JP2005533642A - 刷毛湿潤槽および該槽を備えたペイントボックス - Google Patents

Abstract

湿潤槽（6）は下部に湿潤用液体が満たされた吸収材製のエレメント（8）を収容するようになっており、場合により当該湿潤用液体内に含有される顔料を沈降させる手段（80）を備えている。可能な実施例によれば、沈降手段は吸収材が載置される縦桟（80）からなり、この槽（6）は、湿潤用吸収材（8）のための開放された湿潤用コンパートメントと、篩を形成する底部の上に配置された乾燥用吸収材（9）を備えた乾燥用コンパートメントとを画成する蓋（7）を有する。ペイントボックスは夫々横に並んだ突き出たペイント表面を提供するべく配置された一連のペイントブロック（4）を備え、このペイント表面は発泡体からなる採取用へらを有する形式の刷毛のための共通の採取表面（4d）を構成する。

Description

本発明は、刷毛湿潤槽（特に、吸収材料からなる横断方向塗布用へらを有する形式のもの）および前記槽を備えたペイントボックス（絵の具箱）に関する。

より詳しくは、本発明は、米国特許5,318,171に記載された色の異なる一連のペイントブロックを備えた形式のペイントボックスに関するもので、これらのペイントブロックは適当な刷毛（例えば、吸収材料からなる細長い縁を有する刷毛）のための共通の採取面を構成するペイント面を夫々横に並んで突出して提供するべく横に並んで配置されている。このペイントボックスは同時に２以上の色を採取するようになったサイズの異なる複数の刷毛を収蔵することができる。更に、ペイントボックスは、下部に水が満たされるようになったスポンジが配置された槽からなる湿潤手段と、当初は乾燥しているスポンジが配置された槽でやはり構成された乾燥手段を有することができる。

横に並んで突出するペイントブロックの特殊な配置は有利なことに同じ刷毛で複数の色を同時に採取するのを可能にする。ユーザは、色を虹のように“引っ張る”ことにより、或いはスタンプ効果が生じるように刷毛の縁を使用することにより、刷毛で採取したペイントを次いで紙の上に拡げることができる。細長い縁に対する刷毛の移動方向を変えることにより、多数のモチーフ、円、波、幾何学形状、レリーフ効果、書道、等を容易に形成することもできる。

この形式のペイントボックスは、従って、特に低年齢の子供や障害のある人々を刺激する面において非常に興味深いものである。何故ならば、特にこのような子供や人々は、非常に綺麗な絵を容易かつ遊戯的に画きながら、非常に素早く楽しむことができるようになるからである（驚異効果）。

しかしながら、米国特許5,318,171に記載されたペイントボックスはこれらの刺激特性を損なう以下のような不具合を有する：
−子供がブロックの軸線内でペイントを採取しない場合には、ペイントブロックの色が非常に速く混ざる；
−スポンジも非常に早く汚れる；
−提案されている刷毛は適宜洗浄し乾燥するのが困難な大きな発泡部分を有する；
−色の組合せを変える可能性がない。

本発明の目的は特に叙上の難点を解消することにある。

第１の目的によれば、本発明は、刷毛のための共通の採取面を構成するペイント面を夫々横に並んで突出して提供するべく、横に並んで配置された一組のペイントブロックとを備えたペイントボックスを提供するもので、前記刷毛のためのペイント採取用チャンネルを画成するべく前記一組のペイントブロックを取り囲む２つの側方ストッパを特徴としている。

従って、刷毛は、その移動時には、ペイントブロックの全体方向に対応するチャンネル内においてペイント採取面に対して案内される。従って、最早、採取済みの色が誤って又は器用さの欠如により隣接ブロックに被さる危険がない。

第２の目的によれば、本発明は、ペイントブロックは一組の異なる色で構成することの可能な採取バンドを画成するべく互換的であることを特徴とする。このため、夫々のペイントブロックは例えばペイントボックス内に設けた相補的取付け手段と協働するようになった取付け手段を備えた支持体に取付けてあり、支持体と取付け手段の全ては前記ペイントブロックの互換性を可能にするべく同一である。更に、本発明によれば、いづれか１つのストッパは固定してあり、他方のストッパはより小さな採取用チャンネルを画成するべくいづれかのペイントブロックと互換的であり、後者のストッパは当該ストッパといづれか１つのペイントブロックとの互換性を可能にするべくペイントブロックの取付け手段と同様の取付け手段を備えた支持体に取付けてある。この特徴は色の組合せの数を更に増加させる。

ペイントボックスは好ましくは一組の刷毛を備え、夫々の刷毛は、ペイントを採取するようになった、採取用チャンネル又は可能な採取用バンドの幅を有する、吸収材料からなる端部を備えている。

第３の目的によれば、本発明は、下部に湿潤用液体が満たされる吸収材料製のエレメントを収容するようになった槽を備えた刷毛湿潤手段を提供するもので、この槽は場合により前記湿潤用液体内に含まれる顔料を沈降させる手段（例えば、その上に吸収材料製の前記エレメントが載置される沈降用縦桟）を備えている。更に、刷毛乾燥手段が設けてあり、これは本発明によれば液体収容槽の上に篩を形成する容器内に配置された吸収材料製のエレメントを有する。篩を通過した液体を回収することの可能な好ましい実施態様によれば、この液体収容槽は湿潤用液体槽に連通している。更に実施が有利な特殊な実施態様によれば、単一の湿潤／乾燥用槽が使用され、その底部には、沈降用縦桟を備えた部分と、縦桟上の開放された部分と篩の形の収容部とに分かれた槽蓋が設けられる。

好ましくは、湿潤に使用する材料は濾過性の材料であり、顔料が材料内に留まることなく沈降領域内で槽の底に沈降できるように水と顔料の循環を許容する。この材料は例えばオープンセルの発泡体であり得る。

同じく好ましくは、乾燥に使用する材料は刷毛の水を非常に素早く吸収するべく非常に吸収性の材料である。これは例えば非常に密な繊維（特にビスコース繊維）を有するフェルトタイプ材料である。

本発明のペイントボックスは、例えば合成材料の成形により単一部品として製作された盤を備え、この盤は前縁に沿ってペイントブロックのための領域を備え、前記ペイント採取用チャンネル又はバンドは前記前縁にほぼ垂直に延長しており、湿潤用槽は前記前縁に相対峙して前記ペイント領域の背後に位置する。湿潤用槽は前縁に向かって行われるペイント採取チャンネル内の移動に関してペイントブロックの背後に位置し、湿潤用スポンジはブロック全体の幅にわたって延長しており、米国特許5,318,171に対応する商品化モデルにおけるように側方に延長していない。これは人間工学的な見地から使用を容易にする。この盤は更に湿潤／乾燥用槽の側方に例えばハンドルを挟持することによる刷毛固定領域を有する。この場合には、好ましくは、例えばより多数のブロックひいては色を有するペイントブロックのためにより大きな領域を設けることができる。

第４の目的によれば、本発明は、２つの部分からなる刷毛を提供するもので、第１の“塗布用”部分は吸収材料で被覆されたへらを備え、その細長い縁の一方はペイントを採取しかつ塗布するための縁の役割を有し、刷毛のハンドルによって構成される第２の部分は、その一端に、ペイント採取用縁に相対峙する前記へらの縁を強固に挟持するためのＵ字形連続断面の結合部材を有する。このようにすれば、 Ｕ字形部材の２つの平らな翼は夫々吸収材料製のへらの一部を覆い、斯くして使用可能な幅を実際に真に有用な幅（即ち、刷毛の前縁）に制限することができる。こうして刷毛に対する顔料の吸収は実際に真に塗装に役立つ部分（刷毛の前縁）に制限され、その結果、刷毛はより迅速に洗浄され、湿潤用スポンジおよび乾燥用スポンジの汚れが遅くなる。

経済的な見地から有利な実施態様によれば、刷毛の２つの部分は分離可能であり、一方の側は吸収材料製の塗布用バンドを有する使い捨て可能な部分であり、他方の側は再使用可能なハンドルである。従って、可能な実施態様によれば、第１部分はＵ字形断面の吸収材料の帯材で囲繞された剛性材料製の芯を備え、前記帯材の折り目に対応する縁はペイント採取用縁を形成している。前記芯は、前記縁とは反対側に、Ｕ字形断面の部材内に側方から挿入するようになったより厚い後縁を備え、後者のＵ字形断面の部材は前記より厚い縁に対して相補的な形状の底部を備え、刷毛部をハンドルの軸線に沿って取り外すことができないようになっている。また、変化形として、クランプ型の結合装置を使用することができ、この結合装置の２つの脚部は脚部を互いの方へ付勢する従来型の装置によって２つの脚部の間に塗布用バンドを挟持するようになっている。

本発明および他の利点は添付図面を参照にした以下の実施例の説明から明らかとなろう。

図示した選ばれた実施例によれば、ペイントボックスは盤１を有し、この盤には、前縁２の近傍においてペイントブロック４を備えた領域３が、領域３の後方において刷毛湿潤／乾燥部５が形成してあり、この湿潤／乾燥部は、基本的に、吸収材製の２つの部材（湿潤用スポンジ８と乾燥用スポンジ９）のための蓋７を備えた槽６からなる。盤１の下面には滑り止め用縦桟（図示せず）が設けてあり、盤の上面の周りには場合により水が盤の外へ流出するのを防止するためのリム１ａが設けてある。更に、ペイントボックスは例えば図１１に示したタイプの後述する１組の刷毛を備えている。

夫々のペイントブロック４はこの実施例ではほぼ半円盤（即ち、円柱の輪切りの半分）の形状を有し、相対峙する２つの側面４ａおよび４ｂと；円筒の直径にほぼ対応し取付け用支持体１０（図８および図９参照）の底板１３を形成する部分に対して固定するための平らな下面４ｃと、刷毛を用いてペイントを採取するための半円筒形の表面を提供する周面４ｄとを備えている。半円盤４の基部を嵌合するため、取付け用支持体１０の底板１３は、長手方向縁上に小さな突出壁１７および１８を、反対側の長手方向縁上に小さな突出壁１８を有する。同様に、半円盤４の周面４ｄの基部を嵌合するため、底板１３には２つの小壁２０および２１が設けてある。更に、これらの小壁の全体はペイントブロックの基部のところで不連続の壁を形成しているので、有利なことに液体が盤の方へ排出するのを促進する（さもないと、この液体はペイントブロックをその基部のところで不必要に腐蝕させ消耗させるであろう）。夫々のブロックは支持体１０の底板１３に接着してある。これは、本発明によれば、盤１に対するペイントブロックの互換性を可能にし、従って、色の位置を相互に変更するのを可能にする。

ブロック４を盤１に取付ける手段は、支持体１０の底板１３から下に突出した長手方向に延長する溝２２を有する。この溝はペイントブロックのための領域３において盤１に設けた３０のようなスライダーと協働するようになっている。盤１は横に並んだ一連の同一のスライダー３０を備えており、それらは互いに平行な方向に延長していて、一旦並んで固定すると図１に示したようにペイントの半円盤がスペース内で良い向きを有するようになっている。スライダー３０は盤１の隆起部３１に形成されており、盤１の前縁２の向かいに位置するこの隆起部の縁に開口している。夫々のスライダー３０は、開放端部から、平行で真っ直ぐな壁を備えた導入部３２と、円弧状の壁を備えたロック座３３と、再び平行で真っ直ぐな壁を備えた奥部３４とで構成されている。支持体１０の溝２２の導入を容易にするため、この溝は丸みを付けた導入端３５を有する。

支持体１０をスライダー３０内に装着してロックするため、支持体１０の溝２２はストッパを形成する拡大部３６を有し、この拡大部はこの実施例では導入端３４とは反対側の端部に位置しており、互いに対向する２つの円弧状の壁３６ａ、３６ｂで構成されている。ストッパ３６はスライダーのロック座３３に対して相補的である（図１０参照）。汚れているおそれのあるペイントブロックに触ることなく支持体を嵌合するのを容易にするため、支持体には把持用の舌状部４０が設けてあり、後者は取付け用溝２２の導入縁３５とは反対側の底板１３の端部の延長上に位置する。更に、溝２２をスライダー３０内に導入するのを容易にするため、スライダーの導入部３２は奥部３４に比して幅広にしてある（奥部自体は保持を確実にするため溝２２の幅に合わせてある）。更に、ストッパ３６の円弧状の壁３６ａおよび３６ｂは溝２２の残部に比してある程度の弾性を呈し、ロック用座３３内にぴったりとロックされる前にスライダー３０の部分３２内に係合するべく相互に近づくのを可能にする。従って、支持体の装着は、溝２２のストッパ３６がスライダーの相補的な座３３内にロックするまで、図１０の矢印１０に沿って、選ばれたスライダー３０内に溝２２を導入することにより行われる。このように溝を所定位置にロックすることは、また、夫々のペイント円盤の正しい相対位置を規制するのを可能にする。ペイントブロックを取り外すには、次いで把持用舌状部４０を利用して支持体１０を持ち上げてストッパ３６をそのロック座３３から離脱させれば充分である。

こうして異なるペイントブロック４は、それらの側面４ａ、４ｂが互いに向かい合うように横に並べて（従って、それらの周面４ｄのみがアクセス可能である）盤１に固定することができ、同じレベルに仕上げたこれらの周面４ｄの全体は、濡れた刷毛のための、ほぼ半円筒形の共通のペイント採取表面を形成する。複数のブロック上でのペイントの採取は、平らな形状を有しペイントブロック４の少なくとも２つの周面４ｄをカバーするに充分に細長い、吸収材で被覆された塗布用へら５０を備えた、特別な構想の刷毛（図１１および図１２参照）により行われる。このような刷毛は、本発明の特徴を提供するもので、詳細に後述する。ペイントブロック間の隙間は、好ましくは、同時に採取した複数の色が、一旦支持体に塗布されたならば、色と色との間の僅かな遷移をもって相互に充分に対比されるように設定してある。

本発明によれば、盤１の前縁２に垂直な一般的方向に沿って（この実施例ではほぼブロックの半円筒形周面４ｄに沿って）ペイントブロック上でペイント採取を案内するため、２つの側方ストッパ６１および６２が設けてあり、刷毛の塗布用へら５０の長さに合わせたペイント採取用チャンネルを画成するようになっている。ストッパの一方（ここでは６１）は固定してあり、例えば盤１との一体成形により形成してあるか、接着により接合してある。それは一連のスライダーの端部に位置する２つのスライダー３０の一方の側方に配置してある。それは実施例ではペイントブロック４の形と同様の形（ほぼ円柱の輪切りの半分）を有し、異なるブロック４が延長する平行な平面に平行な平面内を延長しているが、図４からプロフィルが分かるようにブロックより大きな高さを有する。ストッパ６１の半月状の突出部６５は側方ストッパの機能を果たし、従って、一連のブロックの末端ブロックの周面４ｄの縁に沿って刷毛を案内する機能を果たす。

他方の側方ストッパ６２は着脱式であり、いづれかのペイントブロックと互換的である。図６および図７はこのブロック６２を取付け用支持体１０に固定したところを示す（把持用舌状部４０は省略）。互換を可能にするため、図６および図７に示したように、ストッパ６２はペイントブロック４の形と同様の形（半円盤半円柱状）を有し、前面６２ａ、後面６２ｂ、平らな下面６２ｃ、および周面６２ｄを有する。ストッパ６２の寸法は、幅と厚さにおいて、ペイントブロックと同様であり（特に支持体の底板１３に固定できるようにするため）、固定された側方ストッパ６１の場合のように、ストッパの機能と隣接するブロックの周面４ｄの縁に沿った側方案内の機能を果たすため、より大きな高さを有する。図１では、この着脱式ストッパ６２は例として盤１上で右から２番目の位置に示してあり、６色に対する採取チャンネルを画成している。ペイントブロック４に対して底板１３上にストッパを固定するため、ストッパ６２は、成形により形成することができるので、その平らな下面６２ｃ上で、一端の近傍に、取付け用支持体１０の底板１３に設けた相補的形状の穴１２内に係合するようになった円形のほぞ１１を更に備えている（この穴は支持体１０の成形の応力により得られる）。

本発明の刷毛の一例を図１１および図１２に示す。この刷毛は２つの部分からなる：一方は、略Ｕ字形の連続的な断面を有する結合部材５２（ハンドル５１を含む平面と同一の平面を横断方向に延長している）を備えたハンドル５１であり、他方は、前述した吸収材からなる塗布用へら５０であり、塗布用へら５０自身は剛性材料からなる芯５３と略Ｕ字形断面の吸収材料の帯材５４とで構成されている。より詳しくは、Ｕ字形断面の結合部材５２は、平行で平らな２つの翼５２ａおよび５２ｂと、係止用喉部５５を形成する丸みのある拡大された底部を有する。図１２から分かるように、塗布用へら５０の芯５３は一方の長手方向縁に設けた円形断面のビード５７を有する平らな矩形の脚部５６を有し、このビードはハンドルの横断方向終端部の喉部５５内に側方から挿入するようになっている。吸収材料からなる部分５４はビード５７の半ばまで芯５３を被覆するようになっている。それは接着により固定されている。前端５８（ペイントの採取を完結する作用をする刷毛の端面を形成する）は僅かに湾曲した丸みがあり、ペイントを塗布するための連続した柔軟な形状を提供する。塗布用へら５０とハンドル５１は、ビード５７を喉部５５内に横方向に挿入して、ビードと喉部とに対する垂直方向ロックを形成することにより組立てられる。こうして、翼５２ａおよび５２ｂは、洗浄と乾燥が全く容易でありながらもペイントを採取しかつ塗布するに充分な表面を呈する前端５８しか露出させないように、吸収部分の幅を被覆し限定するに至る。実際、ハンドル部と塗布部に関するこの構想のお陰で、先ず、特に押し出し成形により、長い剛性の芯に接着された吸収材料の長い帯材からなる長い塗布用帯材を製造し、次いで、５０のような塗布用帯材（特にまた異なる長さのもの）に切断することができる。また、使用が簡単な結合手段のお陰で、使い捨て可能な塗布部を構成することができる。更に、ペイントボックスは唯一のペイントブロック上でペイントを採取するようになった塗布用帯材を有する追加的な刷毛を収蔵することができる。

次に本発明の湿潤／乾燥部を説明する。湿潤／乾燥部は、前述したように、単一の槽６を備え、この槽は、ペイントブロックの領域５の向かいの前壁７０と、反対側の後壁７１と、左側の壁７２と、側壁７３を有する。槽６の底部は平坦で、互いに平行にかつ側壁７２、７３に平行に配置された一連の細長い縦桟８０によって形成された沈降領域を提供している。縦桟８０は前壁７０から槽の底部の前半にわたって延長している。湿潤用スポンジ８は縦桟８０の上に載置されるようになっており、後者はスポンジの幅方向に延長している。特に図２および図３、図４の断面から分かるように、槽６の壁の上縁７５は槽の蓋７の外側スカート７７の端部が嵌合する周縁７６を画成するべく縮小された厚さを有し、蓋を槽に装着したときに蓋と槽との間に連続的な外壁を画成するようになっている。蓋７は上壁を有し、そこには湿潤部と刷毛乾燥部に対応する２つのコンパートメントが形成されている。

湿潤用コンパートメントは内側スカート７８によって画成されており、スポンジ８のための底の開いたほぼ平行六面体状の収容部を形成している。このスポンジは平行六面体状の相補的な形状を有し、材料を僅かに圧縮することにより内側スカート７８に対して保持されるように場合により僅かに大きい。スカート７８は好ましくはほぼ沈降用縦桟８０まで延長している。平行六面体状の収容部は全体的に領域５内の出来るだけ大きなペイント採取用チャンネルの幅（従って、最も広い刷毛）に対応する長さにわたって延長している。変化形として、スカート７８はスポンジ８内の水の循環を増加させるべく穿孔するか切欠くことができる。スポンジ８に用いる材料は下部に湿潤用水を満たすことができるように好ましくは吸収材料であるが、刷毛によって排出された顔料がスポンジ内に滞留せずに沈降できるように濾過性でもなければならない。それは例えば今日水を濾過するために水ポンプで使用されているオープンセルの合成発泡材料であり得る。

蓋７の乾燥用コンパートメントは乾燥用スポンジのための平行六面体状の収容部を形成する（しかしここでは篩いを形成する穿孔された底部８１を有する）内側スカート７９によってやはり蓋内に画成されている。乾燥用スポンジ９によって吸収された水を重力で排出させる穴はここでは穿孔された底部８１の幅に平行に延長する２組のスリット８５からなる。特に図４から良く分かるように、乾燥用コンパートメントは湿潤用コンパートメントに比して持ち上げてあり、乾燥用コンパートメントの穿孔底部８１が水に触れることなく、かつ、乾燥用スポンジ９を濡らす危険を冒すことなく、湿潤用スポンジの下半分を浸たすように、槽７を水で満たすことができるようになっている。接続用の傾斜壁８６は２つのレベルを連絡している。スポンジ９に用いる材料は、好ましくは、極めて有効で迅速であり得るためには、ビスコース繊維のような非常に密な不織布からなるフェルトタイプの非常に強力な吸収能力を有する材料である。

ペイントボックスの適当な最適の使用に対応する貯水部Ｒの水位が図３および図４に示してある。この水位は湿潤用スポンジ８の下半部の浸漬に対応しており、これに対して乾燥用スポンジ９はその上に位置する。

盤１、側方ストッパ６１と平行なスライダー３０を備えた隆起領域３１、並びに槽６と沈降用縦桟８０は、好ましくは、適当な合成材料の成形により図５に示したような単一の部品を構成するべく一体形成することができる。蓋７、支持体１０、着脱式ストッパ６２のような他の部品も、また、合成材料の成形により形成することができる。

このペイントボックスは次のように使用する。支持体１０上に夫々固定された１組のペイントブロック４を選んで、同じく選ばれた順序でスライダー３０上に固定する。１組のうちの最初のペイントブロックは固定ストッパ６１の横に配置され、次いで他のペイントブロックは横に並んで配置され、最後に着脱式の側方ストッパ６２が固定される。ユーザは２つのストッパの間に画成された採取用チャンネルの幅に対応する刷毛を選択する。ユーザは湿潤用スポンジ８に吸収材製の端部５８を押し当ててそれを湿らせる。ユーザは、好ましくは槽７の壁７０の近くに位置するペイントブロックの周面４ｄの端部から盤１の縁２の近くの周面４ｄの他の端部の方へと、ストッパの間のチャンネル内で刷毛を案内しながらペイントを採取する。次いで、ユーザは採取したペイントを任意の支持体上に塗布することができる。次に刷毛を掃除してその色を改めるか変えるため、ユーザはできるだけ顔料が水で希釈されるようにスポンジ８上で刷毛を濡らし、必要に応じて乾燥用スポンジ９の上で刷毛を乾燥させる。そうすれば釈放された顔料はスポンジ８の下で沈降用縦桟８０の間で沈降するであろう。これは水を湿潤用スポンジに触れさせて保持するのを可能にするので、湿潤用スポンジは沈降用縦桟のない槽に比してより長時間清潔に留まる。ペイントブロックを交換するには、次に把持用舌状部４０を利用してペイントブロックを持ち上げ、任意の場所に下ろせば足りる。

勿論、異なる実施例も可能であり、特に、ペイントブロックの形状は必ずしも半円柱形でなく、例えば、平らな或いは傾斜した採取面を提供するものでもよい。更に、ストッパの全体形状は必ずしもペイントブロックの形状と同じでなくてもよい。

図１３にはペイントブロックの支持体１０の変化形１０’を示す。この変化形は、底板１３’の下に設けた取付け手段は最早スライダーと協働するようになった溝で構成されてはおらず、２つのスナップ嵌合用脚部で構成されている点で異なる。脚部９０は把持用舌状部４０’の側に配置してあり、他方の脚部９１は反対側の端部の近くに配置してある。それらは夫々外側に指向した嵌合用鉤の形の曲がった端部１００、１０１を有し、これらの鉤はこのために盤１に設けた縁と夫々協働するようになっている。

更に、本発明はペイントブロックの領域のみを備えたペイントボックスをも包含するものであり、刷毛や洗浄／濯ぎ用の槽は単なるオプションと提供される。より詳しくは、本発明は、交換可能なペイントブロックを特徴とし、オプションとしてのみ側方ストッパを備え、場合により更にオプションとしてペイントブロックと交換可能な側方ストッパを備えた、ペイントブロック領域を包含する。本発明は、また、２つの固定式ストッパを特徴とし、オプションとしてのみペイントブロックと互換的な、ペイントブロック領域を包含する。

更に、本発明は、ペイントブロックの領域の特徴とは独立に、本出願に記載したような、（刷毛の一方および他方における）湿潤／乾燥用槽を包含する。

図１は本発明の前記実施例に基づくペイントボックスの全体の概略的斜視図である。 図２は図１と同様の図で、このボックスの異なるエレメントを分解したところを示す。 図３は図１のIII−III線に沿った断面図である。 図４は図１のIV−IV線に沿った断面図である。 図５は前記図のボックスの盤の上面図である。 図６は交換可能な側方ストッパの下面図である。 図７は図６の交換可能な側方ストッパの側面図である。 図８はペイントブロック又はストッパの支持体の下面図である。 図９は図８の支持体の斜視図である。 図１０は図５の盤に対するペイントブロック又はストッパの支持体の取付けを示す断面図である。 図１１は本発明の可能な実施例に基づく刷毛の異なる部分を分解したところを示す斜視図である。 図１２は図１１の刷毛のハンドルの軸線に沿った長手方向断面図である。 図１３はペイントブロックの支持体の取付け手段の変化形を示す。

Claims (25)

1. 下部に湿潤用液体が満たされるようになった吸収材料製のエレメント（8）を備え、特に吸収材料製の塗布用横断方向へらを有する形式の刷毛湿潤槽であって、場合により前記湿潤用液体内に含まれる顔料を沈降させる手段（80）を備えていることを特徴とする刷毛湿潤槽。
2. 前記沈降手段は槽の底部に突出して設けた縦桟（80）を有し、前記縦桟の上に吸収材料製の前記エレメント（8）が載置されていることを特徴とする請求項２に基づく湿潤槽。
3. 前記湿潤用エレメント（8）は吸収性かつ濾過性の材料で形成されていることを特徴とする請求項１又は２に基づく湿潤槽。
4. 液体収容槽の上に篩を形成する収容部（79、85）内に配置された吸収材料製のエレメント（9）を有する刷毛乾燥手段を特徴とする請求項１から３のいづれかに基づく湿潤槽。
5. 前記液体収容槽を湿潤手段の湿潤用液体槽に連通させる手段を備えていることを特徴とする請求項４に基づく湿潤槽。
6. 底部に沈降用縦桟を備えた部分を有する単一の湿潤／乾燥用槽（6）と、前記縦桟上の開放されたコンパートメント（78）と篩の形のコンパートメント（79、85）とに分かれた槽蓋（7）を特徴とする請求項５に基づく湿潤槽。
7. 沈降用縦桟の側の蓋（7）の開放されたコンパートメントは吸収材料（8）のための収容部を画成する内側スカート（78）を有し、前記スカートの下端は前記縦桟のレベルに整合していることを特徴とする請求項６に基づく湿潤槽。
8. 前記請求項のいづれかに基づく湿潤槽と、刷毛のための共通の採取面（4d）を構成するペイント面を夫々横に並んで突出して提供するべく、横に並んで配置された一組のペイントブロック（4）とを備えたペイントボックス。
9. 前記刷毛のためのペイント採取用チャンネルを画成するべく前記一組のペイントブロックを取り囲む２つの側方ストッパ（61、62）を特徴とする請求項８に基づくペイントボックス。
10. 前記ペイントブロック（4）は一組の異なる色で構成することの可能な採取用チャンネルを画成するべく互換的であることを特徴とする請求項８又は９に基づくペイントボックス。
11. 夫々のペイントブロック（4）は前記ボックスに設けた相補的取付け手段（30）と協働する取付け手段（22；100、101）を備えた支持体（10、10’）に取付けてあり、支持体と取付け手段の全ては前記ペイントブロックの互換性を可能にするべく同一であることを特徴とする請求項１０に基づくペイントボックス。
12. より小さな採取用チャンネルを画成するべくストッパ（62）の１つはペイントブロック（4）の１つと互換的であり、このストッパは当該ストッパといづれか１つのペイントブロックとの互換性を可能にするべくペイントブロックの取付け手段と同様の取付け手段を備えた支持体（10）に取付けてあることを特徴とする請求項１０又は１１に基づくペイントボックス。
13. 取付け手段（22、30）は溝／スライダー型であることを特徴とする請求項１１又は１２に基づくペイントボックス。
14. 取付け手段（100、101）はスナップ嵌合型であることを特徴とする請求項１１又は１２に基づくペイントボックス。
15. 支持体（10）は：
    −ペイントブロック（4）又は着脱式側方ストッパ（62）の保持手段（17〜19；12）を備えた細長い底板（23）と；
    −前記底板（23）の一端に配置された把持用舌状部（40）と；
    −前記底板の下に突出したペイントボックスへの取付け手段（22；100、101）；
    を備えていることを特徴とする請求項１１から１５のいづれかに基づくペイントボックス。
16. 前記取付け手段は溝（22）を備え、前記溝の、把持用舌状部（40）側の、対向する２つの側面は円弧状に拡大してあり、丸みの付いた壁を有するストッパ（36）を形成していることを特徴とする請求項１５に基づくペイントボックス。
17. 前記ボックスに設けた相補的な取付け手段はスライダー（30）を備え、前記スライダーは、導入部（32）と、平行な側壁部分と、ストッパ（36）の座（33）を形成する円弧状の拡大された側壁部分と、溝（22）の幅に合わせた平行な側壁の底部（34）を有することを特徴とする請求項１１から１６のいづれかに基づくペイントボックス。
18. 一組の刷毛を備え、夫々の刷毛は、ペイントを採取するようになった、採取用チャンネルの幅を有する、吸収材料で被覆された塗布用へら（50）を備えていることを特徴とする請求項８から１７のいづれかに基づくペイントボックス。
19. １つのペイントブロックのみの上でペイントを採取するようになった塗布用へらを備えた追加的な刷毛を備えていることを特徴とする請求項８から１８のいづれかに基づくペイントボックス。
20. 成形により単一部品として製作された盤（1）を備え、前記盤は前縁（2）の近傍にペイントブロック（14）のための領域（5）を備え、前記ペイント採取用チャンネルは前記前縁にほぼ垂直に延長しており、湿潤用槽（16）は前記前縁に相対峙して前記ペイント領域の背後に位置することを特徴とする請求項８から１９のいづれかに基づくペイントボックス。
21. ２つの部分（50；51、52）からなる刷毛を備え、第１の部分は特に吸収材料からなる塗布用へら（50）を形成し、その細長い縁の一方はペイントを採取する役割を有し、刷毛のハンドル（51）によって構成される第２の部分（51、52）は、その一端に、ハンドルの平面内で横断方向に延長する、ペイント採取用縁（58）に相対峙する前記へら（50）の縁を強固に挟持するためのＵ字形連続断面の結合部材（52）を有することを特徴とする請求項８から２０のいづれかに基づくペイントボックス。
22. ２つの部分（50；51、52）は分離可能であることを特徴とする請求項２１に基づくペイントボックス。
23. 塗布用へらを形成する第１部分（50）はＵ字形断面の吸収材料の帯材で囲繞された剛性材料製の芯（53）を備え、折り目に対応する縁はペイント採取用縁（58）を形成していることを特徴とする請求項２１又は２２に基づくペイントボックス。
24. 前記芯（53）はＵ字形断面の部材内に側方から挿入するようになったより厚い後縁（57）を採取用縁（58）とは反対側に備え、後者のＵ字形断面の部材は前記より厚い縁に対して相補的な形状の底部を備え、塗布部（50）をハンドルの軸線に沿って取り外すことができないようになっていることを特徴とする請求項２３に基づくペイントボックス。
25. 結合部材はクランプ型であることを特徴とする請求項２１から２４のいづれかに基づくペイントボックス。
    

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