JP2005526507A - 新規タンパク質とコード核酸 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規単離ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドによってコードされる小分子標的ポリペプチドを提供する。新規小分子標的ポリヌクレオチドまたはその任意の誘導体、変異体、突然兵隊またはそのポリペプチドポリヌクレオチドまたは抗体のフラグメントに免疫特異的に結合する抗体を開示し、小分子標的ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体が広範囲の病理学的状態の検出および処置で利用される方法のとおりである。より詳しくは、本発明は、疾患と連関する治療的抗体および治療的小分子を同定する目的で、組み換え的に発現されるおよび/または種々のスクリーニング手法で外因性に発現されるタンパク質を使用する方法を開示する。発明はさらに、これらの新規ヒト核酸およびタンパク質のいずれかに関係する障害の診断、処置および予防のための治療、診断および研究方法を開示する。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、小分子薬物の標的であるかつ細胞、組織、器官または生物の生化学的または生理学手金応答の刺激に関する特性を有する新規ポリペプチドに関する。より具体的には、新規ポリペプチドは、新規遺伝子の遺伝子産物であり、またはその特異的生物学的活性フラグメントまたは誘導体である。使用の方法は、診断および予後アッセイ手法並びに広範な病理学的状態を処置する方法を包含する。
(背景技術)
真核細胞は、通常の条件下では細胞の維持および増殖を達成するために精妙にバランスを受けている、生化学的および生理学的方法を特色とする。そのような細胞が脊椎動物のような多細胞生物、またはさらに特別には哺乳動物のような生物の構成要素であるとき、生化学的および生理学的方法の調節には精緻な情報伝達経路を伴う。しばしば、そのような情報伝達経路は、細胞外の情報伝達タンパク質、情報伝達タンパク質に結合する細胞性受容体、および細胞内に局在する情報伝達構成要素に関与する。
情報伝達タンパク質は、内分泌性エフェクター、パラクリンエフェクターまたはオートクリンエフェクターに分類され得る。内分泌性エフェクターは特定の器官により循環系中に分泌される情報伝達分子であり、これは次いで遠隔の標的器官または標的組織へと輸送される。標的細胞は内分泌性エフェクターの受容体を含み、内分泌性エフェクターが結合すると情報伝達カスケードが誘導される。パラクリンエフェクターには、互いに近傍にある分泌細胞と受容細胞、例えば同じ組織または器官内の2つの異なるクラスの細胞が関与する。あるクラスの細胞がパラクリンエフェクターを分泌し、これが次いで、例えば細胞外液を介する拡散により、第2のクラスの細胞に到達する。第2のクラスの細胞はパラクリンエフェクターに対する受容体を含有しており、エフェクターの結合は情報伝達カスケードを誘導し、これが対応する生化学的または生理学的作用を誘起する。オートクリンエフェクターは、オートクリンエフェクターを分泌する同じタイプの細胞が受容体をも含有していること以外は、パラクリンエフェクターと高度の類似性を有している。かくして、オートクリンエフェクターは、同じ細胞上でまた同じ近接する細胞上で受容体に結合する。次いで、結合過程は特色的な生化学的または生理学的作用をひき起こす。
情報伝達過程は細胞および組織に対し、これらに限定されない例として、細胞または組織の増殖の誘導、成長または増殖の抑制、細胞または組織の分化または成熟の誘導、および細胞または組織の分化または成熟の抑制を含む多様な影響をひき起こし得る。
多くの病理学的状態には、重要なエフェクタータンパク質の発現の調節不全が関与している。特定のクラスの病態においては、調節不全は、タンパク質エフェクターの合成および分泌の縮減または抑制レベルとして現れる。病理の他の種類では、非調節は、タンパク質エフェクターの合成および分泌の増加または上方調節レベルとして明示される。臨床現場において、対象が興味のあるタンパク質エフェクターレベルの増加または過多によりもたらされる異常に罹患していることを疑うことがある。
それ故に、そのような対象由来の生物学的試料中の興味のあるタンパク質エフェクターのレベルをアッセイし、そしてそのレベルを非病態的状態に特色的なものと比較する必要がある。また、製造の産物としてタンパク質エフェクターを提供する必要性がある。その必要のある対象にエフェクターを投与することは、病理学的状態の処置に有用である。よって、興味あるタンパク質エフェクターの縮減または抑制レベルによってもたらされる病理学的状態の処置の方法のための必要性がある。加えて、興味のタンパク質エフェクターの増加または上方調節レベルによってもたらされる病理学的状態の処置の方法の必要性がある。
小分子標的は、種々の疾患状態または病理において関与してきた。これらの標的は、タンパク質、特に酵素的タンパク質でありえ、それは標的機能を変更するおよび所望の結果を達成する目的で、小分子薬物によって作用される。細胞性、動物および臨床研究を実施し、状態の病因諭および病原性への遺伝的貢献を解明し得、ここに小分子標的は、種々の生理学的、薬理学的または天然状態で関与する。これらの研究は、Curagen Corporationのコア技術を利用し、異なる遺伝子発現、タンパク質−タンパク質相互作用、発現される遺伝子の大規模配列決定および遺伝子的変異の連関、例えば限定しないが、実験および対照群からの生物学的試料中および間の単一ヌクレオチド多型性(SNP)またはスプライス変異体を見る。そのような研究の目的は、結果を呼ぼう、処置または状態を治療するため、治療的介入の潜在的経路を同定することである。
疾患、病理および他の異常状態または状態であって、ここに哺乳動物が正常状態または状態でありまたはなるリスクにあるとして診断されたものを処置するために、新しい治療剤を同定するのが重要である。そのような手法は、少なくとも、罹患した組織または器官内の標的構成要素を同定する、および標的の機能的属性を調節する候補治療剤を同定する工程を含む。標的構成要素は、疾患または病理に関与する任意の生物学的巨大分子であり得る。一般に標的は特異的機能属性を有するポリペプチドまたはタンパク質である。巨大分子の他のクラスは、核酸、多糖類、脂質、例えば複合脂質または糖脂質であり得る;加えて標的は、細胞下位構造または細胞外構造であり得、それはこれらのクラスの巨大分子のより多くを含む。ひとたびそのような標的が同定されると、スクリーニングアッセイで使用し、大集団の物質または化合物間からの好ましい治療的治療剤を同定しうる。
多くの場合、そのようなスクリーニングアッセイの目的は、小分子候補を同定することである;これは一般に、試験すべき物質の集団を開発するクンビナトリアルな方法論の使用によって接近される。高処理量スクリーニング方法論の実施かは、化合物の大きい、コンビナトリアルライブラリーで作業するとき、有利である。
(発明の要約)
本発明は新規ポリペプチドをコード化する核酸配列の発見に部分的に基づく。新規核酸およびポリペプチドは、本明細書においては、NOVXまたはNOV1、NOV2、NOV3等、核酸およびポリペプチドと呼ばれる。これらの核酸およびポリペプチド、ならびにその誘導体、ホモログ、アナログおよびフラグメントは以後総称して「NOVX」核酸またはポリペプチド配列と呼ばれ、それらは配列番号2n−1からなる群より選択されるヌクレオチド配列を示し、ここにnは1ないし88の整数であり、またはポリペプチド配列であってそれは配列番号2nからなる群を示し、ここにnは1ないし88の整数である。
一つの態様では、本発明はNOVXアミノ酸の成熟型を含む単離ペプチドを提供する。ポリペプチドは、例えば、NOVXアミノ酸配列、または選択された配列に特定される任意のアミノ酸が、配列中においてアミノ酸残基の15%未満が変更されるという条件で、異なるアミノ酸に変更されているNOVXアミノ酸配列の変異体であってもよい。アミノ酸は例えば、NOVXアミノ酸配列またはNOVXアミノ酸配列の変異体であり得、ここに選択された配列に特定される任意のアミノ酸は、配列中の15%を超えないアミノ酸残基がそのように変化している条件で、異なるアミノ酸に変化している。本発明はまた、任意のNOVXポリペプチドのフラグメントを含む。もう一つの態様では、本発明はまた、NOVXポリペプチドをコード化する単離核酸、またはそのフラグメント、ホモログ、アナログまたは誘導体を含む。
本発明にはまた、NOVX配列の天然に存在する変異体であるNOVXポリペプチドが含まれる。一つの実施態様では、対立遺伝子変異体は、NOVX核酸配列から1個のヌクレオチドだけ異なる核酸配列の翻訳物であるアミノ酸配列を含む。もう一つの実施態様では、NOVXポリペプチドはそこに記載される変異体ポリペプチドであり、そこでは選択された配列で特定される任意のアミノ酸が保存的置換を生じるように変更されている。
もう一つの態様では、本発明は、試料を提供すること;ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体に試料を導入すること;そしてNOVXポリペプチドに結合した抗体の存在または量を測定し、それにより試料中のNOVXポリペプチドの存在または量を測定すること;により、試料中のNOVXポリペプチドの存在または量を測定する方法を提供する。
さらにもう一つの態様では、本発明は、哺乳動物の対象中のNOVXポリペプチドの変化したレベルと関連した疾患の存在または素因を測定する方法を含む。該方法は第1の哺乳動物の対象由来の試料中のポリペプチドの発現レベルを測定し;第1ステップの試料中のポリペプチドの量を、疾患または素因を有しないことが知られている第2の哺乳動物の対象由来の対照試料中に存在するポリペプチドの量と比較する工程を含み、第1の対象中のポリペプチドの発現レベルの対照試料に比較する変化は、疾患の存在または素因を示す。
さらなる実施態様では、発明は、NOVXポリペプチドに結合する剤を同定する方法を含む。この方法は、剤へポリペプチドを導入する;および該剤がポリペプチドに結合するか決定する工程を含む。種々の実施態様では、該剤は、細胞性レセプターまたは下流エフェクターであり得る。
さらなる側面では、発明は、病理の職地における使用のための潜在治療剤を同定する方法を提供し、ここに該病理は、NOVXポリペプチドの異常発現または異常生理学的相互作用に関する。該方法は、NOVXポリペプチドを発現するかつポリペプチドへ帰すべき特性または機能を有する細胞を提供する;細胞を、候補物質を含む組成物と接触する;および物質がポリペプチドに帰すべき特性または機能を変更するか否か決定する工程を含み、それによってもし物質の存在下で観察される変更が細胞が物質のない組成物と接触されるときに観察されないならば、物質は潜在的治療剤として同定される。さらなる側面では、発明は、NOVXポリペプチドと連関する病理への活性または潜在性または素因のモジュレーターをスクリーニングする方法を開示する。該方法は、以下の工程を含み、NOVXポリペプチドと連関する病理の増加リスクにある試験動物に試験化合物を投与し、ここで試験動物は、組み換え的にNOVXポリペプチドを位発現する。この方法は、工程の化合物を投与する後に試験動物中のNOVXポリペプチドの活性を測定する;およびポリペプチドを投与されていない対照動物におけるNOVXポリペプチドの活性と、試験動物におけるタンパク質の活性を比較することを含み、ここに対象動物についての試験動物におけるNOVXポリペプチドの活性の変化は、試験化合物がNPVXポリペプチドと連関する病理の潜在または素因のモジュレーターであることを指摘する。ある実施態様では、亜試験動物は、野生型試験動物について、試験タンパク質トランスジーンを発現する、または増加レベルのプロモーターの制御下のトランスジーンを発現する組み換え体試験動物であり、ここにプロモーターは、トランスジーンの本来の遺伝子プロモーターではない。さらなる側面では、発明は、NOVXポリペプチドの活性を調節する方法を含み、該方法は、NOVXポリペプチドを発現する細胞試料を、ポリペプチドの活性を調節するのに十分量のポリペプチドに結合する化合物ととともに導入することを含む。
発明はまた、NOVXポリペプチド、またはそのフラグメント、相同体、類似体、または誘導体をコードする単離核酸を含む。好ましい実施態様では、核酸分子は、天然に存在する対立遺伝子核酸変異体のヌクレオチド配列を含む。他の実施態様では、核酸は、変異体ポリペプチドをコードし、ここで変異体ポリペプチドは、天然存在ポリペプチド変異体のポリペプチド配列を有する。さらなる実施態様では、核酸分子は、NOVX核酸配列と単一ヌクレオチドによって異なる。1実施態様では、NOVX核酸分子は、厳密(ストリンジェント)な条件下で、配列番号2n−1からなる群より選ばれるヌクレオチド配列またはヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし、ここでnは1ないし88である。さらなる側面では、発明は、NOVXヌクレオチド配列を発現するベクターまたは細胞を提供する。
1実施態様では、発明は、NOVXポリペプチドの活性を調節する方法を開示する。方法は、NOVXポリペプチドを発現する細胞試料を、ポリペプチドの活性を調節するのに十分量でポリペプチドに結合する化合物とともに導入する工程を含む。さらなる実施態様では、発明は、NOVXアミノ酸配列またはNOVXアミノ酸配列の成熟型の変異体を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離NOVXアミノ酸配列を含み、ここで選択される配列の成熟型の任意のアミノ酸は、異なるアミノ酸に変化していてもよい。ただし成熟型の配列中のアミノ酸残基の15%を超えないものがそのように変化することを条件とする。更なる実施多様では、発明は、NOVXアミノ酸配列の変異体であるアミノ酸配列を含み、ここで選択配列で特定される任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変化していてもよい。ただし、配列中のアミノ酸残基の15%を超えないものがそのように変化することを条件とする。
1実施態様では、発明は、NOVXポリペプチドまたは任意の変異体ポリペプチドの少なくとも1部分をコードするNOVX核酸フラグメントを開示し、ここで選択配列の任意のアミノ酸は異なるアミノ酸に変化していてもよく、ただし、配列中のアミノ酸残基の10%を超えないものがそのように変化することを条件とする。さらなる実施態様では、発明は、任意のNOVX核酸分子または天然存在対立遺伝子核酸変異体相補物を含む。さらなる実施態様では、発明は、変異体ポリペプチドをコードするNOVX核酸分子を開示し、ここで変異体ポリペプチドは、天然存在ポリペプチド変異体のポリペプチド配列を有する。さらなる実施態様では、発明は、NOVX核酸を開示し、ここで核酸分子は、NOVX核酸配列から単一ヌクレオチドによって異なる。
さらなる側面では、発明は、NOVX核酸を含み、ここでNOVXヌクレオチド配列中の1または2以上のヌクレオチドが、異なるヌクレオチドに変化してもよく、ただしヌクレオチドの15%を超えないものがそのように変化することを条件とする。1実施態様では、発明は、NOVXヌクレオチド配列の核酸フラグメントおよび核酸フラグメントであって、ここでNOVXヌクレオチド配列中の1または2以上のヌクレオチドが、選択配列からなる群より選択されるものから異なるヌクレオチドに変化しているものを開示し、ただし、15%を超えないヌクレオチドがそのように変化することを条件とする。さらんる実施態様では、発明は、核酸分子を含み、ここで核酸分子は、ストリンジェント条件でNOVXヌクレオチド配列またはNOVXヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズする。1実施態様では、発明は核酸分子を含みここで配列は変化し、その結果コーディング配列中の15%を超えないヌクレオチドが、NOVXヌクレオチド配列またはそのフラグメントと異なる。
さらなる側面では、発明は、試料中のNOVX核酸の存在または量を決定する方法を含む。該方法は、試料を提供する;核酸分子に結合するプローブへ試料を導入する;およびNOVX核酸分子に結合したプローブの存在または量を決定する工程を含み、それによって試料中のNOVX核酸分子の存在または量を決定する。1実施態様では、核酸分子の存在または量を、細胞または組織型のマーカーとして使用する。
さらなる側面では、発明は、第一哺乳動物対象のNOVX核酸分子の変更レベルに連関する疾患の存在または素因を決定する方法を開示する。方法は、第一哺乳動物対象からの試料中のNOVX核酸の量を測定する;および工程(a)の試料中の核酸の量を、疾患を有しないまたは訴因がないと知られる第二哺乳動物対象からの対照試料中に存在するNOVX核酸の量と比較する、工程を含み、ここで対象試料と比較した場合の第一対焼酎の核酸のレベルの変更が、疾患の存在または素因を指摘する。
特に塩適しない場合、ここに使用する技術および具体的用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味である。本明細書で説明されるものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適当な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許申請、特許、および他の参考文献は全体的な出典明示により本明細書の一部とする。抵触がある場合には本明細書が、定義を含め優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示的なものであって限定することを意図しない。
本発明の他の特性および利点は以下の発明の開示および請求項より明らかであろう。
(発明の開示)
本発明は、新規ヌクレオチドおよびそれによりコードされたポリペプチドを提供する。本発明は、新規核酸配列、それらのコードされたポリペプチド、抗体、および他の関連化合物を含む。本明細書において、配列を「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド」と総称し、対応するコードされたポリペプチドを「NOVXポリペプチド」または「NOVXタンパク質」と称する。別段の記述がない限り、「NOVX」は本明細書に開示される任意の新規配列を指すことを意味する。表1AにNOVX核酸およびそれらのコードされたポリペプチドの要約を示す。
表1A:配列および対応する配列番号
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
表AはNOVXポリペプチドの既知のタンパク質ファミリーとの相同性を示す。従って、表Aの第1欄で特定されるNOVXに対応する本発明に従う核酸およりポリヌクレオチド、抗体および関連化合物は、例えば、表Aの第5欄に特定される既知タンパク質ファミリーに関連する病変および疾患に関係する治療的応用および診断的応用において有用である。
NOVX配列と連関する病理、疾患、障害および状態などは、限定しないが、例えば以下のものを含む:心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心疾患、大動脈弁狭窄、心房中隔欠損症(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、肥満に連関する代謝妨害、移植、副腎白質萎縮症、先天性副腎過形成、前立腺癌、糖尿病、代謝障害、新生物;腺癌、リンパ腫、子宮癌、受胎能、血友病、凝固性亢進、特発性血小板減少性紫斑病、免疫不全、移植片対宿主疾患、AIDS、気管支喘息、クローン病;多発性硬化症、Albright遺伝性骨ジストロフィー(Ostoeodystrophy)、感染性疾患、食欲不振、癌連関悪液質、癌、神経変性性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害であって自己免疫障害を含むもの、造血障害、および種々の異常脂血症、代謝症候群Xおよび慢性疾患および種々の癌、並びに状態例えば移植及び不妊と連関する消耗性障害。
NOVX核酸およびそれらのコードされたポリペプチドは種々の応用および状況において有用である。本発明に従う種々のNOVX核酸およびポリペプチドは、前記タンパク質とのドメインおよび配列関連性の存在に従うタンパク質ファミリーの新規メンバーとして有用である。加えて、NOVX核酸およびポリペプチドを用いて、NOVXポリペプチドが属するファミリーのメンバーであるタンパク質を同定し得る。
表Aの第5欄で特定されるタンパク質ファミリーの他の既知のメンバーと一致して、本発明のNOVXポリペプチドは、そのようなタンパク質ファミリーの他のメンバーに相同性を示し、そしてそれらを特徴とするドメインを含有する。それぞれのNOVXについての配列関連性分析およびドメイン分析の詳細を実施例Aに示す。
NOVX核酸およびポリペプチドを、NOVXの活性または機能を阻害または促進する分子をスクリーニングするのに使用し得る。特に、本発明に従う核酸およびポリペプチドは、表Aに掲げたタンパク質ファミリーと関連する疾患を調整または阻害する低分子の同定用の標的として使用され得る。
NOVX核酸およびポリペプチドはまた、特定の細胞タイプを検出にも有用である。NOVXそれぞれに対する発現分析の詳細を実施例Cに示す。従って、本発明に従うNOVX核酸、ポリペプチド、抗体および関連化合物は、正常組織対疾患組織、例えば、種々のがん、において異なる発現を有する種々の疾患の検出における診断的応用および治療的応用を有する。
本発明に従うNOVX核酸およびポリペプチドのさらに別の利用法が本明細書に開示される。
NOVXクローン
NOVX核酸およびそれらのコードされたポリペプチドは、種々の応用および状況において有用である。本発明に従う種々のNOVX核酸およびポリペプチドは、上記該タンパク質と関連するドメインおよび配列の存在に従うタンパク質ファミリーの新規メンバーとして有用である。加えて、NOVX核酸およびポリペプチドを、NOVXポリペプチドが所属するファミリーのメンバーであるタンパク質を同定するために使用し得る。
NOVX遺伝子およびそれらの対応するコードされたタンパク質は、例えば、タンパク質治療または遺伝子治療により、医学的状態を予防、処置または緩和するのに有用である。病態を、試料中の新規タンパク質の量を測定または新規遺伝子中の変異の存在を測定することにより診断し得る。NOVX遺伝子が最も高発現する組織に基づいて、それぞれのNOVX遺伝子に対する特異的な使用を説明する。使用は、種々の疾患および障害を診断または処置するための産物を開発することを含む。
本発明のNOVX核酸およびタンパク質は、潜在的な診断応用および治療応用、および研究ツールとして有用である。これらは、特異的または選択的核酸、またはタンパク質、診断マーカーおよび/または予後マーカーとして役立つことを含む。ここで核酸またはタンパク質の存在または量、ならびに以下のような潜在的な治療応用を評価する:(i)タンパク質治療薬、(ii)低分子薬の標的、(iii)抗体の標的(治療的、診断的、薬のターゲティング/細胞毒性性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺伝子手術)に有用な核酸、および(v)インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防衛兵器。
一つの特定の実施態様では、本発明は、(a) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を持つ成熟型;(b) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を持つ成熟型の変異体、但し、成熟型中の任意のアミノ酸は、成熟型の配列中のアミノ酸残基の15%以下が変更を受けるという条件で異なるアミノ酸に変更されている;(c) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列;(d) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を持つ変異体、但し、選択された配列で特定される任意のアミノ酸は、配列中のアミノ酸残基の15%以下が変更を受けるという条件で異なるアミノ酸に変更されている;およびe)a)ないしd)のいずれかのフラグメント、からなる群から選択したアミノ酸配列を含有する単離ポリペプチドを含む。
もう一つの特別な実施態様では、本発明は、(a) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)を与えられたアミノ酸配列を持つ成熟型;(b)配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を持つ成熟型の変異体であり、選択された配列の成熟型中の任意のアミノ酸が、成熟型の配列中のアミノ酸残基の15%以下が変更を受けるという条件で異なるアミノ酸に変更されている、変異体;(c) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列;(d) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列の変異体であり、選択された配列中の特定されるアミノ酸が、配列中のアミノ酸残基の15%以下が変更を受けるという条件で異なるアミノ酸に変更されている、変異体;および(e) 配列番号2n(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの少なくとも一部分、または選択された配列の任意のアミノ酸が、配列においてアミノ酸残基の10%未満が変更を受けるという条件で異なるアミノ酸に変更されている、ポリペプチドの任意の変異体をコードする核酸のフラグメント;および(f) 核酸分子のいずれかの相補的分子、からなる群より選択したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離核酸分子を含む。
なおもう一つの特別な実施態様では、本発明は単離核酸分子を含む。ここで該核酸分子は、(a) 配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるヌクレオチド配列;(b) 配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるヌクレオチド配列中で一つまたはそれ以上のヌクレオチドが、選択された配列からなる群から選択されるものから、ヌクレオチドの15%以下が変更を受けるという条件で異なるヌクレオチドに変更されているヌクレオチド配列;(c) 配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)からなる群から選択される配列を持つ核酸フラグメント;および(d) 配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)からなる群から選択されるヌクレオチド配列中で一つまたはそれ以上のヌクレオチドが、選択された配列からなる群から選択されるものから、ヌクレオチドの15%以下が変更を受けるという条件で異なるヌクレオチドに変更されている核酸フラグメント、からなる群より選択したヌクレオチド配列を含む。
NOVX核酸およびポリペプチド
本発明の一つの態様は、NOVXポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分をコードする単離核酸分子に関する。また、本発明は、NOVXをコードする核酸(例えば、NOVXのmRNA)を同定するためのハイブリダーゼーションプローブとしての使用に十分な核酸フラグメント、およびNOVX核酸分子の増幅および/または変異用のPCRプライマーとしての使用のためのフラグメントを含む。本明細書において使用する用語「核酸分子」とは、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチド類似体を用いて生成されたDNA類似体またはRNA類似体、およびそれらの誘導体、フラグメントおよび相同体を含むことを意図する。核酸分子は一本鎖でも二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
NOVX核酸は成熟NOVXポリペプチドをコードし得る。本明細書において使用するように、本発明に開示するポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」型とは、天然に存在するポリペプチド、または前駆体、またはプロタンパク質の産物である。天然に存在するポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質は、限定されない例として、対応する遺伝子によりコードされる全長遺伝子産物を含む。これに代えて、本明細書に説明するORFによりコードするポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質として定義し得る。産物の「成熟」型は、限定されない例として、遺伝子産物を生じる細胞(例えば、宿主細胞)内で起こり得る一つまたはそれ以上の天然に存在するプロセシングステップの結果として生じる。ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」型を導くそのようなプロセシングステップの例として、ORFの開始コドンによりコードされるN末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドまたはリーダー配列のタンパク質分解的切断を挙げる。従って、残基1がN末端メチオニンである1〜Nの残基を有する前駆ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟型は、N末端メチオニン除去後に残存する残基2〜Nを有する。これに代えて、残基1〜残基MからN末端シグナル配列を切断する、残基1〜Nを有する前駆ポリペプチドまたはタンパク質より生じる成熟型は、残存する残基M+1〜残基Nからの残基を有する。さらに本明細書において使用するように、ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」型はタンパク質分解による切断事象以外の翻訳後の工程により生じ得る。そのようなさらに別な方法は、限定されない例として、グリコシル化、ミリストイル化、またはリン酸化を含む。一般に、成熟ポリペプチドまたはタンパク質を、これらの方法のただ一つ、またはそれらのいずれかの組合せの操作によりもたらし得る。
本明細書において使用する用語「プローブ」は、好ましくは少なくとも約10ヌクレオチド(nt)から約100ntの間、または特定の使用によっては約、例えば6,000ntもの長さである可変的長さの核酸配列を指す。プローブを、同一、類似、または相補的な核酸配列の検出に使用し得る。より長いプローブを天然または組換え供給源から一般的に得る。より長いプローブは、特異性が高くより短い長さのオリゴマーのプローブよりハイブリダイズするのが遅い。プローブは、一本鎖または二本鎖でもよく、そしてPCR、メンブレン−ベースのハイブリダイゼーション技術、またはELISA様技術において特異性を有するようにデザインされ得る。
本明細書において使用する用語「単離」核酸分子は、核酸の天然供給源に存在する他の核酸分子から分離された核酸である。好ましくは、「単離」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNA中で核酸に天然に隣接する配列(即ち核酸の5'末端および3'末端に位置する配列)を有しない。例えば、種々の実施態様において、単離NOVX核酸分子は、核酸が由来する細胞/組織(例えば、脳、心臓、肝臓、脾臓等)のゲノムDNA中の核酸分子に天然に隣接する約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、0.1kb以下、またはそれ未満のヌクレオチド配列を含有し得る。さらに、cDNA分子のような「単離」核酸分子は、他の細胞性物質、培地、または化学的前駆物質または他の化学物質を実質的に含まなくてもよい。
本発明の核酸分子、例えば、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこのヌクレオチド配列の相補物を、標準的分子生物学の技術および本明細書に示す配列情報を用いて単離し得る。配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の核酸配列の全てまたは一部をハイブリダイゼーションプローブとして用いて、標準的ハイブリダイゼーション技術およびクローニング技術(例えば、Sambrook, et al., (eds.), MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989; and Ausubel, et al., (eds.), CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, New York, NY, 1993に記載されるように)を用いてNOVX分子を単離し得る。
本発明の核酸は、鋳型としてcDNA、mRNA、またはこれに代えてゲノムDNAを使用して標準的PCR増幅技術にしたがって適切なオリゴヌクレオチドプライマーで増幅し得る。そのように増幅した核酸を、適切なベクターにクローニングし、DNA配列分析により特徴づけ得る。さらに、NOVXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドを、標準合成技術、例えば自動DNA合成装置の使用、により調製し得る。
本明細書において使用する用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結するヌクレオチド残基を指す。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配列またはcDNA配列に基づき得るし、またはそれらからデザインし得る。そして短いオリゴヌクレオチド配列を使用して、特定の細胞または組織の同一、類似、または相補的DNAまたはRNAの存在を増幅し、確認し、または明らかにする。オリゴヌクレオチドは、長さ約10nt、50nt、または100nt、好ましくは長さ約15nt〜30ntの核酸配列を含む。本発明の一つの実施態様では、長さ100nt未満の核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の少なくとも6個の連続したヌクレオチド、またはそれらの相補物をさらに含む。オリゴヌクレオチドを、化学的に合成し、プローブとして使用し得る。
もう一つの実施態様では、本発明の単離核酸分子は、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)に示すヌクレオチド配列、またはこのヌクレオチド配列の一部(例えば、NOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードするプローブ、プライマー、またはフラグメントとして使用し得るフラグメント)の相補物である核酸分子を含む。配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)を示すヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)を示すヌクレオチド配列に十分に相補的であるものであり、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)を示すヌクレオチド配列と殆どミスマッチなしでまたは全くミスマッチ無しで水素結合し得。そのため核酸分子は安定な二本鎖を形成する。
本明細書において使用する用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチド単位間のWatson-CrickまたはHoogsteen塩基対形成を指し、用語「結合」は、2個のポリペプチドまたは化合物、または関連するポリペプチドまたは化合物またはそれらの組合せ間の物理的相互作用または化学的相互作用を意味する。結合は、イオン、非イオン、ファン・デル・ワールス、疎水性相互作用等を含む。物理的相互作用は直接的または間接的であり得る。間接的相互作用は、他のポリペプチドまたは化合物の作用を介したまたはこれに因るものであり得る。直接的結合は、他のポリペプチドまたは化合物の作用を介したまたはこれに因り起こるのではなく、代わりに他の実質的な化学的仲介物無しで起こる相互作用を指す。
本明細書で提供する「フラグメント」は、核酸の場合特異的ハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な長さ、アミノ酸の場合にはエピトープの特異的認識に十分な長さである、少なくとも6個の(連続した)核酸または少なくとも4個の(連続した)アミノ酸の配列として定義され、そして全長より短いほとんどの或る一部である。フラグメントは、選択した核酸またはアミノ酸配列の任意の連続した部分から由来するものであり得る。
全長NOVXのクローンを、ATG翻訳開始コドンおよびインフレームの停止コドンを含有するとして同定する。ATG開始コドンを欠く任意の開示するNOVXヌクレオチド配列は、それ故にれぞれのNOVXポリペプチドの切断(truncated)型C末端フラグメントをコードし、対応する全長cDNAが開示する配列の5'方向へ伸長することを要求する。インフレームの停止コドンを欠く任意の開示するNOVXヌクレオチド配列は、同様にそれぞれのNOVXポリペプチドの切断型N末端フラグメントをコードし、対応する全長cDNAが開示する配列の3'方向へ伸長することを要求する。
誘導体は、もとの化合物から直接、修飾によりまたは部分的置換によるいずれかで生成した核酸配列またはアミノ酸配列である。類似体は、もとの化合物に類似しているが同一ではない構造を有する核酸配列またはアミノ酸配列であり、例えば、それらは特定の成分または側鎖に関して天然化合物と異なっている。類似体は、合成であり得るし異なる進化起源を由来とし得るし、野生型と比較して類似または反対の代謝活性を有し得る。相同体は、異なる種を由来とする特定の遺伝子の核酸配列またはアミノ酸配列である。
誘導体および類似体は全長または全長以外であり得る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体または類似体は、同一サイズの核酸またはアミノ酸配列に亘って、または当分野において公知のコンピューター相同性プログラムによりアラインメントしたアラインメント配列と比較した際、種々の実施態様において、少なくとも約70%、80%、または95%の同一性(好ましくは、80〜95%の同一性)で本発明の核酸またはタンパク質に実質的に相同である領域を含む分子、またはそれらのコードする核酸が本発明のタンパク質をコードする配列の相補物に厳密、中等度に厳密、または低い厳密度の条件下でハイブリダイズ可能である分子を含むが、これらに限定されない。例えば、Ausubel, et al., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, New York, NY, 1993および以下を参照されたい。
「相同な核酸配列」または「相同なアミノ酸配列」またはそれらの変異体は、上述のようにヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルでの相同性を特徴とする配列を指す。相同なヌクレオチド配列は、NOVXポリペプチドのアイソフォームをコードするこれらの配列を含む。アイソフォームを、例えばRNAの選択的スプライシングの結果として同じ生物の異なる組織において発現し得る。これに代えて、アイソフォームを、異なる遺伝子によりコードし得る。本発明では、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種のNOVXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、脊椎動物を含むが脊椎動物に限定されない。よって例えば、カエル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、および他の生物を含む。相同なヌクレオチド配列はまた、本明細書に示すヌクレオチド配列の天然に存在する対立遺伝子変異体および突然変異体を含むが、これらに限定しない。しかしながら、相同なヌクレオチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードする正確なヌクレオチド配列を含まない。相同な核酸配列は、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の保存的アミノ酸置換(下記参照)をコードする核酸配列ならびにNOVXの生物活性を有するポリペプチドを含む。NOVXタンパク質の種々の生物学的活性を、以下に説明する。
NOVXポリペプチドは、NOVX核酸のオープンリーディングフレーム(「ORF」)によりコードされる。ORFは、ポリペプチドに潜在的に翻訳し得るヌクレオチドに対応する。ORFを含む一連の核酸を、停止コドンにより中断しない。全長タンパク質をコードする配列を表すORFは、ATG「開始」コドンで始まり、3種の「停止」コドン即ちTAA、TAGまたはTGAの一つで終わる。本発明の目的のため、ORFは、開始コドン、停止コドン、またはその両方があってもなくてもよい、コード化配列の任意の部分であり得る。ORFを真正の細胞性タンパク質をコードする良好な候補として考えるために、最小限の要件、例えば、50個のアミノ酸またはそれ以上をコードする一連のDNA、がしばしば定められる。
ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定するヌクレオチド配列は、他の細胞タイプ、例えば他の組織由来のNOVX相同体、ならびに他の脊椎動物由来のNOVX相同体を同定および/またはクローニングする際の使用のためにデザインするプローブおよびプライマーの作成を可能にする。プローブ/プライマーは、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを典型的に含む。オリゴヌクレオチドは、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の少なくとも約12、25、50、100、150、200、250、300、350または400個の連続したセンス鎖のヌクレオチド配列;または配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列;または配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の天然に存在する変異体に厳密な条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を典型的に含む。
ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブを、同じタンパク質または相同タンパク質をコードする転写体またはゲノム配列を検出するのに使用し得る。種々の実施態様において、プローブは検出可能な標識がつけられており、例えば、標識は放射性同位元素、蛍光化合物、酵素、または酵素のコファクターであり得る。かかるプローブは、対象由来の細胞試料中のあるNOVXコード化核酸のレベルを測定することによるように、あるNOVXタンパク質を誤って発現している細胞または組織を同定するための診断試験キットの一部として使用し得る、例えば、NOVXのmRNAを検出するかまたはゲノムNOVX遺伝子が変異または欠失をしたか否かを測定する。
「NOVXポリペプチドの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、特定の生物学的分析において測定するような成熟型を含み、本発明のポリペプチドの活性に類似な、しかし必ずしも同一ではない活性を用量依存性の有無を問わず発揮するポリペプチドを指す。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸フラグメントを、あるNOVXの生物活性(NOVXタンパク質の生物活性を以下に説明する)を有するポリペプチドをコードする配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の一部を単離し、NOVXタンパク質のコードする部分を発現し(例えば、インビトロ組換え発現により)、NOVXのコードする部分の活性を評価するすることにより調製し得る。
NOVX核酸およびポリペプチド変異体
本発明はさらに、遺伝子コードの縮重により配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)に示すヌクレオチド配列と異なっており、従って配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)に示すヌクレオチド配列によりコードするのと同じNOVXタンパク質をコードする核酸分子を包含する。もう一つの実施態様では、本発明の単離核酸分子は、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に示すアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)に示すヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、NOVXポリペプチドのアミノ酸配列に変化をもたらすDNA配列の多型が、集団(例えばヒトの集団)中に存在し得ることを当業者は理解する。NOVX遺伝子のかかる遺伝子多型は、天然の対立遺伝子変異に因り集団の中の個体間に存在し得る。本明細書において使用する用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、NOVXタンパク質、好ましくは脊椎動物のNOVXタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子を指す。かかる天然の対立遺伝子変異は、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列中に1〜5%の変異を典型的にもたらす。天然の対立遺伝子変異の結果でありNOVXポリペプチドの機能活性を変化しない任意のおよび全てのかかるヌクレオチド変異およびそこで得られるNOVXポリペプチド中のアミノ酸多型は、本発明の範囲内にあるものとする。
さらに、他の種由来のNOVXタンパク質をコードする核酸分子、および従ってヒト配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあるものとする。本発明のNOVXcDNAの天然の対立遺伝子変異体および相同体に対応する核酸分子は、厳密なハイブリダイゼーション条件下で標準的なハイブリダイゼーション技術に従うハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDNAまたはその一部を用いて、本明細書に開示するヒトNOVX核酸との相同性に基づいて単離し得る。
従って、もう一つの実施態様では、本発明の単離核酸分子は少なくとも6ヌクレオチド長であり、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列を含む核酸分子に厳密な条件下でハイブリダイズする。もう一つの実施態様では、核酸は少なくとも10、25、50、100、250、500、750、1000、1500、2000またはそれ以上のヌクレオチド長である。なおもう一つの実施態様では、本発明の単離核酸分子はコード化領域にハイブリダイズする。本明細書において用いる用語「厳密な条件下でハイブリダイズする」は、お互いに少なくとも約65%相同なヌクレオチド配列がお互いに典型的にハイブリダイズしたままであるハイブリダイゼーション条件および洗滌条件を記載することを意図する。
相同体(即ち、ヒト以外の生物種由来のNOVXタンパク質をコードする核酸)または他の関連配列(例えばパラログ)を、核酸のハイブリダイゼーションおよびクローニングの当分野において周知の方法を用いて特定のヒト配列の全部または一部をプローブとし、低度、中度、または高度に厳密なハイブリダイゼーションにより得られる。
本明細書において使用する用語「厳密なハイブリダイゼーション条件」は、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが標的配列にハイブリダイズするが他の配列にはハイブリダイズしない条件を指す。厳密な条件は配列依存性であり、異なる環境で差がある。より長い配列は、より短い配列よりもより高温で特異的にハイブリダイズする。一般的に、厳密な条件を、一定のイオン強度およびpHにおいて、特定の配列の融解温度(Tm)より約5℃低いように選択する。Tmは、標的配列と相補的なプローブの50%が平衡時に標的配列にハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度下で)である。標的配列はTmにおいて一般的に過剰に存在するので、プローブの50%を平衡時に占める。典型的に、厳密な条件はpH7.0〜8.3で塩濃度が約1.0Mナトリウムイオン未満、典型的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン(または他の塩)であり、温度は短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)に対して少なくとも約30℃であり、より長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチドに対して少なくとも約60℃である。厳密な条件を、フォルムアミドのような不安定化剤の添加によっても達成し得る。
厳密な条件は当業者に公知であり、Ausubel, et al., (eds.), CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6.に見出すことができる。好ましくは、条件は、互いに少なくとも65%、70%、75%、85%、90%、95%、98%、または99%相同な配列が互いに典型的にハイブリダイズしたままであるようなものである。厳密なハイブリダイゼーションの限定されない例は、6×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.02%BSAおよび500mg/mlの変性サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中65℃でハイブリダイゼーションを行い、引き次いで0.2×SSC、0.01%BSA中50℃で1回またはそれ以上洗滌する。配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の配列に厳密な条件下でハイブリダイズする本発明の単離核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する。本明細書において使用する用語「天然に存在する」核酸分子は、天然に(例えば、天然のタンパク質をコードする)存在する核酸配列を有するRNA分子またはDNA分子を指す。
第2の実施態様では、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそれらのフラグメント、類似体または誘導体と中度に厳密な条件下でハイブリダイズする核酸配列を提供する。中度に厳密なハイブリダイゼーション条件の限定されない例は、6×SSC、5×Reinhardtの溶液、0.5%SDSおよび100mg/mlの変性サケ精子DNA中55℃でハイブリダイゼーションを行い、引き次いで1×SSC、0.1%SDS中37℃で1回またはそれ以上洗滌することである。使用され得る他の中度に厳密な条件は当分野内で周知である。例えば、Ausubel, et al. (eds.), 1993, CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, NY, and Krieger, 1990; GENE TRANSFER AND EXPRESSION, A LABORATORY MANUAL, Stockton Press, NY.を参照されたい。
第3の実施態様では、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそれらのフラグメント、類似体または誘導体と低度に厳密な条件下でハイブリダイズする核酸配列を提供する。低度に厳密なハイブリダイゼーション条件の限定されない例は、35%フォルムアミド、5×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.2%BSA、100mg/mlの変性サケ精子DNA、10%(wt/vol)硫酸デキストラン中40℃でハイブリダイゼーションを行い、引き次いで2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、および0.1%SDS中50℃で1回またはそれ以上洗滌することである。使用し得る他の低度に厳密な条件(例えば種間ハイブリダイゼーションに使用する)は当分野において周知である。例えば、Ausubel, et al. (eds.), 1993, CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, NY, and Kriegler, 1990; GENE TRANSFER AND EXPRESSION, A LABORATORY MANUAL, Stockton Press, NY.;Shilo and Weinberg, 1981. Proc Natl Acad Sci USA 78: 6789-6792を参照されたい。
保存的突然変異
集団中に存在し得るNOVX配列の天然に存在する対立遺伝子変異に加えて、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列中に変異により変換を導入することができ、それによってNOVXタンパク質の機能活性を変えること無しに、コードするNOVXタンパク質のアミノ酸配列の変化を導くことができることを当業者はさらに理解する。例えば、「非必須」アミノ酸残基でアミノ酸置換に導くヌクレオチド置換を、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の配列中で行い得る。「非必須」アミノ酸残基は、NOVXタンパク質の野生型の配列をそれらの生物活性を変化させることなく変えることのできる残基であるが、一方で「必須」アミノ酸残基をそのような生物活性に必要とする。例えば、本発明のNOVXタンパク質中で保存するアミノ酸残基を、特に変換に耐えられないと予想する。保存的置換が行われ得るアミノ酸は当分野内で周知である。
本発明のもう一つの態様は、活性に必須でないアミノ酸残基中に変化を含有するNOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。かかるNOVXタンパク質は、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)とアミノ酸配列において異なっているが、生物活性を依然保持している。一つの実施態様では、単離核酸分子はタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここでタンパク質は、配列番号2n(nは1〜88の整数である)のアミノ酸配列と少なくとも約50%相同であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、核酸分子によりコードするタンパク質は、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に少なくとも約70%相同であり;さらに好ましくは、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に少なくとも約80%相同であり;それよりさらにより好ましくは、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に少なくとも約90%相同であり;最も好ましくは、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に少なくとも約95%相同である。
配列番号2n(nは1〜88の整数である)のタンパク質に相同なあるNOVXタンパク質をコードする単離核酸分子を、1個またはそれ以上のアミノ酸の置換、付加または欠失をコードするタンパク質内に導入するように配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列の中に1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入することにより創成し得る。
突然変異を、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の中に、部位特異的変異誘発およびPCR仲介性突然変異誘発のような、標準的技術により導入し得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換を、予想する1個またはそれ以上の非必須アミノ酸残基において行う。「保存的アミノ酸置換」は、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えるアミノ酸残基中の一つである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーを当分野内で定義された。これらのファミリーは、塩基性側鎖をもつアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖をもつアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷のない側鎖をもつアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、無極性側鎖をもつアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ位側鎖をもつアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、ならびに芳香族側鎖をもつアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。従って、NOVXタンパク質中に予想する非必須アミノ酸残基を、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基で置換する。これに代えて、もう一つの実施態様では、突然変異を、飽和突然変異誘発のように、あるNOVXコード化配列の全部または一部に沿って無作為に導入し得るし、得られた突然変異体をNOVXの生物学的活性についてスクリーニングして活性を保持する変異体を同定し得る。配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)の突然変異誘発に引き続いて、コードされたタンパク質を当分野において公知の任意の組換え技術で発現し、タンパク質の活性を測定し得る。
アミノ酸ファミリーの関連性を、側鎖の相互作用に基づいても決定し得る。置換したアミノ酸は、十分に保存された「強い」残基または十分に保存された「弱い」残基であり得る。保存したアミノ酸残基の「強い」群は、次の群のいずれか一つであり得る:STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYWであり、ここでアミノ酸の一文字表記は、互いに置換し得るアミノ酸でグル−プ分けする。同様に、保存した残基の「弱い」群は、次のいずれか一つであり得る:CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、HFYであり、ここでそれぞれの群の文字はアミノ酸の一文字表記を表す。
一つの実施態様では、変異NOVXタンパク質を、(i)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質またはそれらの生物学的活性部位と相互作用するタンパク質:タンパク質を形成する活性、(ii)変異NOVXタンパク質とあるNOVXリガンド間の複合体形成、または(iii)細胞内標的タンパク質またはそれらの生物学的活性部位に結合する変異NOVXタンパク質の活性についてアッセイし得る;(例えば、アビジンタンパク質)。
なおもう一つの実施態様では、変異NOVXタンパク質を、特定の生物学的機能を調節する活性(例えば、インスリン分泌の調節)についてアッセイし得る。
アンチセンス核酸
本発明のもう一つの態様は、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のヌクレオチド配列を含む核酸分子、またはそれらのフラグメント、相同体または誘導体、とハイブリダイズ可能なまたは相補的な単離アンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的な(例えば、二本鎖cDNA分子のコード化鎖に相補的な、またはmRNA配列に相補的な)ヌクレオチド配列を含む。特別な態様では、少なくとも約10、25、50、100、250、または500のヌクレオチドまたは全NOVXコード化鎖に相補的な配列、またはそれらの一部のみにを含むアンチセンス核酸分子を提供する。配列番号2n(nは1〜88の整数である)のあるNOVXタンパク質のフラグメント、相同体、誘導体および類似体をコードする核酸分子、または配列番号2n−1(nは1〜88の整数である)のあるNOVX核酸配列に相補的なアンチセンス核酸を加えて提供する。
一つの実施態様では、アンチセンス核酸分子は、あるNOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード化鎖の「コード化領域」に対するアンチセンスである。用語「コード化領域」は、アミノ酸残基に翻訳するコドンを含むヌクレオチド配列の領域を指す。もう一つの実施態様では、アンチセンス核酸分子は、NOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列のコード化鎖の「非コード化領域」に対するアンチセンスである。用語「非コード化領域」は、アミノ酸に翻訳しないコード化領域に隣接する5'配列および3'配列を指す(即ち、5'非翻訳領域および3'非翻訳領域とも呼ぶ)。
本明細書に開示するNOVXタンパク質をコードするコード化鎖の配列を与えると、本発明のアンチセンス核酸をWatsonとCrickまたはHoogsteenの塩基対の規則にしたがってデザインし得る。アンチセンス核酸分子は、NOVXのmRNAの全コード化領域と相補的であり得るが、さらに好ましくは、NOVXのmRNAのコード化または非コード化領域の一部のみに対するアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NOVXのmRNAの翻訳開始部位を囲む領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さ約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチドであり得る。本発明のアンチセンス核酸を、当分野において公知の手順を用いる化学合成または酵素ライゲーション反応を用いて構築し得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチドまたは分子の生物学的安定性を増加またはアンチセンス核酸とセンス核酸の間で形成する二本鎖の物理的安定性を増加するようデザインした様々に修飾したヌクレオチドを用いて、化学合成し得る(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジンで置換したヌクレオチドを使用しうる)。
アンチセンス核酸を作成に使用し得る修飾ヌクレオチドの例として以下のものを挙げる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルクエノシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、5−メトキシウラシル、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルクエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2、6−ジアミノプリン。これに代えて、アンチセンス核酸を、核酸がアンチセンスの配向(即ち、挿入した核酸から転写したRNAが、興味ある標的核酸に対するアンチセンスの配向であり、以下の小節でさらに説明する)においてサブクローニングする発現ベクターを使用して生物学的に生産し得る。
本発明のアンチセンス核酸分子を、それらがあるNOVXタンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズまたは結合し、それにより(例えば、転写および/または翻訳を阻害することにより)タンパク質発現を阻害するように典型的に対象に投与するか、または組織で作成する。ハイブリダイゼーションは、安定な二本鎖を形成する従来のヌクレオチドの相補性によるものでもあり得る。または、例えば、DNA二本鎖に結合するアンチセンス核酸の場合には、二本鎖の大溝での特異的相互作用を介するものであり得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例として、組織部位への直接の注射を挙げる。これに代えて、アンチセンス核酸分子を、選択した細胞標的へ修飾しそこで全身性に投与し得る。例えば、全身性投与のために、アンチセンス分子を、選択した細胞表面上に発現する受容体または抗原に特異的に結合するように(例えば、ペプチドにアンチセンス核酸分子を連結させることまたは細胞表面受容体または抗原に結合する抗体により)修飾し得る。アンチセンス核酸分子をまた、本明細書に説明するベクターを用いて細胞に送達し得る。十分な核酸分子を送達するために、アンチセンス核酸分子を強力なpolIIプロモーターまたはpolIIIプロモーターの調節下に置くベクター構造が好ましい。
なおもう一つの実施態様では、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的二本鎖ハイブリッドを形成し、これは通常のβユニットとは反対で鎖が互いに並行に走行する。例えば、Gaultier, et al., 1987. Nucl. Acids Res. 15: 6625-6641を参照されたい。アンチセンス核酸分子はまた、2'−o−メチルリボヌクレオチド(例えば、Inoue, et al. 1987. Nucl. Acids Res. 15: 6131-6148を参照)またはキメラRNA−DNA類似体(例えば、Inoue, et al., 1987. FEBS Lett. 215: 327-330を参照)を含み得る。
リボザイムおよびPNA部分
核酸の修飾は、非限定的な例として、修飾した塩基、および糖リン酸主鎖を修飾または誘導した核酸を挙げる。これらの修飾を少なくとも部分的に行い、例えば対象への治療応用において核酸へ結合するアンチセンスとして使用し得るように修飾した核酸の化学的安定性を増強する。
一つの実施態様では、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、それらが相補的領域を有するmRNAのような一本鎖核酸を切断する能力のあるリボヌクレアーゼ活性を有する触媒活性RNA分子である。従って、リボザイム(例えば、Haselhoff and Gerlach 1988. Nature 334: 585-591に記載されているようなハンマーヘッドリボザイム)を使用して、NOVXのmRNA転写物を触媒的に切断し、それによりNOVXのmRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコードする核酸に対する特異性を有するリボゾームは、本明細書に開示するあるNOVXcDNAのヌクレオチド配列(即ち、配列番号2n−1(nは1〜88の整数である))に基づいてデザインし得る。例えば、その中で活性部位のヌクレオチド配列がNOVXをコードするmRNA中で切断し得るヌクレオチド配列に相補的であるTetrahymenaL−19IVS RNAの誘導体を構築し得る。例えば、Cech, et al.の米国特許第4,987,071号およびCech, et al.の米国特許第5,116,742号を参照されたい。NOVXmRNAをまた、RNA分子のプールから特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択するのに使用し得る。例えば、Bartel et al., (1993) Science 261:1411-1418を参照されたい。
一方、NOVX遺伝子発現は、NOVX核酸の調節領域(例えば、NOVXプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的とすることで阻害し、標的細胞中のNOVX遺伝子の転写を阻止するトリプルヘリカル構造を形成し得る。例えば、Helene, 1991. Anticancer Drug Des. 6: 569-84; Helene, et al. 1992. Ann. N.Y. Acad. Sci. 660: 27-36; Maher, 1992. Bioassays 14: 807-15を参照されたい。
種々の実施態様において、NOVX核酸を塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格部分において修飾し、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは溶解度を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を修飾して、ペプチド核酸を生成し得る。例えば、Hyrup, et al., 1996. Bioorg Med Chem 4: 5-23を参照されたい。本明細書において使用する用語「ペプチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格を擬似ペプチド骨格で置換し、4個の核酸塩基のみを保持する核酸模倣体(例えばDNA模倣体)を指す。PNAの中性骨格は、低イオン強度の条件下でDNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることを示す。PNAオリゴマーの合成を、Hyrup, et al., 1996. supra; Perry-O'Keefe, et al., 1996. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 14670-14675に記載されているように、標準固相ペプチド合成プロトコールを用いて実施し得る。
NOVXのPNAを治療的応用および診断的応用に使用し得る。例えば、PNAを、例えば転写または翻訳停止を誘導することまたは複製を阻害することにより、遺伝子発現の配列特異的調整のためのアンチセンスまたは抗原薬剤として使用し得る。NOVXのPNAはまた、例えば、遺伝子中の単塩基対変異の分析(例えば、PCR固定を指示するPNA;他の酵素、例えば、Sヌクレアーゼ、との組合せで使用し得る人工的制限酵素として(Hyrup, et al., 1996.supraを参照);またはDNA配列およびハイブリダイゼーションのプローブまたはプライマーとして(Hyrup, et al., 1996, supra; Perry-O'Keefe, et al., 1996. supraを参照))にも使用し得る。
もう一つの実施態様では、NOVXのPNAを修飾して、例えば、PNAに親油性なまたは他の補助的な基をPNAに結合することにより、PNA−DNAキメラの生成により、またはリポソームまたは当分野において公知の他の薬剤送達技術の使用によりそれらの安定性または細胞への取り込みを増強し得る。例えば、PNAとDNAの有益な性質を結合し得るNOVXのPNA−DNAキメラを生成し得る。かかるキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase HおよびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用し、一方でPNA部分が結合高親和性および結合高特異性を提供することを可能にする。PNA−DNAキメラは、塩基結合、ヌクレオチド塩基間の結合数および配向について選択した適当な長さのリンカーを使用して結合し得る(Hyrup, et al., 1996. supraを参照)。PNA−DNAキメラの合成を、Hyrup, et al., 1996. supra and Finn, et al., 1996. Nucl Acids Res 24: 3357-3363に記載のように実施し得る。例えば、DNA鎖を、標準ホスホラミダイトカップリング化学反応を使用して固相支持体上で合成し得る。そして修飾したヌクレオシド類似体、例えば、5'-(4-メトキシトリチル)アミノ-5'-デオキシチミジンホスホラミダイトをPNAとDNAの5'末端間で使用し得る。例えば、Mag, et al., 1989. Nucl Acid Res 17: 5973-5988を参照されたい。次いで、PNAモノマーを段階的にカップリングし、5'PNAセグメントおよび3'DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する。例えば、Finn, et al., 1996. supraを参照されたい。これに代えて、キメラ分子を5'DNAセグメントおよび3'PNAセグメントで合成することもできる。例えば、Petersen, et al., 1975. Bioorg. Med. Chem. Lett. 5: 1119-11124を参照されたい。
他の実施態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチドのような添付群(例えば、インビボにおいて宿主細胞レセプターを標的とするため)、または細胞膜(例えば、Letsinger, et al., 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86: 6553-6556; Lemaitre, et al., 1987. Proc. Natl. Acad. Sci. 84: 648-652; PCT公開番号WO88/09810を参照)または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照)を横切る輸送を促進する薬剤を含み得る。加えて、オリゴヌクレオチドを、ハイブリダイゼーション誘発性切断剤(例えば、Krol, et al., 1988. BioTechniques 6:958-976を参照)または挿入剤(例えば、Zon, 1988. Pharm. Res. 5: 539-549を参照)で修飾し得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドを、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発性架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発性切断剤等に複合し得る。
NOVXポリペプチド
本発明に従うポリペプチドは、配列が配列番号2n(nは1〜88の整数である)において提供するNOVXポリペプチドのアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む。本発明はまた、その任意の残基が、配列番号2n(nは1〜88の整数である)に示す対応する残基から変換し得る一方で、そのNOVX活性および生理機能を保持するタンパク質、またはそれらの機能的フラグメントを依然コードする変異タンパク質または変種タンパク質を含む。
一般に、NOVX様機能を保持するあるNOVX変異体は、配列中の特定部位の残基を他のアミノ酸で置換する任意の変異体を含み、親タンパク質の2個の残基間にもう一残基または複数残基を挿入する可能性ならびに親配列から1個またはそれ以上の残基を欠失する可能性をさらに含む。任意のアミノ酸の置換、挿入または欠失を本発明に包含する。好ましい状況では、置換は上で定義した保存的置換である。
本発明の一つの態様は、単離NOVXタンパク質およびそれらの生物活性部分、またはそれらの誘導体、フラグメント、類似体、または相同体に関する。また、抗NOVX抗体産生用の免疫源としての使用に適当なポリペプチドフラグメントも提供し得る。一つの実施態様では、細胞または組織供給源から標準タンパク質精製技術を使用する適当な精製スキームにより天然のNOVXタンパク質を単離し得る。もう一つの実施態様では、NOVXタンパク質を、組換えDNA技術により生産する。組換え発現に代えて、あるNOVXタンパク質またはポリペプチドを、標準ペプチド合成技術を使用して化学的に合成し得る。
「単離」または「精製」ポリペプチドまたはタンパク質またはそれらの生物活性部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞供給源または組織供給源の細胞性物質または他の混入タンパク質を実質的に含まず、または化学的に合成したと際化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。「細胞性物質が実質的に含まれていない」という用語は、タンパク質を単離または組換え的に生産した元の細胞の細胞成分からタンパク質を分離したNOVXタンパク質の標本を含む。一つの実施態様では、「細胞原料が実質的に含まれていない」という用語は、約30%(乾燥重量比)未満の非NOVXタンパク質(ここでは「混入タンパク質」とも言う)、さらに好ましくは約20%未満の非NOVXタンパク質、なおさらに好ましくは約10%未満の非NOVXタンパク質、そして最も好ましくは約5%未満の非NOVXタンパク質を有するNOVXタンパク質の標本を含む。NOVXタンパク質またはそれらの生物活性部分を組換え的に生産する際には、それはまた、好ましくは培地を実質的に含まず、即ち、培地はNOVXタンパク質標本の容積の約20%未満、さらに好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは5%未満を表す。
「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という用語は、NOVXタンパク質の標本を含み、ここでタンパク質を、タンパク質の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離する。一つの実施態様では、「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という用語は、約30%未満(乾燥重量比)の化学的前駆体または非NOVX化学物質、さらに好ましくは約20%未満の化学的前駆体または非NOVX化学物質、なおさらに好ましくは約10%未満の化学的前駆体または非NOVX化学物質、および最も好ましくは約5%未満の化学的前駆体または非NOVX化学物質を有するNOVXタンパク質の標本を含む。
NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より少ないアミノ酸を含有しNOVXタンパク質の少なくとも一つの活性を示すNOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)に十分相同なアミノ酸配列またはNOVXタンパク質のアミノ酸配列に示されるアミノ酸配列)に由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。典型的に、生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質の少なくとも一つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。あるNOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば10、25、50、100またはそれ以上のアミノ酸残基の長さのポリペプチドであり得る。
さらに、タンパク質の他の領域が欠失した他の生物学的に活性な部分を、組換え技術で調製しそして天然のNOVXタンパク質の機能活性の一つまたはそれ以上について評価し得る。
一つの実施態様では、NOVXタンパク質は、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)に示すアミノ酸配列を有する。他の実施態様では、NOVXタンパク質は、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)に実質的に相同であり、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)のタンパク質の機能活性を保持するが、なお以下に詳述するように天然の対立遺伝子の変異体または変異に因りアミノ酸配列を異にする。従って、もう一つの実施態様では、NOVXタンパク質は、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)のアミノ酸配列と少なくとも約45%相同なアミノ酸配列を含み、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)のNOVXタンパク質の機能活性を保持するタンパク質である。
2個またはそれ以上の配列間の相同性を測定すること
2個のアミノ酸配列または2個の核酸の相同性の割合を測定するために、配列を至適な比較目的でアラインメント(例えば、ギャップを、2番目のアミノ酸または核酸配列と至適なアラインメントになるように第1のアミノ酸配列または核酸配列の中に入れ得る)。対応するアミノ酸部位または核酸部位におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを次いで比較する。第1の配列の部位を、第2の配列の対応する部位と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドにより占めると、両分子はその部位において相同である(即ち、本明細書において使用するように、アミノ酸または核酸の「相同性」はアミノ酸または核酸の「同一性」と同等である)。
核酸配列の相同性を、2個の配列間の同一性の程度として測定し得る。相同性は、GCGプログラムパッケージに提供されるGAPソフトウエアのような、当分野において公知のコンピュータープログラムを使用して測定し得る。Needleman and Wunsch, 1970. J Mol Biol 48: 443-453を参照されたい。以下のセッティング:GAP生成ペナルティー5.0またはGAP伸長ペナルティー0.3で、GCG GAPソフトウエアを使用して、上述の類似核酸配列のコード化領域は、配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)に示すDNA配列のCDS(コード化)部分と好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性の程度を示す。
用語「配列同一性」は、2個のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列が比較の特定領域に亘って残基毎に同一である程度を指す。用語「配列同一性の百分率」を、比較の領域に亘って至適にアラインメントした2個の配列を比較し、一致部位の数を求め同一の核酸塩基(例えば、核酸の場合には、A、T、C、G、U、またはI)が両方の配列中に存在する部位数を測定して、一致部位の数を比較領域の部位の総数(即ち、ウインドウサイズ)で除し、商を100倍して、配列同一性の百分率を得ることにより計算しうる。本明細書において使用する用語「実質的同一性」は、ポリヌクレオチド配列の特性を意味する。ここでポリヌクレオチドは、比較領域に亘って標準配列と比較して少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一性、およびしばしば90〜95%の配列同一性、さらに通常には少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。
キメラおよび融合タンパク質
本発明はまた、NOVX「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」を提供する。本明細書において使用するように、あるNOVX「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動し得るように連結したあるNOVXポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)のあるNOVXタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す一方で、「非NOVXポリペプチド」は、NOVXタンパク質と実質的に相同でないタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド、例えば、NOVXタンパク質と異なり同一または異なる生物由来であるタンパク質を指す。あるNOVX融合タンパク質内では、NOVXポリペプチドはあるNOVXタンパク質の全部または一部に対応し得る。一つの実施態様では、あるNOVX融合タンパク質はあるNOVXタンパク質の少なくとも一つの生物学的に活性な部分を含む。もう一つの実施態様では、あるNOVX融合タンパク質は、あるNOVXタンパク質の少なくとも二つの生物学的に活性な部分を含む。なおもう一つの実施態様では、あるNOVX融合タンパク質は、あるNOVXタンパク質の少なくとも三つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質内では、用語「作動し得るように連結した」は、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドがお互いにインフレームで融合していることを示すものとする。非NOVXポリペプチドを、NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合し得る。
一つの実施態様では、融合タンパク質は、GST−NOVX融合タンパク質である。ここでNOVX配列がGST(グルタチオンS転移酵素)のC末端に融合する。そのような融合タンパク質は、組換えNOVXポリペプチドの精製を容易にし得る。
もう一つの実施態様では、融合タンパク質は、そのN末端に異種のシグナル配列を含有するあるNOVXタンパク質である。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物の宿主細胞)において、NOVXの発現および/または分泌を異種シグナル配列の使用を介して増強し得る。
なおもう一つの実施態様では、融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質である。ここでNOVX配列は、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバー由来の配列と融合している。本発明のNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を、医薬組成物中に組み入れ、対象に投与し、細胞上でのNOVXリガンドとあるNOVXタンパク質との相互作用を阻害し、それによりインビボでのNOVX仲介性の情報伝達を抑制し得る。NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を使用して、あるNOVXと同種のリガンドの生物学的利用性に影響を及ぼし得る。NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖および分化障害の処置ならびに細胞生存を調整(例えば増強または阻害)のために治療上有用であり得る。さらに、本発明のNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質を使用して、対象中で抗NOVX抗体を生産し、NOVXリガンドを精製し、そしてスクリーニングアッセイにおいて、NOVXのあるNOVXリガンドとの相互作用を阻害する分子を同定し得る。
本発明のNOVXキメラタンパク質または融合タンパク質を、標準組換えDNA技術により生産し得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、例えば、連結のための平滑末端化または互い違い末端を用いること、適切な末端を提供するための制限酵素による切断、適切に粘着末端の充填、望ましくない結合を防止するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的結合などの従来の方法にしたがってインフレームで一緒に連結する。もう一つの実施態様では、融合遺伝子を、自動DNA合成機を含む従来の技術により合成し得る。これに代えて、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、2個の連続する遺伝子フラグメント間で相補的なオーバーハングを生じるアンカープライマーを用いて行い、それらを引き続いてアニールし、再増幅して、キメラ遺伝子配列を生成し得る(例えば、Ausubel, et al. (eds.) CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, 1992を参照)。さらに、融合部分を既にコードする多くの発現ベクター(例えば、GSTポリペプチド)が市販されている。NOVXをコードする核酸を、融合部分がNOVXタンパク質にインフレームで結合するように、そのような発現ベクターの中にクローン化することができる。
NOVXアゴニストおよびアンタゴニスト
本発明はまた、NOVXアゴニスト(即ち、ミメティクス)またはNOVXアンタゴニストのいずれかとして機能するNOVXタンパク質の変異体を含む。NOVXタンパク質の変異体は、突然変異(例えば、NOVXタンパク質の点突然変異または切断)により生成し得る。NOVXタンパク質のアゴニストは、天然に存在する形のNOVXタンパク質と実質的に同一な生物学的諸活性またはそのサブセットを保持する。NOVXタンパク質のアゴニストは、例えば、NOVXタンパク質を含む、細胞の情報伝達カスケードの下流または上流メンバーに拮抗的に結合することにより、天然に存在する形のNOVXタンパク質の一つまたはそれ以上の活性を阻害し得る。従って、特異的な生物学的作用を、限定された機能を有する変異体での処置により発揮することができる。一つの実施態様では、天然に存在する形のタンパク質の生物学的活性のサブセットを有する変異体による対象の処置は、天然に存在する形のNOVXタンパク質による処置と比べて対象における副作用がより少ない。
NOVXアゴニスト(即ちミメティック)またはNOVXアンタゴニストのどちらかとして機能するNOVXタンパク質の変異体は、NOVXタンパク質の突然変異体(例えば切断突然変異体)の組換えライブラリーをNOVXタンパク質アゴニストまたはアンタゴニスト活性についてスクリーニングすることにより同定し得る。一つの実施態様では、NOVX変異体の変化に富むライブラリーを、核酸レベルでの組換え(コンビナトリアル)変異誘発によって生成し、そして変化に富む遺伝子ライブラリーによりコードする。NOVX変異体の変化に富むライブラリーは、例えば、潜在的NOVX配列の縮重したセットが個別のポリペプチドとして発現可能であるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することにより、またはこれに代えて、その中にNOVX配列のセットを含有するさらに大きい融合タンパク質(例えば、ファージディスプレー用に)のセットとして、生成し得る。縮重したオリゴヌクレオチド配列から潜在的NOVX変異体のライブラリーを使用して生成し得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成機により行い、次いで、合成遺伝子を適切な発現ベクター内に連結し得る。遺伝子の縮重セットの使用は、潜在的NOVX配列の所望のセットをコードする配列の全ての、一つの混合物の提供を可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当分野内において周知である。例えば、Narang, 1983. Tetrahedron 39: 3; Itakura, et al., 1984. Annu. Rev. Biochem. 53: 323; Itakura, et al., 1984. Science 198: 1056; Ike, et al., 1983. Nucl. Acids Res. 11: 477を参照されたい。
ポリペプチドライブラリー
加えて、NOVXタンパク質コード化配列のフラグメントライブラリーを用いて、NOVXタンパク質の変異体のスクリーニングおよびそれに続く選択のためにNOVXフラグメントの変化に富む集団を生成し得る。一つの実施態様では、コード化配列フラグメントのライブラリーを、あるNOVXコード化配列の二本鎖PCR断片を、ニッキングが分子あたりたった約1回生じる条件でヌクレアーゼ処置し、二本鎖DNAを変性させ、DNAを異なるニッキング産物由来のセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成し、Sヌクレアーゼの処理で再生成した二重らせんから単鎖部分を除去し、そして得られたフラグメントライブラリーを発現ベクターに連結することにより、生成し得る。この方法によって、NOVXタンパク質の種々のサイズのN末端または内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを誘導し得る。
点突然変異または切断により作成した組換え(コンビナトリアル)ライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングする、および選択した性質を有する遺伝子産物のためにcDNAライブラリーをスクリーニングする種々の技術は、当分野において公知である。かかる技術は、NOVXタンパク質の組換え(コンビナトリアル)突然変異誘発により生成した遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするハイスループット分析に適用可能な最も広く使用する技術は、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクターにクローニングし、得られたベクターライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、そして、所望の活性の検出がその生産物を検出する遺伝子をコードするベクターの単離を容易する条件で、組換え(コンビナトリアル)遺伝子を発現することを典型的に含む。ライブラリー中の機能的変異の頻度を増大する新しい技術である繰り返しアンサンブル変異誘発(REM)をスクリーニングアッセイと組み合わせて使用して、NOVX変異体を同定し得る。例えば、Arkin and Yourvan, 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 7811-7815; Delgrave, et al., 1993. Protein Engineering 6:327-331を参照されたい。
抗NOVX抗体
NOVXタンパク質、またはNOVXタンパク質のフラグメントに対する抗体は本発明に含まれる。本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、即ち、抗原に特異的に結合する(と免疫学的に反応する)抗原結合部位を含有する分子を指す。かかる抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、単鎖、Fab、Fab' およびF(ab')2フラグメントならびにFab発現ライブラリーが挙げるが、これらに限定しない。一般に、ヒトから得る抗体分子は、IgG、IgM、IgA、IgEおよびIgDのクラスのいずれかに関し、これらは分子中に存在するH鎖の性質によりお互いに異なる。特定のクラスは、IgG1、IgG2およびその他のような、サブクラスを同様に有する。さらに、ヒトにおいて、L鎖は、k鎖またはλ鎖であり得る。本明細書における抗体への参照は、ヒト抗体種の全てのそのようなクラス、サブクラスおよびタイプへの参照を含む。
抗原として使用することを意図した本発明の単離タンパク質、またはその部分またはフラグメントを免疫源として使用しポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製の標準的技術を使用し、抗原に免疫特異的に結合する抗体を生成し得る。全長のタンパク質を使用し得るが、またはこれに代えて、本発明は、免疫源として使用するための抗原の抗原性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは、配列番号2n(ここで、nは1〜88の整数である)に示すアミノ酸配列のような全長タンパク質のアミノ酸配列の少なくとも6個のアミノ酸残基を含み、そしてペプチドに対して育成した抗体が、エピトープを含有する全長タンパク質または任意のフラグメントと特異的な免疫複合体を形成するようそのエピトープを包含する。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10個のアミノ酸残基、または少なくとも15個のアミノ酸残基、または少なくとも20個のアミノ酸残基、または少なくとも30個のアミノ酸残基を含む。抗原性ペプチドにより包含する好ましいエピトープは、表面に局在するタンパク質領域であり;これらは通常親水性領域である。
本発明の特定の実施態様において、抗原性ペプチドにより包含される少なくとも一つのエピトープは、タンパク質の表面に局在するNOVX領域、例えば、親水性領域である。ヒトNOVXタンパク質配列の疎水性分析は、NOVXポリペプチドのどの領域が特に親水性であり、したがって抗体生産を目標とするために有用な表面残基をコードする可能性が高いかを示す。抗体生産を目標とするための手段として、親水性および疎水性領域を示すハイドロパシープロットを、例えば、どちらもフーリエ変換を用いるかまたは用いないで、Kyte DoolittleまたはHopp Woods方法を含む当分野において周知の任意の方法で生成し得る。例えば、Hopp and Woods, 1981, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 78: 3824-3828; Kyte and Doolittle 1982, J. Mol. Biol. 157: 105-142(いずれも全体的な出典明示により本明細書の一部とする)を参照されたい。抗原性タンパク質またはその誘導体、フラグメント、類似体または相同体内の一つまたはそれ以上のドメインに特異的である、抗体はまた、本明細書において提供する。
用語「エピトープ」には、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合し得る全てのタンパク質決定基(部位)が含まれる。エピトープ様決定基(部位)は、通常、化学的に活性な分子(例えば、アミノ酸もしくは糖側鎖など)表面群を含み、通常、特定の三次元的構造特性、に加えて特定電荷特性を示す。あるNOVXポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、少なくとも1つの抗原エピトープを持つ。アッセイ(例えば、当業者には既知のラジオリガンド結合アッセイまたは類似のアッセイ)によって測定されるような、平衡結合定数Kが、1μM、好ましくは100nM、より好ましくは10nM、もっとも好ましくは100pM〜約1pMである場合、本発明の抗NOVOX抗体は、抗原NOVXに特異的に結合するという。
本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体、またはオーソログを、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の生成において免疫源として利用することができる。
当分野内において公知の種々の方法を、本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体、またはオーソログ、に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体の生産に使用し得る(例えば、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow E, and Lane D, 1988, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを出典明示により本明細書の一部とする)を参照されたい。これらの抗体の幾つかについて以下に考察する。
ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体の生産には、種々の適当な宿主動物(例えばウサギ、ヤギ、マウス、または他の哺乳動物)を、天然タンパク質、その合成変異体、または前述の誘導体を1回またはそれ以上注射して免疫を行い得る。適切な免疫原性製剤としては、例えば、天然に存在する免疫原性タンパク質、免疫原性タンパク質を代表する化学的に合成したポリペプチド、または組換え的に発現した免疫原性タンパク質を挙げ得る。さらに、タンパク質を、免疫する哺乳動物において免疫原性であることが知られている第2のタンパク質と複合体を形成してもよい。かかる免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシニアン、血清アルブミン、ウシサイログロブリンおよび大豆トリプシン阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。製剤はさらにアジュバントを含有し得る。免疫応答を増大するために使用する種々のアジュバントとしては、フロイントの(完全および不完全)アジュバント、鉱物ゲル(例えば水酸化アルミニウム)、界面活性剤(例えばリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、ジニトロフェノール等)、カルメット-ゲラン杆菌およびコリネバクテリウム-パルヴムのようなヒトに使用可能なアジュバント、または類似の免疫促進剤が挙げられるが、これらに限定されない。使用し得るアジュバントのさらに別な例としては、MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成ジコリノミコール酸トレハロース)を挙げ得る。
免疫原性タンパク質に対するポリクローナル抗体を、哺乳動物から(例えば、血液から)単離して、免疫血清中の主としてIgG画分を提供するプロテインAまたはプロテインGを用いるアフィニティークロマトグラフィーのような、公知の技術を用いてさらに精製し得る。引き続いて、またはこれに代えて、求める免疫グロブリンの標的である特異的抗原、またはそのエピトープ、をカラム上に固相化して、イムノアフィニティークロマトグラフィーにより免疫特異的抗体を精製し得る。免疫グロブリンの精製を、例えば、D. Wilkinson (The Scientist, published by The Scientist, Inc., Philadelphia PA, Vol. 14, No. 8 (April 17, 2000), pp. 25-28)により考察する。
モノクローナル抗体
本明細書において使用する用語「モノクローナル抗体」(MAb)または「モノクローナル抗体組成物」は、特徴的なL鎖遺伝子産物および特徴的なH鎖遺伝子産物より成る抗体分子の1分子種のみを含有する抗体分子の集団を指す。特に、モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、集団の全ての分子において同一である。従って、MAbは、それに対する特徴的な結合活性を特徴とする抗原の特定のエピトープと免疫反応する能力がある抗原結合部位を含有する。
モノクローナル抗体を、Kohler and Milstein, Nature, 256:495 (1975)により記載するような、ハイブリドーマ方法を用いて調製し得る。ハイブリドーマ方法では、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を典型的に免疫化剤で免疫することにより、免疫化剤に特異的に結合する抗体を生産するかまたは生産する能力のあるリンパ球を誘発する。これに代えて、リンパ球をインビトロで免疫することができる。
免疫化剤としては典型的に、タンパク質抗原、それらのフラグメントまたはその融合タンパク質が挙げられる。一般的に、ヒト由来の細胞を所望するならば、末梢血リンパ球を使用し、またはヒト以外の哺乳動物源を所望するならば、脾臓細胞またはリンパ節細胞を使用するかのいずれかである。次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いて不死化細胞株と融合し、ハイブリドーマ細胞を生成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103)。不死化細胞株は通常、形質転換した哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシまたはヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株を使用し得る。ハイブリドーマ細胞を、融合していない不死化細胞の増殖または生存を阻害する一つまたはそれ以上の物質を好ましくは含有する適切な培地中で培養し得る。例えば、親細胞が、酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠くならば、ハイブリドーマ用の培地は典型的に、その物質がHGPRT欠失細胞の増殖を阻止する、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む(“HAT培地”)。
好ましい不死化細胞株は、効率的に融合し、選択した抗体生産細胞による抗体の高レベル発現を支持し、そしてHAT培地のような培地に感受性のあるものである。さらに好ましい不死化細胞株は、例えば、Salk Institute Cell Distribution Center, San Diego, Californiaおよびthe American Type Culture Collection, Manassas, Virginiaから入手し得るマウス骨髄腫細胞株である。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体の生産用に記載する(Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63)。
ハイブリドーマが培養する培地を次いで、抗原に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイし得る。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生産したモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降によりまたはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)のような、インビトロ結合アッセイによって測定する。そのような技術またはアッセイは当分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性を、例えば、Munson and Pollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のScatchard分析により測定し得る。標的抗原に対して高度の特異性および高い結合親和性を有する抗体を同定することは、モノクローナル抗体の治療的応用において特に重要な目的である。
所望のハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限界希釈法でサブクローン化して、標準方法で増殖し得る(Goding,1986)。この目的のための適当な培地としては、例えば、Dulbecco's Modified Eagle's Medium培地およびRPMI−1640培地を挙げ得る。これに代えて、ハイブリドーマ細胞を哺乳動物中で腹水としてインビボで増殖し得る。
サブクローンにより分泌したモノクローナル抗体を、培地または腹水から、例えば、プロテイン−Aセファローズ、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーのような従来の免疫グロブリン精製手順により単離または精製し得る。
モノクローナル抗体をまた、米国特許第4,816,567号に記載するような組換えDNA方法により作り得る。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAを、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体のH鎖およびL鎖をコードする遺伝子に特異的に結合する能力のある、オリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離し配列決定し得る。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給源として役立つ。一旦単離すれば、DNAを発現ベクター中に配置し、それを次いでサルのCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはそうしなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞のような宿主細胞中に形質移入して、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体の合成を取得し得る。DNAをまた、例えば相同なマウスの配列の代わりにヒトのH鎖およびL鎖の通常ドメインに対するコード化配列を置換することにより(米国特許第4,816,567号; Morrison, Nature 368, 812-13 (1994))、または非免疫グロブリンペプチドに対するコード化配列の全部または一部を免疫グロブリンのコード化配列に共有結合することにより、修飾し得る。そのような非免疫グロブリンポリペプチドを、本発明の抗体の通常ドメインに対して置換することができるか、または本発明の抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインに対して置換して、キメラ2価抗体を創成することができる。
ヒト化抗体
本発明のタンパク質抗原に対する抗体はさらに、ヒト化抗体またはヒト抗体を含む。これらの抗体は、投与した免疫グロブリンに対してヒトによる免疫応答を惹き起こすことなくヒトに投与するのに適している。抗体のヒト化型は、主としてヒト免疫グロブリンの配列より成って、非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらのフラグメント(Fv、Fab、Fab'、F(ab')または抗体の他の抗原結合サブ配列)である。ヒト化は、Winterまたは共同研究者(Jones et al., Nature, 321:522-525 (1986); Riechmann et al., Nature, 332:323-327 (1988); Verhoeyen et al., Science, 239:1534-1536 (1988))の方法にしたがって、げっ歯類のCDRまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列で置換することにより、実施し得る。(また、米国特許第5,225,539号を参照)場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレーム枠の残基を対応する非ヒト残基により置換し得る。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体またはCDRまたはフレーム枠配列にも見出さない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は少なくとも一つ、また典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ここでCDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、そしてフレーム枠領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体は至適にはまた、免疫グロブリンの通常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部を含む(Jones et al., 1986; Riechmann et al., 1988; and Presta, Curr. Op. Struct. Biol., 2:593-596 (1992))。
ヒト抗体
完全なヒト抗体は、CDRを含むL鎖およびH鎖の全配列がヒトの遺伝子より生じる、抗体分子に本質的に関する。かかる抗体は本明細書では、「ヒト抗体」または「完全なヒト抗体」と呼称する。ヒトモノクローナル抗体を、トリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al., 1983 Immunol Today 4: 72を参照)およびEBVハイブリドーマ技術により調製し、ヒトモノクローナル抗体を生産し得る(Cole, et al., 1985 In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照)。ヒト化モノクローナル抗体を、本発明の実施に利用し得て、そしてヒトハイブリドーマを用いて(Cote, et al., 1983. Proc Natl Acad Sci USA 80: 2026-2030を参照)またはヒトB細胞をインビトロでEpstein Barrウイルスにより形質転換することによって(Cole, et al., 1985 In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照)生産し得る。
加えて、ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227:381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991))を含むさらに別な技術を用いて生産し得る。同様に、ヒト抗体を、ヒト免疫グロブリンの遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば、マウスに導入することによって作り得る。ここで内在性免疫グロブリン遺伝子を部分的にまたは完全に不活化する。チャレンジによって、遺伝子再配列、アセンブリー、および抗体レパトリ−を含む全ての面でヒトにおいて見られるのと非常に良く似たヒト抗体生産を観察する。このアプローチは、例えば、米国特許第5,545,807号; 5,545,806号; 5,569,825号; 5,625,126号; 5,633,425号; 5,661,016号、ならびに Marks et al. (Bio/Technology 10, 779-783 (1992))、Lonberg et al. (Nature 368 856-859 (1994))、Morrison ( Nature 368, 812-13 (1994))、Fishwild et al,( Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996))、Neuberger (Nature Biotechnology 14, 826 (1996))、 Lonberg and Huszar (Intern. Rev. Immunol. 13 65-93 (1995))に記載されている。
ヒト抗体を、抗原によるチャレンジに応答して動物の内在性抗体ではなく完全なヒト抗体を生産するように修飾したトランスジェニック非ヒト動物を用いて、付加的に生産し得る(PCT公開番号WO94/02602を参照)。非ヒト宿主中の免疫グロブリンH鎖およびL鎖をコードする内在性遺伝子を無能にし、そしてヒト免疫グロブリンのH鎖およびL鎖をコードする活性遺伝子座を宿主のゲノムの中に挿入する。ヒトの遺伝子を、例えば、必要なヒトDNAセグメントを含有する酵母の人工染色体を用いて組み入れ得る。全ての所望の修飾を提供する動物は次いで、修飾の全相補物より少ない相補物を含有する中間トランスジェニック動物を交雑育種することにより子孫として得られる。そのような非ヒト動物の好ましい実施態様はマウスであり、PCT公開番号WO96/33735およびWO96/34096号に開示されているようにXenomouse[登録商標]と呼称する。この動物は、完全なヒト免疫グロブリンを分泌する、B細胞を生産する。抗体は、興味のある免疫原で免疫後、動物から、例えば、ポリクローナル抗体の標本として、直接得ることも、またはこれに代えて、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマのような、動物由来の不死化B細胞から得ることもできる。これに加えて、ヒトの可変領域を持つ免疫グロブリンをコードする遺伝子を回収し、発現して、抗体を直接得ることもでき、またはさらに修飾して、例えば、単鎖Fv分子のような抗体の類似体を得ることができる。
内在性免疫グロブリンのH鎖の発現を欠失する、マウスとして例証した、非ヒト宿主を生産する方法の実施例は、米国特許第5,939,598号、に開示されている。それは、遺伝子座の再配列を阻止するためにそして再配列した免疫グロブリンH鎖の遺伝子座の転写物生成を阻止するために、胚性幹細胞中の少なくとも一つの内在性H鎖の遺伝子座からJセグメントを欠失させ、この欠失は選択マーカーをコードする遺伝子を含有するターゲティングベクターによりもたらされ、そして体細胞または胚細胞が選択マーカーをコードする遺伝子を含有するトランスジェニックマウスを胚性幹細胞から生産することを含む方法により得られる。
ヒト抗体のような興味のある抗体を生産する方法は、米国特許第5,916,771号、に開示されている。それは、H鎖をコードするヌクレオチド配列を含有する発現ベクターを一つの培養哺乳動物宿主細胞に導入すること、L鎖をコードするヌクレオチド配列を含有する発現ベクターをさらに別な哺乳動物宿主細胞に導入すること、および2個の細胞を融合してハイブリッド細胞を生成することを含む。ハイブリッド細胞は、H鎖およびL鎖を含有する抗体を発現する。
この手順のさらなる改良において、免疫原上の臨床的に関係のあるエピトープを同定する方法、および関係のあるエピトープに高親和性で免疫特異的に結合する抗体を選択する相関的方法が、PCT公開番号WO99/53049に開示されている。
abフラグメントおよび単鎖抗体
本発明にしたがって、技術を、本発明の抗原タンパク質に特異的な単鎖抗体の生産に適合することができる(例えば米国特許第4,946,778号を参照)。加えて、方法を、Fab発現ライブラリーの構築に適合し(例えば、Huse, et al., 1989 Science 246: 1275-1281、を参照)、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、類似体または相同体に対して所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ効果的な同定を可能し得る。タンパク質抗原に対するイディオタイプを含有する抗体フラグメントを、当分野において公知の技術により生産し得て、それは、(i)抗体分子のペプシン消化により生産するF(ab')2フラグメント;(ii)F(ab')2フラグメントのジスルフィド架橋を還元して得られるFabフラグメント;(iii)抗体分子をパパインおよび還元剤で処置して生成するFabフラグメント;ならびに(iv)Fフラグメントを含むが、これらに限定されない。
二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる抗原に結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトのまたはヒト化の抗体である。本明細書においては、結合特異性の一つは本発明の抗原タンパク質に対するものである。2番目の結合標的は、任意の他の抗原であって、有利に細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニットである。
二重特異性抗体の作成方法は当分野において公知である。伝統的に、二重特異性抗体の組換え生産は、2個のH鎖が異なる特異性を有する2個の免疫グロブリンH鎖/L鎖対の共発現に基づく(Milstein and Cuello, Nature, 305:537-539 (1983))。免疫グロブリンH鎖およびL鎖のランダムな組合せのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生産し、そのうちの一つだけが正しい2重特異性構造を有する。正しい分子の精製は通常、アフィニティークロマトグラフィーにより行う。類似の方法が、1993年5月に公開されたWO93/08829およびTraunecker et al., EMBO J., 10:3655-3659 (1991)に開示されている。
所望の結合特異性を持つ抗体の可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)を、免疫グロブリンの通常ドメイン配列に融合し得る。融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリンH鎖の通常ドメインと共にある。少なくとも融合の一つの中に存在するL鎖結合に必要な部位を含有する第1のH鎖通常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリンH鎖の融合をコードするDNA、および所望ならば、免疫グロブリンL鎖を別々の発現ベクター中に挿入し適当な宿主生物中に形質移入する。二重特異性抗体のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al., Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照されたい。
WO96/27011に記載されたもう一つのアプローチによれば、一対の抗体分子間の境界面を改変して、組換え細胞培地から回収するヘテロダイマーの百分率を最大にし得る。好ましい境界面は、抗体の通常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第1の抗体分子の境界面の一つまたはそれ以上の小さなアミノ酸側鎖を、より大きな側鎖(例えばチロシンまたはトリプトファン)で置換する。大きな側鎖(複数を含む)と同一または類似のサイズの代償的な「空隙」を、大きなアミノ酸側鎖をより小さなもの(例えばアラニンまたはスレオニン)で置換することにより第2の抗体分子の境界面に生成する。これは、ホモダイマーのような他の望ましくない最終産物以上にヘテロダイマーの収量を増加する機構を提供する。
二重特異性抗体を、抗体の全長または抗体フラグメント(例えばF(ab')二重特異性抗体)として調製することができる。抗体フラグメントから二重特異性抗体を生成する技術は文献に記載されている。例えば、二重特異性抗体フラグメントを、化学的結合を用いて調製することができる。Brennan et al., Science 229:81 (1985)は、完全な抗体をタンパク質分解酵素で切断してF(ab')フラグメントを生成する手順を記載する。これらのフラグメントをジチオール錯化剤の亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元して、隣接するジチオールを安定化させて、分子間ジスルフィド形成を阻止する。次いで、生成したFab'フラグメントをチオニトロ安息香酸(TNB)誘導体に変換する。次いで、Fab'−TNBの一つをメルカプトエチルアミンとの還元によりFab'−チオールに再変換し、そして等量の他のFab'−TNB誘導体と混合して、二重特異性抗体を生成する。生成した二重特異性抗体を酵素の選択的固定化剤として使用し得る。
これに加えて、Fab'フラグメントを大腸菌から直接回収して、化学的にカップリングして、二重特異性抗体を生成し得る。Shalaby et al., J. Exp. Med. 175:217-225 (1992)は、完全にヒト化した二重特異性抗体のF(ab')分子の生産を記載している。それぞれのFab'フラグメントを大腸菌から別々に分泌し、インビトロで指向性化学カップリングに供して、二重特異性抗体を形成した。従って形成した二重特異性抗体を、ErbB2受容体を過剰発現する細胞および正常ヒトT細胞に結合することができ、ならびにヒト乳腺腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の溶解活性を誘発することができた。
組換え細胞培地から直接二重特異性抗体を作成し単離する種々の技術をまた記載する。例えば、二重特異性抗体をロイシンジッパーを用いて生産する。Kostelny et al., J. Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)。Fosタンパク質およびJunタンパク質由来のロイシンジッパーを遺伝子融合により二つの異なる抗体のFab'部分に結合した。抗体のホモダイマーをヒンジ領域において還元して、モノマーを形成し、次いで再酸化して、抗体のヘテロダイマーを形成した。この方法をまた、抗体のホモダイマーの生産に利用することができる。Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448 (1993)により記載されている「diabody」技術は、二重特異性抗体フラグメント作成のさらに別の機構を提供する。フラグメントは、リンカーによりL鎖可変領域(V)に連結したH鎖可変領域(V)を含むが、リンカーが短いため同じ鎖の上の2個のドメイン間での対形成を可能にしない。したがって、一つのフラグメントのVおよびVドメインは強制的にもう一つのフラグメントの相補的なVおよびVドメインと対を形成し、それにより二つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)のダイマーの使用による二重特異性抗体フラグメント作成のもう一つの戦略がまた報告されている。Gruber et al., J. Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
3価以上の結合価をもつ抗体も考得る。例えば、3重特異性抗体を調製し得る。例えば、Tutt et al., J. Immunol. 147:60 (1991)。
典型的な二重特異性抗体は、少なくとも一つが本発明のタンパク質抗原に由来する二つの異なるエピトープに結合し得る。これに代えて、免疫グロブリン分子の抗−抗原アームを、白血球上でT細胞受容体分子(例えば、CD2、CD3、CD28またはB7)またはFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD16)のような、IgGに対するFc受容体(Fcγ)のような誘発性分子に結合するアームと組み合わせて、特定の抗原を発現する細胞に対する細胞性防御機構に焦点を当て得る。二重特異性抗体をまた使用して、特定の抗原を発現している細胞に細胞障害性物質を指向し得る。これらの抗体は、抗原結合アームおよび細胞障害性薬剤またはEOTUBE、DPTA、DOTAまたはTETAのような放射性核種キレート化剤と結合するアームを所有する。興味のあるもう一つの二重特異性抗体は、本明細書に説明するタンパク質抗原と結合して、さらに組織因子(TF)と結合する。
ヘテロ複合抗体
ヘテロ複合抗体はまた本発明の範囲内にある。ヘテロ複合抗体は、共有結合で結合した二つの抗体より成る。そのような抗体は、例えば、好ましくない細胞に免疫系の細胞を標的化するため(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染の処置のため(WO91/00360;WO92/200373;EP03089)に提案されている。これらの抗体を、架橋剤を伴うものを含むタンパク質合成化学の既知の方法を用いてインビトロで調製し得ると考えられている。例えば、ジスルフィド交換反応を使用してまたはチオエーテル結合を形成することより、イムノトキシンを構築することができる。この目的のために適当な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデートならびに、例えば、米国特許第4,676,980号に開示されているものを挙げ得る。
エフェクター機能工学
例えば、がんの処置における抗体の有効性を増強するために、本発明の抗体をエフェクター機能に関して修飾することが望ましい。例えば、システイン残基(複数を含む)をFc領域に導入し、それによりこの領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能にし得る。かくして生成したホモダイマーの抗体は、改善した内部移行能および/または増強した補体仲介性細胞殺害ならびに抗体依存性細胞障害作用(ADCC)を有し得る。Caron et al., J. Exp Med., 176: 1191-1195 (1992) and Shopes, J. Immunol., 148: 2918-2922 (1992)を参照されたい。増強した抗腫瘍活性を持つホモダイマー抗体はまた、Wolff et al. Cancer Research, 53: 2560-2565 (1993)に記載されているように、ヘテロ2機能性架橋剤を用いて調製し得る。これに代えて、2重のFc領域を有して、それにより増強した補体依存性細胞溶解およびADCC能を有する抗体を工学操作することができる。Stevenson et al., Anti-Cancer Drug Design, 3: 219-230 (1989)を参照されたい。
免疫複合体
本発明はまた、化学療法剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素的に活性な毒素、またはそれらのフラグメント)または放射性同位体(即ち、放射性複合体)のような細胞毒性物質と複合した抗体を含む免疫複合体に関する。
そのような免疫複合体の生成に有用な化学療法剤を上述する。使用できる酵素的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性フラグメント、内毒素A鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アビリンA鎖、モデシンA鎖、アルファサルシン、Aleurites fordii(シナアブラギリ)タンパク質、ディアンティンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP−S)、momoridica charantia(ツルレイシ)阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalisc阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシンおよびトリコテセンが挙げられる。種々の放射性核種を放射性複合抗体の生産に利用できる。例として、212Bi、131I、131In、90Yおよび186Reを挙げ得る。
抗体と細胞障害性薬剤との複合体を、N−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの2機能性誘導体(ジメチルアジピイミデートHCLのような)、活性エステル(ジサクシンイミジルスベレートのような)、アルデヒド(グルタルアルデヒドのような)、ビスアジド誘導体(ビス−(p−アジドベンゾイル)−ヘキサンジアミンのような)、ビスジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンのような)、ジイソシアネート(トリエン2、6−ジイソシアネートのような)、およびビス活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ2,4−ジニトロベンゼンのような)のような種々の2機能性タンパク質カップリング剤を用いて作る。例えば、リシン免疫毒素を、Vitetta et al., Science, 238: 1098 (1987)に記載のように調製することができる。炭素14で標識した1−イソチオシアナートベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体に結合するための典型的なキレート化剤である。WO94/11026を参照されたい。
もう一つの実施態様では、抗体を、腫瘍をプレターゲティンブのための「受容体」(ストレプトアビジンのような)に結合することができて、そこでは抗体−受容体複合体を患者に投与し、引き続いて未結合の複合体を除去剤を用いて血液循環から除去し、次いで今度は細胞障害性薬剤に複合した「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
イムノリポソーム
本明細書で開示される抗体をまた、イムノリポソームとして処方することができる。抗体を含有するリポソームリポソームは、Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985); Hwang et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号に記載されているような、当分野において公知の方法で調製する。増大した循環時間を持つリポソームリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームリポソームを、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いて逆相蒸発法により生成し得る。リポソームリポソームを定められた孔径のフィルターを通して押し出して、所望の直径のリポソームリポソームを得る。本発明の抗体のFab'フラグメントを、Martin et al ., J. Biol. Chem., 257: 286-288 (1982)に記載されるように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームリポソームに結合し得る。化学療法剤(ドキソルビシンのような)を任意にリポソーム内に含有する。Gabizon et al., J. National Cancer Inst., 81(19): 1484 (1989)を参照されたい。
本発明のタンパク質に対して指向される抗体の診断応用
1実施態様では、所望の特異性を保有する抗体のスクリーニングのための方法は限定しないが、エライザ(ELISA)および他の当業者既知免疫学的介在技法を含む。具体的実施態様では、NOVXタンパク質の特定のドメインに特異的である抗体の選択は、そのようなドメインを保有するNOVXタンパク質のフラグメントに結合するハイブリドーマの生成によって容易化される。かくして、NOVXタンパク質、その誘導体、フラグメント、類似体、または相同物に特異的で合える抗体をまたここに提供する。
本発明のNOVXタンパク質に対して指向化された抗体を、NOVXタンパク質の局在化及び/または定量に関する当業界内既知方法で使用し得る(例えば適当な生理学的試料内のNOVXタンパク質のレベルの測定における使用のため、診断方法における使用のため、タンパク質の画像化における使用のためなど)。所定の実施態様では、NOVX、その誘導体、フラグメント、類似体または相同物に特異的な抗体であって、抗体由来抗原結合ドメインを含むものは、薬理学的活性化合物として利用する(以後「治療剤」と称する)。
本発明のNOVXタンパク質に対して特異的な抗体を(例えばモノクローナルまたはポリクローナル抗体)、イムノアフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降のような標準的な技術により、NOVXポリペプチドを単離するために使用し得る。NOVXポリペプチドへの抗体を、細胞由来の天然タンパク質および宿主細胞で発現する組換え的に生産したNOVX抗原の精製を容易にし得る。さらに、そのような抗NOVX抗体を使用して、抗原性NOVXタンパク質の存在量または発現パターンを評価するために抗原性NOVXタンパク質(例えば、細胞溶解物または細胞上清中の)を検出することができる。NOVXタンパク質に対して指向した抗体を診断的に使用して、例えば、与えられた処置法の有効性を測定するために臨床検査の手順の一環として組織中のタンパク質レベルをモニターすることができる。抗体を検出可能な物質にカップリング(即ち物理的に連結)することにより、検出を促進し得る。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、配合群、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質を挙げる。適当な酵素の例としては、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを挙げ得る;適当な配合群の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを挙げ得る;適当な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレッセイン、フルオレッセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレッセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリスリンを挙げ得る;発光物質の例としては、ルミノールを挙げ得る;生物発光物質の例としてはルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを挙うるし、適当な放射性物質の例としては、125I、131I、35SまたはHを挙げ得る。
抗体治療法
ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化および完全なヒト抗体を含む本発明の抗体を治療薬として使用し得る。そのような薬剤を一般的に、対象の疾患または病変の治療または予防に使用する。抗体製剤、好ましくはその標的抗原に対して高い特異性および高い親和性を有するものを対象に投与して、一般的に標的への結合に因る効果を有する。そのような効果は、与えた抗体分子と問題とする標的抗原との間の相互作用の特異的性質に依存する2種類のうちの一つである。第1の場合では、抗体の投与は、標的の本来結合する内在性リガンドとの結合を阻止または阻害し得る。この場合には、抗体は標的に結合して、リガンドがエフェクター分子として作用する、天然に存在するリガンドの結合部位をマスクする。かくして、受容体はリガンドが役割を担う情報伝達経路を仲介する。
これに代えて、作用は、抗体が標的分子上のエフェクター結合部位への結合により生理的結果を誘発するものであり得る。この場合には、疾患または病変においては存在しないかまたは欠陥のあり得る内在性リガンドを有する受容体である標的を、代替のエフェクターリガンドとしての抗体と結合して、受容体に基づく情報伝達事象を受容体により開始する。
本発明の抗体の治療的に有効な量は一般的に、治療目的を達成するのに必要とされる量に関する。上述のように、これは、特定の場合には標的の機能を阻害し、そして他の場合には生理的応答を促進する抗体およびその標的抗原との間の結合相互作用であり得る。投与に必要な量はさらに、特定の抗原に対する抗体の結合親和性に依存するし、そしてまた投与した抗体が投与した対象の自由体積から除去し得る速度に依存する。本発明の抗体または抗体フラグメントの治療的に有効な投与量の通常の範囲は、限定されない例として、約0.1mg/kg体重〜約50mg/kg体重であり得る。通常の投与回数は、例えば、1日2回から1週1回の範囲であり得る。
抗体の医薬組成物
本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体、ならびに本明細書に開示するスクリーニングアッセイにより同定する他の分子を、医薬組成物の形で種々の障害の処置のために投与し得る。そのような組成物の調製に関与する原理および考慮事項、ならびに成分の選択の指針は、例えば、The Science And Practice Of Pharmacy 19th ed. (Alfonso R. Gennaro, et al., editors) Mack Pub. Co., Easton, Pa. : 1995、Drug Absorption Enhancement : Concepts, Possibilities, Limitations, And Trends, Harwood Academic Publishers, Langhorne, Pa., 1994、および Peptide And Protein Drug Delivery (Advances In Parenteral Sciences, Vol. 4), 1991, M. Dekker, New Yorkに提供されている。
抗原タンパク質が細胞内にあり、完全な抗体を阻害剤として使用するならば、内部移行性抗体が好ましい。しかしながら、リポソームを使用して、抗体または抗体フラグメントを細胞内に送達し得る。抗体フラグメントを使用する場合には、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最も小さな阻害フラグメントが好ましい。例えば、抗体の可変領域の配列に基づいて、標的タンパク質の配列に結合する能力を保持するペプチド分子をデザインし得る。そのようなペプチドを、化学的および/または組換えDNA技術により合成し得る。例えば、Marasco et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 7889-7893 (1993)を参照されたい。本明細書における処方はまた、処置する特定の適応のために必要なニつ以上の活性化合物、好ましくはお互いに悪影響を及ぼし合わない相補的活性を持つものを含有し得る。これに代えて、またはこれに加えて、組成物は、その機能を増強する薬剤、例えば、細胞障害性薬剤、サイトカイン、化学療法剤、または増殖阻害剤を含有していてもよい。そのような分子は好都合には、意図する目的にとって効果的な量で組み合わされて存在する。
活性成分を、例えば、コアセルベーション技術または界面重合により調製したマイクロカプセル中で、例えば、ハイドロキシメチルセルローズまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中で、それぞれ、コロイド状薬送達システム(例えば、リポソーム、アルブミン小球体、ミクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中に、またはマクロエマルジョン中に閉じ込め得る。
インビボ投与に使用する製剤は無菌でなければならない。このことを、無菌ろ過膜によるろ過により容易に達成する。
徐放性製剤を調製することができる。徐放性製剤の適当な例としては、抗体を含有する固相の疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、そのマトリックスは、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルのような造形品の形をしている。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ハイドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸およびγエチル−Lグルタミン酸エステルの共重合体、非分解性エチレン−ビニルアセテート、LUPRON DEPOT[登録商標](乳酸−グリコール酸共重合体および酢酸リュープロリドより成る注射用マイクロスフェア)のような分解性乳酸−グリコール酸共重合体が挙げられる。酢酸エチレンビニルおよび乳酸−グリコール酸のようなポリマーは100日間に亘って分子を放出することができるが一方、特定のヒドロゲルはより短期間でタンパク質を放出する。
ELISAアッセイ
アナライトのタンパク質を検出する薬剤は、アナライトのタンパク質に結合する能力のある抗体、好ましくは検出可能な標識を持つ抗体である。抗体は、ポリクローナルでもよく、またはさらに好ましくはモノクローナルであり得る。完全な抗体またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab)2)を使うことができる。用語「標識」とは、プローブまたは抗体に関して、プローブまたは抗体に検出可能な物質をカップリングする(即ち、物理的に連結する)ことによるプローブまたは抗体の直接標識、ならびに直接に標識するもう一つの薬剤との反応性によるプローブまたは抗体の間接標識を包含するものとする。間接標識の例としては、蛍光標識した第2抗体を用いた第1抗体の検出および蛍光標識ストレプトアビジンで検出できるようにDNAプローブをビオチンで末端標識することが挙げられる。用語「生物学的試料」とは、対象から単離した組織、細胞および生物学的流体、ならびに対象内に存在する組織、細胞および流体を含むものとする。それ故に、用語「生物学的試料」の範囲には血液および血清、血漿、またはリンパ液を含む血液のフラクションまたは成分を含み得る。即ち、本発明の検出法を使用して、生物学的試料中のアナライトのmRNA、タンパク質またはゲノムDNAをインビトロならびにインビボで検出することができる。例えば、アナライトのmRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイツハイブリダイゼーションを挙げ得る。アナライトのタンパク質のインビトロ検出技術としては、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光を挙げ得る。アナライトのDNAのインビトロ検出技術としては、サザンハイブリダイゼーションを挙げ得る。イムノアッセイを実施する手順は、例えば、「ELISA: Theory and Practice: Methods in Molecular Biology」, Vol. 42, J. R. Crowther (Ed.) Human Press, Totowa, NJ, 1995、「Immunoassay」, E. Diamandis and T. Christopoulus, Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1996、および「Practice and Thory of Enzyme Immunoassays」, P. Tijssen, Elsevier Science Publishers, Amsterdam, 1985に記載されている。さらに、アナライトのタンパク質のインビボ検出のための技術は、標識化した抗アナライトタンパク質抗体を対象に導入することを含む。例えば、対象中での存在または局在が標準的な造影技法で検出できる放射性マーカーで、抗体を標識し得る。
NOVX組換え発現ベクターおよび宿主細胞
本発明のもう一つの態様は、NOVXタンパク質またはその誘導体、フラグメント、類似体または相同体をコードする核酸を含有するベクター、好ましくは発現ベクターに関する。本明細書において使用する用語「ベクター」とは、それに結合しているもう一つの核酸を運搬する能力のある核酸分子を指す。ベクターの一つのタイプは「プラスミド」であり、これは、さらに別なDNAセグメントが結合した環状の二重鎖DNAループを指す。ベクターのもう一つのタイプはウイルスベクターであり、ここではさらに別なDNAセグメントをウイルスゲノムの中に結合し得る。特定のベクターは、それらを導入した宿主細胞中で自律増幅することができる(例えば、細菌の複製起点を持つ細菌のベクターおよび哺乳動物のエピゾームベクター)。他のベクター(例えば、哺乳動物の非エピゾームベクター)は、宿主細胞中への導入に際し宿主細胞のゲノム中に組み込まれて、それにより宿主ゲノムと一緒に複製し得る。さらに、特定のベクターは、それらが作動し得るように連結した遺伝子の発現を指示する能力がある。そのようなベクターを、本明細書において「発現ベクター」と呼称する。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形をしている。プラスミドはベクターの最も通常に使用する形態であるので、本明細書においては、「プラスミド」および「ベクター」は互換的に使用し得る。しかしながら、本発明は、同等の機能を有するウイルスベクター(例えば、複製能を欠いたレトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような他の形の発現ベクターを含むこととする。
本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞中における核酸の発現に適した形での本発明の核酸を含み、これは組換え発現ウイルスを、発現に使用する宿主細胞に基づいて選択した発現すべき核酸配列に作動し得るように連結した一つまたはそれ以上の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクター内において、「作動し得るように連結した」とは、興味のある核酸配列が核酸配列の発現を可能にする様式で(例えばインビトロ転写/翻訳システムでまたはベクターを宿主細胞に導入する場合には宿主細胞中で)調節配列に結合していることを意味するものとする。
用語「調節配列」とは、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むものとする。そのような調節配列は、例えば、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)に記載されている。調節配列としては、多くのタイプの宿主細胞中でヌクレオチド配列の構成的発現を指示するものおよび特定の宿主細胞中でのみヌクレオチド配列の発現を指示するもの(例えば、組織特異的調節配列)を挙げ得る。発現ベクターのデザインが、形質転換する宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベル等のような要因に依存し得ることを当業者は理解する。本発明の発現ベクターを宿主細胞に導入して、それにより本明細書に説明するように核酸によりコードする融合タンパク質またはペプチドを含むタンパク質またはペプチド(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の突然変異型、融合タンパク質等)を生産し得る。
本発明の組換え発現ベクターを、原核のまたは真核の細胞中におけるNOVXタンパク質発現用にデザインし得る。例えば、NOVXタンパク質を、Escherichia coliのような細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用して)、酵母細胞または哺乳動物細胞中で発現し得る。適当な宿主細胞は、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)においてさらに考察されている。これに代えて、組換え発現ベクターを、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いてインビトロで転写して、翻訳し得る。
真核細胞中におけるタンパク質の発現は最もしばしば、Escherichia coli中で融合タンパク質または非融合タンパク質のどちらかの発現を指示する構成的または誘導性プロモーターを含有するベクターを用いて行われる。融合ベクターは、その中にコードしたタンパク質に多数のアミノ酸を、通常には組換えタンパク質のアミノ末端に付加する。そのような融合ベクターは典型的に三つの目的に役立つ:(i)組換えタンパク質の発現を増大するため;(ii)組換えタンパク質の溶解性を増加するため;および(iii)アフィニティークロマトグラフィーにおけるリガンドとして作用することにより組換えタンパク質の精製を助けるため。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解による切断部位を融合部分および組換えタンパク質の接合部に導入して、融合部分から組換えタンパク質の分離に引き続いて融合タンパク質の精製を可能にする。そのような酵素、およびそれらと同種の認識配列としては、Factor Xa、トロンビンおよびエンテロキナーゼを挙げ得る。典型的な融合発現ベクターとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAをそれぞれ標的組換えタンパク質に融合させるpGEX(Pharmacia Biotech Inc; Smith and Johnson, 1988. Gene 67: 31-40)、pMAL (New England Biolabs, Beverly, Mass.)およびpRIT5 (Pharmacia, Piscataway, N.J.) を挙げ得る。
適当な誘導性非融合E. coli発現ベクターの例としては、pTrc(Amrann et al., (1988) Gene 69:301-315)およびpET11d (Studier et al., GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 60-89)を挙げ得る。
E. coliにおけるタンパク質発現を最大にする一つの戦略は、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力を障害した宿主細胞中でタンパク質を発現することである。Gottesman, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 119-128を参照されたい。もう一つの戦略は、それぞれのアミノ酸に対する個別のコドンをE. coliで優先的に使用するものとなるように、発現ベクターに挿入する核酸の核酸配列を変更することである(例えば、Wada, et al., 1992. Nucl. Acids Res. 20: 2111-2118を参照)。本発明の核酸配列のそのような変更は標準的DNA合成技法により行い得る。
もう一つの実施態様では、NOVX発現ベクターは酵母の発現ベクターである。酵母のSaccharomyces cerivisae中の発現ベクターの例としては、pYepSec1 (Baldari, et al., 1987. EMBO J. 6: 229-234)、pMFa(Kurjan and Herskowitz, 1982. Cell 30: 933-943)、pJRY88 (Schultz et al., 1987. Gene 54: 113-123)、pYES2(Invitrogen Corporation, San Diego, Calif.)、およびpicZ(InVitrogen Corp, San Diego, Calif.)を挙げ得る。
これに代えて、NOVXをバキュロウイルス発現ベクターを用いて昆虫細胞中で発現し得る。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でのタンパク質発現に利用可能なバクロウイルスベクターとしては、pAcシリーズ(Smith, et al., 1983. Mol. Cell. Biol. 3: 2156-2165) およびpVLシリーズ(Lucklow and Summers, 1989. Virology 170: 31-39)を挙げ得る。
なおもう一つの実施態様では、本発明の核酸を、哺乳動物の発現ベクターを用いて哺乳動物細胞中で発現し得る。哺乳動物の発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed, 1987. Nature 329: 840)およびpMT2PC(Kaufman, et al., 1987. EMBO J. 6: 187-195)を挙げ得る。哺乳動物細胞中で使用するときには、発現ベクターの制御機能はしばしば、ウイルスの調節要素により提供される。例えば、普通に使用するプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスおよびシミアンウイルス40に由来する。原核のおよび真核の細胞両方にとって適当な他の発現系については、例えば、Chapters 16 and 17 of Sambrook, et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989を参照されたい。
もう一つの実施態様では、組換え哺乳動物表現ベクターは、特定の細胞タイプ中で優先的に核酸の発現を指示する能力がある(例えば、組織特異的調節要素を核酸を発現するために使用する)。組織特異的調節要素は当分野において公知である。適当な組織特異的プロモータの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkert, et al., 1987. Genes Dev. 1: 268-277)、リンパ系特異的プロモーター(Calame and Eaton, 1988. Adv. Immunol. 43: 235-275)、特にT細胞受容体(Winoto and Baltimore, 1989. EMBO J. 8: 729-733)および免疫グロブリン (Banerji, et al., 1983. Cell 33: 729-740; Queen and Baltimore, 1983. Cell 33: 741-748)のプロモーター、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター; Byrne and Ruddle, 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5473-5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlund, et al., 1985. Science 230: 912-916)、ならびに乳腺特異的プロモーター(例えば、乳漿;米国特許第4,873,316号及びヨーロッパ出願公開第264,166号)を挙得る。例えば、マウスのhoxプロモーター(Kessel and Gruss, 1990. Science 249: 374-379)およびα−フェトプロテインプロモーター(Campes and Tilghman, 1989. Genes Dev. 3: 537-546)の発生的に調節されるプロモーターも包含する。
本発明はさらに、発現ベクターの中にアンチセンスの配向でクローン化した本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。即ち、DNA分子は、NOVXmRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写による)を可能にするような様式で、調節配列に機能し得るように結合する。種々の細胞タイプ中のアンチセンスRNA分子の連続的発現を指示するアンチセンスの配向にクローン化した核酸に機能し得るように結合した調節配列、例えば、ウイルスのプロモーターおよび/またはエンハンサーを選択することができるか、またはアンチセンスRNAの組織特異的または細胞タイプ特異的な構成的発現を指示する調節配列を選択することができる。アンチセンス発現ベクターは、ベクターを導入した細胞タイプにより活性を決定する高効率調節領域の制御下で、アンチセンス核酸を生産する組換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒化ウイルスの形であり得る。アンチセンス遺伝子を用いた遺伝子発現の調節の考察については、例えば、Weintraub, et al., 「Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis」 Reviews-Trends in Genetics, Vol. 1(1) 1986を参照されたい。
本発明のもう一つの態様は、本発明の組換え発現ベクターを導入する宿主細胞に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」を、本明細書においては互換的に使用する。そのような用語は、特定の対象の細胞のみならずそのような細胞の子孫または潜在的子孫をまた指すことを理解する。突然変異または環境の影響により後の世代に特定の修飾が生じるかもしれないため、そのような子孫は、実際には親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書において使用する用語の範囲内になお含まれる。
宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、NOVXタンパク質を、E. coliのような細菌細胞、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)のような細菌の細胞中で発現することができる。他の適当な宿主細胞は当業者に周知である。
ベクターDNAを、従来の形質転換または形質移入技術により原核細胞または真核の細胞の中に導入することができる。本明細書において使用する用語「形質転換」および「形質移入」とは、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAE−デキストラン仲介性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む外来の核酸(例えばDNA)を宿主細胞に導入するために当分野で認める種々の技術を指すものとする。宿主細胞を形質転換しまたは形質移入するための適当な方法は、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)および他の実験室マニュアルに見出すことができる。
哺乳動物細胞の安定的な形質移入については、使用される発現ベクターおよび形質移入の技法に依存して、細胞のごく小数のフラクションが外来性DNAをそのゲノムの中に組み込み得る。これらの組み込み体を同定し選択するために、選択可能なマーカー(例えば、抗生物質に対する抵抗性)が一般的に、興味のある遺伝子と一緒に宿主細胞に導入される。種々の選択可能なマーカーとしては、G418,ハイグロマイシンおよびメトトレキセートのような薬剤に抵抗性を与えるものが挙げられる。選択可能なマーカーをコードする核酸を、NOVXをコードするものと同一のベクター上で宿主細胞に導入することができか、または別のベクター上で導入することもできる。導入された核酸で安定に形質移入された細胞は、薬剤選択により同定されることができる(例えば、選択可能なマーカーを組み込んでいる細胞は生き残る一方で、他の細胞は死ぬ)。
培地中の原核細胞または真核細胞のような本発明の宿主細胞を用いて、NOVXタンパク質を生産する(即ち、発現する)ことができる。したがって、本発明は、本発明の宿主細胞を用いるNOVXタンパク質の生産方法をさらに提供する。一つの実施態様では、その方法は、本発明の宿主細胞(その中にNOVXタンパク質をコードする組換え発現ベクターを導入する)を、NOVXタンパク質を生産するような適当な培地中で培養することを含む。もう一つの実施態様では、その方法は、培地または宿主細胞からNOVXタンパク質を単離することをさらに含む。
トランスジェニックNOVX動物
本発明の宿主細胞をまた使用して、非ヒトトランスジェニック動物を生産し得る。例えば、一つの実施態様では、本発明の宿主細胞は、その中にNOVXタンパク質コード化配列を導入する受精卵母細胞または胚性幹細胞である。次いで、そのような宿主細胞を使用して、その中で外来性のNOVX配列をゲノムの中に導入する非ヒトトランスジェニック動物、またはその中で内在性のNOVX配列を変更する相同な組換え動物を創成することができる。そのような動物は、NOVXタンパク質の機能および/または活性の研究にならびにNOVXタンパク質活性のモジュレーターの同定および/または評価に有用である。本明細書において使用する「トランスジェニック動物」とは、その中で動物の一つまたはそれ以上の細胞が導入遺伝子を含む非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはラットまたはマウスのようなげっ歯類である。トランスジェニック動物の他の例としては、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両棲類等を挙げ得る。導入遺伝子は、それからトランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムの中に取り込まれ、そして成熟動物のゲノム内に残存して、それによりトランスジェニック動物の一つまたはそれ以上の細胞タイプまたは組織中におけるコード化遺伝子産物の発現を指令する外来性DNAである。本明細書において使用する「相同の組換え動物」とは、その中で内在性NOVX遺伝子が内在性遺伝子および、動物の細胞、例えば、動物の胚細胞の中に動物の発生前に導入された外来性DNA分子との間で相同組換えにより変更した非ヒト動物、好ましくは哺乳類、さらに好ましくはマウスである。
本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を受精卵母細胞の雄性前核の中に(例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染により)導入して、卵母細胞を偽妊娠雌性仮親動物の体内で発生することを可能にすることにより、創成することができる。配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)のヒトNOVXcDNA配列を、非ヒト動物のゲノム内に導入遺伝子として導入することができる。これに代えて、マウスNOVX遺伝子のようなヒトNOVX遺伝子の非ヒト相同体を、ヒトNOVXのcDNAとのハイブリダイゼーション(上にさらに詳述)に基づいて単離して、導入遺伝子として使用し得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた、導入遺伝子の発現効率を増加するために導入遺伝子中に含み得る。組織特異的調節配列をNOVX導入遺伝子に機能し得るように結合して、特定の細胞にNOVXタンパク質の発現を指示し得る。胚の操作およびマイクロインジェクションによる、トランスジェニック動物、特にマウスのような動物の作成方法は当分野において従来的となってきており、例えば、米国特許第4,736,866号; 4,870,009号; および4,873,191号;ならびにHogan, 1986. In: MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.に記載されている。類似の方法を他のトランスジェニック動物の生産に用い得る。初代トランスジェニック動物を、ゲノム内のNOVX導入遺伝子の存在および/または動物の組織または細胞中におけるNOVXmRNAの発現に基づいて、同定し得る。次いで、初代トランスジェニック動物を、導入遺伝子を保持する追加的動物の繁殖に使用し得る。さらに、NOVXタンパク質をコードする導入遺伝子を保持するトランスジェニック動物を使用して、他の導入遺伝子を保持するさらに別なトランスジェニック動物を繁殖し得る。
相同の組換え動物を創成するために、その中に欠失、付加または置換を導入していて、それによりNOVX遺伝子を変化させる例えば機能的に破壊するあるNOVX遺伝子の少なくとも一部を含有するベクターを調製する。NOVX遺伝子は、ヒト遺伝子(例えば配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)のcDNA)であり得るが、さらに好ましくはヒトNOVX遺伝子の非ヒト相同体である。例えば、配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)のヒトNOVX遺伝子のマウス相同体を使用して、マウスゲノム中の内在性NOVX遺伝子を変更するのに適する相同組換えベクターを構築することができる。一つの実施態様では、ベクターを、相同組換えにより、内在性遺伝子を機能的に破壊する(即ち、もはや機能的なタンパク質をコードしない;「ノックアウト」ベクターとも呼称する)ようにデザインする。
これに代えて、ベクターは、相同組換えにより内在性NOVX遺伝子を変異するかまたは他のように変更するが、依然機能性タンパク質をコードする(例えば、上流の調節領域を変更してそれにより内在性NOVXタンパク質の発現を変更する)ようにデザインし得る。相同組換えベクターでは、NOVX遺伝子の変更したタンパク質は、NOVX遺伝子のさらに別な核酸により5'末端または3'末端に隣接して、ベクターにより保持する外来性NOVX遺伝子および胚性幹細胞中の内在性NOVX遺伝子の間で相同組換えが起こることを可能にする。さらに別な隣接NOVX核酸は、内在性遺伝子と成功裏に相同組換えが起きるように十分な長さを持つ。典型的には、数キロ塩基の隣接DNA(5'末端および3'末端の両方とも)をベクターに含み得る。相同組換えベクターの記載については、例えば、Thomas, et al., 1987. Cell 51: 503を参照されたい。次いで、ベクターを胚性幹細胞株に(例えば、エレクトロポレーションにより)導入し、そしてその中で導入したNOVX遺伝子を内在性NOVX遺伝子と相同的に組み換えた細胞を選択する。例えば、Li, et al., 1992. Cell 69: 915を参照されたい。
次いで、選択した細胞を動物(例えば、マウス)の胚盤胞の中に注入して、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley, 1987. In: TERATOCARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS: A PRACTICAL APPROACH, Robertson, ed. IRL, Oxford, pp. 113-152を参照されたい。次いで、キメラ胚を適当な偽妊娠雌性仮親動物に植え込んで、胚を満期出産する。生殖細胞内に相同組換えしたDNAを保持している子孫を用いて、その中で動物の全ての細胞が、導入遺伝子の生殖系列を介した伝達により相同組換えDNAを含有する動物を繁殖させることができる。相同組換えベクターおよび相同組換え動物を構築する方法は、Bradley, 1991. Curr. Opin. Biotechnol. 2: 823-829; PCT国際公開第: WO90/11354号;WO91/01140号;WO92/0968号;およびWO93/04169号にさらに記載される。
もう一つの実施態様では、導入遺伝子の調節発現を可能にする選択したシステムを含有する非ヒトトランスジェニック動物を生産し得る。そのようなシステムの一つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼシステムである。cre/loxPリコンビナーゼシステムの記載については、例えば、Lakso, et al., 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6232-6236を参照されたい。リコンビナーゼシステムのもう一つの例は、Saccharomyces cerevisiaeのFLPリコンビナーゼシステムである。O'Gorman, et al., 1991. Science 251:1351-1355を参照されたい。もしcre/loxPリコンビナーゼシステムを用いて導入遺伝子の発現を調節するならば、Creリコンビナーゼおよび選択したタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含有する動物が必要となる。そのような動物は、例えば、一つは選択したタンパク質をコードする導入遺伝子を含有し、他はリコンビナーゼをコードする導入遺伝子を含有する二つのトランスジェニック動物を交配させることによる「ダブル」トランスジェニック動物の構築により提供し得る。
本明細書に説明した非ヒトトランスジェニック動物のクローンはまた、Wilmut, et al., 1997. Nature 385: 810-813に記載された方法にしたがって生産することができる。略述すれば、トランスジェニック動物から細胞(例えば体細胞)を単離し、誘導して、増殖サイクルから抜け出てG期に入ることができる。次いで、静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により静止細胞を単離したのと同じ種類の動物由来の脱核した卵母細胞と融合することができる。次いで、再構成した卵母細胞を、それを桑実胚または胚盤胞にまで発生させて、次いで擬妊娠雌性仮親動物に導入するように培養する。この雌性仮親動物から生まれた子孫は、細胞(例えば体細胞)を単離する動物のクローンである。
医薬組成物
本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、抗−NOVX抗体(本明細書では「活性化合物」ともいう)、ならびにそれらの誘導体、フラグメント、類似体および相同体を投与に適する医薬組成物の中に組込み得る。典型的に、そのような組成物は核酸分子、タンパク質または抗体およびおよび医薬的に許容され得る担体を含む。本明細書において使用する「医薬的に許容され得る担体」とは、医薬品投与に適合する任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌および抗かび剤、等張および吸収遅延剤等を含むことを意図する。適当な担体は、この分野で標準的な参照テキストであるRemingtonの薬剤学の最新版(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。そのような担体または賦形剤の好ましい例としては、水、食塩水、フィンガー溶液、ブドウ糖溶液および5%ヒト血清アルブミンを挙げるが、それらに限定しない。リポソームおよび脂肪油のような非水溶性ビークルもまた使用する。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤は当分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物に適合しない限りでなければ、組成物内のそれらの使用を意図する。補助的な活性化合物をまた、組成物の中に組込み得る。
本発明の医薬組成物を、その意図する投与経路に適合するように処方する。投与経路の例としては、非経口の、例えば、静脈の、皮内の、皮下の、経口の(例えば、吸入)、経皮の(即ち局所の)、経粘膜のおよび直腸の投与を挙げ得る。非経口の、皮内のまたは皮下の応用に使用する溶液または懸濁液としては、以下の成分を挙げることができる:注射用水のような無菌賦形剤、食塩水溶液、脂肪油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝剤、ならびに塩化ナトリウムまたはブドウ糖のような等張性を調整する薬剤。塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基を用いてpHを調整することができる。非経口性製剤を、ガラスまたはプラスチックで作るアンプル、使い捨て注射器、または多回使用バイアルの中に封入し得る。
注射用に適する医薬組成物としては、無菌水溶液(水溶性である場合)または分散液および無菌注射用の溶液または分散液の必要に応じて調合する製剤用の無菌粉末を挙げ得る。静脈投与のためには、適当な担体としては、生理食塩水、静菌性水、Cremophor EL[登録商標] (BASF, Parsippany, N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)を挙げ得る。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性であるべきである。それは製造および保管の条件下で安定でなければならず、そして細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよび液性ポリエチレングリコール等)ならびにそれらの適当な混合液を含有する溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性を、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒子径の維持により、および界面活性剤の使用により、保持し得る。微生物作用の保護は、種々の抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等、により達成される。多くの場合に、組成物中に、等張性薬剤、例えば、砂糖、マニトールのようなポリアルコール、ソルビトール、塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成剤の吸収の延長は、組成物中に吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによりもたらせ得る。
無菌注射用溶液を、適切な溶媒の中に一つまたは上で列挙した成分の組合せと共に必要な量で活性化合物(例えば、あるNOVXタンパク質または抗NOVX抗体)を組み込み、ついでろ過滅菌を行なうことにより調製することができる。一般的に、分散液は、基本的な分散媒体および上で列挙したものから必要な他の成分を含有する無菌ビークルの中に活性化合物を組み込むことにより調製することができる。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合には、調製方法は、活性成分の粉末プラス前もって無菌ろ過されたその溶液からの任意のさらに別の望ましい成分の粉末を生成する真空乾燥および凍結乾燥である。
一般的に、経口の組成物は、不活性賦形剤または食用の担体を含む。それらをゼラチンカプセル中に封入するかまたは錠剤に打錠することができる。経口治療投与の目的には、活性化合物を添加物と共に組込んで錠剤、トローチまたはカプセルの形状で使用することができる。経口の組成物をまた、うがい薬としての使用のために液体担体を用いて調製し得るが、そこでは液体担体中の化合物を経口的に塗布し、さっと取り除いて、吐き出すか飲み込む。薬学的に適合する結合剤、おおび/またはアジュバント材料を組成物の一部として含み得る。錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等は任意の以下の成分または同様な性質を持つ化合物を含有し得る:微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンのような結合剤;デンプンまたは乳糖のような添加剤、アルギン酸、プリモゲルまたはコーンスターチのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロートのような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のような滑り剤;ショ糖またはサッカリンのような甘味剤;またはハッカ、サルチル酸メチル、オレンジ香料のような着香剤。
吸入による投与のためには、化合物を、適当な噴射剤、例えば二酸化炭素のようなガスを含有する加圧容器またはディスペンザー、またはネブライザーからエアゾールスプレイの形式で送達し得る。
全身的投与はまた、経粘液または経皮手段により得る。経粘液または経皮投与のためには、透過すべきバリアーに適切な浸透剤を処方に使用する。そのような浸透剤は当分野において一般的に公知であり、そして、例えば、経粘液投与のためには、洗剤、胆汁酸塩、フシジン酸誘導体を挙げ得る。経粘液投与は鼻腔スプレーまたは坐剤の使用により達成され得る。経皮投与のためには、活性化合物は、当分野において一般的に公知であるように、軟膏、軟膏剤、ゲルまたはクリームの中に処方される。
化合物をまた、直腸送達のために坐薬(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのような従来の坐剤用基材と共に)または保持浣腸剤の形式で調製し得る。
一つの実施態様において、活性化合物を、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤のように、化合物を身体からの迅速な排泄から防止する担体と共に調製する。酢酸エチレンビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ酢酸のような、生物分解性で生体適合性のポリマーを使用し得る。そのような製剤を調製する方法は当業者に明らかである。材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から市販で入手可能である。リポソームの懸濁液(モノクローナル抗体を持つ感染した細胞からウイルス抗体に至って標的化したリポソームを含む)をまた、医薬的に許容され得る担体として使用することができる。これらを、例えば米国特許第4,522,811号に記載のように、当業者に公知の方法に従い調製し得る。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口性または非経口性の組成物を単位投与剤型で処方することが特に有益である。本明細書で使用する単位投与剤型とは、処置する対象に対して単一の投与量として適する物理学的に分離した単位を指し;それぞれの単位は、必要な薬学的な担体と一緒に望ましい治療効果を生じるように計算した予め決められた量の活性化合物を含有する。本発明の単位投与剤型の規格は、活性化合物の特異な特色および達成するべき特別な治療効果、ならびにそのような活性化合物を個体の処置のために配合する当分野に固有の制限により指示されかつ直接に依存する。
本発明の核酸分子をベクターの中に挿入して遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターを、例えば、静脈注射、局所投与により(例えば、米国特許第5,328,470号を参照)または走触性注射(例えば、Chen, et al., 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 3054-3057を参照)により送達し得る。遺伝子治療ベクターの医薬製剤は、許容される賦形剤の中に遺伝子治療ベクターを含むか、またはその中に遺伝子治療ベクターを埋め込んだ持続性マトリックスを含み得る。これに代えて、完全な遺伝子治療ベクターを組換え細胞、例えばレテロウイルスベクターから無傷で生産し得る場合には、医薬製剤は遺伝子送達システムを生産する一つまたはそれ以上の細胞を含み得る。
医薬製剤を、投与指示書と共に、容器、パックまたはディスペンサーの中に含み得る。
スクリーニングおよび検出の方法
以下に詳述するように、本発明の単離核酸分子を使用して、NOVXタンパク質を発現し(例えば、遺伝子治療応用において宿主細胞中で組換え発現ベクターを介して)、NOVXmRNA(例えば、生物学的試料中の)またはNOVX遺伝子中の遺伝的欠損を検出し、そしてNOVX活性を調整することができる。加えて、NOVXタンパク質を用いて、NOVXタンパク質の活性または発現を調整する薬または化合物をスクリーニングし、ならびにNOVXタンパク質の不十分なまたは過剰な生産、またはNOVXの野生型タンパク質と比較して低下または異常な活性を有するNOVXタンパク質型の生産を特徴とする疾患(例えば;糖尿病(インスリン放出を調節する);肥満(脂質に結合し輸送する);肥満に関連した代謝障害、代謝的シンドロームXならびに慢性障害および種々のがんに随伴する食欲不振および消耗性障害、ならびに感染性疾患(抗微生物活性を有する)および種々の異脂肪血症を処置し得る。加えて、本発明の抗NOVX抗体を使用して、NOVXタンパク質を検出しかつ単離し、そしてNOVX活性を調整し得る。なおさらなる態様では、本発明を方法で使用して、食欲、栄養の吸収および代謝基質の処分を正および負の両方の様式で影響させることができる。
本発明はさらに、本明細書に説明するスクリーニングアッセイで同定する新規な薬剤および上述の処置のためのそれらの使用に関する。
スクリーニングアッセイ
本発明は、モジュレーター、即ち、NOVXタンパク質に結合するか、または、例えばNOVXタンパク質の発現またはNOVXタンパク質の活性に促進的または阻害的作用を有する候補または試験化合物または薬剤(例えば、ペプチド、ペプチドミメティクス、低分子または他の薬)を同定する方法(本明細書では「スクリーニングアッセイ」とも呼称する)を提供する。本発明はまた、本明細書に説明するスクリーニングアッセイにおいて同定した化合物を含む。
一つの実施態様では、本発明は、膜結合型のあるNOVXタンパク質またはポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分に結合するかまたは活性を調整する候補または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物を、生物学的ライブラリー;空間的にアドレス参照可能な並列の固相または液相ライブラリー;デコンボリューションを必要とする合成的ライブラリー方法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー方法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー方法:を含む、当分野において周知のコンビナトリアルライブラリーにおける数多くのアプローチのいずれを用いても得られる。生物学的ライブラリーのアプローチはペプチドライブラリーに限定される一方で、他の4種のアプローチはペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である。例えば、Lam, 1997. Anticancer Drug Design 12: 145を参照されたい。
本明細書において使用する「低分子」とは、約5kD未満の、最も好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物を指す。低分子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドミメティクス、炭水化物、脂質または他の有機のまたは無機の分子であり得る。化学的および/または、真菌、細菌、または藻類の抽出物のような、生物学的混合物は当分野において公知であり、本発明の任意のアッセイを用いてスクリーニングすることができる。
分子ライブラリー合成方法の例を、例えば、DeWitt, et al., 1993. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 6909、Erb, et al., 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91: 11422、Zuckermann, et al., 1994. J. Med. Chem. 37: 2678、Cho, et al., 1993. Science 261: 1303; Carrell, et al., 1994. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 2059、Carell, et al., 1994. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 2061、およびGallop, et al., 1994. J. Med. Chem. 37: 1233における当分野に見出し得る。
化合物のライブラリーを、溶液中で(例えば、Houghten, 1992. Biotechniques 13: 412-421)、またはビーズ上で(Lam, 1991. Nature 354: 82-84)、チップ上で(Fodor, 1993. Nature 364: 555-556)、バクテリア(Ladner, 米国特許第5,223,409号)、胞子 (Ladner, 米国特許第5,233,409号)、プラスミド (Cull, et al., 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 1865-1869)上でまたはファージ上で(Scott and Smith, 1990. Science 249: 386-390; Devlin, 1990. Science 249: 404-406、Cwirla, et al., 1990. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87: 6378-6382、Felici, 1991. J. Mol. Biol. 222: 301-310、Ladner, 米国特許第5,233,409号)で提供し得る。
ある実施態様では、アッセイは細胞に基づくアッセイであり、そこでは膜結合型のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面に発現する細胞を試験化合物と接触させ、そして試験化合物があるNOVXタンパク質に結合する能力を測定する。細胞は、例えば、哺乳動物由来または酵母細胞であり得る。試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力を測定することは、例えば、試験化合物を放射性同位元素または酵素標識とカップリングして、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分への試験化合物の結合を、複合物中の標識化合物を検出することにより測定できるようにする。例えば、試験化合物を、125I、35S、14CまたはHで直接的にまたは間接的に標識し、そして放射性同位元素を放射線放射の直接計数またはシンチレーション計数により検出する。これに代えて、試験化合物を、例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼにより酵素的に標識し、そして適切な基質の生産物への変換の測定により酵素標識を検出する。ある実施態様では、アッセイは、膜結合型のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面に発現する細胞を、NOVXに結合する既知の化合物と接触して、アッセイ混合物を形成して、アッセイ混合物を試験化合物と接触し、そして試験化合物があるNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することを含むが、そこでは試験化合物があるNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することは、試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分に、既知化合物と比較して優先的に結合する能力を測定することを含む。
もう一つの実施態様では、アッセイは細胞に基づくアッセイであり、膜結合型のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面に発現する細胞を試験化合物と接触し、そして試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調整する(例えば促進または阻害する)能力を測定することを含む。試験化合物がNOVXまたはその生物学的に活性な部分の活性を調整する活性を測定することは、例えば、NOVXタンパク質があるNOVXの標的分子と結合するかまたは相互作用をする能力を測定することにより達成し得る。本明細書において使用する「標的分子」とは、自然界であるNOVXタンパク質が結合または相互作用する分子、例えば、あるNOVXと相互作用するタンパク質を発現する細胞表面の分子、2番目の細胞表面の分子、細胞外の環境中の分子、細胞膜の内側表面と会合している分子または細胞質の分子である。NOVXの標的分子は、非NOVX分子または本発明のあるNOVXタンパク質またはポリペプチドであり得る。一つの実施態様では、あるNOVXの標的分子は、細胞外のシグナル(例えば、膜結合NOVX分子への化合物の結合により発生するシグナル)を細胞膜を通してかつ細胞内への伝達を促進する情報伝達経路の成分である。標的は、例えば、触媒活性を有する2番目の細胞内タンパク質または下流のシグナル分子とNOVXとの会合を促進するタンパク質であり得る。
NOVXタンパク質をあるNOVXの標的分子と結合するかまたは相互作用をする能力を測定することは、直接的な結合を測定する上述の方法の一つにより達成し得る。一つの実施態様では、NOVXタンパク質があるNOVXの標的分子と結合または相互作用する能力を測定することは、標的分子の活性を測定することにより達成することができる。例えば、標的分子の活性を、標的の細胞性第二のメッセンジャー(即ち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP等)の誘導を検出すること、適切な基質に対する標的の触媒/酵素活性を検出すること、受容体遺伝子(検出可能なマーカー、例えば、ルシフェラーゼ、をコードする核酸に機能し得るように結合したNOVX応答性調節要素を含む)の誘導を検出すること、または細胞応答、例えば、細胞の生存、細胞の分化、または細胞の増殖、を検出することにより測定し得る。
なおもう一つの実施態様では、本発明のアッセイは無細胞アッセイであって、あるNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触し、そして試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分と結合する能力を測定することを含む。NOVXタンパク質への試験化合物の結合を、上述のように、直接的または間接的のどちらかで測定することができる。一つのそのような実施態様では、アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分をNOVXと結合する既知の化合物と接触して、アッセイ混合物を形成すること、アッセイ混合物を試験化合物と接触すること、および試験化合物があるNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することを含むが、そこでは試験化合物があるNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することは、試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分に既知化合物と比較して優先的に結合する能力を測定することを含む。
なおもう一つの実施態様では、アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性なタンパク質を試験化合物と接触し、そして試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性なタンパク質の活性を調整する(例えば促進または阻害する)能力を測定することを含む無細胞アッセイである。NOVXの活性を調整する試験化合物の能力を測定することは、例えば、NOVXタンパク質があるNOVXの標的分子に結合する活性を直接な結合を測定するために上述した方法の一つにより達成することができる。さらに別の実施態様では、試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力を測定することは、NOVXタンパク質がさらにあるNOVXの標的分子を調整する能力を測定することにより達成することができる。例えば、適切な基質に対する標的分子の触媒/酵素活性を上述のように測定することができる。
なおもう一つの実施態様では、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分をNOVXタンパク質と結合する既知の化合物と接触して、アッセイ混合物を形成すること、アッセイ混合物を試験化合物と接触すること、そして試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することを含むが、そこでは試験化合物があるNOVXタンパク質と相互作用する能力を測定することは、NOVXタンパク質があるNOVXの標的分子に優先的に結合するかまたはその活性を調整する能力を測定することを含む。
本発明の無細胞アッセイは、可溶性型または膜結合型のNOVXタンパク質の両方に使用することができる。膜結合型のNOVXタンパク質を含む無細胞アッセイの場合には、膜結合型のNOVXタンパク質を溶液中に維持するように、可溶化剤を利用するのが望ましい。そのような可溶化剤の例としては、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton[登録商標]X-100、Triton[登録商標]X-114、Thesit[登録商標]、イソトリデシポリ(エチレングリコールエーテル)のような非イオン性界面活性剤、N−ドデシル−N,N−ジメチル−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアミニオール−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、または3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアミニオール−2ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(CHAPSO)を挙げ得る。
本発明の上記のアッセイ法の二つ以上の実施態様において、NOVXタンパク質またはその標的分子を固相化して、一つまたは両方のタンパク質の非複合型から複合型の分離を容易にし、ならびにアッセイの自動化に適合することができる。試験化合物のNOVXタンパク質への結合、または候補化合物存在下および非存在下でのNOVXタンパク質と標的分子との相互作用は、反応物質を含有するのに適する任意の容器において達成することができる。そのような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管、およびマイクロ遠心チューブを挙げ得る。一つの実施態様では、一つまたは両方のタンパク質をマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質を提供し得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質またはGST−標的融合タンパク質をグルタチオンセファローズビーズ(Sigma Chemical, St. Louis, MO)またはグルタチオンで誘導体化したマイクロタイタープレート上に吸着し、これを次いで試験化合物、または試験化合物および非吸着標的タンパク質またはNOVXタンパク質のどちらかと結合し、そして混合物を複合体形成を促進する条件下で(例えば、塩およびpHに関して生理的な条件で)インキュベートする。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレート穴を洗滌して、非結合成分を全て除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定化し、複合体を例えば上述のように、直接的にまたは間接的に測定する。これに代えて、複合体をマトリックスから解離し、そしてNOVXタンパク質の結合または活性レベルを標準的技術を用いて測定することもできる。
マトリックス上にタンパク質を固定化する他の技術をまた、本発明のスクリーニングアッセイに使用し得る。例えば、NOVXタンパク質またはその標的分子のいずれかをビオチンおよびストレプトアビジンの結合を利用して固定化することができる。ビオチニル化NOVXタンパク質または標的分子をビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−サクシンイミド)から当分野内で周知の技術(例えば、ビオチニル化キット、Pierce Chemicals, Rockford, Ill.)を用いて調製して、ストレプトアビジンをコーティングした96穴プレート(Pierce Chemical)の穴に固定化することができる。これに代えて、NOVXタンパク質または標的分子と反応性であるが、NOVXタンパク質のその標的タンパク質への結合を妨害しない抗体をプレートの穴に誘導体化して、非結合標的またはNOVXタンパク質を抗体との結合により穴に捕捉することができる。そのような複合体を検出する方法としては、GST−固定化複合体について上述したものに加えて、NOVXタンパク質または標的分子と反応する抗体を用いる複合体の免疫検出、ならびにNOVXタンパク質または標的分子に関連した酵素活性を検出することに依存する酵素結合アッセイを挙げ得る。
もう一つの実施態様では、NOVXタンパク質発現のモジュレータを、細胞を候補化合物と接触し、細胞中のNOVXmRNAまたはタンパク質の発現を測定する方法で同定する。候補化合物の存在下でのNOVXmRNAまたはタンパク質の発現レベルを、候補化合物の非存在下でのNOVXmRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較する。次いで、候補化合物を、この比較に基づいてNOVXmRNAまたはタンパク質のモジュレータとして同定し得る。例えば、NOVXmRNAまたはタンパク質の発現を候補化合物の存在下での方がその非存在下でよりも多い(即ち統計的に有意に多い)ときには、候補化合物を、NOVXmRNAまたはタンパク質発現の促進剤として同定する。これに代えて、NOVXmRNAまたはタンパク質の発現が候補化合物の存在下での方がその非存在下でよりも少ない(即ち統計的に有意に少ない)ときには、候補化合物を、NOVXmRNAまたはタンパク質発現の阻害剤として同定する。細胞中のNOVXmRNAまたはタンパク質の発現のレベルを、NOVXmRNAまたはタンパク質を検出するために本明細書で説明する方法により測定することができる。
本発明のなおもう一つの態様では、NOVXタンパク質は2ハイブリッドアッセイまたは3ハイブリッドアッセイ(例えば米国特許第5,283,317号、Zervos, et al., 1993. Cell 72: 223-232、Madura, et al., 1993. J. Biol. Chem. 268: 12046-12054、Bartel, et al., 1993. Biotechniques 14: 920-924、Iwabuchi, et al., 1993. Oncogene 8: 1693-1696、および Brent 第WO94/10300号を参照)おける「ベイトタンパク質」として使用して、NOVXと結合または相互作用をしてNOVX活性を調整する他のタンパク質(「NOVX結合タンパク質」または「NOVX−bp」)を同定し得る。そのようなNOVX結合タンパク質はまた、例えば、NOVX経路の上流または下流の要素としてNOVXタンパク質によるシグナルの増幅に関与する可能性が高い。
2ハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合および活性化ドメインより成る殆どの転写因子のモジュール構成的性質に基づく。略述すれば、アッセイには2つの異なるDNA構築物を利用する。1つの構築物においては、NOVXをコードする遺伝子を既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合する。他の構築物においては、未同定のタンパク質(「プレイ」または「試料」)をコードするDNA配列ライブラリー由来のDNAを、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合する。もし「ベイト」および「プレイ」タンパク質がインビボで相互作用してNOVX依存性複合体を形成することができれば、転写因子のDNA結合および活性化ドメインを近くに引き寄せ得る。この近接は、転写因子に応答性の転写調節部位に機能し得るように結合したレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現を検出し、機能的転写因子を含有する細胞コロニーを単離し、そしてこれを用いてNOVXと相互作用するタンパク質をコードするクローン化遺伝子を得ることができる。
本発明はさらに前述のスクリーニングアッセイにより同定する新規薬剤および本明細書に説明する処置へのその使用に関する。
検出アッセイ
本明細書で同定するcDNAの一部またはフラグメント(および対応する完全な遺伝子配列)をポリヌクレオチド試薬として種々の方式で使用することができる。例として、限定は無しに、これらの配列を:(i)染色体上にそれぞれの遺伝子をマップし;かくして遺伝的疾患に関連した遺伝子領域を位置決定する;(ii)微量の生物学的試料から個体を同定する(組織タイピング);および(iii)生物学的試料の法医学的同定を助けるために用い得る。これらの応用の幾つかを以下のサブセクションで説明する。
染色体マッピング
一旦遺伝子の配列(または配列の一部)を単離すれば、この配列を用いて、染色体上の遺伝子の位置をマップすることができる。この方法を染色体マッピングと呼ぶ。したがって、配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)であるNOVX配列の一部またはフラグメント、またはそれらのフラグメントまたは誘導体を用いて、染色体上のNOVX遺伝子の位置をそれぞれマップし得る。染色体へのNOVX配列のマッピングは、これらの配列を疾患に関連する遺伝子と相関づける重要な第一歩である。
略述すれば、NOVX遺伝子を、NOVX配列からPCRプライマー(好ましくは15−25bp長)を調製することにより染色体にマップし得る。NOVX配列のコンピューター分析を使用して、そのため増幅プロセスを複雑にする、ゲノムDNA中の二つ以上のエキソンに亘らないプライマーを迅速に選択し得る。次いで、これらのプライマーを、個別のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用し得る。NOVX配列に対応するヒト遺伝子を含有するそれらのハイブリッドのが、増幅したフラグメントを生成する。
体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳動物由来の体細胞(例えば、ヒトおよびマウスの細胞)を融合することにより調製する。ヒトおよびマウスの細胞のハイブリッドが増殖し、分裂するうちに、それらはヒト染色体をランダムな順序で徐々に欠失するが、マウスの染色体を保持する。特定の酵素を欠くためマウス細胞は増殖できないが、ヒト細胞は増殖できる培地を用いることにより、必要とする酵素をコードする遺伝子を含有する一つのヒト染色体を保持する。種々の培地を使用することにより、ハイブリッド細胞株のパネルを樹立し得る。パネル中のそれぞれの細胞株は、単一のヒト染色体または少数のヒト染色体、および完全なセットのマウス染色体を含有し、個別の遺伝子を特定のヒト染色体に容易にマップすることを可能にする。例えば、D'Eustachio, et al., 1983. Science 220: 919-924を参照されたい。ヒト染色体のフラグメントのみを含有する体細胞ハイブリッドをまた、転座および欠失を持つヒト染色体を用いることにより生産し得る。
体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の配列を特定の染色体に対応付ける迅速な手順である。単一のサーマルサイクラーを用いて、1日に3個以上の配列を対応付けることが可能である。NOVX配列を用いてオリゴヌクレオチドプライマーをデザインすることにより、特定の染色体由来のフラグメントのパネルを用いて細かな局在部位の特定化を達成し得る。
分裂中期の染色体スプレッドへのDNA配列の蛍光インシツハイブリダイゼーション(FISH)をさらに用いて、正確な染色体上の位置を1ステップで提供し得る。染色体スプレッドを、コルセミドのような紡錘体を破壊する化学物質により細胞分裂を分裂中期でブロックされている細胞を用いて作成し得る。染色体を短時間トリプシンで処理し、次いでギムザ染色し得る。明暗のバンドのパターンがそれぞれの染色体上に出現し、それにより染色体を個別に同定し得る。FISH技術を500または600塩基と短いDNA配列で使用し得る。しかしながら、1,000塩基より大きなクローンは、簡単な検出に十分なシグナル強度で特定の染色体上の位置に結合する可能性がより高い。好ましくは1,000塩基、そしてさらに好ましくは2,000塩基が合理的な時間に良好な結果を得るのに十分である。この技術の総説については、Verma, et al., HUMAN CHROMOSOMES: A MANUAL OF BASIC TECHNIQUES (Pergamon Press, New York 1988を参照されたい。
染色体マッピング用の試薬を個別に使用して、単一の染色体またはその染色体上の単一の部位を標識すること、または試薬のパネルを複数の部位および/または複数の染色体を標識するために使用し得る。遺伝子の非コード化領域に対応する試薬が実際には、マッピングの目的には好ましい。コード化領域を遺伝子ファミリー内で保存する可能性がより高く、かくして染色体マッピングの間に交叉ハイブリダイゼーションのチャンスが増大する。
一旦配列を正確な染色体上の位置にマッピングすると、染色体上の配列の物理的な位置を遺伝子マップのデータと関連づけ得る。そのようなデータを、例えば、in McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Hopkins University Welch Medical Libraryを通してオンラインで入手可能)に見出す。同じ染色体部位にマッピングした遺伝子と疾患との間の関係を、次いで、例えば、Egeland, et al., 1987. Nature, 325: 783-787に記載する関連分析(物理的に隣接している遺伝子の同時遺伝)により同定し得る。
さらに、NOVX遺伝子に関連した疾患に罹患している個体と罹患していない個体の間のDNA配列の差を測定し得る。もし変異を罹患している個体のいくらかまたは全部で観察するが、罹患していない個体のいずれでも観察しないならば、変異は特定の疾患の原因剤である可能性が高い。罹患した個体と罹患していない個体の比較は一般的に、まず染色体スプレッドから視認可能な欠失または転座のような染色体の目に見える構造変化、またはそのDNA配列に基づくPCRの使用で検出可能な構造変化の探索を伴う。最後に、数人の個体由来の遺伝子の完全なシークエンシングを行って、変異の存在を確認し、そして変異を多型性と区別し得る。
組織タイピング
本発明のNOVX配列をまた使用して、微量な生物学的試料から個体を同定し得る。この技術では、個体のゲノムDNAを一つまたはそれ以上の制限酵素で消化して、サザンブロット上でプローブ結合し、同定用のユニークなバンドを生成する。本発明の配列は、RFLP(制限断片長多型、米国特許第5,272,057号に記載)のさらに別なDNAマーカーとして有用である。
さらに、本発明の配列を使用して、個体のゲノムの選択した部分の実際の塩基ごとのDNA配列を測定するさらに別な技術を提供し得る。かくして、本明細書に説明したNOVX配列を用いて、配列の5'末端および3'末端から二つののPCRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを用いて、個体のDNAを増幅し、引き続いてこれをシークエンシングし得る。
それぞれの個体は、対立遺伝子の違いによるそのようなDNAの特徴的セットを有するため、この様式で調製した個体由来の対応するDNA配列のパネルは、特徴的個体の同定を提供し得る。本発明の配列を使用して、個体および組織由来のそのような同定配列を得ることができる。本発明のNOVX配列は、ヒトゲノムの部分を特徴的に表現する。対立遺伝子の変異は、これらの配列のコード化領域中にある程度起こり、そして非コード化領域中にはより大きな程度で起こる。個別のヒト間の対立遺伝子の変異は、500塩基に約1個の頻度で起こるとみつもられる。対立遺伝子変異の多くは、制限断片長多型(RFLP)を含む単一ヌクレオチド多型(SNP)に因る。
本明細書に説明する配列のそれぞれを、個体由来のDNAを同定の目的で比較し得る標準として、ある程度、使用し得る。非コード化領域にはより多くの遺伝子多型が起こるため、個体を識別するにはより少ない配列が必要である。非コード化配列は、それぞれが100塩基の非コード化増幅配列を生じる多分10〜1,000個のプライマーのパネルにより個体の明白な同定を無理なく提供し得る。もし配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)の配列のような予想するコード化配列を使用すれば、明白な個体の同定のためのさらに適切なプライマーの数は500〜2,000である。
予測医学
本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬理ゲノミクス、および臨床試験のモニタリングを予後的(予測的)目的で使用し、それにより個体を予防的に処置する、予測医学の分野に関する。したがって、本発明の1つの態様は、NOVXタンパク質および/または核酸の発現ならびにNOVX活性を生物学的試料(例えば、血液、血清、細胞、組織)との関連で測定して、それにより個体が異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患または障害に罹患しているか、または障害を発症するリスクを有しているか否かを測定するための診断アッセイに関する。障害としては、代謝障害、糖尿病、肥満、感染性疾患、食欲不振、がん関連悪液質、がん、神経変性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、ならびに種々の異脂肪血症、肥満に伴う代謝障害、代謝性シンドロームXならびに慢性疾患および種々のがんに関連した消耗性疾患を挙げ得る。本発明はまた、個体がNOVXタンパク質、核酸の発現または活性に関連した障害を発症するリスクを有しているか否かを測定するための予後的(予測的)アッセイを提供する。例えば、あるNOVX遺伝子の突然変異を生物学的試料中でアッセイし得る。そのようなアッセイを、予後的または予測的目的に使用し、それによりNOVXタンパク質、核酸の発現または生物学的活性を特徴とするかまたはこれと関連する障害の発生に先立って個体を予防的に処置し得る。
本発明のもう一つの態様は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸発現または活性を測定し、それによりその個体にとって適切な治療的または予防的な薬剤を選択する方法(本明細書では「薬理ゲノミクス」と呼称する)を提供する。薬理ゲノミクスは、個体の遺伝子型に基づいた個体の治療的または予防的処置のための薬剤(例えば薬)の選択を可能にする(例えば、個体の遺伝子型を検査して、個体が特定の薬剤に応答する能力を測定する)。
本発明のなおもう一つの態様は、薬剤(例えば、薬、化合物)が臨床試験においてNOVXの発現または活性に与える影響をモニタリングすることに関する。
これらおよび他の薬剤については以下のセクションで詳細に説明する。
診断的アッセイ
生物学的試料中におけるNOVXの存在または非存在を検出する例示的な方法は、被験対象から生物学的試料を得ること、および生物学的試料をNOVXタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出する能力のある化合物または薬剤と接触し、NOVXの存在が生物学的試料中で検出できるようにすることを伴う。NOVXmRNAまたはゲノムDNAの検出用の薬剤は、NOVXmRNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズする能力のある標識核酸プローブである。核酸プローブは、例えば、配列番号2n−1(ここで、nは1〜88の整数である)の核酸のような全長NOVX核酸、または少なくとも15、30、50、100、250または500ヌクレオチド長でそして厳密な条件下でNOVXmRNAまたはゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドの一部である。本発明の診断的アッセイにおいて使用するための他の適当なプローブを本明細書で説明する。
NOVXタンパク質検出用の薬剤は、NOVXタンパク質に結合する能力のある抗体、好ましくは検出可能な標識を持つ抗体である。抗体は、ポリクローナル、またはさらに好ましくはモノクローナルであり得る。インタクトな抗体、またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab'))を使用し得る。プローブまたは抗体に関する用語「標識」とは、検出可能な物質をプローブまたは抗体にカップリングする(即ち物理的に連結する)ことによりプローブまたは抗体を直接的に標識すること、ならびに直接標識したもう一つの試薬との反応性によりプローブまたは抗体を間接的に標識することを包含する。間接的な標識の例としては、蛍光標識した第2抗体を用いた第1抗体の検出、および蛍光標識したストレブトアビジンで検出し得るように、ビオチンでDNAプローブを末端標識することを挙げ得る。用語「生物学的試料」とは、対象から単離した組織、細胞および生物学的流体、ならびに対象内に存在する組織、細胞および流体を含む。即ち、本発明の検出法を使用して、インビトロおよびインビボで生物学的試料中のNOVXmRNA、タンパク質、またはゲノムDNAを検出し得る。例えば、NOVXmRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインシツハイブリダイゼーションを挙げ得る。NOVXタンパク質を検出するためのインビトロ技術としては、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降、および免疫蛍光を挙げ得る。NOVXゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションを挙げ得る。さらに、NOVXタンパク質を検出するためのインビボ技術は、対象中へ標識抗NOVX抗体を導入することを含む。例えば、抗体を、対象中のその存在および位置を標準造影技術で検出し得る放射活性マーカーで標識することができる。
一つの実施態様では、生物学的試料は被験対象由来のタンパク質分子を含有する。これ代えて、生物学的試料は、被験対象由来のmRNA分子または被験対象由来のゲノムDNA分子を含有し得る。好ましい生物学的試料は、対象より従来の手段で単離した末梢血白血球試料である。
もう一つの実施態様では、方法は、対照対象から対照の生物学的試料を得ること、対照試料をNOVXタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAを検出する能力のある化合物または薬剤と、NOVXタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在を生物学的試料中で検出するように接触すること、および対照試料中のNOVXタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在を試験試料中のNOVXタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAと比較することをさらに伴う。
本発明はまた、生物学的試料中のNOVXの存在を検出するキットを包含する。例えば、キットは:生物学的試料中のNOVXタンパク質またはmRNAを検出する能力のある標識化合物または薬剤;試料中のNOVXの量を測定する手段;および試料中のNOVXの量を標準と比較する手段を含み得る。化合物および薬剤を適当な容器中に包装し得る。キットは、NOVXタンパク質または核酸を検出するキットの使用のための使用説明書をさらに含み得る。
予後アッセイ
さらに、本明細書に説明する診断方法を利用して、異常NOVXの発現または活性に関連した疾患または障害を有するかまたは発症するリスクにある対象を同定し得る。例えば、先行の診断アッセイおよび以下のアッセイのような、本明細書で説明するアッセイを利用して、NOVXタンパク質、核酸の発現または活性に関連した障害を有するかまたは発症するリスクにある対象を同定し得る。これに代えて、予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたは発症するリスクにある対象を同定し得る。かくして、本発明は、試験試料を対象から得て、そして異常なNOVXタンパク質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出する異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患または障害を同定する方法を提供し、そこではNOVXタンパク質または核酸の存在は、異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患または障害を有するかまたは発症するリスクにある対象に対する診断になる。本明細書において使用する「試験試料」とは、興味のある対象から得られる生物学的試料を指す。例えば、試験試料は生物学的流体(例えば血清)、細胞試料、または組織であり得る。
さらに、本明細書に説明する予後アッセイを使用して、異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患または障害を処置するために、対象に薬剤(例えばアゴニスト、アンタゴニスト、ペプチドミメティック、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子、または他の医薬候補物)を投与することができるか否かを決定し得る。例えば、そのような方法を使用して、対象の疾患を薬剤により有効に処置するか否かを決定し得る。かくして、本発明は、試験試料を得て、NOVXタンパク質または核酸を検出する異常なNOVXの発現または活性に関連した障害を薬剤により対象を有効に処置し得るか否かを決定する方法を提供する(例えば、そこではNOVXタンパク質または核酸の存在は、異常なNOVXの発現または活性に関連した障害を処置するために薬剤を投与され得る対象に対する診断になる)。
本発明の方法をまた使用してあるNOVX遺伝子中の遺伝的損傷を検出し、それにより損傷のある遺伝子を有する対象が異常な細胞増殖および/または分化を特徴とする障害のリスクにあるか否かを決定し得る。種々の実施態様において、これらの方法は、対象由来の細胞試料中において、あるNOVXタンパク質をコードする遺伝子の完全性に影響を及ぼす少なくとも一つの変更、またはNOVX遺伝子の誤発現を特徴とする遺伝的損傷の存在または不在の検出を含む。例えば、そのような遺伝的損傷を、(i)あるNOVX遺伝子からの一つまたはそれ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)あるNOVX遺伝子への一つまたはそれ以上のヌクレオチドの付加;(iii)あるNOVX遺伝子の一つまたはそれ以上のヌクレオチドの置換、(iv)あるNOVX遺伝子の染色体再編成、(v)あるNOVX遺伝子のmRNA転写物レベルの変化、(vi)ゲノムDNAのメチル化パターンのようなあるNOVX遺伝子の異常修飾、(vii)あるNOVX遺伝子のmRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在、(viii)あるNOVXタンパク質の非野生型レベル、(ix)あるNOVX遺伝子の対立遺伝子欠失、および(x)あるNOVXタンパク質の不適切な翻訳後修飾の少なくとも一つの存在の確認により検出し得る。本明細書に説明するあるNOVX遺伝子の損傷を検出するために使用し得る当分野において公知の多数のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的試料は、対象から従来の手段で単離した末梢血白血球試料である。しかしながら、例えば、頬粘膜細胞を含む有核細胞を含有する任意の生物学的試料を使用し得る。
特定の実施態様では、損傷の検出は、アンカーPCRまたはRACE PCRのようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば米国特許第4,683,195号および第4,683,202号を参照)におけるかまたはこれに代えて、連結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegran, et al., 1988. Science 241: 1077-1080、およびNakazawa, et al., 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 360-364を参照)におけるプローブ/プライマーの使用を伴うが、後者はNOVX遺伝子中の点突然変異検出に特に有用であり得る(Abravaya, et al., 1995. Nucl. Acids Res. 23: 675-682を参照)。この方法は、患者から細胞試料を集め、試料の細胞から核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたは両方)を単離し、NOVX遺伝子(もし存在するならば)のハイブリダイゼーションおよび増幅が起きるような条件下で、あるNOVX遺伝子と特異的にハイブリダイズする一つまたはそれ以上のプライマーと核酸試料を接触し、そして増幅産物の存在または不在を検出し、または増幅産物のサイズを検出し、そして対照試料と長さを比較するステップを含み得る。PCRおよび/またはLCRは、本明細書に説明する変異の検出に使用する任意の技術と一緒に予備的増幅ステップとして使用するのが望ましい。
さらに別な増幅法としては:自己保持配列複製(Guatelli, et al., 1990. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874-1878を参照)、転写増幅システム(Kwoh, et al., 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173-1177を参照); Qβレプリカーゼ(Lizardi, et al, 1988. BioTechnology 6: 1197を参照)、または任意の他の核酸増幅法に引き続いて当業者に周知の技術を用いる増幅分子の検出を挙げ得る。これらの検出スキームは、核酸分子がごく少数で存在するならば、そのような分子の検出に特に有用である。
さらに別の実施態様では、試料細胞由来のあるNOVX遺伝子中の変異を、制限酵素切断パターンの変化により同定し得る。例えば、試料および対照のDNAを単離し、増幅し(任意に)、一つまたはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼで処理し、そしてフラグメントのサイズをゲル電気泳動で測定して比較する。試料と対照のDNA間のフラグメントサイズの差は試料DNA中の変異を示す。さらに、配列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,493,531号を参照)を使用して、リボザイム切断部位の発生または消失により特異的な変異の存在を評価し得る。
他の実施態様では、NOVX中の遺伝的突然変異は、試料および対照の核酸、例えば、DNAまたはRNAを数百または数千個のオリゴヌクレオチドプローブを含有する高密度アレイにハイブリダイズすることにより同定することができる。例えば、Cronin, et al., 1996. Human Mutation 7: 244-255、Kozal, et al., 1996. Nat. Med. 2: 753-759を参照されたい。例えば、NOVX中の遺伝的変異を、上述のCronin, et al.に記載するように光を発生するDNAプローブを含有する2次元アレイ中で同定し得る。略述すれば、プローブの1番目のハイブリダイゼーションアレイを用いて、試料と対照中の長い一続きのDNAをスキャンして、一連の重なり合うプローブの線形アレイを作成することにより配列間の塩基変化を同定し得る。このステップは点突然変異の同定を可能にする。これに、検出した全ての変異体または突然変異に相補的なさらに小さな特別のプローブアレイを用いることにより特定の変異の特徴化を可能にする2番目のハイブリダイゼーションを行う。それぞれの変異アレイは、一つは野生型遺伝子に相補的で、他は突然変異遺伝子に相補的な並行なプローブのセットから成る。
なおもう一つの実施態様において、当分野において公知の種々のシークエンシング反応のいずれかを使用してNOVX遺伝子を直接にシークエンシングして、試料のNOVXの配列を対応する野生型(対照)配列と比較することにより変異を検出し得る。シークエンシング反応の例としては、Maxim and Gilbert, 1977. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 560またはSanger, 1977. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463により開発された技術に基づくものを挙げ得る。質量分析によるシークエンシング(例えば、PCT国際公開第WO94/16101号; Cohen, et al., 1996. Adv. Chromatography 36: 127-162およびGriffin, et al., 1993. Appl. Biochem. Biotechnol. 38: 147-159を参照)を含む種々の自動化シークエンシング方法のいずれも診断アッセイの実施に際して利用され得ることをまた考え得る(例えば、Naeve, et al., 1995. Biotechniques 19: 448を参照)。
NOVX遺伝子中の変異を検出する他の方法としては、切断剤からの保護を用いてRNA/RNAまたはRNA/DNAヘテロ二重鎖中のミスマッチ塩基を検出する方法を挙げ得る。例えば、Myers, et al., 1985. Science 230: 1242を参照されたい。一般に、「ミスマッチ切断」の当分野の技術は、野生型NOVX配列を含有する(標識した)RNAまたはDNAを、組織試料より得る潜在的突然変異体のRNAまたはDNAとハイブリダイズすることにより形成したヘテロ二重鎖を提供することから始まる。二重鎖を、対照および試料の鎖の間の塩基のミスマッチのために存在する二重鎖の単鎖領域を切断する薬剤で処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖をRNaseで処理し、DNA/DNAハイブリッドはSヌクレアーゼで処置し、ミスマッチ領域を酵素的に処理し得る。他の実施態様では、ミスマッチ領域を消化するために、DNA/DNAまたはRNA/DNAの二重鎖のどちらかをヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムおよびピペリジンで処理し得る。ミスマッチ領域の処理の後、得られた材料を次いで変性ポリアクリルアミドゲル上でサイズにより分離して変異の部位を決定する。例えば、Cotton, et al., 1988. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 4397、Saleeba, et al., 1992. Methods Enzymol. 217: 286-295を参照されたい。一つの実施態様では、対照のDNAまたはRNAを検出用に標識し得る。
なおもう一つの実施態様では、ミスマッチ切断反応は、細胞の試料より得られたNOVXcDNA中で点突然変異を検出しマッピングするために、規定したシステム中で二重鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する一つまたはそれ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ修復」酵素)を使用する。例えば、E. coliのmutY酵素はG/AミスマッチのAを切断し、そしてHeLa細胞からのチミジンDNAグリコシダーゼはG/TミスマッチのTを切断する。例えば、Hsu, et al., 1994. Carcinogenesis 15: 1657-1662を参照されたい。例示的な実施態様によれば、あるNOVX配列、例えば、野生型NOVX配列に基づくプローブを、試験細胞(複数を含む)由来のcDNAまたは他のDNA産物とハイブリダイズする。この二重鎖をDNAミスマッチ修復酵素で処理して、切断生産物をもしあれば電気泳動のプロトコール等から検出し得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照されたい。
他の実施態様では、電気泳動上の移動度の変化を用いて、NOVX遺伝子の突然変異を同定する。例えば、単鎖コンフォーメーション多型(SSCP)を使用して、突然変異体および野生型核酸の間の電気泳動移動度の差を検出し得る。例えば、Orita, et al., 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA: 86: 2766、Cotton, 1993. Mutat. Res. 285: 125-144、Hayashi, 1992. Genet. Anal. Tech. Appl. 9: 73-79を参照されたい。試料および対照のNOVX核酸の単鎖DNAフラグメントを変性し、復元することを可能にする。単鎖核酸の二次構造は配列により異なり、電気泳動上の移動度のそこで得る変化はたとえ1個の塩基変化の検出をも可能にする。DNAフラグメントを標識プローブで標識または検出し得る。アッセイの感度を、2次構造が配列変化により感受性であるRNA(DNAよりもむしろ)を使用することにより増大し得る。一つの実施態様では、主題の方法は、ヘテロ二重らせん分析を利用して、電気泳動の移動度の変化に基づいて二重らせんへテロ二重鎖分子を分離する。例えば、Keen, et al., 1991. Trends Genet. 7: 5を参照されたい。
なおもう一つの実施態様では、ある勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミドゲル中での突然変異体または野生型フラグメントの移動を、変性濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)を用いてアッセイする。例えば、Myers, et al., 1985. Nature 313: 495を参照されたい。DGGEを分析法として使用する際、DNAを修飾し、例えば、凡そ40bpの高融点GC富化DNAのGCクランプをPCRで付加することにより、それが完全に変性しないことを保証する。さらなる実施態様では、変性勾配に代えて温度勾配を使用して、対照および試料のDNAの移動度の差を同定する。例えば、Rosenbaum and Reissner, 1987. Biophys. Chem. 265: 12753を参照されたい。
点突然変異を検出するための他の技術の例として、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長を挙げ得るが、これらに限定しない。例えば、既知の変異を中央に置いたオリゴヌクレオチドプライマーを調製し、次いで完全なマッチが見られる場合にのみハイブリダイゼーションを認める条件下で、標的DNAとハイブリダイズする。例えば、Saiki, et al., 1986. Nature 324: 163、Saiki, et al., 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 6230を参照されたい。オリゴヌクレオチドをハイブリダイズ用膜に付着して、標識した標的DNAとハイブリダイズする際、そのような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、PCR増幅した標的DNAまたはある数の異なる突然変異体とハイブリダイズする。
これに代えて、選択的PCR増幅に基づく対立遺伝子特異的増幅技術を本発明と一緒に使用し得る。特異的増幅のためのプライマーとして使用するオリゴヌクレオチドは、興味のある変異を分子の中央で(増幅がディファレンシャルハイブリダイゼーションに依存するように;例えば、Gibbs, et al., 1989. Nucl. Acids Res. 17: 2437-2448を参照)または適切な条件下で、ミスマッチがポリメラーゼ伸長を阻止または低減できる(例えば、Prossner, 1993. Tibtech. 11: 238を参照)一つのプライマーの3'最末端において保持していてもよい。加えて、切断に基づく検出を創成するために、変異の領域に新規制限部位を導入するのが望ましい。例えば、Gasparini, et al., 1992. Mol. Cell Probes 6: 1を参照されたい。特定の実施態様では、増幅はまた、増幅のためのTaqリガーゼを使用して実施され得ることを予想する。例えば、Barany, 1991. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 189を参照されたい。このような場合には、5'末端配列の3'末端に完全なマッチがある場合にのみ連結が起こり、増幅の存在または不在を調べることにより特定の部位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。
本明細書に説明する方法を、例えば、本明細書に説明する少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含むプレパック診断キットを利用することにより実施し得る。これを、例えば、臨床の場においてNOVX遺伝子の関与する疾患または疾病の症状を示すかまたは家族歴のある患者を診断するのに簡便に使用し得る。
さらに、NOVXを発現する任意の細胞タイプまたは組織、好ましくは末梢血白血球を本明細書に説明した予後アッセイに利用し得る。しかしながら、例えば、頬粘膜細胞の有核細胞を含む任意の生物学的試料を使用し得る。
薬理ゲノミクス
本明細書に説明したスクリーニングアッセイにより同定するようなNOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に促進的または阻害的効果を有する薬剤またはモジュレータを個体に投与し、障害を(予防的にまたは治療的に)処置することができる。障害としては、限定しないが、表Aに要約するような代謝障害、糖尿病、肥満、感染性疾患、食欲不振、がん関連悪液質、がん、神経変性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および造血障害、ならびに種々の異脂肪血症、肥満に伴う代謝障害、慢性疾患および種々のがんに関連した代謝性シンドロームXならびに消耗性疾患を挙げ得る。そのような処置と一緒に、個体の薬理ゲノミクス(即ち、個体の遺伝子型および外来性化合物または薬に対するその個体の応答との間の関係の研究)を考慮し得る。治療薬の代謝の差は、薬理学的に活性な薬の用量と血中濃度の関係を変えることにより、重症の毒性または治療の失敗をもたらし得る。かくして、個体の薬理ゲノミクスは、個体の遺伝子型の考慮に基く予防的または治療的処置ための有効な薬剤(例えば薬)の選択を許容する。そのような薬理ゲノミクスをさらに用いて、適切な投与量および治療方法を決定し得る。したがって、個体のNOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、またはNOVX遺伝子の変異の含量を測定し、それにより個体の治療的処置または予防的処置に適切な薬剤(複数を含む)を選択し得る。
薬理ゲノミクスは、罹患した人における変化した薬剤分布および異常な作用に因る薬への応答における臨床的に有意な遺伝的変異を取り扱う。例えば、Eichelbaum, 1996. Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 23: 983-985; Linder, 1997. Clin. Chem., 43: 254-266を参照されたい。一般に、二つのタイプの薬理遺伝学的異常を区別し得る。薬が身体に作用する方式を変える単一の因子として伝達する遺伝的異常(変化した薬剤作用)または身体が薬に作用する方式を変える単一因子として伝達する遺伝的異常(変化した薬物代謝)がある。これらの薬理遺伝学的異常は、稀な欠陥または多型性のどちらかとして生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PD)欠乏症は、よくみられる遺伝性酵素異常症であり、そこでは主な臨床的合併症は、酸化剤の薬(抗マラリア剤、スルホンアミド剤、鎮痛剤、ニトロフラン類)摂取後またはソラマメ摂食後の溶血である。
例示的実施態様として、薬の代謝酵素の活性は、薬の作用の強度および持続の両者の主たる決定因子である。薬の代謝酵素の遺伝的多型性(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)ならびにチトクローム妊娠帯前駆タンパク質酵素のCYP2D6およびCYP2C19)の発見は、なぜ或る患者は標準かつ安全用量の薬物摂取後に期待した薬の効果を得られないかまたは過大な薬の応答および重篤な毒性を示すのかについての説明を提供する。これらの多型性を、人口集団で高代謝群(EM)および低代謝群(PM)の2つの表現型で表現する。PMの存在比率は異なる集団間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型性で、そして幾つかの変異が、機能的なCYP2D6の不在をもたらすPMを同定する。CYP2D6およびCYP2C19の低代謝群は、標準的な用量の投与を受けた際、極めて頻繁に過剰な薬の応答および副作用を経験する。代謝物が活性な治療成分であるならば、CYP2D6が生成する代謝物モルヒネにより仲介するコデインの鎮痛作用について実証するように、PMは治療応答を示さない。それと全く正反対なのが、標準の用量に応答しないいわゆる超高速代謝群である。最近、超高速代謝群の分子的根拠をCYP2D6遺伝子増幅に因ると確認する。
従って、個体のNOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、またはNOVX遺伝子の変異含量を測定し、それにより個体の治療的処置または予防的処置のために適切な薬剤(複数を含む)を選択し得る。加えて、薬理遺伝学的研究を用いて、薬の代謝酵素をコードする遺伝子多型の対立遺伝子の遺伝子型決定を、個体の薬の応答性の表現型の同定に応用し得る。この知識を投与量および薬の選択に応用する際、本明細書で説明する例示的スクリーニングアッセイの一つにより同定したモジュレータのようなNOVXモジュレータで対象を処置する際に、有害作用または治療失敗を避け、かくして治療的または予防的効率を増強し得る。
臨床試験の作用モニタリング
NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調整する活性)に対する薬剤(例えば、薬、化合物)の影響をモニタリングすることは、基礎的な薬のスクリーニングに応用できるだけでなく、また臨床試験にも応用できる。例えば、本明細書に説明したようにスクリーニングアッセイにより、NOVX遺伝子発現、タンパク質レベルを増加し、またはNOVX活性を上方調節すると決定した薬剤の有効性を、低下したNOVX遺伝子発現、タンパク質レベル、または下方制御されたNOVX活性を示す対象の臨床試験でモニターし得る。これに代えて、NOVX遺伝子発現、タンパク質レベルを減少し、またはNOVX活性を下方調節すると決定した薬剤の有効性を、増加したNOVX遺伝子発現、タンパク質レベル、または上方制御したNOVX活性を示す対象の臨床試験でモニターし得る。そのような臨床試験において、NOVX、および、好ましくは、例えば、細胞増殖または免疫障害に関係する他の遺伝子の発現または活性を、特定の細胞の免疫応答性の「読み出し」またはマーカーとして使用し得る。
限定しない例として、NOVX活性(例えば、本明細書で説明するスクリーニングアッセイで同定する)を調整する薬剤(例えば、化合物、薬または低分子)を用いた処置により細胞中で調整するNOVXを含む遺伝子を同定し得る。従って、細胞増殖障害に対する薬剤の効果を、例えば、臨床試験において検討するために、細胞を単離してRNAを調製し、そして障害に関連すると思うNOVXおよび他の遺伝子の発現レベルを分析し得る。遺伝子発現レベル(即ち、遺伝子発現パターン)を、本明細書に説明するようにノーザンブロット分析またはRT−PCRにより、またはこれに代えて本明細書で説明する方法の一つにより生産したタンパク質の量を測定することにより、またはNOVXまたは他の遺伝子の活性レベルを測定することにより、定量することができる。この様式においては、遺伝子発現パターンは、薬剤に対する細胞の生理学的応答を示すマーカーとしての役割を果たす。したがって、薬剤による個体の処置の前および処置中の種々の時点で、この応答状態を測定し得る。
一つの実施態様において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、タンパク質、ペプチド、ペプチドミメティック、核酸、低分子、または本明細書で説明するスクリーニングアッセイで同定した他の薬候補物)で対象を処置することの有効性をモニターする方法を提供し、その方法は、(i)薬剤投与前に対象から投与前試料を得て、(ii)投与前試料中のNOVXタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルを検出し、(iii)対象から一つまたはそれ以上の投与後の試料を得て、(iv)投与後の試料中のNOVXタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性レベルを検出し、(v)投与前の試料中のNOVXタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性レベルを投与後のひとつまたは複数の試料中のNOVXタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAと比較し、そして(vi)それにしたがって対象への薬剤の投与を変更するステップを含む。例えば、NOVXの発現または活性を検出したより高レベルに増加するためには、即ち、薬剤の有効性を増加するためには、薬剤の増加した投与が望ましい。これに代えて、NOVXの発現または活性を検出したより低レベルに減少する、即ち、薬剤の有効性を減少するためには、薬剤の減少した投与が望ましい。
処置方法
本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患のリスクにある(感受性)かまたは疾患を有する対象を処置する予防的方法および治療的方法の両方を提供する。障害としては、心筋症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、先天性心疾患、大動脈弁狭窄、心房中隔欠損症(ASD)、房室(A−V)管欠損、動脈管、肺動脈弁狭窄、大動脈弁下部狭窄、心室中隔欠損症(VSD)、弁疾患、結節硬化症、強皮症、肥満、移植、副腎白質萎縮症、先天性副腎過形成、前立腺がん、新生物、腺がん、リンパ腫、子宮がん、受胎能、血友病、凝固性亢進、特発性血小板減少性紫斑病、免疫不全症、移植片対宿主病、AIDS、気管支喘息、クローン病;多発性硬化症、アルブライト遺伝性骨ジストロフィーの処置ならびに類似の他の疾患、障害および異常を挙げ得、前列挙のこれらの疾患、障害および状態に限定しないが、より具体的には表Aに要約されるもののような、NOVXタンパク質の相同物と連関するそれらの疾患、障害または状態を含むものである。
これらの処置法を以下にさらに詳細に考察する。
疾患および障害
増加したレベル(疾患または障害に罹患していない対象と比べて)または生物学的活性を特徴とする疾患および障害を、活性に拮抗する(即ち、低下するかまたは阻害する)治療薬で処置し得る。活性に拮抗する治療薬を、治療的様式または予防的様式で投与し得る。利用し得る治療薬としては、(i)前述のペプチド、またはその類似体、誘導体、フラグメントまたは相同体;(ii)前述のペプチドに対する抗体;(iii)前述のペプチドをコードする核酸;(iv)アンチセンス核酸および前述のペプチドの内在的機能を相同組換えにより「ノックアウト」するのに使用する「機能障害性」である核酸(即ち、前述のペプチドに対するコード化配列のコード化配列内への異種挿入に因る)の投与(例えば、Capecchi, 1989. Science 244: 1288-1292を参照);または(v)前述のペプチドおよびその結合相手との相互作用を変化するモジュレータ(即ち、本発明のさらに別なペプチドのミメティックまたは本発明のペプチドに特異的な抗体を含む阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト)を挙げ得るが、これらに限定しない。
減少したレベル(疾患または障害に罹患していない対象と比べて)または生物学的活性を特徴とする疾患および障害を、活性を増加する(即ち、アゴニストである)治療薬で処置し得る。活性を上方制御する治療薬を、治療的様式または予防的様式で投与し得る。利用し得る治療薬としては、前述のペプチド、またはその類似体、誘導体、フラグメント、または相同体;またはバイオアベイラビリティーを増加するアゴニストを挙げ得るが、これらに限定しない。
増加または減少したレベルを、患者の組織試料(例えば、生検組織から)を得て、インビトロでRNAまたはペプチドのレベル、発現したペプチド(または前述のペプチドのmRNA)の構造および/または活性をアッセイすることにより、ペプチドおよび/またはRNAを定量することにより容易に検出し得る。当分野内で周知の方法としては、イムノアッセイ(例えば、ウエスタンブロット分析、免疫沈降とそれに引き続くドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動、免疫細胞化学、等)および/またはmRNA発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インシツハイブリダイゼーション、等)を挙げ得るが、これらに限定しない。
予防的方法
一つの態様では、異常なNOVX発現または少なくともあるNOVX活性を調整する薬剤を対象に投与することにより、本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連した疾患または異常を、対象において予防する方法を提供する。異常なNOVXの発現または活性が原因または一因となって生じる疾患のリスクを有する対象を、例えば、本明細書で説明するように診断的アッセイまたは予後的アッセイのいずれかまたはそれらの組合せによって同定し得る。疾患または障害を予防し、または、これに代えて、その進行を遅らせるようにNOVX異常に特徴的な症状の出現に先立って予防的薬剤の投与を行い得る。NOVX異常のタイプに依存して、例えば、あるNOVXアゴニストまたはNOVXアンタゴニストである薬剤を対象の処置に使用し得る。適切な薬剤を、本明細書で説明するスクリーニング法に基づいて決定することができる。本発明の予防的方法をさらに以下のサブセクションで考察する。
治療的方法
本発明のもう一つの態様は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調整する方法に関する。本発明の調整方法は、細胞を細胞に関連するNOVXタンパク質活性の一つまたはそれ以上の活性を調整する薬剤と接触することを含む。NOVXタンパク質活性を調整する薬剤は、核酸またはタンパク質、あるNOVXタンパク質の天然に存在する同属のリガンド、ペプチド、あるNOVXペプチドミメティック、または低分子のような本明細書に説明する薬剤であり得る。一つの実施態様では、薬剤は一つまたはそれ以上のNOVXタンパク質活性を促進する。そのような促進的薬剤の例としては、活性なNOVXタンパク質および細胞中に導入したNOVXをコードする核酸分子を挙げ得る。もう一つの実施態様では、薬剤は一つまたはそれ以上のNOVXタンパク質活性を阻害する。そのような阻害的薬剤の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子および抗−NOVX抗体を挙げ得る。これらの調整方法は、インビトロで(例えば、細胞を薬剤と共に培養することにより)または、これに代えて、インビボで(例えば、薬剤を対象に投与することにより)実施し得る。このように、本発明はあるNOVXタンパク質または核酸分子の異常な発現または活性を特徴とする疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提供する。一つの実施態様では、その方法は、薬剤(例えば、本明細書で説明するスクリーニングアッセイで同定した薬剤)またはNOVXの発現または活性を調整する(例えば、上方制御または下方制御する)薬剤の組合せを投与することを伴う。もう一つの実施態様では、その方法は減少または異常なNOVXの発現または活性を補償するための治療としてあるNOVXタンパク質または核酸分子を投与することを伴う。
NOVXが異常に下方制御されているかおよび/または増加したNOVX活性が有益な効果を有すると思われる状況では、NOVX活性を促進することが望ましい。そのような状況の一つの例は、対象が異常な細胞増殖および/または分化(例えば、がんまたは免疫関連疾患)を特徴とする障害を有する場合である。そのような状況のもう一つの例は、対象が妊娠性疾患(例えば、子癇前症)を有する場合である。
治療薬の生物学的効果の測定
本発明の種々の実施態様において、適切なインビトロまたはインビボアッセイを実施して、特定の治療薬の効果およびその投与を罹患している組織の処置に適応があるか否かを決定する。
種々の特定の実施態様において、患者の障害に関与する代表的なタイプ(複数を含む)の細胞についてインビトロアッセイを実施して、投与した治療薬が細胞タイプに所望の効果を発揮するかどうかを測定し得る。治療に使用する化合物を、ヒト対象での試験に先立って、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギ等を限定することなく含む適切な動物モデルシステムで試験し得る。同様に、インビボ試験でも、ヒト対象への投与に先立って、当分野において公知の動物モデルシステムのいずれかを使用し得る。
本発明の組成物の予防的使用および治療的使用
本発明のNOVX核酸およびタンパク質は:代謝性障害、糖尿病、肥満、感染性疾患、食欲不振、癌関連、神経変性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、造血障害、ならびに種々の異脂肪血症、肥満に伴う代謝障害、代謝性シンドロームXならびに慢性疾患および種々のがんに関連した消耗性疾患を限定することなく、含み、種々の障害に関連する潜在的で予防的応用および治療的応用に有用である。
例として、本発明のNOVXタンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてタンパク質は、それを必要とする対象に投与する際に有用であり得る。非限定的な例として、本発明の組成物は、限定しないがここに列挙のものを含む疾患、障害または状態などに罹患する対象の処置のための効験を有するであろう。
NOVXタンパク質をコードする新規核酸、および本発明のNOVXタンパク質の両方、またはそれらのフラグメントはまた、核酸またはタンパク質の存在または量を評価する診断的応用にも有用であり得る。さらなる使用は、抗細菌分子(即ち、或るペプチドは抗細菌的性質を有することが見出されている)としてであるかもしれない。これらの物質は、治療的または診断的方法に使用するための本発明の新規物質に免疫特異的に結合する抗体の作成にさらに有用である。
本発明を、以下の実施例でさらに記載し、これらはクレームに記載の発明の範囲を限定しない。
(実施例)
実施例A:ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列、および相同性データ
NOV1クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表1Aに示す。
Figure 2005526507
NOV1aタンパク質のさらなる解析により、表1Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表1Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV1aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV1aタンパク質は表1DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV1aタンパク質は表1Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例2
NOV2クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表2Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表2Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV2aタンパク質のさらなる解析により、表2Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表2Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV2aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV2aタンパク質は表2EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV2aタンパク質は表2Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例3
NOV3クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表3Aに示す。
Figure 2005526507
NOV3aタンパク質のさらなる解析により、表3Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表3Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV3aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV3aタンパク質は表3DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV3aタンパク質は表3Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例4
NOV4クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表4Aに示す。
Figure 2005526507
NOV4aタンパク質のさらなる解析により、表4Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表4Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV4aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV4aタンパク質は表4DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV4aタンパク質は表4Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例5
NOV5クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列表5Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV5aタンパク質のさらなる解析により、表5Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表5Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV5aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV5aタンパク質は表5DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV5aタンパク質は表5Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例6
NOV6クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表6Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表6Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV6aタンパク質のさらなる解析により、表6Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表6Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV6aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV6aタンパク質は表6EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV6aタンパク質は表6Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例7
NOV7クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表7Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV7aタンパク質のさらなる解析により、表7Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表7Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV7aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV7aタンパク質は表7DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV7aタンパク質は表7Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例8
NOV8クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表8Aに示す。
Figure 2005526507
NOV8aタンパク質のさらなる解析により、表8Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表8Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV8aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV8aタンパク質は表8DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV8aタンパク質は表8Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例9
NOV9クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表9Aに示す。
Figure 2005526507
NOV9aタンパク質のさらなる解析により、表9Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表9Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV9aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV9aタンパク質は表9DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV9aタンパク質は表9Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例10
NOV10クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表10Aに示す。
Figure 2005526507
NOV10aタンパク質のさらなる解析により表10Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表10Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV10aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV1Oaタンパク質は表10DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV10aタンパク質は表10Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例11
NOV11クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表11Aに示す。
Figure 2005526507
NOV11aタンパク質のさらなる解析により、表11Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表11Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV11aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV1laタンパク質は表11DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV1laタンパク質は表11Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例12
NOV12クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表12Aに示す。
Figure 2005526507
NOV12aタンパク質のさらなる解析により、表12Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表12Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV12aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV12aタンパク質は表12DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV12aタンパク質は表12Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例13
NOV13クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表13Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV13aタンパク質のさらなる解析により、表13Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表13Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV13aの検索。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV13aタンパク質は表13DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV13aタンパク質は表13Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例14
NOV14クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表14Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表14Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV14aタンパク質のさらなる解析により、表14Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表14Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV14aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV14aタンパク質は表14EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV14aタンパク質は表14Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例15
NOV15クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表15Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表15Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV15aタンパク質のさらなる解析により、表15Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表15Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、 特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV15aの検索。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV15aタンパク質は表15EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV15aタンパク質は表15Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例16
NOV16クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表16Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により表16Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV16aタンパク質のさらなる解析により、表16Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表16Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV16aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV16aタンパク質は表16EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV16aタンパク質は表16Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例17
NOV17クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表17Aに示す。
Figure 2005526507
NOV17aタンパク質のさらなる解析により、表17Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表17Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV17aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV17aタンパク質は表17DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV17aタンパク質は表17Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例18
NOV18クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表18Aに示す。
Figure 2005526507
NOV18aタンパク質のさらなる解析により、表18Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表18Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV18aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV18aタンパク質は表18DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV18aタンパク質は表18Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例19
NOV19クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表19Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表19Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV19aタンパク質のさらなる解析により、表19Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表19Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV19aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOVI9aタンパク質は表19EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV19aタンパク質は表19Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例20
NOV20クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表20Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV20aタンパク質のさらなる解析により、表20Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表20Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV20aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV20aタンパク質は表20DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV20aタンパク質は表20Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例21
NOV21クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表21Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV21aタンパク質のさらなる解析により、表21Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表21Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV21aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV21aタンパク質は表21DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507

PFam解析によりNOV21aタンパク質は表21Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例22
NOV22クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表22Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV22aタンパク質のさらなる解析により、表22Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表22Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV22aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV22aタンパク質は表22DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV22aタンパク質は表22Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例23
NOV23クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表23Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により表23Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV23aタンパク質のさらなる解析により、表23Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表23Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV23aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV23aタンパク質は表23EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV23aタンパク質は表23Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例24
NOV24クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされる ポリペプチド配列を表24Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により表24Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV24aタンパク質のさらなる解析により、表24Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表24Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV24aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV24aタンパク質は表24EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV24aタンパク質は表24Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例25
NOV25クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表25Aに示す。
Figure 2005526507
NOV25aタンパク質のさらなる解析により、表25Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表25Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV25aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV25aタンパク質は表25DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV25aタンパク質は表25Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例26
NOV26クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表26Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV26aタンパク質のさらなる解析により、表26Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表26Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV26aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV26aタンパク質は表26DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV26aタンパク質は表26Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例27
NOV27クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表27Aに示す。
Figure 2005526507
NOV27aタンパク質のさらなる解析により、表27Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表27Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV27aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV27aタンパク質は表27DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV27aタンパク質は表27Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例28
NOV28クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表28Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV28aタンパク質のさらなる解析により、表28Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表28Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV28aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV28aタンパク質は表28DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV28aタンパク質は表28Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例29
NOV29クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表29Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表29Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV29aタンパク質のさらなる解析により、表29Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表29Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV29aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV29aタンパク質は表29EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV29aタンパク質は表29Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例30
NOV30クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表30Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV30aタンパク質のさらなる解析により、表30Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表30Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV30aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV30aタンパク質は表30DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV30aタンパク質は表30Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例31
NOV31クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表31Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により表31Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV31aタンパク質のさらなる解析により、表31Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表31Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV31aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開された配列データベースのBLAST検索では、NOV31aタンパク質は表31EのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV31aタンパク質は表31Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例32
NOV32クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチド配列を表32Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により表32Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV32aタンパク質のさらなる解析により、表32Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表32DCに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV32aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV32aタンパク質は表32EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV32aタンパク質は表32Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例33
NOV33クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表33Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表33Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV33aタンパク質のさらなる解析により、表33Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表33Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV33aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV33aタンパク質は表33EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV33aタンパク質は表33Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例34
NOV34クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表34Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表34Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV34aタンパク質のさらなる解析により、表34Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表34Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV34aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV34aタンパク質は表34EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV34aタンパク質は表34Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例35
NOV35クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表35Aに示す。
Figure 2005526507
NOV35aタンパク質のさらなる解析により、表35Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表35Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV35aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV35aタンパク質は表35DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV35aタンパク質は表35Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例36
NOV36クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表36Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV36aタンパク質のさらなる解析により、表36Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表36Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV36aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV36aタンパク質は表36DのBLASTPデータに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV36aタンパク質は表36Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例37
NOV37クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表37Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表37Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV37aタンパク質のさらなる解析により、表37Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表37Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV37aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV37aタンパク質は表37EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV37aタンパク質は表37Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例38
NOV38クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表38Aに示す。
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表38Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV38aタンパク質のさらなる解析により、表38Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表38Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV38aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV38aタンパク質は表38EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV38aタンパク質は表38Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例39
NOV39クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表39Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV39aタンパク質のさらなる解析により、表39Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表39Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV39aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV39aタンパク質は表39DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV39aタンパク質は表39Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例40
NOV40クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表40Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV40aタンパク質のさらなる解析により、表40Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表40Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV40aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV40aタンパク質は表40DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV40aタンパク質は表40Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例41
NOV41クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表41Aに示す。
Figure 2005526507
NOV41aタンパク質のさらなる解析により、表41Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表41Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV41aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV41aタンパク質は表41DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV41aタンパク質は表41Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例42
NOV42クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表42Aに示す。
Figure 2005526507
NOV42aタンパク質のさらなる解析により表42Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表42Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV42aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV42aタンパク質は表42DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV42aタンパク質は表42Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例43
NOV43クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表43Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV43aタンパク質のさらなる解析により、表43Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表43Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV43aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV43aタンパク質は表43DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV43aタンパク質は表43Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例44
NOV44クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表44Aに示す。
Figure 2005526507
NOV44aタンパク質のさらなる解析により、表44Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表44Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV44aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV44aタンパク質は表44DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV44aタンパク質は表44Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例45
NOV45クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表45Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表45Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV45aタンパク質のさらなる解析により、表45Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表45Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV45aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV45aタンパク質は表45EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV45aタンパク質は表45Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例46
NOV46クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表46Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表46Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV46aタンパク質のさらなる解析により、表46Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表46Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV46aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV46aタンパク質は表46EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV46aタンパク質は表46Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例47
NOV47クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表47Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表47Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV47aタンパク質のさらなる解析により、表47Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表47Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV47aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV47aタンパク質は表47EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV47aタンパク質は表47Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例48
NOV48クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表48Aに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
前記タンパク質配列の配列比較により、表48Bに示される以下の配列関連性が得られる。
Figure 2005526507
NOV48aタンパク質のさらなる解析により、表48Cに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表48Dに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV48aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV48aタンパク質は表48EのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV48aタンパク質は表48Fに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例49
NOV49クローンを解析し、ヌクレオチドおよびコードされるポリペプチドプチド配列を表49Aに示す。
Figure 2005526507
NOV49aタンパク質のさらなる解析により、表49Bに示される以下の特性が得られた。
Figure 2005526507
表49Cに示されるいくつかの相同タンパク質が得られたのは、特許および公開特許で公開された配列を含むGeneseqデータベース、専売データベースに対するNOV49aタンパク質の検索によってであった。
Figure 2005526507
公開配列データベースのBLAST検索では、NOV49aタンパク質は表49DのBLASTPに示されるタンパク質と相同性を有すると認められた。
Figure 2005526507
PFam解析によりNOV49aタンパク質は表49Eに示されるドメインを含むと予測される。
Figure 2005526507
実施例B:NOVXクローンの配列決定法および同定
1.GeneCalling(登録商標)技術:これはCuraGenで開発され、Shimketsら「Gene expression analysis by transcript profiling coupled to a gene database query」Nature Biotechnology 17:198-803(1999)に記載の、2以上の試料間の遺伝子発現の差のプロファイリングを実施する特許方法である。cDNAは種々のドナー由来の複数の組織種、正常状態および病的状態、生理的状態、ならびに発達段階に相当する種々のヒト試料から得た。試料は全組織、一次細胞または組織培養した一次細胞または細胞株として得た。細胞および細胞株は遺伝子発現を調節する生物因子または化学薬品、例えば、成長因子、すなわちケモカインまたはステロイドで処理しておいてもよい。次いで、このような由来のcDNAを最大120対までの制限酵素で消化し、各対の制限酵素に特異的なリンカー-アダプター対を適当な末端に連結した。制限消化による特有のcDNA遺伝子断片の混合物が生じる。限定PCR増幅は、一方のプライマーはビオチニル化され、他方は蛍光標識されているリンカー・アダプター配列と相同なプライマーで実施する。二重標識された物質を単離し、蛍光標識された一本鎖をキャピラリーゲル電気泳動によって分離する。コンピューターアルゴリズムで各制限消化について実験群および対照群から得た電気泳動図を比較する。これとさらなる配列由来情報を用い、種々の遺伝子データベースを用いて発現に差のある各遺伝子断片の同一性を予測する。遺伝子断片の同一性はさらなる遺伝子特異的競合PCRによって、またはこの遺伝子断片の単離および配列決定によって確認する。
2.SeqCalling(登録商標)技術:cDNAは種々のドナー由来の複数の組織種、正常状態および病的状態、生理的状態、ならびに発達段階に相当する種々のヒト試料から得た。試料は全組織、一次細胞または組織培養した一次細胞または細胞株として得た。細胞および細胞株は遺伝子発現を調節する生物因子または化学薬品、例えば、成長因子、すなわちケモカインまたはステロイドで処理しておいてもよい。次いで、このような由来のcDNAをCuraGen社の特許SeqCalling技術を用いて配列決定した。配列トレースは手作業で評価し、必要に応じて修正のために編集した。すべての試料からのcDNA配列をともにアセンブルし、これは公開ヒト配列を含む場合もあり、バイオインフォマティックプログラムを用いて各アセンブリーの共通配列を得た。各アセンブリーはCuraGen社のデータベースに含まれている。配列は別の構成要素との同一性の程度が50bpにわたって少なくとも95%である場合、アセンブリーの構成要素として含めた。各アセンブリーは遺伝子またはその一部に相当し、スプライシング型単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入、欠失およびその他の配列変異体などの変異体に関する情報を含む。
3.PathCalling(登録商標)技術:NOVX核酸配列はツーハイブリッド・アプローチによるcDNAライブラリーの実験室スクリーニングから導かれる。全長DNA配列、または配列の一部のいずれかをカバーするcDNA断片が、双方とも配列決定される。インシリコ予測はCuraGenの特許配列データベースまたは公開されているヒト配列データベースで入手可能な配列に基づいたものであり、全長DNA配列またはそのある一部のいずれかが提供される。
実験室スクリーニングは以下に要約した方法を用いて実施した:
cDNAライブラリーは種々のドナー由来の複数の組織種、正常状態および病的状態、生理的状態、ならびに発達段階に相当する種々のヒト試料から得た。試料は全組織、一次細胞または組織培養した一次細胞または細胞株として得た。細胞および細胞株は遺伝子発現を調節する生物因子または化学薬品、例えば、成長因子、すなわちケモカインまたはステロイドで処理しておいてもよい。次いで、このような由来のcDNAを適当なツーハイブリッド・ベクター(Gal4活性化ドメイン(Gal4-AD)融合物)へ指向的にクローニングした。次いで、かかるcDNAライブラリーならびにClontech(Palo Alto, CA)より市販のcDNAライブラリーを大腸菌(E.coli)からCuraGen社特許酵母株(その全文を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第6,057,101号および6,083,693号に開示)へ移した。
CuraGen社特許ヒト配列ライブラリーのGal4結合ドメイン(Gal4-BD)融合物を用いて複数のGal4-AD融合物cDNAライブラリーをスクリーニングし、その結果、その各々でGal4-AD融合物が個々のcDNAを含む酵母株二倍体を選択された。各試料をcDNA挿入境界で非特異的プライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅した。かかるPCR産物を配列決定した;配列トレースは手作業で評価し、必要に応じて修正のために編集した。すべての試料からのcDNA配列をともにアセンブルし、これは公開ヒト配列を含む場合もあり、バイオインフォマティックプログラムを用いて各アセンブリーの共通配列を得た。各アセンブリーはCuraGen社のデータベースに含まれている。配列は別の構成要素との同一性の程度が50bpにわたって少なくとも95%である場合、アセンブリーの構成要素として含めた。各アセンブリーは遺伝子またはその一部に相当し、スプライシング型単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入、欠失およびその他の配列変異体などの変異体に関する情報を含む。
物理的クローン:全オープンリーディングフレームをカバーする、スクリーニング手順により得たcDNA断片を、cDNAライブラリーの作製に用いたpACT2プラスミド(Clontech)に組み換えDNAとしてクローニングする。この組換えプラスミドを宿主へ挿入し、CuraGen社特許酵母株N106'およびYULH(米国特許第6,057,101号および第6,083,693号)の双方の結合によるスクリーニング手順の間に生じた酵母ハイブリッド二倍体によって選択する。
4.RACE:cDNA末端の迅速増幅(RACE)などのポリメラーゼ連鎖反応に基づく技術を用いて本発明のcDNAの予測配列を単離または完成した。通常、1以上のヒト試料から複数のクローンを配列決定して断片の配列を導く。種々のドナー由来の種々のヒト組織試料をRACE反応に用いた。これらの手順から得られた配列を、前節に記載のSeqCallingアセンブリープロセスに含めた。
5.エクソン結合:本発明で同定されたNOVX 標的配列をエクソン結合プロセスに付して配列を確認した。PCRプライマーはフォワードプライマーについては入手可能な最も上流の配列で、リバースプライマーについては入手可能な最も下流の配列で開始することによって設計した。いずれの場合にも、特有かまたは選択性の高いのいずれかである好適な配列に出会うまで、あるいは、リバースプライマーの場合には、停止コドンに達するまで、それぞれの末端からコード配列に向かって内へ進んで配列を調べた。かかるプライマーは全長cDNAインシリコ予測、標的配列のDNAまたはタンパク質配列の一部(1以上のエクソン)に基づいて、あるいは予測されたエクソンの、他の種由来の密接に関連したヒト配列との翻訳後相同性によって設計した。次いで、これらのプライマーをヒトcDNAの以下のプール:副腎、骨髄、脳-扁桃体、脳-小脳、脳-海馬、脳-黒質、脳-視床、脳-全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫-Raji、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、子宮を基にしたPCR増幅に用いた。通常、得られたアンプリコンをゲル精製し、クローニングして重複性が高くなるまで配列決定する。エクソン結合から得られたPCR産物をInvitrogen製のpCR2.1ベクターにクローニングした。得られた細菌クローンはpCR2.1ベクターにクローニングされた全オープンリーディングフレームをカバーする挿入部分を有する。全クローンから得られた配列はそれら自身を用いて、CuraGen社のデータベースにあるその他の断片を用いて、および公開されているESTを用いてアセンブルした。断片およびESTはそのアセンブリーの別の構成要素とのその同一性の程度が50bpにわたって少なくとも95%である場合、アセンブリーの構成要素として含めた。さらに、配列トレースを手作業で評価し、必要に応じて修正のために編集した。これらの手順により本明細書で報告される配列が提供される。
6.物理的クローン:相同性によってエクソンを予測し、標準的な遺伝子規則を用いてイントロン/エクソンの境界を決定した。エクソンをさらに選択し、複数のBLAST(例えば、tBlastN、BlastX、およびBlastN)検索、また、場合によっては、GeneScanおよびGrailを用いる類似性測定によって正確なものにした。遺伝子配列をさらに規定し、かつ、完成するために、利用可能な場合には、公開データベースおよび専売データベース双方由来の発現配列も加えた。次いで、明らかな不整合に関してDNA配列を手作業で修正した結果、全長タンパク質をコードする配列が得られた。
全オープンリーディングフレームをカバーする、エクソン結合によって得られたPCR産物をInvitrogen製のpCR2.1ベクターにクローニングして発現およびスクリーニング目的に用いるクローンを準備した。
7.哺乳類発現ベクターpCEP4/Secの構築。オリゴヌクレオチドプライマー、pSec-V5-Hisフォワード(5'-CTCGTC CTCGAG GGT AAG CCT ATC CCT AAC-3')(配列番号369)およびpSec-V5-Hisリバース(5'-CTCGTC GGGCCCCTGATCAGCGGGTTTAAAC-3')(配列番号370)を設計してpcDNA31-V5His(Invitrogen, Carlsbad, CA)発現ベクター由来断片を増幅した。このPCR産物をXhoIおよびApaIで消化し、XhoI/ApaIで消化したpSecTag2 Bベクター(Invitrogen, Carlsbad CA)に連結した。得られたベクターpSecV5Hisの正確な構造をDNA配列分析によって確認した。ベクターpSecV5HisをPmeIおよびNheIで消化し、PmeI-NheI断片をBamHI/クレノーおよびNheI処理したベクターpCEP4(Invitrogen, Carlsbad, CA)に連結した。得られたベクターをpCEP4/Secと名付けた。
表50はヒト胚腎臓293細胞におけるCG59325-02の発現を表す。CG59325-02配列を含有する1.2 kbのBamHI-XhoI断片をBamHI-XhoIで消化したpCEP4/Secへサブクローニングしてプラスミド998を得た。得られたプラスミド998を製造者(Gibco/BRL)の使用説明書に従い、リポフェクタミン・プラス試薬を用いて293細胞へトランスフェクトした。細胞ペレットおよび上清をトランスフェクションの72時間後に回収し、抗V5抗体を用いるウエスタンブロット(還元条件)によってCG59325-02発現について調べた。表50はCG59325-02が293細胞により分泌された50kDaタンパク質として発現していることを示す。
Figure 2005526507
8.哺乳類発現ベクターpCEP4/Secの構築。オリゴヌクレオチドプライマー、pSec-V5-His フォワード(5'-CTCGTC CTCGAG GGT AAG CCT ATC CCT AAC-3')(配列番号369)およびpSec-V5-Hisリバース(5'-CTCGTC GGGCCCCTGATCAGCGGGTTTAAAC-3')(配列番号370)を設計して、pcDNA3.1-V5His(Invitrogen, Carlsbad, CA)発現ベクター由来断片を増幅した。このPCR産物をXhoIおよびApaIで消化し、XhoI/ApaIで消化したpSecTag2 Bベクター(Invitrogen, Carlsbad CA)に連結した。得られたベクターpSecV5Hisの正確な構造をDNA配列解析によって確認した。ベクターpSecV5HisをPmeIおよびNheIで消化し、PmeI-NheI断片をBamHI/クレノーおよびNheI処理したベクターpCEP4(Invitrogen, Carlsbad, CA)に連結した。得られたベクターをpCEP4/Secと名付けた。
表51は293細胞により分泌されたCG57209-03タンパク質を表す。CG57209-03配列を含有する1.7kbのBamHI-Xhol断片をBamHI-XhoIで消化したpCEP4/Secへサブクローニングしてプラスミド820を得た。得られたプラスミド820を製造者(Gibco/BRL)の使用説明書に従い、リポフェクタミン・プラス試薬を用いて293細胞へトランスフェクトした。細胞ペレットおよび上清をトランスフェクションの72時間後に回収し、抗V5抗体を用いるウエスタンブロット(還元条件)によってCG57209-03発現について調べた。表51はCG57209-03が293細胞により分泌される85kDaのタンパク質として発現していることを示す。
Figure 2005526507
実施例C:種々の細胞および組織におけるクローンの量的発現解析
種々のクローンの量的発現を、リアルタイム定量PCR(RTQ PCR)を用い、種々の正常および病理由来細胞、細胞株および組織由来のRNA試料を含むマイクロタイタープレートを用いて評価した。RTQ PCRはApplied Biosystems ABI PRISM(登録商標)7700またはABI PRISM(登録商標)7900 HT Sequence Detection Systemで実施した。試料の種々の収集物をプレート上でアセンブルし、パネル1(正常組織および癌細胞株を含む)、パネル2(正常および癌供給源組織に由来する試料を含む)、パネル3(癌細胞株を含む)、パネル4(正常組織由来の細胞および細胞株ならびに炎症症状と関連している細胞を含む)、パネル5D/5I(代謝病(metabolic disese)に重点をおいたヒト組織および細胞株を含む)、AI 包括的 パネル(正常組織および自己炎症性疾患(autoinflammatory diseases)由来の試料を含む)、パネルCNSD.01(正常脳および患部脳由来の試料を含む)およびCNS 神経変性 パネル(正常脳およびアルツハイマー病(Alzheimer's disease)の脳由来の試料を含む)と称した。
全試料由来のRNAの完全性は、28Sおよび18SリボソームRNA染色強度比をガイド(2:1〜2.5:1 28s:18s)として用いるアガロースゲル電気泳動図の視覚的評価によって質に関して、および分解産物を示唆するであろう低分子量RNAの不在に関して制御する。試料は単一エクソンの長さにわたって増幅するよう設計したプローブおよびプライマーセットを用いる、逆転写酵素の不在下でのRTQ PCR反応実施によってゲノムDNA混入に対して制御する。
最初に、このRNA試料を構成的発現遺伝子(例えば、β-アクチンおよびGAPDH)などの参照核酸に対して標準化した。標準化したRNA(5μl)をcDNAへ変換し、ワンステップRT-PCR Master Mix試薬(Applied Biosystems;カタログ番号4309169)および遺伝子特異的プライマーを製造者の使用説明書に従って用いるRTQ-PCRにより解析した。
他の場合には、標準化していないRNA試料をSuperscript II(Invitrogen社;カタログ番号18064-147)およびランダム・ヘキサマーを製造者の使用説明書に従って用いて一本鎖cDNA(sscDNA)へ変換した。全RNAを最大10ug含む反応を20μlの容量で実施し、42℃で60分間インキュベートした。この反応は最終容量100μlにおいて50μgの全RNAまでスケールアップしてもよい。次いで、sscDNA試料を1×TaqMan(登録商標)Universal Master mix(Applied Biosystems;カタログ番号4324020)を製造者の使用説明書に従って用いて従前に記載の参照核酸に対して標準化した。
プローブおよびプライマーはApplied BiosystemsのPrimer Expressソフトウェアパッケージ(アップルコンピューターのマッキントッシュパワーPC第1版)または標的配列インプットとして用いる類似のアルゴリズムに従って各アッセイ用に設計した。デフォルト設定を反応条件に用い、以下のパラメーターをプライマー選択の前に設定した:プライマー濃度=250nM、プライマー融解温度(Tm)範囲=58〜60℃、プライマーの最適Tm=59℃、最大プライマー差=2℃、プローブは5'Gを含まない、プローブTmはプライマーTmより10℃高くなくてはならない、アンプリコンサイズは75bp〜100bp。選択したプローブおよびプライマー(以下参照)をSynthegen(Houston, TX, USA)によって合成した。プローブをHPLCで2回精製して結合していない色素を除去し、質量分析によって評価し、レポーターおよびクエンチャー色素のプローブの5'および3'末端それぞれとの結合を確認した。最終濃度は、フォワードおよびリバースプライマーは各900nM、プローブは200nMとした
PCR条件:RNA試料を扱う場合には、各組織および各細胞株由来の標準化RNAを96ウェルまたは384ウェルPCRプレート(Applied Biosystems)のいずれかの各ウェルにスポットした。PCRカクテルは単一の遺伝子特異的プローブおよびプライマーセット、または2つのマルチプレックス化したプローブおよびプライマーセット(標的クローンに特異的なセットおよび標的プローブについてマルチプレックス化した別の遺伝子特異的セット)のいずれかを含んでいた。PCR反応はTaqMan(登録商標)ワンステップRT-PCR Master Mix(Applied Biosystems,カタログ番号4313803)を製造者の使用説明書に従って用いて設定した。48℃で30分間の逆転写、次いで、以下の増幅/PCRサイクル:95℃10分間、その後95℃15秒を40サイクル、60℃で1分間を実施した。結果は、任意の試料とΔCT力について2で表される最低のCT値を持つ試料間のRNA濃度に差に関して、ログスケールを用いてCT値(任意の試料が蛍光の閾値を通過するサイクル)として記録した。次いで、相対発現パーセントがこのRNA差異の逆数をとり、100を掛けることによって得られる。
sscDNA試料を扱う場合には、標準化したsscDNAをRNA試料について前記の通り用いた。1または2セットのプローブおよびプライマーを含むPCR反応を1×TaqMan(登録商標)Universal Master mix(Applied Biosystems;カタログ番号4324020)を製造者の使用説明書に従って用いて、前記の通り設定した。PCR増幅は以下のように実施した:95℃で10分、次いで95℃で15秒の40サイクル、60℃で1分。結果は前記のように解析し、処理した。
パネル 1、1.1、1.2、および1.3D
パネル1、1.1、1.2および1.3Dのプレートには2の対照ウェル(ゲノムDNA対照および化学対照)および種々の試料由来のcDNAを含む94のウェルが含まれる。これらのパネルの試料は2つのクラス:培養細胞株由来の試料および一次正常組織由来の試料に分類される。細胞株は以下の種類の癌:肺癌(lung cancer)、乳癌(breast cancer)、黒色腫(melanoma)、結腸癌(colon cancer)、前立腺癌(prostate cancer)、CNS癌(CNS cancer)、扁平上皮癌腫腫(squamous cell carcinoma)、卵巣癌(ovarian cancer)、肝臓癌(liver cancer)、腎臓癌(renal cancer)、胃癌(gansric cancer)および膵臓癌(pancreatic cancer)に由来する。これらのパネルで用いる細胞株は培養細胞株の宝庫であるAmerican Type Culture Collection(ATCC)を通じて広く入手可能であり、ATCCの推奨する条件を用いて培養した。これらのパネルに見出される正常組織は単一の成人個体または胎児のすべての主要器官系に由来する試料に含まれる。これらの試料は以下の器官:成人骨格筋、胎児骨格筋、成人心臓、胎児心臓、成人腎臓、胎児腎臓、成人肝臓、胎児肝臓、成人肺、胎児肺、脳の種々の領域、脾臓、骨髄、リンパ節、膵臓、唾液腺、下垂体、副腎、脊髄、胸腺、胃、小腸、結腸、膀胱、気管、乳房、卵巣、子宮、胎盤、前立腺、精巣および脂肪に由来する。
パネル1、1.1、1.2および1.3Dの結果では、以下の略語が用いられる:
ca.=癌腫、*=転移により確立されたもの、met=転移、s cell var=小細胞変異体、non-s=non-sm=非小、squam=扁平上皮、pl. eff=pl effusion=胸膜浸出液、glio=神経膠腫、astro=星細胞腫、およびneuro=神経芽細胞腫
一般 スクリーニング パネル v1.4、v1.5およびv1.6
パネル1.4、1.5、および1.6のプレートには2の対照ウェル(ゲノムDNA対照および化学対照)および種々の試料由来のcDNAを含む94のウェルが含まれる。パネル1.4、1.5、および1.6の試料は2つのクラス:培養細胞株由来の試料および一次正常組織由来の試料に分類される。細胞株は以下の種類の癌:肺癌、乳癌、黒色腫、結腸癌、前立腺癌、CNS癌、扁平上皮癌腫腫、卵巣癌、肝臓癌、腎臓癌、胃癌および膵臓癌に由来する。パネル1.4、1.5、および1.6で用いる細胞株は培養細胞株の宝庫であるAmerican Type Culture Collection (ATCC)を通じて広く入手可能であり、ATCCの推奨する条件を用いて培養した。パネル1.4、1.5、および1.6に見出される正常組織は2〜5の異なる成人個体または胎児のすべての主要器官系に由来する試料のプールに含まれる。これらの試料は以下の器官:成人骨格筋、胎児骨格筋、成人心臓、胎児心臓、成人腎臓、胎児腎臓、成人肝臓、胎児肝臓、成人肺、胎児肺、脳の種々の領域、脾臓、骨髄、リンパ節、膵臓、唾液腺、下垂体、副腎、脊髄、胸腺、胃、小腸、結腸、膀胱、気管、乳房、卵巣、子宮、胎盤、前立腺、精巣および脂肪に由来する。略語はパネル1、1.1、1.2、および1.3Dについて記載した通り。
パネル 2D、2.2、2.3および2.4
パネル2D、2.2、2.3および2.4のプレートには概ね2の対照ウェルおよび米国国立癌研究所(the National Cancer Institute)のCooperative Human Tissue Network(CHTN)またはNational Disease Research Initiative(NDRI)と密接な協力関係を持つ医師により入手したか、あるいはArdaisまたはClinomicsから得たヒト組織から単離した、RNAまたはcDNAから成る94の試験試料が含まれる。この組織はヒト悪性腫瘍に由来し、示される場合には、多くの悪性組織が腫瘍とまさに隣接した非癌性組織から得られた「対応縁部(mached margins)」を含む。これらを正常な隣接組織と称し、下記の結果では「NAT」と示す。腫瘍組織および「対応縁部」は2人の独立した病理学者によって(外科病理学者およびさらにNDRI/CHTN/Ardais/Clinomicsの病理学者によって)評価されている。悪性腫瘍のない組織(正常組織)由来の非対応RNA試料もArdaisまたはClinomicsより入手した。この分析により腫瘍の分化の程度に関する全体的な組織病理学的評価が提供される。さらに、ほとんどの試料が患者の臨床段階に関する情報を提供する最初の外科病理学報告書を包含する。これら対応縁部は外科手術域を取り囲む(すなわち、最も近くに隣接する)組織(表RRでは正常隣接細胞という語から「NAT」と表す)から採取されている。さらに、RNAおよびcDNA試料を高齢者または急死した被害者(事故など)に行なわれた検死解剖より得た種々のヒト組織から得た。これらの組織は病気にかかっていないと確認され、Clontech(Palo Alto, CA)、Research Genetics、およびInvitrogenなどの種々の商業ソースから購入した。
HASS パネル v 1.0
HASSパネルv 1.0プレートは93のcDNA試料および2の対照に含まれる。詳しくは、これらの試料のうち81が、血清飢餓、アシドーシスおよび無酸素に異なる期間付された培養ヒト癌細胞株ならびにこれらの処置の対照に由来し、3試料がヒト一次細胞、9試料が悪性脳癌(malignant brain cancer)(4の髄芽細胞腫(medulloblastomas)および5の膠芽細胞腫(glioblastomas))、ならびに2が対照である。ヒト癌細胞株はATCC(American Type Culture Collection)より入手し、以下の組織群:乳癌、前立腺癌、膀胱癌腫(bladder carcinoma)、膵臓癌、およびCNS癌細胞株に分類される。これらの癌細胞はすべて標準の推奨される条件下で培養する。用いた処置(血清飢餓、アシドーシスおよび無酸素)はこれまでに科学論文で公開されている。ヒト一次細胞はClonetics(Walkersville, MD)より入手し、Cloneticsの推奨する培地および条件で増殖させた。悪性脳癌試料は共同研究(Henry Ford Cancer Center)の一環として入手し、CuraGenが試料を受け取る前に病理学者によって評価されている。標準的な手順を用いてRNAをこれらの試料から調製した。ゲノム対照および化学対照ウェルについては既に記載した。
ARDAIS パネルv1.0
ARDAISパネルv1.0のプレートには概ね2の対照ウェルおよびArdais社と密接な協力関係を持つ医師により入手したヒト組織から単離したRNAからなる22の試験試料を含む。組織はヒト肺悪性腫瘍(human lung malignacies)(肺腺癌(lung adenocarcinoma)または肺扁平上皮癌腫(lung squamous cell carcinoma))に由来し、示される場合には、多くの悪性組織は腫瘍とまさに隣接した非癌性組織から得られる「対応縁部」を含む。これら対応縁部は以下の結果では外科手術域を取り囲む(すなわち、最も近くに隣接する)組織(正常隣接細胞という語から「NAT」と呼ばれる)から採取されている。腫瘍組織および「対応縁部」は独立した病理学者によって(外科病理学者およびさらにArdaisの病理学者によって)評価されている。肺由来の非対応悪性および非悪性のRNA試料もArdaisより入手した。Ardaisからのさらなる情報により腫瘍分化の程度および段階に関する全体的な組織病理学的評価を提供される。さらに、ほとんどの試料が患者の臨床段階に関する情報を提供する最初の外科病理学報告書を包含する。
パネル 3D、3.1および3.2
パネル3D、3.1、および 3.2のプレートは94のcDNA試料および2の対照試料に含まれる。詳しくは、これらの試料のうち92が培養ヒト癌細胞株に由来し、2試料がヒト一次小脳組織に由来し2が対照である。ヒト細胞株は概ねATCC(American Type Culture Collection)、NCIまたはドイツ腫瘍細胞バンク(German tumor cell bank)より入手し、以下の組織群:舌の扁平上皮癌腫、乳癌、前立腺癌、黒色腫、類表皮癌腫(epidermoid carcinoma)、肉腫(sarcomas)、膀胱癌腫、膵臓癌、腎臓癌、白血病(leukemias)/リンパ腫(lymphomas)、卵巣/子宮(uterine)/子宮頸癌(cervical cancer)、胃癌、結腸癌、肺癌およびCNS癌細胞株に分けられる。さらに、2つの独立した小脳の試料がある。これらの細胞はすべて標準の推奨された条件下で培養し、標準的な手順を用いてRNAを抽出した。パネル3D、3.1、3.2、1、1.1、1.2、1.3D、1.4、1.5および1.6の細胞株は科学文献で用いられる最も一般的な細胞株である。
パネル 4D、4R、および4.1D
パネル4は96ウェルプレート(対照ウェル2、試験試料94)に、炎症症状に関連する種々のヒト細胞株または組織から単離したRNA(パネル4R)またはcDNA(パネル4D/4.1D)からなる試料を含む。結腸および肺(Stratagene, La Jolla, CA)ならびに胸腺および腎臓(Clontech)などの対照正常組織由来の全RNAを用いた。肝硬変(cirrhosis)患者より得た肝臓組織および狼瘡(lupus)患者より得た腎臓由来の全RNAはBioChain(BioChain Institute, Inc., Hayward, CA)より入手した。クローン病(Crohn's disease)および潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)であると診断された患者由来のRNA調製用の腸組織はNational Disease Research Interchange(NDRI)(Philadelphia, PA)より入手した。
星細胞、肺繊維芽細胞、皮膚繊維芽細胞、冠状動脈平滑筋細胞、細気管支上皮、気管支上皮、皮膚微小血管内皮細胞、肺微小血管内皮細胞、ヒト肺大動脈内皮細胞、ヒト臍静脈内皮細胞はすべてClonetics(Walkersville, MD)より購入し、これらの細胞種用にCloneticsが提供する培地で増殖させた。これらの一次細胞種は指示された通り、種々のサイトカインまたはサイトカインの組み合わせを用いて6および/または12〜14時間で活性化した。以下のサイトカインを用いた;約1〜5ng/mlのIL-1β、約5〜10ng/mlのTNFα、約20〜50ng/mlのIFNγ、約5〜10ng/mlのIL-4、約5〜10ng/mlのIL-9、約5〜10ng/mlのIL-13。内皮細胞は0.1%血清を含むCloneticsの基本培地での培養によって種々の期間飢餓とすることもあった。
単核球をFicollを用いてCuraGen社の社員の血液から調製した。LAK細胞をこれらの細胞からDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco/Life Technologies, Rockville, MD)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)およびインターロイキン2で4〜6日培養することで調製した。次いで、細胞を、10〜20ng/ml PMAおよび1〜2μg/ml イオノマイシン、5〜10ng/mlのIL-12、20〜50ng/mlのIFNγおよび5〜10ng/mlのIL-18で6時間活性化させた。場合によっては、単核球をDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および約5μg/mlのPHA(フィトヘムアグルチニン)またはPWM(ポークウィードマイトジェン)を含む10mM Hepes(Gibco)で4〜5日間培養した。試料はRNA調製用に24、48および72時間で採取した。MLR(混合リンパ球反応)試料は二人のドナーより血液を採取し、Ficollを用いて単核球を単離し、単離した単核球をDMEM 5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール(5.5x10-5M)(Gibco)、および10mM Hepes (Gibco)に約2x106細胞/mlの最終濃度で1:1混合することで得た。MLRを培養し、試料をRNA調製用に1〜7日間の範囲の種々の時点で取り出した。
単球は、CD 14 Miltenyiビーズ、ポジティブVS選択カラムおよびVario Magnetを製造者の使用説明書に従って用いて単核球から単離した。単球はDMEM 5%ウシ胎児血清(FCS)(Hyclone, Logan, UT)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)、50ng/ml GMCSFおよび5ng/ml IL-4での5〜7日間の培養によって樹状細胞へ分化した。マクロファージはDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)および10%AB型ヒト血清または約50ng/mlのMCSFで単球を5〜7日間培養して調製した。単球、マクロファージおよび樹状細胞はまた、100ng/mlのリポ多糖(LPS)で6および12〜14時間刺激した。樹状細胞も10μg/mlの抗CD40モノクローナル抗体(Pharmingen)で6および12〜14時間刺激した。
CD4リンパ球、CD8リンパ球およびNK細胞もCD4、CD8およびCD56 Miltenyiビーズ、ポジティブVS選択カラムならびにVario Magnetを製造者の使用説明書に従って用いて単核球から単離した。CD45RAおよびCD45RO CD4リンパ球はCD8、CD56、CD14およびCD19 Miltenyiビーズおよびポジティブ選抜を用いてCD8、CD56、CD14およびCD19細胞の単核球を枯渇させて単離した。次いでCD45ROビーズを用いてCD45RO CD4リンパ球をCD45RA CD4リンパ球である残存する細胞とともに単離した。CD45RA CD4、CD45RO CD4およびCD8リンパ球を、DMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)に入れ、PBS中0.5μg/ml抗CD28(Pharmingen)および3ug/ml抗CD3(OKT3, ATCC)で一晩コーティングしておいたFalcon6ウェル組織培養プレートの上に106個細胞/mlでプレーティングした。6時間後及び24時間後に、RNA調製のためこの細胞を回収した。慢性的に活性化したCD8リンパ球を調製するため、本発明者らは単離したCD8リンパ球を4日間、抗CD28および抗CD3コーティングプレート上で活性化し、次いで細胞を回収し、これらをDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)、およびIL-2で拡大した。次いで、拡大したCD8細胞を再び抗CD3および抗CD28が結合したプレートで4日間活性化させ、前と同様に拡大した。第2の活性化の6および24時間後に、ならびに第2の拡大培養の4日後にRNAを単離した。単離したNK細胞はDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)およびIL-2で4〜6日間培養し、その後RNAを調製した。
B細胞を得るために、扁桃をNDRIより入手した。扁桃を滅菌した解剖用鋏で細かく切断した後、篩にかけた。次いで扁桃細胞を沈降させ、DMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)で、106細胞/mlに再懸濁した。細胞を活性化させるため、本発明者らは5ug/mlのPWMまたは約10μg/mlの抗CD40(Pharmingen)ならびに5〜10ng/mlのIL-4を用いた。RNA調製用に24、48および72時間で細胞を回収した。
一次および二次Th1/Th2およびTr1細胞を調製するため、6ウェルFalconプレートを10μg/ml抗CD28(Pharmingen)および2μg/ml OKT3(ATCC)で一晩コーティングし、次いでPBSで2回洗浄した。臍帯血CD4リンパ球(Poietic Systems, German Town, MD)をDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)およびIL-2(4ng/ml)で105〜106細胞/mlで培養した。IL-12(5ng/ml)および抗IL4(1μg/ml)をTh1に直接用い、他方IL-4(5ng/ml)および抗IFNγ(1μg/ml)をTh2に直接用い、5ng/mlのIL-10をTr1に直接用いた。4〜5日後、活性化したTh1、Th2およびTr1リンパ球をDMEMで一度洗浄し、DMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)およびIL-2(1ng/ml)で4〜7日間拡大した。この後、活性化したTh1、Th2およびTr1リンパ球を前記のように抗CD28/OKT3およびサイトカインで5日間再刺激したが、アポトーシスを防ぐため抗CD95L(1μg/ml)を添加した。4〜5日後、Th1、Th2およびTr1リンパ球を洗浄し、次いで再びIL-2で4〜7日間拡大した。活性化したTh1およびTh2リンパ球をこのように最大3サイクル間維持した。抗CD3および抗CD28 mAbsが結合したプレートでの第2および第3の活性化、ならびにインターロイキン2での第2および第3の拡大培養への4日間の6および24時間後、RNAを一次および二次Th1、Th2およびTr1より調製した。
以下の白血球細胞株:Ramos、EOL-1、KU-812はATCCより入手した。EOL細胞はさらに0.1mM dbcAMPで5x105細胞/mlにて、3日毎に培地を交換し、細胞濃度を5×105細胞/mlに調整しながら、8日間培養して分化させた。これらの細胞の培養には、本発明者らはDMEMまたはRPMI(ATCCの推奨するもの)を5% FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、10mM Hepes(Gibco)を添加して用いた。RNAは休止細胞または10ng/mlのPMAおよび1μg/mlのイオノマイシンで6および14時間活性化させた細胞のいずれかから調製した。ケラチノサイト株CCD106および気道上皮腫瘍(airway epithelial tumor)株NCI-H292もATCCより入手した。双方ともDMEM 5%FCS(Hyclone)、100μM非必須アミノ酸(Gibco)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco)、メルカプトエタノール5.5x10-5M(Gibco)、および10mM Hepes(Gibco)で培養した。CCD1106細胞は約5ng/ml TNFαおよび1ng/ml IL-1βで6および14時間活性化させ、他方、NCI-H292細胞は以下のサイトカイン:5ng/ml IL-4、5ng/ml IL-9、5ng/ml IL-13および25ng/ml IFNγで6および14時間活性化させた。
これらの細胞株および血液細胞については、RNAはトリゾール(Gibco BRL)を用いて約107細胞/mlに溶解させることによって調製した。便宜には、1/10容量のブロモクロロプロパン(Molecular Research Corporation)をRNA試料へ加え、ボルテックス処理をして室温にて10分後、チューブをSorvall SS34 ローターにて14,000rpmで回転させた。水相を回収し、15ml Falcon Tubeの中に入れた。等量のイソプロパノールを加え、-20℃にて一晩静置した。沈殿したRNAをSorvall SS34ローターにて9,000rpmで15分間沈降させ、70%エタノールで洗浄した。ペレットを300μlのRNアーゼを含まない水に再び溶解し、35μlのバッファー(Promega)、5μl DTT、7μl RNAsinおよび8μlのDNアーゼを加えた。チューブを37℃で30分間インキュベートして混入しているゲノムDNAを除去し、フェノールクロロホルムで1回抽出し、1/10容量の3M酢酸ナトリウムおよび2容量の100%エタノールで再び沈殿させた。RNAを沈降させ、RNアーゼを含まない水に入れた。RNAは-80℃で保存した。
AI 包括的 パネル v1.0
AI 包括的 パネル v1.0のプレートには2の対照ウェルならびに、Backus HospitalおよびClinomics(Frederick, MD)より入手した外科および検死解剖ヒト組織から単離したcDNAを含む89の試験試料が含まれる。全RNAはCuraGenの施設内のBackus Hospitalより得た組織試料から抽出した。他の組織由来の全RNAはClinomicsより入手した。
滑液、滑膜、骨および軟骨をはじめとする関節組織はBackus Hospitalで人工膝関節または人工股関節置換術を受けている患者より得た。単離したRNAが確実に最適な品質のものであり退化しないように組織試料は液体窒素中で直ちに急速冷凍させた。骨関節症(osteoarthritis)および慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の関節組織のさらなる試料をClinomicsより入手した。正常な対照組織はClinomicsより提供されたもので、外傷被害者の検死解剖の際に入手した。
乾癬(psoriatic)組織および隣接した対応組織の外科試料はClinomicsより全RNAとして提供された。25〜47歳の間の2名の男性および2名の女性患者を選択した。試料を単離する時に処方薬を服用していた患者はいなかった。
潰瘍性大腸炎およびクローン病の患者より得た患部結腸の外科試料および隣接する対応組織をClinomicsより入手した。41〜69歳の間の3名の女性および3名の男性クローン病患者より得た腸管組織を用いた。2名の患者は薬を処方されていなかったが、他の者はデキサメタゾン、フェノバルビタール、またはタイレノールを服用していた。潰瘍性大腸炎組織は3名の男性および4名の女性患者より得た。患者のうち4名はレヴィッド(lebvid)を、そして2名はフェノバルビタールを服用していた。
疾病のない、または肺気腫(emphysema)、喘息(asthma)またはCOPDを患う外傷被害者より得た検死解剖肺組織由来の全RNAをClinomicsより購入した。40〜70歳の範囲の肺気腫患者および全員が喫煙者であり、この年齢範囲はタバコが関連している肺気腫の患者に主眼を置き、かつ、α-1抗トリプシン欠乏症の患者を避けるために選択した。喘息患者は36〜75歳にわたり、COPDも有するおそれのある患者を避けるため喫煙者を除外した。COPD患者は35〜80歳にわたり、喫煙者と非喫煙者の双方が含まれていた。ほとんどの患者がコルチコステロイドおよび気管支拡張薬を服用していた。
AI 包括的 パネル v1.0パネルで組織の同定に用いた標識では、以下の略語が用いられている:
AI=自己免疫
Syn=滑液の
Normal=明白な疾病なし
Rep22/Rep20=個々の患者
RA=慢性関節リウマチ
Backus=Backus病院提供
OA=骨関節症
(SS)(BA)(MF)=個々の患者
Adj=隣接組織
Match control=隣接組織
- M=男性
- F=女性
COPD=慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)
パネル 5Dおよび5I
パネル5Dおよび5Iのプレートには2の対照ウェルならびに代謝病に重点を置いてヒト組織および細胞株から単離した種々のcDNAが含まれる。代謝組織は妊娠糖尿病(Gestational Diabetes)研究に加わっている患者より得た。細胞はヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞の分化における様々の段階の間で得た。ヒト膵島も得た。
妊娠糖尿病研究では被検者は若い(18〜40歳)かまたは慣例の(選択性の)帝王切開をうけている妊娠糖尿病であるか、そうでない健常な女性である。乳児出産後の外科的切開が修復された/閉じられる際、各外科レベルの終了処理中に産科医が露出した代謝組織の小試料(<1cc)を摘出した。生検物質を摘出から5分以内に滅菌した生理食塩水ですすぎ、水分を吸い取って急速冷凍した。次いで組織を液体窒素で瞬間冷凍させ、滅菌したネジ蓋式のチューブに個別に保存し、発送用またはCuraGen社が回収するようにドライアイス上で維持した。注目する代謝組織としては子宮壁(平滑筋)、内臓脂肪、骨格筋(直筋)および皮下脂肪が挙げられる。患者の概要は以下の通り:
患者2:糖尿病のラテンアメリカ人、過体重、インスリンを常用していない
患者7-9:糖尿病でない白人で肥満(BMI>30)
患者10:糖尿病のラテンアメリカ人、過体重、インスリンを常用
患者11:糖尿病でないアフリカ系アメリカ人で過体重
患者12:糖尿病のラテンアメリカ人、インスリンを常用
脂肪細胞の分化を、2つの複製しかないドナー3Uを除き、3連でOsirus(Clonetics/BioWhittakerの一部門)から得たドナー前駆細胞内で誘導した。Cloneticsの科学者らはCuraGenのためにMark F. Pittengerらに見出された公開プロトコール、Multilineage Potential of Adult Human mesenchymal Stem Cells Science Apr 2 1999:143-147に基づいてヒト間葉幹細胞(HuMSC)を単離し、増殖させ、分化させた。CloneticsはmRNA単離および二本鎖cDNA生成に好適なトリゾール溶解物または凍結ペレットを提供した。各ドナーの概要は以下の通り:
ドナー2および3U: 間葉幹細胞、未分化の脂肪
ドナー2および3AM:脂肪、分化途中の脂肪
ドナー2および3AD:脂肪、分化した脂肪
ヒト細胞株は概ねATCC(American Type Culture Collection)、NCIまたはドイツ腫瘍細胞バンク(German tumor cell bank)より入手し、以下の組織群:腎臓近位尿細管、子宮平滑筋細胞、小腸、肝臓HepG2癌細胞、心臓一次間質細胞、および副腎皮質腺腫細胞に分類される。これらの細胞はすべて標準の推奨された条件下で培養し、標準的な手順を用いてRNAを抽出した。すべての試料はCuraGenで処理して一本鎖cDNAを得た。
パネル5Iはこれまでに記載のすべての試料を含み、マイアミ医科大学(University of Miami School of Medicine)の糖尿病研究所(Diabetes Research Institute)から得た58歳の女性患者の膵島をさらに加えた。島組織は外部ソースで全RNAに処理され、パネル5Iに加えるためCuraGenに届けられた。
5Dおよび5Iパネルで組織の同定に用いた標識では、以下の略語が用いられている:
GO脂肪=大網脂肪
SK=骨格筋
UT=子宮
PL=胎盤
AD=分化した脂肪
AM=分化途中の脂肪
U=未分化の幹細胞
パネル CNSD. 01
パネルCNSD.01のプレートは2の対照ウェルおよびハーバード脳組織資源センター(Harvard Brain Tissue Resource Center)より得た検死解剖ヒト脳組織から単離したcDNAからなる94の試験試料が含まれる。脳は死後4〜24時間にドナーの頭蓋冠から摘出され、神経解剖学者によって区分化され、液体窒素蒸気中で-80℃にて凍結されている。すべての脳は神経病理学者によって区分化されて調べられ、明確に関連している神経病理学について診断が確認されている。
疾病診断は患者の記録から取られている。パネルには以下の診断:アルツハイマー病、パーキンソン病(Parkinson's diseas)、ハンチントン舞踏病(Huntington's disease)、進行性核上麻痺(Progressive Supernuclear Palsy)、鬱病(Depression)の各々からの2つの脳、および「正常対照」が含まれる。これらの脳の各々の中には、以下の領域が示されている:帯状回、側頭極、淡蒼球、黒質、ブロードマン野4(一次運動帯)、ブロードマン野7(頭頂皮質)、ブロードマン野9(前前頭皮質)、およびブロードマン野17(後頭皮質)。すべての患者ですべての脳の領域が示されるわけではなく、ハンチントン舞踏病は一つには淡蒼球での神経変性を特徴とし、従ってハンチントン舞踏病と確認された患者からこの領域を得ることは不可能である。同様にパーキンソン病は黒質の変性を特徴とし、この領域を得るのが一層困難となる。正常な対照脳は神経病理学に関して調べられ、神経変性に一致する病理がないとわかったものである。
CNSパネルで組織の同定に用いた標識では、以下の略語が用いられている:
PSP=進行性核上麻痺
Sub Nigra=黒質
Glob Palladus=淡蒼球
Temp Pole=側頭極
Cing Gyr=帯状回
BA 4=ブロードマン野4
パネル CNS 神経変性 V1.0
パネルCNS 神経変性 V1. 0のプレートには2の対照ウェルならびにハーバード脳組織資源センター(Harvard Brain Tissue Resource Center)(McLean Hospital)およびヒト脳・脊髄液資源センター(Human Brain and Spinal Fluid Resource Center)(VA Greater Los Angeles Healthcare System)から入手した検死解剖ヒト脳組織から単離したcDNAからなる47の試験試料が含まれる。脳は死後4〜24時間にドナーの頭蓋冠から摘出され、神経解剖学者によって区分化され、液体窒素蒸気中で-80℃にて凍結されている。すべての脳は神経病理学者によって区分化されて調べられ、明確に関連する神経病理学について診断が確認されている。
疾病診断は患者の記録から取られている。パネルには6のアルツハイマー病(AD)患者由来の脳、および8の死亡前に痴呆の徴候を示さなかった「正常対照」由来の脳を含む。8の正常対照脳は2種類:痴呆およびアルツハイマー病のような病状のない対照(対照)および痴呆はないが重篤なアルツハイマー病のような病状の徴候のある対照、(詳しくは0〜3段階のレベル3と評価される老人斑量;0=斑の徴候なし、3=重篤なAD老人斑量)に分けられる。これらの脳の各々の中には、以下の領域が示されている:海馬、側頭皮質(ブロードマン野21)、頭頂皮質(ブロードマン野7)、および後頭皮質(ブロードマン野17)。これらの領域はADにおけるすべての段階の神経変性を包含するよう選択した。海馬はADにおいて初期ならびに重篤な神経損失領域である;側頭皮質はADにおいて海馬の後に神経変性を示すと知られている;頭頂皮質はこの疾病の最終段階で適度の神経細胞死を示す;後頭皮質はADで残される、従ってAD患者内で「対照」領域として役割を果たす。すべての患者ですべての脳領域が示されているわけではない。
CNS 神経変性 V1.0パネルで組織の同定に用いた標識では、以下の略語が用いられている:
AD=アルツハイマー病脳;検死解剖に際し患者は痴呆でADのような病理を示した
Control=対照脳;神経病理学を示さない痴呆でない患者
Control(Path)=対照脳;痴呆でないが重篤なADのような病理を示す患者
SupTemporal Ctx=上側頭皮質
Inf Temporal Ctx=下側頭皮質
A.CG102071-03:MAPキナーゼホスファターゼ様
遺伝子CG102071-03の発現を、プライマー-プローブセットAg6815を使用して評価し、表AAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ABおよびACに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag6815 この遺伝子を用いるある実施例の結果は含まれない。Ampプロットはこの実施には実験上の困難があったことを示す。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag6815 この遺伝子の最高発現が、大腸癌細胞株において見られる(CT=28.7)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、脳、膵臓、腎臓、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株をはじめとするすべての癌細胞株において発現レベルが顕著である。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は脂肪、副腎、膵臓、甲状腺、胎児骨格筋および成人および胎児の肝臓で低度ではあるが有意なレベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現はこの遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSで低度ではあるが有意なレベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は、アルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症(schizophrenia)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、脳卒中(stroke)および癲癇(epilepsy)などの神経疾患の処置で有用であり得る。
パネル4.1Dまとめ:Ag6815 最高発現が、未処置のケラチノサイトで見られる(CT=31.3)。中度発現がNIL細胞、冠動脈SMC、肺微小血管内皮細胞をはじめとするいくつかの未処置のまたは休止細胞種で、ならびに活性化された一次および二次T細胞で見られる。さらに、この遺伝子はこのパネルの多数のその他の試料で低度ではあるが有意なレベルで発現される。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種および組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.4における発現プロフィールと一致し、また、細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節は、これらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また、喘息、アレルギー(allergies)、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)、エリテマトーデス(lupus erythematosus)、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
B.CG102734-01およびCG102734-02:RAS関連タンパク質RAB-4A
遺伝子CG102734-01およびCG102734-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4213を使用して評価し、表BAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表BBおよびBCに示す。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
Figure 2005526507
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4213 この遺伝子の最高発現が、卵巣癌細胞株において見られる(CT=26)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株をはじめとするこのパネルのすべての癌細胞株で高〜中度発現が見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺および成人および胎児骨格筋、心臓および肝臓において中レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現はこの遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。さらに、この遺伝子は成人の対応物における発現(CT=30.5)と比べた場合に胎児組織(CT=27.5)でかなり高レベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現をこの組織の胎児と成人の供給源の間を区別するために用いてもよい。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSにおいて中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
パネル5膵島まとめ:Ag4213 この遺伝子の最高発現が、肝臓由来細胞株において見られる(CT=29)。さらに、中度発現が胎盤、骨格筋およびヒト島細胞をはじめとする代謝組織で見られる。Rab4はグルコース輸送体含有小胞の細胞内維持およびグルコース輸送体輸送をもたらすインスリンシグナル伝達経路の双方に関与すると示されている(Le Marchand-Brustel, J Recept SignalTransduct Res 1999 Jan-Jul; 19(1-4):217-28)。したがって、この推定Rab4タンパク質の代謝機能を有する組織における発現はこの遺伝子産物の発現または機能の治療的調節はインスリン耐性、ならびに関連している肥満症(obesity)およびII型糖尿病(type II diabetes)の処置に有用であり得るということを示唆する。
C.CG112785-01:GPCR
遺伝子CG112785-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4463を使用して評価し、表CAに記載した。
Figure 2005526507
CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4463 この遺伝子の発現がこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4463 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
パネル4.1Dまとめ:Ag4463 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
一般 腫瘍学 スクリーニング パネル v-2.4まとめ:Ag4463 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
D.CG116818-02:ピルビン酸カルボキシラーゼ前駆体
遺伝子CG116818-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4745を使用して評価し、表DAに記載した。
Figure 2005526507
CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4745 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4745 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4745 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 5膵島まとめ:Ag4745 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
E.CG117653-02:ヒトATP 結合カセットABCG1(ABC8)
遺伝子CG117653-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4881を使用して評価し、表EAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表EBおよびECに示す。
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一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4881 この遺伝子の最高発現は、小脳において見られる(CT=27.5)。中レベルの発現もまた、調べたCNSのすべての領域で見られる。この遺伝子の中〜低レベルの発現もまた、膵臓、甲状腺、副腎、下垂体、脂肪、胎児および成人の心臓、骨格筋および肝臓をはじめとする代謝組織で見られる。この遺伝子はATP-結合カセット(ABC)輸送体ファミリーのメンバーをコードする。ABCスーパーファミリーはビタミン、ペプチド、ステロイドホルモン、イオン、糖およびアミノ酸の輸送に関与する無数の膜貫通タンパク質を含む(参照文献1)。機能障害性ABC輸送体に起因する既知の遺伝病としては嚢胞性線維症(cystic fibrosis)、ゼルウェガー症候群(Zellweger syndrome)、副腎白質萎縮症(adrenoleukodystrophy)、多剤耐性(multidrug resistance)、スターガード黄斑ジストロフィー(Stargardt macular dystrophy)、タンジール病(Tangier disease)(TD)および家族性HDL欠乏症(familial HDL deficiency)(FHA)が挙げられる(参照文献2、3)。近年、マウスではABCA1、ABCAサブファミリーに属する、輸送体の機能的損失が重篤な胎盤の形成異常、異常な脂質分布および糸球体腎炎、ならびに高密度リポタンパク質コレステロール欠乏症を引き起こすということが示されている(参照文献3)。この遺伝子はこのパネルに用いた多数の正常な組織で発現される。ABCA1との類似性において、この遺伝子は脂質代謝、腎臓の炎症および循環器病およびCNS疾患において広範な役割を果たし得る。
参照文献
1. Higgins CF.(1992)Annu Rev Cell Biol 8:67-113
PMID:1282354
2. Decottignies A, Goffeau A.(1997)Nat Genet 15(2):137-45.
PMID:9020838
3. Christiansen-Weber TA, Voland JR, Wu Y, NgoK, Roland BL, Nguyen S, Peterson PA, Fung-Leung WP.(2000)Am J Pathol 2000 Sep; 157(3):1017-29
腫瘍学 細胞 株 スクリーニング パネル v3.1まとめ:Ag4881 最高レベルの発現が肺癌細胞株で見られる(CT=27.5)。中レベルの発現もまた、パネル 1.5と一致して小脳で見られる。小脳におけるこの発現はこの遺伝子産物が有用であり、かつ、自閉症および運動失調などの、この脳領域を病態部位として有するCNS疾患の治療用薬剤の特定の標的であり得るということを示唆する。
F.CG119674-02:オーファン神経伝達物質輸送体 NTT5
遺伝子CG119674-02の発現を、プライマー-プローブセットAg7022を使用して評価し、表FAに記載した。
Figure 2005526507
CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag7022 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag7022 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)
パネル 4.1D まとめ:Ag7022 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
G.CG119674-03: オーファン神経伝達物質輸送体 NTT5
遺伝子CG119674-03の発現を、プライマー-プローブセットAg7025を使用して評価し、表GAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を表GBに示す。
Figure 2005526507
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag7025 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.6まとめ:Ag7025 この遺伝子の発現は肺癌細胞株由来の試料に限定されている(CT=33)。したがって、この遺伝子の発現をこのパネルのこの試料およびその他の試料間を区別するために、またマーカーとして肺癌の存在を検出するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は肺癌の処置で有効であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag7025 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
H.CG120123-01:KIAA1382:アミノ酸輸送体2
遺伝子CG120123-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4505を使用して評価し、表HAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表HB、HC、HD、HE、HFおよびHGに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4505 このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。この遺伝子はアルツハイマー病患者の側頭皮質でわずかにアップレギュレートされていると分かる。この受容体の遮断がこの疾病の処置および神経細胞死の減少に有用であり得る。
一般スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4505 この遺伝子の最高発現が、前立腺癌PC3細胞株において検出される(CT=26.2)。この遺伝子の高度発現もまた、膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺由来の癌細胞株、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁平上皮癌腫、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において中レベルで発現される。この遺伝子はアミノ酸輸送体Aタンパク質(ATA2)をコードしている。 アミノ酸輸送体系Aは、基質としてアラニンを好むために、ほとんどの哺乳類組織に存在すると知られている。系Aの特徴としてはナトリウム依存性、基質としてアラニン、セリン、プロリンおよびグルタミンなどの短鎖中性アミノ酸を好むこと、pH感受性、および輸送阻害が挙げられる(OMIM:605180)。ATA2はインスリンおよびグルカゴン処置に対する応答で誘導されると示されている。糖尿病の肝臓におけるATA2の過剰発現は糖新生および高血糖の増加と関連している(参照文献1,2)。肥満で、糖尿病のマウスの骨格筋におけるATA2のアップレギュレーションにより肥満症および/または糖尿病の発症におけるATA2の役割がさらに示唆される。ATA2の輸送活性の阻害により細胞へのアミノ酸の流入が損なわれ、その結果グルコースおよび脂肪酸などのエネルギーの別の供給源を利用するであろう。グルコース利用および脂肪酸酸化を促進することは肥満症および/または糖尿病の処置にとって有益なアプローチに相当する。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓と比べた場合に(CT=33.6)胎児で(CT=30)かなり高レベルで発現される。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現はこのタンパク質産物は胎児では肝臓成長または発達を増強し、したがって、また、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。
したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめ調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子に関する2つの実験(実施212696119および216512980)の結果は含まれていない。Ampプロットはこの実施には実験上の困難があったことを示す。
参照文献:
1. Varoqui H,Erickson JD. Selective up-regulation of system a toransporter mRNA in diabetic liver. Biochem Biophys Res Commun 2002 Jan25 ; 290(3):903-8. PMID:11798158
2. Hyde R, Peyrollier K, Hundal HS. Insulin Promotes the Cell Surface Recruitment of the SAT2/ATA2 System A Amino Acid transporter from an Endosomal Compartment in SkeletalMuscle Cells. J Biol Chem 2002 Apr 19; 277(16):13628-34. PMID:11834730.
パネル 3Dまとめ:Ag4505 この遺伝子の最高発現が粘膜表皮性肺癌NCI-H292細胞株において検出される(CT=28.3)。この遺伝子の発現は横紋筋肉腫、白血病、ウィルムス腫瘍、TおよびB細胞リンパ腫、舌、乳、類表皮、骨、膀胱、膵臓、卵巣、頚椎、胃、大腸、肺および脳癌由来のいくつかの癌細胞株で見られる。したがって、この遺伝子またはこの遺伝子によってコードされるATA2の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4505 この遺伝子の最高発現が肺微小血管内皮細胞において検出される(CT=28)。この遺伝子は健常および疾病における免疫応答において重要な広範な細胞種において高〜中レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル v1.4における発現プロフィールと一致し、また、細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節はこれらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチ、および骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
パネル 5膵島まとめ:Ag4505 この遺伝子は広範に発現され、肝細胞由来の細胞、HepG2で最高に発現される(CT=28)。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル 1.4を参照。
一般 腫瘍学 スクリーニングパネル v-2.4まとめ:Ag4505 この遺伝子の最高発現が転移性黒色腫において検出される(CT=28)。この遺伝子の高〜中度発現がまた、大腸、肺、前立腺、膀胱および腎臓癌で見られる。これらの癌におけるこの遺伝子の発現はその対応する隣接対照組織と比べて高い。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌の存在を検出するためにマーカーとして使用してもよく、またこの遺伝子の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
1.CG120814-01:グルタチオンS-トランスフェラーゼ
遺伝子CG120814-01の発現を、プライマー-プローブセットAg6840を使用して評価し、表IAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表IB、ICおよびIDに示す。
CG120814-01は全長物理的クローンに相当するということに注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag6840 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、このプロフィールにより脳において中レベルでこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.6を参照。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag6840 この遺伝子の最高発現が、肺癌細胞株において見られる(CT=27)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、顕著なレベルの発現が脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株で見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子はグルタチオンS-トランスフェラーゼ、多数の疎水性で、かつ、求電子性の化合物と還元グルタチオンとの結合を触媒することによって解毒および細胞防御において重要な役割を果たす酵素と相同なタンパク質をコードする。したがって、この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は脂肪、副腎、膵臓、甲状腺および胎児肝臓で低度ではあるが有意なレベルで発現される。これら組織の中でのこの広範な発現は、この遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSで低度ではあるが有意なレベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag6840 この遺伝子の最高発現が、IL-9処置NCI-H292細胞において見られる(CT=30)。処置および未処置のNCI-H292試料、ケラチノサイトおよび処置および未処置の末梢気道上皮および肺微小血管内皮細胞のクラスターをはじめとするこのパネルの多数の試料で中度発現が見られる。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.4における発現プロフィールと一致し、また細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節は これらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
J.CG122768-01:ペロキシレドキシン2
遺伝子CG122768-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4536を使用して評価し、表JAに記載した。
Figure 2005526507
CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4536 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネルvl.4まとめ:Ag4536 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4536 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
K.CG122786-01:ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ3
遺伝子CG122786-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4537を使用して評価し、表KAに記載した。
Figure 2005526507
CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4537 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4537 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4537 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
L.CG122795-01:セリン/スレオニンタンパク質ホスファターゼ
遺伝子CG122795-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4538を使用して評価し、表LAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を表LBに示す。
Figure 2005526507
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4538 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4538 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4538 この遺伝子の発現はIL-1β処置した真皮線維芽細胞に限定されており(CT=30)、このことはこの遺伝子産物は乾癬をはじめとする皮膚疾患に関与し得るということを示唆する。同一プローブおよびプライマーを用いる第2の実験(実施199319738)は低/検出不能レベルの発現を示す。(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
M.CG122805-01:ユビキノール-チトクロムC・レダクターゼ・ヒンジ・タンパク質
遺伝子CG122805-01の発現を、プライマー-プローブセットAg6841を使用して評価し、表MAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表MB、MCおよびMDに示す。CG122805-01は全長物理的クローンに相当するということに注意。
Figure 2005526507
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag6841 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、このプロフィールにより脳において中レベルでこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.6を参照。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag6841 この遺伝子の最高発現が、乳癌細胞株において見られる(CT=27.4)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、高〜中度発現が脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株で見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺および成人および胎児骨格筋、心臓および肝臓において中〜低レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現は、この遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSにおいて中〜低レベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1D まとめ:Ag6841 この遺伝子はまた、健常および疾病における免疫応答において重要な広範な細胞種において中レベルで発現され、CD40LおよびI1-4処置したBリンパ球で最高に発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネルvl.6の発現プロフィールと一致し、また、細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節はこれらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また、喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
N.CG123100-01:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ・キナーゼ・キナーゼ(混合系統キナーゼMLK1)
遺伝子CG123100-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4711を使用して評価し、表NAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表NBおよびNCに示す。
Figure 2005526507
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一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4711 この遺伝子の最高発現が、腎臓癌細胞株において見られる(CT=31.7)。さらに、検出可能なレベルの発現は癌細胞株由来の試料に限定されており、腎臓および大腸癌由来の試料のクラスターにおいて中レベルで発現され、また膵臓、卵巣、前立腺および肺癌細胞株において低レベルで発現されている。この遺伝子は推定マイトジェン活性化プロテインキナーゼ・キナーゼ・キナーゼ(MLK1)をコードする。プロテインキナーゼの異常な機能は他の癌の中でも黒色腫の発症と関係している(Quong, Melanoma Res 1994 Oct; 4(5):313-9)。このタンパク質のMLK1との相同性および限定された発現プロフィールに基づいて、 この遺伝子産物はまた、癌の発症に関与し得る。したがって、この遺伝子産物の発現または機能の調節は腎臓、大腸、膵臓、卵巣、前立腺および肺癌の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag4711 この遺伝子の発現がこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
腫瘍学 cell line スクリーニング パネル v3.1まとめ:Ag4711 この遺伝子の最高発現が、バーキットリンパ腫(Burkitt's lymphoma)由来の細胞株において見られる(CT=31.9)。また、低度ではあるが有意なレベルの発現が腎臓、大腸、膵臓および胃癌をはじめとするこのパネルのその他の癌細胞株で見られる。癌におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4を参照。
O.CG124136-01、CG124136-02およびCG124136-03:横紋筋-特異的セリン/スレオニンプロテインキナーゼ
遺伝子CG124136-01、CG124136-02およびCG124136-03の発現を、プライマー-プローブセットAg4630およびAg4668を使用して評価し、表OAおよびOBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表OC、OD、OEおよびOFに示す。プローブおよびプライマーセットAg4668はCG124136-02およびCG124136-03に特異的であるということに注意。
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4630/Ag4668 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。このパネルはアルツハイマー病においてCG124136-02遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、この発現プロフィールにより脳におけるこの遺伝子の存在が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4を参照。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4630/Ag4668 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。CG124136-02遺伝子の最高発現が、骨格筋で見られる(CTs=24.7-25.7)。さらに、この遺伝子は膵臓、下垂体、副腎、脂肪、胎児および成人の心臓、大腸、小腸、腎臓および胎児骨格筋および肝臓をはじめとするその他の代謝機能を有する組織において高〜中レベルで発現される。インスリン耐性はII型糖尿病の原因において主要な因子であり、セリン・キナーゼ・カスケードの脂肪誘導性活性化に関与してNF-kBの活性化をもたらし得る。NF-kB シグナル伝達経路は免疫、炎症性およびアポトーシス性応答において重要な役割を果たしている。高用量の、サリチル酸ナトリウムおよびアスピリンをはじめとするサリチル酸塩がリウマチ熱および関節リューマチなどの炎症症状を治療するために用いられてきた。これらの高用量はシクロオキシゲナーゼ(COX)を介する作用に対し、NF-kBおよびその上流のアクチベーターIkBキナーゼb(IKKb)を阻害すると考えられている。高用量のサリチル酸塩はまた、血糖濃度を低下させる。サリチル酸塩阻害または遺伝子操作したマウスにおけるIKKb発現の減少のいずれかによるIKKb経路を介するシグナル伝達の減少はin vivoにおいてインスリン感受性の改善をもたらすと示されている。活性IKKbは培養細胞においてインスリン耐性を促進すると示されており、また、不活性、ドミナント阻害性キナーゼはTNF誘導性インスリン耐性をブロックすると示されている。したがって、IKKb経路はインスリンシグナル伝達に影響を及ぼすことによってII型糖尿病および肥満症におけるインスリン耐性に寄与し得る。
CG124136-02遺伝子は推定骨格筋特異的セリン/スレオニンキナーゼをコードする。したがって、CG124136-02を阻害することはII型糖尿病の処置で有益であり得、骨格筋におけるインスリン感受性を増強するNF-kBの阻害をもたらし得る。
さらに、この遺伝子は成人の対応物における発現と比べた場合に(CTs=31-32)腎臓組織においてかなり高レベルで発現される(CTs=26-27)。したがって、この遺伝子の発現をこの組織の胎児と成人の供給源の間を区別するために用いてもよい。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとする、調べたCNSのすべての領域において中レベルで発現される。この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
さらに、高〜中度発現が脳癌細胞株由来試料のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は脳癌の処置で有効であり得る。
参照文献:
1.Yuan M, Konstantopoulos N, Lee J, Hansen L, Li ZW, Karin M, Shoelson SE.Science 2002 Jan 11 ; 295(5553): 277. PMID:11533494
2. KimJK, Kim YJ, Fillmore JJ, Chen Y, Moore1, Lee J, Yuan M, Li ZW, Karin M, Perret P,Shoelson SE, Shulman GI. J Clin Invest. 2001 Aug ; 108(3):437-46. PMID:11489937
3. Hsieh CM, Fukumoto S, Layne MD, Maemura K, Charles H, Patel A, Penella MA, Lee ME. J Biol Chem. 2000 Nov 24; 275(47):36966-73. PMID:10692439.
パネル 4.1Dまとめ:Ag4630/Ag4668 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。CG124136-02遺伝子の最高発現が休止星細胞で見られる(CTs=30)。このパネルのこの遺伝子の発現は限定されており、休止細胞株ににおいて、対応する処理試料における発現と比べた場合により高い発現レベルが表れる。休止星細胞、未処置の肺および真皮線維芽細胞ならびに正常な大腸および腎臓において顕著なレベルの発現が見られる。したがって、この遺伝子の発現をこれらの処置および未処置の細胞種間を区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は、喘息、肺気腫、多発性硬化症および乾癬をはじめとする、線維芽細胞および星細胞が関与する自己免疫および炎症性疾患の患者における症状を減少させるか、または排除し得る。
パネル 5膵島まとめ:Ag4630 CG124136-02遺伝子の最高発現が、糖尿病患者の骨格筋で見られる(CT=27.4)(12)。さらに、この推定横紋筋特異的セリン/スレオニンキナーゼは糖尿病被験者の筋肉では(患者-12k 骨格筋)、糖尿病で、肥満症の(BMI>30)被験者の筋肉(患者7,9および11 骨格筋)と比べた場合に4〜8倍アップレギュレートされている。この遺伝子はまた、パネル 1.5の知見と一致して、脂肪、小腸および膵臓、膵島で発現されている。
したがって、この遺伝子の発現は骨格筋のマーカーとして使用できる。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は肥満症およびII型糖尿病をはじめとするこれらの組織に関与する代謝疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子の中度発現はまた、ランゲルハンス島で見られる。したがって、島β細胞におけるこの遺伝子産物の活性化がNF-κBシグナル伝達経路の活性化をもたらし、ひいてはインスリン耐性または2型糖尿病に関連したインスリン分泌不全に寄与し得るという可能性が見えてくる。
P.CG124553-01:ポリペプチドプチド N-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ
遺伝子CG124553-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4669を使用して評価し、表PAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表PB、PC、PDおよびPEに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4669 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、このプロフィールにより脳において中レベルでこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4669 この遺伝子、推定ポリペプチドプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼの発現はCNSと関連していると考えられる。このパネルの最高発現は全脳で認められ(CT=25)、高レベルの発現がCNS全体で見られる。この発現はこの推定酵素が脳においてo-グリコシル化を触媒し得るということを示唆する。この遺伝子産物の発現または機能の調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経性疾患の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺、胎児肝臓および骨格筋ならびに成人および胎児の心臓において中〜低レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現は、この遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4669 この遺伝子の発現はこのパネルではいくつかの試料に限定されており、星細胞で最高に発現され(CTs=29)、また中〜低度発現が正常な肺、胸腺および腎臓で見られる。星細胞での発現はパネル 1.4で見られる脳特異低発現と一致する。パネル CNSにおけるこの遺伝子の利用についての議論にはそのパネル参照。
パネル CNS 1.1まとめ:Ag4669 このパネルにより脳における中レベルのこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。
Q.CG124691-01:ポリペプチドプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ
遺伝子CG124691-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4679を使用して評価し、表QAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表QB、QC、QD、QEおよびQFに示す。
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AI 包括的 パネル vl.0まとめ:Ag4679 同一のプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。この遺伝子の最高発現が、OA軟骨由来の試料において見られる(CTs=27-28)。さらに、この遺伝子はOA、RA、喘息、肺気腫、潰瘍性大腸炎および乾癬由来の試料のクラスターをはじめとするこのパネルの多数の試料で発現される。自己免疫疾患におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 4.1D参照。
CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4679 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、この発現プロフィールにより脳におけるこの遺伝子の存在が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4679 この遺伝子の最高発現が、胎児肺において見られる(CT=27)。さらに、この遺伝子は成人肺(CT=33.6)における発現と比べた場合に胎児肺でかなり高レベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現を胎児および成人の肺組織間を区別するために用いてもよい。この遺伝子はポリペプチドプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、ムチン型糖タンパク質において炭水化物GaINAcをセリンおよびスレオニン残基の側鎖と結合させる酵素のファミリーのメンバーと相同なタンパク質をコードする。胎児組織におけるこの遺伝子のより高い発現はこの酵素の特徴的な炭水化物産物が胎児発達の間に示されるということを示唆する。
この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、中レベルの発現がすべての癌細胞株で見られる。変更されたグリコシル化は悪性表現型の1つの指標である。いくつかの変更されたグリコフォームが正常な組織に存在するが、腫瘍細胞では過剰発現される。Shibao K.らはポリペプチドプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼファミリーのあるメンバー、GalNAc-T3の増強された発現は結腸直腸癌腫(colorectal carcinoma)患者の腫瘍分化、疾病攻撃性および予後の有用な指標であるということを証明した。(Cancer 2002 Apr 1; 94(7):1939-46)。したがって、パネル 2.4の癌細胞株におけるおよび腫瘍試料におけるこのポリペプチドプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ相同体の発現プロフィールはこのタンパク質が類似の方法で、特に癌細胞株における発現が関連正常組織においてよりも高い、大腸、乳および前立腺癌において有用であり得るということを示唆する。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとする、調べたCNSのすべての領域において中レベルで発現される。このことはこの推定酵素は脳においてo-グリコシル化を触媒し得るということを示唆する。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺ならびに成人および胎児の骨格筋、心臓および肝臓において中〜低レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現は、この遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得る得るということを示唆する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4679 この遺伝子の最高発現が、樹状細胞において見られる(CT=28)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、好酸球および樹状細胞において顕著に発現している。この発現プロフィールはこの転写物によってコードされるタンパク質の治療的利用は免疫調節、器官/骨髄移植およびにおいて、および抗原提示、成熟樹状細胞の機能が重要な役割を果たす、喘息、関節リューマチ、IBDおよび乾癬などの疾病の処置において重要であり得るということを示唆する。さらに、この遺伝子産物の調節は好酸球が関与する造血疾患、寄生虫感染および喘息の処置で有用であり得る。
一般 腫瘍学 スクリーニング パネル v-2.4まとめ:Ag4679 この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、腎臓癌で最高に発現される(CT=29.2)。さらに、この遺伝子は肺、大腸および腎臓癌で対応する正常隣接組織よりもより高度に発現される。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌のマーカーとしてしてもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節は肺、大腸および腎臓癌の処置で有用であり得る。
R.CG125169-01:アルコール・デヒドロゲナーゼ・クラスIII CHI鎖
遺伝子CG125169-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4702を使用して評価し、表RAに記載した。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4702 この遺伝子の発現はこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である。(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4702 この遺伝子の発現がこのパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4702 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。ampプロットはプローブ失敗の可能性が高いということを示す。
S.CG125197-01:リゾホスホリパーゼ(アシル-タンパク質チオエステラーゼ-1)
遺伝子CG125197-01の発現を、プライマー-プローブセットAg5956を使用して評価し、表SAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表SB、SCおよびSDに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag5956 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、このプロフィールにより脳において中レベルでこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.5参照。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag5956 この遺伝子の最高発現が、腎臓癌細胞株において見られる(CT=30.5)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株において顕著な発現が見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、甲状腺、胎児肝臓および成人骨格筋および心臓で低度ではあるが有意なレベルで発現される。これら組織の間でのこの発現はこの遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、また、この遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSで低度ではあるが有意なレベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
パネル 5膵島まとめ:Ag5956 この遺伝子の最高発現が、腎臓において見られる(CT=30.4)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、脂肪、骨格筋、胎盤、子宮、小腸、心臓間質細胞、β島細胞および未処置の肝臓HepG2細胞で見られる。この遺伝子はリゾホスホリパーゼの相同体をコードする。リゾホスホリパーゼは心臓におけるホスファチジルコリン代謝に関与している。ホスファチジルコリンは主にホスホリパーゼA1およびA2の作用によって分解されて、リソホスファチジルコリンを形成する。リソホスファチジルコリンはさらにリゾホスホリパーゼによって脱アシル化される。心臓におけるリソホスファチジルコリンの蓄積は心不整脈の生成の生化学的因子の1つであり得る(Hatchら, 1989, Biochem Cell Biol 67(2-3):67-77, PMID:2665794)。したがって、この遺伝子の治療的調節は心不整脈ならびに肥満症および糖尿病などの代謝疾患の処置で有用であり得る。
T.CG125215-01、CG125215-02:AMP結合酵素
遺伝子CG125215-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4703およびAg4703を使用して評価し、表TAおよびTBに記載した。CG125215-02は遺伝子配列の予測を確証する、CG125215-01遺伝子の全長物理的クローンに相当するということに注意。
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4703 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4703 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4703 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 5膵島まとめ:Ag4703 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
U.CG125363-01:マイトジェン(有糸分裂促進物質)活性化プロテインキナーゼ・キナーゼ・キナーゼ1
遺伝子CG125363-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4707およびAg5291を使用して評価し、表UAおよびUBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表UC、UD、UE、UF、UGおよびUHに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4707 このパネルはアルツハイマー病においてこの遺伝子の発現の差を示さない。しかしながら、このプロフィールにより脳における中レベルのこの遺伝子の発現が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4707 この遺伝子の最高発現が、乳癌細胞株において見られる(CT=24.6)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、高レベルの発現が脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株で見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺ならびに成人および胎児骨格筋、心臓および肝臓で低度ではあるが有意なレベルで発現される。この遺伝子は、脂肪細胞に存在し、かつ、肝細胞におけるSREBP調節と関係がある、MAP3キナーゼlと相同なタンパク質をコードする。インスリンに応じて、MAP3キナーゼlは脂肪および肝臓における脂肪酸取り込みおよび合成において役割を果たし得る。したがって、この推定MAP3キナーゼlの阻害は脂肪取り込みおよび合成を妨げ、肥満症の予防で有用であり得る。
さらに、Pravenecは自然発症高血圧ラット(SHR)において、血漿からの脂肪酸の取り込みの媒介に関与する、CD36、脂肪酸転移酵素のトランスジェニック発現はインスリン耐性を寛解させ、かつ、血清脂肪酸を減少させるということを示している(Nat Genet 2001 Feb;27(2):156-8)。これまでに、SHRにおいて、CD36欠乏症はインスリン耐性、不完全な脂肪酸代謝および高トリグリセリド血症に対する寄与因子であると示されている(Aitman. Nat Genet. 1999 Jan; 21(1):76-83.)。MAP3キナーゼはまた脂肪酸取り込みを調節するので、インスリン耐性に関与し得る。したがって、この推定MAP3キナーゼ1のアゴニストはCD36トランスジェニックラットにおいて見られるように、脂肪酸取り込みをアップレギュレートし、かつ、血液レベルを低下させ、ならびに、インスリン耐性を寛解させ得る。
この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNSで低度ではあるが有意なレベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag5291 最高発現が、脳癌細胞株で見られる(CT=23.4)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現され、このパネルのすべての試料において高〜中レベルで発現されている。神経性疾患および癌におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。同一プローブおよびプライマーを用いる第2の実験、実施233239014の結果は含まれていない。Ampプロットはこの実施には実験上の困難があったことを示す。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4707 この遺伝子の最高発現が、休止単球において見られる(CT=26.4)。この遺伝子はまた、健常および疾病における免疫応答において重要な、広範な細胞種において高〜中レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種、および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.4における発現プロフィールと一致し、また、細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節は、これらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また、喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
パネル 5Dまとめ:Ag5291 この遺伝子の最高発現が、肝臓細胞株において見られる(CT=30)。この遺伝子はこのパネルでは広範に発現され、他のパネルで見られる発現と一致する。顕著なレベルの発現が骨格筋、胎盤および脂肪をはじめとする代謝組織で見られる。代謝疾患におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル 1.4参照。
一般 腫瘍学 スクリーニング パネル v2.4まとめ:Ag4707 この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、肺癌で最高に発現される(CT=28.7)。さらに、この遺伝子は肺および大腸癌で、対応する正常隣接組織よりもより高度に発現される。同様に、前立腺癌および転移性黒色腫において顕著な発現が見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌のマーカーとして使用してもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節は肺、大腸、前立腺および黒色腫癌の処置で有用であり得る。
V.CG126012-01:亜鉛輸送体
遺伝子CG126012-01の発現を、プライマー-プローブセットAg7027を使用して評価し、表VAに記載した。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag7027 この遺伝子の発現は、このパネルのすべての試料において低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag7027 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag7027 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
W.CG126481-02:ホスホジエステラーゼ・ヒドロラーゼ
遺伝子CG126481-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4730およびAg6793を使用して評価し、表WAおよびWBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表WC、WD、WE、WFおよびWGに示す。CG126481-02は全長物理的クローンに相当するということに注意。
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4730/Ag6793 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験は極めて一致している。アルツハイマー病ではこの遺伝子の発現の差はない。しかしながら、この発現プロフィールにより脳におけるこの遺伝子の存在が確認される。中枢神経系におけるこの遺伝子の利用についての議論にはパネル1.4およびパネル1.6参照。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4730 この遺伝子の最高発現が黒色腫SK-MEL-5細胞株において検出される(CT=28.3)。この遺伝子の中〜低レベル発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、胎児肝臓および消化管において中〜低レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
この遺伝子はグリセロホスホジエステルをアルコールとグリセロール3リン酸に加水分解する、グリセロホスホリルジエステルホスホジエステラーゼをコードしている。グリセロール三リン酸は脂質の再エステル化のための主鎖として用いられる。グリセロホルホリルジエステルホスホジエステラーゼの阻害は脂質の再エステル化の減少および脂質の大きさの減少をもたらし得る。 したがって、新規グリセロホスホリルジエステルホスホジエステラーゼのアンタゴニストは肥満症の処置で有益であり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓(CT=40)と比べた場合に胎児でかなり高レベルで発現される(CT=32.2)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児骨格筋におけるこの遺伝子の相対的過剰発現は、このタンパク質産物が胎児における肝臓成長または発達を増強し得、したがってまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節は、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.6まとめ:Ag6793 このパネルでは遺伝子の最高発現が小脳で検出される(CT=27.2)。さらに、中度発現が調べたCNSのすべての領域で見られる。したがって、小脳における高度発現はこの遺伝子は有用であり、かつ、この脳領域を病態部位として含む自閉症(autism)および運動失調(atasias)などのCNS疾患の処置のための薬剤の特異的標的であり得るということを示唆する。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経疾患の処置で有用であり得る。
概して、この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、黒色腫細胞株で高レベルの発現が見られ、このパネルのその他の細胞株では中レベルの発現が見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺ならびに成人および胎児骨格筋、心臓および肝臓において中〜低レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現はこの遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、またこの遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4730/Ag6793 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験はよく一致している。この遺伝子の最高発現が、休止好塩基球において見られる(CT=31-33.4)。低レベルではあるが有意なレベルの発現がまた、活性化された肺および真皮線維芽細胞、肺線維芽細胞および冠状動脈SMC、IFNガンマ処理したHUVEC、休止NK細胞、イオノマイシン処理したRamos B細胞および 極性化T細胞(Thl、Th2、Trl)で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患の処置で有用であり得る。
パネル 5膵島まとめ:Ag6793 このパネルのこの遺伝子の発現はいくつかの試料に限定されており、発現は主に胎盤で見られる。
X.CG127851-01およびCG127851-02:アルドース1-エピメラーゼ
遺伝子CG127851-01およびCG127851-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4754を使用して評価し、表XAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表XB、XCおよびXDに示す。CG127851-02は遺伝子配列の予測を確証する、CG127851-01遺伝子の全長物理的クローンに相当するということに注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4754 このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。この遺伝子はアルツハイマー病患者の側頭皮質においてわずかにダウンレギュレートされていると考えられる。したがって、この遺伝子もしくはそのタンパク質産物のアップレギュレーションまたはこの受容体の特異的アゴニストを用いる処置はこの疾病と関連している痴呆性記憶損失およびニューロン死を逆転させるのに有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4754 この遺伝子の最高発現が、大腸癌細胞株において見られる(CT=26)。顕著なレベルの発現がまた、脳、胃、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株由来の試料で見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの試料をパネルこのパネルのその他の試料と区別するために、およびこれらの癌のマーカーとして用いてもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
高レベルの発現がまた、副腎で検出され、このことはこの遺伝子産物は副腎疾患の病原および/または処置に関与し得るということを示唆する。
低度ではあるが有意な発現がまた、CNS中で見られ、このことは神経性疾患におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4754 最高発現が、休止マクロファージで見られる(CT=30)。この転写物がまた、T細胞、特に、慢性的に活性化されたThl、Th2およびTrl細胞で認められる。マクロファージ、LAK細胞、B細胞および樹状細胞もこの転写物を発現する。したがって、この転写物またはそれがコードするタンパク質は造血由来細胞を検出するために用いてもよい。さらに、この転写物によってコードされるタンパク質を用いて設計された治療薬は抗原提示細胞(マクロファージおよび樹状細胞)もしくはT細胞の機能の調節において重要であり得、または喘息、肺気腫、乾癬、関節炎およびIBDの処置で重要であり得る。
Y.CG127906-01:プロテアーゼ
遺伝子CG127906-01の発現を、プライマー-プローブセットAg796を使用して評価し、表YAに記載した。
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パネル 1.2まとめ:Ag796 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
Z.CG128021-01:ユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼ11
遺伝子CG128021-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4826を使用して評価し、表ZAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ZBおよびZCに示す。
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一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag4826 この遺伝子の最高発現が、小脳において見られる(CT=25.6)。この遺伝子はまた、海馬、視床、黒質、扁桃体、小脳および大脳皮質をはじめとするCNS中で高レベルで発現される。この遺伝子の発現または機能の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、総合失調症、多発性硬化症、脳卒中および癲癇などの神経性疾患の処置で有用であり得る。さらに、小脳における高度発現はこの遺伝子産物が有用であり、かつ自閉症および運動失調などのこの脳領域を病態部位として含むCNS疾患の処置のための薬剤の特定の標的であり得るということを示唆する。
この遺伝子の高〜中レベル発現が脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌細胞株において検出される。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
代謝機能を有する組織の中では、この遺伝子は下垂体、脂肪、副腎、膵臓、甲状腺ならびに成人および胎児骨格筋、心臓および肝臓において中レベルで発現される。これら組織の間のこの広範な発現は、この遺伝子産物が正常な神経内分泌および代謝機能で役割を果たし、またこの遺伝子の調節されていない発現は肥満症および糖尿病などの神経内分泌疾患または代謝疾患に寄与し得るということを示唆する。
さらに、この遺伝子は成人の対応物における発現と比べた場合に(CT=32.3)胎児肝臓組織でかなり高レベルで発現される(CT=28.7)。したがって、この遺伝子の発現をこの組織の胎児と成人の供給源の間を区別するために用いてもよい。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4826 この遺伝子の最高発現が、PMA/イオノマイシン刺激したLAK細胞において見られる(CT=27.6)。さらに、この遺伝子は健常および疾病における免疫応答において重要な、広範な細胞種で高〜中レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種、および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.6における発現プロフィールと一致し、また細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節はこれらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
AA.CG128291-01:マトリックスメタロプロテイナーゼ-19前駆体
遺伝子CG128291-01の発現を、プライマー-プローブセットAg6378およびAg6724を使用して評価し、表AAAおよびAABに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AAC、AAD、AAEおよびAAFに示す。
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AI 包括的 パネル vl.0まとめ:Ag6378/Ag6724 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。この遺伝子の最高発現が、潰瘍性大腸炎および乾癬由来の試料において見られる(CTs=30)。この遺伝子はマトリックスメタロプロテイナーゼ19(MMP19)、細胞外マトリックスの種々の成分を分解する、亜鉛結合エンドペプチターゼファミリーのメンバーと相同性を有するタンパク質をコードする。このファミリーのメンバーは組織リモデリング、損傷治癒、血管形成および腫瘍浸潤をはじめとする正常および病的プロセスに関係している。MMP19はまたRA関連関節組織破壊に関係している。(Sedlacek R. Immunobiology 1998 Feb; 198(4):408-23)。したがって、このタンパク質のMMP19との相同性および自己免疫応答に関与する組織における発現に基づいて、このタンパク質の発現または機能の調節は自己免疫疾患、特に関節リューマチの処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag6378 CG128291-01遺伝子の最高発現が黒色腫Hs688(A).TおよびHs688(B).T細胞株で見られる(CT=29)。さらに、中〜低レベルの発現がまた、卵巣、乳、肺、腎臓、大腸および脳癌由来のいくつかの癌細胞株で見られる。この遺伝子はマトリックスメタロプロテイナーゼ-19前駆体(MMP-19/マトリックスメタロプロテイナーゼRASI/MMP-18)の変異体をコードしている。マトリックスメタロプロテイナーゼとはすべての種類の細胞外マトリックスの分解において中心的な役割を有する、亜鉛含有プロテアーゼの大きな群である。マトリックス分解の増大は重篤な疾病プロセス、最も著しい腫瘍浸潤の特徴的な性質であり、この群のプロテアーゼが浸潤および転移の促進において重要な役割を有しているということは今では広く認識されている。(Murray GI, 2001, J Pathol 195(2):135-7, PMID:11592090)。したがって、この遺伝子によってコードされるMMP-19の治療的調節は黒色腫、卵巣、乳、肺、腎臓、大腸および脳癌、また癌転移の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子の中〜高レベルの発現がまた、膵臓、脂肪、副腎、骨格筋、心臓、胎児肝臓および消化管をはじめとする代謝または内分泌機能を有する組織で見られる。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓と比べた場合に(CT=37.1)胎児でかなり高レベルで発現される(CT=33.8)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児肝臓を成人肝臓と区別するために用いてもよいということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的過剰発現は、このタンパク質産物は胎児において肝臓成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓関連疾病の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.6まとめ:Ag6724 この遺伝子の発現はこのパネルでは脂肪に限定されている(CT=33.2)。したがって、この遺伝子の発現をこのパネルの脂肪とその他の試料間を区別するために、およびこの組織のマーカーとして用いてもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節は肥満症の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag6378/Ag6724 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験から適度に一致する結果が得られる。最高発現が、PMA/イオノマイシン処理したLAK細胞で見られる(CTs=27.5〜34.9)。これらの細胞は腫瘍免疫学ならびにウイルスおよび細菌感染した細胞の細胞クリアランスに関与している。したがって、この遺伝子の発現は、このパネルのこの試料をその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、小分子薬または抗体の適用による、この遺伝子によってコードされるタンパク質の機能の調節はこれらの細胞の機能を変更し、これらの状態と関連する症状の改善をもたらし得る。
AB.CG128439-02:内皮リパーゼ
遺伝子CG128439-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4781を使用して評価し、表ABAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ABBおよびABCに示す。
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一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag4781 CG128439-02遺伝子の最高発現が甲状腺において検出される(CT=32)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、胎盤で見られる(CT=32.5)。したがって、この遺伝子の発現はこれらの試料をこのパネルに用いたその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子またはその産物の治療的調節受胎能、甲状腺機能低下症および亢進症などの甲状腺および胎盤と関連している疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子の中度〜低度発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、乳、卵巣、扁桃上皮癌および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、乳、卵巣、扁桃上皮癌および脳癌の処置で有効であり得る。
この遺伝子の低レベルの発現がまた、肝臓で見られる。この遺伝子は内皮リパーゼ(EL)、トリグリセリドリパーゼ遺伝子ファミリーのメンバーの変異体をコードしている。このリパーゼはこのパネルに含まれていない試料である内皮細胞によって合成されると示された。マウスではELの過剰発現はHDLコレステロールおよびその主要タンパク質アポリポタンパク質A-1の血漿濃度を低下させる(Jayeら, 1999, Nat Genet 21(4):424-8, PMID:10192396)。ELはリポタンパク質代謝および血管の生物学において役割を果たしている。肝臓のELはHDL2、リポタンパク質代謝の産物を触媒する(Upton GV., 1990, Fertil Steril 53(1):1-12, PMID:2403935)。ELは組織へのエネルギー送達においても役割を果たし、アテローム発生に影響を及ぼす可能性がある(Rader DJ, Jaye M., 2000, Curr Opin Lipidol 2000 Apr;l1(2):141-7, PMID:10787175)。したがって、小分子薬の使用によるこの遺伝子によってコードされるELの治療的調節はアテローム発生、心疾患ならびに肥満症および糖尿病などの内分泌代謝関連疾病の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4781 CG128439-02遺伝子の最高発現が甲状腺において検出される(CT=32)。この遺伝子中レベルの発現がまた、胎盤で見られる(CT=32.5)。さらに、この遺伝子の中度〜低度発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、乳、卵巣、扁桃上皮癌および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。この発現パターンはパネル 1.4において見られる結果と一致する。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル 1.4参照。
AC.CG128489-01:甲状腺ペルオキシダーゼ前駆体(EC1.11.1.8)(TPO)
遺伝子CG128489-01の発現を、プライマー-プローブセットAg7028を使用して評価し、表ACAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を表ACBに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag7028 CG128489-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag7028 CG128489-01遺伝子の高度発現が主に甲状腺において検出される(CT=28.3)。したがって、この遺伝子の発現は甲状腺をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。この遺伝子は甲状腺ペルオキシダーゼの変異体をコードしている。甲状腺ペルオキシダーゼは甲状腺機能において中心的な役割を果たす。この酵素は甲状腺ホルモン合成の2つの重要な反応:甲状腺ホルモン、チロキシンおよびトリヨードチロニンが生成するためのチログロブリン中のチロシン残基のヨウ素化およびヨウ素化チロシンの対間のフェノキシ-エステル形成を触媒する。この遺伝子の欠陥は甲状腺ホルモン生成の重篤な疾患を引き起こすと考えられている(OMIM:606765)。したがって、この遺伝子の治療的調節は甲状腺機能低下症および甲状腺機能亢進症(hypo- and hyperthyroidism)、先天性甲状腺腫(congenital goiter)、甲状腺自己免疫(thyroid autoimmunity)、ペンドレッド症候群(Pendred's syndrome)、甲状腺ホルモン構成欠陥II(thyroid hormone orgnization defect II)、肥満症および受胎能などの甲状腺ホルモン生成の疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag7028 CG128489-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AD.CG128825-01およびCG128825-02:チロシン-プロテインキナーゼ受容体FLT3
遺伝子CG128825-01およびCG128825-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4795、Ag4797、Ag5890およびAg6272を使用して評価し、表ADA、ADB、ADCおよびADDに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ADE、ADFおよびADGに示す。CG128825-01は全長物理的クローンに相当し、プローブおよびプライマーセットAg4797はCG128825-01変異体に特異的であるということに注意。また、プローブおよびプライマーセットAg6272はCG128825-02に特異的であるということにも注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag6272 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4797 この遺伝子の発現は気管にほとんど限定されている(CT=28.9)。したがって、この遺伝子の発現をこのパネルのこの試料およびその他の試料間を区別するために、またこの組織のマーカーとして用いてもよい。Ag4795 1つの実験からの結果は含まれていない。ampプロットはこの実施に関して実験上の困難があったことを示す。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag6272 この遺伝子はもっぱら小脳において発現される(CT=30.5)。したがって、この遺伝子の発現は、このパネルのこれらの試料とその他の試料間を区別するために用いてもよい。さらに、このことはこの遺伝子産物が有用であり、かつ自閉症および運動失調などの病態部位として脳領域を含むCNS疾患の処置のための薬剤の特定の標的であり得るということを示唆する。
Ag5890この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4795 この遺伝子の最高発現が、腎臓において見られる(CT=30.6)。中レベルの発現がまた、好酸球および休止単球で見られる。さらに、この遺伝子の発現は活性化後にこれらの細胞種においてダウンレギュレートされており、このことはそれが好酸球および単球分化および免疫ホメオスタシスと関連している正常な免疫学プロセスにおいて重要であり得るということを示唆する。この遺伝子の発現をアンチセンス戦略または小分子治療薬を含むこの遺伝子によってコードされるタンパク質を用いて調節することは好酸球が関与する造血疾患、寄生虫感染および喘息ならびに肺気腫、炎症性腸疾患、関節炎および乾癬の処置で有用であり得る。
Ag4797/Ag5890 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)
Ag6272 1つの実験からの結果は含まれていない。ampプロットはこの実施に関して実験上の困難があったことを示す。
AE.CG128891-01およびCG128891-02:筋緊張性ジストロフィーキナーゼ関連Cdc42関連キナーゼ
遺伝子CG128891-01およびCG128891-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4796を使用して評価し、表AEAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AEBおよびAECに示す。
Figure 2005526507
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一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4796 この遺伝子の最高発現が大腸において検出される(CT=24.8)。さらに、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において高〜中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓と比べた場合に(CT=33)、胎児でかなり高レベルで発現される(CT=27)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児骨格筋におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現はこのタンパク質産物は胎児において肝臓成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓関連疾病の処置で有用であり得る。
この遺伝子の高レベルの発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌の存在を検出するマーカーとして使用してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において高レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4796 この遺伝子の最高発現がPMA/イオノマイシン処理した好塩基球において検出される(CT=28)。さらに、この遺伝子の中度〜低度発現がケラチノサイト、NCI-H292、肺および真皮線維芽細胞、HUVEC、HPAECで表される内皮細胞、肺および真皮微小欠陥EC、星細胞、末梢気道上皮、冠動脈SMC、樹状細胞、B細胞活性化未処置T細胞および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患の処置で有用であり得る。
AF.CG131490-01:ヘキソキナーゼ1
遺伝子CG131490-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4803を使用して評価し、表AFAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AFB、AFC、AFD、AFEおよびAFFに示す。
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一般 スクリーニング パネルv1.4まとめ:Ag4803 この遺伝子の最高発現が、膵臓癌細胞株において見られる(CT=26.2)。概して、この遺伝子の発現は癌細胞株と関連していると考えられ、高〜中度発現が脳、大腸、胃、肺、乳、卵巣および黒色腫癌由来の細胞株で見られる。この発現プロフィールは細胞生存および増殖におけるこの遺伝子産物の役割を示唆する。この遺伝子はヘキソキナーゼ、グルコース代謝の第1ステップを触媒する酵素と相同性を有するタンパク質をコードする。グルコースは黒色腫をはじめとする腫瘍の主要なエネルギー源である(Wachsberger PR. Melanoma Res 2002Feb ;12(1):35-43)。ヘキソキナーゼはまた低酸素、多数の固体腫瘍を特徴とする微小環境状態によって誘導されると示されている(Yoon DY. Biochem Biophys Res Commun 2001 Nov 9; 288(4):882-6)。したがって、この遺伝子のヘキソキナーゼとの相同性および癌細胞株への発現の局在に基づいて、この遺伝子産物の調節は癌の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子の低レベルの発現がまた、調べた中枢神経系のすべての領域、特に、小脳および視床で見られる。したがって、この遺伝子またはその産物の治療的調節は脊髄小脳運動失調(spinocereberllar ataxia)などの運動疾患の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag4803 このパネルの発現は膵臓癌細胞株で最高であり(CT=27)、パネル 1.4で見られるようにすべての癌細胞株において高〜中レベルで発現される。この遺伝子の癌における利用についての議論にはそのパネルを参照。
腫瘍学 細胞株 スクリーニング パネル v3.1まとめ:Ag4803 この遺伝子の最高発現が、髄芽細胞腫細胞株において見られる(CT=27)。中度発現がまた、膵臓、腎臓、肺および大腸癌細胞株で見られる。この遺伝子の腫瘍学における利用についての議論にはパネル 1.4参照。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4803 の遺伝子の最高発現が、大腸において見られる(CT=32)。低度ではあるが有意なレベルの発現が胸腺、腎臓および肝硬変で見られる。したがって、この遺伝子の発現は大腸をこのパネルの他の組織と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の発現はIBD大腸炎およびクローン病の患者由来の大腸試料では正常な大腸と比べて低下している。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の活性の治療的調節は炎症性腸疾患の処置で有用であり得る。
一般 腫瘍学 スクリーニングパネル v2.4まとめ:Ag4803 この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、大腸癌で最高に発現される(CT=29.8)。さらに、この遺伝子は対応する正常隣接組織よりも大腸および腎臓癌でより高度に発現され、また前立腺癌で顕著な発現が見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌のマーカーとして用いてもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節は肺、前立腺および腎臓癌の処置で有用であり得る。
AG.CG131881-01:ビフェニル-ヒドロラーゼ関連タンパク質
遺伝子CG131881-01の発現を、プライマー-プローブセットAg6808を使用して評価し、表AGAに記載した。CG131881-01は全長物理的クローンに相当するということに注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag6808 CG131881-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag6808 CG131881-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag6808 CG131881-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AH. CG131881-03:ビフェニルヒドロラーゼ関連タンパク質
遺伝子CG131881-03の発現を、プライマー-プローブセットAg7024を使用して評価し、表AHAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AHB、AHCおよびAHDに示す。CG131881-03は全長物理的クローンに相当するということに注意。
Figure 2005526507
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag7024 このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験では、アルツハイマー病の検死解剖脳と痴呆でない対照間でこの遺伝子の発現の差は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の利用の可能性についての議論にはパネル 1.6参照。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag7024 この遺伝子の最高発現が腎臓癌細胞株において検出される(CT=32)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
さらに、この遺伝子の低レベルの発現がまた、小脳および胎児脳で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は運動失調および自閉症などの神経性疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag7024 CG131881-03遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AI. CG133535-01:チューブリンチロシンリガーゼ
遺伝子CG133535-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4838を使用して評価し、表AIAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AIB、AICおよびAIDに示す。
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CNS 神経変性 vl.0まとめ:Ag4838 このパネルにより独立した個体群の脳における低レベルでのCG133535-01遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験では、アルツハイマー病の検死解剖脳と痴呆でない対照間でこの遺伝子の発現の差は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の利用の可能性についての議論にはパネル 1.5参照。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag4838 CG133535-01遺伝子の最高発現が、大腸癌SW480細胞株において検出される(CT=27.8)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4838 CG133535-01遺伝子の最高発現が真皮線維芽細胞において検出される(CT=29.9)。この遺伝子は健常および疾病における免疫応答において重要な、広範な細胞種において高〜中レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種、および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.5における発現プロフィールと一致し、また細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節はこれらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
AJ.CG133558-01:ジペプチジルアミノペプチダーゼ様タンパク質(KIAA1492)
遺伝子CG133558-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4842を使用して評価し、表AJAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AJBおよびAJCに示す。
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一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag4842 この遺伝子の最高発現が肺癌NCI-H460細胞株において検出される(CT=26.4)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、2つのその他の肺癌細胞株および大腸癌細胞株で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は肺および大腸癌の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において高レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、副腎、下垂体、胎児心臓、胎児肝臓および胃において低〜中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓、肺および心臓と比べた場合に(CTs=40)、胎児でかなり高レベルで発現される(CTs=30-34.8)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児肝臓、肺および心臓におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現は、このタンパク質産物が胎児ではこれらの組織の成長および発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓、肺および心臓関連疾病の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4842 この遺伝子の最高発現が好塩基球において検出される(CTs=31)。この遺伝子の低レベルの発現がまた、大腸で見られる。したがって、この遺伝子の発現は好塩基球および大腸をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。好塩基球はアレルゲンに応じてヒスタミンおよびその他の生物学的モディファイヤーを放出し、喘息および過感受性応答の病状において重要な役割を果たしている。したがって、この遺伝子によってコードされる推定タンパク質対して設計された治療薬はこれの疾病において好塩基球機能を遮断することで炎症を減少または阻害し得る。さらに、これらの細胞は喘息、クローン病および潰瘍性大腸炎などの種々の炎症性肺および腸疾患に関係する炎症細胞の適当なモデルである。したがって、この遺伝子産物の機能を調節する治療薬は喘息、クローン病および潰瘍性大腸炎の患者の症状を減少させるか、除去し得る。
AK.CG133589-01およびCG133589-02:ADAM様(ADAMTS-19)
遺伝子CG133589-01およびCG133589-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4855を使用して評価し、表AKAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AKB、AKCおよびAKDに示す。
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一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4855 この遺伝子の最高発現が脳癌SF-295細胞株において検出される(CT=26.4)。この遺伝子の低〜中レベルの発現がまた、脳、大腸、肺、腎臓および乳癌由来のいくつかの癌細胞株で見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌の存在を検出する診断マーカーとして用いてもよいし、また、この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、副腎、骨格筋、心臓および消化管において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
腫瘍学 細胞株 スクリーニング パネル v3.1まとめ:Ag4855 この遺伝子の最高発現が脳癌SF-295細胞株において検出される(CT=27.4)。この遺伝子の低〜中レベルの発現がまた、小脳および小肺癌、大腸癌、T細胞、赤血球および骨髄性白血病、膵臓、膀胱および類表皮癌由来の細胞株で見られる。したがって、この遺伝子の発現は診断マーカーとして用いてもよいし、また、この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4855 この遺伝子の最高発現が腎臓において検出される(CT=27.4)。したがって、この遺伝子の発現は腎臓をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の低〜中レベルの発現がまた、好塩基球、冠動脈SMC、IL-4処理した肺線維芽細胞および大腸、肺、および胸腺に代表される正常組織で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎をはじめとする炎症性および自己免疫疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子の発現は、実施296559386の試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AL.CG133668-01およびCG133668-02:ras関連タンパク質イソ型1
遺伝子CG133668-01およびCG133668-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4844を使用して評価し、表ALAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ALBおよびALCに示す。CG133668-02は遺伝子配列の予測を確証する、CG133668-01遺伝子の全長物理的クローンに相当するということに注意。
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一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4844 この遺伝子の最高発現が、脳癌SNB-75細胞株において見られる(CT=28.1)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓と比べた場合に(CT=34)胎児でかなり高レベルで発現される(CT=30.6)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現はこのタンパク質産物は胎児において肝臓成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4844 この遺伝子の最高発現が、PMA/イオノマイシン処理した好酸球において見られる(CT=30.5)。この遺伝子は健常および疾病における免疫応答において重要な、広範な細胞種において低〜中レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種、および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物がこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。このパターンは一般 スクリーニング パネル vl.5における発現プロフィールと一致し、また細胞生存および増殖における遺伝子産物の役割を示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節はこれらの細胞種と関連している機能の変更をもたらし、また喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチおよび骨関節炎などの自己免疫および炎症性疾患を患う患者の症状の改善をもたらし得る。
AM.CG133750-01:混合系統キナーゼMLK1
遺伝子CG133750-01の発現を、プライマー-プローブセットAg2872およびAg4847を使用して評価し、表AMAおよびAMBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AMC、AMD、AME、AMF、AMG、AMH、AMI、AMJ、AMKおよびAMLに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag2872/Ag4847 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験は極めて一致している。このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験ではアルツハイマー病の検死解剖脳と痴呆でない対照のものの間でこの遺伝子の差のある発現は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の利用の可能性についての議論にはパネル 1.5参照。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4847 この遺伝子の発現は小脳で最高である(CT=25.4)。したがって、この遺伝子の発現は小脳組織をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。この遺伝子はまた、扁桃体、海馬、大脳皮質、黒質、視床および脊髄をはじめとするその他の中枢神経系組織においてより中レベルで発現される(CTs=27-30)。この遺伝子は混合系統キナーゼ2と相同性を有するタンパク質をコードする。混合系統キナーゼ2は、その上流のアクチベーター、SEK1/JNKKの直接リン酸化によってストレス活性化プロテインキナーゼ/c-junN末端キナーゼ(SAPK/JNK)を活性化する哺乳類プロテインキナーゼである。MAPキナーゼシグナル伝達経路は広範な刺激に対する細胞応答の重要な媒介物である。シグナルは3種のタンパク質キナーゼが逐次リン酸化されて活性化されるキナーゼカスケードを介してこれらの経路に沿って通過し、細胞増殖、内分泌、免疫および炎症性応答およびアポトーシスをはじめとする各種細胞プログラムを開始する。混合系統キナーゼはニューロンのアポトーシスと関係している(参照文献1)。したがって、この遺伝子の治療的ダウンレギュレーション/アンタゴニズムはアルツハイマー病、ハンチントン舞踏病およびパーキンソン病などの疾病においてニューロンのアポトーシス速度を低下させ得る。
この遺伝子はまた、正常卵巣と比べて卵巣癌由来細胞株においてかなりの発現を示す。したがって、小分子薬、抗体またはタンパク質治療薬の使用によるこの遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節は卵巣癌の処置で有益であり得る。
さらに、この遺伝子は脂肪、副腎、肝臓、膵臓、下垂体、骨格筋および甲状腺をはじめとする内分泌および代謝組織において低〜中レベルで発現される。したがって、この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾患の処置で有益であり得る。興味深いことに、この遺伝子は胎児骨格筋におけるよりも(CT=35)成人骨格筋でかなり高レベルで発現され(CT=30.5)、ならびにこの遺伝子の発現は胎児から成人骨格筋に分化させるために用いてもよいということを示唆する。
参照文献:
1. Xu Z, Maroney AC, Dobrzanski P, Kukekov NV, Greene LA. The MLK family mediates c-Jun N-terminal kinase activation in neuronal apoptosis. Mol Cell Biol 2001Jul; 21(14):4713-24
パネル 1.3Dまとめ:Ag2872 この遺伝子の発現は同一プローブ/プライマー対を用いて3つの独立した実験で評価した。3つのうち2つの実施は良好に一致し、第3の実験は異なる機械を用いて実施したが、このことが相異を説明し得る。概して、この遺伝子は正常組織または悪性脳組織由来細胞株のいずれかの脳組織由来の試料で最高発現を示す。中枢神経系における利用についての議論にはパネル 一般 スクリーニング V1.5参照。
さらに、この遺伝子は卵巣癌、乳癌および腎臓癌細胞株をはじめとするいくつかの癌細胞株でかなり発現される。したがって、この遺伝子の発現はこれらの試料をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、小分子薬、抗体またはタンパク質治療薬の使用による、この遺伝子またはそのタンパク質産物の活性の治療的調節は卵巣、乳または腎臓癌の処置で有益であり得る。
この遺伝子の発現は内分泌/代謝関連組織に限定されている。この遺伝子の低度発現が脂肪、膵臓、生殖組織(精巣および卵巣)および骨格筋で見られる。したがって、この遺伝子および/またはそのタンパク質産物の治療的調節は糖尿病および肥満症などの種々の内分泌/代謝疾患の処置で有用であると分かり得る。MLK2相同体の機能の概要については一般 スクリーニング パネル vl.5参照。
パネル 2.2まとめ:Ag2872 この遺伝子の発現は腎臓癌に隣接する正常腎臓組織由来の試料で最高である(CT=31.2)。さらに、この遺伝子は乳癌のクラスター由来の試料でかなり発現されると思われる。したがって、この遺伝子の発現は正常腎臓組織をこのパネルのその他の組織と区別するために用いてもよい。さらに、小分子薬、抗体またはタンパク質治療薬の使用による、この遺伝子またはそのタンパク質産物の活性の治療的調節は乳癌の処置で有益であり得る。
パネル 2Dまとめ:Ag2872 この遺伝子の発現は卵巣癌由来の試料で最高である(CT=28.4)。したがって、この遺伝子の発現は卵巣癌組織をこのパネルのその他の組織と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子は乳癌のクラスター由来の試料でかなり発現され、ならびに大腸癌とその対応正常隣接組織のセット間の発現に小さいが検知できる相異があると思われる。したがって、小分子薬、抗体またはタンパク質治療薬による、この遺伝子またはそのタンパク質産物の活性の治療的調節は乳癌、卵巣癌または大腸癌の処置で有益であり得る。
パネル 3Dまとめ:Ag2872 この遺伝子の発現は1種のプローブ/プライマー対を用いるパネル3Dにおける2つの独立した実施で評価した。2つの実施は良好な一致を示した。この遺伝子は小細胞肺癌由来細胞株由来の試料で最高発現を示す(CT=26.1)。さらに、この遺伝子はその他の2つの肺癌由来細胞株および膵臓癌由来細胞株でかなり発現される。したがって、この遺伝子の発現は小細胞肺癌細胞株をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、小分子薬、抗体またはタンパク質薬の使用による、この遺伝子またはそのタンパク質産物の活性の治療的調節は肺癌の処置で有益であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4847 この遺伝子の発現は腎臓で最高である(CT=28.3)。この遺伝子はまた、TNF-aおよびIL-1bで処理された末梢気道上皮で高度に発現され、処理していない同組織ならびにTh2サイトカインIL-4およびIl-9、その細胞株において粘液の増加を引き起こすサイトカインで処理された粘膜表皮性細胞株H292では低度である。さらに、この遺伝子の発現はTNF-aおよびIL-1処理された気管支上皮ではアップレギュレートされている。最後に、この遺伝子の中度発現がまた、活性化B細胞で見られる。
この転写物はJNK経路を活性化すると報告された(参照文献1)混合系統キナーゼ2(MLK2)様分子をコードする。この経路の活性化は多数の細胞種における多数の炎症性反応と関係している。気道炎症の際に産生されるIl-lbはJNK経路を調節すると示されている(例えば、参照文献2)。さらに、気道リモデリングにおけるIl-4およびIL-13の役割もJNK経路を用いると思われる(参照文献3)。最後に、JNKはメタロプロテイナーゼ、関節リューマチ、喘息および炎症性腸疾患(IBD)などの炎症性疾患において重要な役割を果たす分子の産生に必要であると思われる(参照文献4)。したがって、小分子薬による、この遺伝子またはそのタンパク質産物の発現または活性の調節は慢性閉塞性肺疾患、喘息、肺気腫およびまた関節リューマチ/骨関節炎、IBDおよび乾癬などの炎症性疾患の処置に有益であり得る。
参照文献:
1. Hirai S, Noda K, Moriguchi T, Nishida E, Yamashita A, Deyama T, Fukuyama K, Ohno S. Differential activation of two JNK activators, MKK7 and SEK1, byMKN28-derived nonreceptor serine/threonine kinase/mixed lineage kinase 2. J Biol Chem 1998 Mar27 ; 273(13): 7406-12
2. Hallsworth MP, Moir LM, Lai D, Hirst SJ. Inhibitors of mitogen-activated protein kinases differentially regulate eosinophil-activating cytokine release from human airway smooth muscle. Am J Respir Crit Care Med2001 Aug 15; 164(4):688-97
3. Hashimoto S, Gon Y, Takeshita I, Maruoka S, Horie T. IL-4 and IL-13 induce myofibroblastic phenotype of human lung fibroblasts through c-JunNH2-terminal kinase- dependent pathway. J Allergy Clin Immunol 2001 Jun; 107(6): 1001-8
4. Han Z, Boyle DL, Chang L, Bennett B, Karin M, Yang L, Manning AM, Firestein GS. c-Jun N-terminal kinase is required for metalloproteinase expression and joint destruction in inflammatory arthritis. J Clin Invest 2001 Jul; 108(1): 73-81
パネル 4Dまとめ:Ag2872 この遺伝子の発現は活性化末梢気道上皮で最高である(CT=27.8)。この遺伝子はまたTh2サイトカインIL-4および Il-9、その細胞株において粘液の産生の増加を引き起こすサイトカインで処理された粘膜表皮性細胞株NCI-H292において高度に発現される。この遺伝子の中レベルの発現がまた、TNF-aおよびIL-1で処理された気管支表皮、T細胞、B細胞および末梢血単核球ファミリーのメンバー、ならびに大腸、肺、胸腺および腎臓に代表される正常組織で見られる。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル 4.1D参照。
パネル 5膵島まとめ:Ag2872 この遺伝子はパネル5Iでは膵島細胞および胎盤で低〜中レベルで発現される。内分泌および代謝疾患におけるこのMLK2様遺伝子の機能の可能性の概要については一般 スクリーニング パネル vl.5参照。
パネル CNS1まとめ:Ag2872 このパネルにより独立した患者群のCNSでこの遺伝子の低〜中度発現が確認される。
AN.CG133819-01:あり得るリン脂質輸送ATPアーゼVB
遺伝子CG133819-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4848を使用して評価し、表ANAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ANB、ANCおよびANDに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4848 このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。この遺伝子はアルツハイマー病患者の側頭皮質でわずかにアップレギュレートされていると分かる。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はニュローン死を減少させ、この疾病の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4848 この遺伝子の最高発現が大腸癌において検出される(CT=27)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、黒色腫、脳、大腸、胃、肺、乳および卵巣癌由来のいくつかの癌細胞株で見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌の存在を検出するためのマーカーとして使用してもよく、また、この遺伝子またはそのタンパク質産物の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において高度で発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子の中レベルの発現がまた、脂肪および膵臓で見られる。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4848 この遺伝子の最高発現が肝硬変において検出される(CT=31.2)。さらに、この遺伝子の発現はパネル 1.5の正常肝臓では検出されない。このことはその発現が肝硬変、肝臓炎症および線維症を含む構成要素に特有であるということを示唆する。したがって、この遺伝子の発現は肝硬変の診断マーカーとして使用してもよい。さらに、この遺伝子またはその産物の治療的調節は繊維性および炎症性疾患と関連している炎症の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、大腸、肺および胸腺で見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節は喘息、アレルギー、COPDおよび炎症性腸疾患などのこれらの組織と関連している疾病の処置で有用であり得る。
AO.CG134375-01:ペプチジルプロリルイソメラーゼA(シクロフィリンA)
遺伝子CG134375-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4869を使用して評価し、表AOAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AOBおよびAOCに示す。
Figure 2005526507
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一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4869 この遺伝子の最高発現が胸腺において検出される(CT=34.8)。したがって、この遺伝子の発現は胸腺組織を同定するために用いてもよい。さらに、このタンパク質の機能を阻害する薬剤は胸腺におけるT細胞発達を調節し、喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデスまたは関節リューマチをはじめとする、T細胞媒介性自己免疫または炎症性疾患の症状を減少または除去し得る。したがって、この推定タンパク質に対して設計された小分子治療薬は胸腺におけるT細胞発達を妨げ、組織移植の免疫抑制薬として機能し得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4869 この遺伝子の最高発現が胸腺において検出される(Ct=33.8)。さらに、この遺伝子の低レベルの発現がIL-4処理した真皮線維芽細胞で見られる。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は乾癬などの皮膚疾患および喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデスまたは関節リューマチをはじめとするT細胞媒介性自己免疫または炎症性疾患の処置で有用であり得る。
AP.CG135546-01:アデニレートキナーゼ1
遺伝子CG135546-01の発現を、プライマー-プローブセットAg5266を使用して評価し、表APAに記載した。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag5266 CG135546-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag5266 CG135546-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4.1Dまとめ:Ag5266 CG135546-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 5膵島まとめ:Ag5266 CG135546-01遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AQ.CG136321-01:ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼ
遺伝子CG136321-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4908を使用して評価し、表AQAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AQB、AQCおよびAQDに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag4908 このパネルにより独立した個体群の脳における低レベルでのCG136321-01遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験では、アルツハイマー病の検死解剖脳および痴呆でない対照のものの間でこの遺伝子の発現の差は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の使用の可能性についての議論にはパネル 1.5を参照。
一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4908 CG136321-01遺伝子の最高発現が、胃(肝臓転移)NCI-N87細胞株において検出される(CT=27.7)。この遺伝子の中度発現がまた、膵臓、脳、大腸、胃、腎臓、肺、乳および卵巣癌細胞株において検出される。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌の存在を検出するために用いてもよい。この遺伝子はホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼをコードし、ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(PLC)と類似している。PLCは光伝達、求核、細胞増殖および分化などの細胞プロセスにおいて役割を果たしている(Shortridge RD, McKay RR., 1995, Invert Neurosci 1(3):199-206, PMID:9372143)。PLCの、ジグリセリドおよびリン酸イノシトールをはじめとするホスホイノシチドに対する作用の産物は、カルシウムイオンの細胞内濃度を高めることによって、およびタンパク質キナーゼCのアッセイを刺激することによって細胞分裂プロセスを活性化し、ひいては腫瘍性細胞の制御されない増殖プロセスをもたらすと知られている(Rillema JA., 1989, Med Hypotheses 1989 May; 29(1):1-4, PMID:2664433)。したがって、この遺伝子またはこの遺伝子によってコードされるホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼの治療的調節は膵臓、脳、大腸、胃、腎臓、肺、乳および卵巣癌の処置で有用であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、甲状腺、下垂体、胎児心臓、胎児肝臓および消化管において低〜中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓、肺および腎臓と比べた場合に(CTs=35-40)、胎児でかなり高レベルで発現される(CTs=28.4-31.5)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓、肺および腎臓を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現はこのタンパク質産物は胎児ではこれらの組織の成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓、肺および腎臓関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag4908 CG136321-01遺伝子の最高発現が、胸腺において検出される(CT=30.5)。さらに、この遺伝子の低レベルの発現がまた、休止一次Trl細胞、休止星細胞、好塩基球、TNFα+IL-1β処理した肺線維芽細胞および大腸、肺および腎臓に代表される正常組織で見られる。したがって、この遺伝子の発現はこれらの試料をこのパネルで用いたその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は炎症性腸疾患、COPD、喘息、アレルギー、狼瘡および糸球体腎炎(glomerulonephritis)をはじめとする、大腸、肺および腎臓に作用する自己免疫および炎症性疾患の処置で有用であり得る。
さらに、CG136321-01遺伝子またはそのタンパク質産物の操作は胸腺におけるT細胞発達および免疫調節薬としての機能に影響を及ぼし得る。PLCはT細胞の発達におけるアポトーシスの調節において重要な役割を果たしているということが示されている(MG, MiglioratiG, ParroniR, MarchettiC, Millimaggi D, Santoni A, Riccardi C. Blood 1999 Apr 1; 93(7):2282-96PMID:10090938)。
AR.CG136648-01:二価陽イオン輸送体様
遺伝子CG136648-01の発現を、プライマー-プローブセットAg4912を使用して評価し、表ARAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ARBおよびARCに示す。
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一般 スクリーニング パネル vl.5まとめ:Ag4912 この遺伝子の最高発現が胎児脳において検出される(CT=27.8)。この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子の中レベルの発現が胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は胃、大腸、肺、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
腫瘍学 細胞 株 スクリーニング パネル v3.1まとめ:Ag4912 この遺伝子の最高発現が小脳において検出される(CT=29.8)。この遺伝子の中〜低レベルの発現が、脳、舌、前立腺、骨、膀胱、腎臓、膵臓、頚椎由来の正常および癌試料、T細胞およびB細胞リンパ腫で見られる。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節はこれらの癌の処置で有用であり得る。
AS.CG54479-01、CG54479-02、CG54479-04、CG54479-05およびCG54479-06:GM105274478 A(肝細胞増殖因子様タンパク質)
遺伝子CG54479-01の発現を、プライマー-プローブセットAgl206、Ag3086、Ag3797およびAg6711を使用して評価し、表ASA、ASB、ASCおよびASDに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ASE、ASF、ASG、ASH、ASI、ASJ、ASKおよびASLに示す。プローブおよびプライマーセットAgl206はCG54479-01に特異的であり、またAg6711はCG54479-06に特異的であるということに注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag3797 このパネルでは独立した個体群の脳における低レベルのこの遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験では、アルツハイマー病の検死解剖脳と痴呆でない対照のものの間にこの遺伝子の発現の差は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の利用の可能性についての議論にはパネル 1.4参照。
Ag6711 この遺伝子の発現が、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.4まとめ:Ag3797 この遺伝子の最高発現が肝臓癌HepG2細胞株において検出される(CT=25.3)。さらに、この遺伝子の高度発現がまた、胎児および成人の肝臓で見られる。したがって、この遺伝子の発現は肝臓由来試料をその他の試料と区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の治療的調節は肝臓関連疾患の処置で有用であり得る。
この遺伝子の中レベルの発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、脂肪、副腎、甲状腺、下垂体、骨格筋、心臓、肝臓および消化管において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において中レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
Agl206 この遺伝子を用いるある実施例の結果が含まれる。ampプロットはこの実施には実験上の困難があったということを示す。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag6711 この遺伝子の最高発現が肝臓癌HepG2細胞株において検出される(CT=30.6)。さらに、この遺伝子の有意な発現がまた、卵巣, 肺、腎臓、大腸および脳癌のいくつかの癌細胞株で見られる。さらに、この遺伝子の中レベルの発現がまた、胎児および成人の肝臓で見られる。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル 1.4参照。
パネル 1.2まとめ:Agl206 この遺伝子の最高発現が、肝臓癌HepG2細胞株において見られる(CT=23.4)。この遺伝子は肝臓において極めて高度で発現される。この遺伝子の高度発現がまた、成人および胎児の肝臓で見られる。高〜低レベルの発現が、精巣、膵臓、小腸、副腎、腎臓、胃、膀胱、下垂体、脳、唾液腺、脊髄および精巣で見られる。さらに、この遺伝子は前立腺癌、卵巣癌。乳癌および肺癌由来のいくつかの細胞株において中レベルで発現される。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル 1.4参照。
パネル 1.3Dまとめ:Ag3086 この遺伝子は胎児および成人の肝臓組織(CTs=26)および肝臓癌細胞株(CT=27)の双方で高度に発現される。この遺伝子はまた、このパネルのその他の組織のほとんどで中〜低レベルで発現される。したがって、この遺伝子の発現は肝臓由来組織とその他の組織を区別するために用いてもよい。この遺伝子産物はこれらの組織のいずれかの疾病の可能性ある治療的処置であり得る。
中枢神経系に関与する組織では、この遺伝子は胎児および成人視床、黒質、海馬、扁桃体をはじめとする成人の脳において中度で発現され、また小脳および大脳皮質において低度ではあるが有意なレベルで発現される。この発現プロフィールはこの遺伝子がCNSにおいて機能的に重要であるということを示唆する。この遺伝子は、脳卒中および虚血(ischemia)の動物モデルにおけるニューロン死の予防をはじめとするCNSにおける多数の治療的用途がある、肝細胞増殖因子の相同体をコードしている。肝細胞増殖因子は分裂促進活性を有し、したがって、直接コルチコ脊髄液にまたは血液脳関門が混乱している場合には全身に投与されると、脳の病状を治療するタンパク質治療薬として適用の可能性がある。肝細胞増殖因子様タンパク質は軸索切断の際に運動神経萎縮症(motoneuron atrophy)の予防に有用な神経栄養性因子である。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質は脳卒中およびアルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン舞踏病をはじめとする神経変性疾患の治療薬として有用であり得る。脳の可塑性および再生におけこの遺伝子またはそのタンパク質産物の可能性ある役割は脳損傷およびその原発巣として海馬の機能障害がある記憶障害などの加齢関連疾患の治療において有用性がある。
参照文献:
1. Korhonen L, Sjoholm U, Takei N, Kern MA, Schirmacher P, Castren E, Lindholm D.(2000)Eur J Neurosci. 12:3453-61. PMID:11029614
2. Powell EM, Mars WM, Levitt P.(2001)Neuron 30:79-89. PMID:11343646
3. Stella MC, Vercelli A, Repici M, Follenzi A, Comoglio PM.(2001)Mol Biol Cell 12:1341-52. PMID:11359926
4. Kern MA, Bamborschke S,Nekic M,Schubert D, Rydin C, Lindholm D, Schirmacher P.(2001)Cytokine 14:170-6. PMID:11396995
5. Hayashi K, Morishita R, Nakagami H, Yoshimura S, Hara A, MatsumotoK, Nakamura T, Ogihara T, Kaneda Y, Sakai N.(2001)Gene Ther 8:1167-73. PMID:11509947
パネル 2.2まとめ:Ag3086/Agl206 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験は良好に一致し、この遺伝子の最高発現が肝臓癌試料由来の試料で見られる(CTs=26-29)。この遺伝子の中度発現がまた、肝臓組織由来のいくつかの試料で見られる。この結果はパネル 1.4および2Dで見られるものと一致する。さらに、この遺伝子の相当な発現は、隣接する腎臓癌試料と比較して正常腎臓組織(CT=27.2)と関連していると思われる。したがって、この遺伝子は肝臓組織を非肝臓組織と区別するために、ならびに、正常腎臓組織を隣接する腎臓癌と比較して区別するために用いてもよい。さらに、この遺伝子の発現またはその産物の機能の治療的調節は腎臓癌の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag3797 同一のプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験の結果は極めて良好に一致している。両実験において、この遺伝子の最高発現が腎臓において検出される(CTs=27.4-29)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、肝硬変試料で見られる。さらに、この遺伝子は健常および疾病における免疫応答において重要な、広範な細胞種において中〜低レベルで発現される。これらの細胞としてはT細胞、B細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球および末梢血単核細胞ファミリーのメンバー、ならびに、肺および皮膚由来の上皮および線維芽細胞種、および大腸、肺、胸腺および腎臓に相当する正常組織が挙げられる。発現のこの広範なパターンはこの遺伝子産物はこれらおよびその他の細胞種ならびに組織の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。したがって、機能的治療薬での遺伝子産物の調節は喘息、アレルギー、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、乾癬、関節リューマチ、骨関節炎および肝硬変などの自己免疫および炎症性疾患の処置で有用であり得る。
Ag6711 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4Dまとめ:Ag3086/Agl206 異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験は適度に一致し、この遺伝子の最高発現が胸腺および肝硬変試料で見られる(CTs=24-31.6)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、大腸、IBD大腸炎2においておよび健常および疾病における免疫応答において重要な、いくつかの細胞種において見られる。この遺伝子は推定肝細胞増殖因子様相同体をコードする。肝細胞増殖因子(HGF)は胸腺および大腸で発現され、HGFは大腸におけるT細胞産生を促進し得ると報告されており、マウスではHGFの過剰発現がIBD様疾患を引き起こすと示されている。この遺伝子によってコードされるタンパク質を用いて設計された療法はT細胞発達および免疫機能の調節において重要であり得、また器官移植においても有用であり得る。さらに、この遺伝子産物の機能の遮断はIBD大腸炎の処置で役立ち得る。
参照文献:
Tamura S, Sugawara T, Tokoro Y, Taniguchi H, Fukao K, Nalcauchi H, Takahama Y.(1998)Scand J Immunol. 47:296-301. PMID:9600310
Takayama H, Takagi H, LarochelleWJ, Kapur RP, Merlino G.(2001)Lab Invest. 81:297-305. PMID:11310823
一般 腫瘍学 スクリーニングパネル v2.4まとめ:Ag3797 この遺伝子を用いるある実施例の結果が含まれる。Ampプロットはこの実施には実験上の困難があったことを示す。
AT.CG57209-01およびCG57209-04:EMR1ホルモン受容体
遺伝子CG57209-01およびCG57209-04の発現を、プライマー-プローブセットAg6343を使用して評価し、表ATAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表ATB、ATC、ATD、ATEおよびATFに示す。CG57209-04は全長物理的クローンに相当するということに注意。
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AI 包括的 パネル vl.0まとめ:Ag6343 この遺伝子の最高発現が骨関節炎(OA)の骨において検出される(CT=29.3)。この遺伝子の低〜中レベルの発現は骨関節炎(OA)の骨および隣接する骨ならびにOA軟骨由来の試料およびOA滑液試料において検出される。中レベルの発現がまた、関節リューマチ患者の軟骨、骨、滑膜および滑液試料において検出される。この遺伝子の有意な発現は軟骨、滑膜、骨または滑液細胞の正常試料では検出されない。低〜中レベルの発現がまた、COPD肺、肺気腫、喘息、クローン病(正常対応対照および患部)、潰瘍性大腸炎(正常対応対照および患部)および乾癬(正常対応対照および患部)由来の試料で見られる。したがって、この遺伝子産物の治療的調節は乾癬、アレルギー、喘息、炎症性腸疾患、関節リューマチおよび骨関節炎をはじめとする自己免疫および炎症性疾患と関連している症状/状態を寛解させ得る。
CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag6343 この遺伝子の最高発現がアルツハイマー病の患者由来の海馬試料において検出される(CT=32.2)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、アルツハイマー病患者の側頭皮質のいくつかで見られる。したがって、この遺伝子の治療的調節はアルツハイマー病の処置で有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag6343 この遺伝子の最高発現が脾臓において検出される(CT=31.4)。この遺伝子の中〜低レベルの発現がまた、胸腺、胎児肺および胎児肝臓で見られる。これらの組織は単球または単球由来の細胞種を含み得る。この遺伝子はEMR1ホルモン受容体前駆体(ヒトF4/80相同体)をコードしている。EMR1は7つの膜貫通セグメントを含むホルモン受容体のファミリーのメンバーである。さらに、セリン/スレオニンの豊富なドメイン、ムチン様、単一スパン、接着特性を有する完全な膜糖タンパク質を暗示する特徴によって膜貫通セグメントからN末端で分離される、6つのegf様モジュールを含む(Baudら, 1995, Genomics 26(2):334-44, PMID:7601460)。EMR1は骨髄単球性系統の細胞によって大量に発現されると示されている(McKnight AJ, Gordon S., 1998, J Leukoc Biol63(3):271-80, PMID:9500513)。EMR3、タンパク質のEMRファミリーのメンバーの可能性ある役割は免疫および炎症性応答の際の骨髄-骨髄相互作用において示唆されている。したがって、この分子に対して向けられる抗体または小分子薬の使用による、この遺伝子によってコードされるEMR1の治療的調節は単球活性化または炎症組織への血管外遊走を阻害し得、喘息および関節リューマチをはじめとするいくつかの炎症性疾患の処置で重要であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は脂肪、副腎および肝臓において低レベルで発現される。さらに、この遺伝子の発現はCuraGen GeneCalling研究では調節されていないと認められている。高脂肪食を与えられた後に糖尿病および肥満症を発症しているマウスの脂肪組織ではアップレギュレートされている。この遺伝子によってコードされるEMR1受容体は脂肪組織においてTNF-α、IL-6およびレジスチンの誘導および放出をもたらす経路に関与し得る。これらの分子はインスリン耐性の促進に関与していると知られており、また肥満症と関係がある(Holst D, Grimaldi PA, 2002, Curr Opin Lipidol. 13(3):241-5, PMID:12045392; Greenbergら, 2002, Eur J Clin Invest. 32 Suppl 3:24-34, PMID:12028372)。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および2型糖尿病をはじめとする糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓および肺と比べた場合に(CTs=34〜40)胎児でかなり高レベルで発現される(CTs=31.7〜32.9)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児を成人組織と区別するために用いてもよいということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現はこのタンパク質産物が胎児において肝臓および肺の成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質の治療的調節は肝臓および肺関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は全脳において低レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの神経性疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag6343 この遺伝子の最高発現がLPS処理した単球において検出される(CT=27.3)。この遺伝子の発現は休止単球(CT=31.6)と比べて活性化した単球でアップレギュレートされている。したがって、この遺伝子の発現は活性化したものを休止単球およびこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。LPS処理した単球におけるこの遺伝子の発現は、それが自然免疫と適応免疫とを結び付けるのにおいて、また炎症反応の開始において重要な役割を果たすということを示唆する。この遺伝子の低〜中レベルの発現がまた、好中球、好酸球、PBMC、相互MLR、活性化記憶T細胞およびCD4リンパ球で見られる。したがって、モノクローナル抗体または小分子薬の適用による、この遺伝子またはその産物の調節は初期段階の炎症を減少させるか、または防ぎ、また乾癬、喘息、炎症性腸疾患、関節リューマチ、骨関節炎およびその他の肺炎症性疾患などの炎症性疾患の重篤度を低下させ得る。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル1.5参照。
パネル 5膵島まとめ:Ag6343 この遺伝子の低度発現は小腸由来試料に限定されている(CT=34.8)。したがって、この遺伝子の発現はこの試料をこのパネルのその他の試料と区別するために用いてもよい。この遺伝子の利用についてのさらなる議論にはパネル1.5参照。
AU.CG59325-03:AXL受容体チロシンキナーゼ
遺伝子CG59325-03の発現を、プライマー-プローブセットAg2051およびAg6248を使用して評価し、表AUAおよびAUBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AUC、AUDおよびAUEに示す。
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AI 包括的 パネルvl.Oまとめ:Ag6248 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.0まとめ:Ag6248 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag6248 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 1.3Dまとめ:Ag2051 この遺伝子の最高発現が、乳および脳癌細胞株において見られる(CTs=24)。概して、この遺伝子の発現は癌細胞株由来の試料とより高度に関連していると思われ、このパネルのすべての癌細胞株で高レベルの発現が見られる。この遺伝子はまた、脂肪、膵臓、甲状腺、下垂体ならびに成人および胎児の肝臓、心臓および骨格筋をはじめとする代謝機能を有する組織で中レベルで発現される。さらに、この遺伝子は調べたCNSのすべての領域において中レベルで発現される。この遺伝子はAXL受容体チロシンキナーゼと相同であるタンパク質をコードし、CG59325-01の変異体である。この遺伝子の代謝性疾患、神経性疾患および癌における利用についてのさらなる議論には次節のCG59325-01のパネル 1.4参照。
同一のプローブおよびプライマーセットを用いる、第2の実験、実施167597400の結果は含まれていない。ampプロットはこの実施には実験上の困難があったということを示す。
パネル 2Dまとめ:Ag2051 この遺伝子はこのパネルでは広範に発現され、最高発現が膀胱癌試料で見られる(CT=26)。この広範な発現パターンはパネル 1.3Dの発現と一致し、細胞増殖、分化、および/または増殖におけるこの遺伝子の役割を示唆する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag6248 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
パネル 4Dまとめ:Ag2051 この遺伝子の発現は内皮および線維芽細胞と高度に関連していると思われ、休止真皮線維芽細胞で最高に発現される(CT=23)。さらに、高レベルの発現が刺激されたおよび休止真皮線維芽細胞、肺線維芽細胞、HUVEC、HPAEC、星細胞、肺および真皮微小血管内皮および小気道および気管支上皮細胞で見られる。肺および皮膚由来の細胞における顕著な発現は、この遺伝子産物はこれらの器官の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。自己免疫疾患におけるこの遺伝子の利用についてのさらなる議論にはCG59325-01参照。
一般 腫瘍学 スクリーニングパネル v2.4まとめ:Ag6248 この遺伝子の発現は、このパネルの試料のすべてにわたり低/検出不能である(CTs>35)。(データは示されていない)。
AV.CG59325-01およびCG59325-04:AXL受容体チロシンキナーゼ
遺伝子CG59325-01およびCG59325-04の発現を、プライマー-プローブセットAg3547およびAg6359を使用して評価し、表AVAおよびAVBに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AVC、AVD、AVE、AVF、AVG、AVHおよびAVIに示す。プローブおよびプライマーセットAg6359はCG59325-04に特異的であるということに注意。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag3547/Ag6359 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られる。パネル 1.4に見られるように、この遺伝子は脳で中レベルで発現される。さらに、この遺伝子はアルツハイマー病患者の側頭皮質においてわずかにアップレギュレートされていると思われる。この遺伝子は、そのリガンドgas6が海馬ニューロンの新規神経栄養性因子と同定されている、推定AXL受容体チロシンキナーゼをコードする(Funakoshi H. J Neurosci Res 2002 Apr 15; 68(2):150-60)。したがって、この遺伝子の発現または機能の治療的調節はニューロン死を減少させ得、また痴呆の処置(アルツハイマーの血管など)または記憶増強のために有用であり得る。
一般 スクリーニング パネル vl.4まとめ:Ag3547 同一のプローブおよびプライマーセットを用いる2つの実験により極めて一致する結果が得られ、脳および乳癌細胞株で最高に発現される(CTs=22)。概して、この遺伝子の発現は癌細胞株由来の試料と高度に関連していると思われ、このパネルのすべての癌細胞株試料において高レベルの発現が検出される。この遺伝子はAXL受容体チロシンキナーゼと相同であるタンパク質をコードする。AXLは受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーであり、細胞接着分子と似ている細胞外ドメインおよび細胞内の保存されたチロシンキナーゼドメインを特徴とし、細胞増殖および形質転換を誘導すると報告されている。AXLの発現は活動的哺乳類腫瘍では過剰発現であり、甲状腺腫瘍形成と関係している(Ito T. Thyroid 1999Jun; 9(6):563-7; Berclaz G. Ann Oncol 2001 Jun; 12(6):819-24)。したがって、このタンパク質のAXLとの相同性およびこのパネルにおける組織分布に基づいて、この遺伝子の発現は癌細胞株試料とこのパネルのその他の試料間を区別するために、また癌のマーカーとして用いてもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は癌の処置で有用であり得る。
この推定AXLはまた、骨格筋、肝臓および脂肪をはじめとするいくつかの代謝組織で発現される。マウスではAXLの異所的過剰発現は肥満症とその後のII型糖尿病を引き起こすと証明されている(Augustine KA. J Cell Physiol1999 Dec; 181(3):433-47. PMID:10528229.)。AXLは脂質蓄積およびインスリン耐性をはじめとする肥満症/糖尿病の発生に関係するいくつかの経路に関与している。したがって、この新規チロシンキナーゼAXLの発現または機能の治療的調節は肥満症および/または糖尿病の処置で有益であり得る。
一般 スクリーニング パネル v1.5まとめ:Ag6359 この遺伝子の最高発現が、脳癌細胞株において見られ(CT=26)、この遺伝子の発現は正常組織においてよりも腫瘍組織においてずっと高い。これはパネル 1.4における発現と一致する。
パネル 4.1Dまとめ:Ag3547/Ag6359 2種の異なるプローブおよびプライマーセットを用いる3実験により極めて一致する結果が得られる。この遺伝子の発現は内皮および線維芽細胞と高度に関連していると思われ、休止真皮線維芽細胞で最高に発現される(CTs=22-27)。さらに、高レベルの発現が、刺激されたおよび休止真皮線維芽細胞、肺線維芽細胞、HUVEC、HPAEC、星細胞、肺および真皮微小血管内皮および小気道および気管支上皮細胞で見られる。肺および皮膚由来の細胞における顕著な発現は、この遺伝子産物がこれらの器官の恒常性プロセスに関与し得るということを示唆する。この発現は、AXLは重要な免疫調節薬の役割を果たすと示唆している、Luによる公開された研究と一致する(Science 2001 Jul 13; 293(5528):306-11)。この転写物の高レベルの発現がまた、活性化CD45RA+T細胞で発現される(CTs=24-27)。これらのT細胞はCD3およびCD28で活性化されている未処置T細胞である。この発現プロフィールはこの転写物によってコードされる推定タンパク質はT細胞活性化または機能において重要であり得るということを示唆する。AXLおよびそのリガンドgas6の発現はRAと関係している(O'Donnell. Am J Pathol 1999 Apr; 154(4):1171-80)。したがって、このタンパク質の予想される機能およびこのパネルにおける発現に基づいて、この転写物によってコードされるタンパク質を用いて設計された治療薬はT細胞機能の調節に役立ち、また喘息、関節炎、乾癬、IBDおよび狼瘡などのT細胞媒介性疾患の処置において有効であり得る。
Ag6359 1つの実験、実施262456359の結果は含まれていない。ampプロットはこの実施には実験上の困難があったということを示す。
パネル 4Dまとめ:Ag3547 この遺伝子の発現は内皮および線維芽細胞と高度に関連していると思われ、休止真皮線維芽細胞で最高に発現される(CTs=22.7)。さらに、高レベルの発現が、刺激された、および休止真皮線維芽細胞、肺線維芽細胞、HUVEC、HPAEC、星細胞、肺および真皮微小血管内皮、小気道および気管支上皮細胞および活性化CD45RA+T細胞で見られる。この発現パターンはパネル 4.1Dの結果と一致する。この遺伝子のさらなる利用についてはパネル 4.1Dおよびパネル 1.4参照。
パネル 5膵島まとめ:Ag3547 このパネルはこの遺伝子は、膵島細胞(バイエル患者1と表示された試料)、脂肪、骨格筋および子宮をはじめとするすべての代謝組織で発現されると示す。この発現はパネル 1.4および1.5における発現と一致する。この遺伝子の代謝病における利用についての議論にはパネル 1.4参照。
一般 腫瘍学 スクリーニングパネル v2.4まとめ:Ag3547 この遺伝子はこのパネルでは広範に発現しており、この遺伝子は転移性黒色腫由来の試料で最高に発現される(CT=25.5)。さらに、この遺伝子は対応する正常隣接組織よりも、肺、大腸および腎臓癌でより高度に発現される。顕著な発現がまた、前立腺癌で見られる。この発現は、癌細胞株由来の試料でわずかに高レベルの発現が見られる、パネル 1.4および1.5と一致する。この発現はまた、この遺伝子産物の新規AXL受容体チロシンキナーゼとしての特性決定と一致する。受容体チロシンキナーゼサブファミリーのメンバーはビタミンK依存性タンパク質増殖-停止-特異的遺伝子6(Gas6)と結合し、発達プロセスおよび腫瘍形成において役割を果たすと示されている(Crosier KE, Crosier PS., 1997, Pathology 29(2):131-5, PMID:9213330)。したがって、この遺伝子の発現はこれらの癌のマーカーとして用いてもよい。さらに、この遺伝子産物の発現または機能の治療的調節は肺および腎臓癌の処置で有用であり得る。
Ag6359 1つの実験の結果は含まれていない。ampプロットはこの実施には実験上の困難があったということを示す。
AW.CG59582-03:赤血球酸性ホスファターゼ1、アイソザイムS
遺伝子CG59582-03の発現を、プライマー-プローブセットAg7015を使用して評価し、表AWAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AWB、AWCおよびAWDに示す。
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CNS 神経変性 v1.0まとめ:Ag7015 このパネルにより独立した個体群の脳における低レベルでのCG59582-03遺伝子の発現が確認される。しかしながら、この実験では、アルツハイマー病の検死解剖脳と痴呆でない対照のものの間にこの遺伝子の発現の差は検出されなかった。中枢神経系疾患の処置におけるこの遺伝子の利用の可能性についての議論にはパネル 1.6参照。
一般 スクリーニング パネル v1.6まとめ:Ag7015 CG59582-03遺伝子の最高発現が、卵巣癌OVCAR-5細胞株において検出される(CT=30.2)。この遺伝子の中レベルの発現がまた、膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌由来の癌細胞株のクラスターで見られる。この遺伝子の発現は正常組織(CTs>33)と比べ、癌細胞株で高い(CTs=30〜33)。したがって、この遺伝子の発現をマーカーとして用いてこれらの癌の存在を検出してもよい。さらに、この遺伝子の発現または機能の治療的調節は膵臓、胃、大腸、肺、肝臓、腎臓、乳、卵巣、前立腺、扁桃上皮癌、黒色腫および脳癌の処置で有効であり得る。
代謝または内分泌機能を有する組織の中では、この遺伝子は膵臓、副腎、胎児心臓、胎児肝臓および消化管において中〜低レベルで発現される。したがって、この遺伝子の活性の治療的調節は肥満症および糖尿病などの内分泌/代謝関連疾病の処置で有用であると分かり得る。
興味深いことに、この遺伝子は成人肝臓および肺と比べた場合に(CTs=36)胎児でかなり高レベルで発現される(CTs=32〜33)。この知見はこの遺伝子の発現は胎児と成人の肝臓および肺を区別するために使用できるということを示唆する。さらに、胎児組織におけるこの遺伝子の相対的な過剰発現は、このタンパク質産物は胎児では肝臓および肺の成長または発達を増強し、ひいてはまた、成人では再生能において作用し得るということを示唆する。したがって、この遺伝子によってコードされるタンパク質治療的調節は肝臓および肺関連疾病の処置で有用であり得る。
さらに、この遺伝子は扁桃体、海馬、黒質、視床、小脳、大脳皮質および脊髄をはじめとする、調べた中枢神経系のすべての領域において低レベルで発現される。したがって、この遺伝子産物の治療的調節はアルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、多発性硬化症、総合失調症および鬱病などの中枢神経系疾患の処置で有用であり得る。
パネル 4.1Dまとめ:Ag7015 CG59582-03遺伝子の最高発現が活性化された二次Thlにおいて検出される(CT=33.9)。この遺伝子の低レベルの発現は活性化された二次ThlおよびTh2細胞に限定されている。したがって、この遺伝子の発現はこれらの試料とこのパネルのその他の試料間を区別するために用いてもよい。T細胞におけるこの遺伝子の発現はそれがT細胞極性化において重要であり得るということを示唆する。したがって、この遺伝子またはこの転写物によってコードされるタンパク質の治療的調節は免疫調節および喘息、関節炎、乾癬、IBDおよび狼瘡などのT細胞媒介性疾病の処置で重要であり得る。
AX.CG120123-02:ヒトアミノ酸輸送体ATA2様タンパク質
遺伝子CG120123-02の発現を、プライマー-プローブセットAg4505を使用して評価し、表AXAに記載した。RTQ-PCR実施の結果を、表AXBおよびAXCに示す。Ag4505のプライマーの一方はCG120123-02配列に対して単一ミスマッチを含むが、それはRTQ-PCR結果を有意に変更することはないと予想される。
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パネル 1.4:ATA2は肝臓、脂肪および骨格筋のような代謝組織において高レベルで広範に発現される。ATA2の発現はまた、いくつかの癌組織由来細胞株で誘導される。
パネル 5I:パネル 5IはATA2遺伝子は広範に発現され、肝細胞由来の細胞、HepG2で最高に発現されるということを示す。
実施例D:NOVX核酸配列中の単一ヌクレオチド多型の同定
変異体配列も本願に含まれる。変異体配列には単一ヌクレオチド多型(SNP)を含み得る。SNPは、場合によって、SNPを含むヌクレオチド配列がcDNAとして起こることを示すため「cSNP」と称される。SNPはいく通りかの方法で生じ得る。例えば、SNPは多型部位でのあるヌクレオチドの別のものとの置換によるものであり得る。かかる置換はトランジションまたはトランスバーションのいずれかであり得る。SNPはまた参照対立遺伝子と比べて、ヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入からも生じ得る。この場合、この多型部位とはある対立遺伝子が別の対立遺伝子の特定のヌクレオチドに関してギャップを有する部位である。遺伝子内に生じるSNPは、SNPの位置にある遺伝子によってコードされるアミノ酸の変更をもたらす場合がある。遺伝暗号の重複性の結果としてSNPを含むコドンが同じアミノ酸をコードする場合、遺伝子内のSNPがサイレントである場合もある。遺伝子の領域外で、または遺伝子のイントロン内で生じるSNPはタンパク質のどのアミノ酸配列にも変化をもたらさないが、発現パターンの調節の変更をもたらす場合がある。例として、時間的発現、生理的応答調節、細胞種発現調節、発現強度、および転写されたメッセージの安定性の変更が挙げられる。
エクソン結合プロセスによって得られたSeqCallingアセンブリーを以下の基準を用いて選択し、伸長させた。最初の配列または伸長させた配列の全てまたは部分に対し98%の同一性を持つ領域を有するゲノムクローンを、ヒトゲノムデータベースをクエリーするのに適切な配列を用いてBLASTN検索によって同定した。この同一性がこれらのクローンがこれらSeqCallingアセンブリーのゲノム座位を含むことを示すことから、得られたゲノムクローンをさらなる解析のために選択した。これらの配列は推定コード領域ならびに既知DNAおよびタンパク質配列との類似性に関して解析した。これらの解析に用いたプログラムとしては、Grail、Genscan、BLAST、HMMER、FASTA、Hybridおよびその他の適切なプログラムが挙げられる。
さらなるゲノム領域を、選択したSeqCallingアセンブリーがそれらの領域についてマッピングするということでいくつか同定しておいてもよい。かかるSeqCalling配列は相同性またはエクソン予測により規定される領域と重複していてもよい。また、断片の位置が類似性または当初の予測配列に含まれていたエクソン予測により同定されるゲノム領域の近傍にあったという理由でこれらを含めてもよい。このように同定された配列を手作業でアセンブルし、次いでCuraGen社のヒトSeqCallingデータベースから得られる1以上のさらなる配列を用いて伸長しておいてもよい。含めるのに好適なSeqCalling断片を、CuraTools(商標)プログラムSeqExtendにより、または解析したゲノムクローンの適当な領域へマッピングするSeqCalling断片の同定により同定した。
次いで、本明細書に開示された最終配列を導くため、前記手順により規定される領域を手作業で統合し、例えば、元の断片中でミスコールされた塩基から、または予測されるエクソン結合部、EST位置と配列類似性領域との間の矛盾から生じ得た明らかな不一致を訂正した。必要であれば、SeqCallingアセンブリーおよびゲノムクローンを同定および解析するプロセスを繰り返して全長配列を導いた(Alderbornら, Determination of Single Nucleotide Polymorphisms by Real-time Pyrophosphate DNA Sequencing. Genome Research. 10(8)1249-1265,2000)。
変異体は個々に報告されるが、変異体の全てまたは選択サブセットのいずれの組み合わせも本発明の考慮されるNOVXの実施形態として含まれる。
NOV1 SNPデータ CG102071-03
NOV1の5種の多型変異体を同定し、表52に示す。
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NOV2 SNPデータ CG102734-01
NOV2の8種の多型変異体を同定し、表53に示す。
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NOV5 SNPデータCG117653-02
NOV5の1種の多型変異体を同定し、表54に示す。
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NOV6 SNPデータ CG119674-02
NOV6の1種の多型変異体を同定し、表55に示す。
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NOV7 SNPデータ CG120123-02
NOV7の11種の多型変異体を同定し、表56に示す。
Figure 2005526507
NOV14 SNPデータ CG124136-02
NOV14の2種の多型変異体を同定し、表57に示す。
Figure 2005526507
NOV15 SNPデータ CG124553-01
NOV15の4種の多型変異体を同定し、表58に示す。
Figure 2005526507
NOV21 SNPデータ CG125363-01
NOV21の1種の多型変異体を同定し、表59に示す。
Figure 2005526507
NOV26 SNPデータ CG128021-01
NOV26の2種の多型変異体を同定し、表60に示す。
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NOV29 SNPデータ CG128439-02
NOV29の3種の多型変異体を同定し、表61に示す。
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NOV30 SNPデータ CG128489-01
NOV30の7種の多型変異体を同定し、表62に示す。
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NOV31 SNPデータ CG128825-01
NOV31の7種の多型変異体を同定し、表63に示す。
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NOV32 SNPデータ CG128891-01
NOV32の2種の多型変異体を同定し、表64に示す。
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NOV33 SNPデータ CG131490-01
NOV33の2種の多型変異体を同定し、表65に示す。
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NOV34 SNPデータ CG131881-01
NOV34の16種の多型変異体を同定し、表66に示す。
Figure 2005526507
NOV35 SNPデータ CG133535-01
NOV35の1種の多型変異体を同定し、表67に示す。
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NOV36 SNPデータ CG133558-01
NOV36の2種の多型変異体を同定し、表68に示す。
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NOV45 SNPデータ CG54479-02
NOV45の2種の多型変異体を同定し、表69に示す。
Figure 2005526507
NOV46 SNPデータ CG56649-01
NOV46の13種の多型変異体を同定し、表70に示す。
Figure 2005526507
NOV47 SNPデータ CG57209-01
NOV47の1種の多型変異体を同定し、表70に示す。
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NOV48 SNPデータ CG59325-01
NOV48の8種の多型変異体を同定し、表71に示す。
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NOV49a SNPデータ CG59582-03
NOV49の1種の多型変異体を同定し、表72に示す。
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実施例E:使用方法
本発明は一部分は病態、疾病、あるいは異常な状態または状況における調節に差のある生物学的高分子の同定に基づき、かつ/またはcDNAライブラリーまたは1つ1つのマトリックス反応を用いる酵母ツーハイブリッドスクリーニングで同定される、タンパク質およびポリペプチドならびにそれらをコードする核酸の新規の関連性に基づいている。目下注目される病状または疾病の中には内分泌学的疾患、癌、種々の腫瘍および腫瘍形成、炎症性疾患、中枢神経系疾患、および類似の異常状態または状況に関するものをはじめとする代謝病が含まれる。生物学的高分子が関与する重要な代謝疾患としては肥満症および糖尿病、特に肥満症およびII型糖尿病が挙げられる。肥満症は患者をII型糖尿病にかかりやすくすると考えられている。本発明の極めて重要な実施形態では、これらの病状および状態に関係している生物学的高分子はタンパク質およびポリペプチドであり、このような場合、本発明は同様にそれらをコードする核酸にも関与する。関係のある生物学的高分子を同定するために用いることができる方法としては、疾患に関連するタンパク質およびポリペプチドをコードする核酸の発現の差を検出するいずれかの手順、ならびにそれぞれのタンパク質およびポリペプチド自体を検出する手順が挙げられる。本発明者らの用いた有意な方法としては、各々それぞれ全文を引用することにより本明細書の一部とされる、米国特許第5,871,697号および1999年10月13日出願の米国特許出願第09/417,386号に開示される、GeneCalling(登録商標)技術およびSeqCalling(商標)技術が挙げられる。GeneCalling(登録商標)はShimketsら, Nature Biotechnology, 17:198-803(1999)にも記載されている。
本発明は哺乳類において疾病または病状、または異常状態または状況と新規の関連を有すると特定されたポリペプチドおよびそれによってコードされるヌクレオチドを提供する。本発明には核酸配列およびそれらにコードされるポリペプチドが含まれる。この配列を総じて「肥満症および/または糖尿病核酸」または「肥満症および/または糖尿病ポリヌクレオチド」と呼び、対応するコードされるポリペプチドは「肥満症および/または糖尿病ポリペプチド」または「肥満症および/または糖尿病タンパク質」と呼ぶ。例えば、本発明の肥満症および/または糖尿病核酸は肥満症および/または糖尿病核酸を含む核酸であり、本発明の肥満症および/または糖尿病ポリペプチドは肥満症および/または糖尿病ポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドである。特に断りのない限り、「肥満症および/または糖尿病」とは本明細書に開示の新規の関連を有するいずれの配列も指すものとする。
本発明は種々の疾病、病状、異常状態および状況の処置における治療薬の標的として関与する、天然ポリペプチド、このポリペプチドまたはタンパク質の前駆体型またはプロタンパク質または成熟型をはじめとする一連のタンパク質およびポリペプチドを同定する。標的は、標的と相互作用し、そうすることによって所望のまたは好ましい効果を発揮する候補治療薬を同定するための種々のスクリーニング方法論のいずれかで用いてもよい。本発明の重要な実施形態では、候補治療薬は物質または化合物の大きな収集物をスクリーニングして同定する。かかる収集物は、物質または化合物の少なくとも1つのサブセットにおいて、個々のメンバーが特定の基準または基本的な化学構造に基づく簡単な構造上の変化によって互いに関与している、物質または化合物のコンビナトリアル・ライブラリーを含んでなっていてもよい。この変化には、例を限定するものではないが、結合した原子の基礎構造の長さまたは同一性における変化;環状構造、架橋構造、脂環式環、および芳香環の数、構成および配置における変化;ならびに特定の位置で、結合した原子の基礎構造または環状構造、架橋構造、脂環式構造、あるいは芳香族構造と結合しているペンダントまたは置換原子もしくは基における変化が挙げられる。
本発明は、cDNAライブラリーまたは1つ1つのマトリックス反応を用いる酵母ツーハイブリッドスクリーニングで同定された、タンパク質およびポリペプチドおよびそれらをコードする核酸の新規の関連性を開示する。このタンパク質およびこれらに類似する関連タンパク質はcDNAによっておよび/またはゲノムDNAによってコードされ、一部の例ではCuraGen社によって同定された。
本発明では、タンパク質の相互作用としてはタンパク質断片の全長タンパク質との、タンパク質断片の別のタンパク質断片との、または全長タンパク質相互の相互作用が挙げられる。本発明で開示されるタンパク質相互作用はまた、新規タンパク質が既知経路の構成要素であると考えられる、既知タンパク質が新規経路の構成要素であると認められる、または新規タンパク質が新規経路の構成要素であると認められる、特定の疾病または病状に対して機能上重要である重大な発見を示す可能性がある。
本明細書に記載され、かつ、スクリーニング手順で標的として役立つポリペプチドまたはタンパク質としては、天然のポリペプチドまたは前駆体型またはプロタンパク質の産物が挙げられる。天然のポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質としては、例えば、対応する遺伝子にコードされる全長遺伝子産物が挙げられる。天然のポリペプチドとしてはまた、本明細書に記載されるオープンリーディングフレームによってコードされるポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質も挙げられる。ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」型は宿主細胞をはじめとする細胞内で生じ得る1以上の天然のプロセシングステップの結果として生じる。このプロセシングステップは遺伝子産物が生じる時に、例えばオープンリーディングフレームの開始コドンによってコードされるアミノ末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドまたはリーダー配列のタンパク質加水分解切断により起こる。したがって、1からNまでの残基を有し、残基1がN末端メチオニンである前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟型には残基2からNが残存する。あるいは、残基1〜Nを有し、残基1から残基Mまでのアミノ末端シグナル配列が切断される前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟型は残基M+1から残基Nまでの残存する残基を含む。ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」型はタンパク質加水分解によらない翻訳後修飾からも生じ得る。かかる非タンパク質加水分解プロセスとしては、例えば、グリコシル化、ミリスチル化またはリン酸化が挙げられる。一般に、成熟ポリペプチドまたはタンパク質はこれらのプロセスのただ1つの働き、またはそれらのうちのいずれかの組み合わせから生じ得る。
本明細書において「同一な」残基とは、2つの配列のアラインメントで対応するヌクレオチド塩基またはアミノ酸残基が同一残基であるような2つの配列間の比較における残基にあたる。あるいは、アラインメントでの2つの配列間の比較が、比較上対応する位置にある残基が同じアミノ酸か以下に定義する保存アミノ酸のいずれかであると示す場合に、残基は「類似の」または「ポジティブ」と記載される。
本明細書において「化学組成物」とは、天然の供給源より合成されたか抽出されたかどちらかの少なくとも1種の化合物を含む組成物に関する。化学化合物は規定された合成手順の産物であり得る。かかる合成化合物は本明細書では分子式、結合した原子の相互の会合に関する分子構造、電気泳動図または分光学的特性その他などの物理的特性に関して規定の特性を有するものと理解される。有利なことに、天然の供給源より抽出された化合物は、分子式、結合した分子の相互の会合に関する分子構造、電気泳動図または分光学的特性その他などの物理的特性をはじめとするその規定の特性の説明を提供するため、化学的および物理的方法で分析されている。
本明細書において「候補治療薬」とは、標的生体高分子と結合すると示される少なくとも1種の物質を含む化学化合物である。本発明の重要な実施形態では、標的生体高分子はタンパク質またはポリペプチド、核酸、多糖またはプロテオグリカン、あるいは複合脂質などの脂質である。標的と結合する化合物の同定方法は結合親和性をほとんどまたは全く持たない化合物を効果的に除去し、それによって同定された化学化合物が有益な治療用途を持つ可能性が高まる。「候補治療薬」が1種以上の化学化合物の混合物である場合には、次いでスクリーニング手順を実施して、結合性化合物であって候補治療薬として同定されるであろう混合物中の特定の物質を同定してもよい。
本明細書において「医薬」は、疾病または病状に関して所望のまたは有益な治療効果を発揮する候補を同定するための、その病状または病理モデルを用いる候補治療薬のスクリーニングにより提供される。首尾よくかかる効果をもたらすかかる候補を本明細書では医薬と呼ぶ。限定するものではないが、かかるスクリーニングに用いてよいモデル系の例としては、特定の細胞株、培養細胞、組織調製物、全組織、器官調製物、完全な器官、および非ヒト哺乳類が挙げられる。医薬を同定するためには少なくとも1つの系、好ましくは1以上の系を用いるスクリーニングを用いればよい。このように同定された医薬はいずれもヒト被験者を用いるさらなる研究で取り組めばよい。
次節はヒトアミノ酸輸送体ATA2様によってコードされるNOV7aタンパク質およびヒトAxlチロシンキナーゼ様によってコードされるNOV48aタンパク質、およびそのいずれかの変異体の同定に用いる、また診断マーカー、抗体治療の標的および肥満症および糖尿病の小分子薬の標的としてのその適性の証明に用いる研究デザインおよび技術を記載する。
1.アミノ酸輸送体ATA2様タンパク質CG120123-02
ATA2はアミノ酸輸送体A系ファミリーに属し、基質としてアラニンを好むことから名付けられた。ATA2は肝臓、骨格筋、および脂肪のような代謝組織で高度に発現し、これらの組織での中性アミノ酸輸送の大部分を担っている。ATA2はインスリンおよびグルカゴン処置に応じて誘導されると示されている。糖尿病の肝臓でのATA2の過剰発現は糖新生および高血糖の増加と関係がある。肥満で糖尿病のマウスの骨格筋でのATA2のアップレギュレーションは肥満症および/または糖尿病の発症におけるATA2の役割をさらに示唆する。ATA2の輸送活性の阻害によりアミノ酸の細胞への流入が損なわれ、結果としてグルコースおよび脂肪酸などのエネルギーの別の供給源が利用されるであろう。グルコースの利用および脂肪酸の酸化促進は、肥満症および/または糖尿病の処置にとって有益なアプローチに相当する。
ATA2はアミノ酸輸送体A系ファミリーに属し、基質としてアラニンを好むことから名付けられた。その他の系A輸送体の活性は通例、Na+依存性[14C]MeAIB取り込みの測定によって判断されてきた(Yaoら,J. Biol. Chem.(2000)275, 22790-22797; Sugawaraら, J Biol. Chem.(2000)275, 16473-16477)。便宜には、アミノ酸輸送体cDNAを細胞内で一時的に発現させ、培養物を[14C]MeAIBとともにインキュベートする。ATA2 cDNAをトランスフェクトした細胞におけるNaClの存在下での[14C]MeAIBの輸送をベクターをトランスフェクトした細胞におけるものと比較する。
アミノ酸輸送体ATA2遺伝子はラットC6神経膠腫細胞で特異的に発現すると示されており、その他のアラニン輸送体はこの細胞株では検出されていない(Lingら,Bioplays. Biochim. Acta(2001)1512,15-21)。アミノ酸輸送体ATA2遺伝子を発現する別の細胞株は前記で示したRTQ-PCRの結果から得られる(表AXBおよびAXC参照)。これらとその他のアミノ酸輸送体 ATA2発現細胞株はスクリーニング目的に用いてもよい。
研究デザイン
次節は、肥満症および/または糖尿病の診断マーカー、抗体治療の標的および小分子薬の標的として好適な、アミノ酸輸送体ATA2によってコードされるタンパク質およびその変異体の同定に用いる研究デザインおよび技術を説明する。
研究:BP24.02 マウス食餌誘導性肥満
研究の記載:
BP24.02 臨床集団で肥満の主な原因は過剰なカロリー摂取である。このいわゆる食餌誘導性肥満(DIO)を動物モデルで脂肪含有量が40%より多いの高脂肪食を与えることにより模倣する。このDIO研究は食餌誘導性肥満の発症および進行の一因となる遺伝子発現の変化を同定するために確立された。さらに、研究デザインは特定の個体に高脂肪食の影響に抵抗する能力をもたらす要因を特定し、それによって肥満症を防ぐことを追求する。この研究のための試料群には体重+1S.D.、+4S.D.および+7S.D.という固形試料食事制限を含む(下記、表E1)。さらに、+7S.D.マウスの生化学プロフィールから、肥満にかかわらず正常な血糖プロフィールを保持したマウスおよび高血糖を実証したマウスへのこれらの動物のさらなる層別化が明らかになった。調べた組織は、視床下部、脳幹、肝臓、後腹膜白色脂肪組織(WAT)、副睾丸WAT、褐色脂肪組織(BAT)、腓腹筋(速筋骨格筋)およびヒラメ筋(遅筋骨格筋)を含んでいた。これらの組織の遺伝子発現プロフィールの差は肥満の治療標的として使用できる遺伝子および経路を明らかにするはずである。
Figure 2005526507
NOV7a発現
種類1 CuraGenのGeneCalling(商標)差次的遺伝子発現法を用い、最初にマウスアミノ酸輸送体ATA2の遺伝子断片が高脂肪食の標準体重マウス(sdl)に対して肥満のマウス(ngsd7)のヒラメ筋骨格筋では1.8倍アップレギュレートされていると認められた。約46ヌクレオチド長に移動する発現に差のあるマウス遺伝子断片(表E2-実線の縦線)をアミノ酸輸送体ATA2cDNAの構成要素であると決定的に同定した(グラフ中、横軸はヌクレオチド長がとられ、縦軸はシグナル応答としてとられている)。比較PCR法を遺伝子のコンホメーション評価に用いた。アミノ酸輸送体ATA2の遺伝子断片に相当する電気泳動図のピークは、遺伝子特異的プライマー(以下の表E2参照)がPCR増幅の際にリンカー-アダプター中のプライマーと競合する場合に除去される。46ヌクレオチド長のピークは高脂肪食の肥満(ngsd7)ならびに標準体重(sdl)マウスのヒラメ筋骨格筋に由来する試料では除去されている(点線または破線)。さらに、マウスアミノ酸輸送体ATA2に相当する同じバンドが、高脂肪食の標準体重マウス(sdl)および標準食の対照マウス(chow)に対して肥満で糖尿病のマウス(hgsd7)のヒラメ筋でアップレギュレートされていると認められた。興味深いことに、アミノ酸輸送体ATA2が腓腹筋では同様の比較で調節されないと認められた。これらのデータはATA2が肥満の表現型の進行に関与していることを示唆する。
Figure 2005526507
Figure 2005526507
NOV7aタンパク質アラインメント(ClustalW)、タンパク質ドメイン、細胞の位置および遺伝子座
ヒトタンパク質配列(CG120123-02)およびラット版のアミノ酸輸送体ATA2はアラインさせると高い相同性を示す。アミノ酸輸送体ATA2様核酸は506個のアミノ酸をコードし、染色体12ql2 に局在する。NOV7aは原形質膜に局在する。
診断ならびに/または小分子薬および抗体治療薬の標的としての用いるための理論的根拠
以下は発見研究、補足調査および化学文献からの知識も取り入れたアッセイからの知見のまとめである。全体的に見て、データはアミノ酸輸送体ATA2の阻害剤/アンタゴニストが肥満症および/または糖尿病の処置で有益であろうということを示す。
アミノ酸輸送体2ATA2遺伝子は、GeneCalling研究において、食事誘導肥満症研究の標準体重マウスと比較して肥満の、および肥満で糖尿病のマウスの骨格筋組織において2〜3倍にアップレギュレートされていると認められた。アミノ酸輸送体のアップレギュレーションは中性アミノ酸の流入増加を引き起こし、これはエネルギー源として用いられ得る。ATA2活性の阻害はアミノ酸の利用を損なう場合があり、脂肪酸の酸化またはグルコース取り込みが必要となろう。したがって、ATA2のアンタゴニストは肥満症/糖尿病の治療薬であり得る。
抗体
本発明は本発明のいずれかのタンパク質と免疫特異的に結合する抗体およびFab、(Fab)2または一本鎖FV構築物などの抗体断片をさらに包含する。バクテリオファージ粒子などいずれかの担体粒子に融合されている(または担体の表面で生物学的に発現される)ペプチドおよびポリペプチドをはじめとする、本発明のいずれかのタンパク質に対して高い結合親和性を有する配列を含んでなるペプチドおよびポリペプチドも本発明の範囲に包含される。
本発明の核酸およびタンパク質は種々の疾病および疾患の診断および/または処置に用途がある。例えば、本発明の組成物は肥満症および/または糖尿病を患う患者の処置に有効性がある。
これらの物質は診断および/または治療法に用いる本発明の物質と免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。
2. Axlチロシンキナーゼ様タンパク質CG59325-01
AXLは、細胞接着分子に似た細胞外ドメインならびに細胞増殖および形質転換を誘導すると報告されている、細胞内で保存されたチロシンキナーゼドメインを特徴とする受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーである。マウスではAXLの異所的過剰発現が肥満、次いでII型糖尿病を引き起こすということが証明されている。GeneCalling研究における肥満のマウス由来の末梢組織におけるAXLのアップレギュレーションはAXLの肥満の発症への寄与を支持するものである。PathCalling結果はAXLは肥満症/糖尿病を引き起こすいくつかの経路に関与している可能性があるということを示唆する。
表E3にはヒトAxlチロシンキナーゼを取り巻く生化学および肥満症および/または糖尿病の治療のための抗体治療薬または小分子薬のスクリーニングに用いることができる可能性あるアッセイがまとめられている。Axlチロシンキナーゼを発現する細胞株は前記で示されたRTQ-PCRの結果から得ることができる。これらおよびその他のAxlチロシンキナーゼ発現細胞株はスクリーニング目的に用いてもよい。
Figure 2005526507
Axlは受容体型チロシンキナーゼである。その作用機構は受容体チロシンキナーゼのその他のメンバーと非常によく似ている。細胞外リガンドGas6(前記の図でG6と表示)との結合はAxlの凝集を引き起こし、後者は自己リン酸化反応および細胞内キナーゼドメインの活性化の誘因となる。活性化AxlはPI3K、PLCγ、Grb2、SRA、NF-kBをはじめとする細胞内タンパク質のリン酸化に預かっている。リン酸化は多数のシグナル伝達経路の活性化の原因となり、それらのうちの多くは糖尿病および肥満症の発症に関与してきた。さらに、Axlの異所的過剰発現が肥満の/糖尿病の表現型をもたらすと示されている(Augustineら, 1999)。
その上、Gas6のノックアウトは血栓性事象を減少させる。これはAxlの阻害が血栓症(thrombsis)の処置にも有益であり得るということを示唆する。
以下の図(表E4およびE5)はヒトAxlチロシンキナーゼの発現の変更および関連する遺伝子産物が肥満症および/または糖尿病の病因および病気の発生にどのように機能するかを示している。スキームには文献に報告されているものと併せて本発見研究の独自の知見が組み込まれている。ヒトAxlチロシンキナーゼの作用の阻害結果は、肥満症および/または糖尿病で主要な問題であるインスリン耐性の減少となろう。
Figure 2005526507
タンパク質チロシンキナーゼAXLはグアニンヌクレオチド交換因子VAV1と相互作用する。VAV1リン酸化反応とそれに続く活性化はJNKおよびNF-kB経路の活性化に関係しており、カルシウムの流入を誘発する。前記の機構の全てがインスリン耐性および肥満症に寄与すると示されている。タンパク質キナーゼAXLはまた、PI3Kの2つの制御サブユニットと相互作用する。この相互作用はPI3KとIRS間の活性複合体の形成に干渉し、インスリンシグナル伝達の弱化をもたらし得る。したがって、PathCallingデータはCG59325-01が肥満症/糖尿病の発症に関係するいくつかの経路に関与していることを示唆する。
Figure 2005526507
表E5はインスリンシグナル伝達のアテニュエーターとしてのAxlの可能性ある役割を概略的に表している。PathCalling結果に基づいて、AxlはPI3Kと相互作用してIRSとの結合に利用できるPI3Kの量の減少をもたらし得る。PI3ILとIRS間の複合体形成はインスリンのシグナル伝達の伝播において絶対的に重要なステップであるため、AxlのGlut4転座、アップレギュレーションおよび活性化はインスリンのシグナル伝達を損ない、インスリン耐性を助長するであろう。
研究デザイン
次節は、肥満症および糖尿病のための、診断マーカー、抗体治療の標的ならびに小分子薬用の標的として好適な、AXLチロシンキナーゼによってコードされるタンパク質およびそのいずれかの変異体の同定に用いる研究デザインおよび技術を説明する。
研究:MB.04 マウス肥満症
研究の記載:
MB.04 体重および組成の異なる多数のマウス系統が同定されている。AKRおよびNZB系は肥満であり、SWR、C57LおよびC57BL/6系は平均的な体重であるのに対してSM/JおよびCast/Ei系は痩せている。これらの系統由来の主要代謝組織での遺伝子発現の違いを理解することで肥満症の病態生理学的基礎が解明されるであろう。体重および関連形質の量的形質座位(QTL)は公開された遺伝学研究で報告されているので、これら特定の系のラットを差次的遺伝子発現解析のために選択した。組織には全脳、骨格筋、内臓脂肪、および肝臓を含めた。
種類1:マウス系統:NZB、Cast、C57L
NOV48a発現
種類1 CuraGenのGeneCalling(商標)差次的遺伝子発現法を用い、最初に、マウスAXLチロシンキナーゼの遺伝子断片が痩せ系統のCastの筋肉に対して野生型系統のC57BL/6J骨格筋組織では3倍アップレギュレートされていると認められた。約332ヌクレオチド長に移動する、発現に差のあるマウス遺伝子断片(表E6-実線の縦線)をマウスAXLチロシンキナーゼcDNAの構成要素として決定的に同定した(グラフ中、横軸はヌクレオチド長がとられ、縦軸はシグナル応答としてとられている)。比較PCR法を遺伝子のコンホメーション評価に用いた。マウスAXLチロシンキナーゼの遺伝子断片に相当する電気泳動図のピークは、遺伝子特異的プライマー(下記参照)がPCR増幅の際にリンカー-アダプター中のプライマーと競合する場合に除去される。322ヌクレオチド長のピークは野生型系統C57BL/6Jに由来する試料では除去されている(点線または破線)。マウスAXLチロシンキナーゼの遺伝子断片はまた、野生型C57B1/6Jマウスに対して肥満のNZBマウスの骨格筋で、野生型C57B1/6Jマウスに対して肥満のNZBの脂肪で、ならびに痩せ系統のCast/Eiマウスに対して野生型系統C57BL/6Jの脂肪で約2倍アップレギュレートされていると認められた。これらのデータはAXLが肥満の表現型の進行に関与していることを示唆する。
Figure 2005526507
NOV48aタンパク質アラインメント(ClustalW)、タンパク質ドメイン、細胞の位置および遺伝子座
ヒトタンパク質配列(CG59325-01)およびラット版のAXLチロシンキナーゼはアラインさせると高い相同性を示す。AXLチロシンキナーゼ様核酸は894個のアミノ酸をコードし、染色体19ql3.1に局在する。NOV48aは原形質膜に局在する。
診断ならびに/または小分子薬および抗体治療薬の標的として用いるための理論的根拠
以下は発見研究、補足調査および化学文献からの知識も取り入れたアッセイからの知見のまとめである。全体的に見て、データはヒトAxlチロシンキナーゼの阻害剤/アンタゴニストが肥満症および/または糖尿病の処置で有益であろうということを示す。
受容体チロシンキナーゼAXL(CG59325-01)は正常なマウスと比べて肥満のマウスの脂肪および骨格筋組織で2〜3倍アップレギュレートされていると認められた(NZB系対C57系)。AXLはまた痩せたマウスと比べて正常なマウスでアップレギュレートされていた(C57系対Cast/Ei系)。AXLを過剰発現するマウスは肥満症およびII型糖尿病を発症する。CG59325-01の細胞質ドメインはPI3Kp85およびVavlと相互作用する。これらの相互作用は脂質の蓄積およびインスリン耐性をもたらす経路でのAXLの関与を示唆する。チロシンキナーゼAXLの阻害が肥満症および/または糖尿病の処置で有益であり得る。
抗体
本発明は本発明のいずれかのタンパク質と免疫特異的に結合する抗体およびFab、(Fab)2または一本鎖FV構築物などの抗体断片をさらに包含する。バクテリオファージ粒子などのいずれかの担体粒子に融合されている(または担体の表面で生物学的に発現される)ペプチドおよびポリペプチドなどをはじめとする、本発明のいずれかのタンパク質に対して高い結合親和性を有する配列を含んでなるペプチドおよびポリペプチドも本発明の範囲に包含される。
本発明の組成物の使用
本明細書で開示されたタンパク質の類似性情報、発現パターン、細胞局在化、およびタンパク質および核酸のマップ位置は、このタンパク質がAxlチロシンキナーゼファミリーに特徴的な、重要な構造的および/または生理的機能を有する可能性があるということを示唆する。したがって、本発明の核酸およびタンパク質は可能性ある診断および治療用途において、ならびに研究ツールとして有用である。これには核酸またはこのタンパク質の存在または量が評価される、特異的または選択的な核酸またはタンパク質診断および/または予後マーカーとして役立つことが含まれる。また、これらには以下:(i)タンパク質治療薬、(ii)小分子薬標的、(iii)抗体標的(治療、診断の薬剤ターゲッティング/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子消失)、(v)in vitroおよびin vivoでの組織再生を促進する薬剤、および(vi)生物学上の防御手段などの可能性ある治療用途も含まれる。
本発明の核酸およびタンパク質は種々の疾病および疾患の診断および/または処置に用途がある。例えば、本発明の組成物は肥満症および/または糖尿病を患う患者の処置に有効性がある。
これらの物質は診断および/または治療法に用いる本発明の物質と免疫特異的に結合する抗体の作製においてさらに有用である。
その他の実施形態
特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示されているが、これは単に説明目的のための例としてなされたものであり、以下に添付の特許請求の範囲について限定しようとするものではない。特に、特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明に種々の置換、変更、および改変がなされ得ることを発明者らは考慮している。核酸出発物質、注目するクローン、またはライブラリーの種類の選択は、本明細書に記載の実施形態の知識を有する当業者であれば慣例の問題であると考えられる。その他の態様、利点、および改変は以下の特許請求の範囲内にあると考えられる。示した特許請求の範囲は本明細書で開示される発明を代表するものである。別の特許請求されていない発明も考慮される。出願人らは後の特許請求の範囲においてかかる発明を追求する権利を留保する。

Claims (45)

  1. 配列番号2nからなる群より選択される配列決定されたアミノ酸の成熟型を含む単離ポリペプチドであって、nは1ないし88の整数である、ポリペプチド。
  2. 配列番号2nからなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであって、nは1ないし88の整数である、ポリペプチド。
  3. 配列番号2nからなる群より選択されるアミノ酸配列に少なくとも95%同一である、アミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであって、nは1ないし88の整数である、ポリペプチド。
  4. 配列番号2nからなる群より選択されるアミノ酸配列における1または2以上の保存的置換を含むアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであって、nは1ないし88の整数である、ポリペプチド。
  5. 天然に存在する、請求項1のポリペプチド。
  6. 請求項1のポリペプチドおよび担体を含む組成物。
  7. 1または2以上の容器中に、請求項6の組成物を含むキット。
  8. ヒト疾患に付随する症候群を処置するための医薬の製造における治療剤の使用であって、該疾患は請求項1のポリペプチドと連関する病理から選択され、該治療剤が請求項1のポリペプチドを含む、使用。
  9. 試料中の請求項1のポリペプチドの存在または量を決定する方法であって、該方法は:
    (a)当該試料を提供し、
    (b)当該試料を、該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体に導入し、および
    (c)当該ポリペプチドに結合した抗体の存在または量を決定し、それによって当該試料中のポリペプチドの存在または量を決定する、
    ことを含む方法。
  10. 第一哺乳動物対象中の請求項1のポリペプチドの発現の変更レベルと連関する疾患の存在または素因を決定する方法であって、
    a)第一哺乳動物対象からの試料中のポリペプチドの発現のレベルを測定し、および
    b)工程(a)の試料中の当該ポリペプチドの発現を、当該疾患を有しない、または素因がないと知られる第二哺乳動物対象からの対照試料中に存在するポリペプチドの発現と比較する、
    ことを含み、ここで対照試料と比較したときの第一対象におけるポリペプチドの発現のレベルの変更が、当該疾患の存在または素因を指摘する、方法。
  11. 請求項1のポリペプチドに結合する剤を同定する方法であって、
    (a)当該剤に当該ポリペプチドを導入する、および
    (b)当該剤が当該ポリペプチドに結合するか否か決定する
    ことを含む方法。
  12. 該剤が細胞性レセプターまたは下流エフェクターである、請求項11の方法。
  13. 病理の処置における潜在的治療剤を同定する方法であって、ここで該病理が請求項1のポリペプチドの異常発現または異常生理学的相互作用に関連し、該方法は、
    (a)請求項1のポリペプチドを発現する、かつ該ポリペプチドに帰すべき特性または機能を有する細胞を提供する、
    (b)該細胞を、候補物質を含む組成物と接触させる、および
    (c)該物質が該ポリペプチドに帰すべき特性または機能を変更するか否か決定することを含み、
    それによってもし、細胞が物質の不存在の組成物と接触されるとき、該物質の存在下で観察される変更が、観察されないならば、該物質は潜在的治療剤として同定される、方法。
  14. 請求項1のポリペプチドに連関する病理の活性または潜在または素因のモジュレーターをスクリーニングす方法であって、当該方法は、
    (a)試験化合物を、請求項1のポリペプチドと連関する病理の増加リスクにある、試験動物に投与し、ここで当該試験動物は請求項1のポリペプチドを組み換え的に発現する、
    (b)工程(a)の化合物の投与後、当該試験動物における当該ポリペプチドの活性を測定する、および
    (c)当該試験動物における当該ポリペプチドの活性を、当該ポリペプチドを投与されていない対照動物における当該ポリペプチドの活性と比較し、ここで当該対照動物について当該試験動物における当該ポリペプチドの活性の変化が、試験化合物が請求項1のポリペプチドと連関する病理の活性または潜在または素因のモジュレーターであることを指摘する、方法。
  15. 当該試験動物が、試験タンパク質トランスジーンを発現し、または野生型試験動物についての増加レベルにあるプロモーターの制御下の当該トランスジーンを発現し、かつここで、当該プロモーターが当該トランスジーンの本来の遺伝子プロモーターではない、請求項14の方法。
  16. 請求項1のポリペプチドの活性を調節する方法であって、該方法は請求項1のポリペプチドを発現する細胞試料を、該ポリペプチドの活性を調節するに十分量で、当該ポリペプチドに結合する化合物と接触させることを含む方法。
  17. 請求項1のポリペプチドと連関する病理を処置または予防する方法であって該方法は、請求項1のポリペプチドを、そのような処置または予防が対象における病理を処置または予防するのに十分量で望まれる該対象に、請求項1のポリペプチドを投与することを含む方法。
  18. 該対象がヒトである請求項17の方法。
  19. 哺乳動物の病理学的状態を処置する方法であって、該方法は、病理学的状態を緩和するのに十分である量で、哺乳動物にポリペプチドを投与することを含み、ここで該ポリペプチドは配列番号2nからなる群より選択されるアミノ酸配列またはその生物学的活性フラグメントを有するポリペプチドであり、ここでnは1ないし88の整数である、方法。
  20. 配列番号2n−1からなる群より選択される核酸配列を含む単離核酸分子であって、nは1ないし88の整数である、分子。
  21. 請求項20の核酸分子であって、該核酸分子は天然に存在する、分子。
  22. 核酸分子であって、該核酸分子は、配列番号2n−1からなる群より選択される核酸配列から単一ヌクレオチドによって異なり、ここでnは1ないし88の整数である、分子。
  23. 配列番号2nからなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの成熟型をコードする単離核酸分子であって、ここでnは1ないし88の整数である、分子。
  24. 配列番号2n−1からなる群より選択される核酸を含む単離核酸分子であって、ここでnは1ないし88の整数である、分子。
  25. 請求項20の核酸分子であって、当該核酸分子は、配列番号2n−1からなる群より選択されるヌクレオチド配列または当該ヌクレオチド配列の相補物にストリンジェント条件下でハイブリダイズし、ここでnは1ないし88の整数である、分子。
  26. 請求項20の核酸分子を含むベクター。
  27. 当該核酸分子に作動可能に連結されるプロモーターを含む請求項26の方法。
  28. 請求項26のベクターを含む細胞。
  29. 請求項1のポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体。
  30. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項29の抗体。
  31. 抗体がヒト化抗体である請求項29の抗体。
  32. 試料中の請求項20の核酸分子の存在または量を決定する方法であって、
    (a)当該試料を提供し
    (b)当該試料を、当該核酸分子に結合するプローブに導入し、および
    (c)当該核酸分子に結合する当該プローブの存在または量を決定する
    ことを含み、ここで当該試料中の核酸の存在または量を決定する、方法。
  33. 核酸分子の存在または量が、細胞または組織型についてのマーカーとして使用する請求項32の方法
  34. 該細胞または組織型が癌性である請求項33の方法。
  35. 第一哺乳動物対象における請求項20の核酸分子の発現の変更レベルと連関する疾患の存在または素因を決定する方法であって、
    a)該第一哺乳動物対象からの試料中の核酸の発現のレベルを測定する、および
    b)工程(a)の試料中の当該核酸の発現のレベルを、該疾患を有しないまたは素因がないと知られる第二哺乳動物対象からの対照資料に存在する核酸の発現のレベルと比較する
    ことを含み、ここで該対照試料と比較した場合の第一対象における核酸の発現のレベルの変化が該疾患の存在または素因を指摘する方法。
  36. 請求項1のポリペプチドを生産する方法であって、該ポリペプチドの発現につながる条件下で細胞を培養することを含み、ここで当該細胞が配列番号2n−1からなる群より選択される核酸配列を含む単離核酸分子を含むベクターを含み、ここでnは1ないし88の整数である方法。
  37. 該細胞が細菌細胞である、請求項36の方法。
  38. 該細胞が昆虫細胞である請求項36の方法。
  39. 該細胞がコウボ細胞である、請求項36の方法。
  40. 該細胞が哺乳動物細胞である、請求項36の方法。
  41. 請求項2のポリペプチドの生産方法であって、ポリペプチドの発現につながる条件下で細胞を培養することを含み、当該細胞が配列番号2n−1からなる群より選択される核酸配列を含む単離核酸分子を含むベクターを含み、ここでnが1ないし88の整数である方法。
  42. 該細胞が細菌細胞である請求項41の方法。
  43. 該細胞が昆虫細胞である請求項41の方法。
  44. 該細胞が酵母細胞である請求項41の方法。
  45. 該細胞が哺乳動物細胞である請求項41の方法。
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