JP2005518132A - 無線通信送受信局用の受信機および受信方法 - Google Patents

無線通信送受信局用の受信機および受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】深いフェーディングを伴うマルチパスまたは市街地などにおけるマルチパス環境でも安定したCDMA信号受信の可能な受信機を提供する。
【解決手段】受信信号サンプルの相対電力の算出に時間ダイバース積分を用いた肥大フィンガー割当ておよびRAKEフィンガー割当てを用いた新規なRAKE受信機を提供する。このRAKE受信機を第3世代パートナーシッププロジェクトなどのCDMA無線通信システムのユーザ装置(UE)や基地局に用いる。

Description

この発明は無線通信システムに関する。より詳細にいうと、この発明は無線通信システムにおける通信信号の受信に関する。
無線通信においては同期が重要である。モデムシステムでは種々のレベルの同期、すなわち搬送波同期、符号同期、シンボル同期、フレーム同期、網同期などの同期がある。これらレベルの各々において、同期は二つの段階、すなわち捕捉(初期捕捉)とトラッキング(精密同期)とに分けられる。
第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)に規定されるシステムなどの通常の無線通信システムでは、基地局から一つまたは複数のユーザ装置(UE)にダウンリンク通信信号を送り、UEから基地局にアップリンク通信信号を送る。それらUEの各々の内部の受信機は、受信したダウンリンク通信信号と既知の拡散符号系列との相関をとり逆拡散する動作を行う。その符号系列は、相関器からの出力を最大にするように受信信号の系列と同期させる。
受信機は、マルチパスの影響で、送信された通信信号の時間的に互いにずれた複数の相似成分を受信する。マルチパスによるフェーディングを伴うチャネルでは、伝搬パス中における反射および散乱のために、信号エネルギーがある時間長にわたって分散する。そのような信号の受信の品質を上げるために、受信機は上記送信された通信信号の複数のマルチパス通過相似成分を合成することによりチャネルを推算できる。そのチャネルのプロファイルに関する情報が受信機に既知である場合は、互いに異なる上記相似成分パスに複数の相関器ブランチをそれぞれ割り当てて、それらブランチからの出力を合成するのも一つの方法である。この手法はRAKE受信機として周知の回路構成で従来用いられてきている。
従来技術によるRAKE受信機はマルチパスの複数の反響パスにそれぞれ対応する複数の「フィンガー」を有する。それらフィンガーの各々において、最先受信パスなど基準になるパスの伝搬遅延に対するそのパスの固有の伝搬遅延を推算して信号伝送の全期間にわたってトラッキングしなければならない。そのパスの時間的な初期位置の推算は、マルチパスサーチアルゴリズムによって行うことができる。マルチパスサーチアルゴリズムは、所望のチップ精度を備えるパスの特定のために相関器全体にわたり広範囲のサーチを行う。RAKE受信機は送信信号のパスダイバーシティの効果を得るようにマルチパス伝搬を活用できる。二つ以上の伝搬パスを用いることによって、受信機に利用可能な信号電力を上げることができる。また、複数のパスが深いフェーディングを同時に起こす可能性は低いので、上記の手法はフェーディング防止策にもなる。合成を適切に行うことにより、受信信号の信号対雑音比を改善し、フェーディングを抑え、送信電力問題を軽減することができる。
移動ユーザ装置の場合は、その移動および伝搬環境の変動に伴い、サーチアルゴリズムで用いる伝搬遅延および減衰も変動する。したがって、タップ付き遅延線プロファイルを計測し、伝搬遅延の変動の発生時にはRAKE受信機フィンガーの再割当てを行う必要がある。
RAKE受信機の設計において重要な問題は、複数の信号パスを正確にサーチして見出すことである。受信機システムには、平均捕捉時間、最適閾値設定、誤警報の確率など最適化すべき基本パラメータがいくつかある。RAKE受信機の一つの問題は、パスが消失する場合があること、またはRAKE配置プロセスでパスが検出できない場合があることである。
USP 5 659 573 USP 5 619 524 USP 6 275 483 USP 6 408 039
したがって、性能を高めた受信機が求められている。
RAKE受信機の設計におけるもう一つの問題は、マルチパス成分のために受信信号を複数の成分に分離できるとは限らないことである。すなわち、複数の信号伝搬パス相互間の相対的遅延差がチップ継続時間に比べてごく小さい場合などには、上記分離はできない。この状態は屋内や市街地での通信チャネルに生ずることが多い。この問題は「肥大フィンガー効果」と呼ばれる。
肥大フィンガーからのデータの回復のための手法は存在するが、それらの手法を適用するには、肥大フィンガー対応の受信信号電力を把握しなければならない。しかし、通常のRAKE相関器は、マルチパスチャネルの中の明確なシングルパス成分のサーチを行うよう設計されているので、上記把握を行うことができない。したがって、肥大フィンガーを特定できる受信機が求められている。
この発明はマルチパス経由の通信信号の受信のための改良型通信信号受信機を対象とする。この発明は、新規なRAKE受信機と、受信信号電力の相対値の算定のための時間ダイバース積分システムとを提供する。この受信機の発明は3GPPシステムなどのCDMA無線通信システムのUEまたは基地局に実施するのが望ましい。
この発明の一つの側面によると、送受信局は通信信号処理用の受信機、すなわち受信した通信信号の複数の互いに異なる伝搬パスからの成分にそれぞれ割り当てられてそれら成分を合成する所定数のRAKEフィンガーを有するRAKE受信機を含む受信機を備える。一つの例では、RAKEフィンガーの最大数は5であって、そのうちの一つ以下を肥大フィンガーとする。RAKE受信機の肥大フィンガーは肥大フィンガー復調アルゴリズムを実働化するものであって、例えば慣用の適応フィルタで構成できる。
この受信機は、互いに相続く信号サンプルのグループで画定される窓に基づき信号パスを判定するRAKEロケータを備える。信号サンプルが第1の信号電力閾値を超えた範囲を窓とする。そのような窓の数、すなわちRAKEフィンガーの数以下の窓の数を、所定窓の中のサンプルの電力の相対値に基づき候補窓としてRAKEロケータが指定する。
RAKEロケータで、サンプルグループの電力レベルを加算することによって定まる窓電力レベルに基づき窓を画定するのが好ましい。上記電力の第1の閾値を電力レベルが超えた範囲で窓を画定する。RAKEロケータで、電力レベル最高値の窓に基づき候補窓を指定するのが好ましい。しかし、もう一つの候補窓に近すぎる場合、すなわち電力レベルのより高い他の窓に含まれるサンプルの数が所定数よりも多い場合は、窓は指定されない。例えば、各窓は21個のサンプルのグループを含むことができ、候補窓は少なくとも五つの相続くサンプルで互いに分離されるように16個以下のサンプルのグループを含むことができる。
窓サーチ回路は候補窓を分析してそれら候補窓の中のサンプルの電力レベルが第2の閾値を超えるか否かを判定する。この窓サーチ回路は、候補窓の少なくとも一つが上記第2の閾値以上のサンプルを所定数含む場合は肥大フィンガー候補窓を指定する。窓サーチ回路で肥大フィンガー候補窓、すなわち上記第2の閾値以上の電力レベルの所定数(好ましくは4個)の候補サンプルを有し最大電力レベルを有する候補窓を一つだけ指定するのが好ましい。ここで、候補サンプルとは、第2の閾値以上の互いに相続くサンプルを除去したあとに残るサンプルをいう。
RAKEフィンガーアロケータは、慣用の種類のRAKEフィンガーによる信号処理または肥大RAKEフィンガーによる信号処理を割り当てて、肥大フィンガー候補窓として指定されなかった候補窓の各々が互いに異なる慣用のRAKEフィンガーに割り当てられるようにする。RAKEフィンガーアロケータは、肥大フィンガー候補窓に指定された任意の候補窓を肥大RAKEフィンガーに割り当てるのが好ましい。
この発明は、例えば五つ以下の所定数のRAKEフィンガー、すなわち受信した通信信号の互いに異なる複数の信号パスからの信号成分を合成する所定数のRAKEフィンガーを有するRAKE受信機を用いて通信信号を信号処理する方法を提供する。信号パスは、第1の電力閾値を超える互いに相続くサンプルのグループで画定される窓に基づいて定められる。それら窓の所定数以下のRAKEフィンガーを、サンプルの電力の相対値に基づき候補窓に指定する。候補窓を分析してそれら候補窓のサンプルの電力が第2の閾値を超えているか否かを判定する。候補窓の少なくとも一つで第2の閾値以上の候補サンプルが第2の所定数を超えた場合は肥大フィンガー候補窓を指定する。候補窓を第1のタイプのRAKEフィンガーでの信号処理、またはそれとは異なる第2のタイプの肥大RAKEフィンガーでの信号処理に割り当てて、肥大フィンガー候補窓に指定されなかった候補窓の各々が上記第1のタイプの互いに異なるRAKEフィンガーに割り当てられるようにする。
第1の電力閾値以上のサンプルのグループの電力レベルを加算することによって定まる電力レベルを有する窓を画定し、電力レベル最大値を備える窓に基づき候補窓を指定する。しかし、電力レベルのより高いサンプルを所定数以上含む窓が候補窓の他にある場合は、その候補窓は指定されない。例えば、サンプルの各グループは21個のサンプルを含むことができ、上記所定数を16個に設定して、少なくとも五つの互いに相続くサンプル分だけ互いに分離された窓だけを候補窓に指定するようにすることができる。
肥大フィンガーは1個以下だけ候補窓に指定するのが好ましい。すなわち、候補窓は第2の閾値以上の電力レベルの選ばれた数の候補サンプルを含み、電力レベル最大値を備えるものであるからである。候補サンプルは、上記第2の閾値以上の電力レベルの互いに相続くサンプルを除去したあとに残るサンプルである。
肥大フィンガー候補窓に指定された任意の候補窓を、適応フィルタを含む肥大フィンガーに割り当てるのが好ましい。
この発明の第2の側面では、信号サンプル対応の値の関数として算出される信号サンプル相対電力に基づき通信信号を信号処理するようにこの受信機を構成する。信号サンプルのセットRを画定する信号サンプルS対応の少なくとも値r(r)を記憶するバッファを設ける。ここで、Rは値r(0)乃至r(X−1)対応のX個の互いに相続く受信信号サンプルS乃至SX−1のサブセットである。サブセットRのエレメントの数はX以下であり、Rは少なくとも二つの互いに排他的な二つのサンプルサブセット{S乃至S}および{S乃至SX−1}を含む。したがって、RはサンプルSi+1またはSj−1を含まない。バッファは値r(0)乃至r(X−1)を全部記憶できるが、サブセットRの表す値だけを記憶する場合は実質的に小さいバッファを用いることができる。
上記X個の受信信号サンプルのサブセットRの信号サンプルエレメントS対応の値r(r)に基づきサンプル相対電力を算出するように、プロセッサをバッファに接続する。サンプルエレメントSi+1およびSj−1にそれぞれ対応する値r(i+1)およびr(j−1)などRに含まれないサンプルの値は上記算出には用いない。したがって、上記相対電力は少なくとも二つの時間間隔を表すサンプルシリーズに基づいて算出する。
上記プロセッサは、正の整数の互いに排他的なサブセットからなるインデックスセットIに基づく関数を用いて相対電力を算出するように構成され、Iのサブセットの各々について対応のサブセットRを相対電力の算出に用いるようにするのが好ましい。
互いに相続くサンプルの各対の時間間隔はtであり、この時間間隔は受信信号のサンプルを得る際の信号処理速度に対応する。少なくともサンプル{Si+1乃至Si+51}および{Sj−51乃至Sj−1}をそれぞれ含み、サブセットRのサンプルエレメントは何も含まないX個の互いに相続くサンプルの少なくとも二つの互いに排他的なサブセットがあるのが好ましい。その場合は、サブセットRは、tの少なくとも50倍だけ互いにずれた互いに相続くサンプルのグループを表す少なくとも三つの互いに排他的なサンプルサブセットによって画定するのが好ましい。
上記プロセッサは、サンプルSについてのPNスクランブル系列と受信信号との間の相関出力電力P PNを次式、すなわち、
Figure 2005518132
で算出するのが好ましい。ここで、Nは予め画定した定数、c(・)はPNスクランブル系列対応の値を表す。処理時間を制限するために、インデックスIを150個以下のエレメントで画定するのが好ましい。一つの例では、インデックスセットIは{0−9,50−69,100−199}(ただし、Nは256)に等しい。その場合は、Rは、tの5000倍以上の時間ずれで相互に分離されたサンプルのグループを表す三つの互いに排他的なサンプルサブセットで画定される。
RAKEフィンガー割当てブロックは、バッファと、サンプルSの相関電力を時間ダイバース積分ベースで割当てブロック内で算出するように時間ダイバース積分用に構成したプロセッサとを備えるのが好ましい。しかし、時間ダイバース積分の実働化は、サンプル相対電力値算出用の構成部分にも同様に応用できる。
略語表
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
AF 適応フィルタ
AWGN 相加性白色ガウス雑音
BCH 一斉通報チャネル
CDMA 符号分割多元接続
CFAR 一定誤警報率
CPICH 共通パイロットチャネル
FRF 第1ランクフィルタ
HGC 階層ゴーレイ相関器
MS 移動局
P−CCPCH 一次共通制御物理チャネル
PN 疑似雑音
PSC 一次同期符号
P−SCH 一次同期チャネル
SSC 二次同期符号
S−SCH 二次同期チャネル
SNR 信号対雑音比
UE ユーザ装置
WG4 作業部会4(3GPPの)
マルチパス環境に対応できる高性能の3GPPシステム用RAKE受信機を提供できる。
次に、この発明を第3世代パートナーシッププロジェクト仕様に準拠した通信システムに関連づけて説明する。この種の通信システムでは、CDMA通信信号はシステム時間フレームで規定したチップ速度で送信する。無線通信をユーザ装置(UE)と基地局、すなわちノードBとの間で行う。UEおよびノードBはともに無線通信信号を送受信する。UEおよびノードBのいずれの送受信局の受信装置においても、この発明によるRAKE受信機を受信マルチパス通信信号の効率的信号処理による性能改善に用いることができる。この明細書において特段の説明をする場合を除き、セルサーチ、符号捕捉、および同期のための好ましい信号処理は現行の3GPP仕様に準拠したものである。
この発明のRAKE受信機の性能を評価するために、種々のシミュレーションを行った。すなわち、相加性白色ガウス雑音(AWGN)チャネルを用いたシミュレーション、および3GPP技術仕様書3.2版でWG4ケース1およびWG4ケース5として周知の3GPP作業部会4(WG4)規定の互いに異なる二つのチャネルを用いたシミュレーションなどである。
発明者らは、伝搬チャネルインパルス応答が「肥大」フィンガーパスと通常のRAKEフィンガーパスとの組合せからなることを認めた。肥大フィンガーパスは互いに近接したマルチプルパスを表し、通常のRAKEフィンガーパスの各々は他のパスから少なくとも1チップ間隔だけ離れたシングルパスを表す。チャネル応答は通常二つ以上の「肥大」フィンガーパスを備えることはないので、この明細書で述べる好ましい実施例は単一の「肥大」フィンガーを備えるものに限る。しかし、この発明の考え方は複数の「肥大」フィンガーの場合にも同様に適用できる。
この発明においては、RAKEロケータで肥大フィンガーパスおよびRAKEフィンガーパスを常に探索する。肥大フィンガーパスは肥大フィンガーパスを復調できる復調アルゴリズム/システムから成る肥大フィンガーにそれぞれ割り当て、複数の個々のマルチパス成分は複数の通常のRAKEフィンガーにそれぞれ割り当て、これらフィンガーの各々にはトラッキング機構を設ける。少なくとも1チップ幅だけ互いに離れた通常のRAKEフィンガーは従来技術のRAKE受信機を表す。肥大フィンガーパスを復調できる復調アルゴリズム/システムの一例は適応フィルタ(AF)である。
図1に示すとおり、RAKEロケータはサーチ機構(セルサーチ)とRAKE受信機とを接続する重要な役割を果たす。セルサーチプロセスを符号位相捕捉により行ったのち、RAKEフィンガーは検出した符号位相に関連づけられる。検出した符号位相は受信した無線チャネルのマルチパスに起因する遅延に対応する。マルチパスに起因する遅延は非定常的であることが多いから、そのチャネル内のマルチパス成分を常にサーチする必要がある。マルチパスに起因する符号位相をRAKE受信機に割り当てて復調する。RAKEフィンガーの各々に対応する上述の粗同期に引き続き、それら個々のRAKEフィンガーの符号トラッキング機構で精同期を行う。移動UEが移動して受信チャネルの遅延プロファイルが変動するに伴って、RAKEフィンガーへの割当て符号位相は消失する。次に、これらのフィンガーはRAKE受信機から割当て解除され、新たな符号位相がRAKEロケータから再割当てされる。このプロセスは後述のRAKE再割当てシステムで説明する。
図1は、初期FATフィンガー割当てプロセッサおよびRAKEフィンガー割当てプロセッサを含む3GPPシステム用RAKEロケータの全体のブロック図を示す。このロケータは、マルチパス信号処理を高速化するように3GPP初期セルサーチアルゴリズムと共働する。
同期達成前の期間にユーザ装置(UE)は信号電力最大の基地局をサーチする。好ましい実施例では、現行3GPP仕様準拠の基地局からのダウンリンクスクランブル符号およびフレーム同期信号をセルサーチブロックで判定する。RAKE受信機は、スクランブル符号を特定したあと、無線チャネルの各マルチパスまたはマルチパス群の相対遅延または符号位相に関する情報を肥大フィンガーのために常に必要とする。
UEは、セルサーチ手順の第1のステップの期間中に、一次同期チャネル(P−SCH)の符号を用いてセルへのスロット同期を捕捉する。この動作は、P−SCHチャネルに整合した単一の整合フィルタで通常行う。P−SCHで用いる符号はすべてのセルに共通である。セルのスロットタイミングはこの整合フィルタの出力のピーク値を検出することによって得ることができる。
セルサーチ手順の第2のステップの期間中に、UEは二次同期チャネル(S−SCH)の符号を用いてフレーム同期をとり、上記第1のステップで把握したセルの符号群を特定する。この動作は、受信信号とあり得る二次同期符号系列全部との相関をとり、最大相関値を把握することによって行う。これら符号系列の循環シフトは互いに独自の値を示すので、符号群およびフレーム同期を判定できる。
セルサーチ手順の最終の第3ステップの期間中に、UEは特定ずみのセルの用いている正確な一次スクランブル符号を判定する。一次スクランブル符号は、上記第2のステップで特定された符号群の中の全符号と、共通パイロットチャネル(CPICH)経由でシンボルごとの相関をとることにより通常は特定される。一次スクランブル符号を把握したあと、一次共通制御物理チャネル(P−CCPCH)を復調でき、P−CCPCH経由で送られてきたシステム特定情報およびセル特定情報を一斉通報チャネル(BCH)から読み出すことができる。図2はP−SCH、S−SCHおよびCPICHのフレーム構成およびスロット構成の例を示す。
セルサーチアルゴリズムの性能はRAKEロケータに多大の影響を及ぼす。セルサーチが不首尾の場合は、誤ったPNスクランブル符号がRAKEロケータに割り当てられ、そのためにRAKEロケータが誤ったパス表示を生ずる。したがって、RAKEロケータはセルサーチアルゴリズムを検証し誤検出を除去するように作用する。
図3は肥大フィンガー割当てプロセッサのブロック図を示す。このプロセッサは三つの主要ブロック、すなわち閾値比較ブロック、窓サーチブロックおよび肥大フィンガー配置ブロックの三つの主要ブロックを含む。閾値比較ブロックは現行3GPP準拠の階層ゴーレイ相関器(HGC)出力を閾値ηと比較して雑音成分を抑える。窓サーチブロックは、変動平均窓電力の大きい方から例えば五つの候補窓を選択する。指定された窓の各々をRAKEフィンガーの一つへの候補窓とする。上記肥大フィンガー配置ブロックは電力最大値の窓を特定する。
閾値比較ブロックで用いる上記第1の閾値ηはP−SCHの平均雑音電力に比例する。肥大フィンガー配置ブロックで用いる第2の閾値ηはCPICHの平均雑音電力に基づく値である。これら二つの閾値ηおよびηがこの受信機の検出確率および誤警報確率を定める。
これら閾値との比較を用いて、肥大フィンガー配置を、開始タイミングインデックスτで特定した窓に割り当てる。このインデックスを、RAKE受信機の肥大フィンガーを含む適応フィルタ(AF)に供給する。肥大フィンガー割当てプロセスは、窓配置を行い、肥大フィンガーパスの電力を検証するためのものである。
図4は閾値比較ブロックのプロセスを図解する。閾値比較ブロックはP−SCHチャネルの符号位相真値の事前検出およびサーチのためのものである。セルサーチステップ1は0から5119までの範囲の値であるスロット境界値を生ずる(チップあたり2サンプルのスロット)。スロット境界が与えられると、スロット境界を囲む半チップ間隔の±200サンプルの窓が合計401個のサンプルを生ずる。上記±200のサンプル数を選ぶ理由は、無線チャネルの遅延のばらつきの最大値を±100Tと推算しているからである。
P−SCHはすべてのセルに共通であるから、閾値比較ブロックへの入力は検出可能な基地局全部からのパスエネルギーに対応する値を含む。したがって、どの信号が所望の基地局に属するかの検証と、それ以外の信号の抑制のために、事後検出が必要である。誤警報確率を低く抑えるためには適切な閾値ηを定める必要がある。この閾値は平均雑音電力に比例する。閾値ηが低すぎる場合は、誤警報確率が許容不可能なほどに高くなる。閾値ηが高すぎる場合は、検出確率が低くなりすぎる。すなわち、ηの値の選択にはトレードオフが伴う。
閾値比較ブロックへの入力、すなわちセルサーチステップ1のHGC出力を閾値ηと比較して、その閾値を超えるサンプルとその閾値を下回るサンプルとを弁別する。閾値比較ブロックの出力は次式
Figure 2005518132
で与えられる。ここで、i=0はスロット境界を表す。この閾値を平均雑音電力σ HGC
で次式、すなわち
Figure 2005518132
のとおり、スケーリング係数αにより適応的に変動させる。
窓サーチブロックの主な機能は、許容最大重複値で電力最大値を示す所定数の候補窓を特定することである。候補窓の数は、利用可能なRAKEフィンガーの数に対応し、その数はこの例では5である。窓の大きさは例えばサンプル21個分である。変動する平均的(MA)な窓の電力は、次式、すなわち
Figure 2005518132
で与えられる。ここで、P HGCは(2.1)で与えられる。次に、上記窓の電力を降順、すなわち
Figure 2005518132
に並べる。ここでP(1)=max(P window)である。五つの窓を特定するための要件は、
1.候補窓P(1)乃至P(5)全部が次式、すなわち
Figure 2005518132
で表される設計パラメータである最小窓電力Pminを超えていること、および
2.候補窓が少なくともサンプル5個分だけ互いに離れていること、すなわち(j)番目の候補P(j)=P windowおよび(j+1)番目の候補P(j+1)=P windowが次式、すなわち
Figure 2005518132
で表される条件を満たすこと、である。
上記要件1が満たされない場合は、5個未満の候補窓を定めてRAKE受信機の5個未満のフィンガーを割り当て、未割当てフィンガーは遊休のままとする。要件2が満たされない場合は、最大電力を示す候補窓を用い、サンプル5個分以内の候補窓は用いない。
図5は窓サーチ手順を図解する。第1のP windowを式(3)のとおり算出し、第2にP windowを降順に並べる。第3に少なくともサンプル5個分だけ分離された初めの5個の候補を選ぶ。図示の便宜のために、各窓には初めの7個のサンプルだけを表示してある。上述のとおり、窓の好ましい大きさは21サンプル幅である。
候補窓が互いに重複する場合(例えば図5におけるP−193 windowとP−198 window、P−5 windowとP window)は、それら重複した領域をバッファに保存する。上記肥大フィンガー割当てブロックでは、PNスクランブル系列と受信信号との間の相関出力電力P PNの算出のための所要時間の削減にこれを用いる。例えば、第1の候補窓の開始点が5であり、第2の候補窓の開始点が11であると仮定する。その場合、サンプル21個分の幅の大きさの窓についての重複サンプル数は11乃至25(サンプル16個)である。この範囲では、P PNについての二重計算を防ぐのが望ましい。
肥大フィンガー配置ブロックはCPICHチャネルを用いて事後検出プロセスを行う。CPICHは与えられた領域内のセルの各々について独自のチャネルであるから、CPICH経由の相関は特定のセルについての符号位相の真値を与える。例えば、UEへの無線チャネルの形成に三つの基地局が利用可能であると仮定する。そのUEがBS1と交信中であれば、CPICH経由の相関はBS1の符号位相だけを強調し、BS2およびBS3の符号位相を抑圧する。受信信号とPNスクランブル系列との間の相関の電力は次式、すなわち
Figure 2005518132
で算出される。ここで、r(・)およびc(・)の系列は受信信号系列およびPNスクランブル系列をそれぞれ表す。JおよびNの通常の値は、J=50(50スロット)、N=256(チップ数で表した1シンボル長)。現行3GPPに規定されるとおり、受信信号のサンプル速度とPNスクランブル系列のサンプル速度は互いに異なる。受信信号のサンプル速度はT/2である。しかし、PNスクランブル系列は間隔Tでサンプルされている。したがって、式7は、次式、すなわち
Figure 2005518132
のように変形できる。ここで、reven(・)およびrodd(・)は受信信号の偶数番目のサンプルおよび奇数番目のサンプルをそれぞれ示す。式(7)を単純にするために、
Figure 2005518132
とする。絶対値演算は次式、すなわち
Figure 2005518132
で近似できる。式(9)を用いて式(7)を次式、すなわち
Figure 2005518132
のとおり単純化する。受信信号とスクランブル系列とのサンプル速度の速度の相違を考慮に入れると、式(10)は次式、すなわち
Figure 2005518132
のとおり変形できる。相関出力電力P PNが第2の閾値ηよりも大きい場合は、その符号位相を真のパスとして受容する。この第2の閾値は平均雑音電力に比例し、次式、すなわち
Figure 2005518132
で表される。ここで、βはスケーリング係数であり、σ PNは次式、すなわち
Figure 2005518132
で与えられる平均雑音電力である。ここで、cAUX(・)は補助PNスクランブル符号を表す。式(13)は変形絶対値演算子を用いて式(10)のとおり単純化される。肥大フィンガーを時点τで割り当てた場合は、RAKE割当てプロセスに備えて次式のとおり零にリセットし、通常のRAKEフィンガーがFATフィンガー位置に割り当てられないようにする。すなわち、
Figure 2005518132
図6は肥大フィンガー配置ブロックプロセスを示す。この図の上半分は五つの最良の候補窓の選択を示す。このプロセスは事前検出部分である。窓インデックスを下半分対応の事後検出に供給する。下半分は式(11)を用いて相関出力電力を算出する。選択された窓が第2の閾値以上の非連続サンプル最小数を含む場合は肥大フィンガーを割り当てるのが好ましい。
肥大フィンガーが割り当てられない場合は、閾値比較ブロックの出力がRAKEフィンガー割当てプロセッサの入力である。この場合は、非連続測定値は除去して複数のパスが確実に少なくとも1チップ分互いに分離されるようにする。この動作は、与えられた窓の中の最大値サンプルから開始してその隣接サンプルを除去し、その隣接サンプルの隣のサンプルを保持し、それら保持したサンプルの次の隣接サンプルを除去することによって行う。
図7は好ましい肥大フィンガー割当て方法を図解した流れ図である。この流れ図のパラメータは次のとおりである。
min:最小平均窓電力。
:第2の閾値η以上のサンプルの数。
low:第2の閾値η以上のサンプルの許容最小数。
req:第2の閾値η以上のサンプルの所要数。
’:近似成分除去のあとの第2の閾値以上のサンプルの数。
acc:上記除去処理のあとの第2の閾値以上のサンプルの数。なお、マルチパス幅Nを計測して、対応数のタップを割り当てる肥大フィンガーに送る。
第2の閾値以上のサンプルの数(N)および上記除去処理のあとの第2の閾値以上のサンプルの数(N’)を計数する。次に、右端の窓を肥大フィンガー窓に指定する。すなわち、その窓だけが、好ましくは4に設定されて、N’最小値の基準に合致するからである。すなわち、肥大フィンガーは、選ばれた窓の中で少なくとも1チップ分だけ互いに分離された上記閾値以上のサンプルが少なくとも4個ある場合だけ用いられる。
図7に示すとおり、肥大フィンガー配置プロセスは、窓の中の第1の候補の総電力値が許容最小電力値を超えるか否かをチェックすることにより始める。否の場合は、この肥大フィンガー配置ブロックは次の候補をチェックする。上記条件を満たす候補がない場合は、このプロセスはステップ6に進む。次に、入力信号r(m,n)とローカルに発生したPNスクランブル符号c(m,n)との間のシンボルごとの相関を次式、すなわち
Figure 2005518132
により算出する(ステップ2)。ここでJは累算シンボル数、Nはチップ数で表したシンボル長である。
次に、第2の閾値ηと比較する。閾値η以上のサンプルの数Nを計数し(ステップ3)、ステップ4で次の二つのケース、すなわちケース1およびケース2に分ける。
(a)ケース1:N<Nlowの場合、ステップ1に進み、次の候補をチェックする。
(b)ケース2:Nlow regの場合、(i)第2の閾値以上のサンプル数N’をそれ以外のサンプルの除去後に計数する、(ii)上記サンプルの除去後の受容可能なサンプルの数NaccよりもN’が大きいか否かをチェックする。
(c)ケース3:N regの場合、肥大フィンガーを割り当ててステップ5に進む。
肥大フィンガーの範囲でRAKEフィンガーを割り当てることを防ぐために、式(1)の肥大フィンガー範囲におけるHGC出力を零にリセットし、P HGC=0、i=τ,τ+1,・・・,τ+20とする。
すべての候補の処理が終わると、RAKEフィンガー割当てプロセスに入る(ステップ6)。
RAKEフィンガー割当てプロセッサのブロック図を図8に示す。このRAKEフィンガープロセッサは第1のランクフィルタと、RAKEフィンガー検出器と、第2のランクフィルタと、割当て器とを含む。第1のランクフィルタは、セルサーチHGCからの入力P HGCを降順に並べて大きい方からM個のサンプルを選択する。これらのサンプルは少なくともサンプル2個分だけ互いに離れていなければならない。割り当てられた肥大フィンガーがない場合は、閾値比較ブロックP HGCの出力を第1のランクフィルタに直接に加える。このフィルタブロックの入力は式(1)に示した閾値η以上のHGC出力電力、すなわち次式、
Figure 2005518132
で表される。このブロックはこれら電力を降順、すなわち次式
Figure 2005518132
で表される順に並べる。ここで、P(1) FRF=max(P HGC)であり、下付き文字FRFは第1のランクフィルタを表し、Mは設計パラメータである。このブロックの出力は相関出力電力ではなく、上記電力対応の時間インデックス、すなわち
Figure 2005518132
である。
これらのサンプルは、所望のチップ継続時間マルチパス分解能を確保し、分離が不十分である場合の余剰分除去を確実にするために、サンプル2個分だけ互いに離れていることを確認するのが好ましい。換言すれば、Ij+1対応のサンプルは次式、すなわち
(数19) |I−Ij+12, j=1,2,・・・、M−1
を満足しない場合は除去される。
図9は肥大フィンガー領域以外で相関出力電力の大きい方から8個を選択する例を示す。これら位置に対応するインデックスをRAKEフィンガー検出ブロックに加える。
RAKEフィンガー検出ブロックは、式(17)で与えられたインデックス対応の相関出力電力がCPICH電力の第2の閾値ηよりも大きいことを検証する。この相関電力は次式、すなわち
Figure 2005518132
で与えられる。ここでr(・)およびc(・)のサンプル速度は互いに異なっており、式(20)は次式、すなわち
Figure 2005518132
のとおり変形できる。
式(20)の相関電力が第2の閾値ηよりも大きい(すなわちP PN η)場合は、それに対応する符号位相を検出セルの真のパスとして把握する。それ以外の場合は、その符号位相は正しいパスとしては把握しない。この事後検出のための検証モードでは、式(18)で与えられたインデックスの隣接符号位相(左および右)もクロックドリフトおよびUE移動の把握のためにチェックする。図9の上部は、大きい方からM個、例えば8個のサンプルの選択とそれらサンプルのインデックス[I,I,・・・,I]を示す。同図の下部はL個の真のパスを判定する検証プロセスを示す。上記インデックス[I,I,・・・,I]の隣接インデックスは次式、すなわち
Figure 2005518132
で表され、これらインデックス対応の電力は次式、すなわち
Figure 2005518132
で表される。
式(22)および(23)で表されたセットの中の第2の閾値以上の大きい電力およびそれらに対応するインデックスを真のパスとして選択するのが好ましい。図10は次式、すなわち
(数24) [I+1,I,I−1,I,I+1]
で表されるインデックスを上述の例における真のパスとして把握する場合を示す。この場合は、Lは5であることが分かる。すなわち、式(22)および(23)における八つのセットのうちの三つは第2の閾値以上の電力を備えないからである。
第2のランクフィルタはL個の候補サンプルのうち大きい方からK個のサンプルを選ぶ。ここでKはRAKEフィンガーの数である。このブロックの入力は閾値以上の相関出力電力およびそれらのインデックスである。これらの電力値を降順、すなわち
(数25) P RAKE RAKE ・・・ RAKE
に従って並べて、式(24)からの対応インデックスを次式、すなわち
(数26) [I RAKE,I RAKE,・・・,I RAKE
のとおり区分する。このブロックの出力は式(26)の中の大きい方からK個のサンプルのインデックス、すなわち
(数27) [I RAKE,I RAKE,・・・,I RAKE
に対応するサンプルのインデックスである。
図11は第2のランクフィルタのプロセスを図解する。相関出力電力を降順、すなわち
Figure 2005518132
に従って並べる。また、インデックスを次式、すなわち
Figure 2005518132
に従って区分する。
K個のRAKEフィンガーがこの受信システムで利用できる場合は、式(28)のK個のインデックスを後述のとおりRAKEフィンガーとして割り当てる。肥大フィンガーを割当てずみの場合はK個以下の数のフィンガーが利用できる。
電力最大値のRAKEフィンガーパスは、最低基準に合致しない場合でも、肥大フィンガーが割当てずみでなければ、常にRAKE受信機フィンガーに割り当てられる。肥大フィンガーであるか通常フィンガーであるかを問わず、RAKEフィンガーが割り当てられると、それ以外のフィンガーパスの各々はRAKE受信機フィンガーへの割当ての前に、追加の試験に合格しなければならない。
その追加の試験は、付加SNRが最小ΔdB以上であるか否かを判定する。K個のフィンガーの割当てのあとの現在の対象フィンガーのSNRがSNRdBである場合、次式、すなわち
Figure 2005518132
が成立すれば追加のフィンガーを割り当てる。これは、k+1番目の成分Pk+1の電力測定値を電力累算値、すなわち
Figure 2005518132
と比較することと等価である。
k+1 (δ−1)CPの場合は、フィンガーを割り当てる。ここで、δ=100.1Δである。その場合、SNR合計値に0.26dBをさらに加える成分がある時だけもう一つのRAKE受信機フィンガーを割り当てる。
通常の無線伝搬チャネルは伝搬パス中の建物、山岳、ほか移動体障害物に起因する反射を伴う。反射による複数のパスは信号エネルギーの減衰および歪の原因となる。伝搬遅延プロファイルは市街地および郊外地区では通常1乃至2μsの範囲にある。山岳地域では伝搬遅延が20μsに達することもある。マルチパス成分の時間差が少なくとも0.26μs(チップ期間)である場合は、CDMA RAKE受信機はそれらマルチパス成分を互いに分離してコヒーレント合成し、ダイバーシティ受信を達成することができる。上記0.26μsの伝搬遅延はパスの長さの差が少なくとも260ftあれば生ずる。受信信号電力はマルチパス反射成分の位相合致による打消作用が生じた場合は著しく小さくなる。フェーディングおよび分散の原因となる地形によっては、急速フェーディングに起因する信号変動が通常のマルチパスの何倍もの頻度で起こる。
このフェーディングの障害を解消するのにいくつかの手法がある。第1の手法は、高いエネルギーをもって信号が入来する遅延位置にRAKEフィンガーを割り当てるやり方である。第2の手法は、高速電力制御およびダイバーシティ受信である。第3の手法は符号化およびインターリーブ手法である。
肥大フィンガー割当てプロセッサおよびRAKEフィンガー割当てプロセッサの出力をシステム全体の性能の改善に用いる。例えば、平均の捕捉時間は検出確率、誤警報確率、滞在時間、誤警報ペナルティ時間およびサーチ対象セルの数に左右される。上記の平均捕捉時間は捕捉装置の性能に非常に重要であるので、上述のパラメータすべてを最適化するのが望ましい。図12はPNスクランブル系列とフレーム境界近傍の受信信号との間の相互相関出力電力を生ずる事後検出構成を示す。
真の符号位置に関する事前の情報はないので、受信PN符号とその符号のローカル複製符号との整列ずれの不確定性が符号周期一つ分まで達し得る。したがって、長いPN符号については解消すべき対応の時間不確定性がかなり大きくなり得る。受信信号とローカルPN符号信号とを精密同期トラッキングへの制御引継ぎの前に1チップ周期の半分、すなわちT/2以内に合わせるよう通常は要求する。この要求に従って、ローカルPN符号信号の遅延を不連続幅で増減する。すなわち、T=Nが解消すべき時間不確定性とすると、q=2N+1があり得る符号整列の数であり、時間順次式サーチではそれら符号整列の数を不確定性領域の各サーチで検査すべきセルと呼ぶ。
符号捕捉の目的は、受信した疑似雑音(PN)r(m,n)とローカルに発生した符号c(m,n)との間の時間合わせをPN系列チップの数分の1程度の精度で達成することである。この符号捕捉のための通常の手法は順次サーチ手法、すなわち受信符号系列とローカルに発生した符号系列との間の相関をとり、閾値交叉または相関出力最大値に基づき同期状態を把握するものである。閾値は整合フィルタ出力の信号対雑音比によって定めるものであり、雑音電力または部分相関に従って調整できるものである。サーチ手法は最大値規準および閾値交叉規準の両方を用いる。この分析におけるパラメータは次に示すとおりである。すなわち
:正しいビンを試験した場合の検出確率。
FA:誤ったビンを試験した場合の誤警報確率。
τ:各セルにおける滞在時間。
K:滞在ペナルティ時間単位の数。
q:サーチ対象となるセルの総数。
平均捕捉時間T ACQは次式、すなわち
Figure 2005518132
で与えられる。ここで、平均滞在時間は次式、すなわち
Figure 2005518132
で与えられる。スロット5個を用いた場合(J=50)、τ=3.3msである。式(31)における平均捕捉時間は、検出確率P、誤警報確率Pおよび滞在時間τの関数である。検出隔離Pが高く誤警報隔離Pが低い場合は次式、すなわち
Figure 2005518132
が成立する。q−1=400であるから、T ACQ≒0.66秒となり、式(31)をPFA≒0.P≒1で近似し、qを1よりもずっと大きい値とすることによって、式(33)が得られる。
多くの実用的な符号捕捉システムにおいては、所定の総合捕捉時間に対する誤警報確率の低下は検証アルゴリズムと連携したサーチ手法の利用を伴う。この検証プロセスはサーチプロセスと交互に行われ、捕捉達成の度ごとに開始される。検証アルゴリズムの作動中はサーチは中断する。サーチおよび検証の両方を用いるシステムは二重滞在システムと呼ばれる。二重滞在システムを適切に用いると、サーチプロセス全体の大幅な迅速化を達成できる。シミュレーションによると約3倍の迅速化を達成できる。
図13はAWGNチャネルにおけるシングルパスの検出確率Pを多様なSNR値について示す。入力信号のSNRが4dBを超えると、検出確率はほぼ1.0になる。マルチパスフェーディングチャネルと同じ性能を得るには、入力SNRが15dB乃至20dBまで上がらなければならない。
図14はWG4ケース1のマルチパスフェーディングチャネル、すなわち3km/hでレイリーフェーディング振幅0dBおよび−10dBの二つのパスを有する上記マルチパスフェーディングチャネルの第1のパスの検出確率を示す。図13と比肩できる程度の性能を得るには入力SNRを20dBまで上げなければならない。上記第1のパスについては、第2の閾値ηに対する検出確率はそれほどの差はない。第2の閾値ηが低い場合は、検出確率は高くなる。例えば、入力SNRが10dBの場合は、第2の閾値がη=1.2σ PNからη=1.8σ PNに変動するに伴って検出確率の差は0.23(23%)になる。
図16は第2の閾値ηについての誤警報確率(PFA)を示す。第2の閾値を上げると誤警報確率が下がることが分かる。
誤警報確率と第2の閾値で制御される検出確率との間にはトレードオフがある。第2の閾値を下げると、特に第2のパスについて誤警報確率および検出確率が上がり、その逆も成立する。図16は、入力SNRが十分に高い場合には、第2の閾値を誤警報確率の低下に十分な値まで上げなければならないことも示している。
図17は、マルチパスフェーディングチャネルケース5、すなわち50km/hで0および−10dBのレイリーフェーディング振幅の二つのパスのあるケース5について、多様なSNRおよび第2の閾値ηに対する第1のパスの検出確率を示す。ケース1(図14)に比べて、検出確率は、第2の閾値η=1.2σおよび入力SNR5dBについて0.44から0.88に上がっている。なお、移動体速度を3km/hから50km/hに上げると検出確率がほぼ2倍になることも示されている。入力SNRが10dBよりも高い場合は検出確率は90%以上になる。
図18は第2のパス(振幅は−10dB)の検出確率を示す。ケース1(図[4.3])に比べて、検出確率は、第2の閾値η=1.2σおよび入力SNR5dBについて0.04から0.27に上がっている。概略的にいうと、検出確率は速度の上昇とともに増加することをシミュレーションの結果は示している。
閾値の如何に関わらず第2のパスの検出確率を90%以上にするには、入力SNRは20dB程度でなければならない。低い入力SNRでは、検出確率は第2の閾値に大きく左右される。すなわち、第2の閾値η=1.2σ、η=1.5σおよびη=1.8σに対する検出確率はそれぞれ0.27、0.13および0.04である。
図19は第2の閾値ηに対する誤警報確率を示す。ケース1(図16)に比べて、誤警報確率は全体として上がっている。例えば、第2の閾値η=1.2σおよび入力SNR20dBで誤警報確率は0.2250から0.3233に変動している。誤警報確率を下げるには閾値ηを十分に高くする必要があることが明らかである。
速度が上がると、検出確率は上がる。第2の閾値ηは検出確率を最大にし、誤警報確率を最小にするように選ぶのが好ましい。検出確率および誤警報確率の設定を適切に行うストラテジーを選んで受信システムの性能を最適化する。
上述のRAKE配置プロセスでパスが消失しまたは検出不能になる問題を緩和するために、この発明はRAKE再配置プロセスを用いているので有利である。肥大フィンガーパスが消失した場合、または肥大フィンガー割当てがなかった場合は、RAKE配置プロセスを所定時間経過ののち再実施する。
RAKE管理システムは再配置プロセスを実動化するものであり、パスサーチャー、並びに割当て、再配置、パスセレクタおよびRAKEコントローラを含むものである。図20はRAKE管理システム全体の構成を示す。
図21に示すRAKE再配置プロセスは候補パスの再選択および候補パスと現用パスとの比較に用いる。候補パスの電力が現用パスの電力よりも大きい場合は、現用パスを割当て解除して新たなパスをRAKEフィンガーに再配置する。
電力遅延プロファイルは、セルサーチステップ1からの階層ゴーレイ相関器(HGC)出力を用いることによって得られる。閾値比較ブロックはHGC出力から雑音成分を除去する。現用の肥大フィンガー配置およびRAKEフィンガー配置はパスサーチプロセスから除去される。次に、現用の肥大フィンガー配置およびRAKEフィンガー配置以外からのHGC出力を降順に並べる。最後に、少なくともサンプル2個だけ互いに分離された電力最大のパスを新たな候補パスとして選択する。
一次同期符号(PSC)は、1スロット周期で反復する256チップ長の非変調ゴーレイ系列である。PSCを検出することによって、UEは交信相手目標の基地局へのスロット同期を捕捉する。
パスサーチ手順は次のとおりである。
ステップ1:セルサーチステップ1を再試行する。
ステップ2:第1の閾値以上のP HGCを検出する。
ステップ3:現用のRAKE配置を除外する。
ステップ4:現用の肥大フィンガー配置を除外する。
ステップ5:P HGCを降順に並べる。
ステップ6:新たな候補リストを作る。
ステップ7:使用ずみのRAKE配置と新たなRAKE配置との比較により消失パスを把握。
ステップ8:候補リスト(新たな候補リストおよび消失パスのリスト)を成案とする。
図22はパスサーチプロセスの説明図である。図に示した星印と菱印は現用RAKE配置および使用ずみRAKE配置をそれぞれ示す。影付きで示した範囲は現用の肥大フィンガー配置を示す。現用の肥大フィンガー配置およびRAKEフィンガー配置は新たな候補パスのサーチの段階で除外される。HGC出力電力を降順に並べて電力の大きいパスを候補パスとして選択する。また、消失ずみのパスを使用ずみのパスと現用パスとの比較により検出する。消失ずみのパスは候補パスに含める。すなわち、それら消失パスは実際にパスとして存在する可能性があるからである。最終的に五つの候補パスをパスサーチプロセスで選択する。
上述のサーチプロセスで選択した候補パスは検証しなければならない。それらのパスを検証するには、互いに対応する符号の位相の相関出力電力を受信信号と共通パイロットチャネル(CPICH)との間のシンボルごとの比較により生ずる。この相関出力電力が第3の閾値よりも大きい場合は、それに対応する符号位相を真のパスと解釈する。パス検証手順は次のとおりである。
ステップ1:CPICHを用いて新たな候補パスの相関出力電力P PNを計測する。
ステップ2:第2の閾値以上のP PNを検出する。
ステップ3:それらを降順に並べる。
ステップ4:電力の大きいパスを選択する。
パス検証プロセスを図23に示す。同図上段はサーチプロセスを示し、下段は検証プロセスを示す。下段の図には新たに検出したパスと既に検出ずみであったパスとが示してある。電力値およびそれらのインデックスをパス選択器に送って降順に並べる。最後に電力値最大のパスをRAKEフィンガーに再割当てする。
検証プロセスで算出した相関出力電力のほうがHGC相関出力電力よりも信頼性が高い。すなわち、前者がシンボル15個の積分で算出されるのに対して、後者はフレームあたり50シンボルの積分で算出されるからである。
現用パスと新たな候補パスとの電力比較を行ったあと、電力最大のパスを再選択してRAKEフィンガーに再割当てする。パス選択器プロセスを図24に示す。三つの現用パスを第2、第3および第5のRAKEフィンガーにそれぞれ割り当てる。第4および第5の現用パスは割当て解除する。二つの新たなパスの候補を第1および第4のRAKEフィンガーに割り当てる。新たなパスの候補のうち第3、第4および第5の候補パスは用いない。
二つのパスを二つの別々のRAKEフィンガーに割り当てる場合を想定する。ある時間の経過後、それら二つのパスが同じ位置に収束するものと仮定する。その場合、RAKEコントローラはそれらパスの一つを切り捨てて、そのパスに割当てずみのRAKEフィンガーを解放し、そのフィンガーの解放をコントローラに知らせ、解放ずみのパスを割当て用にパスサーチャーが見出すよう指示する。このRAKEコントローラは各フィンガーの動作状態を把握し、フィンガーを含むRAKE受信機全体を制御しなければならない。
図25はケース1(低速移動チャネル:3km/h)の検出確率性能を入力SNRの種々の値に対して示す。丸印を付けた実線はRAKE割当てプロセスにおける第1のパスの検出性能を表す。正方形印を付けた点線はRAKE割当てプロセスにおける第2のパスの検出性能を示す。菱形を付けた点線は再配置プロセス後の第2のパスの検出性能を表す。検出性能は3乃至9%上がっている。このことは、RAKE割当てプロセスにおいて第2のパスが消失した場合、RAKE再配置プロセスがその消失パスを回復可能であることが多いことを示している。
図26はケース5(高速移動チャネル:50km/h)の検出確率性能を入力SNRの種々の値に対して示す。丸印を付けた実線はRAKE割当てプロセスにおける第1のパスの検出性能を表す。正方形印を付けた点線はRAKE割当てプロセスにおける第1のパスの検出性能を表す。菱形印を付けた点線は再配置プロセスのあとの第2のパスの検出性能を表す。検出性能は8乃至12%上がっている。このシミュレーションの結果は、高速移動チャネルのほうがRAKE再配置の効果が大きいことを示している。すなわち、高速移動チャネルにおける消失チャネルの回復にRAKE再配置が著しく寄与することを示している。
図27はケース5の検出確率性能を入力SNRの種々の値に対して示す。所要ΔSNRの最小値は0.4dBである。第2のパスの検出性能は上がっている。なお、この場合は誤警報確率も少し増加している。
生・死伝搬のチャネル状態は二つのパスを有するフェーディングなしのチャネル状態である。移動伝搬状態は生と死とが交互に起こる二つのパスの状態である。これらパスの生起する位置は、等確率でランダムに選択し、図28に示すとおりである。上記生・死伝搬の条件は次に示すとおりである。
ステップ1:二つのパス、すなわちパス1およびパス2を群([−5,−4,−3,−2,−1,0,1,2,3,4,5]μs)からランダムに選ぶ。これらパスは互いに等しい大きさと等しい位相とを備える。
ステップ2:191ms経過ののち、パス1が消失し、その直後に上記群からランダムに選んだ新たな位置(ただしパス2の点は除く)に再生起する。パス1およびパス2のタップ係数の大きさおよび位相は不変のままとする。
ステップ3:さらに191msが経過ののち、パス2が消失し、その直後に上記群からランダムに選んだ新たな位置(ただしパス1の点は除く)に再生起する。パス1およびパス2のタップ係数の大きさおよび位相は不変のままとする。
ステップ4:ステップ2およびステップ3の手順を繰り返す。
図29は100フレーム期間(1秒)のPSCチャネル応答についてのシミュレーション結果を示す。ここで、入力SNRは10dBである。191msの期間ごとに遷移(生死)がある。二つのパスが支配的に大きい電力値を示すので、フェーディングによる干渉なしに容易に検出できる。この図では、電力値最大のパスを相対遅延零で時間的に整合させてある。検出確率性能および誤警報確率はそれぞれP=1.0およびPFA=0.0017である。
図30は100フレーム期間(1秒)のCPICHチャネル応答についてのシミュレーション結果を示す。191msの期間ごとに遷移(生死)がある。二つのパスが際立っており、フェーディングによる干渉なく容易に検出される。電力最大値のパスを相対遅延零で時間的に整合させる。固定チャネル(AWGN)では所定のSNRが5dB以上の場合は、完全な検出を期待できる。検出確率性能および誤警報性能はそれぞれP=1.0およびPFA=0.0017である。
1.滞在時間(積分時間)を節約するので全体の捕捉時間を大幅に削減する。検証プロセスだけがある場合は、滞在時間は0.66秒になる。PSCを初期パスサーチプロセスに用いる場合は、滞在時間は0.20秒に削減できる。システム動作速度は3倍以上になる。
2.再配置の場合は、検出性能を上げるようにパスサーチを再試することは容易である。余分の0.2秒を要するが、パスサーチプロセスなしの検証プロセスよりは高速である。
この発明の代わりの実施例は時間ダイバース積分を用いる。低速フェーディングの悪影響を解消するには、上述の好ましい実施例に開示した逐次シンボル積分を時間ダイバース積分に変形する。PN相関出力電力を生ずるための慣用の積分は逐次シンボル積分によって行う。しかし、低速フェーディングチャネルでは積分範囲の深いフェーディングのために検出確率が低下する。この問題の解消策として時間ダイバース積分を用いることができる。式(7)について上に述べたとおり、通常のPN相関出力電力を互いに相続く所定数、例えば50個のサンプル期間にわたり次式、すなわち
Figure 2005518132
のとおり算出する。
時間ダイバース積分は次式、すなわち
Figure 2005518132
で表される。
上式においてIは望ましくはエレメント数150個以下の選ばれたインデックスのセット、例えばI={0,・・・,50,・・・,69,100,・・・,199}である。インデックスセットの選択は、いくつかの互いに異なる時間間隔にわたりサンプル相互間の相関出力電力を推算し、それによって時間ダイバーシティを行う。時間ダイバース積分の計算は、式(8)乃至(11)について上に述べたとおり、慣用の積分に変形して単純化することができる。
信号サンプルの相対的電力値に基づいて通信信号をプロセスする場合は、時間ダイバース信号サンプルに対応する値の関数として相対電力を算定するのに、一般に時間ダイバーシティを用いることができる。サンプルのセットRを画定する信号サンプルS対応の値r(r)を少なくとも記憶するバッファを備えるのが好ましい。Rは、値r(0)乃至値r(X−1)のX個の逐次受信信号サンプルS乃至SX−1のサブセットである。サブセットRのエレメントの数はXよりも小さく、それによって互いに相続くサンプル{S乃至S}および{S乃至SX−1}の少なくとも二つの互いに排他的なサブセットをRは含む。このバッファはr(0)からr(X−1)までのすべての値を便宜上記憶できるが、サンプルセットRの表す値の時間ダイバースサブセットだけを記憶する場合は、実質的に小さいバッファを用いることができる。
X個の逐次受信信号サンプルの選ばれたサブセットRの信号サンプルエレメントSに対応する値r(r)に基づき相対サンプル電力を算出するように、上記バッファにプロセッサを動作可能な状態で結合する。Rに含まれていないサンプルの値、すなわち信号サンプルエレメントSi+1およびSj−1にそれぞれ対応する値r(i+1)およびr(j−1)などRに含まれていないサンプルの値は上記算出には用いない。したがって、相対電力は、少なくとも二つのダイバース時間間隔を表すサンプル系列に基づき算出する。
互いに相続くサンプルの対の各々が、受信信号のサンプルの発生に用いたサンプル速度に対応するサンプル時間間隔tを表す。少なくとも逐次サンプル{Si+1乃至Si+51}および{Sj−51乃至Sj−1}をそれぞれ含み、サブセットRのエレメントは含まないX個の互いに相続くサンプルの少なくとも二つの互いに排他的なサブセットが存在するようにする。その場合、Rは、少なくとも三つの互いに排他的な逐次サンプルのサブセット、すなわち少なくともtの50倍だけ時間的に互いにずれた逐次サンプルのグループを表す逐次サンプルのサブセットで画定する。Nを256として式(35)の上記の例(CPICHで用いたシンボルサイズ)、I={0−0,50−69,100−199}では、P PNを、サンプルSを含む51,200個のサンプルの大きい方のセットの時間ダイバースサンプル系列{S乃至S2559}、{S12800乃至S17919}および{S25600乃至S51199}に対応するサンプルSの小さいセットについて定める。1チップ期間あたり1サンプルの速度でサンプルを発生した場合は、電力算出の基となった三つのサンプル系列の各々の間で7000チップ以上の時間ダイバーシティを行ったことになる。
時間ダイバース積分は検出確率性能および誤警報確率性能に重要な役割を果たす。図31は、時間ダイバース積分が、入力SNR5dBで逐次シンボル積分について検出確率を44%から79%に上げることを示している。この場合、検出確率は35%上がっている。入力SNR10dBでは検出確率は19%上がっている。
図32は、入力SNR5dBで時間ダイバース積分が検出確率性能を4%から41%に上げることを示している。この場合、検出確率性能は37%上がっている。入力SNR10dBでは、検出確率性能は24%上がっている。RAKE再配置が検出確率性能の上昇に寄与している。しかし、誤警報確率も同時に上がる。高い検出確率を達成するには、ΔSNRを適切に制御して高いSNR値に保持する必要がある。
図33は誤警報確率を示す。閾値試験だけを符号位相検出に用いた場合は、入力SNR増加とともに誤警報確率も上がる。一方、RAKEフィンガー割当てについて上に述べた好ましい追加のSNR試験では、誤警報確率が下がる。
上記実施例の変形が、特に低SNRケースの場合に、検出確率性能の上昇、および低速フェーディング効果の緩和に寄与する。上記入力SNR上昇による試験は、入力SNR値が高い場合に誤警報確率の削減に寄与する。最良の性能の実現にはさらに調査する必要がある。
固定閾値試験では、一定の誤警報率(CFAR)を想定する。しかし、シミュレーション結果は(図33だけにおける閾値試験)、入力SNRの増加に伴い誤警報確率も上がることを示している。この例では信号電力は固定になるが、雑音電力は、入力SNRの制御に伴って、高い入力SNRは信号電力一定では雑音電力低下を意味するというように、変動する。したがって、雑音電力推算値は入力SNRの減少とともに減少する。また、入力SNRの増加に伴って閾値は低くなる。閾値が低すぎる値に設定された場合は、不明確な相関係数が閾値を交叉する可能性が高くなる。その結果、入力SNRが高い場合にも誤警報確率が高くなる。
図34はマルチパスフェーディングケース5の中の第1のパスについての検出確率を示す。この図は、時間ダイバース積分が、入力SNRが低い状態における慣用の逐次積分よりも高性能であることを示している。
図35は時間ダイバース積分が逐次積分よりも高い検出確率性能をもたらすことを示している。入力SNR5dBにおいて時間ダイバース積分の検出確率は逐次積分による場合よりも51%高い。さらに、再配置プロセスにより検出確率は一層高くなる。
図36は誤警報確率を示す。追加のSNR試験を用いた場合は、誤警報確率は下がる。再配置プロセスは警報確率をわずかながら高める。閾値試験だけを用いた場合に比べて、この追加のSNR試験は誤警報確率の低下に寄与する。
次世代携帯電話システムのサービス品質の改善およびシステム容量の拡大に寄与できる。
この発明による初期肥大フィンガー割当てプロセッサおよびRAKEフィンガー割当てプロセッサのブロック図。 3GPPシステムのP−SCH、S−SCHおよびCPICHチャネルのフレームおよびスロット構成の説明図。 肥大フィンガー割当てプロセッサのブロック図。 閾値比較プロセスの説明図。 窓サーチプロセスの説明図。 肥大フィンガー配置プロセスの説明図。 肥大フィンガー割当て流れ図。 RAKEフィンガー割当てプロセッサのブロック図。 第1のランクフィルタプロセスの説明図。 RAKEフィンガー検出プロセスの説明図。 第2のランクフィルタプロセスの説明図。 事後検出の構成の説明図。 AWGNチャネルにおける諸SNR値に対するシングルパスの場合の検出確率のグラフ。 マルチパスフェーディングチャネルの第1のパス(ケース1)における諸SNR値および第2の閾値ηに対する検出確率(P)のグラフ。 マルチパスフェーディングチャネルの第2のパス(ケース1)における諸SNR値および第2の閾値ηに対する検出確率(P)のグラフ。 第2の閾値ηについての誤警報確率(PFA)のグラフ。 マルチパスフェーディングチャネルの第1のパス(ケース5)における諸SNR値および第2の閾値ηに対する検出確率(P)のグラフ。 マルチパスフェーディングチャネルの第2のパス(ケース5)における諸SNR値および第2の閾値ηに対する検出確率(P)のグラフ。 第2の閾値ηについての誤警報確率(PFA)のグラフ。 RAKE管理構成のブロック図。 RAKE再配置流れ図。 パスサーチプロセスの説明図。 パス検証プロセスの説明図。 パス選択プロセスの説明図。 マルチパスフェーディング(ケース1)の場合の検出確率のグラフ。 マルチパスフェーディング(ケース1)の場合の検出確率のグラフ。 マルチパスフェーディング(ケース5)の場合の検出確率のグラフ。 生死伝搬系列のグラフ。 一次同期チャネル(PSC)応答のグラフ。 共通パイロットチャネル(CPICH)応答のグラフ。 第1のパス(ケース1)の検出確率のグラフ。 第2のパス(ケース1)の検出確率のグラフ。 誤警報確率(ケース1)のグラフ。 第1のパス(ケース5)の検出確率のグラフ。 第2のパス(ケース5)の検出確率のグラフ。 誤警報確率(ケース5)のグラフ。
符号の説明
(図面説明対応訳)
[図1]
Initial Cell Search 初期セルサーチ
Step 1: Chip offset 第1ステップ:チップオフセット
Step 2: Slot offset 第2ステップ:スロットオフセット
Step 3: Scrambling Code スクランブル符号
Fat Finger Allocation 肥大フィンガー割当て
Threshold Comparison 閾値比較
Window Search 窓サーチ
Fat Finger Location 肥大フィンガー割当て
Rake Finger Allocation RAKEフィンガー割当て
First Rank Filter 第1ランクフィルター
Rake Finger Detection RAKEフィンガー検出
Second Rank Filter 第2ランクフィルター
Assign up to K Rake Fingers K以下のRAKEフィンガーを割当て
[図3]
Cell Search Step 1 (図1と同じ)
Fat Finger Allocation (同上)
Threshold Comparison (同上)
Window Search (同上)
Fat Finger Location (同上)
[図7]
From cell search step 1 セルサーチステップ1から
Threshold Comparison (図1と同じ)
Window Search (同上)
Confirm Candidate 候補として確認する
Any Candidate left? ほかに候補ある?
Go to Rake Finger Allocation RAKEフィンガー割当てに進む
Try Next Candidate 次の候補を調べる
Measure Width 幅を計測する
Prune close components 近傍の成分を除去する
Assign Fat Finger 肥大フィンガーを割り当てる
[図8]
Cell Search Step 1 セルサーチステップ1
Fat Finger Allocation (図1と同じ)
First Rank Filter (同上)
Rake Finger Detection (同上)
Second Rank Filter (同上)
Assign < K Rate Fingers K個のRAKEフィンガーを割当て
Select M largest samples M個の大きい方のサンプルを選択する
Confirm L largest samples L個の大きい方のサンプルを選択する
Select K largest samples K個の大きい方のサンプルを選択する
[図9]
Remove these samples これらのサンプルを除去
(fat finger) (肥大フィンガー)
[図12]
Received signal 受信信号
Frame boundary from cell search セルサーチで得られたフレーム境界
Uncertain region 不確定領域
[図13]−[図15]
Detection Probability 検出確率
SNR 信号対雑音比
[図16]
Probability of False Alarm 誤警報確率
[図17]−[図18]
Detection Probability (図13と同じ)
[図19]
Probability of False Alarm (図16と同じ)
[図20]
RAKE Management (No Macro-diversity) RAKE管理(マクロダイバーシティなし)
Path Searcher パスサーチャー
Allocation 割当て
Current RAKE locations 現用RAKE配置
Relocation 再配置
Old RAKE locations もとのRAKE配置
Path Selector パス選択器
RAKE Finger RAKEフィンガー
Code Tracking 符号トラッキング
Phase Tracking 位相トラッキング
Magnitude Estimation 大きさの推算
RAKE Controller RAKEコントローラ
Feedback Information 帰還情報
Echo Profile Manager 反響プロファイルマネジャー
[図21]
Redo Cell Search Step 1 セルサーチステップ1を再試行
Threshold Comparison 閾値比較
Remove Fat Finger Locations 肥大フィンガー配置を除去
First Rank Filter 第1ランクフィルタ
RAKE Finger Detection RAKEフィンガー検出
Second Rank Filter 第2のランクフィルタ
Compare to existing tracks 現行トラックと比較する
Substitute in list リストで置換
Place in bottom of list リストの最後尾に入れる
Any left? 残余あり?
Existing Location Database 現行配置データベース
Select K Best 最良のK個を選択する
Determine ΔSNR ΔSNRを判定
Allocate new tracks 新たなトラックを割当て
Reassign existing tracks 現行トラックを再割当て
Restart timer タイマーを再起動
Timer expires タイマー時間切れ
[図22]
Current RAKE Location 現用RAKE配置
Old RAKE Location もとのRAKE配置
Current Fat Finger Location 現用肥大フィンガー配置
New candidate indices 新たな候補索引
The old path which is not identical to the
current path
現用パスと同じでないもとのパス
[図29]
Relative Delay (Chips) 相対遅延(チップ数単位)
The largest path is time-aligned with
different chip offset
最大のパスを互いに異なるチップオフセットに時間的に一致させる
[図30]
(図29と同じ)

Claims (46)

  1. 受信した通信信号の複数の互いに異なる信号パスを割り当てるとともに合成する所定の数以下の数のRAKEフィンガーを有するRAKE受信機を含み、前記通信信号を信号処理する受信機において、
    第1の電力閾値を超える逐次的信号サンプルのグループで画定した窓に基づき信号パスを判定するとともに、それら判定した窓の中の前記信号サンプルの相対的電力に基づき前記所定数以下の数の窓を候補窓に指定するRAKEロケータと、
    候補窓を分析し、それら候補窓の前記信号サンプルの電力が第2の閾値を超えているか否かを判定し、前記候補窓の少なくとも一つが前記第2の閾値以上の被選択数の候補サンプルを有する場合に肥大フィンガー候補窓を指定する窓サーチ回路と、
    第1の種類のRAKEフィンガーまたは第2の種類の肥大RAKEフィンガーで信号処理するように候補窓を割り当て、前記肥大フィンガー候補窓として指定されていない前記候補窓の各々を前記第1の種類のRAKEフィンガーの互いに異なる一つに割り当てられるようにするRAKEフィンガー割当て器と
    を含む受信機。
  2. 前記RAKEロケータが、所属の前記信号サンプルのグループの電力レベルの加算によって定まる電力レベルであって、前記第1の電力閾値を超える電力レベルを有する窓を画定するとともに、電力レベル最大値を有する窓に基づき前記所定数以下の数の窓を候補窓に指定し、電力レベルのより高い他の窓所属の信号サンプルの数が特定の数以上である場合は前記候補窓の指定を行わない請求項1記載の受信機。
  3. 前記RAKEフィンガーの前記所定数が5であり、そのうちの一つが適応フィルタを含む肥大フィンガーである請求項2記載の受信機。
  4. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、前記指定された窓が少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより互いに分離されている請求項2記載の受信機。
  5. 前記窓サーチ回路が、一つ以下の肥大フィンガー候補窓を、電力レベル最大値を有するとともに、前記第2の閾値以上の電力レベルの前記被選択数の候補信号サンプルであって前記第2の閾値以上の電力レベルの信号サンプルを除去したのちの残余のサンプルである候補信号サンプルを有する候補窓に指定する請求項2記載の受信機。
  6. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、前記指定された窓が少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより互いに分離されている請求項5記載の受信機。
  7. 前記RAKEフィンガー割当て器が、肥大フィンガー候補窓に指定された任意の候補窓を適応フィルタを含む肥大RAKEフィンガーに割り当てる請求項5記載の受信機。
  8. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、前記指定された窓が少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより互いに分離されている請求項7記載の受信機。
  9. RAKEフィンガーの前記所定数が5である請求項8記載の受信機。
  10. 前記RAKEフィンガーの前記所定数が5であり、そのうちの一つが適応フィルタを含む肥大フィンガーである請求項1記載の受信機。
  11. 受信した通信信号の複数の互いに異なる信号パスを合成する所定数以下の数のRAKEフィンガーを有するRAKE受信機を用いて前記通信信号を信号処理する方法において、
    第1の電力閾値を超える逐次的信号サンプルのグループで画定した窓に基づき信号パスを判定する過程と、
    前記判定した窓の中の前記信号サンプルの相対電力に基づき前記所定数以下の数の窓を候補窓に指定する過程と、
    前記候補窓を分析し、それら候補窓の前記信号サンプルの電力が第2の閾値を超えているか否かを判定する過程と、
    前記候補窓の少なくとも一つが前記第2の閾値以上の第2の所定数の候補サンプルを有する場合に肥大フィンガー候補窓を指定する過程と、
    第1の種類のRAKEフィンガーまたは第2の種類の肥大RAKEフィンガーで信号処理するように候補窓を割り当て、前記肥大フィンガー候補窓として指定されていない前記候補窓の各々を前記第1の種類のRAKEフィンガーの互いに異なる一つに割り当てられるようにする過程と
    を含む方法。
  12. 前記窓が、所属の前記信号サンプルのグループの電力レベルの加算によって定まる電力レベルであって前記第1の電力閾値を超える電力レベルを有するものとして画定され、前記所定数以下の数の窓が前記電力レベル最大値を有する窓に基づき候補窓に指定され、電力レベルのより高い他の窓所属の信号サンプルの数が特定の数以上である場合は前記候補窓の指定が行われない請求項11記載の方法。
  13. 前記RAKEフィンガーの前記所定数が5であり、そのうちの一つが適応フィルタを含む肥大フィンガーであり、5個以下の前記候補窓が割り当てられる請求項12記載の方法。
  14. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより分離されている窓のみが候補窓に指定される請求項12記載の方法。
  15. 一つ以下の肥大フィンガー候補窓を、電力レベル最大値を有するとともに、前記第2の閾値以上の電力レベルの前記被選択数の候補信号サンプルであって前記第2の閾値以上の電力レベルの信号サンプルを除去したのちの残余のサンプルである候補信号サンプルを有する候補窓に指定する請求項12記載の方法。
  16. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより分離されている窓のみが候補窓に指定される請求項15記載の方法。
  17. 肥大フィンガー候補窓に指定された任意の候補窓を適応フィルタを含む肥大RAKEフィンガーに割り当てる請求項15記載の方法。
  18. 前記信号サンプルの前記グループの各々が21個の信号サンプルを含み、前記特定の数が16であり、少なくとも五つの互いに相続く信号サンプルにより分離されている窓のみが候補窓に指定される請求項17記載の方法。
  19. 前記RAKEフィンガーの前記所定数が、5以下の候補窓を割り当てるように、5である請求項18記載の方法。
  20. 前記RAKEフィンガーの前記所定数が5であり、そのうちの一つが適応フィルタを含む肥大フィンガーであり、5個以下の前記候補窓が割り当てられる請求項11記載の方法。
  21. 請求項1記載の受信機を含むCDMA無線通信システム用ユーザ装置(UE)。
  22. 請求項1記載の受信機を含むCDMA無線通信システム用基地局。
  23. 請求項1記載の受信機をそれぞれ含むユーザ装置(UE)および基地局を有するCDMA無線通信システム。
  24. 複数の信号サンプルに対応する値の関数として算出される前記信号サンプルの相対電力に基づき通信信号を信号処理する受信機において、
    信号サンプルのセットRを画定する信号サンプルSに対応する値r(r)を少なくとも記憶するバッファであって、
    前記Rが値r(0)乃至r(X−1)に対応するX個の逐次的に受信した信号サンプルS乃至SX−1のサブセットであり、
    そのサブセットRのエレメントの数がX以下であって、その結果Rは少なくとも二つの互いに排他的な逐次的サンプルのサブセット{S乃至S}および{S乃至SX−1}を含み、サンプルSi+1またはSj−1は含まない
    前記バッファと、
    前記バッファに結合され、X個の逐次的に受信した信号サンプルの選ばれたサブセットRの信号サンプルエレメントSに対応する値r(r)に基づくものの、信号サンプルエレメントSi+1およびSj−1にそれぞれ対応する値r(i+1)およびr(j−1)には基づくことなく、したがって少なくとも二つの時間ダイバース間隔を表す信号サンプル系列に基づき相対サンプル電力を算出するプロセッサと
    を含む受信機。
  25. 前記プロセッサが、互いに排他的な正の整数のサブセットから成るインデックスのセットIに基づく関数を用いて相対電力を算出し、その相対電力の算出において対応するRのサブセットを用いるように構成されている請求項24記載の受信機。
  26. 前記インデックスのセットIが150個以下のエレメントで画定されている請求項25記載の受信機。
  27. 逐次的信号サンプルの各対がサンプル時間間隔tを表し、X個の逐次的信号サンプルの少なくとも二つの互いに排他的なサブセットであって少なくとも逐次的信号サンプル{Si+1乃至Si+51}および{Sj−51乃至Sj−1}をそれぞれ含むもののサブセットRのエレメントは含まないサブセットが存在し、サブセットRを少なくともtの50倍だけ時間的に互いにずれた逐次的信号サンプルのグループを表す少なくとも三つの互いに排他的な逐次的信号サンプルのサブセットで画定する請求項24記載の受信機。
  28. 正の整数の互いに排他的なサブセットのインデックスセットIに基づく関数を用いるとともに、Iのサブセットの各々について対応のRのサブセットを用いて、相対電力を算出するように前記プロセッサが構成されている請求項27記載の受信機。
  29. 前記インデックスセットIが{0−9,50−69,100−199}に等しく、サブセットRが逐次的信号サンプルの三つの互いに排他的なサブセットで画定される請求項28記載の受信機。
  30. PNスクランブル系列と受信信号との間の相関出力電力P PNをサンプルSについて算出し、前記プロセッサがP PNの計算を次式、すなわち
    Figure 2005518132
    に基づいて行う(ここでNは予め定めた定数、c(・)はPNスクランブル系列に対応する値を表す)請求項27記載の受信機。
  31. インデックスセットIを150個以下のエレメントで画定した請求項30記載の受信機。
  32. 前記インデックスセットIが{0−9,50−69,100−199}に等しく、Nが256であり、サブセットRがtの5000倍以上で時間的に互いにずれている信号サンプルのグループを表す逐次的信号サンプルの三つの互いに排他的なサブセットで画定される請求項30記載の受信機。
  33. 前記バッファおよび前記プロセッサを含み、信号サンプルSの相関出力電力割当てブロックで算出するようにRAKEフィンガー割当てブロックを有するRAKE受信機を含む請求項30記載の受信機。
  34. 複数の信号サンプルに対応する値の関数として算出される前記信号サンプルの相対電力に基づき通信信号を信号処理する受信機において、
    信号サンプルのセットRを画定する信号サンプルSに対応する値r(r)を少なくとも記憶する過程であって、
    前記Rが値r(0)乃至r(X−1)に対応するX個の逐次的に受信した信号サンプルS乃至SX−1のサブセットであり、
    そのサブセットRのエレメントの数がX以下であって、その結果Rは少なくとも二つの互いに排他的な逐次的サンプルのサブセット{S乃至S}および{S乃至SX−1}を含み、サンプルSi+1またはSj−1は含まない
    前記過程と、
    X個の逐次的に受信した信号サンプルの選ばれたサブセットRの信号サンプルエレメントSに対応する値r(r)に基づくものの、信号サンプルエレメントSi+1およびSj−1にそれぞれ対応する値r(i+1)およびr(j−1)には基づくことなく、したがって少なくとも二つの時間ダイバース間隔を表すサンプル系列に基づき相対サンプル電力を算出する過程と
    を含む方法。
  35. 互いに排他的な正の整数のサブセットから成るインデックスのセットIに基づく関数を用いて相対電力を算出し、その相対電力の算出において対応するRのサブセットを用いる請求項34記載の方法。
  36. 前記インデックスのセットIが150個以下のエレメントで画定されている請求項35記載の方法。
  37. 逐次的信号サンプルの各対がサンプル時間間隔tを表し、X個の逐次的信号サンプルの少なくとも二つの互いに排他的なサブセットであって少なくとも逐次的寝具サンプル{Si+1乃至Si+51}および{Sj−51乃至Sj−1}をそれぞれ含むもののサブセットRのエレメントは含まないサブセットが存在し、サブセットRを少なくともtの50倍だけ時間的に互いにずれた逐次的信号サンプルのグループを表す少なくとも三つの互いに排他的な逐次的信号サンプルのサブセットで画定する請求項34記載の方法。
  38. 正の整数の互いに排他的なサブセットのインデックスセットIに基づく関数を用いるとともに、Iのサブセットの各々について対応のRのサブセットを用いて、相対電力を算出するように前記プロセッサが構成されている請求項37記載の方法。
  39. 前記インデックスセットIが{0−9,50−69,100−199}に等しく、サブセットRが逐次的サンプルの三つの互いに排他的なサブセットで画定される請求項38記載の方法。
  40. PNスクランブル系列と受信信号との間の相関出力電力P PNを信号サンプルSについて算出し、前記プロセッサがP PNの計算を次式、すなわち
    Figure 2005518132
    に基づいて行う(ここでNは予め定めた定数、c(・)はPNスクランブル系列に対応する値を表す)請求項37記載の方法。
  41. インデックスセットIを150個以下のエレメントで画定した請求項40記載の方法。
  42. 前記インデックスセットIが{0−9,50−69,100−199}に等しく、Nが256であり、サブセットRがtの5000倍以上で時間的に互いにずれているサンプルのグループを表す逐次的サンプルの三つの互いに排他的なサブセットで画定される請求項40記載の方法。
  43. 値r(r)を記憶するバッファとこのバッファに結合され、前記値r(r)に基づくサンプルSの相関出力電力を算出するプロセッサとを含むRAKEフィンガー割当てブロックを有するRAKE受信機を準備する過程をさらに含む請求項40記載の方法。
  44. 請求項33記載の受信機を含むCDMA無線通信システム用ユーザ装置(UE)。
  45. 請求項33記載の受信機を含むCDMA無線通信システム用基地局。
  46. 請求項33記載の受信機をそれぞれ含むユーザ装置(UE)および基地局を有するCDMA無線通信システム。
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