JP2005520620A - 接着剤縁を有するドレープ製品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、手術の介入のためのドレープ製品(1〜4)であって、その下面がその縁の少なくとも一つ(それぞれ5,6,7及び8)に沿って接着剤で被覆されており、前記被覆(12)が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものに関する。本発明によれば、接着剤の皮膚に対する接着力は0.5N/25mmより大きく、接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷は、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると30%未満である。

Description

本発明は手術用ドレープ又は手術用タオルの如き手術の介入(intervention)のためのドレープ製品であって、その下面がその縁の少なくとも一つに沿って接着剤で被覆されており、前記被覆が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものに関する。
手術用ドレープ又は手術用タオルの如き接着剤縁を有するドレープ製品は、手術領域と手術領域の外側に位置する患者の体の部分との間のバリアを確実にするために手術部位の周りにしばしば適用される。このバリアは一方では患者の体からの細菌等が手術領域を汚染することを防止し、他方では手術領域からの血液や細菌等が手術領域の外側に位置する患者の体の部分と接触すること又は手術台又は手術器具を汚染することを防止する。従って、手術領域に隣接して延びるドレープ製品の縁は皮膚に対して堅固に接着しなければならず、接着結合の強度は、ドレープ製品が手術中に通常供される荷重に対して安全に結合されつづけるのに十分大きくなければならない。
今日用いられているドレープ製品の除去時に、角質層の部分、即ち皮膚の上層はドレープ製品と共に取り去られる。これは皮膚に対して損傷をもたらすことがあり、特に例えば3才未満の子供及び70才以上の人などの敏感な皮膚を持つ人にとってはそうである。除去されたドレープ製品の接着剤縁に付着した皮膚の残りは、ドレープ製品が2回目に皮膚に安全に取付けられることをさらに妨害する。ドレープ製品がその第1の適用箇所から取りはずされて皮膚の新しい箇所に再適用されなければならないことはしばしば生ずることである。かかる取りはずし及び再適用の理由の例は、進行する手術の間の介入技術の変化又は手術前の手術領域の場所の調整である。これは次に、今日のドレープ製品の縁の一部が皮膚に極めて貧弱に取付けられ、上述のバリア機能が危険にさらされるという大きな危険を生ずる。
本発明の目的は、これらの問題を解決することであり、皮膚に安全に接着されかつ皮膚を損傷する危険性なしに患者から除去されることができ、しかも接着強さが大きく減少される危険性なしに皮膚に再適用されることができる、接着剤縁を有するドレープ製品を提供することである。
本発明によれば、この目的は、手術の介入のためのドレープ製品であって、その下面がその縁の少なくとも一つに沿って接着剤で被覆されており、前記被覆が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものにおいて、接着剤の皮膚に対する接着力が0.5N/25mmより大きく、好ましくは1.0N/25mmより大きく、より好ましくは1.2N/25mmより大きいこと、及び接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷が、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であることを特徴とするドレープ製品によって達成される。
好ましい実施態様では、上記接着剤被覆は150mm未満のドレープ製品の縁に対して垂直の幅を有し、感圧接着剤(PSA)、好ましくはシリコーンエラストマー、ヒドロゲル又は柔らかい粘着性のホットメルト接着剤からなる。接着剤は担持材料のストリップの下面に付着されることができ、担持材料の上面はドレープ製品の下面に付着されることができる。
代替的実施態様では、別個のストリップがドレープ製品の縁の少なくとも一部のためのランディング領域を与えるために患者の皮膚に適用され、このストリップはその下面を接着剤で被覆されており、その接着剤が0.5N/25mmより大きい、好ましくは1.0N/25mmより大きい、より好ましくは1.2N/25mmより大きい皮膚に対する接着力を有すること、及び接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷が、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であることを特徴とする。さらに、上記ストリップは25〜200mmの幅を有する。
上記ストリップは、ドレープ製品の接着剤縁のための取付け表面を与える滑らかな上面を有することが好ましい。代わりに、ストリップは、接着剤縁を有さないドレープ製品の下面にストリップを取付けるための付着手段をストリップの上面に与えられてもよい。
本発明はドレープ製品であって、その下面がその縁の少なくとも一つに沿って接着剤で被覆されており、前記被覆が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものにおいて、接着剤の皮膚に対する接着力が皮膚に対するドレープ製品の2回目の適用時に0.5N/25mmより大きく、好ましくは1.0N/25mmより大きく、より好ましくは1.2N/25mmより大きいこと、及び接着剤の皮膚に対する接着力がドレープ製品の2回目の適用時に40%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満減少されていることを特徴とするドレープ製品にも関する。
図面の簡単な記述
本発明は添付の図面を参照して以下に記述される。図面中、
図1は手術開口の周りに配置された本発明の好ましい実施態様による四つのドレープ製品のためのドレープシステムの上方からの平面図を模式的に示す。
図2は図1の線II−IIに沿った断面図を示す。
図3は皮膚に対する接着力の測定を模式的に示す。
図4は本発明の第2実施態様によるストリップを用いた手術開口の周りのドレープ製品のドレープ形成を模式的に示す。
図5は図4の線V−Vに沿った断面図を示す。
図1には患者(図示せず)上の手術領域Oの周りに適用された四つのドレープ製品1〜4を含むドレープシステムが模式的に示されている。ドレープ製品1及び3は手術領域の二つの対向する平行な縁5,6を規定し、ドレープ製品2及び4は縁5,6に対して垂直の二つの対向する平行な縁7,8を規定する。手術領域からの液体が縁5〜8の下に流れることを防止するため、又は手術領域の外側の領域からの細菌が手術領域へと侵入することを防止するため、縁5〜8は患者の皮膚に対して接着的に付着される。ドレープ製品1〜4はMoelnlycke Health Care ABからのKlinidrape(登録商標)と称される手術用ドレープ及び手術用タオルであることが有利であり、これは三つの層、つまり不織布の液体吸収上部層9、ポリエチレンの液密中央層10及びセルロース詰め物又は不織布の下部吸収体層11の三つの層の積層体からなる。上部層は手術領域から放出される血液及び他の液体を吸収する作用をし、手術スタッフからの患者の汚染及び手術スタッフ及び手術の立ち合い人の汚染を防止する作用をする。プラスチックフィルムは患者と手術領域との間の細菌を担持する液体の移送に対するバリアを提供し、セルロース詰めもの層は汗を吸収することによって及び患者の皮膚とプラスチックフィルムとの直接接触を防止することによって患者の快適性を増大させる。ドレープ製品1〜4はそれらの縁5〜8に沿って接着剤被覆12も有する。
接着剤被覆12の主な作用は、患者と手術領域との間の細菌を担持する液体の移送が防止されるようにドレープ製品を患者の皮膚に対して堅固に接続すること、及び手術中にドレープ製品に対して作用するすべての荷重負荷期間中にドレープ製品が取付けられつづけるようにドレープ製品を患者に対して確実に固定することである。これに関し、患者の縦方向に延びるドレープ製品は通常、手術台からたれ下がり、それによって大部分の時間、最も荷重を受ける製品であるということが指摘される。さらに、吸収された液体又は他の方法で、例えばドレープ製品中に形成されるか又はドレープ製品上に配置される小袋によってドレープ製品中に取り込まれた液体の重量は、ドレープ製品の固定領域に荷重を負荷するであろう。接着剤被覆は、ドレープ製品に通常作用する最大荷重を安全に取扱うことができるように寸法決定されている。
被覆中の接着剤はさらに皮膚に対して優しいものであるべきであり、手術領域の周りの皮膚に対して損傷を与えることなしにドレープ製品の除去を可能にするものであるべきである。この要求は、ドレープ製品用の接着剤被覆として現在用いられている感圧接着剤にとっては大きな問題である。かかる接着剤はしばしば皮膚に対して硬く固定するので、角質層の部分、即ち皮膚の上層は接着剤に粘着し、ドレープ製品の固定領域が除去されるとき皮膚から除去される。これは皮膚の刺激及び損傷をもたらすことがあり、特に70才以上の人、3才未満の子供の如き敏感な皮膚を持つ患者、乾癬の如き特定の病気を有する患者、又はコルチゾンを用いた治療の如き特定の治療を受けている患者にとってはそうである。かかる患者に対しては、ドレープ製品は製品に通常与えられる接着剤縁の使用なしで適用されなければならない場合があり、この場合、ドレープ製品は異なる方法で、例えばいくつかの固定テープの助けを借りてドレープ製品を取付けることによって取付けられる。
ドレープ製品の接着剤取付けは製品の使用中のほぼ全時間、剪断力に供される。それ故、取付け強さは接着剤被覆の面積を増大させることによって、即ちドレープ製品の縁に沿った接着剤被覆の幅を増大させることによって、増大させることができる。しかし、接着剤被覆の幅は、即ち縁に対して垂直方向の広がりは200mm以下であるべきことが示されている。もし接着剤被覆がこれより大きい幅を有するならば、ドレープ製品の接着剤縁の適用は、大きすぎる広がりのために困難となり、これは細菌移送のための溝を形成しうる折り目の形成を生じることがあり、結果として接着剤縁によって提供されるべきバリアが破壊されることになる。
皮膚の特性は人によって異なるので、接着剤被覆の皮膚に対する接着力は患者によって異なるであろう。以下に述べる接着力の値は、図3に模式的に示される方法によって測定されたものとする。接着力を測定したい接着剤で被覆された担持材料のストリップAであって25mmの幅を有するストリップAは、様々な年齢及び性別の少なくとも10人の健康な人の背中に置かれ、2分間皮膚に固定された状態で維持される。その後、ストリップAは25mm/秒の速度で引張られ、引張力F1が測定される。引張り角度、即ち皮膚表面とストリップAの引張り部分との間に形成される鈍角は135°とする。測定された接着剤の皮膚に対する接着力は、力F1の平均値からなる。本発明によるドレープ製品で使用することができる接着剤は、少なくとも0.5N/25mmの接着力を有するべきである。
さらに、接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷は、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験(Spectroscopic Colour Test)で測定すると30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であるべきである。SCT測定は、P.J.Dykes,R.Heggie,S.A.Hill,“effects of adhesive dressings on the stratum corneum of the skin”,Journal of wound care,February,Vol 10,No.2,2001(この文献はさらなる詳細を知るために参照される)に詳細に記述されている方法で行われるものとする。SCT測定は、健康な皮膚を有する様々な性別の少なくとも10人の人で、以下の方法によって行われるものとする。まず、試験領域の中央の皮膚は、0.03mlの1%水性メチレンブルーで湿潤された11mmの濾紙円板を含む12mmのアルミニウムFinn室の適用によって着色される。Finn室は皮膚表面に60分間適用されるものとする。これは角質層の表面層の均一な着色をもたらすのに十分である。次に、試験ストリップは試験される人の皮膚の着色領域に適用され、72時間そこに適用される。72時間後に試験ストリップを除去した後、角質層はR.Marks,R.P.R Dawber,“Skin surface biopsy;an improved technique for examination of the horny layer”,Br J Dermatol 1971:84:117−123(この文献はさらなる詳細を知るために参照される)に記述されている「皮膚表面生検手順」によって除去される。生検材料はその後、小片に切り分けられ、2mlのジメチルスルホキシド(DMSO)を含むガラス管に入れられる。ガラス管は2時間にわたって10〜15分ごとに撹拌され、染料抽出が完全に行われることを確実にする。ジメチルスルホキシド抽出物は100gで10分間遠心分離されて角質層の断片をすべて除去される。次に1mlのジメチルスルホキシドがプラスチックのキュペットに移され、光学濃度が測定される。光学濃度は分光光度計で測定するものとする。まず、ジメチルスルホキシドを含むブランクのキュペットが550〜800nmで走査される。その後、皮膚の着色領域からの抽出された皮膚表面生検材料が走査されて最大吸光度が決定される。すべての続く測定は最大吸光度についての波長で行われる。結果は光学濃度単位で表され、隣接する非損傷の角質層の参照サンプルと比較した角質層の損傷の百分率として表される。
以下の表1には、皮膚からの接着剤の除去によって生じ、上述の分光色試験(SCT)によって測定された角質層の損傷が、接着剤を与えられたいくつかの異なる公知の製品について示されている:Smith & Nephew,Hull,Great BritainからのAllevyn,Johnson & Johnson,Gargrave,Great BritainからのTielle ヒドロポリマー包帯、ConvaTec Ltd,Deeside,Great BritainからのDuoderm Extra Thin,Moelnlycke Health Care AB,Goeteborg,SwedenからのMepilex Border及びColoplast,Humlebaeck,DenmarkからのBiatain。
Figure 2005520620
表1から、Mepilex Border上の接着剤のみが上述の要件を満たすことが明らかである。この接着剤はシリコーン接着剤であるWacker Chemie GmbH,Germanyからのエラストマー Silgel 612からなる。皮膚損傷の負の値は、たぶん測定データの広がりの影響であるが、測定期間中ガーゼ布のみによって被覆されていた参照サンプルと比較した皮膚細胞の天然の磨耗からの保護として接着剤が作用したことによるのかもしれない。
0.5N/25mmの接着力を有しかつ皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると10%未満の接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷を与える接着剤を有するストリップは、敏感な皮膚を有する患者にも適用されることができ、皮膚に損傷や刺激を与えることなしに除去されることができることが示されている。
再適用時の皮膚に対する接着力の測定は以下の方法で行われる。試験ストリップは健康な皮膚を有する様々な年齢及び性別の10人の人の背中に適用される。2分後、ストリップは25mm/秒の速度で図3に関して上述したのと同様の方法で引張られ、引張力F1が測定される。引張り角度は135°とする。ストリップは次に背中の未接触の点で皮膚に再適用され、2分後、引張力の測定が繰り返され、それにより引張力F2が得られる。1回目の引張りと比較した2回目の引張りでの引張力の減少は40%未満であるべきであり、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満であり、2回目の引張りでの引張力F2は0.5N/25mmより大きいべきであり、好ましくは1.0N/25mmより大きく、より好ましくは1.2N/25mmより大きいべきである。
かかる測定は、以下の商業的に入手可能な製品からの接着剤被覆されたストリップについて行われた:Moelnlycke Health Care AB,Goeteborg,SwedenからのKlinidrape(登録商標) Universal Set bBasic,art.No.698740,McGaw Park,Illinois,USAからのAllegiance Convertors,REF 2915CE及び3M,St.Paul,Minnesota,USAからの3M Steri−Drape,9000。また、ポリウレタンのストリップが積層されかつWacker Chemie GmbH,Germanyからのエラストマー Silgel 612で被覆されたKlinidrape(登録商標)材料のストリップについてもかかる測定が行われた。これらの測定の結果は、以下の表2に示されている。
Figure 2005520620
これらの測定値から、Silgel 612が接着剤縁を有するドレープ製品のための接着剤として良好に作用することができることが明らかである。
シリコーンエラストマー、例えばWacker Chemie GmbH,Germanyによって製造されSilgel 612の名前で販売されているシリコーンエラストマーは、本発明によるドレープ製品のために用いられることができる接着剤の例である。あるシリコーンエラストマーは疎水性であるという利点をさらに有し、これはドレープ製品の縁が皮膚に封止されて取付けられることができることを確実にする。皮膚の三次元構造に堅固に接続される種類のヒドロゲルを使用して接着剤被覆を通した液体の通過を防止し、ヒドロゲルの外側への液体の拡散を防止するか又はヒドロゲルの外側への液体の拡散を小さな範囲だけにすることも考えられる。しかし、疎水性接着剤の使用が好ましい。
1.5N/25mmの接着力を有するシリコーンエラストマーは、接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷が、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると10%未満であるという要件も満たすことが示されている。従って、かかるエラストマーはドレープ製品に使用するのに極めて好適である。
柔らかい接着剤がドレープ製品を皮膚に付着させるために良好に作用する理由は、その柔らかさが接着剤が皮膚のすべてのでこぼこを充填することを可能にするからである。これは、この接着剤がドレープ製品を皮膚に付着させるために現在用いられている種類の接着剤より皮膚の大きな部分を被覆するということを意味する。皮膚の大きな表面が柔らかい接着剤の取付けのために用いられるので皮膚に対する接着は硬い接着剤より小さいかもしれず、柔らかい接着剤は硬い接着剤よりN/25mmでの大きな接着力を有することがあるかもしれない。これは柔らかい接着剤が、接着剤に粘着する角質層のゆるい部分以外の部分を除去することなしに皮膚から引張り去られることを可能にする。
接着剤被覆12の必要な幅/長さ単位を減少させるため、及びドレープ製品1〜4での使用時の安全限界を増大させるため、接着剤被覆12の皮膚に対する接着力は1.0N/25mmより大きいことが有利であり、1.2N/25mmより大きいことが好ましい。
ドレープ製品を付着させるために現在用いられている硬い接着剤を用いると、ドレープ製品の接着剤被覆は皮膚からの除去後、角質層細胞によって大部分が被覆される。これはそれらの接着能力が、ドレープ製品の縁が皮膚に再適用されることができないような範囲にまで減少されることをもたらす。かかるドレープ製品の適用は大きな注意を要する。何故なら、不正確に適用されたドレープ製品は簡単には取り去ることができず、正確な位置に再適用することができず、新しいドレープ製品に取り換えられなければならないからである。
図1及び2に開示される実施態様では、セルロース詰め物の層12はドレープ製品の縁に沿って延びておらず、接着剤被覆12はプラスチック層10に付着されている。ドレープ製品の下面に対する接着剤の接着力が皮膚に対する接着力より大きいことを確実にするため、接着剤被覆を材料、例えば不織布又は好適なプラスチック材料のストリップに付着させ、そこに接着剤被覆は皮膚に対するより大きい力で確実に接着し、次にドレープ製品材料及びストリップに良好に接着する接着剤でそのストリップをドレープ製品材料の下面に付着させることができる。ストリップはプラスチックフィルムと不織布の積層体からなることもでき、不織布層は接着剤被覆に面し、ストリップのプラスチック層はドレープ製品材料に好適な方法で、例えば接着剤によって付着される。
本発明の第2実施態様が図4及び5に開示されており、そこでは接着剤で被覆された別個のストリップ13がドレープ製品14〜17と一緒に用いられて図1に示されるのと同様の手術領域Oの周りのドレープ製品のドレープ形成を達成する。ストリップ13はプラスチックフィルム18からなることが好ましく、その上面はドレープ製品材料に良好に接着する接着剤19で、例えばアクリレート接着剤で被覆されており、その下面は皮膚に良好に接着する接着剤20で被覆されている。接着剤20は図1及び2に関連して上述した実施態様の接着剤12と同様の特性を有する接着剤である。結果として、ドレープ製品14〜17は接着剤被覆を欠いている。ドレープ製品とストリップのかかる組合せの助けを借りたドレープ形成手順では、ストリップはまず手術領域Oの縁に沿って適用され、その後、ドレープ製品の縁がストリップに適用され、それによってストリップの接着剤20に付着される。ドレープ製品は製品又は患者の体の間違った部分に粘着することがありえる接着剤被覆がないため、かかるドレープ製品を取扱って既に付着されているストリップにそれを適用することは極めて容易である。この配置が2段階の手順であるにもかかわらず、このドレープ製品の適用は、適用のための時間が一体化された接着剤縁を有するドレープ製品の適用のための時間より長くないような程度に容易にされる。図4では、ドレープ製品14〜17のドレープ形成は最終段階が示されており、そこではストリップ13へのドレープ製品16の縁の付着だけがまだ行われずに残されている。
ストリップ13は、皮膚側に面する接着剤が皮膚に対するより大きい力で接着する材料で作られるべきであり、加えて、不織布からなるプラスチック層又は不織布とプラスチック層の積層体であることができる。確実かつ容易な適用を可能とするため、ストリップ13の幅は好ましくは25〜200mmであるべきである。
ストリップ13の代わりの実施態様では、これらはそれらの上面に接着剤被覆を欠いており、従来の種類の接着剤縁を有するドレープ製品14〜17と協同する。
接着力の値はすべて乾燥した皮膚に対する接着に関するものであることが指摘される。さらに、ドレープ製品又はストリップの接着剤被覆は全て保護的剥離層を与えられており、これは適用前に除去されるべきである。
ドレープ製品又はストリップの下面とは、ドレープ製品又はストリップの使用中患者の体に面する面を意味する。
本発明は上述した実施態様の製品以外の他の種類のドレープ製品のために使用することももちろん可能であり、例えば予め調製された手術開口を有する手術用ドレープであって、その周りに接着剤縁(単数又は複数)が延びている手術用ドレープのために使用することも可能である。従って、本発明の範囲は患者の体に付着されることを意図されるすべての公知の種類のドレープ製品を含む。
開示された実施態様はもちろん本発明の範囲内で改変されることができる。ドレープ製品は上述したドレープ製品以外の材料で製造されることができ、例えば織物又は織物状材料の単層ドレープ製品からなることができる。従って、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の内容のみによって制限されるべきである。
手術開口の周りに配置された本発明の好ましい実施態様による四つのドレープ製品のためのドレープシステムの上方からの平面図を模式的に示す。 図1の線II−IIに沿った断面図を示す。 皮膚に対する接着力の測定を模式的に示す。 本発明の第2実施態様によるストリップを用いた手術開口の周りのドレープ製品のドレープ形成を模式的に示す。 図4の線V−Vに沿った断面図を示す。

Claims (9)

  1. 手術の介入のためのドレープ製品(1〜4)であって、その下面がその縁の少なくとも一つ(それぞれ5,6,7及び8)に沿って接着剤で被覆されており、前記被覆(12)が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものにおいて、接着剤の皮膚に対する接着力が0.5N/25mmより大きく、好ましくは1.0N/25mmより大きく、より好ましくは1.2N/25mmより大きいこと、及び接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷が、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であることを特徴とするドレープ製品。
  2. 接着剤被覆(12)が150mm未満のドレープ製品の縁に対して垂直の幅を有することを特徴とする請求項1記載のドレープ製品。
  3. 接着剤がシリコーンエラストマー、ヒドロゲル又は他の柔らかい粘着性接着剤からなることを特徴とする請求項1又は2記載のドレープ製品。
  4. 接着剤が疎水性シリコーンエラストマーからなることを特徴とする請求項3記載のドレープ製品。
  5. 接着剤が担持材料のストリップの下面に付着され、担持材料の上面はドレープ製品の下面に付着されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のドレープ製品。
  6. ドレープ製品(14〜17)の縁の少なくとも一部を患者の皮膚に付着させるためのストリップ(13)において、ストリップ(13)がその下面を接着剤(21)で被覆されており、その接着剤が0.5N/25mmより大きい、好ましくは1.0N/25mmより大きい、より好ましくは1.2N/25mmより大きい皮膚に対する接着力を有すること、及び接着剤によって被覆される皮膚の部分の角質層に対する損傷が、皮膚に取付けられていたドレープ製品の除去後、SCT(分光色試験)で測定すると30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であることを特徴とするストリップ。
  7. ストリップ(13)をドレープ製品(14〜17)の下面に取付けるための固定手段(20)をストリップの上面に与えられていることを特徴とする請求項6記載のストリップ。
  8. ストリップが25〜200mmの幅を有することを特徴とする請求項6又は7記載のストリップ。
  9. ドレープ製品(1〜4)であって、その下面がその縁の少なくとも一つ(それぞれ5,6,7及び8)に沿って接着剤で被覆されており、前記被覆が縁に完全に又は部分的に沿って延びるものにおいて、接着剤の皮膚に対する接着力が皮膚に対するドレープ製品の2回目の適用時に0.5N/25mmより大きく、好ましくは1.0N/25mmより大きく、より好ましくは1.2N/25mmより大きいこと、及び接着剤の皮膚に対する接着力がドレープ製品の2回目の適用時に40%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満減少されていることを特徴とするドレープ製品。
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