JP2005526885A - アルコキシスチレンポリマーの精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
コポリマーおよびターポリマーは、反応溶液から単離されたとき、種々の組成および分子量の複数の化合物の混合物である。典型的に、それらは、少量の出発材料、および最終ポリマーにおいては望ましくない副産物を含有する。ポリマー混合物は、混合物を、例えば、水、へキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルもしくはこれらの混合物などの第二溶媒に添加することにより、溶媒もしくは溶媒混合物から沈殿する。ついで、ポリマーを、窒素雰囲気下で乾燥させる。本発明の目的は、ポリマーを精製する方法に関する。
開示の要旨
本発明は、メタノールからの沈殿により重合されたポリマー中間体のガラス転移温度を改善し、多分散度値を減少させる新規な方法を提供する。本発明の方法で処理できるポリマーは、4-アシルオキシスチレンのポリマーである。ついで、4-アシルオキシスチレン誘導ポリマーは、ペイント、樹脂、増粘剤およびフォトレジスト組成物に有用な4-ヒドロキシフェニル含有ポリマーにエステル交換される。本発明の方法は、先行技術に対する改善であり、極めて有効である。具体的には本発明は、エステル交換工程の前に、未反応モノマー、低分子量ポリマーなどを粗ポリマー混合物から除去する方法を提供する。多くの分析方法が、ポリマーの純度における改善を定量するのに利用できる。平均分子量、核磁気共鳴、クロマトグラフィーおよびガラス転移温度はすべて、一定の分子および特徴的側鎖を有するいくつかの例において有効である。
発明の具体的な説明
本発明は、モノマーI
および/またはスチレン、4-メチルスチレン、スチレンアルコキシド(アルキル部分は、C1〜C5の直鎖もしくは分枝鎖である)、tert-ブチルスチレン、シクロヘキシルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキルおよび塩化ビニルからなる群から選ばれる1種以上のエチレン不飽和共重合性モノマー(EUCM)とのコポリマーとしての、その組成における改善のための方法を提供する:
前記式中、
i)R1およびR2は、同じかもしくは異なり、
水素;
フッ素、塩素もしくは臭素;
式CnHxFyを有するアルキルもしくはフルオロアルキル基(式中、nは1〜4の整数であり、xおよびyは0〜2n+1の整数であり、xとyの和は2n+1である);および
フェニルもしくはトリル;からなる群から独立して選ばれ、
ii)R3は、水素;および
メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチルおよびtert-ブチル;からなる群から選ばれ、
iii)R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、t-アミル、ベンジル、シクロヘキシル、9-アントラセニル、2-ヒドロキシエチル、シンナミル、アダマンチル、メチルもしくはエチルもしくはヒドロキシルアダマンチル、イソボルニル、2-エトキシエチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、2-ヒドロキシプロピル、2-エチルブチル、2-メトキシプロピル、2-(2-メトキシエトキシル)、オキソテトラヒドロフラン、ヒドロキシトリメチルプロピル、オキソ-オキサトリシクロノニル、2-ナフチル、2-フェニルエチル、フェニルなどであり;そして
iv)R5は、C1〜C4アルキルである;
前記ポリマーは、典型的に式Iのモノマー:
(1)前記アルコール溶媒中触媒量の塩基触媒の存在下、生成されるエステル交換された副生エステルが反応混合物から連続的に除去されてIのホモポリマーもしくはIおよび/またはII、および/または前記共重合性モノマー(EUCM)のコポリマーを生成するような適する温度で、前記ポリマーをエステル交換条件に供するか、あるいは(2)前記ポリマーを強酸による酸性加水分解に供する。ついで、ポリマーを、任意にイオン交換床を通して前記塩基もしくは酸触媒を除去する。
かくて、本発明の方法によれば、アシルオキシ誘導ポリマーの重合後、かつエステル交換に先立って、粗ポリマーは、この新規な分留法に供され、この分留法は実質的に精製されたポリマーを与え、ついでこのポリマーはさらに処理できる。
実施例(概説)
下記実施例において、下記略語が用いられる:
ASM:p-アセトキシスチレンモノマー
t-BPP:tert-ブチルペルオキシピバレート
THF:テトラヒドロフラン
GPC:ゲル透過クロマトグラフィー
GC:ガスクロマトグラフィー
FTIR:フーリエ変換赤外分光法
NMR:核磁気共鳴分光法、通常陽子、1H;および/または炭素13、13C核
DSC:示差走査熱量測定法
UV-Vis:紫外-可視分光法
特性決定に用いる一般的分析手法:下記を含む種々の分析手法を用いて、本発明のコポリマーおよびターポリマーの特性を決定した:
NMR:1Hおよび13C NMRスペクトルを、それぞれ400および100MHzで5mmプローブを用いてBruker 400 MHz分光計で記録した。
GC:GC分析を、DB-1カラムを装備したHewlett Packard Model 5890シリーズIIガスクロマトグラフで実施した。
DSC:Perkin Elmer 7700 DSCを用いて、本発明のコポリマーおよびターポリマーのTg(ガラス転移温度)を測定した。加熱速度は、一般に50℃〜400℃の範囲の温度にわたって10℃/分に維持した。窒素もしくは空気の流量は20mL/分に維持する。
実施例1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中のポリ(4-ヒドロキシスチレン)
機械的攪拌器、冷却器、窒素入口およびサーモウェルを装着した四つ口12リットルフラスコに、4-アセトキシスチレン(2752.3g、16.97モル)およびメタノール(3075.0g)を添加した。フラスコを窒素でパージし、ついで1時間かけて加熱還流(66℃)した。ついで、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(146.0g、0.59モル)を、メタノール(250g)中スラリーとしてこの高温の反応器に添加した。反応器を2時間加熱還流し、ついで2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(24.3g、0.1モル)の追加装填を実施した。反応器を追加の6時間加熱し、ついで室温まで冷却した。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中のポリ(4-ヒドロキシスチレン)
機械的攪拌器、冷却器、窒素入口およびサーモウェルを装着した四つ口12リットルフラスコに、4-アセトキシスチレン(2752.3g、16.97モル)およびメタノール(3081.0g)を添加した。フラスコを窒素でパージし、ついで1時間かけて加熱還流(66℃)した。ついで、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(146.1g、0.59モル)を、メタノール(250g)中スラリーとしてこの高温の反応器に添加した。反応器を2時間還流で加熱し、ついで2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(24.4g、0.01モル)の追加装填を実施した。反応器を追加の6時間加熱し、ついで室温まで冷却した。
ポリ(ヒドロキシスチレン-コ-エトキシエトキシスチレン)
PGMEA中1.30kg、34.5重量%のポリヒドロキシスチレン溶液を含有する3リットル四つ口丸底フラスコに、樟脳スルホン酸400mgを窒素雰囲気下で添加し、混合物を均一性のために23℃で2時間攪拌した。ついで、溶液を5℃に冷却し、127gのエチルビニルエーテルを、窒素下5℃〜10℃の反応温度で(2時間)攪拌しながら滴下させた。添加後、混合物を5℃で追加の6時間攪拌した。PGMEAで前処理した33gのAmberlyst A-21を反応混合物に添加し、25℃で2時間攪拌した。樹脂をろ過により除去し、1.43kg、39.3%のポリ(ヒドロキシスチレン-コ-エトキシエトキシスチレン)コポリマー溶液を得た。コポリマーの特性決定と比率測定は、NMRにより実施された。ヒドロキシスチレン/エトキシエトキシ-スチレン比は、60/40であると測定され、分子量はGPC(ポリスチレン標準)により、多分散度1.77でMw=10,819と測定された。
ポリ(ヒドロキシスチレン-コ-t-ブトキシカルボニルオキシスチレン)
PGMEA中1.03kg、35.1重量%のポリヒドロキシスチレン溶液を含有する2リットル丸底フラスコに、11gのPGMEA中p-ジメチルアミノピリジン0.72gを窒素下で添加し、混合物を23℃で1時間攪拌した。ジ-t-ブチルジカーボネート124.4gを23℃で溶液に添加し、窒素下23℃で6時間攪拌した。溶液中に副生物として生成した二酸化炭素除去のために、真空を、23℃で1時間攪拌しながら、20mmHgで溶液に適用した。PGMEAで前処理した30gのDowex Mac-3を反応混合物に添加し、23℃で2時間攪拌した。樹脂をろ過により除去し、1.14kg、36.6重量%のポリ(ヒドロキシスチレン-コ-t-ブトキシカルボニルオキシスチレン)コポリマー溶液を得た。コポリマーの特性決定と比率測定は、NMRにより実施された。ヒドロキシスチレン/t-ブトキシカルボニルオキシスチレン比は、82/18であると測定され、分子量はGPCにより、多分散度1.67でMw=11,711と測定された。
下記実施例は、4-アセトキシスチレン/tert-ブチルアクリレートのコポリマーの精製での、本発明の方法の用途を説明する。3282.8gの4-アセトキシスチレンおよび254gのtert-ブチルアクリレートを、204.3gのtert-ブチルペルオキシピバレートを触媒として用いて、3140gのメタノール中で重合する。ポリマーの試料を、分析目的で単離する。重合が完了した後、1390gのメタノールを58℃で除去し、1392gの新しいメタノールで置換した。スラリーを加熱還流し、48℃に冷却した。別の1595gのメタノールを除去し、1590gの新しいメタノールで置換した。再び、スラリーを加熱還流し、冷却した。メタノールを除去して1800gの新しいメタノールで置換し、ついで、混合物を39.8gのナトリウムメトキシドでエステル交換した。精製ポリマーの多分散度値は、粗ポリマーの値よりも12%低い。
Claims (17)
-
および/またはスチレン、4-メチルスチレン、スチレンアルコキシド(アルキル部分は、C1〜C5の直鎖もしくは分枝鎖である)、tert-ブチルスチレン、シクロヘキシルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキルおよび塩化ビニルからなる群から選ばれる1種以上のエチレン不飽和共重合性モノマーとのコポリマーとして精製する方法であって、
前記式中、
i)R1およびR2は、同じかもしくは異なり、
水素、
フッ素、塩素、臭素
式CnHxFyを有するアルキルもしくはフルオロアルキル基(式中、nは1〜4の整数であり、xおよびyは0〜2n+1の整数であり、xとyの和は2n+1である)、
フェニルおよびトリルからなる群から独立して選ばれ;
ii)R3は、水素、および、
メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチルまたはtert-ブチルからなる群から選ばれ;
iii)R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、t-アミル、ベンジル、シクロヘキシル、9-アントラセニル、2-ヒドロキシエチル、シンナミル、アダマンチル、メチルもしくはエチルもしくはヒドロキシルアダマンチル、イソボルニル、2-エトキシエチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、2-ヒドロキシプロピル、2-エチルブチル、2-メトキシプロピル、2-(2-メトキシエトキシル)、オキソテトラヒドロフラン、ヒドロキシトリメチルプロピル、オキソ-オキサトリシクロノニル、2-ナフチル2-フェニルエチル、フェニル、およびこれらの混合物であり;そして
iv)R5は、C1〜C5アルキルであり;
前記方法は、本質的に前記粗ポリマーを、その重合後、分留手順に供することからなり、その際、アルコール溶媒中の前記粗ポリマーは、(a)その溶媒中に懸濁されて、追加の溶媒が添加され、(b)前記粗ポリマー中の望ましくないモノマー不純物およびオリゴマーの溶解を可能にするに十分な時間加熱および/または攪拌され、(c)得られる混合物を冷却し、(d)前記ポリマーからアルコール溶媒を分離し、そして(e)精製ポリマーの多分散度値が粗ポリマーの多分散度値よりも約10%低くなるまで、前記工程(a)〜(d)を繰り返す、前記精製方法。 - 前記溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノールおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
- 前記アシルオキシスチレンが、アセトキシスチレンモノマーであり、用いられる唯一のモノマーである、請求項1に記載の方法。
- 精製された形の前記アセトキシスチレンポリマーが、2.0未満の多分散度値を有する、請求項3に記載の方法。
- 前記触媒が、メタノールである、請求項4に記載の方法。
- 前記重合および分留後、追加のアルコール溶媒を添加して、触媒量の触媒の存在下で実施される精製ポリマーのエステル交換の追加工程がある、請求項1に記載の方法。
- 前記エステル交換工程後、前記触媒を前記混合物から除去するために、前記混合物をイオン交換床を通すことにより、前記アルコール溶媒中のエステル交換生成物の反応混合物から触媒を除去する追加工程がある、請求項6に記載の方法。
- 前記全方法が、無水基準で実施される、請求項7に記載の方法。
- 工程(e)において、前記分留が、約2〜約10回実施される、請求項8に記載の方法。
- 前記触媒除去工程後、前記アルコール溶媒が除去され、フォトレジスト相容性溶媒で置換される追加工程がある、請求項9に記載の方法。
- 前記フォトレジスト相容性溶媒が、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、ヒドロキシルもしくはケト基を有さない脂肪族エステルおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項10に記載の方法。
- 前記フォトレジスト相容性溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートもしくは乳酸エチルである、請求項11に記載の方法。
- 本質的に前記粗ポリマーを、その重合後、分留手順に供することからなる、粗ポリマーを精製する方法であって、アルコール溶媒中の前記粗ポリマーは、(a)その溶媒中に懸濁されて、追加の溶媒が添加され、(b)前記粗ポリマー中の望ましくないモノマー不純物およびオリゴマーの溶解を可能にするに十分な時間加熱および/または攪拌され、(c)得られる混合物を冷却し、(d)前記ポリマーからアルコール溶媒を分離し、そして(e)精製ポリマーの多分散度値が粗ポリマーの多分散度値よりも約10%低くなるまで、前記工程(a)〜(d)を繰り返す、前記精製方法。
- 前記溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノールおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項13に記載の方法。
- 前記アルコール溶媒が除去され、フォトレジスト相容性溶媒で置換される追加工程がある、請求項14に記載の方法。
- 前記粗ポリマーが、酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン、スチレン-アクリル樹脂、オレフィン、アクリロニトリル、無水マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選ばれるモノマーもしくは複数のモノマーの組合せから誘導される、請求項13に記載の方法。
- 前記精製工程後、前記精製ポリマーを含有するアルコール溶媒が除去され、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、ヒドロキシルもしくはケト基を有さない脂肪族エステルおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるフォトレジスト相容性溶媒で置換される、請求項13に記載の方法。
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