JP2005521055A - 胃炎のスクリーニング法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液サンプルを測定することによって人体における胃炎の有無を診断するための方法に関し、上記測定はH、K−ATPアーゼに特異性のある抗体、ヘリコバクターピロリに特異性のある抗体の有無、そしてペプシノゲン1濃度を測定するための血液サンプルの検査から構成され、H、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体の有無、及びペプシノゲン1濃度はソフトウェア関連システムを用いて、相互に比較が行われ、またH、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクター抗体及びペプシノゲン1濃度は、正規母集団における各数値レベルと比較され、サンプルにおける数値レベルの変化は胃炎の指標となり、これによって数値レベルの変動を検出することは、好適には胃炎に関連したさらなる究明のための介助につながる。

Description

消化不良は初期健康管理において一般的な診断であるが、その管理法は明確に定義されていない。イギリスにおける消化不良の年間有病率は約25%であり、これは初期健康管理における診察の3〜4%を占める(Harris, A., Eur J Gastroenterol Hepat 1999; 11 (Suppl 1) : S31-5)。上部胃腸管における慢性疾患の中には、一般的に胃炎に分類されるような疾患が属する。胃炎とは胃が粘膜の炎症を起こすことで、消化不良、胸焼けや過剰なおくびなどを含む広範囲の不明瞭な症状を呈する。症状の性質及び重度、個人の総体的な健康状態、患者の病歴、それ相当の成功する可能性のある治療を施すための特定の診断の必要性、そして診断装置の利用の可能性などによって胃腸の疾患を診断するために用いられる一般的な方法は異なる。
生体の組織病理学検査を伴う上部消化管検査(EGD)は、胃及び十二指腸の粘膜の状態を特定する上で最も基準となる検査である。この検査は安全で正確であり、また、例えば高齢層の患者や特に体重の減少、拒食症、嚥下障害または胃腸失血などの危険な症状が見られる患者の場合に時として不可欠となる。上部内視鏡検査の要求は高まっており、イギリスにおいては毎年人口の約0.5%はこの検査を受診している(Working Party of the Clinical Services Committee of the British Society of Gastroenterology, Provision of gastrointestinal endoscopy and related services for a district general hospital. Gut 1991; 32: 95-105; Gear, M.W.L., and Wilkinson, S.P., Br J Hosp. Med 1989; 41: 438-44)。
上部消化管検査や粘膜の目視検査を行わずに胃炎を診断するのは困難である。しかしながら、上部消化管検査に要する費用は高額で、また患者にとって不都合であり、通常では子供や重度の心肺疾患を持つ患者には推奨できない。よって重度の症状のない患者には、胃腸疾患の精密な診断は行われない場合もある。このような患者には、例えば制酸剤や胃酸の分泌を抑える薬物などによる通常の治療が施される。このような治療によって、症状は一時的に緩和されるかもしれないが、多くの場合完治には至らない。より効果的な治療は、主に胃腸疾患の実際の基礎症状のより正確な診断によるものである。例えば、多くの胃腸疾患は粘膜の細菌感染によって引き起こされ、このような場合、発症した胃腸疾患を効果的に治療するために最も必要とされるのは、細菌感染を治療することである。
内視鏡検査の作業負荷を軽減するために、胃鏡検査の事前に容易に行うことのできる方法が求められており、この方面で幾つかの試行が行われ、重度ではない単純な消化不良を患う患者においてある程度の成功を示した(Bodger, K., et al., Scand J Gastroenterol 1999; 34: 856-63; and Moayyedi, R, et al., Eur J Gastroenterol Hepatol 1999; 11: 1245-50)。40歳以下の若年齢の消化不良の患者において、ヘリコバクターピロリ(H.ピロリ)感染の検査や感染の有無に基づいた治療法を用いることで、内視鏡検査の作業負荷が軽減する。この治療法は消化不良症状、消化不良診察率及び分泌抑制薬剤の処方を減少するうえで、内視鏡による方法と同等の効果が見られた(Moayyedi, P., et al., Eur J Gastroenterol Hepatol 1999; 11: 1245-50)。しかし、消化不良を患う高齢者には、胃炎とその結果となる病理の患者数は比較的多く、第1診断工程としてEGIDが挙げられる。
炎症を起こした胃粘膜は、血清学分析による胃炎の診断が可能となるある特定の情報を血流に伝達する。粘膜の形態的、細胞的構成は酸分泌スコア及び前庭部によって異なる。これは、スコアや胃体部胃炎(pangastritis)を前庭部胃炎から見分ける介助となる。多数の血清標識(マーカー)の説明がされてきた。H.ピロリによる感染は、慢性胃炎、粘膜関連のリンパ系組織(MALT)のリンパ腫及び胃がんの主要な原因となり(Chiba, N., et al., Can Fam Physician 1998.; 44: 1481-8; Genta, R.M., Gut 1998; 43: 35-8; Coyle, W.J., et al., Gastrointest Endosc 1998; 48: 327-8; Lee, B.M., et al., Jpn J Cancer Res 1998; 89: 597-603)、様々なH.ピロリ抗原に対する抗体は血液中で簡単に検出することができる(Bodger, K., et al., Scand J Gastroenterol 1999; 34: 856-63; and Moayyedi, R, et al., Eur J Gastroenterol Hepatol 1999; 11: 1245-50)。このような感染は、時として粘膜スコアの萎縮につながる自己免疫反応に関係する(Ozasa, K, et al., DIg Dis Sci 1999; 44: 253-6)。胃の自己免疫性及び、例えば甲状腺炎、インスリン依存性糖尿病や時に関節リューマチなどのしばしば他の自己免疫疾患の一般的な特徴は、壁細胞抗体の発生によるものであることだ(Bech, k, et al., Acta Endocrinol. 1991, 124: 534-9; Barrio, R., et al., Pediatr Endocrinol Metab 1997, 10: 511-6; Datta, A., at el., Indian J Med Res 1990, 92: 228-32; Mardh, S., et al., Scand J Gastroenterol 1991, 26: 1089-96)。壁細胞H、K−ATPアーゼa−及びRサブユニットが、自己免疫の萎縮性胃炎における主要な自己抗原であることが判明した(Karlsson, A., et al., J Clin Invest 1988, 81A75-9; Song, Y.H., et al., Scand J Gastroenterol 1991, 29: 122-7; Ma, J.Y., et al., Scand J Gastroenterol 1994, 20: 790-4)。壁細胞の通常のターンオーバーにより、H、K−ATPアーゼの抗体は健康な人間において通常低い力価で存在する。粘膜スコアに炎症を起こした患者においては、力価はそれより増加することがある。
ペプシノゲン1(PG1)は、粘膜スコアの主細胞及び胃腺頚部粘液細胞によって胃の内腔に分泌されるが、そのうち約1%の僅かな量が血流の中に流出する(Baron, JR, Clinical tests of Gastric secretion: History, Methodology and Interpretation, (1978) London: Macmillan)。十二指腸潰瘍を発症した患者は、多くの場合PG1の血清濃度が高い数値レベルで観測される(Samloff, I.M., et al., Gastroenterol 1975 Jul, 69(1). 83-90)。粘膜スコアの激しい萎縮による悪性貧血を患う患者においては、PG1の血清濃度は著しく低下する(Salmoff, I.M., et al., Gastroenterol 1982 Jul, 83(1 Pt 2): 204-9)。
胃腸疾患を検出するための存在する非侵襲的方法には、炎症を検出するために影響された区域までの血流を観測する方法が含まれる(US5;524,622)。この方法の非常に不利な点は、ガンマ線カメラによって検出した後に、複数の物質を患者に注射する必要があることだ。それに加えて、この方法で検出できるのは炎症のみであり、炎症を引き起こしている原因の検出には対応しない。胃腸疾患を検出するその他の方法には、ペプシノゲン(US5,879,897)やヘリコバクターピロリ(US5,814,455; 6,067,989; 6,068,985; 6,090,611)などの個々の検体を測定する方法がある。その他の血清標識としては、ガストリン(Borch, K, et al., Scand J Gastroenterol 1997, 32: 198-202)、ペプシノゲン11(Carmel, R., Am J Pathol 1998, 90: 442-5)、坑内因子抗体(Waters, H.M., et al., J Clin Pathol 1989, 42: 307-12)、そしてペプシノゲン抗体(Mardh, S., et al., Acta Physiol Scand 1989, 136: 581-7)がある。これらの標識を、胃の粘膜における変化を診断するのにそれぞれ用いることも可能だが、健常者と患者との間で一致する部分が多く、患者の様々なサブグループにおける一致はさらに多くなる。このため、これらの全ての標識は、それだけでは信頼のおける診断のためには十分とはならない。
本発明は、H、K−ATPアーゼ抗体、H.ピロリ抗体、そして血清ペプシノゲン1濃度の測定結果の鑑定を含む、胃炎をその様々な形態において検査する方法を提供する。胃炎に関連する複数の検体を分析することで、胃炎の様々なサブグループの信頼のおける指標となる。
ある具体案においては、本発明は血液サンプルを測定することによって人間の体内における胃炎の有無を診断するための方法を包含し、その方法はH、K−ATPアーゼに特異的な抗体とヘリコバクターピロリに特異的な抗体の有無、及びペプシノゲンI濃度を調べる工程から構成され、そのそれぞれは、ソフトウェア関連のシステムを用いて正規母集団におけるH、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲンI濃度のそれぞれの数値レベルと比較され、サンプルにおいて変化が検出されると胃炎の指示となり、好ましくはこれによって変化レベルの検出は、ひいては胃炎に関するさらなる調査のための介助となる。
好適な具体案は、上記指標の数値レベルを測定するための工程には指標を検出する免疫検査が含まれることを特徴とする方法に関する。
また別の好適な具体案は、指示のグループの中にヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルを乗じたペプシノゲンIの数値レベルから構成される付加的な指標を含み、この付加的な指標の数値レベルが標準と比較されることを特徴とする方法に関する。
さらなる別の好適な具体案は、H、K−ATPアーゼ抗体とヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルが正規母集団における数値レベルよりも著しく高ければ胃炎の指標となることを特徴とする方法に関する。
さらなる別の好適な具体案は、ペプシノゲンI濃度の数値レベルが低ければ萎縮スコアの指標となることを特徴とする方法に関する。
さらに好適な具体案は、ペプシノゲンI濃度の上昇した数値レベルは胃炎スコア、随意的には自己免疫性に関連しない胃炎スコアの指標となることを特徴とする方法に関する。
さらなる好適な具体案は、H、K―ATPアーゼ抗体の数値レベルがその正規母集団の数値レベルと異なれば自己免疫萎縮スコアの指標となることを特徴とする方法に関する。
さらなる好適な具体案は、ヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルがその正規母集団の数値レベルと異なれば前庭部胃炎または胃体部胃炎(pangastritis)の指標となることを特徴とする方法に関する。
さらなる好適な具体案は、ヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルが高く、ペプシノゲンI濃度が通常よりも低い場合、萎縮の指標となることを特徴とする方法に関する。
さらに別の好適な具体案は、H、K−ATPアーゼ抗体の高い数値レベルを伴った非常に低い数値レベルレベルのペプシノゲンI濃度は萎縮スコアの指標となることを特徴とする方法に関する。
本発明のさらなる態様は、H、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲンI濃度を検出するのに適した試薬を含む、胃炎を選別するためのキットに関する。
上記の態様の好適な具体案は、上記試薬にはペプシノゲンI抗体、H、K―ATPアーゼ及びヘリコバクターピロリの蛋白質またはそれらのペプチドが含まれることを特徴とするキットに関する。
上記の態様のまた別の好適な具体案は、上記試薬には固定支持の上に固定化されたペプシノゲンI、H、K−ATPアーゼ及びヘリコバクターピロリの抗原が含まれることを特徴とするキットに関する。
上記態様のさらに別の好適な具体案は、さらに標識抗ヒト抗体を含むことを特徴とするキットに関する。
上記態様のさらに別の好適な具体案は、上記試薬がH、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲンI濃度を検出するのための検査と概ね同数の検査を行うのに十分な量で含まれることを特徴とするキットに関する。
胃炎及び消化不良は、初期健康管理においてよく見られる要素ではあるが、その管理法はきちんと定義されていない。本発明の目的は、胃炎の血清学的な選別法を提供することである。生体及び組織学検査を伴う上部消化管検査(EGD)は、高度で熟練したスタッフを必要とし、現在において胃炎、良性潰瘍及び新生組織形成を診断する唯一の信頼できる技術である。後記した2つの分類は、大体において慢性胃炎と密接に関連している。従来の調査においては、血清学は診断価値が制限されるとしばしば結論付けられていた。しかしながら、血清学上のデータを分析するための本発明による評価理論は、患者の年齢に関係なく胃鏡検査の事前に行う消化不良の診断として有益であり、これは従来の調査報告と比べて目を見張る進歩である(Bodger, K, et al., Scand J Gastroenterol 1999, 34: 856-63; Moayyedi, R, et al., Eur J Gastroenterol Hepatol 1999, 11: 1245-50)。免疫システム及び炎症を起こした胃粘膜から送られる化学信号は、血清検体及び胃炎を検出する診断可能性を提供する。
H、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲン1濃度の数値レベルを測定するための検査法は周知である。本発明の好適な具体案において、生検の数値レベルを測定する方法は免疫学的検査によるものである。この免疫学的検査とは、酵素免疫測定吸着検査(ELISA)、酵素免疫測定(EIA)、放射線免疫測定(RIA)、免疫沈降(IP)そして光学または電気化学的方法による免疫配位子の相互反応の検出などを含むが、これらに制限するものではない。好適な具体案において、免疫学的検査とは抗原が固定支持上で固定され、サンプルが加えられると、それに次いで標識抗体が加えられるという方法である。
本発明の具体案の1つは、胃炎をスクリーニングするためのキットである。このキットは、H、K−ATPアーゼ抗体と、ヘリコバクターピロリ抗体と、ペプシノゲン1の数値レベルとから構成されるグループから選ばれた、少なくとも2種類の指示物質に検査を行うために必要な試薬からなる。好適な具体案において、測定は免疫学的検査で行われ、これに用いるキットは例えばマイクロタイタープレート、一切れの紙、ニトロセルロースまたはその他の適した素材などの1つまたは複数の固定支持上に固定された生検からなる。検出を行うために、標識抗体を含む。上記キットには、好適には異なる測定を同じ回数で検査を行うのに十分な量の試薬が含まれることとする。例を挙げると、キットにはH、K−ATPアーゼの測定を10回、ヘリコバクターピロリの測定を10回、そしてペプシノゲンの測定を10回行うのに十分な試薬を含まれる。さらに、キットには生検に特異的な抗体、標識試薬、正負の対照、そして洗浄液が含まれてもよい。
免疫学的検査方法は、患者から採取した血液サンプル(または血漿あるいは血清)の分析に基づいており、H、K−ATPアーゼに対する自己抗体、ヘリコバクターピロリに対する抗体及びペプシノゲン濃度が測定される。これらの全ての検体は、胃の粘膜における炎症状態の指標となる。免疫学的測定などの生検を検出するための方法は、当技術分野において周知である。
この測定結果は、正規母集団における健常な個人から得られた参考数値レベルと比較するという新しい分類分け法によって分析される。数式(ヘリコバクターピロリ抗体の力価を乗じたペプシノゲン濃度の生成物)は、ある特定の患者のグループを特定するためには不可欠である。胃炎の患者の有益な分類を特定することが可能であれば、その他の数学的方法も用いることができる。この方法において、従来では高額で複雑な胃鏡検査や粘膜から採取した生体の組織病理学検査が必要とされていた胃の粘膜の炎症状態を診断することが可能となる。
正規母集団における健常な個人から得られた参考数値レベルは、めいめいの検査において標準化されてもよい。この具体案においては、患者が胃炎を発症している可能性を特定するために、検査結果は標準化された参考数値レベルと比較される。キットには、それぞれの検査のための標準化された参考数値レベルのリストも含む。また別の具体案においては、参考数値レベルは患者のサンプルと共に通常の対照を検査することによって得ることができる。この具体案において、キットは正常な対照と標準を有する。検査を行う際、患者のサンプルが測定されるのと同時に対照及び標準の測定を行う。そして対照及び標準の検査結果は、患者のサンプルから得られた結果と比較された。
胃鏡検査によって調べられた対象からの血清及び生体は、H、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲン1の分析が行われた。その診断は、正常な位粘膜(n=50)、十二指腸潰瘍(n=53)及び悪性貧血を伴う(n=50)または伴わない(n=46)萎縮性胃炎であった。(フローチャートの)評価理論は、血清学と胃粘膜の形態学との間の診断上の一致を最適化するために作成された。98%(146/149)(95%Cl94−100%)の胃炎を検出する総合的感度と84%(42/50)(95%Cl71−93%)の特異性で、4つの主要な血清学上のグループ及び13のサブグループが得られた。
一般集団からの483の対象物から得られたさらなる血清は血清学的に分類された。この集団において胃炎を検出するための総合的感度は88%(211/240)(95%Cl83−92%)であり、特異性は81%(196/243)(95%Cl75−85%)であった。評価理論を作るのに用いたグループと一般集団のサンプルの両方において、血清学と胃粘膜の形態学との間には十分な一致が見られた。このことから、血清学は正常な胃の粘膜を有する対象の初期特定のために、ヘリコバクターピロリの根絶治療を必要とする人、悪性腫瘍が存在する可能性があるために胃鏡検査を必要とする人に適切となる。
検査結果を見ると、正常な対照数値レベルと比較して患者のサンプルにおける生検の数値レベルの変化は、患者が胃炎を発症している指標となっている。ここで用いる「変化」とは、正常な実験対照における数値レベルと比べて数値レベルが著しく高く、または低くなることを意味する。重要な事項は実施される特定の検査の正確性により判明し、必要以上の実験を行わずに経験的に特定することもできる。
付加的に、患者が胃炎を発症しているか否かをより正確に特定するために、患者のサンプルにおける複数の生検の数値レベルは正常な対照の数値レベルと比較される。例を挙げると、一般的に、検出されたH、K−ATPアーゼ抗体及びヘリコバクターピロリ抗体が正常対照の数値レベルより高い数値レベルの患者は胃炎であることを表し、一方でペプシノゲン濃度が正常対照の数値レベルより著しく高い(十二指腸潰瘍)または低い(粘膜スコアの激しい萎縮)数値レベルの患者は胃炎の可能性がある。ヘリコバクターピロリ抗原力価を乗じたペプシノゲン濃度が、正常対照より著しく低ければ胃炎の可能性を示す。患者が胃炎を発症している可能性を見極めるため及び/または患者の胃炎のサブグループを特定するために、複数の検査結果は正常対照数値と比較される。一部の生検は正常対照の数値レベルより低いにも係わらず胃炎を示す場合があるので、患者サンプルにおいて複数の生検の数値レベルを同様の生検の正常対照値と比較することで、胃炎をより正確に特定することができる。
組織形成学的検査を最も基準となる検査として、血清学的検査を組み合わせて用いることで、本発明は一般集団のサンプルにおける正常な胃粘膜の対象を87%(196/225、図2におけるグループ1A;表2)検出し、試験群におけるそれは84%(42/50、グループ2)であった。試験群においては、血清学的検査によって十二指腸潰瘍を有する対象の91%(48/53、グループ2)、悪性貧血を伴う、あるいは伴わない主要な萎縮性胃炎スコアを有する対象の84%(81196、グループ3と4)が検出された。グループ4においては、悪性貧血の全ての対象を検出した。一般集団のサンプルにおいてグループ2A−Dは15%であった。これらのうち、正常な粘膜であったのは僅か3%で、萎縮及び胃体部胃炎(pangastritis)を含む前庭部胃炎は88%を構成する。グループ2A−Dの全ての対象はH.ピロリ陽性を示した。これによって、グループ2A−Dにおいて得られた40から50歳、またはそれ以下の対象(Bodger, K, et al., Scand J Gastroenterol 1999, 34: 856-63; Moayyedi, R, et al., Eur J Gastroenterol Hepatol 1999, 11: 1245-50)は、現在推奨されている消化性潰瘍の治療を施されてよいと提言できる。
グループ4A、4Cでは、一般集団のサンプルにおいてたったの12の対象しか得られず、そのうちの1つは非萎縮性の優勢胃炎スコア(corpus predominant gastritis)を有し、残りの11は萎縮性の優勢胃炎スコアを有していた。このように、グループ4に属する対象は悪性腫瘍の可能性が高いのでEGIDを受けることが薦められる。
一般集団のサンプルにおいて、12%(29/225)は正常な胃粘膜を有していたが、血清分析の結果においては異常を示した。この矛盾の説明としては幾つか挙げられ、一部の血清検体は過去の炎症状態を反映することがあったり、または熟練した検査官の多くよりもELISAは粘膜における微細な変化に対して敏感に反応したりすることが説明に挙げられる。
結果として、生検を用いたEGIDは引き続き胃粘膜の状態の正確な診断のための最も基準となる検査であり続ける。しかし、以下の例が示すように、血清学は患者の症候学や病歴と組み合わせて用いると有効な補助となる。すなわち「血清学的生検」として機能するのである。このため、血清学的検査は(a)正常な胃粘膜を有する患者(グループ1A)、(b)高い数値レベルの血清PG1及び高い「H.p.×PG1要素」を有する患者(グループ2)、(c)優勢萎縮性胃炎スコア(corpus predominant atrophic gastritis)を有する患者(グループ3と4)を特定するために消化不良の胃鏡検査の事前に行うスクリーニングに適している。(a)に属する患者はさらに酸に関連しない疾患の検査を受け、(b)に属する40から50歳以下の患者は消化性潰瘍のための推奨される治療を受け、その治療が成功しなかった場合、患者はEGDによって検査される。(c)に属する患者は胃に悪性腫瘍が出来ているリスクが高いのでEGDで検査される。
上記で説明した血清学的検査及び測定法は容易に行えるため、免疫検査においてある程度の経験があるどのような臨床検査室でも行うことができる。これらは内視鏡検査に伴う作業負荷を軽減し、患者のためにもなり、医者にとって貴重な診断法となり、そして経済的でもある。
(実験例1)
血清学的検査の初期評価のために、内視鏡的及び組織学的に検査された以下の4つの対象グループから採取した血清が選択された。それは正常な胃粘膜を有する対象50名(N)(男性38名と女性12名、平均年齢63歳、年齢幅37から80歳)、急性十二指腸潰瘍の対象53名(DU)(男性39名と女性14名、平均年齢52歳、年齢幅20から79歳)、軽度から重度の優勢萎縮性胃炎スコア(corpus predominant atrophic gastritis)を有すると診断された対象46名(AG)(男性23名と女性23名、平均年齢68歳、年齢幅40から82歳)、そして悪性貧血を伴った優勢萎縮性胃炎スコアを有する対象50名(PA)(男性23名と女性27名、平均年齢68歳、年齢幅40から83歳)であった。坑内因子の欠乏を示すシリングテストなどを含む悪性貧血を診断するための基準は、すでに説明されている(Borch, K, et al., Scand J Gastroenterol 1984, 19: 154-60)。
(実験例2)
スウェーデンにおける一般集団からランダムに選択された対象483名(男性266名と女性217名、平均年齢65歳、年齢幅37から85歳)は、生検及び血液サンプルからEWによって検査された。この研究の結果は、近年公開された(Borch, K, et al., Dig Dis Sci, 2000, 45: 1322-29)。生検標本において胃炎は、シドニーシステムによって前庭部優勢、スコア優勢、萎縮を伴うまたは伴わない胃体部胃炎、そしてH.ピロリが存在するまたは存在しない胃体部胃炎に分類された(Price, A., J Gastroenterol Hepatol 1991, 6: 209-22; Dixon, M.F., et al., Am J Surg Pathol 1996, 20: 1161-81)。EWは、すでに上記で説明したように行われる(Borch, K, et al., Dig Dis Sci, 2000, 45: 1322-29)。3つの生検が胃の組織(主部、前部及び後部)と幽門部の3cm以内の前庭部から採取された。
(実験例3)
抗原の生成
H、K−ATPアーゼは、前述したような方法で豚の胃粘膜より生成された((Mardh, S., et al., Scand J Gastroenterol 1991, 26: 1089-96)。この豚の抗原生成において、H、K−ATPアーゼに対する自己抗体の結合は、人間の抗原におけるそれと類似していた(Song, Y.H., et al., Scand J Gastroenterol 1994, 29: 122-7; Ma, J1. Y., et al., Scand J Gastroenterol 1994, 20: 7904; Karlsson, F.A., et al., Clin exp Immunol 1987, 70: 604-10)。H、K−ATPアーゼが強化された小胞状膜は、低濃度の洗浄液(0.13%(w/v)のn−オクチルグルコンド、または0.06%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム)において、例えばペプシン/ペプシノゲンなどの緩く付着した蛋白質を除去するために処理され、−70Tでサッカロース/ヘペス‐トリスバッファ、pH7.4にて緩衝される。H.ピロリの抗体は5つの菌株(CCUG 17874, 25, 66, 1139 及び253)から、マー及びその他によって説明されたように生成された(Ma, J. Y., et al., Scand J Gastroenterol 1994, 29: 961-6)。
(実験例4)
酵素免疫測定吸着検査(ELISA)
すでに説明されたように(Ma, J. Y., et al., Scand J Gastroenterol 1994, 29: 961-6)、ELISAは本質的には50plの生成された抗原(5pg/ml)で覆われたNunc−Immuno(登録商標)プレート(Maxisorp(登録商標), Nunc, ロスキレ、デンマーク)を用いて、50mMのpH9.8の炭酸ナトリウムバッファにおいて40℃で培養された。次いでこのウェルは、0.05%(v/v)のツイーン(Tween)20(PBS−T)、ビオチニル化されたヤギ抗ヒト19G(Amersham International PLC、アメルシャム、イギリス)、ストレプトアビジン(Amersham International PLC、アメルシャム、イギリス)及びアルカリ性ホスファターゼ(Boehringer-Mannhelm Biochemicals、マンハイム、ドイツ)を含むリン酸緩衝された生理食塩水に1:100で希釈された血清にて培養された。最後に、50mMの炭酸ナトリウムバッファに1mg/mlで含まれたpH9.8の100plのp−ニトロフェニルリン酸(Sigma、セントルイス、ミズーリ州、アメリカ合衆国)が加えられた。吸収度は、コンピューター化されたELISA読取機(Vmax(登録商標), Molecular Devices, カリフォルニア、アメリカ合衆国)を用いて405リム(キネティックELISA)で継続的に読み取られた。全ての培養は絶え間なく攪拌され続け、それぞれの培養工程の間にPBS−Tによって3回洗浄された。それぞれの血清サンプルは2度ずつ分析され、それぞれの免疫プレートには陽性と陰性の標準が含まれていた。それぞれのサンプルの光密度(毎分mOD)の読み取りは、それぞれの免疫プレートにおける陽性の標準と関連し、そのデータは抗体の相対力価として表示される。陽性及び陰性の標準の変動係数はそれぞれ5.7:t2.9及び8.1±3.5(M+SD)であった。
(実験例5)
血清ペプシノゲン1(PQ1)の分析
この検査は、PG1に特異性のある西洋わさびペルオキシターゼ(HRP)標識の抗体を用いて、静的抗体(stationary antibodies)に結合されたPG1を検出するための非競合的サンドイッチ技法(sandwich technique)に基づいて行われた。上記静的抗体はマイクロタイタープレート上に固定され、酵素標識の抗体よりもPG1における多様な抗原部位に対して親和性を有していた。
血清ペプシノゲン1(PG1)の測定は、ガストロセット(Gastroset)PG1(Gastroset PG1 Cat, No. 67882, Orion Diagnostica,エスポー、フィンランド)を製造者の指示に基づいて用いて行われた。標準、対照及び血清のサンプルが20μLのアリコートで、静的ペプシノゲン1抗体で覆われたマイクロタイタープレートにおける各ウェルに2度ずつ加えられた。測定バッファ(100μL)が加えられ、マイクロタイタープレートのウェルは30分間培養された後に2度洗浄され、測定バッファで1:100に希釈された西洋わさびペルオキシターゼ標識PG1(HRP-PG1)抗体と共にさらに30分間培養された。各ウェルは4度洗浄され、基質液と共に30分間培養され、反応を中断しELISA読取機を用いて着色が測定された。
統計的分析
結果は、メディアン及び四分位範囲(25から75バーセンタイル値)として表示される。適切と思われる場合には、比率(百分率)は95%の信頼区間(Cl)で表される。2組の患者グループの相違を調べるためにウィルコクソンの符号順位検定が用いられる。有意性水準はp<0.05であった。
(実験例6)
研究グループN、DU、AG及びPAから採取した血清の測定
酵素免疫測定吸着検査
生検の内視鏡的及び組織学的検査によって診断された4つのグループの対照から採取した血清は、H、K−ATPアーゼ抗体(図1A)、H.ピロリ抗体(図1B)及びペプシノゲン(PG1)(図1C)の分析が行われた。生成物f(H.ピロリ抗体×PG1の相対力価)が図1Dにおいて示されている。上記グループには、正常な胃粘膜保有者(N、n=50)、十二指腸潰瘍保有者(DU、n=53)、軽度から重度の優勢萎縮性胃炎スコア保有者(AG、n=46)及び悪性貧血保有者(PA、n=50)の患者が含まれる。この結果は、メディアン及び四分位範囲(25から75パーセンタイル値、Hspread)と共に箱ひげ図にて示される。内側及び外側の枠の外にある数値はそれぞれ星印または円によって描画され、上枠はそれぞれ+1.5から+3HSpreadの四分位範囲と定義される(SYSTAT(登録商標)マニュアル)。y軸の外にある数値は括弧で表示される。有意性は**(p<0.01)及び***(p<0.001)、有意でない場合はn.s.で示される。
H、K−ATPアーゼ抗体
正常な胃粘膜を持つ対照で構成された研究グループ(N)において、H、K−ATPアーゼ抗体力価のメディアンは2.0(範囲0.7―9.0;図1A)であった。これに対応するDU、AG及びPAグループにおける数値は、それぞれ9.3(範囲1.6−82.7)、3.8(範囲0.8−137)、そして32.3(範囲1.4−128)であった(p<0.001vs正常)。
ヘリコバクターピロリ抗体
グループNにおけるH.ピロリ抗体のメディアン力価は1.0(範囲1.0−4.5;図1B)であった。これに対応するDU、AG及びPAのグループにおける数値は、それぞれ47.5(範囲4.1−136)、18.0(範囲1.0−53.0)、そして3.5(範囲1.3−27.2)であった(p<0.001vs正常)。
血清ペプシノゲン1
グループNにおける血清PG1のメディアン値はリットル当たり66.3pg(範囲213−163;図1C)であった。これに対応するDU、AG及びPAグループにおける数値は、それぞれリットル当たり149pg(範囲42.7−500)、31.8pg(範囲2.6−127)、そして4.4pg(範囲0−61.0)であった(p<0.001vs正常)。
要素f=(H.ピロリ抗体力価×血清ペプシノゲン1)
3種類の血清学的パラメータを用いた結果、患者グループは相互に大きな相違も見られたが一致する部分もあった。H.ピロリ抗体力価及びPG1濃度が、DUグループにおいては高く観測され、PAグループにおいては低く観測された。このため、それぞれの異なるグループをより正確に識別するためにELISAの分析結果、H.ピロリ抗体が乗じられたPG1の生成物fが測定された(図1D)。全てのグループはお互いに全く違っていた(p<0.01またはp<0.001、図1D)。グループNにおけるfのメディアン値は77.5(範囲24.0−344)であった。DUグループにおいては8105(範囲193−40303;p<0.001vs正常)、AGグループにおいては500(範囲5.0−3901;p<0.001vs正常)、そしてPAグループにおいては12.0(範囲0−915;p<0.01vs正常)であった。
(実験例7)
血清学的診断のための評価理論(フローチャート)
胃粘膜の状態は、生検の一部の組織形態学的検査によって特定される。これによって、最も基準となる検査を血清学的分析の結果と比較することが可能となった。よって診断的な評価理論が作られた(図2)。この理論の識別数値レベルは、研究グループN、DU、AG及びPAにおける(外れ値を排除した後の)血清学的分析の結果を用いて最適化された。患者グループ間において最大の解像度を達成するために、SYSTAT(登録商標)ソフトウェアが使用された。「生検」はH、K−ATPアーゼ抗体(HK)、H.ピロリ抗体(HP)、s−ペプシノゲン1(PG1)及びf=(H.ピロリ抗体力価×血清ペプシノゲン1)(HP*PG1)であった。この理論において、それぞれの血清は血清学的グループ1から4及びその他のサブグループに分類された。
評価理論はそれぞれの血清から得られた分析結果に適用され、分類及びグループ分けが行われた。表1には、正常(N)、十二指腸潰瘍(DU)、優勢萎縮性胃炎スコア(AG)及び悪性貧血(PA)の4つの研究グループの血清学的グループ分けが示されている。図2で説明された血清学的診断のための理論は血清学的データに適用された。
このグループ分けの結果として、サブグループ1Aから4Cができた。識別数値レベルは、それぞれのサブグループにおける選択経路(selecton pathway)のために示されており、それぞれのグループのメディアン値は括弧で示されている。それぞれの血清学的グループにおける研究グループ、性別及び年齢の分配は示されている。グループ1においては、グループNにおける対照の84%(42/50)が得られた。グループNの対照から採取された一部の血清は血清額的な外れ値であった(例:グループ113−1D、3A及び4A)。グループ2Aから2Dでは、91%(48/53)のDUを保有する対照が得られた。グループ3A及び3Bでは、57%(26/46)のAG保有者と18%(9/50)のPAと診断された患者が得られた。AGグループとPAグループとの間で見受けられる一致は、それらが時間尺度の異なる時点での同じ疾患を表しているため驚くべきことではない。さらに、グループ2において発見されたAGを保有する対照の14%において個々の一致が見られた。その他の点では微々たる一致しか見られなかった。胃炎を検出する総合的な感度は98%(146/149)(95%Cl 94−100%)で、特異性は84%(42/50)(95%Cl 71−93%)であった。
Figure 2005521055
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図3Aから3Dは、血清学によって特定された組織形態学的に診断された4つの主要グループの分布形状を示す。グループ1Aは94%のN、4%のDU、そして2%のPAから構成され、グループ2(A−D)は86%のDUと14%のAGから構成され、グループ3(A−B)は66%のAG、23%のPA、8%のDU、そして3%のNから構成され、グループ4(A−C)は77%のPA、21%のAG、そして2%のNから構成される。グループ4及び3は、総合するとグループAG及びPA(それぞれ42%と53%)の対照の95%、Nのうち2%、そしてDUのうち3%を構成する。表1においてグループ1B−Dによって表された小グループは、その50%がNグループに属する12の対照を含んでなるが、血清学的にそれらは外れ値であった。これらのサブグループにおける残りの6つの対照は、AG(17%)またはPA(33%)のいずれかを保有していた。
(実験例8)
一般集団のサンプルにおける血清学的診断
スウェーデンの一般集団からランダムに選択された483の対照(年齢37から85歳)のサンプルが、事前に生検及び血液サンプルによってWDを用いて検査された。その50%(243/483)は正常な胃粘膜を有し、残りは胃炎を発症していた(Borch, K, et al., Dig Sci, 2000, 45: 1322-29)。本研究において、正規母集団から採取された血清は分析され、図2における構想に基づいてグループ分けされ、その結果は組織形態学的診断の結果と比較された。図2には、正規母集団のサンプルにおける血清学的なグループ分けが示される。図2において示された血清学的診断の構想が、血清学的データに適応された。そしてそのグループ分けの結果、1Aから4Cの血清学的サブグループに分けられた。分別数値レベルは、それぞれのサブグループにおいて選択経路として適応され、それぞれのグループのメディアン値は括弧で示されている。それぞれの血清学的サブグループにおける組織形態的診断によるグループ、性別及び年齢の分布が示される。形態的診断は、正常(0)、非萎縮性前庭部優勢胃炎(1)、萎縮性前庭部優勢胃炎(2)、非萎縮性胃炎(3)、萎縮性胃炎(4)、非萎縮性優勢胃炎スコア(5)、萎縮性優勢胃炎スコア(6)であった。
Figure 2005521055
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グループ1Aにおいて、対照の87%(196/225)は正常な胃粘膜を表す血清学的数値レベルを示した。正常な胃粘膜を有する対照の7%(16/243)は、低いPG1数値レベルが観測され、グループ1Bにおいて得られ、一方では8%(20/243)がH、K−ATPアーゼ抗体数値レベルの増加によりグループ1Dにおいて得られた。なんらかの種類の胃炎を有するとして診断された一般集団のうち6%(29/483)は、グループ1Aにおいて得られた。
グループ2A―21Dにおいて、その15%(73/483)は血清学的グループ分けの工程(表2)によって得られた。グループ2Aから2Dにおいて、正常な胃粘膜を有するのは2つの対照のみであった。グループ2A−21Dにおける優勢な形態的診断は、萎縮を伴う前庭部優勢胃炎(24対照)、萎縮を伴わない胃体部胃炎(33対照)であった。
3A−313における対照は、H.ピロリに対して血清的に陽性を示した。集団のうち20%(95/483)がグループ3Aにおいて得られ、その組織形態的診断は萎縮を伴う前庭部優勢胃炎(39対照)、萎縮を伴わない胃体部胃炎(26対照)、萎縮を伴う胃体部胃炎または優勢萎縮性胃炎スコア(17対照)であった。グループ4Aから4Dにおいて、PG1値は概ね低く、これはより顕著な萎縮スコアを示している。これらのグループには12の対照しか発見されず、それらは萎縮を伴う優勢胃炎スコアを有していた。集団において血清額的に胃炎を検出する全体的な感度は88%(211/240)(95%Cl83−92%)で、特異性は81%(196/243)(95%Cl75−85%)であった。
一般集団のサンプルの、4つの主要なグループの血清学による分布形状は図4Aから4Dにおいて示されている。血清学的グループ1A、2(A−D)、3(A−)及び4(A−C)における組織形態的に診断されたグループが示されている。形態的診断は。正常(0)、非萎縮性前庭部優勢胃炎(1)、萎縮性前庭部優勢胃炎(2)、非萎縮性胃体部胃炎(3)、萎縮性胃体部胃炎(4)、非萎縮性優勢胃炎スコア(5)及び萎縮性優勢胃炎スコアであった。
グループ1Aにおいて、形態的に正常と判断されたのは87%(196/225)であった。グループ2において、33%(24/173)を構成する萎縮を伴う前底部胃炎と、45%(33/73)を構成する胃体部胃炎とが優勢グループであった。グループ3(A−B)において、萎縮を伴う前庭部胃炎40%(50/123)、胃体部胃炎28%(35/123)、そして萎縮性胃炎スコア15%(18/123)が優勢グループであった。グループ4(A−C)において、萎縮性胃炎スコアは92%(11/12)を構成し、非萎縮性胃炎スコアは残りの8%(1/12)であった。
グループ3と4の合計における優勢な形態的診断は、萎縮性前庭部優勢胃炎35%(50/145)、胃体部胃炎(24%35/145)、そして優勢萎縮性胃炎スコア20%(29/145)であった。これら3つのサブグループはグループ3と4の合計における対照の79%(114/145)を構成する。萎縮性優勢胃炎スコアの有病率は、集団において7%(32/483)を占め、これらのうちの91%(29/32)はグループ3及び4において得られた。
本発明による方法及びキットの好適な具体案は、上記においてある程度の具体性をもって説明されたが、具体案の多様性は当業者にとっては容易に判る事項であると思慮されたい。本発明による方法及びキットの説明は、本発明を制限するものではなく、好ましい具体案を示す一例として挙げたにすぎない。
H、K−ATPアーゼ抗体、H.ピロリ及びペプシノゲン1の数値レベルを示し、正常な胃粘膜(N)、十二指腸潰瘍(DU)、萎縮性胃炎(AG)及び悪性貧血を伴った胃炎(PA)を持つ個人において、それぞれのペプシノゲン1濃度を乗じたH.ピロリ抗体数値レベルの結果を示したグラフである。 評価理論の図式を示したフローチャートである。 N、DU、AG及びPAの実験グループにおいて、本発明によるスクリーニング法によって特定された4つの主要グループを示した円グラフである。 一般集団において、本発明によるスクリーニング法によって特定された4つの主要グループを示した円グラフである。
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Claims (16)

  1. 血液サンプルを測定することによって人体における胃炎の有無を診断するための方法であって、
    上記測定はH、K−ATPアーゼに特異的な抗体とヘリコバクターピロリに特異的な抗体の有無、及びペプシノゲンI濃度を調べるための血液サンプルの分析から構成され、
    上記H、K−ATPアーゼに特異的な抗体とヘリコバクターピロリに特異的な抗体の有無、及びペプシノゲンI濃度はソフトウェア関連のシステムを用いて、相互に比較が行われ、
    正規母集団におけるH、K−ATPアーゼに特異的な抗体、ヘリコバクターピロリに特異的な抗体、及びペプシノゲンI濃度の各数値レベルとの比較が行われ、サンプルにおける数値レベルの変化を胃炎の指標とすることを特徴とする人体における胃炎の有無を診断するための方法。
  2. 上記のように数値レベルの変化を検出することは、胃炎に関するさらなる調査のための介助につながることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記指標の数値レベルを特定するための工程には、指標を検出するための免疫学的測定が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 上記指標のグループには、ヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルを乗じたペプシノゲンIの数値レベルからなる付加的な指標を含み、該付加的な指標の数値レベルは標準値と比較が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 上記H、K−ATPアーゼ抗体及びヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルが、正規母集団におけるそれぞれの数値レベルよりも著しく高い場合には胃炎を示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記ペプシノゲンI濃度の数値レベルが低い場合は萎縮スコアを示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の方法。
  7. 上記ペプシノゲンI濃度の数値レベルが高い場合は胃炎スコア、随意的には自己免疫が関連しない胃炎スコアを示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 上記H、K−ATPアーゼ抗体の数値レベルが正規母集団におけるその数値レベルと異なる場合は、自己免疫性萎縮スコアを示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 上記ヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルが正規母集団におけるその数値レベルと異なる場合は、前庭部胃炎または胃体部胃炎(pangastritis)を示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれかIに記載の方法。
  10. 上記ヘリコバクターピロリ抗体の数値レベルが高く、上記ペプシノゲンIの濃度が正常であるかより低い場合は、萎縮を示す指標となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 上記ペプシノゲンIの濃度の非常に低い状態がH、K−ATPアーゼ抗体の数値レベルの高い状態と組み合わさると、萎縮スコアを示す指標となることを特徴とする請求項1から3にいずれか1項に記載の方法。
  12. H、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲンI濃度を検出するのに適した試薬を含む、胃炎をスクリーニングするためのキット。
  13. 上記試薬にはペプシノゲンI抗体、H、K−ATPアーゼ及びヘリコバクターピロリ蛋白質またはそれらのペプチドが含まれることを特徴とする請求項11に記載のキット。
  14. 上記試薬にはペプシノゲンI、H、K−ATPアーゼ及びヘリコバクターピロリの抗原が固体支持上に固定されて含まれることを特徴とする請求項11に記載のキット。
  15. 上記キットには、標識抗ヒト抗体がさらに含まれることを特徴とする請求項13に記載のキット。
  16. 上記試薬はH、K−ATPアーゼ抗体、ヘリコバクターピロリ抗体及びペプシノゲンI濃度を検出するための検査と、概ね同数の検査を行うのに十分な量が備えられることを特徴とする請求項11に記載のキット。
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