JP2005513292A - 再構築剤を用いた布地物品の処理 - Google Patents

再構築剤を用いた布地物品の処理 Download PDF

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Abstract

親油性流体及び再構築剤で布地を処理する方法及び組成物が本発明によって提供される。

Description

本発明は、親油性流体及び再構築剤(rebuild agent)で布地を処理する組成物及び方法に関する。
衣服のような布地物品の洗浄及び処理に関する従来の洗濯技術には、長い間、通常の水性主体の洗濯、及び一般に「ドライクリーニング」と呼ばれる技術の両方が必要であった。通常の水性主体の洗濯手法には、水及び洗剤又は石鹸製品の溶液への布地物品の浸漬、それに続くすすぎ及び乾燥が必要であった。しかしながら、水への浸漬に適さない布地の構成要素、構造などのために特殊な取り扱い及び/又は洗浄方法を必要とする様々な布地物品に、かかる従来の浸漬洗浄技術は不十分であることが判明している。
従って、「ドライクリーニング」の洗濯方法の使用が開発されてきた。ドライクリーニングでは、典型的には洗浄のための溶媒又は溶液として非水性流体、親油性流体の使用を必要とする。無水であるために、水が存在する場合に生じる思わぬ失敗の可能性がなく、布地を洗浄できるがこのような親油性流体は、親水性の汚れ及び/又は複合的な汚れには上手く機能しない。
これらの親油性流体は、通常は「原液」形態で使用されるので(即ち、それらは追加的な添加物を含有しない)、ドライクリーニングサイクルの前に布地から頑固な汚れを落すためには、ドライクリーニング業者は前処理及び/又は前しみ除去を行わなければならないことが多い。更に、ドライクリーニング業者から戻ってきた「黒ずんだ」又は「くすんだ」布地からわかるように、ドライクリーニングされる布地の「白さ」又は「光沢」を増進するために何も添加されない。親油性流体の光沢を出す、白くする、及び/又は汚れを落とす能力を高め、それによって前処理及び/又は前しみ除去を軽減する、又はなくすために、親油性流体による処理方式に漂白を加えることが望ましい。
消費者が高く評価する多くの布地及び織物(例えば、シルク)は、多量の水にさらされると過度の損傷を受け易い。このため、このような布地及び織物で作られた衣類はドライクリーニングしなければならない。
それ故に、布地ケア活性物質を組み込んだ親油性流体組成物と共に用いる布地ケア及び/又は処理方式への要求が依然として存在する。
親油性流体組成物と共に用いる、布地ケア活性物質含有のケア及び処理方式並びに組成物を提供する本発明によってこの要求は満たされる。
本発明は、親油性流体による処理方式において改善された布地洗浄を達成する方法を対象としており、この方法には、布地を親油性流体にさらす工程と布地を再構築剤にさらす工程とを含む。
本発明はまた、親油性流体による処理方式において改善された布地洗浄を達成する組成物を対象とし、その際、その組成物は親油性流体及び再構築剤を含む。
これら及び他の態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び記載された請求項を読むことにより、当業者には明らかになるであろう。本明細書におけるすべての百分率、比率及び割合は、特に指定のない限り重量を基準とする。特に指定のない限り、温度は全て摂氏(℃)による。全ての測定値は、特に指定のない限りSI単位による。関連部分において記載されるすべての文献は、参照文献として本明細書中に組み込まれる。
(定義)
本明細書で用いられる用語「布地(複数)」及び「布地(単数)」とは、従来の洗濯方法又はドライクリーニング方法で習慣的に洗浄されるいかなる物品も意味するものとする。このような用語は、衣服、亜麻布、服地、及び衣服付属品のような物品を包含する。この用語はまた、手下げバッグ、家具カバー、防水布など、全体的に又は部分的に布で作られた他の品目も包含する。
用語「汚れ」とは、取り除くことが望まれる、布地物品上の望ましくないあらゆる物質を意味する。用語「水をベースにした」又は「親水性の」汚れとは、汚れが最初に布地物品と接触した時点で、汚れが水を含んでいたか、又は汚れが布地物品上で相当な分量の水を保持していることを意味する。水をベースにした汚れの例には、飲み物、多くの食物汚れ、水溶性染料、体液、例えば汗、尿、又は血液など、戸外の汚れ、例えば草のしみ、及び泥などが挙げられるが、これらに限定されない。
(親油性流体)
本明細書の親油性流体は、布地物品処理機器の運転条件下で、換言すれば、本発明による布地物品の処理中に、液体相を有するものである。一般に、このような親油性流体は周囲温度及び周囲圧力において完全な液体であり得、容易に溶解する固体、例えば約0℃〜約60℃の範囲の温度で液体になるものであり得、又は例えば25℃及び1気圧の周囲温度及び周囲圧力において液相及び蒸気相の混合物を含み得る。従って、親油性流体は、二酸化炭素のような圧縮性気体ではない。
本明細書の親油性流体は、既知の慣用的なドライクリーニング流体の性質と等しい、又は好ましくはそれを上回る不燃性を有するか又は比較的高い引火点及び/もしくは低VOC(揮発性有機化合物)性を有することが好ましく、これらの用語はドライクリーニング産業で使用されるような慣用的な意味を有する。
更に、本明細書の好適な親油性流体は、流動し易く、粘性ではない。
一般に、本明細書の親油性流体は、本明細書で後述する試験の中で定義されるように、皮脂又は身体の汚れを少なくとも部分的に溶解できる流体であることが必要である。親油性流体の混合物もまた好適であり、下記の親油性流体試験の要件が満たされることを条件として、親油性流体は、いずれかの分率のドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒類、又は過フッ素化アミン類を包含する、より新しい種類のものを含むことができる。パーフルオロトリブチルアミンのような幾つかの過フッ化アミン類は、親油性流体として使用するには適さないが、親油性流体を含有する組成物中に存在する多くの可能な添加剤の1つとして存在してよい。
以下に限定されないが、ジオール溶媒系、例えば、C6−もしくはC8−の高級ジオール、又は更に高級のジオール類、環状及び非環状型の両方を含む有機シリコーン溶媒類等、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物の主成分として組み込むのに好適な非水性親油性流体の好ましい群には、低揮発性非フッ素化有機物類、シリコーン類、特にアミノ官能性シリコーン類以外のもの、及びこれらの混合物が挙げられる。低揮発性非フッ素化有機物には、例えばオレアン(OLEAN)(登録商標)及びその他のポリオールエステル、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分枝状石油留分が含まれる。
本発明の組成物の主成分として組み込むのに好適な非水性親油性流体の別の好ましい群には、グリコールエーテル類、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。組成物の主成分として、例えば、50%を超過して用いられる好適なシリコーン類には、「D5」と呼ばれることもあるシクロペンタシロキサン、及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、任意に他の適合性のあるシリコーンにより補完される直鎖類似体が挙げられる。好適なシリコーン類は、文献で周知であり、例えば、カーク・オスマー(Kirk Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)を参照されたい。また、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、東芝シリコーン(株)、バイエル(Bayer)、及びダウ・コーニング(Dow Corning)を含む多数の民間の供給源から入手可能である。他の好適な親油性流体が、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)、又はダウ・ケミカル(Dow Chemical)、及び他の供給元から入手可能である。
親油性流体の適格性及び親油性流体試験(LF試験)
ドライクリーニング流体についての既知の要件(例えば、引火点)を満たすことができ、下記の試験法に示されるように皮脂を少なくとも部分的に溶解可能なあらゆる非水性流体が、本明細書の親油性流体として好適である。一般指針としてパーフルオロブチルアミン(フロリナート(Fluorinert)FC−43(登録商標))はそれ自体(補助剤と共に、又は補助剤なしで)では定義により本明細書で使用される親油性流体として好適でない(本質的に非溶媒である)標準物質であり、一方でシクロペンタシロキサンは好適な皮脂溶解特性を有し、皮脂を溶解させる。
以下は親油性流体として使用する他の物質、例えば、他の低粘度、自由流動性シリコーンの調査及び適格性を認定する方法である。この方法は、皮脂に関するモデル汚れとして、市販品として入手可能なクリスコ(Crisco)(登録商標)キャノーラ油、オレイン酸(純度95%、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich Co.)から入手可能)及びスクアレン(純度99%、J.T.ベーカー(J.T.Baker)から入手可能)を使用する。試験物質は、実質的に無水であり、いかなる添加された添加剤も評価中の他の材料も含んでいてはならない。
3本のバイアル瓶を用意し、各バイアル瓶に一種類の親油性汚れを入れる。第一のバイアル瓶にキャノーラ油1.0gを入れ、第二のバイアル瓶にオレイン酸(95%)1.0gを入れ、最後の第三のバイアル瓶にスクアレン(99.9%)1.0gを入れる。各バイアル瓶に、親油性を試験する流体を1g入れる。室温及び室内圧力で標準的な攪拌混合機において、最大設定で20秒間、試験される親油性汚れ及び流体を含有する各バイアル瓶を個別に混合する。バイアル瓶を作業台に載置し、室温及び室内圧力で15分間安定させる。静止した時に、親油性汚れの入ったいずれかのバイアル瓶に透明な単一相が形成された場合は、その非水性流体は、本発明による「親油性流体」として使用するのに好適であると見なされる。しかし、3本のバイアル瓶全部に2つ以上の分離相が形成されている際には、油相中に溶解される非水性流体の量を、非水性流体が適切なものとして拒絶する又は容認する前に、更に測定する必要がある。
このような場合には、注射器により、各バイアル瓶の各層から200mlのサンプルを注意深く抽出する。各3つのモデル汚れ及び試験される流体の較正サンプルの保持時間の決定後、注射器で採取した層のサンプルをGCオートサンプラーバイアル瓶に入れ、従来のGC分析にかける。オレイン酸層、キャノーラ油層、又はスクアラン層からなる層のいずれか1つに、試験流体が1%を超えて、好ましくはより多く、存在することがGCで見つかった場合には、その試験流体も親油性流体として使用するのに適切であると格付けされる。必要であれば、上記方法はヘプタコサフルオロトリブチルアミン、つまりフロリナート(Fluorinert)FC−43(不合格)及びシクロペンタシロキサン(合格)を使用して更に較正することができる。好適なGCは、スプリット/スプリットレスインジェクター及びFIDを装備したヒューレットパッカード(Hewlett Packard)のガスクロマトグラフHP5890シリーズIIである。親油性流体存在量を決定するのに使用する好適なカラムは、J&Wサイエンティフィック社(J&W Scientific)の、30メートル、内径0.25mm、0.1umのフィルム厚、カタログ番号1221131のキャピラリーカラムDB−1HTである。GCは次の条件下で操作されるのが好適である:
Figure 2005513292
本明細書で使用するのに適した好ましい親油性流体は、優れた衣類ケア特性を有するので、用いられるのに更に適する可能性がある。衣類ケア特性試験は当該技術分野において周知であり、幅広い範囲の衣類又は継ぎ目などに使用される布地、糸及びゴムひもを含む布地物品構成要素及び様々なボタンを使用して特定されるべき流体を試験することを含む。本明細書に用いるのに好ましい親油性流体は、優れた衣類ケア特性を有する、例えば、良好な収縮及び/又は布地ひだ寄せ特性を有し、プラスチックボタンに目立った損傷を与えない。例えばエチルラクテートのような、皮脂の除去において親油性流体として使用するのが適切である特定の物質は、ボタンを溶解する傾向があるためにあまり好ましくないことがあり、そのような物質を本発明の組成物中に使用しなければならない場合は、混合物全体が実質的にボタンに損傷を与えないように、水及び/又は他の物質と配合されることになる。他の親油性流体、D5は、例えば、衣類ケアの要件を十分に満たす。幾つかの好適な親油性流体は、付与された米国特許第5,865,852号、第5,942,007号、第6,042,617号、第6,042,618号、第6,056,789号、第6,059,845号、及び第6,063,135号の中に見出すことができ、これらを本明細書に参考として組み入れる。
親油性流体には、線状及び環状ポリシロキサン、炭化水素、及び塩素化炭化水素を挙げることができるが、本明細書で使用される親油性流体の定義によって明確に含まれないPERC及びDF2000は例外とする。より好ましいのは線状及び環状ポリシロキサン類、及び炭化水素のグリコールエーテル、炭化水素の酢酸エステル、炭化水素の乳酸エステル類である。好ましい親油性流体には、760mmHgにおける沸点が約250℃未満である環状シロキサンが挙げられる。本発明で用いられるのに特に好ましい環状シロキサン類は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンである。好ましくは、環状シロキサンはデカメチルシクロペンタシロキサン(D5、ペンタマー)を含み、実質的にオクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)を含まない。
ただし、有用な環状シロキサン混合物は、好ましい環状シロキサンに加えて、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びヘキサメチルシクロトリシロキサン、又はテトラデカメチルシクロヘプタシロキサンのようなより高級な環状物を含む他の環状シロキサンも微量含有する場合があることを理解すべきである。一般に、有用な環状シロキサン類混合物中のこれらの他の環状シロキサンの量は、混合物全体の約10重量%未満である。環状シロキサン混合物の工業規格では、このような混合物は混合物の約1重量%未満のオクタメチルシクロテトラシロキサンを含む。
(再構築剤)
本発明に使用する好適な再構築剤の具体的な非限定例は、PCT国際公開特許WO01/72944(US20010036907A1)、PCT国際公開特許WO01/72940、PCT国際公開特許WO01/72939に記載されている。
一実施形態では、本発明で使用される再構築剤は本質的に水溶性又は水分散性であり、好ましい形態では、布地に対する親和性を増大させる化学変化を生じる1以上のペンダント基を有するポリマー主鎖を含む。
再構築剤の重量平均分子量(M,,)(GPCによって測定される場合)は、典型的には約500〜約2,000,000、例えば1,000〜1,500,000の範囲であることができる。しかし好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000、特に10,000〜15,000である。
本明細書で使用する場合、水溶性とは、水又は別の水溶液に添加したときに材料が等方性の溶液を形成することを意味する。
本明細書で使用する場合、水分散性とは、水又は別の水溶液に添加したときに材料が細かく分離した懸濁液を形成することを意味する。しかし好ましくは、用語「水分散性」とは、pHが7で250Cの水中で材料が長期間安定な溶液又は分散液を生成することを意味する。
化学変化に際して布地に対する材料の親和性が増大するということは、化学変化が生じる又は生じた場合に洗濯処理プロセス中のある時に付着した材料の量が、化学変化が生じなかった及び生じない場合又はそれがよりゆっくり生じる場合と比較してより多いことを意味し、このような比較は化学変化の速度に影響を与えるのに必要な条件だけを変更する以外、全ての条件を同じにして行う。
付着には、吸着、共結晶化、閉じ込め(entrapment)及び/又は接着が含まれる。
本発明の第1の態様において、再構築剤のポリマー主鎖は、それが付着する布地の少なくとも一部の繊維と同様の化学構造を有する場合がある。例えば布地が本質的にセルロース系、例えば綿である場合に、ポリマー主鎖はセルロース及び/もしくはセルロース誘導体、又はマンナン及び/もしくはグルコマンナンのようなセルロースに対して親和性をもつ別の1,4−連結多糖類を含むのが好ましい。
本発明の第2の態様において、多糖類は置換基を含んでもよい。化学変化を生じ得るペンダント基(及び存在する場合には任意の非官能性ペンダント基)をもつ多糖類の平均置換度は、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.4〜1である。更により好ましい置換度は、0.5〜0.75である。
多糖類は直鎖又は分枝状であってもよい。多くの天然多糖類は、少なくともある程度の分枝を有するか、又はいずれにしても少なくとも一部の糖環が、多糖類主鎖に対する側枝基の形態である(そのためそれ自体は置換度に数えられない)。
多糖類は、ペンダントヒドロキシル基を有する複数の糖環を含む。ペンダント基は、化学的に、又は他の結合機構によって、本明細書の以下で記載されるいずれかの手段によりこれらのヒドロキシル基と結合できる。「平均置換度」とは、試料中の多糖類分子全体について糖環あたりのペンダント基の平均数を意味し、全ての糖環について線状主鎖の一部を形成するのか、又はそれ自体が多糖類の側枝基であるのかを決定する。本発明に使用するポリマー材料として好適な他のポリマー主鎖としてはヒドロコロイド応用(Hydrocolloid Applications)、A.ナシンスイッチ(A.Nussinswitch)、ブラッキー(Blackie)、1997年に記載されるものが挙げられる。
化学変化を生じ得、ペンダント基によって呈示されるような向上した布地親和性をもたらすペンダント基では、通常、加水分解及び/又は過加水分解(perhydrolysis)及び/又は結合開裂が生じ、それは酵素又は別の触媒によって触媒される場合がある。
エステル連結基の加水分解が最も典型的である。しかし、この変化は好ましくは単なるプロトン化又は脱プロトン化ではない、即ちpH誘導効果でない。化学変化は、ポリマー主鎖に共有結合した基で、又はそのような基に生じ、特に1以上のこのような基を失う場合がある。これらの基は主鎖上のペンダントである。
本発明の第1の態様の場合、それらはモノカルボン酸をベースとするエステル連結基である。
本発明の第2の態様は、モノカルボン酸をベースとするエステル連結を組み込んだ再構築剤の使用に限定されない(が、それを含むことができる)。モノ−、ジ−及びポリカルボン酸エステル−又は半エステル−連結、非カルボン酸から誘導されるエステル及び半エステル連結、並びにカルバメート、尿素又はシリル連結基、並びにその他のものも可能である。特に好ましいものは、セルロースモノアセテート、セルロースヘミスクシネート、及びセルロース2−(2−ヒドロキシル−オキソプロポキシ)プロパノエートである。用語セルロースモノアセテートとは、本明細書において1以下の置換度をもつアセテートを示すのに用いられる。
全てのペンダント置換基全体の置換度は、好ましい順に0.3〜3、0.4〜1、0.5〜0.75、0.6〜0である。しかし、化学変化を生じる基と共に、他の種類のペンダント基が任意に存在していてもよく、即ちその基は布地親和性を向上させる化学変化を生じない。他の基の種類には、再構築剤の溶解性を向上させるような下位概念の基(例えば、1以上の遊離カルボン酸/塩、及び/又はスルホン酸/塩、及び/又はサルフェート基であるか、又はそれを含む基)がある。溶解性を向上させる置換基の例としては、カルボキシル、スルホニル、ヒドロキシル、(ポリ)エチレンオキシ−及び/又は(ポリ)プロピレンオキシ−含有基、並びにアミン基が挙げられる。
他のペンダント基は、ペンダント基の全数の0%〜65%、より好ましくは0%〜10%(例えば、0%〜5%)を構成してもよい。他のペンダント基の最小数は、例えば全体の0.1%又は1%であってもよい。水溶性にする基は、そのような他のペンダント基の0%〜100%を構成できるが、好ましくは他のペンダント基の全数の0%〜20%、より好ましくは0%〜10%、更により好ましくは0%〜5%を構成できる。
本発明に使用される市販されていない再構築剤は、多数の異なる合成ルート、例えば:(1)好適なモノマーの重合、例えば糖類の酵素重合、例えばS.ショウダ(S.Shoda)及びS.コバヤシ(S.Kobayashi)のMakromol.Symp.、1995年、99、179〜184頁によるもの、又は直交グリコシル化(orthogonal glycosylation)によるオリゴ糖合成、例えばH.ポウルセン(H.Paulsen)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、1995年、34、1432〜1434頁によるもの;−17−(2)ポリマー主鎖(天然のもの、特に多糖類、特にβ−1,4−連結した多糖類、特にセルロース、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシログルカン;又は合成ポリマーのいずれか)の、ポリマーの溶解性を改善する官能基についての必須置換度までの誘導体化であって、それは試薬(特に、酸ハライド、特にカルボン酸ハライド、無水物、カルボン酸無水物、カルボン酸又はカルボネート)を用いて、主鎖を溶解する、主鎖を膨潤する、又は主鎖を膨潤しないが生成物を溶解もしくは膨潤する溶媒中にて行われる誘導体化;(3)必須置換度まで低下させるポリマー誘導体(特にエステル)の加水分解;又は(4)ルート(1)〜(3)の2以上のルートの組み合わせによって調製してもよい。
ルート(1)又は(2)からの置換度及びパターンは、加水分解又は加溶媒分解又は他の開裂による官能基の部分的な除去によって実質的に変更されてもよい。反応物質の相対量及び反応時間も、置換度を制御するために使用できる。更に、又は別の方法として、主鎖の重合度は官能基による誘導体化の前、誘導体化中又は誘導体化後に低下させてもよい。主鎖の重合度は、更なる重合によって、又は誘導体化工程前、工程中もしくは工程後に架橋剤によって増大させてもよい。
ヒドロキシ酸のセルロースエステルは、酸無水物を用いて、通常は酢酸溶液中で得ることができる。生成物が溶解している場合、液体を水中に注ぐ。グリコール酸及び乳酸エステルは、このようにして製造できる。セルロースグリコレートはまた、セルロースクロルアセテート(cellulosechloracetate)から、100部をアルコール中のNaOH32部を少しずつ添加して処理することによって得てもよい(B.P.320,842)。
セルロースエステルを調製する別の方法は、セルロースエステル中の酸ラジカルを、より高いイオン化定数をもつ別の酸で処理することによって部分的に置換することから成る。エステルを酸と共に約1000に加熱するが、その酸は好ましくはエステル用の溶媒であるべきである。この手段によって、セルロースアセテート−オキザラート、タータラート、マレアート、ピルベート、サリチラート及びフェニルグリコレートが得られ、セルローストルベンゾエートからはセルロースベンゾエート−ピルベートが得られた。セルロースアセテート−ラクテート又はアセテート−グリコレートもこの方法で製造できる。例として、シュウ酸(10g)を含有するジオキサン(75ml)中のセルロースアセテート(10g)を1000で2時間加熱還流する。
この方法を変更することによって、複数のエステルが調製される。セルロースの単純エステル、例えばアセテートを、2つ(又は3つ)の有機酸の混合物に溶解させるが、その際、各酸は酢酸のイオン化定数(1.82×10−5)より大きいイオン化定数を有する。固体酸については、プロピオン酸、ジオキサン、及びエチレンジクロライドのような好適な溶媒を使用する。混合セルロースエステルを酸で処理する場合、その酸は、既に組み合わされた酸のいずれよりも大きいイオン化定数をもつようにすべきである。
セルロースアセテート−ラクテート−ピルベートを、125mlのピルビン酸及び125mlの85%乳酸の反応浴中にて1000で18時間にわたって加熱することによって40%アセチルのセルロースアセテート(100g)から調製する。生成物は水に可溶性であり、沈殿させて、エーテル−アセトンで洗浄する。
(再構築剤を製造するための合成例)
(実施例1)
(セルロース「モノアセテート」の調製)
これを、PCT国際公開特許WO91/16359の方法によって調製した。
(実施例1a)
30.0gのセルロースジアセテート(DS2.45)(出発セルロースエステル)、0.08gのモリブデンカルボニル(触媒)、213.6gのメタノール(反応溶媒1)及び30.0gの水(反応溶媒2)を、磁性連結攪拌器を備えた1リットルのスチールパー(Parr)反応器に充填する。反応器を密閉し、次いで140℃に加熱する。加熱時間は、通常1〜2時間である。反応器の初期圧力は、通常200〜500psi(14.06〜35.153kg/cm)(1379〜3447kPa)であり、混合物を140℃で7時間攪拌する。次いで反応混合物を室温まで冷ますが、通常はそれに2〜3時間かかる。生成物を得られたスラリーから濾過により単離する。反応溶媒、並びにメチルアセテートのような副生成物を、蒸留により濾液から回収できる。生成物はセルロースモノアセテートであり、収率は66%である。主要分析:DS=0.48;固有粘度(100mlのDMSOあたり0.25g)=0.55。
(実施例1b)
30.0gのセルロースジアセテート(DS2.45)(出発セルロースエステル)、0.05gの酸化モリブデン(VI)オキシド及び237.3gのメタノール(反応溶媒)を、磁性連結攪拌器を備えた1リットルのスチールパー(Parr)反応器に充填する。反応器を密閉し、次いで155℃に加熱する。加熱時間は、通常1〜2時間である。反応器の初期圧力は、通常200〜500psi(14.06〜35.153kg/cm)(1379〜3447kPa)窒素である。反応混合物を155℃で3時間にわたって攪拌する。次いで反応混合物を室温まで冷ますが、通常はそれに2〜3時間かかる。生成物を得られたスラリーから濾過により単離する。反応溶媒、並びにメチルアセテートのような特定の副生成物を、蒸留により濾液から回収できる。生成物はセルロースモノアセテートであり、収率は87%である。主要分析:DS=0.50;固有粘度(100mlのDMSOあたり0.25g)=1.16。
(実施例2)
(セルロースヘミスクシネートの調製(第1のルート))
セルロースヘミスクシネートをB.P.410,125に従って調製した。セルロース(綿であるワットマン(Whatman)セルロースパウダーCF11、5g)、コハク酸無水物(25g)、及びピリジン(75ml)の混合物を65℃で1週間にわたって維持した。メタノールに注ぐ際にセルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩を得た。粗セルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩をメタノールで繰返し洗浄し、ピリジン及び未使用反応物質を取り除いた。セルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩を、真空下、95℃未満でピリジンを飛ばすことによって遊離酸の形態に変換した。
試薬及び生成物の赤外スペクトルを、グラスビー・スペカック(Graseby Specac)(パート番号10500)の1回反射ダイアモンドATR装置を用いてBio−Rad FTS−7赤外スペクトロメーターにて記録した。綿繊維から調製されたセルロースヘミスクシネートの置換度を、過剰の水酸化ナトリウムを用いるカルボン酸基の一段中和及びエステル基の加水分解、続いて指示薬としてフェノールフタレインを用いる過剰の水酸化ナトリウムの塩酸の標準溶液による滴定によって測定した。これによって得られた値は、2.8であった。
中和されたナトリウム塩形態の生成物の赤外スペクトルは、C−O伸縮による2つの異なるバンドを有する。1574cm−1のバンドは、1550〜1610cm−1にバンドがあると想定されるカルボキシレート陰イオンによるものである。そのため、1727cm−1にある他のバンドは、1735〜1750cm−1にバンドがあると想定されるエステルによるものであるとするのが妥当である。これにより赤外スペクトルは、ヘミエステルの塩と一致する。
(実施例3)
(セルロースヘミスクシネートの調製(第2のルート))
セルロースヘミスクシネートをGB−A−410,125に従って調製した。セルロース(アビセル(Avicel)PH105、5g)、コハク酸無水物(25g)、及びピリジン(75ml)の混合物を65℃で1週間にわたって維持した。メタノールに注ぐ際にセルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩を得た。粗セルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩をメタノールで繰返し洗浄し、ピリジン及び未使用反応物質を取り除いた。
このゲルを希薄水性水酸化ナトリウムと混合したとき、ゲルは直ぐには溶解せず、塊として残るが、除々に溶解して光学的にほぼ透明な溶液を形成する。メタノールで洗浄されたセルロースヘミスクシネートが希薄水性水酸化ナトリウムに直ぐに溶解しなかったという事実は、セルロースヘミスクシネートがわずかに架橋していることを示していた。メタノールですすいだセルロースヘミスクシネートを使用して、より低い置換度及びより少ない架橋の水分散性を有するセルロースヘミスクシネートを調製した。セルロースヘミスクシネートを以下のように部分的に加水分解することによって均一溶液を調製した。微結晶セルロースから調製されたセルロースヘミスクシネートを、メタノール中に分散したセルロースヘミスクシネートのピリジニウム塩のゲル形態で、0.1MのNaCl攪拌溶液50mlに50℃で添加した。0.1MのNaOH溶液を、pHが7.0に上昇するまで添加した(18.0mlを必要とした)。更に0.1MのNaOH溶液を、pHが10.5に上昇するまで添加した(3.0mlを必要とした)。次いでこのpHを、0.1MのNaOH溶液を更に添加することによって45分間維持した(4.2mlを必要とした)。次いで混合物を室温まで冷まし、1.0MのHClを用いて中和した(0.1mlを必要とした)。この手順の後、溶液はわずかに混濁した。カットオフ分子量が10,000であるセルローストリアセテート膜(サートリウス(Sartorious)SM145 39)を用いる限外濾過(アミコン(Amicon,Inc.))によってポリマーを無機塩から分離した。
このルートから調製されたセルロースヘミスクシネートの置換度を、過剰の水酸化ナトリウムを用いるカルボン酸基の一段中和及びエステル基の加水分解、続いて指示薬としてフェノールフタレインを用いる過剰の水酸化ナトリウムの塩酸の標準溶液による滴定によって測定した。これによって得られた値は、2.0であった。
(実施例4)
(セルロース2−(2−ヒドロキシ−1−オキソプロポキシ)プロパノエートの調製)
DE3,322,118に記載される方法に従って、2.33gのラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)及び29.7gのセルロース溶液(14gのN,N−ジメチルアセトアミドで膨潤した14gの微結晶セルロース(アビセル(Avicel)PH105)を、200mlのN,N−ジメチルアセトアミド及び16.8gの塩化リチウムの混合物に溶解させることによって得られる)の混合物を、1.5mlのトリエチルアミンで処理し、75℃で1.5時間にわたって攪拌した。
セルロース2−(2−ヒドロキシ−1−オキソプロポキシ)プロパノエートを、反応混合物を300mlのメタノールにピペットで移すことによって単離した。生成物ゲルを更に300mlのメタノールの2つのバッチで洗浄した。この段階でメタノール膨潤2−(2−ヒドロキシ−1−オキソプロポキシ)プロパノエートは水溶性であった。
セルロース2−(2−ヒドロキシ−1−オキソプロポキシ)プロパノエートを真空オーブンにて室温で乾燥させた。乾燥セルロース2−(2−ヒドロキシ−1−オキソプロポキシ)プロパノエートは部分的に可溶性であった。
別の実施形態では、再構築剤の平均分子量(GPCによって測定される場合)は、12,000〜20,000、好ましくは15,000〜20,000の範囲である。
再構築剤を、希釈剤だけを含有する組成物及び/又は別の活性成分を含む組成物に組み込んでもよい。化合物は、典型的には前記組成物において0.005重量%〜25重量%;好ましくは0.01重量%〜10重量%;最も好ましくは0.025重量%〜2.5重量%の濃度で含まれる。
(添加剤成分)
上述された再構築剤に加えて、補助剤成分のような他の布地ケア活性物質を本発明の方法及び組成物に使用してもよい。
添加剤物質は、大きく異なっており、広い範囲の濃度で使用することができる。例えば、プロテアーゼ類、アミラーゼ類、セルラーゼ類、リパーゼ類等のような洗浄性酵素、並びに、洗濯及び洗浄製品で全て有用なマンガン又は類似の遷移金属を有する大環状種を含む漂白触媒を、非常に低い濃度で、又はあまり一般的ではないがより高い濃度で、本明細書において使用することができる。触媒作用をする添加剤物質、例えば、酵素は「前進」又は「逆進」モードで用いることができ、これは本発明の特定の器具とは無関係に有用な発見である。例えば、リポラーゼ又は他の加水分解酵素を、補助剤としてアルコールの存在下で任意に使用してもよく、脂肪酸をエステルに転化し、それにより親油性流体中の溶解度を増大させる。これは「逆方向」操作であって、水に対する溶解度がより小さい脂肪酸エステルを、水に対する溶解度がより大きい物質に変換するための、水中における加水分解酵素の通常の使用法とは対照的である。いずれにしても、任意の補助剤成分は親油性流体との組み合わせで使用するのに適していなければならない。
上記組成物は乳化剤を含んでもよい。乳化剤は化学分野で既知である。本質的に、乳化剤は2つ以上の不溶性又は準可溶性の相を一緒にして、安定又は準安定したエマルションをもたらすように作用する。請求する発明において、乳化剤が乳化剤としてだけではなく、トリートメント性能増進剤としても作用できる、二重の目的を果たすことが好ましい。例えば、乳化剤はまた界面活性剤としても作用し、その結果、クリーニング性能を増進させる。通常の乳化剤及び乳化剤/界面活性剤の両方は市販されている。
好適な洗浄性添加物(添加剤成分)の一部には、ビルダー、界面活性剤、酵素、漂白活性化剤、漂白触媒、漂白増進剤、漂白剤、アルカリ性供給源、抗細菌剤、着色剤、香料、前香料、仕上げ助剤、石灰石鹸分散剤、組成物悪臭制御剤、臭気中和剤、ポリマー移染防止剤、結晶成長防止剤、光漂白剤、キレート剤、変色防止剤、抗微生物剤、酸化防止剤、再付着防止剤、汚れ放出ポリマー、電解質、pH調整剤、増粘剤、研磨剤、二価又は三価のイオン、金属イオン塩、酵素安定剤、腐食防止剤、ジアミン又はポリアミン及び/又はそれらのアルコキシレート、泡安定化ポリマー、溶媒、加工助剤、布地柔軟剤、蛍光増白剤、屈水性誘発物質、泡又は泡立ち抑制剤、泡又は泡立ち促進剤、柔軟仕上げ剤、静電気防止剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、クロッキング防止剤、皺減少剤、防皺剤、汚れ放出ポリマー、防汚剤、日焼け止め剤、退色防止剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「界面活性剤」とは、従来は、水、親油性流体、又はこの2つの混合物のいずれかの中において界面活性である物質を指す。幾つかの例証的な界面活性剤には、従来型水性洗剤系中で使用されるような、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及びシリコーン界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤には:
a)ノニルフェノール及びミリスチルアルコールのポリエチレンオキシド縮合物、例えば米国特許第4685930号、カスプルザク(Kasprzak);及び
b)脂肪族アルコールエトキシレート、R−(OCHCHOH、a=1〜100、典型的には12〜40であり、R=炭化水素残基で8〜20のC原子、典型的には線状アルキル、が挙げられるがこれらに限定されるものではない。例としては、4又は23のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンラウリルエーテル;2、10、又は20のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンセチルエーテル;2、10、20、21、又は100のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンステアリルエーテル;2又は10のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレン(2),(10)オレイルエーテルがある。
好適な陽イオン性界面活性剤は、次式を有するジアルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない:
R’R”N(CH
式中、各R’R”は12〜30C原子から成る基から独立して選択されるか、又はタロー、ココナッツ油もしくは大豆に由来し、X=Cl又はBrであり、例には、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジココナッツジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムブロミド(DTAB)が挙げられる。市販の例には:アドゲン(ADOGEN)、アーコード(ARQUAD)、トマ(TOMAH)、ヴァリコート(VARIQUAT)が挙げられるが、これらに限定されない。また米国特許第6013683号、ヒル(Hill)らを参照のこと。
好適なシリコーン界面活性剤には、ジメチルポリシロキサン疎水性部分と1以上の親水性ポリアルキレン側鎖とを有するポリアルキレンオキシドポリシロキサン類が挙げられ、以下の一般式を有するが、これに限定されない:
−(CHSiO−[(CH−SiO]−[(CH)(R)SiO]−Si(CH−R
式中、a+bは約1〜約50、好ましくは約3〜約30、更に好ましくは約10〜約25であり、各Rは同一であるか又は異なり、メチル及びポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基から成る群から選択され、次の一般式を有する:
−(CHO(CO)(CO)
式中、少なくとも1個のRはポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基であり、その際、nは3又は4、好ましくは3であり;(全てのポリアルキレン側基の)cの合計は1〜約100、好ましくは約6〜約100であり;dの合計の値は0〜約14、好ましくは0〜約3であり;更に好ましくはdは0であり;c+dの合計の値は約5〜約150、好ましくは約9〜約100であり、並びに各Rは同一であるか又は異なり、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、及びアセチル基、好ましくは水素及びメチル基から成る群から選択される。これらの界面活性剤の例は、ヒル(Hill)の米国特許第5,705,562号及びヒル(Hill)の米国特許第5707613号に見出すことができ、これら2つを本明細書に引用して援用する。
この種類の界面活性剤の例には、コネチカット州ダンブリー(Danbury)のCKウィトコ(Witco)OSiディビジョンから入手可能なシルウェット(Silwet(登録商標))界面活性剤がある。典型的なシルウェット(Silwet)界面活性剤は次のとおりである。
Figure 2005513292
ポリアルキレンオキシ基(R)の分子量は、約10,000以下である。好ましくは、ポリアルキレンオキシ基の分子量は約8,000以下、最も好ましくは約300〜約5,000の範囲である。従って、c及びdの値は、これらの範囲内の分子量を与える数であり得る。しかしながら、ポリエーテル鎖(R)中のエチレンオキシ単位(−CO)の数は、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンを水分散性又は水溶性にするのに十分な値でなければならない。ポリアルキレンオキシ鎖にプロピレンオキシ基が存在する場合、それらは鎖中に無作為に分布するか、又はブロックとして存在し得る。好ましいシルウェット(Silwet)界面活性剤は、L−7600、L−7602、L−7604、L−7605、L−7657、及びこれらの混合物である。表面活性の他にも、ポリアルキレンオキシドポリシロキサン界面活性剤は、布地に対する静電気防止効果、及び柔軟性などの他の効果をもたらすこともできる。
ポリアルキレンオキシドポリシロキサン類の調製は当該技術分野において既知である。本発明のポリアルキレンオキシドポリシロキサン類は、米国特許第3,299,112号に示された手順に従って調製することができ、これを参考として本明細書に組み入れる。
他の好適なシリコーン界面活性剤はSF−1488であり、GEシリコーン流体(GE silicone fluids)より入手可能である。
親油性流体と組み合わせて添加剤として用いられるのに好適なこれら及び他の界面活性剤は、当該技術分野で周知であり、より詳細にはカーク・オスマー(Kirk Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第3版、第22巻、360〜379頁、「界面活性剤及び洗剤システム(Surfactants and Detersive Systems)」に記載されており、本明細書に引用して援用する。更なる好適な非イオン性洗浄性界面活性剤は、1975年12月30日にラフリン(Laughlin)らに発行された米国特許第3,929,678号の13欄14行〜16欄6行に概ね開示されており、本明細書に引用して援用する。
添加剤はまた、静電気防止剤であってよい。洗濯及びドライクリーニング分野において用いられるいかなる適した周知の静電気防止剤も、本発明の方法及び組成物に用いるのに適している。静電気防止剤として特に適しているのは、静電気防止効果をもたらすことで知られている布地柔軟剤の一部である。例えば、N,N−ジ(タローイル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのような、20を超えるヨウ素価を有する脂肪族アシル基を有する布地柔軟剤である。しかし、静電気防止剤という用語は、この一部の布地柔軟剤だけに限らず、全ての静電気防止剤を含むということが理解されるべきである。
本発明で利用される方法及び/又は組成物は詳細に記載されるが、本発明を実行することが可能ないかなる組成物、方法、及び/又は装置も使用可能であることは、当該技術分野における当業者には理解されるであろう。
(方法)
本発明の方法は、親油性流体による処理方式にて改善された布地洗浄を達成することを対象とし、布地を親油性流体にさらす工程と布地を再構築剤にさらす工程とを含む。任意ではあるが好ましくは、上記方法は布地を極性相にさらす工程を含んでもよい。
極性相は、水、アルコール、又はこれらの混合物を含んでもよい。極性相が水を含有する場合、極性相は、好ましくは、布地の少なくとも約0.5重量%、多くとも約10重量%の水を含む。
親油性流体は、線状シロキサン、環状シロキサン、又はその混合物を含んでもよい。好ましくは、親油性流体は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、及びこれらの混合物から本質的に成る群から選択される。一層より好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含む。最も好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含み、オクタメチルシクロテトラシロキサンを実質的に含まない。前述のシロキサンの発火点のために、方法は好ましくは約80℃より下で行われる。
本発明による方法を実行する一方で、それぞれ別々に、又は極性相、親油性流体、及び/もしくは漂白剤システムに含有される結果として、布地を乳化剤及び/又は界面活性剤にさらしてもよい。酵素、漂白剤、界面活性剤、布地柔軟剤、香料、抗細菌剤、静電気防止剤、光沢剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、クロッキング防止剤、皺取り剤、防皺剤、汚れ放出ポリマー、日焼け止め剤、退色防止剤、ビルダー、キレート剤、発泡剤、組成物悪臭防止剤、組成物着色剤、pH緩衝剤、防水剤、防汚剤、及びこれらの混合物から本質的に成る群から選択される補助剤成分に布地をさらしてもよい。それぞれ別々に、又は極性相、親油性流体、及び/又は再構築剤の中に含有される結果として、このような補助剤を適用することもできる。
(組成物)
本発明の組成物は、親油性流体による処理方式において改善された布地洗浄を達成することを対象とし、その際、その組成物は親油性流体及び再構築剤を含む。任意に、組成物は極性相を更に含むことができる。
含まれる場合、極性相は、水、アルコール、及びこれらの混合物を含んでもよい。
また、極性相は、好ましくは、組成物の少なくとも約0.1重量%、多くとも約5重量%の水を含む。
更に、極性相はpHを維持するために緩衝液を含んでいてもよい。
組成物は、親油性系に送達される前に保存時の製品を安定化するためにも非再構築剤を含んでいてもよい。このようなキレート剤は、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、四級アンモニア化合物、又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)を含むが、これらに限定されない。
親油性流体は、線状シロキサン、環状シロキサン、又はその混合物を含んでもよい。好ましくは、親油性流体は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、及びこれらの混合物から本質的に成る群から選択される親油性流体を含む。更に好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含む。最も好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含み、オクタメチルシクロテトラシロキサンを実質的に含まない。
漂白剤システムは、酸素系漂白剤、漂白剤活性化剤及び過酸化物源、予備形成過酸、酸化漂白剤酵素、光漂白剤、漂白剤促進化合物、金属漂白剤触媒、オゾン、二酸化塩素又は多漂白剤システムの混合物を含むことができる。漂白剤システムが予備形成の過酸を含んでいれば、極性相は好ましくは布地の少なくとも約1重量%の水を含む。好ましくは、漂白剤システムは少なくとも約2ppmのAvO、より好ましくは少なくとも約25ppmのAvO、更により好ましくは少なくとも約50ppmのAvO、更により好ましくは少なくとも約100ppmのAvOを有する。好ましくは、漂白剤システムは、最大約10000ppmAvOを有する。最も好ましくは、漂白剤システムは少なくとも約100ppmのAvO及び多くとも約5000ppmのAvOを有する。漂白剤システムは、単独成分に相対して極性相の範囲内にあってもよいし、及び/又は親油性流体の範囲内であってもよい。
本発明を実行する一方で、それぞれ別々に、又は極性相、親油性流体、及び/もしくは漂白剤システムに含有される結果として、布地を乳化剤及び/又は界面活性剤にさらしてもよい。酵素、漂白剤、乳化剤、界面活性剤、布地柔軟剤、香料、抗菌剤、静電気防止剤、光沢剤、染料固定剤、染料磨耗阻害剤、クロッキング防止剤、皺取り剤、防皺剤、汚れ放出ポリマー、日焼け止め剤、退色防止剤、ビルダー、キレート剤、発泡剤、組成物悪臭抑制剤、組成物着色剤、pH緩衝剤、防水剤、防汚剤、及びこれらの混合物から本質的に成る群から選択される補助剤成分に布地をさらしてもよい。それぞれ別々に、又は極性相、親油性流体、及び/もしくは漂白剤システムの中に含有される結果として、このような補助剤を適用することもできる。
本発明の方法及び/又は組成物は、その他の布地の処理と組み合わせられてもよいことは理解される。例えば、親油性流体の適用に先立って、布地物品を、その関連部分を本明細書に引用して援用する同時係属出願番号60/191,965号(2000年3月24日出願、ノイエス(Noyes)ら)に記載されるような微粒子を除去する方法に付してもよい。
本発明は、ドライクリーニングサービス、おむつサービス、制服洗浄サービスのようなサービスにおいて、又はランドロマット、ドライクリーナー、ホテル、レストラン、コンベンションセンター、空港、観光船、港湾施設、カジノの一部であるリネンサービスのような商業的ビジネスに用いてもよく、家庭で用いてもよい。
改変された既存の装置である装置、及び関連する方法に加えて本発明の方法を実行するような方式で改造した装置で、本発明の方法及び/又は組成物を実行してもよい。
本発明の方法及び/又は組成物は、改造された既存の装置ではないが、本発明の方法を実行できるような方式にて具体的に作製される装置において実行してもよいし、又は親油性流体の処理システムの一部としてのもう1つの装置を加えてもよい。このことは、化学物質及び水の供給への接続、及び廃液洗浄流体の下水設備のような付随するあらゆる配管を含む。
最後に、本発明の方法は、改変された既存の装置ではないが、本発明の方法及び関連する方法を実行することができるような方式にて具体的に作製されるものである装置において実行してもよい。
本発明を実行するのに用いられる装置は通常、ある種の制御システムを含有する。これらには、いわゆるスマート制御システム、並びに更に従来の電気機械システムのような電気システムが挙げられる。制御システムによって、ユーザーは、洗濯されるべき布地負荷の大きさ、汚れの種類、汚れの程度、洗濯サイクルの時間を選択することが可能になる。もう1つの方法として、ユーザーは、予め設定された洗濯サイクル及び/又はリフレッシュサイクルを用いることができ、又は装置は、確認可能ないかなる数のパラメータに基づいてもサイクルの長さを制御することができる。このことは、電気制御システムについて特にあてはまる。例えば、親油性流体の回収率が定常の率に達したとき、装置は定められた時間の後で自動的に停止するか、又は別の親油性流体の工程方法を開始することができる。
電気制御システムの場合、1つの選択肢は制御デバイスをいわゆる「スマートデバイス」にすることである。このことは、自己診断システム、負荷の種類及びサイクル選択、機械をインターネットに接続して使用者が装置を遠隔的に始動させ、装置が布地物品を洗濯したら知らせること、又は装置が故障した場合、供給元が遠隔的に問題を診断することを含むことを意味するが、これらに限定されない。その上、本発明の装置が単に洗浄システムの一部であるならば、いわゆる「スマートシステム」は、洗濯機や乾燥機のような洗浄工程の残りを完了するのに用いられるその他の洗浄装置に連絡させることができる。

Claims (8)

  1. 親油性流体及び再構築剤を含む、布地処理組成物。
  2. 前記組成物が極性相を更に含み;好ましくは前記極性相が水及び/もしくはアルコールを含み;並びに/又は好ましくは前記極性相が組成物の少なくとも約0.1重量%の水を含み;より好ましくは前記極性相が組成物の最大約5重量%の水を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記親油性流体が、線状シロキサン、環状シロキサン、又はこれらの混合物を含み;好ましくは前記親油性流体が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、及びこれらの混合物から成る群から選択される親油性流体を含み;より好ましくは前記親油性流体がデカメチルシクロペンタシロキサンを含み;最も好ましくは前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンを含むが、オクタメチルシクロテトラシロキサンを実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
  4. 該組成物が、酵素、漂白剤、乳化剤、界面活性剤、布地柔軟剤、香料、抗菌剤、静電気防止剤、光沢剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、クロッキング防止剤、皺取り剤、防皺剤、汚れ放出ポリマー、日焼け止め剤、退色防止剤、ビルダー、非再構築剤、発泡剤、組成物悪臭防止剤、組成物着色剤、pH緩衝剤、防水剤、防汚剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される補助剤成分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 処理の必要な布地物品を処理する方法であって、前記該布地物品が処理されるように前記該布地物品を前記該組成物にさらす工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を用いる方法。
  6. 前記布地を乳化剤にさらす追加工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記布地を界面活性剤にさらす追加工程を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 該方法が約80℃未満で行われる、請求項5に記載の方法。
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