JP2005527945A - 真空回路遮断器用セラミック管 - Google Patents

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Abstract

真空回路遮断器用セラミック管(10)は設定された長さ及び内径を有する円筒形状である。さらに、セラミック管は各端部に円筒状端面(11)を有し、金属製の端部キャップ(4、6)を円筒状の各端部(11)に真空を漏れないように固定して真空チェンバ(8)を形成することができる。円筒状端面(11)は、組立て済みの状態で、金属製端部キャップ(4、6)と少なくともセラミック管(10)の内径まで接触する形状にする。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、真空スイッチまたは回路遮断器に使用され、設定された長さ及び内径を有する円筒形状であり、各端部に円筒状端面を有し、金属製の端部キャップを例えば半田付けにより各円筒状端面に真空が漏れないように固定して真空チェンバを構成可能なセラミック管に係る。真空チェンバには、回路遮断器をブレークするために開離可能な2つの接点がある。
このタイプのセラミック管は、適当な材料特性(絶縁性、耐高温性及び耐高圧性など)により電気設備の真空スイッチ用真空回路遮断器に用いられている。
真空回路遮断器(一般的に、細長いスリーブ形状である)に広く用いられている公知のセラミック管は、端面が両側で面取りされている。これは、セラミック管をできるだけ経済的に製造する方法に起因する。その目的は、動作信頼性を確保しながら真空回路遮断器を小型化することにある。セラミック管の小型化により、真空スイッチをよりコンパクトな構造にすることができ、また使用するセラミック材料を節約できて真空回路遮断器のコストが最終的に減少する。
セラミック管の長さは、主として、スパークオーバー及び/または絶縁破壊に対する耐性に関連する条件により決定される。真空中において真空回路遮断器接点間の絶縁破壊を阻止するには接点間隔は約10mmで十分であるが、真空チェンバを取り囲むセラミック管は絶縁耐力を確保できるように10mmより長くする必要がある。結局のところ、寸法が小さすぎるとセラミック管を介してスパークオーバーが発生することがある。
真空回路遮断器を製造する際、誘電特性がそれぞれ異なる真空、金属及びセラミックが隣り合う箇所にジャンクションが形成されるが、これは当業者にはトリプルジャンクションと呼ばれる。セラミック管の円筒状端面は面取りされるため、真空中に鋭角が形成される。その箇所では誘電特性が異なる3つの材料が出会うため、電界作用線がこの鋭角で連続して真空中を通過することになり、そこに電界強度が集中して絶縁破壊が開始される程度に増加することがある。
本発明は、上記現象が生じない真空回路遮断器用セラミック管を提供することを目的とする。
この目的は、前文で定義したタイプのセラミック管であって、円筒状端面が、組立て済みの状態で、金属端部キャップと少なくともセラミック管の内径まで接触するような形状を有するセラミック管により達成される。3つの材料が出会う位置では、これにより電界作用線の局部的集中度が減少するため局部的電界強度が減少し、その結果絶縁破壊の危険性が少なくなる。特定の状況を用いるシミュレーションを行った結果、電界強度が標準型セラミック管と比べて7分の1に減少したことがわかっている。その結果、絶縁耐力が増加して、セラミック管を幾分小さくすることが可能になり、さらなるコストの減少が得られるか、長さが同じ場合は高電圧を使用できるようになる。
本発明の1つの実施例では、セラミック管の内側の円筒状端面は、セラミック管の内側表面と実質的に最大で90度の角度を有する。角度が90度より小さくすると(セラミック管の円筒状端面が端部キャップの金属に沿って真空回路遮断器の内側の方へさらに続く)、電界強度は理論的にさらに減少する。しかしながら、このタイプの管の製造は容易でなくコストが高くなるため、このタイプの実施例は経済性に欠ける。そのため、90度の角度を有する実施例が上述の理由により好ましい。
さらに別の実施例において、セラミック管の外側の円筒状端面は、セラミック管の外側表面と少なくとも90度の角度を有する。真空回路遮断器の製造時、端部キャップは一般的にセラミック管上に半田付けされる。円筒状端面がまっすぐであれば、半田がセラミック管の端縁部上を流れるため、セラミック管の外側表面を介するスパークオーバーの危険性が増加する。円筒状端面を外側表面についてのみ面取りすると、半田がセラミック管の外径を越えて流れにくくなり、スパークオーバーの危険性が減少する。
本発明は、さらに別の局面において、本発明のセラミック管を設けた真空回路遮断器またはスイッチに係る。
以下、本発明を、多数の実施例に基づき添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、電気設備用の真空スイッチに用いるような真空回路遮断器10の単純化した断面図である。真空回路遮断器10は、電気回路の一部を形成する可動接点1と固定接点2とを有する。接点1と2が開離すると回路がブレークする。接点1、2は、回路ブレーク時に形成されるアークが直ちに消滅するように真空チェンバ8内にある。真空チェンバ8は、セラミック管3と金属製の2つの端部キャップ4、6により形成される。端部キャップ4、6は、一般的に半田付けによりセラミック管3に接合される。さらに真空回路遮断器10には、スクリーン5とベローズ14とが設けられるが、スクリーン5も金属製であって端部キャップ4と接合され、ベローズ14は端部キャップ4と接合されて可動接点1が真空チェンバ8内で移動できるようにする。
セラミック管3は、型内でセラミック粉末を焼結することにより製造される。これは比較的簡単なためコストが低く、従って経済的に魅力のある広く用いられている製造技術であるが、セラミック管の円筒状端面11は図1の参照番号7で示すように面取りされている。
図2は、端部キャップ6がセラミック管3と接合する場所を拡大して示す詳細図である。この詳細拡大図は、端部キャップ6の一部がセラミック管の円筒状端面11に、例えば半田付け接合部により固定された状態を示す。セラミック管3の円筒状端面11に面取り部12(図1の参照番号7に相当する)を設けられているため、真空チェンバ8内には、真空空間8、セラミック管3、端部キャップ6の金属が出会う場所(参照番号9で示すトリプルジャンクション)に鋭角が形成される。セラミック管の内壁13の面取り部12は、セラミック管の円筒状端面11と鈍角、即ち90度より大きい角度を有する。
3つの材料(真空、金属及びセラミック)が出会うトリプルジャンクション9では、真空回路遮断器10が遮断されると(真空空間8内でかなりの電位差を伴う動作である)、非常に高い電界が形成され、主としてトリプルジャンクション9に集中する。電界のこの集中により、この場所から絶縁破壊またはスパークオーバーが発生する危険性が増大する。
この状況は、セラミック管の円筒状端面を図3の拡大断面図で示すような形状にして改善することができる。ここでは、セラミック管3の円筒状端面11は内壁13と直角を形成する。それ以外の条件によるが、この構成は、3つの材料が出会うトリプルジャンクション9の電界強度を7分の1に減少することができる。その結果、絶縁破壊またはブレークオーバーが始まる危険性が上述した状況に比べてかなり低くなる。
換言すれば、セラミック管3の円筒状端面11は内側の方に延びて、端部キャップ6の金属と少なくともセラミック管3の内径まで接触する。理論的には、セラミック管3の円筒状端面11がさらに内側に延びれば、即ち、円筒状端面11がセラミック管の内側表面13の面取り部12と90度以下の角度を形成すれば(破線で示す)、電界分布はさらに改善される。しかしながら、この形状の管3は真空回路遮断器10の製造にあたり形成し処理するのが容易でなく、従ってコストが高くなる。経済的な理由により、このタイプの管は魅力的でない。
まっすぐな円筒状端面11を有するセラミック管3を製造するのは円筒状端面を面取りした従来型の管よりコストが高いが、その結果、有意な技術的利点を有する管が得られる。従って、短いセラミック管3を用いてセラミック管3のコストを減少させるか、または同じ管を高電圧用として用いることが可能である。
しかしながら、本発明によると、図1に示すようにセラミック管3の外側に面取りされた円筒状端面11を用いるのが好ましい。端部キャップ4、6は半田付け接合部によりセラミック管3に固定されるため、まっすぐな円筒状端面11を用いると、セラミック管3の端縁部上を流れる半田の量を減少することができる。セラミック管3の2つの端部の外側端縁部におけるこの種の半田ビーズは、セラミック管3の外側上での絶縁破壊箇所として作用することがある(半田付け端縁部は電気的な意味で膨れる作用をする)。面取りした端部7により、半田が流れ出てもセラミック管の外径を越えて流れるのは難しいため、絶縁破壊に対する耐性が改善される。これにより、セラミック管3の長さを減少させて真空回路遮断器10を低コストで製造するか、または同じ管を高電圧で用いるかの何れかが可能な技術的利点が得られる。
従来技術の真空回路遮断器の概略断面図である。 図1の断面図の一部拡大図である。 本発明の実施例によるセラミック管を備えた真空回路遮断器の一部拡大図である。

Claims (4)

  1. 真空回路遮断器用セラミック管であって、セラミック管(10)は設定された長さ及び内径を有する円筒形状であり、円筒の各端部に円筒状端面(11)を有し、各円筒状端部(11)には金属製の端部キャップ(4、6)を真空漏れのないように固定して真空チェンバ(8)を形成することが可能であり、円筒状端面(11)は、組立済みの状態で、金属製の端部キャップ(4、6)と少なくともセラミック管(10)の内径まで接触する形状であることを特徴とするセラミック管。
  2. セラミック管(10)の内側の円筒状端面(11)は、セラミック管(10)の内側表面(13)と実質的に最大で90度の角度を有する請求項1のセラミック管。
  3. セラミック管(10)の外側の円筒状端面(11)は、セラミック管(10)の外側表面と少なくとも90度の角度を有する請求項1または2のセラミック管。
  4. 請求項1乃至3のうちの1項によるセラミック管(10)を有する真空回路遮断器。
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