JP2005531917A - 耐衝撃性の小型のケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、導体と、該導体を取り巻く絶縁層であって、ケーブルが所定の電圧クラスから成る公称電圧にて作動されたとき、所定の電気的応力を提供し得るように選ばれた厚さを有する上記絶縁層と、上記導体の周りにあり、所定の耐衝撃能力を提供し得るように選ばれた厚さ及び機械的性質を有する、保護要素であって、少なくとも1つの膨張した重合層を備える上記保護要素とを備える、所定の電圧クラスにて使用されるケーブルに関する。絶縁層の厚さ及び保護要素の厚さは、50Jのエネルギの衝撃を受けたとき、検知可能な程の絶縁層の損傷を防止しつつ、ケーブルの全体重量を最小にし得るよう組み合わせて選ばれる。本発明は、ケーブルを設計する方法に更に関する。
Description
より具体的には、本発明は、高耐衝撃性及びその設計の小型さを組み合わせる電気ケーブルに関する。
更に、電力の送電又は分配用ケーブルには、一般に、その外面にて生ずる偶発的な衝撃から上記ケーブルを保護する1つ又はより多数の層が設けられる。
導体と、
該導体を取り巻く絶縁層と、
該絶縁層の周りにあり、所定の衝撃抵抗能力を提供し得るよう選ばれた厚さ及び機械的性質を有し、少なくとも1つの膨張した重合層を備える保護要素とを備えるケーブルにおいて、
上記絶縁層の厚さが、ケーブルの絶縁層の外面にて1.0kV/mm以上の電圧勾配を提供し得るようなものであり、
上記保護要素の厚さが、少なくとも25Jエネルギの衝撃を受けたとき、絶縁層の検出可能な損傷を防止するのに十分であることを特徴とするケーブルに関する。
好ましくは、ケーブル絶縁層の外面における電圧勾配が1.0kV/mm以上であり、衝撃が少なくとも25Jエネルギである場合、上記所定の電圧クラスは10kV以下であるものとする。
好ましくは、ケーブルは、上記絶縁層を取り巻き、管状の形態の形状とされた金属薄板を備える電気遮蔽体を更に有するものとする。
好ましくは、上記保護要素の膨張した重合層の膨張程度は、0.35ないし0.7の範囲、より好ましくは、0.4ないし0.6の範囲にあるものとする。
本発明の更なる側面において、上述した保護要素は、上記膨張した重合層と結合された少なくとも1つの非膨張重合層を更に有するものとする。
更なる実施の形態によれば、本発明の保護要素は、上記の膨張した重合層に対し半径方向内方の位置に第二の非膨張重合層を更に備えている。
好ましくは、上記少なくとも1つの非膨張重合層は、熱可塑性材料で出来ているものとする。
更なる側面において、当該出願人は、本発明の保護要素が該保護要素に対して半径方向内方の位置にてケーブルに取り付けられた更なる膨張した重合層と組み合わされたならば、ケーブルにて生ずる衝撃に起因する、ケーブルの絶縁層の変形は都合良いように減少することを知見した。
好ましくは、上記の更なる膨張した重合層は、上記絶縁層の半径方向外方の位置にあるものとする。
好ましくは、上記の更なる膨張した重合層は、半導性であるものとする。
本発明の更なる側面において、当該出願人は、ケーブルに対し少なくとも1つの膨張した重合層を備える保護層を提供することにより、上記保護要素の厚さは、導体の断面面積の増加に相応して減少することを知見した。
導体と、
該導体を取り巻く絶縁層と、
上記絶縁層の周りにあり、少なくとも1つの膨張した重合層を有する保護要素とを備えるケーブルにおいて、
保護要素の厚さは、50mm2以上の断面積の導体に対し7.5mm以下の値を有し、また、50mm2以下又はこれに等しい断面積の導体に対し8.5mm以上の値を有することを特徴とするケーブルに更に関する。
好ましくは、上記所定の電圧クラスが60kV以下である場合、上記絶縁層は、少なくとも50Jのエネルギの衝撃を受けたとき、検知可能な程に損傷されないものとする。
同一の電圧クラス(例えば、10kV、20kV、30kV等)に適したケーブル族(群)が検討されるならば、当該出願人は、ケーブル導体の断面積が増大するとき、ケーブルの保護要素の厚さは、実質的に同一の衝撃保護効果を維持する一方にて、都合良く減少することを知見した。このことは、導体の断面積が小さいケーブルには、大きい断面積の導体を有するケーブルの厚さよりも厚い保護要素を設けることが可能であることを意味する。
導体と、
該導体を取り巻く絶縁層と、
上記絶縁層の周りにあり、少なくとも1つの膨張した重合層を有する保護要素と、を備え、
上記保護要素の厚さが導体の断面積に対し逆の関係となるように選ばれる、ケーブル群に更に関する。
好ましくは、ケーブルの各々は、上記保護要素の半径方向内方の位置に更なる膨張した重合層を備えるものとする。
導体の断面積を選ぶステップと、
多数の所定の電気的制限条件の1つに相応して上記選んだ導体の断面積における所定の電圧クラスにて安全に作動することと適合可能な上記絶縁層の厚さを決定するステップと、
上記多数の所定の電気的制限条件にて決定されたものから最大の絶縁層の厚さを選ぶステップと、
少なくとも50Jのエネルギの衝撃がケーブルに生じたとき、上記絶縁層が検知し得る程に損傷されないように上記保護要素の厚さを決定するステップと、
上記所定の電圧クラス及び選ばれた導体の断面積に対するケーブルを設計するとき、上記選ばれた絶縁層及び上記所定の保護要素の厚さを使用するステップとを備えるケーブルを設計する方法に更に関する。
ケーブルの保護要素が上記膨張した重合層と関係した非膨張の重合層を更に備える場合、上記保護要素の厚さを決定するステップは、上記非膨張の重合層の厚さを決定するステップを備えている。
本発明は、電力を送電し又は分配する電気ケーブルに対してのみならず、光ファイバコアを有する複合電力/電気通信型のケーブルにも都合良く適用可能である。このため、この意味において、本明細書の以下の説明及び特許請求の範囲において、「伝導性要素」という語は、金属型又は複合電気/光型の導体を意味するものとする。
本明細書に記載した型式の電力送電ケーブルは、典型的に、50又は60Hzの公称周波数にて作用する。
好ましくは、導体2は、銅又はアルミニウムで出来たものであることが好ましい金属ロッドであるものとする。これと代替的に、導体2は、従来の技術に従って互いに束にされた銅又はアルミニウムであることが好ましい少なくとも2つの金属線を備えるものとする。
全体として、絶縁層4は、ポリオレフォン、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体等にて出来ている。
本明細書において、「絶縁材料」という語は、少なくとも5kV/mm、好ましくは、10kV/mm以上の誘電強さを有する材料を意味するものとする。中程度−高電圧の電力送電ケーブルの場合、絶縁材料は、40kV/mm以上の誘電強さを有する。
共に非膨張である内側半導性層3及び外側半導性層5は、既知の技術、特に、押出し成形によって得られ、基材の重合系材料及びカーボンブラック(後者は、上記層を半導性にするために使用される)は、本明細書の以下の説明にて述べたものから選ばれる。
図1に示した好ましい実施の形態において、金属遮蔽体6は、好ましくはアルミニウムの連続的な金属薄板で出来たものとし、又はこれと代替的に、管の形状とされた銅で出来たものとする。場合によっては、鉛を使用してもよい。
通常、金属遮蔽体は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレン(PE)のような、架橋結合し又は架橋結合しないポリマー材料から成るオーバシース(図1に図示せず)にて被覆されている。
(a)不飽和エステルの量が重量比で5ないし80%の範囲、好ましくは、重量比にて10ないし50%の範囲である、例えば、酢酸ビニル又は酢酸ブチル
のようなエチレン系の不飽和エステルとエチレンとの共重合体、
(b)少なくとも1つのC3−C12α−オレフィンと、選択的に、ジエンとエチレンとのエラストマー性共重合体、好ましくは、全体として次の組成、すなわち35ないし90%モルのエチレン、10ないし65%のモルのα−オレフィン、0ないし10%モルのジエン(例えば、1,4−ヘキサジエン又は5−エチリデン−2−ノルボルネン)を有する、エチレン/プロピレン(EPR)又はエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)共重合体、
(c)少なくとも1つのC4−C12α−オレフィン、好ましくは、1−ヘキセン、1−オクテン等、選択的に、全体として0.86ないし0.90g/cm3の密度を有し且つ、次の組成を有するジエン、すなわち75ないし97%モルのエチレン、3ないし25%のモルのα−オレフィン、0ないし5%のモルのジエンとエチレンとの共重合体、
(d)エチレン/C3−C12α−オレフィン共重合体にて改質されポリプロピレンであって、ポリプロピレンとエチレン/C3−C12α−オレフィン共重合体との間の重量比が90/10ないし10/90の範囲、好ましくは、80/20ないし20/80の範囲にある上記ポリプロピレンから選ばれるものとする。
ここで、doは、非膨張のポリマー(すなわち、基本的に空隙容積が無い構造体を有するポリマー)の密度を示し、deは、膨張したポリマーに対して測定した見掛け密度を示す。好ましくは、上記膨張した重合系層22の膨張度は、0.35ないし0.7の範囲、好ましくは、0.4ないし0.6の範囲にて選ばれるものとする。
好ましくは、第一の重合系非膨張層23は、非架橋結合のポリエチレン(PE)のような、ポリオレフィンであることが好ましい熱可塑性材料で出来たものとする。これと代替的に、ポリ塩化ビニル(PVC)を使用していもよい。図1に示した実施の形態において、ケーブル1には、外側半導性層5と金属遮蔽体6との間に配置された遮水層8が更に設けられる。
好ましくは、上記遮水層8は、水膨潤可能な材料がその内部に埋め込み又は分散される膨張した重合系材料で出来たものである。
上記遮水層8は、水がケーブルの内部に長手方向に侵入することに対する効果的な障壁を提供することを目的とする。
水膨潤可能な材料は、全体として、重合鎖に沿った親水基を有するホモポリマー又は共重合体から成っており、例えば、架橋結合し且つ、少なくとも部分的に塩化したポリアクリル酸(例えば、C.F.ストックハウゼン(Stockhausen)Gmbhからのキャブロック(Cabloc)(登録商標名))又はグレーンプロセッシング(Grain Processing)カンパニーからのウォータロック(Waterlock)(登録商標名)のような製品)、アクリルアミド及びアクリル酸ナトリウムの間にて共重合体と混合させたデンプン又はその誘導体(例えば、ヘンケル(Henkel)AGからの製品である、SGP吸着性ポリマー(SGP Absorbent Polymer)(登録商標名))、ナトリウムカルボキシメチルセルロースヘルキュラス(Hercules)インコーポレーテッドからのブラノズ(Blanose)(登録商標名))のような製品から成っている。 効果的な遮水作用を得るため、膨張した重合系層内に含めるべき水膨潤可能な材料の量は、全体として、5ないし120phr、好ましくは、15ないし80phrであるものとする(phr=基材材料の重量比による100部分に対して重量比による部分)。
半導性ポリマー組成物を作製するため当該技術にて既知の製品を使用して上記重合系材料に対し半導性の性質を与えることができる。特に、例えば、導電性のファーネスブラック又はアセチレンブラック等のような導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの表面積は、全体として、20m2/9以上、通常、40ないし500m2/gの範囲にある。好ましくは、例えば、ケットジエンブラック(Ketjienblack)(商標名)ECという商標名にて商業的に知られたファーネスカーボンブラック(オランダ、アクゾーケミエ(Akzo Chemie)))のような、少なくとも900m2/gの表面積を有する、高伝導性のカーボンブラックを使用することができる。
更に、ケーブル1に対し半導性の遮水層8を提供することにより、外側半導性層5の電気的性質は上記遮水性の半導性層により部分的に果たされるから、外側半導性層5の厚さを都合良く減少させることができる。このため、上記特徴は、外側半導性層の厚さの減少、従ってケーブルの全体的な重量の減少に好ましいように寄与する。
全体として、ケーブルの絶縁層は、該ケーブルの用途の種類に対して予め規定された電気的応力条件に抵抗し得る寸法とされている。特に、ケーブルが作用しているとき、導体2は、ケーブルの公称作動電圧に保たれ、遮蔽体6は、接地接続される(すなわち、遮蔽体は0ボルトである)。
絶縁層の厚さに依存して、このことは、絶縁層の材料の誘電強さ(適宜な安全率を含む)と適合可能でなければならない、絶縁層における電圧応力を決定することになる。
Γ=Uo/(r・ln(ri/rc)) (1)
ここで、
Uoは、接地電圧に対する相、
riは、絶縁層表面の半径、
rcは、導体表面の半径(又は存在するならば、内側半導性層表面の半径)。
例えば、国際標準CEI IEC60502−2(1.1−1998−11版、18−19ページ)は、架橋結合したポリエチレン(XLPE)で出来た絶縁層の場合、20KVの電圧に相応し且つ、35ないし1000mm2の導体の断面積を有する絶縁層に対して5.5mmの公称厚さ値を規定している。更なる一例として、10KVの電圧であり、16ないし1000mm2の範囲の導体の断面積が選ばれる場合、上記標準に従いケーブルの絶縁層には、3.4mmの公称厚さ値が与えられなければならない。
本発明に従って、保護要素20は、例えば、輸送又は付設作業の間、ケーブルに衝突する石、工具等に起因する潜在的な衝撃によって絶縁層4が損傷されないよう保護する。
除去した材料が石、レンガ等を含む場合、数キログラムの重さのものが相当な高さ(数10センチから1メートル以上まで)からケーブルに落下し、衝撃が比較的大きいエネルギを伴なうことは珍しいことではない。
圧縮可能なケーブルに対する衝撃力Fの効果は、図2に概略図的に図示されており、ここで、図1に関して既に説明した相応する要素を特定するため、同一の参照番号が使用される。
図2に示すように、衝撃力Fの結果として、ケーブルは局部的に変形する。
例えば、ケーブルの作動電圧に対して上述した標準により規定されるように、値toが十分な余裕を持って選ばれる場合、このことは、依然としてケーブルが衝撃を受けた領域内で安全に作用することを許容するのに十分である。
更に、その後、例えば継手がかかる領域で形成されるといった何らかの追加的な作業が衝撃領域にて行われる場合、ある安全率が絶縁層の厚さに提供される場合でさえ、電気的応力が許容可能な程度以上に増大する状態が生ずる可能性がある(設計直径と異なる直径にて作用する、ケーブル又は関係した付属品の何れの場合にも)。
衝撃に関係することが分かった色々なパラメータ及び異なるクラスのケーブルに対する関連した可能性を考慮して、衝撃エネルギを測定した。
従って、ケーブルが溝等に付設されるとき、衝撃エネルギは、その他の因子の内、ケーブルが付設される深さに依存し、上記衝撃エネルギはその深さの増加に伴なって増大する。
更に、溝内等に付設されるケーブルの場合、付設作業の間、一般に生ずる付設屑が存在することは、ケーブルに偶発的な衝撃が加わる可能性に影響を与え、その寸法は、可能な衝撃のエネルギを決定することに寄与する。ケーブルの単一体の重量及び付設作業に使用される作動機械の寸法のようなその他の因子も考慮した。
かかる衝撃エネルギは、例えば、重量27kgの円錐形の形状物を19cmの高さからケーブルに落下することを許容することで実現することができる。特に、試験物は、90°の円錐角度を有し、端縁は約1mmの半径にて丸味を付ける。
低電圧及び高電圧の用途(LV、HV)用のケーブルに対し、それぞれ25J及び70Jの衝撃エネルギを特定した。
本発明による2つのケーブル及び比較用ケーブル(その設計は上述した衝撃抵抗試験に合格する)に対する絶縁層の厚さ及び全体的なケーブルの重量は、20kVクラス電圧ケーブル及び50mm2の導体の断面積の場合について表1に掲げてある。
ケーブル 厚さ(mm) 厚さ(mm) 厚さ(mm) 厚さ(mm)
の型式 オーバシース 保護要素 保護要素 保護要素
第二(内側) 膨張層 第一(外側)
非膨張層 非膨張層
1 − 1 1.5 4.4
2 − 1 1.5 0.85
3 8.25 − − −
ケーブル 厚さ(mm) 厚さ(mm) 厚さ(mm) 厚さ(mm)
の型式 膨張した 水膨潤可能 アルミニウム 絶縁層
遮水層 テープ 金網
1 − 0.15 0.3 4
2 0.5 − 0.3 4
3 − 0.2 0.3 4
ケーブル ケーブルの重量 全体直径
の型式 (kg/m) (mm)
1 0.74 30.7
2 0.51 24.9
3 0.90 33.9
詳細
a)ケーブル1は、水膨潤可能なテープで出来た非膨張の遮水層8を備える本発明のケーブルであり、該ケーブルは、第一の非膨張重合層23と、膨張した重合層20と、第二の非膨張重合層21とを有する保護要素20を更に備えている。
b)ケーブル2は、膨張した遮水層8を備える本発明によるケーブルであり、該ケーブルは、第一の非膨張の重合層23と、膨張した重合層22と、第二の非膨張の重合層21とを有する保護要素20を更に備えている。
c)ケーブル3は、オーバシースと、水膨潤可能なテープで出来た水膨潤可能な遮水層とを備える、図2に示した型式の比較用ケーブルである。
更に、表1には、膨張した遮水層8が設けられる場合、保護要素20の厚さは好ましいように減少し(又は、ケーブルの全体重量が減少する)、同一の絶縁層の厚さを維持することが示されている。
10kV 20kV 30kV
本発明のケーブルの絶縁層の厚さ(mm) 2.5 4 5.5
標準CEI IEC60502−2
による絶縁層の厚さ(mm) 3.4 5.5 8
表2に掲げた値によれば、本発明のケーブルに対して提供される絶縁層の厚さは、上記標準による相応する絶縁層の厚さよりそれぞれ26%、27%及び56%だけ薄い。
異なる導体断面積に対し絶縁材料が変形しないようにするため、異なるケーブル断面積について保護要素の寸法を測定した。
上記保護要素20が設けられていないケーブルに対する非膨張のオーバシース7の相応する厚さも選んだ(図4参照)。
膨張した遮水層8が存在することは、顕著により薄い保護要素20を使用することを許容することも判明した(図5と比較して図6参照)。
本発明のケーブルは、中程度及び高電圧の分野にて直面する電気的及び機械的応力状態に鑑みて、これらの分野にて使用するのに特に適している。
本発明によれば、上述したように、ケーブルに対し膨張した重合層を設けることにより、ケーブルの全体重量を好ましいように減少させることが可能となる。
Claims (44)
- 所定の電圧クラスにて使用されるケーブル(1)であって、
導体(2)と、
該導体(2)を取り巻く絶縁層(4)と、
該絶縁層(4)の周りにあり、所定の衝撃抵抗能力を提供し得るよう選ばれた厚さ及び機械的性質を有し、少なくとも1つの膨張した重合層(22)を備える保護要素(20)とを備えるケーブルにおいて、
前記絶縁層の厚さが、ケーブルの絶縁層の外面にて1.0kV/mm以上の電圧勾配を提供し得るようなものであり、
前記保護要素の厚さが、少なくとも25Jエネルギの衝撃を受けたとき、絶縁層の検出可能な損傷を防止するのに十分であることを特徴とする、所定の電圧クラスにて使用されるケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが10kV以下である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記電圧勾配が、2.5kV/mm以上であり、
前記衝撃が少なくとも50Jエネルギである、ケーブル。 - 請求項3に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが、10kVないし60kVの範囲にある、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記電圧勾配が、2.5kV/mm以上であり、
前記衝撃が少なくとも70Jエネルギである、ケーブル。 - 請求項5に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが60kV以上である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記絶縁層の厚さが、相応する電圧クラスに対しIEC標準60502−2にて規定された絶縁層の厚さよりも少なくとも20%薄い、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが10kVであり、
前記絶縁層の厚さが2.5mm以下である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが20kVであり、
前記絶縁層の厚さが4mm以下である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが30kVであり、
前記絶縁層の厚さが5.5mm以下である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記導体が中実なロッドである、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記絶縁層(4)を取り巻き、管状の形態の形状とされた金属薄板を備える電気遮蔽体(6)を更に有する、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
ケーブルが前記所定の電圧クラスに相応する公称電圧にて作動するとき、絶縁層内の電気的応力が2.5ないし18kV/mmの範囲にあるように、前記絶縁層の厚さが選ばれる、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記保護要素(20)が、前記絶縁層(4)に対し半径方向外方の位置に配置される、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記膨張した重合層(22)の膨張程度が、0.35ないし0.7の範囲にある、ケーブル。 - 請求項15に記載のケーブル(1)において、
前記膨張程度が、0.4ないし0.6の範囲にある、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記膨張した重合層(22)が、1mmないし5mmの範囲の厚さを有する、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記膨張した重合層(22)の前記膨張可能な重合系材料が、エチレン及び(又は)プロピレンに基づくポリオレフィンポリマー又は共重合体から選ばれる、ケーブル。 - 請求項18に記載のケーブル(1)において、
前記膨張可能な重合系材料カが、
(a)不飽和エステルの量が重量比で5ないし80%の範囲にある、エチレン系の不飽和エステルとのエチレン共重合体、
(b)少なくとも1つのC3−C12α−オレフィンと、選択的に、次の組成、すなわち35%ないし90%モルのエチレン、10%ないし65%のモルのα−オレフィン、0%ないし10%モルを有するジエンとエチレンとのエラストマー性共重合体、
(c)少なくとも1つのC4−C12α−オレフィンと、選択的に、0.86ないし0.90g/cm3の密度を有するジエンとエチレンとの共重合体、
(d)エチレン/C3−C12α−オレフィン共重合体にて改質されたポリプロピレンであって、ポリプロピレンとエチレン/C3−C12α−オレフィン共重合体との間の重量比が90/10ないし30/70の範囲にある前記ポリプロピレンと、から選ばれる、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記保護要素(20)が、前記膨張した重合層(22)と結合された少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)を更に有する、ケーブル。 - 請求項20に記載のケーブル(1)において、
前記少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)が、0.2ないし1mmの範囲の厚さを有する、ケーブル。 - 請求項20に記載のケーブル(1)において、
前記少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)が、ポリオレフィン材料から出来ている、ケーブル。 - 請求項20に記載のケーブル(1)において、
前記保護要素(20)が、前記の膨張した重合層(22)に対し半径方向外方の位置に第一の非膨張重合層(23)を備える、ケーブル。 - 請求項20に記載のケーブル(1)において、
前記保護要素(20)が、前記膨張した重合層(22)に対し半径方向内方の位置に第二の非膨張重合層(21)を備える、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記保護要素(20)に対して半径方向内方位置にある、更なる膨張した重合層(8)を備える、ケーブル。 - 請求項25に記載のケーブル(1)において、
前記更なる膨張した重合層(8)が、前記絶縁層(4)の半径方向外方の位置にある、ケーブル。 - 請求項25に記載のケーブル(1)において、
前記更なる膨張した重合層(8)が、半導性である、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記更なる膨張した重合層(8)が、水膨潤可能な材料を有する、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記導体(2)が、金属ロッドである、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記絶縁層4が、非架橋結合基重合系材料で出来ている、ケーブル。 - 請求項1に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが、中程度又は高電圧範囲に属する、ケーブル。 - 所定の電圧クラスにて使用されるケーブル(1)であって、
導体(2)と、
該導体(2)を取り巻く絶縁層(4)と、
該絶縁層(4)の周りにあり、少なくとも1つの膨張した重合層(22)を有する保護要素(20)とを備えるケーブルにおいて、
保護要素の厚さが、50mm2以上の断面積の導体に対し7.5mm以下の値を有し、また、50mm2以下又はこれに等しい断面積の導体に対し8.5mm以上の値を有することを特徴とする、所定の電圧クラスにて使用されるケーブル。 - 請求項32に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが、60kV以上であり、
前記絶縁層が、少なくとも70Jのエネルギの衝撃を受けたとき、検知可能な程に損傷されない、ケーブル。 - 請求項32に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが、60kV以下であり、
前記絶縁層が、少なくとも50Jのエネルギの衝撃を受けたとき、検知可能な程に損傷されない、ケーブル。 - 請求項32に記載のケーブル(1)において、
前記所定の電圧クラスが10kV以下であり、
前記絶縁層が、少なくとも25Jのエネルギの衝撃を受けたとき、検知可能な程に損傷されない、ケーブル。 - 所定の電圧クラスに対して選ばれ、また、異なる導体の断面積を有するケーブル群であって、ケーブルの各々が、
導体(2)と、
該導体(2)を取り巻く絶縁層(4)と、
該絶縁層(4)の周りにあり、少なくとも1つの膨張した重合層(22)を有する保護要素(20)と、を備え、
前記保護要素(20)の厚さが導体の断面積に対し逆の関係となるように選ばれる、ケーブル群。 - 請求項36に記載のケーブル群において、
前記保護要素(20)が、前記少なくとも1つの膨張した重合層(22)と結合された少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)を更に有する、ケーブル群。 - 請求項36に記載のケーブル群において、
ケーブルの各々が、前記保護要素(20)の半径方向内方の位置に更なる膨張した重合層(8)を備える、ケーブル群。 - 請求項37に記載のケーブル群において、
膨張した重合層(22)が一定の厚さを有し、
前記非膨張の重合層(21、23)における1つのの非膨張の重合層(23)の厚さが、導体の断面積に対し逆の関係にて増大する、ケーブル群。 - 導体(2)と、該導体(2)を取り巻く絶縁層(4)と、該導体(2)を取り巻く保護要素(20)であって、少なくとも1つの重合系の膨張した層(22)を有する前記保護要素(20)とを備えるケーブル(1)を設計する方法において、
導体の断面積を選ぶステップと、
多数の所定の電気的制限条件の1つに相応して前記選んだ導体の断面積における所定の電圧クラスにて安全に作動することと適合可能な前記絶縁層の厚さを決定するステップと、
前記多数の所定の電気的制限条件にて決定されたものから最大の絶縁層の厚さを選ぶステップと、
少なくとも50Jのエネルギの衝撃がケーブルに生じたとき、前記絶縁層が検知し得る程に損傷されないように前記保護要素の厚さを決定するステップと、
前記所定の電圧クラス及び選ばれた導体の断面積に対するケーブルを設計するとき、前記選ばれた絶縁層及び前記所定の保護要素の厚さを使用するステップとを備える、ケーブルを設計する方法 - 請求項40に記載の方法において、
前記保護要素(20)の厚さを決定する前記ステップが、前記膨張した重合層(22)の厚さを決定するステップを備える、方法。 - 請求項40に記載の方法において、
前記保護要素(20)の厚さを決定する前記ステップが、前記膨張した重合層(22)の厚さを選ぶステップと、前記膨張した重合層(22)と関係した少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)の厚さを決定するステップとを備え、前記保護要素(20)が、前記少なくとも1つの非膨張重合層(21、23)を備える、方法。 - 請求項42に記載の方法において、
少なくとも1つの非膨張の重合層の厚さを決定する前記ステップが、前記少なくとも1つの非膨張の重合層の厚さを導体の断面積に対し逆の関係にて相関させるステップを備える、方法。 - 請求項42に記載の方法において、
前記所定の電気的制限条件が、絶縁層の外面における電気的勾配を有する、方法。
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