JP2005523012A - 癌モデル - Google Patents

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Abstract

本発明は、キメラ非ヒト動物、キメラ非ヒト動物を作製および使用するための方法、単離された幹細胞、ならびに非ヒト動物において癌を減少させる因子を同定するための方法を提供する。例えば、本発明は、幹細胞を使用して、癌または癌を発生する能力を有するキメラ非ヒト動物を作製することに関する。このような動物を使用して、腫瘍形成性、腫瘍維持、および腫瘍抑制をインビボで評価し得る。さらに、本明細書において提供されるキメラ非ヒト動物を使用して、腫瘍形成または腫瘍増殖をインビボで減少または予防する因子を同定し得る。

Description

(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/373,139号(2002年4月16日出願)および米国仮特許出願第60/374,791号(2002年4月22日)の利益を主張する。
(背景)
(技術分野)
本発明は、動物モデルを作製および使用することに関与する方法および材料に関する。具体的には、本発明は、腫瘍を有するかまたは腫瘍を発達させる能力を有するキメラ非ヒト動物を作製するために幹細胞を使用することに関する。
(2.背景情報)
トランスジェニック技術およびノックアウト技術は、動物の生殖系列が遺伝的に変化した動物を生成することを包含する。このような技術は、生物科学の全ての領域に対して大きな影響を及ぼした。例えば、トランスジェニックマウスは、免疫、癌発生、および脳機能において特定のポリペプチドが果たす役割を研究するために、免疫学、腫瘍学、および神経生物学のような分野において広く使用されている。同様に、ノックアウトマウスは、多くのポリペプチドの機能を同定するのに役立っている。
さらに、多くの疾患モデル動物が、トランスジェニック技術またはノックアウト技術を用いて作製されてきた。例えば、オンコジーンは、癌のためのマウスモデルを生成する標準的なトランスジェニック技術を使用して、マウスにおいて過剰発現されている。このようなモデルは、癌発生および軽減のみならず、癌処置についてよりよく理解するために使用されてきた。実際に、多くのあり得る癌処置は、始めに、トランスジェニック技術またはノックアウト技術のどちらかを用いて作製された癌モデルを使用して同定される。
(要旨)
本発明は、キメラ非ヒト動物、キメラ非ヒト動物を作製および使用するための方法、単離された幹細胞、ならびに非ヒト動物において癌を減少させる薬剤を同定するための方法を提供する。特に、本発明は、癌を有するかまたは癌を発生させる能力を有するキメラ非ヒト動物を作製するために幹細胞を使用することに関する。このような動物は、インビボでの癌および癌処置を研究するために使用され得る。例えば、本明細書中に提供されるキメラ非ヒト動物は、腫瘍形成、腫瘍維持、および腫瘍退縮を評価するために使用され得る。さらに、本明細書中で提供されるキメラ非ヒト動物は、インビボでの腫瘍形成または増殖を低下または予防する薬剤を同定するために使用され得る。
本発明は、単離された幹細胞が遺伝的に操作され得、その結果、それらが非ヒト動物に移植された場合、動物組織に組み込まれ、特定の細胞型に分化するだけでなく、腫瘍細胞を形成する能力を有し得る、という発見に基づく。移植された幹細胞から生じた腫瘍細胞、または移植された幹細胞に由来する分化した細胞は、代表的には培養腫瘍細胞を特定の組織に注入することから生じる、腫瘍細胞の単離された収集物であることとは対照的に、組み込まれた様式で、動物の組織内に存在し得る。さらに、本明細書中で提供されるキメラ非ヒト動物は、移植された幹細胞から生じた腫瘍細胞、または移植された幹細胞に由来する分化した細胞が、その動物に機能的に組み込まれた細胞から生じ得るという点で独特の癌モデルである。例えば、腫瘍形成性であるように操作されたヒト神経幹細胞を移植したマウスは、マウス脳に組み込まれたヒト星状細胞腫を発生させる。この組織環境において、これらの星状細胞の1以上が腫瘍細胞へと発生し得る。従って、これらのモデル内での癌進行は、例えば、レシピエント組織に組み込まれない腫瘍形成細胞を使用した場合に生じる癌進行の型よりも、天然の癌発生をもたらす事象により類似であり得る。
一般に、本発明は、動物において、少なくとも1つの異種幹細胞に由来する腫瘍細胞を含む非ヒト動物を特徴とし、ここでこの少なくとも1つの異種幹細胞は、遺伝的変化を含む。この動物は、げっ歯類であり得る(例えば、マウスまたはラット)。この動物は、免疫無防備状態であり得る。例えば、動物は、SCIDマウスであり得る。この少なくとも1つの異種幹細胞は、マウス細胞またはヒト細胞であり得る。この少なくとも1つの異種幹細胞は、神経幹細胞、胚性幹細胞、または組織特異的幹細胞であり得る。この少なくとも1つの異種幹細胞は、分化した細胞(例えば、分化した星状細胞、分化した肝細胞、または分化した膵臓細胞)であり得る。この分化した細胞は、培養細胞から生成され得る(例えば、星状細胞、メラニン細胞、膵臓細胞、乳腺上皮細胞、または肝細胞)。その遺伝的変化は、導入された核酸分子を含み得る。導入された核酸分子は、ポリペプチドをコードし得る。このポリペプチドは、オンコジーン産物であり得る。このポリペプチドは、H−RAS、上皮増殖因子レセプター、ErbB2、またはMDM2であり得る。このポリペプチドは、少なくとも1つの異種肝細胞によって発現され得る。その遺伝的変化は、変異を含み得る。この変異は、腫瘍サプレッサ遺伝子中に存在し得る。その腫瘍サプレッサ遺伝子は、p16INK4a、pl9ARF、PTEN、またはpRBをコードし得る。その遺伝的変化は、導入された核酸分子をさらに含み得る。この少なくとも1つの異種幹細胞は、腫瘍サプレッサ遺伝子の減少した発現を有し得る。この少なくとも1つの異種幹細胞は、減少した腫瘍サプレッサ活性を有し得る。腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞であり得る。
別の実施形態において、本発明は、単離された幹細胞を特徴とし、この単離された幹細胞は、INK4a/ARF−/−である。この単離された幹細胞は、脳組織、膵臓組織、または肝臓組織から単離され得る。この単離された幹細胞は、分化した細胞(例えば、分化した星状細胞、分化したメラニン細胞、分化した肝細胞、または分化した膵臓細胞)であり得る。分化した細胞は、培養細胞から生成され得る(例えば、星状細胞、メラニン細胞、肝細胞、乳腺上皮細胞、または膵臓細胞)。
本発明の別の実施形態は、キメラ非ヒト動物を作製するための方法を特徴とする。この方法は、(a)幹細胞を遺伝的に変化させる工程、および(b)この幹細胞を非ヒト動物に導入し、それによって、キメラ非ヒト動物を形成する工程を包含し、ここでこのキメラ非ヒト動物は、幹細胞のうちの少なくとも1つから腫瘍細胞を発生させる。このキメラ非ヒト動物は、げっ歯類であり得る(例えば、マウスまたはラット)。この幹細胞は、マウス細胞またはヒト細胞であり得る。この幹細胞は、胚性幹細胞、組織特異的幹細胞または分化した細胞であり得る。工程(a)は、核酸分子を幹細胞に導入する工程を包含し得る。この核酸分子は、ポリペプチドをコードし得る。このポリペプチドは、オンコジーン産物であり得る。工程(a)は、幹細胞に変異を導入する工程を包含し得る。この変異は、腫瘍サプレッサ遺伝子に存在し得る。この変異は、幹細胞内の腫瘍サプレッサ遺伝子の発現を減少させ得る。この腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞であり得る。
本発明の別の実施形態は、癌モデルを作製するための方法を特徴とする。この方法は、(a)減少した腫瘍サプレッサ遺伝子発現または増加したオンコジーン発現を有するように、幹細胞を遺伝的に変化する工程、(b)その幹細胞を少なくとも1つの非ヒト動物に導入する工程、および(c)その少なくとも1つの非ヒト動物から癌性非ヒト動物を同定する工程、を包含し、ここで、この癌性非ヒト動物は、少なくとも1つの上記導入された幹細胞を起源とする腫瘍細胞を含む。上記癌モデルは、マウスであり得る。上記幹細胞は、マウス細胞またはヒト細胞であり得る。上記幹細胞は、胚性幹細胞、組織特異的幹細胞、または脱分化細胞であり得る。工程(a)は、インビトロで実施され得る。上記腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞であり得る。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの異種幹細胞を含む非ヒト動物を特徴とし、その少なくとも1つの異種幹細胞は、腫瘍形成性である。上記動物は、げっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)であり得る。上記動物は、免疫無防備状態であり得る。上記動物は、SCIDマウスであり得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、マウス細胞またはヒト細胞であり得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、神経幹細胞、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞であり得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、脱分化細胞(脱分化星状細胞、脱分化肝細胞、または脱分化膵臓細胞)であり得る。上記脱分化細胞は、培養細胞(例えば、星状細胞、腫瘍形成性、膵臓細胞、乳房上皮細胞、または肝細胞)から産生され得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、わずかに腫瘍形成性、中程度に腫瘍形成性、または高度に腫瘍形成性であり得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、遺伝的変化を含み得る。上記遺伝的変化は、導入された核酸分子を含み得る。上記導入された核酸分子は、ポリペプチドをコードし得る。上記ポリペプチドは、オンコジーン産物であり得る。上記ポリペプチドは、H−RAS、上皮増殖因子レセプター、ErbB2、またはMDM2であり得る。上記ポリペプチドは、上記少なくとも1つの異種幹細胞によって発現され得る。上記遺伝的変化は、変異を含み得る。上記変異は、腫瘍サプレッサ遺伝子においてであり得る。上記腫瘍サプレッサ遺伝子は、ポリペプチド(例えば、p16INK4a、p19ARF、PTEN、またはpRB)をコードし得る。上記遺伝的変化は、導入された核酸分子をさらに含み得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、上記腫瘍サプレッサ遺伝子の減少した発現を有し得る。上記少なくとも1つの異種幹細胞は、減少した腫瘍サプレッサ活性を有し得る。上記動物は、上記少なくとも1つの異種幹細胞を起源とする腫瘍細胞を、上記動物において含み得る。上記腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞であり得る。
別の局面において、非ヒト動物において癌を減少させる因子を同定するための方法を特徴とする。この方法は、(a)試験因子を上記動物に投与する工程であって、その動物は、少なくとも1つの異種幹細胞を起源とする腫瘍細胞をその動物中に含む、工程、および(b)その試験因子は、その動物内のその腫瘍細胞の数を減少させるか否かを決定する工程であって、その動物内のその腫瘍細胞の数の減少は、その試験因子が上記の因子であることを示す、工程、を包含する。上記非ヒト動物は、げっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)であり得る。上記幹細胞は、遺伝的変化を含み得る。上記遺伝的変化は、導入された核酸分子を含み得る。上記導入された核酸分子は、ポリペプチドをコードし得る。上記ポリペプチドは、オンコジーン産物であり得る。上記遺伝的変化は、変異を含み得る。上記変異は、腫瘍サプレッサ遺伝子であり得る。上記腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞であり得る。
他のように規定されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および物質と類似するかまたは等価である方法および物質が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および物質は、以下に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(定義を含む)が、支配する。さらに、上記の物質、方法および実施例は、単なる例示であって、限定することは意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。
(詳細な説明)
本発明は、癌モデルおよび癌の処置に関連する方法および物質を提供する。具体的には、本発明は、キメラ非ヒト動物、キメラ非ヒト動物を生成する方法およびキメラ非ヒト動物を使用する方法、単離された幹細胞、非ヒト動物において癌を減少する因子を同定するための方法を提供する。例えば、本発明は、癌を有するキメラ非ヒト動物または癌を発症する能力を有する非ヒトキメラ動物を生成するために幹細胞を使用することに関する。
(1.キメラ非ヒト動物)
本発明は、異種幹細胞を有する非ヒト動物を提供する。用語「非ヒト動物」とは、ヒト以外の任意の動物を指す。非ヒト動物の例としては、水生動物(例えば、魚類、サメ、イルカなど)、農園動物(例えば、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ウサギなど)、げっ歯類(例えば、ラット、モルモット、およびマウス)、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、サル、およびチンパンジー)、および家畜(イヌおよびネコ)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で提供される非ヒト動物は、免疫無防備状態または免疫欠損状態であり得る。例えば、非ヒト動物は、SCID動物(例えば、X連鎖SCID動物またはRAG1−/−動物もしくはRAG2−/−動物)であり得る。用語「異種」とは、特定の動物および細胞に関して本明細書中で使用される場合、その特定の動物において通常見出される細胞とは遺伝的に異なる任意の細胞を指す。例えば、すべてのヒト細胞は、マウスに対して異種である。さらに、特定のマウスから抽出され、遺伝的に変化し(例えば、cDNAを発現する構築物でトランスフェクトされ)、同じ特定のマウス中に移植して戻された、マウス細胞は、その特定のマウスにおいて通常見出される細胞が、その導入された遺伝的変化を欠く限り、その特定のマウスに対して異種であると考えられる。さらに、あるマウス系統から抽出されたマウス細胞は、異なる系統のマウスに対して異種である。
用語「幹細胞」とは、本明細書中で使用される場合、分化細胞を生じる特化していない細胞を指す。例えば、NSCは、特化した神経細胞(例えば、ニューロン、星状細胞、稀突起神経膠細胞)を生じ得る、特化していない神経細胞である。幹細胞は、細胞マーカーを使用して他の細胞から識別され得る。代表的には、多能性神経幹細胞は、ネスチンを発現し、多能性神経膠前駆細胞は、A2B5を発現し、ニューロン前駆細胞は、Pax6、MAP2、およびTuj1を発現し、稀突起神経膠前駆細胞は、Olig2およびSox10を発現し、未成熟稀突起神経膠細胞は、O4を発現し、成熟稀突起神経膠細胞は、MBPおよびGalCを発現し、未成熟星状細胞は、S100βを発現し、成熟星状細胞は、GFAPを発現し、成熟ニューロンは、NeuNおよびシナプトフィシンを発現し、肝臓幹細胞は、PDX−1、AFP、サイトケラチン19、サイトケラチン14およびOV−6を発現し、成熟肝細胞は、アルブミン、トランスフェリン、およびα−1アンチトリプシンを発現し、膵臓幹細胞は、PDX−1およびサイトケラチン19を発現し、成熟内分泌膵臓細胞は、カルボキシペプチダーゼAおよびアミラーゼを発現し、そして成熟内分泌膵臓細胞は、グルカゴンおよびインスリンを発現する。
本明細書中で提供される非ヒト動物は、任意の型の幹細胞を保有し得る。例えば、非ヒト動物は、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞を保有するように形成され得る。組織特異的幹細胞の例としては、NSC、肝臓特異的幹細胞、膵臓特異的幹細胞、造血性特異的幹細胞、乳房特異的幹細胞および骨髄間質特異的幹細胞が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、幹細胞は、ヒト、サル、ブタ、イヌ、ウサギ、モルモット、マウスおよびラットを含むがこれらに限定されない、任意の型の動物由来であり得る。あらゆる方法が、幹細胞を得るために使用され得る。このような方法としては、標準的な幹細胞単離技術および細胞選択技術が挙げられるがこれらに限定されない(例えば、Gussoniら、Nature 401:390−394(1999);Brustleら、Science,285:754−756(1999);およびKrauseら、Cell,105:369−377(2001)を参照のこと)。あるいは、幹細胞株は、種々の公的および私的な供給源(例えば、組織受託所)から入手され得る。
非ヒト動物内の幹細胞は、脱分化細胞であり得る。例えば、幹細胞は、分化した細胞(例えば、星状細胞)から脱分化して、未分化細胞(例えば、NSC)を形成した細胞であり得る。任意の分化した細胞は、脱分化して幹細胞を形成し得る。例えば、星状細胞、膵臓腺房細胞、腫瘍形成性および肝細胞が脱分化して幹細胞を形成し得る。代表的には、脱分化した細胞は、分化した培養細胞(例えば、培養星状細胞、培養膵臓腺房細胞、培養腫瘍形成性および培養肝細胞)から産生される。任意の方法を用いて、脱分化細胞を得ることができる。このような方法としては、本明細書中に記載される遺伝的方法および培養方法が挙げられるがこれらに限定されない。
任意の方法を用いて、異種幹細胞を含む非ヒト動物を作製し得る。例えば、幹細胞は、非ヒト動物に注射され得る。幹細胞は、移植され得、その結果、レシピエントの組織が成体の非ヒト動物内の組織となる。幹細胞は任意の部位(血液を含む)に投与され得るが、代表的には、特定の組織(例えば、骨、筋肉、肺、膵臓、前立腺、肝臓または脳)に投与される。例えば、NSCは、脳組織に直接注射され得るが、一方で、肝臓特異的幹細胞は、肝臓組織または門脈に注射され得る。他の投与経路としては、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、くも膜下腔内、および皮内投与が挙げられるがこれらに限定されない。幹細胞は、単回投与または複数回投与(例えば、2、3、4またはそれ以上の投与)で投与され得る。さらに、任意の量の幹細胞が、非ヒト動物に投与されて、異種幹細胞を含む非ヒト動物を作製し得る。代表的には、げっ歯類に投与される幹細胞の数は、約10個と約1010個の間の幹細胞(例えば、1回の投与あたり、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個の幹細胞)である。げっ歯類よりも大きい非ヒト動物を作製する場合は、1010個より多くの幹細胞が用いられ得る。
本明細書中で提供される非ヒト動物は、遺伝的変化を有する幹細胞を含み得る。例えば、非ヒト動物内の幹細胞は、導入された核酸分子を含むように設計され得る。代表的には、導入された核酸分子は、幹細胞のゲノムに組み込まれる。任意の方法を用いて、幹細胞に核酸分子を導入し得る。例えば、リン酸カルシウム沈降、エレクトロポレーション、リポフェクション、マイクロインジェクションおよびウイルス媒介性の核酸送達法を用いて、幹細胞に核酸分子を導入し得る。さらに、核酸分子は、トランスジェニック技術を用いて幹細胞に導入され得る。
さらに、導入された核酸分子は、ポリペプチドをコードし得る。このようなポリペプチドとしては、転写因子、酵素(例えば、テロメラーゼ)、レセプター、リガンド、接着分子、トランスポーター、オンコジーン産物および腫瘍サプレッサ遺伝子産物が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、コードされたポリペプチドは、細胞周期の制御、細胞生存、細胞侵襲または転移に関与するポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態において、ヒト幹細胞は、テロメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を含むように操作され得る。本明細書中で使用される場合、用語「オンコジーン産物」は、オンコジーンによりコードされるポリペプチドをいう。本明細書中で使用される場合、用語「腫瘍サプレッサ遺伝子産物」は、腫瘍サプレッサ遺伝子によりコードされるポリペプチドをいう。オンコジーン産物の例としては、K−RAS、H−RAS、上皮成長因子レセプター(EGFR)、MDM2、HER2/Neu、erb−B2、TGFβ、RhoC、AKTファミリーメンバー、myc、サイクリンD1、プロラクチン、β−カテニン、PGDF、C−MET、PI3K−CA、CDK4およびBcl2抗アポトーシスファミリーメンバー(例えば、Bcl2)、ならびにこれらの活性化形態が挙げられるがこれらに限定されない。EGFRの活性化形態は、本明細書中でEGFRと示される。腫瘍サプレッサ遺伝子産物の例としては、p16INK4a、p19ARF(ヒトについてはp14ARF)、p53、PTEN、pRB、SMAD4、MADファミリーメンバー(例えば、MXI1)、APC(MIN)、LKB1、LATS、Apaf1、カスパーゼ8、APC、DPC4、KLF6、GSTP1、ELAC2/HPC2またはNKX3.1、ATM、CHK2、ATR、BRCA1、BRCA2、MSH2、MSH6、PMS2、Ku70、Ku80、DNA/PK、XRCC4およびMLH1が挙げられるがこれらに限定されない。腫瘍サプレッサ遺伝子産物の他の例としては、p53経路および/またはpRB経路に関与するポリペプチドが挙げられるがこれらに限定されない。導入される核酸分子は、アンチセンス分子および/またはリボザイムをコードし得る。
幹細胞への遺伝的変化は、変異を含み得る。例えば、幹細胞のゲノム配列は、ポリペプチドの変異したバージョンが発現されるように変異され得る。この場合、変異したポリペプチドは、変異していないポリペプチドの機能とは異なる機能を有し得る。あるいは、幹細胞のゲノム配列は、ポリペプチドの発現が増加または減少するように変異され得る。ポリペプチドの発現は、ポリペプチドをコードする配列の上流に強力なプロモーター配列を挿入することによって増加され得る。ポリペプチドの発現は、ポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、腫瘍サプレッサ遺伝子産物)を中断することによって減少され得る。ノックアウトマウスを作製するために用いられるのと同じ技術を用いて、核酸配列を中断し得る。ポリペプチドの発現を減少するのに用いられ得る他の技術としては、アンチセンス技術、RNA干渉技術およびリボザイム技術が挙げられるがこれらに限定されない。RNA干渉は、標的メッセンジャーRNAに相補的な二本鎖RNAを細胞に導入することによって誘導され得る。標的メッセンジャーRNAは、腫瘍サプレッサ遺伝子(例えば、p53、p16、p27、PTEN、BRCA1およびBRCA2)によって転写され得る。遺伝的変化は、化学変異誘発技術を用いても、幹細胞に導入され得る。
任意の核酸配列が、遺伝的に変化され得る。例えば、イントロン配列、エキソン配列および調節塩基配列(例えば、プロモーター、エンハンサーおよびサイレンサー)が変化され得る。さらに、腫瘍サプレッサ遺伝子(例えば、INK4a/ARF、p53およびPTEN)が変化され得る。例えば、幹細胞の腫瘍サプレッサ遺伝子は、幹細胞が減少した腫瘍サプレッサ活性を示すように遺伝的に変化され得る。腫瘍サプレッサ活性の減少は、特定の腫瘍サプレッサ遺伝子産物の発現について細胞を試験することによって決定され得る。例えば、ウェスタンブロットを用いて、細胞集団が、特定の腫瘍サプレッサ遺伝子産物を発現するか否かを決定し得る。さらに、腫瘍サプレッサ活性の減少は、細胞を動物に挿入し、これらの細胞を腫瘍細胞を形成する能力についてモニタリングすることによって機能的に評価され得る。減少した腫瘍サプレッサ活性を有する細胞は、減少した腫瘍サプレッサ活性を有さない細胞よりも頻繁に、そして/または急速に腫瘍を形成し得る。
さらに、幹細胞は、誘発性の様式で制御される核酸配列を含むように遺伝的に変化され得る。例えば、導入される核酸分子は、誘発性のプロモーター系(例えば、他で記載されるテトラサイクリン制御プロモーター系(例えば、PCT/US02/09710を参照のこと))の制御下でオンコジーン産物をコードするように設計され得る。この場合、例えば、動物の飲料水を介して動物に誘発剤(例えば、テトラサイクリンまたはドキシサイクリン)を投与すると、コードされたポリペプチドの発現が生じ得る。さらに、導入される核酸配列は、プロモーター配列に作動可能に連結されたポリペプチドコード配列を含み得る。プロモーター配列は、一般的なプロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター)または組織特異的プロモーター(例えば、黒色腫細胞でポリペプチドを発現させるためのチロシナーゼプロモーター;腫瘍形成性でポリペプチドを発現させるためのTRP2プロモーター;乳房細胞および/または乳癌でポリペプチドを発現させるためのMMTVプロモーターまたはWAPプロモーター;腸細胞および/または腸癌でポリペプチドを発現させるためのVillinプロモーターまたはFABPプロモーター;膵臓β細胞でポリペプチドを発現させるためのRIPプロモーター;ケラチン細胞でポリペプチドを発現させるためのケラチンプロモーター;前立腺上皮でポリペプチドを発現させるためのProbasinプロモーター;CNS細胞および/またはCNS癌でポリペプチドを発現させるためのネスチンプロモーターまたはGFAPプロモーター;ニューロンでポリペプチドを発現させるためのチロシンヒドロキシラーゼプロモーターまたはS100プロモーター;ならびに心臓細胞でポリペプチドを発現させるためのαミオシンプロモーター)であり得る。例えば、胚性幹細胞は、オンコジーンをコードする核酸配列に作動可能に連結されているチロシンヒドロキシラーゼプロモーター配列を含むように設計され得、その結果、例えば、ドパミン作動性ニューロンに分化する細胞が、コードされたオンコジーン産物を発現し得る。
幹細胞は、制御された様式で核酸配列を切除し得る核酸配列を含むように遺伝的に変化され得る。例えば、cre−loxシステムを用いて、LoxP部位で挟まれた核酸を切除し得る。1つの例において、幹細胞は、LoxP部位で挟まれた腫瘍サプレッサ遺伝子を含むように設計され得る。この場合、creリコンビナーゼ発現の誘導により、LoxP部位で挟まれた腫瘍サプレッサ遺伝子配列の除去を生じ、従って、腫瘍サプレッサ遺伝子産物の発現を減少し得る。
1つの実施形態において、非ヒト動物の異種幹細胞は、遺伝的に変化され、それにより腫瘍形成性になる。例えば、幹細胞は、遺伝的に変化された結果、遺伝的変化を欠く幹細胞より腫瘍形成性になり得る。代表的に、腫瘍形成性幹細胞は、オンコジーン産物をコードする1つ以上の核酸分子の挿入によって、そして/または1つ以上の腫瘍サプレッサ遺伝子産物の発現を減少させることによって、作製され得る。腫瘍形成性幹細胞を産生するために使用され得る遺伝的変化の例としては、p16INK4a発現の減少およびp19ARF発現の減少と組み合わされたEGFR発現をもたらす遺伝的変化(例えば、EGFR*+およびINK4a/ARF−/−遺伝子型を産生する変化)、p53発現の減少と組み合わされたPDGF発現をもたらす変化(例えば、PDGFおよびp53−/−遺伝子型を産生する変化)、p53発現の減少と組み合わされたTGFα発現をもたらす変化(例えば、TGFαおよびp53−/−遺伝子型を産生する変化)、ならびにPTEN、p16INK4a、およびp19ARF発現の減少をもたらす変化(例えば、PTEN−/−およびINK4a/ARF−/−の遺伝子型を産生する変化)が挙げられるが、これらに限定されない。
以下をもたらす遺伝的変化を有する幹細胞は、脳腫瘍細胞へと発達し得る:(1)p16INK4a発現の減少およびp19ARF発現の減少と組み合わされたEGFR発現、または(2)p53発現の減少と組み合わされたPDGF発現。p53発現の減少と組み合わされたTGFα発現をもたらす遺伝的変化を有する幹細胞は、膵臓腫瘍細胞へと発達し得る。PTEN、p16INK4a、およびp19ARF発現の減少をもたらす遺伝的変化を有する幹細胞は、リンパ腫、胃腸リンパ腫、褐色細胞腫(pseocromocytoma)、および肉腫へと発達し得る。
遺伝的変化は、インビボで実行され得る。例えば、培養物中の幹細胞は、その細胞に、感染細胞のゲノム内に組み込む能力を有するウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルスベクターなどのレトロウイルスベクター)を感染させることによって遺伝的に変化され得る。核酸を幹細胞内に導入するために使用され得る他のウイルスベクターとしては、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、およびレンチウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、遺伝的変化は、標準的トランスジェニック技術および/または標準的ノックアウト技術を介して幹細胞内に導入され得る。例えば、EGFRを発現する幹細胞は、標準的トランスジェニック技術を使用して産生されるEGFR*+動物から得られ得る。同様に、INK4a/ARF−/−遺伝子型を有する幹細胞は、標準的ノックアウト技術を使用して、INK4a/ARF−/−動物から得られ得る。
腫瘍形成性幹細胞は、高度に腫瘍形成性であっても、中程度に腫瘍形成性であっても、またはわずかに腫瘍形成性であってもよい。細胞に関して本明細書中で使用される場合、用語「高度な腫瘍形成性」は、標準的腫瘍形成性アッセイにおいて、(1)試験動物の少なくとも60%が、投与の12週間以内に腫瘍細胞を発達させること、(2)試験動物の少なくとも80%が、投与の20週間以内に腫瘍細胞を発達させること、または(3)試験動物の少なくとも90%が、投与の6ヶ月以内に腫瘍細胞を発達させることをもたらす、細胞をいう。細胞に関して本明細書中で使用される場合、用語「中程度の腫瘍形成性」は、標準的腫瘍形成性アッセイにおいて、(1)試験動物の30%〜59%が、投与の12週間以内に腫瘍細胞を発達させること(2)試験動物の30%〜79%が、投与の20週間以内に腫瘍細胞を発達させること、または(3)試験動物の少なくとも40%〜89%が、投与の6ヶ月以内に腫瘍細胞を発達させることをもたらす細胞をいう。細胞に関して本明細書中で使用される場合、用語「わずかな腫瘍形成性」は、標準的腫瘍形成性アッセイにおいて、(1)試験動物の5%〜29%が、投与の12週間以内に腫瘍細胞を発達させること、(2)試験動物の15%〜29%が、投与の20週間以内に腫瘍細胞を発達させること、または(3)試験動物の15%〜39%が、投与の6ヶ月以内に腫瘍細胞を発達させることをもたらす、細胞をいう。
標準的腫瘍形成性アッセイは、0日目に単回の注射を介して10細胞/動物を投与することによって実施される。各投与の濃度は、10〜10細胞/μLである。細胞は、細胞の型に基づき、適切な組織または区分に注射される。例えば、NSCは、脳組織内に投与され、一方、肝臓特異的幹細胞は、門脈内に注射され、そして造血性特異的幹細胞は、血液中に注射される。胚性幹細胞は、動物の任意の領域に注射される。例えば、胚性幹細胞は、神経区分(例えば、脳)または乳房組織に注射され得る。試験される各時点(例えば、投与の12週間後、20週間後、および6ヶ月後)について、少なくとも10匹の動物が用いられる。試験される時点に達してすぐ、その群の動物が、腫瘍細胞の存在について試験される。腫瘍細胞の存在を同定するために、任意の方法が使用され得る。例えば、組織サンプルが組織学的に検査され得るか、血液サンプルが癌マーカーの存在について評価され得るか、または動物の健康が癌の臨床的兆候の存在について評価され得る。腫瘍細胞を含む動物を同定するために使用され得る他の方法としては、ヒトにおける腫瘍細胞を同定するために慣用的に使用される方法(例えば、超音波技術、X線、細胞ベースの染色アッセイ、PCRベースのアッセイ、および生化学的アッセイ)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、動物生存は、腫瘍細胞を含む動物を同定するために使用され得る。この場合、腫瘍細胞の存在は、癌の兆候について、動物の身体を検査することで、確かめられ得る。
本発明はまた、その動物中に少なくとも1つの異種幹細胞に由来する腫瘍細胞を含む非ヒト動物を提供する。再び、この異種幹細胞は、本明細書中で記載される幹細胞のいずれでもあり得る。例えば、幹細胞は、遺伝的変化(例えば、EGFRをコードする導入された核酸分子)を有する組織特異的幹細胞(例えば、NSC)であり得る。非ヒト動物内の腫瘍細胞は、任意の型の腫瘍細胞(例えば、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、原発性脳腫瘍細胞(例えば、グリオーマ)、リンパ腫細胞(例えば、急性リンパ芽球性白血病細胞)、肉腫細胞、非小細胞肺癌腫、腎細胞癌腫細胞、頭部腫瘍細胞または頚部腫瘍細胞、前立腺腫瘍細胞、膀胱癌腫細胞、または基底細胞癌腫細胞)であり得る。さらに、非ヒト動物内の腫瘍細胞は、腫瘍細胞が、移植された幹細胞、または移植された幹細胞に由来する任意の細胞(例えば、分化した細胞)から腫瘍細胞が生じる場合、その移植された幹細胞起源である。腫瘍細胞と移植された幹細胞との間の関係は、種々の技術を用いて確認される。これらの技術としては、免疫学的アッセイ、生化学的アッセイ、および遺伝学的アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、PCRは、移植された幹細胞が有するのと同じ遺伝子マーカーを有する腫瘍細胞を同定するために使用され得る。遺伝学的試験または生化学的試験によって、腫瘍細胞がレシピエント動物の細胞より移植された幹細胞により類似することが明らかになった場合、本発明の目的の上で、腫瘍細胞は、移植された幹細胞起源である(すなわち移植細胞から発達する)といわれる。例えば、ヒト幹細胞がマウスに投与され、そして腫瘍細胞が発達する場合、これらの腫瘍細胞は、これらの腫瘍細胞が、マウスと対比して、遺伝的にヒト細胞に類似するという条件で、ヒト幹細胞に起源する細胞であると考えられる。幹細胞は、レシピエント動物によって発現されない、検出可能なポリペプチドマーカー(例えば、GFPまたはルシフェラーゼ)を発現するように設計され得ることが留意される。このような場合、検出可能なポリペプチドマーカーを発現する細胞は、動物の細胞と対比して、移植された幹細胞に起源する(すなわちこれから発達する)と同定され得る。
(2.単離された幹細胞)
本発明は、単離された幹細胞を提供する。このような幹細胞は、幹細胞を腫瘍形成性(例えば、高度に腫瘍形成性、中程度に腫瘍形成性、またはわずかに腫瘍形成性)にする遺伝的変化を含み得る。例えば、単離された幹細胞は、オンコジーン産物をコードする、導入された核酸分子を含み得る。単離された幹細胞は、INK4a/ARF−/−幹細胞であり得る。代表的には、INK4a/ARF−/−幹細胞は、INK4a/ARF−/−動物(例えば、INK4a/ARF−/−ノックアウトマウス)から得られる。動物からINK4a/ARF−/−幹細胞を単離する場合、任意の組織が使用され得る。例えば、INK4a/ARF−/−幹細胞は、脳組織、膵臓組織、または肝臓組織から単離され得る。単離された幹細胞は、本明細書中で記載されるような脱分化細胞であり得る。例えば、単離された幹細胞は、培養物中で維持された脱分化星状細胞であり得る。本明細書中で記載される方法は、単離された脱分化細胞を得るために使用され得る。
幹細胞を同定するために、任意の方法が使用され得る。このような方法としては、未分化幹細胞に関係するポリペプチドを標識する細胞染色技術が挙げられるが、これに限定されない。
(3.非ヒト動物中で癌を軽減する因子の同定)
非ヒト動物において癌を軽減する因子は、(1)試験因子を、腫瘍細胞を含む非ヒト動物に投与すること、および(2)投与した試験因子が、動物内の腫瘍細胞の数を減少したか否か、腫瘍転移を減少したか否か、新脈管形成を減少したか否か、そして/または腫瘍細胞の増加を防いだか否かを決定すること、によって同定され得る。本明細書中で記載される任意の非ヒト動物が、非ヒト動物において癌を軽減する因子を同定するために使用され得る。試験因子は、任意の化学構造を有する任意の型の分子であり得る。例えば、試験因子は、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、低分子化合物、脂質、アミノ酸、エステル、アルコール、カルボン酸、核酸、脂肪酸、またはステロイドであり得る。さらに、試験因子は、親油性、親水性、疎水性、形質膜透過性、または形質膜不透性であり得る。
試験因子は、任意の経路により非ヒト動物に投与され得る。例えば、試験因子は、全身に、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、皮下に、くも膜下腔内に、皮内にまたは経口により投与され得る。さらに、任意の量の試験因子が投与され得る。代表的には、試験因子は、非ヒト動物に顕著な副作用を引き起こさないで、腫瘍細胞への薬剤の顕著な送達を保証するために十分多量な量で、非ヒト動物に投与される。標準的薬理学的研究は、投与された所定の量に対して、腫瘍細胞に送達された薬剤の量を評価するために実施され得る。これらの研究に基づいて、投与される量は、増加も減少もされ得る。
投与された試験因子が、抗癌効果(例えば、動物中の腫瘍細胞の数の減少)を有するか否かを決定するために、任意の方法が使用され得る。固形腫瘍については、腫瘍の直径が、投与の前後で測定され得る。このような測定は、腫瘍が皮膚に位置する場合、キャリパーを使用してなされ得る。腫瘍が内蔵腔(例えば、肝臓または肺)または頭蓋内(例えば、脳内)に生じる場合、腫瘍の大きさを測定するために、画像化技術(例えば、コントラスト増強コンピュータ断層撮影法(CT)または磁気共鳴映像法(MRI)が使用され得る。他の型の腫瘍細胞の減少は、組織学的技術、生化学的技術、免疫学的技術または臨床技術を使用して評価され得る。例えば、特定の組織に腫瘍細胞が残っているか否かを決定するために、組織学的技術が使用され得る。同様に、動物の健康状態を決定するために、臨床技術が使用され、それによって癌の進行段階が評価される。癌の進行が停止する場合または回復する場合、動物の腫瘍細胞の数は、ほぼ減少した。抗癌効果を確認するために、例えば、流動支援細胞選別(FACS)または、例えばルシフェラーゼ活性を発現するように遺伝的に変化された細胞のインビボ蛍光画像のようなさらなる研究が使用され得る。
本発明は、以下の実施例で、さらに説明されるが、それは、本発明の範囲を限定しない。
(実施例1−星状細胞脱分化およびキメラ癌モデルの産生)
Ink4a/Arf(p16INK4aおよびp19ARF)の腫瘍サプレッサ機能の喪失および表皮成長因子レセプター(EGFR)の活性化は、高度悪性神経膠腫に見られる特徴的な変化である。p53、p16INK4aの喪失またはp19ARFのみの喪失ではなく、p16INK4aおよびp19ARFの両方の喪失は、EGFR経路の活性化に反応して星状細胞の脱分化を可能にする。脱分化した星状細胞は、インビトロで神経幹細胞(NSC)ならびに/または初期グリア細胞前駆体の形態的特徴および機能的特徴を獲得する。さらに、Ink4a/Arf−/− NSCおよび星状細胞を、構成的に活性なEGFR変異体対立遺伝子で形質転換する場合、その細胞型は両方とも、臨床病理学的特徴を重複して有する高度神経膠腫には完全には分化しない。これらの知見は、NSCおよび星状細胞の両方を、神経膠腫に対する等しく許容し得る区画として同定し、末端星状細胞分化の維持におけるp16INK4aおよびp19ARFの相乗的な役割に対する証拠を提供する。従って、細胞起源というよりは、むしろ特定の遺伝的経路の調整不全は、高度神経膠腫の発生および表現型に影響するようである。
星状細胞および神経幹細胞の両方が、高度悪性神経膠腫に対する細胞起源として働き得ることを示すこの研究は、神経腫瘍学および神経発生の分野の長期に継続する議論に焦点をあてる。中心となる知見は、EGF経路活性化ならびにp16INK4aおよびp19ARFの腫瘍サプレッサ機能の喪失の組合せが、その特異的細胞起源にも関わらず、一般的な高度神経膠腫表現型を引き起こすことである。さらにこの研究は、星状細胞末端分化の維持におけるInk4a/Arf腫瘍サプレッサ因子に対する新規機能およびEGFR活性化との相互作用を同定する。まとめると、これらの知見は、悪性神経膠腫の細胞起源およびこれらの致死性の高い脳腫瘍の病因におけるその特徴となる遺伝的損傷の役割に対する見識を提供する。
E13.5日、15.5日および19日の胚、出生後1日および25日ならびに加齢した成体のInk4a/Arf−/−変異体およびコントロール同腹仔由来の発達中の脳の広範囲の組織学的な分析および形態計測学的分析によって、脳の発達におけるp16INK4a機能およびp19ARF機能の非必須性を確認した(データは、示さず)。一連の細胞培養に基づいたNSCおよび皮質星状細胞の増殖および分化の分析により、これらの研究を補完した。種々のInk4a/Arf遺伝子型は、類似した形態ならびに初期NSC培養および星状細胞培養の分化マーカーを提示し(図1A)、E10.5におけるEGF反応性NSCプールの匹敵する発生(E13.5まで増殖する))を示した(図1B)−発生中のEGF反応性の増加を反映する反応速度論(Chiassonら、J.Neuroscience、19:4462〜4471(1999)およびQianら、Neuron 28:69〜80(2000))。同腹仔野生型培養に類似して、Ink4a/Arf−/− NSCは、増殖に関して完全なEGF依存性を保持していた。そして、PDGF置換は、野生型培養または変異体培養を維持し得なかった(図1C)。さらに、Ink4a/Arfの状態は、それぞれ血清およびBDNFに反応してのNSCのGFAP陽性星状細胞(93±4%)およびTUJ1陽性ニューロン(40±5%)への分化能力に影響しなかった(図1D)。
初期継代NSC培養および初期継代星状細胞培養の増殖の詳細な分析を行った。Ink4a/Arf+/+NSCおよびInk4a/Arf−/−NSCは、匹敵する増殖速度を示した(図2A)が、Ink4a/Arf−/−星状細胞は、野生型培養と比較して増殖速度が著しく増加していた(図2B)。これに対応して、初期継代星状細胞培養の細胞周期分析は、S期画分において著しい差を示した(Ink4a/Arf−/−の33% 対 +/+星状細胞の12%、各n=5培養、p<0.005)。稀突起膠細胞前駆細胞に対して示されている(Tangら、Science 291:868〜871(2001))ように、Ink4a/Arf+/+NSCは、分化が妨げられない限り無制限に増殖した。それに対して、連続的に継代したInk4a/Arf−/−星状細胞は、永久的な増殖を示したのに対して、Ink4a/Arf+/+星状細胞ならびに特にp16INK4a(Sharplessら、Nature、413:86〜91(2001))またはp19ARFを欠損する細胞は、特に、5〜7倍の個体群の増加による増殖の阻止および老化と考えられる特徴を受けた(図2C)。p16INK4a−/−またはInk4a/Arf+/+培養ではなく、p19ARF −/−培養は、中程度の速度の老化防止を示した(29%、図2C)のに対して、Ink4a/Arf−/−培養は100%不死であった。成長におけるこれらの観察された発生段階特異的相違に一致して、p16INK4aおよびp19ARFは、大規模に継代した野生型NSC培養では検出されなかった。それに対して、p16INK4aおよびp19ARFは両方とも培養したInk4a/Arf+/+星状細胞中で容易に検出された(図2D)。まとめると、これらのデータは、p16INK4aおよびp19ARFの両方が、まだ発生的に限定されているが、インビトロでのグリア系統増殖の制御において、重要な役割を果たしていることを示している。
低級の星状細胞腫から二次GBMへの進行におけるそれほど分化していない神経膠腫表現型への遷移を調査するために、星状細胞分化の維持におけるInk4a/ArfおよびEGFR経路の役割を評価した。サブコンフルエントなサイクルの早期継代GFAP初期星状細胞を、血清を追加した培地から取り出し、EGF(20mg/mL)を含む無血清培地に曝した。これらの条件下で、p16INK4aヌルマウスおよびp19ARFヌルマウス由来のすべてのInk4a/Arf+/+培養物ならびに星状細胞培養物が、生存し、増殖を続け、そして完全に分化した星状細胞の形態学的特徴および免疫組織化学的特徴を保持した(図3A)。明確に対照的に、EGF処理したInk4a/Arf−/−星状細胞は、24時間以内に収縮された細胞質を示し、そして7日〜10日の間に、培養皿から切り離され基質非依存性神経球(その属性は、NSCに帰する)として増殖し続ける小型の神経球と共存する双極細胞へと進化した(図3B)。同腹子の野生型星状細胞培養物は、EGFにおけるGFAP発現を保持した(図3B、挿入図)が、Ink4a/Arf−/−培養物は、GFAPの完全な喪失ならびに前駆体マーカーのネスチンおよびA2B5の誘導を示した(図3B、挿入図)。これらのInk4a/Arf依存性応答は、相当する程度のEGF誘発性EGFRリン酸化(図3D)、およびEGFRシグナル伝達代理物であるMAPKおよびAKTの活性化(図3C)によって証明されるように、EGFRの発現またはEGFRの活性化における相違と関連はなかった。同時に、これらのデータは、EGFR経路の活性化が、完全に分化した星状細胞を募り前駆体表現型へと脱分化させ得ること、およびこのプロセスが、p16INK4aおよびp19ARFの総合作用によって抑制されることを示す。
これらの相乗作用をさらに理解するために、本発明者らは、不死化それ自体または急速な増殖に対する能力が、EGF誘発性星状細胞の可塑性を与える重要なパラメータを表すのかどうかを尋ねた。増殖の速い速度および不死の表現型にかかわらず、長期のEGF処理に供したp53−/−星状細胞培養物は、脱分化と一致する形態学的変化も免疫組織化学的変化も誘導しなかった(図5A)。同様に、別個にp16INK4aまたはp19ARFのいずれかを欠いたマウス由来の星状細胞は、EGFに応答して脱分化しなかった(図5A)。さらに、膠細胞前駆体の形態学についてのPDGF誘導、および培養物中の長期継代後の野生型星状細胞における発現マーカーを示した以前の報告(40日;Daiら、Genes Dev.,15:1913−1925(2001))とは対照的に、50ng/mL PDGFを含む無血清培地における早期継代のInk4a/Arf−/−星状細胞培養物、p53−/−星状細胞培養物またはInk4a/Arf+/+星状細胞培養物は、脱分化を誘導しなかった(データは示さず)。従って、本明細書中で提供されたデータは、ヒトの高度な神経膠腫における未分化組織学、活性化EGFR、およびInk4a/Arfの機能の喪失(Ekstrandら、Cancer Res.,51:2164−2172(1991))、ならびに異常なPDGFシグナル伝達とより分化された組織学的表現型を有する低度の星状細胞におけるp53の機能の喪失との相関の観察に対する合理的な説明を提供する(KleihuesおよびCavenee,World Health Organization Classification of Tumours of the Nervous System,WHO.IARC(2000))。さらに、これらのデータは、星状細胞の脱分化のプロセスにおける、EGFR経路およびInk4a/Arfの機能の特異性および協同性を確証する。
インビボで、EGFR活性化とInk4a/Arf、Ink4a/Arf+/+およびInk4a/Arf−/−の状態との間の機能的関係の確認を提供するために、成体のマウスに、EGFの心室内注入を7日間行った。EGF処置は、Ink4a/Arf欠失の設定において顕著に促進される応答(図3Fおよび図3EのInk4a/Arf+/+との比較)である、未分化のネスチン−陽性細胞およびOlig2−陽性細胞(Luら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,98:10851−10856(2001)およびMarieら、Lancet,358:298−300(2001))の集団の増殖、および拡散浸透を誘導した。末端分化細胞のEGF誘導性脱分化と一致して、未分化細胞(大括弧、図3F)による十分に分化された上衣相(矢印、図3E)の完全な置換は、Ink4a/Arf−/−のマウスでは起こったが、Ink4a/Arf+/+のマウスでは起こらなかった。
この神経膠腫関連性損傷の細胞自律的な効果が、インビトロで星状細胞の脱分化を誘導し得るかどうかを決定するために、EGFRレセプターまたは野生型EGFRレセプター(EGFR−WT)をコードするレトロウイルスを、EGFを補充した無血清培地において、Ink4a/Arf+/+星状細胞およびInk4a/Arf−/−星状細胞に接種した。形質転換されたEGFRタンパク質およびEGFR−WTタンパク質の比較可能な発現を、ウェスタンブロット分析(示さず)により記録した。EGFRInk4a/Arf−/−星状細胞およびEGFR−WT Ink4a/Arf−/−星状細胞の両方が、上述の脱分化応答を再現した(各々、n=4培養物)が、この応答は、EGFR−WT Ink4a/Arf−/−培養物の場合において、EGFの補充を必要とした(図5Bおよび図5C)。EGF誘導性脱分化応答およびEGFR誘導性脱分化応答は、脱分化の速度論がEGFに対してより速い(平均8.5 対 18日、各々n=6培養物)こと(EGFRによってMAPK活性化のより緩やかな活性化と一致する知見)を除いて類似していた。注目すべきは、形質導入されたEGFRまたはEGFR−WTおよびEGFにおけるMAPKの活性化についての頑強で比較可能なレベルにもかかわらず、Ink4a/Arf+/+培養物は、いかなる条件下でも脱分化しなかった(図5D、各々n=4培養物)。EGFRを機能的に活性化することは、EGF補充の非存在下で、脱分化されたInk4a/Arf−/−EGFR培養物およびInk4a/Arf−/−EGFRNSCの生存によってさらに証明された(図5E)。その知見は、EGFリガンドの研究を実証し、そしてこれらの重要な神経膠腫損傷が、これらの癌の古典的な未分化神経膠腫表現型を推進することを示す。
本研究に記載される遺伝的に規定された主な培養物は、グリアの分化の状態が、EGFRのインビボでの形質転換作用にどのように影響するかを、直接的に評価する機会を提供した。この目的を達成するために、Ink4a/Arf−/−マウスおよびInk4a/Arf+/+マウス由来の初期継代のEGFRまたはEGFR−WTで形質導入したNSC(1回の注射あたり2×10細胞、1つの遺伝子型あたりn=6)および星状細胞(一回の注射あたり2×10細胞、1つの遺伝子型あたりn=4)を、成体のSCIDマウスの脳に正常位に移植し、そして12週間または局所神経性欠損の発症まで追跡した(表1)。星状細培養物を、腫瘍形成がインビトロで脱分化の結果である可能性を避けるために、注射の前に、血清中で維持した。Ink4a/Arf+/+NSCマウスも星状細胞のいずれもが、EGFR(またはEGFR−WT)を発現するように操作された場合でさえ、3ヶ月後に腫瘍も神経性欠損も生じなかった(表1)。対照的に、EGFRInk4a/Arf−/−NSCおよび星状細胞培養物は、4〜8週間の潜伏期間で腫瘍を容易に形成した(図4)。これらの腫瘍のクローン性を、親細胞株と比較した場合、モロニーLTRフラグメントへのハイブリダイゼーションについてアッセイされたサザンブロットでの異なるベンディングパターンの出現によって確認した(データは示さず)。EGFRInk4a/Arf−/−NSCおよび星状細胞の腫瘍形成能は、EGFRInk4a/Arf+/+コントロールとは対照的に、SCDIマウスへの皮下注射後の、腫瘍形成によってさらに実証された(図5F)。
(表I:SCID脳において正常位に移植された星状細胞およびNSCの増殖)
Figure 2005523012
特に、分化生検の反対側の末端であるにもかかわらず、EGFRInk4a/Arf−/−NSC(図4A)および星状細胞(図4B)の両方は、重複する臨床的性質、X線撮影の性質および組織病理学的性質を有する新生物を生じた。臨床的に、全ての動物は、局所神経性サインを示し、この局所神経性サインとしては、非対称性の後肢および前肢失調症(forelimb dystonia)、次いで、進行性の対麻痺が挙げられる。これらの症状は、線条におけるガドリニウムの増大した塊状病変のMRI知見に正確に一致し、そして注射に関連する神経性の外傷に影響しなかった(図4)。組織病理学的に、EGFR*Ink4a/Arf−/−NSCおよび星状細胞の両方に由来する腫瘍は、高細胞質(hypercellularity)、多形性、高い有糸分裂活性および正常な実質への焦点の侵襲を示す高いグレードの神経膠腫に似ていた(図4)。NSC由来の5つの腫瘍および星状細胞由来の3つの腫瘍は、小さい未分化細胞から構成された(図4)が、NSC由来の1つの腫瘍は、紡錘形状の細胞から構成され、そして星状細胞由来の1つの腫瘍は、上皮細胞から構成された(図5G)。細胞形態学のこの範囲は、ヒト高グレード神経膠腫の「多形(multiforme)」性質と一致する。NSCおよび星状細胞の両方に由来する腫瘍は、GFAPポジティブ(図4)であり、そしてhEGFRを強く発現した(図5G)。特に、Ink4a/Arf−/−マウス中のEGFの脳室内注入に応答して、増殖性の細胞集団について証明される(図3F)ように、Ink4a/Arf−/−NSCおよび星状細胞の両方に由来する腫瘍細胞は、強いネスチンポジティブおよびOlig2ポジティブであり(図4)、このことはインビボでの形質転換の間、EGFRを用いて形質導入されたInk4a/Arf−/−星状細胞は脱分化を起こしたこと示唆する。これらの細胞が腫瘍と混合された正常な希突起膠細胞を表さないことは、皮下腫瘍中のOlig2+細の存在によって示された(図5F)。
これらの結果は、NSCおよび星状細胞の両方が、Ink4a/Arf欠損および構成的EGFRの活性化にもかかわらず、神経膠腫細胞起源として同等に作用し得ることを示す。両方の細胞型由来の腫瘍が、不十分に分化し、形態学的に類似であることは、成熟星状細胞が、形質転換のプロセスの間、脱分化を起こすことを示す。p16INK4aもp19ARFのいずれもが、単独で、EGFに応答して誘導される星状細胞の不死化も脱分化も失わないので、これらの結果は、神経膠腫症におけるInk4a/Arf遺伝子座によってコードされる両方のタンパク質についての役割を示す。
血清中のInk4a/Arf−/−星状細胞もEGF中のp53−/−星状細胞のいずれもが脱分化しないので、両方のタンパク質の欠損に応答する、星状細胞の増殖の増加は、脱分化に十分でない。p16INK4aおよびp14ARFが、正常なヒトの脳において完全に分化した状態で星状細胞を維持することに関与する証拠が存在しないが、このデータは、これらが腫瘍形成刺激(例えば、EGFR活性化)に対する応答を調節するのに重要となることを示唆する。これらの知見は、インビボ研究を通して付加された有意性を得、このインビボ研究は、Ink4a/Arf欠損脳における脳室内EGF注射は、大量の増殖応答および勾配依存性様式において初期のグリアマーカーの迅速な誘発を誘導することを示す。
続けて、これらの観察は、GBMの起源、進化および病態生理学ならびに3つのサインの病変(EGFRの活性化ならびにp16INK4aおよびp14ARFの欠損)の役割および相互作用に関する識見を提供する。本明細書中に提供されるデータは、高いグレードの神経膠腫の生物学的挙動が、分化のグリア状態に依存しないが、特定の遺伝的要素の調節不全に依存するという証拠を提供する。
(方法および材料)
(大脳皮質および細胞数の形態計測分析)動物当たり冠状面脳区分を、マウス脳(Franklin and Paxinos,The mouse brain in stereotaxic coordinates.San Diego,Academic Press,1997)の定位図に従って、Bregmaに対して、0.5〜2.00の500μm間隔で評価した。S2体性感覚皮質の厚みならびに腹部レベルに対する背中中央での左から右の脳梁の水平距離を測定した。脳における星状細胞の数を評価するために、GFAP陽性細胞を、20倍の対物レンズ下で、10番目の区分(5μm)毎に計数した。大脳皮質について、運動性および体性感覚皮質を含む領域を選択した。海馬について、CA1および歯状回を覆う領域において20倍でGFAP陽性細胞の数を選択した。
(NSCおよび星状細胞培養技術)初代NSCを、記載されるように、E13.5胚の脳の脳室下領域から単離した(Reynolds and Weiss,Science,255:1707−1710(1992))。単一の細胞を、インシュリン/トランスフェリン(Gibco)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)、およびEGF(Gibco、20ng/mL)を含むDMEM/F12中で培養した。初代ニューロスフェアを、炎研磨ピペットを通す粉砕を使用して単一細胞内にスフェロイドを解離して継代させた。ニューロスフェアを、培地中10%FBS中において増殖させることによって第2の星状細胞に、そして脳由来増殖因子(BDNF、50ng/mL;Reynolds and Weiss.Dev.Biol.,175:1−13(1996))を含む規定培地中で増殖させることによってニューロンに分化させた。初代星状細胞を、1歳齢の仔から単離し、そしてMcCarthy and de Vellis,J.Cell Biol.,85:890−902(1980))の公開された方法に従って調製した。細胞は、10%FBS(GIBCO)を含むDMEM中で維持した。星状細胞およびNSCの一連の継代実験において、細胞を、10cmプレートのディッシュ当たり900,000細胞で播種し、次いで、分割し、計数し、5日毎に、再播種した。継代当たり集団の2倍化を、log(培養物中の5日後に計数された細胞/播種された細胞)として決定した。初代および第2の星状細胞の両方を、不死化および脱分化について分析したが、供給源からの細胞間で差異は注記されず、結果をこの分析でプールした。脱分化の時間経過を、平坦な多角形の細胞から双極細胞およびニューロスフェアを含む最終培養物への細胞の形態学における進行的な変化を測定することによって決定した。各遺伝子型の6個の独立した誘導された培養物を、脱分化実験において研究した。
(レトロウイルスベクターおよび構築物)PLGIPベクターは、好意により、J.Z.Zhang博士(The University of Kentucky,Lexington,KY)によって提供された。ベクターは、pMJ709として指定されたgfp遺伝子をポリリンカーpBlueScripto SK II(Stratagene,CA)の(BamHI−Eco109I)で置き換えることによって変化した。EGFRまたは構成的に活性な変異体(vIIEGFR、エキソン2〜7を欠く)(EGFRとして本明細書中で指定される)を、好意により、Webster Cavenee博士によって提供された。EGFRまたはWTヒトEGFRを発現するレトロウイルスベクターを構築するために、cDNA挿入物を、それぞれ、tetop−EGFR−KSまたはpPCIBA−hEGFR(H.Nakagawa,Univ.of Pennsylvania)から切り出し、そしてBamHI−NotI部位内に挿入した。
(レトロウイルスストックの作製)293T細胞(4〜6×10)を、トランスフェクションの14〜18時間前に、10cmディッシュ上に配置した。Lipofectamin Plus(Invitorogen)によるトランスフェクションを、製造業者のプロトコルに従って、実施した。レトロウイルス上清を、トランスフェクションの36〜48時間後に収集し、そして標的細胞を感染させるために使用した。播種された細胞を、4日間、2μg/mLのピューロマイシンで選択した。
(細胞株の定位的注入)注入のための細胞を、Hanks緩衝塩溶液(10,000細胞/μL)で懸濁させ、そして氷上に配置した。6週齢のSCIDマウスを、ケタミン(60mg/kg)およびキシラジン(7.5mg/kg)で麻酔し、そして耳バーを使用して、定位フレーム内に配置した。Bregmaに対して前方0.5mmおよび側方3.0mmの頭蓋骨に孔を空けた。2μLの細胞懸濁液を、26ゲージ針を使用して、脳の表面の下の右尾状核3〜5mm内に注入した。頭皮を、5.0シルク縫合糸で閉じた。動物を、神経学的欠損の発生について毎日追跡した。
(磁気共鳴画像)神経学的欠損を有するマウスを、上記のように、ケタミンおよびキシラジンで麻酔した。MR画像化を、1.5インチ表面コイルを使用することによって、1.5T超伝導磁石(Signa 5.0;GE Medical Systems,Milwaukee,Wis)を用いて実行した。従来のT1強調(300/11、反復時間ミリ秒/エコー時間ミリ秒)、T2強調(2,000/102)スピンエコー画像を、軸方向、冠状方向、および矢状方向で得た。区画の厚みは、1.5mmであり、6cmの視野、256×256マトリクスで、234×234×1500ミクロンの空間分解能を生じた。Gd−DTPA(Magnevist:Gadopentetate dimeglumine,Shering,Berlin,Germany)増強T1強調画像を、10μLのMagnevistの尾静脈注入の5分後に得た。
(脳区分化、病理学的分析、および免疫組織化学)病理学的分析について、脳を、12時間、10%ホルムアルデヒド中に固定し、そして標準的な技術によって、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)について処理した。脳全体を1〜2mmの冠状ブロックに区分化し、そして脳全体の分析を容易にするために、パラフィン埋込のための1つのカセット内に提供した。免疫組織化学分析のために、区分を標準的技術によって、ネスチン(Pharmingen)、GFAP(DAKO)、Olig2(Takebayashi)、およびSox10(Rowitch)で染色するために調製した。培養物中での細胞の免疫組織化学分析のために、細胞を、1時間4°で4%パラホルムアルデヒド中で固定し、そして標準的なプロトコルに従って、ネスチン、GFAP、A2B5(Chemicon)で染色した。
(ウェスタンブロッティング)NSCおよび星状細胞(1〜2×10)からのタンパク質溶解物を、以前に記載されたように、調製した(Sharplessら,Nature,413:86−91(2001))。40μgの溶解物を、MOPS緩衝液中の4〜12%ポリアクリルアミドゲル(Novex)上で分割した。膜を、他の箇所に記載されるように、p16INK4a、p19ARF、チューブリンについてブロットした(Sharplessら,Nature,413:86−91(2001))。使用した他の抗体(Santa Cruz)は、EGFR、EGFR−ホスホ、Akt、ホスホ−Akt、MAPK、およびホスホMAPKを、製造業者によって推奨される希釈で含んだ。
(マウス脳へのミニ浸透ポンプの移植)EGFは、30ゲージカニューレに取り付けたミニ浸透圧ポンプ(Model#1007、Alza、Palo Alto、CA)を使用して、側方脳室(λ縫合糸の前方4.0mm、中線の側方0.7mm、および硬膜の下2.5mmの座標)内に直接片側性で注入した。EGFを、1mg/mLマウス血清アルブミン(Sigma,St.Louis、MO)を含む0.9%生理食塩水中33μg/mLの初期ポンプ濃度で0.5μL/時間の流速で7日の連続日の間、注入した。
(実施例2−肝臓特異的幹細胞の単離)
肝臓再生を、成熟成体肝細胞の細胞分裂によって第1に達成した。成熟肝細胞の増殖が、抑制される場合、成熟肝細胞に増殖および分化する任意の幹細胞が出現する。肝臓幹細胞を、E10.5胚性肝臓から得た。あるいは、肝臓肝細胞を、肝臓増殖因子(HCG)
およびEGFを含む規定培地で増殖させることによって、成熟幹細胞を脱分化させることによって得た。これらの条件下において、成熟肝細胞は、特徴的なマーカーポリペプチド、アルブミンおよびチトクロムIIB1の発現を喪失し、そしてサイトケラチン14および19を含む未成熟マーカーポリペプチドを発現し始める。これらの脱分化肝細胞は、マトリゲルの存在下で、インビトロで、成熟肝細胞に再分化し得る(高濃度のラミニン、VI型コラーゲン、およびTGFβ1を含むEHSマウス肉腫から抽出されたマトリクスの市販の誘導体(Faustoら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.204:237−241(1993)およびKleinmanら,Biochem.,23:6188−93(1982))であり得る。
胎児肝臓から肝臓肝細胞を単離するために、E10.5マウス胚を使用した。胎児肝臓を単離し、氷冷したカルシウムを含まないHepes緩衝塩溶液(HBSS)中に細かく刻んだ。ペレット化胎児肝臓フラグメントを、37℃で20分間、コラーゲナーゼD(PBS中、0.2%w/v)で処理し、次いで、37℃で5分間、トリプシン(0.05%)および37℃で15分間、Dnase(0.09%)で処理した。反応を、10%ウシ血清を含む3容量のDMEMを添加することによって、停止した。細胞懸濁液を、45μmのナイロンメッシュを通して濾過し、そして細胞を、遠心分離(450g×3分)によって収集し、そして0.1%BSAを含むHBSSで2回洗浄した。野生型マウスまたはInk4a/Arf−/−またはp53−/−の欠損マウス由良の単離された幹細胞を、HGF(50ng/mL)およびEGF(50ng/mL)を含む規定培地で増殖させた。48時間の培養物中での増殖後、細胞を、VSVレトロウイルス保有EGFR−IRES−GFPまたはEGFR−IRES−LacZ構築物で感染させて、SCIDマウスへの同所移植後にドナー細胞の検出を可能にした。
(実施例3−肝臓癌モデル)
肝臓癌モデルを作製するために、肝細胞を、コードされるポリペプチドの損失または過剰発現を導く肝細胞癌に関する核酸配列の生殖系列変異を有するマウスから培養する。培養物中において、細胞を、実施例2に記載のように、成熟肝細胞として維持するか、または肝臓幹細胞に脱分化する。癌を産生するために、細胞を、血液学的に、または特定の組織の直接的接種によって(例えば、肝臓、肺または脳内に)、のいずれかで、レシピエントマウス内に注入される。次いで、動物を、本明細書中に記載されるように、癌の増殖についてモニターする。
(実施例4−膵臓特異的幹細胞の単離)
膵臓幹細胞を、2工程のプロテアーゼ消化方法を使用して、成体マウス膵臓から単離した。収集した組織を、小片に切り、そして25分間、37℃でコラーゲナーゼD(HBSS中、2.5mg/mL)で消化した。次いで、細胞をペレット化し、カルシウムを含まないPBSで洗浄し、さらに、10%ウシ血清を含む3容量のDMEMで消化した。細胞生存度を、血球計数器中のトリパンブルー排除を使用して細胞を計数することによって、決定した。一旦単離されると、膵臓幹細胞を、bFGF(20ng/mL)およびEGF(20ng/mL)を含む規定培地中で維持した。
(実施例5−膵臓癌モデル)
膵臓癌を産生するために、p53および/またはInk4a/Arf欠損マウス由来ならびにエラスターゼプロモーター下でTGFαまたはEGFを過剰発現する膵臓幹細胞を、皮下空間内に、腎臓カプセル下または成体SCIDマウスの膵臓の実質内に、整形外科的に(orthopically)注入する。本明細書中に記載されるように、マウスを、3ヶ月間にわたって、癌の産生についてモニターする。
(他の実施形態)
本発明がその詳細な説明とともに記載されるものの、上記説明は、例示することを意図し、本発明の範囲を制限しないことが理解される。他の局面、利点および改変は、本発明の範囲内である。
図1は、Ink4a/Arf +/+および−/−の神経幹細胞(NSC)および星状細胞の比較である。A.神経球のNSC形態(上図)およびネスチン染色(上挿入図)は、Ink4a/Arf +/+培養物およびInk4a/Arf −/−培養物について類似する。星状細胞形態(下図)およびGFAP染色(下挿入図)もまた、Ink4a/Arf +/+培養物とInk4a/Arf −/−培養物との間で類似する。B.E8.5(n=4)、E10.5(n=9)、E13.5(n=38)、E17.5(n=12)、P1(n=16)および成体(6週間、n=4)においてInk4a/Arf +/+の脳から単離されたEGF応答性NSCの総数。C.EGF(20ng/mL)を含むか、EGFを含まないか、PDGF(50ng/mL)を含む規定培地において生成した神経球の総数。データは、E13.5(1遺伝子型当たりn=32〜38個の胚)の線条体胚帯に存在する幹細胞の下図の平均+/−平均の標準誤差(SEM)を示す。D.Ink4a/Arf −/−(ネスチン陽性)からの、血清に応答しての星状細胞(GFAP陽性、左下)およびBDNFに応答してのニューロン(TUJ1、右下)への分化。 図2は、p16INK4aおよびp19ARFが、星状細胞の増殖を調節するように協調するがNSCの増殖を調節するようには協調しないことを、示す。A.NSCについて、およびB.星状細胞についての、Ink4a/Arf遺伝子型による連続継代の間の増殖。C.継代およびp16INK4aおよびp19ARF状態による持続増殖する星状細胞株(すなわち、「非老化(non−senesced)」;Sharplessら、Nature 413:86〜91(2001))の下図。D.Ink4a/Arf遺伝子型によるNSCおよび星状細胞におけるp16INK4aおよびp19ARFのウェスタンブロット分析。陽性コントロールは、p16INK4aおよびp19ARFを過剰発現する腫瘍細胞株である。 図3は、Ink4a/Arf −/−星状細胞が、ネスチン+、A2B5+の前駆細胞へとインビトロで分化することを示す。Ink4a/Arf +/+細胞(A)およびInk4a/Arf −/−細胞(B)が、0日目に血清から取り出され、そしてEGF中で増殖された。Ink4a/Arf −/−細胞は、形態を迅速に変化させ、生じた両極細胞および神経球は、ネスチン+かつA2B5+(二重標識挿入図、B二重標識挿入最も右の図)であるが、Ink4a/Arf +/+細胞は、脱分化せず、GFAP+のままである(挿入図、Aの最も右の図)。EGFで処理した後の示される遺伝子型の培養星状細胞のウェスタンブロット分析。C)等しいMAPKリン酸化、AKTリン酸化、およびD)EGFRリン酸化が、EGF曝露後のInk4a/Arf −/−細胞およびInk4a/Arf +/+細胞において観察される。脳室内EGF注入後の成体Ink4a/Arf +/+マウス(A)およびInk4a/Arf −/−マウス(B)の脳におけるネスチンおよびGFAPの発現。7日間の脳室内EGF後のInk4a/Arf +/+マウス(E)およびInk4a/Arf −/−マウス(F)の画像(低出力および高出力の、H&E染色、ネスチン染色およびOlig2染色)。矢印(3E)は、ほとんど分化していない前駆細胞の増殖した集団によって置換される、単一細胞の十分に分化した上衣層を示す(3F、括弧)。 図4は、Ink4a/Arf −/−のNSCおよび星状細胞におけるEGFRの発現が、高度神経膠腫を誘導することを示す。正常位移植されたInk4a/Arf −/− EGFRのNSC(A)および星状細胞(B)由来の腫瘍は、MRIにおいてガドリニウム増強し、ほとんど分化していない高度腫瘍として増殖し(40×H&E)、そしてGFAP、ネスチンおよびolig2を発現する。 図5Aは、p53−/−星状細胞、p16INK4a−/−星状細胞、およびp19ARF−/−星状細胞が、EGFに応答して分化しないことを、示す。培養物は、EGF(20ng/mL)を補充した無血清培地中で10日間増殖された。Ink4a/Arf −/−星状細胞とは対照的に、p53−/−星状細胞、p16INK4a−/−星状細胞およびp19ARF−/−星状細胞は、EGFに応答して形態を変化させず、GFAP+およびネスチン−のままであった(挿入図は、GFAP(赤色)およびネスチン(緑色)での二重標識を示す)(n=各遺伝子型について独立に誘導された4つの細胞株)。 図5Bは、野生型EGFRを発現するInk4a/Arf −/−星状細胞が、EGFを含まない無血清培地中で分化しないことを示す。 図5Cは、EGFRを発現するInk4a/Arf −/−星状細胞が、EGFを欠く無血清培地中で脱分化することを示す。 図5Dは、EGFRを発現するInk4a/Arf +/+星状細胞が、脱分化しないことを示す。 NSCにおけるEGFR発現が、リガンドを置換し得ることを示す。Ink4a/Arf −/− EGFR NSC培養物は、EGFを含まない無血清培地中で増殖された。野生型EGFRで形質導入されたInk4a/Arf −/−培養物は、これらの条件下では増殖せず、むしろアポトーシスする(示さず)。 図5Fは、EGFRで形質導入されたInk4a/Arf −/−星状細胞に由来する皮下腫瘍を示す。高度の未分化腫瘍は、頭蓋内生成する腫瘍と類似して、GFAP+、ネスチン+およびOlig2+であった。類似する組織学、ならびにGFAP、ネスチンおよびOlig2に対する免疫反応性が、EGFRで形質導入されたInk4a/Arf −/− NSCに由来する皮下腫瘍において見出された(示さず)。 図5Gは、紡錘細胞および類上皮細胞の形態が、各々由来する1つの腫瘍において観察された。すべての腫瘍は、強いhEGFR染色を示し、Ink4a/Arf −/− EGFR星状細胞に由来する1つの腫瘍について本明細書中に示されるようSox10陽性であった。

Claims (87)

  1. 非ヒト動物であって、該動物において、少なくとも1つの異種幹細胞由来の腫瘍細胞を含み、該少なくとも1つの異種幹細胞が遺伝的変化を含む、非ヒト動物。
  2. 前記動物が、げっ歯類である、請求項1に記載の動物。
  3. 前記動物が、マウスである、請求項1に記載の動物。
  4. 前記動物が、免疫無防備状態である、請求項1に記載の動物。
  5. 前記動物が、SCIDマウスである、請求項1に記載の動物。
  6. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、マウス細胞またはヒト細胞である、請求項1に記載の動物。
  7. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、神経幹細胞である、請求項1に記載の動物。
  8. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞である、請求項1に記載の動物。
  9. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、脱分化細胞である、請求項1に記載の動物。
  10. 前記脱分化細胞が、脱分化星状細胞、脱分化肝細胞、または脱分化膵臓細胞である、請求項9に記載の動物。
  11. 前記脱分化細胞が、培養細胞から生成された、請求項9に記載の動物。
  12. 前記培養細胞が、星状細胞、腫瘍形成性、膵臓細胞、哺乳動物上皮細胞および肝細胞からなる群から選択される、請求項11に記載の動物。
  13. 前記遺伝的変化が、導入された核酸分子を含む、請求項1に記載の動物。
  14. 前記導入された核酸分子が、ポリペプチドをコードする、請求項13に記載の動物。
  15. 前記ポリペプチドが、オンコジーン産物である、請求項14に記載の動物。
  16. 前記ポリペプチドが、H−RAS、上皮増殖因子レセプター、ErbB2およびMDM2からなる群から選択される、請求項14に記載の動物。
  17. 前記ポリペプチドが、前記少なくとも1つの異種幹細胞によって発現される、請求項14に記載の動物。
  18. 前記遺伝的変化が、変異を含む、請求項1に記載の動物。
  19. 前記変異が、腫瘍サプレッサ遺伝子である、請求項18に記載の動物。
  20. 前記腫瘍サプレッサ遺伝子が、p16INK4a、p19ARF、PTENおよびpRBからなる群から選択されるポリペプチドをコードする、請求項19に記載の動物。
  21. 前記遺伝的変化が、導入された核酸分子をさらに含む、請求項20に記載の動物。
  22. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、前記腫瘍サプレッサ遺伝子の減少した発現を有する、請求項20に記載の動物。
  23. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、減少した腫瘍サプレッサ活性を有する、請求項19に記載の動物。
  24. 前記腫瘍細胞が、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞または脳腫瘍細胞である、請求項1に記載の動物。
  25. INK4a/AFR−/−である、単離された幹細胞。
  26. 前記単離された幹細胞が、脳組織、膵臓組織または肝臓組織から単離された、請求項25に記載の単離された幹細胞。
  27. 前記単離された幹細胞が、脱分化細胞である、請求項25に記載の単離された幹細胞。
  28. 前記脱分化細胞が、脱分化星状細胞、脱分化腫瘍形成性、脱分化肝細胞、または脱分化膵臓細胞である、請求項27に記載の単離された幹細胞。
  29. 前記脱分化細胞が、培養細胞から生成された、請求項27に記載の単離された幹細胞。
  30. 前記培養細胞が、星状細胞、腫瘍形成性、肝細胞および膵臓細胞からなる群から選択される、請求項29に記載の単離された幹細胞。
  31. キメラ非ヒト動物を作製する方法であって、該方法は、以下:
    (a)幹細胞を遺伝的に変化させる工程、および
    (b)該幹細胞を非ヒト動物に導入し、それによって該キメラ非ヒト動物を形成する工程であって、該キメラ非ヒト動物が、該幹細胞の少なくとも1つから腫瘍細胞を発達させる、工程、
    を包含する、方法。
  32. 前記キメラ非ヒト動物が、マウスである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記幹細胞が、マウス細胞またはヒト細胞である、請求項31に記載の方法。
  34. 前記幹細胞が、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞である、請求項31に記載の方法。
  35. 前記幹細胞が、脱分化細胞である、請求項31に記載の方法。
  36. 前記工程(a)が、核酸分子を前記幹細胞に導入する工程を包含する、請求項31に記載の方法。
  37. 前記核酸分子が、ポリペプチドをコードする、請求項36に記載の方法。
  38. 前記ポリペプチドが、オンコジーン産物である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記工程(a)が、変異を前記幹細胞に導入する工程を包含する、請求項31に記載の方法。
  40. 前記変異が、腫瘍サプレッサ遺伝子内である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記変異が、前記幹細胞内の前記腫瘍サプレッサ遺伝子の発現を減少させる、請求項39に記載の方法。
  42. 前記腫瘍細胞が、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、乳房腫瘍細胞または脳腫瘍細胞である、請求項31に記載の方法。
  43. 癌モデルを作製するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)減少した腫瘍サプレッサ遺伝子発現または増加したオンコジーン発現を有するように、幹細胞を遺伝的に変化する工程、
    (b)該幹細胞を少なくとも1つの非ヒト動物に導入する工程、および
    (c)該少なくとも1つの非ヒト動物から癌性非ヒト動物を同定する工程、
    を包含し、ここで、該癌性非ヒト動物は、少なくとも1つの該導入された幹細胞を起源とする腫瘍細胞を含み、該癌性非ヒト動物は、該癌モデルである、方法。
  44. 前記癌モデルがマウスである、請求項43に記載の方法。
  45. 前記幹細胞が、マウス細胞またはヒト細胞である、請求項43に記載の方法。
  46. 前記幹細胞が、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞である、請求項43に記載の方法。
  47. 前記幹細胞が脱分化細胞である、請求項43に記載の方法。
  48. 工程(a)がインビトロで実施される、請求項43に記載の方法。
  49. 前記腫瘍細胞が、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞である、請求項43に記載の方法。
  50. 非ヒト動物において癌を減少させる因子を同定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)試験因子を該動物に投与する工程であって、該動物は、少なくとも1つの異種幹細胞を起源とする腫瘍細胞を該動物内に含む、工程、および
    (b)該試験因子が、該動物内の該腫瘍細胞の数を減少させるか否かを決定する工程であって、該動物内の該腫瘍細胞の数の減少は、該試験因子が該因子であることを示す、工程、
    を包含する、方法。
  51. 前記非ヒト動物がマウスである、請求項50に記載の方法。
  52. 前記幹細胞が遺伝的変化を含む、請求項50に記載の方法。
  53. 前記遺伝的変化が、導入された核酸分子を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記導入された核酸分子が、ポリペプチドをコードする、請求項53に記載の方法。
  55. 前記ポリペプチドがオンコジーン産物である、請求項54に記載の方法。
  56. 前記遺伝的変化が変異を含む、請求項52に記載の方法。
  57. 前記変異が腫瘍サプレッサ遺伝子である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記腫瘍細胞が、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞である、請求項50に記載の方法。
  59. 少なくとも1つの異種幹細胞を含む非ヒト動物であって、該少なくとも1つの異種幹細胞が、腫瘍形成性である、非ヒト動物。
  60. 前記動物がげっ歯類である、請求項59に記載の動物。
  61. 前記動物がマウスである、請求項59に記載の動物。
  62. 前記動物が免疫無防備である、請求項59に記載の動物。
  63. 前記動物がSCIDマウスである、請求項59に記載の動物。
  64. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、マウス細胞またはヒト細胞である、請求項59に記載の動物。
  65. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、神経幹細胞である、請求項59に記載の動物。
  66. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、胚性幹細胞または組織特異的幹細胞である、請求項59に記載の動物。
  67. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、脱分化細胞である、請求項59に記載の動物。
  68. 前記脱分化細胞が、脱分化星状細胞、脱分化肝細胞、または脱分化膵臓細胞である、請求項67に記載の動物。
  69. 前記脱分化細胞が、培養細胞から産生された、請求項67に記載の動物。
  70. 前記培養細胞が、星状細胞、腫瘍形成性、膵臓細胞、乳房上皮細胞、および肝細胞からなる群より選択される、請求項69に記載の動物。
  71. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、わずかに腫瘍形成性である、請求項59に記載の動物。
  72. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、中程度に腫瘍形成性である、請求項59に記載の動物。
  73. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、高度に腫瘍形成性である、請求項59に記載の動物。
  74. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、遺伝的変化を含む、請求項59に記載の動物。
  75. 前記遺伝的変化が、導入された核酸分子を含む、請求項74に記載の動物。
  76. 前記導入された核酸分子が、ポリペプチドをコードする、請求項75に記載の動物。
  77. 前記ポリペプチドが、オンコジーン産物である、請求項76に記載の動物。
  78. 前記ポリペプチドが、H−RAS、上皮増殖因子レセプター、ErbB2、およびMDM2からなる群より選択される、請求項76に記載の動物。
  79. 前記ポリペプチドが、前記少なくとも1つの異種幹細胞によって発現される、請求項76に記載の動物。
  80. 前記遺伝的変化が変異を含む、請求項74に記載の動物。
  81. 前記変異が、腫瘍サプレッサ遺伝子である、請求項80に記載の動物。
  82. 前記腫瘍サプレッサ遺伝子が、p16INK4a、p19ARF、PTEN、およびpRBからなる群より選択されるポリペプチドをコードする、請求項81に記載の動物。
  83. 前記遺伝的変化が、導入された核酸分子をさらに含む、請求項81に記載の動物。
  84. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、減少した前記腫瘍サプレッサ遺伝子の発現を有する、請求項81に記載の動物。
  85. 前記少なくとも1つの異種幹細胞が、減少した腫瘍サプレッサ活性を有する、請求項74に記載の動物。
  86. 前記動物が、前記少なくとも1つの異種幹細胞を起源とする腫瘍細胞を該動物内に含む、請求項59に記載の動物。
  87. 前記腫瘍細胞が、膵臓腫瘍細胞、肝臓腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、または脳腫瘍細胞である、請求項86に記載の動物。
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