JP2005517386A - 改良型ニトロレダクターゼ酵素 - Google Patents

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Abstract

改善されたニトロレダクターゼ酵素、特にプロドラッグ転換酵素としての使用のためのニトロレダクターゼ酵素が、提供される。特に、遺伝子治療における使用のためのプロドラッグCB1954の活性化について改善された特徴を有する、E.coli NFSBニトロレダクターゼの単一変異体および二重変異体が、開示される。本発明は、プロドラッグ(特に、CB1954)の還元において改善された活性を有するニトロレダクターゼを生成するための努力に基づく。

Description

本発明は、変異したニトロレダクターゼ酵素およびこれをコードするDNA、ならびに癌の処置のためのプロドラックの転換におけるこれらの使用に関する。
癌を処置するための1つのアプローチは、相対的に低い毒性のプロドラッグを、強力な細胞傷害性薬物へと転換し得る酵素をコードする遺伝子を、腫瘍細胞へと導入することである。次いで、このプロドラッグの全身投与は、許容される。なぜならば、これは、プロドラッグ転換酵素を発現する細胞により、腫瘍において、局所的に毒性誘導体へと、単に、転換されるからである。このアプローチは、遺伝子指向型酵素プロドラック治療(GDEPT)として公知であるか、または、遺伝子が組換えウイルスベクターにより送達される場合、ウイルス指向型プロドラッグ治療(VDEPT)(McNeishら、1997)として公知である。
酵素/プロドラッグ系の例は、ニトロレダクターゼおよびアジリジニルプロドラッグCB1954(5−(アジリジン−1−イル)−2,4−ジニトロベンズアミド)(Knoxら、1988)である。Walkerラット癌腫細胞株は、特に、CB1954に対して感受性であったという観察の後、このことは、ラットニトロレダクターゼDTジアフォラーゼの発現に起因していたことが示された。しかし、CB1954は、この酵素のヒト形態についての貧弱な基質であるので、ヒト腫瘍細胞は、CB1954に対する感受性が非常に低い。GDEPTは、適切なニトロレダクターゼ(好ましくは、標的化細胞を感作するために、CB1954に対してより高い活性を有する)を導入する方法として考えられている。NFSB遺伝子(あるいは、NFNB、NFSI、またはDPRAとして公知)によりコードされる、Escherichia coliニトロレダクターゼ(E.C1.6.99.7、あるいは、酸素−非感受性NAD(P)Hニトロレダクターゼまたはジヒドロプテリジンレダクターゼとして公知、そして、頻繁に、NTRと省略される)は、この目的のために広範に用いられている(Groveら、1999に総説される)。NFSBをコードしたニトロレダクターゼ(NTR)は、2つのフラビンモノヌクレオチド(FMN)コファクター分子を結合するホモダイマーである。電子供与体としてNADHまたはNADPH、および還元された中間体として結合FMNを用いて、NTRは、CB1954の2つのニトロ基の一方または他方を還元して、高い毒性の4−ヒドロキシルアミン誘導体または相対的に無毒な2−ヒドロキシルアミンのいずれかを与える。細胞内で、5−(アジリジン−1−イル)−4−ヒドロキシアミノ−2−ニトロベンズアミドは、恐らく、さらなる毒性代謝物を介して、非常に遺伝毒性となる(Knoxら、1991)。原因となる病巣の正確な性質は、不明であるが、他の因子によりに引き起こされるようではない。著しく高い割合の鎖間架橋が生じ、そして病巣は、十分に修復されないようであり、CB1954が、非常に有効な抗腫瘍剤であるという結果を伴う(Friedlosら、1992)。
NFSB NTRの構造は、X線結晶学により分析されている(Parkinsonら、2000、Loveringら、2001)。各モノマーは、4本鎖のβシート(5番目の平行鎖は、他のサブユニットにより寄与される)および10個のαヘリックス(A−K)を形成する217個のアミノ酸からなり、そして大きな疎水性コア(残基2−91および131−217)、コア領域から突出する2つのヘリックスドメイン(EおよびF、残基92−130)、およびヘリックスA、ヘリックスB、ヘリックスG、ヘリックスJおよびヘリックスKの部分により形成される広範なダイマー界面を含む。(注意:ドメイン帰属は、Loveringらに由来し、そしてParkinsonらにより解析されたより前の構造とはわずかに異なる)。ヘリックスGと命名されたParkinsonらの残基(残基113−131)は、活性部位内または活性部位付近にあると同定されており、そして基質特異性を決定するのに重要である。Loveringらは、残基110−131をへリックスF、そして残基135−157をヘリックスGと帰属する。しかし、両方の文献は、この領域の残基が、基質結合ポケットおよびコファクター結合ポケットに対する開口部の一部を形成し、そしてフェニルアラニン124が特に重要であることで一致する。
NFSB NTRは、多数の他の酵素(特に、FRase I、Vibrio fischeri由来のフラビンレダクターゼ酵素)に対する配列相同性を有する(Zennoら、1996)。ランダム変異誘発により、Zennoらは、大いに増大したフラビンレダクターゼ活性を有した多数のnfsb変異体を作製した。これらの変異体は、フェニルアラニン124(F124)(αGヘリックス中の重大な位置)の置換を有する。セリン、アラニン、スレオニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタミン、アルギニンおよびヒスチジンとの置換を有するF124変異体が作製され、これらの全ては、実質的に増大したフラビンレダクターゼ活性を有していた。しかし、1つの例外を除いて、これらの変異体のニトロレダクターゼ活性は、基質としてニトロフラゾンおよびニトロフラントインを用いて判断した場合、大まかに同等であるかまたは実質的に減少されるかのいずれかであった。ヒスチジン変異体(F124H)は、これらの基質についての野生型の活性のほぼ2倍を有していた。しかし、初めに、これらの開示は、他の基質(例えば、CB1954)に対して、どのような影響があり得るかに関する情報を与えない。第2に、開示されるようなデータは、F124位置の変異体が、せいぜい、ニトロレダクターゼ活性に対して予測不可能な効果を有し、そして、一般的には、有害な効果を有することを示唆する。
国際特許出願公開WO 00/47725(Mintonら)は、E.coli NFSBをコードした酵素に構造的に無関係であり、そしてBacillus種に由来する、細菌のニトロレダクターゼを開示する。
GDEPTの目的は、標的細胞中のプロドラッグ(例えば、CB1954)の効率的な転換を獲得して、NTR−発現細胞のみならず、首尾よくトランスフェクトまたは形質導入されていないかもしれないバイスタンダー(bystander)腫瘍細胞もまた殺すことである。従って、NTR−コードDNA、可能な限り高い治療指数を有するプロドラッグ、ならびにCB1954および他のニトロベースのプロドラッグの、毒性DNA架橋プロドラッグへの転換において、可能な限り効率的であるニトロレダクターゼ酵素の効率的な送達を有することが望ましい。後者を扱うために、改変されたニトロレダクターゼ酵素を開発することが望ましい。なぜならば、これらは、より効率的な治療および/またはプロドラッグの低い全身用量を可能にするからである。プロドラッグは、それらの活性化誘導体と比較して比較的低い毒性であるが、それにもかかわらず、必要とされる用量を最小限にすることにより、有害な効果の機会を減らすことが望ましい。
(発明の記載)
本明細書の記載および特許請求の範囲を通じて、語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびにこれらの語のバリエーション(例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」)は、「〜を含むが、これらに限定されない」ことを意味し、そして他の部分、置換物、修飾物、添加物、構成要素、整数または工程を排除することを意図しない(そしてこれらを排除しない)。
「癌」および癌の処置に対する言及は、以下を含むが、これらに限定されない新生物障害、過形成障害または他の増殖性障害の範囲に等しく適用されることが理解される:癌腫、肉腫、黒色腫、リンパ腫、白血病および他のリンパ増殖性状態または骨髄増殖性状態;ならびに良性の過形成(例えば、良性の前立腺肥大)。
本発明は、プロドラッグ(特に、CB1954)の還元において改善された活性を有するニトロレダクターゼを生成するための努力に基づく。本発明は、NFSB遺伝子(あるいは、NFNB、NFSI、またはDPRAとして公知)によりコードされる、E.coliニトロレダクターゼ酵素(EC1.6.99.7、または酸素非感受性NAD(P)Hニトロレダクターゼまたはジヒドロプテリジンレダクターゼとして公知)の変異体を提供し、この変異体は、CB1954を用いてアッセイした場合、野生型酵素よりも、有意により高いニトロレダクターゼ活性を有する。
これらの変異は体の中でも、以下で点変異を有する酵素が存在する:40位(S40)、特に、アラニン(S40A)、グリシン(S40G)およびスレオニン(S40T)へのセリンの置換;41位(T41)、特に、アスパラギン(T41N)、グリシン(T41G)、イソロイシン(T41I)、ロイシン(T41L)およびセリン(T41S)へのスレオニンの置換;68位(Y68)、特に、アラニン(Y68A)、アスパラギン(Y68N)、アスパラギン酸(Y68D)、システイン(Y68C)、グルタミン(Y68Q)、グリシン(Y68G)、ヒスチジン(Y68H)、セリン(Y68S)、およびトリプトファン(Y68W)へのチロシンの置換;70位(F70)、特に、アラニン(F70A)、システイン(F70C)、グルタミン(F70Q)、グルタミン酸(F70E)、グリシン(F70G)、イソロイシン(F70I)、ロイシン(F70L)、プロリン(F70P)、セリン(F70S)、スレオニン(F70T)、およびバリン(F70V)へのフェニルアラニンの置換;71位(N71)、特に、アスパラギン酸(N71D)、グルタミン(N71Q)およびセリン(N71S)へのアスパラギンの置換;120位(G120)、特に、アラニン(G120A)、セリン(G120S)およびスレオニン(G120T)へのグリシン置換。特に興味深いものは、124位を中心とする変異の群である。アラニン(F124A)、アスパラギン(F124N)、システイン(F124C)、グルタミン(F124Q)、グリシン(F124G)、ヒスチジン(F124H)、イソロイシン(F124I)、ロイシン(F124L)、リジン(F124K)、メチオニン(F124M)、セリン(F124S)、スレオニン(F124T)、トリプトファン(F124W)、チロシン(F124Y)およびバリン(F124V)へのフェニルアラニン置換は、全て、野生型よりも、実質的により高いCB1954による活性を有する変異体酵素を生じることが示されている。
開示する単変異体に加えて、多数の多重変異した組換えNTRが提供される。チロシン68(Y68)およびフェニルアラニン124(F124)の二重変異体(特に、トリプトファンへのフェニルアラニン124の置換と組合わせたグリシンへのチロシン68置換(変異体Y68G/F124Wを与える))は、より高い活性を有することが見出された。リジンへのフェニルアラニン124置換と組合わせたセリンへのアスパラギン71置換を含む二重変異体(変異体N71S/F124Kを与える)もまた有益である。このような改良された酵素は、特に、方向付けられた酵素プロドラック治療に有用である。特に、改良されたニトロレダクターゼをコードする配列を含むポリヌクレオチドは、プロモーターおよびこのコードされたニトロレダクターゼを発現するために必要とされるその他の調節エレメントと共に、遺伝子治療に適切なベクターに含まれ得る。このようなベクターは、エピソーム的に複製されることが意図されても、一過性に発現されることが意図されても、標的ゲノムへと統合されることが意図されても、プラスミドベクターであり得る。
コードされる酵素に作動可能に連結された調節要素は、組織特異的発現を促進するエレメント(例えば、殆どまたは全ての組織における転写の活性化を促進する遺伝子座領域(本発明で参考として援用される米国特許第5,736,359号、またはEP 0 332667を参照のこと)エレメント、例えば、遍在性の染色体解放エレメント(本発明中で参考として援用される、WO 00/05393、米国特許出願09/358082を参照のこと))であり得る。組織特異的プロモーター、そのエンハンサーまたはLCR、またはそれらの組み合わせは、作動可能に連結された遺伝子(例えば、特定の組織型の細胞におけるプロドラック変換酵素をコードするもの)の標的化発現を可能にし得る。いくつかの場合では、腫瘍細胞は、例えば、胎児組織および特定の腫瘍型においてのみ発現を可能にするプロモーターを用いて、類似の方法で標的化され得る。このような系の使用は、健康な組織における治療的遺伝子(例えば、プロドラック変換酵素)の発現を防止するのに役立ち、そして有害な副作用を最小限にする。
あるいは、このベクターは、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルスまたはレトロウイルス(レンチウイルス群のウイルスベクターを含む)であり得る。このようなウイルスは、その天然の指向性を変化させるようにか、または特定の器官型、組織型、または細胞型にそれを標的化するように改変され得る。VDEPTのいくつかの形態では、細胞標的化の特異性は、このような操作に由来する。あるいは、抗体、またはその部分(この場合、手順は、時折、抗体指向型酵素−プロドラッグ治療、またはADEPTとして公知である)のような標的化部分、あるいは細胞表面レセプターに結合し得るいくつかの他の特定のリガンドは、活性な酵素またはこのような酵素をコードするポリヌクレオチドのいずれかを、標的細胞に標的化するために用いられ得る。
ベクターは、患者に対して、全身的(非経口または経腸)、局部的(例えば、隔離した四肢(isolated limb)の灌流、または腹膜注入)、または例えば、皮内直接注入、筋肉内直接注入、腹膜直接注入、頭蓋内直接注入または腫瘍内直接注入のように局所的に投与される。
改良されたニトロレダクターゼ酵素をコードするポリヌクレオチドの投与、そして酵素の発現を生じるために適切な時間の配分の後、適切なプロドラックが、局所(例えば、腫瘍の周り)、局所(例えば、隔離した四肢の灌流、または腹膜注入により)あるいは全身に投与される。原則的には、還元、および、特に、ニトロ基の還元により活性化され得る任意のプロドラッグが適切であり得る。このような化合物としては、ニトロベンズアミド(特に、ニトロベンズアミドアジリジンおよびジニトロベンズアミドアジリジン、ならびにニトロベンズアミドマスタードおよびジニトロベンズアミドマスタード)が挙げられる。特に適切なものは、ジニトロベンズアミドアジリジン5−(アジリジン−1−イル)−2,4−ジニトロベンズアミド(CB1954)およびジニトロベンズアミドマスタード5−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]−2,4−ジニトロベンズアミド(SN23862)、ならびにそれらの機能的アナログおよび構造的アナログである。
従って、本発明は、このニトロレダクターゼが、野生型酵素に匹敵する増大したニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする組換え変異体ニトロレダクターゼを提供する。好ましくは、このニトロレダクターゼは、プロドラッグ、より好ましくは、ニトロベンズアミドアジリジンプロドラッグおよびジニトロベンズアミドアジリジンプロドラッグ、ならびにニトロベンズアミドマスタードプロドラッグおよびジニトロベンズアミドマスタードプロドラッグについて、そして、最も好ましくは、ジニトロベンズアミドアジリジンプロドラッグCB1954についての増大したニトロレダクターゼ活性を有する。
本発明の1つの局面では、組換え変異体ニトロレダクターゼは、野生型E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によりコードされる。あるいは、組換え変異体ニトロレダクターゼは、別の属(例えば、SalmonellaまたはEnterobacter)、または別の種(例えば、Salmonella typhimurium NFNB遺伝子、またはEnterobacter cloacae NFNB遺伝子由来の構造的に相同な遺伝子)によりコードされる。
全ての場合において、開示される有益な変異が、アミノ酸配列の隣接部位またはより遠い部位でのさらなる変異を除外しないことが理解される。
従って、E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によりコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼが提供され、これは、セリン40、スレオニン41、チロシン68、フェニルアラニン70、アスパラギン71、グリシン120、およびフェニルアラニン124からなる群より選択される1つ上のアミノ酸の置換を含むことを特徴とする。
第1の好ましい実施形態は、E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、セリン40の、アラニン、グリシンおよびスレオニンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、このニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、セリン40が、アラニン、グリシンおよびスレオニンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、セリン40以外の残基での置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも大きなニトロレダクターゼ活性を有する。
第2の好ましい実施形態は、E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、スレオニン41の、アスパラギン、グリシン、イソロイシン、ロイシンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、このニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、スレオニン41が、アスパラギン、グリシン、イソロイシン、ロイシンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、スレオニン41以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
第3の好ましい実施形態は、E.coli NfsBの変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、チロシン68の、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、ニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、チロシン68が、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、チロシン68以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
好ましくは、上記(ii)に記載されるチロシン68変異改変体は、フェニルアラニン124にも変異を含む二重変異体である。より好ましくは、このチロシン68およびフェニルアラニン124の二重変異体は、チロシン68のグリシン(Y68G)への第1の置換およびグルタミン(F124Q)またはトリプトファン(F124W)のいずれか1つから選択されるアミノ酸による、フェニルアラニン124の第2の置換を含む。
第4の好ましい実施形態は、E.coli NFSBの変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、フェニルアラニン70の、アラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、セリン、スレオニンおよびバリンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、ニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、フェニルアラニン70が、アラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、セリン、スレオニンおよびバリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、フェニルアラニン70以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
第5の好ましい実施形態は、E.coli NFSBの変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、アスパラギン71の、アスパラギン酸、グルタミンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、ニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、アスパラギン71が、アスパラギン酸、グルタミンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、アスパラギン71以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
好ましくは、上記(ii)に記載されるアスパラギン71変異改変体は、フェニルアラニン124にも変異を含む二重変異体である。より好ましくは、このアスパラギン71およびフェニルアラニン124の二重変異体は、アスパラギン71のセリン(N71S)への第1の置換、およびフェニルアラニン124のリジン(F124K)への第2の置換を含む。
第6の好ましい実施形態は、E.coli NFSBの変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、グリシン120の、アラニン、セリンおよびスレオニンからなる群より選択されるアミノ酸との置換をを含むことを特徴とする。
あるいは、ニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、グリシン120が、アラニン、セリンおよびスレオニンlからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、グリシン120以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
第7の好ましい実施形態は、E.coli NFSBの変異した等価物によりコードされるニトロレダクターゼであり、これは、フェニルアラニン124の、アスパラギン、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群より選択されるアミノ酸との置換を含むことを特徴とする。
あるいは、このニトロレダクターゼは、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体、これは、フェニルアラニン124が、アスパラギン、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする;
ii. (i)の改変体、これは、フェニルアラニン124以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする。
本発明の別の局面では、上記の変異したニトロレダクターゼのいずれかをコードするポリヌクレオチドが提供される。
本発明はまた、医薬として使用するための、上に開示されるような組換えの変異したニトロレダクターゼ、またはそれをコードするポリヌクレオチドを提供する。好ましくは、この医薬は、(より好ましくは、プロドラッグの活性な細胞傷害性化合物への転換による)癌の処置に用いる医薬であり、そしてさらに好ましくは、活性な細胞傷害性化合物へと転換されるプロドラッグは、ニトロベンズアミドアジリジンまたはニトロベンズアミドマスタードであり、そして最も好ましくは、これはCB1954である。
本発明の第8の好ましい実施形態は、変異したE.coli NfsB遺伝子によってコードされる組換え変異ニトロレダクターゼであり、これは、医薬としての使用のために、アラニン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、セリン、スレオニンまたはバリンからなる群より選択されるアミノ酸でのフェニルアラニン124の置換を含有することで特徴付けられる。好ましくは、この医薬は、(より好ましくは、活性な細胞傷害性化合物へのプロドラッグの転換によって)癌または他の増殖性障害の処置に有用であり、そしてさらに好ましくは、活性な細胞傷害性化合物へと転換されるプロドラッグがニトロベンズアミドアジリジンまたはニトロベンズアミドマスタードであり、そして最も好ましくは、この化合物がCB1954である。
あるいは、ニトロレダクターゼは、医薬としての使用のための、以下からなる群より選択されるタンパク質である:
i.組換えE.coli NfsBニトロレダクターゼ変異体であって、図6の野生型配列に対応し、アラニン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、セリン、スレオニンまたはバリンからなる群より選択されるアミノ酸でフェニルアラニン124が置換されることで特徴付けられる;
ii.(i)の改変体であって、これらが、フェニルアラニン124以外の残基で多くの置換、挿入または欠失を有し、かつ野生型タンパク質のニトロレダクターゼ活性よりも高い活性を有することで特徴付けられる。好ましくは、この医薬は、(より好ましくは、活性な細胞傷害性化合物へのプロドラッグの転換によって)癌の処置に有用であり、そしてさらに好ましくは、活性な細胞傷害性化合物へと転換されるプロドラッグがニトロベンズアミドアジリジンまたはニトロベンズアミドマスタードであり、そして最も好ましくは、この化合物がCB1954である。
別の局面において、医薬製造のための、上記の組換え変異ニトロレダクターゼおよびこれらをコードするポリヌクレオチドにいずれかの使用が、開示される。好ましくは、この医薬は酵素プロドラッグ治療のためである。この医薬は、裸の(naked)DNA、DNA−ペプチド、DNA−脂質もしくはDNA−ポリマーの結合体もしくは複合体、またはウイスルベクターの形態を取り得、適切な細胞への投与または形質転換の後に、その細胞内でこのニトロレダクターゼの効率的な組織特異的発現を可能とするように配置された、エンハンサーおよびLCRのようなさらなるエレメントを有するかまたはこれを有さないプロモーターに作動可能に連結された、変異組換えニトロレダクターゼをコードするポリヌクレオチドを含む。あるいは、この医薬は、標的化部分(例えば、抗体もしくはそのフラグメント)を含む、このようなDNA−ペプチド、DNA−脂質もしくはDNA−ポリマーの結合体もしくは複合体、またはウイスルベクターを含み得るか、または適切な細胞型への効率的な標的化を可能とするような、適切な細胞表面レセプターもしくは他の構造物に特異的に結合可能な、ペプチドもしくは炭水化物リガンドを、含み得る。
また、上記に開示した組換え変異ニトロレダクターゼ、およびこれらをコードするポリヌクレオチドのいずれかの使用で特徴付けられる医薬を製造するためのプロセスが提供される。
別の実施形態において、上記に開示した組換え変異ニトロレダクターゼまたはこれらをコードするポリヌクレオチド、または受容可能な希釈剤または賦形剤中にこのようなポリヌクレオチドを含むウイルスベクターもしくは非ウイルスベクターのいずれかを含む薬学的組成物が提供される。
本発明の別の実施形態において、上記に開示された組換え変異ニトロレダクターゼの1つ以上をコードする、単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。以下に詳述されるように、これらのベクターは複製的でも複製的でなくても良く、エピソーム型であっても組み込み型であっても良く、そして原核生物細胞中での使用のために設計されても真核生物細胞中での使用のために設計されてもよい。これらは、コードされるニトロレダクターゼの、遍在的な発現または組織特異的な発現を提供する発現ベクターであり得、このニトロレダクターゼは、適切なプロモーターおよび適切な発現のために必要とされる他のエレメント(例えば、LCRおよびUCOE)に作動可能に連結され得る。より好ましい実施形態において、このベクターは、ニトロレダクターゼの組織特異的な発現を提供する。さらに好ましくは、このニトロレダクターゼは、腫瘍中で優先的に発現される。最も好ましくは、このベクターは、ニトロレダクターゼをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたTCF応答エレメントを含む。
さらに好ましい実施形態において、このベクターはウイルスであり、そして最も好ましくは、これはアデノウイルスである。ニトロレダクターゼ遺伝子に作動可能に連結された、TCF応答性腫瘍選択的プロモーターエレメントを含むアデノウイルスベクターの使用は、国際出願番号PCT/GB01/00856に記載されており、この全体が本明細書中で参考として援用される。GB01/00856のコピーが、本出願と共に提出されており、そしてその内容は本出願中に包含されるが、このコピーは本出願の公開された明細書中には含まれない。
ベクターは、細胞にDNAを輸送し得る任意のベクターであり得る。好ましくは、このベクターは組み込み型ベクターまたはエピソーム型ベクターである。
好ましい組み込み型ベクターとしては、組換えレトロウイルスベクターが挙げられる。組換えレトロウイルスベクターは、標的細胞に感染し得る少なくとも一部のレトロウイルスゲノムのDNAを含む。用語「感染」とは、ウイルスがその宿主または標的細胞に遺伝子物質を輸送するプロセスを意味するために使用される。好ましくは、本発明のベクターの構築物において使用されるレトロウイルスは、また、標的細胞のウイルス複製作用を除去するように複製欠損性にされる。このような場合、この複製欠損性ウイルスゲノムは、従来の技術に従ってヘルパーウイルスによってパッケージされ得る。一般的に、上記の感染性の判定基準および機能性の遺伝子輸送の可能性を満たす任意のウイルスが、本発明の実施において使用され得る。
適切なレトロウイルスベクターとしては、当業者に周知である、pLJ、pZip、pWeおよびpEMが挙げられるが、これらに限定されない。複製欠損性レトロウイルスに適切なパッケージウイルス株としては、例えば、ΨCrip、ΨCre、Ψ2およびΨAmが挙げられる。
本発明において有用な他のベクターとしては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、SV40ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、HSVベクターおよびポックスウイルスベクターが挙げられる。好ましいベクターは、アデノウイルスである。アデノウイルスベクターは、当業者に周知であり、そして気道上皮細胞、骨格筋、肝臓、脳および皮膚を含む、多くの細胞型に遺伝子を送達するために使用されている(Hitt,MM,Addison CLおよびGraham,FL(1997)Human adenovirus vectors for gene trasfer into mammalian cells.Advances in Pharmacology,40:137−206;ならびにAnderson WF(1998)Human gene therapy.Nature,392:(6679追補):25−30)。
さらに好ましいベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。AAVベクターは、当業者に周知であり、そして遺伝子治療の適用のために、ヒトTリンパ球、線維芽細胞、鼻ポリープ、骨格筋、脳、赤血球および血球系幹細胞に安定に移入するために使用されている(Phillipら,1994,Mol.Cell.Biol.,14,2411−2418;Russellら,1994,PNAS USA,91、8915−8919;Flotteら,1993,PNAS USA,90,10613−10617;Walshら,1994、PNAS USA,89,7257−7261;Millerら,1994、PNAS USA,91,10183−10187;Emerson,19961Blood,87,3082−3088)。国際特許出願WO91/18088は、特定のAAVベースのベクターを記載する。
好ましいエピソーム型ベクターとしては、一過性の非複製型エピソーム型ベクターおよびEBV、ヒトパポバウイルス(BK)およびBPV−1由来のレプリコンのようなウイルス起源のレプリコンに由来する機能を有する自己複製型のエピソーム型ベクターが、挙げられる。このような組込み型ベクターおよびエピソーム型ベクターは、当業者に周知であり、そして当業者に周知の文献の本文中に詳細に記載されている。特に、適切なエピソーム型ベクターは、WO98/07876に記載されている。
哺乳動物人工染色体もまた、本発明のベクターとして使用され得る。哺乳動物人工染色体の使用は、Calos(1996、TIG,12,463−466)によって考察されている。
好ましい実施形態において、本発明のベクターはプラスミドである。このプラスミドは、非複製型非組込み型のプラスミドであり得る。
用語「プラスミド」とは、本明細書中で使用される場合、発現可能な遺伝子をコードする任意の核酸をいい、そして直鎖状核酸または環状核酸、および二重鎖核酸または単鎖核酸を含む。この核酸は、DNAまたはRNAであり得、そして修飾されたヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含み得、そしてメチル化または保護基もしくはキャップ構造もしくは尾部(tail)構造の封入のような手段によって、化学修飾され得る。
非複製型非組込み型のプラスミドは、宿主細胞中にトランスフェクトされた場合に複製せず、そして宿主細胞のゲノム中に特異的に組み込まれない(すなわち、高頻度で組み込まれず、そして特定の部位に組み込まれない)。
複製型プラスミドは、Ustavら、EMBO J.、10、449−457、1991の標準的な複製アッセイを含む、標準的なアッセイを使用して同定され得る。
本発明はまた、本発明のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を提供する。この宿主細胞は、任意の哺乳動物細胞であり得る。好ましくは、この宿主細胞はげっ歯類細胞または哺乳動物細胞である。最も好ましくは、これはヒト細胞である。
本明細書中に記載されるベクターを細胞に送達するために、以下の使用を含む多くの技術が公知であり、そして本発明に有用である(核酸濃縮剤、エレクトロポレーション、アスベストとの複合体化、ポリブレン、DEAEセルロース、デキストラン(Dextran)、リポソーム、カチオン性リポソーム、リポポリアミン、ポリオルニチン、粒子銃(particle bombardment)および直接的マイクロインジェクション(KucherlapatiおよびSkoultchi,Crit.Rev.Biochem.16:349−379(1984);Keownら,Methods Enzymol.185:527(1990)により概説される)。
本発明のベクターは、ウイルス性送達手段または非ウイルス性送達手段を介して、非特異的または特異的に宿主細胞(すなわち、指定された部分集合の宿主細胞)に送達され得る。ウイルス起源の好ましい送達方法としては、本発明のベクターのためのトランスフェクションのレシピエントとして、ウイルス粒子を産生するパッケージ細胞株が挙げられ、この細胞株中にウイルスをパッケージするシグナルが操作されている(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、およびパポバウイルス(papovavirus)のパッケージ細胞株)。好ましい非ウイルスベースの遺伝子送達手段および遺伝子送達方法はまた、本発明において使用され得、そしてこれらとしては、裸のDNAの直接のインジェクション、核酸濃縮性のペプチドおよび非ペプチド、カチオン性リポソームおよびリポソーム内カプセル化が挙げられる。
組織へのベクターの直接の送達が記載されており、そしていくらかの短期間の遺伝子発現が達成されている。筋肉へのベクターの直接送達(Wolffら,Science,247,1465−1468,1990)、胸腺へのベクターの直接送達(Sykesら,Human Gene Ther.,5,837−844,1994)、黒色腫へのベクターの直接送達(Vileら,Cancer Res.,53,962−967,1993)、皮膚へのベクターの直接送達(Henggeら,Nature Genet,10,161−166,1995)、肝臓へのベクターの直接送達(Hickmanら,Human Gene Therapy,5,1477−1483,1994)、および気道への曝露後のベクターの直接送達(Meyerら,Gene Therapy,2,450−460,1995)が、従来技術において、明確に記載されている。
ウイルスエンベロープタンパク質のアミノ酸配列由来の種々のペプチドは、ポリリジンDNA複合体と同時投与される場合の遺伝子輸送において使用された(Plankら,J.Biol.Chem.269:12918−12924(1994))。Trubetskoyら,Bioconjugate Chem.3:323−327(1992);WO91/17773;WO92/19287;およびMackら,Am.J.Med.Sci.307:138−143(1994)は、カチオン性脂質とのポリリジン結合体の同時濃縮が、遺伝子送達効率を向上させ得ることを示唆している。国際特許出願公開WO95/02698は、カチオン脂質遺伝子送達の効率を増加することを図るための、ウイルス成分の使用を開示する。
本発明において有用な核酸濃縮剤としては、スペルミン、スペルミン誘導体、ヒストン、カチオン性ペプチド、カチオン性非ペプチド(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)およびポリリジン)が挙げられる。「スペルミン誘導体」とは、スペルミンのアナログおよび誘導体をいい、そして国際特許出願WO93/18759(1993年9月30日公開)に記載されるような化合物を含む。
ジスルフィド結合は、送達ビヒクルのペプチド成分を連結するために使用された(Cottenら,Meth.Enzymol.217:618−644(1992));Trubetskoyら(前出)もまた参照のこと。
DNA構築物の細胞への送達のための送達ビヒクルは、当該分野で公知であり、そして例えば、WuおよびWu、J.Biol.Chem.263:14621(1988);Wilsonら、J.Biol.Chem.267:963−967(1992);および米国特許第5,166,320号に記載されるような、細胞表面レセプターに特異的であるDNA/ポリカチオン複合体を含む。
本発明に従うベクターの送達は、核酸濃縮性ペプチドを使用して企図される。ベクターを濃縮し、そして細胞にベクターを送達するのに特に有用である核酸濃縮性ペプチドは、国際特許出願公開WO96/41606に記載されている。WO96/41606に記載されるように、官能基は、本発明に従うベクターの送達に有用なペプチドに結合される。これらの官能基は、特定の細胞型を標的化するリガンド(例えば、モノクローナル抗体、インスリン、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質または糖)を含み得る。従って、このリガンドは、非特異的な様式でか、または細胞型で限定される特異的な様式で、細胞を標的化し得る。
これらの官能基はまた、脂質(例えば、パルミトイル、オレイル、ステアロイル);天然の親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはポリビニルピロリドン(PVP));融合誘導(fusogenic)ペプチド(例えば、インフルエンザウイルスのHAペプチド);またはリコンビナーゼもしくはインテグラーゼを含み得る。この官能基はまた、細胞内輸送タンパク質(例えば、核移行配列(NLS)、エンドソーム脱出シグナル(例えば、膜崩壊性ペプチド)または直接的に細胞質にタンパク質を指向するシグナルを、含み得る。
また、本発明の組換え変異ニトロレダクターゼをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞、またはこのようなポリヌクレオチドを含むベクターを含む宿主細胞が提供される。このようは宿主細胞は、細菌細胞または真核生物細胞であり得、細菌細胞を使用して、前記ベクターを増幅、製造、スクリーニングおよび試験し、そして真核生物細胞(好ましくは哺乳動物細胞であり、そして最も好ましくはヒト細胞)において、コードされるニトロレダクターゼが発現される。
本発明の別の局面において、本発明のニトロレダクターゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、またはこのようなポリヌクレオチドを含むベクター、または遺伝子治療における使用のための、前記のポリヌクレオチドまたはベクターのいずれかを含む宿主細胞が、提供される。好ましくは、このような遺伝子治療は、癌を処置する際に有用である。
本発明の別の局面において、改良されたプロドラッグの設計を支援するため、またはこれについてスクリーニングするための組換えニトロレダクターゼの使用が、提供される。このような使用は、前記ニトロレダクターゼを候補プロドラッグと接触させる工程、および還元された生成物への転換の動態を化学的に測定する工程を包含する。あるいは、開示された組換え変異ニトロレダクターゼが候補プロドラッグを細胞傷害性生成物に変換する能力が、様々な濃度の前記プロドラッグの存在下での細菌宿主細胞の増殖を阻害することによってか、または様々な濃度の前記プロドラッグの存在下で培養した真核生物細胞の殺傷によってアッセイされる、インビトロアッセイが使用され得る。このことは、例えば、組換え変異ニトロレダクターゼをコードするポリヌクレオチドを投与し、発現が生じるのに適切な時間放置し、次いで種々の用量の候補プロドラッグを投与することによる、実験動物における腫瘍殺傷のインビボアッセイによって、さらに試験され得る。種々の変異体ニトロレダクターゼおよび野生型ニトロレダクターゼを使用した結果の比較によって、向上した効率および治療指標をもたらす、変異体ニトロレダクターゼと新規プロドラッグとの最適な組み合せを、同定し得る。
また、哺乳動物被験体において癌を処置する方法が提供され、この方法は、上記の単離されたポリヌクレオチドまたはベクターのいずれかを投与する工程、コードされるニトロレダクターゼの発現が生じるのに適切な時間放置する工程、および前記発現されたニトロレダクターゼによって活性化され得るプロドラッグを投与する工程を、包含する。
(発明の詳細な説明)
(実施例1 増加したCB1954の変換活性に伴うNTR変異体の作製)
(方法)
(変異誘発)
テンプレートとしてプラスミドpJG12B1を使用するPCR(図1参照)によって、種々の位置でNTR配列中に変異を導入した。これは、tacプロモーターの下流のSfiIクローニング部位に、E.coli DH5α NTRを含む、pUC19由来のプラスミドである。
表1を参照して、40位での変異誘発について、プライマー2はJG126B(配列番号6)であり、そしてプライマー3はJG126A(配列番号5)であった;41位では、プライマー2はJG126C(配列番号7)であり、そしてプライマー3はJG126A(配列番号5)であった;68位では、プライマー2はJG127B(配列番号9)であり、そしてプライマー3はJG127A(配列番号8)であった;71位では、プライマー2はJG127C(配列番号10)であり、そしてプライマー3はJG127A(配列番号8)であった;120位では、プライマー2はJG128B(配列番号12)であり、そしてプライマー3はJG128A(配列番号11)であった;124位では、プライマー2はJG128C(配列番号13)であり、そしてプライマー3はJG128A(配列番号11)であった。プライマー1は、JG14A(配列番号2)に対する5’プライマーであり、そして3’プライマーであるプライマー4は、M13逆方向配列決定プライマーのPS1107rev(配列番号3)であった(表1)。
94℃で5分の変性後、PCRを94℃/45秒、55℃/50秒、72℃/90秒を25サイクル間、その後72℃/7分間であった。Pfu DNAポリメラーゼを製造業者(StratageneTM)の推奨に従って使用し、さらなる変異を最小限に抑えた。プライマー1およびプライマー2を使用したPCR産物、ならびにプライマー3およびプライマー4を使用したPCR産物を、ゲルで精製して過剰なプライマーを除去し、そして各々の5ngを、プライマー1およびプライマー2を用いるPCRのテンプレートとして使用して、全長のNTR遺伝子を再構築した。
(表1 NTR変異誘発PCRプライマー)
Figure 2005517386
λJG3J1を、pACYC177由来のカナマイシン耐性遺伝子をEcoRIへ、そしてpPS1133L10(最終的にpDR540[Pharmacia]に由来する)由来のptacプロモーターをHindIII部位へクローニングすることによってλNM1141(図2)から作製した。最終的なPCR産物を、SfiIで消化し、主要な中央のフラグメントを、HindIIIフラグメント内の2つの適合するSfiI部位の間(tacプロモーターの下流)に挿入した。
ライゲーション混合物を、UT5600細胞(UTR)に感染させるために使用されるλバクテリオファージ粒子中にパッケージングした(Stratagene)。コントロールとして、野生型NTRもまた、このベクター(JG16C2)へクローニングした。カナマイシン耐性リソゲンを、寒天プレート(30μg/μlカナマイシン)上で選択し、次いで96ウェルプレートのウェルにおいて、LB+カナマイシン中で一晩個々に増殖させた。これらのクローンを、カナマイシン、IPTG(0.1mM)および0μM、25μM、35μM、50μM、100μM、200μM、300μM、または400μMの濃度のCB1954を含むTris緩衝化(50mM、pH7.5)LB寒天を含む一連のプレートに複製プレーティングした(図3を参照のこと)。このプレートを、表2に示されるようにスコアした。その結果を図4および図5に示す。
(表2)
Figure 2005517386
スコア>4のクローンからのDNAを、プライマーJG14AおよびJG2B(表1)を用いたPCRによって増幅し、変異の存在を決定するために配列決定した(ABI Prism Big Dye Terminatorキット)。第1スクリーニングからのデータの例を、図4に示し、そしてその結果を図5に要約する。見込みのあるクローンを、それらのIC50の分析のために選択し、そしてその結果を以下の表3に要約する。
(変異の組合せ)
2つの機能獲得変異を含むNTRクローンを作製するために、図1に示すPCR方法を、第1ラウンドの変異誘発について使用した。N71S F124K変異体を作製するために、1μlのファージλJG131H481ストックをテンプレートとして使用し、プライマー1は、JG14A(配列番号2)であり、そしてプライマー2は、PS1013A(配列番号14)であった(表1)。λJG131I399をテンプレートとして使用し、プライマー3は、JG127A(配列番号8)であり、そしてプライマー4は、JG2B(配列番号4)であった。次いで、得られた産物を、プライマーJG14A(配列番号2)およびJG2B(配列番号4)のためのテンプレートとして使用し、SfiIフラグメントとしてλJG3J1にクローニングするための二重変異型NTR配列を作製し、λJG139CB1を得た。同様に、Y658G F124Q二重変異体を構築するために、プライマーJG14A(配列番号2)およびPS1013A(配列番号14)を使用してλJG131C19を増幅し、そしてプライマーJG127A(配列番8)およびJG2B(配列番4)を使用してλJG131I83を増幅し、続いてこれらの産物を、プライマーJG14A(配列番号2)およびJG2B(配列番号4)を用いてPCR増幅してλJG139DC1を得た。Y68G F124W二重変異体を、プライマーJG14A(配列番号2)およびPS1013A(配列番号14)を用いてλJG131C194を増幅し、そしてプライマーJG127A(配列番号8)およびJG2B(配列番号4)を用いてλJG131I505を増幅し、続いてプライマーJG2B(配列番号4)およびJG14A(配列番号2)を用いた増幅のためのテンプレートとしてこれらの産物を使用してPCRすることによって構築し、λJG139EC12を得た。
(生存曲線データ)
主観性のより低い手段で、これらのクローンにおけるNTR活性の改善を定量するために、いくつかのクローンを、それらの生存曲線を決定することにより、さらなる研究のために選択した。リソゲンを、LB+カナマイシンにおいて、一晩増殖させ、そしてODに基づいて1μlあたり約1細胞にまで希釈した。100μlの希釈した細胞を、カナマイシン、IPTGおよび0〜400μMのCB1954を含むTris緩衝化LBプレートに二連でプレーティングした。36時間の増殖後、各プレートのコロニーの数を計数し、そしてCB1954を含まないプレート上に存在する数のパーセントとして表した。CB1954の濃度に対する生存%を示す生存曲線をプロットし(図7中の例を参照のこと)、そしてIC50を、死滅によりコロニー数における50%の減少を生じるCB1954の濃度として決定した(表3および図8)。CB1954に対する増強された感受性を生じる変異を含むいくつかのコロニーを、さらなる研究のために選択した。
(結果)
(酵素活性アッセイ)
第一スクリーニングは、野生型のベースラインレベルよりも増大した、CB1954に対する感受性を示すクローンが、限定数の位置(図4に示すように、特に40、41、68、70、71、120および124)に集積する変異を有することを示した。これらのうちで、Phe124の置換は、機能獲得変異体の最も共通した部位である。図5は、同定された機能獲得変異体についての平均スコアを要約する。最高の活性の変異体は、全て124位であった。図6は、変異の部位に関連する活性の変化(上昇および低下の両方)を分析する。機能喪失変異体は、68位、70位、71位、および120位において最も共通であるが、幾分有意に改善されたいくつかのクローンがまた、特に70位および71位において見られた。124位では、機能獲得変異体が、より一般的であった。
(IC50アッセイ)
図7は、CB1954濃度プロットに対する生存の例を示し、そしてそれらのデータを、表3および図8に要約する。このデータは、酵素活性結果と大まかに一致し、多くの変異体が、両方のアッセイにおいて高いスコアを得る。これらの結果に基づいて、多くのクローンを、さらなる研究のために選択し、そしてGDEPTのような適用について、野生型酵素よりも多くの利益を提供するとして同定した。T41L、Y68G、N71S、F124A、F124G、F124N、F124C、F124H、F124L、F124K、F124M、F124S、F124Q、F124T、F124VおよびF124Wが、これらに含まれた。さらに、より穏やかな改善を生じるが、共通性の低い部位での変異(おそらく異なる様式の作用を意味する)(例えば、S40およびF70での変異)が強調された。
(二重変異体)
二重変異体N71S/F124Kの活性は、特に顕著であり、Y68G/F124Wもまた、野生型よりも有意な機能獲得を有した。N71S/F124Kは、いずれの変異単独と比較しても減少したIC50によって測定されるように、増大した酵素活性を示す。このことは、第1ラウンドのスクリーニングにおいて同定された変異が、相加的な効果を有し得ることを示す。しかし、Y68G/F124Q変異体は、野生型酵素の活性と同様の活性を有するいずれの変異単独と比較しても減少した酵素活性を有する。このことは、2つの単一の機能獲得変異を組み合わせることはまた、互いを無効にし、野生型レベルの酵素活性のみを生じ得ることを示唆する。第3の二重変異体Y68G/F124Wは、より良好な単一変異単独のIC50と同等のIC50を有した。従って、このことは、変異の組合せがまた中立的効果を有し得ることを示す。
(表3)
Figure 2005517386
(実施例2:NTR変異体F124NおよびF124K/N71Sのアデノウイルス媒介性発現は、WT酵素の発現よりも高い程度まで癌細胞をCB1954に対して感作する)
この研究を開始するにあたり、細菌スクリーニング系を使用して同定されたE.coli NTR酵素の改善されたバージョンがまた、ヒト癌細胞においてWT酵素よりも、「より効率的」にCB1954を活性化する(そのようにして、腫瘍内CB1954濃度を減少させ、および/または、細胞を殺傷するために十分な活性化プロドラッグを生成するために必要とされる、薬物への腫瘍細胞の曝露時間を減少させる)という仮説を立てた。
本実施例において、本発明者らは、WT NTRおよび細菌スクリーニングにおいて同定された2つの変異体酵素(F124NおよびF124K/N71S)が、ヒト癌細胞株(HeLa)をCB1954に対して感作する効率を比較する実験を記載する。
(方法)
(ウイルスの構築)
HeLa細胞におけるNTR発現を、組換えアデノウイルス媒介性遺伝子転移によって達成した。変異体酵素を発現するE1欠損アデノウイルスを、個々のコード変化を除いて、WT発現ウイルス「CTL102」(Djehaら 2000)と同一であるように設計した。F124Nコード配列および5’隣接配列を、順方向プライマーJG138A(5’−GCACGCTAGCAAGCTTCCACCATGGATATCATTTCTGTCGCC−3’)(配列番号16)および逆方向プライマーJG138B(5’−GCACAAGCTTGCTAGCTCATTACACTTCGGTTAAGGTGATG−3’)(配列番号17)を使用して、個々のλファージからPCR増幅した。生成物をNheIで切断し、そしてpBluescript(Stratagene)のXbaI部位にクローン化した。F124Nを含むHindIII−BamHIフラグメントを、得られたプラスミドから切り出し、そしてHindIII−BamHIで消化されたpTX0374(Djehaら)中にクローン化した。次いで、CMVプロモーター/エンハンサーを含むHindIIIフラグメントを、得られたベクター中にクローン化した。F124N中に存在するKozakコンセンサス配列(AAGCTT.CCA.CCATGg)(配列番号18)は、WT NTR発現ウイルスにおいて存在するKozakコンセンサス配列(AAGCTT.GCC.GCC.AGCCATGg)(配列番号19)とは異なった。従って、これをNcoI消化によって取り除き、そしてpTX0374(CTL102を構築するために使用された野生型NTRを含むプラスミド)由来の等価なNcoIフラグメントにより置換した。次いで、CMV.F124Nフラグメントを、SmaIおよびNheIを使用して切り出し、平滑末端化し、そしてPmeI消化ベクターpTX0398(Djehaら(2000)に記載された転移ベクターpPS1128であるが、PmeI部位を含む)中にクローン化した。(i)NTRコード配列の始まりに独特なHindIII部位を導入され、かつ(ii)CTL102 Kozak配列を組み込まれた、プライマーSC1(5’−AGTCCAAGCTTGCCGCCAGCCATGGATATCATTTCTGTCGCCTTAAAGCG−3’)(配列番号20)およびSC2(5’−TGAGGATCCTTACACTTCGGTTAAGGTGATGTTTTGC−3’)(配列番号21)を使用して、個々のλファージからF124K/N71Sコード配列および5’隣接配列をPCR増幅した。BamHI部位をNTRの3’末端に導入して、F124K/N71Sが、HindIII−BamHIフラグメントとして、HindIII−BamHIで切断されたpTX0374中にクローン化されることを可能にした。次いで、CMVプロモーター/エンハンサーを含むHindIIIフラグメントを、このベクター中にクローン化した。次いで、CMV.F124KN71Sフラグメントを、SpeIを使用して切り出し、そしてSpeIで消化されたpPS1128中にクローン化した。NTR F124N(「CTL802」)およびF124K/N71S(「CTL805」)をそれぞれ発現する組換えアデノウイルスを、PerC6細胞において相同組換えによってレスキュー(rescue)し、そして精製ストックを調製し、そしてCTL102(Djehaら 2000)について記載されたように、力価決定した。
(CB1954感作実験)
CB1954に対するHeLa細胞の感作を、以下のプロトコールを使用してアッセイした。細胞を、マイクロタイタープレートにプレーティング(10細胞/ウェル)する前に、一定範囲のMOIで、懸濁液中のNTR発現ウイルスに感染させた(2時間)。24時間の発現期間の後、CB1954を一定の濃度範囲(0〜50μM)で適用し、そしてプロドラッグへの5時間の曝露後、細胞生存率を、Promega MTS細胞基質殺傷アッセイ(OD450nmでのプレート読出しの前に、2〜3時間インキュベーション)を使用して評価した。所定のMOIおよび[CB1954]について、これらの条件下で、F124NおよびF124KN71Sの両方の発現は一貫して、WT酵素の発現によって引き起こされる細胞殺傷よりも大量の細胞殺傷を生じさせることが見出された。しかし、ヘルパー細胞におけるプラーク形成によるアデノウイルスの力価決定は、誤りがちなプロセスである。これを補正するために、実験を、各ウイルスに関して複数の独立した力価決定調製物で行った。
(結果)
図10A、BおよびCは、使用したウイルスが、各NTR発現ウイルスの3つの調製物の混合物(1:1:1)を含んだ実験の結果を示す。これらの混合物の力価を、個々に実験により決定された力価の平均であると仮定した。正規化目的のためのNTR発現のウェスタンブロット分析のために、全細胞抽出物を、11%分離ゲルにおけるSDS−PAGEによって分解し、そしてニトロセルロース膜にブロットした。NTRを、ヒツジ抗NTR血清(1:1000希釈)、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)により標識されたロバ抗ヒツジIgG、およびSuperSignal West Pico Chemiluminescence基質(Pierce)を使用して検出し、Alpha Innotech Imager Model#2.3.1を用いて分析した。各ウェルの相対的な負荷を、転写後のゲルのクマシーブルー染色によって決定した。
示されるように、使用されたほぼすべてのMOIおよびCB1954濃度において、CTL802は、CB1954殺傷に対して、CTL102よりも高い感作を媒介した。CTL805もなお、高い効果を媒介した。この実験において、F124Nで達成された殺傷の改善は中程度であったが、図11Aにおけるウェスタンブロットは、F124Nの発現レベルがWT NTR発現細胞におけるよりも低かったことを示している。これは、F124Nが癌細胞においてCB1954を活性化する改善された能力を保有することについての支持を与えるが、これはあるいは、WTと比較して安定性の減少を指摘するものである。F124KN71Sの発現に起因する殺傷は、より顕著であった。しかし、この場合、酵素発現のレベルは、WTの発現レベルにより類似していた。まとめると、これらのデータは、二重変異体酵素が、WT酵素よりも大きなCB1954活性化活性を保有することと一致する。
結論として、この実験は、細菌スクリーニングを使用して単離されたF124NおよびF124K/N71S NTR変異体が、WT E.coli酵素よりも効率的に、ヒト癌細胞株をCB1954に対して感作し得るという証拠を与える。
(実施例3:変異体NTRの動態特性)
特定のNTR変異体の発現が、CB1954に対するE.coliの感作を、WT酵素で観察される感作よりも増加させたという観察は、この変異体酵素が、増加された触媒活性を保有するということと一致した。これを、選択された変異体のインビトロにおける動態分析によって試験した。野生型NTRおよび選択された変異体を、Loveringら(2001)によって記載されたようにして精製した。定常状態の動態研究を、420nmでのニトロフラゾン
Figure 2005517386
およびニトロフラントイン
Figure 2005517386
の消失、または300nmでの還元型ベンゾキノン
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、2−ニトロフラン
Figure 2005517386
、2−ニトロベンズアミド
Figure 2005517386
および4ニトロベンズアミド
Figure 2005517386
の消失をモニターすることによって実施した。CB1954還元の4ヒドロキシルアミン生成物の形成を、420nm
Figure 2005517386
でモニターした。すべての反応を、0.1cm、0.5cmまたは1cmのいずれかのパス長を有する石英キュベットにおいて実施した。すべての場合において、反応を、反応混合物に少量の冷酵素溶液を添加することによって開始した。アッセイを、10mM Tris HCL(pH7.0)において実施した。各反応の温度を、循環水浴によって、25℃に維持した。試験された全ての基質を、最終の有機溶媒濃度が4%(容量/容量)を超えないように、DMSO中に溶解した(5%(容量/容量)を超える濃度は、明確な酵素阻害を与える)。すべてのアッセイにおいて、最終DMSO濃度は、4%であった。すべての定常状態データを、有酸素環境下で収集した。動態データを、Kが0.1から、基質溶解度または光学的吸光度によって許容される最大の可能な濃度までに及ぶ濃度範囲で収集した。すべての場合において、最大基質濃度は、5×Kを超えた。すべてのデータを、市販のパッケージSigma PlotTMを使用して分析し、そして以下の形:
y=ax/b+x
の直角双曲線に非線形回帰で当てはめた。図12A、BおよびCならびに表4に示される結果は、分析されたすべての変異体が、CB1954についてのKまたはkcatのいずれかにおいて改善を示したことを示している。両方のパラメーターで改善を示すものはなかった。第2基質に対して最良の生体分子速度定数を示す変異体は、T41Lであった。F124HおよびH124Kは両方とも、ヌクレオチドおよび第2基質の両方について、kcat/Kにおいて有意な改善を示した。Y68Gは、第2基質に対する触媒活性において大きな改善を示したが、kcat/Kにおいては示さなかった。なぜなら、これは、CB1954についてのKmの増加により相殺されたからである。まとめると、これらのデータは、CB1954に対するE.coliの感作効率の改善が、WT NTR酵素に対する、改善された触媒活性に基づくものであるという証拠を与える。
(表4 一連の選択されたNTR変異体の動態パラメーター)
Figure 2005517386
Figure 2005517386
Figure 2005517386
本明細書中に引用されたすべての参考文献は、それらの全体において、本明細書中で参考として援用される。
(他の実施形態)
他の実施形態は、当業者に明らかである。前述の詳細な説明が、明瞭化のためのみに提供され、そして単なる例示にすぎないことが理解されるべきである。本発明の意図および範囲は、上記の実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲に含まれる。
本発明は、添付の表および図を参照しながら、実施例を通して記載される。ここで:
図1は、PCRを使用してNTR変異体を作製するために使用される、部位特異的変異誘発の方法を図示する; 図2は、溶原化したE.coli細胞における変異体NTRを発現するために使用される、ファージ(λNM1151Kanptac−NTR)の構築物を示す; 図3は、CB1954の漸増濃度に対する増殖によって、変異体NTRを発現する溶原体をスクリーニングすることの1例を示す。より効率的なNTRは、より高い遺伝毒性を導き、これによってより低い増殖を導く; 図4は、図3に図示する方法によって、変異体クローンの第1回目のスクリーニングの結果を示す; 図5は、NTRの活性部位付近の重要なアミノ酸の変異によって作製された変異体の数の分析、およびこれによってNTR活性が増加したかまたは減少したかを示す(野生型酵素のスコアが4); 図6は、野生型NTRと比較して、増加した活性を示す変異体の酵素活性スコアをまとめる。図6aはS40変異体、T41変異体、Y68変異体、F70変異体、N71変異体およびG120変異体についての結果を示す。 図6は、野生型NTRと比較して、増加した活性を示す変異体の酵素活性スコアをまとめる。図6bはF124変異体についての結果を示す。 図7は、多くの変異体クローンについて得られた生存曲線の例を示す。パーセント生存率をCB1954濃度に対してプロットして、IC50値を算出し得る; 図8は、野生型酵素と比較した実験によって作成したIC50のデータを示す。 図9は、野生型NTRのアミノ酸配列(配列番号1)−E coli NfsB遺伝子によってコードされるタンパク質を示す。S40、T41、Y68、F70、N71、G120およびF124での重要な変異を、下線および太字で示す。 図10は、野生型NTR(A)、F124NのNTR(B)または二重変異体F124/N71SのNTR(C)を哺乳動物細胞中に発現し、その結果CB1954に対する増感およびCB1954による殺傷を生じる、3つの異なるアデノウイルスベクターを用いた実験の結果を示す。MOIおよびCB1954の濃度の範囲で生存する、%細胞を示す。 図11は、野生型NTR、ならびにF124NのNTR変異体およびF124/N71SのNTR変異体の発現レベルを、クマシー染色したローディングコントロール(B)と共に、ウエスタンブロッティング(A)によって示す。 図12は、野生型、F124K変異体、N71S変異体およびF124/N71S変異体についての酵素動態のデータ(kcat、K、およびkcat/K比)を示す。
【配列表】
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Claims (52)

  1. ニトロレダクターゼが、野生型酵素と比較して増加したニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、組換え変異ニトロレダクターゼ。
  2. 前記ニトロレダクターゼが、プロドラッグに対して増加したニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、請求項1に記載のニトロレダクターゼ。
  3. 前記ニトロレダクターゼが、ニトロベンズアミドプロドラッグに対して増加したニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、請求項2に記載のニトロレダクターゼ。
  4. 前記ニトロレダクターゼが、CB1954に対して増加したニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、請求項3に記載のニトロレダクターゼ。
  5. 前記ニトロレダクターゼが、変異したE.coli NFSB遺伝子によってコードされることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のニトロレダクターゼ。
  6. 前記ニトロレダクターゼが、変異したSalmonella NFSB遺伝子によってコードされることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のニトロレダクターゼ。
  7. 前記ニトロレダクターゼが、変異したEnterobacter NFSB遺伝子によってコードされることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のニトロレダクターゼ。
  8. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異ニトロレダクターゼであって、セリン40、スレオニン41、チロシン68、フェニルアラニン70、アスパラギン71、グリシン120、およびフェニルアラニン124からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  9. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異ニトロレダクターゼであって、該ニトロレダクターゼが、アラニン、グリシンおよびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸でのセリン40の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  10. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、セリン40が、アラニン、グリシンおよびスレオニンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、セリン40以外の残基での置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも大きなニトロレダクターゼ活性を有する、改変体、
    からなる群より選択されるタンパク質。
  11. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アスパラギン、グリシン、イソロイシン、ロイシンおよびセリンからなる群から選択されるアミノ酸でのスレオニン41の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  12. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、スレオニン41が、アスパラギン、グリシン、イソロイシン、ロイシンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、スレオニン41以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  13. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリンおよびトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸でのチロシン68の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  14. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、チロシン68が、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、チロシン68以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  15. 請求項13に記載のニトロレダクターゼであって、該ニトロレダクターゼが、チロシン68のグリシンへの第1の置換(Y68G)およびフェニルアラニン124のグルタミンへの第2の置換(F124Q)またはトリプトファンへの第2の置換(F124W)のいずれか1つから選択される置換を含む二重変異体であることを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  16. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、セリン、スレオニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸でのフェニルアラニン70の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  17. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、フェニルアラニン70が、アラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、セリン、スレオニンおよびバリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、フェニルアラニン70以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  18. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アスパラギン酸、グルタミン、およびセリンからなる群から選択されるアミノ酸でのアスパラギン71の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  19. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、アスパラギン71が、アスパラギン酸、グルタミンおよびセリンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、アスパラギン71以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  20. 請求項18に記載のニトロレダクターゼであって、該ニトロレダクターゼが、アスパラギン71のセリンへの第1の置換(N71S)およびフェニルアラニン124のリジンへの第2の置換(F124K)を含む二重変異体であることを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  21. E.coli NFSB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アラニン、セリン、およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸でのグリシン120の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  22. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、グリシン120が、アラニン、セリンおよびスレオニンlからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、グリシン120以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。。
  23. E.coli NfsB遺伝子の変異した等価物によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アスパラギン、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群から選択されるアミノ酸でのフェニルアラニン124の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  24. 以下:
    i. 図9の野生型配列(配列番号1)に対応する組換えE coli NFSBニトロレダクターゼ変異体であって、フェニルアラニン124が、アスパラギン、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンからなる群より選択されるアミノ酸により置換されることを特徴とする、変異体;
    ii. (i)の改変体であって、フェニルアラニン124以外の残基の置換、挿入または欠失を有し、そして野生型タンパク質の活性よりも高いニトロレダクターゼ活性を有することを特徴とする、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  25. 請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  26. 医薬として使用するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  27. 癌の処置に使用するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  28. プロドラッグの細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  29. ニトロベンズアミドプロドラッグの細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  30. CB1954の細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  31. プロドラッグの活性細胞毒性化合物への転換によって癌を処置する医薬の製造のための、請求項1〜24のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼまたは請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチドの使用。
  32. 医薬としての使用のための、変異したE.coli NfsB遺伝子によってコードされる組換え変異体ニトロレダクターゼであって、アラニン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、セリン、スレオニンまたはバリンからなる群から選択されるアミノ酸でのフェニルアラニン124の置換を含むことを特徴とする、ニトロレダクターゼ。
  33. 以下:
    i.組換えE.coli NfsBニトロレダクターゼ変異体であって、図9の野生型配列(配列番号1)に対応し、アラニン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、セリン、スレオニンまたはバリンからなる群より選択されるアミノ酸でフェニルアラニン124が置換されることで特徴付けられる、変異体;
    ii.(i)の改変体であって、フェニルアラニン124以外の残基で多くの置換、挿入または欠失を有し、かつ野生型タンパク質のニトロレダクターゼ活性よりも高い活性を有することで特徴付けられる、改変体、
    からなる群より選択される、タンパク質。
  34. 医薬としての使用のための、請求項32または33のいずれかに記載のニトロレダクターゼをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  35. 癌の処置において使用するための、請求項32または33のいずれかに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項34に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  36. プロドラッグの細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項32または33のいずれかに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項34に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  37. ニトロベンズアミドプロドラッグの細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項32または33のいずれかに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項35に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  38. CB1954の細胞傷害性剤への転換に使用するための、請求項32または33のいずれかに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項35に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  39. プロドラッグの活性細胞毒性化合物への転換によって癌を処置する医薬の製造のための、請求項17または18のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項19に記載の単離されたポリヌクレオチドの使用。
  40. プロドラッグの活性細胞毒性化合物への転換によって癌を処置する医薬の製造のためプロセスであって、請求項1〜24、32または33のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼあるいは請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチドの使用によって特徴付けられる、プロセス。
  41. 請求項1〜24、32または33のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼ、あるいは請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチドを、薬学的に受容可能な希釈剤または賦形剤中に含む、薬学的組成物。
  42. 請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  43. コードされたニトロレダクターゼの組織特異的発現を提供することを特徴とする、請求項42に記載のベクター。
  44. 請求項25または34のいずれかに記載のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたTCF反応性エレメントを含むことを特徴とする、請求項43に記載のベクター。
  45. 前記ベクターがウイルスであることを特徴とする、請求項42または請求項44のいずれかに記載のベクター。
  46. 前記ウイルスベクターが、アデノウイルスであることを特徴とする、請求項45に記載のベクター。
  47. 請求項42〜46のいずれか1項に記載のベクターを調製するための方法。
  48. 請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド、あるいは請求項42〜46のいずれか1項に記載のベクターを含む宿主細胞。
  49. 請求項42〜46のいずれか1項に記載のベクター、あるいは請求項48に記載の宿主細胞を、薬学的に受容可能な希釈剤または賦形剤中に含む、薬学的組成物。
  50. 遺伝子治療において使用するための、請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド、あるいは請求項42〜46のいずれか1項に記載のベクター、あるいは請求項48に記載の宿主細胞。
  51. 改良されたプロドラッグの設計またはそのスクリーニングにおける、請求項1〜24、32または33のいずれか1つに記載のニトロレダクターゼの使用。
  52. 哺乳動物被験体において癌を処置する方法であって、該方法は、請求項25または34のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド、あるいは請求項42〜46のいずれか1項に記載のベクターを投与する工程、コードされるニトロレダクターゼの発現が生じるのに適切な時間放置する工程、および前記発現されたニトロレダクターゼによって活性化され得るプロドラッグを投与する工程、
    を包含する、方法。
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