本発明のファスニングシステムは、少なくとも1つのタブ部分とスロット部材とを含むファスニング装置を含むのが好ましい。図7に示すように、タブ部分11は、外端部4と、内端部5と、少なくとも1つのリップ部分6と、長さTとを有する略縦長のタブ部材3と、タブ部材キャリア基材12とを含むのが好ましい。スロット部材14は、内側部分16と、外側部分15と、内側部分16と外側部分15との間に配置されたスロット18とを含む。図7に示すように、スロット部材14は、長さLを有し、スロット18は長さSを有する。
ファスニング装置10は、タブ部材3をスロット部材14のスロット18に完全に通過させることにより締め付けられる。(2つ以上のスロット部材を2つ以上のタブ部材と係合させることも想定される)。図7に示すように、タブ部材3をスロット18に通過させると、タブ部材3のリップ部分6がスロット部材14の面と略平行な面へ回転して、リップ部分6の少なくとも一部がスロット部材14の外側部分15の少なくとも一部と重なる。タブ部材キャリア基材12と組み合わせられたタブ部材3のリップ部分6は、タブ部材3がスロット18に滑って戻り、ファスニング装置10から外れるのを防ぐ。タブ部材3の一部はスロット18へと延在している。スロット13を形成する材料は、タブ部材3とスロット部材14を離す傾向のある剪断力に抵抗する作用を示す。
図7に示すように、タブ部分3は、長さTと、内端部5と、外端部4と、内端部の少なくとも一部に略近接するリップ部分6とを有する縦長部材であるのが好ましい。タブ部材は、長手方向端部17と中央領域19とを有するのが好ましい。リップ部分6は、タブ部材3のその部分であり、これは、タブキャリア基材の面から離れるように回転することができる。タブキャリア基材12を形成する層はまた、一般に、タブ部材3の一または両外面も形成している。リップ部分6は、V形捕捉表面を形成するタブ部材キャリア基材12から離れて持ち上がる。Vの下脚部は可撓性タブキャリア基材12により形成され、Vの脚の上部はより剛性のタブ部材3により形成される。タブ部材3のリップ部分6は、キャリア基材から切断されるため、リップ部分6とタブキャリア基材12の残りのカットアウト部分は、他方の逆鏡像であり、残りのキャリア基材により形成されたVの下脚部は、それぞれの末端部および枢軸領域7に沿ってタブ部材のリップ部分に結合している。
タブ基材または部材3は任意のサイズおよび/または形状であってもよく、任意の好適な剛性または半剛性材料で作製されていてよい。しかしながら、通常、タブ部材3は、いずれのコンポーネントもほとんど湾曲したり変形せず、または全く湾曲したり変形せずに、スロット部材のスロットにより適合するサイズとしなければならない。タブ部材の形状は、ファスニング装置の最終用途に応じて異なることが多いが、いずれにしても、美観上満足がいくものであり、保持および作動し易く、予測された力および外部の条件を受けたときに意図する使用期間にわたって装置を締め付けた構成に維持することができるものでなければならない。
タブ部分は、それが取り付けられる物品と一体化されていてもよいし、またはそれに結合された別個の構成要素であってもよい。タブ部分は、任意の位置で物品に結合してもよい。使い捨て吸収物品の実施形態において、タブ部分は側部パネルを作成する材料の伸張部であってもよい。かかる場合、追加の材料を提供する、または側部パネルの材料を処理して、物理特性を変化させるのが好ましい。ファスニング装置の正確な特性を意図する用途に適合させるのを容易にさせるべく、タブ部分は、それが取り付けられる物品と同じまたは異なる材料で作製されていてもよい。さらに、タブ部分キャリア基材および/またはタブ部材が作成される材料は、所望の可撓性および剛性をファスニング装置に提供するのを助けるために特定の位置で強化および/または弱化させることができる。材料を弱化させる方法としては、スコーリング、切断、薄層化、曲げ加工、熱処理、化学処理等が挙げられる。強化方法としては、材料の熱または化学処理、材料の追加、および厚さの増大等が挙げられる。
図1は、前駆体ウェブ1における形成前の本発明のタブ部分構造の第1の好ましい実施形態である。少なくとも半可撓性のタブキャリア基材ウェブ2が提供される。基材ウェブ2のガーレー剛性は通常1〜10であり、不織布、織布またはフィルムまたはこれらのラミネートから形成されているのが好ましい。単独または他の基材または材料と組み合わせて用いるときのキャリア基材の全体のタブのガーレー剛性は1〜500、好ましくは2〜200である。キャリア基材ウェブ2上に、基材ウェブ2より剛性が実質的に高い様々なタブ部材基材構造23を配置する。通常、タブ部材3のガーレー剛性が500〜8000、好ましくは1000〜5000となるようなガーレー剛性をタブ基材23は有している。通常、タブ部材のガーレー剛性は、タブキャリア基材単独または基材ウェブ2を含むラミネートよりも少なくとも2倍大きく、好ましくは少なくとも5倍大きい。タブ基材は、通常、厚さが0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2mm〜0.8mmの熱可塑性ポリマーから形成されているのが好ましい。また、タブ部材の約8mm2の断面積についての降伏時引張荷重は50〜250ニュートン、そして降伏時伸びは2%〜20%であるのが好ましい。
図1に示すタブ基材23は、通常、最終タブ部材3の形態であり、外端部4と、内端部5と、末端8と、タブキャリア基材に取り付けられたままの枢軸点または領域7とを有している。外端部4は、米国特許第6,251,097号明細書に開示された対応のスロット部材14へ挿入するべく設計されており、内端部5は、張力が、タブ基材ウェブおよび/またはタブ部分に対応する面においてタブ部分にかかるときに、スロット部材の外側部分15を係合する1つ以上のリップ部分6を含んでいる。枢軸点または領域7は、外端部4とリップ部分6の最外端部の間に配置され、リップ部分がタブキャリア基材2の面から動いて、タブキャリア基材12とリップ部分6の間にV形ギャップを形成するように設計されている。リップ部分6は、タブキャリア基材12の面からでると、図8に示すようにスロット構造と係合する。通常、リップ部分は、枢軸点または領域7から少なくとも3mm、好ましくは3〜10mm、最も好ましくは4〜8mm延在している。リップ部分に対向するタブ部材の部分はまた、枢軸領域に沿って、枢軸領域から、少なくとも2mm、好ましくは3〜15mm延在しており、通常、リップ部分の幅の少なくとも20パーセント、リップ部分の幅の好ましくは少なくとも50パーセントである。これは、回転安定性を与えてタブ部材を係合させるものであり、リップ部分が係合したときに、剪断力がかかるときにスロット部材の係合部分周囲に回転することによって解放されないようにするものである。
タブキャリア基材12の少なくとも1層は、少なくともタブ部材3の枢軸領域7でタブ部材の層と連続している。全ての構造について、タブキャリア基材とタブ部材の両方の層を形成する1層は好ましくはタブ部材の少なくとも25パーセント、好ましくはタブ部材の少なくとも50パーセント、好ましい実施形態においては、タブ部材の100パーセント延在しており、同層はまた、タブキャリア基材の少なくとも10パーセント、好ましくは少なくとも25パーセント、好ましい実施形態において、タブキャリア基材の少なくとも100パーセント延在している。これによって、タブ構造体は安定し、接着剤、サーマルボンディング等のような追加の取り付け構成要素を必要とすることなく、タブ部材がタブキャリア基材に固定される。タブ構造体はまた、単純なラミネーティング技術によっても容易に製造される。
スロット部材14は、同様に、タブ部分11のタブキャリア基材12と同様の可撓性を有している基材ウェブに提供される。好ましくは、スロット18は、周囲に剛性構成要素13を含んでおり、これはタブ部材への挿入を容易にし、タブ部材3リップ構造6へのしっかりした係合を与えるものであり、さらにスロット部材外側および内側部分15および16を画定している。スロット18の外側部分15は、スロット部材14および/またはタブ部分に張力がかかると、少なくとも1つのリップ部分6と係合する。タブ部材3の外端部4は、湾曲またはテーパーがついて、スロット18へ挿入しやすくなっているのが好ましい。同様に、リップ部分6は、端部で湾曲等して、スロット18の外側部分15との握り動作を開始し易いのが好ましい。
全ての実施形態について、タブ部材を形成するタブ基材23は、接着剤、サーマルまたは超音波ボンディングを用いることにより、または好ましくは多孔性基材ウェブ上の熱可塑性タブ基材材料の溶融ラミネーションにより、基材ウェブ2および/または9に結合させることができる。図示する基材ウェブ2および9は、別個のウェブであるが、単一ウェブが両層2および9を形成して、タブ基材23の外端部に近接してウェブを折り畳むことができる。タブ基材23はまた、直接基材ウェブに結合させて、基材ウェブがタブキャリア基材の外側層を形成するようにするのが好ましく、タブ部材は均一な外側表面を有するタブ部分を作成する。不織基材の場合には、ウェブは不織材料の布状の感触を有している。あるいは、ラミネート上の織布またはフィルム状材料をタブ基材ウェブとして用いることができる。
図1および2の前駆体材料を、優先的に、図3および4に示す第2のタブ基材ウェブ9に結合する。音波ボンディング、接着剤、熱ボンディング、ニードルタッキング等といった従来のラミネーション方法により2枚の基材ウェブを併せて結合する。基材ウェブおよびタブ基材は全て相互に同一平面上にあり、その結果、材料は比較的平坦な形状を有している。2枚のウェブ2および9は併せて、タブ基材23またはタブ部材3の内端部5に近接して結合されるのが好ましい。第2の基材ウェブ9は、同様に、タブ基材23の対向する外側面に結合しているのが好ましく、基材ウェブ2と同様の材料で形成することができる。別個のタブ部分は、好適な形状のナイフブレードまたはダイにより、前駆体タブ部分ウェブ24から図6に示す最終形態へと切断することができる。あるいは、詳細を後述してある通り、最終前駆体タブ部分ウェブ24からタブを部分的に切断することができる。
図5に、タブ部分が部分的に画定された切断された前駆体タブ部分ウェブ24を形成することのできる、前駆体タブ部分ウェブ24からタブ部分を部分的にトリミングするのに好適なナイフブレードで切断またはダイカットされたラミネートを示す。点線または鋸歯形線25は、穿孔または鋸歯形端部切断部を表し、連続線26および27は連続ナイフブレードまたはダイ端部カットを表す。曲線の連続線26は、タブ部材のリップ部分を画定する連続カットアウトを示し、鋸歯形線25は、タブ部材の外端部のカットアウトを表す。あるいは、鋸歯形切断部分25は連続させることができる。これによって、タブ基材ウェブの外端部に沿って連続切断がなされ、前駆体タブ部分ウェブ24から廃棄端部トリム31が除去される。鋸歯形ナイフブレードまたはダイによって、この端部トリム31は残って、部分的にウェブを切断して、連続直線ウェブ30を残すことができ、さらには、ロールにぎざぎざの端部を形成することなく、ウェブをロール形態に巻き付けるのを促す。テーパーのついた連続カット27は、任意の好適なサイズまたは形状とすることができ、タブ部材3に近接するタブキャリア基材の上部前縁を単に画定するに過ぎない。図5に、ナイフブレードまたはダイにより切断されたタブ基材ウェブ30を示す。部分31は、ウェブ残り部分32に残すか、あるいは図6に示すように後に除去することができる。追加の鋸歯状切断線33は、別個のタブ部分34を分離するように示されている。ショルダ35は、ナイフブレードのカット27に対応している。タブ基材23は基材ウェブ2および9の2層の間に挟まれている。線33が鋸歯状の場合には、個々のタブ部分はウェブ構造から連続的に分離される。タブ部分は、後に、必要であれば鋸歯状端部33に沿って手動または自動で分離することができる。あるいは、線33は、使用点でタブの使用者により作成された連続カットとすることができる。タブ基材ウェブ端部が、より剛性のタブ基材より少なくとも0.5mm延在するように、タブ部材周囲のカットは、タブ基材の少なくとも外端部にタブ基材を含む領域外にあるのが好ましい。これによって、タブ基材端部が軟化して、皮膚にとってより優しくなる。
図17に、弾性ストランド構造41が基材ウェブ2および/または9に与えられて弾性のあるまたは弾性を付与可能な構造が提供される図1〜8に示すのと同様の本発明の第2の実施形態を示す。好ましい実施形態において、弾性ストランドは、米国特許出願第10/012,698号明細書に従ってウェブ2か9のいずれかに印刷され、図20に示し説明するようにして作成される。適用された弾性ストランドには、相互係合ロール、外部張力等といった好適な伸び手段により、基材ウェブ2および/または9の好適な永久変形または伸びにより弾性を付与することができる。あるいは、基材ウェブ2および9は、後述する好適な方法により伸縮自在とすることができる、または弾性ストランドでコートした際に伸縮自在として提供される。
図21に、タブ基材54が予め画定されたリップ部分のない形態であり、リップ部分56がカットアウト端部57により形成された本発明のタブ部分構造の第3の実施形態を示す。残りのタブ基材53は、タブキャリア基材59と一体化されたままであり、リップ部分カットアウトの内側端部には、クリーズまたはインデント58を与えて、リップ部分56を対応のスロットに係合させるために、キャリア基材の面からタブが曲がる、またはヒンジで動かすことができるのが好ましい。
図9に、鏡像タブ部分が単一の前駆体タブ部分ウェブ60に提供される第1の実施形態のタブ部分の前駆体ウェブの変形実施形態を示す。図9に示すように、メーティング前駆体タブ部分63および67は互いに鏡像反射であるが、それらはまた、完成前駆体タブ部分ウェブの長さ方向に沿って片寄らせたり、または他の位置に与えたりすることもできる。中心ストリップ61は、後に、穿孔端部64および65に沿って除去することができる。図5に関して説明してあるように、連続線は連続カットを表している。
図10および11に、タブ基材73の連続ストリップが基材ウェブ72と79の間にラミネートされた本発明の前駆体タブ部分ウェブの第5の実施形態を示す。特別のタブ部材を、図12に示すように、ナイフブレードまたはダイ(図5の実施形態に示すように)カットにより形成または一部画定することができる。番号20は、タブキャリア基材71の連続ナイフブレードまたはダイカットを示しており、タブ基材73および21は図5の実施形態に示すように、鋸歯状のカットを示している。本実施形態において、タブ基材はまた、自身または他の基材ウェブまたはその両方に折り畳まれ、接着剤超音波または熱によりラミネートされた基材ウェブ72または79の別層とすることもできる。ある場合においては、単一基材ウェブ72または79を用い、自身に折り畳んで自身にラミネートしてタブ基材を形成することができる。タブ基材のこの定義には、基材ウェブ72または79の別の折り畳み部分の材料またはラミネートの鋸歯状に適用されたストリップが含まれる。
図13〜16に、連続タブ基材83の一端部にリップ部分86が予備形成された連続タブ基材83を基材ウェブに結合した本発明の第6の実施形態を示す。タブ基材83は、形成されたタブ部材を分離する連結部分81を有している。図15に、感圧接着剤89および84を用いて、2枚の基材ウェブ82および88間を結合するタブ基材83を示す。図16に示すように、タブ部分90は、図5の実施形態に示すように、カットアウトブレードまたはダイを用い、例えば、次に、個々のタブ部分を分離し、連結部分81およびトリム85を廃棄することにより、部分的に形成される。本実施形態に示すように連続タブ基材を用いるのは、一般に、不連続タブ基材材料を用いるより利点は少ない。連続タブ基材では、タブ基材の少なくとも一部がタブ部材の側端の末端部分まで延在して、望ましくない、または皮膚に優しくないものと考えられる鋭端部を形成する傾向がある。また、タブ部材間のタブ基材材料を廃棄すると、材料廃棄物の点で費用がかかる。
図22に、図21に示すように、タブ基材94が基材ウェブ99に結合されているが、単一のリップ部分96がダイカット等により線92に沿って形成されている、本発明のタブ部分の第7の実施形態を示す。タブ基材94の部分95は図示するように分離される。
図18の実施形態において、ファスニング装置は、タブ部材123をスロット部材14のスロット18に完全に通過させることにより締め付けられる。図19に示すように、タブ部材123をスロット18に通過させると、タブ部材123のリップ部分129がスロット部材14の面と略平行な面へ回転して、リップ部分129の少なくとも一部がスロット部材14の外側部分15の少なくとも一部と重なる。タブ部材123に取り付けられた残りのタブ部材キャリア基材12と組み合わせられたタブ部材123のリップ部分129は、タブ部材123がスロット18に滑って戻り、ファスニング装置から外れるのを防ぐ。タブ部材123の一部はスロット18へと延在している。スロット13を形成する材料は、タブ部材123とスロット部材14を離す傾向のある剪断力に抵抗する作用を示す。
図18および19に示すように、タブ部材123は、タブ部材123に取り付けられたキャリア基材12と一体のままであるウィング構成要素132を有する縦長部材であるのが好ましい。ウィング構成要素132は、スロット中でタブ部材が滑るのを防ぎ、タブ部材リップ部分129の握り動作を増強する。ウィング構成要素132は、リップ部分129をタブキャリア基材の面から離れるように回転させるため、枢軸領域127に沿って捻る、または曲げられなければならない。ウィング構成要素132は、リップ部分がキャリア基材から離れるように枢軸させるのを補助するために、必要であれば、機械的な折り畳みにより曲げることができる。あるいは、スコーリングまたはその他公知の方法により、クリーズを形成して、枢軸線または領域127に沿ってウィング構成要素の厚さを減じることによって弱化ゾーンを作成することができる。ウィング構成要素132は、通常、リップ部分129を有するタブ部材123領域外のタブ部材123の一方または両方の最外側端に沿って与えられて、タブ部分の長さ方向L(すなわち、取り付けられたキャリア基材12の領域)においてリップ部分129と少なくとも部分的に共延在している。ウィング構成要素132もまた、タブ部分の本体においてキャリア基材12と一体化されたままである。他の実施形態にある通り、タブキャリア基材12を形成する層はまた、通常、タブ部材123の一方または両方の外側面を形成する。リップ部分129は、リップ部分129と基材12とウィング構成要素132の間にV形捕捉表面を形成するタブ部材キャリア基材12から離れて持ち上がる。Vの下脚部は可撓性タブキャリア基材12およびウィング構成要素132により形成される。Vの脚部の上部は、より剛性のタブ部材123により少なくとも形成される。タブ部材123のリップ部分129は、線131に沿ってキャリア基材から切断されるため、リップ部分129とタブキャリア基材12の残りのカットアウト部分は、他方の逆鏡像であり、残りのキャリア基材により形成されたVの下脚部は、それぞれの末端部で、そして枢軸領域127に沿ってタブ部材のリップ部分に結合している。
タブ基材材料に、図17の実施形態に示すように、キャリア基材上に印刷された弾性または非弾性強化構成要素141を与えるのが好ましい。これらの構成要素は、力がタブ部分に長さ方向Lに加わるときのタブ基材材料の歪みを防ぐ。これらの強化構成要素は、好ましくは、長さ方向Lにウィング構成要素32を含有するタブ部分の領域へと延在して、ウィング部分132の末端部と長さ方向Lにおける強化構成要素の末端部の間に強化されていないキャリア基材12がないようにして、長さ方向Lにおいてタブ部分に加わった力が強化構成要素141からウィング部分へと移るようにする。強化構成要素およびウィング部分は、少なくとも1mm以上、好ましくは2mm以上重なるのが好ましい。追加の強化構成要素130をまた、ウィング部分132間のタブ領域に提供して、必要であれば、弱いキャリア基材12材料をさらに強化することもできる。この追加の強化構成要素30もまた、構成要素141と重なる、または構成要素141の延在部としたり、タブ部材123まで延在するまたは一体化させることもできる。
本発明と組み合わせて用いられる基材は様々な構造を有していてよい。例えば、基材は織材料、不織材料、編材料、紙、フィルムまたはその他連続媒体であってもよい。基材は、伸展性、弾性、可撓性、馴染み易さ、通気性、多孔性、剛性等といった様々な特性を有している。さらに、基材は、プリーツ、波形を有していたり、または平面シート構成からその他変形されていてもよい。
本発明に用いられる不織ウェブを作成するのに好適なプロセスは、エアレイ、スパンボンド、スパンレース、ボンドメルトブローンウェブおよびボンドカードウェブ形成プロセスが挙げられるがこれらに限られるものではない。スパンボンド不織ウェブは、紡糸口金において一連の微細ダイオリフィスから溶融熱可塑材をフィラメントとして押出すことにより作成される。押出されたフィラメントの直径は、例えば、非エダクティブ(non−eductive)またはエダクティブ(eductive)流体延伸または、米国特許第4,340,563号明細書、同第3,692,618号明細書、同第3,338,992号明細書および同第3,341,394号明細書、同第3,276,944号明細書、同第3,502,538号明細書、同第3,502,763号明細書および同第3,542,615号明細書に記載されているようなその他の公知のスパンボンド機構により張力をかけると即時減少する。スパンボンドウェブは好ましくはボンド(ポイントまたは連続ボンディング)される。
不織ウェブ層もまたボンドカードウェブから作成してもよい。カードウェブは、分離ステープルファイバーから作成され、ファイバーは結合またはカーディングユニットに送られ、そこで分離され、機械方向にステープルファイバーが位置合わせされて、機械方向配向の繊維状不織ウェブが形成される。しかしながら、ランドマイザーを用いてこの機械方向配向を減じることができる。
カードウェブが形成されると、いくつかあるボンディング方法のうち1つ以上によりボンドされて、好適な引張特性が与えられる。あるボンディング方法は、パウダーボンディングであり、粉末状接着剤がウェブに分散されて、通常は、ウェブおよび接着剤をホットエアで加熱することにより、活性化される。他のボンディング方法は、パターンボンディングであり、加熱されたカレンダーロールまたは超音波ボンディング装置を用いて、通常は、局所ボンドパターンでファイバーをボンドする。ただし、所望であれば、ウェブはその全表面を跨ぐようにしてボンドすることもできる。通常、合わせてボンドされるウェブのファイバーが多ければ多いほど、不織ウェブの引張特性が大きくなる。
エアレイは、本発明に有用な繊維状不織ウェブを作成することのできる他のプロセスである。エアレイプロセスにおいて、約6〜約19ミリメートルの長さを有する小さなファイバーの束が分離され、給気においてエントレインされ、多くの場合補助として真空にしながら、形成スクリーンに付着させる。不規則に付着されたファイバーを、例えば、ホットエアまたはスプレー接着剤を用いて互いにボンドする。
溶融ブローン不織ウェブは、マルチダイオリフィスから熱可塑性ポリマーを押出すことにより形成される。ポリマー溶融流れは、ポリマーがダイオリフィスから排出される場所で直ちにダイの2面に沿って高速ホットエアまたは蒸気により即時に減衰される。得られるファイバーは、収集面で収集される前に、得られる乱気流の中で、凝集性ウェブへと交絡する。通常、十分な完全性と強度を本発明において与えるために、溶融ブローンウェブは、上述したエアボンディング、熱または超音波ボンディング等により更にボンドされなければならない。
ウェブは、国際公開第96/10481号パンフレットに開示されているようなスキップスリット加工により伸展性とさせることができる。弾性、伸展性ウェブが望ましい場合には、スリットは不連続であり、通常、ウェブに弾性構成要素を取り付ける前にウェブ上で切断される。これより困難であるが、非弾性ウェブを弾性ウェブにラミネートした後、非弾性ウェブ層にスリットを作成することも可能である。非弾性ウェブのスリットの少なくとも一部は、弾性ウェブ層の伸展性または弾性の意図する方向(少なくとも第1の方向)に対して略垂直(または実質的に垂直なベクトルを有する)ものとする。略垂直とは、選択したスリットの縦軸と伸展方向間の角度が60〜120度であることを意味する。全体のラミネートが弾性となるように、記載したスリットの十分な数が略垂直である。弾性ラミネートを少なくとも2つの異なる方向に弾性としたいときは、2つの方向にスリットを入れると有利である。
本発明において用いる不織ウェブはまた、米国特許第4,965,122号明細書、同第4,981,747号明細書、同第5,114,781号明細書、同第5,116,662号明細書および同第5,226,992号明細書に記載されているようなネックのある、または可逆的にネックのある不織ウェブとすることもできる。これらの実施形態において、不織ウェブは、伸展性の所望の方向に対して垂直な方向に延ばす。不織ウェブをこの伸び条件に設定すると、伸展方向に伸張および回復特性を有する。
基材は、基材の一または両主面にある程度多孔性を示すのが好ましく、図20に示すように、溶融熱可塑性組成物を印刷することにより、タブ基材を形成するときに、溶融熱可塑性組成物が、基材の多孔性表面の一部に浸透し、かつ/またはカプセル化されるにつれて、溶融熱可塑性組成物と基材の間にメカニカルボンドが形成される。本発明で用いる「多孔性」という用語には、形成されたボイドを含む構造と、ファイバーの間隙へ溶融熱可塑性組成物の浸透を可能とする多数のファイバー(例えば、織布、不織布、編物等)から形成された構成の両方が含まれる。多孔性表面にファイバーが含まれる場合には、熱可塑性組成物は、基材表面にファイバーまたはファイバーの部分をカプセル化するのが好ましい。
溶融熱可塑性組成物を適用する適切な基材を選択するときは、基材の材料の種類および構造を考慮しなければならない。通常、かかる材料は、溶融、軟化または熱可塑性組成物を基材に転写する工程で受ける温度や圧力下で分解しないような種類および構造のものである。例えば、プロセス中に落ちて離れないよう、基材は十分な内部強度を有していなければならない。基材は、転写ロールから無傷で取り外せるよう転写ロールの温度で機械方向に十分な強度を有しているのが好ましい。
本発明の方法により製造された物品の様々な断面図に示した基材は単一層構造として示されているが、基材は単一または多層構造であってもよいものと考えられる。多層構造を用いる場合には、様々な層が同一または異なる特性、構造等を有するものと考えられる。
タブ基材は、様々な異なる熱可塑性材料、好ましくは非エラストマー熱可塑性ポリマー材料から形成されるのが好ましい。本発明において用いる「熱可塑性」(およびその変形)とは、熱に晒すと軟化し、室温まで冷やすと元の条件または元の条件近くまで戻るポリマーまたはポリマー組成物を意味する。好ましい熱可塑性組成物は、溶融処理可能なものである。かかるポリマーは、流れるが、溶融プロセス中に大幅に劣化しないものである。
本発明で用いてよい非エラストマー熱可塑性組成物としては、ポリウレタン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレン酢酸ビニルポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、ナイロン、フルオロカーボン、またはこれらのブレンドまたはコポリマー等が挙げられるがこれらに限られるものではない。
非エラストマー熱可塑性ポリマーは、溶融して、冷却すると元の状態または元の状態近くまで戻り、周囲条件(室温および室内圧)で弾性特性を示さないものである。本発明で用いる「非エラストマー」とは、伸張させた後元の形状に実質的に戻らない材料のことを意味する。さらに、非エラストマー材料は、変形と弛緩の後、永久硬化を持続するのが好ましく、硬化は、中程度の伸び、例えば、約50%で元の長さの好ましくは、少なくとも約20パーセント以上、より好ましくは少なくとも約30パーセント以上である(破断またはその他不具合なしに50%まで伸張可能な材料について)。
本発明に用いる非エラストマー熱可塑性組成物はまた、所望の効果を得るために様々な添加剤と組み合わせることができる。例えば、フィラー、減粘剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤(例えば、染料や顔料)、酸化防止剤、帯電防止剤、ボンディング助剤、アンチブロッキング剤、滑剤、安定剤(例えば、熱および紫外線)、発泡剤、微小球、ガラス泡、補強充填剤(例えば、マイクロファイバー)、内部離型剤、熱伝導性粒子、導電性粒子等が挙げられる。熱可塑性組成物に有用なかかる材料の量は、かかる材料を処理および使用する当業者により容易に求めることができる。
熱可塑性材料の不連続タブ基材の形成に際して、図20に示すプロセスを用いることができる。このプロセスにおいて、転写ツール101または102を用いてタブ基材を付着させることができる。転写ツール101および/または102は、一般に、凹部が形成されている。凹部は、タブ基材またはその他構成要素の形態とすることができ、または多数の凹部はタブ基材等を形成することができる。凹部は、フットプリントと凹部体積の両方に関して、転写ロール101または102の表面にわたって同じサイズまたは異なるサイズで分散させることができる。タブ基材を形成するのに用いる凹部は、任意の好適な技術、例えば、機械加工、エッチング、レーザーアブレーション等により表面に形成されるセルまたは小さな凹部の複合体であるのが好ましい。
本発明に関連して用いられる転写ロール101または102上の凹部は、形成ツールの外部表面にあるフットプリントが占める面積、フットプリントの最大寸法(ロール表面の任意の方向における)、凹部の体積、フットプリントの形状等で特定される。
凹部のフットプリントの占める面積で特定するとき、各凹部は、約4平方ミリメートル(mm2)以上のフットプリントを有している。他の場合には、各凹部は約8mm2以上の面積のフットプリントを有している。
凹部を特定する他のやり方は、転写ロールの表面で測定した最大フットプリント寸法によるものである。フットプリントの最大のフットプリント寸法で特定するときは、凹部は約2mm以上、場合によっては約5mm以上の最大フットプリント寸法を有している。
本発明で用いる凹部を特定するさらに他のやり方は凹部体積によるものである。例えば、凹部は、少なくとも約3立方ミリメートル(mm3)以上の凹部体積、あるいは約5立方ミリメートル以上の凹部体積を有している。体積はまた、少なくとも一部の溶融熱可塑性組成物が、転写プロセス中に凹部に保持されるため、重要である。すなわち、凹部体積は、熱可塑性組成物を凹部内に保持するのを補うために、不連続ポリマー領域の好ましい体積に対して過大寸法であるのが好ましい。
転写ロールの凹部の配向は様々な因子に基づいて選択してよい。縦長凹部は、機械方向(すなわち、基材の移動方向)、交差ウェブ方向(すなわち、基材の移動方向に交差する)または機械方向および交差ウェブ方向の間のその他の方向に位置合わせされる。
図20に示す2枚の基材105、106の取り付けは、ラミネーションを行うときのみタブ基材の付着したポリマー領域を用いて行われ、一方、ポリマー領域は、やや溶融状態に尚あって、対向する基材の逆側のポリマー領域にボンドさせたり、または対向する基材そのものにボンドすることができる。この構造の一つの利点は、追加の材料および/またはプロセス工程を必要とすることなくラミネーションを実施できることである。あるいは、基材間のラミネートを、当業者に知られた様々な材料および/または技術、例えば、サーマルボンディング、接着剤、樹脂、タイフィルム/ウェブ等により補助してもよい。例えば、米国特許第2,787,244号明細書、同第3,694,867号明細書、同第4,906,492号明細書、同第5,685,758号明細書および同第6,093,665号明細書を参照のこと。
タブ基材を提供するプロセスには、溶融熱可塑性組成物の供給物を、タブ基材を形成する外部表面に形成された1つ以上の凹部を含む1本または両方の転写ロール101または102の外部表面に分配することが含まれる。溶融熱可塑性組成物は、トラフ111および/または112(またはその他供給装置、例えば、押出し機、ギアポンプ等)の形態の分配装置により転写ロールの外部表面に供給される。
過剰の溶融熱可塑性組成物は、転写ロールの外部表面に作用するドクターブレードにより外部表面から拭き取られるか、または除去される。熱可塑性組成物は転写ロールの外部表面から全て除去するのが理想的であるが、熱可塑性組成物の一部はドクターブレードで拭き取った後も外部表面に残る場合がある。
転写ロール101または102の外部表面に形成された凹部は、溶融熱可塑性組成物が転写ロールの外部表面に付着すると、溶融熱可塑性組成物の一部を受けるのが好ましい。凹部が、溶融熱可塑性組成物の付着中または付着により完全に充填されてない場合、転写ロールの外部表面にあるドクターブレードの拭き取り動作が、凹部を実質的に溶融熱可塑性組成物で充填する補助となる。
所望の溶融熱可塑性組成物で少なくとも部分的に充填された凹部については、凹部およびそれらが含有する溶融熱可塑性組成物が転写ニップ113または114(すなわち、転写ロールとバックアップロールにより形成されたニップ)でバックアップロール103または104に対して基材と接触させられるまで転写ロールは回転し続ける。この時点で、凹部にある溶融熱可塑性組成物の基材への転写が始まる。ある条件下では、凹部の熱可塑性組成物の一部を基材に転写してもよい。
溶融熱可塑性組成物が付着した1つ以上の多孔性主面を有する基材を用いるときは、溶融熱可塑性組成物を基材の多孔性表面に浸透させることによってメカニカルボンドを形成するのが好ましい。「多孔性」という用語には、形成されたボイドを含む構造と、溶融熱可塑性組成物の浸透を可能とする多数のファイバー(例えば、織布、不織布、または編物等)から形成された構成の両方が含まれる。
転写ロールとバックアップロール間のニップ圧は、熱可塑性組成物の一部が浸透し、かつ/または多孔性基材の一部をカプセル化して、タブ基材ポリマーの基材への取り付けを改善するのに十分であるのが好ましい。基材の表面がファイバーを含む場合(すなわち、基材が織布、不織布または編材料をその主面に含む場合)には、不連続ポリマー領域の基材への取り付けを改善するために、熱可塑性組成物は基材表面のファイバーの少なくともいくつかを全てまたは一部カプセル化するのが好ましい。
ある条件下では、例えば、基材は厚さ全体に多孔性である場合には、凹部の溶融熱可塑性組成物は、基材に完全に透過してもよい。他の場合には、溶融熱可塑性組成物の透過は、基材の外側層まで制限される。
しかしながら、基材の外側表面がある程度多孔性を示しても、多孔性は必ずしも基材の全厚にわたって延在しているわけではないものと考えられる。例えば、基材は様々な異なる層を有していてよく、1層が実質的に非多孔性であってもよい。他の変形例において、基材の全体の厚さは、基材の外側表が上述したようにある程度多孔性を示したとしても、全体として非多孔性としてもよい。
バックアップロール103または104は、基材の材料および/または処理される溶融熱可塑性組成物の種類に応じて様々な異なる特徴を有している。場合によっては、バックアップロールの外部は、転写ロールの形状に沿うゴムまたはその他のコンフォーマルな材料であってもよい。ゴム等のコンフォーマルな材料を用いる場合には、例えば、約10〜90ショアAのジュロメータを有している。
基材106および/または105はバックアップロール周囲で続く。場合によっては、凹部にある溶融熱可塑性組成物の一部は、凹部に残ってもよく、基材は転写ロールから引き離される。その結果、凹部の溶融熱可塑性組成物は、転写ロールの凹部と基材間で伸びたり、または繋がる傾向がある。
ホットワイヤのような装置を用いて、基材が転写ロールから分離されるにつれて形成される熱可塑性組成物のストランドを切ってもよい。その他の装置および/または技術を用いて、溶融熱可塑性組成物ストランドの所望の切断を行ってもよい。ホットエアナイフ、レーザー等が例示されるがこれに限られるものではない。さらに、ある条件下では、熱可塑性組成物は製造中には繋がれない。形成された前駆体ウェブ107をダイカットステーション108に供給して、部分的に切断された前駆体ウェブ109を形成し、これをロールに巻き付けてもよい。
基材は元々伸展性とすることができるが、非伸展性基材は、例えば、基材にスリットを入れることによって伸展性とすることができる。スリットは、不連続エラストマーポリマー領域の少なくとも1つにより架け渡されているのが好ましい。基材の伸展性を与える、または改善するいくつかの例証のスリット加工プロセスは、国際公開第96/10481号パンフレットに記載されている。その他の技術を用いて、本発明で用いる基材に伸展性を与えたりまたはこれを改善することもできる。例えば、米国特許4,223,059号明細書および同第5,167,897号明細書に記載されたメカニカルストレッチングプロセスを用いて伸展性を与えたりまたは改善してもよい。
図17の弾性化タブ部分を形成する等、基材へのエラストマー熱可塑性組成物の付着は、非エラストマー熱可塑性組成物で形成されたタブ基材への付着について用いるのと同じやり方で行う。
このシステムはまた、図17の実施形態等で上述したように、エラストマーと非エラストマーの印刷された不連続ポリマー領域を用いて、基材を併せてラミネートするものでもある。図20のシステムは、第1の転写ステーションが基材106に非エラストマー不連続タブ基材を転写し、第2の転写ステーション第2の基材105にエラストマー不連続ポリマー領域を生成する目的で用いることができる。両基材105と106をラミネーションステーション100に向けて、図示した実施形態においては、ラミネートされた複合体ウェブ107を生成し、図17に示す基材の周囲の層内に配置された非エラストマータブ構成要素とエラストマー不連続ポリマー領域の両方を与える。
上述した非エラストマー熱可塑性組成物に関して、エラストマー不連続ポリマー領域に用いるエラストマー熱可塑性組成物は、後述するように、ポリマー転写ロールに形成された凹部に流す、または入れることができるようにしなければならない。好適なエラストマー熱可塑性組成物は、溶融処理可能なものである。かかるポリマーは、少なくとも部分的に凹部を充填するのに十分流れつつ、溶融プロセス中に大幅に劣化しないものである。様々なエラストマー熱可塑性組成物は、凹部の幾何形状および処理条件に応じて、本発明のプロセスで用いるのに好適な溶融およびフロー特性を有している。さらに、溶融処理可能な材料および処理条件は、熱可塑性組成物の粘弾性回復特性が、熱可塑性組成物の基材への転写が望まれるまで、凹部の壁から大幅に引き込まれないようなものを選択するのが好ましい。
本発明で用いる「エラストマー」とは、伸張させた後元の形状に実質的に戻る材料のことを意味する。さらに、エラストマー材料は、変形と弛緩の後、僅かな永久硬化を持続するのが好ましく、硬化は、中程度の伸び、例えば、約50%で元の長さの好ましくは、約30パーセント以下、より好ましくは、約20パーセント以下である。エラストマー材料は、純粋なエラストマーおよびエラストマー相または室温で実質的に弾性特性を示す成分とのブレンドの両方とすることができる。米国特許第5,501,679号明細書には、本発明に関連して用いられると考えられるエラストマー材料に関してさらに記載がある。
エラストマー熱可塑性組成物は1種類以上のポリマーを含むことができる。例えば、エラストマー熱可塑性組成物は、組成物が室温で実質的にエラストマー特性を示すようなエラストマー相とのブレンドとすることができる。好適なエラストマー熱可塑性ポリマーとしては、従来のA−BまたはA−B−Aブロックコポリマー(例えば、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)のようなブロックコポリマー、エラストマーポリウレタン、オレフィンエラストマー、特に、エラストマーエチレンコポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニル、エチレン/オクテンコポリマーエラストマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマー)、およびこれらを互いに混合したもの、エラストマー熱可塑性ポリマーと混合したもの、または非エラストマー熱可塑性ポリマーと混合したものが挙げられる。
本発明に用いるエラストマー熱可塑性組成物はまた、所望の効果を得るために様々な添加剤と組み合わせることができる。例えば、フィラー、減粘剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤(例えば、染料や顔料)、酸化防止剤、帯電防止剤、ボンディング助剤、アンチブロッキング剤、滑剤、安定剤(例えば、熱および紫外線)、発泡剤、微小球、ガラス泡、補強充填剤(例えば、マイクロファイバー)、内部離型剤、熱伝導性粒子、導電性粒子等が挙げられる。熱可塑性組成物に有用なかかる材料の量は、かかる材料を処理および使用する当業者により容易に求めることができる。
非弾性または弾性熱可塑性ポリマーの不連続領域における付着に加えて、追加の材料を公知の方法を用いて基材の主面にコートすることができることも考えられる。かかる材料としては、例えば、米国特許第5,019,071号明細書、同第5,028,646号明細書および同第5,300,057号明細書に記載された接着剤または米国特許第5,389,438号明細書および同第6,261,278号明細書に記載された粘着剤がある。