好適な、そして他の例示的な実施形態に関する以下の説明は、本発明及びその適用又はその使用を制限することを意図するものではない。さらに、好適な、そして他の例示的な実施形態は、車両に備えて作用するように構成した吸音性及び乗員保護特性を有するパネルについて記述するものであると同時に、下記の説明は当業者が該パネルを他の用途のためにも製造かつ使用するように適切に教示するものである。
図面を参照すると、図1は先行技術によるパネルの断面を示すものである。先行技術では、一般的には非多孔質のフィルム状遮断接着剤32が、繊維26を基板12に結合させてパネルを形成している。また、この組合わせ体は一般的に、シート12の繊維層を有する側とは反対側にスクリム(裏地)層が接合されている。かかる従来技術は、車両のトリムパネルには適しているものの、吸音性が優れているものではなかった。また、遮断フィルム(薄膜)32は、吸音を促進するよりは、音を反射する傾向を有するものであった。次に、この繊維/遮断接着剤/基板の組合わせ体は、成形用プレス機械に載置して具体的な車両用トリムパネルに形成するのに先立って、高温ガスもしくは赤外線加熱器の何れかによって加熱される。
図2を参照すると、音響吸収特性を有する内層と、音響流れ抵抗並びに構造的特性を有する外層とからなる吸音性基板が、好適な実施形態によって示されている。吸音性基板50は、所要の音響特性(例えば吸音等)を有するとともに、所要の構造特性(例えば曲げ抵抗等)を有する軽量パネル基板を構成することを意図した、部材の組合わせ体からなるものである。図示した基板50は、外層54に接着するのに適した構成とした内層(概略的にコア部52として示してある)を備えている。
コア部52は、音響減衰性又は音響吸収性を有する、任意の材料構成又は構造とすることができる。一つの好適な実施形態によれば、コア部は目の粗い空洞構造を有する熱可塑性の発泡材料(例えばポリウレタン、ポリエチレン等)で構成する。他の好適な実施形態によれば、「耐圧潰性」と音波の透過性を向上させるために、コア部52は繊維材料で構成し、該繊維材料を縦方向にラップ(重ね揃える)させて縦方向(すなわちコア部の厚み方向)に配向された繊維を有する軽量の織物、例えば「折りたたんだ扇」の形状とする。他の好適な実施形態によれば、コア部は、縦方向にラップさせるか又は交差させてラップさせた構造の嵩高の熱可塑性繊維(例えばポリエチレンテレタレート(PET)繊維等)と、異なるデニールの繊維とバインダー繊維とを混合したものを、約300から500グラム毎平方メートル(gsm)の質量範囲としたもので構成してもよい。何れの好適な実施形態においても、コア部はガラス、グラファイト、天然繊維、又はこれらの混合物等の他の繊維で構成してもよい。コア部は、また、縦方向にラップさせた、又は水平方向にラップさせた、又は交差ラップさせたマットもしくは層、あるいは押出し成形した繊維マット(例えばジオテキスタイル等)を供するために、任意の適宜の形状に形成した繊維を有してもよい。他の好適な実施形態によれば、コア材料はポリプロピレン(又は他の適宜な材料)製のビーズで構成してもよく、該ビーズはコア部(例えばシート、パッド、クッション、マット等)内で使用するのに概ね適した形状とするために、隣接するビーズ間の一連の接触点を接着する被膜(例えばエラストマ、接着剤等)を有しており、これによってコロラド州ボルダー(Boulder)のブロックUSA社から市販されている登録商標ブロックフォーム(Brock Foam)あるいは登録商標ブロックキルト(Brock Quilt)のような、音響透過性を備えた空気通路を有するコア材料を供することができる。別の実施形態によれば、コア部はラテックスで結合したPET材料で形成してもよい。他の別の実施形態によれば、コア部は所要の音減衰特性を有する任意の適宜な材料で形成してもよい。
引き続き図2を参照すると、好適な実施形態によれば、基板50は外層(概略的に構造部分54として示される)を有する。構造部分54はコア部分と共同で複合構造を構成しており(図2では概略的に3層を有するものとして示される)、コア部分52の第1面と第2面に配されることによって(例えば、図5に概略的に示されるようにコア部分を「サンドイッチ」することによって)3層の基板を構成している。特に好適な実施形態によれば、構造部分は、ノースカロライナ州シェルビーのアズデル社(AZDEL,Inc)から市販されている、商標アズデルスーパーライト(AZDEL Superlight)として参照される軽量材料であって、約200gsmから1000gsmの範囲内の質量を有し、かつ約500から2500レイル(Rayl)の範囲の音響流れ抵抗性を有するものである。別の実施形態によれば、構造部分はコア部分の一方の側のみに配してもよい。何れの好適な実施形態においても、二つの外層と内層の材料及び構造を選択することによって、車両のパネル用途に使用するための適宜な曲げ抵抗を有する複合材料を提供するものである。
基板50は吸音パネルを形成するために、他の任意の適宜な材料を組合わせて使用してもよく、また、繊維層、スクリム層、及び接着剤層等(概略的に図5から7に示す)等の他の材料のうちの一つ以上を含んでもよい。さらに他の例示的な実施形態においては、不透水性の特性を要求される用途(相手先ブランド製品(OEM)規格で要求される場合があり得る)に供するために、パネルの「背面」(例えばヘッドライナパネルの「C」面等)に遮断フィルムを備えたパネルに基板を使用することもあり得る。何れの好適な実施態様においても、基板は音響吸収性のコアと音響流れ抵抗性の材料からなる少なくとも一つ以上の構造層を備えた吸音複合材料であり、それによって高度の音響特性と良好な曲げ強度を兼ね備え、しかも遮断フィルム及び他のパネル構成材料への適応性を備えたものである。何れの好適な実施形態においても、コア部分と構造部分は、コア部分と構造部分との間を接着可能とする、適宜な性質を有している。また、上記の例示的な実施形態では好適な材料を用いて説明してきたが(例えば商標アズデルスーパーライト等)、上述の特性を有する他の材料も適宜に使用してよい。
図3を参照すると、好適な実施形態による、車両のパネルに供する吸音基板が示されている。基板150は、乗員保護部材を有する内層152と、音響流れ抵抗性及び構造的特性を備えた外層154とを具備する。外層には図2を参照して上段に説明したものが配される。内層は、乗員保護部材(概略的に膨張式エアバッグ装置156として示される)を具備している。エアバッグ装置156は、衝突又は他の衝撃に関連する事象から乗員を保護するために必要な位置、例えば、前面衝突に対する保護を行うために車室の前部(例えばフロントガラス近く)、又は側面衝突に対する保護を行うために車室の側部、又は車両の中間席または後席の乗員を前面衝突から保護するために車室の中間部分等に相当する、基板150の適宜な位置に配置される。エアバッグ156は、適宜な検出及び始動センサ並びに制御装置を備えた通常形式のエアバッグ装置であってよく、衝撃に関連する事象の際に適切に検知しかつエアバッグ装置を展開させるために必要な、ガスキャニスタ、始動装置、点火装置、ガス供給配管等を具備した通常の膨張装置を備えたものである。外層154の下側部分は、エアバッグが突き破って展開できる構造とする。例えば、外層154の下側部分の内面は切り込み線、又は他の「突き破り」用の線、又は他の模様(例えばミシン目)等を刻し、エアバッグが通過して展開するための比較的「弱い」部分を形成するとともに、車室に面する外層154の外側は外観を維持するようにする。別の実施形態によれば、上記の「突き破り」または「弱い部分」を覆う、又は隠蔽するためにトリム部片(図示していないが、例えばベゼル、カバー等)を使用し、エアバッグ装置が展開する際は車両の乗員から位置をずらすか、別の位置に移動するようにしてもよい。
基板150が内層内の適宜な位置にエアバッグ装置を具備し、音響吸収性を有するコア材料(図2に関連して説明された)を基板の他の位置に配置することによって、吸音特性と乗員保護特性を兼ね備えた基板を構成することができる。エアバッグ装置を備えたかかるパネル用基板は、他の適宜な材料(概略的に図5から7に示す)と組合わせて使用することによって、車両用の乗員保護特性を備えた吸音パネルに供することができる。
図4を参照すると、好適な実施形態による車両のパネル用の吸音基板が示されている。基板250が、乗員保護部材を備えた内層252と、音響流れ抵抗性と構造的特性を備えた外層254を具備している。外層254は図2において先述したように配備されている。内層252はクッションに供することを目的とした乗員保護部材(衝撃クッション材料256として概略的に示した)を含み、該乗員保護部材は乗員の頭部(又はその体の部分)が該基板部分に衝突した際に、乗員頭部の減速度を低減するためのものである。クッション材料256は金属、ガラス、高分子材料、合成材料、有機材料(例えばパルプ、紙、段ボール等)等の任意の適宜な材料またはその組合わせ体であってよく、また多孔質、発泡材、繊維、複合材、積層材等を含む任意に構造形状でよいが、これらに限定されるものではない。クッション材料256は内層252の適宜の場所に配置してよく、又は内層252の領域の全部(又はほぼ全部)を占めてもよい。特に好適な実施形態によれば、クッション材料256は、衝突又は他の衝撃に関連する事象から乗員を保護する必要がある場所、例えば前方衝突に対する保護をするための車室前部(例えばフロントガラス近くのヘッドライナパネル内)や、側面衝突に対する保護をするための車室側部(例えばドアパネル、ヘッドライナパネル等)に相当する位置に配置される。
基板250は、吸音特性と乗員保護特性とを兼ね備えた基板とするために、吸音性を有する構成(例えば材料及び構造等)としたクッション材料を備えるとともに、音響吸収性(図2を参照して説明した)を有する他のコア材料(クッション材料の隣接位置またはそれを囲むように配置する)を組合わせて備えることができる。基板250は、また、乗員保護特性を有する吸音パネルに供するために、クッション材料及び吸音コア材料とに任意の望ましい形式または配置で組合わせたエアバッグ装置(図3を参照して説明した)を具備してもよい。これらのクッション材料を具備したパネル用基板は、また、任意の適宜な他の材料(図5から7に示す)と組合わせて使用することもでき、それによって乗員保護特性を有する車両用の吸音パネルを提供することができる。
図5から7を参照すると、吸音パネル10のいくつかの実施形態が示されており、該パネルは基板50、150、又は250(図2から4を参照して説明した)のうちの任意の一つ、又は他の適宜な材料を適宜な通常の方法で使用者の指定する寸法に形成した基板シート12を備えている。図5を参照すると、基板シート12は、第1側面18(例えば「B」側面)と第2側面20(例えば「C」側面)を有する。一つの実施形態によれば、第1スクリム層24を第1側面18に配することができる。他の実施形態によれば、第2スクリム層30をシート12の第2側面20に配することができる。更に他の実施形態によれば、第1スクリム層を第1側面18に、第2スクリム層を第2側面20に配することができる。スクリム層24及び30は、一般的に、PET、木綿、麻等を軽く織り込んだものである。スクリム層24、30は、接着剤25によって第1及び第2側面18及び20に付着(例えば結合、粘着、固定)させる。一つの実施形態によれば、接着剤は、スクリム層24、30とシート12の側面18、20との間の結合を確実に行うために十分な、多孔質接着剤(例えば、粉末被膜、織物、穿孔フィルム等)である。特に好適な実施形態によれば、接着剤はミシガン州ミッドランドのダウ ケミカル社から市販されている登録商標プリマコール(PRIMACOR)3560等の多孔質接着剤である。接着剤25は、任意に適宜な方法によってスクリム層24、30又はシート12の面18、20に塗布することによって、スクリム層がシートに付着された時に多孔性を維持するとともに所要の音響吸収性を有する多孔質接着剤を形成する。特に好適な実施形態によれば、接着剤25を、粉末に粉砕し(例えば約30メッシュ、又は他の適宜の寸法に)、スキャッタコーティング法によって約10グラム毎平方メートルの塗膜質量でスクリム層24、30に塗布する。かくして得られたシート12、スクリム層24及び/または30、及び多孔質接着剤25の組合わせは、多孔性を維持するとともに音波の反射を最小化して所要の音響吸収を発揮する、複合構造を提供することを意図したものである。別の実施形態によれば、接着剤は任意の適宜な寸法とし、溶射等の任意に適宜な方法によって任意に適宜な被膜質量に塗布することができる。
繊維層26は、多孔質接着剤28を備えており、該接着剤は該繊維層を基板12の第1側面18又は第2側面20の何れかに結合させる。この接着剤は繊維に事前に塗布しておいてもよい。繊維層26は、一般的には、熱可塑性プラスチック繊維材料のニードルパンチ不織布又は発泡体裏地を付けた織物(織布)繊維の何れかである。この発泡体裏地はポリウレタンであってよい。多孔質接着剤は接着剤25と同様のものであって、熱可塑性高分子材料からなる織物、粉末被膜、被膜物質を塗布したグラビア、溶射、スパンボンデッド等であってよく、該熱可塑性高分子材料はポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、及びポリウレタンを含むが、これらに限定したものではない。
図6は、シート12の第2側面20に遮断層32が結合されている、吸音パネルの例示的な実施形態を示す図である。遮断層は高分子フィルム層であって、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、又はポリウレタンのような熱可塑性高分子材料による非多孔質単層とすることができる。高分子フィルム層は、また、熱可塑性高分子材料の二以上の層からなる非多孔質多層であってもよく、好適な構成は3層フィルムであって、中央層は外側層よりも溶融温度が高い高分子材料からなるものである。例えば、ポリオレフィン−ナイロン−ポリオレフィンによる構成である。
図7は、吸音パネルに関する別の例示的な実施形態を示すものであって、吸音パネル10のシート12の第2側面20の遮断層32に、第2スクリム層30を含む。
図8は、吸音パネル10の製造方法の説明図である。該方法は、第1側面18と第2側面20を有する基板(時によりシート又はボードと称される)16とともにエラストマ又は熱可塑性結合剤14及び繊維15からなる基板ボードを準備するステップと、さらに、多孔質接着剤28を有する繊維層26を準備するステップと、スクリム層24を基板ボード16の第1側面18に載置するステップ(図2から4を参照)と、次に繊維層26を基板ボード16の第1側面18に載置するステップと、を含む。基板ボード16/繊維層26の組合わせ体は、次に搬送装置38によって加熱装置36へ移動される。加熱装置は、例えば高温ガス、高温空気、又は赤外線ランプによって加熱される加熱炉とすることができる。加熱をすると基板ボー16/繊維層26の組合わせ体は展性を持ち、搬送装置38は組合わせ体を成形機械34に搬送する。成形機械34は一般的には二つの嵌合部材35aと35bを有する三次元装置であって、基板ボード16/繊維層26の組合わせ体に作用して製造者が設計した吸音パネル10に成形する。図8はヘッドライナ型のパネルを示す図である。なお、他の形式のトリムパネル(サイドパネル等)や形状及び用途(ドアパネル、ガーニッシュトリム、小物入れ、インストルメントパネル、サンバイザ等)も本方法の対象として予想されるものであり、また、図示したパネルは単に例示的な実施形態であることを理解されたい。さらに、吸音パネル10全体としては公称厚み約2mmから12mmであり、用途と設計によって変化し得るものである。
上述の方法は、さらに、基板ボードの第2側面20に第2スクリム層30を付装するステップを含むことがあり得る。さらに他の実施形態においては、基板ボード16の第2側面20に遮断材32を付装するステップを含む。またさらに他の実施形態においては、図4に示したように、遮断層32に第2スクリム層30を付装するステップを含む。
また、下記のステップからなる吸音パネル10の製造方法が提供される。第1側面18と第2側面20を有する基板ボード16にエラストマ製結合剤14と繊維15とを備えた基板ボード16を準備するステップ。さらに、接着層フィルム32を準備するステップ。接着フィルム32を基板ボード16の第1側面18に載置するステップ。しかる後、基板ボード16/接着剤フィルム32の組合わせ体は熱間圧延工程に移動される。熱間圧延工程は温度、圧力及び速度によって構成され、フィルム32を基板12の第1側面18に結合させることによって、基板ボード16の上に目の粗い多孔質の接着剤層を形成する。かかるパラメータの一般的な値としては、温度は接着剤の軟化点を越える温度である必要があり(一般的に約100℃)、圧延速度は毎分1から10メートルの範囲としてよい。圧力はパネルの設計による必要性に応じて変化させる。
他の実施形態では、粉末状の接着剤を利用し、基板ボードに塗布する。さらに他の実施形態では、ニップ(NIP)ロール工程40で加工するのに先立って、基板ボード16に織物形式の接着剤を貼付する。本願出願人は、上述した工程の如何なるものであっても、音に対してより透過性がありかつ吸収性のよい成形吸音パネル10が得られると確信している。基板ボード16/繊維層26が優れた流れ抵抗を有することによって、本パネルは材料の背後でエアギャップ(又は吸収材パッド)を有効に利用し、吸音を促進することを可能にしている。
図9は、図1に示した先行技術によるパネルの、先行技術による製造工程を示す図である。該工程では、ローラがパネルを成形するとともに種々の層を一体に結合するために使用されている。
吸音パネル10の製造方法に関する他の実施形態は、吸音パネル10のシート12の端縁22を面取りするステップを含んでいる。従来技術の場合、図11aに示すように、シート12内の繊維15が一般的にシート12の端縁22から突出している。かかる繊維の突出はシート12を取り扱う人間に対して刺激性を有しており、炎症の原因となる。図10は面取りカット44を実施するための装置を示す図であり、吸音パネル10に対して図11bに示すように面取りを行う。吸音パネル10のシート12の端縁22は、シート12が一連のローラ42を通過する間に面取りされる。各ローラ42の端部は、面取りカット44を形成するために、図10のように形成されている。かかる面取りカットによって、シート12の端縁22から突出している繊維が最小化ないし消失する。
図12、13及び14は、本明細書の記載に従って構成した吸音パネルの例示的な実施形態の音減衰性能を示す図である。表1は、吸音パネルの例示的な実施形態として構成したものから採取したランダム入射音吸収測定結果を、織物状接着剤繊維を備えて形成した目の粗いヘッドライナ複合材料及び基板ボードに接着剤を含めないで形成したヘッドライナ複合材料と比較して作表したものである。
アズデル社から購入する商標スーパーライト等の通常の基板シートは、材料の着色を行うためにカーボンブラックを含有する着色剤を使用している。カーボンブラックを使用する主たる目的は、製品を非白色にするためであると理解することができる。しかし本願出願人は、カーボンブラックの濃度をあるレベルに調節することによって、材料を赤外線加熱する際に、加熱工程で高温空気や高温ガスを利用する場合に比べてより迅速に、かつより精度よく加熱できることを明らかにした。本願出願人は、材料の赤外線加熱を促進するためには、0.0000001から1.0重量%の範囲の濃度のカーボンブラックが適当であることを明らかにした。本願出願の譲受人は、ポリウレタン材料の発泡体おいて、カーボンブラック濃度を0.0000081から0.0081重量%の範囲とすることを請求する、特許(米国特許第6,113,837号)を保有している。
本発明の実施形態は、結合剤(エラストマまたは熱可塑性プラスチック)と繊維を備えた基板、及び多孔質接着剤によって該基板に結合させた繊維等を構成体として形成した吸音パネル、及びその製造法を提供するものであることは明白である。本発明の他の実施形態は、さらに、音響吸収性のコア部と音響流れ抵抗性を有する層(単層または複層)を含む吸音パネルを提供する。本発明の他の実施形態は、さらに、エアバッグ又は車両用の衝撃クッション材料等の、またこれに限定するものではないが、乗員保護装置を備えた吸音パネルを提供する。本発明の他の実施形態は、さらに、吸音コア材料のB側面またはC側面の一方または両方にスクリム層を配し、これらを多孔質接着剤で接着するようにした。本発明の様々な実施態様を説明するために、実施形態を図面に図示するとともに上記に説明を行ったが、これらの実施形態は例示のためのみに提供されたものであることを理解されたい。本発明は如何なる特定の実施形態に限定されるものではなく、様々は変更と構成に展開されるものである。これらの変更と構成とは一般の当業者には明白であろう。
特に指定のない限り、他の実施形態において、工程や方法のステップの順序を変更したり、入れ替えたりすることがあり得る。特許請求の範囲において、何れのミーンズ・プラス・ファンクション項も、本明細書において説明した構造が記載した機能を発揮するとともに、構造的に等価なものや等価な構造を保護することを意図するものである。以下に添付する請求項において表明される本発明の精神を逸脱することなく、好適なそして他の例示的な実施形態の設計、操作の構成、及び配置は、他に置換、変更、変化及び除外を行うことが可能である。