JP2005528359A - うつ病の治療のためのブプレノルフィンの投与方法 - Google Patents

うつ病の治療のためのブプレノルフィンの投与方法 Download PDF

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Abstract

ブプレノルフィンの経皮送達を用いたうつ病の治療方法が記載される。1つの実施態様において、この方法は、ブプレノルフィンを含んでいる経皮パッチを用い、好ましくは、うつ病の1つもしくはそれ以上の症状が緩和されるレベルまで、ブプレノルフィンの用量を漸増的に上昇させる。この方法は、治療抵抗性うつ病を患っている患者、またはうつ病と疼痛の両方に悩まされている患者に特に適している。

Description

この出願は、2002年3月20日に出願された米国特許出願番号第60/366,358号からの優先権を主張する。この特許はその全体が、参照して本明細書に組込まれる。
本発明は、経皮投薬形態におけるブプレノルフィンの投与による、うつ病、特に治療抵抗性うつ病の緩和方法について考察する。
10人のアメリカ人のうちの一人までもが、人生のなんらかの時点で、うつ病を患うと推定される。「うつ病(depression)」という用語は、軽度〜中度〜重度、さらには生命を脅かす形態までの、広い範囲の病気をカバーする。しかしながらこれらはすべて、共通の心理、行動、認知、肉体、および感情の現われを共有している。うつ病の亜類型間の差、例えば「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」(4th Ed.,Washington,DC,American Psychiatric Association,2000)に明確に記載されているものは、これらの明確な属性の重症度、頻度、および持続期間の範囲による。
うつ症状には、持続的な悲しい気分、以前は楽しんでいた活動への関心または喜びの喪失、食欲または体重の有意な変化、睡眠障害または過剰睡眠、肉体的緩慢化または興奮、活力の喪失、無力感または不適切な罪悪感、思考または集中困難、および死または自殺を繰り返し考えることが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI、例えばセルトラリン、オラザピン、およびフルオキセチン)を用いたブレイクスルー療法は、うつ病を患っている人々の大きい割合を助けてきた。うつ病の人の約80パーセントは、治療(例えば薬理的介入)に対して非常に積極的に反応するが、SSRIまたは比較的古い三環系での治療に対して部分的にしか反応しない人もおり、かなり多数の個人が、これらの治療方法に対して治療抵抗性のままである。重症の治療抵抗性うつ病に対して、電気ショック療法(ECT)が用いられてきた。
アヘンは、おそらくは中世から、様々な精神障害の治療に用いられてきた(Weberら、Int Clin Psychopharmacology 1988;3:255-266)。Emrich(「Typical and Atypical Antidepressants:Clinical Practice」,Costaら、(Ed.)、Raven Press,New York(1982),p.77以降参照)は、オピオイドの多幸作用、精神安定作用、および抗不安作用のために、内生オピオイドの機能的欠乏が、内因性うつ病の病原の基礎になりうることを示唆した(Exteinら、Am J Psychiatry 1980;137:845−846参照)。いくつかの研究におけるうつ病患者への内生オピオイド(β−エンドルフィン)の投与は、観察しうる治療効果をまったく、またはほとんど与えなかった(Goldら、Am J Psychiatry 1979;136:982-983)が、研究者らは、合成オピオイド薬がうつ病の治療に役立ちうるかどうかをテストした。例えばShapiraら(J Clin Psychiatry 2001;62:205-206)は、トラマドールが、治療抵抗性大うつ病患者を救ったことを発見し、Lehmannら(Curr Therapeutic Res 1971;13:42-49)は、メペリジンハイドロクロライド(デメロール)とデキストロアンフェタミン(デキセドリン)との組合わせ治療をテストし、救われた患者もいることを発見したが、この治療方式は、様々なうつ病症状に対して差別的な(differential)効果を有した。
他方、コデインは、抗うつ効果を示さないことが報告され(Vargaら、Ann NY Aca Sci 1982;398:103-105)、モルヒネおよびメタドンの場合、結果は相反する(Extein、Psychopharmacology Bull 1981;1:29-33;Feinbergら、Research Monograph Series 43、National Institute on Drug Abuse,1982;Proceedings of the 44th Annual Scientific Meeting,1982:245-250;Abseら、Ann NY Acad Sci 1982;398:79-83;Goldstein,Biol Psychiatry 1984;19:1272-3)。
ブプレノルフィンはまた、抗うつ療法への使用のために提案されているオピオイドのうちの1つである(Paetzoldら、Nervenheilkunde 2000;19:143-150;Callaway Soc Biol Psychiatry 1996;39:989-990;Emrichら、Neuropharmacology 1983;22:385-388)。例えば治療抵抗性うつ病を患っている被験者が、舌下または鼻腔内にブプレノルフィンの一日量を多数回受けた7人の患者調査において、完全な寛解を達成した患者もいた(Bodkinら、J Clin Psychopharmacology 1995;15:49-57)。別の調査において、大うつ障害を患っている患者は、舌下ブプレノルフィンの一日量を2回受け、その結果、この患者の状態の有意な改善が生じた(Emrichら、Ann NY Acad Sci 1982;398:108-112、およびLancet 1982;2:709)。しかしながらこの同じ研究は、これらの患者の大部分が、ある程度の軽い吐き気、めまい、および沈静作用を経験し、患者の一人が嘔吐したことを報告した。
当分野における進歩にもかかわらず、うつ病、特に治療抵抗性うつ病を患う患者の効果的治療方法へのニーズが依然として存在する。これらの事柄は、この障害の安全かつ効果的な管理方法を提供することに関して特に緊急である。
本発明は、うつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和する方法であって、ブプレノルフィンを含んでいる経皮投薬形態を患者に投与することを含む方法について考察する。
したがって本発明は、うつ病の治療方法であって、うつ病を患っている患者に、ブプレノルフィンを含んでいる経皮投薬形態を投与し、これによって患者におけるうつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和することを含む方法を提供する。この経皮投薬形態は、好ましくは経皮投薬物(transdermal dosage article)または経皮投薬組成物である。例えばこの経皮投薬物は、拡散駆動経皮系(diffusion driven transdermal system)であってもよく、この経皮投薬組成物は、局所ジェル、ローション、軟膏、経粘膜系、経粘膜デバイス(device)、およびイオン導入送達系(iontophoreic delivery system)から選択することができる。1つの実施態様において、この経皮投薬形態は、約5〜約40mgのブプレノルフィンを含んでいる。うつ症状には、持続的な悲しい気分、以前は楽しんでいた活動への関心または喜びの喪失、食欲または体重の有意な変化、睡眠障害、過剰睡眠、肉体的緩慢化、興奮、活力の喪失、無力感、不適切な罪悪感、思考困難、集中困難、および死または自殺を繰り返し考えることが含まれていてもよいが、これらに限定されるわけではない。特別な実施態様において、このうつ病は、治療抵抗性うつ病として分類される。さらにもう1つの実施態様において、患者は高齢患者である。さらになおもう1つの実施態様において、この方法は、経皮投薬形態を投与する工程を、少なくとも1回、好ましくは少なくとも6回繰り返すことを含む。この反復工程は、例えば3〜7日毎に実施されてもよい。
本発明はまた、うつ病を患っている患者への、ブプレノルフィンを含んでいる第一、第二、および第三経皮投薬物の連続投与を含むうつ病の治療方法であって、第三投薬物が、第一および第二投薬物よりも高い投薬量のブプレノルフィンを含み、これによって患者におけるうつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和する方法も提供する。1つの実施態様において、第一投薬物は、5mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物は、10mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間の投薬期間の間投与され、第三投薬物は、少なくとも20mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間の投薬期間の間投与される。もう1つの実施態様において、第一投薬物は、10mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物は、20mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間投与され、第三投薬物は、少なくとも30mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間投与される。さらにもう1つの実施態様において、第一投薬物は、20mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物は、30mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間投与され、第三投薬物は、40mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間投与される。第二投薬物は、例えば第一投薬物の3〜7日後に投与されてもよく、第三投薬物は、第二投薬物の3〜7日後に投与されてもよい。好ましい実施態様において、第三投薬物の投与は少なくとも1回繰り返される。もう1つの好ましい実施態様において、第三投薬物の投与は、少なくとも4回繰り返される。患者は、例えば高齢患者であってもよい。
本発明は、患者におけるうつ症状を緩和するために、ブプレノルフィンを経皮的に投与する方法を開示する。好ましい実施態様において、ブプレノルフィンは、経皮投薬形態で投与される。
うつ病を患っている患者において、ブプレノルフィンの経皮送達は、いくつかの利点を提供する。うつ症状を有する患者は、経口または舌下経路によってブプレノルフィンの頻繁な投与を受けている。しかしながらこのような方式は、患者の服用順守(compliance)に大きく依存し、うつ病患者がこの投薬スケジュールを勤勉に守る必要がある。さらには、うつ病は長期間続くことがあり、時には多少なりとも慢性病である。ブプレノルフィンの経皮投与は、頻繁な投与の問題を最小限にする遅い放出の投薬形態を用いて、数日間にわたってこの薬品の送達を与える。この方法はまた、薬品療法および治療効率とともに、患者の服用順守度も高める。特に、副作用の減少および合併症の最小化は、初期治療効果、すなわちうつ病の治療を弱めない。
本発明の治療スケジュールは、予め規定された日数、例えば1〜10日間、好ましくは3〜7日間ブプレノルフィン経皮形態を投与することを含んでいてもよい。その後、BTDSの同一または異なる用量を含んでいる別のブプレノルフィン経皮投薬形態が、別の期間投与されてもよく、以下同様である。うつ病の治療のためのブプレノルフィンの好ましい投薬レベルは、ブプレノルフィン2〜100mg、好ましくは5〜40mgを含んでいるものである。例えば経皮パッチは、適切な配合物中に、ブプレノルフィン5、10、20、30、または40mgを含んでいてもよい。
本明細書に用いられている「予め規定された日数」という用語は、経皮ブプレノルフィン投薬形態が患者に投与される時間の長さのことを言う。予め規定された日数は、個人間で様々であってもよく、本出願の中で考察されているガイドラインを用いて、当業者によって決定されてもよい。好ましい実施態様において、予め規定された日数は、3〜7日間である。
本発明の投薬方式は、あるいはまた「ブプレノルフィンの少なくとも1つの漸増投薬量を含んでいる一連の経皮投薬形態」の投与として記載されてもよい。これは、患者への少なくとも2つの経皮投薬形態の連続投与のことを言う。この場合、第一投薬形態におけるブプレノルフィンの投薬量は、少なくとも1つのその後に投与される投薬形態よりも少なく、各々のその後に投与される投薬形態は、先行投薬形態の予め規定された日数後、例えば1〜10日後、好ましくは3〜7日後に投与される。例えば一連の3つの経皮投薬形態は、次のような投薬方式で投与されてもよい。すなわち、第一投薬形態が5mgのブプレノルフィンを含んでおり、第二投薬形態が10mgのブプレノルフィンを含んでおり、第三投薬形態が20mgのブプレノルフィンを含んでおり、したがって一連の各々の後続投薬形態は、先行のものの2倍のブプレノルフィンの投薬量を有する。あるいはまた、この一連の投薬形態は、それぞれ20mg、30mg、および40mgのブプレノルフィン、またはそれぞれ2mg、4mg、および8mgのブプレノルフィン、またはそれぞれ1mg、2mg、または3mgのブプレノルフィンを含んでいてもよい。一連の3つのパッチの場合、特定の投薬方式(mg)は、5−5−10、5−10−10、5−10−20、5−20−40、5−10−30、5−30−40、10−10−20、10−10−30、10−10−40、10−20−30、10−20−40、および10−30−40であってもよい。ひとたびうつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和する投薬レベルに到達したら、患者は、うつ病を治療するのに必要なだけ長期間、同じ投薬レベルに維持されてもよい。
本明細書に用いられている「BTDS」とは、「ブプレノルフィン経皮系」を意味し、「BTDSX」(ここで「X」はゼロよりも大きい数である)は、ブプレノルフィンXミリグラムを含んでいる経皮投薬形態を意味する。したがって「BTDS5」は、約5mgのブプレノルフィンを含んでいる。好ましくはBTDSは、塩基または塩の形態で、より好ましくは塩基の形態でブプレノルフィンを含んでいる。
好ましい実施態様において、経皮投薬形態は、経皮投薬物および経皮投薬組成物からなる群から選択される。経皮投薬物は、拡散駆動経皮系であってもよく、経皮投薬組成物は、局所ジェル、ローション、軟膏、経粘膜系、経粘膜器具、およびイオン導入送達系からなる群から選択されてもよい。1つの実施態様において、この経皮投薬形態は、投薬量の100%総重量を基準にして、ブプレノルフィン約0.01重量%〜約90重量%を含んでいる。好ましい実施態様において、経皮調製物は、この化合物、塩、または誘導体約0.5重量%〜約25重量%、より好ましくはブプレノルフィン約0.5重量%〜約10重量%を含んでいる。これに代わる実施態様において、本発明の経皮投薬形態は、約1μg/時〜約500μg/時、好ましくは約5μg/時〜約200μg/時、約10μg/時〜約100μg/時、または約40μg/時〜約60μg/時の送達率でブプレノルフィンを供給する。
1つの実施態様において、ブプレノルフィンでの治療は、ほかの治療方法、例えばSSRI、三環系、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、およびこれらの組合わせと組合わせて用いられてもよい。したがって本発明の方法は、単一投与形態におけるブプレノルフィンとほかの抗うつ剤との同時投与、ならびに例えば単一または多投薬形態によるブプレノルフィンとほかの抗うつ剤との共投与について考察する。あるいはまた追加の抗うつ剤は、あらゆる許容しうる方法、例えば非経口投与によって投与されてもよい。
本発明の方法は、うつ病またはうつ症状の治療が必要なあらゆる患者に対して用いることができる。これらの患者には、高齢患者(65歳以上の年齢)、若い成人患者(17〜45歳の年齢)、および小児患者(新生児、幼児、子供、および青年と呼ばれることが多い年齢グループを包含する、出生時と16歳との間の患者)が含まれる。
本明細書に用いられている「うつ(depression)」という用語は、悲しさ、絶望、および落胆の感情を特徴とする憂鬱な気分の心理状態のことを言う。うつの範囲は、気分変調による「憂鬱」という正常な感情から、大うつ病にまで及ぶ。これは、持続的な悲しい気分、以前は楽しんでいた活動への関心または喜びの喪失、食欲または体重の有意な変化、睡眠障害または過剰睡眠、肉体的緩慢化または興奮、活力の喪失、無力感または不適切な罪悪感、思考または集中困難、および死または自殺を繰り返し考えることなどによって特徴付けられる。うつ症状は、軽度〜中度〜重度まで様々であろう。うつ病の亜類型間の差は、これらの明確な属性の重症度、頻度、および持続期間の範囲による。うつ病は一般に、大うつ病、双極性I障害、双極性II障害、気分変調障害、および気分循環性障害として分類される。分類の基準の定義およびうつ症状(上記)は、DSM−IV(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(4th ed.),American Psychiatric Association)から決定することができる。
うつ病は、いくつかの自己評価および医師が完成した評価法を用いて評価することができる。自己評価には、Zungの自己評価うつ病尺度(Zung Self−Rating Depression Scale)が含まれるが、これに限定されるわけではない。医師が完成した評価法には、ベックのうつ病インベントリー(Beck Depression Inventory)、SALSAを用いたうつ病スクリーニング(Depression Screening with SALSA)、SIG E CAPSを用いたうつ病スクリーニング(Depression Screening with SIG E CAPS)、およびうつ病についてのハミルトン評価尺度(Hamilton Rating Scale for Depression)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましい実施態様において、うつ病は、診断のための構造化臨床面接(Structured Clinical Interview for Diagnosis)、すなわちSCIDを用いて評価される。これらの調査および評価は、当業者によく知られており、指示されているように用いることができる。本明細書において用いられている「緩和する」または「緩和」という用語は、1つもしくはそれ以上のうつ症状を少なくとも一部軽減または和らげることを言う。このような緩和は、本明細書に記載されている自己評価の1つもしくはそれ以上を用いて、医師または患者によって評価されうる。
特定の実施態様において、本発明の方法は、「治療抵抗性うつ病(refractory depression)」という名称のうつ病亜類型を患っている患者を治療するために用いられる。治療抵抗性うつ病患者は、次のような標準的薬物療法に以前に反応しなかったか、または部分的にしか反応しなかった。すなわち、例えば非限定的に、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(例えばフルオキセチン、パロキセチン、およびセルトラリン);三環系抗うつ剤(例えばアミトリプチリン、デシプラミン、イミプラミン、およびノルトリプチリン);およびモノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えばフェナルジンおよびトラニルシプラミン)である。部分的反応は、HAMD−21またはモンゴメリー−アスバーグうつ病評価尺度(Montgomery−Asberg Depression Rating Scale)で50%未満、好ましくは約1%〜約49%、より好ましくは約10%〜約49%、最も好ましくは約15%〜約49%の改善を特徴とする。1つの実施態様において、治療抵抗性うつ病を患っている患者は、経皮ブプレノルフィンと、1つもしくはそれ以上の抗うつ剤、例えばSSRI、三環系、モノアミンオキシダーゼ阻害剤の投与、もしくは例えば電気ショック療法などの治療とを組合わせた組合わせ療法によって治療される。
1つの実施態様において、うつ病を患っている患者はさらに、疼痛治療の必要がある。例えばこの患者は、疼痛を伴う特定の病状を有するものとして分類することができる。このような状態は当分野においてよく知られており、これには例えばガンが含まれる。この患者は、必要であれば、疼痛を制御するためにさらなる薬物療法を受けることもできる。このような薬物療法には、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDS)、アセトアミノフェン(またはパラセタモール)、および即時放出ミュー−アゴニストオピオイド、およびこれらの組合わせが含まれるが、これらに限定されるわけではない。本発明はまた、疼痛またはうつ病のための現存薬物療法に取って代わり、これによってほかのタイプの薬物療法の必要性を減少させるためにも用いることができる。
「有害事象」または「有害経験」という用語は本明細書において、薬品が投与された患者または臨床調査被験者におけるあらゆる不都合な医学的な出来事を意味する。治療方式の有害事象の例には、吐き気、便秘、嘔吐、頭痛、めまい、眠気、起立性低血圧、呼吸抑制、コレオシスティティス(choleocystitis)、および腹痛が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
本発明のあるいくつかの好ましい実施態様が、下に記載されている。概算、例えば「約」または「およそ」という用語を伴って本発明のあるいくつかの成分について説明がなされているかぎり、これらの用語は一般に、測定の性質または精度を考慮して、測定された量についての許容しうる誤差の程度を意味するものとする。一般的な誤差の程度の例は、20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、より好ましくはある一定の値または値の範囲の5%以内である。本明細書において示されている数量は、ほかの記載がなければ概算である。
ブプレノルフィン
本発明は、抗うつ活性を有する、ブプレノルフィンまたは製薬的に許容しうる塩、エーテル誘導体、エステル誘導体、酸誘導体、鏡像異性体、ジアステレオマー(diasteriomer)、ラセメート、多形(polymorph)、もしくはこれらの溶媒和物の使用に関する。この分子は、化学式N−シクロプロピルメチル−7α−((S)−1−ヒドロキシ−1,2,2−トリメチルプロピル)−6,14−エンド−エタノ−6,7,8,14−テトラヒドロノロリパビンを有する。
ブプレノルフィンは、若い患者および高齢患者の両方において、静脈内、硬膜外、くも膜下、または舌下を包含するいくつかの様々な投与経路によって送達された時、広い範囲の患者における疼痛を制御するのに効果的であることが証明されている(Inagakiら、Anesth Analg 1996、83:530-536;Bremaら、Int J Clin Pharmacol Res 1996、16:109-116;Capognaら、Anaesthesia 1988、43:128-130;Adrianensenら、Acta Anaesthesiol Belg 1985、36:33-40;Tauzin-Finら、Eur J Anaesthesiol 1988、15:147-152;Nasarら、Curr Med Res Opin 1986、10:251-255)。文献において報告されているブプレノルフィンのいくつかのタイプの経皮配合物がある。例えば、Hilleらの米国特許第5,240,711号、Hidakaらの米国特許第5,225,199号;Sharmaらの米国特許第5,069,909号;Chienらの米国特許第4,806,341号;Drustらの米国特許第5,026,556号;Kochinkeらの米国特許第5,613,958号;およびRederらの米国特許第5,968,547号参照。ローマン・テラピー−ジステーメ社(Lohmann Therapie−Systeme GmbH&Co.)によって製造されているブプレノルフィンの経皮送達系は現在、トランステック(TRANSTEC)(登録商標)という商標名でEU内で販売されている。これらのパッチは、ブプレノルフィン20、30、または40mgを含んでおり、およその送達または「フラックス」率は、それぞれ35、52.5、および70μg/時である。
薬理学的にはブプレノルフィンは、アゴニストおよびアンタゴニスト特性の両方を有する、μ−オピオイド受容体に対する部分的アゴニストである。部分的アゴニストは、受容体に結合するが、これを完全に刺激するわけではない作用物質(agent)である。さらにはこの作用物質は、全的作用物質の結合を妨げ、これによってこの受容体からの可能な薬理活性全体を遮断する。部分的アゴニストは、天井効果を示す(すなわち、用量の増加は、あるレベルまでの効果を有するだけである)。したがって部分的アゴニストは、全的アゴニスト(例えばヘロインもしくはモルヒネ、およびモルヒネと化学的に関連するあるいくつかの鎮痛剤製品)よりも大きい安全指数を有する。
本発明はまた、ほかの部分的アゴニスト、例えばN−ブト−3−エニル−ノルブプレノルフィンまたは製薬的に許容しうるこれらの塩の使用についても考察する。この組成物は、PCT公報第WO 02/070524号に記載されている。これは、その全体が参照して本明細書に組込まれる。
本発明の文脈において、「有効量」という用語は、患者におけるうつ症状を減少または緩和するのに十分なブプレノルフィンまたはこれの塩の量である。本発明がまた、疼痛ならびにうつ病を治療するためのブプレノルフィンの投与について考察するかぎりは、ブプレノルフィンは、「鎮痛的有効量」で、すなわち、患者の身長、体重、年齢、および状態、ならびに特別な経皮投薬形態などの要因とともに、患者が苦しんでいる疼痛の程度によって決定された場合、患者における疼痛を減少または緩和するブプレノルフィンの量で投与される。この点に関して、疼痛は、視覚的アナログ尺度(VAS)によって分類することができる。
ブプレノルフィンの様々な製薬的に許容しうる塩、エーテル誘導体、エステル誘導体、酸誘導体、および水溶性改変誘導体(aqueous solubility altering derivative)の使用も、本発明によって包含される。本発明はさらに、この化合物のすべての個別鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセメート、およびほかの異性体比も包含する。本発明はまた、抗うつ活性を有する、すべてのブプレノルフィン多形および溶媒和物、例えば水和物および有機溶媒とともに形成されたものの使用も包含する。このような異性体、多形(polymorphs)、および溶媒和物は、本明細書に示されている開示に基づいて、当分野で知られている方法、例えば位置特異的および/またはエナンチオ選択性合成および分解(resolution)によって調製されてもよい。
塩および誘導体
様々な製薬的に許容しうる塩、およびこの活性化合物の活性エーテル誘導体、エステル誘導体、酸誘導体、および水溶性改変誘導体の使用もまた、本発明に包含される。本発明はさらに、この化合物のすべての個別活性鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセメート、およびほかの異性体、ならびにこれらの組合わせの使用も包含する。本発明はまた、この化合物のすべての多形および溶媒和物、例えば水和物および有機溶媒とともに形成されたものも包含する。このような異性体、多形、および溶媒和物は、本明細書に示されている開示に基づいて、当業者に知られた方法によって、例えば位置特異的および/またはエナンチオ選択性合成および分解によって調製されてもよい。
この化合物の適切な塩には、酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、炭酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン酸、スルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、および2−アセトキシ安息香酸;サッカリンを用いて製造された塩;アルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩;および有機または無機リガンドとともに形成された塩、例えば第四アンモニウム塩が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
その他の適切な塩には、ブプレノルフィンのアセテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビカーボネート、ビスルフェート、ビタルトレート、ボレート、ブロマイド、カルシウムエデテート、カムシレート、カーボネート、クロライド、クラビュラネート、シトレート、ジハイドクロライド、エデテート、エディシレート、エストレート、エシレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン、ハイドロブロマイド、ハイドロクロライド、ヒドロキシナフトエート、ヨーダイド、イソチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウレート、マレート、マレエート、マンデレート、メシレート、メチルブロマイド、メチルニトレート、メチルスルフェート、ムケート、ナプシレート、ニトレート、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレエート、パモエート(エンボネート)、パルミテート、パントテネート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロネート、サリシレート、ステアレート、スルフェート、サブアセテート、スクシネート、タンネート、タルトレート、テオクレート、トシレート、トリエチオダイド、およびバレレート塩が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。プロドラッグには、生体内でブプレノルフィンへ容易に転換可能なブプレノルフィンの官能性誘導体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、例えば「Design of Prodrugs」、ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
製薬組成物
本発明の化合物は、製薬組成物中に配合されてもよい。この製薬組成物はまた、添加剤、例えば製薬的に許容しうるキャリヤー、保存料、染料、バインダー、縣濁剤、分散剤、着色料、崩壊剤、賦形剤、希釈剤、潤滑剤、可塑剤、または前記のもののいずれかのあらゆる組合わせを含んでいてもよい。さらにはこの組成物は、活性剤の誤用を避けるために、アンタゴニストまたは不活性化剤とともに配合されてもよい。
適切な製薬的に許容しうるキャリヤーには、エタノール、水、グリセロール、アロエゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、PPG2ミリスチルプロピオネート、植物油およびソルケタールが含まれるが、これらに限定されるわけではない。この組成物はまた、適切な保存料、例えばナトリウムベンゾエート、およびこの組成物を経皮使用にさらに適したものにすることができるその他の添加剤を含んでいてもよい。適切な分散剤および縣濁剤には、合成および天然ゴム、例えば植物ゴム、トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン、およびゼラチンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。適切な製薬希釈剤には水が含まれるが、これに限定されるわけではない。その他の添加剤の例には、ソルビトール;タルク;ステアリン酸;およびジカルシウムホスフェートが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
単位投薬形態
固体単位投薬形態は、本発明の化合物、塩、または誘導体と、製薬的に許容しうるキャリヤー、および上記のあらゆるその他の所望の添加剤とを混合することによって調製されてもよい。この混合物は一般的に、本発明の化合物およびキャリヤーおよびあらゆるその他の所望の添加剤の均一混合物が形成されるまで、すなわちこの化合物が、この組成物全体に均一に分散されるまで混合される。
この化合物の放出を制御するための生物分解性ポリマーもまた、この組成物中に含まれていてもよい。これらのポリマーには、ポリ酢酸(polyactic acid)、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロ−ピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
経皮投薬形態
経皮投薬形態は、非限定的に、鎮痛剤、例えばオピオイド鎮痛剤を包含する、多くの様々な治療的に有効な活性剤を送達するための便利な投薬形態である。典型的なオピオイド鎮痛剤には、フェンタニル、ブプレノルフィン、エトルフィン、およびその他の高い効能の麻酔剤が含まれるが、これらに限定されるわけではない。経皮投薬形態は、活性剤の時間指定(timed)放出および持続放出のために特に有用である。
経皮投薬形態は、経皮投薬物および経皮投薬組成物に分類することができる。最も普通の経皮投薬物は、液だめ(fluid reservoir)か、または接着性マトリックス系中の薬剤のどちらかを用いた、拡散駆動経皮系(経皮パッチ)である。経皮投薬組成物には、局所ジェル、ローション、軟膏、経粘膜系および器具、およびイオン導入(電気拡散)送達系が含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは経皮投薬形態は、経皮パッチである。
これらの製薬組成物は、経皮投薬形態、例えば、液だめか、または接着性マトリックス系中の薬剤のどちらかを用いた拡散駆動経皮系(経皮パッチ)、局所ジェル、ローション、軟膏、経粘膜系、経皮パッチ、およびイオン導入(電気拡散)送達系として配合することができる。経皮投薬形態は、ブプレノルフィンの時間指定放出または持続放出のための本発明の投薬方式において用いられる。
本発明にしたがって用いられる経皮投薬形態は好ましくは、ブプレノルフィンに対して不浸透性である、製薬的に許容しうる材料からできている裏材(backing layer)を含んでいる。この裏材は好ましくは、ブプレノルフィンへの保護カバーとして役立ち、同様に支持機能も与えることができる。裏材の製造に適した材料の例は、高密度および低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリエステル、例えばポリ(エチレンフタレート)のフィルム、金属箔、このような適切なポリマーフィルムの金属箔ラミネート、織布(textile fabric)(液だめの成分がその物理的性質等によってその織布に浸透することができないならば)である。好ましくは裏材に用いられる材料は、このようなポリマーフィルムと、金属箔、例えばアルミ箔とのラミネートである。裏材は、所望の保護および支持機能を与えるあらゆる適切な厚さのものであってもよい。適切な厚さは、約10〜約200ミクロンであろう。望ましい材料および厚さは、当業者には明らかであろう。
あるいくつかの好ましい実施態様において、本発明にしたがって用いられる経皮投薬形態は、ポリマーマトリックス層を含んでいる。一般に、製薬的に許容しうるポリマーマトリックスを形成するために用いられるポリマーは、医薬品が制御された速度で通過しうる薄い壁またはコーティングを形成しうるものである。このポリマーマトリックス中に含めるための材料例の非限定的なリストには、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチル−アクリレートコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、シリコーン、ゴム、ゴム様合成ホモ−、コ−またはブロックポリマー、ポリアクリルエステル、およびこれらのコポリマー、ポリウレタン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ビニルクロライド−ビニルアセテートコポリマー、ポリメタクリレートポリマー(ヒドロゲル)、ポリビニリデンクロライド、ポリ(エチレンテレフタレート)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ビニルオキシエタノールコポリマー、シリコーンコポリマーを含んでいるシリコーン、例えばポリシロキサン−ポリメタクリレートコポリマー、セルロースポリマー(例えばエチルセルロース、およびセルロースエステル)、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、およびこれらの混合物が含まれる。ポリマーマトリックス層中に含めるための材料例は、一般的なポリジメチルシロキサン構造のシリコーンエラストマー(例えばシリコーンポリマー)である。好ましいシリコーンポリマーは架橋し、製薬的に許容しうる。ポリマーマトリックス層中に含めるためのほかの好ましい材料には、適切な過酸化物触媒を用いて架橋することができるジメチルおよび/またはジメチルビニルシロキサン単位を有する架橋性コポリマーであるシリコーンポリマーが含まれる。同様に好ましいものは、スチレンおよび1,3−ジエンをベースとするブロックコポリマーからなるポリマー(特にスチレン−ブタジエンブロックコポリマーの線状スチレン−イソプレン−ブロックコポリマー)、ポリイソブチレン、アクリレートおよび/またはメタクリレートをベースとするポリマーである。
ポリマーマトリックス層は任意に、製薬的に許容しうる架橋剤を含んでいてもよい。適切な架橋剤には、例えばテトラプロポキシシランが含まれる。本発明の方法にしたがって用いられる好ましい経皮送達系は、所望の投与期間、例えば約2〜約8日間、患者の皮膚へこの投薬形態を貼るための接着層を含んでいる。この投薬形態の接着層が、所望の期間接着を与えることができないならば、例えば接着テープ、例えば外科手術用テープで、投薬形態と患者の皮膚とを貼り付けることによって、投薬形態と皮膚との間の接触を維持することが可能である。患者の皮膚への投薬形態の接着は、単にこの投薬形態の接着層によって、または周辺接着源、例えば外科手術用テープとともに実施することができるが、この投薬形態は好ましくは、必要とされる投与期間の間患者の皮膚に接着されるべきである。
経皮パッチは、活性剤を含み、かつ皮膚側と上向き側とを有する皮膚側層、および皮膚側と反対の上向き側とを有する、任意アンタゴニストおよび/または不活性化剤を含んでいる任意の反対の上向き側層を含んでいてもよい。これらの層は任意に、皮膚側と反対の上向き側とを有する単一膜の背中合わせの側に含まれていてもよく、または互いの上に積重ねられた1つ以上の膜によって分離されていてもよく、外部層の皮膚側は内部層の上向き層に面している。不浸透性であるか、または選択的に浸透性であってもよい任意層が、同様に皮膚側と上向き側とを有し、完全にまたは部分的に、活性剤含有層と不活性剤含有層とを別けていてもよい。任意の追加接着層および/または剥離(release)層は、同様に各々それぞれの皮膚側と上向き側とを有し、活性剤を含んでいる層の全部または一部を覆っていてもよい。皮膚側と上向き側とを有する任意カバー層は、不活性剤を含んでいる層の上向き側または皮膚側のすべてまたは一部を覆っていてもよい。
接着層は好ましくは、当分野において知られているあらゆる接着剤を用いることを含み、接着剤は、投薬形態と製薬的に適合性があり、好ましくは低アレルギー誘発性であり、例えばポリアクリル接着性ポリマー、アクリレートコポリマー(例えばポリアクリレート)、およびポリイソブチレン接着性ポリマーである。本発明のほかの好ましい実施態様において、接着剤は、感圧接触接着剤であり、これは好ましくは低アレルギー誘発性である。本発明にしたがって用いることができる経皮投薬形態は任意に、浸透向上剤を含んでいてもよい。浸透向上剤は、ブプレノルフィンの患者の血流中への透過および/または吸収を促進する化合物である。浸透向上剤の非限定的なリストには、ポリエチレングリコール、界面活性剤等が含まれる。
あるいはまた、ブプレノルフィンの浸透は、例えば密封包帯を用いた患者の所望の部位への貼り付け後、この投薬形態の閉鎖によって向上させることができる。透過はまた、例えば切り取り、剃り、または脱毛剤の使用によって、貼り付け部位から体毛を除去することによって向上させることもできる。もう1つの浸透向上剤は熱である。熱による向上は、経皮投薬形態の貼り付け後、貼り付け部位へ、中でも特に放射熱形態、例えば赤外線ランプを用いて誘発することができると考えられる。ブプレノルフィンの浸透を向上させるほかの手段、例えばイオン導入手段の使用もまた、本発明の範囲内にあると考えられる。
本発明にしたがって用いることができる好ましい経皮投薬形態は、例えばポリエステル製の非浸透性裏材;例えばポリアクリレート製の接着層;およびブプレノルフィンおよびその他の望ましい製薬補助剤、例えば軟化剤、浸透性向上剤、粘度剤等を含んでいるマトリックスを含んでいる。活性剤であるブプレノルフィンは、デバイス(device)の中の薬剤溜め、薬剤マトリックス、または薬剤/接着層中に含まれていてもよい。パッチのこの面積、および1単位面積あたりの活性剤の量は、限度用量を決定する。それは、当業者が容易に決定することができるからである。
あるいくつかの好ましい経皮送達系はまた、軟化剤も含んでいる。適切な軟化剤には、高級アルコール、例えばドデカノール、ウンデカノール、オクタノール、カルボン酸のエステルが含まれ、この場合、アルコール成分はまた、ポリエトキシル化アルコールであってもよく、ジカルボン酸のジエステル、例えばジ−n−ブチルアジアペート、およびトリグリセリド、特にカプリル/カプリン酸またはココナッツ油の中鎖トリグリセリドは、特に適切であることが証明されている。適切な軟化剤のその他の例は、多価アルコール、例えばレブリン酸、コクプリル酸グリセロール、および1,2−プロパンジオールであり、これらはまた、ポリエチレングリコールによってエーテル化されてもよい。
ブプレノルフィン溶媒もまた、本発明の経皮到達系中に含まれていてもよい。好ましくはこれらの溶媒は、ブプレノルフィンを十分な程度まで溶解し、これによって完全な塩形成を避ける。適切な溶媒の非限定的なリストには、少なくとも1つの酸性基を有するものが含まれる。特に適切なものは、ジカルボン酸のモノエステル、例えばモノメチルグルタレートおよびモノメチルアジペートである。溜めまたはマトリックス中に含まれていてもよいその他の製薬的に許容しうる化合物には、溶媒、例えばアルコール、例えばイソプロパノール;浸透向上剤、例えば上記のもの;および粘度剤、例えばセルロース誘導体、天然または合成ゴム、例えばグアールゴム等が含まれる。
好ましい実施態様において、経皮投薬形態は、除去可能な保護層を含んでいる。この除去可能な保護層は、貼り付け前に除去され、例えばシリコーン処理によって除去可能にされるならば、上記の裏材の生産に用いられる材料からなっていてもよい。例えばその他の除去可能な保護層は、ポリテトラフルオロエチレン、表面加工紙、アロファン、ポリビニルクロライド等である。一般に除去可能な保護層は、接着層と接触しており、所望の貼り付け時間まで、接着層の一体性を維持する便利な手段を提供する。
本発明にしたがって用いられる経皮投薬形態の組成、および用いられるデバイスのタイプは、この器具が活性剤、例えばブプレノルフィンを、所望の期間、および経皮投薬形態の所望のフラックス率および/または所望の送達率において送達するならば、本発明の方法にとって決定的とは考えられない。
本発明にしたがって用いるためのあるいくつかの好ましい経皮投薬形態は、Hilleらの米国特許第5,240,711号に記載されている(LTSローマン・テラピー・ジステーメ社に譲渡されたもの)。これは参照して本明細書に組込まれる。このようなブプレノルフィン経皮送達系は、ブプレノルフィンを含んでいる不浸透性裏材、および任意に感圧接着剤と組合わされた浸透向上剤を有する積層複合材料であってもよい。米国特許第5,240,711号による好ましい経皮投薬形態は、次のものを含んでいる。すなわち、(i)ブプレノルフィンに対して不浸透性であるポリエステル裏材;(ii)ポリアクリレート接着層;(iii)分離ポリエステル層;および(iv)ブプレノルフィン、ブプレノルフィン用溶媒、軟化剤、およびポリアクリレート接着剤を含んでいるマトリックスである。ブプレノルフィン溶媒は、最終配合物中に存在してもよく、存在しなくてもよい。この中に記載されている経皮送達器具は、活性物質に対して不浸透性である裏材、感圧接着剤溜め層、および任意に除去可能な保護層を含んでいる。好ましくは溜め層は、約10〜約95%(重量)のポリマー材料、約0.1〜約40%(重量)の軟化剤、約0.1〜約30%(重量)のブプレノルフィンを含んでいる。ブプレノルフィン塩基またはこれらの製薬的に許容しうる塩のための溶媒は、約0.1〜約30%(重量)として含まれてもよい。
本発明の投薬形態はまた、1つもしくはそれ以上の不活性化剤を含んでいてもよい。「不活性化剤」という用語は、経皮投薬形態の濫用の可能性を減少させるために、活性剤を不活性化または架橋する化合物のことを言う。不活性化剤の非限定的な例には、重合剤、光開始剤、およびホルマリンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。重合剤の例には、ジイソシアネート、過酸化物、ジイミド、ジオール、トリオール、エポキシド、シアノアクリレート、およびUV活性化モノマーが含まれる。
一般に局所調製物は、この局所調製物の100%総重量を基準にして、ブプレノルフィン約0.01〜約100重量%、好ましくは約3〜約80重量%を含んでいる。一般に経皮投薬形態は、投薬量の100%総重量を基準にして、この化合物約0.01〜約100重量%、好ましくは約3〜約50重量%を含んでいる。
本発明の方法は好ましくは、患者におけるブプレノルフィンの血漿濃度の漸増を達成する方法で、ブプレノルフィンを投与する。好ましい実施態様において、本発明の方法によって達成される血漿プロフィールは、次のように記載されてもよい。すなわち(a)投与の24時間後の平均血漿ブプレノルフィン濃度は、10〜100pg/ml、好ましくは20〜50pg/mlである;(b)投与の72時間後の平均血漿ブプレノルフィン濃度は、25〜200pg/ml、好ましくは40〜100pg/mlである;(c)投与の144時間後の平均血漿ブプレノルフィン濃度は、100〜250pg/ml、好ましくは150〜200pg/mlである;および(d)投与の168時間後の平均血漿ブプレノルフィン濃度は、400〜1,000pg/ml、好ましくは少なくとも500pg/mlであるか、または患者の必要性に応じてさらに高い。
本発明はまた、ヒトの患者におけるうつ病の治療方法を提供する。この方法は、患者の皮膚に経皮送達系を貼り付け、この経皮送達系を少なくとも3日間患者の皮膚との接触に維持することによって患者に経皮的にブプレノルフィンを投与することを含み、この経皮送達系は、約3μg/時〜約200μg/時の平均相対放出率を維持し、したがって次の平均血漿濃度が得られる;(a)投与間隔の開始の約6時間後、約0.3〜約200pg/mlの平均血漿濃度;(b)投与間隔の開始の約12時間後、約3〜約400pg/mlの平均血漿濃度;(c)投与間隔の開始の約24時間後、約7〜約1,000pg/mlの平均血漿濃度;(d)投与間隔の開始の約36時間後、約13〜約1,200pg/mlの平均血漿濃度;(e)投与間隔の開始の約48時間後、約16〜約1,500pg/mlの平均血漿濃度;(f)投与間隔の開始の約60時間後、約20〜約1,500pg/mlの平均血漿濃度;(g)投与間隔の開始の約72時間後、約21〜約1,600pg/mlの平均血漿濃度;および(h)少なくとも次の48時間にわたって、約19〜約1,600pg/mlの平均血漿濃度である。
本発明はまた、ブプレノルフィン経皮送達系を患者の皮膚との接触への維持を与え、したがって平均血漿濃度は、次のように維持される。すなわち(a)投与間隔の開始の約96時間後、約23〜約1,500pg/mlの平均血漿濃度;(b)投与間隔の開始の約120時間後、約23〜約1,500pg/mlの平均血漿濃度;(c)投与間隔の開始の約144時間後、約22〜約1,400pg/mlの平均血漿濃度、および投与間隔の開始の約168時間後、約19〜約1,200pg/mlの平均血漿濃度である。
局所調製物は一般的に、縣濁剤および任意に消泡剤を含んでいる。このような局所調製物は、液体ドレンチ、アルコール溶液、局所洗浄剤、洗浄クリーム、スキンジェル、スキンローション、およびクリームまたはジェル配合物(水溶液および縣濁液が含まれるがこれらに限定されるわけではない)中のシャンプーであってもよい。
本発明の化合物はまた、リポソーム送達系の形態で投与されてもよい。例えば、小さい単層小胞、大きい単層小胞、および多層小胞であり、これらは経皮物または経皮組成物中に含まれていてもよい。リポソームは、多様なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成されてもよい。
この経皮投薬形態は、当業者に知られているあらゆる方法によって配合されてもよく、提案されているように投与されてもよい。このような配合物は、米国特許第4,806,341号、第5,240,711号、および第5,968,547号に記載されている。
投与
本発明の単位投薬形態は、うつ病、任意にはまた疼痛に悩まされている患者に投与される。1つの実施態様において、患者は高齢者である。本発明の単位投薬形態は、あらゆる潜在的毒性を最小限にしつつ最適な活性を得るために、いくつかの離散投与期間を含む規定された投与方式で投与されてもよい。投与期間は、一連の経皮投薬形態の1つが患者に投与される時間であり、投与方式は、一連の各々の経皮投薬形態の投与のための別個の投薬期間からなる。
1つの実施態様において、この方法は、ブプレノルフィンの累進(graduated)上昇投薬量を含む一連の経皮投薬形態を患者に投与することを含む投薬方式において、ブプレノルフィンの鎮静剤有効量を患者に投与することを包含する。好ましくはこの投薬方式は、次の工程を含んでいる。すなわち、(a)第一投薬期間の間、第一ブプレノルフィン含有経皮投薬形態を患者に投与する工程;(b)第二投薬期間の間、第二ブプレノルフィン含有経皮投薬形態を患者に投与する工程であって、この第二投薬形態が、第一投薬形態と同じかまたはそれよりも大きいブプレノルフィンの投薬量を含んでいる工程;および(c)第三投薬期間の間、第三ブプレノルフィン含有経皮投薬形態を患者に投与する工程であって、この第三投薬形態が、第二投薬形態よりも大きいブプレノルフィンの投薬量を含んでいる工程。したがって例えば、一連の第一経皮投薬形態は、連続する3日間患者によって身につけられてもよい。除去した時、ついで第二投薬形態が、もう1つの連続した3日間患者によって身につけられてもよく、その後第三投薬形態が、別の7日間患者によって身につけられてもよい。好ましい実施態様において、この投薬方式の総治療期間は、所望の用量、すなわち第三用量レベルに到達するまで、6日間である。ついでこの用量は、無制限に維持されてもよい。投薬量の増加が必要とされるならば、その場合にはこの投薬量は、適切な間隔をあけて、例えば3日毎に増加されてもよい。
特定の実施態様において、第一投薬形態は、5mgまでのブプレノルフィンを含み、第一投薬期間は、少なくとも約2日であり;第二投薬形態は、10mgまでのブプレノルフィンを含み、第二投薬期間は少なくとも約3日であり;第三投薬形態は、20mgまでのブプレノルフィンを含み、第三投薬期間は少なくとも約2日である。もう1つの特定の実施態様において、第一および第二投薬期間は、各々約7日である。
もう1つの実施態様において、その後の投薬量が投与されてもよい。例えばうつ病の治療のための目標レベルが、第三投薬期間で達成されるならば、第三投薬形態は、ほぼ2日毎または10日毎から延びる頻度(frequency extending)で、または毎週パッチを交換して、無制限な期間、連続的に投与されてもよい。うつ病および/または疼痛をさらに緩和するために必要であれば、その後の投薬形態は、30mgのブプレノルフィンおよび40mgのブプレノルフィン負荷から出発して漸増的に用いられてもよい。
ブプレノルフィンの投薬量は、多様な要因、例えば基礎となる疾病状態、個人の状態、体重、性、および年齢、および投与方法にしたがって変えることができる。投薬方式は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性、および病状;治療される状態の重症度;投与経路;患者の腎臓および肝臓の機能;および用いられるこれらの特別な化合物を包含する多様な要因にしたがって選択される。通常の技術を有する医師は、うつ病の進行を防ぐか、対抗するか、または停止させるために必要とされる薬剤の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を伴わずに有効性を生じる範囲内のブプレノルフィンの濃度を達成する上での最適な精度は、標的部位へのブプレノルフィンの有効性の動力学(kinetics)に基づいた方式(regimen)を必要とする。これは、ブプレノルフィンの吸収、分配、代謝、および分泌の考察を包含する。
経皮パッチは、例えば右上腕/肩、左上腕/肩、右前胸部(鎖骨下)、左前胸部(鎖骨下)、右下前腋窩線、左下前腋窩線、右上部背中、左上部背中、または中腋窩線の第五肋間腔のところに配置することができる。反復用量は、その都度同じ位置に投与されても、されなくてもよい。
経皮パッチの「連続」投与は、第一投薬形態が、第二パッチが投与される前に除去される状況、ならびに時差的投与方式を包含する。したがって1つの実施態様において、患者は、一時に1枚の経皮パッチのみを貼っている。別の実施態様において、2つの連続パッチの投与はずらされ、この場合、患者は、第一投与パッチが除去される前、適切な時間、例えば1日まで、同一または異なる用量を含んでいる2つのパッチを貼ってもよい。
さらにもう1つの実施態様において、患者は、ブプレノルフィンの特定の投薬レベルに到達するために2つの経皮パッチ、例えば10mgのブプレノルフィンの総投薬レベルを達成するために2つのBTDS5が同時に投与される。
本発明の方法に用いられる投薬形態は、単独で、またはほかの活性剤と組合わせて投与されてもよい。活性剤が別々の投薬配合物中にある、1つ以上の活性剤での組合わせ治療のために、これらの活性剤は、同時に投与されてもよく、またはこれらは各々、別々のずらされた時間に投与されてもよい。この投薬量は、上記のようなほかの活性剤と組合わされた時、調節されてもよい。他方、これらの様々な活性剤の単位投薬形態は、相乗的結果を達成するために独立して最適化されてもよく、組合わされてもよい。このような場合、病状または状態は、どちらかの活性剤が単独で用いられるならばそうなるであろう以上に減少される。例えば本発明の化合物、製薬組成物、または単位投薬形態は、あらゆる潜在的毒性を最小限にしつつ最適な活性を得るために、定期試験によって規定された適切な投薬量において、単独で、またはほかのSSRI、三環系、またはMAOIと組合わせて投与されてもよい。
次の実施例は、単なる例であると理解され、本発明または添付クレームの範囲を制限するものではない。
実施例1:高齢者のうつ病を緩和するBTDSの有効性
この実施例は、高齢者の鎮痛管理と関連した医療効果に対するBTDS対プラシーボ(両方のグループに存在する短時間作用型オピオイド療法を用いる)の有効性の無作為化二重盲検パイロット評価について記載する。この調査の目的は、経皮ブプレノルフィンがうつ病を緩和するかどうかを含む、通常の鎮痛治療(care)または通常治療プラスBTDSを受けている慢性疼痛を有する居住者における差別的医療効果を調べることである。この調査は、各グループ中50人の患者を利用した、二重盲検無作為化平行腕(parallel−arm)プラシーボ制御試験である。
患者グループ
筋骨格起源の慢性非悪性疼痛を有する、老人ホーム/介護された生活環境の高齢居住者を募集する。この患者は、ダーボセット(Darvocet)、ダルボン(Darvon)、タイレノール(Tylenol)#3、タイロックス(Tylox)、パーコセット(Percocet)、パーコダン(Percodan)、ロールタブ(Lortab)、ウルトラム(Ultram)、ビコジン(Vicodin)、ロールセット(Lorcet)、またはザイドン(Zydone)の、1日あたり2〜6タブレット/カプセルの服用規定(standing order)を有し、調査に入る(enrollment)前の7日間で5〜42タブレット/カプセルを服用していたが、いずれの日も経口モルヒネ90mg当量以下であった。被験者は、7日間のうちの3日、「この24時間の平均疼痛」>4(0〜10尺度)の居住者の評価(resident rating)を報告する。この患者は、修正ミニ精神状態試験(Modified Mini−Mental State Exam)(3MS)評点≧60を有し、この調査に参加するのに十分な知力を有し、調査の質問に答えることができる。居住者は、疼痛の改善を有することを望んでいる。
投薬手順
テスト薬物療法は、5、10、または20mgのブプレノルフィン(BTDS5、10、または20;パーデュ・ファーマ(Purdue Pharma)L.P.)を含んでいるブプレノルフィン経皮送達系、または対照/プラシーボ(ブプレノルフィンを含まないBTDS5、10、または20)のどちらかである。各患者は、BTDSまたはプラシーボのどちらかに無作為に割り当てられる。
この人たちは管理された生活をしている高齢居住者であるので、適切なベースライン評価を確立するのに、調査スタッフは1回もしくはそれ以上の接触が必要であろう。スクリーニング期間、居住者は、その前の週に短時間作用型オピオイド5〜42単位を服用していたはずであり(しかしながら一日だけでは経口モルヒネ90mg当量以下)、この調査に登録することになる7日のうちの3日、この24時間の平均疼痛を>4(0〜10)と評価した。0日目は、ベースライン評価を完了するために必要とされる接触数にかかわらず、無作為化の日となる。
各居住者は、調査を開始する(0日目)。0日目に、すべてのベースライン評価が完了された後、居住者は、5mgのBTDSまたはこれと釣り合ったプラシーボのどちらかを受け、無作為化前の通常治療の短時間作用型オピオイド療法が続行される。異なる用量への滴定(titration)が正当であるとされなければ、TDSはこの調査の間中7日毎に貼り付けられる。現在、ベンゾジアゼピン、鎮静剤、睡眠薬、一般麻酔薬、その他のオピオイド鎮痛剤、フェノチアジン、中枢作用性制吐剤、およびアルコールを包含するほかのCNS抑制薬を服用している患者には、注意深く投薬すべきである。BTDSを開始する居住者は、呼吸抑制、低血圧、および過剰沈静作用について監視される方がよい。
調査療法は、許容しうる疼痛制御に至るまで18日間にわたって滴定される。上方(upward)滴定が考慮される前、各用量で最低72時間(3日間)が必要とされる。3日目に開始し、この24時間の居住者の平均疼痛が>4(0〜10)であり、かつ副作用経験が耐えられるとみなされるならば、居住者は、10mgのBTDSまたはこれと釣り合ったプラシーボのどちらかに滴定される。通常治療の短時間作用型オピオイド療法の利用は、この調査全体にわたって続行される。
5mg用量からの滴定の3日後に開始し、10mgの用量(またはこれと釣り合ったプラシーボ)の居住者は、この24時間の平均疼痛を評価するよう求められる(0〜10)。この評価が>4であり、副作用経験が耐えられるものであるならば、居住者は、20mgのBTDSまたはこれと釣り合ったプラシーボのどちらかに滴定される。調査者は、より遅い増量滴定(up−titration)間隔を選択してもよいが、すべての増量滴定は、18日目までに完了されなければならない。居住者は、副作用経験の制約内で平均疼痛≦4(効果的疼痛管理)を達成するまで滴定されることが期待される。居住者は、通常の貼り付け予定が再開される、次の予定されたTDS貼り付けまで、新しいTDSを身につける方がよい。居住者は、既知のオピオイド副作用を管理するために必要であるならば、毎週1レベルずつ下方滴定してもよい。居住者は、滴定期間の最後に、BTDS5、10、または20mg、またはこれと釣り合ったプラシーボを使用していてもよい。
滴定期間の最後に、または調査者が、居住者が効果的な疼痛管理を受けていると判断する時はいつでも、居住者は、その用量のBTDSを受け続け、この系は、調査スタッフのメンバーによって7日毎に取り替えられる。TDSの配置は、変えられなければならない。すべての居住者は、カルテおよび薬物療法記録に記載されているように、要求あり次第、使用のために利用可能な通常治療の短時間作用型オピオイドをもらい続ける。
BTDSの貼り付け
次の貼り付け手順にしたがう。選択された体の部位は、比較的体毛がなく、清潔でなければならない。指定された部位にあまりに体毛が多いならば、体毛は抜き取られなければならず、剃ってはいけない。洗浄が必要であれば、透明水のみでこの部位を洗浄する。アルコール、油、ローション、または石鹸を用いることはできない。皮膚を完全に乾燥させる。フォイル袋からTDSを取り出す。内部のTDSを破らないように気をつけながら、小さい切り口のところでこの袋を引き裂いて開ける。保護裏材の小さい方の部分を掴みながら、この裏材の大きい方の部分を取り除き、暴露縁部から始めてTDSを皮膚に貼り付ける。ついで保護裏材の小さい方の部分を取り除き、配置を完了する。TDSを次の部位の1つに貼り付ける。すなわち、右上腕/肩、左上腕/肩、右前胸部(鎖骨下)、左前胸部(鎖骨下)、右下前腋窩線、左下前腋窩線、右上部背中、左上部背中である。その後のTDSの各々は、以前のTDS貼り付けのどれにも用いられたことがない上記部位の1つに貼り付けられる方がよい。ひとたび配置されたら、手のひらで約45秒間TDSを押し付ける。このことによって、縁部の周りの接着を確実にする。TDSをこすらない。常に1つだけのTDSを身につけることができる。
うつ病評価
老人うつ病尺度(Geriatric Depression Scale)−SFは15の質問の老人うつ病尺度(Sheikhら、Clin Gerontol 1986;5;165〜73)であるが、これを、ベースラインの時点で、および6週目(40日目と42日目の間、認知機能テスト(Cognitive Function Tests)と同じ日、下記参照)に行なう。含まれている質問は次のとおりである:
あなたは自分の生活に基本的に満足していますか。 はい いいえ
あなたは活動の多くを止め、多くの関心を失いましたか。 はい いいえ
人生が空疎であると感じますか。 はい いいえ
うんざりすることが多いですか。 はい いいえ
大部分の時間機嫌が良いですか。 はい いいえ
自分に何か悪いことが起こりそうだと思いますか。 はい いいえ
大部分の時間幸せだと感じていますか。 はい いいえ
あなたは無力であると感じることが多いですか。 はい いいえ
出かけたり新しいことをするよりも、家にいる方がいいですか。 はい いいえ
大部分の人よりも記憶力に問題があると感じていますか。 はい いいえ
生きていることは素晴らしいと思いますか。 はい いいえ
あなたの今の状態をかなり無価値だと感じますか。 はい いいえ
あなたは活力に溢れていると感じますか。 はい いいえ
あなたの状況は無力であると感じますか。 はい いいえ
大部分の人はあなたよりも恵まれていると思いますか。 はい いいえ
大文字(下線部)のすべての答えについて1点が与えられる。単一質問(SQ)テストは、うつ病状態を評価するための1質問手段(Williamsら、Am J Med 1999;106;36-43)であり、これもベースラインの時点で行なわれる(「過去1年で、大部分の時間悲しいか、または落ち込んでいると感じていましたか)。
起立性低血圧評価
起立性低血圧は、仰臥位置から立ち上がって1分または3分後に、最大血圧(BP)20mmHgもしくそれ以上、および最低BP10mmHgもしくはそれ以上の低下として規定される(Luukinenら、Arch Int Med 1999;159:273-280;Kinneyら、AACN’s Clinical Reference Guide,Mosby、4th ed.1998、p.285-7;Potter,Mosby,4th ed.、1997、p.633;Kennyら、Clin Geriatrics 2000;8:1-4)。
周期的評価
すべての7日のうちの3日、居住者は、次のものを評価するよう求められる。すなわち、この24時間の平均疼痛強度(0=痛みなし、10=想像できるかぎり最悪の痛み);前夜の睡眠の質(1=優れている;2=良好;3=かなり良い;4=あまり良くない;5=非常に悪い);前夜痛みによる夜間の目覚めの回数;鎮痛療法の受容性(1=優れている;2=良好;3=かなり良い;4=あまり良くない;5=非常に悪い);腸の状態。コーディネーターは、居住者がこの24時間に便通があったかどうかを記録する。
疼痛管理評価
必要であれば、居住者と時々時間を過ごし、居住者が「疼痛」を「不快」または「痛い」またはほかの言葉で表現することがあるのを理解すること(Parmelee,Lawton MP,Teresi J(Eds.),Annual Review of Gerontology and Geriatrics,New York:Springer;1994、p.281-301)は、疼痛評価において重要である。スポンサーが、鎮痛剤治療効果に対して最も敏感で、かつ将来の調査のために居住者にとって最も理解可能で意味がある質問を確認することができるように、いくつかのタイプの質問が、疼痛および疼痛負担を評価するために用いられる。修正マックギルペインマップ(Modified McGill Pain Map)(Lichtensteinら、J Gerontol 1998;53:M361-71)を用いた、痛みのすべての部位、および1つ以上の部位があるならば、最悪の痛みの部位の確認。平均的な痛みおよび最悪の痛み、および痛みの緩和についての質問は、修正ブリーフ・ペイン・インベントリー(Modified Brief Pain Inventory)から選択される(Vibbert S,Migdail KJ,Strickland D,Youngs MT,(Eds.),The 1995 Medical Outcomes and Guidelines Sourcebook,New York,NY、Faulkner & Gray,Inc.1994,p.269-270)。活動への痛みの妨害についての質問は、医療効果調査疼痛評価(Medical Outcomes Study Pain Evaluation)からのものである(Stewart A,Ware J,(Eds.),Measuring Functioning and Well-Being the Medical Outcomes Study Approach,Durham and London:Duke University Press;1992)。
認知機能テスト
オピオイド療法および疼痛レベルに関連した認知状態の変化があるかどうかを評価するために、認知機能が、ベースライン(0日目)、28日目、および調査の最後(40日目と42日目との間)に評価される。特に注意力、処理速度、精神運動速度の分野において、慢性疼痛と関連した認知障害の報告書が出版されている(Bellamyら、J.Rheumatol 1988;15:1833−40)。したがって注意力、集中力、および処理速度を評価するテストが含まれる。
居住者の集中注意力(前進数字(Digits Forward))および作業記憶力(後進数字(Digits Backward))を測定するために、スパンテストのための無作為化数字リスト(Randomized Digit Lists for Span Test)(別表P)が含まれる。これらのテストは、注意力および集中力の変化に対して敏感である。注意力および順序付けを測定するためのテストも含まれる(トレイル・マーキング・テスト・パートA(Trail Marking Test Part A)または「TMT」)。これは認知機能の変化の測定に敏感な広く認められたテストである。スパンテストおよびTMTのための両方の数字リストに対して交互形態が利用可能である。これは、練習効果を最小限にするために用いられる。
統計
SAS(SAS Institute,Cary,NC)を用いて、統計的プログラミングおよび分析が実施される。ほかに特定されていなければ、すべての統計テストは、主要効果についてα=0.05、相互作用についてα=0.10の有意レベルを有する両側テストとして実施される。
本発明は、本明細書に記載されている特別な実施態様によって範囲が限定されるわけではない。実際、本明細書に記載されているものに加えて、本発明の様々な修正例が、前記説明および添付図面から、当業者には明らかになるであろう。このような修正例は、添付クレームの範囲内に入るものとする。
特許、特許出願、出版物、手順等は、この出願全体に引用されており、これらの開示は、その全体が参照して本明細書に組込まれる。

Claims (20)

  1. うつ病の治療方法であって、うつ病を患っている患者に、ブプレノルフィンを含んでいる経皮投薬形態を投与し、これによって患者におけるうつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和することを含む方法。
  2. この経皮投薬形態が、経皮投薬物および経皮投薬組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. この経皮投薬物が、拡散駆動経皮系である、請求項2に記載の方法。
  4. この経皮投薬組成物は、局所ジェル、ローション、軟膏、経粘膜系、経粘膜器具、およびイオン導入送達系からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. この経皮投薬形態は、約5〜約40mgのブプレノルフィンを含んでいる、請求項1に記載の方法。
  6. 症状が、持続的な悲しい気分、以前は楽しんでいた活動への関心または喜びの喪失、食欲または体重の有意な変化、睡眠障害、過剰睡眠、肉体的緩慢化、興奮、活力の喪失、無力感、不適切な罪悪感、思考困難、集中困難、および死または自殺を繰り返し考えることからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. このうつ病が、治療抵抗性うつ病として分類される、請求項1に記載の方法。
  8. 患者が高齢患者である、請求項1に記載の方法。
  9. この経皮投薬形態を投与する工程を、少なくとも1回繰り返すことを含む、請求項1に記載の方法。
  10. この経皮投薬形態を投与する工程を、少なくとも6回繰り返すことを含む、請求項9に記載の方法。
  11. この反復工程が、3〜7日毎に実施される、請求項10に記載の方法。
  12. うつ病を患っている患者への、ブプレノルフィンを含んでいる第一、第二、および第三経皮投薬物の連続投与を含むうつ病の治療方法であって、第三投薬物が、第一および第二投薬物よりも高い投薬量のブプレノルフィンを含み、これによって患者におけるうつ病の1つもしくはそれ以上の症状を緩和する方法。
  13. 第一投薬物が、5mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物が、10mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間の投薬期間の間投与され、第三投薬物が、少なくとも20mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間の投薬期間の間投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 第一投薬物が、10mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物が、20mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間投与され、第三投薬物が、少なくとも30mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間投与される、請求項12に記載の方法。
  15. 第一投薬物が、20mgを越えないブプレノルフィンを含み、第二投薬物が、30mgを越えないブプレノルフィンを含み、3日間投与され、第三投薬物が、40mgのブプレノルフィンを含み、少なくとも2日間投与される、請求項12に記載の方法。
  16. 第二投薬物が、第一投薬物の3〜7日後に投与される、請求項12に記載の方法。
  17. 第三投薬物が、第二投薬物の3〜7日後に投与される、請求項16に記載の方法。
  18. さらに、第三投薬物の投与を少なくとも1回繰り返すことを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 第三投薬物の投与を少なくとも4回繰り返すことを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 患者が高齢患者である、請求項12に記載の方法。
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