JP2005519119A - 界面活性剤として使用するための化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明により、式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物〔式中、m、n、p、およびqは、独立して、整数1〜12を表し;R1a、R1b、およびR1cは、独立して、C1〜3アルキルまたは水素を表し;R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルを表し;R4およびR5は、独立して、-CH3または水素を表し.X1およびX2は、独立して、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH2CH2、-CH2CH(CH3)CH2-、CH2CH2CH(CH3)、または-COCH(CH3)-を表し;そしてY1およびY2は、独立して、-CH2-またはカルボニルを表すが;ただし、pおよびqが1を表し;mおよびnが、独立して、1〜12の整数を表し;R4およびR5が水素を表し;X1およびX2が-(CH2)2-を表し;かつY1およびY2が-CH2-を表すときは;R2およびR3は、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜2アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルだけを表すことが可能である〕を提供する。
【化1】

Description

本発明は、新規な界面活性剤と、吸入による医薬の投与に使用するための、それを含有するエーロゾル製剤とに関する。
医薬を投与するためにエーロゾルを使用することについては、数十年前から知られている。そのようなエーロゾルは、一般的には、医薬と、1種以上のクロロフルオロカーボン噴射剤と、界面活性剤または共溶媒(たとえば、エタノール)のいずれかとを含む。最もよく使用される医薬用エーロゾル噴射剤は、噴射剤12(CCl2F2)と併用される噴射剤11(CCl3F)および/または噴射剤114(CF2ClCF2Cl)であった。しかしながら、これらの噴射剤は、現在では、成層圏のオゾンの分解を引き起こすと考えられるので、いわゆる「オゾンにやさしい」噴射剤を利用した医薬用エーロゾル製剤を提供する必要性が存在する。
従来のクロロフルオロカーボンと比較して最小のオゾン枯渇作用を有すると考えられるクラスの噴射剤は、フルオロカーボンと水素含有クロロフルオロカーボンとを含み、そのような噴射剤系を用いるいくつかの薬用エーロゾル製剤は、たとえば、EP0372777、WO91/04011、WO91/11173、WO91/11495、およびWO91/14422に開示されている。これらの出願はいずれも、医薬を投与するための加圧エーロゾルの調製に関するものであり、新しいクラスの噴射剤の使用に伴う問題、とくに、調製された医薬製剤にまつわる安定性の問題を克服しようとするものである。これらの出願はいずれも、1種以上の佐剤、たとえば、アルコール、アルカン、ジメチルエーテル、界面活性剤(たとえば、フッ素化および非フッ素化界面活性剤、カルボン酸、ポリエトキシレートなど)、さらにはオゾン破壊の可能性を最小限に抑えることを意図した少量の従来のクロロフルオロカーボン噴射剤を添加することを提案している。
MDIから患者に送達されるエーロゾル医用物質の処方用量は、製造業者が定めた仕様を常に満足し、かつFDAや他の監督機関の要求基準に適合することが不可欠である。すなわち、缶から送達される用量はすべて、厳密な許容差の範囲内で同一でなければならない。したがって、製剤は、計量バルブの作動時に投与される用量全体にわたり実質的に均一であることが重要である。
懸濁液製剤の場合、微粒子の凝結を抑えることにより懸濁液の分散性を向上させるべく、フッ素化界面活性剤を用いて、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(P134a)または1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(P227)のようなフルオロカーボン噴射剤中の微粉化薬物の懸濁液を安定化させうることが、当技術分野で十分に確立されている。たとえば、US4352789、US5126123、US5376359、US出願09/580008、WO91/11173、WO91/14422、WO92/00062、およびWO96/09816を参照されたい。
WO92/00061には、フルオロカーボン噴射剤と併用するための非フッ素化界面活性剤が開示されている。
驚くべきことに、この度、本出願人は、良好な界面活性剤特性を有する特定のグループの新規な非フッ素化化合物および低フッ素含有率化合物が、新規なエーロゾル製剤を調製するために使用しうること、およびエーロゾル製剤の安定性の向上、薬物析出の減少、貯蔵寿命の延長などの点で有利でありうることを見いだした。このほか、本発明の化合物は、フルオロカーボン噴射剤もしくは水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤またはそれらの混合物に十分に可溶であるため、極性の佐剤を使用する必要性が回避される。
したがって、一態様において、本発明は、一般式(I)
Figure 2005519119
で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物〔式中、
m、n、p、およびqは、独立して、整数1〜12を表し;
R1a、R1b、およびR1cは、独立して、C1〜3アルキルまたは水素を表し;
R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルを表し;
R4およびR5は、独立して、-CH3または水素を表し;
X1およびX2は、独立して、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH2CH2、-CH2CH(CH3)CH2-、CH2CH2CH(CH3)、または-COCH(CH3)-を表し;そして
Y1およびY2は、独立して、-CH2-またはカルボニルを表すが;
ただし、
pおよびqが1を表し;かつ
mおよびnが、独立して、1〜12の整数を表し;かつ
R4およびR5が水素を表し;かつ
X1およびX2が-(CH2)2-を表し;かつ
Y1およびY2が-CH2-を表すときは;
R2およびR3は、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜2アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルだけを表すことが可能である〕を提供する。
好ましくは、nおよびmは、独立して、整数2〜8、とくに3〜6を表す。
好ましくは、pおよびqは、独立して、整数1〜6、とくに1〜3、とりわけ1を表す。
好ましくは、R1aはメチルを表す。好ましくは、R1bはメチルを表す。好ましくは、R1cはメチルを表す。好ましくは、R1aは、R1bおよびR1cと同じものを表す。
好ましくは、R2およびR3はいずれも、-COCFH2を表さない。好ましくは、R2およびR3は、独立して、-COCH3、-COCH2CH3、C1〜3アルキル(たとえば、メチル、エチル、プロピル、もしくはイソプロピル)、-CHF2、CF3、または-CH2CF3、より好ましくは-CH3、-CF3、または-CH2CF3、とくに-CH3または-CH2CF3、なかでもとくに-CH2CF3を表す。
好ましくは、R4およびR5は水素を表す。
好ましくは、Y1はカルボニルを表す。好ましくは、Y2はカルボニルを表す。
最も好ましくは、nはmと同じものを表すであろう。最も好ましくは、pはqと同じものを表すであろう。最も好ましくは、R1a、R1b、およびR1cは、-CH3を表す。最も好ましくは、R2はR3と同じものを表すであろう。最も好ましくは、R4はR5と同じものを表すであろう。最も好ましくは、X1はX2と同じものを表すであろう。最も好ましくは、Y1はY2と同じものを表すであろう。
第1の好ましい系列の化合物では、
pおよびqは、独立して、1〜3を表し;
R2およびR3は、独立して5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキル、好ましくは-COCH3または-COCH2CH3、とくに-COCH3を表し;
R4およびR5は、独立して、水素または-CH3、好ましくは-CH3を表し;
X1およびX2は、-COCH(CH3)-を表し;そして
Y1およびY2は、カルボニルを表す。
第2の系列の好ましい化合物では、
pおよびqは、独立して、1〜3を表し;
R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキル、好ましくはC1〜3アルキル、-CHF2、-CF3、または-CH2CF3、より好ましくは-CH3、-CF3、-CH2CH3、または-CH2CF3、とくに-CH3または-CH2CF3、なかでもとくに-CH2CF3を表し;
R4およびR5は、独立して、水素またはメチル、好ましくは水素を表し;
X1およびX2は、好ましくは独立して、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、またはCH2CH2CH(CH3)-、好ましくは-(CH2) 2-、-CH(CH3)CH2-、または-CH2CH(CH3)-、とくに-(CH2) 2-を表し;そして
Y1およびY2は、独立して、-CH2-またはカルボニル、とくにカルボニルを表す。
式(I)で示される化合物は、1つ以上のキラル中心を含有する。当然のことながら、式(I)で示される化合物は、式(I)で示される化合物のすべての光学異性体およびそれらの混合物(それらのラセミ混合物を含む)を包含する。
式(I)で示される化合物は、塩または溶媒和物の形態で存在可能であり、これらもまた、本発明の態様を構成する。塩の例としては、酸付加塩、たとえば、塩化水素塩または臭化水素塩が挙げられる。溶媒和物の例としては、水和物が挙げられる。
さらなる態様において、本発明は、微粒子状医薬と、フルオロカーボン噴射剤もしくは水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤またはそれらの混合物と、先に記載したような式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む医薬エーロゾル製剤を提供する。
本発明に係る製剤の調製に用いられる式(I)で示される化合物は、医薬の量を基準にして低濃度で効果のある安定化剤である。たとえば、利用される式(I)で示される化合物の量は、望ましくは、医薬を基準にして0.05%〜20% w/w、とりわけ0.5%〜10% w/w、なかでもとりわけ0.5%〜5% w/wの範囲である。
微粒子状(たとえば、微粉化)医薬の粒子サイズは、エーロゾル製剤を投与したときに肺または鼻腔中に医薬の実質的にすべてが吸入されうるようなサイズでなければならず、したがって、100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満であり、好ましくは1〜10ミクロン、たとえば1〜5ミクロンの範囲の質量メジアン空気動力学的直径(MMAD)を有するであろう。
最終エーロゾル製剤は、望ましくは、製剤の全重量を基準にして0.005〜10% w/w、好ましくは0.005〜5% w/w、とくに0.01〜1.0% w/wの医薬を含有する。
本発明のエーロゾル製剤に組み入れて投与しうる医薬としては、吸入療法に有用でありかつ所定の噴射剤に実質的に完全に不溶な形態で提供しうる任意の薬物が挙げられる。したがって、適切な医薬は、たとえば、鎮痛剤、具体的には、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、またはモルヒネ;狭心症用製剤、具体的には、ジルチアゼム;抗アレルギー剤、具体的には、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、ケトチフェン、またはネドクロミル(たとえば、ナトリウム塩として);抗感染剤、具体的には、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、およびペンタミジン;抗ヒスタミン剤、具体的には、メタピリレン;抗炎症剤、具体的には、ベクロメタゾン(たとえば、ジプロピオネートとして)、フルチカゾン(たとえば、プロピオネートとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン(たとえば、フロエートとして)、シクレソニド、トリアムシノロン(たとえば、アセトニドとして)、または6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステル);鎮咳剤、具体的には、ノスカピン;気管支拡張剤、具体的には、アルブテロール(たとえば、遊離塩基としてまたはスルフェートとして)、サルメテロール(たとえば、キシナホエートとして)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、ヒドロブロミドとして)、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(たとえば、アセテートとして)、レプロテロール(たとえば、ヒドロクロリドとして)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、スルフェートとして)、イソエタリン(ツロブテロール)、4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチア-ゾロン;利尿剤、具体的には、アミロリド;抗コリン作動剤、具体的には、イプラトロピウム(たとえば、ブロミドとして)、チオトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム;ホルモン、具体的には、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン;キサンチン、具体的には、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、またはテオフィリンから選択可能である。当業者には自明なことであろうが、望ましい場合には、医薬の活性および/または安定性を最適化するためにおよび/または噴射剤中への医薬の溶解性を最小限に抑えるために、塩(たとえば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩または酸付加塩として)の形態で、またはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、あるいは溶媒和物(たとえば、水和物)として、医薬を使用することも可能である。当業者にはさらに自明なことであろうが、望ましい場合には、純粋な異性体(たとえば、R-アルブテロールまたはR,R-ホルモテロール)の形態で医薬を使用することも可能である。
本発明に係るエーロゾル製剤を用いて投与するのにとりわけ好ましい医薬としては、吸入療法により喘息、COPD、または鼻炎のような呼吸器障害の処置に使用するための抗アレルギー剤、気管支拡張剤、および抗炎症性ステロイド、具体的には、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、アルブテロール(たとえば、遊離塩基またはスルフェートとして)、サルメテロール(たとえば、キシナホエートとして)、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)、テルブタリン(たとえば、スルフェートとして)、レプロテロール(たとえば、ヒドロクロリドとして)、ベクロメタゾンエステル(たとえば、ジプロピオネートとして)、フルチカゾンエステル(たとえば、プロピオネートとして)が挙げられる。サルメテロール、とくに、サルメテロールキシナホエート、アルブテロールスルフェート、フルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、および生理学的に許容されるそれらの塩および溶媒和物は、とくに好ましい。
当業者には当然のことながら、本発明に係るエーロゾル製剤は、所望により、2種以上の活性成分を組み合わせて含有しうる。たとえば、好適な組合せとしては、抗炎症性ステロイド(たとえば、ベクロメタゾンエステル)と組み合わされた気管支拡張剤(たとえば、アルブテロールまたはイソプレナリン);抗アレルギー剤(たとえば、クロモグリケート)と組み合わされた気管支拡張剤が挙げられる。このほかに、代表的な組合せとしては、エフェドリンとテオフィリン;フェノテロールとイプラトロピウム;イソエタリンとフェニレフリン;アルブテロール(たとえば、遊離塩基またはスルフェートとして)とベクロメタゾンエステル(たとえば、ジプロピオネート);ブデソニドとホルモテロール(たとえば、フマレートとして)(これはとくに興味深い);ならびにサルメテロール(とりわけ、サルメテロールキシナホエートとして)とフルチカゾンエステル(たとえば、プロピオネート)(これもまたとくに興味深い)が挙げられる。
本発明に使用するための噴射剤は、噴射剤としての効力をもたせるのに十分な蒸気圧を有する任意のフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物であってよい。好ましくは、噴射剤は医薬用の非溶媒であろう。好適な噴射剤としては、たとえば、CH2ClF、CClF2CHClF、CF3CHClF、CHF2CClF2、CHClFCHF2、CF3CH2Cl、およびCClF2CH3のようなC1〜4水素含有クロロフルオロカーボン;CHF2CHF2、CF3CH2F、CHF2CH3、およびCF3CHFCF3のようなC1〜4水素含有フルオロカーボン;ならびにCF3CF3およびCF3CF2CF3のようなペルフルオロカーボンが挙げられる。
フルオロカーボンと水素含有クロロフルオロカーボンとの混合物を利用する場合、それらは、先に特定した化合物と、他のフルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボン(たとえば、CHClF2、CH2F2、およびCF3CH3)と、の混合物、好ましくは二成分混合物であってよい。噴射剤としてとりわけ好ましいのは、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CF3CH2F)および1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(CF3CHFCF3)のようなC1〜4水素含有フルオロカーボンまたはそれらの混合物である。好ましくは、単一のフルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボン、たとえば、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134a)または1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(HFA 227)、とくに1,1,1,2テトラフルオロエタンを噴射剤として利用する。
本発明の製剤は、成層圏のオゾンの分解を引き起こす可能性のある成分を含有しないことが望ましい。とくに、製剤は、CCl3F、CCl2F2、およびCF3CCl3のようなクロロフルオロカーボンを実質的に含まないことが望ましい。
所望により、噴射剤は、飽和炭化水素(たとえば、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、およびイソペンタン)またはジアルキルエーテル(たとえば、ジメチルエーテル)のような揮発性佐剤をさらに含有していてもよい。一般的には、噴射剤の50% w/wまでは、揮発性炭化水素(たとえば、1〜30% w/w)で構成されていてもよい。しかしながら、揮発性佐剤を実質的に含まない製剤が好ましい。特定の場合には、噴射剤の誘電性を改変するのに有利でありうる適正量の水を含有させることが望ましいであろう。
所望により、本発明に係る製剤に組み込みうる極性佐剤としては、たとえば、C2〜6脂肪族アルコールおよびポリオール(たとえば、エタノール、イソプロパノール、およびプロピレングリコール)ならびにそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、エタノールが利用されるであろう。一般的には、ごく少量(たとえば、0.05〜3.0% w/w)の極性佐剤が必要であり、5% w/wを超える量を使用すると、不都合なことに、医薬を溶解させる傾向を呈しうる。製剤は、好ましくは、1% w/w未満(たとえば、約0.1% w/w)の極性佐剤を含有する。極性は、たとえば、欧州特許出願公開第0327777号に記載されている方法により、決定可能である。
しかしながら、式(I)で示される化合物はフルオロカーボン噴射剤または水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤に十分に可溶であるので、極性佐剤を使用する必要性は回避される。これは、極性佐剤として有利であり、とくに、エタノールは、いかなる患者群で使用するにも好適でない。極性佐剤の使用を回避する式(I)で示される化合物を含有する製剤が好ましい。
一般式(I)で示される1種以上の化合物に加えて、本発明に係る製剤は、場合により、医薬エーロゾル製剤の技術分野で慣用される1つ以上のさらなる成分を含有しうる。そのような任意成分としては、味マスキング剤、糖、緩衝剤、酸化防止剤、水、および化学的安定化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のとりわけ好ましい実施形態は、1種以上の微粒子状医薬と、1種以上のフルオロカーボン噴射剤または水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤と、1種以上の式(I)で示される化合物と、から本質的になる医薬エーロゾル製剤を提供する。
本発明のさらなる実施形態は、液体として噴射剤を保持するのに必要な圧力に耐えることのできる密閉容器、たとえば、先に記載したようなエーロゾル製剤を収容する定量噴霧式吸入器である。
「定量噴霧式吸入器」またはMDIという用語は、缶と、缶を覆う固定キャップと、キャップ中に位置する製剤計量バルブと、で構成されたユニットを意味する。MDIシステムは、好適なチャネリングデバイスを具備する。好適なチャネリングデバイスは、たとえば、バルブアクチュエーターと、計量バルブを介して医薬を充填キャニスターから患者の鼻または口まで送達する際に通過させうる円筒状または円錐状の流路とを備える。たとえば、マウスピースアクチュエーターを備える。
本発明の態様として、式(I)で示される化合物の調製方法をも提供する。
したがって、
(a) 式(II)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりである〕を、式(III)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその活性化誘導体〔式中、R2、R4、X1、n、およびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることによる、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、R4はR5と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、Y1およびY2はカルボニルを表し、mはnと同じものを表し、そしてpはqと同じものを表す〕の調製;または
(b) 式(IV)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R5、X2、Y2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(III)1で示される化合物もしくはその活性化誘導体と反応させることを含む、式(I)で示される化合物〔式中、Y1はカルボニルを表す〕の調製;または
(c) 式(IV)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、X1、Y1 n、およびpは、先に定義したとおりである〕を、式(III)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその活性化誘導体〔式中、R3、R5、X2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させることを含む、式(I)で示される化合物〔式中、Y2はカルボニルを表す〕の調製;または
(d) 式(II)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1cは、先に定義したとおりであり、そしてL1およびL2は、脱離基を表す〕を、式(V)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R2、R4、X1、Y1、n、およびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることによる、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、R4はR5と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、Y1はY2と同じものを表し、mはnと同じものを表し、そしてpはqと同じものを表す〕の調製;または
(e) 式(VI)1
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R5、X2、Y2、m、q、およびL1は、先に定義したとおりである〕を、式(V)1で示される化合物もしくはその塩と反応させること;または
(f) 式(VI)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、X1、Y1、n、p、およびL2は、先に定義したとおりである〕を、式(V)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3、R5、X2、Y2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させること;または
(g) 式(VII)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、Y1、Y2、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)1
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R2、X1、およびnは、先に定義したとおりであり、そしてL3は脱離基を表す〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、そしてnはmと同じものを表す〕を調製すること;または
(h) 式(IX)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5 X2、Y1、Y2、m、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)1で示される化合物と反応させること;または
(i) 式(IX)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、Y1、Y2、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R3、X2、およびmは、先に定義したとおりであり、そしてL4は脱離基を表す〕と反応させること;または
(j) 式(VII)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、Y1、Y2、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてL5およびL6は、脱離基を表す〕を、式(X)1
Figure 2005519119
示される化合物もしくはその塩〔式中、R2、X1、およびnは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、そしてnはmと同じものを表す〕を調製すること;または
(k) 式(XI)1
Figure 2005519119
示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X2、m、p、q、およびL5は、先に定義したとおりである〕を、式(X)1で示される化合物もしくはその塩と反応させることを;または
(l) 式(XI)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、Y1、Y2、n、p、q、およびL6は、先に定義したとおりである〕を、式(X)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3、X2、およびmは、先に定義したとおりである〕と反応させること;または
(m) 式(XII)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)1
R2L7 (XIII)1
で示される化合物〔式中、R2は先に定義したとおりであり、そしてL7は脱離基である〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表す〕を調製すること;または
(n) 式(XIV)1
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)1で示される化合物と反応させること;または
(o) 式(XIV)2
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)2
R3L8 (XIII)2
で示される化合物〔式中、R3は先に定義したとおりであり、そしてL8は脱離基を表す〕と反応させること;または
(p) 式(XII)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてL9およびL10は、脱離基を表す〕を、式(XV)1
R2OH (XV)1
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R2は先に定義したとおりである〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表す〕を調製すること;または
(q) 式(XVI)1
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、q、およびL9は、先に定義したとおりである〕を、式(XV)1で示される化合物もしくはその塩と反応させること;または
(r) 式(XVI)2
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、q、およびL10は、先に定義したとおりである〕を、式(XV)2
R3OH (XV)2
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3は先に定義したとおりである〕と反応させること;または
(s) 式(XVII)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R2、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XVIII)
R1aL11 (XVIII)
で示される化合物〔式中、R1aは先に定義したとおりであり、そしてL11は脱離基を表す〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R1aは、R1bおよびR1cと同じものを表す〕を調製すること;または
(t) 式(XIX)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキル表し、そしてR4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてZ1およびZ2は、ハロゲンを表す〕を、式(XX)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりであり、そしてイオン-は、負の対イオン(たとえば、クロロ)を表す〕と反応させてから、水による後処理を行うことにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子により場合により置換されていてもよいC1〜4アルキル表す〕を調製すること;または
(u) 式(XXI)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R2、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XXII)
Figure 2005519119
で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりである〕と反応させること、
を含む、式(I)で示される化合物の調製方法を提供する。
上記のプロセス(a)では、反応は、通常、塩基性条件下(たとえば、ジイソプロピルアミンのような非求核性塩基の存在下)、テトラヒドロフラン(THF)などの不活性溶媒中、非極限温度(たとえば、室温のような0〜50℃)で、行われるであろう。
プロセス(a)に対して記載した条件と類似の条件が、プロセス(c) (d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i) (j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)、および(s)に使用するのに好適である。酸またはアルコール(すなわち、アルコキシド)の対応する塩を使用する場合、これは、当業者に周知の方法により調製することができる。たとえば、アルコキシドは、不活性溶媒の存在下でアルコールを水素化ナトリウムなどの水素化物と反応させることにより調製することができる。L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、およびL11に好適な脱離基としては、ハロゲン(たとえば、ブロモもしくはクロロ)、-O-トシル、-O-ブロシル、-O-メシル、または-O-トリフリルが挙げられる。
使用される式(III)1または(III)2で示される化合物が酸である場合、上記の反応は、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1,1-カルボニルジイミダゾールのようなカップリング剤の存在により、場合により、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)または4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)のような可溶化剤の存在下で、促進可能である。好ましくは、式(III)1または(III)2で示される化合物は、活性化誘導体として使用されるであろう。式(III)1および(III)2で示される化合物の活性化誘導体としては、酸ハリド(たとえば、酸クロリドおよび酸ブロミド);アンヒドリド(混合アンヒドリドを含む)、ならびに活性化エステルが挙げられる。
酸ハリドは、ハロゲン化剤(たとえば、チオニルクロリド、オキサリルクロリド、オキサリルブロミド、オキシ塩化リン、またはオキシ臭化リン)を用いて、標準的条件下で、たとえば、非極限温度(たとえば、室温のような0〜75℃)で、対応する酸から調製することができる。不活性溶媒を使用してもよいが、多くの場合、反応は、溶媒を添加することなく行われる。
アンヒドリドは、一般的には、DCMまたはTHFのような不活性溶媒中、塩基性条件下(たとえば、トリエチルアミンのような非求核性塩基の存在下)、非極限温度(たとえば、室温のような0〜50℃)で、酸を酸ハリドと反応させることにより、調製することができる。混合アンヒドリドの調製に使用するのに好適な試薬は、トリメチルアセチルクロリドである。この試薬を用いて生成された混合アンヒドリドは、反応の次の段階に移ったとき、一方のカルボニルの攻撃がそれに隣接するt-ブチル置換基により妨害されるので、いくらかのレギオ選択性を提供するという利点を有する。
「活性化エステル」は、良好な脱離基を含有しているので、単純エステルよりも反応性である。これらは、たとえば、不活性溶媒中、非極限温度(たとえば、室温)で、対応する酸を、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)または1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAT)などと共に、攪拌することにより、in situで生成させることが可能である。
プロセス(t)では、反応は、通常、塩基性条件下(たとえば、ピリミジンのような非求核性塩基の存在下)、トリクロロメタンのような不活性溶媒中、非極限温度(たとえば、0〜25℃のような-10〜50℃)で、行われるであろう。塩化リン結合を加水分解して式(I)で示される化合物を生成させるために、水で反応をクエンチングするさらなるステップが必要である。
プロセス(u)では、反応は、通常、不活性溶媒(たとえば、DCM、THF、DMF、またはアセトニトリル 、具体的には、アセトニトリル)中、非極限温度(たとえば、65℃のような0〜100℃)で、圧力の変化に耐えることのできる容器中で、行われるであろう。式(XXI)で示される化合物がガスである場合、0℃のような-10〜20℃の範囲の温度まで冷却させた後、反応混合物中に導入し、次に、圧力容器中で加熱することも可能である。
式(IV)1で示される化合物は、
(i) 式(II)1で示される化合物またはその保護誘導体を式(III)2で示される化合物と反応させること;または
(ii) 式(XXIII)
Figure 2005519119
で示される化合物またはその保護誘導体〔式中、遊離アルコールは保護されており、そしてR3、X2、Y2、q、およびmは、先に定義したとおりである〕を、式(XXII)で示される化合物と反応させること、
により調製可能である。
プロセス(i)は、プロセス(a)に対して先に記載した条件と類似の条件下で行うことが可能である。好ましくは、非反応ヒドロキシルは、保護されるであろう。
プロセス(ii)は、プロセス(t)に対して先に記載した条件と類似の条件下で行うことが可能である。好ましくは、非反応ヒドロキシルは、保護されるであろう。
保護基(たとえば、ヒドロキシルまたはアミノの保護基)およびそれらの除去手段の例は、"Protecting Groups In Organic Synthesis" by Theodora Green and Peter G.M Wuts (John Wiley and Sons Inc 1999)中に見いだすことができる。好適なヒドロキシル保護基としては、カルボン酸エステル(たとえば、アセテートエステル)、アリールエステル(たとえば、ベンゾエートエステル)、エーテル(たとえば、ベンジルエーテルおよびp-メトキシベンジルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、ならびにtert-ブチルジメチルシリルエーテルなどのシリルエーテル)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。R1a、R1b、およびR1cの一部または全部が水素を表す場合、カルボベンジルオキシ(CBZ)、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)、またはトリフルオロアセチル(TFA)などでアミンを保護することが必要であろう。
保護基は、酸もしくは塩基触媒加水分解または水素化などの還元により除去することができる。シリルエーテルは、開裂させるために、テトラブチルアンモニウムフルオリドまたはテトラブチルアンモニウムフルオリドを必要とするであろう。ヒドロキシルをベンジルエーテルとして保護する場合、保護基は、たとえば、水素化により、除去可能である。ヒドロキシルをTHPエーテルとして保護する場合、保護基は、たとえば、酸加水分解により、除去可能である。アミノ基をBOCまたはCBZにより保護する場合、保護基の除去は、たとえば、水素化により、行うことが可能である。アミノ基をTFAにより保護する場合、塩基加水分解により、たとえば、メタノールおよび水中の炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムにより、除去することができる。
次の化合物:(IV)2、(VII)1、(IX)1、(IX)2、(XII)1、(XIV)1、(XIV)2、および(XVII)は、先の式(IV)1または(I)で示される化合物の調製に対して記載した方法と類似の方法により調製可能である。
たとえば、式(IV)2の化合物は、式(II)1で示される化合物またはその保護誘導体を、式(III)1で示される化合物と反応させることにより調製することができ;式(VII)1で示される化合物は、式(II)1で示される化合物を、式(XXIV)1
Figure 2005519119
で示される化合物またはその活性化誘導体および/もしくはその保護誘導体〔式中、遊離ヒドロキシルは保護されており、そしてR4およびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより調製可能であり;式(IX)1で示される化合物は、式(IV)1で示される化合物を式(XXIV)1で示される化合物と反応させることにより調製可能であり;式(IX)2で示される化合物は、式(IV)2で示される化合物を、式(XXIV)2
Figure 2005519119
で示される化合物またはその活性化誘導体および/もしくはその保護誘導体〔式中、遊離ヒドロキシルは保護されており、そしてR5およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより調製可能であり;式(XII)1で示される化合物〔式中、X1はX2と同じものを表し、Y1はY2と同じものを表し、nはmと同じものを表し、そしてpはqと同じものを表す〕は、式(II)1で示される化合物を、式(XXV)
Figure 2005519119
で示される化合物またはその活性化誘導体および/もしくはその保護誘導体〔式中、遊離ヒドロキシルは保護されており、そしてR4、X1、Y1、nおよびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより調製可能である。式(XII)1で示される他の化合物は、本明細書に記載の方法と類似の方法により調製することができ;式(XIV)1で示される化合物は、式(XII)1で示される化合物またはその保護誘導体を、式(XIII)2で示される化合物と反応させることにより調製可能であり;式(XIV)2で示される化合物は、式(XII)1で示される化合物またはその保護誘導体を、式(XIII)1で示される化合物と反応させることにより調製可能であり;式(XVII)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表す〕は、式(XII)1で示される化合物を式(XIII)2で示される化合物と反応させることにより調製可能である。
式(II)2、(VI)1、(VI)2、(VII)2、(XI)1、(XI)2、(XII)2、(XVI)1、および(XVI)2で示される化合物は、対応するアルコールから調製可能であり、たとえば、
i) 脱離基がハロゲン(たとえば、クロロまたはブロモ)である化合物は、対応するアルコールを標準的条件下でハロゲン化剤と反応させることにより調製可能であり;または
ii) 脱離基が次のリスト:-O-トシル、-O-ブロシル、-O-メシル、および-O-トリフリルから選択される化合物は、標準的方法により調製可能である。
好適なハロゲン化剤は、先に記載したとおりである。
他の脱離基は、Jerry March著, Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structures (第4版), 354および355頁の記載に従って調製することができる。たとえば、トシレートは、対応するアルコールをパラ-トルエンスルホン酸と反応させることにより調製可能である。
このほか、式(VII)2で示される化合物〔式中、L5およびL6はハロゲンを表し、そしてY1およびY2はカルボニルを表す〕は、
(i) 先に定義した式(II)1で示される化合物を、式(XXVI)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、Z3およびZ4は、独立して、ハロゲン、とくに塩素または臭素を表す〕と反応させることにより、式(VII)2で示される化合物〔式中、R4はR5と同じものを表し、そして、pはqと同じものを表す〕を調製すること;
(ii) 式(XXVII)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりである〕をBr2と反応させることにより、式(VII)2で示される化合物〔式中、R4およびR5は水素を表し、pはqと同じものを表し、そしてL5およびL6はBrを表す〕を調製すること、
により調製可能である。
上記の(i)の部分に対する典型的な条件には、塩基性条件下で、場合により、不活性溶媒中で、非極限温度(たとえば、0〜50℃)で、反応を行うことが包含されるであろう。プロセス(ii)は、(i)に対して記載した条件と類似の条件下で行うことが可能である。
式(XIX)で示される化合物〔式中、Z1およびZ2は塩素を表す〕は、式(XXVIII)
Figure 2005519119
で示される化合物を塩基の存在下でPOCl3と反応させることにより調製可能である。式(XIX)で示される他の化合物〔式中、Z1およびZ2は、塩素以外のハロゲンを表す〕は、類似の方法により調製可能である。
反応は、不活性溶媒(たとえば、イソプロピルエーテルのようなエーテル)中、非極限温度(たとえば、-25℃〜室温のような-30〜50℃)で、トリエチルアミンのような非求核性塩基の存在下で行うことが可能である。
式(XXI)で示される化合物は、式(XXVII)で示される化合物を、式(XXIX)
Figure 2005519119
で示される化合物〔式中、Z5は、ハロゲン、とくに塩素を表す〕と反応させることにより、調製可能である。
反応は、トルエンのような不活性溶媒中、トリエチルアミンのような非求核性塩基の存在下、非極限温度(たとえば、室温のような0〜50℃)で、行うことが可能である。
式(XXIII)で示される化合物は、式(XXIX)で示される化合物を、式(XXX)
Figure 2005519119
で示される化合物またはその保護誘導体〔式中、第二級アルコールは保護されており、そしてR3、R5、X2、Y2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより、調製可能である。
この反応に好適な条件は、式(XXI)で示される化合物の調製に対して先に記載したとおりである。
式(XXVII)で示される化合物は、式(II)1で示される化合物をアセチル化剤と反応させることにより調製可能である。
式(XXVIII)で示される化合物は、所望の組合せが得られるように、場合に応じて、グリセロールを、式(III)1で示される化合物もしくはその活性化誘導体および/または(III)2で示される化合物もしくはその活性化誘導体および/または(VIII)1で示される化合物および/または(VIII)2で示される化合物と反応させることにより、調製可能である。pがqと同じものを表し、nがmと同じものを表し、R2がR3と同じものを表し、R4がR5と同じものを表し、かつX1がX2と同じものを表す場合、式(III)1もしくは(III)2(同一化合物である)または(VIII)1もしくは(VIII)2(同一化合物である)で示される化合物は、少なくとも2モル当量使用されるであろう。式(XXVIII)で示される他の化合物については、逐次的に反応を行うことが可能である。好ましくは、グリセロールの非反応ヒドロキシルは保護されるであろう。
式(XXX)で示される化合物は、エピブロモヒドリンを式(V)2で示される化合物と組み合わせた後でたとえば水による後処理を行うことにより、調製可能である。
式(II)1、(II)2、(III)1、(III)2、(V)1、(V)2、(VIII)1、(VIII)2、(X)1、(X)2、(XIII)1 (XIII)2、(XV)1、(XV)2、(XVIII)、(XX)、(XXII)、(XXIV)1、(XXIV)2、(XXV)、(XXVI)、および(XXIX)で示される化合物は、公知であるか、または公知の方法により調製可能である。
当技術分野で一般的な上記の方法の変法は、本発明の範囲内にある。当然のことながら、本発明の化合物の調製時、保護基を使用することが必要になることもある。利用可能な好適な保護基の例としては、上述した保護基が挙げられる。
式(IV)1、(IV)2、(VI)1、(VI)2、(VII)1、(VII) 2、(IX)1、(IX)2、(XI)1、(XI)2、(XII)1、(XII)2、(XIV)1、(XIV)2、(XVI)1、(XVI)2、(XVII)、(XIX)、(XXI)、(XXIII)、(XXVII) (XXVIII)、および(XXX)で示される化合物は、新しいものであり、本発明の態様を構成する。
このほか、式(I)で示される1種以上の化合物を含む製剤の調製方法も、本発明の態様を構成する。
本発明の製剤は、たとえば、音波処理または高剪断ミキサーを用いて、適切な容器内で所定の噴射剤中に医薬および式(I)で示される化合物を分散させることにより、調製可能である。プロセスは、望ましくは、制御された湿度条件下で行われる。
本発明に係るエーロゾル製剤の化学的および物理的安定性ならびに製薬上の許容度は、当業者に周知の技術により決定可能である。かくして、たとえば、成分の化学的安定性は、たとえば、生成物を長期貯蔵した後、HPLCアッセイにより決定可能である。物理的安定性データは、他の従来分析技術により、たとえば、漏れ試験により、バルブ送達アッセイ(一操作あたりの平均噴霧重量)により、用量再現性アッセイ(一操作あたりの活性成分量)およびスプレー分布分析により、取得可能である。
本発明に係るエーロゾル製剤の懸濁安定性は、従来技術により、たとえば、後方光散乱計測器を用いてフロキュレーションサイズ分布を測定することにより、またはカスケードインパクションもしくは「ツインインピンジャー」分析法を用いて粒子サイズ分布を測定することにより、測定可能である。本明細書中で用いられる「ツインインピンジャー」アッセイに関する言及は、British Pharmacopaeia 1988, pages A204-207, Appendix XVII Cに定義されているように、「装置Aを用いる加圧吸入における送出用量の堆積量の決定」を意味する。そのような技術により、エーロゾル製剤の「吸入可能分率」を計算することができる。「吸入可能分率」を計算するために用いられる一方法は、先に記載したツインインピンジャー法を用いて一操作あたりに下側インピンジメントチャンバーで捕集される活性成分の量を一操作あたりに送達される活性成分の全量に対するパーセントで表した「微粒子分率」を調べる方法である。
MDIキャニスターは、一般的には、使用される噴射剤の蒸気圧に耐えることのできる容器、たとえば、プラスチックボトルもしくはプラスチックコーテッドガラスボトルまたは好ましくは金属缶(たとえば、場合により陽極処理、ラッカーコーティング処理、および/またはプラスチックコーティング処理が施されていてもよいアルミニウムまたはその合金の缶)を備える(たとえば、参照により本明細書に組み入れられるものとするWO96/32099では、内表面の一部分または全部が、場合により1種以上の非フルオロカーボンポリマーと組み合わせて、1種以上のフルオロカーボンポリマーでコーティングされている)。この容器は、計量バルブにより密閉されている。超音波溶接、ネジ固定、または圧着により、キャップを缶上に固定してもよい。本明細書中に教示されているMDIは、当該技術の方法により作製可能である(たとえば、上記のByronの文献およびWO/96/32099を参照されたい)。好ましくは、キャニスターにキャップアセンブリーを取り付ける。この場合、製剤計量バルブは、キャップ中に位置し、該キャップは、所定の位置に圧着される。
計量バルブは、一操作あたり計量量の製剤が送達されるように設計されており、バルブを通って噴射剤が漏れないようにガスケットが組み込まれている。ガスケットは、低密度ポリエチレン、クロロブチル、黒色および白色ブタジエン-アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、ならびにネオプレンなどのような任意の好適なエラストマー性材料で構成しうる。好適なバルブは、エーロゾル業界でよく知られた製造業者から、たとえば、Valois, France(たとえば、DF10、DF30、DF60)、Bespak plc, UK(たとえば、BK300、BK357)、および3M-Neotechnic Ltd, UK(たとえば、SpraymiserTM)から、市販品として入手可能である。
本発明のさらなる態様は、MDI中に当該製剤を充填する方法を包含する。
医薬用エーロゾル製造技術分野の当業者に周知である従来の大量製造方法および機械類は、充填キャニスターを商業生産するための大規模バッチの作製に利用可能である。かくして、たとえば、大量製造方法の一つでは、計量バルブをアルミニウム缶に圧着させて空のキャニスターを形成する。微粒子状医薬を仕込容器に添加し、仕込容器を介して製造容器中に液化噴射剤を、界面活性剤を含有する液化噴射剤と共に加圧充填する。充填機への再循環前に薬物懸濁液を混合し、次に、計量バルブを介して薬物懸濁液のアリコートをキャニスター中に充填する。
代替法では、製剤が蒸発しないように十分に冷却された条件下で、液化された製剤のアリコートを開放キャニスターに添加し、次に、キャニスター上に計量バルブを圧着させる。
典型的には、製薬的使用のために作製されるバッチでは、それぞれの充填キャニスターの重量検査を行い、バッチ番号でコード付けし、トレーに詰めて保存し、その後、放出試験を行う。
便宜上、使用前に、それぞれの充填キャニスターを好適なチャネリングデバイス中に取り付けることにより、患者の肺または鼻腔中に医薬を投与するための定量噴霧式吸入器システムを形成する。定量噴霧式吸入器は、1回の操作または「パフ」あたり一定単位用量の医薬が送達されるように、たとえば、1回のパフあたり10〜5000マイクログラムの範囲の医薬が送達されるように、設計される。
医薬の投与は、軽度、中度、重度の急性もしくは慢性の症状の処置または予防的処置に効能を示しうる。当然のことながら、正確な投与用量は、患者の年齢および健康状態、使用される特定の微粒子状医薬、ならびに投与の頻度に依存し、最終的には担当医の自由裁量にゆだねられるであろう。医薬を組み合わせて利用する場合、組み合わされる各成分の用量は、一般的には、各成分が単独で用いられるときに利用される用量であろう。典型的には、投与は、1回あたりたとえば1、2、3、または4パフで、1日あたり1回以上、たとえば1〜8回行われうる。
好適な一日用量は、疾患の重症度に応じて、たとえば、50〜200マイクログラムのサルメテロール、100〜1000マイクログラムのアルブテロール、50〜2000マイクログラムのフルチカゾンプロピオネート、または100〜2000マイクログラムのベクロメタゾンジプロピオネートの範囲をとりうる。
したがって、たとえば、1回のバルブ操作により、25マイクログラムのサルメテロール、100マイクログラムのアルブテロール、25、50、125、もしくは250マイクログラムのフルチカゾンプロピオネート、または50、100、200、もしくは250マイクログラムのベクロメタゾンジプロピオネートが送達されうる。サルメテロールとフルチカゾンプロピオネートとの組合せであるSeretideTMの用量は、通常、対応する個々の成分薬物に割り当てられた用量であろう。典型的には、定量噴霧式吸入器システムに使用される各充填キャニスターは、60、100、120、160、もしくは240回分の計量用量またはパフの医薬を含有する。
他の医薬に対する適切な投与計画は、当業者であれば、分かるかまたは容易に入手可能であろう。
とくに医薬製剤の調製における先に記載した式(I)で示される化合物の使用;たとえば呼吸器障害の処置または予防のための吸入療法における先に記載した製剤の使用;および呼吸器障害の処置または予防における定量噴霧式吸入器システムの使用は、いずれも、本発明の他の態様である。
本発明の他のさらなる態様は、本明細書に記載した有効量の製剤の吸入による投与を含む、たとえば喘息のような呼吸器障害の処置方法を包含する。
本発明は、界面活性剤としての式(I)で示される化合物の使用をも包含する。
以下の実施例を用いて本発明について具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例全体にわたり、以下の略号を使用する。
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析 RT:保持時間
THF:テトラヒドロフラン bp:沸点
ca:約 h:時間
min:分
温度はすべて、セルシウス度単位で与えられている。
シリカゲルは、Merck silica gel 60 Art number 7734を意味する。
フラッシュシリカゲルは、Merck silica gel 60 Art number 9385を意味する。
BiotageTMは、flash 12iクロマトグラフィーモジュールで利用されるKP-Silを含有する充填済みシリカゲルカートリッジを意味する。
Bond ElutTM(C18カートリッジ)は、パラレル精製(通常は真空下)で使用される充填済みカートリッジである。これは、Varianから市販品として入手可能である。
後処理時に有機溶液を脱水する場合、硫酸マグネシウムを使用した。
LCMSは、Supelcosil LCABZ+PLUSカラム(3.3cm×4.6mm ID)で行った。その際、水中の0.1% HCO2Hおよび0.01M酢酸アンモニウム(溶媒A)ならびにアセトニトリル中の0.05% HCO2H 5%水(溶媒B)を用いて3ml/minの流量で次の溶出グラジエント0〜0.7 min 0%B、0.7〜4.2 min 100%B、4.2〜5.3 min 0%B、5.3〜5.5 min 0%Bにより溶出させた。高分子量LCMSは、エレクトロスプレーポジティブモードを用いてマイクロ質量LCTOF飛行時間型質量分析計で行った。LCMS条件は、先に記載したとおりである。
実施例1
ビス(2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオキサドコサン-22-オイル)プロピル-2-トリメチルアンモニウムエチルホスフェート
(a) エチル2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオキサドコサン-22-オエート
トルエン(190ml)中の2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン(hexanoxanonadecan)-19-オール(5g)の攪拌溶液にカリウムt-ブトキシド(2.66g)を添加し、反応系を室温で2時間攪拌した。エチルブロモアセテート(5.65g)を添加し、反応系を130℃で20時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をジクロロメタン(750ml)と水(750ml)で分配した。有機層をブライン(500ml)で洗浄し、脱水し、そして溶媒を真空中で除去した。シリカゲル(Biotage)のカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン中の2%メタノールで溶出させて残渣を精製し、褐色の油(4.54g)として標題化合物を得た。
保持時間 2.27 min 質量スペクトル m/z 400 [MNH4 +]
(b) 2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオキサドコサン-22-酸
ステップ(a)の生成物(4.54g)を水酸化ナトリウム水溶液(0.1M)(45ml)に溶解させ、反応系を室温で20時間攪拌した。塩酸(2M)を添加することにより反応混合物をpH2に酸性化し、次に、これをブライン(300ml)で希釈し、そしてジクロロメタン(3×300ml)で抽出した。合わせた有機層を脱水し、溶媒を真空中で除去し、黄色の油(3.75g)として標題化合物を得た。
保持時間 2.01 min 質量スペクトル m/z 372 [MNH4+]
(c) ビス(2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオキサドコサン-22-オイル)プロピル-2-トリメチルアンモニウムエチルホスフェート
テトラヒドロフラン(15ml)中のステップ(b)の生成物(250mg)の攪拌溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(34mg)、トリエチルアミン(113mg)、およびピバロイルクロリド(102mg)を添加した。反応系を室温で30分間攪拌した。グリセロホスホリルコリン(72mg)を添加し、反応系を80℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。C18カートリッジ(Bond ElutTM)を用いたカラムクロマトグラフィーにより水中の10〜20%アセトニトリルで溶出させて残渣を精製し、黄色のガムとして標題化合物を得た。
保持時間 2.20 min 質量スペクトル m/z 930 [MH+]
実施例2
ビス(23,23,23-トリフルオロ-3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサトリコサン-1-オイル)プロピル-2-トリメチルアンモニウムエチルホスフェート
(a) 1-フェニル-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン-19-オール
テトラヒドロフラン(100ml)中の水素化ナトリウム(鉱油中の50%ディスパージョン、2.55g)の攪拌懸濁液にヘキサエチレングリコール(25g)を添加した。反応混合物を5〜15℃で10分間攪拌し、次に、ベンジルブロミド(16.66g)を添加した。懸濁液を20℃で72時間静置し、次に、反応混合物を水(250ml)で希釈し、そしてシクロヘキサン(250+125ml)で抽出した。15% w/w塩化ナトリウム水溶液(300ml)を水相に添加し、得られた溶液をエチルアセテートで抽出した(3×250ml)。合わせたエチルアセテート抽出物を真空中で濃縮し、橙色の油(18.68g)として標題化合物を得た。
保持時間 2.50 min 質量スペクトル m/z 390 [MNH4 +]
(b) 19-フェニル-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサノナデク-1-イル4-メチルベンゼンスルホネート
ジクロロメタン(20ml)中のステップ(a)の生成物(1g)の攪拌溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(0.66g)およびトリエチルアミン(0.5ml)を添加し、反応系を20℃で24時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(100ml)で希釈し、水(100ml)、ブライン(100ml)で洗浄し、脱水し、そして溶媒を真空中で除去した。シリカゲル(Biotage)のカラムクロマトグラフィーによりシクロヘキサン中の10%エチルアセテートで溶出させて精製し、標題化合物(1g)を得た。
保持時間 3.37 min 質量スペクトル m/z 544 [MNH4 +]
(c) 22,22,22-トリフルオロ-1-フェニル-2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオキサドコサン
テトラヒドロフラン(10ml)中のトリフルオロエタノール(0.1g)および水素化ナトリウム(鉱油中の60%ディスパージョン; (0.05g)の攪拌溶液に、ステップ(b)の生成物(0.5g)を添加し、反応系を20℃で24時間攪拌した。メタノール(5ml)を添加することにより反応をクエンチングし、そして溶媒を真空中で除去した。エチルアセテート(50ml)と水(50ml)の間で残渣を分配させた。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、脱水し、そして溶媒を真空中で除去した。シリカゲル(Biotage)のカラムクロマトグラフィーによりシクロヘキサン中の50%エチルアセテートで溶出させて精製し、標題化合物(0.27g)を得た。
保持時間 3.17 min 質量スペクトル m/z 472 [MNH4 +]
(d) 20,20,20-トリフルオロ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサン-1-オール
1:1酢酸:エタノール(150ml)中のステップ(c)の生成物(16g)および10%バナジウム担持炭素(1g)の攪拌溶液を、20℃の水素の雰囲気下に24時間配置した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、溶媒を真空中で除去し、標題化合物(11g)を得た。
質量スペクトル m/z 382 [MNH4 +]
(e) エチル23,23,23-トリフルオロ-3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサトリコサン-1-オエート
トルエン(30ml)中のステップ(d)の生成物(1.5g)の攪拌溶液にカリウムt-ブトキシド(0.69g)を添加し、反応系を室温で3時間攪拌した。エチルブロモアセテート(1.38g)を添加し、反応系を130℃で48時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をジクロロメタン(500ml)に溶解させ、そして水(2×400ml)で洗浄した。有機層をブライン(300ml)で洗浄し、脱水し、そして溶媒を真空中で除去した。シリカゲル(Biotage)のカラムクロマトグラフィーによりシクロヘキサン中の65〜75%エチルアセテートで溶出させて残渣を精製し、褐色の油(0.40g)として標題化合物を得た。
保持時間 2.77 min 質量スペクトル m/z 468 [MNH4 +]
(f) 23,23,23-トリフルオロ-3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサトリコサン-1-酸
ステップ(e)の生成物(400mg)を水酸化ナトリウム水溶液(0.1M)(10ml)における溶解させ、反応系を室温で16時間攪拌した。塩酸(2M)を添加することにより反応混合物をpH2に酸性化し、次に、これをブライン(200ml)で希釈し、そしてジクロロメタン(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を脱水し、溶媒を真空中で除去し、無色の油(330mg)として標題化合物を得た。
保持時間 2.41 min 質量スペクトル m/z 440 [MNH4 +]
(g) ビス(23,23,23-トリフルオロ-3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサトリコサン-1-オイル)プロピル-2-トリメチルアンモニウムエチルホスフェート
テトラヒドロフラン(15ml)中のステップ(f)の生成物(220mg)の攪拌溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(29mg)、トリエチルアミン(97mg)、およびピバロイルクロリド(87mg)を添加した。反応系を室温で5分間攪拌した。グリセロホスホリルコリン(62mg)を添加し、反応系を80℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。C18カートリッジ(Bond ElutTM)を用いたカラムクロマトグラフィーにより水中の10〜30%アセトニトリルで溶出させて残渣を精製し、無色のガム(60mg)として標題化合物を得た。
保持時間 2.74 min 質量スペクトル m/z 1066 [MH+]

Claims (20)

  1. 式(I)
    Figure 2005519119
    で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物〔式中、
    m、n、p、およびqは、独立して、整数1〜12を表し;
    R1a、R1b、およびR1cは、独立して、C1〜3アルキルまたは水素を表し;
    R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルを表し;
    R4およびR5は、独立して、-CH3または水素を表し;
    X1およびX2は、独立して、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH2CH2、-CH2CH(CH3)CH2-、CH2CH2CH(CH3)、または-COCH(CH3)-を表し;そして
    Y1およびY2は、独立して、-CH2-またはカルボニルを表すが;
    ただし、
    pおよびqが1を表し;
    mおよびnが、独立して、1〜12の整数を表し;
    R4およびR5が水素を表し;
    X1およびX2が-(CH2)2-を表し;かつ
    Y1およびY2が-CH2-を表すときは;
    R2およびR3は、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜2アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルだけを表すことが可能である〕。
  2. nおよびmが整数2〜8を表す、請求項1に記載の式(I)で示される化合物。
  3. pおよびqが整数1〜6を表す、請求項1または請求項2に記載の式(I)で示される化合物。
  4. R1aがメチルを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  5. R1bがメチルを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  6. R1cがメチルを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  7. R4およびR5が水素を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  8. Y1がカルボニルを表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  9. Y2がカルボニルを表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
  10. pおよびqが、独立して、1〜3を表し;
    R2およびR3が、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルを表し;
    R4およびR5が、独立して、水素または-CH3を表し;
    X1およびX2が-COCH(CH3)-を表し;かつ
    Y1およびY2がカルボニルを表す、
    請求項1に記載の式(I)で示される化合物。
  11. pおよびqが、独立して、1〜3を表し;
    R2およびR3が、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルまたは5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよい-COC1〜2アルキルを表し;
    R4およびR5が、独立して、水素またはメチルを表し;
    X1およびX2が、好ましくは独立して、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、またはCH2CH2CH(CH3)-を表し;かつ
    Y1およびY2が、独立して、-CH2-またはカルボニルを表す、
    請求項1に記載の式(I)で示される化合物。
  12. 微粒子状医薬と、フルオロカーボン噴射剤もしくは水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤またはそれらの混合物と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む、医薬エーロゾル製剤。
  13. 用いられる式(I)で示される化合物の量が、前記医薬の量を基準にして0.5%w/w〜10%w/wの範囲にある、請求項12に記載の医薬エーロゾル製剤。
  14. 製剤の全重量を基準にして0.01〜1.0%w/wの医薬を含有する、請求項12または13に記載の医薬エーロゾル製剤。
  15. 前記噴射剤が1,1,1,1,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたは1,1,1,2-テトラフルオロエタンである、請求項12〜14のいずれか1項に記載の医薬エーロゾル製剤。
  16. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の製剤を含む、定量噴霧式吸入器(metered dose)。
  17. 呼吸器障害の処置における、請求項16に記載の定量噴霧式吸入器の使用。
  18. 医薬エーロゾル製剤における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物の使用。
  19. 界面活性剤としての、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物の使用。
  20. (a) 式(II)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりである〕を、式(III)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその活性化誘導体〔式中、R2、R4、X1、n、およびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることによる、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、R4はR5と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、Y1およびY2はカルボニルを表し、mはnと同じものを表し、そしてpはqと同じものを表す〕の調製;または
    (b) 式(IV)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R5、X2、Y2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(III)1で示される化合物もしくはその活性化誘導体と反応させることを含む、式(I)で示される化合物〔式中、Y1はカルボニルを表す〕の調製;または
    (c) 式(IV)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、X1、Y1 n、およびpは、先に定義したとおりである〕を、式(III)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその活性化誘導体〔式中、R3、R5、X2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させることを含む、式(I)で示される化合物〔式中、Y2はカルボニルを表す〕の調製;または
    (d) 式(II)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1cは、先に定義したとおりであり、そしてL1およびL2は、脱離基を表す〕を、式(V)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R2、R4、X1、Y1、n、およびpは、先に定義したとおりである〕と反応させることによる、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、R4はR5と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、Y1はY2と同じものを表し、mはnと同じものを表し、そしてpはqと同じものを表す〕の調製;または
    (e) 式(VI)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R5、X2、Y2、m、q、およびL1は、先に定義したとおりである〕を、式(V)1で示される化合物もしくはその塩と反応させること;または
    (f) 式(VI)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、X1、Y1、n、p、およびL2は、先に定義したとおりである〕を、式(V)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3、R5、X2、Y2、m、およびqは、先に定義したとおりである〕と反応させること;または
    (g) 式(VII)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、Y1、Y2、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R2、X1、およびnは、先に定義したとおりであり、そしてL3は脱離基を表す〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、そしてnはmと同じものを表す〕を調製すること;または
    (h) 式(IX)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5 X2、Y1、Y2、m、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)1で示される化合物と反応させること;または
    (i) 式(IX)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、Y1、Y2、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(VIII)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R3、X2、およびmは、先に定義したとおりであり、そしてL4は脱離基を表す〕と反応させること;または
    (j) 式(VII)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、Y1、Y2、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてL5およびL6は、脱離基を表す〕を、式(X)1
    Figure 2005519119
    示される化合物もしくはその塩〔式中、R2、X1、およびnは、先に定義したとおりである〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表し、X1はX2と同じものを表し、そしてnはmと同じものを表す〕を調製すること;または
    (k) 式(XI)1
    Figure 2005519119
    示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X2、m、p、q、およびL5は、先に定義したとおりである〕を、式(X)1で示される化合物もしくはその塩と反応させることを;または
    (l) 式(XI)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、Y1、Y2、n、p、q、およびL6は、先に定義したとおりである〕を、式(X)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3、X2、およびmは、先に定義したとおりである〕と反応させること;または
    (m) 式(XII)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)1
    R2L7 (XIII)1
    で示される化合物〔式中、R2は先に定義したとおりであり、そしてL7は脱離基である〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表す〕を調製すること;または
    (n) 式(XIV)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)1で示される化合物と反応させること;または
    (o) 式(XIV)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XIII)2
    R3L8 (XIII)2
    で示される化合物〔式中、R3は先に定義したとおりであり、そしてL8は脱離基を表す〕と反応させること;または
    (p) 式(XII)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてL9およびL10は、脱離基を表す〕を、式(XV)1
    R2OH (XV)1
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R2は先に定義したとおりである〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2はR3と同じものを表す〕を調製すること;または
    (q) 式(XVI)1
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、q、およびL9は、先に定義したとおりである〕を、式(XV)1で示される化合物もしくはその塩と反応させること;または
    (r) 式(XVI)2
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、q、およびL10は、先に定義したとおりである〕を、式(XV)2
    R3OH (XV)2
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R3は先に定義したとおりである〕と反応させること;または
    (s) 式(XVII)
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R2、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XVIII)
    R1aL11 (XVIII)
    で示される化合物〔式中、R1aは先に定義したとおりであり、そしてL11は脱離基を表す〕と反応させることにより、式(I)で示される化合物〔式中、R1aは、R1bおよびR1cと同じものを表す〕を調製すること;または
    (t) 式(XIX)
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子で場合により置換されていてもよいC1〜4アルキル表し、そしてR4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりであり、そしてZ1およびZ2は、ハロゲンを表す〕を、式(XX)
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりであり、そしてイオン-は、負の対イオン(たとえば、クロロ)を表す〕と反応させてから、水による後処理を行うことにより、式(I)で示される化合物〔式中、R2およびR3は、独立して、5個までのフッ素原子により場合により置換されていてもよいC1〜4アルキル表す〕を調製すること;または
    (u) 式(XXI)
    Figure 2005519119
    で示される化合物〔式中、R2、R3、R4、R5、X1、X2、Y1、Y2、m、n、p、およびqは、先に定義したとおりである〕を、式(XXII)
    Figure 2005519119
    で示される化合物もしくはその塩〔式中、R1a、R1b、およびR1cは、先に定義したとおりである〕と反応させること、
    を含む、式(I)で示される化合物の調製方法。
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