JP2005524326A - 無線端末の改良または無線端末に関連する改良 - Google Patents

無線端末の改良または無線端末に関連する改良 Download PDF

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Abstract

第1の低い周波数帯域、例えばGSM帯域の信号用の第1フィード線(12)と、第2の高い周波数帯域、例えばDCS帯域の信号用の第2フィード線(14)と、接地ピン(16)とを有する平面逆Fアンテナ(10)を備えたデュアルバンドアンテナ配列を有する無線端末。第1結合ステージ(26A)が、第1トランシーバ(GSM)の送信/受信パスを第1フィード線に結合し、第2結合ステージ(26B)が、第2トランシーバ(DCS)の送信/受信パスを前記第2フィード線に結合する。第1と第2の結合ステージの各々は、各々送信信号路に結合される第1端部と、バンドパスフィルタ手段(52A、52B)によって各々の受信信号路に結合される第2端部とを有する1/4波長の送信線(50A、50B)を備える。第1PINダイオード(D1、D3)が各々の1/4波長送信線の第1端部と、各々のフィード線(12、14)に送信信号路を結合し、第2PINダイオード(D2、D4)が各々の1/4波長送信線の第2端部をアースに結合する。これらの帯域の一方で送信動作中に、関連する結合ステージの第1と第2のPINダイオードをオンにする一方、他方の結合ステージのPINダイオードをオフにし、受信モードにある場合、全てのPINダイオードをオフにする。一方のトランシーバで受信される信号は、他方のトランシーバの結合ステージにあるバンドパスフィルタによって反射される。

Description

本発明は、例えばセルラー(携帯)電話のような略平面パッチアンテナを含むデュアルバンドアンテナ構成を含む無線端末や、このような構成を含むモジュールに関する。この明細書においては、デュアルバンドアンテナの語は2つの(またはそれ以上の)別の周波数帯域において満足する機能を発揮するが、帯域間の未使用スペクトラムでは機能しない。
移動電話機等の無線端末には、一般に、ノーマルモードヘリカルアンテナやミアンダーラインアンテナ等の外部アンテナ、または、平板逆Fアンテナ(PIFA)等の内部アンテナのいずれかが組み込まれている。
これらのアンテナは(波長の割に)小型であるが、小型アンテナには根本的に限界があるため、帯域が狭い。しかし、セルラー無線通信システムは、10%以上の部分帯域幅を有しているのが一般的である。パッチアンテナの帯域幅と容積との間には直接的な関係があるので、このような帯域幅を例えばPIFA方式から得ようとすると、かなりの容積が必要となるが、携帯電話が小型化する現在の傾向においては、そのような容積を用いるわけにはいかにない。更に、パッチ高さが高くなるにつれて、PIFAは共振に反応するようになるが、これは帯域幅を改善するために必要なものである。
米国特許第6,061,024号明細書は、シングルバンド(例えば800〜900MHz)用の複式アンテナと、携帯用無線トランシーバを開示しており、携帯用無線トランシーバにおいて、該アンテナは、プリント回路板上にパッチとして形成され、回路板の基準接地面の上に、基準接地面に面するように装着されたPIFA方式の送信/受信アンテナを備えており、送信機/受信機成分が回路板上に装着されている。別々のフィード線によって、送信機の出力用バンドパスフィルタと受信機の入力用バンドパスフィルタとが各々のパッチアンテナに相互結合される。導電性の台座が、パッチ間に伸びるプリント回路の細長い領域に基準接地面を結合する。送信/受信アンテナは共に狭帯域、例えば1.6MHz用のアンテナであり、このアンテナはPINダイオードスイッチを用いて反応成分、つまりキャパシタンスまたはインダクタンスを各々のアンテナに結合することによって、例えば25MHzのより幅広い帯域幅に亘って同調可能である。
本出願人は、現在係属中で未公開の国際特許出願番号IB02/05031(出願人番号PHGB 010194)に、略平面のパッチ導体を備えたデュアルバンドPIFAを有する無線端末を開示している。第1のフィード導体が、第1ポイントにおいてパッチ導体に結合される第1フィードピンを備え、第2のフィード導体が、第2ポイントにおいてパッチ導体に結合される第2フィードピンを備え、接地導体がパッチ導体上の第3ポイントと接地面との間に結合される接地ピンを備える。インピーダンス変換を提供するために、フィードピンと接地ピンは異なる断面積を有していてもよい。第1と第2の送信線は、接地導体と一方のフィード導体とによって形成される。第1と第2の送信線は短絡送信線であり、第1フィードピンと接地ピンとを結合する第1のリンク導体と、第2フィードピンと接地ピンとを結合する第2のリンク導体とによって、各々の送信線の長さが決まる。第1と第2のシャントキャパシタンス手段を備えた相補的な回路成分が、第1と第2のフィードピンと接地ピン間に各々結合される。前述のアンテナはダイプレクサによって供給され、880〜960MHzの周波数帯域に亘って動作するGSM回路機構と、1710〜1880MHzの周波数帯域に亘って動作するDCS回路機構間を分離させる。
米国特許第6,061,024号
ダイプレクサの提供により先のアンテナ配列が充分稼動するようになるが、それによって望ましくない複雑化という問題が生じる。
本発明の目的は無線端末の構造を簡略化することである。
本発明の第1の態様では、第1の低い周波数帯域の信号用の第1フィード線と、第2の高い周波数帯域の信号用の第2フィード線と、接地ピンとを有するアンテナと、第1のトランシーバの送信/受信パスを第1フィード線に結合する第1の結合手段と、第2のトランシーバの送信/受信パスを第2フィード線に結合する第2の結合手段とを備えるデュアルバンドアンテナ配列を有する無線端末が提供される。第1と第2の結合手段の各々は、各々送信信号路に結合される第1端部と、バンドパスフィルタ手段によって各々の受信信号路に結合される第2端部とを有する1/4波長の送信線と、各々の1/4波長送信線の第1端部に送信信号路を結合する第1のスイッチング装置と、各々の1/4波長送信線の第2端部をアースに結合する第2のスイッチング装置と、送信モードにある場合、第1と第2の結合手段の一方の第1と第2のスイッチング装置をオンにし、受信モードにある場合、第1と第2のスイッチング装置をオフにし、他方の第1と第2の結合手段のスイッチング装置を非導電性にする手段とを備える。
本発明の第2の態様では、デュアルバンドアンテナ配列と共に使用されるRFモジュールが提供される。RFモジュールは、第1の低い周波数帯域の信号用の第1アンテナフィード線と、第2の高い周波数帯域の信号用の第2アンテナフィード線と、接地ピンとを備え、更に第1のトランシーバの送信/受信パスを第1フィード線に結合する第1の結合手段と、第2のトランシーバの送信/受信パスを第2フィード線に結合する第2の結合手段とを備える。第1と第2の結合手段の各々は、各々送信信号路に結合される第1端部と、バンドパスフィルタ手段によって各々の受信信号路に結合される第2端部とを有する1/4波長の送信線と、各々の1/4波長送信線の第1端部に送信信号路を結合する第1のスイッチング装置と、各々の1/4波長送信線の第2端部をアースに結合する第2のスイッチング装置と、送信モードにある場合、第1と第2の結合手段の一方の第1と第2のスイッチング装置をオンにし、受信モードにある場合、第1と第2のスイッチング装置をオフにし、他方の第1と第2の結合手段の第1と第2のスイッチング装置を非導電性にする手段とを備える。
本発明の第3の態様では、本発明の第2の態様により作られたRFモジュールと、第1および第2フィード線と接地ピンとの結合用の手段を有するアンテナとの組合せが提供される。
アンテナは平面逆Fアンテナ(PIFA)等のパッチアンテナであってよい。
接地ピンは、第1フィード線と第2フィード線間に設置され、第1および第2フィード線から絶縁されてよい。
第1と第2のスイッチング装置は、PINダイオード等の適当なRFスイッチング装置であってよい。
添付図面を参照し、例を挙げて本発明を説明する。図中、同様の特徴を示す部材には、同じ参照符号を付与している。
図1を参照すると、無線端末はフィード線12と14とを有するPIFAアンテナ10を備える。880〜960MHzの周波数帯域で動作するGSMトランシーバと、1710〜1880MHzの周波数帯域で動作するDCSトランシーバとがこれらのフィード線に各々結合される。後述する図2に示すように、フィード線12と14との間に接地ピン16が設けられる。GSMとDCSトランシーバの構造は全般的に同じであるので、対応するステージに各々接尾語A及びBを付けた参照符号を付け、また簡略化のために、GSMトランシーバのみを説明する。GSMトランシーバの送信機部は、入力信号処理ステージ20Aに結合される信号入力端子18Aを備えている。ステージ20Aは変調器22Aに結合されており、変調器22Aは、周波数アップコンバータと、電力増幅器と、適切なフィルタとを含む送信機ステージ24Aに変調信号を供給する。共通の結合ステージ26Aが送信機ステージをアンテナフィード線12に結合する。共通の結合ステージ26Aと26Bについては、後ほど詳細に説明する。結合ステージ26Aは、更にフィード線10に対するGSMトランシーバの受信機部28Aにも結合される。受信機部28Aは、低ノイズ増幅器と、周波数ダウンコンバータと、フィルタとを含む。受信機部28Aの出力は復調器30Aにおいて復調され、その出力は信号処理ステージ32Aに適用される。信号処理ステージ32Aは出力信号を端子34Aに供給する。両トランシーバの操作はプロセッサ36によって制御される。
図2を参照すると、プリント回路板PCBは、片側に成分(図示せず)を有し、反対側に接地面GPを有している。PIFA10はPCB上に装着され、PCBによって支持される。PIFAは幾つかの方法で実装され得るが、例えば、絶縁材料の支柱を使用してPCBによって支持される予め形成された金属板として、PCBによって支持されるプリント回路板のプレエッチングされた部品として、絶縁材料の上に設けられた導電層を選択的にエッチングするか、あるいは絶縁性ブロック上の導電層を選択的にプリントすることにより形成されたPIFAを有する絶縁材料のブロックとして、あるいはセルラ電話ケース上のアンテナとして実装される。GSM及びDCS周波数で使用するために、PIFA10の寸法は長さ40mm(寸法“a”)×高さ8mm(寸法“b”)×深さ4mm(寸法“c”)である。平面導体または導電層は、点のつかない疑問符を逆にしたような全体的な形状を有する、4つの相互結合された直線部分40A〜40Dを備えたスロット40を組み込んでいる。PIFA10の上縁へと開口する部分40Aは、略同じ幅を有する部分40B〜40Dよりも幅が広くなっている。このスロット40は、共通のフィード線に結合される2個のアンテナ、つまり、DCS周波数帯域用の小型の中央ラジエータR1と、GSM周波数帯域用の、中央ラジエータR1のまわりに巻きつけられた大型ラジエータR2とに平面導体を分割するものと考えることができる。
フィード線12および14は接地ピン16のどちらかの側にあり、フィード線12および14と接地ピン16間の空間は、導電材料42で部分的に埋められており、他の部分は導電材料42が埋められていないギャップG1とG2となっており、ギャップは各々2mmのオーダーである。各帯域を個別に最適化するために、ギャップのサイズは、接地ピン16のどちらかの側で異なっていてもよい。両帯域に対して共通モードインピーダンス変換を異なるものにするために、GSM用のフィードピン12はフィードピン14よりも幅広くなっているのが解る。
図2に示すようなフィードピン12および14と接地ピン16の配列に対して、他の配列も可能である。例えば、フィードピン12および14の片側に対して接地ピン16が偏っていてもよい。
フィードピン12および14と接地ピン16間の空間を部分的に埋めている導電材料42のために、PIFAは各フィード線を横切る低い値のシャントインダクタンスを組み込んでいる。このインダクタンスは、アンテナの共鳴周波数で共鳴させることによって、各フィード線上のシャントコンデンサ46Aおよび46B(図1)によって同調される。フィード線は独立しているため、各キャパシタンスを個別に最適化することができ、その結果、2つの帯域間の妥協を必要とすることなく、両帯域に対してより幅広い帯域性能が得られる。2つのフィード線12および14間のエネルギーの伝達を防止するために、共通の結合ステージ26Aおよび26Bを設けることによって、アンテナがRFフロントエンドと共に設計される。
図1に示す結合ステージ26Aおよび26Bを逆にすると、ステージ26Bにおける1つの違いを別にして、成分値は特定の使用周波数のために選択されるが、これらのステージの構造は同じであり、結合ステージ26Aおよび26B各々において対応する成分を示すために、サフィックスAまたはBを使用している。
便宜上、結合ステージ26Aについて説明し、結合ステージ26Bの対応する成分の参照符号を括弧内に示す。送信ステージ24A(24B)の出力は、低ロスPINダイオードD1(D3)のアノードに結合され、そのカソードは、直列インダクタンス48A(48B)の一端に結合される。インダクタンス48A(48B)の他端はフィード線12(14)と、シャント導体46A(46B)と、1/4波長(λ/4)送信線50A(50B)の一端とに結合される。送信線50A(50B)の他端は、低ロスPINダイオードD2(D4)のアノードに結合され、そのカソードは、アースとバンドパスフィルタ52A(52B)の入力とに結合される。フィルタ52Aおよび52BはSAWフィルタであってもよい。フィルタ52A(52B)の出力は、受信機部28A(28B)の入力に結合される。
フィルタ52BがSAWフィルタとして実装された場合、送信線50Bの他端からバンドパスフィルタ52Bの入力にいたる信号路に、RF共鳴トラップ回路54が設けられる。トラップ回路は直列コンデンサ56と、コンデンサ60によってアースに結合されるシャントインダクタンス58とを備える。コンデンサ60の値は、インダクタンス58を同調し、フィルタ52Bに対する入力における電圧を低下させるように選択される。典型的に、このようなSAWフィルタは13dBmの電力まで帯域内信号を処理することができる。しかし、帯域外信号に対しては、より高い電力がこのようなフィルタに送られ、GSM信号は30dBmまでの電力を有することができるので、これは有用である。代替的な実装では、バルクアコースティックウエイブ(BAW)フィルタが考えられる。なぜなら、BAWフィルタは共鳴SAW装置に対して同じような帯域外インピーダンス特徴を示し、SAWフィルタに適用される電力処理規制が適用されないからである。
PINダイオードD1〜D4のスイッチングは、以下の真理値表に従って、プロセッサ36によって制御される。
Figure 2005524326
操作に際して、GSM送信機が動作中で、DCS送信機が非動作中である場合、PINダイオードD1とD2は導電性であり、信号がフィード線12に適用される。送信線の他端は開回路であるので、送信された信号は受信機部28Aに入らない。DCS送信機が動作中で、PINダイオードD3とD4が導電性である場合も、同様の状況となる。
GSM信号を受信している時、PINダイオードD3とD4と同様に、PINダイオードD1とD2は非導電性となる。受信された信号は送信線50Aを通り、バンドパスフィルタ52Aによって受信機部28Aへと送られる。接地ピン16の両側にあるフィード線12と14によって、バンドパスフィルタ52BはGSM信号に対して反射的になり、それによってこの信号を減衰させるか、あるいは妨害する。バンドパスフィルタ52Bに対する入力に存在するGSM信号は、いずれにしてもフィルタによって妨害される。DCS信号が受信機部28Bによって受信されている場合、逆のことも言える。
デュアルフィードは、GSM帯域とDCS帯域の両方において、各々別個の最適化とブロードバンド操作を可能にする。アンテナと、整合化回路機構と、フィルタリングの統合されたデザインが、簡単な構造で、より良い全体的な整合と効率を可能にする。
PIFA及びその関連する結合ステージ26Aおよび26Bの性能を評価する際に、以下の仮定と簡略化を行った。つまり、PINダイオードは、オン状態では2Ω直列抵抗器で表され、オフ状態では0.25pF直列導体で表される。アンテナ効率は含まれていない。つまり、アンテナの全電力が放射されるものと仮定する。理想的な送信線50Aおよび50Bを使用した。全成分に50というQ値(周波数に対して不変)が指定される。(技術力や周波数等にもよるが)これはインダクタに対しては少し楽観的であり、キャパシタに対しては少し悲観的であると考えられる。
GSM送信モードで動作している場合の、図1に示した回路の性能を図3のスミスチャートと図4のグラフに示しており、図4のグラフは、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数F(GHz)の関係を示している。図3と図4において、矢印GTX1とGTX2は各々880MHz/−20.205dBと915MHz/−9.513dBの周波数/減衰を示している。ここで、図5に示すようなバランスの取れたエッジ効率を達成するために、アンテナをわずかに不整合させる。図5において、矢印e1は915MHzの周波数と、0.710の全効率を示し、矢印e2は880MHzの周波数と、0.659の全効率を示している。880MHzでは効率が比較的低い(65%)のは、主として、アンテナに対するGSM入力におけるコンデンサ46A(図1)のQ値のためである。これはより優れた品質の成分を使用し、アンテナインピーダンスの最適化を進めることによって改良できると考えられる。図6は対応する帯域外減衰(主にアンテナにより提供される)を示している。矢印G1、G2、G3及びG4は、各々880MHz/−1.812dBと、915MHz/−1.490dBと、1.785GHz/−33.627dBと、2.640GHz/−42.184dBの周波数/効率を表している。アンテナと回路機構の組合せにより、第二調波(−33dB)と第三調波(−42dB)が高レベルで抑制される。
DCS送信モードでは、PINダイオードD1およびD2が共にオフとなり、PINダイオードD3およびD4が共にオンとなる。この状態で、主としてPINダイオードD1によってGSM送信機が隔離される。反射性であるアンテナ10によって主として、GSM受信機のSAWフィルタ52Aが隔離される。GSM受信機のSAWフィルタ52Aの入力において、最悪の場合の隔離でも約−26dBであり、4dBmの電力を供給する。これはSAWフィルタの出力定格と比べるとかなり低い。発生される電圧は略0.7Vであり、これは最大の出力定格で帯域内で発生する電圧より低い。このように、GSMブランチでは共鳴トラップを必要としない。
DCS送信モードで動作中の図1に示した回路の性能を図7のスミスチャートと図8のグラフに示しており、図8のグラフは、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数F(GHz)の関係を示している。図7と図8において、矢印DTX1とDTX2は各々1.710GHz/−9.532dBと、1.785GHz/−13.782dBの周波数/減衰を示している。図9は、効率のためにシミュレートされたリターンロスS11の最適化を示している。図9において、矢印e1は1.795GHzの周波数と、0.823の全効率を示し、矢印e2は1.710GHzの周波数と、0.752の全効率を示している。対応する帯域外減衰(主にアンテナにより提供される)を図10に示す。矢印G1、G2、G3及びG4は、各々1.710GHz/−1.236dBと、1.795GHz/−0.844dBと、3.000GHz/−24.540dBと、3.000GHz/−24.540dBの周波数/効率を表している。この構成により、第二調波と第三調波が適度のレベルで抑制されると予想される。
DCS受信モードでは、全てのPINダイオードがオフとなる。DCS受信モードで動作中の、図1に示した回路の性能を、図11のスミスチャートと図12のグラフに示しており、図12のグラフは、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数F(GHz)の関係を示している。図11と図12において、矢印DRX1とDRX2は各々1.805GHz/−12.743dBと、1.880GHz/−7.503dBの周波数/減衰を示している。DCS受信モードの効率を図13に示す。図13において、矢印e1は1.805GHzの周波数と、0.405の全効率を示し、矢印e2は1.880GHzの周波数と、0.414の全効率を示している。このモードにおける最悪の場合のバンド端ロスはおおよそ4dBである。これは50Ωシステムのフィルタに対するものより約2dB高い。この余分なロスは、主としてアンテナにより表されるインピーダンス不整合化のためであり、インピーダンス(例えば、アンテナが誘導負荷を示すか、容量性負荷を示すか)に対して敏感であると思われる。従来のアンテナシステムでは、この機構がかなりの付加的なロスを生じさせると予想される。
GSM受信モードで動作中の図1に示した回路の性能を図14のスミスチャートと図15のグラフに示しており、図15のグラフは、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数F(GHz)の関係を示している。図14と図15において、矢印GRX1とGRX2は各々925MHz/−11.298dBと、960MHz/−11.578dBの周波数/減衰を示している。図16は、GSM受信モードの効率を示しており、矢印e1は925MHzの周波数と、0.496の全効率を示し、矢印e2は960MHzの周波数と、0.478の全効率を示している。
図1に示す回路の性能は、以下の領域において、ダイプレクサを使用する従来の構成のものより優れていると考えられる。
(1)(アンテナの不整合化の影響を含む)全効率がより大きい。
(2)電力増幅器と低ノイズ増幅器との整合化が改善される。
(3)アンテナとそれに関連する回路機構とが高度の高調波フィルタリングを提供する。これを考慮した場合、モジュールの残りのフィルタリング要件を減らすことができる。
上記の(1)と(2)は特に重要であると考えられる。アンテナを考慮せずに、RFモジュールを設計する場合、典型的なアンテナに結合されると、入力の整合化と効率が低くなる。RFはモジュール内に含まれるので、中間回路ステージにおいてアンテナの影響を取り消す機会がない。
PIFAアンテナを有し、GSM帯域及びDCS帯域において動作する無線端末を参照して、本発明を説明してきたが、本発明はどのようなマルチバンド無線にも適用可能であり、他のデュアルバンドアプリケーションにおいても適用可能である。更に、本発明はアンテナと、少なくとも結合ステージ26Aおよび26Bに含まれる成分とを有するRFモジュールにも関係する。
本明細書および特許請求の範囲の記載において、構成要素の冠詞が単数を表すものであっても、構成要素が複数存在する構成も本発明から除外されるわけではない。更に、「備える」という表現は、本明細書および特許請求の範囲に記載されたもの以外の他の構成要素やステップの存在も含む。
本開示内容を読めば、当業者には他の変形も明らかであろう。その変形には無線端末とその構成部品の設計、製造、使用において既知の他の特徴が含まれていてもよく、そのような他の特徴を、ここに記載した特徴の変わりに使用したり、あるいはそれに加えて使用してもよい。
マルチバンド無線端末、例えば、デュアルバンド携帯電話。
本発明による無線端末の一実施形態の概略ブロック図。 PIFAと送受信フィルタとを有する回路板の線図。 GSM送信モードでの端末の性能を示すスミスチャート。 GSM送信モードでの、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数(GHz)の関係を示すグラフ。 GSM送信モードでの全効率を示すグラフ。 GSM送信用の帯域外減衰を示すグラフ。 DCS送信モードでの端末の性能を示すスミスチャート。 DCS送信モードでの、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数(GHz)の関係を示すグラフ。 DCS送信モードでの全効率を示すグラフ。 DCS送信用の帯域外減衰を示すグラフ。 DCS受信モードでの端末の性能を示すスミスチャート。 DCS受信モードでの、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数(GHz)の関係を示すグラフ。 DCS受信モードでの全効率を示すグラフ。 GSM受信モードでの端末の性能を示すスミスチャート。 GSM受信モードでの、シミュレートされたリターンロスS11(dB)と周波数(GHz)の関係を示すグラフ。 GSM受信モードでの全効率を示すグラフ。

Claims (10)

  1. 第1の低い周波数帯域の信号用の第1フィード線と、第2の高い周波数帯域の信号用の第2フィード線と、接地ピンとを有するアンテナと、第1のトランシーバの送信/受信パスを前記第1フィード線に結合する第1の結合手段と、第2のトランシーバの送信/受信パスを前記第2フィード線に結合する第2の結合手段とを備えるデュアルバンドアンテナ配列を有する無線端末であって、前記第1と第2の結合手段の各々は、各々送信信号路に結合される第1端部と、バンドパスフィルタ手段によって各々の受信信号路に結合される第2端部とを有する1/4波長の送信線と、各々の1/4波長送信線の第1端部に送信信号路を結合する第1のスイッチング装置と、各々の1/4波長送信線の第2端部をアースに結合する第2のスイッチング装置と、送信モードにある場合、前記第1と第2の結合手段の一方の第1と第2のスイッチング装置をオンにし、受信モードにある場合、前記第1と第2のスイッチング装置をオフにし、他方の第1と第2の結合手段のスイッチング装置を非導通にする手段とを備えることを特徴とする無線端末。
  2. 前記アンテナは平面逆Fアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
  3. 前記接地ピンは前記第1フィード線と前記第2フィード線間に設置され、前記第1および第2フィード線から絶縁されることを特徴とする請求項1または2に記載の無線端末。
  4. 前記第2結合手段のバンドパスフィルタ手段の信号入力における電圧を低下させる手段を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の無線端末。
  5. 前記第1と第2のスイッチング装置はPINダイオードを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の無線端末。
  6. デュアルバンドアンテナ配列と共に使用されるRFモジュールであって、前記RFモジュールは、第1の低い周波数帯域の信号用の第1アンテナフィード線と、第2の高い周波数帯域の信号用の第2アンテナフィード線と、接地ピンとを備え、第1のトランシーバの送信/受信パスを前記第1フィード線に結合する第1の結合手段と、第2のトランシーバの送信/受信パスを前記第2フィード線に結合する第2の結合手段とを備え、前記第1と第2の結合手段の各々は、各々送信信号路に結合される第1端部と、バンドパスフィルタ手段によって各々の受信信号路に結合される第2端部とを有する1/4波長の送信線と、各々の1/4波長送信線の第1端部に送信信号路を結合する第1のスイッチング装置と、各々の1/4波長送信線の第2端部をアースに結合する第2のスイッチング装置と、送信モードにある場合、前記第1と第2の結合手段の一方の第1と第2のスイッチング装置をオンにし、受信モードにある場合、前記第1と第2のスイッチング装置をオフにし、他方の第1と第2の結合手段のスイッチング装置を非導通にする手段とを備えることを特徴とするRFモジュール。
  7. 前記接地ピンは前記第1フィード線と前記第2フィード線間に設置され、前記第1および第2フィード線から絶縁されることを特徴とする請求項6に記載のRFモジュール。
  8. 前記第2結合手段のバンドパスフィルタ手段の信号入力における電圧を低下させる手段を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載のRFモジュール。
  9. 請求項6、7または8のいずれかに記載のRFモジュールと、前記第1および第2フィード線と前記接地ピンとの結合用の手段を有するアンテナとの組合せ。
  10. 前記アンテナは平面逆Fアンテナであることを特徴とする請求項9に記載の組合せ。
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