JP2005514226A - カスタマイズされたレンズ - Google Patents

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Abstract

本発明は、光などの外的刺激を用いてレンズをカスタマイズする方法に関する。同じレンズを用いて厳密な光学的要件を満たすよう精密なレンズの調整が可能である。該レンズは自己完結型のものであり、カスタマイズを行うために、レンズの重要な部分を付加したり除去したりする必要はない。

Description

発明の概要
本発明は、カスタマイズされた(個別調整された)レンズおよびそれを製作するための方法に関する。一具体例において、外的刺激(たとえば光またはその他の放射線)を用いることにより、その光学的性質をカスタマイズ(個別調整)することができるレンズが提供される。
発明の背景
視力を矯正するためのもっとも一般的な方法は、眼鏡、コンタクトレンズ、眼内レンズなどの矯正レンズを使用することである。これらレンズのそれぞれの場合において、予め製造されたレンズは、特定に調整した光学的性質(主として光学倍率(度数))を有する。
ある場合、レンズは、製造後、いくらかの修飾・変更(たとえばレンズの研削)が可能である。多くの場合、レンズは、特定の倍率(度数)またはジオプターに前もって作らなければならない。他の例においても、必要な光学的性質を見積もらなければならず、そして、レンズを個別に作らなければならない。後者の過程は、時間がかかり、不正確である。
この問題に対する典型的な解決方法は、広範な光学倍率のレンズの在庫を保持しておくことである。たとえば、視力矯正士は、処方をすみやかに行えるよう、しばしば、コンタクトレンズの在庫を多くかかえている。レンズの在庫がなくなったとき、あるいは、患者があつらえのレンズを必要とするとき、特別の注文がなされ、レンズの提供が遅れる。
したがって、患者の要求に合うよう、簡単にカスタマイズできるレンズが求められている。そのような態様では、患者の視力の正確な矯正を、長い時間や費用をかけることなく、行うことができる。
以上、本発明の特徴および技術的利点をかなりおおまかに述べたが、これは、後に続く発明の詳細な説明をより良く理解してもらうためのものである。発明のさらなる特徴および利点を、以下に説明するが、それは、請求の範囲の主題を構成するものである。当業者に明らかなように、開示される技術思想および特定の具体例は、本発明の同じ目的を達成するため、他の構成を変更設計する基礎として容易に用いることができる。また、当業者に明らかなように、そのような均等な構成は、添付の請求の範囲に規定される本発明の技術的思想および範囲からはずれるものではない。本発明に特有であると考えられる新規な特徴は、その構成および作用の仕方の両方に関し、さらなる目的および利点とともに、添付の図とあわせて検討するとき、以下の記載により、さらに良く理解されることとなる。しかし、当然のことながら、図面のそれぞれは、単に例示および説明のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
(発明の要約)
製造後、レンズに材料を添加したり、レンズから材料を除去したりすることなく、その光学的性質を調整することができる、カスタマイズ(個別調整)可能なレンズが提供される。当該レンズは、その中に改質組成物(MC)が分散されている自己完結型(self-contained)のユニットであり、該改質組成物は、外的刺激に晒されるとき、レンズの光学的性質を変えるものである。
本明細書で使用する用語「自己完結型」は、レンズが自立しており、かつ、改質組成物を添加または除去することなしに光学的性質の変化をもたらすのに必要な要素のすべてをレンズが含んでいることを意味する。たとえば、好ましい具体例において、レンズは、完全または部分的に架橋された重合体母材(ポリマーマトリクス)と、該母材の全体にわたって分散されたMCとを含む。単に、MCの一部を外的刺激にさらしてMCを該母材内の前記一部で重合させることが、光学的性質の変化をもたらすのに必要なことである。光学的性質の変化を引き起こすのに、改質組成物を添加または除去することはない。
カスタマイズされたレンズを調製するための方法がさらに提供される。その方法では、患者の矯正要件が決定される。改質組成物を含有するレンズが選択される。次いでこのレンズを、必要な視力矯正が得られる程度にレンズの光学的性質が変わるよう、外的刺激にさらす。次いでそのレンズを患者に提供する。調整は、改質組成物を添加または除去することなく行われる。
(発明の詳細な説明)
ユーザーによる特定の要求を満たすよう製造後にカスタマイズすることができる矯正用レンズが提供される。該レンズの光学的性質は、レンズに材料を添加または除去することなしに、修飾・変更することができる。
該レンズは、その全体にわたって分散されたMCを含有する。MCは、刺激により誘発される重合が可能であり、かつ、レンズ内を自由に拡散または移動することができる。
一具体例において、レンズは、その全体にわたってMCが分散された第一の重合体母材(第一のポリマーマトリクス)から形成される。第一の重合体母材は、レンズにその基本的な形態を与えるとともに、硬さ、透明さ、可とう性(柔軟性)等の物性を与える。
第一の重合体母材およびMCの性質は、該光学部材の意図する最終的な用途によって変わってくる。しかし、概して、第一の重合体母材およびMCは、MCが第一の重合体母材内で拡散可能なように選択される。したがって、たとえば、密度の低い第一の重合体母材は、より大きいMC成分と組み合わせやすく、一方、密度の高い第一の重合体母材は、より小さなMC成分と組み合わせやすい。FPMは、一般に、架橋された母材を含むが、完全に架橋される必要はなく、部分的に架橋されたものでもよい。FPMに必要なことは、FPMが自身を支えることができ、MCをFPM内で拡散させることができ、かつ、適当な刺激にさらされれば、MCの架橋を可能にすることである。
適切なエネルギー(たとえば熱または光)に晒されると、MCは典型的に、光学部材のエネルギーに晒された領域に第二の重合体母材を形成する。この第二の重合体母材の存在により、光学部材におけるこの部分の材料の性質が変わり、その屈折能力が調整される。一般に、第二の重合体母材の形成によって、光学部材の変質した部分の屈折率が典型的に上昇する。暴露の後、暴露されていない領域のMCは、経時的に暴露された領域中に移動する。暴露された領域中に移動するMCの量は、時間に依存し、正確に制御しうる。もし十分な時間が与えられれば、MC成分は、光学部材全体(すなわち、暴露された領域を含む第一の重合体母材)にわたって、再平衡し、再分布する。当該領域が再度エネルギー源に晒されるとき、当該領域に移動していたMC(MCの再平衡に至らなくともよい)が、重合し、第二の重合体母材の形成をさらに増やす。このプロセス(暴露と、その後の分散を可能にする適当な時間)は、光学部材の暴露された領域が所望の性質(たとえば、倍率(度数)、屈折率または形状)に達するまで、繰り返すことができる。
第一の重合体母材は、光学部材として機能する共有結合または物理的に結合された構造物であり、第一の重合体母材組成物(FPMC)から形成される。通常、第一の重合体母材組成物は、一以上のモノマーを含み、それが、重合の際、第一の重合体母材を形成する。第一の重合体母材組成物は、必要に応じて、任意の数の配合助剤を含んでよく、それは、重合反応を調節したり、あるいは、光学部材の性質を改善したりする。適当なFPMCの具体例には、アクリル類、メタクリレート類、ホスファゼン類、シロキサン類、ビニル類、ならびに、それらのホモポリマー類および共重合体類がある。ここで、「モノマー」とは、任意の単位をさし、(それ自身、ホモポリマーまたはコポリマーであってもよく)、それは、互いに結合して、その繰返し単位を含む重合体を形成することができるものである。FPMCモノマーが共重合体である場合、それは、同じ種類の複数のモノマー(たとえば、2つの異なるシロキサン)を含有していてもよく、あるいは、異なる種類の複数のモノマー(たとえば、シロキサンとアクリル)を含有していてもよい。
一具体例において、第一の重合体母材を形成する一以上のモノマーは、MCの存在下、重合および架橋される。もう一つの具体例において、第一の重合体母材を形成する高分子出発物質が、MCの存在下、架橋される。いずれの場合でも、MC成分は、第一の重合体母材の形成に対して、適合しなければならず、また、認識可能な妨害を生じてはならない。同様に、第二の重合体母材の形成は、存在する第一の重合体母材に適合すべきである。すなわち、第一の重合体母材と第二の重合体母材は、相分離すべきではなく、光学部材による光透過性は、影響を受けるべきではない。
上述したように、MCは、下記(i)〜(iii)のとおりであれば、単一の成分であっても、複数の成分であってもよい。(i)それが、第一の重合体母材の形成に適合している。(ii)第一の重合体母材の形成後も、それは、刺激による重合が可能なままである。(iii)それは、第一の重合体母材内で自由に拡散可能である。好ましい具体例において、刺激により誘発される重合は、光により誘発される重合である。
本発明のレンズは、第一の重合体母材と、その中に分散されたMCとを含む。この第一の重合体母材およびMCは、上述のとおりであるとともに、さらに、得られるレンズが生体適合性である必要がある。
適当な第一の重合体母材の具体例には、ポリアクリレート類、たとえば、ポリアルキルアクリレート類およびポリヒドロキシアルキルアクリレート類、ポリメタクリレート類、たとえば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)およびポリヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリビニル類、たとえば、ポリスチレンおよびポリビニルピロリドン(NVP)、メタクリレート側基などの重合可能な末端基を有するポリビニルアルコール類、ポリシロキサン類、たとえば、ポリジメチルシロキサン、ポリホスファゼン類、ならびに、それらの共重合体がある。米国特許明細書第4,260,725号およびそこに引用される特許および参照文献(それらは、本願明細書において、引用により記載されたものとする)は、第一の重合体母材を形成するのに用いることができる適当なポリマー類をより具体的に記載している。
可とう性(柔軟性)が必要な具体例(たとえばコンタクトレンズ)において、第一の重合体母材は、得られるレンズが流体状および/またはエラストマーの挙動を示しやすくなるよう、通常、相対的に低いガラス転移温度(Tg)を有し、また典型的に、第一の重合体母材は、一以上の高分子出発物質を架橋することによって形成され、そこにおいて、各高分子出発物質は、少なくとも一つの架橋可能な基を含む。可とう性(柔軟性)が重要でない他の具体例(たとえば眼鏡)では、モノマーは、完成レンズが25℃より高いTgを有するようなものになる。他の具体例において、FPMおよびMCは、適当な媒質中に溶解される。この溶液は、次いで、FPMおよびMCのいくらかの架橋を引き起こす外的刺激に晒され、MCがその中で分散された自立構造物を形成する。レンズの光学的性質は、次いで、レンズを外的刺激に再度さらすことにより変更される。これにより、十分なMCのさらなる重合が起こり、上述したような態様でレンズの変化を引き起こす。一方、MCがすでに架橋されており、他の反応性基が存在する場合、さらなる架橋を行って、光学的性質のさらなる変化を引き起こすことができる。
適当な架橋可能な基の具体例は限定されることなく、水素化物基、アクリレート基、メタクリレート基、アセトキシ基、アルコキシ基、アミノ基、無水物基、アリールオキシ基、カルボキシ基、エノキシ基、エポキシ基、ハロゲン化物基、イソシアノ基、オレフィン基、およびオキシン基がある。好ましい一具体例において、各高分子出発物質は、末端モノマー(エンドキャップとも呼ばれる)を含み、それは、高分子出発物質を構成する上記一以上のモノマーと、同じであるか、異なったものであるが、少なくとも一つの架橋可能な基を含む。換言すれば、末端モノマーは、高分子出発物質を始まらせ、かつ、終わらせ、少なくとも一つの架橋可能な基をその構造の一部として含む。第二の好ましい具体例において、各高分子出発物質は、末端もしくは側基のいずれかまたは両方に存在する架橋可能な基を有し、それは、架橋して網目(ネットワーク)を形成できるものである(たとえばCIBA特許。架橋は、重合体の主鎖に沿った反応性の側基を介して起こる)。好ましい一具体例において、高分子出発物質を架橋するメカニズムは、MCを構成する成分を刺激により重合するメカニズムと異なる。たとえば、MCの重合が光によって誘発される場合、高分子出発物質は、光誘発性重合以外のメカニズムで重合される架橋可能な基を有することが好ましい。
他の一具体例において、MCの重合メカニズムと、第一の重合体母材用出発物質の重合メカニズムとを同じにすることができるが、重合の速度は、有意な量のMCが重合する前に第一の重合体母材が実質的に完成するように異なっている必要がある。たとえば、第一の重合体母材の形成およびMCの重合に光重合を用いる場合、第一の重合体母材用出発物質は、反応性のメタクリレート基を重合可能な部分として含むことができ、一方、MCは、反応性のアクリレート基を含むことができる。これらの基は、顕著に異なる速度で光重合し、有意な量のMCが重合する前に第一の重合体母材を形成させることができる。
第一の重合体母材の形成のため特に好ましい高分子出発物質の種類は、ポリシロキサン類(シリコーン類としても知られる)で、その末端が、アセトキシ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれる架橋可能な基を含む末端モノマーでエンドキャップされているものである。シリコーンIOLは、曲げやすく、かつ、折りたたみやすすいので、一般に、IOL移植手術の間、より小さい切り込みを使用することができる。特に好ましい高分子出発物質の例は、ビス(ジアセトキシメチルシリル)−ポリジメチルシロキサンである(これは、末端がジアセトキシメチルシリル末端モノマーでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである)。
本発明のレンズを形成するのに有用となり得る他の種類の材料の一つは、ポリビニルアルコール類(PVAの主鎖に沿ってメタクリレート基のような架橋可能な末端基を有するPVA類)のアセタール誘導体である。そのような材料の具体例は、米国特許明細書第5508317号に記載されており、その開示は、引用により、本明細書に記載されているものとする。該PVA誘導体は、10,000以上の分子量を有するべきである。
本発明の実施に有用となり得るさらに他の種類の材料は、重合可能な基を有するポリヒドロキシメタクリレート類(HEMA)であり、それらは、たとえば米国特許明細書第4,495,313号および第4,680,336号に記載されており、その開示は、引用により、本明細書中に記載されているものとする。ポリ(HEMA)類は、10,000以上の分子量を有するべきである。
IOLの製造に使用されるMCは、生体適合性がさらに必要である以外は、上述したとおりである。MCは、刺激により誘発される重合が可能なものであり、以下(i)〜(iii)のとおりであれば、単一の成分であっても、複数の成分であってもよい。(i)それが、第一の重合体母材の形成に適合している。(ii)第一の重合体母材の形成後も、それは、FPM中に分散された状態を維持し、刺激による重合が可能である。(iii)それは、第一の重合体母材内で自由に拡散可能である。一般的に、第一の重合体母材を形成するのに使用される同じ種類のモノマー類をMCの成分として使用してもよい。しかし、MCモノマーは第一の重合体母材内で拡散可能でなければならないので、MCモノマーは、概して、第一の重合体母材を形成するモノマーよりも小さい(分子量が低い)傾向にある。一以上のモノマーに加えて、MCは、開始剤および増感剤のような第二の重合体母材の形成を促進する他の成分を含んでもよい。
可とう性で折り曲げ可能なIOLおよび可とう性のコンタクトレンズが好ましいため、特に好ましいMCモノマーの種類は、光重合可能な基を含む末端シロキサン部分で末端がキャップ(エンドキャップ)されたポリシロキサン類である。そのようなモノマーは、たとえば、X−Y−Xであらわされ、Yは、シロキサンであり、それは、モノマー、または、任意の数のシロキサン単位から形成されるホモポリマーもしくはコポリマーであってもよく、かつ、XおよびXは、同じでも異なっていてもよく、かつ、それぞれ光重合可能な基を含む部分を有する。Yの具体例には、以下のものがある。
Figure 2005514226
および
Figure 2005514226
式中、mおよびnは、それぞれ独立して整数であり、かつR、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基(第一級、第二級、第三級、シクロ)、アリール基、またはヘテロアリール基である。好ましい具体例において、R、R、R、およびRは、C〜C10アルキル基またはフェニル基である。アリール基含量が相対的に高いMCモノマーは、本発明によるレンズの屈折率をより大きく変化させることが見出されているため、一般に、R、R、R、およびRの少なくとも一つが、アリール基、特にフェニル基であることが好ましい。より好ましい具体例において、R、R、Rは、同じであり、かつ、メチル基、エチル基またはプロピル基であり、かつRはフェニル基である。
XおよびX(または、MC重合体の表わし方によってXおよびX)の具体例は、それぞれ、
Figure 2005514226
および
Figure 2005514226
であり、それぞれにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であり、かつ、Zは光重合可能な基である。
好ましい具体例において、RおよびRは、それぞれ独立して、CおよびC10アルキル基またはフェニル基であり、かつZは、アクリレート基、アリルオキシ基、シンナモイル基、メタクリレート基、スチベニル基、およびビニル基からなる群より選ばれる部分を含む光重合可能な基である。より好ましい具体例において、RおよびRは、メチル基、エチル基またはプロピル基であり、かつ、Zは、アクリレート基またはメタクリレート基部分を含む光重合可能な基である。
上述したシリコーン系MCに加えて、アクリレート系MCも本発明の実施に使用することができる。本発明のアクリレート系マクロマーは、次の一般構造を有する。
X−A−Q−A−X
または
X−A−A −Q−A −A−X
式中、Qは原子移動ラジカル重合(ATRP)のための開始剤として作用することができるアクリレート部分であり、AおよびAは、次の一般構造を有し、
Figure 2005514226
式中、Rはアルキル基類、ハロゲン化アルキル基類、アリール基類、およびハロゲン化アリール基類からなる群より選ばれるものであり、RはH、CH、アルキル基、またはフルオロアルキル基である。XおよびXは、光重合可能な部分を含む基であり、かつ、mおよびnは整数である。
一具体例において、アクリレート系MCは、次の式を有する。
Figure 2005514226
式中、Rはアルキル基類およびハロゲン化アルキル基類からなる群より選ばれるものであり、R10およびR11は異なり、かつアルキル基類、ハロゲン化アルキル基類、アリール基類、およびハロゲン化アルキル基類からなる群より選ばれるものであり、XおよびXは、上記において規定したとおりであり、かつ、0または整数のいずれかである。
特に好ましい具体例において、MCモノマーは、次式のものである。
Figure 2005514226
および
Figure 2005514226
式中、xおよびxは同じであり、かつ、R、R、R、およびRは、これまでに定義したとおりである。そのようなMCモノマーの具体例には、末端がビニルジメチルシラン基でキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体、末端がメタクリルオキシプロピルジメチルシラン基でキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、および末端がメタクリルオキシプロピルジメチルシラン基でキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサンがある。任意の適当な方法を用いることができるが、一以上の環状シロキサンを、トリフリックアシッド(triflic acid)の存在下、開環反応させることが、本発明によるMCモノマーの一種を生成させるのに特に効率的な方法であることが見出された。簡単にいえば、当該方法は、トリフリックアシッド(triflic acid)の存在下、環状シロキサンと次式の化合物とを接触させることを含む。
Figure 2005514226
式中、R、RおよびZは、これまでに定義したとおりである。環状シロキサンは、環状のシロキサンモノマー、ホモポリマーまたはコポリマーとすることができる。その代わりに、一より多い環状シロキサンを使用してもよい。たとえば、環状のジメチルシロキサン四量体および環状のメチル−フェニルシロキサン三量体を、トリフリックアシッド(triflic acid)の存在下、ビスメタクリルオキシプロピルテトラメチルジシロキサンと接触させ、メタクリルオキシルプロピル−ジメチルシラン基で末端がキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体(特に好ましいMCモノマー)を形成する。
他の具体例において、第一の重合体母材が、反応性基を有するポリ(HEMA)からのPVA誘導体から形成される場合、MCは、同様の組成物で顕著に低い分子量(すなわち〜1,000)を有し、かつ異なるメカニズムまたは実質的に異なる速度で重合する反応性基を有するものから形成することができる。一具体例において、第一の重合体母材は、反応性のメタクリレート側基を有するアセタール誘導化PVAの光重合によって形成される。この誘導化PVAは、約10,000の分子量を有する。この場合、MCは、同様の誘導化PVAでより低い分子量(〜1,000)を有し、かつ反応性のアクリレート側基を有するものからなることができる。光照射に晒されると、より高い分子量の誘導化PVAは、MCより速く重合し、有意な量のMCが重合する前に重合体母材を形成する。これにより、遊離のMCがその中に分散された重合体母材ができる。遊離のMCは、その後、カスタマイズ過程の一部として、さらなる重合に用いることができる。異なる重合可能な側基を有する低分子量および高分子量のポリ(HEMA)を用いて、同様の結果を得ることができる。
上述したように、刺激により誘発される重合には、開始剤の存在が必要である。開始剤は、特定の刺激に晒されたとき、MCの重合を誘発または開始させるようなものである。好ましい具体例において、開始剤は、光開始剤である。光開始剤は、増感剤と組み合わせてもよい。本発明の実施に使用するのに適当な光開始剤は、たとえば、アセトフェノン類(たとえば置換ハロアセトフェノン類およびジエトキシアセトフェノン)、2,4−ジクロロメチル−1,3,5−トリアジン類、ベンゾインメチルエーテル、およびO−ベンゾイルオキシイミノケトンである。
適当な増感剤には、p−(ジアルキルアミノアルデヒド)、n−アルキルインドールイリデン、およびビス〔p−(ジアルキルアミノ)ベンジリデン〕ケトンがある。
本発明の実施において、レンズは、上述したような態様で予め作られる。次いで、レンズは、患者による特定の要望に基づき、次の様にして修飾・変更される。
まず、患者を検査して、個々の特有の光学的要求を決定する。この検査は、眼科医や視力検定者が日常的に行っていることと同じである。それは、自動屈折測定、波面に基づく収差分析、表面トポグラフィー(表面形態測定)などを含みうる。
検査の結果に基づいて、処方箋が作られ、レンズに必要な性質が特定される。これは、近視、乱視などの矯正を含みうる。一旦、これらの矯正値が決定されると、修飾または変更されていないレンズは、次いで、あるパターンでかつ十分な強度で、外的刺激に晒され、レンズに必要な変化が引き起こされる。一旦、必要な性質が得られれば、レンズは、患者に配布される。
患者の視力を矯正すべく、レンズの光学的性質を変更するため、あるパターンでレンズを外的刺激に暴露することにより、レンズを修飾・変更する。これは、レンズの屈折率を変えることと、レンズの形を変えることのいずれか、または両方により、達成される。好ましい具体例において、屈折の変化は、レンズの少なくとも一部におけるMCの重合によって引き起こされ、それに伴い、未重合のMCはレンズ内を移動し、レンズ全体にわたって、MCの濃度が再び均一になる。MCの重合により、暴露された領域において、第二の重合体母材の生成が引き起こされる。この第二の重合体母材は、暴露された領域において、レンズの光学的性質の変化を引き起こす。未重合のMCの移動により、暴露された領域において、レンズの膨張が引き起こされる。これは、結果として、当該部材の形を変化させ、再度、光学的性質を変化させる。紫外線(UV)源が除かれると、暴露された領域の未重合のMCは、レンズ内を移動し、再び平衡に達する。これは、結果として、レンズの形の変化をもたらし得る。この形の変化は、レンズの光学的性質の変化をさらに引き起こす。形の変化が起きるかどうかは、一部、レンズの可とう性(柔軟性)に依存し、それは、結果的に一部、第一の重合体母材を形成するのに使用される重合体のTgに依存するか、あるいは、媒質、可塑剤またはMCによるFPMの可塑化に負う。重合体のTgが低い場合、レンズは可とう性となり、かつ、より顕著な形の変化が起こる。重合体のTgが高い場合、レンズの可とう性は低く、形の変化はあまり起こらない。形の変化が起こらないとき、光学的性質の変化は、MCの局部的な重合によって引き起こされる屈折率の変化に厳密に基づいて起こる。これらの変化は、レンズ内の特定の領域において起こり、カスタマイズされたレンズの製造を可能にする。そのようなレンズには、多焦点レンズも含まれる。
好ましい具体例において、光重合可能な基を有するMCは、紫外光に反応する重合開始剤と組み合わされる。この場合、レンズの半製品(ブランク)を、あるパターンで紫外光に暴露し、レンズの光学的性質の必要な変化を達成する。
本発明のレンズの形成は、MCの存在下、第一の重合体母材を所定の形態で形成することにより行うことが好ましい。この具体例において、第一の重合体母材のための開始物質およびMC、さらに、必要な添加物および触媒または開始剤は、必要なレンズまたは部材の形をした型において合わせられる。第一の重合体母材は、次いで、開始物質を重合することにより形成される。上述したように、開始物質を重合するのに使用されるメカニズムは、MCの顕著な重合が起こらないようなものでなければならない。MCの重合はある程度起こってもよいが、残りのMCを重合しても光学的性質が変化しないようなレベルまで、レンズ中の遊離のMC量を消費してはならない。このため、第一の重合体母材の開始物質を重合するのに使用するメカニズムが、MCを重合するのに使用するメカニズムと異なるべきであるか、または、開始物質の重合速度が、MCの重合速度より顕著に大きくあるべきである。
開始物質の重合は、開始物質の供給がなくなるまで、あるいは、第一の重合体母材が、自己完結型の自立構造を形成するようになるまで続けられる。MCの存在下で母材を形成することによって、MCは母材内に分散されるようになる。次いで、レンズは、型から取り出され、さらなるカスタマイズに備える。これは、上述したように、レンズを外的刺激に晒すことによってなされる。
以下は、本発明の実施に有用な調整可能なレンズを形成するのに使用できる方法の一例である。ビニル基で末端がキャップ(エンドキャップ)されたシリコーンマクロマーおよびヒドロキシル基で末端がキャップ(エンドキャップ)された有機シリコン化合物を含むシリコーン系の第一の重合体母材用開始物質を、型において、上述したようなシリコーン系のMCと合わせる。さらに、光開始剤および触媒を、必要な添加剤(たとえば紫外線吸収剤など)とともに組成物に添加する。触媒を添加すると、シリコーン系開始物質が、重合して第一の重合体母材を形成し、MC、光開始剤および他の成分は、変化せずに、母材内に分散されたまま残る。次いで、MCを、適当な光源に晒して重合させ、必要な光学的性質の変化を引き起こすことができる。
他の具体例において、反応性メタクリレート側基を有する高分子量(>10,000)の誘導化PVA(dPVA)、反応性アクリレート側基を有する低分子量(〜1,000)のdPVAおよび光開始剤からなる水溶液を型に入れる。この具体例において、低分子量dPVAはMCである。次いで、該溶液を、紫外光に晒すと、高分子量dPVAが重合して第一の重合体母材を形成する。いくらかの低分子量dPVAも重合してもよいが、母材が形成されるとき、重要な部分は未重合のままであり、それとともに、高分子量DPVA上の遊離のメタクリレート基のいくらかは遊離のままでもよい。この未重合の低分子量dPVAは、後で重合すべく遊離しており、したがって、レンズの光学的性質の変化を引き起こすものである。同様に、PHEMAに基づく系を使用することができ、そこでは、高分子量の成分が反応性メタクリレート基を有し、かつ低分子量の成分がアクリレート系の基を有する。
以上のレンズを形成するための方法は、本発明の実施に使用できる技術を例証するものにすぎず、本発明の実施に有用なレンズを形成するための方法が他にあることは、当業者に明らかである。
本発明の方法は、矯正用の眼鏡およびコンタクトレンズを含む眼用レンズを提供するのに使用することができる。この具体例において、レンズの使用者は、まず、検査され、レンズに必要な光学的要件を決定する。これは、視力検査等の標準的な眼科学的検査方法によって行われる。
一旦、レンズの光学的要件が決定されると、あるレンズを選び、次いで、それを、あるパターンおよびある強度で外的刺激に暴露して、必要な光学的性質の変化をもたらすようにする。たとえば、遠視の患者の場合、所望の深さで部位特異的に重合を起こすような刺激または成形された光線(ビーム)に、レンズの中央部分を暴露する。近視の場合、所望の深さで部位特異的に重合を起こすような刺激または成形された光線(ビーム)に、レンズの外縁部を暴露する。老眼は、同心円のパターンでレンズを暴露し、それによって多焦点レンズを作ることにより、矯正することができる。乱視もまた、ある特定の経線にそって適当なパターンを用いることにより、矯正することができる。
一具体例において、レンズのカスタマイズは、中央施設または流通箇所において行われる。この具体例において、上述したレンズの要件は、流通箇所に送られ、レンズが選択され、各レンズは別々に外的刺激に暴露されて、必要な光学的性質の変化を生じさせる。そして、流通施設は、カスタマイズされたレンズを供給場所に送る。
別の具体例において、レンズは、供給場所でカスタマイズされる。この場合、一旦、必要なレンズの性質が決定されると、次にレンズは上述した態様で変更・修飾され、患者の要求を満たすカスタマイズされたレンズをもたらす。この第二の具体例は、レンズのより精密なカスタマイズを可能にする。矯正用のレンズまたはコンタクトレンズの場合、カスタマイズされたレンズを調製し、そのレンズを患者に装着してもらい、そのレンズによる視力矯正を評価することが可能であり、また必要であれば、レンズの矯正を最適化するよう光学的性質をさらに変えることが可能である。
実施例1
(a)10のジアセトキシメチルシランで末端がキャップ(エンドキャップ)されたポリ−ジメチルシロキサン(PDMS)(36000g/モル)、(b)ビニル−ジメチルシランで末端がキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体(DMDPS)(15,500g/モル)および(c)紫外線開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)を表1に示すように種々の量で含む複数の材料を調製し、試験した。PDMSは、第一の重合体母材を形成するモノマーであり、また、DMDPSおよびDMPAはともに、屈折調整用組成物を構成する。
Figure 2005514226
簡単に説明すると、適量のPMDS(Gelest DMS−D33、36000g/モル)、DMDPS(Gelest PDV−0325、3.0〜3.5モル%ジフェニル、15,500g/モル)およびDMPA(Acros、DMDPSに対し1.5wt%)をアルミニウム皿に秤量し、DMPAが溶解するまで室温において手動で撹拌し、ある圧力(5mtorr)において2〜4分脱気して気泡を除去した。得られたシリコーン組成物を、型に注ぐことにより、光感受性のプリズムを作製した。型は、三つのガラススライドをスコッチテープで合わせてプリズムの形にとめ、一端をシリコーンコーキング材(充填材)でシールしたものであった。プリズムは、長さ〜5cm、三辺の寸法がそれぞれ〜8mmであった。プリズム中のPDMSを、湿式硬化し、暗所で室温において7日間保存し、得られる第一の重合体母材が、非粘着性で、清浄で、かつ透明であることを確実にした。
光開始剤の量(1.5wt%)は、MCモノマーの含量を25%に固定し、光開始剤の含量を変化させた先の実験に基づいた。最高の屈折率調整が、1.5%および2wt%の光開始剤を含む組成物に対して認められた一方、5wt%では、屈折率において飽和が生じた。
実施例2
合成MCモノマー
スキーム1に示すように、市販の環状ジメチルシロキサン四量体(D)、市販の環状メチルフェニルシロキサン三量体(D’)を種々の比率で、15トリフリックアシッド(triflic acid)により開環させ、そして、ビス−メタクリルオキシルプロピルテトラメチルジシロキサン(MPS)を一容器(ポット)合成において反応させた。米国特許明細書第4,260,725号、Kunzler,J.F.,Trends in Polymer Science,4:52−59(1996)、Kunzler他、J.Appl.Poly.Sci.,55:611−619(1995)、およびLai他、J.Poly.Sci.A.Poly.Chem.,33:1773−1782(1995)
Figure 2005514226
スキーム1
RMCモノマー
簡単に説明すると、適量のMPS、D、およびD’をバイアル中で1.5〜2時間撹拌した。適量のトリフリックアシッド(triflic acid)を添加し、得られた混合物を、さらに20時間、室温で撹拌した。反応混合物を、ヘキサンで希釈し、ソディウム ビカーボネート(sodium bicarbonate)の添加によって(酸を)中和し、そして、無水硫酸ナトリウムの添加によって乾燥した。ろ過およびヘキサンのロータリーエバポレーションの後、MCモノマーを活性炭カラムを介したさらなるろ過により精製した。そして、MCモノマーを5mtorrの圧力において70〜80℃で12〜18時間乾燥した。
組み込まれたフェニル基、メチル基および末端基の量を、内部標準テトラメチルシラン(TMS)を含まない重水素化クロロホルム中で測定したH−NMRスペクトルから計算で求めた。いくつかの合成したMCモノマーの化学シフトの具体例を以下に示す。5.58モル%のフェニル基を含有する1000g/モルのMCモノマー(以下のものを反応させて合成:4.85g(12.5ミリモル)のMPS、1.68g(4.1ミリモル)のD’、5.98g(20.2ミリモル)のD、および110μl(1.21ミリモル)のトリフリックアシッド(triflic acid)):δ=7.56−7.57ppm(m,2H)芳香族、δ=7.32−7.33ppm(m,3H)芳香族、δ=6.09ppm(d,2H)オレフィン、δ=5.53ppm(d,2H)オレフィン、δ=4.07−4.10ppm(t,4H)−O−C CHCH−、δ=1.93ppm(s,6H)メタクリレートのメチル基、δ=1.65−1.71ppm(m,4H)−O−CH CH−、δ=0.54−0.58ppm(m,4H)−O−CHCH −Si、δ=0.29−0.30ppm(d,3H)、C −Si−フェニル、δ=0.04−0.08ppm(s,50H)主鎖の(C Si。
5.26モル%のフェニル基を含有する2000g/モルのMCモノマー(以下のものを反応させて合成:2.32g(6.0ミリモル)のMPS、1.94g(4.7ミリモル)のD’、7.74g(26.1ミリモル)のD、および140μl(1.54ミリモル)のトリフリックアシッド(triflic acid)):δ=7.54−7.58ppm(m,4H)芳香族、δ=7.32−7.34ppm(m,6H)芳香族、δ=6.09ppm(d,2H)オレフィン、δ=5.53ppm(d,2H)オレフィン、δ=4.08−4.11ppm(t,4H)−O−C CHCH−、δ=1.94ppm(s,6H)メタクリレートのメチル基、δ=1.67−1.71ppm(m,4H)−O−CH CH−、δ=0.54−0.59ppm(m,4H)−O−CHCH −Si、δ=0.29−0.31ppm(m,6H)、C −Si−フェニル、δ=0.04−0.09ppm(s,112H)主鎖の(C Si。
4.16モル%のフェニル基を含有する4000g/モルのMCモノマー(以下のものを反応させて合成:1.06g(2.74ミリモル)のMPS、1.67g(4.1ミリモル)のD’、9.28g(31.3ミリモル)のD、および160μl(1.77ミリモル)のトリフリックアシッド(triflic acid)):δ=7.57−7.60ppm(m,8H)芳香族、δ=7.32−7.34ppm(m,12H)芳香族、δ=6.10ppm(d,2H)オレフィン、δ=5.54ppm(d,2H)オレフィン、δ=4.08−4.12ppm(t,4H)−O−C CHCH−、δ=1.94ppm(s,6H)メタクリレートのメチル基、δ=1.65−1.74ppm(m,4H)−O−CH CH−、δ=0.55−0.59ppm(m,4H)−O−CHCH −Si、δ=0.31ppm(m,11H)、C −Si−フェニル、δ=0.07−0.09ppm(s,272H)主鎖の(C Si。
同様にして、メチルフェニルシロキサン単位なしでメタクリルオキシプロピルジメチルシランで末端がキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン重合体の合成を、MPSに対するDの割合を変えて、D’を組み込まずに行った。
分子量は、H−NMRおよびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求めた。絶対分子量は、ユニバーサルキャリブレーション法より、ポリスチレンおよびポリ(メチルメタクリレート)標準物質を用いて求めた。トリフリックアシッド(triflic acid)開環重合によって合成された他のMCモノマーの特性を表2に示す。
Figure 2005514226
10〜40wt%でシリコーン母材中に組み込んだとき、これらのMCモノマー(その分子量は1000〜4000g/モルで、そのフェニル基含量は3〜6.2モル%)は、完全に混和でき、生体適合性であり、かつ光学的に透明なプリズムおよびレンズを形成する。表1で使用したMCモノマー(ビニルジメチルシランで末端がキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体(DMDPS)(3〜3.5モル%のジフェニル基含量、15500g/モル)に比べ、より高いフェニル基含量(4〜6モル%)およびより低い分子量(1000〜4000g/モル)を有するMCモノマーは、屈折率を2.5倍高くし、拡散速度が3.5〜5.0倍大きかった。これらのMCモノマーを、光学部材を作製するのに使用した。光学部材は、(a)ジアセトキシメチルシランで末端がキャップ(エンドキャップ)されたポリ−ジメチルシロキサン(PDMS)(36000g/モル)、(b)メタクリルオキシルプロピルジメチルシラン基で末端がキャップ(エンドキャップ)されたジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、および(c)2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)からなるものである。ここで、成分(a)は、第一の重合体母材を形成するモノマーであり、かつ、成分(b)および(e)は、屈折調整組成物を構成する。
実施例3
眼内レンズ(IOL)の製造
眼内用の成形物を、良く受け入れられている標準に従って設計した。米国特許明細書第5,762,836号、第5,141,678号および第5,213,825号参照。簡単に説明すると、成形物は、−6.46mmおよび/または−12.92mmの曲率半径をそれぞれ有する二つの平凹表面の周りに造った。得られた複数のレンズは、直径6.35mmであり、使用した凹レンズ表面の組み合わせに応じて、0.64mm、0.98mmまたは1.32mmの厚みを有する。三つの可能な組み合わせにおいて二種の異なる曲率半径を使用し、IOL組成物の公称屈折率を1.404として、照射前の倍率が10.51D(空気中62.09D)、15.75D(空気中92.44)および20.95D(空気中121.46D)の複数のレンズを作製した。
将来実施例3A(コンタクトレンズ)
実施例4
浸出に対する組成物の安定性
30wt%および10wt%のMCモノマーBおよびDが60wt%のPDMS母材中に組み込まれた三種のIOLを作製した。PDMSを湿式硬化して第一の重合体母材を形成した後、水溶液中の遊離MCモノマーの存在について、次のとおり分析した。三つのレンズのうち二つを、340nmの光を用いて、2分間、三回照射した。一方、三つ目のレンズは、照射を全くしなかった。次いで、照射されたレンズの一つを、レンズ全体を放射線に暴露することにより固定した。三つのすべてのレンズを、1.0MのNaCl溶液中で3日間、機械的に震とうした。次いで、NaCl溶液をヘキサンで抽出し、H−NMRによって分析した。NMRスペクトルには、MCモノマーに由来するピークが認められなかった。この結果は、三つのすべて場合において、MCモノマーが母材から水相中に溶脱していなかったことを示唆する。ビニル基で末端をキャップ(エンドキャップ)したシリコーンMCモノマーに関する以前の研究では、1.0MのNaCl溶液に1年以上保持した後でも、同様の結果が示された。
実施例5
ウサギの眼における毒性試験
滅菌した未照射および照射の本発明によるシリコーンIOL(例3で述べたように製造)と、滅菌した市販のシリコーンIOLを、アルビノラビットの眼に移植した。一週間、眼を臨床的に追跡した後、ウサギを殺した。眼を摘出し、ホルマリン中に置き、組織病理学的に検査した。角膜に対する毒性、前上葉区の炎症、その他レンズ毒性を示す証拠はいずれもない。
実施例6
シリコーンプリズムの照射
プリズムは、屈折率の変化(n)および正味の屈折率変化百分率(%n)を測定するのが簡単であるため、本発明による調製物を、照射および特徴付けのため、プリズムに成形した。(a)90〜60wt%の高分子量(高Mn)PDMS、(b)10〜40wt%の表2に示すMCモノマー、および(c)0.75wt%(MCモノマーに対して)の光開始剤DMPAを混合し、長さ5cm、各辺8.0mmのプリズムの形をしたガラス型に注いで、プリズムを作製した。プリズム中のシリコーン組成物を、湿式硬化させ、暗所で室温において7日間保存して、仕上がった母材が、非粘着性で、清浄で、かつ透明であることを確実にした。
各プリズムの長い側面の二つを黒いバックグラウンドで覆い、一方、三つ目を、長方形の窓(2.5mm×10mm)を有するアルミニウム板製のフォトマスクで覆った。各プリズムを、種々の時間、1000WのXe:Hgアーク灯からの3.4mW/cmの平行化された340nm光束(光開始剤の吸収ピーク)に暴露した。ANSIガイドラインによれば、網膜に対する最大許容露光量(MPE)は、10〜30000秒の340nm露光で、1000mJ/cmである。眼および皮膚の露光の基準。米国標準規格Z136.1:31−42(1993)。340nmの光を3.4mW/cmで2分間、一回照射したときの線量強度は、408mJ/cmに相当する。これは、十分に上述したANSIガイドラインの範囲内である。図2は、プリズム照射過程を図解するものである。
(i)連続照射(既知の時間の一回の露光)および(ii)断続照射(三回より短い露光で、露光と露光の間に長時間の間隔をおく)の両方にプリズムを供した。連続照射の間、屈折率の差は、架橋密度およびフェニル基のモル%に依存する一方、断続照射では、MCモノマーの拡散およびさらなる架橋もまた、重要な役割を果たす。断続照射の間、MCモノマーの重合は、各露光中の伝播速度に依存するとともに、露光と露光の間の遊離MCモノマーの内部拡散度にも依存する。シリコーン母材におけるオリゴマー(本発明の実施に用いられる1000g/モルのMCモノマーに類似)の拡散係数の典型的な値は、10−6〜10−7cm/sのオーダーである。すなわち、本発明によるMCモノマーは、1mm(照射帯のおおよそ半分の幅)拡散するのに約2.8〜28時間要する。IOLにおいて、典型的な光学領域(光学ゾーン)の距離は、約4〜約5mm幅である。しかし、光学領域の距離は、このような範囲の外であってもよい。適当な露光の後、中圧水銀アーク灯を用いて6分間、フォトマスクなしでプリズムに照射した(したがって、母材全体を露光した)。これにより、残りのシリコーンMCモノマーを重合し、したがって、プリズムの屈折率をしかるべきところに「固定」した。注目すべきことに、局部的な露光と「固定」露光を合わせた全体の照射量は、依然としてANSIガイドラインの範囲内であった。
実施例7
プリズム照射量−応答曲線
表2に示されたMCモノマーから作製された本発明によるプリズムをマスクし、1000WのXe:Hgアーク灯から3.4mW/cmで340nm線に0.5、1、2、5、および10分間、最初に暴露した。プリズムの暴露された領域にしるしをつけ、マスクをはずし、そして、屈折率の変化を測定した。プリズムの屈折率の変化は、プリズムを通過する一面のレーザー光の偏向を観測することにより測定した。露光領域および未露光領域を通過する光の偏向の差を用いて、屈折率の変化(Δn)および屈折率の変化百分率(%Δn)を定量した。
三時間後、すでに露光した領域に重ねて上記窓でプリズムを再びマスクし、第二回目の照射を、0.5、1、2、および5分間(従ってそれぞれ合計1、2、4、および10分間)行った。マスクをはずし、屈折率の変化を測定した。さらに三時間の後、プリズムの第三回目の露光を、0.5、1、および2分間(従って、合計1.5、3、および6分間)行い、屈折率の変化を測定した。予想したように、各プリズムについて、%Δnは、各露光後、露光時間とともに増加し、典型的な照射量−応答曲線をもたらした。これらの結果に基づき、1000g/モルのMCモノマーに対し、約3時間で、十分なMCモノマーの拡散が起こることが明らかになった。
MCモノマーAを除くすべてのMCモノマー(B〜F)が、それぞれの露光前および露光後、光学的に清澄で透明なプリズムをもたらした。たとえば、60wt%のFPMCに40wt%で組み込んだMCモノマーB、CおよびDについて、最大%nは、それぞれ0.52%、0.63%および0.30%であり、これは、6分の露光合計に対応するものであった(2分の露光を3回行い、MCモノマーBについては3時間の間隔、MCモノマーCおよびDについては3日間の間隔をあけて各露光を行った)。一方、屈折率の変化が最も大きかった(0.95%)にもかかわらず、MCモノマーAから作製されたプリズムは、いくらか濁っていた(同様に60wt%のFPMC中に40wt%で組み込み、露光合計を6分とした(2分の露光3回で、各露光は、3時間の間隔をあけて行った))。したがって、MCモノマーAをIOLの作製に使用する場合、MC中のMCモノマーAは40wt%未満とするか、材料の光学的透明性が損なわれる点よりも低いところで%Δnを維持する必要がある。
プリズムにおけるMCのAおよびCについて連続照射と断続照射とを比較して明らかなところは、連続照射による露光の方が、断続照射を用いて認められるものよりも、プリズムにおいて%Δn値が低くなることである。これらの結果から示されるように、露光と露光の間の時間的間隔(これは、未露光領域から露光領域へのMCの拡散量に関係する)を利用して、本発明による重合体組成物からなる任意の材料の屈折率を精密に調整することができる。
すでに照射されたプリズム全体を中圧Hgアーク灯に暴露することにより、残りの遊離MCが重合され、屈折率の差(コントラスト)が有効に固定された。光固定の前後で屈折率の変化を測定したところ、屈折率はさらに変化していないことが分かった。
実施例8
IOLの光学特性
トールボット干渉分光法およびロンキーテストを用いて、照射の前後にレンズに存在する一次光学収差(一次球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、および歪)を定性的および定量的に測定するとともに、光重合時の倍率変化を定量した。
トールボット干渉分光法では、試験IOLを2種のロンキー罫線の間に置き、第二の回折格子をIOLの焦点の外側に置いて、第一の回折格子に対して既知の角度θで回転させた。
第一のロンキー罫線(p=300ライン/インチ)のオートイメージを第二の回折格子(P=150ライン/インチ)に重ね合わせることにより、角度αで傾斜したモアレ縞ができる。第二のモアレ縞模様は、光学軸に沿った第二のロンキー罫線の軸変位(試験レンズからの既知の距離d)によって作られる。第二の回折格子の変位によって、第一のロンキー罫線のオートイメージは、倍率が増加させられ、観察されるモアレ縞模様は、新たな角度αに回転するようになる。モアレピッチ角度が分かれば、次の式によって、レンズの焦点距離(または逆数であるその倍率)の決定が可能になる。
Figure 2005514226
この研究にトールボット干渉分光法が利用できることを示すため、予め照射された本発明によるIOLの一つ(60wt%PDMS、30wt%MCモノマーB、10wt%MCモノマーD、および0.75%DMPA(二つのMCモノマーに対し))の空気中で測定したモアレ縞模様を図3に示す。モアレ縞のそれぞれは、モアレ模様処理のため特別に設計した最小二乗適合アルゴリズムにあてはめられた。二種のロンキー罫線間の角度を12°に設定し、第一および第二のモアレ縞模様間の第二のロンキー罫線間の変位は4.92mmであった。また、モアレ縞のピッチ角度(装置の光学軸によって規定された、二種のロンキー罫線と90°で交差する直交座標系に対して測定されたもの)は、α=−33.2±0.30およびα=−52.7±0.40であった。これらの数値を上記方程式に代入すると、10.71±0.50mmの焦点距離(倍率=93.77±4.6D)が得られる。
本発明によるIOLの光学収差(製造の後または刺激により誘発されるMC成分の重合の後のいずれか)を、「ロンキーテスト」を用いてモニターした。このテストでは、トールボット干渉計から第二のロンキー罫線を除き、試験IOLを通過した後の第一のロンキー罫線の拡大されたオートイメージを観測する。試験レンズの収差は、像平面で見たとき、縞系の幾何学的な歪(ロンキー罫線によって作られる)によって現れる。歪んだ像があれば、レンズの収差が明らかになる。概して、本発明により作製されたレンズ(照射処理の前および後の両方において)は、シャープで平行で周期的な間隔の干渉縞を示し、一次の光学的収差の大半が存在しないことを示すとともに、光学的表面の高い品質、バルクにおけるnの均質性、および一定のレンズ倍率を示す。図4は、本発明による予め照射されたIOLのロンキーグラムの具体例である。このレンズは、60wt%のPDMS、30wt%のMCモノマーB、10wt%のMCモノマーD、および0.75%のDMPA(2つのMCモノマーに対して)から調製された。
単一のロンキー罫線を用いて、屈折された波面の収束度(すなわち倍率)を測定することもできる。この測定では、試験IOLを第一のロンキー罫線に接触させて置き、平行化した光をロンキー罫線に入射させ、そして、レンズおよび拡大したオートイメージを観測スクリーンに投影する。オートイメージの拡大によって、投影された縞模様の空間周波数を測定することにより、屈折波面の曲率を測定することができる。以上述べたことは、次の方程式によって定量化される。
Figure 2005514226
式中、Pはジオプターで表されるレンズの倍率であり、Lはレンズから観測面までの距離であり、dは第一のロンキー罫線の拡大された縞間隔であり、かつdは当初の回折格子間隔である。
実施例9
本発明によるIOLの光重合からの倍率変化
本発明によるIOLを実施例3に記載されるとおり作製した。そのIOLは、60wt%のPDMS(n=1.404)、30wt%のMCモノマーB(n=1.4319)、10wt%のMCモノマーD(n=1.4243)、および0.75wt%の光開始剤DMPA(二つのMCモノマーの重量百分率を合わせたものに対して)からなる。IOLは、1mm直径のフォトマスクと合わされ、1000WのXe:Hgアーク灯からの3.4mW/cmの340nm平行光に2分間暴露された。次いで、照射されたレンズを、暗所に3時間置き、重合およびMCモノマーの拡散を行わせた。上述した光条件を用いて、レンズ全体を6分間、連続的に露光することにより、IOLを光固定した。モアレピッチ角度を測定し、次いで、方程式1に代入することにより、95.1±2.9Dの倍率(f=10.52±0.32mm)および104.1±3.6Dの倍率(f=9.61mm±0.32mm)が、未照射領域および照射領域に対しそれぞれ得られた。
この倍率上昇の大きさは、0.6%の屈折率増加が定常的に得られたプリズムの実験から予想されるものより大きかった。IOLにおいて同じような屈折率の増加が得られるのなら、予測される屈折率の変化は、1.4144から1.4229となるはずである。レンズ倍率(空気中)の計算に新たな屈折率(1.4229)を用い、光重合時にレンズの大きさが変わらないとして、96.71D(f=10.34mm)のレンズ倍率が求められた。この値は、観測された倍率である104.1±3.6Dより小さいため、他のメカニズムが倍率のさらなる上昇に寄与しているはずである。
光重合IOLのさらなる研究の結果、最初の照射暴露の後に起こるMCモノマーの拡散が、レンズの曲率半径の変化をもたらすことが明らかになった。たとえば図5参照。MCモノマーが未照射領域から照射領域に移動することによって、レンズの前表面と後表面のいずれかまたは両方が膨張し、従って、レンズの曲率半径が変わる。両表面について曲率半径が7%減少すれば、観測されたレンズ倍率の上昇が十分に説明できることが明らかになった。
この付随する曲率半径の変化をさらに調べた。上述と同じIOLを作製した。このIOLのロンキーインターフェログラム(干渉写真)を図6aに示す(左のインターフェログラム)。トールボット干渉計を用いて、レンズの焦点距離を実験的に測定したところ、10.52±0.30mm(95.1D±2.8D)であった。次いで、IOLは、1mm直径のフォトマスクと合わされ、1000WのXe:Hgアーク灯からの3.4mW/cmの340nm平行光に2.5分間、連続的に暴露された。先のIOLとは異なり、このレンズは、照射後3時間で「固定」されなかった。図6b(右のインターフェログラム)は、照射後6日に取られたレンズのロンキーインターフェログラムである。これら二つの干渉模様の間で最も明らかな特徴は、縞間隔の劇的な増加であり、これは、レンズの屈折倍率の増加を示すものである。
縞間隔の測定によって、約+38ジオプター(空気中)(f≒7.5mm)の増加が明らかになった。これは、眼において、約+8.6ジオプターのオーダーの変化に相当する。白内障手術からの術後の矯正のほとんどが、2ジオプターの範囲内であるため、この実験は、本発明によるIOLの利用によって、相対的に長い治療期間が可能になることを示している。
実施例10
フェニル基を含まないIOLの光重合の研究
フェニル基を有さないMCモノマーを含有する本発明によるIOLを作製し、第二の重合体母材の形成からの膨張を調べた。そのようなIOLの具体例は、60wt%のPDMS、30wt%のMCモノマーE、10wt%のMCモノマーF、および0.75%のDMPA(2つのMCモノマーに対して)から調製した。得られたIOLの照射前の焦点距離は10.76mm(92.94±2.21D)であった。
この実験において光源は、He:Cdレーザーからの325nmレーザー光線であった。レンズを、1mm直径のフォトマスクで覆い、325nmで0.75mW/cmの平行化光束に2分間暴露した。次いで、レンズを暗所に3時間置いた。実験測定により、IOLの焦点距離が10.76mm±0.25mm(92.94D±2.21D)から8.07mm±0.74mm(123.92D±10.59D)に変化し、空気中の光屈折変化が+30.98D±10.82Dであることが明らかになった。これは、眼における約+6.68Dの変化に相当する。これらの変化を引き起こすのに必要な照射量は、わずかに0.09J/cmであり、これは、ANSI最大許容露光量(MPE)レベルである1.0J/cmを十分下回る値である。
実施例11
環境光によるIOL変化の可能性の監視
取り扱いおよび環境光の条件がレンズ倍率の不必要な変化をもたらさないことを明らかにするため、本発明によるIOLの光学倍率および品質をモニターした。
1mm開口直径のフォトマスクを本発明によるIOL(60wt%のPDMS、30wt%のMCモノマーE、10wt%のMCモノマーF、および0.75%のDMPA(2つのMCモノマーに対して)を含む)の中央領域にかぶせ、室内灯に連続して96時間さらし、ロンキー模様の空間周波数およびモアレ縞角度を24時間ごとにモニターした。モアレ縞の方法を使用して、大気中測定したレンズの焦点距離は、レンズ型から取り出した直後において10.87±0.23mm(92.00D±1.98D)であり、室内灯への96時間暴露後において10.74mm±0.25mm(93.11D±2.22D)であった。したがって、測定の実験誤差の範囲内で環境光は倍率に不必要な変化を生じさせないことが分かった。得られたロンキー模様の比較から、干渉模様の空間周波数および質に変化がないことが分かり、本発明によるIOLの倍率または品質は、室内光への暴露に影響されないことが確かめられた。
実施例12
照射されたIOLの固定工程の影響
照射により倍率をすでに調整した本発明によるIOLを試験し、固定工程がレンズの倍率をさらに変化させるかどうか調べた。60wt%のPDMS、30wt%のMCモノマーE、10wt%のMCモノマーF、および0.75%のDMPA(2つのMCモノマーに対して)から調製されたIOLに、He:Cdレーザーから0.75mW/cmの325nmレーザー光線を2分間照射し、さらに、中圧Hgアーク灯による露光を8分間行った。この固定工程の前後におけるトールボットイメージの比較から、レンズ倍率は変化しないままであったことが分かった。シャープなコントラストの干渉縞から、本発明によるレンズの光学的品質もまた変化をうけていないことが分かった。
固定工程が完全であるかどうかを確かめるために、IOLを再度、1mm直径のフォトマスクに合わせ、0.75mW/cmの325レーザー光線による二回目の露光を2分間行った。以前のとおり、縞間隔およびレンズの光学的品質に変化は認められなかった。
実施例13
固定からのIOL変化の可能性の監視
移植されたIOLが手術後に倍率調整を必要としない状況もあり得る。そのような場合、IOLを固定して、その特性が変化にさらされないようにする必要がある。固定工程によって、それまで未照射のIOLの屈折倍率に不必要な変化が引き起こされるかどうか確かめるため、本発明によるIOL(60wt%のPDMS、30wt%のMCモノマーE、10wt%のMCモノマーF、および0.75%のDMPA(2つのMCモノマーに対して)を含む)に、その全領域にわたって2分間の照射を3回行った。照射は、He:Cdレーザーからの0.75mW/cmの325レーザー光線を用いて、3時間の間隔で行った。順々に行われる各照射の前後において、ロンキーグラムおよびモアレ縞模様を取った。大気中での本発明によるIOLから取られたモアレ縞模様から、レンズ型から取り出した直後において、および、三回目の2分照射後において、焦点距離がそれぞれ10.50mm±0.39mm(95.24D±3.69D)および10.12mm±0.39mm(93.28D±3.53D)であることが分かった。これらの測定値から、それまで未露光のレンズを光固定することによって、不必要な倍率の変化は生じないことが分かった。さらに、縞間隔またはロンキー縞の質に認識可能な変化は検出されず、固定によって屈折倍率は変化しなかったことが明らかになった。
第三の具体例において、レンズは、中央の施設において製造され、最初のカスタマイズは、その場所において行われる。次いで、レンズは、供給場所に送られる。レンズはさらに供給場所において、レンズ使用後の患者からの意見(フィードバック)に基づいて、修飾・変更することができる。
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、当然のことながら、添付の請求の範囲によって規定される本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換および代替が可能である。さらに、本願の範囲は、明細書に記載されたプロセス、装置、製造、組成物、手段、方法および工程の特定の具体例に限定されるものではない。当業者が本発明の開示から容易に理解できるように、プロセス、装置、製造、組成物、手段、方法および工程で本明細書に記載された対応する具体例と同じ機能または結果をもたらすものは、現存するもの、後で開発されるものを問わず、本発明に従って用いることができる。したがって、添付の請求の範囲は、そのようなプロセス、装置、製造、組成物、手段、方法または工程を、その範囲に含むことを意図している。

Claims (15)

  1. レンズの光学的要件を決定する工程、および自己完結型のレンズを外的刺激に暴露し、それによって前記光学的要件を満たすよう前記レンズの光学的性質の変化を引き起こす工程を含み、前記レンズは、前記刺激への暴露によって達成されるような刺激により誘発される重合および変化が可能な改質組成物を含むものである、カスタマイズされたレンズを調製するための方法。
  2. 前記カスタマイズする工程が生体内で行われる請求項1の方法。
  3. 前記カスタマイズする工程が生体外で行われる請求項1の方法。
  4. 前記レンズがコンタクトレンズである請求項1の方法。
  5. 前記レンズが眼鏡の矯正用レンズである請求項1の方法。
  6. 前記改質組成物が光重合可能な成分である請求項1の方法。
  7. 前記レンズのブランクが第一の重合体母材をさらに含む請求項1の方法。
  8. レンズの光学的要件を決定する工程が、患者の眼科学的検査を行うことを含む請求項1の方法。
  9. 前記外的刺激が光である請求項1の方法。
  10. 前記光が紫外光である請求項1の方法。
  11. a.検査を行って、レンズに必要な光学的性質を決定すること、
    b.レンズを外的刺激に暴露して、レンズに必要な光学的性質を満たすようにレンズの光学的性質に変化を引き起こすこと、
    を含むカスタマイズされたレンズを調製するための方法。
  12. 前記レンズは、レンズ内に分散された改質組成物を含み、前記改質組成物は刺激によって誘発される重合が可能なものである請求項11の方法。
  13. レンズを外的刺激に再度暴露して、レンズのブランクの光学的性質の変化をさらに引き起こす工程をさらに含む請求項11の方法。
  14. 前記改質組成物が光重合可能な成分を含む請求項11の方法。
  15. 前記外的刺激が光である請求項11の方法。

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