JP2005515177A - 自己免疫病理、または外因性タンパク質に対する抗体の出現に関連する疾患の予防または治療を目的とする薬剤調製のためのペプチドデコイ - Google Patents

自己免疫病理、または外因性タンパク質に対する抗体の出現に関連する疾患の予防または治療を目的とする薬剤調製のためのペプチドデコイ Download PDF

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Abstract

発明は自己免疫病理例に於いて内因性タンパク質に対し、または患者、特にタンパク質の欠失を原因とする病理に関連した患者に投与される外因性前記タンパク質に対し発生しうる抗体と結合するペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイの使用に関する。前記ペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイのアミノ酸配列は、前記抗体が認識するエピトープの配列とは異なっている。より具体的には、発明は前記自己免疫病理の予防または治療、あるいは前記外因性タンパク質に対する抗体の出現に関連する問題の予防または治療を目的とする医薬の調製への前記デコイの使用に関する。

Description

本発明の主題は自己免疫病理、または自己免疫病理または患者への外因性タンパク質の投与を必要条件とする病理の治療の枠組み内で使用される組換え体または非組換え体である、外因性タンパク質に対する抗体の出現に関連した疾患の予防または治療を目的とする薬剤の調製のための病原性抗体に対するペプチドデコイである。
血友病Aは機能的な第VIII因子(FVIII)を欠くかまたは不足することを原因とする(重症の)病理である。組換え体または血漿由来の第VIII因子濃縮製剤を投与することで患者の凝固能は回復される。
第VIII因子治療を受けている血友病A患者の相当の割合(約15〜25%)で、自己免疫プロセスが投与された第VIII因子の凝血促進機能を阻害する抗FVIII抗体を出現させ、患者の治療をより一層複雑にしていることが知られている。これら抗体はFVIIIタンパク質の複数の領域(または構造ドメイン)、特にC2、A2およびa3−A3−C1ドメインに結合する。
抗体反応は、投与されたFVIIIの凝血促進活性を阻害する効果を有しており、そのためこれら血友病の治療を非常に困難にしている。
この問題を完全に解決する治療法は現在ない;第VIII因子の大量投与による「免疫学的寛容」は保健行政にとって大きな経済的負担であり、より費用対効果的な方法を開発する研究が必要となっている。
抗体がパラトープと呼ばれる特殊な分子構造を有し、このパラトープが抗体に重要な生物機能:抗原の認識を実行可能にしていることが知られている。抗体のパラトープは、その選択性の源となる抗原の限定部位(「エピトープ」と呼ばれる)だけでなくこの抗原のより小さい断片、具体的にはエピトープに対応するペプチド(「エピトープペプチド」と呼ばれる)、エピトープと関連性のある配列もしくは化学構造の修飾を有するペプチド(「エピトープ変種」と呼ばれる)、または抗原に相同的な配列を持たない分子(「ミモトープ」と呼ばれる)も認識できる。
FVIIIに対する抗体反応はポリクローナルであり、その特異性は多様であるが[Gilles et al., 1993, Blood、2452〜61]、阻害抗体により認識される領域(エピトープ)は第VIII因子分子の少数の主要ゾーンに限定されることが観察されている。最初にA2ドメインとC2ドメインがFVIIIのタンパク質分解断片を利用したイムノドット法により同定された[Fulcher et al., 1985, PNAS USA 82, 7728〜32]、続いてFVIIIのヌクレオチド配列が決定された時点(Vehar et al., 1984, Nature 312, 337〜342; Gitschier et al., Nature 312, 326〜336)および組換え体断片が調整された時点[Scandella et al., 1988, PNAS 86(4), 1387; Scandella et al., 1989, Blood 74, 1618〜26]に確認された。具体例の一つでは、マウスモノクローナル阻害抗体のエピトープを、ヒトおよびブタ第VIII因子の配列間のハイブリッドを上手く利用して、A2領域(残基484〜508)の25アミノ酸配列に絞り込むことができた[Healey et al., 1995, J.Biol.Chem. 270, 14505〜9]。血友病患者のBリンパ細胞からヒト抗体をクローニングすることで、この抗体がC2ドメインを認識し、おそらくは強い親和性でフォン・ウィルブラント因子の結合部位に結合することでFVIIIの機能を阻害することを示すことができた[Jacquemin et al., 1998, Blood 92, 496〜506]。最終的にはa3−A3−C1領域も阻害抗体に認識されると思われている。
これら抗体の作用との闘いの枠組み内で現在行われている治療的アプローチの主たるものは次の通りである:
−デスモプレシンを用いた、中程度の血友病でのFVIII産生促進[Kesteven et al., 1984、Thromb.Haemost. 52, 50〜2];
−プロトロンビン複合体濃縮製剤による凝固カスケードの活性化[Lusher et al., 1983, Blood 62, 1135〜8];
−活性化ヒト組換え体FVIIの投与[Hedner et al., 1993, Transfus. Med Rev. 7, 78〜83];
−ブタVIIIの利用[Hay et al., 1996, Vox Sang 70, 68〜9]、
−活性化プロトロンビン濃縮製剤の利用(US Patent 4,160,02(1979); Method for producing a blood-coagulation-promoting preparation for human blood plasma; US Patent 4,357,321(1982): Method and composition for treating clotting factor inhibitors; US Patent 4,663,164(1987): Aqueous compositions for treating blood clotting inhibitors)、
−第VIII因子断片の利用(US Patent 4,649,132(1987): Treatment of factor VIII inhibitors; US Patent 4,769,336(1987): Treatment of factor VIII inhibitors; US Patent 5,149,637(1992): Recombinant factor VIII fragments)、
−免疫複合体の利用(US Patent 5,543,145(1996): Pharmaceutical composition and method for the suppression of factor VIII inhibitor production)、
−ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子の利用(US Patent 5888974: Hybrid human/animal factor VIII)。
最近、ペプチドまたはペプチド誘導体に基づかない分子デコイを使ったアプローチの概念が液性媒介によるヒト病理の2種類のモデル:糖尿病および重症筋無力症の中で紹介されている。この2種類のアプローチでは、ヒト自己抗体を表すモノクローナル抗体に特異的に結合するそれらの能力について短いRNA配列が選択された[Lee et al., 1997, Nat.Biotechnol. 15, 41〜5; Lee et al., 1996, J.Exp.Med.184,315〜24; Hay et al., 1996、上記]。いずれの例でも著者は、選択したデコイが患者由来の幾つかの血清が、それらの標的(それぞれインスリン受容体とアセチルコリン受容体)に結合することを阻害したことを示すことに成功している。しかしこれらの観察はそれら病理の動物モデルでは検証されていない。この方法の弱点の一つは、RNAが代謝的に不安定なことである;これら研究の一部ではヌクレアーゼに対しより耐性である修飾型RNAが用いられているが、この種の分子の血漿半減期は極めて短く、デコイは作用する機会を失う。
本発明は、発明者がエピトープ変異体またはミモトープに対応するペプチドもしくは偽ペプチドが抗FVIII抗体の第VIII因子への結合を妨害することで、抗FVIII抗体の部位に結合できることを証明したこと、そして結果としてこの抗体の抗凝固活性を低下させることができることを証明したことの結果である。
本発明は自己免疫病理、または患者にタンパク質投与を必要とする病理の枠組みの中にある生物に存在する抗体との闘いのための新規な手段であって、この分野で現在実施されている治療のコストを大きく抑えることができ、且つ現在の治療方法に比べ同等以上の効果を持つ手段を提供することを目的としている。
本発明の主題は、自己免疫病理の予防または治療を目的とする、或いは外因性タンパク質に対する抗体の出現に関連した疾患の予防または治療を目的とする医薬の調製のための、自己免疫病理の枠組みの中にある内因性タンパク質に対して、または特にタンパク質の欠損による病理の枠組み内にある患者に投与される外因性タンパク質に対して生ずる可能性のある抗体に結合するペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイであって、アミノ酸配列が前記抗体によって認識されるエピトープのアミノ酸配列とは異なる前記ペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイの使用である。
本発明のより具体的な主題は、約6〜約20個の天然若しくは非天然アミノ酸(そして好ましくは約8〜約16個のそれらアミノ酸)を含み、前記デコイが:
−自己免疫病理、またはタンパク質を患者に投与することを必要とする病理の枠組み内で抗体によって特異的に認識される前記タンパク質への前記抗体の結合をインビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)で阻害する能力、
−前記抗体存在下に前記タンパク質の活性をインビトロおよびインビボで回復させる能力、
に対して選択される上記に規定されたペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイの上記の使用である。
抗体が上記内因性または外因性タンパク質よりもむしろペプチド若しくは偽ペプチドデコイを優先して認識する利点がある。
本発明は:
−次のような自己免疫病理:
.重症筋無力症
.インスリンに対する自己抗体の出現
.血友病AまたはBそれぞれの自己免疫の変異形の範囲内に入る、特に血友病Aの場合の妊婦での第VIIIまたはIX因子に対する自己抗体の出現、
.特定の不妊症例の原因である抗−精子自己抗体の出現、または
−外因性タンパク質に対する、若しくは遺伝子治療を目的として合成された内因性の組換え体タンパク質に対する抗体の出現に関連した疾患であって、前記タンパク質が血友病AまたはBの様な、これらタンパク質の欠損を原因とする病理の治療の枠組み内で投与される疾患、
の予防または治療を目的とする医薬の調製のための、上記規定のデコイの上記の使用に関する。
本発明の目的は、より具体的には、血友病Aの枠組み内で投与される組み換え体若しくは非組換え体である内因性の第VIII因子に対する、または外因性の第VIII因子もしくはその誘導体に対する抗体の出現に関連した疾患の予防または治療を目的とする医薬品の調製に関する上記に規定したデコイの使用である。
発明はまた例えばペプチドライブラリーを発現するベクターより得た上記規定のペプチドデコイの前記使用に関する。
故に本発明の主題は、より具体的には、前記抗体により認識される前記タンパク質のエピトープと相同性を有さないか、または約10%〜約30%を含む弱い相同性でさえも有するデコイであって、前記デコイがまたミモトープデコイを表すものであるデコイの前記使用である。
発明は、より具体的には第VIII因子のミモトープデコイの前記使用に関する。
発明の主題は、より具体的には次式(I):
Figure 2005515177

(式中:
−n1およびn2は互いに独立に0または1を意味し、
−X1およびX2は互いに独立に天然または非天然型アミノ酸を意味し、
−Xaは8個〜10個の天然または非天然アミノ酸の鎖を表す。)
の第VIII因子のミモトープデコイの使用である。
発明はより具体的には、式(I)中の:
−X1はY、E、Q、S、R、A、K、N又はTより選択される、
−X2はR、T、H、G、S、L、V、P、F、D、K、A、Q又はIより選択される、
式(I)の上記規定したミモトープデコイの上記使用に関する。
発明の主題は、より具体的には式(I)中のXaが以下の配列:
Figure 2005515177

である式(I)の上記規定のミモトープデコイの前記使用である。
故に、本発明の主題はまた、より具体的には次式:
Figure 2005515177

のミモトープデコイの上記の使用である。
発明はまた式(I)中のXが次式の配列;
Figure 2005515177

(式中:
−n3は0または1を意味し、
−X3はアミノ酸を意味し、
−X4は疎水性アミノ酸を意味し、
−X5は芳香族アミノ酸を意味し、
−X6は疎水性アミノ酸を表す。
を表す式(I)のミモトープデコイの前記使用に関する。
発明の主題は、より具体的には、
−X3がI、Q、R、TまたはKより選択され、
−X4がV、T、L、I、M、F、WまたはYより選択され、
−X5がFまたはYより選択され、
−X6がA、M、Y、P、TまたはVより選択される、
ことを特徴とする、式(I)の上記ミモトープデコイの前記使用に関する。
故に発明は、より具体的には次式:
Figure 2005515177

の上記ミモトープデコイの上記の使用に関する。
発明の主題はまた式(I)中のXaが次式の配列:
Figure 2005515177

(式中、
−n12およびn13はお互いに独立に0また1を意味し、
−X7〜X13はアミノ酸を意味し、
−必要の場合にはWはFで置換される。)
を表す式(I)のミモトープデコイの上記の使用である。
発明の主題は、より具体的には、
−X7がH、S、T、M、QまたはGより選択され、
−X8がT、A、K、R、QまたはEより選択され、
−X9がS、A、H、F、V、GまたはTより選択され、
−X10がR、K、L、S、H、T、IまたはAより選択され、
−X11がS、T、V、K、R、Y、MまたはDより選択され、
−X12がS、RまたはLより選択され、
−X13がI、HまたはWより選択される、
ことを特徴とする、式(I)の上記規定のミモトープデコイの前記使用である。
故に発明の主題は、より具体的には、次式:
Figure 2005515177

より選択された式(I)の上記規定のミモトープデコイの前記使用である。
発明の主題は、より具体的には、次式:
Figure 2005515177

のミモトープデコイの前記使用でもある。
本発明の主題は、次式:
Figure 2005515177

のミモトープデコイの前記使用でもある。
発明はまた式(I)中のXaが次式の配列:
Figure 2005515177

(式中、
−n14とn19は相互に独立に0または1を意味し、
−X14〜X19はアミノ酸を表す。)
を表す式(I)の上記規定のミモトープデコイの上記の使用に関する。
発明は、より具体的には、
−X14がKを意味し、
−X15がRまたはGを意味し、
−X16がNまたはSを意味し、
−X17がRまたはAを意味し、
−X18がAまたはRを意味し、
−X19がRを意味する、
ことを特徴とする、式(I)の上記規定のミモトープデコイの前記使用に関する。
故に本発明の主題は、より具体的には次式:
Figure 2005515177

より選択されたミモトープデコイより選択された、式(I)の上記規定のミモトープデコイの前記使用である。
発明はまた抗体によって認識される前記タンパク質中に存在するエピトープに対応するペプチドデコイであって、そのペプチド配列が少なくとも1個のアミノ酸の削除、置換または付加によって修飾されている、エピトープ変異体を意味する前記ペプチドデコイの使用にも関係する。
発明の主題は、より具体的には、第VIII因子のエピトープ変異体の前記使用である。
発明の主題は、より更に具体的には、式DDDLTDSEMDVVRFD(配列番号36)のペプチドを除く、次式(II):
Figure 2005515177

(式中、
−n1およびn2は相互に独立に0または1を意味し、
−X1〜X5はアミノ酸を意味する。
の第VIII因子のエピトープ変異体の前記使用である。
発明は、より具体的には、
−X1がDまたはAを意味し、
−X2がDまたはAを意味し、
−X3がDまたはAを意味し、
−X4がF、YまたはWを意味し、
−X5がDまたはAを意味する、
ことを特徴とする、式(II)の上記規定エピトープ変異体の前記使用に関する。
故に発明の主題は、より具体的には次式:
Figure 2005515177

の上記規定のエピトープ変異体の前記使用である。
発明はまた、上記規定のデコイを薬学的に受け入れ可能な賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする、医薬組成物に関する。
発明の医薬組成物は非経口経路または経口経路により投与することができる形状で存在する利点がある。
前記医薬組成物の用量は、約1〜約5mg/kg/日の上記規定の式(I)または(II)の化合物を含むことが好ましい。
発明はまた規定の式(I)のペプチド配列にも関する。
発明の主題はまた上記規定の式(II)のペプチド配列にも関する。
発明はまた、血友病を患うA患者の出血事故の治療または予防の枠組み内で、第VIII因子補充療法において同時に、別々に若しくは長期にわたって用いられる配合生成物として、
*上記規定の式(I)のペプチド配列の少なくとも1つ、および/または上記規定の式(II)のペプチド配列の少なくとも1つ、ならびに
*ヒトまたは動物起源の抽出型または組換え体型第VIII因子もしくはその他誘導生成物から選択された少なくとも1つの化合物、
を含む生成物に関する。
発明の主題はまた上記規定の式(I)および(II)のペプチド配列より誘導される偽ペプチド、特に前記ペプチド配列のペプチドの1もしくはそれ以上、または全てをDアミノ酸に変換して得られる偽ペプチドに関するが、この変換により偽ペプチドを原ペプチドに比べタンパク質分解に対しより耐性になる[Kramer et al., 1998、Protein Eng 11, 941〜8]。
式(I)または(II)の上記化合物の合成に関しては、後者は次の方法で実施するのが好都合である。
ポリペプチドの固相合成の手法では、所望のポリペプチドはベンズヒドリル−アミンまたはクロロメチル化樹脂(架橋型ポリスチレンより誘導されたもので、化学製品供給業者より入手できる)の様な不溶性支持体をはじめにして合成する。
合成するポリペプチドのC末端にあるアミノ酸、そのα窒素および反応部位は保護基で保護し、一般に用いられる強力なカップリング技術を用い樹脂に結合する。アミン官能基の保護基を配列中にある次のアミノ酸(それ自体も適当な保護基を有している)が結合等するような方法で脱保護する(その他の保護基がある場合にはそのままの形で残す)。ポリペプチドが完全に合成されたら、ポリペプチドをその支持体の樹脂から分離し、全ての保護基を取り除いてからポリペプチドを回収する。
この目的に合った保護基の例としては:アルファアミノ、ベータまたはガンマ基についてはフルオレニルメチルオキシカルボニルが、アスパラギン酸およびグルタミン酸についてはtert−ブチルエステルが、リジンおよびトリプトファンについてはtert−ブチルオキシカルボニルが、システイン、アスパラギン、グルタミンおよびヒスチジンについてはトリチルを、セリンおよびスレオニンについてはtert−ブチルが、アルギニンについては2、2、4、6、7−ペンタジヒドロベンゾフランが挙げられる。
発明を、式(I)および(II)の上記化合物の生産および、それら化合物の抗第VIII因子抗体阻害能の実証がわかる詳細な説明を用いて更に例示する。
I)材料と方法
1)エピトープ−変異体型ポリペプチドデコイに関する技術
スポット技術の原理
このスポットメンブレン上で並行してペプチドを合成する方法(Frank, R.(1992) Spot Synthesis: an easy technique for the positionally addressable, parallel chemical synthesis on a membrane support, tetrahedron.48, 9217〜9232)により多数の多様なペプチドを平坦なセルロース支持体の上にまとめて同時に短時間で得ることが可能になった。ペプチドは固定化した形で、スポット当たり50nmのオーダーのスケールで調製される。セルロースのシート(12〜8cm)の上には化学的に反応性である、直径約5mmの円(スポット)が作られ、これがペプチドのC末端アミン酸を結合する固定点の役割を果たす。ペプチド鎖の伸長は、エステル化反応によりC末端からN末端に向けてアミン酸を連続的に付加することで行われる。カップリング中は使用する残基のアミノ化官能基は、塩基性溶媒中に取り除かれる不安定な基(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはFmoc基)で一時的に保護する。合成期の間、反応性側鎖は安定基でブロックし、アッセンブリ終了時に脱保護する。合成サイクルは4段階で行われる;第1には、既に固定されているアミノ酸のNH2と次のアミノ酸のCOOHとの間にペプチド結合を形成するが、前記COOHはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN,Nジイソプロピルカルボジイミドで前もって活性化しておく。第2に、短ペプチドの形成を回避するために未反応の遊離のNH2官能基をアセチル化する。第3にピペリジンを使って新しいアミノ酸のFmoc保護基を塩基性溶媒中に取り除く。第4に、こうして得たアミノ化官能基の位置をブロモフェノールブルーを使って確認する。このサイクルを必要なだけ繰り返す。合成終了時、アミノ酸の側鎖の脱保護を行ってから、メンブレンと共有結合し続けているペプチドを間接比色免疫アッセイで分析する。
a)メンブレンの調製
第VIII因子の完全配列を、ドメインBを除いて、スポット法に従い2残基づつ枠をずらした一部が重複するペンタデカペプチドの形にセルロースメンブレンの上に合成した。一般的なプロトコルはMolinaらが既に報告している(Molina, F., Laune, D., Gougat, C., Pau, B. & Granier, C. (1996) Improved performances of spot multiple peptide synthesis, Pept Res. 9, 151〜5)。メンブレンはAbimed(Legenfeld, Germany)により市販されている。Fmocアミノ酸とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールはNovabiochemより購入した。異なるカップリング段階を実行するロボットはASP222(Abimed)である。ペプチドは全てそれらのN末端をアセチル化した。ペプチドを合成した後、側鎖の保護基をトリフルオロ酢酸で処理し脱保護した。
b)間接比色免疫学試験
ブロッキング液中でメンブレンを飽和した後、一般には0.1〜1μg/mlの濃度で使用される試験対象の阻害抗体の溶液にメンブレンを浸してペプチドの反応性を評価した。洗浄後、アルカリホスファターゼ標識された抗−Fc抗体(Sigma)を1:1000で用い、その基質(BCIP-MTT-MgCl2 Sigma)存在下にインキュベーションしてペプチドと抗体を相互作用させ、試験対象の抗体と結合したペプチドの度合いを示す青色の沈殿を生成した。次に、別の試験に備え青色の沈殿と結合した抗体を除いてメンブレンを再生した。
c)類似エピトープの製造
エピトープが同定された後、反応配列のそれぞれの位置を19種類のアミノ酸(システインを除く)で置換し、スポット合成により一連の類似ペプチドを調製した。スルフィド結合の付加により拘束を導入しても類似エピトープを得ることができる。
2)「ミモトープ」型ペプチドデコイに関する技術
ファージディスプレイ技術の原理
ペプチドリガンドは、それらの持つ抗体との結合能のおかげで、ファージディスプレイ技術(Smith, G.P. (1985) Filamentous fusion phage: novel expression vectors that display cloned antigens on the virion surface, Science. 228, 1315〜7)を用い、繊維状ファージの表面にランダムにペプチドを提示させることで、容易に得ることができた。これらペプチドはファージのpIIIタンパク質の表面(最大数5コピー)またはpVIIIタンパク質の表面(最大数2700コピー)のいずれかに露出させることができる。これらペプチドは様々なサイズ(6AA〜30AAまで)を持ち、直線型、またはサルファーブリッジ(Sulpher bridge)により拘束されていてもよい。
a)使用した各種ペプチドファージライブラリー
ランダムペプチドのスクリーニングを実施するために、各種ライブラリーを用いた:
*ランダムペプチドがファージのpVIIIの表面に発現している(直線型15mer、拘束型12mer、半拘束型17merおよび直鎖型30mer)4ペプチドライブラリ。最後のものはL.L.C.Bonnycastle (University Burnaby, BC, Canada)(Bonnycastle, L.L., Mehroke, J.S., Rashed, M., Gong, X. & Scott, J.K.(1996) Probing the basis of antibody reactivity with a panel of constrained peptide libraries displayed by filamentous phage, J Mol Biol. 258, 747〜62)に記載されており、約1013TU/mlより構成され、fd−tetファージから誘導されたf88.4ベクターをはじめにして作られた。
*ランダムペプチドがファージのpIIIの表面に発現している(直線型9merおよび拘束型12mer)2ペプチドライブラリー。最後のものはDr Mazzuccheli L(Mazzucchelli, L., Burritt, J. B., Jesaitis, A. J., Nusrat, A., Liang, T. W., Gewirtz, A. T., Schnell, F. J. & Parkos, C. A. (1999) Cell-specific peptide binding by human neutrophils, Blood. 93, 1738〜48)により記載され、その多様性は109TU/mlのオーダーである。
b)ファージライブラリーのスクリーニング(バイオパニング)
バイオパニング技術は、Smithらにより記載の上記プロトコルに従って実施した。選択と増幅を、pIIIとpVIIIライブラリーについて並行して3回行った。各選択サイクルについては、、最初の2回には1〜5μg/mlの濃度の、3回目には0.1〜0.5μg/mlの濃度の各種阻害抗体の炭酸バッファー(NaHCO3、100mM、pH8.6)溶液を10×1.5cmのペトリ皿(Falcon 1029)上に一晩、4℃で攪拌しながら吸着させた。0.05%TBS−T(Tris緩衝化生理食塩水:1.37MのNaCl/26.8mMのKCl/0.5MのTris塩基−0.05%Tween 20/pH7)による2分間の洗浄を5回行って過剰の抗体を取り除いた後、非特異部位を事前に濾過しておいた0.1% TBS−T−3%BSA溶液を使って2時間、37℃で飽和した。この最後の溶液を0.05%TBS−Tによる2分間、5回の洗浄により取り除いた後、2.1011TU(形質導入単位)、即ち各ライブラリーの多様度の100倍である各一次ライブラリー、または選択サイクルより得たファージ溶出液を一晩、4℃で攪拌しながらインキュベーションした。保持されなかったファージを、0.5%TBS−Tによる2分間、10回と0.05%TBS−Tによる2分間、5回の洗浄で取り除いた。それから保持されたファージを酸性溶出液(HCl 0.1M/グリシン/BSA1mg/ml/pH2.2の事前濾過しておいた溶液3mlを30分間攪拌しながらATでインキュベーションした後2MのTris−HCl,pH9の150μlで中和した)を使って溶出するか、またはFVIIIとの競合(4℃でのONインキュベーションにより)による溶出を利用して溶出した。次に各種溶出液を使ってE.Coli K91細胞を感染させて増幅した。この増幅は2段階で行われた:対数増幅期の細菌懸濁液(550nmの吸光度で1.8)5mlを各溶出液に加えた。攪拌しないで10分間、37℃でインキュベーションした後、テトラサイクリン(Tc)(pVIIIライブラリーズ)0.2μg/mlまたはカナマイシン(Ka)0.75μg/ml(pIIIライブラリーズ)を含むLuria-Bertani培地(LB)93mlを加え、225rpmにて30分間、37℃でインキュベーションした。次に濃度をTcについては20μg/mlに、Kaについては75μg/mlに調整し、続いて懸濁液を一晩、225rpm、37℃でインキュベーションした。次にこれら各種細菌懸濁液を4℃、4000rpmで25分間遠心分離し、さらに8000rpmにて12分間遠心分離して細菌を沈殿した。ファージを含む上清を、上清100ml当たり15mlの割合で、ポリ(エチレングリコール)8000/2.5M NaClに取り;一晩、4℃で沈殿させた。4℃、8000rpm、40分間の遠心分離後、沈査を50mMのTBS/NaCl3ml内に取り、37℃、30分間、150rpmにてインキュベーションした。中身を3本のエッペンドルフチューブに移し、15000rpmで10分間、4℃にて遠心分離して細胞破砕物を除いてから、無菌の1.5ml−バイアルに移して−80℃に保管した。
各選択段階では、増幅ファージの量を力価測定により評価し、同時に関連ファージの濃縮を、ELISAを使って評価した。選択段階を3回繰り返した後、3回のクローニング段階によって固体培地(LB−寒天−Tc培地20μg/ml、またはKa75μg/ml)上に単離した細菌のコロニーを得ることができた。次に各種クローンの阻害抗体に対する特異的結合能をELISAで試験した。
c)ダイレクトElisa:ファージによる阻害抗体認識についての試験
ライブラリーのスクリーニングに用いた各種阻害抗体をNaHCO3バッファー中1μg/mlにしてマイクロタイタープレート(Nunc)上に一晩、4℃で固定化した。ウエルを0.1%PBS−T−2%ミルクで1時間30分、37℃で飽和した。次いで各種パニングに由来するファージを0.1%PBS−T−2%ミルクバッファーで1/25に希釈して1時間30分、37℃でインキュベーションした。これらインキュベーションのそれぞれの間に0.1%PBS−Tによる洗浄を、飽和後を除き3回行った。結合したファージを1:3000に希釈したペルオキシダーゼ結合抗M13抗体(Amersham Boehringer)を使い、1時間、37℃でインキュベーションして検出した。5回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質(OPD)を加えた。暗所で30分間反応してから、450nmで吸光度測定を行った。4NのH2SO4を加えて反応を停止してから、490nmで再度測定を行った。
ファージの特異性は、無関係な抗体とは反応しないことで示した。
d)オリゴヌクレオチド配列の決定
ファージ由来のDNAの配列決定は、自動シークエンサ(EUROGENTEC)で行った。用いたプライマーはpIIIについては5′ GTT TTG TCG TCT TTC CAG ACG 3′であり、pVIIIについては5′ TCG GCA AGC TCT TTT AGG 3′であり、ペプチド挿入体の下流に位置している。
3)可溶型のエピトープまたはミモトープ変異体ペプチドのインビトロおよびエキソビボ(ex vivo)でのそれら阻害抗体に対する阻害能
a)可溶性ペプチドの合成
次にスポット法で同定された各種エピトープ、またはファージディスプレー技術で決定されたミモトープを、可溶性相のFmoc化学(Gausepohl, H., Boulin, C., Kraft, M. & Frank, R.W.(1992) Automated multiple peptide synthesis, Pept Res. 5, 315〜20)に基づくAbimed AMS422合成装置を用いて可溶性合成ペプチドの形で合成した。ペプチドを脱保護し、適当なスカベンジャー存在下にトリフルオロ酢酸で処理して樹脂から切り外した。次にペプチドを凍結乾燥し、その純度をHPLCで調べた。必要に応じて90%を越える均一度を得るために、HPLCを用いてペプチドを精製した。
b)デコイのインビトロ中和能
FVIIIを4℃でONプレート上に固定化した。同時に阻害抗体とそのエピトープペプチドとを、ONレンジの中、4℃、0.1%PBS−T−2%ミルク中で前インキュベーションした。1時間0.1%PBS−T−2%ミルクで飽和した後、抗体(Ab)−ペプチド混合液を固定化FVIIIと2時間、37℃でインキュベーションした。これらインキュベーションのそれぞれの間で、飽和後を除き0.1%PBS−Tを用い3回づつ洗浄を行った。FVIII−抗体複合体の検出は、1:3000に希釈したペルオキシダーゼ結合マウスまたはヒト抗−IgGと1時間、37℃でインキュベーションすることで達成された。0.1%PBS−Tで5回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質(OPD)を加えた。暗所で30分間反応してから450nmで吸光度測定を行った。H2SO4 4Nを加え反応を停止した後、更に490nmで吸光度を測定した。
c)機能試験(Bethesda Test)でのデコイの中和能
この機能試験(Kasper, C. K. & Pool, J. G.(1975) Letter: Measurement of mild factor VIII inhibitors in Bethesda units, Thromb Diath Haemorrh. 34, 875〜6)は完全な凝固を行うために各種凝固因子(FIXa、FVIII、リン脂質、カルシウム等)から構成される混合物に必要な時間を測定することから成る。抗体の阻害効果は、この種の試験では凝固時間の延長から特徴浸けられ、抗体の阻害能が高いほど凝固時間の延長も長くなる。抗体の阻害特性はBethesda単位で表されるが、これはFVIIIの凝固活性の50%を中和するのに必要な抗体濃度の逆数である。逆にペプチドの中和作用は、阻害剤の非存在時に得られる初めの凝固時間に戻す変換である。
次の機能試験はKasperが記載した上記試験に由来する。抗FVIIIモノクローナル抗体を0.05Mイミダゾールバッファー、pH7.3中に希釈した。この調製液(250μl)と、等量のイミダゾール(0.1M、pH7.4)で緩衝化された正常血清とを混合し、2時間、37℃でインキュベーションした。同様に、イミダゾールで緩衝化した正常血漿とコントロールを構成する非特異的抗体とを混合した。抗体の阻害活性は、FVIIIの残存活性と阻害活性間の関係を表す片対数グラフから読み取った。
ペプチドの阻害抗体中和能を示すために、50%の残存FVIIIを得ることができる濃度の阻害抗体を、4℃、イミダゾール緩衝液中にペプチド濃度を上げながらON前インキュベーションした。次にこの混合液を上記同様に処理した。
II)詳細な説明
1)抗体の選択:
次のものを使用した:
・以後ESH8と呼ぶ、FVIIIの凝固促進活性に対し極めて強力な中和活性(6300 Besthesda 単位/mg [Scandella et al., 1995, Blood 86, 1811〜9])を有するマウスモノクローナル抗体。この抗体は第VIII因子のC2ドメインへのヒト抗体の結合を良い見本であり、
・2C11ヒトモノクローナル抗体(Jacquemin et al., 1998、上記)、
・以後F7B4、F29F11、F14A12、F18B1、F19C2およびF21C1と呼ぶ複数のマウスモノクローナル抗体で、上記先頭の3つは第VIII因子のa1酸性領域へのヒト抗体の結合のモデルを、そして残りはa3酸性領域へのヒト抗体結合のモデルである。
2)デコイを得る方法:
「エピトープ変異体」型ペプチドデコイは、エピトープのアミノ酸配列の変異を導入するためのスポット技術を用いて得た。エピトープ変異体デコイは抗体との反応性を保持しているか、またはエピトープより強い反応性を示すことができる。例えば抗FVIII F7B4抗体のD356VVRF360エピトープに関するその種のアプローチでは、反応性を失うことなくF360を2種類の別の芳香族アミノ酸WおよびYと置換できることが示される。別の例では、環状型エピトープの例としてCDDDLTDSEMDVVRFDCペプチドが評価され、そしてAAALTDSEMDVVRFAペプチドを使って負電荷の重要性が研究されている。これら「エピトープ変異体」型デコイは全て標準的なペプチド合成法を使い得て、そして抗第VIII因子抗体への結合能を測定した。
「ミモトープ」型ペプチドデコイは組換え体ファージライブラリー技術により得た。配列のランダムライブラリーからのペプチドの選択方法は記載されている[Smith et al., 1993, Methods Enzymol. 217, 228〜257]。繊維状ファージがそのエンベロープタンパク質(pVIIIまたはpIII)表面に保持するペプチドが使用できる:例えば15アミノ酸のペプチドをコードしているライブラリー、および2個のシステイン残基が常に存在することで構造的拘束を受けている12アミノ酸のペプチドをコードする別のライブラリー。使用するファージの選別条件は既報の条件である(具体的には[Ferrieres et al., 2000, Eur. J. Biochem. 267, 1819〜1829])。抗体により特異的に捕捉されたファージの溶出は、酸処理または過剰抗原による置換により実施した。選択した各ペプチドのアミノ酸配列は、Ferrieres et alにより具体的に記載されている様にして決定できる。例えばESH8抗体および2C11ヒト抗体のミモトープペプチドを得ることができる。得られるコンセンサスモチーフは用いた溶出条件によって変わった。酸溶出では、いずれも12個のアミノ酸の拘束ライブラリーに由来する2つのグループの配列が得られた:第1のグループはミモトープ型で、YCNPSIGDKNCRの単一配列を含み、3クローンがこの配列を示し、第2のエピトープ型のグループはあるコンセンサスモチーフ:X−C−X−疎水性芳香族(Y/F)−G−K−T−X−L−C−X(ここではXはいずれかのアミノ酸を意味する)を特徴とし、これは因子のC2ドメインに相同な配列を有した。このコンセンサスモチーフは6種類の配列にかさなって見いだされた:ECIVYGKTALCT(1回)、QCQTFGKTMLCT(4回)、SCRLFGKTYLCH(1回)、SCTVYGKTPLCG(11回)、RCKTFGKTTLCS(1回)およびRCTVYGKTVLCL(1回)。抗原を用いた溶出では、単一の配列が得られており、それは15アミノ酸KPGEVPRHRVTDFDRの直線型ライブラリーに由来し、4回示された。
これら配列がファージ由来のものでなく、ESH8抗体とまだ反応することを立証するために、スポット技術を用いてメンブレン上にこれら配列を合成した。全ての配列がその反応性を保持していることが明らかになった。次にESH8/ペプチド結合の重要残基を決定するために、ペプチドの各アミノ酸を別の19のアミン酸(システインを除く)で置換し、1)どのアミノ酸がESH8/ペプチド結合にとって不可欠な残基か、2)一般的特徴(例えば疎水性または芳香族特性、長側鎖の存在)の放棄を可能にする許容される置換を決定した。グリシン(G)、リジン(K)、スレオニン(T)およびロイシン(L)といった残基を置換することは許容されず、一方疎水性残基に関してはバリン(V)、イソロイシン(I)およびロイシン(L)がより反応的な要素であったが、完全に受け入れられたのはスレオニン(T)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)およびチロシン(Y)といった残基であった。芳香族残基に関しては、主にフェニルアラニン(F)およびチロシン(Y)を受け入れたが、トリプトファンの受入度は低かった。
これら配列を特定した後、標準的なペプチド合成によりデコイを得た。
3)デコイの遮断活性を決定する工程:
デコイの遮断活性はELISA試験によりインビトロで検証できる。用いたフォーマットは、加えるデコイの濃度を上げることで阻害抗体の第VIII因子への結合の阻害を示すことを可能にする。デコイの中和能は、Bethesda試験のような機能試験(Kasperの方法、[Kasper et al., 1975, Thromb. Diath. Haemorrh. 34, 875〜6])で確認できる。
次:
Figure 2005515177

の7種類の可溶性ミモトープペプチドについてよる詳しく調べた。
発明者は以下の方法で、これら可溶性ペプチドがインビトロのELISA試験に於ける第VIII因子への2C11抗体の結合を阻害する能力について研究した:FVIIIを固定化し、2C11と所定範囲(200μM、20μM、2μM、200nM、20nM、2nM)の可溶性ペプチドとを4℃、一晩前インキュベーションし、次にこの前混合液をFVIII上にインキュベーションしてから2C11抗体を発色させた。得られた結果を以下に示す。
Figure 2005515177
試験した全てのペプチドが2C11抗体/FVIII結合を阻害し、ペプチド107が最も効果的であることが証明された。
4)機能分析およびインビボ分析でのペプチド107(SCHAWSNRRTCR)の2C11抗体中和能
ペプチド107がFVIII−2C11抗体結合の阻害に比較的効果的なペプチドでることが証明されたことから、発明者は2C11の阻害活性に対するその中和能に強い興味を持った。
最初に発明者は、機能的凝固試験(Bethesda試験)の中で2C11存在下でのFVIIIの凝固促進活性回復に関するペプチド107の能力について評価した。図2はペプチド107により2C11の阻害活性が用量依存的に中和されることを示している。2C11濃度3.5nMでは、FVIIIの活性の98%が阻害され(図1)、100μMのオーダーのペプチド107濃度でその阻害作用は完全に中和され、IC50は19μMであった。同一濃度範囲内で使用したコントロールペプチドには中和作用はなかった(図2)。ペプチド107をFVIIIのみとインキュベーションしても、FVIIIの凝固促進活性は全く変化しなかった(図2)。ペプチド(103、104、105、106、108および109)も2C11の阻害活性を効果的に中和できた。しかしペプチド107と同等の効果を発揮するにはより高いペプチド濃度が必要であった(データ未提示)。
2番目にマウスのFVIII欠失モデルを使ってペプチド107の中和特性をインビボで調べた。予備研究から、この種のマウスに0.5UIのヒト組換え体FVIIIを静脈投与すると0.3IU/mlのオーダーの血漿FVIII値を得ることができ、この値が少なくとも1時間安定することを明らかにすることができた。このことを確定してから単独でインキュベーションした、ペプチ107ドまたはコントロールペプチド存在下(それぞれ650μMおよび700μM)にインキュベーションした2C11抗体(16.7nM)をそれぞれ3グループのマウスの尾静脈に注射した。30分後に0.5UIのヒトFVIIIを注射してこれらマウスの血漿FVIII値を元に戻し、50分後に血漿の凝固促進活性を測定した。図3より2C11単独投与では注射したFVIIIの凝固促進活性が完全に阻害されたが、ペプチド107存在下に2C11抗体を投与されたマウスではFVIIIの凝固促進活性の52%が維持されていることが分かる。コントロールペプチドには中和作用が全くないことから、ペプチド107の中和活性は極めて特異的であった。
従って、これらのデータはインビトロ実験で示唆されている、FVIIIに対する2C11抗体の阻害を中和するペプチド107の能力が血友病Aに似たインビボ条件下でも確認できたことを示している。
3番目に発明者は2C11に対するペプチド107の中和特性を、阻害因子を持つ他の血友病患者の血清に応用できるか調べた。予備実験より、阻害因子を持つ患者の12血清中2つの血清がペプチド107と反応することが示され、血友病Aの別の患者でも2C11に似たFVIII阻害因子が産生されていることが示された。
図1はBethesda試験により評価された第VIII因子の活性に及ぼす2C11抗体の影響を示す。第VIII因子を2C11抗体3.5nM存在下に2時間、37℃でインキュベーションし、凝固計を使い第VIII因子の残存活性を一工程で測定した。 第VIII因子の残存活性のパーセンテージをY軸に示した。バーAは第VIII因子単独時の活性(100%)を表し、バーBは2C11抗体3.5nM存在下での第VIII因子活性を表している。3.5nMの2C11が存在する時、第VIII因子の活性はほぼ完全に阻害された。 図2は3.5nMの2C11抗体存在下にBethesda試験により評価し、ペプチド濃度の関数として第VIII因子の活性の変化を示す。2C11抗体を各種濃度のコントロールペプチドまたはペプチド107(SCHAWSNRRTCR)存在下に一晩、4℃でインキュベーションした。次に第VIII因子をこれらペプチド−抗体混合液またはペプチド107単独と共に2時間、37℃でインキュベーションしてから凝固計を使ってその残存活性を一工程で測定した。 第VIII因子の残存活性のパーセンテージをY軸に表し、ペプチド濃度をX軸に表した(μM)。黒塗りの三角はペプチド107単独存在下、その濃度を増加した時の第VIII因子の残存活性の変化を表す。黒塗りの丸はペプチド107および2C11抗体の混合の存在下にその濃度を上げた時の第VIII因子の残存活性の変化を表しており、白塗りの菱形はコントロールペプチド及び2C11の混合の抗体存在下に、その混合液の濃度を上げた時の第VIII因子残存活性の変化を表している。 ペプチド107は2C11抗体の作用の中和を可能にする。 図3はペプチド107もしくはコントロールペプチド非存在下または存在下での2C11注射の、第VIII因子欠失マウスおよびそのヒト第VIII因子が投与された第VIII因子欠失マウスの血液凝固に対する効果を示している。 2C11抗体(16.5nM)または2C11抗体(16.5nM)またはペプチド107(650μM)もしくはコントロールペプチド(700μM)を含む混合物を、2C11抗体2.5μg、ペプチド107を1mgおよびコントロールペプチド1mgの割合で第VIII因子欠失「ノックアウト」マウスの尾静脈に注射した。30分後、ヒト第VIII因子0.5UIを注射してから15分後に発色試験を使い血漿凝固促進活性を測定した。 第VIII因子の残存活性のパーセンテージをY軸に表した。バーAは抗体を事前注射せずに第VIII因子を注射した時の効果を表している(残存活性100%)。バーBは第VIII因子注射前の2C11抗体単独注射の効果を表している。バーCは第VIII因子注射前の2C11抗体とペプチド107混合液の注射の効果を表す。バーDは第VIII因子注射前の2C11抗体とコントロールペプチドの混合液注射の効果を表す。 ペプチド107はインビボで2C11抗体の効果を特異的に中和する。
【配列表】
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177
Figure 2005515177

Claims (31)

  1. 自己免疫病理の予防もしくは治療または外因性タンパク質に対する抗体の出現と関連した疾患の予防または治療を目的とする医薬の調製のための、前記自己免疫病理の枠組み内の内因性タンパク質に対して、または、特にタンパク質の欠損を原因とする病理の枠組み内で患者に投与される外因性タンパク質に対して生ずる可能性のある抗体に結合するペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイであって、アミノ酸配列が前記抗体の認識するエピトープのアミノ酸配列とは異なるペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイの使用。
  2. 約6個〜約20個の間の天然または非天然アミノ酸(そして好ましくは約8個〜約16個の間のアミノ酸)を含み:
    −自己免疫病理または患者へのタンパク質の投与を必要とする病理の枠組みの中で抗体により特異的に認識される前記タンパク質への抗体の結合をインビトロおよびインビボで阻害する能力、
    −前記抗体存在下に前記タンパク質の活性をインビトロおよびインビボで回復する能力、
    に対して前記デコイが選択される、請求項1記載のペプチドデコイまたは偽ペプチドデコイの使用。
  3. −以下のような自己免疫病理:
    ・重症筋無力症、
    ・インスリンに対する自己抗体の出現、
    ・血友病AまたはBそれぞれの自己免疫変異形の枠組み内にある、特に血友病Aの場
    合には妊娠女性での第VIIIまたはIX因子に対する自己抗体の出現、
    ・不妊の特定症例の原因である抗−精子自己抗体の出現、または、
    −外因性タンパク質に対する、または遺伝子治療の目的で合成された内因性の組換え体タンパク質に対する抗体の出現に関連した疾患であって、血友病AまたはBの様なタンパク質の欠損を原因とする病理の治療の枠組み内で前記タンパク質が投与される疾患、
    の予防または治療を目的とする医薬の調製のためのデコイの、請求項1または2記載の使用。
  4. 血友病Aの枠組みの中で投与される組換え体もしくは非組み換え体の内因性第VIII因子に対する、または外因性第VIII因子もしくは誘導体に対する抗体の出現に関連した疾患の予防または治療を目的とする医薬の調製のための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデコイの使用。
  5. ペプチドライブラリーを発現するベクターから得られたペプチドデコイの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 抗体が認識するタンパク質のエピトープと相同性を有さないか、または約10%〜約30%を含む弱い相同性でさえも有するデコイであって、またミモトープデコイを意味するデコイの、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 第VIII因子のミモトープデコイの、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 次式(I):
    Figure 2005515177

    (式中:
    −n1およびn2は相互に独立に0または1を表し、
    −X1およびX2は相互に独立に天然または非天然アミノ酸を表し、
    −Xは8個〜10個の天然または非天然アミノ酸の鎖を表す。)
    の第VIII因子のミモトープデコイの、請求項7記載の使用。
  9. 式(I)中の:
    −X1がY、E、Q、S、R、A、K、NまたはTより選択され、
    −X2がR、T、H、G、S、L、V、P、F、D、K、A、QまたはIより選択される式(I)のミモトープデコイの、請求項8記載の使用。
  10. 式(I)中のXが次の配列:
    Figure 2005515177

    を表す式(I)のミモトープデコイの、請求項8または9記載の使用。
  11. 次式:
    Figure 2005515177

    のミモトープデコイの、請求項10記載の使用。
  12. 式(I)中のXが次式の配列:
    (X3n3−X4−X5−G−K−T−X6−L
    (式中、
    −n3は0または1を表し、
    −X3はアミノ酸を表し、
    −X4は疎水性アミノ酸を表し、
    −X5は芳香族アミノ酸を表し、
    −X6は疎水性アミノ酸を表す。)
    を表す式(I)のミモトープデコイの、請求項8または9記載の使用。
  13. −X3がI、Q、R、TまたはKより選択され、
    −X4がV、T、L、I、M、F、WまたはYより選択され、
    −X5がFまたはYより選択され、
    −X6はがA、M、Y、P、TまたはVより選択される、
    ことを特徴とするミモトープデコイの、請求項12記載の使用。
  14. 次式:
    Figure 2005515177

    のミモトープデコイの、請求項12または13記載の使用。
  15. 式(I)中のXが次式の配列:
    Figure 2005515177

    (式中、
    −n12およびn13は相互に独立に0または1を表し、
    −X7〜X13はアミノ酸を表し、
    −必要の場合WをFに置換える。)
    を表す式(I)のミモトープデコイの、請求項8または9記載の使用。
  16. −X7がH、S、T、M、QまたはGより選択され、
    −X8がT、A、K、R、QまたはEより選択され、
    −X9がS、A、H、F、V、GまたはTより選択され、
    −X10がR、K、L、S、H、T、IまたはAより選択され、
    −X11がS、T、V、K、R、Y、MまたはDより選択され、
    −X12がS、RまたはLより選択され、
    −X13がI、HまたはWより選択される、
    ことを特徴とするミモトープデコイの、請求項15記載の使用。
  17. 次式:
    Figure 2005515177

    から選択されるミモトープデコイの、請求項15または16記載の使用。
  18. 次式:
    Figure 2005515177

    のミモトープデコイの、請求項17記載の使用。
  19. 次式:
    Figure 2005515177

    のミモトープデコイの、請求項8または9記載の使用。
  20. 式(I)中のXが次式の配列:
    Figure 2005515177

    (式中、
    −n14およびn19は相互に独立に0または1を表し、
    −X14〜X19はアミノ酸を表す。)
    を表す式(I)のミモトープデコイの、請求項8または9記載の使用。
  21. −X14がKを表し、
    −X15がRまたはGを表し、
    −X16がNまたはSを表し、
    −X17がRまたはAを表し、
    −X18がAまたはRを表し、
    −X19がRを表す、
    ことを特徴とするミモトープデコイの、請求項20記載の使用。
  22. 次式:
    Figure 2005515177

    のミモトープデコイの、請求項19〜20に記載の使用。
  23. 抗体が認識するタンパク質中に存在するエピトープに対応するペプチドデコイであって、そのペプチド配列が少なくとも1個のアミノ酸の削除、置換または付加により修飾されており、エピトープ変異体を意味するペプチドデコイの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  24. 第VIII因子のエピトープ変異体の、請求項23記載の使用。
  25. 式DDDLTDSEMDVVRFD(配列番号36)のペプチドを除く、次式(II):
    Figure 2005515177

    (式中:
    −n1およびn2は相互に独立に0または1を表し、
    −X1〜X5はアミノ酸を表す。)
    の第VIII因子のエピトープ変異体の、請求項24記載の使用。
  26. −X1がDまたはAを表し、
    −X2がDまたはAを表し、
    −X3がDまたはAを表し、
    −X4がF、YまたはWを表し、
    −X5がDまたはAを表す、
    ことを特徴とするエピトープ変異体の、請求項25記載の使用。
  27. 次式:
    Figure 2005515177

    のエピトープ変異体の、請求項26記載の使用。
  28. 請求項1〜27のいずれか1項に記載されるデコイを、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする医薬組成物。
  29. 請求項8〜22のいずれか1項に記載される式(I)のペプチド配列。
  30. 請求項25〜28のいずれか1項に記載される式(II)のペプチド配列。
  31. 血友病Aを患う患者の出血事故の治療または予防の枠組みの中で、第VIII因子補充療法において、配合生成物として同時に、別々にまたは長期にわたって使用される、
    *請求項29記載の式(I)のペプチド配列の少なくとも1つ、および/または請求項30記載の式(II)のペプチド配列の少なくとも1つ、および
    *ヒトまたは動物起源の抽出型または組換え体型第VIII因子もしくはその他誘導体から選択された少なくとも1つの化合物、
    を含む生成物。
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