の最大液体吸収能を有していた。試験液体への最初の60秒の含浸において、組成物は、0.26g/g、すなわち24時間での最大液体吸収能の42%を吸収する。
37℃で、1rad/s又は100rad/sの周波数における組成物のレオロジーパラメータは、レオメトリックス(Rheometrics)から入手可能なレオメーターRDAIIを用いて測定され、次のことがわかった:
G’37,1rad/s=2.02・105Pa
G”37,1rad/s=7.66・104Pa
(G’37,100rad/s/G’37,1rad/s)=3.02
(実施例2)
熱可塑性親水性接着剤組成物は、化合された成分が次のものである以外、実施例1と同様に調製された:
Figure 2005535765
組成物は、液体吸収能及び液体吸収速度について試験流体として使用される生理学的食塩水溶液に可溶性の成分であるトリエチルシトレートを9重量%含有する。そのため、本明細書に記載される液体吸収試験方法に従って液体吸収能及び液体吸収速度について試験する場合、試験液体と接触する前の「乾燥」フィルムの参照初期重量は、液体吸収試験の式中[Sdry i−NWdry i]という項で表され、試験される試料においては、乾燥フィルムの実際に測定された重量の91%であると考えられた。このような試験条件下、組成物は、0.48g/gの24時間の最大液体吸収能を示した。試験液体への最初の60秒の含浸において、組成物は、0.28g/g、すなわち24時間での最大液体吸収能の58%を吸収する。
37℃における組成物のレオロジーパラメータは次であることがわかった:
G’37,1rad/s=1.3・104Pa
G”37,1rad/s=4.4・103Pa
(G’37,100rad/s/G’37,1rad/s)=3.42
(実施例3)
熱可塑性親水性接着剤組成物は、化合された成分が次のものである以外、実施例1及び2と同様に調製された:
Figure 2005535765
組成物は、液体吸収能及び液体吸収速度についての試験液体として使用される生理学的食塩水溶液に両方とも可溶性の成分であるトリエチルシトレートを9重量%、及びPVP/VAコポリマーを10重量%含有する。そのため、本明細書に記載される液体吸収試験方法に従って液体吸収能及び液体吸収速度について試験する場合、試験液体と接触する前の「乾燥」フィルムの参照初期重量は、液体吸収試験の式中[Sdry i−NWdry i]という項で表され、試験される試料においては、乾燥フィルムの実際に測定された重量の81%であると考えられた。このような試験条件下、組成物は、0.83g/gの24時間の最大液体吸収能を示した。試験液体への最初の60秒の含浸において、組成物は、0.54g/g、すなわち24時間での最大液体吸収能の65%を吸収する。
37℃における組成物のレオロジーパラメータは次であることがわかった:
G’37,1rad/s=5.04・104Pa
G”37,1rad/s=3.86・103Pa
(G’37,100rad/s/G’37,1rad/s)=6.23
(実施例4)
熱可塑性親水性接着剤組成物は、化合された成分が次のものである以外、実施例1〜3と同様に調製された:
Figure 2005535765
組成物は、液体吸収能及び液体吸収速度についての試験液体として使用される生理学的食塩水溶液に可溶性の成分であるトリエチルシトレートを9重量%、及びPVP/VAコポリマーを10重量%含有する。そのため、本明細書に記載される液体吸収試験方法に従って液体吸収能及び液体吸収速度について試験する場合、試験液体と接触する前の「乾燥」フィルムの参照初期重量は、液体吸収試験の式中[Sdry i−NWdry i]という項で表され、試験される試料において、乾燥フィルムの実際に測定された重量の81%であると考えられた。このような試験条件下、組成物は、0.78g/gの24時間の最大液体吸収能を示した。試験液体への最初の60秒の含浸において、組成物は、0.49g/g、すなわち24時間での最大液体吸収能の63%を吸収する。
37℃における組成物のレオロジーパラメータは次であることがわかった:
G’37,1rad/s=1.2・104Pa
G”37,1rad/s=1.1・104Pa
(G’37,100rad/s/G’37,1rad/s)=8.4
(試験方法)
(液体吸収試験)
液体吸収試験は、本発明の接着剤組成物に含まれる熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの24時間の最大液体吸収能及び液体吸収速度、並びに本発明によるマトリックスに含まれる第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又はポリマー類、及び第2の極性接着熱可塑性ポリマー又はポリマー類の24重量%の最大液体吸収能を測定する。
装置:
− はかり:分析、0.001gの読み取り可能
− オーブン:80℃±3℃の均一温度を維持可能
− 23℃;50%相対湿度の順応室(climatized room)
(フィルムの調製)
試験下の組成物(すなわち、本明細書で規定される熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス)又は純粋なポリマーは、約150μmの厚さを有するフィルムの形態で溶融状態からシリコーン処理された紙に押し出される。次いでフィルムは、室内条件に冷却される。
あるいは、試験下での組成物の構成成分又は試験下での純粋なポリマーは、その溶液のより高い粘度によって、組成物について30重量%の固形分、及び純粋なポリマーについては10重量%の固形分の濃度にて、テトラヒドロフラン(THF)又はその他の好適な溶媒に溶解される。溶液は、RKプリント・コート・インスツルメンツ(RK Print Coat Instruments)から入手可能なマイヤーバー(Mayer Bar)500を用いて、シリコーン処理された紙にコーティングされる。
シリコーン処理された紙上にコーティングされた溶液は、溶媒を完全に蒸発するために、30分間、80℃±3℃のオーブンにて乾燥される。これにより、組成物の溶液から150μmの所望の厚さを有する最終的なフィルムを得る。純粋なポリマー溶液から得られたフィルムは約50μmの厚さを有し、そのためコーティング及び乾燥処理は、150μmの所望の厚さを有する最終的なフィルムを得るために、同一フィルムにあと2回繰り返される。
(試料の調製)
次いで、公称坪量が8g/m2で、コマーシャルコードA08AJOでカンパニー・リノテック(Company Linotec)から入手可能な非吸収性の純粋なポリプロピレンのスパンボンド不織布上にフィルムを置き、接着する。10cm2の面積を有する円形試料を、ジェームスH.ヒール社(James H.Heal Ltd.)から入手可能な円形カッターモデル230/10を用いて切断する。試験の前に、試料を23℃、50%相対湿度に12時間調整する。試験を23℃及び50%相対湿度にて行う。
アルドリッチ(Aldrich)から入手可能なNaClを蒸留水に0.9重量%で溶解させることによって生理学的溶液を調製する。
各組成物又は純粋なポリマーについて10個の試料を同時に試験する。調整された試料の各々を容器に入れ、温度23℃にて上記生理学的溶液50gに完全に含浸させる。1分、5分、30分、90分及び24時間の固定時間きざみで、試料を溶液から一つずつ取り出し、表面の水を全て乾燥布で拭取った後、それらを0.001gまでの概数で直ちに計量する。中間時点では、試料を計量後、液体に再び入れ、同じ手順に従って次の時間間隔で再び計量する。
同時に、フィルムと組み合わせて使用され、上記で説明されたように調整されたものと同じ形状及び面積を有する不織布のみで製造された試料を、同じ方法で試験し、例えば毛管現象によって不織布に保持されているであろう液体を検出する。
試験下で調整された試料も全て、液体と接触する前に常に計量する。
吸収曲線の各点は、使用された10個の試料の平均値から得られる。
各時間間隔において、時間「t」で吸収された液体は、組成物又はポリマーのg/gとして表され、次のように計算される:
吸収された液体={[Swet t−NWwet t]/[Sdry i−NWdry i]−1}
式中:
wet t=t分の含浸後のぬれた試料(フィルム+不織布)の重量
NWwet t=t分の含浸後の純粋な不織布試料の重量
dry i=液体と接触する前の調整された試料(フィルム+不織布)の初期重量
NWdry i=液体と接触する前の純粋な調整された不織布の初期重量
24時間の最大液体吸収能は、それぞれの時間間隔にて5回の測定で得られた最高値によって表される。
液体吸収速度は、1分での液体吸収能によって表される24時間の最大吸収能のパーセンテージに対応する。
本発明による組成物は、特定量(すなわち、全体として、熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスの25%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)の、試験液体に可溶性又は分散性の成分を含有できるので、組成物のフィルムの重量について言及した部分に関する上記式のパラメータSdry iは、試験液体に可溶性又は分散性であると知られた又は考えられる成分又は成分類を含まない組成物の単独の重量分画を参照して計算されることに留意されたい。
また、上記試験において、試験液体に可溶性又は分散性の純粋ポリマーの吸収能を無限であると見なすことに留意されたい。一方、試験液体に可溶性又は分散性の構成成分だけで製造された組成物は、本発明の範囲内ではない。ポリマーは、前記試験液体に少なくとも0.3重量%の濃度で可溶性又は分散性である場合に、可溶性又は分散性であると考えられる。


Claims (18)

  1. 温度37℃での弾性率G’37及び温度37℃での粘性率G”37を有する熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスを含む接着剤組成物であって、前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスが:
    0.02g/g〜5g/g、好ましくは0.05g/g〜3g/g、より好ましくは0.1g/g〜2.0g/gの、本明細書に記載される液体吸収試験に従って測定される24時間の最大液体吸収能;
    本明細書に記載される液体吸収試験に従って測定される液体吸収速度であって、1分間の前記液体吸収能が、24時間の前記最大液体吸収能の少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%となるような液体吸収速度;
    100Pa〜500.000Pa、好ましくは1.000Pa〜100.000Pa、より好ましくは3.000Pa〜70.000Paの範囲の前記弾性率G’37(1rad/s);
    50Pa〜200.000Pa、好ましくは300Pa〜50.000Pa、より好ましくは500Pa〜30.000Paの範囲の前記粘性率G”37(1rad/s);
    20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下の比G’37(100rad/s)/G’37(1rad/s)
    を有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記接着剤組成物が、少なくとも200g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも500g/m2・24hの湿蒸気透過率を有することを特徴とし、前記湿蒸気透過率が、少なくとも20μの厚さを有する前記接着剤組成物の連続層にてASTM E−96B試験方法に従って測定される、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスが:
    第1の極性粘着熱可塑性ポリマー、又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド、
    第2の極性接着熱可塑性ポリマー、又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド、
    相溶性の可塑剤、又は相溶性の可塑剤類のブレンド、
    任意に、粘着付与樹脂、又は粘着付与樹脂類のブレンド
    を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー、又は前記極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンドの少なくとも1つのポリマーが、熱可塑性エラストマーであることを特徴とする、請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. 前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー、又は前記極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド中の少なくとも1つのポリマーが、少なくとも0.01g/g、好ましくは少なくとも0.02g/g、より好ましくは少なくとも0.05g/gの24時間の最大液体吸収能を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の接着剤組成物。
  6. 前記第2の極性接着熱可塑性ポリマー、又は前記極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド中の少なくとも1つのポリマーが、少なくとも0.01g/g、好ましくは少なくとも0.02g/g、より好ましくは少なくとも0.05g/gの24時間の最大液体吸収能を有することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
  7. 前記第1及び第2の熱可塑性ポリマー、又はそれぞれの熱可塑性ポリマー類のブレンドが、全体として、0.01g/g未満の24時間の最大液体吸収能を有する熱可塑性ポリマー又はポリマー類を70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下で含むことを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の接着剤組成物。
  8. 前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスが:
    前記マトリックスの1重量%〜50重量%、好ましくは3重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜25重量%の、前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンド、
    前記マトリックスの1重量%〜80重量%、好ましくは3重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜50重量%の、前記第2の接着熱可塑性ポリマー又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンド、
    前記マトリックスの5重量%〜85重量%、好ましくは7重量%〜75重量%、より好ましくは10重量%〜60重量%の、前記相溶性可塑剤又は相溶性可塑剤類のブレンド、及び
    前記マトリックスの0重量%〜45重量%、好ましくは5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の、前記粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンド
    を含むことを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の接着剤組成物。
  9. 前記第1の極性粘着熱可塑性ポリマー又は極性粘着熱可塑性ポリマー類のブレンドが、ポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエステル類及びコポリエステル類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;ポリアミド類及びコポリアミド類;ビニルアセテート含量が少なくとも28%のポリエチレンビニルアセテート;ポリエチレンアクリル酸エステル及びポリエチレンメタクリル酸エステルのコポリマー類;ポリエチレンアクリル酸コポリマー類;ポリエチレンビニルアルコールコポリマー類;挿入若しくはグラフト化によって、又は極性の高い基類/モノマー類、例えば無水マレイン酸又は無水コハク酸、一酸化炭素基、スルホン酸基などとの共重合によって極性が修正されているスチレン性ブロックコポリマー類及びポリオレフィン類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択され;好ましくはポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;スチレン−エチレン−ブチレン−無水マレイン酸コポリマー類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択され;より好ましくはポリウレタン類;ポリエーテル−、ポリエステル−及びポリエーテルエステル−アミドブロックコポリマー類;アイオノマー類;ポリエーテルエステルブロックコポリマー類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択されることを特徴とする、請求項3〜8のいずれかに記載の接着剤組成物。
  10. 前記第2の極性接着熱可塑性ポリマー又は極性接着熱可塑性ポリマー類のブレンドが、スルホン化ポリエステル類;熱可塑性ポリアクリレート類;ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー類、例えばポリビニルピロリドンビニルアセテートコポリマー;ポリビニルエーテル類;ポリビニルアルコール;ポリエチレンオキシド;ポリケトン類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択され;好ましくはスルホン化ポリエステル類;熱可塑性ポリアクリレート類;ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー類;ポリビニルエーテル類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択されることを特徴とする、請求項3〜9のいずれかに記載の接着剤組成物。
  11. 前記相溶性の可塑剤、又は相溶性の可塑剤類のブレンドが、クエン酸エステル類、酒石酸エステル類、安息香酸エステル類、スクロースエステル類、トリ−メリテート類、ソルビトール、尿素、エポキシ化植物油類、重合植物油類、ヒマシ油及びその誘導体類、フタレート類、液状ポリエステル類、液状ポリアミド類、グリコレート類、芳香族スルホンアミド類、多価アルコール類及びそれらのエステル類、グリセロール及びそのエステル類、ペンタエリスリトール及びそのエステル類、グリコール類及びポリグリコール類並びにそれらのエステル類及びエーテル類、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー類、ソルビタンエステル類、ホスフェート類、乳酸及びそのエステル類、モノ−及びジカルボキシ脂肪酸類(C8〜C22)及びそれらのエステル類、ベースのエステル1モルあたり1〜40モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを分子鎖に挿入することによって親水性が修正されたモノ−及びジカルボキシ脂肪酸類(C8〜C22)のエステル類、ポリエーテル類及びそれらの誘導体類、並びにこれらのブレンドから成る群から選択され;好ましくはクエン酸エステル類、芳香族スルホンアミド類、ベンゾエート類、グリコール類及びポリグリコール類並びにそれらのエステル類、グリセロール及びそのエステル類;並びにこれらのブレンドから成る群から選択されることを特徴とする、請求項3〜10のいずれかに記載の接着剤組成物。
  12. 前記任意の粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂類のブレンドが、ロジン類及びロジンエステル類、芳香族及び脂肪族−芳香族樹脂類、テルペン及びテルペン−フェノール樹脂類、芳香族アクリル樹脂類、並びにこれらのブレンドから成る群から選択され;好ましくはロジン類及びロジンエステル類、芳香族アクリル樹脂類、並びにこれらのブレンドから成る群から選択される、請求項3〜11のいずれかに記載の接着剤組成物。
  13. 前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスが、前記マトリックスの25重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下の、1以上の構成成分を含み、この構成成分が、水に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する食塩水溶液に可溶性又は分散性であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の接着剤組成物。
  14. 前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックスが、周波数1rad/sにて5ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは10ポアズ<η*<2002000ポアズ、より好ましくは10ポアズ<η*<1000ポアズ、及び周波数1000rad/sにてη*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズの範囲の複素粘度(η*)を有することを特徴とし、前記複素粘度(η*)が110℃〜210℃、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは140℃〜170℃を含む処理温度(T)におけるものである、請求項1〜13のいずれかに記載の接着剤組成物。
  15. 前記熱可塑性親水性均一ポリマーマトリックス中に分散した無機固体充填剤化合物又は無機固体充填剤化合物類のブレンドを含むことを特徴とし、前記充填剤化合物又は化合物類のブレンドが、好ましくはシリカ、酸化亜鉛、及びゼオライト類から成る群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の接着剤組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の接着剤組成物を含む使い捨て人排泄物処理装置であって、前記装置が開口、並びに着用者の泌尿生殖器及び/又は肛門周囲の領域に接着剤で取付けるための、この開口を囲むフランジを有する袋を含み、前記フランジが、前記接着剤組成物を含む着用者に面する表面を有する装置。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の接着剤組成物を含む使い捨て吸収性物品であって、前記物品が、吸収性コア、及び前記接着剤組成物を含む着用者に面する表面を含む物品。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載の接着剤組成物を含むパーソナルケア物品であって、前記接着剤組成物が、皮膚に活性物質を放出できる活性剤を含む物品。

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