JP2005514041A - ミコバクテリウム・パラツベルクローシス感染の診断薬及びワクチン - Google Patents

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Abstract

本発明は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列、前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部、前記核酸配列またはその一部を含むDNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリア及び宿主細胞に関する。本発明はまた、前記配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性部分に関する。本発明は更に、前記核酸配列及びその一部、前記核酸配列またはその一部を含むDNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリア及び宿主細胞、タンパク質またはその免疫原性部分、並びに前記タンパク質またはその免疫原性部分に対する抗体を含むワクチンに関する。また、本発明はワクチン中及びワクチンの作成のための前記タンパク質の使用に関する。更には、本発明は診断薬またはワクチン接種の目的のための前記核酸配列、タンパク質または抗体の使用に関する。本発明は前記ワクチンの作成方法にも関する。最後に、本発明は前記核酸、タンパク質または前記タンパク質に対する抗体を含む診断キットに関する。

Description

本発明は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis)タンパク質をコードする核酸配列、前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部、前記核酸配列またはその一部を含むDNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリア及び宿主細胞に関する。本発明はまた、前記配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性部分に関する。本発明は更に、前記核酸配列及びその一部、前記核酸配列またはその一部を含むDNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリア及び宿主細胞、タンパク質またはその免疫原性部分、及び前記タンパク質またはその免疫原性部分に対する抗体を含むワクチンに関する。また、本発明はワクチン中及びワクチンの作成のための前記タンパク質の使用に関する。更には、本発明は診断薬またはワクチン接種の目的のための前記核酸配列、タンパク質または抗体の使用に関する。本発明は前記ワクチンの作成方法にも関する。最後に、本発明は前記核酸、タンパク質または前記タンパク質に対する抗体を含む診断キットに関する。
ミコバクテリウム属の細菌はグラム陽性抗酸性微生物である。この属には、多数の重要なヒト及び動物病原体が含まれている。その中には、現在世界中で食肉及び乳製品業界において非常に多大な経済的損失を招く反芻動物の病気につながる慢性肉芽腫感染である傍結核症またはヨーネ病の原因菌であるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスがある。世界中で家畜の群の大部分(20〜70%)が感染している。ヨーロッパでの毎年の推定損失は約GBP 207/乳牛である。米国での毎年の推定損失は約15億米国ドルである(N.B.Harris及びR.G.Barletta,Clinical Microloby Reviews,14:489−512(2001))。
ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスは、反芻動物における明白な病原性に加えて、最も一般的に遠位回腸及び結腸に影響を及ぼすだけでなく口から肛門及び肛門周囲部分までの胃腸管の任意の部分でも起こり得るヒトの非特異的慢性経壁炎症性疾患であるクローン病の原因であると疑われている(P.Quirke,Gut,45:755−760(2001);「クローン病とパラツベルクローシスの可能性ある関係(Possible links between Crohn's disease and Paratuberculosis)」,ヨーロッパ委員会,D−G健康及び消費者の保護(D-G Health and Consumer Protection),2000年3月21日付の動物健康及び動物福祉に関する科学委員会の報告書(Report of the Scientific Committee on Animal Health and Animal Welfare))。クローン病の重大な問題の1つはこの病気の治療法がない事実である。この病気の状態は、いったんかかると一生そのままで、死亡率が高くなる。
低温殺菌乳中に予期せずにミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスのより高熱耐性の株が存在していることに加えて、その株がクローン病の発生に関与していると疑われることから、人口に対する潜在的健康影響に関する関心が増えつつある。この最近の予期せぬ所見はN.Sung及びM.T.Collins,Appl.Environm.Microbiol.,64:999−1005(1998)に記載されている。この問題に対する意識が高まると、傍結核症をコントロール及び根絶するのに有効な診断薬及びワクチンの開発に対する緊急性が再び生じた。
ミコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)はミコバクテリウムの大部分を占め、3つの亜種、すなわちにミコバクテリウム・アビウム亜種アビウム(avium)、ミコバクテリウム・アビウム亜種シルバチクム(silvaticum)及びミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに分類され得る。ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウムは土壌及び健康に見える動物を含めた自然環境、鳥類及び動物に広く分布している。ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウム単離物は日和見病原体であり、通常免疫低下宿主において感染及び病気を生じさせる。ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウム株104の完全ゲノム配列が現在決定されている。ミコバクテリウム・アビウム亜種シルバチクムはシカにおいて傍結核症に似た病気を生じさせ得る。多くの反芻動物は6ヶ月齢前でもミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに感染するが、病気は通常少なくとも2歳以降になってからしか発症しない。この間細菌は宿主細胞の内部で生存していると考えられるが、細菌が糞便中に検出されるようになる期間胃腸管の内腔で感染の細胞外エピソードも起こる(感染の後期段階では頻度が高くなる)。現在利用されているミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する(免疫)診断薬の感度、特に初期または不顕性感染の検出に関する感度は比較的低く、従って前記診断薬は病気コントロールのためのツールとして有効でない。家畜の群を病気から守るのに有効であると一部考えられている全細胞ミコバクテリアワクチンが使用されるが、このワクチンはウシ結核症の免疫診断を本質的に干渉し、病気の伝染を抑制しない。今までにミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの幾つかの抗原成分が同定された。既に公開されているミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの抗原分子は糖脂質及び小型実験動物で生じた本質的に単一特異性早期血清を用いて同定されたタンパク質抗原からなる。細胞壁糖脂質分子リポアラビノマンナン(LAM)は細菌が放出する細胞濾液に対するモノクローナル抗体により認識することにより同定され、その後血清診断的ELISAの開発のために精製され、使用された(Muthariaら,Infect.Immun.,65:387−394(1997);Jarkら,Vet.Microbiol.,51:189−198(1997))。加えて、分子量14kD(Olsenら,Clin.Diagn.Lab.Immunol.,8:797−801(2001))、18kD(バクテリオフェリチン;Elsaghierら,Clin.Exp.Immunol.,90:503−508(1992))、19kD(AhpD;Olsenら,Infect.Immun.,68:801−808(2000))、24kD(p24BCD;;Elsaghierら,Clin.Exp.Immunol.,90:503−508(1992))、30kD(p30;Burrelsら,Vet.Immunol.Immunpathol,45:311−320(1995))、34kD(Gilotら,J.Bact.,175:4930−4935(1993);DeKeselら,J.Clin.Microbiol.,31:947−954(1993);Coetsierら,Clin.Diagn.Lab.Immunol.,5:446−451(1998))、34.5kD(Muthariaら,Infect.Immun.,65:387−394(1997))、35kDタンパク質(Dheenadhayalan及びChang,未公開データー)、38kD(Elsaghierら,Clin.Exp.Immunol.,90:503−508(1992))、44.3kD(Muthariaら,Infect.Immun.,65:387−394(1997))、45kD(AhpC;Olsenら,Infect.Immun.,68:801−808(2000))、65kD(hsp65;Koetsら,Vet.Immunol.Immunopath.,70:105−115(1999))、70kD(hsp70;Stevensonら,Nucleic Acids Res.,19:4552(1991);Koetsら,Vet.Immunol.Immunopathol.,70:105−115(1999))を有するタンパク質抗原、及びスーパーオキシドジムスターゼ分子(Mulleradら,FEMS Immunol.Med.Microbiol.,34:81(2002))が同定され、部分的に特徴づけられた。これらの幾つかしか診断薬またはワクチンの開発のために評価されていない(34kD;Coetsierら,Clin.Diagn,Lab.Immunol.,5:446−451(1998))。従って、現在の診断薬及びワクチンは依然としてかなり粗な抗原物質をベースとしている。リポアラビノマンナン(Muthariaら,Infect.Immun.,65:387−394(1997);Jarkら,Vet.Microbiol.,57:189−198(1997))及び34kD抗原(Gilotら,J.Bact.,175:4930−4935(1993);DeKeselら,J.Clin.Microbiol.,31:947−954(1993);Coetsierら,Clin.Diagn.Lab.Immunol.,5:446−451(1998))は診断薬及びワクチンへの使用のためにDE19621488及びWO9216628に記載されている。幾つかの他の分子が診断薬、ワクチン及び治療薬中に使用されている。挿入配列ISM−1(EPO288306及びUS5225324)、マイコバクテリアDAP分子(US9523226)、36kD抗原(US5776692)、可溶性抗原調製物(RU2118538)、鉄還元能力を有する細胞外タンパク質(DE19728834)及びアシラーゼ(国際特許出願公開第9949054号パンフレット)上でコードされるタンパク質が存在する。
本発明の目的は、哺乳動物、より具体的にはヒト及びウシにおけるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの病原作用に対する保護を与えることができるポリペプチドを提供することである。更に、多数の前記ポリペプチド及び前記ポリペプチドに対する抗体が有効な診断ツールを提供する。
今や驚くことに、先ず9種のポリペプチドが発現ライブラリーにおいて特異的に同定され、単離され、2つの追加ポリペプチドがプロテオミクスで同定され、これらの各ポリペプチドは、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する免疫応答を誘導でき、ワクチン成分として適当であることが知見された。
本発明者らは、前記ポリペプチドが単独でまたは相互に組み合わせてワクチン成分として使用され得、哺乳動物、より具体的にはヒト及びウシにおけるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染に対する保護を与えるために実際寄与し、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスにより生ずるダメージを減らすのを助けることを知見した。
本発明のワクチン成分(該ワクチン成分をコードする遺伝子)及び診断ツールを検出するために3種のアプローチを使用した。これらのアプローチは実施例により詳細に記載されている。1つのアプローチでは、発現ライブラリー中で免疫反応性ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする遺伝子を検出するために非常に特異的な抗血清を使用している。使用した抗血清は、この抗血清がミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに長期間感染したウシから得た点で発現ライブラリーのスクリーニングのために通常使用されている抗血清と異なる。更に、前記抗血清はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに自然に感染したことが判明しているが、結核、ブルセラ症またはロイコーシスに感染した病歴のないウシから採取した。このことは、スクリーニングに使用するための試験血清を得る前の約2年以内の少なくとも2つの糞便サンプルがミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス陽性であったという所見及び傍結核を引き起こし、パラツベルクローシス抗原と交差反応する菌に対する抗体または他の免疫応答が本質的にないという所見から明らかであった。こうして採取した血清はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス抗原に対する免疫スクリーニングにおいて非常に有用である。なぜならば、前記血清は関連ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスペプチド断片に対して非常に広く反応性であるのに対して、傍結核、ブルセラ症またはロイコーシスを引き起こす病原体との特異的反応性を本質的に全くまたは非常に少ししか示さないからである。
このアプローチにより、コード配列が下記するように配列番号1、3及び5に示される3つの新規な免疫原性タンパク質の所見が得られた。
今回、第1タンパク質をコードする遺伝子をクローン化し、配列決定し、免疫原性決定基を含む遺伝子の核酸配列は配列番号1に示されている。完全長遺伝子は28kDの分子量を有するタンパク質(配列番号2に示す)をコードする。
当業界で公知のように、多くの異なる核酸配列が1つの同一タンパク質をコードし得る。この現象は通常アミノ酸をコードする各トリプレットの第2及び特に第3塩基におけるゆらぎとして公知である。この現象により、同一タンパク質をコードする2つの核酸配列に非相同が生じ得る。よって、原則として、70%くらいの低い配列相同性を有する2つの核酸配列は1つの同一タンパク質をコードし得る。
従って、本発明の第1実施態様の1形態は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸の一部に関し、前記核酸配列またはその一部は配列番号1に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%の相同性を有する。
免疫原性断片の概念を以下に定義する。免疫原性断片をコードする核酸配列の長さは通常少なくとも18ヌクレオチド、しばしば21ヌクレオチドであるが、好ましくは24、27、30、33、更には36ヌクレオチドである。
ポリアクリルアミドゲルでのゲル電気泳動で測定される本発明のすべてのタンパク質の分子量は、当業界でしばしば経験する分子量測定のわずかな変動のためにある程度異なり得る。よって、本発明のタンパク質の分子量は理論分子量±5kDであると解釈されるべきである。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は、配列番号1に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
ヌクレオチド相同性レベルは、www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/b12.htmlに見つけることができるサブプログラム“BLASTN”を選択することによりコンピュータープログラム“BLAST 2 SEQUENCES”を用いて測定することができる。このプログラムについては、Tatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden,FEMS Microbiol.Letters,174:247−250(1999)を参照されたい。使用するパラメーターはデフォルトパラメーターである:整合についてのリワード +1;非整合についてのペナルティー −2;オープンギャップ 5;拡張ギャップ 2;ギャップ x_ドロップオフ 50。
配列番号1、または下記する配列番号3、5、7、9、10、13、15または17に示す配列に相補的なヌクレオチド配列、或いは本発明の配列のタンデムアレーを含むヌクレオチド配列も本発明の範囲内である。
この実施態様の別の形態は、配列番号3に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明の14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号3に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
前記実施態様の更に別の形態は、配列番号5に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明の9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号5に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
免疫学的に重要なポリペプチドを検出するために使用される別のアプローチは、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質に対する高特異的モノクローナル抗体の使用に基づいていた。このアプローチは上記したミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する特定抗血清を用いるアプローチよりも高い特異性を有するという利点を有する。前記したモノクローナル抗体を用いると、更に6個の免疫原性ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質が同定、単離された。
従って、この実施態様の別の形態は、配列番号7に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明の47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号7に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
この実施態様の別の形態は、配列番号9に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号9に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
この実施態様の別の形態は、配列番号11に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号11に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
この実施態様の別の形態は、配列番号13に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号13に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
この実施態様の別の形態は、配列番号15に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号15に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
この実施態様の別の形態は、配列番号17に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部に関する。
好ましくは、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部は配列番号17に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは93%、より好ましくは95%の相同性を有する。
より好ましくは、相同性レベルは98%、99%、更には100%である。
ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスのプロテオームの注意深い分析に基づく第3のアプローチにより、2つの新規ワクチン成分が検出された。このアプローチは2D−ゲルでの免疫原性タンパク質の同定に基づく。このアプローチの利点は、発現ライブラリーで見つかっていないか同定されていないタンパク質が今回ワクチン成分として明確に同定できる点で他のアプローチよりも有利である。方法の詳細は実施例2に記載する。
よって、本発明の別の実施態様は、5.60〜6.15のPIを有する60kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質に関する。このタンパク質は、図1B及びDにおいて約5スポットの水平列(例えば2D−ゲル電気泳動用サンプルの調製により誘導される各種翻訳後修飾またはアーチファクトを表すイソ型の小さな違いによる)として目に見える。
更に、別の実施態様は、4.20〜4.75のPIを有する33kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質に関する。このタンパク質は、図1A及びDにおいて約3スポットの水平列(例えば2D−ゲル電気泳動用サンプルの調製により誘導される各種翻訳後修飾またはアーチファクトを表すイソ型の小さな違いによる)として目に見える。
上記タンパク質が今回明確に同定されたので、これらのタンパク質を配列決定することできる。例えば、最初の15N末端アミノ酸は当業界で公知の一般的手順に従って決定され得る。N末端配列決定は例えば現在市販されており、ルーチン的にタンパク質配列決定を専門としている会社により実施されている。その後、前記タンパク質をコードする遺伝子が縮重プローブを用いて容易に決定し得る。これらの技術は当業界で公知である。
本発明は新規なミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列を開示しているので、今回初めて前記タンパク質を十分量得ることが可能である。これは、例えば本発明の前記タンパク質またはその免疫原性断片をコードする遺伝子の全部または一部を発現させるべく発現系を用いることにより実施され得る。よって、核酸配列に関する実施態様のより好ましい形態では、本発明は本発明の核酸配列を含むDNA断片に関する。DNA断片は本発明の核酸配列に対する担体として機能するヌクレオチドである。前記DNA断片は、例えば本発明の核酸配列がクローン化されるプラスミドであり得る。前記DNA断片は以下に記載するように例えばプライマーとして使用するためのDNAの量を増加させるために、DNAワクチン接種目的のため、及び本発明の核酸配列を発現させるために有用である。
核酸配列を発現させるための必須要件は、核酸配列がプロモーターの制御下にあるように前記核酸配列に機能的に連結した適当なプロモーターである。当業者に自明のように、プロモーターの選択はタンパク質発現のための宿主細胞として使用される細胞において遺伝子転写できる真核、原核またはウイルスプロモーターにも及ぶ。よって、前記実施態様のより好ましい形態は、本発明のDNA断片及び/または核酸配列を含む組換えDNA分子に関し、前記核酸配列は機能的に連結したプロモーターの制御下にある。これは、例えば一般的な分子生物学技術を用いて得ることができる(Maniatis/Sambrook(J.Sambrookら,「分子クローニング:実験マニュアル(Molcecular cloning: a laboratory manual)」,ISBN 0−87969−306−6(1989))。
機能的に連結したプロモーターは、該プロモーターに連結している核酸配列の転写をコントロールし得るプロモーターである。前記プロモーターは、発現のために使用される細胞において機能するならば本発明の新規遺伝子の天然プロモーターまたはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの別のプロモーターであり得る。宿主細胞が細菌の場合、使用され得る有用な発現制御配列には、Trpプロモーター及びオペレーター(Goeddelら,Nucl.Acids Res.,8:4057(1980));lacプロモーター及びオペレーター(Changら,Nature,275:615(1978));外膜タンパク質プロモーター(K.Nakamura及びM.Inouge,EMBO J.,1:771−775(1982));バクテリオファージラムダプロモーター及びオペレーター(E.Remautら,Nucl.Acids Res.,11:4677−4688(1983));α−アミラーゼ(枯草菌)プロモーター及びオペレーター;転写配列及び選択宿主細胞に適合する他の発現強化及び制御配列が含まれる。宿主細胞が酵母の場合、有用な発現制御配列には例えばα−交配因子が含まれる。昆虫細胞の場合、バキュロウイルスの多面体またはp10プロモーターが使用され得る(G.E.Smithら,Mol.Cell.Biol.,3:2156−65(1983))。宿主細胞が脊椎動物起源の場合、有用な発現制御配列の例には(ヒト)サイトメガロウイルス前初期プロモーター(B.Seedら,Nature,329:840−842(1987);E.F.Fynanら,PNAS,90:11478−11482(1993);J.B.Ulmerら,Science,259:1745−1748(1993));ラウス肉腫ウイルスLTR(RSV;G.M.Gormanら,PNAS,79:6777−6781(1982);上掲のFynanら;上掲のUlmerら);MPSV LTR(Staceyら,J.Virology,50:725−732(1984));SV40前初期プロモーター(J.Spragueら,J.Virology,45:773(1983));SV−40プロモーター(P.W.Bermanら,Science,222:524−527(1983));メタロチオネインプロモーター(R.L.Brinsterら,Nature,296:39−42(1982));熱ショックプロモーター(Voellmyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:4949−53(1985));Ad2の主要後期プロモーター及びβ−アクチンプロモーター(Tangら,Nature,356:152−154(1992))が含まれる。調節配列にはターミネーター及びポリアデニル化配列も含まれる。使用され得る配列の中には、公知のウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、SV40ポリアデニル化配列、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)ターミネーター及びポリアデニル化配列がある。
細菌、酵母、真菌、昆虫及び脊椎動物発現系は非常に頻繁に使用される系である。前記系は当業界で公知であり、通常例えば米国カリフォルニア州パロアルト、ファビアン・ウェイに所在のClontech Laboratories,Inc.から入手し得る。前記した発現系の次には、寄生虫ベースの発現系が魅力的な発現系である。前記系は、例えば仏国特許出願公開第2714074号明細書及び米国特許出願第08/043109号明細書(S.Hoffman及びW.Rogers,1993年12月1日付け公開)に記載されている。
本発明のこの実施態様の更に好ましい形態は、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片をコードする核酸配列、本発明のDNA断片または本発明の組換えDNA分子を含む生組換えキャリア(LRC)に関する。前記LRCは追加遺伝子情報(この場合には、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片をコードする核酸配列)がクローン化されている微生物またはウイルスである。前記LRCに感染したウシはキャリアの免疫原に対してだけでなく、例えば1つ以上の本発明の新規なミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子のような遺伝コードが更にLRCにクローン化されるタンパク質の免疫原性部分に対しても免疫応答を生ずる。
細菌性LRCとして、当業界で公知の弱毒化サルモネラ株が非常に魅力的に使用され得る。また、生組換えキャリア寄生虫は例えばA.N.Vermeulen,Int.Journ,Parasitol.,28:1121−1130(1998)に記載されている。更に、LRCウイルスは核酸配列を標的細胞に運ぶ方法として使用され得る。生組換えキャリアはベクターウイルスとも称される。ベクターとしてしばしば使用されるウイルスは、ワクシニアウイルス(Panicaliら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:4927(1982))、ヘルペスウイルス(欧州特許出願公開第0473210号明細書)及びレトロウイルス(D.Valerioら,S.J.Baum,K.A.Dicke,E.Lotzova及びD.H.Pluznik編,「今日の実験的血液学(Experimental Haematology today)−1988」,p.92−99,ニューヨークに所在のSpringer Verlag(1989)発行)である。
当業界で公知のインビボ相同組換えの技術は、宿主動物において本発明の挿入核酸配列の発現を誘導し得る組換え核酸配列を選択した細菌、寄生虫またはウイルスのゲノムに導入するために使用される。
本発明のこの実施態様の最後の形態は、本発明のタンパク質をコードする核酸配列、前記核酸配列を含むDNA断片、または機能的に連結したプロモーターの制御下で前記核酸配列を含む組換えDNA分子を含む宿主細胞に関する。この形態は本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片をコードする核酸分子を含む生組換えキャリアを含む宿主細胞にも関する。宿主細胞は細菌起源、例えば大腸菌、枯草菌及びラクトバシラス種の細胞とpBR322のような細菌ベースのプラスミド、pEXシリーズ、pETシリーズまたはpGEXシリーズのような細菌発現ベクター、またはバクテリオファージの組み合わせであり得る。宿主細胞は真核起源のもの、例えば酵母特異的ベクター分子との組合せの酵母細胞;高級真核細胞、例えばベクターまたは組換えバキュロウイルスと組合せた昆虫細胞(Luckowら,Bio−technology,6:47−55(1988));例えばTi−プラスミドベースベクターまたは植物ウイルスベクター(K.A.Bartonら,Cell,32:1033(1983))と組み合わせた植物細胞;哺乳動物細胞、例えば適当なベクターまたは組換えウイルスを含むHela細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCrandell Feline腎臓細胞であり得る。
本発明の別の実施態様は、本発明の新規なミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
免疫原性断片の概念を以下に定義する。
この実施態様の1形態は、配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、28kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の配列番号2及び下記する配列番号4、6、8、10、12、14、16及び18に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質の免疫原性断片は、好ましくは少なくとも6、より好ましくは好ましい順に7、8、9、10、12、15、20、30、更には40アミノ酸の長さを有する。
この実施態様の更に好ましい形態は、配列番号1に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
上記したように、細菌は宿主細胞内で生存するが、胃腸管の内腔における感染の細胞外エピソードも起こる。このことは、細胞性及び抗体媒介免疫応答が疾患に対する十分な防御において役割を果たすことを意味している。実施例に示すように、T細胞応答及びB細胞応答の両方をチェックする検査が本発明のタンパク質のワクチン成分としての価値を調べるために使用される。
本発明の別の形態は、配列番号4に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号3に示す核酸配列によりコードされる14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
本発明の更に別の形態は、配列番号6に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号5に示す核酸配列によりコードされる9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
本発明の別の形態は、配列番号8に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号7に示す核酸配列によりコードされる47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
本発明の別の形態は、配列番号10に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号9に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
また、本発明の別の形態は、配列番号12に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号11に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
また、本発明の別の形態は、配列番号14に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号13に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
また、本発明の別の形態は、配列番号16に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号15に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
また、本発明の別の形態は、配列番号18に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは好ましい順に94%、95%、更には96%の配列相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及びその免疫原性断片に関する。
より好ましくは、相同性レベルは好ましい順に97%、98%、99%、更には100%である。
本発明の更に別の好ましい形態は、配列番号17に示す核酸配列によりコードされるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質及び前記タンパク質の免疫原性断片に関する。
タンパク質相同性のレベルはwww.ncbi.nlm.nih,gov/blast/bl2seq/b12.htmlに見つけることができるサブプログラム“BLASTP”を選択することによりコンピュータープログラム“BLAST 2 SEQUENCES”を用いて測定することができる。このプログラムについては、Tatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden,FEMS Microbiol.Letters,174:247−250(1999)を参照されたい。使用するマトリックス:“blosum 62”。使用するパラメーターはデフォルトパラメーターである:オープンギャップ 11;拡張ギャップ 1;ギャップ x_ドロップオフ 50。
本発明に包含される特定タンパク質に関して、各ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス株間に天然変異が存在し得ると理解される。これらの変異は全配列中のアミノ酸の違いにより、前記配列中のアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位または付加により示され得る。本質的に生物学的及び免疫学的活性を変化させないアミノ酸置換は、例えばNeurathら,「タンパク質(Proteins)」,ニューヨークに所在のAcademic Press(1979年)発行に記載されている。関連アミノ酸間のアミノ酸置換または進化中にしばしば起こる置換は、特にSer/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valである(例えば、M.D.Dayhof,「タンパク質配列及び構造の図表集(Atlas of protein sequence and structure)」,第5巻,補遺3,ワシントン・ディー・シーに所在のNat.Biomed.Res.Found.(1978年)発行)。他のアミノ酸置換には、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Thr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Leu/Ile、Leu/Val及びAla/Gluが含まれる。この情報に基づいて、Lipman及びPearsonはタンパク質を迅速に高感度で比較し(Science,227:1435−1441(1985))、相同タンパク質間の機能類似性を決定する方法を開発した。本発明の例示実施態様のアミノ酸置換並びに欠失及び/または挿入を有する変異は、生じたタンパク質がその免疫反応性を保持している限り本発明の範囲である。これは、異なる圃場単離物から単離した本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質が約70%の相同性レベルを有しているが同一のタンパク質が同一の免疫学的特性で表されることの説明である。ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染に対してまたは少なくとも前記感染の発症に対して免疫応答を誘導し得るタンパク質を与える本発明の特定タンパク質のアミノ酸配列の変異は“本質的に免疫原性に影響を及ぼさない”と見做される。
タンパク質を例えばワクチン接種の目的または抗体を作成するために使用する場合、前記タンパク質は必ずしも全タンパク質として使用する必要がない。そのままで或いはKLHのような担体にカップリングさせたときにタンパク質に対する免疫応答を誘導し得るタンパク質の断片、いわゆる免疫原性断片を使用することも可能である。「免疫原性断片」は脊椎動物宿主において免疫応答を誘導し得る能力を維持した完全長タンパク質の断片を指し、例えばB細胞またはT細胞エピトープを含む。簡単に言えば、免疫原性断片は本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質に対する免疫原性応答を誘導し得る断片である。この場合、各種技術が抗原断片(決定基)をコードするDNA断片を簡単に同定するために利用し得る。Geysenら(国際特許出願公開第84/03564号パンフレット;同第86/06487号パンフレット;米国特許第4,833,092号明細書;Proc.Natl.Acad.Sci.,81:3998−4002(1984);J.Imm.Meth.,102:259−274(1987))が記載している方法、所謂PEPSCAN方法がエピトープ(タンパク質の免疫学的に重要な領域)を検出するための実施が容易で迅速な十分に確立された方法である。この方法は世界中で使用されており、当業者に公知である。この(実験的)方法は特にB細胞及びT細胞エピトープを検出するために適している。また、タンパク質をコードする遺伝子の配列が与えられているならば、コンピューターアルゴリズムにより現在公知のエピトープとの配列及び/または構造の一致に基づいて免疫学的に重要なエピトープとして特定タンパク質断片を設計することができる。これらの領域の決定は、Hoop及びWoodsの親水性基準(Proc.Natl.Acad.Sci.,78:38248−3828(1981))及びChou及びFastmanの二次構造アスペクト(Advances in Enzymology,47:45−148(1987);米国特許第4,554,101号明細書)の組合せに基づく。T細胞エピトープも同様にBerzofskyの両親媒性基準(Science,235:1059−1062(1987);米国特許出願第07/005,885号明細書)を用いてコンピューターにより配列から予測され得る。要約した概説は、一般的原理についてはShan Luら,Tibtech,9:238−242(1991)、マラリアエピトープについてはGoodら,Science,235:1059−1062(1987)、概説についてはLu,Vaccine,10:3−7(1992)、HIVエピトープについてはBerzofsky,The FASEB Journal,5:2412−2418(1991)に見つけられる。免疫原性断片は通常少なくとも6、より一般的には7〜8アミノ酸、好ましくは8以上、例えば9、10、12、15、更には20以上のアミノ酸の長さを有する。よって、前記断片をコードする核酸配列は少なくとも18、より一般的には24、好ましくは27、30、36、45、更には60核酸の長さを有する。
従って、本発明の別の実施態様の1形態は、上記した本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片の少なくとも1つに加えて医薬的に許容され得る担体を含むミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するためのワクチンに関する。
本発明の別の実施態様は、ワクチン中に使用するための本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片に関する。
本発明の更に別の実施態様は、ワクチン、より具体的にはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するワクチンを作成するための本発明の核酸配列、DNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリア、宿主細胞、或いはタンパク質またはその免疫原性断片の使用に関する。
本発明のワクチンの1つの作成方法は、細菌を増殖後、その細菌または上清からミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片を生化学的に精製することを含む。しかしながら、この方法ではワクチンを作成するのに非常に時間がかかる。
従って、ワクチン中に本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片をコードする遺伝子の発現産物を使用することが非常に便利である。これは、ワクチン成分として好適な9個の新規なミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする遺伝子の核酸配列が本発明で提供されたので今回初めて可能となった。
上記した遺伝子の発現産物をベースとするワクチンは、本発明のタンパク質またはその免疫原性断片を下記する医薬的に許容され得る担体と混合することにより容易に作成され得る。
或いは、本発明のワクチンは、本発明のタンパク質またはその免疫原性断片を発現し得る上記した生組換えキャリアを含み得る。例えばサルモネラキャリアまたはウイルスキャリア(例えば、ヘルペスウイルスベクター)をベースとするようなワクチンはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの感染の自然な様式により良く似ているのでサブユニットワクチンよりも有利である。更に、免疫化のためには組換えキャリアを低量しか必要としないので自己増殖も有利である。
ワクチンは、本発明のタンパク質またはその免疫原性断片を含む上記した宿主細胞をベースとし得る。
本発明のワクチンは、例えば死滅全細菌ワクチン及び生弱毒化ワクチンに比して更に有利である。全細胞をベースとするワクチンはすべての抗原決定基、すなわち細菌上に存在するすべてのエピトープに対する抗体を誘導する。従って、前記ワクチンに対して生ずる抗体パネルはフィールド感染後生ずる抗体パネルに匹敵する。その結果、動物が感染しているのかワクチン接種されたかを区別することは不可能である。ワクチン成分として本発明のタンパク質またはその免疫原性断片、すなわち全細菌のサブユニットを使用すると、ワクチン接種された動物のみが投与したサブユニットに対する抗体を生ずるという利点がある。疑われる動物の抗体パネルをワクチン接種した動物及びフィールド感染動物の抗体パネルと比較さえすれば、その動物がフィールド感染しているかまたはワクチン接種されているかが分かる。以下に詳細に説明する検査のために、簡単なELISA検査が十分である。1つ以上のサブユニットをベースとするワクチンはマーカーワクチンとして公知である。これらのワクチンはフィールド感染を区別し得る点でマークされる。マーカーワクチンの概念を以下に詳細に検討する。
非常に魅力的なマーカーワクチンは配列番号6に示す配列を有する9kDタンパク質またはその免疫原性断片をベースとするワクチンである。その理由は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する抗体とミコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)に対する抗体との交差反応性が比較的高レベルであるからである。ミコバクテリウム・ボビスはウシ結核の原因菌である。この細菌に他の動物種も感染させる。更に、この病気は人畜共通性感染病であり、ヒトに伝染し得る。世界保健機構(WHO)は1990〜1999年のヒト型結核菌(TB)の罹患者及び死亡者はそれぞれ8800万人及び3000万人であり、多くは発展途上国の症例である。(ミコバクテリウム・ボビスにより生ずる)人畜共通性感染TBは、サーベイランス及び管理活動がしばしば不十分であったりまたはないので、感染の多くの疫学及び公衆衛生がかなり未知のままである多くの発展途上国の動物に存在する。
ミコバクテリウム・ボビスが他の動物に接触伝染性であることがミコバクテリウム・ボビスの根絶が試みられている理由の1つである。この目的を達成するのに必要な手段の1つはウシPPD DTH検査のような診断検査でミコバクテリウム・ボビス陽性であると判明したウシを根絶することである。上記したように、感染の原因に関係なくミコバクテリウム・ボビスとミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する血清の交差反応性のために本試験で陽性と判明した動物が根絶される。
よって、本発明のサブユニットワクチンによるワクチン接種とミコバクテリウム・ボビスまたはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスのいずれかによるフィールド感染を明確に区別し得る診断検査は非常に貴重なツールであろう。
本発明の作用効果の1つは、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質がPPD検査でミコバクテリウム・ボビスと交差反応を示さないことが判明したことである。配列番号6に示すアミノ酸配列を有するタンパク質が上記タンパク質に属する。
従って、この実施態様の好ましい形態は配列番号6に示すタンパク質またはその免疫原性断片を含むワクチンに関する。
上記したマーカー目的のために使用し得る特性を必須としないワクチンを望むならば、本発明の他のタンパク質、または65kDまたは70kD熱ショックタンパク質またはその免疫原性断片を添加することが有利である。前記配合ワクチンにより、単一ワクチンに比してワクチンの効果が高められる。より好ましい実施態様では、本発明のワクチンは9kDタンパク質及び1つ以上の本発明の他のタンパク質、または熱ショックタンパク質またはその免疫原性質断片を含む。
上記したワクチンはすべて能動的ワクチン接種に寄与し、すなわち宿主の防御系をトリガーする。或いは、抗体は例えば家兎において生じ得るか、または下記する抗体産生細胞株から得ることができる。その後、前記抗体はワクチン接種/防御しようとする哺乳動物に対して投与され得る。このワクチン接種方法の受動的ワクチン接種は哺乳動物が既に感染しているときに選択されるワクチン接種であり、自然免疫応答をトリガーするのに時間を要しない。突然高感染圧や免疫低下者になりがちな哺乳動物にワクチン接種するための好ましい方法でもある。この場合投与された本発明のタンパク質またはその免疫原性断片に対する抗体はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスと干渉することがある。このアプローチはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス発生を低下または停止する点で有利である。よって、本発明のこの実施態様の他の形態は、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片に対する抗体に加えて医薬的に許容され得る担体を含むミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するためのワクチンに関する。
本発明の更に別の実施態様は、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片に対する抗体に関する。
本発明の抗体を大規模に作成する方法も当業界で公知である。前記方法は、ファージディスプレイのために糸状菌における本発明のタンパク質をコードする遺伝情報(の断片)のクローン化を利用している。この技術は、http://aximt1.imt.uni−marburg.de/〜rek/aepphage.htmlで“糸状菌ファージディスプレイ”の欄の“抗体エンジニアリングファージ”、及びR.Corteseら,Trends Biotech.,12:262−267(1994);T.Clackson及びJ.A.Wells,Trends Biotechn.,12:173−183(1994);J.D.Marks.J.Biol.Chem.,267:16007−16010(1992);G.Winterら,Annu.Rev.Immunol.,12:433−455(1994)及びM.Littleら,Biotech.Adv.,12:539−555(1994)の文献に記載されている。前記ファージはその後ラクダ重鎖抗体を発現するラクダ発現ライブラリーをスクリーニングするために使用される(S.Muyldermans及びM.Lauwereys,Journ.Molec.Recogn.,12:131−140(1999)及びM.A.Ghahroudiら,FEBS Letters,414:512−526(1997))。所望抗体を発現するライブラリーからの細胞は複製され得、その後抗体の大規模発現のために使用され得る。
更に別の実施態様は、本発明の抗体及び医薬的に許容され得る担体を混合することを含む本発明のワクチンの作成方法に関する。
ワクチン接種の別の効率的な方法は当該抗原をコードするDNAを直接ワクチン接種することである。タンパク質をコードするDNAを用いる直接ワクチン接種は多種類のタンパク質で成功している。例えば、Donnellyら,The Immunologist,2:20−26(1993)を参照されたい。より具体的には、DNAワクチン接種によるミコバクテリウム・アビウムに対する防御はM.Valaz−Fairclothら,Infect.& Immun.,67:4243−4250(1999)に記載されている。このワクチン接種方法はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質感染に対してウシをワクチン接種するために非常に魅力的である。よって、本発明のこの実施態様の他の形態は、医薬的に許容され得る担体と共に本発明のタンパク質またはその免疫原性断片をコードする核酸配列を含むワクチン、前記核酸配列を含むDNA断片を含むワクチンまたは本発明の組換えDNA分子を含むワクチンに関する。好ましくは、9kDタンパク質またはその免疫原性断片をコードし、配列番号5に記載されている核酸配列は上記した理由でワクチン接種のために使用される。より好ましくは、前記配列が上記した本発明の別のタンパク質またはその免疫原性断片をコードする配列と組み合わされる。
本発明のDNAワクチン中に使用するのに適したDNAプラスミドの例は細菌、真核及び酵母宿主細胞のための慣用のクローニングプラスミドまたは発現プラスミドであり、前記プラスミドの多くが市販されている。前記プラスミドの公知例はpBR322及びpcDNA3(Invitrogen)である。本発明のDNA断片または組換えDNA分子はヌクレオチド配列のタンパク質発現を誘導し得なければならない。DNA断片または組換えDNA分子は1つ以上の本発明のヌクレオチド配列を含み得る。更に、DNA断片または組換えDNA分子は他のヌクレオチド配列、例えば非メチル化CpGジヌクレオチドを有する免疫刺激オリゴヌクレオチドまたは他の抗原性タンパク質または補助サイトカインをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
本発明のワクチン中に使用される本発明のヌクレオチド配列または本発明のヌクレオチド配列を含むDNAプラスミドは好ましくは転写調節配列に作動的にリンクさせて、裸のまままたはデリバリーシステムに封入され得る。
好適なデリバリーシステムは脂質ベシクル、イスコム(iscom)、デンドロマー、ニオソム、微粒子(特にキトサンベースの微粒子)、多糖類マトリックス等であり、これらは以下に記載するように当業界で公知である。サルモネラ種のような弱毒化生細菌及び上記したヘルペスウイルスベクターのような弱毒化生ウイルスもデリバリーシステムとして非常に好適である。
この実施態様の別の形態は本発明の組換えDNA分子を含むワクチンに関する。
DNAワクチンは、例えば無針注射器を用いるような皮内投与により容易に投与され得る。この投与方法により、DNAがワクチン接種しようとする動物の細胞に直接デリバリーされる。10pg〜1000μgの範囲のDNAの量でよい結果が得られる。特にDNAが自己増殖性の場合少量で十分である。好ましくは、微生物中1〜100μgの量が使用される。
更なる実施態様において、本発明のワクチンは更に1つ以上のウシ病原性生物及びウイルス由来の抗原、前記抗原に対する抗体またはその抗原をコードする遺伝情報及び/または医薬用成分、例えば抗生物質をも含む。勿論、前記した抗原、抗原に対する抗体または遺伝情報はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス起源を持ち、例えば別のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス抗原であり得る。別のウシ病原性生物またはウイルスから選択される抗原、抗体または遺伝情報であってもよい。前記生物及びウイルスをウシヘルペスウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、パラインフルエンザ3型ウイルス、ウシパラミクソウイルス、口蹄疫ウイルス、パスツレラ・ヘモリチカ、ウシ呼吸器合胞ウイルス、タイレリア種、バベシア種、トリパノソーマ種、アナプラズマ種、ネオスポラ・カニヌム(Neospora caninum)、黄色ブドウ球菌、ストレプトコッカス・アガラクチエ、マイコプラズマ、大腸菌、エンテロバクター、クレブシエラ、シトロバクター及びストレプトコッカス・ダイスガラクチエ(Streptococcs dysgalactiae)からなる群から選択することが好ましい。
上記したように、本発明の1つ以上のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をベースとするワクチンはマーカーワクチンとしても非常に好適である。マーカーワクチンは、ワクチン接種哺乳動物と圃場感染哺乳動物を例えば野生型感染により誘導される抗体パネルと異なる特徴的な抗体パネルに基づいて区別できるワクチンである。異なる抗体パネルは、例えば野生型ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス上に存在する免疫原性タンパク質がワクチン中に存在していないときに誘導される。その場合、宿主はワクチン接種後前記タンパク質に対する抗体を産生しない。よって、本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をベースとするワクチンは特定タンパク質に対する抗体しか誘導しないのに対して、野生型、生弱毒化または不活化全ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスをベースとするワクチンはすべてまたは殆どのタンパク質に対する抗体を誘導する。
本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質を除く他のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質を含むウェル及び1つ以上の本発明の精製ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質のみを含むウェルを有する簡単なELISA検査は、ウシ由来の血清を検査し、そのウシが本発明のタンパク質ワクチンをワクチン接種したのかまたはミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスフィールド感染しているかを区別するのに十分である。
本発明のワクチンはすべて医薬的に許容され得る担体を含む。医薬的に許容され得る担体の例は滅菌水または滅菌生理的塩類溶液であり得る。より複雑な形態では、担体は例えば緩衝液であり得る。
ワクチンの作成方法は、本発明のタンパク質またはその免疫原性断片及び/または前記タンパク質またはその免疫原性断片に対する抗体及び/または核酸配列及び/または本発明のDNA断片、組換えDNA分子、生組換えキャリアまたは宿主と医薬的に許容され得る担体を混合することを含む。
本発明のワクチンは、好ましくは免疫刺激物質、所謂アジュバントをも含む。一般的にアジュバントは宿主の免疫応答を非特異的にブーストする物質からなる。多数のアジュバントが当業界で公知である。ウシワクチン中に頻繁に使用されているアジュバントの例はムラミルジペプチド、リポポリサッカライド、数種のグルカン及びグリカン、Carbopol(登録商標)(ホモポリマー)である。前記ワクチンは所謂ベヒクルをも含み得る。ベヒクルは共有結合以外でタンパク質に結合する化合物である。前記ベヒクルはいずれも当業界で公知のバイオマイクロカプセル、マイクロアルギネート、リポソームまたはマクロゾルである。マイクロ粒子、特にキトサンを主成分とするマイクロ粒子が特に経口ワクチン接種に使用する場合ワクチンベヒトルとして非常に好適である。
抗原を部分的に埋め込む特定形態のベヒクルはいわゆるISCOM(欧州特許出願公開第109,942号明細書、同第180,564号明細書、同第242,380号明細書)である。加えて、ワクチンは1つ以上の好適な界面活性剤または乳化剤、例えばSpanまたはTweenを含み得る。
好ましくは、抗原は容易に入手し得且つ家畜及び/またはヒトへの使用のために登録されているアジュバンド、例えば水酸化アルミニウム、Th2様調節アジュバントと併用される。
防御を改善するためにプラスミドの内部または外部にGpGオリゴヌクレオチド配列を付加することも好ましい。
多くの場合、ワクチンは例えば分解傾向タンパク質を分解から保護するため、ワクチンの寿命を延長させるため、または凍結乾燥効率を高めるために安定剤と混合されている。有用な安定剤は、例えばSPGA(Bovarnikら,J.Bacteriology,59:509(1950));炭水化物、例えばソルビトール、マンニトール、トレハロース、スターチ、スクロース、デキストランまたはグルコース;タンパク質、例えばアルブミンまたはカゼイン、またはその分解産物;及び緩衝液、例えばアルカリ金属リン酸塩である。また、ワクチンは生理学的に許容され得る希釈剤中に懸濁され得る。言うまでもなく、アジュバンドを添加したり、ベヒクル化合物または希釈剤を添加したり、タンパク質を乳化または安定化させる他の方法も本発明に包含される。
本発明のタンパク質またはその免疫原性断片をベースとする本発明のワクチンは非常に好適には1〜100μg−タンパク質/動物の量で投与され得るが、原則としてより少量も使用可能である。100μg以上の用量は免疫学的に非常に好適であるが、商業的には余り魅力的でない。
生弱毒化組換えキャリア、例えば上記したLRC−ウイルス、寄生虫及び細菌をベースとするワクチンは感染中に自己増殖するので非常に低量で投与され得る。よって、細菌及びウイルスに対する非常に好適な量は10〜10CFU/PFUである。
本発明のワクチンは、例えば皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、または粘膜表面に(例えば、口腔または鼻内に)投与され得る。
病気を効果的に防御するためには、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を迅速且つ正しく診断することが重要である。よって、本発明の別の目的はミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を検出するのに適した診断ツールを提供することである。
本発明の核酸配列、タンパク質及び抗体も診断薬中に使用するのに適している。従って、本発明の別の実施態様は、診断薬中に使用するための本発明の核酸配列、タンパク質及び抗体に関する。
本発明の核酸配列またはその断片はウシにおけるミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの存在を検出するために使用され得る。ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに感染した哺乳動物から採取されるサンプルは本発明のタンパク質をコードする核酸配列を含めた前記細菌に由来する核酸物質を含む。前記核酸配列は本発明の核酸配列とハイブリダイズする。本発明の核酸配列と反応性の核酸配列を検出するのに好適な方法にはハイブリダイゼーション技術が含まれ、この中にはPCR技術及びNASBA技術が含まれるが、これらに限定されない。よって、本発明の核酸配列はPCR及び/またはNASBA技術に使用するためのプローブ及びプライマーを作成するために使用され得る。
ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの検出用診断検査キットは、例えば検査しようとするウシから単離したミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスを前記ツールと反応させることができるツールを含み得る。前記ツールは、例えば本発明の核酸配列をベースとする特定プローブまたは(PCR−)プライマー(プライマー断片とも称される)である。ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの遺伝情報が動物中に存在しているならば、この情報は例えば特定PCR−プライマーに特異的に結合し、例えばcDNA合成後PCR反応で増幅されるようになるであろう。その後、PCR反応産物はDNAゲル電気泳動で容易に検出され得る。一般的なPCR教書に、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスDNAとの選択的PCR反応のためのプライマーの長さを決定する方法が記載されている。少なくとも12ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するプライマー断片が多くの場合に使用されているが、15以上のヌクレオチド、好ましくは18ヌクレオチドのプライマーがある程度より選択的である。特に、少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは少なくとも30ヌクレオチドの長さを有するプライマーは非常に一般的に適用され得る。PCR技術はDieffenbach及びDreksler,「PCRプライマー、実験マニュアル(PCR primers, a laboratory manual)」,ISBN 0−87969−447−5(1995)に包括的に記載されている。
少なくとも12、好ましくは15、より好ましくは18、更には好ましくは好ましい順に20、22、25、30、35または40ヌクレオチドの長さを有する本発明の核酸配列または前記核酸配列のプライマーであって、前記核酸配列またはその一部が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15または17に示す核酸配列と少なくとも70%相同性を有するものも本発明の一部である。前記プライマーは、少なくとも12ヌクレオチドの長さを有し且つ配列番号1、3、5、7、9、11、13、15または17に示す核酸配列と少なくとも70%、より好ましくは80%、85%、90%、95%、98%、99%、更には100%の相同性を有すると解される。前記核酸配列は、該配列がコードするDNAの量を高めるためにPCR反応またはハイブリダイセーション反応においてプライマー断片として使用され得る。これにより、診断ツール、例えば上記したミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスを検出するための診断ツールとして使用するための特定核酸配列のブロットを迅速に増幅または検出することができる。
遺伝材料に関する別の検査は、例えば唾液から得た後、典型的DNA精製にかけ、放射能または色素標識プライマ断片を用いる典型的なハイブリダイゼーションにかけたミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス材料に基づいている。色標識及び放射能標識した断片は通常検出手段と称される。PCR反応及びハイブリダイゼション反応はいずれも当業界で公知であり、例えばManiatis/Sambrook(J.Sambrookら,「分子クローニング:実験マニュアル(Molcecular cloning: a laboratory manual)」,ISBN 0−87969−306−6)に記載されている。
従って、本発明の1実施態様は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス核酸配列を検出するための診断検査キットに関する。前記検査キットは本発明の核酸配列またはそのプライマー断片を含む。
本発明の特定ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質の抗原物質の検出に基づき、よってミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染の検出に適した診断検査キットは、例えば一般的なELISA検査を含み得る。前記検査の1例では、ELISAプレートのウェルの壁を本発明のタンパク質に対する抗体で被覆する。試験しようとする材料とインキュベート後、標識した抗−ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス抗体をウェルに添加する。その後、発色反応により、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス由来の抗原材料の存在が示される。
従って、本発明の更に別の実施態様は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの抗原材料を検出するための診断検査キットに関する。この検査キットは本発明のタンパク質またはその断片に対する抗体を含む。
本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質の血清中の検出に基づく、よってミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染の検出に適した診断検査キットは、例えば一般的なELISA検査を含み得る。前記検査では、ELISAプレートのウェルの壁を本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質タンパク質で被覆してもよい。試験しようとする材料とインキュベート後、前記タンパク質に対する標識抗体をウェルに添加する。その後、発色反応しなければ、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する抗体の存在が示される。
従って、本発明の更に別の実施態様は、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する抗体を検出するための診断検査キットに関する。前記検査キットは本発明のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその断片を含む。
イムノアッセイの設計は変更し得る。例えば、イムノアッセイは競合または直接反応に基づき得る。更に、プロトコルは固体支持体を使用しても、または多孔性材料を使用してもよい。抗体−抗原複合体の検出は標識抗体の使用を含み得る。標識の例は酵素、蛍光分子、化学蛍光分子、放射活性分子または染料分子であり得る。サンプル中の本発明のタンパク質と反応性の抗体を検出するための適当な方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、イムノフルオレッセンス検査(IFT)及びウェスタンブロット分析が含まれる。
例えば上記したように発現される本発明のタンパク質またはその免疫原性断片は、ポリクローナル、単特異的またモノクローナル抗体またはその誘導体であり得る抗体を作成するために使用され得る。ポリクローナル抗体を所望するときには、ポリクローナル血清を産生及び加工するための技術は当業界で公知である(例えば、Mayer及びWalter編,「細胞及び分子生物学における免疫化学的方法(Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology)」,ロンドンに所在のAcademic Press(1987年)発行)。本発明のタンパク質または本発明のその免疫原性断片に反応性のモノクローナル抗体は当業界で公知の方法(Kohler及びMilstein,Nature,256:495−497(1975))により近交系マウスを免疫化することにより作成され得る。
ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウムがミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスと非常に高い相同性を有していることが判明した。ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウムはかなり高い頻度でブタで見られ、更に高い頻度でヒト、特にHIV陽性のような免疫欠乏ヒトでみられる。
従って、上記した本発明のタンパク質はブタ及びヒトの両方においてミコバクテリウム・アビウム亜種アビウムに対するワクチン接種目的及びブタ及びヒトにおいて診断目的で同様に使用され得る。
発現ライブラリーのスクリーニング
診断薬、治療薬及びワクチン中に使用するためのミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス中の抗原を同定し、特徴づけるために、ゲノム発現ライブラリーをλ−TripleEx発現ベクターを用いてClontechマニュアル(pT3003−1)及びStratagene Gigapac III Gold Packagingマニュアルに従って構築した。簡単に説明すると、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス株316Fから単離した細菌ゲノムDNAをTsp509Iで部分消化し、スクロース勾配遠心により得た2.5キロベース対の平均サイズの断片をEcoRI消化した脱リン酸化λ−TriplExアームに連結させた。パッケージング反応をGigapack III Gold Packaging Extract及び宿主株大腸菌XL1Blue(Clontech(S0924))を用いて実施した。ライブラリーを平板培養後、約10ファージプラークの免疫スクリーニングを1)ポジティブウシ血清(3869と呼ぶ)及び2)特異的抗−ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスモノクローナル抗体を用いて実施した。この結果、125個のポジティブλ−TriplEx組換え体が選択された。これらの125個のポジティブファージ組換え体のうち117個がClontechマニュアル(PT3003−1)に記載されているプロトコルを用いてプラスミド(pTriplEx)組換え体にうまく変換された。
117個のpTriplEx組換え体のDNA配列決定により、これらの組換え体はそれぞれ異なる抗原性タンパク質またはその断片を発現する複数の抗原グループに分類される。配列番号2、4及び6は血清3869を用いて単離した組換え体中に認められ、配列番号8はFabG4に対するモノクローナル抗体を用いて単離した組換え体中に認められ、配列番号10、12、14、16及び18は5個のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスの抗原分子に対する5個のモノクローナル抗体(13.67.1A、10.65.3B、13.67.2A、10.32.3B及び10.66.4B)を用いて単離した組換え体中に認められた。ミコバクテリアゲノム情報を含む各種データーベースに対するBlast検索により、更に複数の抗原性ポリペプチド及びそのコード化遺伝子が特徴付けられた。配列番号19及び21中に認められ、記載されているhsp65及びhsp70熱ショックタンパク質抗原を除いて、上記した抗原断片はいずれもミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスに対する上記した既知の抗原の中でミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス関連抗原またはその形態として同定されなかった。
関連タンパク質を同定するためのプロテオミクスアプローチ
a) サンプル作成
ワトソン−リード培地中のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス316Fの培養物から遠心により細胞を収集した。細胞ペレットをPBS(PBS 40ml中10gのペレット)で1回洗浄し、−80℃で5mlずつ保存した。融解後、各サンプルを冷(4℃)PBS(100ml)で2回洗浄し、冷PBS(5ml)中に懸濁した。プロテイナーゼ阻害剤(ペプスタチン 12.5ug、ロイペプチン 25ug、Pefabloc(商品名)SC 125ug、アプロチニン 5ug)を添加し、懸濁液を氷上Branson音波装置250を用い、100%出力及び50%間隔で10分間音波処理した。その後Ureum(9M)、DTT(70mM)及びトリトンX−100(2%)を添加し、溶液を時々振とうさせながら室温において30分間保持した。その後、懸濁液を16℃において5,000gで15分間、16℃において100,000gで30分間遠心した。次いで、生じたサンプルをPlusOne−2−Dクリーンアップキット(Amersham Biosciences)を用いて製造業者のプロトコルに従って処理して、微量の塩、多糖類、核酸及び脂質を除去した。サンプルのタンパク質濃度をRC DCプロテインアッセイ(Bio−Rad Laboratories)を用いて測定し、サンプルを2D−PAGEまで−80℃で保存した。通常、2D−PAGEの後に銀染色または免疫ブロッティングを実施するときには約100ugのタンパク質サンプルを用い、2D−PAGEの後にクーマシーブリリアントブルー染色を実施するときには最高1500ugのタンパク質サンプルを用いた。
b) 2D−PAGE
等電点電気泳動(IEF)をEttan IPGphor等電点電気泳動システム(Amersham Biosciences)において製造業者のプロトコルに従ってセラミック製ストリップホルダーを用いてIPGphorストリップ及びIEFを再水和して実施した。典型的には、1.4mg DTT及び0.5% ul IPG緩衝液を含有する再水和緩衝液中にタンパク質サンプル(450ul)を添加した後20℃においてインキュベーションO/Nを実施することにより24cmストリップを再水和し、タンパク質負荷した。その後、IEFを製造業者の指示に従って実施した。IEF後、ストリップを二次元PAGEまで−20℃において保存し得る。二次元PAGEのために、140mg DTTを含有する平衡緩衝液(14ml)中室温において15分間振とうした後、350mg ヨードアセタミドを含有する平衡緩衝液(15ml)中室温において15分間振とうすることによりストリップを平衡化した。次いで、ストリップをカソード緩衝液中に短時間浸した後二次元PAGEにかけた。電気泳動はEttan Dalttwelve大型フォーマット垂直システムを製造業者(Amersham Biosciences)の指示に従って用い、12.5% Ettan Dalt IIゲル(26×20cm、厚さ1mm)中で実施した。銀染色のために、ゲルを40% エタノール、10% 酢酸溶液中で固定し、プラスワン銀染色キット(Amersham Biosciences)を用いて染色した。クーマシーブリリアントブルー染色のために、ゲルをPhastGel Blue R(Amersham Biosciences)を製造業者の指示に従って用いて染色した。免疫ブロッティングのために、タンパク質をTrans−Blot SD半ドライ電気泳動移動セル(Semi Dry Electrophoretic Transfer Cell)(Bio−Rad Laboratoris)を製造業者の指示に従って用いてニトロセルロース(Nitrocellulose BA85;Schleicher and Schuell)に移した。タンパク質スポットのモノクローナルまたはポリクローナル抗体による認識は、5% スキムミルク、ホースラディシュペルオキシラーゼにコンジュゲートした家兎抗−マウスまたは抗−ウシ抗体、並びに基質としてペルオキシド、TMB及びDONSを含むPBS緩衝液を用いて一般的プロトコルを用いて実施した。
結果:
図1に示すように、このアプローチにより2つの免疫学的に高度に関連するタンパク質を検出できた。1つのタンパク質は5.60〜6.15のPIを有する60kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質である。これは図1B及びDにおいて約5個の水平列として目に見える。他のタンパク質は4.20〜4.75のPIを有する33kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質である。これは図1A及びDにおいて約3個の水平列として目に見える。
14kDタンパク質、9kDタンパク質、Hsp70及びHsp65のワクチン接種または感染ヤギ由来のT細胞による認識
実験的にミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスを感染させたヤギ由来の末梢血におけるT細胞の刺激をウシγ−インターフェロン試験(BOVIGAM;オーストラリア国ビクトリア、パークビルに所在のCSL Laboratories)を製造業者のプロトコルに従って用いて検出した。以下の抗原を全血(1.5ml)に添加した:組換え精製14kDタンパク質、9kタンパク質、Hsp70及びHsp65(0.5及び5ug)、並びにミコバクテリウム・ボビス株AN5(オランダ国のID−Lelystadが産生)、ミコバクテリウム・アビウム亜種アビウム株D4(オランダ国のID−Lelystadが産生)及びミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス株3+5/C(オランダ国のID−Lelystadが産生)から誘導される3種のPPD(3ug)。前記抗原のそれぞれについて、約2年前に1mlのミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス株DSU No.405650(OD660=0.059)を12回(4週間にわたり、毎週月曜日、水曜日及び金曜日)経口感染させた9匹のヤギからのサンプルを隔週用いて連続3回試験した。これらの動物のうち5匹(188〜193)に対して感染の4週間前に弱毒化ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス株316F(オランダ国のID−Lelystadが産生)をベースとする実験的に死滅させたワクチン0.5mlをワクチン接種した。≧0.1(バックグラウンド値を補正した)の吸光度値及びバックグラウンド値の≧2倍は、抗原の存在のために高いγ−インターフェロン産生を示すと見做された。
結果:
試験したすべての組換え抗原が少なくとも1匹の動物において高いγ−インターフェロン産生を誘導した。このことは、これらの抗原がT細胞性免疫応答において役割を果たすことを示す。典型的な実験を表1に示す。9匹の動物のうち5匹(56%)が9kD抗原に対して高い応答を示し、9匹の動物のうち3匹(33%)が14kD抗原に対して高い応答を示し、9匹の動物のうち8匹(90%)がhsp65に対して高い応答を示し、9匹の動物のうち3匹(33%)がhsp70に対して高い応答を示した。
Figure 2005514041
14kD、9kD、47kD、70kD及び65kDタンパク質での子ウシの免疫化、特異的抗体応答の検出及びDTH反応性の検出
a)免疫化
14kD、9kD、47kD、70kD及び65kDタンパク質の免疫原性及びミコバクテリウム・ボビスから誘導したPPDに対する(交差性)DTH応答を誘導する能力を評価するために、子ウシを以下のように免疫化した:
1)弱毒化ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス316F(オランダ国のID−Lelystadが産生)をベースとする死滅全細胞ワクチン;動物4匹、
2)W/Oアジュバント中の精製組換え14kDタンパク質;動物4匹、
3)W/Oアジュバント中の精製組換え9kDタンパク質;動物4匹、
4)W/Oアジュバント中の精製組換え47kDタンパク質;動物4匹、
5)W/Oアジュバント中の精製組換えHsp70;動物2匹、
6)W/Oアジュバント中の精製組換えHsp65;動物2匹、
7)W/Oアジュバントのみ;動物3匹。
0日目及び127日目に下表に示す量の抗原を初回及び追加免疫接種した。
Figure 2005514041
0日目(1ml)及び127日目(0.5ml)に実験ワクチンを用いて免疫化した。血清サンプルを52日目及び178日目に採取した。DTH試験を−56日目(免疫化前に動物のDTH状態を確認するために)、52日目及び178日目に実施した。
b)血清中の抗体検出
各免疫群の1つの代表的動物からの血清サンプル中の総IgG抗体を標準SDS−PAGE及び免疫ブロッティングプロトコルを用いて検出することにより抗原の免疫原性及びそのPPD中の存在を確認した。前記プロトコルでは、レーンに精製組換え14kD、9kD、47kD、65kD及び70kDタンパク質(2.5ug)及び各種抽出物(ミコバクテリウム・ボビス株AN5から誘導した全細胞音波処理物及びPPD;ミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス株B854からの全細胞音波処理物;ミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス株3+5/Cから誘導したPPD)(2.5ug)を充填した。
結果:
すべての代表的な血清中の抗体が対応の組換え14、9、47、65及び70kDタンパク質を検出した(図2,パネルA−E,レーン1)。組換え14kDタンパク質に対する抗体はミコバクテリウム・ボビス及びミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス全細胞音波処理物およびPPDでは対応抗原を認識できなかった(図2,パネルA,レーン2−4)。組換え9kDタンパク質に対する抗体はミコバクテリウム・ボビス及びミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス全細胞音波処理物及びミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシスPPDでは対応抗原を認識したが、ミコバクテリウム・ボビスPPDでは対応タンパク質を認識しなかった(図2,パネルB,レーン2−4)。組換え47kDタンパク質に対する抗体はミコバクテリウム・ボビス及びミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス全細胞音波処理物では対応抗原を弱く認識したが、PPDでは対応バンドを認識しなかった(図2,パネルC,レーン2−4)。組換え65及び70kDタンパク質に対する抗体はミコバクテリウム・ボビス及びミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス全細胞音波処理物及びPPDで対応抗原を認識した(図2,パネルD及びE,レーン2−4)。
更に、抗原の免疫原性を血清サンプル中の全IgG抗体を標準ELISAプロトコルを用いて検出することにより確認した。前記プロトコルでは、ウェルを各種ミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス株(B854、5255、316F、3+5/C、Teps)またはミコバクテリウム・ボビス株AN5の各種抽出物(全細胞音波処理物、KCL抽出物、分泌タンパク質)(5ug)及び組換え精製14kD、9kD、47kD、70kD及び65kDタンパク質(5ug)で被覆した。任意に、OD=1.0で1/80以上の力価をポジフィブ応答の指標と見做した。
結果:
初期及び追加免疫後14kD、9kD、47kD、70kD及び65kDタンパク質に対して強い特異的抗体応答が検出された(力価>640;表2及び3)。9kDタンパク質に対する特異的抗体力価が追加免疫化後検出された(力価160;表2及び3)。
Figure 2005514041
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c) DTH反応性
遅延型過敏性(DTH)反応をEU−指示64/432(指示97/12及び98/46により補正)に従って実施した。簡単に説明すると、2000IEトリPPD、2000及び5000IEウシPPDを注射し、72時間後の皮膚厚さの増加を検出した。2mm以上増加したならばDTH応答がポジティブと見做す。全細胞死滅パラツベルクローシスワクチン群では、ウシPPD反応性が初回及び追加免疫後4匹すべての動物で検出された(表4)。初回免疫後14kDタンパク質(1/4)及びHsp65(1/2)をワクチン接種した動物、及び追加免疫後47kDタンパク質(1/4)をワクチン接種した動物においてウシPPD反応性が検出された。ウシPPD反応性は9kDタンパク質及び70kDタンパク質で免疫化した群では検出されなかった(表4)。
結果:
9kD及びHsp70タンパク質はDTH PPD試験で応答を与えない。感染に対する防御に寄与せず、更にDTH PPD試験でPPDと交差反応しないワクチンが必要な場合には、本発明の新規な9kDタンパク質が選択されるワクチン成分であり、Hsp70との組合せが好ましい。
Figure 2005514041
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1Aは2D−ゲルのウェスタンブロットにおいて4.20〜4.75のPIを有し、約3スポットの水平列として目に見える33kDタンパク質の存在を示す。1Bは2D−ゲルのウェスタンブロットにおいて5.60〜6.15のPIを有し、約5スポットの水平列として目に見える60kDタンパク質の存在を示す。1Cは33kDタンパク質及び60kDタンパク質の両方の特定スポットが目に見えるクーマシーブリリアントブルーで染色した2D−ゲルを示す。1Dは33kDタンパク質及び60kDタンパク質の両方の特定スポットが目に見える銀染色した2D−ゲルを示す。 組換え精製14kDタンパク質(パネルA)、組換え精製9kDタンパク質(パネルB)、組換え47kD(パネルC)、組換え精製70kDタンパク質(パネルD)及び組換え65kD(パネルE)で免疫化した動物からの血清サンプル(178日)の免疫ブロット。レーン1:14kD(A)、9kD(B)、47kD(C)、70kD(D)または65kD(E)の組換え精製タンパク質。レーン2:ミコバクテリウム・ボビス株AN5全細胞音波処理物。レーン3:ミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス株B854全細胞音波処理物。レーン4:ミコバクテリウム・アビウム・パラツベルクローシス株3+5/C誘導PPD。レーン5:ミコバクテリウム・ボビス株AN5誘導PPD。
【配列表】
Figure 2005514041
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Claims (37)

  1. 配列番号5に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis)タンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  2. 配列番号3に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  3. 配列番号1に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、28kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  4. 配列番号7に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  5. 配列番号9に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  6. 配列番号11に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  7. 配列番号13に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  8. 配列番号15に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  9. 配列番号17に示すミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質遺伝子の核酸配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の相同性を有する、ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  10. 5.60から6.15のPIを有する60kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  11. 4.20から4.75のPIを有する33kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質をコードする核酸配列または前記タンパク質の免疫原性断片をコードする前記核酸配列の一部。
  12. 請求項1から11に記載の核酸配列を含むDNA断片。
  13. 機能的に連結したプロモーターの制御下で請求項1から11項記載の核酸配列または請求項12項に記載のDNA断片を含む組換えDNA分子。
  14. 請求項1から11に記載の核酸配列、請求項12に記載のDNA断片または請求項13に記載の組換えDNA分子を含む生組換えキャリア。
  15. 請求項1から11に記載の核酸配列、請求項12に記載のDNA断片、請求項13に記載の組換えDNA分子または請求項14に記載の生組換えキャリアを含む宿主細胞。
  16. 配列番号6に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とする9kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  17. 配列番号4に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とする14kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  18. 配列番号2に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とする28kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  19. 配列番号8に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とする47kDミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  20. 配列番号10に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  21. 配列番号12に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  22. 配列番号14に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  23. 配列番号16に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  24. 配列番号18に示すアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%の配列相同性を有することを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  25. 5.60から6.15のPIを有するミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス60kDタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  26. 4.20から4.75のPIを有するミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス33kDタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  27. 請求項1から11に記載の核酸配列によりコードされることを特徴とする請求項16から26に記載のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片。
  28. ワクチン中に使用するための請求項16から26に記載のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質またはその免疫原性断片、或いは請求項1から11に記載の核酸配列。
  29. ミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染撲滅用ワクチンを製造するための請求項1から11に記載の核酸配列、請求項12に記載のDNA断片、請求項13に記載の組換えDNA分子、請求項14に記載の生組換えキャリア、請求項15に記載の宿主細胞、または請求項16から26に記載のタンパク質またはその免疫原性断片の使用。
  30. 少なくとも1つの請求項16から26に記載のミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシスタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片に加えて医薬的に許容され得る担体を含むことを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するためのワクチン。
  31. 請求項1から11に記載の核酸配列、請求項12に記載のDNA断片、請求項13に記載の組換えDNA分子、請求項14に記載の生組換えキャリアまたは請求項15に記載の宿主細胞に加えて医薬的に許容され得る担体を含むことを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するためのワクチン。
  32. 請求項16から26に記載のタンパク質または前記タンパク質の免疫原性断片に対する抗体に加えて医薬的に許容され得る担体を含むことを特徴とするミコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス感染を撲滅するためのワクチン。
  33. アジュバントを含むことを特徴とする請求項30から32に記載のワクチン。
  34. ウシに対して病原性のウイルスまたは微生物から誘導した追加抗原、前記抗原に対する抗体または前記抗原をコードする遺伝情報を含むことを特徴とする請求項30から32に記載のワクチン。
  35. ウシに対して病原性のウイルスまたは微生物がウシヘルペスウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、パラインフルエンザ3型ウイルス、ウシパラミクソウイルス、口蹄疫ウイルス、パスツレラ・ヘモリチカ、ウシ呼吸器合胞ウイルス、タイレリア種、バベシア種、トリパノソーマ種、アナプラズマ種、ネオスポラ・カニヌム、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・アガラクチエ、マイコプラズマ、エシェリヒア・コリ、エンテロバクター、クレブシエラ、シトロバクター及びストレプトコッカス・ダイスガラクチエからなる群から選択されることを特徴とする請求項34に記載のワクチン。
  36. 請求項1から11に記載の核酸配列、請求項12に記載のDNA断片、請求項13に記載の組換えDNA分子、請求項14に記載の生組換えキャリア、請求項15に記載の宿主細胞、請求項16から26に記載のタンパク質または請求項16から26に記載のタンパク質に対する抗体を医薬的に許容され得る担体と混合することを含む請求項30から35に記載のワクチンの作成方法。
  37. 請求項1から11に記載の核酸配列またはそのプライマー、請求項16から26に記載のタンパク質またはその免疫原性断片、または請求項1項から26に記載のタンパク質と反応性の抗体及び適当な検出手段を含む診断キット。
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