JP2005533999A - 受容体滞留時間を測定するリガンドの同定方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、受容体の本来の機能の調節に応答する疾患の治療においてin vivoで有効であると予測される、その受容体に対するリガンドを同定する目的で、リガンドのその受容体上での受容体滞留時間をin vitroで測定するアッセイの使用に関するものである。
Description
方法
本発明は、臨床的に有効であると予測されるリガンドを同定する手段として受容体の占有を測定するアッセイを用いることに関するものである。特に、本発明は、長い受容体滞留時間を抗ウイルス活性、特に抗HIV活性の指標として用いて、CCR5受容体のリガンドを同定することに関するものである。
本発明は、臨床的に有効であると予測されるリガンドを同定する手段として受容体の占有を測定するアッセイを用いることに関するものである。特に、本発明は、長い受容体滞留時間を抗ウイルス活性、特に抗HIV活性の指標として用いて、CCR5受容体のリガンドを同定することに関するものである。
研究及び開発により多くの金銭をかけているにもかかわらず、患者まで到達する新薬の数がめったに投資に釣り合わないことから、超大型の薬剤を創り出すことはますます困難になっている。潜在的な新薬の脱落は概して安全性の問題に起因し、そして発見から臨床まで化合物が残る割合は、薬品産業が直面する最も差し迫った問題の一つになってきている。
臨床相に至るまでの費用は、およそ2000万ドル(ほぼ1300万ポンド)となり得る。10〜15化合物毎に対してたった一つが臨床相に残る。ひとたび化合物が十分なin vitro活性を示し、そして動物においてすでに試験されたなら、費用は急に上昇する。
健常ボランティアにおける第一相試験には、一試験化合物につき平均2000万ドル(1300万ポンド)の費用がかかり、そして二つの化合物のうちおよそ一つが脱落する。適当な用量を検討するためのヒトにおける第二相試験では、一化合物につき平均して4000万ドル(2600万ポンド)の費用がかかり、そして二つのうちおよそ一つが脱落する。有効性をプラセボまたは他の頻用される製品に対して決定する、大きな患者集団における世界各国での第三相二重盲検試験には、平均5億6000万ドル(3億6000万ポンド)の費用がかかる。5億6000万ドルの第三相試験は、製品の総費用の70%であり、そして、残る可能性は平均してたった58%である。
新薬の最終段階は、承認または登録のための出願である。検討された何千もの患者には、それぞれ平均50ページのファイルがあり、そして費用は約1億300万ポンドである。さらに、厳密でそして厳格なガイドラインにより、新薬のおよそ74%だけが承認されることになる。
したがって、残る可能性のほとんどないこれらの化合物を臨床段階に進む前に脱落させることが重大である。薬物安全性評価、臨床における前例、及び分子の安全性またはメカニズムについての知識のみならず、薬物動態及び薬物代謝試験も、すべて、臨床における潜在性について化合物を評価する際に貴重でそして不可欠なデータを提供する。しかしながら、化合物の潜在的な臨床有効性を開発初期に予測することが、明らかに望ましい。
HIVに誘導されるAIDS(後天性免疫不全症候群)は、ほぼ20年前に最初に記載されたにもかかわらず、非常に大きな集団の病気であり続けている。2002年の終わりまでに世界中に4000万人以上のHIV感染者がいたと推定される(UNAIDS/WHO。AIDS流行性の最新情報:2002年12月、http://www.unaids.org/worldaidsday/2002/press/epupdate.html)。
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)は、免疫系細胞を攻撃し、身体に感染及び疾
患を撃退する能力を失わせる。感染の過程で、CD4 T細胞(感染と戦う白血球)は無能力となりそして殺され、その数が減少する。大部分の場合において、HIV−1の感染は進行性の疾患、そして最終的にはAIDS及び死をもたらす。
患を撃退する能力を失わせる。感染の過程で、CD4 T細胞(感染と戦う白血球)は無能力となりそして殺され、その数が減少する。大部分の場合において、HIV−1の感染は進行性の疾患、そして最終的にはAIDS及び死をもたらす。
残念なことに、現在利用可能である最も強力な薬物治療をもってしても、HIV−1がこれまでに遭遇した最も急速に変異するウイルスの一つであるという事実にも一部起因し、HIV−1を抑制することは、依然として信じられないほど苛立たしい課題である。最近の開発により、HIV−1の複製を低減させる、高活性抗レトロウイルス療法(HAART)として知られる強力な3剤カクテルが使用されるようになった。HAARTは、現在のところ、ウイルスのライフサイクルにおける二つの異なる段階を標的とし、そして、少なくとも1つのウイルスプロテアーゼの阻害剤と組み合わせた、2つまたは3つのウイルス逆転写酵素阻害剤からなる。この併用抗レトロウイルス療法は、多くの患者においてウイルス量の劇的な低減を生じ、CD4細胞が減少する速度を減少させ、そしてAIDSへの進行を減少させる。しかしながら、これらの薬剤のいくつかの副作用プロファイルによって長期のアドヒアランスは困難となり、そして薬剤耐性の出現が重大な問題となる。さらに、感受性試験は、最良の治療でさえも完全にウイルスの複製を抑制できないことを示す。HIV−1は信じられないほど速い速度で変異するため、いかなるウイルス複製によっても薬剤耐性変異体が出現する可能性が与えられる。ひとたびHIV−1が変異すると、感染個体に対して実行可能な治療の選択肢はほとんど残らない。
現在のところ、ほとんどの患者は、不耐性または耐性のいずれか(または両方の組み合わせ)により、最終的には既存の3種類の薬剤の併用療法に失敗するであろうし、それゆえに、より耐容性良好でありそして便利に投与されるHIV−1/AIDS治療用薬剤に対して、高い医学的必要性が残ったままである。一つの新しいアプローチは、宿主細胞での侵入阻害を介するものであり、この一例はCCR5共受容体の遮断を介するものである。
−ヒト細胞に侵入するには、HIV−1は表面抗原分類(CD)CD4受容体及びCD4 T細胞表面に位置するケモカイン共受容体(CCR5またはCXCR4のいずれか)に結合しなければならない。CD4受容体のみへの結合は、細胞をHIV−1感染に対して感受性にするのに十分でない。マクロファージ指向性(M−tropic)HIV分離株は、サブタイプに関係なく、β−ケモカイン受容体CCR5を主に利用し、そしてR5ウイルスと称される。R5ウイルスは選択的に伝染し、そして初期の無症候性疾患において優位である。CCR5からCXCR4へケモカイン受容体の利用が切り替わることは、無症候性感染からAIDSへの移行を示している可能性がある。共受容体の切替が病気の進行に寄与するのか、あるいは病気の進行の結果として生じるのかは、分かっていない。
CCR5を介した阻害は、二つの理由によりとりわけ魅力的な薬物標的である。まず第一に、上述のように、新たな感染を確立するウイルスは概してCCR5指向性である。したがって、CCR5を介した感染の阻害に成功すると、伝染の確率を有意に減少できる可能性がある。第二に、CCR5遺伝子における自然発生的な32塩基対の欠失(CCR5Δ32)についてホモ接合性であり、そしてそれゆえにCCR5受容体を欠失する個体は、見かけ上は免疫学的に正常である。これらの個体はHIVのR5株による感染に対しても耐性であり、そしてこのCCR5欠失についてヘテロ接合性である人では、AIDS及び死への進行がより遅いことが示されている。異なった遺伝子多型の頻度は、集団間で変わる。CCR5Δ32は、北ヨーロッパで最も優勢であり(16%の対立遺伝子頻度)、南ヨーロッパ出身の個体においてはあまり一般的でなく(4%)、そしてアフリカの集団においては極めて稀である。白人人種の約1%は、CCR5Δ32についてホモ接合性であり、そして実験的「ノックアウト」動物のヒトにおける同等物に事実上相当する。
ケモカイン受容体は、主として免疫系細胞の表面に見つけられる7回膜貫通型分子である。これらの受容体分子がそのリガンド、すなわちケモカイン、に結合すると、最終的には免疫系細胞を組織損壊部位または疾患部位に誘導する結果となる。
CCR5(CCケモカイン受容体5)は、マクロファージ指向性(M−tropic)HIV−1株に対する主要な共受容体であり、そしてミクログリア指向性HIV−1初代分離株に対する主要な共受容体であるとも思われる。CCR5受容体の推定生理学的リガンドは、ケモカイン類であるマクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1α)、MIP−1β及びRANTES(Regulated upon Activation,Normal T Expressed,and Secreted)である。第二細胞外ループからなる単一領域がケモカイン結合に主に関与するように思われるが、HIV−1共受容体活性にはCCR5の複数の細胞外領域が関与している。
HIV感染のマクロファージ指向期において、ウイルスはマクロファージを好み、マクロファージ表面上の分子CD4及びCCR5に(ウイルスのgp120タンパク質を介して)結合することによってマクロファージに侵入する。しかしながら、最終的には、HIV−1は両指向性となることが可能である。このような株は、CD4を保有するT細胞上にあるCXCR4タンパク質を認識することが可能なgp120分子を産生する。この期には、HIV−1はマクロファージとT細胞の両方に感染する可能性がある。さらにその後、ウイルス集団の大分部はその嗜好性をCXCR4受容体に切り替える可能性があり、T指向性(T−tropic)となる。T指向性のウイルスは感染したT細胞を容易に破壊し、免疫系の崩壊及びAIDSの発症に寄与する。あるいは、HIV−2の特定の株などのいくつかのウイルスは、CXCR4に付着することが可能であり、直ちにAIDSへと導く。
生物学的に機能的なCCR5受容体がなくても宿主に有害であるようにみえないことから、CCR5欠失の保護的効果を模倣するよう薬剤を開発できるのではないかという希望がある。野生型で発現する受容体を、適切に構築されたこれらの分子のアゴニストまたはアンタゴニストを用いて遮断することが、可能性に含まれる。アナログが強力で非毒性であって優れた薬理学的プロファイルを示し、そして経口投与可能であることを確実にすることが、依然として課題である。
強力なCCR5のアンタゴニストである化合物は、例えば、特許出願WO 00/38680、WO 00/39125またはEP 1013276において同定されており、その開示を本明細書では参照によって援用する。しかしながら、我々の研究では、前臨床試験においてCCR5アンタゴニストの高い結合親和性が示されても、必ずしも化合物の同等に高い抗ウイルス活性、特に優れた臨床有効性に変換されないことが明白となってきている。実際に、公知の前臨床的方法を用いて臨床有効性を予測することは依然として課題であり、臨床試験において、潜在的に有効でない化合物の不必要でそして費用のかかる使用を招く結果となる。
本発明は、リガンドまたはモジュレーターによる受容体のオフセット時間または機能的な占有が、リガンドまたはモジュレーターのin vivoにおける有効性及び薬力学へ指針を与えるという観測に基づいている。特に、出願人は、受容体への非常に類似した結合親和性を有する化合物が、受容体上において著しく異なる滞留時間を示すことを発見したが、このことは抗ウイルス効力の改良につながる可能性がある。このように、本発明の目的は、良好な薬力学及び改良された効力に対する潜在性、ならびにその結果として化合物の臨床有効性を、前臨床データからより正確に予測し得る方法を提供することである。
ある側面から、本発明は、受容体の本来の機能の調節に応答する疾患の治療においてin vivoで有効であると予測される、その受容体に対するリガンドを同定する目的で、リガンドのその受容体上での受容体滞留時間をin vitroにて測定するアッセイを用いることにある。
別な言い方をすれば、本発明は、受容体の本来の機能の調節に応答する疾患に対して高い効力及び/または臨床有効性を有するリガンドを同定する方法に関するものであって、リガンドの受容体上での滞留時間を測定しそして所望の結合滞留に基づいてリガンドを選択することを含む方法に関するものである。
本明細書では、受容体に対する「リガンド」とは、受容体に結合し、そしてそれによって受容体の本来の機能を調節するあらゆる化合物を指す。この語には、限定されるわけではないが、ペプチド、修飾ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、及び、合成化合物、天然化合物または小有機分子といった小分子リガンドが含まれる。あるいは、リガンドは、抗体もしくは抗体フラグメント、または、核酸もしくは核酸由来物質であってもよい。
本明細書では、「滞留時間」とは、リガンドがその受容体に結合している状態に費やされる平均時間、すなわち、リガンドのその受容体に対する「オン」状態と「オフ」状態の間の平均時間を指す。別な言い方をすれば、この語は、リガンドが結合した結果として、ケモカインなどの天然のリガンドまたはHIV糖タンパク質などの侵入分子が結合できない状態に受容体がある間の時間を指す。
滞留時間は「受容体の占有」ともみなされ、そしてリガンドのオフ速度、解離速度またはオフセット速度を測定するいずれの方法によって測定されてもよい。典型的な方法は、標識リガンドを、例えば受容体を発現している細胞またはこのような細胞由来の膜調製物といった適切な受容体とともに平衡に達するまでインキュベートする工程を含む。次いで、過剰の非標識リガンドを加え、そして受容体に結合している標識リガンド量を所望の時間間隔で測定する。標識は、リガンドのその受容体への結合に影響を与えないいずれの検出可能なタグであってもよい。好ましくは、3H、14C、32Pまたは125Iといった放射性標識がリガンドに組み込まれ、最も好ましくは3Hである。
好ましくは、受容体滞留時間は、少なくとも1時間、少なくとも3時間、少なくとも6時間、またはより好ましくは、少なくとも9時間である。特に、リガンドの受容体上における機能的な占有が長ければ長いほど、そのリガンドの臨床効果は長くなり、それによって患者に投与される必要のある投与回数が低減する。
本発明によって同定されるリガンドは、受容体に対するアゴニストであってもよいが、しかし、好ましくはアンタゴニストである。好ましくは、受容体はGタンパク質共役受容体であり、最も好ましくはケモカイン受容体CCR5である。
リガンドの受容体滞留時間(または臨床有効性)は、抗ウイルス活性、好ましくは抗HIV活性の予測因子であってもよい。
特に、本発明は、アンタゴニストのCCR5上での滞留時間を測定しそして長い滞留時間を有するリガンドを選択することによって、強力な抗ウイルス活性及び臨床有効性を示すであろうCCR5アンタゴニストを選択する方法を提供する。
特に、本発明は、アンタゴニストのCCR5上での滞留時間を測定しそして長い滞留時間を有するリガンドを選択することによって、強力な抗ウイルス活性及び臨床有効性を示すであろうCCR5アンタゴニストを選択する方法を提供する。
別の側面から、本発明は、受容体に対する多数のリガンドのそれぞれの受容体滞留時間を測定することを含み、そして、滞留時間が少なくとも一つの他のリガンドの滞留時間よりも長い少なくとも一つのリガンドをさらなる研究のために選択することを含む研究方法
に関するものである。
に関するものである。
さらなる側面から、本発明は、与えられた受容体に対する多数のリガンドをその受容体と接触させ、各リガンドの受容体結合親和性及び受容体滞留時間を測定し、その測定された結合親和性及びその受容体滞留時間の産物であるランク値を各リガンドに割り当て、そして選ばれた切り捨てランク値よりも大きなランク値を有する一つ以上のリガンドをさらなる研究のために選択する、ことを含む研究方法にある。
効力及び/または臨床有効性は、リガンドがその標的受容体に滞留している間に示す機能的な効果に関連する。これは、例えばT細胞へのウイルス侵入を阻害するなどの、受容体のアゴニストまたはアンタゴニストが有する可能性のあるいかなる効果であってもよい。好ましい態様において、その効果とは、抗ウイルス効果、好ましくは抗HIV効果である。
所望の滞留時間は、ある条件については短くてもよく、またある条件については長くてもよい。本発明の好ましい態様において、所望の滞留時間は少なくとも一時間、好ましくは少なくとも三時間、さらに好ましくは少なくとも六時間であり、最も好ましくは少なくとも九時間である。
その上さらなる側面において、本発明は、本発明の方法によって選択されたリガンドに関するものである。
「受容体」の語は、幅広く理解されるべきであり、受容体、酵素、イオンチャネル、接着分子、抗体を非限定的に含む、先に定義したようなリガンドに対する結合部位を含むいかなる分子に関連してもよい。好ましくは、受容体は細胞中または細胞上に見られる受容体であり、その細胞は好ましくは哺乳動物細胞、よりいっそう好ましくはヒト細胞である。好ましくは、受容体は細胞表面受容体であり、よりいっそう好ましくはGタンパク質共役受容体、よりいっそう好ましくはケモカイン受容体である。本発明に対する最も好ましい受容体は、CCR5ケモカイン受容体である。
「受容体」の語は、幅広く理解されるべきであり、受容体、酵素、イオンチャネル、接着分子、抗体を非限定的に含む、先に定義したようなリガンドに対する結合部位を含むいかなる分子に関連してもよい。好ましくは、受容体は細胞中または細胞上に見られる受容体であり、その細胞は好ましくは哺乳動物細胞、よりいっそう好ましくはヒト細胞である。好ましくは、受容体は細胞表面受容体であり、よりいっそう好ましくはGタンパク質共役受容体、よりいっそう好ましくはケモカイン受容体である。本発明に対する最も好ましい受容体は、CCR5ケモカイン受容体である。
「結合親和性」の語は、競合アッセイなど、当該技術分野において周知の従来の結合アッセイによって測定されてもよい、リガンドの結合に関するものである。典型的には、目的の受容体を発現している細胞から得た膜調製物を、この受容体に対する公知の標識リガンドとともに、可能な総結合の約50%を与える標識リガンド濃度でインキュベートすることになる。試験化合物が結合に関して標識リガンドと競合する能力を測定するために、パラレルアッセイチューブ中には、非標識の競合する試験リガンドが種々の量で含まれる。次いで、競合曲線を、用いた試験リガンドの濃度をx軸上に、そして結合した標識量をy軸上にプロットして作成する。このような実験から、KD、IC50(すなわち、標識リガンドの50%を置換する競合するリガンドの濃度)またはIC90(すなわち、標識リガンドの90%を置換する競合するリガンドの濃度)値を算出してもよい。当業者が用いて算出するのに精通しているであろう、そしてどの基本的な薬理学の教科書にも見つけることが可能な、リガンドの結合親和性を表す多くの方法がある。
「ケモカイン受容体」とは、走化性サイトカインであるタンパク質、すなわち白血球走化性因子として白血球を引き付ける能力を有するタンパク質の大きなファミリーに対する受容体を指す。ケモカイン類はある重要な構造的特徴を共有し、そして、そのほとんどがGタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属する受容体ファミリーに結合する。ケモカイン類及びその受容体は炎症性及び感染性疾患の病態生理学の中核を成し、そして、ケモカイン類及びその受容体の活性を調節、好ましくはアンタゴナイズする活性がある薬剤は、こういった炎症性及び感染性疾患の治療において有用である。
「CCR5」とは、β−ケモカイン類であるRANTES、MIP−1α及びMIP−1βの細胞受容体であるケモカイン受容体を指す。CCR5は、HIVエンベロープ糖タンパク質であるgp120に結合し、HIV感染における重要な受容体であるとも確認されている。CCR5に関する背景の手引きは、WO 97/32019に見つけることが可能であり、本明細書ではその開示を参照によって援用する。
「HIV」とは、AIDSを引き起こす病原体であると推測される、ヒト免疫不全ウイルスを指す。この件に関しては豊富な文献があり;元はHTLV−IIIと称されたHIVの最も初期の文献の一つは、Ratnerら、Nature 313,277−284,1985に記載されている。
本発明は、例として、以下の図を参照して、さらに記載されるであろう。
本発明は、4つの化合物を用いて例証されており、ここで:
−化合物Aは、WO 01/90106における実施例4で;
−化合物Bは、WO 01/38680における実施例34で;
−化合物Cは開示されておらず;そして
−化合物Dは、PCT/IB/03/01220における実施例33である。
本発明は、4つの化合物を用いて例証されており、ここで:
−化合物Aは、WO 01/90106における実施例4で;
−化合物Bは、WO 01/38680における実施例34で;
−化合物Cは開示されておらず;そして
−化合物Dは、PCT/IB/03/01220における実施例33である。
(実施例1:化合物のCCR5への結合)
化合物を、”Combadiereら、J.Leukoc.Biol.60,147−152(1996)”に開示された手順にしたがい、CCR5親和性に関してアッセイして試験した。化合物A〜Dはすべて、CCR5との結合に対するIC50が10nM未満であった(データは示さない)。
(実施例2:ケモカインを介したCCR5のインターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害)
1.RANTESを介したCCR5のインターナリゼーションを動的に阻害することによってFACS(蛍光活性化細胞選別)解析により測定される、300.19細胞上でのCCR5の機能的な占有
アンタゴニストによるCCR5受容体の物理的な占有は、放射性リガンドの解離試験を用いて測定可能である。全細胞におけるCCR5受容体上でのアンタゴニストの機能的な占有は、対応するケモカインを介した受容体のインターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害を測定することによって評価することが可能である。これらの測定は、蛍光活性化細胞選別(fluorescence activated cell sorting、FACS)の技術を用いて行うことが可能である。細胞洗浄によってアンタゴニストを除去した後の、ケモカインを介したCCR5のインターナリゼーションの阻害の延長が、CCR5の機能的な占有の測定値である。
化合物を、”Combadiereら、J.Leukoc.Biol.60,147−152(1996)”に開示された手順にしたがい、CCR5親和性に関してアッセイして試験した。化合物A〜Dはすべて、CCR5との結合に対するIC50が10nM未満であった(データは示さない)。
(実施例2:ケモカインを介したCCR5のインターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害)
1.RANTESを介したCCR5のインターナリゼーションを動的に阻害することによってFACS(蛍光活性化細胞選別)解析により測定される、300.19細胞上でのCCR5の機能的な占有
アンタゴニストによるCCR5受容体の物理的な占有は、放射性リガンドの解離試験を用いて測定可能である。全細胞におけるCCR5受容体上でのアンタゴニストの機能的な占有は、対応するケモカインを介した受容体のインターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害を測定することによって評価することが可能である。これらの測定は、蛍光活性化細胞選別(fluorescence activated cell sorting、FACS)の技術を用いて行うことが可能である。細胞洗浄によってアンタゴニストを除去した後の、ケモカインを介したCCR5のインターナリゼーションの阻害の延長が、CCR5の機能的な占有の測定値である。
方法
すべてのアッセイ/試薬は、特に明記しない限り、室温にて行った/使用した。
細胞培養: 300.19細胞(組換えによりヒトCCR5を発現しているマウス前B細胞系)を、75cm2細胞培養フラスコ中の増殖培地中で、37℃にて2〜3日間、加湿された5%(v/v)二酸化炭素インキュベーターで培養した。細胞継代に関しては、懸濁細胞を1x105〜2x105個に分割することをルーチンで行った。
すべてのアッセイ/試薬は、特に明記しない限り、室温にて行った/使用した。
細胞培養: 300.19細胞(組換えによりヒトCCR5を発現しているマウス前B細胞系)を、75cm2細胞培養フラスコ中の増殖培地中で、37℃にて2〜3日間、加湿された5%(v/v)二酸化炭素インキュベーターで培養した。細胞継代に関しては、懸濁細胞を1x105〜2x105個に分割することをルーチンで行った。
細胞調製: 使用した各75cm2フラスコから得た細胞を、卓上遠心分離機にて1500rpmで5分間遠心分離した。細胞ペレットを、最小容量のRPMI(10%FBS)培地(材料を参照されたい)中に再懸濁し、セデックス細胞計数器(材料を参照されたい)でカウントし、そして同じ培地中に希釈することによって細胞密度を5x106/mlに調整した。
アンタゴニスト、抗体、及びケモカインの調製: CCR5アンタゴニストを、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に1mMの濃度で溶解し、そして、10nM〜1000nMの濃度でin situにおけるFACSアッセイ試験を可能とするように、RPMI(10%FBS)細胞培地中に希釈した。
抗CCR5抗体(2D7−材料を参照されたい)を、0.5%BSA/PBS中に1:10で希釈した。IgG2a抗体(アッセイ用アイソタイプ対照−材料を参照されたい)を、0.5%BSA/PBS中に1:10で希釈して用いた。抗2D7フィコエリトリン(PE)標識ヤギ抗マウス二次抗体(材料を参照されたい)を、0.5%BSA/PBS中に1:20で希釈して用いた。
CCR5についての対応するアゴニストのケモカインリガンドであるRANTES(Regulated on Activation,Normal T−Expressed and Secreted)を、PBS中に可溶化した。凍結乾燥した材料(10μg−材料を参照されたい)をPBS中に再懸濁して、100μMの濃度とした。次いで、最終濃度が1000nM(アッセイにおいて100nMの最終濃度)となるように、RPMI(10%FBS)中に希釈した。
5x106細胞/mlの300.19細胞(100μl)を各アッセイチューブに加えた。CCR5アンタゴニスト(10μl)またはビヒクル(RPMI(10%FBS))を、in situにおいて10から1000nMまで濃度を変えてプロファイリングすることを可能とするように、適切なアッセイチューブに加えた。アンタゴニストの細胞への結合を可能とするため、チューブを4℃にて45分間インキュベートした。アンタゴニストによるCCR5占有の延長を検討するため、試料を、存在するアンタゴニストと一緒のままにしておくか、または、遠心分離(卓上遠心分離機で1500rpm)しそして1000μlのRPMI(10%FBS)中で二度洗浄した。洗浄した試料の半分を1000μlの同じ培地中に再懸濁し、そして、FACSアッセイを通じて処理する前に、1時間半、回転プラットフォーム上に置いた。洗浄した試料のもう一方の半分は、洗浄しなかった試料(すなわち、アンタゴニストが存在)とともに、直ちに処理した。
CCR5のインターナリゼーションを誘発するため、RANTES(10μl)を試料に加えた後、続いて37℃にて45分間インキュベートした。試料を遠心分離し(卓上遠心分離機で1500rpm)、そして0.5%BSA/PBS中で二度洗浄した。洗浄した試料を40μlの同じバッファーに再懸濁した。次いで、2D7抗体またはアイソタイプ対照(10μl)を試料に加えた後、抗体のCCR5への結合を可能にするため、続いて4℃にて45分間インキュベートした。
次いで、試料を0.5%BSA/PBSで一度洗浄した後、続いて75μlのフィコエリトリン(PE)−ヤギ抗マウス二次抗体(0.5%BSA/PBS中に1:20で希釈)を加えて、結合を可能にするため4℃にて45分間、暗所でインキュベートした。続いて、試料を遠心分離し(卓上遠心分離機にて1500rpmで5分間)、100μlの0.5%BSA/PBS中で二度洗浄し、そして固定するため、1000μlの1%ホルムアルデヒド/PBS中に再懸濁した。固定された細胞を、ベクトン・ディッキンソンのFACSCaliburにおいて処理し、RANTESを介したCCR5のインターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害及びその結果としての機能的なCCR5の占有を評価するために、各アッセイにおける細胞上の蛍光レベルを測定した。FACSCaliburアッセイには、それぞれ488nm/530nmの励起/発光波長を用い、供給者の取扱説明書にしたがってセル・クエスト・ソフトウエアを使用して実行した。
材料
培地:NaHCO3含有、L−グルタミン非含有のRPMI−1640培地 1x500ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:31870−025);200mM L−グルタミン 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:25030−024);ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000U/mlペニシリン、10,000μg/mlストレプトマイシン) 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:15140−122);ウシ胎児血清(FBS) 50ml −シグマ・アルドリッチ(カタログ番号:F7524);1M HEPESバッファー 5ml −シグマ H−0887;純2−メルカプトエタノール 2μl −シグマ M−3148。
培地:NaHCO3含有、L−グルタミン非含有のRPMI−1640培地 1x500ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:31870−025);200mM L−グルタミン 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:25030−024);ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000U/mlペニシリン、10,000μg/mlストレプトマイシン) 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:15140−122);ウシ胎児血清(FBS) 50ml −シグマ・アルドリッチ(カタログ番号:F7524);1M HEPESバッファー 5ml −シグマ H−0887;純2−メルカプトエタノール 2μl −シグマ M−3148。
225cm2組織培養処理細胞培養フラスコ −コースター(Costar)(カタログ番号:3001);セデックス・イノヴァティス細胞計数器;イノヴァティス試料カップ(カタログ番号:600050000);加湿された37℃、5%二酸化炭素のインキュベーターセット;デンリーBR401冷却遠心分離機。
アッセイ試薬:
アッセイバッファー:RPMI(10%FBS);RPMI −ギブコ・BRL(カタログ番号:31870−025);FBS −シグマ(カタログ番号:F7524)。
アッセイバッファー:RPMI(10%FBS);RPMI −ギブコ・BRL(カタログ番号:31870−025);FBS −シグマ(カタログ番号:F7524)。
洗浄バッファー:0.5%BSA/PBS;BSA−アルブミン、ウシ画分V −シグマ A4503;Ca2+及びMg2+非含有ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(PBS) −ギブコ・BRL(カタログ番号:14190−094)。
消耗品:DMSO組織培養グレード −シグマ(カタログ番号:D−8418);アッセイチューブ:ミクロ遠心分離チューブ −コースター(カタログ番号:3621);FACSチューブ:ファルコンチューブ −ベクトン・ディッキンソン(カタログ番号:35 2054);ラボシステムズ・フィンピペット サーモ・ライフ・サイエンスイズ(カタログ番号:4500/090/050);1mlピペットチップ −サーモ・ライフ・サイエンスイズ(カタログ番号:9401103);250μlピペットチップ −サーモ・ライフ・サイエンスイズ(カタログ番号:9400263);LMS冷却インキュベーター;ベクトン・ディッキンソンFACSCalibur −セル・クエスト・ソフトウエア;1%ホルムアルデヒド/PBS:ホルムアルデヒド −シグマ カタログ番号:F1635、Ca2+及びMg2+非含有ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(PBS) −ギブコ・BRL(カタログ番号:14190−094);IECミクロマックスRF遠心分離機;RANTES −R&Dシステムズ(カタログ番号:278−RN−010);マウス抗ヒトCCR5モノクローナル抗体:2D7 −ファーミンジェン(カタログ番号:36461A);アイソタイプ対照抗体:マウスIgG2a −ファーミンジェン(カタログ番号:33031A);二次PE標識抗体:PE標識ヤギ抗マウス抗体 −シグマ(カタログ番号:P9287)。
データ解析
蛍光データの取得に用いたセル・クエスト・ソフトウエアを、データ解析にも使用した。各アッセイ試料から得た細胞集団について、平均蛍光値を測定した。RANTESを介したインターナリゼーションによる平均蛍光の減少を、ビヒクルを曝露した2D7抗体対照と相対的に測定した。これにより、RANTESを介したCCR5インターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害を算出すること、及び、続いて種々のCCR5アンタゴニストによる機能的な占有を比較することが可能となった。
蛍光データの取得に用いたセル・クエスト・ソフトウエアを、データ解析にも使用した。各アッセイ試料から得た細胞集団について、平均蛍光値を測定した。RANTESを介したインターナリゼーションによる平均蛍光の減少を、ビヒクルを曝露した2D7抗体対照と相対的に測定した。これにより、RANTESを介したCCR5インターナリゼーションのアンタゴニストに依存した阻害を算出すること、及び、続いて種々のCCR5アンタゴニストによる機能的な占有を比較することが可能となった。
結果
300.19細胞によるRANTESを介したCCR5のインターナリゼーションの化
合物Bに依存した阻害によって測定された機能的な占有を、図1に示す。RANTESを介したCCR5のインターナリゼーションは、300.19細胞をケモカインとともにインキュベートした後の蛍光シフトに認められたように、明白であった。このインターナリゼーションの阻害は、試験されたすべての濃度で観察され、これは、ビヒクル対照におけるCCR5の(2D7抗体によって認識されるような)蛍光プロファイルと比較して、化合物Bがアッセイ(洗浄なし)を通じて存在したインキュベーションの蛍光を重ねることによって示される。この阻害の保持(すなわち、機能的なCCR5の占有)は、細胞洗浄によって化合物Bを除去後に認められた。阻害の動的な保持は、化合物Bを除去後に1.5時間回転インキュベートした後、すべての濃度において様々なレベルで認められた。
300.19細胞によるRANTESを介したCCR5のインターナリゼーションの化
合物Bに依存した阻害によって測定された機能的な占有を、図1に示す。RANTESを介したCCR5のインターナリゼーションは、300.19細胞をケモカインとともにインキュベートした後の蛍光シフトに認められたように、明白であった。このインターナリゼーションの阻害は、試験されたすべての濃度で観察され、これは、ビヒクル対照におけるCCR5の(2D7抗体によって認識されるような)蛍光プロファイルと比較して、化合物Bがアッセイ(洗浄なし)を通じて存在したインキュベーションの蛍光を重ねることによって示される。この阻害の保持(すなわち、機能的なCCR5の占有)は、細胞洗浄によって化合物Bを除去後に認められた。阻害の動的な保持は、化合物Bを除去後に1.5時間回転インキュベートした後、すべての濃度において様々なレベルで認められた。
これらの結果は、300.19細胞におけるRANTESを介したCCR5の取込みの化合物Bに依存した阻害が、動的に保持されることを強調し、それゆえに、このアンタゴニストによるCCR5の機能的な占有を長期にわたり保持可能であることを示している。この機能的な占有の定量化を、各アッセイに対して蛍光シグナルの幾何平均を測定し、そしてRANTESを介したインターナリゼーションの阻害百分率を、阻害されないビヒクル対照と比較して算出することによって行った。化合物B、C及びDに対する定量化を、その機能的な占有をこのアッセイにおいて測定し、そして緩徐に機能がオフセットする化合物を同定することを目的としたアッセイの有効性を示すために行った。この定量化の結果を、図3に示す。各試験条件下での阻害百分率を棒グラフにプロットし、そして付属の表中に一覧とした。ここで結果は一つ以上の実験から得られた平均値であり、エラーバーは範囲を示す。
上記のように、これらの実験において化合物Bは緩徐に解離するが、化合物Cはより急速に解離する。加えて、化合物Cは、その受容体のIC50を十分超えた濃度においてさえも、受容体の最新化を完全には阻害しないことが明白である。このことは、放射性リガンド解離試験によって測定された、CCR5からのオフセットと一致する(実施例3を参照されたい)。化合物Bは、過度の非標識化合物を加えると、CCR5から緩徐に解離する(半減期=3.5時間、図7)。反対に、化合物Cは、並列の放射性リガンド解離試験において比較的急速な解離を示した(半減期=15分、図8)。図3に示されたデータによると、化合物Dは、緩徐にオフセットするCCR5阻害剤である。
結論
このFACSアッセイは、CCR5の動的な占有に基づいて化合物を区別することを可能とし、そして緩徐及び急速にCCR5をオフセットする双方の化合物を同定するのに使用可能である。
このFACSアッセイは、CCR5の動的な占有に基づいて化合物を区別することを可能とし、そして緩徐及び急速にCCR5をオフセットする双方の化合物を同定するのに使用可能である。
2.MIP−1βを介したCCR5のインターナリゼーションを阻害することによってFACS解析により測定される、末梢血単核細胞上でのCCR5の機能的な占有
MIP−1βを介したCCR5のインターナリゼーション(%占有)を、化合物Aの複数回経口用量の投与について検討するために設計された臨床試験に参加した健常ボランティアより採取された全血クエン酸CPT(細胞調製用チューブ)試料から調製された、CD4 Tリンパ球において評価した。
MIP−1βを介したCCR5のインターナリゼーション(%占有)を、化合物Aの複数回経口用量の投与について検討するために設計された臨床試験に参加した健常ボランティアより採取された全血クエン酸CPT(細胞調製用チューブ)試料から調製された、CD4 Tリンパ球において評価した。
化合物Aは、CCR5アンタゴニストであり、そしてMIP−1βのCCR5受容体への結合及びそれに続くCCR5受容体のインターナリゼーションを妨げる。MIP−1βの曝露を受けた、安定化剤処理(全CCR5)末梢血単核細胞と非処理(最大インターナリゼーション)末梢血単核細胞の、CCR5の細胞表面上での発現の違いによって、細胞表面上に存在する非結合のCCR5の比率は、化合物Aのいずれの所与の血漿中濃度においても評価されるであろう。次いで、このデータを、化合物Aの異なる用量において得られる受容体の占有度を評価するのに用いることが可能である。
方法
化合物Aの単回用量投与(3mg、10mg、25mg及び100mg)に続き、複数回経口用量として同用量、すなわち3mg、10mg、25mg及び100mgそれぞれを10日間1日2回投与、またはプラセボについて、18〜45歳の健常男性被験者で検討した。
化合物Aの単回用量投与(3mg、10mg、25mg及び100mg)に続き、複数回経口用量として同用量、すなわち3mg、10mg、25mg及び100mgそれぞれを10日間1日2回投与、またはプラセボについて、18〜45歳の健常男性被験者で検討した。
被験者を、六つのコホート(コホート1、4及び6のみから得られたデータを本明細書に例示する)のうちの一つに割り付けた。これらの六つの各コホート内で、適切な投与計画にて化合物Aを投与、またはプラセボを投与されるように、被験者を割り付けた。コホートは:−
コホート1:化合物A 100mgを1日2回、またはプラセボ;
コホート4:化合物A 25mgを1日2回、またはプラセボ;
コホート6:化合物A 3mgを1日2回もしくは10mgを1日2回、またはプラセボ;
である。
コホート1:化合物A 100mgを1日2回、またはプラセボ;
コホート4:化合物A 25mgを1日2回、またはプラセボ;
コホート6:化合物A 3mgを1日2回もしくは10mgを1日2回、またはプラセボ;
である。
投与に先立ち、実験室安全性試験を含む試験及びジェノタイプ評価用に、血液試料を採取した。各被験者に、第1日の8時から10時の間に化合物Aまたはプラセボを投与した。第2日には投薬しなかった。化合物Aを含む溶液を、座っているかまたは立っている状態の被験者に、水とともに総容量250mLにて服用させた。下記のように、投与前、及び投与後に続く48時間後(第3日)まで間隔をおいて、血液試料を採取した。
第3〜11日に、被験者に、朝8時から10時の間及び晩20時から22時の間に、化合物Aまたはプラセボを第1日と同じ手順にしたがって投与した。化合物Aの最低血漿中濃度を測定するため、各日において、化合物Aの最初の投与直前に血液試料を採取した。
第12日に、第1日と同じ手順にしたがって、化合物Aまたはプラセボが投与された;第12日に被験者は一回のみ投薬された。投与前、及び投与後に続く72時間後まで間隔をおいて、血液試料を採取した。
被験者は最終投与24時間後に退院したが、最終投与後7〜10日の間に、フォローアップの身体検査のために再来院した。
コホート1の被験者から得た血液試料を、以下の時間に(4mlクエン酸CPTチューブに)採取した:
第1日に、化合物A 100mgを単回投与後0(ベースライン)、4、12、24及び48時間。
コホート1の被験者から得た血液試料を、以下の時間に(4mlクエン酸CPTチューブに)採取した:
第1日に、化合物A 100mgを単回投与後0(ベースライン)、4、12、24及び48時間。
第12日に、化合物A 100mgを単回投与時0時間(ベースライン)及び投与後24、48、59、72、97及び120時間に、さらに試料を採取した。
コホート4の被験者について、追加の試料を、第1日に化合物A 25mgを単回投与後8、18、52及び64時間に採取した。第12日に、追加の試料を、化合物A 25mgを単回投与後144、168及び240時間に採取した。
コホート4の被験者について、追加の試料を、第1日に化合物A 25mgを単回投与後8、18、52及び64時間に採取した。第12日に、追加の試料を、化合物A 25mgを単回投与後144、168及び240時間に採取した。
コホート6の被験者について、第1日に化合物A 3または10mgを単回投与時0時間(ベースライン)及び投与後4、8、12、18、24及び48時間に;第3日に投与後4及び16時間;第4〜11日に化合物A 3または10mgを1日2回投与後2時間、それから、第12日に化合物A 3または10mgを単回投与時0時間(ベースライン)及び投与後8、12、24、48、96及び120時間及び144時間に、試料を得た。
化合物Aまたはプラセボの初回投与に先立ち、EDTA加血液試料6mlも採取した。
CD4陽性リンパ球集団上に残留したCCR5受容体の発現を、処理されたクエン酸ナトリウムCPT抗凝固化全血試料のフローサートメトリー解析によって測定した。
CD4陽性リンパ球集団上に残留したCCR5受容体の発現を、処理されたクエン酸ナトリウムCPT抗凝固化全血試料のフローサートメトリー解析によって測定した。
材料
クエン酸ナトリウムCPT(4ml採取)血液チューブ(ベクトン・ディッキンソン。カタログ番号362760)、試料処理チューブ(12x75mm丸底ポリスチレン)及びキャップ(押し込み式)(ザルスタッド・Ltd、それぞれカタログ番号55.476及び65.809.504)。
クエン酸ナトリウムCPT(4ml採取)血液チューブ(ベクトン・ディッキンソン。カタログ番号362760)、試料処理チューブ(12x75mm丸底ポリスチレン)及びキャップ(押し込み式)(ザルスタッド・Ltd、それぞれカタログ番号55.476及び65.809.504)。
試薬
10x 濃縮PBS;10%パラホルムアルデヒド;10%アジ化ナトリウム溶液;凍結乾燥BSA;MIP−1βワーキング溶液(−70℃にて冷凍保存したアリコット);CCR5安定化溶液(PBS中に600nMの化合物Aを含む);安定化対照溶液(PBS);CCR5及びIgGアイソトープ対照抗体カクテル(2〜8℃にて保存)
試薬の調製
1x PBS(2〜8℃にて1ヶ月安定)
10x PBS 100mL
脱イオン水 899mL
10%アジ化ナトリウム脱イオン水溶液 1mL
pH7.4
1x 1%BSA添加PBS(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 1L
乾燥凍結BSA 10g
pH7.4
1%パラホルムアルデヒド(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 180mL
10%パラホルムアルデヒド 20mL
0.5%パラホルムアルデヒド(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 190mL
10%パラホルムアルデヒド 10mL
CCR5安定化溶液の調製:
対照安定化溶液はPBSである。
10x 濃縮PBS;10%パラホルムアルデヒド;10%アジ化ナトリウム溶液;凍結乾燥BSA;MIP−1βワーキング溶液(−70℃にて冷凍保存したアリコット);CCR5安定化溶液(PBS中に600nMの化合物Aを含む);安定化対照溶液(PBS);CCR5及びIgGアイソトープ対照抗体カクテル(2〜8℃にて保存)
試薬の調製
1x PBS(2〜8℃にて1ヶ月安定)
10x PBS 100mL
脱イオン水 899mL
10%アジ化ナトリウム脱イオン水溶液 1mL
pH7.4
1x 1%BSA添加PBS(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 1L
乾燥凍結BSA 10g
pH7.4
1%パラホルムアルデヒド(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 180mL
10%パラホルムアルデヒド 20mL
0.5%パラホルムアルデヒド(2〜8℃にて2週間安定)
1x PBS 190mL
10%パラホルムアルデヒド 10mL
CCR5安定化溶液の調製:
対照安定化溶液はPBSである。
1.DMSO中の10mM化合物Aのストック溶液;
2.1x PBSでストック溶液を1:500に希釈して、20μM溶液(2μl/ml PBS)を作り;
3.1x PBSで20μM溶液を1:20に希釈して、1000nM溶液(1μM)を作り;
4.1x PBSで1000nM溶液を3:2に薄めて、600nM溶液を作る。
2.1x PBSでストック溶液を1:500に希釈して、20μM溶液(2μl/ml PBS)を作り;
3.1x PBSで20μM溶液を1:20に希釈して、1000nM溶液(1μM)を作り;
4.1x PBSで1000nM溶液を3:2に薄めて、600nM溶液を作る。
100nMの最終濃度に到達させるには、600nMの薬物溶液(安定化溶液)を血漿中に1:6で加えるべきである。プロトコールにしたがって、細胞を多くした血漿250μLに安定化溶液50μLを加えるべきである。対照安定化溶液を、相当するチューブに同様な比率で加えるべきである。安定化溶液は、各コホートについて新たに作られるべきであり、そして薬物が溶液中にあることを確実にするため、使用に先立ちボルテックスされるべきである。
試料の処理:
1.リンパ球の多い血漿を、スイング・アウト・ローターにて1550gで25分間遠心分離することにより分離した。
1.リンパ球の多い血漿を、スイング・アウト・ローターにて1550gで25分間遠心分離することにより分離した。
2.チューブを数回穏やかに反転させることによって、細胞のバフィーコート層を血漿中に再懸濁した(x5)。
3.細胞を多くした血漿250μlを、三つの別々にラベルした12x75mm丸底ポリスチレンチューブにピペットで入れた。[チューブ1(対照)、チューブ2(全CCR5)及びチューブ3(CCR5 MIP1β)]
4.CCR5安定化溶液50μlをチューブ2に加え、一方、対照安定化溶液50μlをチューブ1及び3に加えた後に、中の設定で2秒間軽くボルテックスし、そして37℃にて30分間インキュベートした。
3.細胞を多くした血漿250μlを、三つの別々にラベルした12x75mm丸底ポリスチレンチューブにピペットで入れた。[チューブ1(対照)、チューブ2(全CCR5)及びチューブ3(CCR5 MIP1β)]
4.CCR5安定化溶液50μlをチューブ2に加え、一方、対照安定化溶液50μlをチューブ1及び3に加えた後に、中の設定で2秒間軽くボルテックスし、そして37℃にて30分間インキュベートした。
5.すべてのチューブを、スイング・アウト・ローターにて400xgで5分間遠心分離して、細胞と上清を分離し、次いでデカントした。
6.すべてのチューブに、15μLのMIP−1βワーキング溶液を加え、次いで中の設定で2秒間穏やかにボルテックスして、液体中にペレットを再懸濁した。次いで、チューブを、5%二酸化炭素、98%湿度の雰囲気中で、キャップをせずに37℃にて45分間インキュベートした。
6.すべてのチューブに、15μLのMIP−1βワーキング溶液を加え、次いで中の設定で2秒間穏やかにボルテックスして、液体中にペレットを再懸濁した。次いで、チューブを、5%二酸化炭素、98%湿度の雰囲気中で、キャップをせずに37℃にて45分間インキュベートした。
7.PBS中の0.5%パラホルムアルデヒド1mlを各チューブに加え、中の設定で2秒間ボルテックスし、そして室温にて10分間暗所でインキュベートした。
8.次いで、2mLのBSA添加PBSをすべてのチューブに加え、スイング・アウト・ローターにて400xgで5分間チューブを遠心分離して細胞を沈澱させた後に、上清をデカントした。
8.次いで、2mLのBSA添加PBSをすべてのチューブに加え、スイング・アウト・ローターにて400xgで5分間チューブを遠心分離して細胞を沈澱させた後に、上清をデカントした。
9.抗体試薬(50μl)を以下の様式で加えた:
チューブ1に − MsIgG R−フィコエリトリン(PE)及びCD40−フルオレセイン(FITC)(対照)を加えた。
チューブ1に − MsIgG R−フィコエリトリン(PE)及びCD40−フルオレセイン(FITC)(対照)を加えた。
チューブ2及び3に − CCR5−PE及びCD4−FITC(全CCR5及びCCR5 MIP1β)を加えた。
10.次いで、すべてのチューブを中の設定で2秒間ボルテックスし、そして室温にて暗所で20分間インキュベートした。
10.次いで、すべてのチューブを中の設定で2秒間ボルテックスし、そして室温にて暗所で20分間インキュベートした。
11.2mLのBSA添加PBSをすべてのチューブに加えた。400xgで5分間遠心分離した。上清をデカントし、次いでPBS中の1%パラホルムアルデヒドを0.5ml加え、そして中の設定で2秒間ボルテックスして、ペレットを再懸濁した。
12.最後に、チューブに適切にキャップをし、解析するまで2〜8℃にて保存した。
結果
第1日に化合物Aまたはプラセボを単回経口投与され、続いて第3〜12日に1日2回投与された健常男性被験者について、計画上の各時点における、全血(CPT)試料から調製されたCD4 T細胞表面上でのCCR5受容体の平均占有百分率、及び対応する標準偏差(SD)を、表1に供する。
結果
第1日に化合物Aまたはプラセボを単回経口投与され、続いて第3〜12日に1日2回投与された健常男性被験者について、計画上の各時点における、全血(CPT)試料から調製されたCD4 T細胞表面上でのCCR5受容体の平均占有百分率、及び対応する標準偏差(SD)を、表1に供する。
結論
CCR5の占有は、用量に相関した。100mgを1日2回投与されたボランティアでは、投与期間を通じて90%を超えるCCR5受容体の占有が示されたが、一方、3mgを投与されたこれらの被験者では、平均受容体飽和度は、<80%であった。
(実施例3:CCR5上での化合物の滞留時間の測定)
アンタゴニストによるCCR5受容体の物理的な占有を、放射性リガンド解離試験を用いて測定してもよい。放射性標識アンタゴニストを、HEK−293細胞上に発現したC
CR5またはその膜調製物とともに、平衡になるまでインキュベートする。続いて、解離、したがって物理的な占有または滞留時間を、解離した放射性標識アンタゴニストの再結合を防ぐために過度の非標識アンタゴニストを加えることによって測定する。このように、非標識アンタゴニストを加えた後に、全細胞または膜上に保持された放射性標識を経時的にカウントすることにより、解離を測定することが可能である。
CCR5の占有は、用量に相関した。100mgを1日2回投与されたボランティアでは、投与期間を通じて90%を超えるCCR5受容体の占有が示されたが、一方、3mgを投与されたこれらの被験者では、平均受容体飽和度は、<80%であった。
(実施例3:CCR5上での化合物の滞留時間の測定)
アンタゴニストによるCCR5受容体の物理的な占有を、放射性リガンド解離試験を用いて測定してもよい。放射性標識アンタゴニストを、HEK−293細胞上に発現したC
CR5またはその膜調製物とともに、平衡になるまでインキュベートする。続いて、解離、したがって物理的な占有または滞留時間を、解離した放射性標識アンタゴニストの再結合を防ぐために過度の非標識アンタゴニストを加えることによって測定する。このように、非標識アンタゴニストを加えた後に、全細胞または膜上に保持された放射性標識を経時的にカウントすることにより、解離を測定することが可能である。
方法
細胞培養: (標準の技術により作出された)CCR5を安定に発現するHEK−293細胞を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて2〜3日間、培地(材料を参照されたい)中で50〜70%の密集度となるよう、225cm2細胞培養フラスコ中で培養した。最大限の密集度ではCCR5の発現が低下して凝集する傾向があるため、細胞は低密度で培養された。結合アッセイに用いた各225cm2フラスコを、培地を除去しそして室温のリン酸緩衝生理食塩液(PBS)20mlに入れ換えることにより、一度洗浄した。上清を除去し、そして、室温の結合バッファー(材料を参照されたい)10mlの存在下で培養フラスコの側面を軽く叩くことにより、細胞を取り除いた。細胞を50ml遠心分離チューブに入れた。さらに10〜20mlの結合バッファー(室温)を培養フラスコ中に加え、次いで、残りの細胞を回収するため遠心分離チューブに移した。細胞を、20℃にて350gで10分間遠心分離した。細胞を、3mlの結合バッファーに再懸濁し、修正ヌーバウアー血球計数器にてカウントし、そして2x106細胞/mlの密度となるように再懸濁した。
細胞培養: (標準の技術により作出された)CCR5を安定に発現するHEK−293細胞を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて2〜3日間、培地(材料を参照されたい)中で50〜70%の密集度となるよう、225cm2細胞培養フラスコ中で培養した。最大限の密集度ではCCR5の発現が低下して凝集する傾向があるため、細胞は低密度で培養された。結合アッセイに用いた各225cm2フラスコを、培地を除去しそして室温のリン酸緩衝生理食塩液(PBS)20mlに入れ換えることにより、一度洗浄した。上清を除去し、そして、室温の結合バッファー(材料を参照されたい)10mlの存在下で培養フラスコの側面を軽く叩くことにより、細胞を取り除いた。細胞を50ml遠心分離チューブに入れた。さらに10〜20mlの結合バッファー(室温)を培養フラスコ中に加え、次いで、残りの細胞を回収するため遠心分離チューブに移した。細胞を、20℃にて350gで10分間遠心分離した。細胞を、3mlの結合バッファーに再懸濁し、修正ヌーバウアー血球計数器にてカウントし、そして2x106細胞/mlの密度となるように再懸濁した。
膜の調製: 結合アッセイに用いた各225cm2フラスコを、培地を捨てそして20mlのPBS(室温)に入れ替えることにより一度洗浄し、そして5〜10mlのPBS(室温)中に再懸濁した。細胞を50ml遠心分離チューブに移した。さらに10〜20mlの結合バッファー(室温)を培養フラスコに加え、次いで、残りの細胞を回収するため遠心分離チューブに移した。細胞を、4℃にて350gで10分間遠心分離した。細胞を室温の溶解バッファー(材料を参照されたい)15ml中に再懸濁し、そしてポリトロン手持ち式ホモジナイザーでホモジナイズした(氷上で5〜10秒間、高の設定で3〜4回)。ホモジネートをオークリッジチューブに移し、そしてベックマン超遠心分離機(T865ローター中)で、4℃にて25000rpm(40,000g)で30分間遠心分離した。上清を捨て、そしてペレットを最小容量の溶解バッファー(室温)中に再懸濁した。タンパク質濃度を、タンパク質用のブラッドフォード・マイクロアッセイを用いて見積り、そして結合バッファー中で0.25mg/mlとなるように調整した。これによって、各放射性リガンドの結合アッセイに用いられることになる膜タンパク質12.5μgを加えることが可能となった。
化合物の調製: 1〜2mgの化合物A、BまたはCを、10mMの濃度となるように100%ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解し、そして、in situにおいて0.41nM〜50μMの濃度範囲で結合アッセイに化合物を加えることを可能とするよう、結合バッファーで希釈した。20μlの[3H]化合物A(62.5μM、比放射能16Ci/mmol及び放射活性濃度1mCi/ml)を、in situにおいて0.41〜100nMの濃度範囲で結合アッセイに放射性リガンドを加えることを可能とするよう、結合バッファーで希釈した。同様な希釈を、[3H]標識化合物B及びCについて行った。
解離試験: 結合バッファー(25μl)を96ウェルアッセイプレートのウェルに加え、続いて50μlの細胞または細胞膜調製物を加えた。放射性リガンドの結合を可能にするため、[3H]化合物A、BまたはC希釈物(25μl)を指定されたウェルに加えた。アッセイにおける非特異的な放射性標識の結合を測定するため、放射性標識体を加える前に、非標識化合物([3H]化合物濃度の100倍)を、結合バッファーの代わり
に指定されたウェルに(25μl)加えた。反応混合物は、対の一方に解離を測定するために非放射性標識化合物を加え、そしてもう一方に結合対照として作用させるために結合バッファーを加えることを可能とするため、デュプリケートで用意した。この対照は、CCR5または膜/細胞が変性した結果として生じる解離の原因を説明するために用意した。[3H]化合物を加えた後、プレートを室温にて1時間インキュベートした。これによって、CCR5への放射性リガンドの結合が平衡に達することが可能となった。このインキュベーション後に、非標識化合物の希釈物25μlを解離用ウェルに加えた。結合後に室温にて48時間までインキュベーションした後、ウェルの中身を回収した。
に指定されたウェルに(25μl)加えた。反応混合物は、対の一方に解離を測定するために非放射性標識化合物を加え、そしてもう一方に結合対照として作用させるために結合バッファーを加えることを可能とするため、デュプリケートで用意した。この対照は、CCR5または膜/細胞が変性した結果として生じる解離の原因を説明するために用意した。[3H]化合物を加えた後、プレートを室温にて1時間インキュベートした。これによって、CCR5への放射性リガンドの結合が平衡に達することが可能となった。このインキュベーション後に、非標識化合物の希釈物25μlを解離用ウェルに加えた。結合後に室温にて48時間までインキュベーションした後、ウェルの中身を回収した。
細胞及び膜を回収するために、ユニフィルタープレートを、25mlのブロッキング剤(室温)(材料を参照されたい)を加えることによって30分間ブロッキングした。ユニフィルタープレートを50mlの洗浄バッファー(室温)で一度洗浄し、吸引することによって反応物を回収し、そしてパッカード・ハーベスターにてプレートを洗浄バッファー(室温)で三回洗浄した(1ml/ウェル)。ユニフィルタープレートを一晩かけて乾燥させた。マイクロシンチ0(50μl−室温)を各ウェルに加え、そして各プレートの上にトップシールカバーを置いた。NXT・パッカード・トップカウント・シンチレーションカウンターで、プレートを読み取った(1ウェルにつき1分間)。
材料
増殖培地: 200mM L−グルタミン 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:25030−024)を含む、ピルビン酸ナトリウム含有、L−グルタミン非含有、ピリドキシン含有のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM) 1x500ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:21969−035);ペニシリン/ストレプトマイシン 5ml(ペニシリン 100U/ml、ストレプトマイシン 10mg/ml) −シグマ(カタログ番号:P−7539);ウシ胎児血清(FCS) 50ml −PAA・ラボラトリーズ、オーストリア(カタログ番号:A15−042);及び、50mg/mlジェネテシン 6.5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:10131−019)
225cm2 組織培養処理細胞培養フラスコ −コースター(カタログ番号:3001)
Ca2+及びMg2+非含有ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(PBS) −ギブコ・BRL(カタログ番号:14190−094)。
増殖培地: 200mM L−グルタミン 5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:25030−024)を含む、ピルビン酸ナトリウム含有、L−グルタミン非含有、ピリドキシン含有のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM) 1x500ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:21969−035);ペニシリン/ストレプトマイシン 5ml(ペニシリン 100U/ml、ストレプトマイシン 10mg/ml) −シグマ(カタログ番号:P−7539);ウシ胎児血清(FCS) 50ml −PAA・ラボラトリーズ、オーストリア(カタログ番号:A15−042);及び、50mg/mlジェネテシン 6.5ml −ギブコ・BRL(カタログ番号:10131−019)
225cm2 組織培養処理細胞培養フラスコ −コースター(カタログ番号:3001)
Ca2+及びMg2+非含有ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(PBS) −ギブコ・BRL(カタログ番号:14190−094)。
細胞計数板、改良ヌーバウアー −ウェーバー・サイエンティフィック・インターナショナル(カタログ番号:AC1000)
結合バッファー: 蒸留水中の50mM HEPES −シグマ(カタログ番号:H−0763)。1mM CaCl2 −シグマ(カタログ番号:C−3881)。5mM
MgCl2 −シグマ(カタログ番号:M−1028)。0.5%ウシ血清アルブミン(BSA) −シグマ(カタログ番号:A−4503)。バッファーはpH7.4(2M
HCl)に調整し、そして0.2μmのフィルターに通した。
結合バッファー: 蒸留水中の50mM HEPES −シグマ(カタログ番号:H−0763)。1mM CaCl2 −シグマ(カタログ番号:C−3881)。5mM
MgCl2 −シグマ(カタログ番号:M−1028)。0.5%ウシ血清アルブミン(BSA) −シグマ(カタログ番号:A−4503)。バッファーはpH7.4(2M
HCl)に調整し、そして0.2μmのフィルターに通した。
溶解バッファー: 蒸留水中の20mM HEPES −シグマ(カタログ番号:H−0763)。1mM CaCl2 −シグマ(カタログ番号:C−3881)。50mlの溶解バッファーにつきコンプリートTMプロテアーゼ阻害剤1錠 −ベーリンガー・マンハイム(カタログ番号:1 697 498)。バッファーはpH7.4(2M塩化水素)に調整し、そして0.2μmのフィルターに通した。
洗浄バッファー: 蒸留水中の10mM HEPES −シグマ(カタログ番号:H−0763)。0.5M NaCl −シグマ(5M溶液 カタログ番号:S−5150)。0.5%ウシ血清アルブミン(BSA) −シグマ(カタログ番号:A−4503)。バッファーはpH7.4(2M HCl)に調整し、そして0.2μmのフィルターに
通した。ストック溶液は1Mにて作製され(HEPES、CaCl2、MgCl2)、そして室温にて保存され、上記のバッファーは一回毎に新たに調製された。ブロッキング剤:蒸留水中の0.3%ポリエチレンイミン(PEI) −シグマ(カタログ番号:P−3143)。
通した。ストック溶液は1Mにて作製され(HEPES、CaCl2、MgCl2)、そして室温にて保存され、上記のバッファーは一回毎に新たに調製された。ブロッキング剤:蒸留水中の0.3%ポリエチレンイミン(PEI) −シグマ(カタログ番号:P−3143)。
消耗品: DMSO組織培養グレード −シグマ(カタログ番号:D−2650)。ポリプロピレン製ディープウェルブロック(1ml/ウェル) −ポールベア(カタログ番号:219008)。マルチチャンネルピペット −ラボシステムズ・フィンピペット(カタログ番号:4510−000/020/030/040/050)。1mlピペットチップ −シグマ(カタログ番号:P7174)。250μlピペットチップ −シグマ(カタログ番号:P7049)。マルチチャンネルピペット用試薬リザーバー −コースター(カタログ番号:4870)。パッカード・フィルトレート・ユニバーサル・ハーベスター(96ウェルヘッド)。底を密閉されたパッカード・ユニフィルターGF/B 96ウェルフィルタープレート −パッカード(カタログ番号:6005177)。マイクロシンチ0 −パッカード(カタログ番号:6013611)。トップシール−A マイクロプレート貼付用粘着シールフィルム −パッカード(カタログ番号:6005185)。NXT・パッカード・トップカウント・シンチレーションカウンター。
結果
図6に示されるように、化合物Aの50%は、過剰の非標識化合物Aとともに9時間インキュベートした後になお結合していた。化合物Bの50%は3時間後になお結合していたが(図7)、化合物Cの50%は15分後になお結合していた(図8)。
(実施例5:抗ウイルス活性)
末梢血リンパ球(PBL)における化合物の抗HIV活性を、これらの細胞をHIV(分離株Ba−L)に感染させ、そして5日間インキュベートした後に上清の逆転写酵素(RT)活性の化合物に依存した低下を測定することによって試験した。
図6に示されるように、化合物Aの50%は、過剰の非標識化合物Aとともに9時間インキュベートした後になお結合していた。化合物Bの50%は3時間後になお結合していたが(図7)、化合物Cの50%は15分後になお結合していた(図8)。
(実施例5:抗ウイルス活性)
末梢血リンパ球(PBL)における化合物の抗HIV活性を、これらの細胞をHIV(分離株Ba−L)に感染させ、そして5日間インキュベートした後に上清の逆転写酵素(RT)活性の化合物に依存した低下を測定することによって試験した。
方法
抗ウイルスアッセイに用いたHIV−1 Ba−L及びIIIBウイルスは、AIDS試薬プロジェクト、NIBSC、ポッターズ・バー、ハーツ、英国から得た(管理用参照品ARP118及びARP101)。ウイルスは、−80℃にて1mlバイアル中に保存した。HIV−Ba−Lウイルスを増殖させるため、ストック(1ml)を−80℃貯蔵庫から取り出して、37℃のインキュベーターで10分間、急速に解凍した。ウイルスストック(0.5ml)を、完全RPMI 1640増殖培地(10%FCS、2mM L−グルタミン、及び1U/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン添加)中の細胞密度1.0x107/mlの新鮮PBL(最終濃度1.5μg/mlのフィトヘマグルチニン(PHA)で3日間前刺激したもの)1mlとともに、24ウェルプレートの標識されたウェルに入れた。感染を可能にするため、24ウェルプレートを、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて1時間インキュベートした。1時間後に、このプレートから得た細胞及び上清を、25℃にて225gで10分間遠心分離し、そして上清を捨てた。室温のRPMI 1640増殖培地10ml中に細胞を懸濁し、そして25cm2組織培養フラスコに移した。IL−2を、最終濃度10ng/mlとなるように加えた。感染したPBL培養物を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで、37℃にて3日間、垂直に立ててインキュベートした。第3日に、5mlの新鮮RPMI 1640増殖培地を、最終濃度10ng/mlのIL−2とともに加えた。
抗ウイルスアッセイに用いたHIV−1 Ba−L及びIIIBウイルスは、AIDS試薬プロジェクト、NIBSC、ポッターズ・バー、ハーツ、英国から得た(管理用参照品ARP118及びARP101)。ウイルスは、−80℃にて1mlバイアル中に保存した。HIV−Ba−Lウイルスを増殖させるため、ストック(1ml)を−80℃貯蔵庫から取り出して、37℃のインキュベーターで10分間、急速に解凍した。ウイルスストック(0.5ml)を、完全RPMI 1640増殖培地(10%FCS、2mM L−グルタミン、及び1U/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン添加)中の細胞密度1.0x107/mlの新鮮PBL(最終濃度1.5μg/mlのフィトヘマグルチニン(PHA)で3日間前刺激したもの)1mlとともに、24ウェルプレートの標識されたウェルに入れた。感染を可能にするため、24ウェルプレートを、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて1時間インキュベートした。1時間後に、このプレートから得た細胞及び上清を、25℃にて225gで10分間遠心分離し、そして上清を捨てた。室温のRPMI 1640増殖培地10ml中に細胞を懸濁し、そして25cm2組織培養フラスコに移した。IL−2を、最終濃度10ng/mlとなるように加えた。感染したPBL培養物を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで、37℃にて3日間、垂直に立ててインキュベートした。第3日に、5mlの新鮮RPMI 1640増殖培地を、最終濃度10ng/mlのIL−2とともに加えた。
7日後に、感染した細胞を80cm2組織培養フラスコに移した。RPMI 1640増殖培地中のIL−2刺激されたPBL(1.0x107細胞/ml)7mlをさらに加え、そして加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで、第10日までインキュ
ベートした。第10日に、10ng/mlのIL−2を含有する新鮮RPMI 1640増殖培地(25ml)を加え、続いて穏やかに混合した。二つのトップ80cm2組織培養フラスコに、培養物を分けて入れ、そして加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて第15日までインキュベートした。
ベートした。第10日に、10ng/mlのIL−2を含有する新鮮RPMI 1640増殖培地(25ml)を加え、続いて穏やかに混合した。二つのトップ80cm2組織培養フラスコに、培養物を分けて入れ、そして加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて第15日までインキュベートした。
ウイルスの増殖を逆転写酵素によって測定し(RTアッセイ)、そしてRTアッセイから得られた上清20μlにつき4000cpm以上のカウントを、活性であると判断した。感染した培養物を未使用の80cm2組織培養フラスコに分割して入れることによって、細胞をさらに増殖させた後に、13mlの新鮮なIL−2刺激されたPBL(1.0x107細胞/ml)/mlを加えた。フラスコを、加湿された5% CO2雰囲気中で、37℃にて大18日までインキュベートした。第18日に、20mlのRPMI 1640増殖培地(IL−2を10ng/ml含有)を加えた。培養物を、加湿された5%CO2の雰囲気中で、37℃にて第23日までインキュベートした。第23日に上清(20μl)におけるRTカウントが5000cpmよりも大きければ、ウイルス試料は活性であると判断した。これらの上清を25℃にて850gで10分間遠心分離することによって清澄にし、そして得られた上清を混合し、そして−80℃にて保存するために4ml及び1mlのクライオチューブに等分した。
ウイルスの滴定
組織培養感染用量50(tissue culture infectious dose 50)(TCID50−細胞の50%を感染させるのに必要であると考えられるウイルス粒子数)を、Reed及びMuenchの等式((1938) Am.J.Hyg.27,493−497)により、HIV Ba−Lストック(1999年12月17日に回収)について(HIV感染の陽性マーカーとしてRTを用いて)算出した。HIV−1 Ba−L(1999年12月17日に回収)ウイルスストックの滴定では、この方法を用いて、TCID50 5.76x104/mlが得られた。すべての滴定は、新たにプールされたPHA刺激されたPBL中で、冷凍−解凍したウイルスストックを用いて行われた。PBLを調製するために、細胞を25℃にて500gで10分間遠心分離することによってペレットにし、100μlの細胞を取り出した後に細胞解離溶液(材料を参照されたい)100μl及び0.4%(v/v)トリパンブルー100μlを加えることによって、生存度を検査した。生存(非着色)細胞を、コヴァ計数板(材料を参照されたい)でカウントした。>95%の生存度を示した細胞懸濁液のみを、アッセイに進めた。生存細胞を、2.0x106細胞/mlの密度となるように、RPMI増殖培地(PBL培養のために10ng/ml IL−2を加えた)中に再懸濁した。増殖させた冷凍HIV Ba−Lストック(2x1ml)を、37℃インキュベーターで10分間急速に解凍した。一方の試料は滴定評価に進められ、もう一方の試料は抗ウイルス試験に、並行して進めた。
組織培養感染用量50(tissue culture infectious dose 50)(TCID50−細胞の50%を感染させるのに必要であると考えられるウイルス粒子数)を、Reed及びMuenchの等式((1938) Am.J.Hyg.27,493−497)により、HIV Ba−Lストック(1999年12月17日に回収)について(HIV感染の陽性マーカーとしてRTを用いて)算出した。HIV−1 Ba−L(1999年12月17日に回収)ウイルスストックの滴定では、この方法を用いて、TCID50 5.76x104/mlが得られた。すべての滴定は、新たにプールされたPHA刺激されたPBL中で、冷凍−解凍したウイルスストックを用いて行われた。PBLを調製するために、細胞を25℃にて500gで10分間遠心分離することによってペレットにし、100μlの細胞を取り出した後に細胞解離溶液(材料を参照されたい)100μl及び0.4%(v/v)トリパンブルー100μlを加えることによって、生存度を検査した。生存(非着色)細胞を、コヴァ計数板(材料を参照されたい)でカウントした。>95%の生存度を示した細胞懸濁液のみを、アッセイに進めた。生存細胞を、2.0x106細胞/mlの密度となるように、RPMI増殖培地(PBL培養のために10ng/ml IL−2を加えた)中に再懸濁した。増殖させた冷凍HIV Ba−Lストック(2x1ml)を、37℃インキュベーターで10分間急速に解凍した。一方の試料は滴定評価に進められ、もう一方の試料は抗ウイルス試験に、並行して進めた。
適定のために、解凍して増殖させたウイルスストック25μlを、RPMI増殖培地中で8x0.5対数系列希釈を行った。各ウイルス希釈物(20μl)を、180μlのPBLとともに96ウェルアッセイプレートに移した。アッセイプレートを、加湿された5%(v/v)CO2の雰囲気中で37℃にて5日間インキュベートし、その後、TCID50の測定を可能とするために、上清の100μlを回収しそしてRT活性を試験した。滴定されたウイルスは、RTカウントが非感染の細胞カウントよりも大きかった(標準偏差の2倍より大きかった)場合に、ウイルス感染力に関して陽性であると判断した。ウイルスの力価を、Reed及びMuench((1938) Am.J.Hyg.27,493−497)によって報告された方法を用いて算出した。これにより、抗ウイルスアッセイ及びそれに続く化合物の抗ウイルス力価試験に対するウイルスの投入量を標準化することが可能となる。
単球含有PBL培養物の調製
北ロンドン輸血センターより、HIV及びHBV血清陰性ドナーから得られた、単一ドナーのPBL含有バフィーコートを供給された。血清学的性状は、北ロンドン輸血センターサービスにより測定された。PBLを、個々に分けそして培養増殖させた四つのバフィーコート試料から調製した。四つのバフィーコート(50ml)のそれぞれを、等量の無菌リン酸緩衝生理食塩液(PBS)とともに、80cm2組織培養フラスコに移した。細胞懸濁液のアリコット(25ml)を、別の50ml遠心分離チューブ中のフィコール−パック25mlの上に静かに重ねた。25℃にて1000gで30分間遠心分離した後、赤血球層と血漿層の間から、ピペット操作によってPBL層を取り出した。分離したPBLを未使用の遠心分離チューブに移し、そして、PBS(4℃)及び4℃にて850gで10分間遠心分離することで、二度洗浄した。混入した赤血球は、9mlの無菌水を、x10ハンクス緩衝塩類溶液(材料を参照されたい)とともにPBLペレットに加えることによって除去した。PBS(4℃)を、最終容量45mlとなるように加えた。PBLを、4℃にて500gで10分間遠心分離した。ペレットを、30mlのRPMI 1640増殖培地(室温)中に懸濁した。
北ロンドン輸血センターより、HIV及びHBV血清陰性ドナーから得られた、単一ドナーのPBL含有バフィーコートを供給された。血清学的性状は、北ロンドン輸血センターサービスにより測定された。PBLを、個々に分けそして培養増殖させた四つのバフィーコート試料から調製した。四つのバフィーコート(50ml)のそれぞれを、等量の無菌リン酸緩衝生理食塩液(PBS)とともに、80cm2組織培養フラスコに移した。細胞懸濁液のアリコット(25ml)を、別の50ml遠心分離チューブ中のフィコール−パック25mlの上に静かに重ねた。25℃にて1000gで30分間遠心分離した後、赤血球層と血漿層の間から、ピペット操作によってPBL層を取り出した。分離したPBLを未使用の遠心分離チューブに移し、そして、PBS(4℃)及び4℃にて850gで10分間遠心分離することで、二度洗浄した。混入した赤血球は、9mlの無菌水を、x10ハンクス緩衝塩類溶液(材料を参照されたい)とともにPBLペレットに加えることによって除去した。PBS(4℃)を、最終容量45mlとなるように加えた。PBLを、4℃にて500gで10分間遠心分離した。ペレットを、30mlのRPMI 1640増殖培地(室温)中に懸濁した。
細胞の生存度を上記のように検査し、そして>95%の生存度を示した細胞懸濁液のみを、抗ウイルスアッセイへと進めた。細胞懸濁液を、1.5μg/ml PHAを添加されたRPMI 1640増殖培地を加えることによって、1x106細胞/mlの密度となるように調整した。抗ウイルスアッセイの準備として、細胞(50ml)を80cm2組織培養に移し、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで37℃にて3日間インキュベートした。
単球非含有PBLの分離及び増殖
PBLを調製し、上記のトリパンブルー染色により生存度を試験した。>95%の生存度であったPBL調製物を、80cm2培養フラスコに、総容量50ml及び細胞密度1x106/mlとなるように移した。単球のフラスコ表面への接着を促進させるため、フラスコを、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで、37℃にて1時間インキュベートした。非接着PBLを、50ml遠心分離チューブに注意深くデカントし、そして25℃にて500gで10分間遠心分離することによりペレットにした。PBLペレットを、1.5μg/ml PHAを含有する新鮮RPMI 1640増殖培地を加えることによって、1x106細胞/mlの密度となるように調整した。抗ウイルスアッセイの準備として、細胞(50ml)を80cm2組織培養に移し、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで37℃にて3日間インキュベートした。
PBLを調製し、上記のトリパンブルー染色により生存度を試験した。>95%の生存度であったPBL調製物を、80cm2培養フラスコに、総容量50ml及び細胞密度1x106/mlとなるように移した。単球のフラスコ表面への接着を促進させるため、フラスコを、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで、37℃にて1時間インキュベートした。非接着PBLを、50ml遠心分離チューブに注意深くデカントし、そして25℃にて500gで10分間遠心分離することによりペレットにした。PBLペレットを、1.5μg/ml PHAを含有する新鮮RPMI 1640増殖培地を加えることによって、1x106細胞/mlの密度となるように調整した。抗ウイルスアッセイの準備として、細胞(50ml)を80cm2組織培養に移し、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで37℃にて3日間インキュベートした。
PBL(単球含有または非含有)における抗ウイルスアッセイ
PHA刺激された細胞培養物を、穏やかに振盪することによって分散させ、そして50ml無菌遠心分離チューブに移した。細胞を、25℃にて500gで10分間遠心分離することによってペレットにし、そして50mlのRPMI増殖培地中に再懸濁した。細胞生存度を、前述同様に検査した。>95%の生存度を示した細胞懸濁液のみを、抗ウイルスアッセイへと進めた。細胞を感染させるために、力価の分かっている増殖させたBa−Lストックを、1.0x106細胞につきストック250μlの割合でPBL細胞ペレットに加えて、TCID50は5.76x104/ml、続いて1.0x106細胞につき125μlのRPMI増殖培地(10ng/ml IL−2含有)を加えた。次いで、細胞を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて1時間インキュベートし、続いて25℃にて500gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを、RPMI増殖培地(10ng/ml IL−2含有)中に、2.0x105/mlの密度で再懸濁した。感染した細胞懸濁液の1.8mlのアリコットを、200μlの化合物を含有する24ウェルアッセイプレートに移した。アッセイプレートにおける化合物の最終濃度範囲は、0〜100nM(0.1%DMSO)であった。アッセイプレートを、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターに、37℃にて5日間入れた。
PHA刺激された細胞培養物を、穏やかに振盪することによって分散させ、そして50ml無菌遠心分離チューブに移した。細胞を、25℃にて500gで10分間遠心分離することによってペレットにし、そして50mlのRPMI増殖培地中に再懸濁した。細胞生存度を、前述同様に検査した。>95%の生存度を示した細胞懸濁液のみを、抗ウイルスアッセイへと進めた。細胞を感染させるために、力価の分かっている増殖させたBa−Lストックを、1.0x106細胞につきストック250μlの割合でPBL細胞ペレットに加えて、TCID50は5.76x104/ml、続いて1.0x106細胞につき125μlのRPMI増殖培地(10ng/ml IL−2含有)を加えた。次いで、細胞を、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで37℃にて1時間インキュベートし、続いて25℃にて500gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを、RPMI増殖培地(10ng/ml IL−2含有)中に、2.0x105/mlの密度で再懸濁した。感染した細胞懸濁液の1.8mlのアリコットを、200μlの化合物を含有する24ウェルアッセイプレートに移した。アッセイプレートにおける化合物の最終濃度範囲は、0〜100nM(0.1%DMSO)であった。アッセイプレートを、加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターに、37℃にて5日間入れた。
非感染PBL対照は、抗HIV阻害剤RANTESを含有する陽性対照とともに、0〜100nM及び0〜33nMの濃度範囲で、並行して処理した。5日間インキュベートした後、逆転写酵素活性によるウイルス収率の定量および続く化合物の抗ウイルス力価の測定のために、各ウェルから得られた上清200μlを96ウェルプレートに移した。
逆転写酵素アッセイ
HIV感染細胞培養物におけるRT活性の直接測定によるウイルス収率の定量を、アマシャムのシンチレーションプロキシミティアッセイキット(材料を参照されたい)を用いて行った。RT活性は、SPAビーズの表面に連結したビオチン標識DNAプライマーへの[3H]TTPの取り込みをモニターすることによってアッセイされた。RTアッセイのための試薬容量は、行われる予定のアッセイ数によって決まった。100のアッセイを可能とするために、1mlの[3H]TTPストック(3700KBq)を2mlのアッセイキットバッファー中に希釈し、そして無菌水5ml及びアッセイキットからのSPAビーズ1mlとともに、80cm2培養フラスコに移した。この溶液を完全に混合し、そして80μlのアリコットをRT反応プレートの各ウェルに加えた後、続いてHIV感染PBLの上清20μlを加えた。反応プレートを密封し、そして37℃インキュベーターに1時間入れた。
HIV感染細胞培養物におけるRT活性の直接測定によるウイルス収率の定量を、アマシャムのシンチレーションプロキシミティアッセイキット(材料を参照されたい)を用いて行った。RT活性は、SPAビーズの表面に連結したビオチン標識DNAプライマーへの[3H]TTPの取り込みをモニターすることによってアッセイされた。RTアッセイのための試薬容量は、行われる予定のアッセイ数によって決まった。100のアッセイを可能とするために、1mlの[3H]TTPストック(3700KBq)を2mlのアッセイキットバッファー中に希釈し、そして無菌水5ml及びアッセイキットからのSPAビーズ1mlとともに、80cm2培養フラスコに移した。この溶液を完全に混合し、そして80μlのアリコットをRT反応プレートの各ウェルに加えた後、続いてHIV感染PBLの上清20μlを加えた。反応プレートを密封し、そして37℃インキュベーターに1時間入れた。
RT反応を止めるために、アッセイキットの停止バッファー(2%(w/v)SDS、pH8)を100μl加えた。プレートを、4℃にて250gで10分間遠心分離した。ビーズの定着を可能にするため、in situにおいて20分間インキュベーションした後、1450マイクロベータ液体シンチレーションカウンターを用いて、各ウェルにつき60秒間にわたってシンチレーションを測定した。非感染対照試料のバックグラウンドカウントを、感染試料のカウントから差し引いた。
上清のRTレベルがアッセイに関して線形性の範囲内にあることを確認するため、HIV感染細胞試料と並行して精製組換えRT試料について行うことにより、RT活性に対する検量線を作成した。RT検量線用に、組換え逆転写酵素ストック(10U/μl−材料を参照されたい)20μlを解凍し、そして4℃の完全RPMI 1640培地9980μlで希釈した。酵素は、検量線用に4℃の完全RPMI 1640培地中の系列希釈物(20、10、5、2.5、1.25、0.62、0.31及び0.15mU/μl)を作製するのに使用するまで、−20℃にて保存した。各酵素希釈物(20μl)は、RTアッセイにおいてデュプリケートで資料採取した。
細胞毒性アッセイ
PBL中の化合物の潜在的な非特異的細胞毒性について、見かけの抗ウイルス活性の考えられる原因として検討した。アッセイを、プロメガの比色定量分析細胞増殖キット(材料を参照されたい)を用いて、96ウェル形式で行った。このアッセイでは、電子カップリング(electron-coupling)試薬であるフェナジンメトサルフェート(PMS)を併用すると、テトラゾリウム化合物である3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフォフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)が、生細胞中のデヒドロゲナーゼ活性によって低減し、ホルマザンが生成される。492nmにおけるホルマザンの吸光度は、培養物中の生細胞の密度と直接的に比例する。このアッセイを、抗ウイルスアッセイにおいて使用されたPBLと並行して、別に培養された非感染PBLにおいて行った。PBLを、HIV感染させる前に、抗ウイルスアッセイに関して記載したように細胞毒性アッセイ用に調製した。PBLを、最終密度2x105細胞/mlとなるように新鮮培地中に懸濁した。20μlの化合物に加えて、細胞懸濁液(180μl)を96ウェルプレートに移し、in situにおける最終濃度範囲を0〜10μM(0.1%(v/v)DMSO)とした。アッセイプレー
トを、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで、37℃にて5日間インキュベートした。このインキュベーション後に、細胞毒性アッセイキットからのMTS/PMS混合物40μlを各ウェルに加え、そして37℃の加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで、暗所にて3日間インキュベートした。次いで、プレートを手で揺すり、そして、492nmにおける吸光度を分光光度的に測定して、細胞の生存度及び化合物の非特異的細胞毒性を評価した。
PBL中の化合物の潜在的な非特異的細胞毒性について、見かけの抗ウイルス活性の考えられる原因として検討した。アッセイを、プロメガの比色定量分析細胞増殖キット(材料を参照されたい)を用いて、96ウェル形式で行った。このアッセイでは、電子カップリング(electron-coupling)試薬であるフェナジンメトサルフェート(PMS)を併用すると、テトラゾリウム化合物である3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフォフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)が、生細胞中のデヒドロゲナーゼ活性によって低減し、ホルマザンが生成される。492nmにおけるホルマザンの吸光度は、培養物中の生細胞の密度と直接的に比例する。このアッセイを、抗ウイルスアッセイにおいて使用されたPBLと並行して、別に培養された非感染PBLにおいて行った。PBLを、HIV感染させる前に、抗ウイルスアッセイに関して記載したように細胞毒性アッセイ用に調製した。PBLを、最終密度2x105細胞/mlとなるように新鮮培地中に懸濁した。20μlの化合物に加えて、細胞懸濁液(180μl)を96ウェルプレートに移し、in situにおける最終濃度範囲を0〜10μM(0.1%(v/v)DMSO)とした。アッセイプレー
トを、加湿された5%CO2(v/v)インキュベーターで、37℃にて5日間インキュベートした。このインキュベーション後に、細胞毒性アッセイキットからのMTS/PMS混合物40μlを各ウェルに加え、そして37℃の加湿された5%(v/v)CO2インキュベーターで、暗所にて3日間インキュベートした。次いで、プレートを手で揺すり、そして、492nmにおける吸光度を分光光度的に測定して、細胞の生存度及び化合物の非特異的細胞毒性を評価した。
データ解析
RT活性またはp24レベルの低減の(化合物なしの対照との相対的な)百分率を化合物の濃度(対数目盛り)に対してグラフにプロットすることによって、抗ウイルス活性を決定した。IC50値及びIC90値を、各濃度におけるデュプリケートのデータポイントに対して、マイクロソフトエクセルの近似曲線オプションを用いて決定した。独立して調製された化合物の試験濃度範囲に対するIC50値及びIC90値を決定し、そして、標準ソフトウエアパッケージを用いて幾何平均を算出した。これらの実験を、異なるPBL細胞調製物で独立して繰り返し、そしてIC50値及びIC90値の全体幾何平均を、95%信頼区間とともに算出した。同じ解析を、抗ウイルスの基準であるRANTESについて行った。化合物またはRANTESの濃度範囲外に脱落した個々のIC50値及びIC90値は、幾何平均IC50及びIC90のさらなる算出には含めなかった。
RT活性またはp24レベルの低減の(化合物なしの対照との相対的な)百分率を化合物の濃度(対数目盛り)に対してグラフにプロットすることによって、抗ウイルス活性を決定した。IC50値及びIC90値を、各濃度におけるデュプリケートのデータポイントに対して、マイクロソフトエクセルの近似曲線オプションを用いて決定した。独立して調製された化合物の試験濃度範囲に対するIC50値及びIC90値を決定し、そして、標準ソフトウエアパッケージを用いて幾何平均を算出した。これらの実験を、異なるPBL細胞調製物で独立して繰り返し、そしてIC50値及びIC90値の全体幾何平均を、95%信頼区間とともに算出した。同じ解析を、抗ウイルスの基準であるRANTESについて行った。化合物またはRANTESの濃度範囲外に脱落した個々のIC50値及びIC90値は、幾何平均IC50及びIC90のさらなる算出には含めなかった。
材料
HIV−1 Ba−L株: 細胞を含まない上清を、AIDS試薬プロジェクト(NIBSC、ポッターズ・バー、ハーツ、英国)から得た。
HIV−1 Ba−L株: 細胞を含まない上清を、AIDS試薬プロジェクト(NIBSC、ポッターズ・バー、ハーツ、英国)から得た。
RANTES: R&Dシステムズから得た(カタログ番号 278−RN−010または278−RN−050)。
細胞解離溶液: (シグマ、1x濃度、C5789 ロット59H0890)
細胞培地: RPMI培地をシグマから(カタログ番号:RO883)、L−グルタミンをライフ・テクノロジーズから(カタログ番号:25030−024)、PBL細胞用のFCSをシグマから(カタログ番号:F2524 バッチ77H3399)、ペニシリン及びストレプトマイシンをライフ・テクノロジーズから(カタログ番号 15140−123)得た。
細胞解離溶液: (シグマ、1x濃度、C5789 ロット59H0890)
細胞培地: RPMI培地をシグマから(カタログ番号:RO883)、L−グルタミンをライフ・テクノロジーズから(カタログ番号:25030−024)、PBL細胞用のFCSをシグマから(カタログ番号:F2524 バッチ77H3399)、ペニシリン及びストレプトマイシンをライフ・テクノロジーズから(カタログ番号 15140−123)得た。
PBL培地用添加物: 無菌水中に1mg/mlとなるように懸濁され、そして最終濃度1.5μg/mlで用いられたPHA、ミューレックス −アボット・ラボラトリーズ(カタログ番号:HA16)。0.1%(v/v)FCS添加4mM塩酸に溶解して2μg/ml(およそ6000U/ml)とし、最終濃度10ng/mlで用いられたヒト組換えIL−2。 −R&Dシステムズ(カタログ番号:202−IL−050)
PBL分離試薬: 北ロンドン輸血センター(コリンデール・センター)より供給されたバフィーコート、ファルマシア・バイオテックからのフィコール−パック溶液(カタログ番号:17−0840−02)、シグマからのPBS(カタログ番号:D8537)、シグマからの無菌蒸留水(カタログ番号:W−3500)
逆転写酵素アッセイキット: アマシャム・ライフ・サイエンスからのQuan−T−RTアッセイ系(カタログ番号:TRK 1022)。アマシャムから200U(10U/μl)として供給された組換えHIV逆転写酵素(カタログ番号:T3610Y)
細胞毒性アッセイキット: セルタイター96(登録商標) AQueous非放射活性アッセイ −プロメガ(カタログ番号:G5430)
消耗品: 24ウェル無菌平底ファルコンプレート −ベクトン・ディッキンソン(カタログ番号:3047)。96ウェル無菌平底ファルコンプレート −ベクトン・ディッキンソン(カタログ番号:3072)。ウェルにつき容量2mlのポリプロピレン製無菌96スクエアウェルプレート(ベックマン・コールター、カタログ番号609681
)。細胞計数板 −コヴァ・バイオスタット・ダイアグノスティックス(カタログ番号:887144)。
PBL分離試薬: 北ロンドン輸血センター(コリンデール・センター)より供給されたバフィーコート、ファルマシア・バイオテックからのフィコール−パック溶液(カタログ番号:17−0840−02)、シグマからのPBS(カタログ番号:D8537)、シグマからの無菌蒸留水(カタログ番号:W−3500)
逆転写酵素アッセイキット: アマシャム・ライフ・サイエンスからのQuan−T−RTアッセイ系(カタログ番号:TRK 1022)。アマシャムから200U(10U/μl)として供給された組換えHIV逆転写酵素(カタログ番号:T3610Y)
細胞毒性アッセイキット: セルタイター96(登録商標) AQueous非放射活性アッセイ −プロメガ(カタログ番号:G5430)
消耗品: 24ウェル無菌平底ファルコンプレート −ベクトン・ディッキンソン(カタログ番号:3047)。96ウェル無菌平底ファルコンプレート −ベクトン・ディッキンソン(カタログ番号:3072)。ウェルにつき容量2mlのポリプロピレン製無菌96スクエアウェルプレート(ベックマン・コールター、カタログ番号609681
)。細胞計数板 −コヴァ・バイオスタット・ダイアグノスティックス(カタログ番号:887144)。
結果
抗ウイルスアッセイにおいて、化合物Dは1nMのIC90を、化合物A及び化合物Bは約2nMの抗ウイルスアッセイにおけるIC90を有するが、一方、化合物Cは>100nMの抗ウイルスアッセイにおける力価を有する。
抗ウイルスアッセイにおいて、化合物Dは1nMのIC90を、化合物A及び化合物Bは約2nMの抗ウイルスアッセイにおけるIC90を有するが、一方、化合物Cは>100nMの抗ウイルスアッセイにおける力価を有する。
結論
化合物A〜Dが、CCR5に対して非常によく似た結合親和性を有するにもかかわらず、抗ウイルス効果は、解離速度の遅いリガンドまたはCCR5上での滞留時間が長いリガンドに対して顕著に向上する。したがって、リガンドのCCR5上での滞留時間は、機能的活性、この場合は抗ウイルス活性、に対するリガンドの力価の予測因子として用いられてもよく、そして抗ウイルス剤としてのリガンドの臨床的有効性を予測する。
(実施例6:HIV感染患者における、化合物Aを用いた短期の単剤治療のウイルス量に対する効果)
ウイルスを直接的に標的とする標準的な抗レトロウイルス剤に関して、(血漿中ウイルス量の減少によって測定されるような)抗ウイルス効果と血漿中薬物濃度との間に直接的な関連がある。したがって、見込みのある臨床有効用量範囲は、in vitro抗ウイルスデータ、すなわちIC50及びIC90に基づいて選択されることが可能である。しかしながら、このアプローチに対しては、CCR5受容体の飽和度のほうがより優れた有効性の予知因子である可能性があり、そして血漿中薬物濃度と直接的に相関しない可能性があるとの議論もなされ得る。
化合物A〜Dが、CCR5に対して非常によく似た結合親和性を有するにもかかわらず、抗ウイルス効果は、解離速度の遅いリガンドまたはCCR5上での滞留時間が長いリガンドに対して顕著に向上する。したがって、リガンドのCCR5上での滞留時間は、機能的活性、この場合は抗ウイルス活性、に対するリガンドの力価の予測因子として用いられてもよく、そして抗ウイルス剤としてのリガンドの臨床的有効性を予測する。
(実施例6:HIV感染患者における、化合物Aを用いた短期の単剤治療のウイルス量に対する効果)
ウイルスを直接的に標的とする標準的な抗レトロウイルス剤に関して、(血漿中ウイルス量の減少によって測定されるような)抗ウイルス効果と血漿中薬物濃度との間に直接的な関連がある。したがって、見込みのある臨床有効用量範囲は、in vitro抗ウイルスデータ、すなわちIC50及びIC90に基づいて選択されることが可能である。しかしながら、このアプローチに対しては、CCR5受容体の飽和度のほうがより優れた有効性の予知因子である可能性があり、そして血漿中薬物濃度と直接的に相関しない可能性があるとの議論もなされ得る。
健常ボランティア試験から得られたデータにより、薬物濃度が抗ウイルスIC90をはるかに下回って急速に落ちる25mgの用量においてさえも、投与後24時間よりも長い間、基本的には受容体の完全な飽和が、達せられることが示された。したがって、本試験の論理的根拠は、とりわけ、CCR5受容体の飽和度がin vivoにおける抗ウイルス効果と関連するかどうかを決定することであった。
方法
CD4 T細胞カウントが>250細胞/mm3でありそして血漿中ウイルス量が>5000コピー/mlの、無症候性HIV血清陽性の男性被験者24名に、化合物A 25mgを1日1回、100mgを1日2回、またはプラセボを、10日間投与した。主な除外基準は、肝酵素異常、CD4 T細胞カウント <250細胞/mm3、ウイルス量 <5000コピー/ml、及びCXCR4または両指向性HIVの存在であった。
CD4 T細胞カウントが>250細胞/mm3でありそして血漿中ウイルス量が>5000コピー/mlの、無症候性HIV血清陽性の男性被験者24名に、化合物A 25mgを1日1回、100mgを1日2回、またはプラセボを、10日間投与した。主な除外基準は、肝酵素異常、CD4 T細胞カウント <250細胞/mm3、ウイルス量 <5000コピー/ml、及びCXCR4または両指向性HIVの存在であった。
受容体の飽和度
受容体の飽和度を、上述のCCR5/MIP−1βのインターナリゼーションアッセイを用いて、以下の時点において評価した:
第1日:0(朝の投与前)及び投与後4時間
第5日:朝の投与前
第10日:投与前及び投与後12時間
第11、12、13、15、19及び40日
ウイルス量
標準として、検出下限値が400コピー/mlのRT−PCR(ロシュ、アンプリコア
v1.5)アッセイを用いて、ウイルス量を測定した。測定値が<400コピー/mlの試料に対しては、検出下限値が50コピー/mlの超高感度の方法を用いた。試料は、以下の時点において採取した:
第1日:0(朝の投与前)及び投与後4、12及び18時間
第2〜10日:0(朝の投与前)
第11、12、13、15、19、22、25及び40日
結果
100mgを1日2回投与された患者におけるCCR5受容体の平均飽和度は、投与期間を通じて90%を超えたが、25mgを1日1回投与された被験者においては、平均受容体飽和度は、第10日の投与前(定常状態)までに、<80%に落ちた。投与群毎の経時的な(初回投与後時間の)受容体飽和度を、図9に示す。
受容体の飽和度を、上述のCCR5/MIP−1βのインターナリゼーションアッセイを用いて、以下の時点において評価した:
第1日:0(朝の投与前)及び投与後4時間
第5日:朝の投与前
第10日:投与前及び投与後12時間
第11、12、13、15、19及び40日
ウイルス量
標準として、検出下限値が400コピー/mlのRT−PCR(ロシュ、アンプリコア
v1.5)アッセイを用いて、ウイルス量を測定した。測定値が<400コピー/mlの試料に対しては、検出下限値が50コピー/mlの超高感度の方法を用いた。試料は、以下の時点において採取した:
第1日:0(朝の投与前)及び投与後4、12及び18時間
第2〜10日:0(朝の投与前)
第11、12、13、15、19、22、25及び40日
結果
100mgを1日2回投与された患者におけるCCR5受容体の平均飽和度は、投与期間を通じて90%を超えたが、25mgを1日1回投与された被験者においては、平均受容体飽和度は、第10日の投与前(定常状態)までに、<80%に落ちた。投与群毎の経時的な(初回投与後時間の)受容体飽和度を、図9に示す。
100mgの化合物Aを1日2回投与された8人の患者のうち7人で、ウイルス量が>1log10減少する、良好なウイルス量の反応が示された。この群における、ベースラインから第11日までに減少したウイルス量の平均は、1.200log10であった。100mg 1日2回投与群の一名の被験者では、ウイルス侵入の共受容体としてCCR5及び/またはCXCR4を用いたウイルスの共存が第1日に示され、化合物Aに反応しなかった。この個体が解析から除外されるならば、100mg群におけるウイルス量の減少は1.419log10である。25mg 1日1回投与群では、ウイルス量の平均低減は0.425log10であることが示された(表2)。投与終了後(第11日以降)に、ウイルス量は時間とともにベースラインへ戻り、そして第40日までにほとんどの患者ではベースラインに戻っていた。
結論
100mgを1日2回投与された患者におけるCCR5受容体の平均飽和度は、投与期間を通じて90%を超えたが、25mgを1日1回投与された被験者では、第10日の投与前までに、平均受容体飽和度は<80%に落ちた。100mgを1日2回投与された被験者では、ベースラインから第11日までのウイルス量の平均減少が1.200log10であり、そして25mgを1日1回投与された被験者では、反応の証拠があった。
100mgを1日2回投与された患者におけるCCR5受容体の平均飽和度は、投与期間を通じて90%を超えたが、25mgを1日1回投与された被験者では、第10日の投与前までに、平均受容体飽和度は<80%に落ちた。100mgを1日2回投与された被験者では、ベースラインから第11日までのウイルス量の平均減少が1.200log10であり、そして25mgを1日1回投与された被験者では、反応の証拠があった。
臨床データは、化合物Aが、短期の単剤療法として投与された場合に強力な抗ウイルス効果を示したことを示しており、したがってin vitroにおけるデータ及びその臨床有効性の予測をサポートする。
上記に示された実施例から、in vitroにおけるCCR5の滞留時間または占有時間は、in vivoでの受容体の占有と関連する可能性がある。さらに重要なことには、in vitroでの受容体の占有により同定されたリガンドは、in vitro及びin vivoの両方においてウイルス量の有意な減少を示す。このように、in vivoにおいて有効であると予測されるリガンドを同定するのに、in vitroに
おけるリガンドのその受容体上での占有の測定値を用いてもよい。
おけるリガンドのその受容体上での占有の測定値を用いてもよい。
HIVのシナリオにおいてこの理論が試験されそして証明されたが、一方で、in vitroにおける受容体の占有から推定されるリガンドの臨床有効性を予測することを、成人呼吸困難症候群(ARDS)、気管支炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、喘息、肺気腫、鼻炎及び慢性副鼻腔炎を含む呼吸器障害を含む、他のCCR5を介した医学的適応症に広げてもよいことが認識されるであろう。
CCR5またはCCR5ケモカインとの関連性が確立された他の状態には、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、多発性硬化症、関節リウマチ、限定するわけではないが特に、心臓、肺、肝臓、腎臓及び膵臓移植などの固形臓器移植(例えば、腎臓及び肺の同種移植)に対する移植片拒絶、子宮内膜症、I型糖尿病、糸球体疾患などの腎疾患、肝臓、肺及び腎線維症などの線維症、慢性膵炎、炎症性肺疾患、HIV脳炎などの脳炎、慢性心不全、乾癬、脳卒中、肥満、AIDS関連痴呆及びアルツハイマー病などの中枢神経系疾患、貧血、粥状硬化プラーク、アトピー性皮膚炎、慢性膵炎、非ホジキンリンパ腫、カポージ肉腫、黒色腫及び乳癌などの癌、ならびに、侵害受容性疼痛及び神経障害性疼痛(例えば、末梢神経性疼痛)などの疼痛が含まれる。
CCR5受容体の調節と関係する感染症には、急性及び慢性B型肝炎ウイルス(HBV)及びHCV感染、腺ペスト、敗血性ペスト及び肺ペスト、天然痘などのポックスウイルス感染症、トキソプラズマ感染症、ミコバクテリア感染症、シャーガス病などのトリパノソーマ感染症、肺炎、ならびにサイトスポリジウム感染症が含まれる。
Claims (21)
- 受容体の本来の機能の調節に応答する疾患の治療においてin vivoで有効であると予測される、その受容体に対するリガンドを同定する目的で、リガンドのその受容体上での受容体滞留時間をin vitroにて測定するアッセイの使用。
- 滞留時間が少なくとも1時間である、請求項1に記載の使用。
- 滞留時間が少なくとも3時間である、請求項1に記載の使用。
- 滞留時間が少なくとも6時間である、請求項1に記載の使用。
- 滞留時間が少なくとも9時間である、請求項1に記載の使用。
- 受容体がCCR5である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
- リガンドがCCR5アンタゴニストである、請求項6に記載の使用。
- 疾患がウイルスによる感染である、請求項6または請求項7に記載の使用。
- ウイルスがHIVである、請求項8に記載の使用。
- 受容体に対する多数のリガンドのそれぞれの受容体滞留時間を測定することを含む研究方法であって、そして、滞留時間が少なくとも一つの他のリガンドの滞留時間よりも長い少なくとも一つのリガンドをさらなる研究のために選択することを含む研究方法。
- 与えられた受容体に対する多数のリガンドをその受容体と接触させ、各リガンドの受容体結合親和性及び受容体滞留時間を測定し、その測定された結合親和性及びその受容体滞留時間の産物であるランク値を各リガンドに割り当て、そして選ばれた切り捨てランク値よりも大きなランク値を有する1またはそれより多くのリガンドをさらなる研究のために選択する、ことを含む研究方法。
- 受容体の本来の機能の調節に応答する疾患に対して高い効力及び/または臨床有効性を有するリガンドを同定する方法であって、リガンドの受容体上での滞留時間を測定しそして所望の滞留時間に基づいてリガンドを選択することを含む方法。
- 滞留時間が少なくとも1時間である、請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
- 滞留時間が少なくとも3時間である、請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
- 滞留時間が少なくとも6時間である、請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
- 滞留時間が少なくとも9時間である、請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
- 受容体がCCR5である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
- リガンドがCCR5アンタゴニストである、請求項17に記載の方法。
- 臨床有効性が抗ウイルス活性である、請求項12に記載の方法。
- 抗ウイルス活性が抗HIV活性である、請求項19に記載の方法。
- 請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法により選択されるリガンド。
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