JP2005518437A - 自己免疫疾患の治療のための生体エストリオール・スルファミン酸エステル・プロドラックの使用 - Google Patents

自己免疫疾患の治療のための生体エストリオール・スルファミン酸エステル・プロドラックの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、エストリオールのモノ-スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルを自己免疫疾患、例えば多発性硬化症(MS)の治療のために使用すること関する。

Description

発明の技術分野
本発明は、自己免疫疾患、例えば多発性硬化症(MS)の治療へのエストリオールのモノ-スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えば、エストリオール-3-スルファミン酸エステルの使用に関する。本発明は、妊娠期間に観測されるレベルと同じエストリオールの血中レベルを提供するための方法と使用に関し、エストリオールのスルファミン酸エステルプロドラッグ、特にエストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口投与を含む。
発明の背景
自己免疫疾患は、自己抗原に対する制御できない免疫応答からもたらされる免疫症状のタイプである。自己免疫疾患に対する感受性は性別によって影響される。生殖年齢の間、自己免疫疾患、例えば多発性硬化症(MS)又は関節リューマチ(RA)を患う女性が多く存在する。例えばMSを発生する女性と男性の比率は、2:1である(Voskuhl et al., 2001; Neuroscientist 7:258-270; Whitacre et al., 1999; Science 283:1277-1278)。
MSは、神経のミエリン鞘に影響し、脱髄そして次に神経細胞死を導く中枢神経系の自己免疫疾患である。疾患は、CD4+Tリンパ球により介在され、CD4+Tリンパ球はミエリン鞘におけるタンパク質、例えばミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、及びミエリンオリゴデンドロサイトタンパク質に特異性がある。遺伝的に決定される素因に基づき、環境要因、例えばウイルス感染が、Th1とTh2リンパ球集団の不均衡をもたらす疾患の勃発を引き起こし、それによって血液関門を通過し中枢神経系で炎症性の作用を発揮することができる活性型Th1細胞の増加を促進するという仮説がある。軸索の脱髄は、Th1サイトカイン、例えばインターロイキン(IL)-12、インターフェロンγ(IFNγ)及び腫瘍壊死因子α(TNFα)を分泌するミエリン特異的CD4+リンパ球によって一部引き起こされる。この炎症誘発性のサイトカインのパターンは、細胞性免疫応答の特徴である。健常者では、細胞性Th1免疫応答は、液性Th2免疫応答とバランスを取っている。液性免疫応答は、抗炎症性Th2サイトカイン、つまりIL-4、IL-5、及びIL-10によって仲介される。
MSの治療戦略は、インターフェロン又は酢酸グラチラマーを用いた免疫調節性治療に現在は基づいている。しかしながら、これらの治療はいくらかの患者においてのみ疾患の進行を遅らす。副腎皮質ステロイドは、それらの抗炎症性効果による再発の急性治療に使われる。副腎皮質ステロイドでの治療は、MSの急性病徴のいくつかを軽減するが、長期間の予後に用いることができない。副腎皮質ステロイドの知られている多くの副作用に加えて、副腎皮質ステロイドは、内在性免疫抑制メカニズムを阻害して、長期間の治療に不適切なものとしている。活性の高い疾患の治療、又は2次的進行性MSを患っている患者を含む基本的な治療に反応しない患者の治療においては、免疫抑制剤、例えばメトトレキセート又はシクロスポリンが使われる。これらの物質はしばしばほとんど許容されない。
それゆえ、MS及び別のTh1介在性免疫疾患の更なる治療戦略の必要性が存在する。
多くの自己免疫疾患、例えばMSでは、Th1/Th2のバランスは乱されている。女性ホルモンは、このバランスの制御に影響を有しているように思える。妊娠の間、Th2サイトカインパターンへの移行が示されてきている。妊娠の間におけるTh1介在性免疫疾患(例えば、MS)の臨床症状の改善は、観察されてきている。特に、妊娠第3三半期では、MSを患う女性において再発割合が減少する(Confavreux et al., 1998; N Engl J Med 339(5):285-291)。疾患活性の減少は、少なくとも1部においてエストロゲン、例えばエストラジオール及びエストリオールのレベルの上昇が原因であるように思え、このエストロゲンレベルの上昇は、妊娠最終三半期の間観察される。MSの動物モデル、Th1介在性実験自己免疫脳脊髄炎(EAE)においては、妊娠期に見られるエストリオールレベルと等しいレベルでエストリオールを投与することが疾患を寛解できたと示されてきた(Kim et al., 1999; Neurology 52: 1230-1238; Jansson et al., 1994; J Neuroimmunol 53: 203-207)。さらに、MS患者のCD4+リンパ球による抗炎症性サイトカインIL-10の分泌が、エストラジオール、エストロン、及びエストリオールの妊娠期と類似のレベルの濃度によって刺激される。
WO 01/85154は、免疫病態を治療する方法を開示し、低い投与量のエストロゲンが基底以上だが、妊娠期以下のレベルにおける血清濃度の上昇をもたらす。
炎症誘発性と抗炎症性症状とのバランスの制御におけるエストロゲンの関与により、Th1介在性免疫疾患を患う患者の有効な治療は、エストロゲン、特にエストリオールを投与し、好ましくは妊娠期に典型的に見られる継続的な血清濃度を達成することである。
しかしながら、エストロゲンの治療上の使用は、いくつかの問題に苦しめられる。治療においてエストロゲンを使うことの不利益の一つは、子宮ガン(子宮内膜ガン)又は乳ガンの原因となる潜在能力である。例えば、エストラジオールの使用は、代謝産物16α-ヒドロキシエストロンを導き、既知の腫瘍促進活性を有する代謝産物を導きうる(Bradlow et al.,. 1985; Proc Natl Sci USA 82: 6295-6299; Kabat et al., 1997; Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 6: 505-509)。
活性主体として、エストリオールは、この問題を回避する。エストリオール治療は、ヒトにおいてガン発生の危険性が低いことと関連していると信じられる。エストラジオールER複合体の解離より、エストリオール-エストロゲン受容体(ER)の解離のほうがずっと早いため、エストリオールは、弱くかつ短い継続時間のエストロゲンとして作用する。それゆえ、エストリオールは、最小限の子宮内膜の増殖をもたらす。さらに、エストリオールは、エストラジオールが受容体へ結合する際の拮抗活性を示し(Clark et al., 1984; J Steroid Biochem 20: 1005-1013)、それゆえ、エストリオールは、エストラジオールのガン化効果に対する保護的な役割を有すると思われる。エストリオールのエストラジオール及びエストロンに対する割合が10:1なら、エストリオールの拮抗性効果は、観測され、この割合以下では、エストラジオールは、部分的に又は最小限で拮抗され、強力なエストロゲンとして作用する(Melamed et al., 1997; Mol Endocrinol 11: 1868-1878)。この割合は、妊娠後期において達成される。
従来技術において遭遇した問題の一つは、患者に対し、苦痛のない投与形態で、継続的な妊娠期のエストリオールの血中レベルを達成することができないことであった。経口で投与されたとき、エストリオールの生体利用度は低い。膣内適用後としてのエストリオールに匹敵する血清レベルを達成するために、10倍以上のエストリオールが、経口投与されなければならなかった(Head et al., 1998; Altern Med Rev 3: 101-113)。このように、エストリオールは、高い投与量で経口投与されなければならず、副作用の可能性を高めた。エストリオールの経口適用は、肝臓における高いエストロゲン活性をもたらす。肝臓の効果は、例えば、血液凝固システム因子及びアンジオテンシノーゲンの合成の増加を含む。
エストリオールでの経口治療の従来技術から知られる別の問題は、エストリオールの血中レベルが、患者から患者で広く変化するということであり、そのため一般的な投与量を推薦することは、可能でない。
約1.5〜5.3hであるエストリオールのとても短い半減期は問題である(Heithecker et al., 1991; Horm Res 35: 234-238)。それゆえ、妊娠期において見られるレベルに類似のよく規定されかつ維持されたエストリオールの血中レベルを達成するために、高い経口エストリオール投与量は、短い間隔で投与されなければならず、このことは、患者にとって不便であり、かついくつもの副作用を考慮に入れなければならない。
経口投与されるエストリオールの投与量の増加は、望ましい全身のエストロゲン活性を増加する方法ではない。エストリオールの骨保護性の性質は、エストリオールの全身性エストロゲン活性のとてもよいマーカーである。EP 0 630 248は、もし連続的にエストリオールを少なくとも24時間放出し、それによりエストリオールの一定の血中レベルが達成されるシステムにおいてエストリオールが経皮的に投与されるなら、エストリオールが抗-骨粗鬆症性の効果を示すということを教える。これらの効果に対する決定的な因子は、エストリオールの一定の血中レベルである。しかしながら、Lindsay et al.(1979; Maturitas 1: 279-285)は、経口でエストリオールを高い投与量(12mg/日)で投与したが、彼らは、骨保護性の効果を示すことができなかった。
低い肝臓エストロゲン活性及び、よく規定されかつ維持されたエストリオールの血中レベルは、適用のいくつかの形態によって達成され、ここで肝臓通過は、注射又は経皮治療によって避けられる。しかし、これらの投与形態は、患者の利便性と服薬遵守の観点では、明らかに経口投与よりずっと望ましくない。
WO 00/01675は、ホルモン置換治療に生体エストロゲン、特にスルファミン酸エステルエストロゲンを使用することを開示する。
WO 01/91797は、活性薬剤が赤血球によって取り込まれ及び/又は活性薬剤が赤血球に結合することを可能にするスルホンアミド基を有するプロドラッグとして作用する化合物、並びにその化合物を含む医薬組成物を開示する。
WO 96/05216は、エストラ-1、3、5(10)-トリエン・スルファミン酸エステル誘導体、そういった化合物の調整方法、及びそれらを含む医薬組成物を開示する。
従来技術が直面した問題の観点においては、よく規定されかつ維持されるエストリオールの血中レベルを、記述される欠点を有することなく達成することによって、自己免疫疾患を治療する新しい治療上の試みは望ましい。
本発明の目的
本発明の目的は、従来技術の欠点を防止し又は低減すること、つまり自己免疫疾患、特にMSの治療に新しい戦略を提供することである。本発明のある側面では、自己免疫疾患は、Th1-介在性である。
本発明の更なる目的は、妊娠後期、例えば女性の妊娠第2又は第3三半期の間、好ましくは妊娠女性における最終三半期の間に観察されるエストリオールの血中レベルを提供する、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグを含む医薬組成物を提供することである。
この医薬組成物は、好ましくは経口投与に適している。
これらの目的は、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルによって達成されうる。本発明のプロドラッグは、肝臓をバイパスするプロドラッグであり、それにより肝臓-エストリオールの相互作用が阻害されるべきである。エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルは、よく規定されかつ維持されたエストリオールの血中レベルを達成する。驚くべきことに、適切なエストリオールの血中レベルは、エストリオールの適用に比較して長い間隔で低い投与量の経口投与で達成されうる。
それゆえ、本発明に従ったエストリオールプロドラッグの投与は、自己免疫疾患を寛解するための有望な新しい方法及び使用を提供する。本発明のエストリオールプロドラッグ、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルの発明は、妊娠後期に観測されるレベルと同じエストリオールの血中レベルを提供する。本発明のプロドラッグは、抗炎症性のTh2型免疫応答への移行をもたらし、それゆえ、Th1介在性免疫疾患の有望な治療を提供する。
本発明の要約
本発明は、哺乳動物における自己免疫疾患、例えば多発性硬化症の治療のための医薬の調製にエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグを使用することに関する。エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルが好ましく、プロドラックであるエストリオール-3-スルファミン酸エステルが最も好ましい。特に、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルの少ない投与量の経口投与は、肝機能に影響をもたらすことなく、妊娠の第2又は第3三半期において観察される高くかつ維持されたエストリオールの血中レベルをもたらす。
別の側面では、本発明は、そういった治療を必要とする哺乳動物における自己免疫疾患、例えばMSの治療方法を提供し、上記方法は、治療を必要とする哺乳動物に薬剤的有効量のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグを投与することを含む。発明の方法では、エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルが好ましく、そしてプロドラッグであるエストリオール-3-スルファミン酸エステルが最も好ましい。
発明の詳細な記述
本発明は、自己免疫疾患、例えばMSの治療のため、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、たとえばエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルの方法及び使用に関する。
エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルは、以下の一般式(I):
Figure 2005518437
(式中R1、R2は、同じか又は独立して水素、C1-6-アルキル又はCO-C1-7-アルキルである。)によって表される。
この群の好ましい化合物は、エストリオール-3-スルファミン酸エステルである。エストリオール-3-スルファミン酸エステルは、本発明の目的では、好ましいエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルであるが、このことは、別の適切なエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルを同様に使用する可能性を排除しない。
本発明の脈絡における「プロドラッグ」という用語は、生体内で活性のある形態へと代謝される生物学的に不活性な物質を意味する。
本発明における使用に適切なエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ及びその製造方法は、WO 96/05216において記述される。特に、調整方法は、WO 96/05216の実施例15において記述される。
本発明は、自己免疫疾患、例えばMSの治療の新しい治療戦略を提供する。本発明は、妊娠後期と同じくらい高いエストリオールの血中レベルを達成しかつ維持する可能性を提供する。この血中レベルは、経口投与後にTh1介在性免疫疾患における免疫移行をもたらすために十分高いレベルである。
本発明の従来技術に対する優位性は、慣用的に使われるエストリオール(E3)に比較して、スルファミン酸エステルプロドラッグから放出されるエストリオールの高い生物利用度からもたらされる。スルファミン酸エステルプロドラッグからのエストリオールの放出が遅いため、高く、よく規定され、かつ維持されたエストリオールの血中レベルは、比較的低い投与量の経口投与後に達成されうる。それ以上に、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグは、長い投与間隔での投与、本発明の別の利点で特に有用である。比較的少ない投与量の使用は、エストリオールの多い投与量の継続的な使用の不所望の副作用が避けられうるということをもたらす。
本発明の目的であるスルファミン酸エステルプロドラッグとしてのエストリオール投与の有利な結果は、初回通過の間の肝臓機能との低減された相互作用が観測されうるということである。このことは化合物が耐用性をよく示すという利点を有する。付け加えて、経口投与が、改良された利便性及び患者の服薬遵守の利点を有する。
好ましい側面においては、本発明は、エストリオール・モノ・スルファミン酸エステルの、自己免疫疾患を治療するための医薬の製造のための使用に関する。好ましくは、疾患は、Th1介在性自己免疫疾患であり、最も好ましくはMSである。最も好ましいエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルプロドラッグは、エストリオール-3-スルファミン酸エステルである。好ましくは、医薬は、ヒトの治療が目的である。
第二の好ましい側面では、本発明は、自己免疫疾患を治療するための方法に関する。好ましくは、疾患は、Th1介在性自己免疫疾患、最も好ましくはMSである。方法は、そういった治療を必要とする哺乳動物、好ましくはヒトにエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルを投与することを含む。エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルは、最も好ましくは、エストリオール-3-スルファミン酸エステルである。
自己免疫疾患は、部分的にはT細胞によって引き起こされ、T細胞は、特定の組織において(組織特性)又は様々な組織において、宿主の構成要素(自己抗原)を、外来のものとして認識し、そしてそういった組織を攻撃する。本発明の脈絡における自己免疫疾患は、非限定的に多発性硬化症(MS)、実験性自己免疫性脳脊髄炎(EAE)、リュウマチ様関節炎、若年性オリゴ関節炎(oligoarthritis)、コラーゲン関節炎、I型糖尿病、炎症性腸疾患、橋本甲状腺炎、アジソン病、クローン病、移植片対宿主疾患、ループス疾患、およびそのようなものを含む。
エストリオールの血清濃度を上昇し、妊娠レベルに匹敵させるために十分な量で本発明のプロドラッグが投与されるということが望ましい。例えば、エストリオールは、妊娠後期の間血液において40mg/24hのオーダーで分泌され、そして1〜100ng/mlの濃度で循環するということが観測された(Katagiri et al., 1976, Am J Obste Gynecol 272-280; Klopper et al, 1977, Obstet Gynecol, 459-461; Fischer-Rasmussen et al, 1981, Acta Obstet Gynecol Scand 417-420を参照のこと)。
本発明に従うと、エストリオールは、エストリオールのスルファミン酸エステルプロドラッグとして投与され、このプロドラッグは、赤血球中に一般式(1)のエストリオール・スルファミン酸エステルの取り込み及び/又は結合を可能にして、経口投与後の「初回通過」効果を高める。特定の理論に束縛されることを望まれない一方で、赤血球への取り込み及び/又は結合は、SO2-R1R2基によって可能にされ、ヘモグロビン、膜タンパク質、及び/又はカルボアンヒドラターゼ(carboanhydratase)により仲介されるということが信じられている。このように、赤血球内にエストリオールの貯蔵所が作られる。治療有効量のエストリオールは、肝臓通過後の加水分解によるエストリオールの放出によって受けられる。従って、高い全身性のエストリオールレベルは、肝臓のエストロゲン活性の副作用なしに達成されうる。さらに赤血球中にエストリオールの貯蔵が作られ、そして放出がゆっくりであることから、よく規定されかつ維持されるエストリオールの血中レベルが獲得される。生体内のエストリオールの半減期は、延長され、生物利用度が高められる。従って、長い間隔での投与が可能になる。
本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール-3-O−スルファミン酸エステルの利点は多くある。すなわち、
1.肝臓における副作用の低減
2.生体内におけるエストリオールの半減期の延長
3.生物利用度の増大;及び
4.経口投与適合性
結果として、本発明のプロドラッグは、比較的少ない投与量で、投与間の長い間隔で投与されうる。さらに、患者間の可変性が減少される。
別の側面では、本発明は、女性の妊娠後期の間に観察されるエストリオールの血中レベルを提供するための医薬の製造のためのスルファミン酸エステルプロドラッグの使用に関する。さらなる側面では、本発明は、女性の妊娠後期の間に観測されるレベルと同じエストリオールの血中レベルを提供する方法に関し、エストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグを投与を必要とする哺乳動物、好ましくはヒトに投与することを含む。好ましくは、本発明の使用のための又は本発明の方法におけるプロドラッグは、エストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、最も好ましくはエストリオール-3-スルファミン酸エステルである。
上で定義される本発明の目的に適した活性薬剤、例えばエストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルは、生薬の既知の調製方法に従った医薬組成物に取り込まれうる。
医薬の製造及び発明の中で使われる医薬組成物は、技術分野に知られる方法に従って行われうる。よく知られ、かつ使われる免疫賦活剤並びにさらに適切な担体又は希釈液は使われうる。適切な担体及び免疫賦活剤は、薬学、化粧品、及びUllmann's Encyclopedia of Technical Chemistry, Vol. 4, (1953), pp. 1-39; Journal of Pharmaceutical Sciences Vol. 52(1963), P. 918ff; H.v.Czetsch-Lindenwald, "Hilfsstoffe fur Pharmazie und angrenzende Gebiete"; Pharm. lnd. 2, 1961, p.72ff; Dr. H.P. Fiedler, Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete, Cantor KG, Aulendorf in Wuerttemberg, 1971で関連する分野に推薦されうる。
本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えばエストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルを医薬として投与することは、経口、経直腸、又は経膣、経子宮、局所、経皮、又は非経口でありうる。経口適用は、粉末、顆粒、錠剤、丸薬、香剤、糖衣錠、カプセル、液体抽出物、チンキ剤、及びシロップの形態でありうる。経直腸又は経膣適用は、坐薬又は経膣手段の形態でありうる。局所適用は、懸濁液又はエマルジョン、軟膏、クリーム、又はゲルの形態でありうる。注射用の滅菌水溶液又は油性溶液、又は懸濁液の非経口適用は、皮下、静脈内、筋肉内、又は経皮でありうる。本発明に従った医薬は、場合によって活性薬剤の維持された運搬のため、持効性製剤の注射又は製剤の植込錠を通して投与されうる。本発明に従って、医薬は、経皮治療システム、例えばパッチの形態において医薬を運搬することによって、制御された割合で経皮的に投与されうる。
好ましい適用の形態は、経口投与である。本発明のエストリオールのスルファミン酸エステルプロドラッグは、特に経口投与に適している。
経口治療では、上で決められた通りの本発明の目的に適した活性のある薬剤は、一般に知られかつ使われる免疫賦活剤及び生薬の分野で知られている担体、例えばアラビアゴム、滑石、スターチ、糖、例えばマンニトース、メチル・セルロース、ラクトース、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性又は非水性賦形剤、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、潤滑剤、保存剤、及び香味剤(例えば、精油)と混合されうる。
投与されなければならない本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えば、エストリオール・モノ-スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステルの投与量は、エストリオールの血清濃度を、少なくとも100pg/ml〜50ng/ml、好ましくは1〜10ng/mlまで上昇させうる。0.1〜100ng/mlの範囲、より好ましくは0.1〜10ng/mlの範囲、最も好ましくは1〜10ng/mlの範囲におけるエストリオールの血清濃度が好ましい。エストリオール血清濃度を計測する方法は、当該技術分野に知られ、例えば、適切な放射性免疫アッセイがHeitecker et al., 1991(Horm Res 35: 234-238)において開示される。
本発明に従って、血清濃度は、一月あたり5〜500mgの累積的投与量において、本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグの経口適用によって達成される。
投与は、好ましくは一日一回、週に一回、又は月に一回行われうる。投与は、別の規則的な間隔、例えば4、5、6、10日ごとなどにおいて実施されうる。
場合により、本発明に従った医薬としての使用及び方法は、別の医薬として活性薬剤をさらに含む。例えば、医薬として活性な薬剤は、ホルモン、例えばプロゲステロン(黄体ホルモン)又はプロゲステロン前駆体、アナログ、プロゲステロン受容体アゴニスト、或いはメソプロゲスチンでありうる。本発明の化合物と、例えばプロゲステロン(黄体ホルモン)との組合せは、エストリオールの長期間の使用に付随する子宮内膜の増殖及び別の危険性に対する付加的な防御効果を有しうる。テストステロン又は別の男性ホルモンとの組み合わせは、テストステロンの分泌が減少することによる性欲の減退を避けるために必要とされうる。
3,17β-ジ-n-ヘキサノイルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-16α-オールの連続的な投与は、子宮内膜の増殖を導きうる。エストロゲン治療に付随するこの不所望の効果は、黄体ホルモン、例えば「避妊ホルモン(Kontrazeption mit Hormonen)、H.-D. Taubert und H. Kuhl, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1995,又はメソプロゲスチン(=意味ある部分的なアゴニスト活性を有するプロゲステロン・アンタゴニスト)、例えばEP 0648778 B1、EP 0648779 B1、EP 1157996 A1、WO 01/34126、及びWO 99/45023で述べられる化合物での治療を伴うことにより、取り除かれる。黄体ホルモン又はメソプロゲスチンは、通常の投与形態及び投与量において投与されうるし、そして投与は、例えば経口、非経口、経直腸でありうる。
本治療は、多発性硬化症の疾患の過程に影響を与えない。この付随性の治療は、子宮摘出された女性においては省略されうる。
自己免疫疾患、例えばTh1-介在性疾患、例えばMSを、本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグで治療することは、さらに慣用の免疫治療薬剤を投与することを含みうる。「免疫治療薬剤」という用語は、本発明の脈絡において、非限定的に免疫調節性又は免疫抑制性の薬剤、例えば副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、FK506、メトトレキセート、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、グラチラマー・アセテート・コポリマー1(glatiramer acetate copolymer-1)、抗-炎症性サイトカイン、例えばIL-4、IL-5、IL-10、IFNβ、例えばベタフェロン(商標)、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及び可溶性受容体を含むサイトカイン-アンタゴニスト、例えばIL-1、IL-2、及びIL-12、TNFαに対するアンタゴニスト、抗炎症性PDE IV 受容体アンタゴニスト、例えばメソプラム、インテグリンα4アンタゴニスト、抗炎症性ケモカイン・アンタゴニスト、例えばCCR1受容体アンタゴニスト及び抗炎症性ケモカインアンタゴニストを含む。
本発明に従ったエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグ、例えば、エストリオール・モノ・スルファミン酸エステル、例えばエストリオール-3-スルファミン酸エステル、及び第二の医薬として活性な薬剤は、同時に及び/又は経時的に、一緒に又は別々に投与されうる。本発明のプロドラッグと第二の医薬として活性な薬剤との間で投与の形態が違いうる。
以下の実施例は、本発明を説明するために意図されており、特許請求の範囲に示される発明の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。
この実施例は、様々な投与量のエストリオール-3-スルファミン酸エステルを経口投与した後において、全身の効果を評価することに関する。総合して、実験は、優れた全身のエストロゲン活性及び経口投与された本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルプロドラッグの作用強度を示す。エストリオール-3-スルファミン酸エステルの一定の血中レベルは、実施例1及び実施例2において観測された骨保護効果によって示される。
実施例1
材料と方法:
成体のウィスター系ラット(6ヶ月齢)は、卵巣摘出され、エストリオール-3-O−スルファミン酸エステル、参照化合物、及び担体でそれぞれ経口処理された。治療の28日後において骨ミネラル密度に関する効果が決定された。
結果
結果は、図1に示される。コントロールと比較すると、卵巣摘出は、約40mg/ccmの骨ミネラル密度における減少をもたらす。骨ミネラル密度における減少は、10μg/動物/日のエストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口適用後、ほぼ回復された。エストリオールでこの効果を達成するためには、30倍以上のエストリオールが、経口投与されなければならない。
実施例2
材料と方法
成体のウィスター系ラット(6ヶ月齢)は、卵巣摘出され、エストリオール-3-O−スルファミン酸エステル、参照化合物、及び担体でそれぞれ経口処理された。コラーゲン分解産物の排出に関する治療効果は、治療の28日後において決定された。
結果:
結果は図2に示される。10μg/動物/日の投与量でのエストリオール-3-スルファミン酸エステルは、偽手術のコントロールに匹敵するレベルまで遊離のデオキシピリジノリン(Deoxpyridinoline)(Dpd)の減少をもたらす。エストリオールの経口投与後、遊離Dpdの減少は、30μg/動物/日の投与量で見られた。
実施例3
材料と方法
成体のウィスター系ラット(6ヶ月齢)は、卵巣摘出され、エストリオール-3-O−スルファミン酸エステル、参照化合物、及び担体でそれぞれ経口処理された。治療の28日後の子宮重量に関する治療効果が決定された。
結果
結果は、図3に示される。コントロールに比較して、卵巣摘出は、約333mgの子宮重量の減少をもたらした。子宮重量を基底レベルにまで増加させるために、100μg/動物/日のエストリオール-3-スルファミン酸エステルが、骨保護効果を示すためよりも10倍以上多く投与されなければならない。エストリオール-3-スルファミン酸エステルは、子宮の閾値未満で骨保護効果による組織選択性を示す。エストリオールの経口適用後に同じ結果を達成するため、300μg/動物/日は、投与されなければならない。
実施例1、2、及び3に基づく結果
本発明に従うと、よく規定されかつ維持されたエストリオールの血中レベルは、エストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口適用後に満たされる。エストリオールは、エストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口適用に使われる濃度では、骨節約効果をもたない。エストリオール・スルファミン酸エステルは、経口投与後にエストリオールよりずっと高い全身性エストロゲン活性を有した。子宮重量試験の結果に基づいて、エストリオール-3-スルファミン酸エステルは、経口投与されたエストリオールより(約3倍)強力である。
図面の簡単な説明
以下の図は、エストリオールと比較して、本発明のエストリオール・スルファミン酸エステルの全身性効果を示すために提供される。
図1は、様々な投与量の経口適用後、エストリオールと比較して、本発明のエストリオール-3-モノスルファミン酸エステルによる卵巣摘出後の優れた骨保護効果を示す。骨物質の減少マーカーとして、卵巣摘出後におけるミネラルの骨密度の減少は、一定のエストリオールレベルが達成されるならば可逆性である。
図2は、卵巣摘出後における骨代謝回転の増加のマーカーとして、子宮におけるデオキシピリジノリンの分泌上昇が、エストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口投与後に抑制されたことを示す。
図3は、エストリオール-3-モノスルファミン酸エステルの組織選択性を示す。子宮の閾値は、エストリオール-3-スルファミン酸エステルの経口適用後における骨保護性の投与量未満である。

Claims (13)

  1. 以下の式(I):
    Figure 2005518437
    {式中、R1、R2は、同じか又は独立して水素、C1-6-アルキル又はCO-C1-7-アルキルである。}に従うエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルの、哺乳動物における自己免疫疾患治療用医薬の製造のための使用。
  2. 前記エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルが、エストリオール-3-O−スルファミン酸エステルである、請求項1に記載の使用。
  3. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記自己免疫疾患が、Th1-介在性免疫応答を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 前記疾患が、多発性硬化症、リュウマチ様関節炎、若年性オリゴ関節炎、I型糖尿病、炎症性腸疾患、橋本甲状腺炎、アジソン病、ループス疾患、急性移植片対宿主疾患、クローン病から成る群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記疾患が多発性硬化症である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 前記エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルが、月あたり5〜500mgの累積的投与量内で投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 治療が、第二治療薬剤の投与をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記医薬が経口投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 女性の妊娠後期の間に観測されるレベルと同じエストリオールの血中レベルを提供するための医薬の製造のためのエストリオール・モノ-スルファミン酸エステルの使用。
  11. 前記エストリオール・モノ-スルファミン酸エステルが、エストリオール-3-O−スルファミン酸エステルである、請求項10に記載の使用。
  12. 前記エストリオールの血中レベルが、100pg/ml〜50ng/mlである、請求項10又は11に記載の使用。
  13. 前記医薬が経口投与される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の使用。
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