JP2005532817A - 機能的スクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞状況において遺伝子及びタンパク質の機能を決定するためのハイスループットの機能的ゲノム方法を提供する。また、遺伝子及びタンパク質/酵素活性の化学モジュレーターを同定するための方法も提供される。各々の相互作用の生物学的適用範囲にまたがり、細胞下解像度のデータを得るために画像ベースの解析を用いる、相互作用的なプロセスにおいて、スクリーニングに関するアッセイを行なう。

Description

本発明は、細胞状況における遺伝子及びタンパク質の機能を決定するための新規なハイスループットの機能的ゲノム的方法に関する。この方法は、遺伝子及びタンパク質/酵素活性の新規な化学モジュレーターを同定するのにおいて有用性を有する。
ヒューマンゲノムプロジェクト及びさらに下流での研究で得られた大量の遺伝子配列、遺伝子発現及びタンパク質発現のデータは、多くの新規な薬物標的の同定を可能にする潜在的能力がある。この潜在的能力の実現には、新規な遺伝子産物の機能の決定及びこれらのタンパク質の薬物標的としての確証に多大な労力を要する。
遺伝子及びタンパク質機能についての有効な機能的情報を得るには、それがおかれた状況下での機能を決定(又は確認)することが必要とされる。換言すれば、遺伝子/タンパク質の機能は、それと相互作用する可能性の高い他の遺伝子/タンパク質の存在下で決定すべきである。その結果、成分間の動的相互作用に溶液アッセイでは利用できない他の細胞成分が必要とされる可能性がある細胞環境での機能的情報を生体内で導き出すことができる細胞ベースの機能的スクリーニング法が必要とされる。
細胞アッセイにハイスループット生物学を持ち込むことは、マイクロアレイ及びタンパク質間相互作用研究に由来する転写及び相互作用のデータを関連付けてクラスター化する以前の研究に基づき、それと匹敵する(Ge et al(2001)Nature Genetics 29,482〜486)。ハイスループット解析技術を利用した細胞スクリーニングに基づく方法によって、細胞性プロセスの提示をシステムレベルで可能にする十分に詳細な説明を行なうという最終的な目的を伴う(Endy&Brent(2001)Nature 409、391〜395;Kitano(2002)Science 295,1662〜1664)、細胞内経路及び哺乳動物細胞における制御を解明するのに必要な複雑性に取り組むことが可能となる(Giese et al(2002)Drug Discovery Today 7,179〜185)。
細胞の状況における機能的なスクリーニングを達成するために、以下の2つの要素が必要である。
a)1以上の遺伝子的エフェクター又は1以上の化学モジュレーター、
b)1以上の測定可能な表現型;すなわち、試験システムからのアッセイ読み取り。
遺伝子と表現型との間、又は化学物質と表現型との間の因果関係を確立するために。これらの要素は、その目標:
1)機能的なゲノミクス;正常な生物学における遺伝子機能の発見
2)標的バリデーション;異常な生物学における遺伝子機能の発見
3)化学的遺伝学;正常な表現型を調節する化学物質の発見
4)薬物発見;異常な表現型を調節する化学物質の発見
においてのみ異なる種々のスクリーニングプロセスに用いることができる。
現在の手順では、試験システムは、遺伝子又は化学的変化の効果(すなわち、それぞれ、1遺伝子の上方制御もしくは下方制御発現、又は候補薬物の有無)について、単独で又は組合せて、問い合わされる。結果として、試験細胞からの読み取りに対する遺伝子(エフェクター)又は薬物(モジュレーター)の効果(及びその機能の推論による)は、試験システムの挙動を観察することによって、単独か又は組合せて測定され得る。機能が既知及び未知のエフェクター及びモジュレーターを組合せて用いることによって、既知と未知の実体の間の機能的連関を導出して、これによって機能を割り当てることを始めることが可能になる。
このようなスクリーニングのための細胞ベースのアッセイの使用は(Croston(2002)Trends in Biotechnology 20,110〜5;Zheng&Chan 2002 Current Issues in Molecular Biology 4,33〜43)、上記のような文脈上の情報を獲得する理由のためにさらに広範に採用されつつある。このようなアッセイは、レポーター遺伝子アッセイ、細胞増殖、前駆体取り込み、細胞形質転換、細胞形態学及び蛍光酵素アッセイを含む、広範な種々のアッセイ方法を使用する。機能的なスクリーニングに対するこれらのアプローチは代表的に、スクリーニングプロセスの前にアッセイの開発を必要としており、これによって試験下の細胞集団についての平均データが得られる、既存のアッセイ及び装置を用いている(例えば、ルミノメーターにおけるルシフェラーゼレポーター遺伝子の測定)。
米国特許第6322973号(Iconix Pharmaceuticals)は、機能が未知の遺伝子の化学モジュレーターを発見するための代用的な手段を記載する。機能が未知の異種遺伝子を宿主細胞において発現して(例えば、酵母細胞におけるヒト遺伝子の発現)、この宿主細胞を、得られた表現型の変化について評価して、これを次に培養アッセイの基礎として用いることができる。試験物質に対する、変化した表現型を示す宿主細胞の引き続く曝露、及び細胞アッセイでの試験物質の効果についてのアッセイによって、異種遺伝子の機能のモジュレーターである試験物質を同定する。
米国特許第6340595号(Galapagos Genomics)は、アデノウイルスベクターにおける核酸のライブラリーの発現によって、サンプル核酸のライブラリーの産物の機能を同定するための手段を記載する。サンプル核酸は、合成オリゴヌクレオチド、DNA、又はcDNAであって、ポリペプチド、アンチセンス核酸、又は遺伝子抑制要素をコードする。サンプル核酸を、宿主において発現させて、得られた変化した表現型を用いて、サンプル核酸によってコードされた産物に対して生物学的機能を割り当てた。
国際公開第02/02740号(Rosetta Inpharmatics)は、細胞構成要素、詳細には遺伝子及び遺伝子産物を特徴付けるための、方法及びシステム(例えば、コンピューターシステム及びコンピュータープログラム製品)を記載する。本発明は、遺伝子産物の表現型マーカーとして、改変遺伝子又は遺伝子産物を有する細胞における複数の細胞構成要素の測定に由来する応答プロフィールを用いることによって、特徴付けられていない1以上の遺伝子の生物学的機能を割り当てるか又は決定するための方法を提供する。このような応答プロフィールをクラスター化するための方法が提供され、その結果類似又は関連の応答プロフィールが同じクラスターに組織化される。本発明は、応答プロフィールのデータベースを提供し、ここに対して、特徴付けられていない遺伝子又は遺伝子産物の応答プロフィールを比較する。
国際公開第01/71023号(Genetrace)は、遺伝子機能を解読するための方法を記載する。本発明は、標的特異的な改変細胞株が選択されたタンパク質又は核酸の活性又は濃度において親細胞とは異なる細胞株のマトリックスを提供する。細胞のマトリックスを、1以上の刺激又は試験化合物に曝露して、この細胞マトリックスを刺激又は試験化合物に対する1以上の応答についてプロファイリングした。得られたプロフィールの解析によって、細胞のマトリックスにまたがって活性又は濃度が異なる要素の遺伝子機能に対する情報が得られる。
上記の先行技術の方法の全てが、以下の1以上によって特徴付けられる。
a)異種遺伝子(例えば、酵母におけるヒト遺伝子)の効果の測定、
b)スクリーニングの前の適切なアッセイの開発のための要件、
c)スクリーニングの前に細胞株を操作するための要件。
上記の先行技術のアッセイに伴う重大な問題は、それらが既存のアッセイに依存しており、従って公知のアッセイの利用度によって限定される生物学的事象の範囲内に経験的に限定されるということである。これは、機能の割り当てが、読み取られた利用可能なアッセイに関連する生物学的プロセスと相互作用するものに限定されるというさらなる問題をもたらす。さらに、一般的には、これらのアッセイは細胞集団にまたがって平均化した因果関係について報告しているので、細胞集団にまたがる応答の分布に対する情報は得られない(例えば、細胞周期状態に起因して、又は応答する細胞及び非応答性の細胞の混合集団に起因して)。先行技術の方法にともなうさらなる問題は、このアッセイは細胞の適切な集団にしか用いることが可能でなく、例えば一過性にトランスフェクトされた細胞のような細胞の非均一な集団とともに用いるために一般には適切でないということである。
結果として、機能的なスクリーニングの有効性を増大するために必要なものは、既存のアッセイを必要とせず、細胞プロセスの最も広範な潜在的範囲を有し、かつ個々の細胞レベルでデータを提供する方法である。本発明は、機能的なスクリーニングのための方法を提供するが、ここではアッセイは、各々の反復を用いて生物学的範囲に拡大して、細胞下解像度でデータを得るための画像ベースの解析を用いる、反復プロセスにおけるスクリーニングと呼応して行なわれる。
本発明の方法は、機能的なスクリーニングプロセスに組み込まれる機能的な診断アッセイを行なう手段を提供することによって、上記に考察される先行技術の方法の限界の少なくとも若干を回避する。この方法は、多くの細胞タンパク質が特徴的な細胞局在化を示して、多くの場合には特定の刺激に応答して細胞局在化を変化させるという事実を利用する。結果的に、コードする核酸配列及び化合物のコレクション(両方のコレクションとも既知の機能及び未知の機能のメンバーを含む)を考慮すれば、1つの核酸配列と1つの化合物との対形成を行なって、核酸配列の産物に結合されたマーカーの特異的な細胞局在化を行なうことが可能である。次いで、このような対の形成を、他のコレクションメンバーに対して試験するための診断アッセイとして用いて、これによってそれらの間のクラスター及び連関を構築することができる。この方法では、機能が既知である各々のコレクションの幾つかのメンバーを用いて、既知の要素に対する連関によって以前に特徴付けられていない要素に対して機能を割り当てることが可能になる。
従って、本発明の方法によって、任意の細胞成分、化合物、薬物又は他の活性部分について分子的かつ一時的なレベルで機能を割り当てることが可能になり、これによって既知の機能の他の部分によって誘導される変化を参照することにより内因性又は外因性の細胞成分の挙動の変化を誘導する。非破壊的な単一細胞解析方法を用いて、遺伝的エフェクター及び化学モジュレーターによって影響されるインジケーターの細胞性挙動を解析するが、ここで、このインジケーター及びエフェクターは細胞に対して内因性であっても外因性であってもよい。
米国特許第6322973号明細書 米国特許第6340595号明細書 国際公開第02/02740号パンフレット 国際公開第01/71023号パンフレット Ge et al.(2001) Nature Genetics 29, 482−486 Giese et al. (2002) Drug Discovery Today 7, 179−185 Endy & Brent (2001) Nature 409, 391−395 Kitano (2002) Science 295, 1662−1664 Croston (2002) Trends in Biotechnology 20, 110−5 Zheng & Chan 2002 Current Issues in Molecular Biology 4, 33−43
本発明の第一の態様によれば、細胞集団における遺伝要素又は化学モジュレーターの機能又は効果を決定するための方法が提供され、この方法は、
i)この細胞で発現したインジケーター核酸配列の分布を、このインジケーターの分布に影響する第一の化学モジュレーターの存在下及び非存在下で決定する工程であって、この細胞はエフェクター核酸配列を同時発現するか、又は第二の化学モジュレーターの存在下にあるかのいずれかである工程と、
ii)このエフェクターとモジュレーターとインジケーターの全ての組合せで得られた分布データ分布データを解析して、機能的連関を導出しこのエフェクター及びこの第二のモジュレーターに対して機能を割り当てる工程と、
を含む。
本発明の状況において、以下の用語は、以下に規定する通り解釈すべきである。
「エフェクター」−生物学的機能又は活性を有する発現されたタンパク質から得られるか(例えば、cDNA又は他のコード核酸配列)、又は別の機構の作用から得られるか(例えば、アンチセンス及びRNAi配列)のいずれかである、生物学的な機能又は活性を有する核酸配列、
「モジュレーター」−生物学的機能又は活性を有する化学的部分、
「インジケーター」−検出可能な標識を含み、検出可能な標識をコードするか、又は必要に応じて検出可能なタンパク質標識をコードする配列に融合され、細胞中で発現されてこれによってこの検出可能なタンパク質の特徴的な局在化を生じ得る、核酸配列、
「細胞アッセイ」−エフェクター又はモジュレーターの生物学的活性の診断的読み取りを提供するアッセイ。
本発明の第二の態様においては、細胞集団における遺伝要素又は化学モジュレーターの機能又は効果を決定するための方法が提供されるが、この方法は、
i)この細胞で発現したインジケーター核酸配列の分布を、このインジケーターの分布に影響する第一の化学モジュレーターの存在下において決定する工程であって、この細胞はエフェクター核酸配列を同時発現するか、又は第二の化学モジュレーターの存在下にあるかのいずれかである工程と、
ii)この第一の化学モジュレーターの非存在下においてこのインジケーター核酸配列について、上記i)の分布データと、電気的又は光学的なデータベースに記録されている既知の分布データとを比較する工程と、
iii)このエフェクターとモジュレーターとインジケーターの全ての組合せで得られた分布データ分布データを解析して、機能的連関を導出しこのエフェクター及びこの第二のモジュレーターに対して機能を割り当てる工程と、
を含む。
必要に応じて、本発明の第一及び第二の態様の上記方法の工程(i)における細胞はエフェクター核酸配列を同時発現して、上記第二の化学モジュレーターの存在下にある。
適切には、このエフェクター核酸配列は、タンパク質又はペプチドをコードし、DNA、cDNA、RNA及びタンパク質核酸からなる群から選択される。
好ましくは、このエフェクター核酸配列は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである(cf.Dean(2001)Current Opinion in Biotechnology,12,622〜625)。より好ましくは、このエフェクター核酸は、遺伝子のサイレンシングを生じる低分子干渉RNA(siRNA)である(参照、Elbasgir et al(2002)Methods,26,199〜213)。RNA干渉(RNAi)は、相同なmRNAの分解を誘発するシグナルとして二本鎖RNAを用いる、高度に保存された遺伝子サイレンシング機構である。配列特異的mRNA分解のメディエーターは、さらに長い二本鎖RNAからリボヌクレアーゼIII切断によって生成される、21〜23ヌクレオチドの小siRNAである。
好ましくは、本発明によるインジケーター又はエフェクター核酸配列に作動可能に連結された適切な発現制御配列を含む発現ベクターが提供される。本発明のDNA構築物は、組換えベクター中に挿入されてもよいし、組換えDNA手順に都合よく供することができる任意のベクターであってもよい。ベクターの選択はしばしば、導入されるべき宿主細胞に依存する。従って、ベクターは自動的に複製するベクター、すなわち、その複製が染色体複製とは独立している、染色体外実体として存在するベクター、例えばプラスミドであってもよい。或いは、このベクターは、宿主細胞に導入された場合に、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、それが組み込まれている1以上の染色体と一緒に複製されるベクターであってもよい。
このベクターは好ましくは、エフェクター又はインジケーターの核酸配列が核酸の転写に必要なさらなるセグメントに作動可能に連結される発現ベクターである。一般に、発現ベクターは、プラスミド又はウイルスDNAに由来するか、又は両方の要素を含んでもよい。好ましくは、発現ベクターは、プラスミド、レトロウイルス及びアデノウイルスからなる群から選択される。「作動可能に連結される」という用語は、このセグメントが、その意図される位置で呼応して機能するように、例えば、転写がプロモーターで開始してタンパク質合成に進行するように配列されることを示す。
プロモーターは、インジケーター又はエフェクターの核酸配列の転写のための、選り抜きの適切な宿主細胞(例えば、哺乳動物細胞、酵母細胞、又は昆虫細胞)において転写活性を示す任意のDNA配列であってもよい。プロモーターは、宿主細胞に対して相同又は異種のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子に由来し得る。
哺乳動物細胞における本発明の核酸配列の転写を指向するために適切なプロモーターの例は、CMVプロモーター(米国特許第5168062号、同第5385839号)、ユビキチンCプロモーター(Wulff et al(1990)FEBS Lett.261,101〜105)、SV40プロモーター(Subramani et al(1981)Mol.Cell Biol.1,854〜864)及びMT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al(1983)Science 222,809〜814)。昆虫細胞における使用のために適切なプロモーターの例は、ポリヒデリンプロモーター(米国特許第4745051号;Vasuvedan et al(1992)FEBS Lett.311,7〜11)である。酵母宿主細胞における使用のために適切なプロモーターの例としては、酵母解糖遺伝子(Hitzeman et al(1980)J.Biol.Chem.255,12073〜12080;Alber & Kawasaki(1982)J.Mol.Appl.Gen.1,419〜434)もしくはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al、Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals(Hollaender et al編)Plenum Press,New York,1982)由来のプロモーター、又はTPI1(米国特許第4599311号)もしくはADH2−4c(Russell et al(1983)Nature 304,652〜654)のプロモーターが挙げられる。
本発明のエフェクター及びインジケーターの核酸配列は、必要に応じて、ヒト成長ホルモンターミネーター、TPI1又はADH3ターミネーターのような適切なターミネーターに作動可能に接続され得る。このベクターはさらに、ポリアデニル化シグナル(例えば、SV40又はアデノウイルス5EIb領域由来)、転写エンハンサー配列(例えば、SV40エンハンサー)及び翻訳エンハンサー配列(例えば、アデノウイルスVA RNAをコードするもの)のような要素を含んでもよい。
このベクターはさらに、1つの2シストロン性転写mRNA分子由来の2つのタンパク質のリボゾーム内部進入及び発現を可能にするDNA配列を含む。例えば、脳心筋炎ウイルス由来の内部リボソーム進入配列(Rees S et al、(1996)Bio Techniques,20,102〜110及び米国特許第4937190号)。
組換えベクターはさらに、宿主細胞においてベクターが複製することを可能にするDNA配列を含む。このような配列の例(宿主細胞が哺乳動物細胞である場合)は、SV40複製起点である。
宿主細胞が酵母細胞である場合、ベクターが複製することを可能にする適切な配列の例は、酵母プラスミド2μ複製遺伝子REP1−3及び複製起点である。
ベクターは、薬物、例えば、アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ピューロマイシン、ネオマイシン又はハイグロマイシンに対する耐性を付与する遺伝子のような選択マーカーを含んでもよい。
それぞれ、本発明のエフェクター及びインジケーターの核酸配列、プロモーター、及び必要に応じてターミネーター及び/又は標的化配列に連結するために、それらを複製に必要な情報を含む適切なベクターに挿入するために用いられる手順は、当業者には周知である(例えば、Molecular Cloning,Sambrook & Russell,Cold Spring Harbour Press 2001)。
適切には、インジケーター核酸配列は、検出可能な標識を含むか又は検出可能な標識をコードする。好ましくは、インジケーター核酸配列は、検出可能な標識をコードする核酸配列に対してエフェクター配列を融合することによって作成される。
適切には、検出可能な標識は、蛍光タンパク質、酵素、抗原及び抗体からなる群から選択される。
蛍光タンパク質及び色素タンパク質の蛍光タンパク質誘導体が、Aequoria victoria、Anemonia種、例えば、A.Majano及びA.sulcata、Renilla種、Ptilosarcus種、Discosoma種、Claularia種、Dendronephthyla種、Ricordia種、Scolymia種、Zoanthus種、Montastraea種、Heteractis種、Conylactis種及びGoniopara種を始めとする広範な種々の生物体から単離されている。
Aequorea victoria由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)の使用は、多くの細胞及び分子生物学的プロセスへの研究に革命をもたらした。しかし、野生型(ネイティブ)GFP(wtGFP)の蛍光特徴は、細胞レポーターとしての使用に理想的に適切というわけではないので、細胞内レポーターとしての使用にさらに適切な特性を有する改変体の変異されたGFPを生成するには大きな労力が払われている(Heim et al(1994)、Procedings of the National Acadamy of Sciences(USA),91,12501;Ehrig et al、1995 FEBS Letters,367,163〜6;国際公開第96/27675号;Crameri,A et al(1996)、Nature Biotechnology 14,315〜9;米国特許第6172188号;Cormack,B.P. et al(1996)Gene 173,33〜38;米国特許6194548;米国特許第6077707号及び英国特許第2374868号(‘Amersham Biosciences UK Ltd’)。英国特許第2374868号に開示される好ましい実施形態は:F64L−V163A−E222G−GFP、F64L−S175G−E222G−GFP、F64L−S65T−S−175G−GFP及びF64L−S65T−V163A−GFP、からなる群から選択されるGFP誘導体を含む。
好ましい実施形態では、蛍光タンパク質は:Y66H、Y66W、Y66F、S65T、S65A、V68L、Q69K、Q69M、S72A、T203I、E222G、V163A、I167T、S175G、F99S、M153T、V163A、F64L、Y145F、N149K、T203Y、T203Y、T203H、S202F及びL236Rからなる群から選択された1以上の変異を有する改変された緑色蛍光タンパク質(GFP)である。
好ましくは、この改変GFPは、GB特許番号2374868に開示されるF64L−V163A−E222G、F64L−S175G−E222G、F64L−S65T−S175G及びF64L−S65T−V163からなる群から選択される3つの変異体を有する。
好ましくは、酵素はβガラクトシダーゼ、ニトロリダクターゼ、アルカリホスファターゼ及びβラクタマーゼからなる群から選択される。従って、インジケーター核酸配列は細胞に添加された適切な基質における酵素の作用によって検出され得る。このような基質の例としては、ニトロ消光CyDyesTM(Amersham Biosciences、ニトロリダクターゼ基質)、ELF97(Molecular Probes,alkaline phosphate基質)及びCCF2(Aurora Biosciences、βラクタマーゼ基質)が挙げられる。
適切には、モジュレーターは、有機化合物、無機化合物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、ポリヌクレオチド及びタンパク質核酸からなる群から選択される。好ましくは、このモジュレーターは、アナログ又は誘導体のような類似の有機化合物を含むコンビナトリアルライブラリーから選択される。
適切には、細胞は真核生物細胞である。好ましくは、真核生物細胞は、哺乳動物、植物、鳥類、真菌、魚類、昆虫及び線虫類からなる群から選択され、この細胞は遺伝子的に改変されていてもされていなくてもよい。さらに好ましくは、哺乳動物細胞は、ヒト細胞であって、これは遺伝子的に改変されていてもされていなくてもよい。
好ましくは、検出可能な標識の局在化は、画像化システムを用いて決定される。適切な画像化システムは、国際公開第99/47963号及びPCT/GB03/01816に記載されるような、細胞解析器(Cell Analyzer)である。
本発明の第三の態様において、細胞集団に対する化学的及び/又は遺伝子的要素の機能又は効果を決定するための自動化システムが提供されるが、これには画像化システム及びコンピューター化データ処理デバイスとともに本明細書において上記で記載された方法の使用を含む。
本発明の第四の態様において、インジケーター核酸配列及びその間の既知の連関のモジュレーターを備える、部品のキットが提供される。この部品のキットは、本発明の第一の態様の方法を使用する細胞アッセイを較正又は確証するために用いることができる。
本発明の第五の態様において、キットがインジケーター核酸配列及びその間の既知の連関のエフェクター核酸配列を備える、部品のキットが提供される。この部品のキットは、本発明の第一の態様の方法を使用する細胞アッセイを較正又は確証するために用いることができる。
本発明の方法を達成するために、宿主細胞における核酸の発現に適切なベクターにおける核酸配列の1以上のコレクション[10](図1)をさらなるベクターにサブクローニングして[20]、1以上の核酸配列のタンパク質産物と検出可能なタンパク質との融合物を得る。検出可能なタンパク質は、哺乳動物細胞において発現されて、適切な装置を用いて検出され得る任意のタンパク質であってもよい。適切な検出可能なタンパク質としては、緑色蛍光タンパク質のような蛍光タンパク質が挙げられる。哺乳動物細胞における融合タンパク質の発現は、化学的に媒介されるトランスフェクション(FuGENE、Roche;Lipofectin,Invitrogen)、エレクトロポレーション(Brunner et al(2002)Molecular Therapy 5,80〜6)又は弾道的送達(ballistic delivery)(Burkholder et al(1993)J Immunol Methods 165,149〜56)を含む標準的な方法の使用によって達成され得る。
宿主細胞集団における検出可能な融合タンパク質の発現[30]によって、核酸配列によってコードされたタンパク質の分布の検出可能なタンパク質特徴の分布が得られる[10]。試験化合物の存在下での宿主細胞[50]の第二の集団における融合タンパク質の発現[40]は、特定の状況で融合タンパク質の分布を生じ[70]、これは試験化合物の非存在下での分布とは異なる[60]。[60]が[70]とは異なる分布パターンを生じる[20]及び[40]のこのような組合せの場合、試験化合物及び検出可能な融合タンパク質の特定の組合せによってさらなる検討のための基礎が得られる。[10]又は[40]のいずれの成分の身元又は生物学的機能の知識も、この記載されたプロセスに従うために必要な知識(例えば、融合構築物[20]のアセンブリを可能にするための十分な[10]配列情報)を超えて、既知である必要はないということがこのプロセスの重要な特徴である。このプロセスによって、融合タンパク質[20]及び試験化合物[40]の組合せが確立され、これを一緒にして規定の及び応答性の細胞表現型を操作する(すなわち、さらなる機能的なスクリーニングに用いることができる細胞ベースのアッセイ)。
[40]が[20]の細胞分布を調節するのにおいて再現性の活性を示す、[20]及び[40]の主要な組合せが一旦確立されれば、2回目のスクリーニングを行なってもよく、ここでは核酸配列[10]が試験化合物[40]の非存在下[60]及び存在下[70]で検出可能な融合タンパク質を発現する細胞にトランスフェクトされる。細胞を引き続き、操作された表現型の修飾について評価して、単独[80]でか、又は試験化合物と組合せて[90](拮抗作用又は相乗作用)、検出可能なタンパク質の細胞分布を調節する核酸配列[10]を同定する。
両方のライブラリーが既知(陰つき)[111][141]及び未知(陰なし)の機能[112][142]の要素を含む、核酸配列[110]及び試験化合物[140]のライブラリーを用いるスクリーニングプロセス(図2)の反復、並びにこれらのライブラリー単独[160][162]及び組合せ[165]の要素に対して操作された表現型の細胞を曝露することによって、核酸配列及び試験化合物の機能及び相互作用を検討することが可能になる。図2の例においては、操作された表現型の細胞[160]とのライブラリー[110]の核酸配列成分[170、166、168]の相互作用は、検出された表現型における変化を生じる[170]。同じ操作された表現型の細胞[162]との試験化合物コレクションの化学的成分[140]の相互作用は、検出された表現型[166]を変化しない。同じ化学的要素及び遺伝子的要素の組合せに対する、同じ操作された表現型[165]のさらなる細胞の同時曝露は、観察された表現型[168]において変化をもたらさず、このことは、この試験化合物の機能と発現された核酸配列との間の幾つかの形態の拮抗作用を示す。
従って、特徴付けられた生物学的活性又は特徴付けられていない生物学的活性の試験化合物のコレクションと組合せた既知及び未知の機能の核酸配列のライブラリーを用いる大規模スクリーニングを行なって、細胞アッセイによって測定される検出可能な細胞表現型を改変するように協調して作動する、核酸配列及び化学的実体の組合せを確立する。このプロセスは細胞アッセイを固有に行なうので、この方法は、生物学的活性又は既存の細胞アッセイのいずれについても予備知識を必要としないという点で、以前に用いられるアプローチを上回る利点を有する。ただし、このプロセスは、利用可能な既存の細胞ベースのアッセイと組合せて用いてもよい。
多数のグループ(Bejarano et al(1999)J Cell Sci 112(23),4207〜11;Misawa et al(2000)Proc Natl Acad Sci U S A 97,3062〜6;Gonzalez et al(2000)Trends Cell Biol 10,162〜5;Rolls et al(1999)J.Cell Biol.146,29〜44;Simpson et al(2000)EMBO 1,287〜92)が、規定の細胞下局在化のタンパク質と関連する配列を同定するために、cDNAライブラリー又は他の供給源から生じる未知の遺伝子又は配列モチーフのGFPタグ化を用いて報告している。開発は既に自動的クローニングに代わっており(Rolls et al(1999)J.Cell Biol.146,29〜44)これによって、トランスフェクションに必要なN末端及びC末端のGFP融合のハイスループット生成が可能になる。
Amersham Biosciences IN Cell Analyzerのような装置を用いる解析に基づくハイスループット画像の使用(Goodyer et al(2001)、Society for Biomolecular Screening,7th Annual Coference and Exhibition,Baltimore,USA Screening and signalling events in live cells using novel GFP redistribution assays)によって、個々の細胞に基づいて収集されたデータを用いて(例えば、一過性のcDNAトランスフェクションによって)、一過性に調節された細胞において、タグ化されたタンパク質局在化を測定するアッセイの使用を行なうことができる。このアプローチによって、多数の安定な細胞株の生成を伴う細胞選択(Giese et al Drug Discovery Today(2002)7,179〜186)を通じて得られる「過剰発現スケルチング」及び表現型ひずみによってゆがむ可能性が低いアッセイ結果がスクリーニングによって得られる前に安定なインジケーター細胞株を事前に樹立する必要性が略されることを含む多数の利点が得られる。
本発明の方法を用いて、遺伝的要素(エフェクター)と、化学的要素(モジュレーター)と、細胞アッセイ(インジケーター)との間の機能的関係を確立することができる。既知又は未知の機能のエフェクター[210](図3)及びモジュレーター[240]のコレクションから出発して、cDNAエフェクターを、検出可能なマーカータンパク質[220]との融合物として操作して、選択されたモジュレーター[240]の有[270]無[260]において標的細胞にトランスフェクトする。検出可能な融合タンパク質の局在化において再現性の相違を得るためのエフェクター、モジュレーター及び標的細胞の組合せを、さらなる回の機能的スクリーニングのために選択[S]するが、ここでは選択された組合せを、エフェクター[210]又はモジュレーター[240]でチャレンジする。これによってエフェクターとモジュレーターとインジケーターの多くの三者間の組合せを試験し得る[290]。インジケーター細胞ベースアッセイ[360]における化学モジュレーター[340]の活性[345]及び遺伝的エフェクター[310]の活性[315]が、エフェクターとモジュレーターとの間の機能的な連関[301]の有無を推測するように関連して用いられる三者からなる組合せ[390](図4a)を用いて、多くの異なる実態の間の機能的リンク及びクラスターを確立することができる。コレクションの成分の生物学的機能又は活性が既知及び未知であり、これらのコレクションが既知(すなわち、既存のアッセイ)又は未知の生物学的重要性のインジケーター細胞アッセイと組合せて試験される、エフェクター及びモジュレーターの任意のコレクションについて、8つの潜在的な三者の組合せ(三つ組み)が可能であり[302]〜[309]、表1にまとめられている。
結果として、未知の要素を既知の要素と組合せて試験する多数の三つ組み、及び3つ全ての成分の間に相互作用が存在する選り抜きの三つ組みからのデータを収集することによって、以前に特徴付けられていない要素の生物学的機能に対する情報を得る機能的な連関のネットワークをアセンブルすることができる。例えば、エフェクター及びモジュレーター要素の両方の生物学的活性が未知である三つ組み[400](図5)を、モジュレーター及びエフェクターの両方の生物学的活性が、両方の三つ組みに共有される共通のアッセイを通じて既知である第二の三つ組み[401]にリンクさせてもよく、結果として第一の三つ組み[400]のモジュレーター及びエフェクターの潜在的な生物学的活性についての情報が得られる。同じ原理を拡大することによって、三つ組み[402]が共通のモジュレーターを通じて三つ組み[401]にリンクされ得、さらに確立された[403]〜[408]の三つ組みに連関され得る。図5では、このような連関は、2次元の平面に提示され、実際には連関は直線状分枝構造に限定されず、同じ三つ組みからのさらなる接続、分岐点(B)又は複数の分岐点(例えば、B1、B2)を作製するループ[L1]を含んでもよい。
(特定の実施例)
標準的な分子クローニング技術(Molecular Cloning,Sambrook & Russell,Cold Spring Harbour Press 2001)を用いて、pCORON1000−EGFP−N2及びpCORON1000−EGFP−C1という発現ベクター(Amersham Biosciences)のマルチクローニング部位へのcDNAの挿入によって、cDNAのコレクション(Invitrogen & Image Consortium,表2)を、cDNA−EGFP融合タンパク質としての発現のために調製する。これらのベクターは、構成的に活性なCMVプロモーターの制御下で哺乳動物細胞におけるEGFPに対するそのアミノ末端及びカルボキシ末端に融合された、挿入されたcDNA配列によってコードされるタンパク質を含む融合タンパク質の発現を指向する。
cDNA−EGFPインジケーターをコードする発現ベクターを、化学的に媒介されるトランスフェクション(Fugene,Roche)によって、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルにおいて増殖しているHeLa細胞に一過性にトランスフェクトして、標準的な増殖条件下で24時間細胞をインキュベートして、インジケーター融合タンパク質の合成を可能にする。細胞浸透性の核DNA結合色素(Biostatus)であるDRAQ5を用いて細胞を引き続き染色して、細胞核を蛍光的にマークして、IN Cell Analyzer(Amersham Biosciences)を用いてデュアルレーザー励起(EGFP 488nm、DRAQ5 633nm)を用いて全てのウェルを画像化した。緑の蛍光(EGFP)及び赤の蛍光(DRAQ 5)のデータを全ての細胞について収集して(図6)、これを用いてトランスフェクトされていない細胞(閾値未満のEGFP蛍光)からのトランスフェクトされた細胞(閾値を超えるEGFP蛍光)のデータ分離についての閾値を決定した。単一のcDNA−EGFP融合タンパク質からの代表的なデータを図7に示す。pCORON1000−EGFP−N2に挿入されたグルココルチコイドレセプターをコードする全長cDNA由来の融合タンパク質をHeLa細胞において発現して、上記のように解析した。このインジケータータンパク質については、25という閾値(図7における水平の点線)を用いて、トランスフェクトされた細胞(>25)及びトランスフェクトされていない細胞(<25)からのデータを識別した。
上記のようなデータ収集及び解析によって、トランスフェクトされていない細胞からトランスフェクトされた細胞を識別するデータ閾値を用い、これによって集団平均測定を用いる解析方法に必要な安定な細胞株を操作する必要性を回避することにより、一過性にトランスフェクトされた細胞集団におけるインジケーターとしてcDNA−EGFP融合タンパク質を用いることが可能になる。
実施例1に記載のようなある範囲のcDNAに由来するインジケータータンパク質をHeLa細胞にトランスフェクトして、24時間発現させた。発現後、コルチゾールのような血清因子からの刺激の効果を減退させるために細胞を無血清培地に2時間の間、移した。細胞をDRAQ 5を用いて染色して、実施例1に記載のように画像化して、完全培地に戻し、次いで1μMデキサメタゾン(合成のグルココルチコイドアゴニスト)又は1μMのスタウロスポリン(キナーゼインヒビター及びアポトーシス誘導因子)に5分間曝し、続いて、画像化を繰り返した。核輸送アルゴリズム(Amersham Biosciences;(参照、Adie et al(2001)「The pharmacological characterisation of a GPCR using pH sensitive cyamine dyes on the LEADseeker Cell Analysis System」Poster,Society for Biomolecular Screening Conference 2001年9月10〜13日、Baltimore USA;Goodyer et al(2001)「Screening of signalling events in live cells using novel GFP redistribution assays」Poster,Society for Biomolecular Screening Conference 2001年9月10〜13日)を用いて画像データを解析した。このアルゴリズムは、比として核及び細胞質における蛍光分布の数的記述にリターンする(細胞質蛍光で割った核蛍光;N/C)。このアルゴリズムによって、発現細胞においてcDNA−EGFP融合タンパク質の空間的分布を定量することが可能になり:低いN/C比によってインジケータータンパク質の細胞質位置が示され、高いN/C比によって、核の位置が示される。結果的に、化学モジュレーターによって誘導されるインジケータータンパク質についてのN/C比の変化によって、このモジュレーターに対する応答におけるこのインジケーターの転位が示される。この形態の解析によって、このインジケーターがこのモジュレーターに対する応答において転位を示す、対合のためのインジケーター/化学モジュレーターの組合せのスクリーニングが可能になり、特徴付けられた応答に対するエフェクター又はさらなるモジュレーターの作用を試験するための基礎として役立ち得る。
この解析からの結果を図8に示しており、ここではデキサメタゾン及びスタウロスポリンの有無におけるN/C比の相違を、ある範囲のインジケーター融合タンパク質についてプロットした。この結果によって、本実施例で用いられる2つのモジュレーターに対するインジケータータンパク質にまたがる応答の多様性が示される。EGFPに対するグルココルチコイドレセプターの融合によって構築されたインジケータータンパク質(GR)によって、細胞質から核のインジケータータンパク質の局在における変化の指標であるN/C比の極めて大きい増大が示された。この局在化の変化は、デキサメタゾンを含むグルココルチコイドアゴニストに対する曝露に対する、グルココルチコイドレセプターの十分特徴付けられた転位応答と一致している(Htun et al(1996)Proc Natl Acad Sci USA 93(10)、4845〜50)。多数の他のインジケータータンパク質は、デキサメタゾン及びスタウロスポリン(例えば、ATF1、YKT6)のいずれかに曝露された場合、N/C比の有意な変化を示した。
本実施例からのデータは、スタウロスポリン応答に対するデキサメタゾン応答の散乱プロットとして図9に示される。この形態のプロットデータによって、モジュレーターに対するインジケーターの種々の応答が強調される。ほとんどのインジケーターは、いずれのモジュレーターに対する応答も示さないか、又は両方のモジュレーターの処理に対して等価な応答を示すかのいずれかである。この方式でプロットした場合、このデータによって、2つのインジケーターであるGR(グルココルチコイドレセプター)及びATF1(活性化転写因子1)が2つのモジュレーターに対して特異的かつ示差的な応答を示すということが明確に示される。ストレスに対する細胞性応答におけるATF1の関与は以前に記載されており(Wiggin et al(2002)Mol Cell Biol Apr.22(8),2871〜81)、これによって、ATF−1スタウロスポリンの対が、細胞ストレス応答機構に対するエフェクター又はモジュレーターの活性を研究するための適切な試験システムとして役立つことが示される。図9において示されるデータは、デキサメタゾン及びスタウロスポリンの両方に対して応答したそれらのインジケーターを強調する。これらの応答は、GR転位を測定するために必要な血清除去及び交換のレジメンの直接の結果であり、ここでは、CREB1、P27−KIP及びLMNAを含むインジケータータンパク質の群は、血清含有培地に対して細胞を戻した後にN/C値の変化を示す。
インジケータータンパク質のさらなる群を、実施例2に記載のように、HeLa細胞にトランスフェクトして、この細胞をスタウロスポリンに対する曝露の前後に画像化した。さらなる2回のIN Cell Analyzerアルゴリズム、Graularity and Membrane Spot(Amersham Biosciences)(参照、Adie et al(2001)「The pharmacological characterisation of a GPCR using pH sensitive cyamine dyes on the LEADseeker Cell Analysis System」Poster,Society for Biomolecular Screening Conference 2001年9月10〜13日、Baltimore USA;Goodyer et al(2001)「Screening of signalling events in live cells using novel GFP redistribution assays」Poster,Society for Biomolecular Screening Conference 2001年9月10〜13日)を用いて画像を解析した。これらのアルゴリズムは、蛍光を粒度の程度で(すなわち、低値は均一な分布を示し、高値は点状の分布を示す)、かつ膜局在化に関して定量する結果にリターンする。結果としてこれらのアルゴリズムは、細胞質対核の示差的局在化を示さないインジケーターを試験するのに適切であって、従って前の実施例で用いたアルゴリズムによる解析には適切ではない。
スタウロスポリン処理細胞に対するこれらの2つのアルゴリズムを用いた解析からの結果を図10に示す。アルゴリズムによってリターンしたデータは、インジケーターの範囲にまたがって有意に変化して、ここでは幾つかのタンパク質は高い粒度値及び低い膜スポット値を生じ、逆も真であった。2つのアルゴリズムからのアウトプットの比の試験(図10、挿入図)によって、インジケーターCyt−C(EGFP−チトクロームC)が2つのアルゴリズムからの最高の示差的なリターンを示したことが明らかになった。ミトコンドリアからのチトクロムCの放出及び引き続く細胞再分布は細胞のアポトーシスの発現において十分特徴付けられた初期の事象である(Gao et al(2001)J Cell Sci.,114,2855〜62)。結果として、本実施例からのデータによって、検出可能なマーカーに融合され、かつ哺乳動物細胞において一過性に発現される細胞タンパク質をコードするcDNAから操作されたインジケータータンパク質は、このcDNAによってコードされるタンパク質に対して関連のある機能的情報を得る手段を提供するという証拠がさらに得られる。このようなインジケーター−モジュレーターの対の形成は、さらなる機能的なスクリーニングにおける使用に適切である。
NFκB p65−GFP融合タンパク質を発現するCHO細胞に、ある範囲のcDNAモジュレーターを一過性にトランスフェクトした。このインジケーターは、インターロイキン−1(IL−1)に対する曝露を含む多数の刺激に応答して、十分特徴づけされた細胞質対核の転位を受ける。細胞をトランスフェクション後24時間インキュベートして、DRAQ5で染色し、画像化して、次いでIL−1で刺激して、その後に繰り返し画像化した。実施例2に記載のアルゴリズムを用いて全ての画像についてN/C比を決定して、このデータから散乱プロット(図11)を調製した。
2つの要因(刺激及びエフェクター)がインジケーターの挙動を変化し得るこのデザインの実験において、多数の可能性が生じ得る。
a)エフェクターは、刺激の前のインジケーターのN/C比を、対照(エフェクターの非存在下における細胞)の値に対して低下し得る
b)エフェクターは、刺激の前のインジケーターのN/C比を、対照の値に対して増大し得る
c)エフェクターは、刺激の後のインジケーターのN/C比を、対照の値に対して低下し得る
d)エフェクターは、刺激の後のインジケーターのN/C比を、対照の値に対して増大し得る。
上記の全てが、その組合せ次第で、IL−1刺激によって誘導されるインジケーターN/C比の変化の大きさの調節をもたらす。図1の散乱プロットは、結果を4つの象現に分けることによってこれらのシナリオを図解する。
Figure 2005532817
さらに、図11の対角線の点線は、等価なN/Cの比の点を示し、結果として任意の値の線からの距離(線に対して90°)によって、所定のエフェクターの非存在下に対するこの所定のエフェクターの存在下でのIL−1刺激に対するインジケータータンパク質の応答全体の測定が得られる。本実験で用いられるエフェクターは、IL−1刺激の前後のN/C比を変化することにおいて、及びIL−1刺激に対する全体的な応答を変化することにおいて、インジケータータンパク質の分布に対してある範囲の影響を有していることが明白である。
図12は、これらの結果の単純な処理を示しており、ここではIL−1応答のデータ(すなわち、N/CとN/CIL−1との間の相違)のみを示す。これらのデータによって、強力なアゴニズム(例えばPRKCsA、Z及びE並びにGSK3B)に対する、IL−1刺激(CCND3)の大きい拮抗作用から生じるエフェクターを用いたトランスフェクションに対するある範囲の応答が示される。これらのアゴニストはNFκBシグナル伝達経路の活性を調節することが以前に示されており(La Porta et al(1998)Anticancer Res.18(4A):2591〜7;Hoeflich et al(2000)Nature 406(6791),86〜90)、これによって哺乳動物細胞において発現されるインジケーターに対するcDNAエフェクターの機能的なスクリーニングのためにこのアプローチを用いる妥当性が確認される。
実施例4の機能的なスクリーニングを、インスリンでの刺激の存在下及び非存在下で、第二のインジケーターであるRAC1(T)−GFPを用いて繰り返して、実施例3に記載の膜スポットアルゴリズムを用いて解析した。実施例4に記載のように、本実験で用いられるエフェクターは、インスリン刺激の前後にインジケーターの細胞分布を変化させることにおいて、インスリン刺激に対する全体的な応答を変化させることにおいて、インジケータータンパク質の分布に対してある範囲の影響を有していることが明白である(図13)。
Figure 2005532817
Figure 2005532817
cDNAコレクションからのインジケーター細胞アッセイの創出の図式。 細胞アッセイにおけるエフェクターとモジュレーターとの間の推測される機能的な関係を確立するための図式。 cDNAコレクション及び化学的コレクションからのインジケーターアッセイの創出、並びに2つのコレクションの成分の間の機能的な関係を確立するための選択されたインジケーターアッセイの引き続く適用の図式。 エフェクターと、モジュレーターとインジケーターとの間の三つ組みの機能的関係。b)既知及び未知の機能及び/又は生物学的活性の成分を含むエフェクター及びモジュレーターのコレクションに由来する三つ組みにおける変動。 一般的な成分全体に及ぶ三つ組みの機能的関係の関連を通じた既知及び未知の機能のエフェクター及び/又はモジュレーターとの間の拡大された機能的関係を確立するための図式。 HeLa細胞にトランスフェクトされたある範囲のcDNAインジケーターについての核DNA染色及びEGFP融合タンパク質発現の画像蛍光強度測定。 HeLa細胞にトランスフェクトされた単一のcDNAインジケーターからの核DNA染色及びEGFP融合タンパク質発現の画像蛍光強度測定。 デキサメタゾン及びスタウロスポリンに対して曝露されたHeLa細胞における核:細胞質のインジケーター分布。 デキサメタゾン及びスタウロスポリンに曝露されたHeLa細胞におけるインジケーター分布の散布図。 HeLa細胞のスタウロスポリン曝露に対するある範囲のインジケーターの応答。 CHO細胞におけるNFκBp65−GFPインジケーターの分布に対するある範囲のcDNAエフェクターの一時的トランスフェクションの効果。 CHO細胞におけるIL−1刺激に対するNFκB p65−GFPインジケーターの応答に対するある範囲のcDNAエフェクターの一時的トランスフェクションの効果。 CHO細胞におけるRac1−GFPインジケーターの分布に対するある範囲のcDNAエフェクターの一時的トランスフェクションの効果。

Claims (23)

  1. 細胞集団における遺伝要素又は化学モジュレーターの機能又は効果を決定するための方法であって、
    i)インジケーターの分布に影響する第一の化学モジュレーターの存在下及び非存在下で、細胞で発現したインジケーター核酸配列の分布を決定する工程であって、細胞はエフェクター核酸配列を同時発現するか、又は第二の化学モジュレーターの存在下にあるかのいずれかである工程と、
    ii)エフェクターとモジュレーターとインジケーターの全ての組合せで得られた分布データ分布データを解析して、機能的連関を導出しエフェクター及び第二のモジュレーターに対して機能を割り当てる工程と、
    を含む方法。
  2. 細胞集団における遺伝要素又は化学モジュレーターの機能又は効果を決定するための方法であって、
    i)インジケーターの分布に影響する第一の化学モジュレーターの存在下で細胞で発現したインジケーター核酸配列の分布を決定する工程であって、細胞はエフェクター核酸配列を同時発現するか、又は第二の化学モジュレーターの存在下にあるかのいずれかである工程と、
    ii)第一の化学モジュレーターの非存在下においてインジケーター核酸配列について、上記i)の分布データと、電気的又は光学的なデータベースに記録されている既知の分布データとを比較する工程と、
    iii)エフェクターとモジュレーターとインジケーターの全ての組合せで得られた分布データ分布データを解析して、機能的連関を導出しエフェクター及び第二のモジュレーターに対して機能を割り当てる工程と、
    を含む方法。
  3. 前記工程(i)における細胞がエフェクター核酸配列を同時発現して、前記第二の化学モジュレーターの存在下でもある、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 前記エフェクター核酸配列が、タンパク質又はペプチドをコードし、DNA、cDNA、RNA及びタンパク質核酸からなる群から選択される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記エフェクター核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記エフェクター核酸が、遺伝子サイレンシングを生じる低分子干渉RNA(siRNA)である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記エフェクター核酸が細胞発現ベクターにおいて核酸配列を含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記発現ベクターがプラスミド、レトロウイルス及びアデノウイルスからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
  9. 前記インジケーター核酸配列が検出可能な標識を含むか、検出可能な標識をコードする、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記インジケーター核酸配列が、検出可能な標識をコードする核酸配列に対してエフェクター配列を融合することによって作成される、請求項9記載の方法。
  11. 前記検出可能な標識が蛍光タンパク質、酵素、抗原及び抗体からなる群から選択される、請求項9又は10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記蛍光タンパク質が、Y66H、Y66W、Y66F、S65T、S65A、V68L、Q69K、Q69M、S72A、T203I、E222G、V163A、I167T、S175G、F99S、M153T、V163A、F64L、Y145F、N149K、T203Y、T203Y、T203H、S202F及びL236Rからなる群から選択された1以上の変異を有する改変緑色蛍光タンパク質(GFP)である、請求項11記載の方法。
  13. 前記改変GFPがF64L−V163A−E222G、F64L−S175G−E222G、F64L−S65T−S175G及びF64L−S65T−V163からなる群から選択される3つの変異体を有する、請求項12記載の方法。
  14. 前記酵素がβガラクトシダーゼ、ニトロリダクターゼ、アルカリホスファターゼ、及びβラクタマーゼからなる群から選択される、請求項11記載の方法。
  15. 前記モジュレーターが、有機化合物、無機化合物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、ポリヌクレオチド及びタンパク質核酸からなる群から選択される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記モジュレーターが、アナログ又は誘導体のような類似の有機化合物を含むコンビナトリアルライブラリーから選択される、請求項1乃至請求項15のいずれか1項記載の方法。
  17. 前記細胞が真核生物細胞である、請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記真核生物細胞が、細胞は遺伝子的に改変されていてもされていなくてもよい、哺乳動物、植物、鳥類、真菌、魚類及び線虫類からなる群から選択される、請求項17記載の方法。
  19. 前記哺乳動物細胞が、遺伝子的に改変されていてもされていなくてもよいヒト細胞である、請求項18記載の方法。
  20. 前記インジケーター核酸の前記分布が、画像化システムを用いて決定される、請求項1乃至請求項19のいずれか1項記載の方法。
  21. 画像化システムとコンピューター化データ処理デバイスとともに、請求項1乃至請求項20のいずれか1項記載の方法の使用を含む、細胞集団における化学的及び/又は遺伝子的要素の機能又は効果を決定するための自動化システム。
  22. キットがインジケーター核酸配列及びその間の既知の連関のモジュレーターを備える、部品のキット。
  23. キットがインジケーター核酸配列及びその間の既知の連関のエフェクター核酸配列を備える、部品のキット。
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