JP2005515455A - 流通セル内に磁性粒子を保持する装置 - Google Patents

流通セル内に磁性粒子を保持する装置 Download PDF

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Abstract

流通セルを流体が流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する装置。該装置は、(a)電流源(12)と、(b)電流源(12)に接続された巻線(14)及び各々が波形外側面を有する少なくとも一対の磁極(21、22)の間のエアギャップ(23)を有する電磁石(13)と、(c)上記流通セル内に保持されるべき所定量の磁性粒子を受容すべく且つ上記流通セルを通る液体の流れを許容すべく構成かつ寸法設定された流通セル(18)と、を備える。上記液体は、上記磁性粒子により捕捉されるべき分子もしくは粒子を担持する。上記流通セル(18)の一部分はエアギャップ(23)内に挿入される。

Description

本発明は、流体が流通セル(flow-through cell)を流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する装置および方法に関する。
本発明は更に、流体が流通セルを流れる間に該流通セルのセグメント内に保持された磁性粒子を付加的に操作し得る上記種類の装置および方法に関する。
本発明は特に、たとえば医学的診断目的で臨床化学検定にて行われるように、流通セルを流れる流体内に懸架され且つ該流体により担持された標的分子もしくは標的粒子を捕捉すべく磁性粒子が用いられるという上記種類の装置および方法に関する。本発明は更に、生命科学、特に試験管内診断の分野における上記種類の装置および方法の用法に関する。
固体抽出相(solid extraction phase)として磁性粒子を用いる磁気選別・精製プロセスはたとえば医学的診断目的で臨床化学検定にて広く使用されており、その場合、標的分子もしくは標的粒子は適切な磁性粒子上に結合されて特定受容体により標識され、且つ、これらの方法段階に対しては、当該磁性粒子自身に結合された標的粒子を担持する磁性粒子が、該磁性粒子が高磁界勾配により最初に懸架された液体から分離されるという段階が追随する。
本記述の有効範囲内において、標的分子(target molecule)もしく粒子(particle)という語句は特に、細胞、細胞成分、バクテリア、ウィルス、毒素、核酸、ホルモン、蛋白質、および、他の任意の複合分子もしくはそれらの組み合わせなどの、任意の生物学的成分を指すべく用いられる。
用いられる磁性粒子は、たとえば1998年、6月22日のサイエンティスト、第12[13]巻:16-9頁におけるビー・シンクレアの発表、“付着するものしないもの”(publication of B. Sinclair, "To bead or not to bead," The Scientist, 12[13]:16-9, June 22, 1998)において言及された形式の磁性粒子などの様にナノメータからマイクロメータ尺度に亙る寸法を有する常磁性もしくは超常磁性の粒子である。
本明細書中において上記の特定受容体(specific receptor)という語句は、たとえば抗体−抗原親和力(たとえば米国特許第4,233,169号参照)、または、塩媒体(salt medium)内における核酸に対するガラス親和力(たとえば米国特許第6,255,477号参照)などの、所定の標的分子に対する特定の結合親和力を実現し得る任意の物質を表すべく用いられる。
最近の20年間で磁気選別・精製プロセスを用いた幾つかのシステムが開発されると共に、或る程度までは小型化かつ自動化された多様な市販装置に帰着しているが、これらの装置において磁性粒子を取り扱うべく用いられる手段の開発に関しては殆ど進展が見られない。基本的に上記プロセスは、標的分子もしくは粒子を含む液体サンプルを容器内で磁性粒子と混合して結合反応を起こさせるという段階を備えると共に、該段階に対しては、永久磁石もしくは電磁石により上記液体から磁性粒子/標的粒子の混合体を分離する段階が追随する。この分離段階は通常は上記液体を静止させて実施されることから、該段階は静的分離プロセスとして知られる。一定のシステムにおいては、関与液体(液体サンプル、液体試薬、液体サンプル/試薬混合物)の取り扱いに必要な付加的段階が定液量吸引手段により実施される。
仏国特許発明第1141536号明細書 国際公開第01/10558号パンフレット 米国特許第3482685号明細書 国際公開第99/19071号パンフレット 米国特許第5565365号明細書 米国特許第5655665号明細書 米国特許第6159378号明細書
磁性粒子の分離を実施する所謂る動的分離システムである流通システムは静的分離システムよりも有利であるが、これは特に、磁性粒子の分離と、液体処理段階を含む各段階とが更に簡素な手段および更なる融通性を以て行われ得るからである。
しかし、磁気的分離システムは僅かしか知られておらず、しかもそれらには深刻な欠点がある。それらの殆どにおいて、保持された磁性粒子は流通セルの内壁上に析出されたクラスタを構築し、この故に標的分子の潅流(perfusion)は不十分である。
米国特許第6,159,378号によればこの欠点は特に、標的分子もしくは標的粒子を担持する液体の流路内に磁束導通材料から成るフィルタ構造を挿入し且つこのフィルタ構造に磁界を印加することで部分的に克服され得る。この手法の深刻な欠点は、上記フィルタ構造は汚染もしくは相互汚染問題の発生源であることである。
故に本発明の主要目的は上述の欠点が排除され得る装置および方法を提供することであり、特に、保持された磁性粒子が流通セルの断面の全体に亙り均一に分布されることから、上記流通セルを流通する液体は保持された粒子を通り流れると共に該流れの間において上記粒子の最大限の面積が上記液体に接触することで標的分子もしくは標的粒子が効率的に捕捉され得るという装置および方法を提供することである。
本発明の第1の形態によれば、上記目的は独立請求項1に係る装置により達成される。
本発明の第2の形態によれば、上記目的は独立請求項34に係る方法により達成される。
本発明の第3の形態によれば、上記目的は独立請求項43に係る方法により達成される。
本発明の第4の形態によれば、上記目的は独立請求項44に係る方法により達成される。
本発明の第5の形態によれば、上記目的は請求項45もしくは46に係る用法により達成される。
本発明の第6の形態によれば、上記目的は独立請求項48に係る装置により達成される。
本発明の第7の形態によれば、上記目的は独立請求項58に係る方法により達成される。
本発明の第8の形態によれば、上記目的は請求項60もしくは61に係る用法により達成される。
各好適実施例は、従属請求項により定義される。
本発明に係る装置および方法により達成される主な利点は、流通セルを流れる液体サンプルにより担持される標的粒子を捕捉する役割を果たす磁性粒子が上記流通セルの内部に均一に分布されるように該磁性粒子が上記流通セル内に保持されることから、標的粒子を担持する上記液体サンプルは磁性粒子自体により構築された一種のフィルタ構造を通り流れるが故に、保持された粒子の高効率的な潅流が可能とされると共に、この効果は汚染もしくは相互汚染の可能的発生源となり得る一切の構成要素を上記流通セル内に有することなく実現される、ということである。
本発明に係る装置および方法の更なる利点は、磁性粒子およびそれに結合した標的粒子の洗浄もしくは溶離などの通常段階も同一装置により行われる得ると共に、これにより、サンプル液体の自動処理が非常に迅速になり且つそれに対応してかかる処理のコストが減少することである。
次に本発明はその好適実施例に関して添付図面を参照して記述される。これらの実施例は発明の理解を助力すべく示されるが、限定的と解釈されるべきでない。
第1装置実例
本発明に係る装置の第1実例は、以下において図1乃至図10を参照して記述される。図1は、本発明に係る装置および関連軸YおよびZの概略的前面図である。図2は、図1の領域20および関連軸XおよびYの拡大側面図である。
図1に示されるように、本発明に係る装置は、(a)電流源12と、(b)電流源12に接続された巻線14を備える電磁石13と、(c)当該流通セルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を受容すると共に当該流通セルを通る液体の流れを許容すべく構成かつ寸法設定された流通セル18と、を備える。
好適実施例において電流源12は、たとえば0.001サイクル/秒乃至100キロサイクル/秒の間で選択可能な周波数を有する電流を供給し得る交流電源などの、時間的に変化する電流を提供し得る電流源である。
別実施例において電流源12は、切換え可能なDC電流源である。
別実施例において電流源12は、DC電流源である。
巻線14に対してDC電流が印加されたときに磁性粒子は、磁界の空間的変動に従い磁界が最も大きい領域へと移動し、この作用により、図3に示されるように上記流通セルのチャネルに沿う種々のセグメント41に配置された磁性粒子のチェーンの周期的分布が形成される。但し上記磁界は各磁極の近傍で最大であることから、磁性粒子は上記流通チャネルの壁部に且つ各磁極の近傍に集中される。更に、管の断面を側方から観察すると、図8に示されるように重力下で磁性粒子は堆積することから磁性粒子は断面全体は覆わないことが分かる。かかる磁性粒子の凝集により、磁性粒子の非常に小さい面積のみが流体流の限られた体積に接触する。磁性粒子の密度を増大すれば、流れチャネルの更に大きな断面積が対称的に覆われることから、磁性粒子の表面に接触する流体流の体積は増大され得る。しかしこの場合において流体流と接触する磁性粒子の面積は該磁性粒子の全体積と比較すると依然として小さいので、逆圧の深刻な問題が生じて流れが無くなることさえある。この問題は、磁性粒子の局所的な動的挙動を誘起すべく巻線14にAC電流を印加することで克服される。この動的挙動は本質的に、印加された磁界内の磁性粒子の双極子磁気モーメント・ベクトルが印加磁界に対して平行となったときに上記磁性粒子の最小エネルギが達成されるという事実により影響される。しかして、磁界の影響下で磁性粒子は、印加された磁界の種々の周波数にて特定の動的挙動を有するチェーンを形成する傾向がある。低周波数にて磁性粒子は双極子のように挙動するチェーン構造を形成し、該双極子は磁界極性の変更により反転される。高周波数にて磁性粒子は、渦流回転動力(vortex rotational dynamic)を有する。かかる回転動力は、比較的に低密度の磁性粒子が用いられるときでも、図9に示されるように流れチャネルの断面の全体に亙る磁性粒子の更に効率的で均一な分布を提供する上で有用と思われる。更に、この動的挙動は特に興味深いものである、と言うのも該挙動によれば、磁性粒子と、流通セルを流れる液体により担持された標的粒子との間における更に効率的な相互作用が許容されるからである。
上述の効果から理解され得るように、上記装置の性能は、該装置自体の特性により排他的に決定されるのではなく、AC磁界の様に時間的可変に印加された磁界に依存する磁性粒子の物理的挙動によっても決定される。
電磁石13は、該電磁石の全体的寸法よりも遙かに小さいエアギャップ23により分離された少なくとも一対の磁極21、22を有する。電磁石13は、ヨーク部分15、16、17と、磁極端部分21、22と、電流源12に接続された巻線14とを備える。
エアギャップ23は、各磁極の端部の外側面24、25間に位置する。これらの外側面の各々は、少なくとも2個のキャビティ31、33および34、36の外側面と、これらの2個のキャビティ31、33および34、36を相互から離間する傾斜磁極端部分32および35の外側面とから成る。エアギャップ23は、0.1〜10ミリメートルの範囲の平均深度を有する。
一方の磁極21のキャビティ31、33および傾斜端部分32は実質的に、磁極対の他方の磁極22の対応キャビティ34、36および傾斜端部分35に対向し且つそれらに関して対称的に配置される。これによりエアギャップ23の深度は少なくとも、たとえばX方向などの第1方向に沿い変化する。この深度は、上記第1方向と直交する例えばY方向などの第2方向に沿い測定される。エアギャップ23は少なくとも、上記第1方向すなわちX方向に沿い延在する第1対称軸を有する。
図2から理解され得るように、好適実施例において傾斜磁極端部分32、35の各々は鋭角的縁部を有する。図3に示された別実施例において、磁極端部21a、22aの外側面の断面24a、25aは、波状もしくは鋸歯形状を有する。
傾斜磁極端部分32、35の各々は概略的に3次元形状を有し、且つ、キャビティ31、33および34、36ならびに傾斜磁極端部分32および35は波形表面を形成する。好適実施例においてこの波形表面は、0.1〜10ミリメートルの範囲の厚みを有する。
たとえば磁極部分21、22などの上記傾斜磁極端部分の各々は、強磁性材料、好適にはフェライトで作成される。キャビティ31、33および34、36は、たとえば微粉体吹付けなどの適切なプロセスで作成される。
図4に概略的に示されるように、磁極端21および22は、エアギャップ23の断面全体に亙る高磁界勾配を生成する。図4において点線26は、磁界線を表す。
図5は、図1における磁極端21、22により生成される磁界強度の代表的な空間的変動を、エアギャップ23の中央において長さ軸(X軸)に沿い且つ2A/平方ミリメートルの電流密度に対して示すグラフである。このグラフにおいて磁界の強度はアンペア/メートル単位で表現され、且つ、X軸に沿う位置はミリメートル単位で表現された長さにより表される。図5から理解され得るように上記磁界および磁界勾配は、電磁石13の電気的および幾何学的な特性により、特に各磁極端の形状により制御される単純で明確な周期的形態を有する。
本発明に従い流通セル18が使用されるとき、該セルを流れる液体は、本発明に係る装置により該流通セル内に保持される磁性粒子により捕捉されるべき標的分子もしくは標的粒子を担持する。
流通セル18は、電磁石13により生成される磁界に関して磁気遮蔽効果を有さない材料で作成される。
流通セル18の一部分は、傾斜磁極部分32、35の各々の外側面の少なくとも一方の領域が該流通セルの壁部19の外側面と接触しまたは少なくとも非常に接近し、且つ、該流通セル部分の長さ軸が上記第1方向すなわちX方向に沿い延在するように、エアギャップ23内に挿入される。
用いられる磁性粒子は、液体により担持される標的分子もしくは標的粒子を捕捉すべく使用される種類のものである。磁性粒子のサイズは、ナノメータもしくはマイクロメータの範囲である。
本発明の有効範囲内で使用されるに適した磁性粒子の特性は、たとえば、直径2〜5マイクロメータ、および磁力略0.5ニュートン/キログラムである。
本発明の有効範囲内で使用されるに適した磁性粒子の特性は、特に次の特許明細書EP 1154443号、EP 1144620号、US 6255477号に記述されている。
図6は、図1における電磁石13の斜視図である。図7は、図6に示された電磁石の構成要素の分解図である。
図6および図7により示された好適実施例においてキャビティ31、33および34、36は、相互に対して平行な溝もしくはキャビティである。かかる溝もしくはチャネルの各々の長さ軸は、上記第1方向すなわちX方向における第1軸と上記第2方向すなわちY方向における第2軸とにより定義される平面に対して直交するたとえばZ方向などの第3方向に沿い延在する。
上記溝もしくはチャネルは、たとえば図2に示された如き半円または図3に示された如き波状もしくは鋸歯形状の断面を有する。
第2装置実例
本発明に係る装置の第2実例は図11により示される。この実施例は第1装置実例に対して上述された全ての基本的特徴を有するが、エアギャップ53を画成する電磁石磁極51、52の外側面は波形表面54、55であり、その各々は行列配列で配置された傾斜磁極端部分を備える。この第2実施例において(図2におけるキャビティ31、33および34、36に対応する)少なくとも2個のキャビティおよび(図2における32、35に対応する)傾斜磁極端部分もまた、相互に関して対向して対称的とされると共に、相互に平行な第1群の溝もしくはチャネルであって、これらの溝もしくはチャネルの各々の長さ軸は、上記第1方向すなわちX方向における第1軸と上記第2方向すなわちY方向における第2軸とにより定義される平面に対して直交するたとえばZ方向などの第3方向に沿い延在するという第1群の溝もしくはチャネルと、相互に対して平行な第2群の溝もしくはチャネルであって、該溝もしくはチャネルの各々の長さ軸は上記第1方向(X方向)に沿い延在するという第2群の溝もしくはチャネルと、の交点により形成される。
図11により示されるように、第1群の溝もしくはチャネルの各々ならびに第2群の溝もしくはチャネルの各々は、たとえば半円の形状を備えた断面を有する。この実施例の変更例において上記後者の断面は、たとえば波状もしくは鋸歯形状を有する。
図11により示されるように、(図における傾斜磁極端部分21、22に対応する)傾斜磁極端部分の各々51、52は、(図におけるエアギャップ23に対応する)上記エアギャップ53に臨む平坦外側面を有する。この実施例の変更例において、上記傾斜磁極端部分の各々は隆起部(ridge)にて終端する。
図11により示された上記実施例が本発明に従い使用されたとき、ギャップ53内には(図11において不図示の)一個以上の流通セルが挿入される。
図11により示された上記実施例の2つの可能的用法の例は、図12および図13において概略的に示される。
図12により示された実例においては、図11における外側面54および55の間のエアギャップ53内に、各々が取入口および吐出口を有する複数の流通セル61、62、63、64が挿入される。このため、夫々が異なり得る幾つかの液体サンプルは、たとえば図12において各矢印により示された向きで流通セル61、62、63、64を流れ得る。図12において各磁極端は、流通セル61に接近して配置された71、72、73、74などの矩形により表される。
図13により示された実例においては、該図13に示された蛇行形状を有すべく流体的に直列接続された複数の流通セルまたは単一の流通セル65の複数のセグメントが、図11における外側面54および55間のエアギャップ53内に挿入される。この流通セル配置65は取入口および吐出口を有し、且つ、液体サンプルは図13において矢印により示された向きで該セルを流れ得る。
図13においても、各磁極端は流通セル65に接近して配置された71、72、73、74などの矩形により表される。
図12および図13において示された各実施例において、磁極端表面を表す矩形71、72、73、74の各々は幅Hおよび深度hを有し、且つ、磁極端の行列配列の同一行もしくは列における連続的な磁極端を分離する距離は、文字lにより表される。
単一行の磁極端を備える実施例の場合、深度hは好適には流通セルにより画成されるチャネルの幅に等しく選択され、幅Hはたとえば0.1〜10ミリメートルの範囲内とされ得ると共に寸法lはたとえば寸法l=2*Hにより定義可能であり、約2ミリグラムの質量の磁性粒子が用いられるときには例えば各々が寸法H=0.1ミリメートルを有する8個の磁極端を用いて1ミリメートルの直径および16ミリメートルの長さを有する流通セルにおいて磁性粒子の均一分布が実現可能であり、1〜15サイクル/秒の範囲の周波数を有する交流磁場が用いられ、且つ、用いられる磁性粒子の特性は、例えば、直径2〜5マイクロメータ、磁力約0.5ニュートン/キログラムである。
上記形式の単一行の磁極端を備える実施例の用法の例は、かかる実施例をγ−DNAの捕捉に対して用いることである。この実例において、関与するパラメータは例えば以下の値を有する。
深度hは好適には、流通セルにより画成されるチャネルの幅に等しい。
Hは、1ミリメートルである。
用いられる磁性粒子の質量は、2〜5ミリグラムである。
用いられる磁性粒子の特性は、直径2〜5マイクロメータ、磁力約0.5ニュートン/キログラムである。
流通セルのチャネルの直径は1.5ミリメートルである。
流通セルのチャネルの長さは16ミリメートルである。
磁極端の個数は6個である。
用いられるDNAの質量は2マイクログラムである。
交流磁場の周波数は1〜15サイクル/秒の範囲で印加される。
上記に定義された動作条件により得られた試験結果は次の通りである。
Figure 2005515455
第3装置実例
本発明に係る装置の第3実例は図14により示される。この実施例は上記第1装置実例に対して上述された全ての基本的特徴を有するが、たとえば2対の磁極81、82および83、84を備え、各対は、夫々の電流源に接続された夫々の電磁石に属する。これらはたとえばAC電流源であり、且つ、それにより生成される磁界は好適には位相不一致であり、たとえば位相差は90°である。かかる磁界は協働することで、流通セル18内に磁性粒子を保持し、且つ、保持された磁性粒子が流通セル18の内部で更に均一に分布されるように該磁性粒子に作用する。
図15は、図14に示された各磁極の四重極構成の断面図である。
図14および図15に示されたのと同様の他の実施例は、相互に関して位相遅延を有する電流を受ける2対以上の磁極、および、その結果として2個以上の電磁石を備える。生成される磁界はこの場合に球対称であることから、かかる実施例によれば、たとえば図1乃至図7に関して記述された更に単純な各実施例の場合のような流通セルの円筒状セグメント内での収容に制限されて保持された磁性粒子の分布の代わりに、流通セル内に保持された磁性粒子の更に良好な分布を実現することが可能となる。
第4装置実例
本発明に係る装置の第4実例は、以下において図16および図17を参照して記述される。この実施例は第1装置実例に対して上述されたのと同様の特徴を有するが、当該磁極91、92および93のひとつにおいて夫々終端する3本のアームを有する磁気コア97を有する電磁石機構に属する3個の磁極91、92および93を備えている。磁極91、92および93の間のエアギャップ内には、流通セル98が配置される。
磁極92は、磁極91および93に関して対称的に配置されている。更に概略的な表現では、3個以上の磁極が相互に対して対称的に配置されている。
磁気コア97の3本のアームの各々には、夫々の巻線94、95および96が結合される。これらの巻線の各々は、(図16において不図示の)それぞれの電流源に接続される。これらは好適にはたとえばAC電流源であり、且つ、それにより生成される磁界は好適には位相不一致であり、たとえば位相差は90°である。かかる磁界は協働することで、流通セル98内に磁性粒子を保持し、且つ、保持された磁性粒子が流通セル98の内部で更に均一に分布されるように該磁性粒子に作用する。
図17は、図16により示された三重極構成の斜視断面図である。
図16および図17に示された三重極実施例の作用は、巻線94、95および96の少なくともひとつに印加される時間的可変電流の適切な選択により、その結果生成され、流通セル98の内部に印加される可変磁界は任意の時点でゼロ値を有さないが故に、上記流通セル内に保持される磁性粒子の更に良好な分布が実現されることを特徴とする。
図1乃至図17に関して上述された装置の好適実施例
図1乃至図17に関して上述された装置の好適実施例は、単独とされ又は組み合わされた以下の各特徴により特徴付けられる。
a)各傾斜磁極の外側面の幅Hは、エアギャップの厚みに等しい。
b)各傾斜磁極の外側面の深度hは、実質的に流通セルの深度に等しい。
c)隣り合う2個の傾斜磁極の外側面間の距離lは、1個の傾斜磁極の幅Hよりも大きい。
d)各傾斜磁極の特定寸法および個数は、流通セル内に保持されるべき磁性粒子の量および所望の分布に対応して設定される。
e)少なくとも2個の磁極が相互に関して対称的に配置される。
f)振幅(amplitude)および極性に関して所定の時間的変動により特徴付けられる磁界を生成すべく少なくとも2個の磁極が使用される。
g)所定基準に関する所定位相により特徴付けられる磁界を生成すべく少なくとも2個の磁極が使用される。
h)及び/又は、上記装置は2個以上の磁極を備えると共に、これらの磁極は、該複数の磁極の各対により生成される磁界の振幅および極性における位相および時間的変動を重畳する結果として振幅および極性の時間的変動を有する合成磁界を生成すべく使用され、且つ、上記合成磁界は好適には、流通状態下で磁性粒子を保持する上で適切であると共に、流通セルの断面の全体に亙る実質的に均一な磁性粒子分布に繋がる磁性粒子の動的挙動を引き起こす上で適切である。
本発明に係る第1方法の実例
本発明によれば、流体が流通セルを流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する第1方法は、たとえば、
(a)当該エアギャップに臨む外側面を各々が有する磁極端であって流通セルの内部に磁界勾配を生成し得る形状を有する各磁極端を有する少なくとも2個の電磁石のエアギャップ内に流通セルを挿入する段階と、
(b)流通セルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を該流通セル内に導入する段階と、
(c)上記流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持するために、上記少なくとも2個の電磁石磁極により、時間的に変動する振幅および極性を有する磁界を上記セル内の空間に印加する段階と、
(d)上記磁性粒子により捕捉されるべき分子もしくは粒子を担持する流体を、たとえば上記流通セルに接続されたポンプ手段により、上記流通セルを通して流す段階と、
を備える。
上述の方法の好適実施例において、印加される磁界は磁性粒子を流通セルのセグメント内に保持するだけでなく均一に分布もさせる。
別の好適実施例において、時間による磁界の変動は、磁界の振幅、極性、周波数もしくはそれらの組み合わせの時間的変動である。
更なる好適実施例において、磁界の変動は幾つかの磁界成分の重畳により実現され、且つ、各成分は一群の電磁石の内の1個の電磁石により生成される。
別の好適実施例において、流通チャネルの断面全体を覆うべく保持された磁性粒子により形成される構造は、当該時間的変動磁界を特徴付ける各パラメータ、すなわち、その振幅、周波数および極性の時間的変動により規定される時間的変動磁界の構成により規定される。
上述の種類の方法は好適には、本発明に係る装置の上記各実例のひとつにより実施される。
上記電磁石、上記流通セル、上記磁性粒子、および、上記流通セルを通る液体の流れは好適には、上記流通セル内に保持される磁性粒子が実質的に、上記流通セルの断面であって流れ方向に直交する断面の全体に亙り分布されるように、構成かつ寸法設定される。保持された磁性粒子は好適には、流通セルの狭幅セグメント内に収容された実質的に均質な懸濁液(suspension)を形成する。
印加される磁界は好適には、流通セル内に保持された磁性粒子が動的で均質な懸濁液を形成すると共に該磁性粒子が上記流通セルの狭幅セグメント内で運動するように、時間的に変動される。
図3における黒色表面41は流通セル18のセグメントを概略的に表し、その場合に磁性粒子は、静磁界が印加されるならば静的配列として、または、可変磁界が印加されるならば動的な運動粒子群として均一な分布で保持される。後者の場合において本発明に係る装置は、流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持するだけでなく、保持段階の間において粒子を相互に関して運動させることで該粒子を操作する。この操作により、標的粒子と磁性粒子との間の接触が改善されてそれらの相互作用が改善され、これにより、診断検定に対して高度に望ましい効果が提供される。
図3に示されるように、各セグメント41は対向する各磁極端間に延在する。
図8および図9は、印加される磁界の特性と、流通セル内で利用可能な磁性粒子の量および密度とに依存して流通セル内に保持される磁性粒子の可能的な分布を示している。磁性粒子の密度は、該磁性粒子が分布される体積により磁性粒子の質量を除算した商である。
図8は、流通セル18を液体が流れる以前であり、且つ、磁性粒子が重力のみを受ける(矢印43は重力の向きを示す)、すなわち磁界が印加されていない場合、または、静磁界が印加され且つ磁性粒子の密度は一定の限界値より低い場合、という2つの可能的状況において、図1にて電磁石13の磁極端21および22の間に位置された流通セル18内の磁性粒子42の分布の断面図を示している。
図9は、本発明に従い交流磁場が印加され、更に、比較的に低密度の磁性粒子が用いられた場合において図1の電磁石13の磁極端21および22間に位置された流通セル18内に保持される磁性粒子42の分布の断面図を示している。既に上述されるように後者の場合において、保持される磁性粒子は、動的挙動、および特に相互に関する相対動作を行う。上述の条件下で、流れの強度が一定の限界値を超えないものとして、標的粒子を担持する液体が流通セル18を流れるときに磁性粒子42は上記流通セル内に保持される。
図10は、十分な量の磁性粒子が用いられるものとして、2サイクル/秒の交流磁場および1.5ミリメートルの内径を有する流通セル18により動作する本発明に係る装置により実現され得る保持能力を示すグラフである(“ミリリットル/分単位の液体の流れ”対“テスラ単位の磁界”)。図10における傾斜線により境界決定される値より大きな値を有する液体流に関し、その流れは流通セル内に磁性粒子を保持する力を克服するに十分なほど強力であり、これが生じたときに上記流れは流通セル18からこれらの粒子を取り除いてしまう。図10における傾斜線は、黒色正方形により表される所定数の点により規定される。図10に示されるように、これらの点は所定の変動範囲内に在る。
上述の各実例に関する概略的留意事項
本発明の主要目的のひとつ、すなわち、標的粒子を担持する液体の一定の流れのもとで流通セルの断面全体に亙り分布された磁性粒子を該流通セル内に保持するという目的を達成すべく、以下の指針が然るべく考慮されねばならない。
上記ギャップの深度全体に亙り十分に大きな磁界勾配を備えるために、対向する各磁極端間のエアギャップの深度は4〜5ミリメートルより大きくてはならず、各磁極端表面の(図13に示された)幅Hは一定値を超えてはならず、Hは数ミリメートルのサイズを有すると共に好適には0.1〜3ミリメートルの間とされねばならず、且つ、粒子の密度、すなわち流れセル内で利用可能な磁性粒子の質量を該流れセルの体積で除算した商は、最小値より大きくなければならない。
かかる最小密度値はたとえば、図13に関して記述された上記実例に対する2ミリグラムという磁性粒子の質量に対応する。もし磁性粒子の密度が最小値より小さければ、磁性粒子は上記断面全体に亙り分布され得ない。他方、観察されるべき磁性粒子の密度の好適な最大値も在る。たとえば、図13に関して記述された実例に対してたとえば5ミリグラムより大きい磁性粒子の質量が使用されたなら、磁性粒子の一部は磁力により保持され得ず且つ流通セルを流れる液体により運び去られてしまう。
磁性粒子の(磁力とも称される)磁化率(magnetic susceptibility)の値もまた、本発明に係る装置の作用に対して重要な役割を演じる。本発明の上記目的はたとえば、0.14テスラの振幅を有する交流磁場と約0.5ニュートン/キログラムの磁化率を有する磁性粒子とにより実現される。もし後者の磁化率および/または磁界振幅が更に小さな値まで減少されたなら、一定の箇所において、流通セルの断面全体に亙る磁性粒子の分布の所望効果は実現され得ない。
磁性粒子のサイズおよび個数は、本発明に係る装置の所望の作用に影響しない比較的に広い範囲に亙り変更され得る。磁性粒子のサイズの減少はその個数を対応増大することで補償され得ると共に、逆も同様である。
第5装置実例
磁性粒子を操作するには、非常に局所化された高磁界が必要である。流通セルとしてマイクロチャネルが用いられる場合、磁界および磁界勾配は顕微鏡規模で局所化されるべきであるが、これは大寸の外部永久磁石もしくは電磁石を用いては達成されない。以下に記述されるように本発明によれば、上述の特性を有する磁界は、マイクロチャネルの近傍に配置されるとともにその磁束は外部磁石により生成されるという微小構造化磁性材料層により生成される。
図18乃至図20は、本発明に係る第5装置の種々の図である。この装置はマイクロチップ状構造を有すると共に、マイクロチャネル流通セルを流体が流れる間に該セルのセグメント内に磁性粒子を保持し得る。図18により示されるようにこの装置は、所定深度を有する直線状マイクロチャネル102であって流通セルとして使用されるに適した直線状マイクロチャネル102を備える非磁性材料製の第1層101を備える。マイクロチャネル102は、液体の流れを許容し、且つ、該マイクロチャネル102のセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を受容し得る。第1層101は、第1開口105および第2開口106を有する。これらの開口は、マイクロチャネル102の各側に配置される。開口105、106の各々は、夫々の開口105および106の形状に整合する形状を有する強磁性材料シート107および108を受容し得る。
図18に示された上記装置は更に第1強磁性材料シート107および第2強磁性材料シート108を備え、それらの各々は、開口105および106の内の対応するものに緊密に嵌合すると共に、電磁回路の終端部分として使用され得る。
シート107および108は各々、マイクロチャネル102に臨む外側面を有する。図19により示されるように後者の外側面は、少なくとも2個のキャビティ111および112の外側面と、該キャビティ111および112を相互から離間する傾斜終端部分113の外側面とから成る。強磁性材料製の第1シート107の上記各キャビティおよび傾斜終端部分は実質的に、対応する強磁性材料製の第2シート108の各キャビティおよび傾斜終端部分に対向し且つそれらに関して対称的に配置される。図18および図19に示されるように、シート107および108の各々は好適には、複数のキャビティ111、112および複数の傾斜終端部分113を有する。
図18に示された上記装置は更に非磁性材料製の第2層114を備え、該層は、第1層101と、非磁性材料製の該第1層101の開口105、106内に留められた第1および第2の強磁性材料シート107および108とをカバーする。
好適実施例において第1および第2の強磁性材料シート107および108は各々、マイクロチャネル102の深度に略々等しい厚みを有する。
図20は、図18および図19に示された上記装置の好適実施例の断面図である。この好適実施例は、磁極端部123および124を有する電磁石121を更に備える。この好適実施例において第2層114は、2個の開口115、116を有する。磁極端部123および124の各々は、開口115、116の一方を貫通延在する。磁極端部123および124は夫々、強磁性材料シート107および108の一方と接触する。図20においてアセンブリ125は、第1層101、第2層114、および、強磁性材料シート107および108から成る。
各傾斜終端部分113の幅は好適には、上記第1および第2の強磁性材料シートの外側面間のギャップの厚みに等しい。
傾斜終端部分113の深度は好適には、マイクロチャネル102の深度と実質的に等しい。
隣り合う2個の傾斜終端部分113間の距離は好適には、1個の傾斜終端部分113の幅より大きい。
各傾斜終端部分113の特定の寸法および個数は好適には、マイクロチャネル102内に保持されるべき磁性粒子の量および所望分布に対応して構成される。
図18乃至図20に関して上述された実施例は特に、ナノメータもしくはマイクロメータ範囲のサイズを有する磁性粒子を保持し得る。かかる粒子は好適には、液体により担持される標的分子もしくは標的粒子を捕捉すべく使用される種類のものである。
本発明に係る第2方法の実例
本発明によれば、流通セルとして用いられるマイクロチャネルを流体が流れる間に該マイクロチャネルのセグメント内に磁性粒子を保持する第2方法は、たとえば以下の段階を備える。
(a)当該マイクロチャネルに臨む外側面を各々が有する強磁性材料シートの間に流通セルとしてマイクロチャネルを位置する段階であって、上記外側面は、上記強磁性材料シートにより磁界が印加されたときに上記マイクロチャネルの内部に磁界勾配を生成し得る形状を有する段階と、
(b)上記マイクロチャネル内に、該マイクロチャネルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を導入する段階と、
(c)上記マイクロチャネルのセグメント内に上記磁性粒子を保持すべく、上記強磁性材料シートにより、時間的に変化する振幅および極性を有する磁界を上記マイクロチャネル内の空間に対して印加する段階と、
(d)上記磁性粒子により捕捉されるべき分子もしくは粒子を担持する流体を、上記マイクロチャネルを通して流す段階と、
を有する。
好適実施例において上記磁界は、上記マイクロチャネルのセグメント内に磁性粒子を保持するだけでなく均一に分布させる。
用法の実例
本発明に係る装置または方法は生命科学分野および特に試験管内診断検定で使用され得ることから、反応キュベットもしくは流体系(チャネル、流通セル、ピペット、チップ(tip)、反応キュベットなど)に収容された流体の磁性固相に結合された(たとえば核酸などの)分析対象物の分離、濃縮、精製、搬送および分析に対する用途を包含する。
本発明の好適実施例は特定語句を用いて記述されたが、かかる記述は例示のみを目的としており、添付の各請求項の精神もしくは有効範囲から逸脱せずに変更および改変が為され得ることを理解すべきである。
図1は、本発明に係る装置および関連軸YおよびZの概略的前面図である。 図2は、図1の領域20および関連軸XおよびYの拡大側面図である。 図3は、図2と同様であると共に流通セルのセグメント内に保持された磁性粒子の空間的分布を示す拡大側面図である。 図4は、図2と同様であると共に磁極端21および22がエアギャップ23の全断面に亙り高磁界勾配を生成することを概略的に示す拡大側面図である。 図5は、図1においてエアギャップ23の中央における長さ軸(X軸)に沿い磁極端21、22により生成される磁界強度の空間的変動を示すグラフである。 図6は、図1における電磁石13の斜視図である。 図7は、図6に示された電磁石の構成要素の分解図である。 図8は、流通セル18内の磁性粒子が重力のみに晒されており即ち磁界が印加されていない場合、または、静磁界が印加され且つ磁性粒子の密度が一定の限界値より低い場合における流通セル18内の磁性粒子の分布の断面図である。 図9は、比較的に低密度の磁性粒子が用いられたときでも本発明に係る交流磁場が印加されたときに流通セル18内に保持される磁性粒子の分布の断面図である。 図10は、2サイクル/秒の交流磁場と1.5ミリメートルの内径を有する流通セル18とにより作動する装置の保持能力を示すグラフ(“ミリリットル/分単位の流れ”対“テスラ単位の磁界”)である。 図11は、3次元分布を有する磁気勾配を生成し得る磁極表面の2次元波形パターンの斜視図である。 図12は、電磁石の各磁極は図11に示された形状の外側面を有し且つこれらの外側面間のエアギャップ内には複数の流通セルが挿入されるという装置使用法の概略図である。 図13は、電磁石の各磁極は図11に示された形状の外側面を有し且つこれらの外側面間のエアギャップ内には直列に流体接続された複数の流通セルが挿入されるという装置使用法の概略図である。 図14は、磁性粒子の更に均一な分布を可能とする対称的分布を有する磁気勾配を生成し得る波形表面を有する四重極形態の磁極の斜視図である。 図15は、図14に示された四重極形態の磁極の断面図である。 図16は、本発明に係る装置の第4実例の概略図である。 図17は、図16に示された装置の斜視図である。 図18は、本発明に係る第5実例の構成要素の分解斜視図である。 図19は、図18の層101と、該層101のキャビティ105および106内に挿入された強磁性材料シート107および108の平面図である。 図20は、図18および図19に示されると共に電磁石121を更に含む上記装置の断面図である。
符号の説明
11 本発明に係る装置の第1実施例
12 AC電源/AC電流源
13 電磁石
14、122 巻線
15、16、17 ヨーク部分
18、61、62、63、64、65 流通セル
19 流通セルの壁部
20 図1の領域
21、21a、22、22a、51、52 磁極端部分
23、53 エアギャップ
24、25 磁極端部の外側面
26 磁界線
31、33、34、36、111、112 キャビティ
32、35、113 傾斜磁極部分
41 保持された磁性粒子を収容する流通セルのセグメント
42 磁性粒子
43 重力の向きを示す矢印
54、55 波形表面
71、72、73、74 磁極端
81、82、83、84、91、92、93 磁極
94、95、96 巻線
97 電磁石の磁気コア
101、114 非磁性材料の層
102 マイクロチャネル
103 取入口
104 吐出口
105、106、115、116 開口
107、108 強磁性材料シート
121 電磁石コア
123 コア121のアーム
125 アセンブリ

Claims (57)

  1. (a)電流源(12)と、
    (b)前記電流源(12)に接続された巻線(14)を備える電磁石(13)であって、該電磁石の全体的寸法よりも遙かに小さいエアギャップ(23)により分離された少なくとも2個の磁極(21、22)を有する電磁石と、
    (c)当該流通セルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を受容し得ると共に当該流通セルを通る液体の流れを許容する流通セル(18)と、を備え、
    前記エアギャップは前記少なくとも2個の磁極の各端部の外側面(24、25)間に位置し、後者の外側面の各々は、少なくとも2個のキャビティ(31、33および34、36)の外側面と、前記少なくとも2個のキャビティ(31、33および34、36)を相互から離間する傾斜磁極端部分(32および35)の外側面と、を備え、
    前記各磁極(21)の内の一方の磁極のキャビティ(31、33)および傾斜端部分(32)は、実質的に、前記少なくとも2個の磁極の内の他方の磁極(22)の対応キャビティ(34、36)および傾斜端部分(35)に対して対向し且つそれらに関して対称的に配置され、これにより、前記エアギャップ(23)の深度は少なくとも第1方向(X方向)に沿い変化し、前記深度は前記第1方向に直交する第2方向(Y方向)に沿い測定されており、且つ、前記ギャップは前記第1方向(X方向)に沿い延在する第1対称軸を少なくとも有し、
    前記液体は前記磁性粒子により捕捉されるべき分子又は粒子を担持しており、
    前記流通セルは、前記電磁石(13)により生成された磁界に関して磁気遮蔽効果を有しない材料で作成され、且つ、当該流通セル(18)の一部分は、前記傾斜磁極端部分(32および35)の各々の外側面の少なくとも一方の領域が当該流通セルの壁部(19)の外側面と接触し又はそれに対して少なくとも非常に接近すると共に、前記流通セル部分の長さ軸は前記第1方向(X方向)に沿い延在するように、前記エアギャップ(23)内に挿入される、
    流通セルを流体が流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する装置。
  2. 前記磁性粒子のサイズはナノメータまたはマイクロメータ範囲にある、請求項1に記載の装置。
  3. 前記磁性粒子は前記液体により担持される標的分子又は標的粒子を捕捉すべく使用される種類のものである、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記エアギャップ(23)は0.1〜10ミリメートルの間に在る平均厚みを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記傾斜磁極の外側面の幅(H)は前記エアギャップの厚みに等しい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記傾斜磁極の外側面の深度(h)は前記流通セルの深度と実質的に等しい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 隣り合う2個の傾斜磁極の外側面間の距離は1個の傾斜磁極の幅(H)よりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記各傾斜磁極の特定寸法および個数は、前記流通セル内に保持されるべき前記磁性粒子の量および所望分布に対応して構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記少なくとも2個の磁極は相互に関して対称的に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記少なくとも2個の磁極は振幅および極性の所定の時間的変動により特徴付けられる磁界を生成すべく用いられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記少なくとも2個の磁極は所定基準に関して所定位相により特徴付けられた磁界を生成すべく使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 当該装置は2個以上の磁極を備え、且つ、該磁極は、該複数の磁極の各対により生成される磁界の振幅および極性における位相および時間的変動を重畳する結果として振幅および極性の時間的変動を有する合成磁界を生成すべく使用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記合成磁界は、流通状態下で且つ流通セルの断面の全体に亙る実質的に均一な磁性粒子分布を以て磁性粒子を保持し得る、請求項12に記載の装置。
  14. 前記電流源(12)は時間的に変動する電流を提供し得る電流源である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記電流源(12)は交流電源である、請求項14に記載の装置。
  16. 前記交流電源(12)は0.001サイクル/秒および100キロサイクル/秒の間で選択可能な周波数を有する電流を供給し得る、請求項15に記載の装置。
  17. 前記電流源(12)は切換え可能なDC電流源である、請求項14に記載の装置。
  18. 前記電流源(12)はDC電流源である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記キャビティ(31、33および34、36)および前記傾斜磁極端部分(32および35)は波形表面を形成する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記傾斜磁極端部分の各々は3次元形状を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記傾斜磁極端部分の各々は鋭角的縁部を有する、請求項20に記載の装置。
  22. 前記波形表面は0.1〜10ミリメートルの間の厚みを有する、請求項19に記載の装置。
  23. 前記少なくとも2個のキャビティ(31、33および34、36)は相互に平行な溝又はチャネルであり、前記溝又はチャネルの各々の長さ軸は前記第1方向(X方向)における第1軸と前記第2方向(Y方向)における第2軸とにより定義される平面に対して直交する第3方向(Z方向)に沿い延在する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記溝又はチャネルの各々は半円の形状を有する断面を有する、請求項23に記載の装置。
  25. 前記溝又はチャネルの各々は波状又は鋸歯形状を有する断面を有する、請求項23に記載の装置。
  26. 前記少なくとも2個のキャビティ(31、33および34、36)ならびに前記傾斜磁極端部分(32および35)は、
    相互に平行な第1群の溝又はチャネルであって、これらの溝又はチャネルの各々の長さ軸は、前記第1方向(X方向)における第1軸と前記第2方向(Y方向)における第2軸とにより定義される平面に対して直交する第3方向(Z方向)に沿い延在する第1群の溝又はチャネルと、
    相互に対して平行な第2群の溝又はチャネルであって、これらの溝又はチャネルの各々の長さ軸は前記第1方向(X方向)に沿い延在する第2群の溝又はチャネルと、
    の交点により形成される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記第1群の溝又はチャネルおよび前記第2群の溝又はチャネルの前記溝又はチャネルの各々は半円の形状を有する断面を有する、請求項26に記載の装置。
  28. 前記第1群の溝又はチャネルおよび前記第2群の溝又はチャネルの前記溝又はチャネルの各々は波状又は鋸歯形状を有する断面を有する、請求項26に記載の装置。
  29. 前記傾斜磁極端部分(21、22)の各々は前記エアギャップ(23)に臨む平坦外側面を有する、請求項26〜28のいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記傾斜磁極端部分(21、22)の各々は隆起部にて終端する、請求項26〜28のいずれか一項に記載の装置。
  31. 前記傾斜磁極端部分(21、22)の各々は強磁性材料で作成される、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
  32. 前記材料はフェライトである、請求項31に記載の装置。
  33. 前記キャビティは粉体吹付けにより作成される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の装置。
  34. (a)当該エアギャップに臨む外側面を各々が有する磁極端であって流通セルの内部に磁界勾配を生成し得る形状を有する各磁極端を有する少なくとも2個の電磁石のエアギャップ内に流通セルを挿入する段階と、
    (b)流通セルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子をそのセル内に導入する段階と、
    (c)前記流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持するために、前記少なくとも2個の電磁石磁極により、時間的に変動する振幅および極性を有する磁界をそのセル内の空間に印加する段階と、
    (d)前記磁性粒子により捕捉されるべき分子又は粒子を担持する流体を、前記流通セルを通して流す段階と、
    を有する、流体が流通セルを流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する方法。
  35. 前記磁界は前記磁性粒子を前記流通セルのセグメント内に保持するだけでなく均一に分布もさせる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記磁極端の前記外側面は波形表面である、請求項34に記載の方法。
  37. 前記電磁石、前記流通セル、前記磁性粒子、および、前記流通セルを通る液体の流れのサイズは、保持される磁性粒子が実質的に、前記流通セルの断面であって流れ方向に直交する断面の全体に亙り分布するように構成かつ寸法設定される、請求項34に記載の方法。
  38. 保持された前記磁性粒子は、前記流通セルの狭幅セグメントであって流れ方向に実質的に直交する狭幅セグメント内に収容された実質的に均質な懸濁液を形成する、請求項37に記載の方法。
  39. 印加される前記磁界は、保持された磁性粒子が動的で均質な懸濁液を形成すると共に該磁性粒子は前記狭幅セグメント内で運動するように、時間的に変動される、請求項37に記載の方法。
  40. 時間による前記磁界の変動は、該磁界の振幅、極性、周波数又はそれらの組み合わせの時間的変動である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記磁界の変動は幾つかの磁界成分の重畳により実現され、且つ、各成分は一群の電磁石の内の1個の電磁石により生成される、請求項39に記載の方法。
  42. 前記流通チャネルの断面全体を覆うべく保持された磁性粒子により形成される構造は、当該時間的変動磁界を特徴付ける各パラメータ、すなわち、その振幅、周波数および極性の時間的変動により規定される時間的変動磁界の構成により規定される、請求項39に記載の方法。
  43. (a)所定深度を有すると共に流通セルとして使用される直線状マイクロチャネル(102)であり液体の流れを許容し得ると共に当該マイクロチャネルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を受容し得る直線状マイクロチャネル(102)を備える、非磁性材料製の第1層(101)であって、前記第1層は前記マイクロチャネル(102)の各側に配置された第1開口(105)および第2開口(106)を有し、これらの開口は各々、該開口(105、106)の夫々の形状に整合する形状を有する強磁性材料シート(107および108)を受容し得る、第1層(101)と、
    (b)前記第1層(101)の前記開口(105、106)の夫々に対して各々が緊密に嵌合すると共に電磁回路の終端部分として使用され得る第1強磁性材料シート(107)および第2強磁性材料シート(108)と、
    (c)前記第1層(101)と、非磁性材料製の該第1層の前記開口(105、106)内に留められた前記第1および第2の強磁性材料シート(107、108)と、を覆う非磁性材料製の第2層(114)と、を備え、
    前記シート(107、108)は前記マイクロチャネルに臨む外側面を各々有し、前記外側面は少なくとも2個のキャビティ(111、112)の外側面と該少なくとも2個のキャビティを相互から離間する傾斜終端部分(113)の外側面とを備え、
    強磁性材料製の前記第1シート(107)の前記キャビティおよび傾斜部分は実質的に、強磁性材料製の前記第2シート(108)の対応キャビティおよび傾斜終端部分に対向し且つそれらに関して対称的に配置される、
    流通セルを流体が流れる間に該流通セルのセグメント内に磁性粒子を保持する装置。
  44. 前記第1および第2の強磁性材料シート(107、108)は各々、前記マイクロチャネル(102)の深度に略々等しい厚みを有する、請求項43に記載の装置。
  45. 当該装置は磁極端部(123、124)を有する電磁石(121)を更に備え、且つ、前記第2層(114)は前記磁極端部(123、124)が貫通延在する2個の開口(115、116)を有し、前記各磁極端部は前記第1および第2の強磁性材料シート(107、108)と接触する、請求項43に記載の装置。
  46. 前記磁性粒子のサイズはナノメータまたはマイクロメータの範囲にある、請求項43に記載の装置。
  47. 前記磁性粒子は、前記液体により担持される標的分子又は標的粒子を捕捉すべく使用される種類のものである、請求項43に記載の装置。
  48. 前記傾斜終端部分(113)の幅は、前記第1および第2の強磁性材料シートの前記外側面間のギャップの厚みに等しい、請求項43に記載の装置。
  49. 前記傾斜終端部分(113)の深度は前記マイクロチャネル(102)の深度に実質的に等しい、請求項43に記載の装置。
  50. 隣り合う2個の傾斜終端部分(113)間の距離は1個の傾斜終端部分(113)の幅より大きい、請求項43に記載の装置。
  51. 前記マイクロチャネル(102)は10マイクロメータと1ミリメートルとの間にある平均厚みを有する、請求項43〜50のいずれか一項に記載の装置。
  52. 前記各傾斜終端部分(113)の特定寸法および個数は、前記マイクロチャネル(102)内に保持されるべき前記磁性粒子の量および所望分布に対応して構成される、請求項43に記載の装置。
  53. (a)電磁石により生成された磁界を集め得る各強磁性材料シート間に流通セルとして用いられるマイクロチャネルを位置決めする段階であって、前記シートの各々は前記マイクロチャネルに臨む外側面を有し、前記外側面は、前記強磁性材料シートにより前記マイクロチャネルに対して磁界が印加されたときに前記マイクロチャネルの内部に磁界勾配を生成し得る形状を有する、段階と、
    (b)前記マイクロチャネル内に、該マイクロチャネルのセグメント内に保持されるべき所定量の磁性粒子を導入する段階と、
    (c)前記マイクロチャネルのセグメント内に前記磁性粒子を保持すべく、前記強磁性材料シートにより、時間的に変化する振幅および極性を有する磁界を前記マイクロチャネル内の空間に対して印加する段階と、
    (d)前記磁性粒子により捕捉されるべき分子又は粒子を担持する流体を、前記マイクロチャネルを通して流す段階と、
    を有する、流通セルとして用いられるマイクロチャネルを流体が流れる間に該マイクロチャネルのセグメント内に磁性粒子を保持する方法。
  54. 前記磁界は、前記マイクロチャネルのセグメント内に前記磁性粒子を保持するだけでなく均一に分布させる、請求項53に記載の方法。
  55. 請求項1〜33のいずれか一項に記載の装置または請求項34〜42のいずれか一項に記載の方法の、生命科学分野における用法。
  56. 請求項43〜52のいずれか一項に記載の装置または請求項53又は54に記載の方法の、生命科学分野における用法。
  57. 試験管内診断検定に対する請求項55又は56に記載の用法。
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