JP2005521466A - ドレープ位置決めを用いる正しい外科的処置部位のマーキングシステム - Google Patents
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Abstract
外科的処置部位にマーキングし、相互に関連づけ、外科的処置を受ける外科的処置部位が正しい外科的処置部位であると識別されたことを確認するための外科的処置部位マーキングシステムである。このシステムは、ラベル及び一連のチェックを利用して、患者を正しい手術及び適切な外科的処置部位と関連づける。
Description
本発明は、外科的処置部位マーキングシステム、より具体的には、間違った部位の外科的処置を最小限にするシステムに関する。
統計では、医療過誤が、米国における8番目の死亡原因であり、毎年44,000人から98,000人の死亡者を計上することを示している。医療過誤に関連した算出可能なコストは、年当たりほぼ376億ドルを米国人に費やさせると推定される。算出できないコストは、医療専門家の信用失墜、患者の満足度低下、患者及び患者の家族への肉体的及び精神的不快感、及び、医療専門家自身のモラルの低下とフラストレーションの増加を含む。これらのコストのうち、年当たりほぼ170億ドルが防止できると見られる。これらの過誤の防止は、算出できないコストに対するそれに見合った肯定的な影響も必然的に生み出す。
これらの過誤のいくつかは、コミュニケーションの断絶、文書の誤り、X線のラベルの付け間違え、誤読、及び/又は誤配置、病歴の誤り、疲労、記憶力減退、プレッシャー、及び、外科的処置部位の確認の欠如、に起因する。外科的処置部位の確認の欠如は、手術が誤った位置で行われるという事態を頻繁に発生させる。さらに、整形外科等のような両側性の手術においては、統計的に、正しくない又は間違った部位の手術が行われる高い危険性があるということが分かった。
これらの問題を軽減するために、様々な取り組みが考えられることが望ましい。加えて、その目標は、首尾一貫した方策をもつこれらの取り組みと、外科チーム及び病院スタッフ側の過誤防止への専心とを結びつけることである。考えられる如何なるシステムも、簡単で、従うのが容易で、標準化可能で、すべての外科患者の特殊性に適用可能であるべきである。
間違った部位の外科的処置の発生を最小限にするのに役立つ簡単なシステムを提供することは、これらの目標をかなえるのに効果があることが期待される1つの取り組みである。
これらの過誤のいくつかは、コミュニケーションの断絶、文書の誤り、X線のラベルの付け間違え、誤読、及び/又は誤配置、病歴の誤り、疲労、記憶力減退、プレッシャー、及び、外科的処置部位の確認の欠如、に起因する。外科的処置部位の確認の欠如は、手術が誤った位置で行われるという事態を頻繁に発生させる。さらに、整形外科等のような両側性の手術においては、統計的に、正しくない又は間違った部位の手術が行われる高い危険性があるということが分かった。
これらの問題を軽減するために、様々な取り組みが考えられることが望ましい。加えて、その目標は、首尾一貫した方策をもつこれらの取り組みと、外科チーム及び病院スタッフ側の過誤防止への専心とを結びつけることである。考えられる如何なるシステムも、簡単で、従うのが容易で、標準化可能で、すべての外科患者の特殊性に適用可能であるべきである。
間違った部位の外科的処置の発生を最小限にするのに役立つ簡単なシステムを提供することは、これらの目標をかなえるのに効果があることが期待される1つの取り組みである。
したがって、本発明の1つの態様は、外科的処置部位に付着させるために1つの側に接着剤層を有する切開材料を含む外科的処置部位マーキングシステムを開示する。切開材料は、切開材料を外科的処置部位に当てがい、該切開材料自体を通して直接、外科的処置を行うことによって、それを通して外科的処置を行うのに好適である。切開材料は、フィルム、メッシュ、又はその2つの組合せから形成できる。切開材料はまた、データをその上に受けるようになった領域を有する。データは、書き込み、インク転写、ステッカー、及び/又は電子的に走査可能なコンポーネント、例えば、バーコード又はコンピュータチップの形態であってもよい。
本発明の別の態様は、外科的処置部位に当てがわれ、それを通して外科的処置が行われるようになった切開材料を含む、外科的処置に用いるための外科的処置部位マーキングシステムである。切開材料は、1つの側に接着剤層を有し、該接着剤層の反対側に除去可能な材料を有するフィルムを含むことができる。接着剤層には、切開材料を使用する準備が整うまで該接着剤層を覆う、剥離可能な裏材を設けることができる。また、外科的処置に関するデータを記録するように適合された領域を設け、除去可能な材料の上に配置することができる。除去可能な材料は、フィルム部分を、外科チームの判断で、外科的処置が行われるまで滅菌されたままにしておくことを可能にする。
本発明の別の態様は、外科的処置部位に当てがわれ、それを通して外科的処置が行われるようになった切開材料を含む、外科的処置に用いるための外科的処置部位マーキングシステムである。切開材料は、1つの側に接着剤層を有し、該接着剤層の反対側に除去可能な材料を有するフィルムを含むことができる。接着剤層には、切開材料を使用する準備が整うまで該接着剤層を覆う、剥離可能な裏材を設けることができる。また、外科的処置に関するデータを記録するように適合された領域を設け、除去可能な材料の上に配置することができる。除去可能な材料は、フィルム部分を、外科チームの判断で、外科的処置が行われるまで滅菌されたままにしておくことを可能にする。
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの開窓部と、接着剤が裏付けされ、開窓部に適合された切開材料層とを備えた外科用ドレープを有する、外科的処置に用いるための外科的処置部位マーキングシステムである。外科的処置は、この切開材料及び開窓部を通して行われる。
本発明のさらに別の態様は、外科的切開より前に、患者の外科的処置部位を識別し、確認する方法を提供する。その方法は、行われる外科的処置に関するデータを用いて外科的処置部位にラベル付けし、外科的処置が行われることになっている正しい外科的処置部位にラベル付けされたという患者及び外科チームの確認を得ることを与える。
本発明のさらに別の態様は、外科的切開より前に、患者の外科的処置部位を識別し、確認する方法を提供する。その方法は、行われる外科的処置に関するデータを用いて外科的処置部位にラベル付けし、外科的処置が行われることになっている正しい外科的処置部位にラベル付けされたという患者及び外科チームの確認を得ることを与える。
本発明は、外科的処置に用いるための外科的処置部位マーキングシステムに関する。マーキングシステムの適正な使用は、如何なる切開の前でも外科的処置部位の適正な位置を正確に識別し、確認することを可能にする。本発明によるこのような外科的処置部位マーキングシステムの1つの実施形態が、図1に示される。図1は、患者の外科的処置部位12に配置するための切開材料10を示す。切開材料10は、それを通して外科的処置が行われるのを可能にする他の構造に加えて又はそれと組み合わせて、滅菌可能なメッシュ、透明又は不透明の膜、抗菌膜から形成することができる。
例えば、図2に示される実施形態のように、切開材料10は、外科的処置部位に付着させるために、切開材料10の1つの側に接着剤層16をもつ低密度ポリエチレンフィルム14を備えることができる。フィルム14は、透明、抗菌性、及び/又は組み込まれたメッシュであってもよい。接着剤層16は、剥離可能な裏材18で覆うことができる。このような切開材料は、米国バーモント州05478、セントアルバンス所在のBertek社か、又はニューメキシコ州55125、セントポウル所在のMedical Concepts Development社から入手できる。
剥離可能な裏材18は、通常入手できる多種多様の如何なる材料から形成されたものでもよい。例えば、ワックス又はシリコン被覆紙を切開材料10の接着剤層16の上に配置し、切開材料10が患者の外科的処置部位12に置かれる場合に取り除くことができる。
例えば、図2に示される実施形態のように、切開材料10は、外科的処置部位に付着させるために、切開材料10の1つの側に接着剤層16をもつ低密度ポリエチレンフィルム14を備えることができる。フィルム14は、透明、抗菌性、及び/又は組み込まれたメッシュであってもよい。接着剤層16は、剥離可能な裏材18で覆うことができる。このような切開材料は、米国バーモント州05478、セントアルバンス所在のBertek社か、又はニューメキシコ州55125、セントポウル所在のMedical Concepts Development社から入手できる。
剥離可能な裏材18は、通常入手できる多種多様の如何なる材料から形成されたものでもよい。例えば、ワックス又はシリコン被覆紙を切開材料10の接着剤層16の上に配置し、切開材料10が患者の外科的処置部位12に置かれる場合に取り除くことができる。
1つの可能な別の方法は、図3に示されるように、部分20及び22のようなセグメント化された部分及び/又は別個の部分の形態をとる剥離可能な裏材18を設けることである。この実施形態は、切開材料10を患者の外科的処置部位12に当てがうのを容易にし、又は剥離可能な裏部分20、22が切開材料10からより簡単に取り除かれるようにするために役立たせることができる。
さらに図3を見ると、切開材料10のフィルム14側は、データをその上に受けるようになった区域又は領域24を含み得ることが示される。領域24は、行われることになる外科的処置に関するデータを受けるようになっている。このようなデータには、外科医の署名、処置を受ける患者の署名、及び/又は外科チームの他のメンバーの署名が含まれる。
領域24を、署名及び/又は他のデータを直接受け取れるようにすることもできる。或いは、示される図3をさらに見ると、領域24は、該領域24が筆記データを直接受けるのにより良く適合するように、フィルム14の残りとは異なる材料又は表面処理を備えることができる。
さらに図3を見ると、切開材料10のフィルム14側は、データをその上に受けるようになった区域又は領域24を含み得ることが示される。領域24は、行われることになる外科的処置に関するデータを受けるようになっている。このようなデータには、外科医の署名、処置を受ける患者の署名、及び/又は外科チームの他のメンバーの署名が含まれる。
領域24を、署名及び/又は他のデータを直接受け取れるようにすることもできる。或いは、示される図3をさらに見ると、領域24は、該領域24が筆記データを直接受けるのにより良く適合するように、フィルム14の残りとは異なる材料又は表面処理を備えることができる。
次いで、図2に戻って見ると、別の可能な実施形態は、署名及び/又は他のデータをラベル又はステッカー26に配置し、それを次に、場合によっては領域24における切開材料10に貼ることを想定している。そのように、フィルム層14は領域24(図3において見られるように)を備えることができ、該領域は、該領域がステッカー26を受けるのにより良く適合するように、フィルム14の残りとは異なる材料又は表面処理を有することができる。
外科的処置及び患者を識別し、手術の適正位置を確認するのに役立つ付加的なデータもまた、切開材料10に与えることができる。この情報は、フィルム14、領域24、ステッカー26、又はこれらの如何なる組合せにも置くことができる。可能な役立つデータは、外科的処置のための参照を含むことができ、外科的処置部位に切開材料を置くための印を与え、及び/又は、外科的切開の位置を決めるための印を与えることができ、その処置に適した適切な外科用ドレープ、対応する特定処置のトレイ番号、及び/又は該処置で使用するのに適したドレープパック番号を示すものとすることができる。チェックボックスは、図2に示される左又は右のような或る選択肢の指定を可能にするのに適したものとして利用することができる。或いは又はそれに加えて、一連のチェックボックスは、外科的処置の実行の前に行われる作業のチェックリストとして役立たせることができる。
外科的処置及び患者を識別し、手術の適正位置を確認するのに役立つ付加的なデータもまた、切開材料10に与えることができる。この情報は、フィルム14、領域24、ステッカー26、又はこれらの如何なる組合せにも置くことができる。可能な役立つデータは、外科的処置のための参照を含むことができ、外科的処置部位に切開材料を置くための印を与え、及び/又は、外科的切開の位置を決めるための印を与えることができ、その処置に適した適切な外科用ドレープ、対応する特定処置のトレイ番号、及び/又は該処置で使用するのに適したドレープパック番号を示すものとすることができる。チェックボックスは、図2に示される左又は右のような或る選択肢の指定を可能にするのに適したものとして利用することができる。或いは又はそれに加えて、一連のチェックボックスは、外科的処置の実行の前に行われる作業のチェックリストとして役立たせることができる。
別の可能な実施形態(図示せず)は、切開材料10に、外科的処置部位12自体に、又はその両方に直接転写できるインク転写パターンを適用するために与えることができる。これらのインク転写パターンを、上で説明されたデータのいくつか又はすべてを含めるのに用いることができる。
さらに、本発明のマーキングシステムは、切開材料10を滅菌包装して供給することができる。いくつかの実施形態において、外科的処置部位マーキングシステムは、ペン又は他のマーキング用具(図示せず)を含むことができる。ペンは滅菌することができ、しかし、それでもなお、切開材料10又はステッカー26にマーキングするのに適している。
さらに、本発明のマーキングシステムは、切開材料10を滅菌包装して供給することができる。いくつかの実施形態において、外科的処置部位マーキングシステムは、ペン又は他のマーキング用具(図示せず)を含むことができる。ペンは滅菌することができ、しかし、それでもなお、切開材料10又はステッカー26にマーキングするのに適している。
図4に示される別の実施形態は、切開材料10のフィルム14側に設けることができる材料28の付加的な1つ又はそれ以上の層を示す。この材料28は、フィルム14の全てを又は一部を覆うことができる。材料28は、すべてのデータが記入される領域としてその全体が又は一部が役立つことができる。実際の外科的処置の前のある時点で、材料28を切開材料10から取り除き、それによってフィルム14を露出することができる。この実施形態は、外科的処置まで、切開材料10、特にフィルム14の表面の滅菌性を保つことになる。
領域24、ステッカー26又は材料28に加えて、或いはその代わりに、他の実施形態は、図4に表されるように、コンピュータ可読コード30、コンピュータチップ32、及び/又はその両方のような電子的に走査可能なコンポーネントの使用を想定する。UPC又はバータイプのコンピュータ可読コード30、及び/又はコンピュータチップ32のようなコンピュータ可読又は走査可能なコンポーネントの場合には、走査装置(図示せず)が、このようなコンポーネントからのデータを読むことができることは周知である。このような走査装置は、上ですでに言及したペンの形状をとってもよい。
領域24、ステッカー26又は材料28に加えて、或いはその代わりに、他の実施形態は、図4に表されるように、コンピュータ可読コード30、コンピュータチップ32、及び/又はその両方のような電子的に走査可能なコンポーネントの使用を想定する。UPC又はバータイプのコンピュータ可読コード30、及び/又はコンピュータチップ32のようなコンピュータ可読又は走査可能なコンポーネントの場合には、走査装置(図示せず)が、このようなコンポーネントからのデータを読むことができることは周知である。このような走査装置は、上ですでに言及したペンの形状をとってもよい。
このシステムを適切に利用できるいくつかの可能性が存在する。1つの方法において、外科チームの少なくとも1人のメンバー、例えば、外科医が、その手術の準備をしている患者と話し合う。外科チームメンバーは、患者に外科処置する位置、例えば図1における外科的処置部位12を確認する。この時点で、切開材料10を外科的処置部位12に置くことができる。
患者、外科チームメンバー又はその両方が、切開材料10の領域24に、又は切開材料10が外科的処置部位12に配置される前に又は配置した後に切開材料10に続いて付着されるステッカー26に、彼らの署名又は他の確認承認を置く。実際の外科的処置部位12が確認されたというより高度の確信を外科チームがもてば、外科処置を通常の進行に沿って行うことができる。
切開材料10が材料28を含む場合には、同様の承認及び/又は署名が適切な位置でなされることができる。外科的処置の直前の或る時点で、材料28を取り除いて、その時点までは滅菌状態のままであるフィルム16を露出することができる。
患者が未成年者であるか又は能力が無い場合、確認及び承認は、患者の後見人又は指定代理人と共に行なわれてもよい。或いは、このシステムは、患者に知られないで利用することができる。つまり、確認及び承認は、上で説明されたのと同様の方法で、外科チーム及び病院スタッフによって、又はその間で行われることができる。
もちろん、説明されたシステムは、電子的な走査技術と共に用いられるように簡単に適合できる。手書きの確認に加えて又はその代わりに、バーコードスキャナ及び/又はコンピュータチップリーダの使用を、行われる外科的処置と患者のデータをさらに正確に相互に関連づけるのに役立たせることができる。
患者、外科チームメンバー又はその両方が、切開材料10の領域24に、又は切開材料10が外科的処置部位12に配置される前に又は配置した後に切開材料10に続いて付着されるステッカー26に、彼らの署名又は他の確認承認を置く。実際の外科的処置部位12が確認されたというより高度の確信を外科チームがもてば、外科処置を通常の進行に沿って行うことができる。
切開材料10が材料28を含む場合には、同様の承認及び/又は署名が適切な位置でなされることができる。外科的処置の直前の或る時点で、材料28を取り除いて、その時点までは滅菌状態のままであるフィルム16を露出することができる。
患者が未成年者であるか又は能力が無い場合、確認及び承認は、患者の後見人又は指定代理人と共に行なわれてもよい。或いは、このシステムは、患者に知られないで利用することができる。つまり、確認及び承認は、上で説明されたのと同様の方法で、外科チーム及び病院スタッフによって、又はその間で行われることができる。
もちろん、説明されたシステムは、電子的な走査技術と共に用いられるように簡単に適合できる。手書きの確認に加えて又はその代わりに、バーコードスキャナ及び/又はコンピュータチップリーダの使用を、行われる外科的処置と患者のデータをさらに正確に相互に関連づけるのに役立たせることができる。
図5に示されるように、別の実施形態において、切開材料を、特定の外科用ドレープと組み合わせて用いられるように包装するか、又はそうでなければそのように指定することができる。図5においては、外科用ドレープ34と共に用いられる切開材料10が示されている。外科用ドレープ34は、切開材料10と関連した少なくとも1つの開窓部36を含むことができるが、ドレープ34に付加的な開窓部36を設けて、付加的な切開材料10と共に用いられるようにしてもよい。切開材料10は、特定のドレープと共に用いるための別個の装置として製造され、販売されてもよいし、或いはドレープ34を含む外科用パックの一部として販売されてもよい。
単なる例として、外科的処置は、患者の脚部及び胸部が手術される心臓バイパス手術のように、1つ以上の切開を要求することがある。上述したように、特定の切開材料10は、ドレープ34の各々の開窓部36と共に用いるために設けられても良い。或いは、関節鏡視下膝手術のような両側性タイプの手術においては、同時に両方の膝を覆うために単一のドレープ34を与えることができる。これらのドレープでは、開窓部36は、各々の膝に与えることができる。上で説明したように正しい外科的処置部位12に切開材料10を置くことにより、切開材料10が、外科的処置が行われる正しい開窓部36に位置合わせされることになる。
単なる例として、外科的処置は、患者の脚部及び胸部が手術される心臓バイパス手術のように、1つ以上の切開を要求することがある。上述したように、特定の切開材料10は、ドレープ34の各々の開窓部36と共に用いるために設けられても良い。或いは、関節鏡視下膝手術のような両側性タイプの手術においては、同時に両方の膝を覆うために単一のドレープ34を与えることができる。これらのドレープでは、開窓部36は、各々の膝に与えることができる。上で説明したように正しい外科的処置部位12に切開材料10を置くことにより、切開材料10が、外科的処置が行われる正しい開窓部36に位置合わせされることになる。
各々の場合において、図5に見られるように、切開材料10を、ドレープ34の適切な開窓部36に位置合わせすることができる。切開材料10を開窓部36に位置決めすることは、種々の方法で達成することができる。いくつかの実施形態は、切開材料10を開窓部36と位置合わせするための矢印又は他の位置合わせ印38を用いること、開窓部36の形状を切開材料10の形状に適合させること、切開材料10の縁部40を開窓部36に位置合わせすること、切開材料10を特定の開窓部36又はドレープ34のためにコード化することなど、を含む。これらの例の異なる態様を組み合わせることも考えられる。
例えば、図5は、開窓部36におけるドレープ34に置かれた位置合わせ印38のマーキングを用いることと、開窓部36と位置合わせされる切開材料10の縁部40を用いることの両方を示す。位置合わせ印38はまた、ドレープ34における位置合わせ印38と位置合わせするために、切開材料10に置くこともできることは明らかであろう。いくつかの実施形態において、図5における想像線で示される、切開材料10の外周部のような周辺部42を、適切な大きさにされた開窓部36に適合させることができる。
もちろん、切開材料10を開窓部36と関連させる他の方法及び様式が想定され、それは当業者には明らかであろう。切開材料10を開窓部36のためにコード化することはまた、予め印刷された、又はコンピュータ可読コード30及び/又はコンピュータチップ32の使用などを通じて電子的に走査可能なデータの使用を通じて容易に適合させ、達成することができる。したがって、上で挙げられたリストは、そうした可能な例のほんの幾つかとして役に立つ。
例えば、図5は、開窓部36におけるドレープ34に置かれた位置合わせ印38のマーキングを用いることと、開窓部36と位置合わせされる切開材料10の縁部40を用いることの両方を示す。位置合わせ印38はまた、ドレープ34における位置合わせ印38と位置合わせするために、切開材料10に置くこともできることは明らかであろう。いくつかの実施形態において、図5における想像線で示される、切開材料10の外周部のような周辺部42を、適切な大きさにされた開窓部36に適合させることができる。
もちろん、切開材料10を開窓部36と関連させる他の方法及び様式が想定され、それは当業者には明らかであろう。切開材料10を開窓部36のためにコード化することはまた、予め印刷された、又はコンピュータ可読コード30及び/又はコンピュータチップ32の使用などを通じて電子的に走査可能なデータの使用を通じて容易に適合させ、達成することができる。したがって、上で挙げられたリストは、そうした可能な例のほんの幾つかとして役に立つ。
ドレープ34と共に切開材料10を用いることは、最初は、上で説明されたように切開材料10を単独で用いることに類似している。すなわち、データは、患者、外科的処置部位及び/又は処置、並びに外科チームの間で関連づけられ、切開材料10に置かれたデータを介して反映される。切開材料10は、外科的処置部位12に当てがわれ、上の説明によれば、患者、患者の代理人、及び/又は外科チームのメンバーによって確認される。
いくつかの実施形態においては、この時点で、ドレープ34が患者の上の所定位置に置かれる。ドレープ34の開窓部36は、図5に示されるように、切開材料10に適切に位置合わせされる。結果として、ドレープ34が外科的処置部位12の上に適切にかけられ、切開材料10が正しい外科的処置部位12に配置されることになるはずである。切開材料10と開窓部36が適切に位置合わせされていない場合、そのことを処置の前に外科チームに知らせて、正しい外科的処置部位12にラベル付けされ、処置のために正しいドレープ36が利用されたことをもう一度確認するべきである。もちろん、患者をドレープ34で覆うことができ、その後、切開材料10を患者に置くことができる。
いくつかの実施形態においては、この時点で、ドレープ34が患者の上の所定位置に置かれる。ドレープ34の開窓部36は、図5に示されるように、切開材料10に適切に位置合わせされる。結果として、ドレープ34が外科的処置部位12の上に適切にかけられ、切開材料10が正しい外科的処置部位12に配置されることになるはずである。切開材料10と開窓部36が適切に位置合わせされていない場合、そのことを処置の前に外科チームに知らせて、正しい外科的処置部位12にラベル付けされ、処置のために正しいドレープ36が利用されたことをもう一度確認するべきである。もちろん、患者をドレープ34で覆うことができ、その後、切開材料10を患者に置くことができる。
図5に示されるように、両側性の手術が行われる場合、ドレープ34に、各々の外科的処置部位に鏡付開窓部36、例えば、関節鏡視下膝手術用ドレープにおいて、各々の膝に合っている開窓部36設けることができる。この場合、外科的処置部位の適切なラベル付けと、切開材料10の使用による確認により、2つの開窓部36のうちの一方が外科的処置部位12に置かれた切開材料10に位置合わせされることになる。切開材料10は開窓部36に目に見えるように存在し、切開材料10における適正完了データの存在が、外科的処置部位12と、切開材料10と、ドレープ34とが相関関係をもったという確証を外科チームに与える。
他の実施形態において、示されてはいないが、切開材料10をいっぺんに除去することができ、目に見えるパターンを外科的処置部位12に適用することによって、外科的処置部位12にラベル付けすることができる。目に見えるパターンは、外科的処置部位12に転写されるインクパターンを含むことができる。このようなインクパターンは、上で挙げられたデータの如何なる一部又は全てを含むことができ、説明したように裏書きされてもよい。
他の実施形態において、示されてはいないが、切開材料10をいっぺんに除去することができ、目に見えるパターンを外科的処置部位12に適用することによって、外科的処置部位12にラベル付けすることができる。目に見えるパターンは、外科的処置部位12に転写されるインクパターンを含むことができる。このようなインクパターンは、上で挙げられたデータの如何なる一部又は全てを含むことができ、説明したように裏書きされてもよい。
本発明が、特定のドレープ、一般的ドレープを含むか、又は全くドレープを含まないかに関係なしに、データを用いて外科的処置部位12にラベル付けする手段は、間違った部位の手術の発生を最小限にするのに役立つはずである。このようなラベル付け手段は、切開材料、ラベル、ステッカー、メッシュ、膜、フィルム、パッチ、入れ墨、インクパターン、紫外線パターン、投影画像、電子的に走査可能なコンポーネント、及び同様のマーキングシステムを含むことができる。
上で説明された種々の実施形態は、同じ発明の可能な態様を説明するように意図されている。個々の例の各々における説明された要素は、他の例のいずれかにおける全てに又は一部に代えることができることが意図される。例えば、ステッカー26はまた、材料28と共に用いることができ、走査可能なコード30及び/又はチップ32は、ステッカー26の形態をとることができ、切開材料10を備えたドレープ34の使用又は切開材料10単独の使用を、データ、ステッカー26、及び/又は材料28などの如何なる形態と共に利用することもできる。
上で説明された種々の実施形態は、同じ発明の可能な態様を説明するように意図されている。個々の例の各々における説明された要素は、他の例のいずれかにおける全てに又は一部に代えることができることが意図される。例えば、ステッカー26はまた、材料28と共に用いることができ、走査可能なコード30及び/又はチップ32は、ステッカー26の形態をとることができ、切開材料10を備えたドレープ34の使用又は切開材料10単独の使用を、データ、ステッカー26、及び/又は材料28などの如何なる形態と共に利用することもできる。
さらに、ここで及び特許請求の範囲で使用される「を含む」という用語は、包括的又は幅広い解釈のできるものであって、付加的な列挙されない要素、構成要素、又は方法段階を除外するものではない。加えて、ここで及び特許請求の範囲で使用される、「患者」又は「該患者」という用語は、外科的処置を受ける特定の患者を示す。同様に、「外科チーム」又は「該外科チーム」という用語は、外科的処置を行う特定の外科チームを示す。
本発明は、その発明的特徴の範囲及び精神から逸脱することなく、他の特定の又は均等な形態で具体化することができる。それ故に本発明の実施形態は、すべての点において例示するものであって限定するものではないと考えられ、本発明の範囲は、上記の説明によるよりもむしろ特許請求の範囲の請求項によって示され、したがって、請求項の均等物の意味及び範囲内にあるすべての変更が、そこに含まれるように意図される。
本発明は、その発明的特徴の範囲及び精神から逸脱することなく、他の特定の又は均等な形態で具体化することができる。それ故に本発明の実施形態は、すべての点において例示するものであって限定するものではないと考えられ、本発明の範囲は、上記の説明によるよりもむしろ特許請求の範囲の請求項によって示され、したがって、請求項の均等物の意味及び範囲内にあるすべての変更が、そこに含まれるように意図される。
Claims (27)
- 外科的処置に用いるための外科的処置部位マーキングシステムであって、少なくとも1つの貫通形成された開窓部と、前記開窓部に適合されるように割付けされ、接着剤が裏付けされた切開材料層とを有し、前記切開材料層を通して外科的処置が行われるようになった外科用ドレープを含むことを特徴とするシステム。
- 前記開窓部及び前記切開材料が互いに適合する形状にされたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記切開材料の周辺部が前記開窓部に適合されたことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
- 前記切開材料上に配置された縁部が前記開窓部に適合されたことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
- 前記開窓部が、前記切開材料上の位置合わせ印と位置合わせされる形状にされたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記開窓部が、前記切開材料上の対応する印と位置合わせされる印と組み合わせられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記切開材料が、記録されるデータを受けるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記切開材料が透明な膜を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- データを受け取り、閲覧するための電子的に走査可能なコンポーネントを備えることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
- 前記切開材料が、署名を受けるようになった領域を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記切開材料の上に適用されるラベルを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記ラベルが、前記切開材料に当てられるようになったインク転写を含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
- 前記切開材料が、あらゆる外科的処置のタイプに関するデータ、切開位置表示部、対応するドレープ製品コード、対応する特定処置のトレイ番号、及びドレープパック番号を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 外科的処置のためのドレープシステムであって、意図された外科的処置を行うのに適するように開窓した外科用ドレープと、外科的処置部位にラベル付けする手段とを含み、前記手段は、それを通して外科的処置が行われることになるドレープの適切な開窓部と位置合わせされることを特徴とするシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段が切開材料を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段がパターン転写を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記パターン転写がインク転写であることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段がステッカーを含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段が、該外科的処置に関係する少なくとも1人の関係者によって署名されるようになっていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段が、前記ドレープの開窓部を該ラベル付けする手段に対する適正な位置合わせを指示する印を有することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位にラベル付けする手段が、あらゆる外科的処置のタイプに関するデータ、切開位置表示部、対応するドレープ製品コード、対応する特定処置のトレイ番号、及びドレープパック番号を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 外科的処置に用いるための外科用ドレープシステムであって、意図された手術が行われることになる外科的処置部位に当てがうための外科的処置部位ラベルと、少なくとも1つの開窓部を有する外科用ドレープとを含み、前記開窓部が前記外科的処置部位ラベルに適合されるように割り付けされたことを特徴とするシステム。
- 前記外科的処置部位ラベルが前記外科的処置部位の上にインク付けされたことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位ラベルが、切開材料、ステッカー、フィルム、メッシュ、パッチ、及び入れ墨のいずれの組み合わせも含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位ラベルは、前記外科的処置に関係する少なくとも1人の関係者によって署名されるようになっていることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位ラベルが、前記ドレープの開窓部を前記ラベルに対する適正な位置合わせを指示する印を有することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
- 前記外科的処置部位ラベルは、あらゆる外科的処置のタイプに関するデータ、切開位置表示部、対応するドレープ製品コード、対応する特定処置のトレイ番号、及びドレープパック番号を含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
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