JP2005524836A - 新生物の診断方法 - Google Patents

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Abstract

患者において新生物を早期に診断し、悪性新生物の形成及び/または拡散の危険を評価するための方法であって、
(i)ガングリオシド構造、及びガングリオシド構造をシミュレートする抗原構造に結合する抗体であって、
(ii)その存在、及び/または健常人と比較してその有意に増大した量が、新生物の、及び/または悪性新生物に対する患者の危険の存在に対して高い感度で相関する抗体
を、測定される抗体に対する高感度のアッセイを使用して、患者の生物学的サンプル中で測定することを特徴とする方法。

Description

本発明は、生物学的サンプル中の「普遍的ガンマーカー物質」を測定することによる、ヒト患者における新生物の診断のための、特にその早期の診断のための、及び悪性新生物の形成及び/または拡散によるヒト患者の危険を評価するための方法に関する。
本発明によって測定されるマーカー物質は、新生物がまだ臨床的に明示されていないが、例えば生活(例えば労働中の曝露;喫煙)及び/または以前の疾患及び/または医学的処置のため、悪性新生物性疾患を発達する特定の統計学的な危険に曝されている患者における新生物の存在、およびさらにそのような患者のための特定の危険の状況/予後を、非常に高感度(前記疾患に罹患している人のサンプルの正確な検出)で示す体液性のマーカー物質である。
本願の文脈において、用語「新生物」は、一般的な用語として、ガン疾患(カルシノーマ)に典型的であるような腫瘍、特に悪性腫瘍と同義的に使用される。ドイツ等の国では、300,000以上の男性及び女性が、毎年悪性新生物、即ちガンに罹患しており、一年間に診断される新たなガンのケースの数及び死亡率はかなりのものである((1)参照;以下の記載では、情報に関する関連文献は、一般的に括弧中の数字として与えられる;その数字は、本命最初の末尾の参考文献のリストに関連する)。悪性新生物は、実質的にいずれの組織または器官でも生じることができ、影響される器官に依存して、統計的な頻度、予後、及び治療可能性に関して互いにかなり異なり得る数多くのガン疾患の間で識別がなされる。
ここ数年では、数多くの形態のガン疾患の治療可能性に関する非常な進歩をもたらしている非常に多くの治療の開発が観察されている。しかしながら全ての場合で、ガン疾患を治癒する観点は、早期のガン疾患の診断で常により良い結果をもたらす。ガンの早期の診断、即ち臨床上の症状及び有意な臨床上の症状がまだ存在していない場合での新生物の診断は特に重要である。
臨床上の診断におけるできるだけ早期の新生物の検出のため、「腫瘍マーカー」と称されるものが、調査される患者の生物学的サンプル、特に血液サンプル及び身体の切片において測定される。腫瘍マーカーは、悪性腫瘍細胞によって直接形成される、または腫瘍細胞が非腫瘍細胞においてそれぞれのマーカーの合成を誘導するという事実のため形成する物質である。もし腫瘍マーカーが、生物学的流体サンプル(体液性組織マーカー)または組織(細胞性腫瘍マーカー)において増大した濃度で局在するのであれば、それらは腫瘍疾患の存在、過程、及び予後について結論を引き出すことが可能である。臨床上の診断的実践において現在導入されている腫瘍マーカーは、腫瘍胎児性抗原、モノクローナル抗体で検出可能な糖エピトープ、酵素、アイソザイム、腫瘍性産物、及びレセプターであって良い。リン症状の診断で現在使用されている腫瘍マーカーのレビューは、(2)に見出すことができる。
全ての現在測定されている主要マーカーに共通のことは、一方で、それらが比較的高い器官特異性を有するが、その測定感度は同時に比較的制限されている点である。現在測定されている腫瘍マーカーの比較的高い器官特異性は、一方でその検出が、原因となるガン疾患が高い可能性で出現している器官に関する情報を提供するという利点を有する。しかしながらその高い特異性は、他の器官のガン疾患が、器官特異的腫瘍マーカーの測定で診断できないという欠点、または数多くの異なる腫瘍マーカーの同時的な測定が、ガンの総合的な早期の診断のために必要であるという欠点を生ずる。ガン疾患及び腫瘍マーカーに依存して、20から80%の間である、既知の腫瘍マーカーの測定の比較的低い感度(高感度の測定で、ほとんどまたは全ての患者は現在診断されている)は、目的のためにそれ自体適した腫瘍マーカーの測定にもかかわらず、ガン疾患を非常に高い割合で診断できないという危険を生ずる。
記載された状況に鑑み、非常に高感度でいずれの腫瘍疾患(即ち悪性新生物)の存在に関する信頼できる情報を提供する方法を有することが非常に所望されており、測定された結果の誤解を避けるために調査された患者の臨床上の写真を更に任意に考慮することによって、検出された新生物性疾患のより正確な局在及び示唆的な診断のための任意の更なる診断測定値が適正化される。同時に、健常人はそのような方法でそのように診断することが通常可能であり、診断的な偽の警告を可能な限り避けることができる。現在記載された必要条件に適合する方法は存在せず、今日まで既知の腫瘍マーカーの高い特異性及び感度の差異に鑑みて、低い器官特異性を有する高感度の腫瘍マーカーが完全に存在し、臨床上の診断のために利用可能となることができるという望みについては、ほとんど原因が存在しない。
本発明は、現在実験的にチェックできることを条件に、他の文脈で本質的に既知であり、NK細胞を阻害する特性を有する特定の抗体または自己抗体のタイプが、現在実験的にチェックできる範囲で、生物学的サンプル、特に患者の血清中の全ての試験悪性新生物(ガンのタイプ)において、診断的に有意に増大したレベルで見出され、同時に同じ抗体が、健康な正常人では、観察されないか、または実質的により少ない量でのみ観察可能であるという驚くべき発見に基づく。これらの抗体を測定することによって、本発明によれば、有意な数の健康な正常人を偽の陽性として測定することなく、例えば通常の実験を受けているまたは一連の試験に参加している患者または人において、悪性新生物の測定を高い信頼性で検出することが可能である。もしいくつかの他の敗血性疾患の場合でも、特定の抗体が増大した濃度で存在するのであれば、基本的に主要な困難性なく、更なる臨床上の発見に基づいて、そのような疾患を排除しながら測定の結果を正確に解釈することが可能である。
それ故本発明によれば、患者における新生物の診断、特に早期診断のための、及び悪性新生物の形成及び/または拡散による危険の評価のための方法として名称できる方法が提供され、ガングリオシド構造、及びガングリオシド構造をシミュレートする抗原構造に対して結合する抗体、特にIgG及び/またはIgAタイプのモノシアロ−GM1抗体(抗GM1抗体)及び/またはアシアロ−GM1−結合抗体(抗AGM1抗体)の存在と量が、患者の生物学的サンプルにおいて測定され、そのような抗体の存在、及び/または正常人と比較して有意に増大したその量は、新生物の存在、及び/または悪性新生物に対する患者の増大した危険と直接相関できる。
請求項2及び3によって本発明に係る方法は、GM1及び/またはAGM1に結合するIgG及び/またはIgAタイプの抗体が、測定において信頼できる高感度で検出する方法が好ましい。
本発明に係る方法の有利な変形例及び発展形は、以下の請求項4から9によって選択されている。
本発明の特に重要な点は、悪性新生物性疾患の早期の診断及び予後のための、並びに悪性新生物性疾患を形成する患者の危険の評価のための、普遍的なマーカーとしてのAGM1に結合するIgG及び/またはIgAタイプの抗体の使用として要約できる。
本発明に係る診断方法の発見は、この方法に基づく測定値の提示、及びそれを実際に実施するための現在好ましい方法と共に、以下に詳細に説明されている。本発明に主題と関連できる学術文献に照らし、本発明に係る方法の説明及び事後の確認が以下に示され、本発明に係るガングリオシド抗体または自己抗体の測定、特に前記のタイプの測定は、ガンの起源または発達の新規な解釈のために非常に重要性を有し、本発明はこの発見に基づき、ガンの予防、ガンの阻害、及び任意にガンの治療に対する新規な治療アプローチの明白な指標を提供する。
本発明は、自己免疫疾患の臨床上の診断の領域において、本出願人による過度の研究の予測できない結果である。この研究は、特定の抗ガングリオシド抗体がまた、自己免疫疾患、特に神経損傷性の神経障害性自己免疫疾患に関連して文献で議論されている抗体の中に存在するという知見から開始された。
ガングリオシドは、動物細胞の細胞膜の細胞外側の構成成分であり、神経組織にも存在するグリコリピドである。それらは分子当たりいくつかのモノサッカリド単位を含むが、リン含有量は存在せず、スフィンゴリピドと分類される。タンパク質と比較すると、それらは低分子量の生体分子である傾向にある。本発明の文脈で議論されている抗体が結合するガングリオシドは、一般的にGM1と称されるモノシアロ−ガングリオシド、特に関連する「アシアロ」化合物AGM1である。GM1は、二つのD-ガラクトース単位、一つのN-アセチルガラクトサミン単位、及び一つのD-グルコース単位を含む4糖モノマー単位のポリサッカリド鎖を有し、後者はセラミド部分に結合している。ガングリオシドGM1においては、シアリン酸フリーのアシアロ−GM1(AGM1)において欠けているN-アセチルノイラミン酸残基(NANA;シアル酸またはo-シアリン酸残基;「モノシアロ」残基)が、ポリサッカリド鎖の内部の整列したD-ガラクトース単位に結合している。
前記ガングリオシド及び関連化合物は、例えば軸索成長及びニューロン分化を含む人体の数多くの重要な生物学的機能、レセプター機能、並びに身体の各種の免疫応答及びシグナル伝達及び細胞間認識における関与と関連している。この文脈で例えば(14)から(16)が参照される。
ガングリオシド及びこれらの関連するものに結合する抗体または自己抗体が人体に存在し得ることは長く知られている。その生理学的役割、及び臨床上の診断に対してそれらが重要である可能性が、数多くの科学的研究の主題である。
これまでのところ、全ての出版された論文の主要な部分は、神経障害、例えばギヤン−バレー症候群神経根ニューロパシー、多発性神経根炎)及び関連する(ミラー−)フィッシャー症候群のような免疫介在性運動神経障害における抗ガングリオシド抗体の役割及び診断上の重要性と関連している(例えば27から43;63を参照)。ある患者における抗GM1自己抗体の増大した出現もまた、アルツハイマー病と関連して報告された(42)。更にそれらは、個々のHIV患者(55から57)でも見出された。特定のガンのタイプと関連するその測定のための個々の実験も報告された(58から60)が、低感度のいくつかの有益な結果のみが得られた。この文脈では、以下の更なる議論が参照される。
関連文献をより注意深く検証したならば、観察の相同性にもかかわらず、観察したものの量に関連する発見及び情報−それは一般的に小さい傾向にある−及び各種の患者内の各種の抗体のタイプが、詳しくは互いに比較的著しく異なることは印象的なことである。これは、そのような抗体の測定が、臨床上の診断について疑わしい値にのみ制限されているという結論を導くのに十分である。
ある場合にかなり多様である文献のデータに基づいて、この理由が方法体系に存在しており、使用される測定方法の体系的な誤差のため、真に信頼できるに足る有益な結果が現在まで入手可能ではないという印象を本出願人は受けた。印刷されている結果についての測定のほとんどは、ELISAタイプのイムノアッセイによって実施されており、そのアッセイは、ガングリオシド−生物学的材料から著者自身によって部分的に得られたもの−が結合した固相を利用するようにデザインされていた。この固相を、測定される抗体が存在していると推定される生物学的流体サンプルと反応させた。各選択されたインキュベーション時間、固体−液体の分離、及び固相の洗浄の後、前期固相に結合したヒト抗体を酵素標識化動物抗ヒトIgで非特異的に標識し測定した。
抗ガングリオシド抗体の測定に適用した場合、そのようなアッセイスキームは、測定の乱れと誤差に非常に敏感であり、注意深い標準化と適正化がなされた場合のみ、信頼できる再生産性の結果を得ることが可能である。この理由の一つは、比較的低分子量のガングリオシドを固定化することによって得られる固相の質が、かなりのバリエーションで存在できる点である。これはある部分、流体サンプルとの反応前に、残っている固相の自由な結合能力を飽和しなければならないという事実のためである。一般的に、ウシ血清アルブミン、即ちタンパク質をこの目的のために使用する。しかしながらこの工程は、測定される抗体を測定しなければならないことに対して、強力なバックグランドシグナルを導く、非常に高いサンプルからの他のタンパク質、例えばIgGタイプのものの非特異的な結合を導く。しかしながら、アッセイの感度があまり高くない場合−ELISAタイプのアッセイの場合で一般的である−バックグランドシグナル及び測定シグナルは、不正確な(偽の陰性または偽の陽性)あるいは信頼できない再生産性の測定結果が得られる度合いに共存し得る。使用される各種のアッセイ方法、並びに抗ガングリオシド抗体の測定に対するそのような方法の応用における体系的で実際上の問題に関しては、例えば(64から68)が参照され、特に(66)は、抗ガングリオシド抗体の実際の測定の問題を強調して関連する。
この初期の状況に鑑みて、本出願人は、抗GM1及び抗AGM1抗体の再生産性の測定、及びそのような測定の診断上の重要性の問題に挑戦し、自己抗体の臨床上の診断のためのアッセイの生産者として本出願に利用可能な特定の経験及び手段を使用することを決意した。内部の研究について、本出願人は以前に既知の抗ガングリオシドアッセイの改良された変化の変形例を開発し、同時に全ての従来の質のスタンダードを維持した。臨床上の関連する病理学的発見のない正常人(血液ドナー)の参照群の血清と、各種の患者の血清における、GM1またはAGM1に結合する抗体に関するこれらの改良されたアッセイを使用して実施された測定は、驚くべきことに、以下に更に記載されるように、IgMタイプではなく、IgA及びIgGタイプの抗GM1または抗AGM1抗体についての非常に有意に増大した力価が、本出願煮に利用可能な全ての血清で見出され、特に実質的に100%に達する感度で、正常人と比較して、ガンに置換している患者から得られることを示し、且つこれらの有意に増大した力価が、検出可能なある特定のガン疾患に関する選択性なく、全てのガンの血清で見出されることを示した。この発見は非常に驚くべきものであり、腫瘍マーカーとして調査されたまたは使用される生体分子に関する今日までの全ての経験とは対照的である。
以下に詳細に記載された結果は、本出願人の研究室由来の特定の改良されたリガンド結合アッセイ(「イムノアッセイ」)を使用して得られたものであるが、得られた知見の使用は、記載された特別のフォーマットのアッセイのみならず可能である。むしろ、以下に記載された特定のアッセイは、問題となる抗体アッセイに対する実質的に次善のものであり、抗ガングリオシド抗体、特に抗GM1及び抗AGM1(自己)抗体の臨床上の測定のための市販のアッセイは、最適化の後、記載されたアッセイから多くの点で実質的に異なることが推定される。
生物学的サンプル中の前記抗体の測定方法は、抗体(自己抗体)の検出及び測定のために使用されるいずれかの既知の免疫診断方法であっても良い。好ましくは前記抗体は、固定化形態における各ガングリオシドが、探索される抗体を結合するための抗原として使用されるリガンド結合アッセイを活用して測定される。生物学的サンプルから特異的に結合した抗体を標識するために、それ自体既知のいずれかの適切な態様で標識された抗ヒト抗体、標識ガングリオシド、またはその糖構造をシミュレートし、各アッセイフォーマットに適したアフィニティーを有するたバインダーを使用することが可能である。
競合アッセイフォーマットもまた、特定の利点を有してよい、好ましくは酵素標識化の変わりに、例えば化学発光検出反応のための標識をする別の標識化、例えばアクリジニウムエステルを選択する。もちろん抗体測定のために、存在している抗体濃度の範囲で必要とされる高い感度を確保し、アッセイバックグランドから測定シグナルの分離を可能にするアッセイを使用することも好ましい。
アッセイ方法は、チップ技術を作用でき、加速化試験(ポイントオブケア試験)としてデザインできる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語の不正に狭められ制限された解釈を避けるために、最も重要な用語のいくつかを、本願の目的のために特に以下に定義する:
「抗体」:この用語は、生成及び形成のための各種の方法を区別することなしに、外的な抗原に対する抗体、及び内因性の構造に対する抗体、即ち自己抗体の両者を含み、後者は外的な抗原に対する抗体から抗原交差反応によって自己抗原となってもよく、外的な抗原に対する結合能力を保存していても良い。
例えば、抗体が、「ガングリオシド構造、及びガングリオシド構造をシミュレートする抗原構造」に結合する、または「ガングリオシドまたは特定のガングリオシドに反応性」であると称される場合(反応性の意味は「特異的な結合の文脈で反応性である」ことを意味する)、例えば更なる他の抗原構造に対する特異的な結合、または試薬を使用する実際の測定(例えば固定化またはマーキングまたは競合因子として)の必要なく、AGM1のみ、特にその糖構造のみをシミュレートし、本発明に係る抗体としての定義についての役割を果たすことが、この定義により十分に規定されるべきである。
「ガングリオシド」:本発明の文脈では、用語「ガングリオシド」は主に、測定される抗体の結合挙動の特徴においてガングリオシドAGM1を表す。しかしならがこの用語はまた、今日まで調査されていない関連するガングリオシド、例えばフコシル化ガングリオシドを含むように企図されるが、これらのガングリオシドに結合し、新生物に対して匹敵する診断重要性を有する抗体が、ガンの血清で見出されることを条件とする。
「アッセイ」:この用語は、特定のアッセイフォーマット(サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、凝集アッセイ)または所望されている特定のタイプの標識化に対していずれの制限もなく、問題となる(自己)抗体の測定に適したいずれの高感度リガンド結合アッセイをも包含する。もちろん、特定のアッセイフォーマット及び/または標識化が他のものより優れ、それ故好ましい(例えば酵素標識化よりも化学発光標識化)。しかしながら以下に特に記載されたアッセイよりも劣るまたは優れるアッセイの使用が、それが本願に定義される診断目的で機能するのであれば、特許請求の範囲からはずされることを企図しない。
「感度」:本発明の文脈で「高感度」は、前記抗体がガンに罹患している患者の少なくとも50%、好適には70%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも95%で見出されることを意味する。
「普遍的」:この用語は、用語「非特異的」と同様に、「バイオマーカー」または「ガン若しくは腫瘍マーカー」のような後に関連して、特定のガン疾患について特異性が存在しないことを意味し、前記マーカーは、実質的に全てのガン疾患、少なくとも内部器官の全ての従来のガン疾患、及び転移性ガン疾患、とりわけ表5の参照番号1から13の下で以下に記載されるガン疾患において、診断的に有意な量で見出される。
前記用語の更なる意味は、本願の前記及び後記開示内容、並びに本願の実施態様から、当業者に明らかである。
以下の記載では、表の内容に加えて、後述する図面が参照される。
1.アッセイコンポーネントの調製
A.試験チューブの調製(被覆チューブ;CT)
3タイプの試験チューブを調製した:(a)ガングリオシドGM1及びAGM1を結合した試験チューブ、及び(b)サンプルに特異的なバックグランドシグナルの測定のためのBSAコーティングを有する試験チューブ。
a)ガングリオシド被覆試験チューブ(GA−CT)の調製のため、ガングリオシド(GM1及びAGM1、各場合でSigma, Germanyから入手)をメタノールに溶解し、次いでPBS(リン酸緩衝生理食塩水)、pH7.2、25%メタノールに5μg/mlの濃度に希釈した。各場合で、300μlのこの溶液を、ポリスチレンチューブ(Greiner, Germany社製の"Star"ポリスチレンチューブ)に導入し、室温で16時間インキュベートした。その後、チューブの内容物を吸引により除去し、遊離結合部位を飽和するために、チューブに4.5mlの水中の0.5%BSA(ウシ血清アルブミン、プロテアーゼフリー、Sigma, Germany社製)を充填し、室温で2時間インキュベートした。その後、チューブ内容物を捨て、チューブを0.2%Twewn、10mMのトリス/HCl、10mMのNaCl、pH7.5で充填し、再び捨てた。次いでチューブを抗体アッセイのために使用した。
b)血清構成成分は、試験チューブ壁の遊離結合部位を飽和するために使用されたBSAに結合し、その結合の度合いは、各種の血清の場合で非常に異なるであろうため、各血清物いて別個に、サンプルに特異的なバックグランドシグナルを測定することが必要である。
この目的のため、同じ試験チューブを4.5mlの水中に0.5%のBSAで充填し、室温で2時間インキュベートした。その後、その後、チューブ内容物を捨て、チューブを0.2%Twewn、10mMのトリス/HCl、10mMのNaCl、pH7.5で充填し、再び捨てた。前記チューブ(HR−CT)を、サンプルに特異的なバックグランドシグナルの測定のために使用した。
B.アクリジニウムエステル標識抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgA抗体の調製(トレーサー)
各場合でPBS、pH7.4、100μl中の、ヤギ抗ヒトIgG抗体(アフィニティー精製したもの;グレードII、Scantibodies, USA社製)またはヤギ抗ヒトIgA抗体(アフィニティー精製したもの;Sigma, Germany社製)を、それぞれ10μlのアクリジニウムNHSエステル(Hoechst, Germany社製;アセトニトリル中に1mg/ml;DE 36 28 573 A1参照)と混合し、室温で20分間インキュベートした。300μlの20mMグリセロール、50mMのNaClの添加の後、標識した抗体を、ヒドロキシアパタイトHPLCによる吸着クロマトグラフィーによって精製した。使用された分離カラムは、溶媒A(1mMのNaPO、pH7.0、10%メタノール、0.1%Lubrol;"LM A";Lubrol 17A17はServa, Germany社から得た)中で平衡化したHPHTカラム(120mm×8mm)であった。流速は0.8ml/分であった。結合した抗体を、0.8ml/分の流速で、LM A/LM B(500mMのNaPO、pH7.0、10%メタノール、0.1%Lubrol;"LM B")からの40分の直線勾配により溶出した。カラムからの排出液を、280nm(タンパク質)及び368nm(アクリジニウムエステル)でUV吸収について連続的に測定した。タンパク質に結合していないアクリジニウムエステルを、カラムから非結合形態で溶出し、よって標識抗体から完全に分離した。前記抗体は約25分で溶出した。HPLC精製標識抗体のタンパク質濃度の測定後(BCA法)、トレーサーをPBS、pH7.2、1mg/mlのヤギIgG(Sigma, Germany社製)及び1%BSA中に0.1μg/mlの最終濃度に希釈した。
2.抗ガングリオシド抗体の測定の実施
調査されるサンプル(ヒト血清)を、PBS、pH7.2、1mg/mlのヤギIgG、1%BSAで1:20に希釈した。各場合でその10μlをGA−CTまたはHR−CTにピペッティングした。攪拌しながら(IKAシェイカーKS250ベーシック、400rpm)16時間のインキュベーションを4℃で実施した。
非結合抗体を、1mlの0.2%Tween、10mMトリス/HCl、10mMのNaCl、pH7.5で5回チューブを充填/排液することによって除去した。チューブの表面に残った抗体を、各場合で200μlのそれぞれのトレーサー(上記1.B.参照)と共にチューブをインキュベートし、次いで攪拌しながら4℃で3時間放置することによって、標識ヤギ抗ヒトIgGまたは標識ヤギ抗ヒトIgAの結合により検出した。非結合とレーサーを5回洗浄することによって除去した(上記のように)。
チューブの表面に残った標識抗体の量を、Berthold LB.952T/16ルミノメーターでの発光測定によって測定した。GA−CTについて得られた各サンプルの発光シグナルを、HR−CTを使用して測定された同じサンプルについての各バックグランドシグナルによって較正した。生成したシグナル(示差シグナル)が、ガングリオシドGM1及びAGM1に結合する各サンプルから得られた抗体についてのシグナルである。高含有量の抗ガングリオシド抗体を有するサンプルの希釈シリーズを定量のための相対的較正因子として使用した。
3.健常人(コントロール)及びガン患者の血清の測定
前述のように調整された試験チューブを使用し、前記記載の方法を使用して、以下の一連の測定を実施した:
コントロール血清:137のコントロール血清(血液ドナーの血清、及び抗体濃度の年齢相関的な影響を避けるため、老人家庭から得た各種の年齢の正常人及び本出願人の雇用者の血清)は、GM1で被覆されたGA−CTを使用する抗体測定のためのコントロール血清として機能した。AGM1で被覆されたGA−CTを使用する抗体側低のために、30のみの血清を含むこれらの血清の部分群を測定した。
試験血清:各種の器官/組織の臨床的に診断された腫瘍を有する患者の147の血清、及び更に慢性炎症性腸疾患を有する患者の20の血清が、GM1で被覆されたGA−CTを使用する抗体測定のための試験血清をとして機能した。
各試験血清について、それらだ見出された腫瘍のタイプに従った測定で使用されたガン患者の血清の分類を可能にする正確な臨床上の証拠書類が存在した。AGM1で被覆されたGA−CTを使用する抗体アッセイについて、ガン患者の30の血清のみを含むこれらの血清の部分集団を測定した。
M1で被覆されたGA−CTを使用するIgG及びIgAクラスの抗体の測定の結果が、図1及び2において示されている。
AGM1で被覆されたGA−CTを使用するIgG及びIgAクラスの抗体の測定の結果が、図3及び4において示されている。
図5は、臨床上の写真にしたがって、図1(IgG)に係る測定結果の分類を示す。横軸方向にプロットされた参照番号は、以下のリストに示される臨床上の診断を表す:
Figure 2005524836
「他のカルシノーマ」は、以下のように分けられた:
虫垂のカルシノーマ(n=1)、膀胱のカルシノーマ(n=1)、心臓カルシノーマ(n=1)、食道下部カルシノーマ(distal verophagus carcinoma)(n=2)、口床のカルシノーマ(n=1)、腎臓のカルシノーマ(n=1)、上腹部腫瘍(n=1)。
図6は、対応する図2(IgA)から得られた結果の分類を示す。
以下の表1は、図5および6の結果を数値的に要約している。
Figure 2005524836
図7及び8は、図3及び4によって測定された部分群についてのAGM1被覆GA−CTで得られた結果の、図5及び6に対応する分類を示す。図7及び8では、参照番号は以下の診断を表す。
Figure 2005524836
以下の表2は、図7および8の結果を数値的に要約している。
Figure 2005524836
一方でGM1被覆試験チューブで、他方でAGM1被覆試験チューブで得られたIgG測定についての測定結果の定量的な相関が行われたならば、図9に示されるように、少なくともまさに実質的に同一の抗体が、二つの測定で測定されたという結論を可能にする統計学的な一致が存在することが見出される。
同じことがIgA測定についても言え、図9に対応する相関は図10に示されている。
4.コントロール血清及びガン患者の血清における抗ガングリオシド抗体の測定の発見の議論
図1から10及び上記表1及び2に要約された測定結果によって明らかに示されるように、ガングリオシド(AGM1及び/またはGM1)に結合する抗体の測定は、二つの群の測定された血清の間の明白な区別を可能にする。実施された測定の感度は、全ての腫瘍タイプについて75%を越え、ほとんどの場合で100%であった。それ故AGM1被覆試験チューブを使用するIgAの測定は、最高感度を有する測定結果を与えるようである(制限因子として、測定数がGM1被覆試験チューブの使用の場合より小さいことを考慮する必要があるが)。
IgG及びIgAタイプの抗体の測定に対応し、IgMタイプのものを測定することをも企図する実験では、診断上の関連する結果は得られなかったことも指摘されるべきである(データは示されていない)。
各種のガンのタイプに関連して高い非特異性と組み合わされて測定された高感度は、抗ガングリオシド抗体の測定、特にIgG及び/またはIgAクラスのものも測定を、一方で新生物の診断、特に早期の診断のための将来性のあるアッセイ方法とする。
学術文献は、そのような方法を示唆するいずれの開示も明らかにしていない。ガン疾患と関連して抗ガングリオシド抗体を測定する試みがなされたといういくつかの既知の論文が存在するのみである。「小肺細胞ガン」(SCLC)と称されるものにおいて、ガングリオシドの増大した/異常な発現が、前記疾患に罹患している患者の肺組織で見出されたという発見から開始して、二つの論文(58,59)において、この異常なガングリオシド発現が、ガン患者において抗ガングリオシド抗体が形成できて検出できることを意味するのかどうかが調べられた。(58)では、主に探索された抗フコシル−GM1ガングリオシド抗体が見出されず、(59)文では、少量の各種の抗ガングリオシド抗体が、特定数の患者における分化した甲状腺ガン(DTC)の場合で検出可能であったが、例えば抗GM1抗体アッセイの場合で、ガン患者で見出された値は、コントロールのもの未満であった(図1)。わずかに大きな度合いに増大した抗体力価が、フコシル化ガングリオシドFucGM1に結合する点でのみ見出された。(58,59)の結果を明白に否定する本出願人の発見に照らし、強力な血清依存的バックグランドシグナルに対する抗ガングリオシド抗体の測定におけるかなりの実践的な困難性の観点で、(58,59)の著者は彼らによって使用されたELISAアッセイによる有益な測定結果を生産することが実際にできなかった。かくして(58,59)は、本発明に係る方法から明らかに遠ざける従来技術を表す。
(60)では、それ自体既知の自己抗体が患者において測定され、胃ガンに罹患している患者の血清における各種のタイプの抗体の測定が更にレポートされ、そのような測定の予後上の役割の可能性が議論されている。「予後上」とは、存在する診断されたガン疾患の更なる臨床上の過程に対する予後の文脈でそこで使用されている。ELISAアッセイが抗体測定のために使用されている。コントロールと比較して増大したレベルで見出された抗体は、抗GM1抗体と称されるものを含むが、それは疾患に罹患している患者において約35%の感度で見出されたに過ぎなかった(正常人については5%の値と比較して)。(60)及び(60)の著者による他の論文に照らして、抗ガングリオシド抗体は、ガンと関連して調査された自己抗体の数多くのタイプのひとつに過ぎず、悪性新生物の生成及び発達におけるそのような抗体の重要な役割の可能性については全く示されておらず、それ故(60)で報告されたデータからは将来性のある治療上のアプローチは絶対に由来できない。そのような予測は、アッセイの領域における本出願人のかなりの経験を使用して、本出願人によって得られた測定結果からはじめて得られ、従来技術のバックグランドに対して非常に驚くべきものであった。
文献の測定結果と更なる過度の研究に基づいて、本出願人は、ガン患者において増大したレベルで見出される抗ガングリオシド(自己)抗体力価が、例えば(58,59,60)の著者の考慮の出発点であることとは完全に異なる重要性を有することを確信する。「ナチュラルキラー細胞」(NK細胞;細胞毒性的に活性なリンパ細胞)は、その表面に、抗AGM1抗体が特異的に結合できるアシアロ−GM1構造を有し、これらがその後、その結合を通じてNK細胞を不活性化して破壊することが知られている。しかしながら、活性なNK細胞は、例えば全ての変性した内因性細胞、例えばガン細胞を殺傷することによってヒト免疫防御において非常に重要な役割を果たしているが、前記細胞はその変性のため、それらと接触するNK細胞を阻害する能力を失っている。正常なNK細胞の損傷(阻害、破壊)は、選択的な細胞毒性特性を除去し、それ故自然な生活サイクルの過程で変性してしまった細胞、特に腫瘍細胞タイプの細胞を、もはや正確に除去できない場合を導く。そのような変性した潜在的な腫瘍細胞の改良された生存特性のため、NK細胞の機能が損傷された場合にそれらは身体で残ることができ、制御不能に分割して実際の腫瘍に発達する。人工的なガンを誘導された実験動物を用いる動物実験の領域で、実験的なガン−動物モデルで所望される−を発達できるために、発癌物質または腫瘍の核と組み合わせて抗AGM1抗体の投与によって実験動物の免疫防御をスイッチオフすることはすでに慣例である(3から13)。
例えば細菌曝露のため(例えばCampylobacter jejuniまたはHelicobacter pyloriでの感染;44から54参照)、一度抗アシアロGM1抗体の生産が、ヒト被験者で開始または著しく増大されると、NK細胞、それ故被験者の免疫防御に対する損傷の可能性の素因が存在し、変性した腫瘍細胞が腫瘍に発達できる増大した危険が生ずる。それ故、前述のアッセイで測定された全てのガンの血清における有意に増大したレベルで見出された抗AGM1抗体力価は、既知の腫瘍細胞マーカーの意味で新生物(腫瘍)の存在の結果をより小さい度合いで示すが、むしろその生成の素因または将来性のある随伴因子となり得ることが推定されるであろう。腫瘍の発達の過程で、例えば刺激したNK選択性と組み合わせて、そのような抗体の真の自己抗体への変換、及び抗体力価の「ビルドアップ」が、特定の環境で生じ得る。
ガングリオシドと交差反応する抗体、及びその生産のために必要とされる免疫系に対する効果は、腫瘍の発達の前にすでに存在していても良いため、抗AGM1抗体の測定は、素因を測定する、即ちガンの危険のマーカーを測定する意味でも本発明によって影響できる。この意味で、安全な刺激を使用して、抗体形成のin vivo刺激の後のそのような測定を実施することは有利であろう。実質的に増大したレベルで見出されるIgA抗体に鑑みて、その測定は、身体切片(例えば唾液、粘膜)での適切なアッセイで明白に影響できる
この関係では、特に図5から8に示されるように、抗AGM1抗体の増大した力価が、慢性炎症性腸疾患(クローン病、大腸潰瘍)に罹患している患者の幾人かで見出されることは、更に非常に興味を有する。例えば大腸潰瘍の場合、患者の後期の段階において大腸ガンの発達の増大した危険が存在することが知られている。その危険は約40%である。このパーセンテージ値は、慢性炎症性腸疾患(図5及び6における参照番号14;図7及び8における参照番号8)を有する患者の血清中の増大した抗GM1力価について見出される値の大きさのオーダーを有する、即ち、統計学的なガンの危険と抗−AGM1抗体の出現の平行関係が、関連する患者の血清で検出可能であるという発見は、前述の推定を支持する更なる発見である。
本願で記載された発見から生ずるガンの予防、阻害、及び治療のための新規な方法の重要性は、本願と同時に出願された別個の平行的な特許出願の主題を形成する。
[参考文献]
Figure 2005524836
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図1は、147の腫瘍患者の血清の測定の結果と比較した、137のコントロール被験者の血清における、モノシアロ−GM1に結合するIgGクラスの抗体の測定の結果のグラフを示す。 図2は、モノシアロ−GM1に結合するIgAクラスの抗体に対する、図1と同じ血清の測定の結果を示す。 図3は、30の腫瘍の血清(全ての血清は、図1及び2で測定された血清の部分群である)の測定結果と比較した、30の正常人の血清中の、アシアロ−GM1に結合するIgGクラスの抗体の測定結果を示す。 図4は、図3と同じ血清における、アシアロ−GM1に結合するIgAクラスの抗体の測定結果を示す。 図5は、臨床的に診断された腫瘍タイプ/疾患に関連する、図1による腫瘍の血清における抗体の測定の分類が存在するグラフであり、1から14の数字によって特徴づけされているが、その数字は上述の記載で説明されている。 図6は、図5の分類に対応する図2によるIgAクラスの抗体の測定の分類を示す。 図7は、図5の分類に対応する図3によるIgAクラスの抗体の測定の分類を示す。 図8は、図5の分類に対応する図4によるIgAクラスの抗体の測定の分類を示す。 図9は、同じ部分群の結成における、モノシアロ−GM1に結合するIgGタイプの抗体の測定結果と、アシアロ−GM1に結合するIgGタイプの抗体の測定結果を相関させたグラフを示す(図1及び図3参照)。 図10は、図9に対応する、図2及び図4によるIgAクラスの抗体の測定の相関関係を示す。

Claims (10)

  1. 患者において新生物を早期に診断し、悪性新生物の形成及び/または拡散の危険を評価するための方法であって、
    (i)ガングリオシド構造、及びガングリオシド構造をシミュレートする抗原構造に結合する抗体であって、
    (ii)その存在、及び/または健常人と比較してその有意に増大した量が、新生物の、及び/または悪性新生物に対する患者の危険の存在に対して高い感度で相関する抗体
    の存在及び量を、測定される抗体に対する高感度のアッセイを使用して、患者の生物学的サンプル中で測定することを特徴とする方法。
  2. アシアロ−GM1(AGM1)及び/またはモノシアロ−GM1(GM1)に結合するIgG及び/またはIgAタイプの抗体(抗AGM1抗体及び/または抗GM1抗体)を、患者の体液において測定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. AGM1に結合する抗体を測定することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 抗体アッセイが、サンドイッチタイプまたは競合タイプのリガンド結合アッセイ(イムノアッセイ)を活用して実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 抗体アッセイが、化学発光標識分子で標識化された試薬を使用するリガンド結合アッセイを活用して実施されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 抗体の検出が、内部器官のガン疾患、または転移性ガン疾患に位置づけられる新生物の診断と相関することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ガン疾患が、大腸のカルシノーマ、乳房のカルシノーマ、卵巣カルシノーマ、胃のカルシノーマ、膵臓のカルシノーマ、食道のカルシノーマ、胆嚢のカルシノーマ、肝臓のカルシノーマ、C細胞カルシノーマ、甲状腺のカルシノーマ、前立腺のカルシノーマ、肺のカルシノーマ、虫垂のカルシノーマ、膀胱のカルシノーマ、心臓カルシノーマ、食道下部のカルシノーマ、口床のカルシノーマ、腎臓のカルシノーマ、または上腹部カルシノーマであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  8. 患者が炎症性腸疾患を有する患者であり、AGM1及び/またはGM1に結合する有意に増大した量の抗体の検出が、この患者の腸のガンの増大した危険と相関することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 測定の前に、及び/または得られた測定結果の評価において、AGM1またはGM1に結合する抗体の増大した力価によって随伴する神経障害が患者において除外される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 悪性新生物性疾患の早期の診断及び予後のための、並びに悪性新生物性疾患を形成する患者の危険の評価のための、AGM1に結合するIgG及び/またはIgAタイプの自己抗体の普遍的マーカーとしての使用。
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