JP2005523882A - 高濃度タンパク質製剤および製造の方法 - Google Patents

高濃度タンパク質製剤および製造の方法 Download PDF

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Abstract

沈澱タンパク質および液体媒体の濃縮混合物を含む薬剤組成物ならびにその濃縮混合物を製造する方法が提供される。濃縮混合物は、生体適合性ポリマーの沈澱剤を用いてタンパク質を沈澱させ、続いて得られた混合物を所望される程度まで濃縮するために十分な液体を除去することにより製造される。沈澱タンパク質は、製造作業中の工程の中間段階などかなりの時間にわたって濃縮混合物中で貯蔵されることが可能である。

Description

本発明は高濃度タンパク質製剤およびその製造の方法に関する。
タンパク質、特に免疫グロブリンによる治療上の処置は、大量投与を必要とする。特定の標的を認識して結合するそれらの独特の能力により、免疫グロブリンは特に癌および関節炎などの病気に対する戦いにおける治療上の処置にかなり有望である。しかしながら、免疫グロブリンで治療するいくつかの欠点として、一般的に分子量が大きいため質量基準では効能が低いこと、水への溶解度が相対的に低いこと、および有効な長期間貯蔵のための要件が挙げられる。例えば、典型的なモノクロナールIgG抗体は、約150kDaの分子量をもち、50mg/mL未満の水溶解度限界をもち、長期間貯蔵のために凍結乾燥しなければならない。
また、前述の質量基準での効能が低いために、市販の治療用の抗体は、1回分で100mg〜1000mgの投与を通常必要とする薬剤投与処方を有する。低い水への溶解度は、1回分の投与に対して数ミリリットルの抗体溶液を投与しなければならないことを意味する。抗体の溶解度が50mg/mLの高さであると仮定しても、100mgの1回分の薬は、溶液2mLの投与を必要とし、一方1000mgの1回分の薬は、溶液20mLの投与が必要となる。これらの容量は、一般に1mL容量までが限度である、皮下(SC)注射、筋肉内(IM)注射、腫瘍内(IT)注射、関節内(IA)注射などの投与の用途に対しては多すぎる。それゆえ、これらの治療薬は静脈内に注入して投与することが必要であった。そのような静脈への注入は、時間がかかり、医療スタッフおよび患者にとって不便である。
抗体タンパク質の相対的に低い溶解度によって与えられるさらなる制約は、その生産に関するものである。大規模な発酵の後、いくつかのバッチを組み合わせて製品の大きなロットをつくり出すために、材料を中間段階で保持することがしばしば望まれる。その中間段階の材料の容量は、製造施設で便利に貯蔵するのに十分に小さくなくてはならない。希薄溶液のダイアフィルトレーション(diafiltration)は、沈澱および膜付着物をもたらし得る。大規模な凍結乾燥は、場所、資本設備および操業コストに大きな投資を必要とする。
pH、イオン強度および緩衝剤の注意深い管理によって、高度に濃縮した抗体溶液を調製する試みがなされたが、多くの抗体およびその他のタンパク質は、最良の条件のもとでさえ、高濃度での溶解は不可能である。また、たとえ抗体を高濃度まで溶解することが可能な時でも、長期間の貯蔵中、その高濃度の溶液中で適切なタンパク質の安定性を維持するのは、依然として非常に困難である。特に、極めて望ましくない非生来の凝集物の形成の危険が、溶液中のタンパク質の濃度が増すに従って増加する。さらにそのうえに、ある程度高濃度の抗体溶液によって示される高粘度によって、製造作業中の材料の実際の工程が困難になり、場合によっては不可能になる。
製品の安定性上の理由で、治療用の抗体は、現在凍結乾燥した形で標準的治療に供されている。凍結乾燥した薬瓶は、冷凍貯蔵の条件下で貯蔵され、使用前に再構成しなければならない。その再構成手順は、凍結乾燥した固形物が直ぐには元に戻らないので時間がかかる。また、再構成は、泡立ちおよび変性を通してその治療用タンパク質の劣化をもたらし得る。再構成過程は、それゆえ、治療薬の投与量および相対活量/免疫原性の双方におけるばらつきの原因となる。
高濃度タンパク質製剤の大きな必要性があり、特に、SC注射、IM注射、IT注射およびIA注射などを使用して投与するのに適する抗体製剤の必要性がある。また、抗体およびその他のタンパク質製品の生産中に、中間生成物を処理し加工するための改良された技術の大きな必要性もある。凍結乾燥製品の戻しに伴う問題を減少または除去する抗体およびその他のタンパク質の長期貯蔵のための技術のさらなる必要性もある。
本発明によれば、凍結乾燥を必要とすることなく、安定な濃縮タンパク質製剤を調製することが可能であることが判明した。その濃縮タンパク質製剤は、沈澱した形態のタンパク質と液体溶媒、一般的には水性溶媒の混合物である。濃縮混合物中の沈澱タンパク質は、高度に安定しており、有利なことに、凍結乾燥に関係する費用および複雑さを要することなく、長時間の貯蔵を可能にすることが分かった。また、その濃縮混合物は、沈澱タンパク質を、さらなる加工または投与のために必要となるより希薄な製剤に再構成するために容易に希釈することが可能である。濃縮混合物の製造中および/またはその後のより希薄な製剤を調製する希釈中に、タンパク質安定剤および界面活性剤などの添加剤を加えて必要な特性を薬剤組成物に与えることが可能である。
本発明は、特にしばしば十分に濃縮された状態およびIM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射などの投与法によって投与するための注射可能な製剤に処方するのが困難な高分子量タンパク質、とりわけ抗体に対して有用である。本発明により、タンパク質、特に抗体の、濃縮されており、しかも注射可能な懸濁液を調製することが可能であり、それは、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射などの投与法によって投与するのに適する。
一態様において、本発明は、タンパク質を含む薬剤組成物を調製する方法を提供する。その薬剤組成物は、投与のために設計された最終的な組成物であり得るか、または投与するための最終的な組成物を調製するために、さらなる加工または希釈に待機する長期の貯蔵のため設計された中間組成物であり得る。特に有利な応用において、その方法は、対象となるタンパク質を、そのタンパク質が溶解している溶液からその溶液を適当な沈澱剤と接触させることによって沈澱させ、続いて得られた混合物から十分な液体を除去して少なくとも8重量パーセントの沈澱タンパク質、好ましくは、少なくとも10重量パーセントの沈澱タンパク質を含む濃縮混合物を調製することを含む。また、沈澱タンパク質の貯蔵および再構成の改善のために、その濃縮混合物は、好ましくは、少なくとも20重量パーセントの水、より好ましくは、少なくとも30重量パーセントの水を含む。これは、一般的に10重量パーセント未満のかなり少ない水を含み、投与のために再構成するのが非常に困難であり得る凍結乾燥された固形物と著しい対照をなす。
本発明のこの態様の特に好ましい実施形態において、沈澱剤は、生体適合性ポリマーであり、好ましくは逆熱ゲル化性(reverse−thermal gelation)ポリマーである。その生体適合性ポリマーは、タンパク質の沈澱を引き起こすのみでなく、濃縮混合物中における生体適合性ポリマーの存在が、長期間貯蔵中のタンパク質を安定化する付加的な保護を提供する。
この方法の1つの応用において、その濃縮混合物は、対象となるタンパク質を安定した形で長期間貯蔵するように設計される。この状況において、濃縮混合物は、一般的に、少なくとも40重量パーセントの沈澱タンパク質、好ましくはさらに高濃度のタンパク質を含む。
一改良形態においては、該方法の中で、長期貯蔵のために、スクロース、トレハロースまたはマンニトールなどのタンパク質安定剤を加えて、濃縮混合物中の沈澱タンパク質の安定性をさらに高める。また、マンニトールまたはポリソルベートなどのポリオール類および/または界面活性剤を、濃縮混合物中に有利に添加して、最終的な薬剤組成物の注射適性を高めることが可能である。
一態様において、本発明は、代表的には投与のために設計された最終的な製剤の薬剤組成物を調製する方法を提供する。その方法は、沈澱タンパク質のより希薄な混合物を調製するために、沈澱タンパク質の濃縮混合物を希釈する工程を含む。一般的には、その希釈は、タンパク質の実質的部分が希釈された混合物の液体媒体に溶解することを避けるように行う。溶解部分の量を少量または問題にならない量に維持することによって、望ましくない非生来の凝集物を形成する可能性が著しく減少し、それは、製剤の長期の安定性にとって好都合である。
他の態様において、本発明は、一般的には少なくとも1カ月、しばしば3カ月以上といった長時間にわたってタンパク質を貯蔵する方法を提供する。タンパク質は、沈澱した形態にあるタンパク質の濃縮混合物として貯蔵される。貯蔵中の安定性をさらに改善するために濃縮混合物は冷凍することが可能である。他の実施形態において、濃縮混合物は、その濃縮混合物が十分な濃度の生体適合性逆熱ゲル化性ポリマーを含んでいるとき、ゲルの形態に転化され得る。
他の態様において、本発明は、タンパク質を包装する方法を提供する。その方法は沈澱タンパク質の濃縮混合物の一定量を密封容器に収容する工程を含む。1つの好ましい実施形態において、収容される量としては、投与するタンパク質の1回分が挙げられ、より好ましくは、収容される量は、1mL以下の体積を有する。
他の態様において、本発明は、沈澱タンパク質の濃縮混合物を含む薬剤組成物を提供する。好ましい実施形態において、その組成物は、高濃度のタンパク質と、その沈澱タンパク質をより希薄な製剤に容易に戻すことを促進する有効量の水とを含む。一実施形態において、その組成物は、投与のための最終的な組成物として設計されており、好ましくは、IM注射、SC注射、IT注射またはIA注射などの手法によりその組成物を投与するための十分な注射適性を有する。一実施形態において、薬剤組成物は、水薬瓶またはボトルなどの密封容器に収容された一回分の沈澱タンパク質を含むように、包装される。IM注射、SC注射、IT注射またはIA注射などの投与法により投与する場合は、収容されている薬剤組成物の量は、好ましくは、1mL以下である。他の実施形態においては、その薬剤組成物は、注射器など、注射器具の中に収容される。
他の態様において、本発明は、注射により、好ましくは、IM注射、SC注射、IT注射またはIA注射などの投与法によりその薬剤組成物を患者に投与する方法を提供する。その患者は、ヒトまたは動物であり得る。
これまでの概要および以後の詳細な説明は、実施例も含めて、典型的なものであり、請求した特許の説明を提供することを意図したものである。他の態様および新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明から、当業者には容易に明らかとなろう。
一態様において、本発明は、タンパク質を濃縮した製剤の形態をした薬剤組成物を調製する方法を提供する。図1を参照すると、その方法の一実施形態の一般化した工程ブロック図が示されている。図1に示されているように、第1工程は、溶液調製工程102であ
り、該工程中、タンパク質を液体媒体に溶解することにより、タンパク質の溶液を形成する。溶液調製工程102の後、タンパク質沈澱工程104において、そのタンパク質を沈澱させる。前記工程中、タンパク質の溶液はタンパク質の溶液からの沈澱を引き起こす沈澱剤と接触させられる。タンパク質沈澱工程104は、沈澱したタンパク質および液体媒体を含む混合物を生じる。タンパク質沈澱工程104の後、液体分離工程108において液体を分離して、分離した液体110および濃縮混合物112を生成する。濃縮混合物112は、高濃度の沈澱タンパク質を含んでいる。沈澱タンパク質とは、タンパク質沈澱工程104の間に、溶液から沈澱した粒子の形態のタンパク質を意味する。その沈澱タンパク質は、完全に元に戻すことが可能であり、生来のタンパク質の二次構造が実質的に乱されていないタンパク質分子を含有している。これは、溶液から流出し、実質的に生来のものでない二次構造を有するタンパク質分子を含有する望ましくない元に戻せない凝集物とは対比すべきである。
溶液調製工程102は、適当な液体媒体中にタンパク質を溶解する任意の方式で達成することが可能である。その液体媒体は、一般的には、タンパク質を所望の濃度まで溶解するのに適した、塩分濃度、pHおよびイオン強度の水性液体である。溶液中のタンパク質の濃度は、処理される特定のタンパク質によって変化する。ただし、タンパク質を溶液中で高度に濃縮する必要はない。むしろ、溶液中のタンパク質の濃度は、処理中の溶液の調製および取り扱いが容易であるためには比較的低いことが普通は好ましい。そのような比較的低い濃度のタンパク質溶液は製造工程中に頻繁に調製される。ほとんどの状況において、溶液中のタンパク質の濃度は、50mg/mL以下、より一般的には、25mg/mL以下、さらにより一般的には、10mg/mL以下である。抗体など、非常に大きいタンパク質については、非常に低い濃度が特に好ましい。
本発明の方法で使用するタンパク質は、高濃度製剤が望まれる任意のタンパク質であり得る。タンパク質は、一般に、15kD以上の分子量を有する。本発明で使用するのに好ましいのは、分子量がより高いタンパク質であって、少なくとも100kDの分子量を有し、高濃度の溶液を調整するのがしばしば困難であるかまたは不可能なものである。これらのより高い分子量のタンパク質を本明細書では高分子量タンパク質と称する。しかしながら、より低い分子量のタンパク質もまた、本発明により有利に処理することが可能である。水性媒体中に高濃度で溶解することが可能なより低い分子量のタンパク質は、本発明により、一層安定な沈澱の状態になるという恩恵を受ける。この高められた製剤の安定性は、製造中のいくつかの加工作業の間に発生し得るようなタンパク質の長時間の貯蔵のために役立つ。本発明で使用するタンパク質のいくつかの具体例が、その全部の内容をあたかも本明細書にすべて示すかのように本願明細書に援用する米国特許第6,267,958号に列挙されている。本発明で使用するいくつかの好ましいタンパク質として、増殖因子、可溶性受容体、サイトカイン、血友病因子、抗体等が挙げられる。
一般的に約150キロダルトン以上の分子量を有する抗体が、本発明で使用するタンパク質として特に好ましい。任意の抗体が、本発明で使用することが可能である。米国特許第6,267,958号は、本発明で使用するいくつかの具体的な抗体について検討している。例えば、抗体は、ポリエピトープ特異性、二重特異性抗体、ダイアボディ、一本鎖分子、抗体断片などを有する組成物であるモノクロナール抗体であるかまたはそれを含んでいる。
好ましい実施形態においては、タンパク質は、一般的に、本質的に純粋であるべきである。すなわち、汚染するタンパク質が実質的に存在してはならない。好ましくは、タンパク質は、溶液調製工程102の前は、少なくとも90重量パーセントの純度、より好ましくは、少なくとも95重量パーセントの純度、さらに好ましくは、少なくとも99重量パーセントの純度である。
さらに、一般的には、溶液調製工程102、タンパク質沈澱工程104、または液体分離工程108の間に、タンパク質は精製されない。前記方法は、沈澱した形態のタンパク質を濃縮することのみを実質的に実施し、タンパク質の精製は行わないことが好ましい。好ましい実施形態においては、沈殿中のタンパク質の純度は、タンパク質をタンパク質沈澱工程104の間にそこから沈澱させるタンパク質溶液中のタンパク質の純度と本質的に同じである。
タンパク質沈澱工程104の間にタンパク質溶液と接触する沈澱剤は、タンパク質の少なくとも一部、好ましくはタンパク質の殆んどまたは全部の沈澱を引き起こすことが可能である形態の任意の物質であり得る。一般的には、少なくとも80重量パーセント、好ましくは、少なくとも90重量パーセント、より好ましくは、少なくとも95重量パーセント、さらに好ましくは、少なくとも98重量パーセント、最も好ましくは、少なくとも99重量パーセントのタンパク質を、タンパク質沈澱工程104の間に沈澱させる。相応して、沈澱工程104に続く液体媒体中に溶解して残存するタンパク質は、ほとんど無いことが好ましい。沈澱工程104に続く液体媒体中に溶解して残存するタンパク質は、一般的には、20重量パーセント以下、好ましくは、10重量パーセント以下、より好ましくは5重量パーセント以下、さらに好ましくは、2重量パーセント以下、最も好ましくは、1パーセント以下である。できるだけ多くのタンパク質が沈澱していることが、濃縮混合物112における安定性を高めて長期間の貯蔵を容易にするために重要である。
性能を高めるためには、沈澱剤は、生体適合性であるべきである。これは、少なくともその沈澱剤の一部が、濃縮混合物112中に残留し、全部ではないにしてもほとんどの状況において、沈澱タンパク質の患者への投与の間中、少なくとも一部の沈澱剤が、沈澱タンパク質と共に残留するものと考えられるからである。生体適合性ということは、その物質が、宿主の生物学的機能に毒作用または有害な影響を与えないことを意味する。
沈澱剤として使用するのに好ましいものは、タンパク質沈澱工程104中にタンパク質溶液と接触させると、溶液からタンパク質の望ましい沈澱を生じさせる生体適合性ポリマーまたは生体適合性ポリマーの混合物である。その生体適合性ポリマーは、タンパク質溶液と接触させるとタンパク質の望ましい沈澱をもたらすことが可能な任意の生体適合性ポリマーであり得る。その生体適合性ポリマーは、一般的に、タンパク質溶液とは別に用意された一般的には水性溶液である溶液中に溶解させる。次に、タンパク質沈澱工程104中に、ポリマー溶液をタンパク質溶液に加えるか、またはタンパク質溶液をポリマー溶液に加えるかのいずれかにより、ポリマー溶液とタンパク質溶液とが混合されるが、後者が好ましい。
本発明で沈澱剤として使用する生体適合性ポリマーは、逆熱ゲル化性ポリマーである。一実施形態において、得られた混合物中、およびさらに濃縮混合物112中において、生体適合性ポリマーが、各々の混合物の少なくとも液体部分が、少なくともある温度範囲、好ましくは、40℃より低い温度範囲、より好ましくは、37℃より低い温度範囲、さらにより好ましくは、10℃から37℃までの温度範囲で逆熱粘度挙動を示す濃度で存在するように、生体適合性ポリマーを選択して、そのポリマーとタンパク質溶液を調合する。一般的には、その液体は、1℃から20℃の範囲内の一定の温度範囲で逆熱粘度挙動を示す。濃縮混合物112の液体の逆熱粘度挙動によって、濃縮混合物112は、組成物が低い粘度を有するより冷温で、ホストに投与され得る。濃縮混合物112の液体が、逆熱ゲル化特性を有する場合、濃縮混合物112の液体は、少なくとも第1の温度においては流動性媒体の形態にあり、第1の温度より高い少なくとも第2の温度においてはゲルの形態にある。第1および第2の温度は双方共40℃より低い温度が好ましく、より好ましくは、第2の温度は、37℃以下である。好ましい状況は、第1の温度が1℃〜20℃の範囲
にあり、第2の温度が25℃〜37℃の範囲にある場合である。
一実施形態において、タンパク質を沈澱させた後の混合物中の液体および濃縮混合物112中の液体は、それぞれ、該液体が逆熱ゲル化特性、好ましくは、濃縮混合物112をホストに投与した時、その生体適合性ポリマーが、体内で液体からゲル状態に転化する逆熱液体ゲル転移温度を有するようなレベルの濃度の逆熱ゲル化性ポリマーを含有する。他の実施形態においては、逆熱ゲル化性ポリマーの濃度は、貯蔵、投与または投与後の間にポリマーのゲルの形態の形成を可能にするほど高くない。この後の状況は、しばしば、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射による投与に対して好ましい。
本明細書で使用する場合、用語「逆熱粘度特性」および「逆熱粘度挙動」とは、それぞれ、1つまたは複数の成分、特に生体適合性ポリマー/水の組合せが、少なくともある温度範囲にわたって、温度上昇に伴う粘度の上昇を受けることを指す。「逆熱ゲル化特性」とは、1つまたは複数の成分、特に生体適合性ポリマー/水の組合せが、逆熱液体ゲル転移温度より低い温度から逆熱液体ゲル転移温度より高い温度に昇温されると、液体の形態からゲルの形態に変化することを指す。「逆熱液体ゲル転移温度」とは、1つまたは複数の成分、特に生体適合性ポリマー/水の組合せが、その材料の温度が上昇する時、物理的形態が液体形態からゲル形態に変化する温度を指す。「逆熱ゲル化性ポリマー」とは、液体ビヒクル、特に水との相互作用が可能で、その結果、そのポリマー/液体ビヒクルの組合せが、そのポリマーと液体ビヒクルの少なくともある比率において逆熱ゲル化特性を示すポリマーを指す。
いくつかの生体適合性逆熱ゲル化性ポリマーの非限定的な例としては、特定のポリエーテル(好ましくは、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、より好ましくは、本明細書では、Pluronic(商標)F68、Pluronic(商標)F127、Pluronic(商標)L121、Pluronic(商標)L101、Tetronic(商標)T1501などのPOE−POPブロック共重合体と称するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン・ブロック共重合体を含むポリオキシアルキレンブロック共重合体)、エチルヒドロキシルエチルセルロースなどの特定のセルロース系ポリマー、特定のポリ(エーテル−エステル)ブロック共重合体(その全容をあたかも本明細書にすべて示すかのように本願明細書に援用される米国特許第5,702,717号に開示されているものなど)が挙げられる。Pluronic(商標)およびTetronic(商標)は、BASFコーポレーションの商標である。さらに、複数のこれらおよび/または他の生態適合性ポリマーを、ポリマー溶液中に含めてもよい。同様に、他のポリマーおよび/または他の添加剤も、それを含有することが、本発明の方法の行為または濃縮混合物112の性能要件に不適切でない程度まで、ポリマー溶液および/またはタンパク質溶液に含有させてもよい。さらに、これらのポリマーは、逆熱ゲル化が起こる一般的には水性溶液中の転移温度を変化させるために、他のポリマーまたは砂糖などの他の添加剤と混合してもよい。ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、沈澱剤として使用するための生体適合性ポリマーとして特に好ましい。ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、他のブロックがなお存在していても構わないが、少なくとも1つの第1のポリオキシアルキレンのブロック(すなわち、ポリマー・セグメント)および少なくとも1つの第2のポリオキシアルキレンのブロックを含むポリマーである。POE−POPブロック共重合体は、調合した生体適合性ポリマー中の生体適合性逆熱ゲル化性ポリマーとして使用するための好ましいポリオキシアルキレンブロック共重合体の1種類である。POE−POPブロック共重合体は、他のブロックがなお存在していてもよいが、少なくとも1つのポリオキシエチレンのブロックと少なくとも1つのポリオキシプロピレンのブロックを含んでいる。ポリオキシエチレンのブロックは、通常、式(CO)で表され得、式中、bは整数である。ポリオキシプロピレンのブロックは、通常、式(CO)で表され得、式中、aは整数である。そのようなポリオキシプロピレンのブロックは、例えば、(CHCH
O)、または
Figure 2005523882
であり得る。
いくつかのPOE−POPブロック共重合体が、逆熱ゲル化特性を示すことが知られており、これらのポリマーは、濃縮混合物112に逆熱粘度特性および/または逆熱ゲル化特性を付与するのに特に好ましい。POE−POPブロック共重合体の例としては、Pluronic(商標)F68、Pluronic(商標)F127、Pluronic(商標)L121、Pluronic(商標)L101、Tetronic(商標)T1501が挙げられる。Tetronic(商標)T1501は、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのセグメントに加えて少なくとも1つのポリマー・セグメントを有するPOE−POPブロック共重合体の1例である。Tetronic(商標)T1501は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンジアミンのポリマー・セグメントまたはブロックを含むブロック共重合体であることがBASFコーポレーションによって報告されている。
当然のことながら、現在および今後、沈澱剤としての作用が可能な生体適合性ポリマーがいくつも登場してくるが、そのようなポリマーを本調合生体適合性ポリマーに組み込む場合には、そのようなポリマーは本発明の範囲内であることを明確に表明する。
いくつかの好ましいPOE−POPブロック共重合体は、下記式を有する。
HO(CO)(CO)(CO)H I
上記POE−POPブロック共重合体は、好ましい実施形態において、周囲温度以下で液体であり、哺乳類体温で半固体状のゲルとして存在する性質を有している。上記式中、aおよびbは、それぞれ15〜80および50〜150の範囲の整数である。本発明で使用するための特に好ましいPOE−POPブロック共重合体は、次式を有する。
HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CHCHO)
II
上記式中、aおよびbは、(CH(CH)CHO)で表される疎水性ベースが、ヒドロキシル価により測定して約4,000の分子量を有しており、その共重合体が、約12,600の平均分子量を有していて、ポリオキシエチレン鎖が分子中のモノマー単位の全体数の約70パーセントを構成するような整数である。Pluronic(商標)F−127は、Poloxamer407としても知られており、類似の物質である。さらに、構造的に類似しているPluronic(商標)F−68も使用することが可能である。
非ポリマーの沈澱剤を使用するのと比較して生体適合性ポリマーを使用することの1つの利点は、生体適合性ポリマーが、濃縮混合物112中のタンパク質の保護と安定化を助けることである。これは、特に、好ましいポリオキシアルキレンポリマーのような逆熱ゲ
ル化性ポリマーを使用する場合である。その際、逆熱ゲル化性ポリマーが、逆熱ゲル化特性を与える濃度で存在する時、温度の上昇に伴うゲルの形成が、タンパク質を劣化から保護する。
本発明で使用するには好ましくない非ポリマーの沈澱剤をいくつか挙げると、一定の亜鉛塩、硫酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、エタノール等がある。これらの沈澱剤は、それらが生体適合性ポリマーのように投与に対して無害ではないので、好ましくない。
タンパク質沈澱工程104の間に、沈澱剤は、タンパク質の所望される沈澱を果たす何らかの方法でタンパク質の溶液と接触させられる。通常、その沈澱剤は、第2の溶液中に溶解され、一般的には、攪拌またはその他の活発な混合の形により、それをタンパク質の溶液に加えるか、またはそれにタンパク質の溶液を加える。
沈澱剤は、タンパク質沈澱工程104の間に所望される沈澱を果たすのに十分な任意の量で使用可能である。例えば、生体適合性ポリマーの沈澱剤は、一般的には、少なくとも5重量パーセント、一般的には、40重量パーセント以下の濃度で生体適合性ポリマーを含む別のポリマー溶液中に準備する。好ましくは、その生体適合性ポリマーは、タンパク質沈澱工程104に先立ってポリマー溶液中に完全に溶解する。そのポリマー溶液とタンパク質溶液をタンパク質沈澱工程中で混合した後、得られた混合物中のそのポリマーの濃度は、一般的には、少なくとも5重量パーセント、一般的には、30重量パーセント以下である。タンパク質沈澱工程から生じる混合物中の幾分かの生体適合性ポリマーは、液相の溶液中に残留し、生体適合性ポリマーの幾分かは、沈澱したタンパク質と共に固相中にあるであろう。タンパク質の沈澱により生じる固相は、一般的には、ほとんどの状況において、混合物全体のほんの数パーセントを構成するに過ぎず、固形分は得られる混合物の1重量パーセントから10重量パーセントの範囲内にある。
本発明の方法の一実施形態において、処理中、タンパク質および沈澱剤に加えて、1つまたは複数の添加剤を添加することが可能である。1つの特に有用な添加剤は、濃縮混合物112中のタンパク質をさらに安定化する助けとなるタンパク質安定剤である。そのタンパク質安定剤は、濃縮組成物112中に組み込んだとき、化学的であれ物理的であれ、タンパク質の不安定性を著しく防止または減少する任意の分子である。本発明で有用なタンパク質安定剤のいくつかの例を挙げると、凍結乾燥のタンパク質を安定化するために伝統的に使用されている物質がある。多数のこれらのいわゆるライオプロテクタント(lyoprotectants)が、米国特許第6,267,958号に記載されている。本発明でタンパク質安定剤として使用するのに好ましいのは、糖類である。特に好ましいのは、砂糖、スクロース、トレハロースである。他の好ましいタンパク質安定剤は、マンニトールである。
使用時、タンパク質安定剤は、タンパク質溶液の一部として、またはポリマー溶液の一部として、またはタンパク質およびポリマーの溶液とは別にして、導入することが可能である。好ましくは、タンパク質安定剤は、液体分離工程108の前に加え、より好ましくは、タンパク質安定剤を、タンパク質溶液とポリマー溶液の少なくとも1つの中に一緒に溶解する。
タンパク質安定剤の添加によって、濃縮混合物112中のタンパク質の安定性の向上が促進される。濃縮混合物112の安定な性質は、凍結乾燥の複雑性および費用を要することなく達成されるので、特に好都合である。
製造中または製造後に有利に添加することが可能な他の添加剤は、注射適性を改良するなど、濃縮混合物112の流動特性を改良する添加剤である。界面活性剤およびポリオー
ルが、そのような流動性を高める添加剤の例である。界面活性剤および/またはポリオールの添加は、特に濃縮混合物112が、極めて高いタンパク質の濃度であるときに、濃縮混合物112の注射器適性を高めるために特に有用である。非イオン系生体適合性界面活性剤およびポリオールが好ましい。いくつかのポリオールおよび/または界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第6,267,958号に示されている。本発明で界面活性剤として使用するのに好ましいのは、ポリソルベートである。いくつかの好ましいポリオールとしては、マンニトールおよびグリセロールが挙げられる。1つの好ましいポリソルベート界面活性剤は、Uniqema(ICIグループ)により、Tween(商標)の商標で流通している。その他の好ましい界面活性剤としては、Uniqema(ICIグループ)により、Span(商標)の商標のもとで流通しているものなど、ソルビタンエステルが挙げられる。時として、界面活性剤および/またはポリオールの使用により達成され得る改善された注射適性は、特に注目すべきであり、とりわけ、タンパク質を著しく濃縮した製剤を、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射により投与する場合には有利である。
液体分離工程108の間に、液体の少なくとも一部、一般的には、大部分をタンパク質沈殿物から除去する。分離は、任意の液体−固体分離技法を使用して行うことが可能である。可能な分離技法としては、タンパク質の沈殿物を沈降させ、続いて上澄み液をデカンテーションにより除去する、遠心分離、濾過、サイクロニング、その他が挙げられる。タンパク質の沈殿物を沈降させ、続いて上澄み液をデカンテーションにより除去するのが、その操作中殺菌環境を維持することが比較的容易であるために好ましい。分離した液体110は、一般的には廃棄する。濃縮混合物112は、沈澱したタンパク質および残留している液体の濃縮された製剤を有利に含むであろう。液体分離工程108の間に、十分な液体を除去して、濃縮混合物112の沈澱タンパク質の望ましい濃縮度を提供する。沈澱タンパク質の望ましい濃縮度は、処理する個々のタンパク質および個々の状況によって変化する。本発明の1つの顕著な利点は、種々様々な沈澱タンパク質の濃度を有した濃縮混合物112を生成させることが可能であり、これにより、どのような特定の用途のためにも濃縮混合物112を特定な所望の沈澱タンパク質濃度に調製することに関して大きな自由度を与えることである。ただし、濃縮混合物112中の沈澱タンパク質の濃度は、その沈澱混合物112の、一般的には、8重量パーセントから80重量パーセントまでの範囲、より一般的には、10重量パーセントから70重量パーセントまでの範囲である。典型的な沈澱タンパク質の濃度範囲の下限において、その沈澱タンパク質の濃度は、IM注射、SC注射、IT注射、IA注射などの技法によって投与するために使用するのに十分な大きさでなければならない。典型的な濃度範囲の上限においては、濃縮混合物112が、後で付加的な水で希釈して、投与のための低い濃度の沈澱タンパク質に戻すことが容易に可能である十分な水を保持していることが重要である。濃縮混合物112は、好ましくは、濃縮混合物112の、一般的には10重量パーセント、より一般的には20重量パーセント、より一般的には30重量パーセントの下限値と、一般的には92重量パーセント、より一般的には90重量パーセントの上限値を有する範囲の水を含む。液体分離工程108の間に除去する水が多すぎる場合には、再構成の際に、凍結乾燥したタンパク質を再構成するときによく経験されるいくつかの問題に遭遇する可能性がある。濃縮混合物112中の水分の少なくとも有効な濃度を維持することによって、濃縮混合物112は、容易に希釈されて、沈澱したタンパク質が、投与または要望どおりのさらなる処理に適するより希薄な混合物に再構成される。水および沈澱タンパク質に加えて、濃縮混合物112は、また、少なくともある程度の沈澱剤も含み、界面活性剤、ポリオールおよび/またはタンパク質安定剤などその他の添加剤も同様に含んでもよい。濃縮混合物112中の沈澱剤の濃度は、使用される特定の沈澱剤および沈澱の条件により変化するであろう。生体適合性ポリマー沈澱剤を使用するとき、濃縮混合物112は、一般的には少なくとも5重量パーセントの生体適合性ポリマーであり、一般的に50重量パーセント以下の生体適合性ポリマーを含むが、10〜30重量パーセントまでの生体適合性ポリマーの濃度がより普通であ
る。使用時、界面活性剤は、製造中にタンパク質に対して一般的に少なくとも0.001重量パーセントであって、タンパク質に対して一般的に1重量パーセント以下である量で添加され、したがって、濃縮混合物112中でも沈澱タンパク質に対する濃度とほぼ同じ濃度で存在するであろう。使用時、たんぱく質安定剤は、製造中にタンパク質に対して一般的に少なくとも10重量パーセント、すなわちタンパク質に対して一般的に1000重量パーセント以下の量で添加され、したがって、濃縮混合物112中でも沈澱タンパク質に対する濃度とほぼ同じ濃度で存在するであろう。
濃縮混合物112が、投与するための最終的な薬剤調合物として使用される場合は、濃縮タンパク質の濃度は、好ましくは、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射などの手法によって投与することを可能にする、1mLの体積の注射によりタンパク質の完全な1回分が投与されることを可能にする十分な高さであるべきである。この状況において、特に抗体に対しては、濃縮混合物112は、濃縮混合物の、一般的に8重量パーセント、より一般的には10重量パーセント、そしてしばしば20重量パーセントの下限を有し、濃縮混合物の、一般的に50重量パーセント、より一般的には40重量パーセント、さらに一般的には、35重量パーセント、しばしば30重量パーセントの上限を有する範囲にある沈澱タンパク質の濃度を有するであろう。相応して、濃縮混合物112は、濃縮混合物112の、一般的には50重量パーセント、より一般的には60重量パーセント、さらに一般的には65重量パーセント、しばしば70重量パーセントの下限を有し、濃縮混合物112の、一般的には92重量パーセント、より一般的には90重量パーセントの上限を有する範囲の量の水を含有するであろう。IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射による投与用の沈澱タンパク質の濃度の特に好ましい範囲は、多数の抗体の投与に大きな自由度を与える10重量パーセントから30重量パーセントである。多数の抗体が、濃縮混合物112の20重量パーセントから30重量パーセントの範囲の濃度を必要とするであろう。ただし、投与に際して、濃縮混合物は、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射によって投与される十分な注射適性を有することが重要であり、それは本発明によって多くは達成可能な状況にある。
本発明の1つの特段の利点は、濃縮混合物112を、タンパク質製造作業における加工工程の間、長時間にわたって容易に貯蔵される中間生成物として使用することにある。この状況において、液体分離工程104の間に、濃縮混合物112は、さらなる処理を待機している間に、取り扱いおよび貯蔵しなければならない容積を低減するために、沈澱タンパク質が非常に高濃度になるように、液体のほとんどが除去されることが一般に求められる。この状況において、そして特に抗体のためには、濃縮混合物112は、濃縮混合物112の、一般的には20重量パーセント、より一般的には30重量パーセント、さらに一般的には40重量パーセント、最も一般的には50重量パーセントの下限を有し、濃縮混合物112の、一般的には90重量パーセント、より一般的には80重量パーセント、さらに一般的には70重量パーセントの上限を有する範囲にある濃縮タンパク質の濃度を有するであろう。相応して、濃縮混合物112は、濃縮混合物112の、一般的には10重量パーセント、より一般的には20重量パーセント、さらに一般的には30重量パーセントの下限を有し、一般的には80重量パーセント、より一般的には70重量パーセント、さらに一般的には60重量パーセント、最も一般的には50重量パーセントの上限を有する範囲の量の水を含有するであろう。中間の貯蔵に適用するための沈澱タンパク質の濃度の特に好ましい範囲は、濃縮混合物112の50重量パーセントから70重量パーセントである。
上の論議から分かるように、ほとんどの状況において、大部分の液体が、液体分離工程108の間に、濃縮混合物112を調製するために沈澱タンパク質から分離される。濃縮混合物112が、投与のための最終的な製剤として意図される場合においてさえ、一般的に液体の少なくとも50重量パーセントを液体分離工程108の間に除去する。より一般
的には液体の少なくとも75重量パーセント、さらに一般的には90重量パーセントを液体分離工程108の間に除去する。ある状況においては、液体の少なくとも95重量パーセント、または98重量パーセント以上を液体分離工程108の間に除去する。非常に高いタンパク質沈殿物の濃度が所望される場合、1つの好ましい液体−固体分離技法としては遠心分離がある。
また、上の論議から分かるように、濃縮混合物112は、液体分離工程102の間に用意したタンパク質溶液のタンパク質の濃度よりはるかに高い濃度の沈澱タンパク質を含有している。一般的に、濃縮混合物112中の濃縮タンパク質対最初のたんぱく質溶液中に溶解しているタンパク質の濃度の比(重量基準)は、少なくとも2、より一般的には少なくとも5、さらに一般的には少なくとも10である。時には、その比は、少なくとも20、または40以上にさえなり得る。濃縮混合物112を投与のための最終的な製剤として意図する場合のほとんどの用途に対して、その比は、一般的には少なくとも5、より一般的には5〜40までの範囲である。濃縮混合物112を、さらなる処理をする前の中間貯蔵用に設計する時は、その比は、一般的には少なくとも25、より一般的には少なくとも50であるが、時には、その比は、少なくとも75または100以上さえもあり得る。
本発明の重要な態様は、濃縮混合物112が、安定しており、一般的に実質的な劣化なしで適切な時間の貯蔵が可能なことである。これは、特に沈澱剤として生体適合性ポリマーを使用する場合に重要であり、その生体適合性ポリマーが、好ましい逆熱ゲル化性ポリマーであるときはなおさら重要である。この安定性の一態様は、タンパク質沈澱工程104の間に、通常は、タンパク質のほとんどまたは実質的には全部が溶液から沈澱するために、濃縮混合物112は、残留している液体中に非常に少ない溶液のタンパク質を含有しているということである。これは、沈澱したタンパク質は、溶液中に残留しているタンパク質よりも劣化および変性することが少ないために、重要かつ好都合なことである。水性媒体中に溶解しているタンパク質は、望ましくない非生来の凝集物を非常に形成しやすい。濃縮混合物112中には、少なくともそれなりの量の液体媒体が保持されているので、タンパク質沈澱工程104の間に、非生来の凝集物を形成しやすい溶液中に残留するタンパク質ができるだけ少なくなるように、タンパク質沈澱工程104に間にできるだけ多くのタンパク質を沈澱させることが重要である。濃縮混合物112中の全タンパク質の、一般的には5重量パーセント以下、好ましくは2重量パーセント以下、より好ましくは1重量パーセント以下、さらに好ましくは0.5重量パーセント以下、最も好ましくは0.2重量パーセント以下が、濃縮混合物112中に保持されている液体媒体中に溶解している。相応して、濃縮混合物112中の全タンパク質の、一般的には少なくとも95重量パーセント、好ましくは少なくとも2重量パーセント、より好ましくは少なくとも99重量パーセント、さらに好ましくは少なくとも99.5重量パーセント、最も好ましくは少なくとも99.8重量パーセントが、沈澱タンパク質の状態にある。貯蔵中の安定性は、濃縮混合物112中に保持されている生体適合性ポリマーの存在によってさらに高められる。生体適合性ポリマーの存在は、沈澱タンパク質に対してある程度の保護を提供すると思われ、その存在はまた、沈澱タンパク質が残留している液体媒体に再溶解することを防止する。そのうえ、製造中のタンパク質安定剤の添加により、濃縮混合物112の安定性がさらに促進される。
本発明の重要な態様は、濃縮された混合物が、費用が掛かり厄介な凍結乾燥を必要とすることなく、長時間貯蔵することが可能なことである。濃縮混合物112の貯蔵は、一般的には標準的な冷蔵が必要である。しかしながら、一実施形態において、濃縮混合物112は、生体適合性逆熱ゲル化性ポリマーを、該ポリマーがタンパク質沈澱工程104を実施する温度より高い温度においてゲルの形態で存在するのに十分な量で含有し、その逆熱液体−ゲル転移温度は、一般的には上で述べたように37℃以下である。ここで、図2を参照して、濃縮混合物112をゲル化の工程116にかける本発明の方法のための一般化
した工程ブロック図を示す。ゲル化工程116の間に、濃縮混合物112の温度を逆熱液体−ゲル転移温度より低い温度から同転移温度より高い温度まで上昇させると、その結果、そのポリマーは、液体の形態からゲルの形態に転移する。その得られた濃縮混合物112のゲルの形態118は、その状態で貯蔵することが可能である。貯蔵に続いて、次に、濃縮混合物112のゲルの形態118の温度を逆熱液体−ゲル転移温度より低く低下させて、前記ポリマーを液体の形態に戻し、さらなる処理または投与を行うことが可能である。ゲルの形態で濃縮混合物112を貯蔵することにより、濃縮混合物112の冷蔵コストが下がり、容易な取り扱いおよび輸送が促進される。
他の実施形態において、濃縮混合物112は、長期保存のために有利に冷凍することが可能である。これは、タンパク質のバッチを、加工工程の間に長時間保持しなければならない場合など、製造中の中間点で起こる長期所蔵のために特に有用な実施形態である。冷凍は、濃縮混合物112が、冷凍する必要がある水を実質的に減少した容積で含有しているので、希薄溶液またはより希薄な懸濁液を冷凍するのと比較して有利である。ここで、図3を参照して、濃縮混合物112を冷凍工程120にかける本発明の方法の一実施形態の一般化した工程ブロック図を示す。冷凍工程120の間、濃縮混合物112の温度は、濃縮混合物112に存在する液体媒体の氷点より低い温度に低下させる。一般的には、濃縮混合物112の温度は、−20℃〜−80℃までの範囲の温度まで低下される。得られる濃縮混合物112の冷凍した形態122は、それを長時間貯蔵することが可能である。貯蔵に続いて、濃縮混合物112中の液体媒体は、その後融解されて、その濃縮混合物を、さらなる処理または投与のために、より流動性の形態に戻すことが可能である。本発明で、濃縮混合物112の冷凍が、処理費用が著しく加算され、沈澱したタンパク質を、貯蔵に続いてより希薄な製剤に戻すことを困難にする凍結乾燥を使用する必要がないことは重要である。
本発明の主要な利点は、濃縮混合物112中の沈澱タンパク質の濃度を変化させること、濃縮混合物112の製造中に様々な添加剤を加えられること、様々な貯蔵および取り扱いの選択肢を利用可能であることなどに関係して提供される自由度である。他の利点は、濃縮混合物112を、最終的医薬品のための付加的な特徴を要望どおり付与するために、さらなる処理が可能なことである。例えば、タンパク質安定剤および界面活性剤を、溶液分離工程102またはタンパク質沈澱工程104中で加えられない場合は、液体分離工程108の後に加えて濃縮混合物112の特性を変化させることが可能である。その沈澱混合物のさらなる処理のための1つの特に重要な実施形態は、より希薄なタンパク質製剤を調製するために、追加の液体媒体を加えることである。これは、例えば、濃縮混合物112の長い貯蔵の後に、投与のための改善された特性を備えるさらに希薄な生成物を調製するために有利である。
ここで、図4を参照して、濃縮混合物112を、希釈混合物130を調製するための希釈工程128にかける本発明の方法の一実施形態の一般化した工程ブロック図を示す。希釈工程128の間に、希釈用液体媒体を、濃縮混合物112に加えると、その結果、希釈混合物130中の沈殿タンパク質の濃度が低下する。希釈用の液体媒体は、一般的には水性液体であって、それは既に濃縮混合物112中に存在する水性液体と相容性がある。いくつかの状況においては、希釈用液体媒体の添加は、ある程度の沈澱タンパク質を溶解するが、その溶解は、十分に少量であって、希釈混合物130中の溶解したタンパク質の濃度は、希釈工程28の後、希釈混合物130中に溶解したタンパク質の濃度が平衡に達したときに、希釈混合物130中のタンパク質全体の20重量パーセント以下であり、多くの場合10重量パーセント以下であろう。相応して、希釈混合物130中のタンパク質全体の、一般的には少なくとも80重量パーセント、多くの場合少なくとも90重量パーセントが沈澱タンパク質中に残存する。
ほとんどの場合、希釈用液体媒体は、希釈工程128の結果、濃縮混合物112中の沈澱タンパク質の相当量を溶解しないような特性のものであることが望ましい。それゆえ、希釈工程28の後、希釈混合物130中に溶解したタンパク質の濃度が平衡に達したときに、より一般的には濃縮混合物112中のたんぱく質全体の5重量パーセント以下、好ましくは2重量パーセント以下、より好ましくは1重量パーセント以下、さらにより好ましくは0.5重量パーセント以下、最も好ましくは0.2重量パーセント以下が、希釈混合物130の液体媒体中に溶解している。相応して、より一般的には希釈混合物130中のタンパク質全体の少なくとも95重量パーセント、好ましくは少なくとも98重量パーセント、より好ましくは少なくとも99重量パーセント、さらに好ましくは少なくとも99.5重量パーセント、最も好ましくは少なくとも99.8重量パーセントが、沈澱タンパク質中に残存する。
希釈工程128の結果としてタンパク質が溶解するのを防ぐために、沈澱タンパク質の再溶解を抑制、またはさらに完全に防止する効果を有する沈澱剤、または他の試薬を希釈用液体媒体に有利に溶解しておくことが可能である。しかしながら、使用時、希釈液体媒体中の沈澱剤の濃度は、濃縮混合物112の液体媒体中における沈澱剤の濃度より低い場合が多く、それにより希釈混合物130中の沈澱剤の濃度を濃縮混合物112と比較して低下させる。これは、注射適性を改良する製剤の粘度低下のためには有利なことである。生体適合性ポリマーの沈澱剤の場合、粘度低下は、希釈混合物130中の大きい割合の液体の存在と、生体適合性ポリマーの濃度が低下することの双方の原因があり得る。一実施形態において、希釈用液体媒体は、本質的に生体適合性ポリマーを含まず、希釈混合物130中の生体適合性ポリマー濃度の著しい希釈を提供する。しかしながら、この状況において、沈澱タンパク質の再溶解は、使用する特定の希釈用媒体に依存するようである。沈澱タンパク質の一切の実質的な再溶解を防止するためには、十分な生体適合性ポリマーまたは他の再溶解を防止するために有効な化学物質を、希釈混合物130中に存在させるべきである。希釈用液体媒体が、本質的に生体適合性ポリマーを含んでいない時でさえ、希釈混合物130は、依然として少なくとも少量の生体適合性ポリマー、一般的には少なくとも0.1重量パーセントの生体適合性ポリマーを含む。
濃縮混合物112の重要な利点は、希釈混合物130を調製するために、沈澱タンパク質が容易に再構成されるように、濃縮混合物112を製造することが可能なことである。容易な再構成のために、濃縮混合物112は、好ましくは、少なくとも20重量パーセントの水、より好ましくは少なくとも30重量パーセントの水を含んでいる。濃縮混合物が容易に再構成されて希釈混合物を調製する(または必要な時は沈澱タンパク質を再溶解する)ように、その濃縮混合物を調製するためには、生体適合性ポリマーの沈澱剤を使用することが特に好ましい。希釈混合物130中の水の濃度は、濃縮混合物112中の水の濃度より一般的に少なくとも10重量パーセント・ポイント高い(例えば、濃縮混合物112中の30重量パーセントの水から、希釈混合物130中の少なくとも40重量パーセントの水まで増加する)。相応して、希釈混合物130中の沈澱タンパク質の濃度は、濃縮混合物112中より一般的に少なくとも10重量パーセント・ポイント低いであろう(例えば、濃縮混合物中の60重量パーセントの沈澱タンパク質から希釈混合物130中の50重量パーセント以下の沈澱タンパク質まで減少する)。しばしば、希釈工程128の間に濃縮混合物112中に加える希釈用液体媒体の量は、濃縮混合物112中の液体媒体と少なくとも同じ大きさであるか、またはさらに数倍の大きさである。これは、例えば、濃縮混合物112が、暫定的な貯蔵のために、沈澱タンパク質に関して非常に濃縮されている場合(例えば、濃縮混合物112中沈澱タンパク質が40重量パーセントから70重量パーセント)、希釈工程128が、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射によって投与するためなど、最終的な薬剤組成物に要求される改善された注射適性またはその他の特性を有する低い沈澱タンパク質濃度まで(例えば、希釈混合物130中におそらく10重量パーセントから30重量パーセントの沈澱タンパク質の範囲まで)製剤を希釈す
るように意図されている場合であり得る。
タンパク質を安定した形態で長期貯蔵するための濃縮混合物112が調製可能であることは、タンパク質組成物を作製する製造作業における工程間でしばしば必要となる貯蔵にとって特に好都合である。例えば、多くの治療用タンパク質が発酵法を介して大量に調製される。生産されたタンパク質は次に精製される。精製工程は一般的に低タンパク質濃度で稼動される。そのような工程の間、精製の様々な段階で中間材料を保持することが望ましいことが時々ある。本発明により、タンパク質は、貯蔵用に濃縮混合物112の形態で濃縮し、次いで後から希釈工程128にかけて、低濃度の沈澱タンパク質を有する希釈混合物130中のタンパク質に戻すことが可能である。そのうえ、単に希釈することよりむしろ沈澱タンパク質を、必要な場合はさらなる処理のために再溶解することも可能であるが、このケースは、一般的なことではない。沈澱タンパク質を再溶解するには、実質的に沈澱剤またはその他の類似の薬剤を含まない十分な水性媒体を加えて、沈澱タンパク質の完全な溶解を提供する。場合によっては、沈澱タンパク質の完全な再溶解には、必要な場合は、残留沈澱剤を非常に低い濃度まで減少させるために水性液体の複数回の添加と分離を伴うことがあり得る。
本発明の別の態様において、本発明の沈澱したタンパク質混合物(例えば、濃縮混合物112または希釈混合物130)は、投与用の1回分の沈澱タンパク質を含有する水薬瓶またはボトルなどの形態に包装することが可能である。ここで、図5を参照して、濃縮混合物112が、包装された医薬品136を調製する包装工程134で包装される、本発明の方法の一実施形態の一般化した工程ブロック図を示す。包装工程134の間に、一定量の濃縮混合物112が、容器に収容され、容器は、輸送および貯蔵中の汚染を防止するために密封される。好ましい実施形態において、各容器に封入された濃縮混合物112の量は、沈澱タンパク質の投与の1回分である。さらにより好ましい実施形態においては、1回分を含有する濃縮混合物112の容積の大きさが、1mL以下であり、好ましくは、IM注射、SC注射、IT注射またはIA注射などの手法による投与を許容する十分な注射適性を有する。
別の態様において、本発明は、沈澱タンパク質および液体媒体を含む薬剤組成物を提供する。その薬剤組成物は、沈澱タンパク質に関して濃縮されているが、かなりの量の液体媒体、一般的には上述した水性液体も含有する。また、前記薬剤組成物は、一般に、少なくともある程度の沈澱剤を含み、例えばタンパク質安定剤および/または界面活性剤など、他の添加剤を含んでいてもよい。本態様において、様々な成分のタイプおよび相対量に関して上で論じたことのすべてが、特に図1〜5と関連して論じた濃縮混合物112および希釈混合物に関して同様に当てはまる。前記薬剤組成物は、例えば、特に図1〜5と関連して論じた濃縮混合物112または希釈混合物130であり得、または上記で論じたいずれかの成分をいずれかの相対量で含有し、いずれかの特性を有する他の生成物であり得る。薬剤組成物における成分の相対量は、特定の状況、例えば組成物に含まれている特定のタンパク質、およびその組成物が、上述したように、暫定的な貯蔵用に設計されているか、または投与用の最終的な製剤であるかに依存する。
上で述べたように、必要な場合、より希薄な製剤を調製するために、沈澱タンパク質の容易な再構成を促進する少なくともかなりの量の液体媒体を含むことは、薬剤組成物にとって有利である。それゆえ、薬剤組成物中の沈澱タンパク質は、沈澱後、一般的に少なくとも10重量パーセント、好ましくは少なくとも20重量パーセント、より好ましくは少なくとも30重量パーセントの水を含む製剤中に保持するのが好ましいが、図1〜5と関連して論じたように、しばしばそれよりはるかに高い水濃度も存在する。図1〜5と関連した上記の論議に一致して、薬剤組成物は、標準的には、少なくとも8重量パーセント、好ましくは少なくとも10重量パーセント、そしてしばしばさらに高い濃度の沈澱タンパ
ク質と、少なくとも0.1重量パーセント、好ましくは少なくとも5重量パーセント、しばしばさらに高い濃度の生体適合性ポリマーを含む。たんぱく質安定剤は、使用する場合は、沈澱タンパク質に対して、標準的には10重量パーセントから1000重量パーセントまでの濃度で存在させる。界面活性剤は、使用する場合は、沈澱タンパク質に対して、標準的には0.001重量パーセントから1重量パーセントまでの濃度で存在させる。本願において、添加剤の量を沈澱タンパク質に対する重量パーセントとして規定する場合、これは、添加剤の量が、沈澱タンパク質重量の相対百分率である重量として決定されていることを意味する。
一実施形態において、その薬剤組成物は、上で述べた密封容器中にあり、好ましくはその密封容器中に収容されている薬剤組成物の量は、1mL以下の全体容積である。その密封容器中に収容されている薬剤組成物は、また、好ましくは、投与のための1回分の沈澱タンパク質を含む量である。
一実施形態において、その薬剤組成物は、注射によって投与するための十分に注射可能な形態をしている。好ましい実施形態において、その薬剤組成物は、IM注射、SC注射、IT注射、またはIA注射によって、そしてより好ましくは、18ゲージ以下の皮下注射針により投与可能である。注射によって投与する場合、その薬剤組成物は、例えば注射器などの注射器具に入れられており、好ましくは、注射器は18ゲージ以下の皮下注射針を有する。
他の態様において本発明は、沈澱タンパク質を患者に投与するためにこの薬剤組成物を使用する方法を提供する。その投与は、上で述べたように好ましくは注射による。好ましくは、1mL以下の薬剤組成物の体積中に、沈澱タンパク質の1回の注射における用量が含有されている。1つの好ましい実施形態において、その薬剤組成物は、その薬剤組成物の注射適性を高める界面活性剤を含んでいる。
他の態様において、本発明は、沈澱タンパク質の長期貯蔵のためにその薬剤組成物を使用するための方法を提供する。好ましい実施形態においては、薬剤組成物は、長期貯蔵に適用するために少なくともタンパク質安定剤を含んでいる。
本発明のさらなる目的、利点、新規な特徴が、以下の実施例について検討することによって、当業者には明らかとなろう。それらの実施例は、本発明をさらに説明し、本発明の理解を助けることを目的としており、何ら本発明の範囲を限定するのではない。
乾燥したウシ免疫グロブリン(B−IgG)を150mMのNaCl、0.1%NaN中に溶解することによって、生理食塩水中でB−IgGの均一な10mg/mLの溶液(CalBiochem社、カタログ番号345876)20mLを調製し、2〜8℃に冷却する。Pluronic(商標)F127(BASF)30%(重量:容積)の脱イオン水中の原液を、該ポリマーを2〜8℃の冷水に、均一な溶液が形成されるまで時々かき混ぜて溶解させることにより、調製する。容積20mLのPluronic(商標)原液を、電磁攪拌子を備えたガラス容器に入れ、攪拌中、2〜8℃に維持する。この攪拌されているPluronic(商標)溶液に、B−IgGの溶液をゆっくりと加える。得られた混合物は直ちに沈澱を形成する。その混合物を2〜8℃で30分間攪拌する。得られた懸濁液を1300rpmで15分間遠心分離する。約39mLの上澄み液を静かに移してタンパク質含量を分析する。得られるペレット(濃縮混合物)は、濃密であるが柔軟な物質である。
実施例1に記載したように、B−IgGおよびPluronic(商標)F127の溶液を調製する。500μlのそのB−IgGの溶液を、500μlのそのF127の溶液に加える。得られた混合物を、2〜8℃で30分間にわたって端と端を反転させて(end−over−end inversion)かき混ぜる。沈殿物を、遠心分離により、そして上澄みの流体を静かに移すことによって分離する。残留しているペレット(濃縮混合物)を、次に1mLの生理食塩水を加えて再溶解させる。その塩水/ペレット混合物を2〜8℃で約16時間インキュベートし、その後、短時間かき混ぜると、透明で無色の溶液を生じる。
B−IgGの溶液に10%(重量:容積)のマンニトールを含有させること以外は、上の実施例1に記載したのと同様に、ウシ免疫グロブリンおよびPluronic(商標)F127の溶液を調製する。その溶液は次に、B−IgGの溶液をPluronic(商標)の溶液に添加することによって混合される。得られた混合物を、2〜8℃で30分間にわたって端と端とを反転させてかき混ぜる。その沈殿物を、遠心分離により分離すると、分離された沈殿物(濃縮混合物)が流体で、粘稠であることが分かる。分離した沈殿物(濃縮混合物)は、1ccのプラスチックの注射器に入れて、22ゲージの皮下注射針によって容易に分与するのに十分な注射適性を有する。
10%マンニトールの代わりに0.005%のTween(商標)を添加することを除いて、実施例3を繰り返す。得られるペレット(濃縮混合物)は、やはり柔軟で、27ゲージの皮下注射針を介して押し出すことが可能である。
マンニトールの代わりに、10%トレハロース、10%デキストロース、10%フルクトース、または1%PEG600(ポリエチレングリコール)のいずれかを添加すること以外は実施例3を繰り返す。得られるペレット(濃縮混合物)は、硬くて18ゲージ皮下注射針を通り抜けることが不可能であった。
多クローン性のウサギ抗オボアルブミン(Rabbit−anti−Ovalbumin)の15mg/mL溶液を、5mLの生理食塩水(Cappel社、カタログ番号55304)を用いて、凍結乾燥した固形物を元に戻すことにより、調製する。得られた溶液を、2〜8℃に冷却する。実施例1に記載したのと同様に、Pluronic(商標)F127の30%(重量:容積)溶液を調製する。次いで、250μlの前記抗体溶液を250μlの前記ポリマー溶液に加える。得られた混合物を、次いで2〜8℃で30分間、端と端とを反転させてかき混ぜる。沈殿物を、遠心分離し、上澄みの流体を静かに移すことによって分離する。得られたペレット(濃縮混合物)を、実施例2に記載したように、生理食塩水に再溶解する。再溶解した抗体の非特定オリゴマー化および反応性親和力の程度の分析を、それぞれサイズ排除クロマトグラフィーおよびELISAにより行う。いずれの分析でも出発時に対する再溶解のタンパク質材料の変化は検知されない。
得られたペレット(濃縮混合物)を2〜8℃で2カ月間保持することを除いて、実施例6を繰り返す。非特定オリゴマー化および/または反応性親和力のいずれにも変化は測定されず、濃縮混合物中のタンパク質が長時間にわたって安定であることを示す。
ウサギ抗オボアルブミン溶液に、0.005%のTween TMを添加することを除
いて実施例7を繰り返す。得られた濃縮混合物を2〜8℃で2カ月保持しても非特定オリゴマー化および/または反応性親和力のいずれにも変化は測定されず、濃縮混合物中のタンパク質が長時間にわたって安定であることを示す。
ウサギ抗オボアルブミン溶液に、10%のマンニトールを添加することを除いて実施例7を繰り返す。得られた濃縮混合物を2〜8℃で2カ月保持しても非特定オリゴマー化および/または反応性親和力のいずれにも変化は測定されず、濃縮混合物中のタンパク質が長時間にわたって安定であることを示す。
ウサギ抗オボアルブミン溶液に、0.005%のTween TMを添加し、得られた濃縮混合物を、該濃縮混合物を冷凍状態で−20℃または−80℃のいずれかの温度で2週間保持する凍結/解凍サイクルにかけることを除いて、実施例6を繰り返す。非特定オリゴマー化および/または反応性親和力のいずれにも変化は測定されず、濃縮混合物中のタンパク質が凍結/解凍サイクルを経ても安定であることを示す。
得られた濃縮混合物を、30%、22.5%、または15%(重量:容積)のPluronic(商標)F127を含有する水性溶液の250μlを用いて保護することを除いて実施例6を繰り返す。各試料の温度を40℃に上げ、3週間保持する。各試料とも、オリゴマー化のある程度の増加を示すが、タンパク質の反応性親和力には変化がなく、ある程度のタンパク質の劣化は起こったことを示す。
ウサギ抗オボアルブミン溶液に、10mMまたは100mMの塩化亜鉛のいずれかを添加することを除いて、実施例6を繰り返す。濃縮混合物中の沈澱タンパク質は、生理食塩水に容易に再溶解しない。
本発明の前述の論議は、例証および説明を目的として提供したものである。前述したことは、本明細書に具体的に開示した形態(1つまたは複数)のみに本発明を限定することを意図しているものではない。本発明のその説明には、1つまたは複数の実施形態および一定の変形および修正が含まれているが、例えば、本開示を理解した後の当業者の技能および知識の中にあるようなその他の変形および修正も本発明の範囲内にある。別の交換可能なおよび/または請求したものと同等の、構造、機能、範囲、または工程を、その別の交換可能なおよび/または同等の、構造、機能、範囲、または工程が、本明細書に開示されていてもいなくても含め、そして特許可能な対象はどれも公共に献呈するつもりはなく、許容される範囲で別の実施形態を含む権利を得ることを意図するものである。そのうえさらに、開示した実施形態と関連して説明した特徴はどれも、1つまたは複数の実施形態の1つまたは複数の特徴と任意の組合せで組み合わせることが可能である。例えば、追加の処理段階を、図1〜5の方法の実施形態のいずれかに開示されている処理の途中または後の任意の時点で、その段階が開示した処理と相容れないことがないない限り、含めることが可能である。そのうえ、図1〜5のいずれかに開示されている処理段階は、図1〜5に開示されている他のいずれの処理段階とも組み合わせることが可能である。
高濃度の沈澱タンパク質を含有する濃縮混合物を調製する本発明の方法の一実施形態を示す一般化した工程ブロック図。 沈澱タンパク質の濃縮混合物を貯蔵中の安定性のためにゲルの形態に転化する本発明の方法の一実施形態を示す一般化した工程ブロック図。 沈澱タンパク質の濃縮混合物を貯蔵中の安定性のために冷凍する本発明の方法の一実施形態を示す一般化した工程ブロック図。 沈澱タンパク質の濃縮混合物を沈澱タンパク質のより希薄な混合物を調製するために後から希釈する本発明の方法の一実施形態を示す一般化した工程ブロック図。 沈澱タンパク質の濃縮混合物を包装する本発明の方法の一実施形態を示す一般化した工程ブロック図。

Claims (55)

  1. 少なくとも10重量パーセントの沈澱タンパク質と、該沈殿タンパク質は、水溶液から生体適合性ポリマー沈澱剤を用いて沈澱させることにより調製されていることと、
    少なくとも10重量パーセントの水とを含有する、薬剤組成物。
  2. 少なくとも20重量パーセントの水を含有し、
    前記沈澱タンパク質が、前記沈澱の後、20重量パーセント以上の水を含有する製剤中に保持されている請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 前記水が凍結している請求項1に記載の薬剤組成物。
  4. 10〜50重量パーセントの沈澱タンパク質および50〜90重量パーセントの水を含有する請求項1に記載の薬剤組成物。
  5. 少なくとも0.1重量パーセントの前記生体適合性ポリマーを含有する請求項1に記載の薬剤組成物。
  6. 前記薬剤組成物中の前記生体適合性ポリマーの濃度が、前記沈澱の間における該生体適合性ポリマーの濃度より低い請求項1に記載の薬剤組成物。
  7. 少なくとも10重量パーセントの前記生体適合性ポリマーを含む請求項1に記載の薬剤組成物。
  8. 10重量パーセントから30重量パーセントの前記生体適合性ポリマーを含む請求項1に記載の薬剤組成物。
  9. 前記沈澱タンパク質が、前記組成物中のタンパク質全体の少なくとも95重量パーセントを構成する請求項1に記載の薬剤組成物。
  10. 前記沈澱タンパク質が、前記組成物中のタンパク質全体の少なくとも99重量パーセントを構成する請求項1に記載の薬剤組成物。
  11. 少なくとも5重量パーセントの前記生体適合性ポリマーを含む請求項10に記載の薬剤組成物。
  12. 前記生体適合性ポリマーが、ポリオキシアルキレンブロック共重合体である請求項11に記載の薬剤組成物。
  13. 前記生体適合性ポリマーが、逆熱ゲル化性ポリマーである請求項1に記載の薬剤組成物。
  14. 前記薬剤組成物が、前記生体適合性ポリマーの少なくとも一部を含み、該生体適合性ポリマーの該薬剤組成物中の濃度が、該薬剤組成物が逆熱ゲル化を示すのに十分なほど高くない請求項9に記載の薬剤組成物。
  15. 前記生体適合性ポリマーが、ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する請求項1に記載の薬剤組成物。
  16. 前記タンパク質が、高分子量タンパク質である請求項1に記載の薬剤組成物。
  17. 前記タンパク質が、抗体である請求項1に記載の薬剤組成物。
  18. タンパク質安定剤を含有する請求項1に記載の薬剤組成物。
  19. 界面活性剤を含有する請求項1に記載の薬剤組成物。
  20. 前記薬剤組成物が、注射器具中に収容された注射可能な形態である請求項1に記載の薬剤組成物。
  21. 前記注射器具が、注射器を含む請求項20に記載の薬剤組成物。
  22. 前記注射器が、18ゲージ以下の口径の皮下注射針を有する請求項21に記載の薬剤組成物。
  23. 前記薬剤組成物が、密封容器に収容されている請求項1に記載の薬剤組成物。
  24. 前記薬剤組成物が、1mL以下の全体積を有する請求項23に記載の薬剤組成物。
  25. 濃縮されたタンパク質を含有する薬剤組成物を調製する方法であって、
    沈澱タンパク質および水性液体を含有する混合物を形成するために、タンパク質の水溶液から該タンパク質を沈澱させる工程であって、該沈殿工程は、該溶液を生体適合性ポリマーの沈澱剤と接触させることを含む工程と、
    前記沈澱タンパク質を濃縮する工程であって、少なくとも10重量パーセントの前記タンパク質と少なくとも10重量パーセントの水とを含有する濃縮混合物を調製するのに十分な量の前記水性液体を前記混合物から除去することを含む工程とを有する方法。
  26. 前記濃縮する工程の後に、前記濃縮混合物中の前記水を凍結する工程を含む請求項25に記載の方法。
  27. 前記凍結する工程の後、前記濃縮混合物を凍結した状態で貯蔵し、その貯蔵後、前記濃縮混合物中の水を融解させる工程を含む請求項26に記載の方法。
  28. 前記融解する工程の後に、前記濃縮混合物を希釈する工程を有し、該希釈する工程は、水性希釈液を前記濃縮混合物と混合して、希釈混合物を形成する工程を含み、前記希釈混合物が、前記濃縮混合物中の沈澱タンパク質の濃度より少なくとも10パーセント・ポイント低い濃度で、前記沈澱タンパク質を含む請求項27に記載の方法。
  29. 前記希釈する工程の後、前記希釈混合物中の濃度が平衡に達したとき、該希釈混合物中の5重量パーセント以下のタンパク質が、該希釈混合物の水性液体中に溶解している請求項28に記載の方法。
  30. 前記融解する工程の後、水性液体中に前記沈澱タンパク質からのタンパク質を溶解させる工程を含む請求項27に記載の方法。
  31. 前記濃縮混合物中の前記沈澱タンパク質の濃度が、第1の沈殿タンパク質の濃度であり、該濃縮混合物中の前記水の濃度が、第1の水の濃度であり、
    前記濃縮する工程の後、沈澱タンパク質の希釈混合物を調製し、その希釈混合物は、第1の水の濃度より少なくとも10重量パーセント・ポイント高い第2の濃度の水と、前記第1の沈澱タンパク質の濃度より少なくとも10重量パーセント・ポイント低い第2の濃
    度の沈殿タンパク質とを含有する請求項25に記載の方法。
  32. 前記濃縮混合物が、第1の濃度の前記生体適合性ポリマーを含み、該希釈混合物が、前記生体適合性ポリマーの第1の濃度より低い第2の濃度の生体適合性ポリマーを含む請求項31に記載の方法。
  33. 前記調製が、水性希釈液を濃縮混合物と混合する工程を含む請求項32に記載の方法。
  34. 前記水性希釈液が、前記生体適合性ポリマーを実質的に含まない請求項33に記載の方法。
  35. 前記水性希釈液が、前記濃縮混合物中の前記生体適合性ポリマーの濃度より低い濃度の生体適合性ポリマーを含む請求項33に記載の方法。
  36. 前記沈澱させる工程の後に、前記沈澱タンパク質を密封容器中に包装する工程を含み、該密封容器に包装する際に、薬剤組成物中に存在する沈澱タンパク質が、少なくとも10重量パーセントの前記沈澱タンパク質と、少なくとも20重量パーセントの水との混合物を含む請求項25に記載の方法。
  37. 前記沈澱工程と前記包装する工程との間において、前記沈澱タンパク質を、少なくとも20重量パーセントの水を含有する製剤中に保持する工程を有する請求項36に記載の方法。
  38. 前記密封容器中の前記製品混合物が、1mL以下の体積を有する請求項28に記載の方法。
  39. タンパク質を貯蔵する方法であって、
    沈澱タンパク質、水および生体適合性ポリマーを含む混合物を冷凍する工程を含み、
    前記混合物が、少なくとも10重量パーセントの沈澱タンパク質、少なくとも10重量パーセントの水および少なくとも0.1重量パーセントの生体適合性ポリマーを含有する方法。
  40. 前記生体適合性ポリマーが、逆熱ゲル化性ポリマーである請求項31に記載の方法。
  41. 前記生体適合性ポリマーが、ポリオキシアルキレンブロック共重合体である請求項32に記載の方法。
  42. 前記混合物が、少なくとも5重量パーセントの生体適合性ポリマーを含む請求項39に記載の方法。
  43. 前記混合物が、少なくとも30重量パーセントの沈殿タンパク質を含む請求項42に記載の方法。
  44. 前記混合物が、少なくとも10重量パーセントの該ポリマーおよび少なくとも40重量パーセントの該沈澱タンパク質を含む請求項43に記載の方法。
  45. 濃縮タンパク質を含有する組成物を調製する方法であって、
    タンパク質および水性液体を含有する濃縮混合物を希釈して、前記濃縮混合物中より低濃度のタンパク質を含む希釈混合物を形成する工程を含み、前記希釈する工程が、前記濃縮混合物を水性希釈液と混合する工程を有し、
    前記濃縮混合物が、少なくとも20重量パーセントのタンパク質と、少なくとも10重量%の水とを含有し、前記濃縮混合物中の全タンパク質の少なくとも95重量パーセントが、沈殿物の形態であり、該濃縮混合物中の全タンパク質の5重量パーセント以下が水に溶解しており、
    前記希釈混合物の水性液体中に溶解しているタンパク質の濃度が平衡に達したとき、希釈混合物中の全タンパク質の少なくとも80重量パーセントが、沈殿物の形態であり、希釈混合物中の全タンパク質の20重量パーセント以下が、希釈混合物の水性液体中に溶解している方法。
  46. 前記濃縮混合物中の前記全タンパク質の少なくとも99パーセントが、前記沈殿物の形態であり、
    前記希釈混合物の前記水性液体中に溶解している前記タンパク質の濃度が平衡に達したとき、希釈混合物中の全タンパク質の少なくとも95パーセントが、沈殿物の形態である請求項45に記載の方法。
  47. 前記希釈混合物中の前記タンパク質の前記濃度が、前記濃縮混合物中のタンパク質の濃度より少なくとも10重量パーセント・ポイント低い請求項45に記載の方法。
  48. 前記タンパク質が、前記濃縮混合物の少なくとも40重量パーセントを構成する請求項47に記載の方法。
  49. 前記タンパク質が、前記希釈混合物の10重量パーセントから30重量パーセントを構成する請求項48に記載の方法。
  50. 前記濃縮混合物および前記希釈混合物のそれぞれが、前記沈殿物からのタンパク質の溶解を抑止する沈澱剤を含む請求項45に記載の方法。
  51. 前記沈澱剤が、生体適合性ポリマーを含む請求項50に記載の方法。
  52. 前記生体適合性ポリマーが、ポリオキシアルキレンブロック共重合体である請求項51に記載の方法。
  53. 前記濃縮混合物が、少なくとも5重量パーセントの前記生体適合性ポリマーを含む請求項52に記載の方法。
  54. タンパク質を投与する方法であって、請求項1に記載の前記薬剤組成物を患者に注射する処置を含む方法。
  55. タンパク質を貯蔵するための請求項1に記載の前記薬剤組成物の使用。
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