JP2005512517A - 誘導性Hsp70由来のポリペプチドとこのポリペプチドを含有する医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と少なくとも65%一致する、少なくとも8個の連続したアミノ酸のアミノ酸配列を含有するペプチドであって、ペプチドのアミノ酸配列が構成的Hsc70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と少なくとも1つのアミノ酸で異なり、誘導性Hsp70を自然に産生する細胞を特異的に認識でき、Hsc70エピトープではなく変異型及び非変異型Hsp70エピトープの両方を認識できる細胞障害性Tリンパ球をインビトロまたはインビボで誘導できることを特徴とする、ペプチドに関するものである。

Description

本発明は、誘導性Hsp70由来のポリペプチドとこのポリペプチドを含有する医薬組成物に関する。
ガンの免疫治療は、ガン患者にとって効果があることがすでに実証されている方法である(1−4)。したがって、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって認識される、複数の腫瘍抗原とその対応するエピトープとが最近同定され、それらの一部がガンの臨床試験において試験されている。しかし、既知の標的抗原候補の大部分は非常に制限された発現であり、多くの場合黒色腫に限定されている。今日まで、多様なパネルの腫瘍において発現する腫瘍抗原はほとんど発見されていない。
主要なストレス−誘導性熱ショックタンパクであるHsp70は、抗原ペプチドの特異的担体としてよく知られるシャペロンタンパクである(5、6)。事実、数多くの研究で、抗原ペプチド/Hsp複合体がペプチドに特異的なCD8+反応を誘導することが実証されている(7)。これらの研究の結果は、Hsp70そのものが、この系において抗原として作用するのではなく、抗原ペプチドのためのビヒクルとして作用することを示している。しかし、誘導性Hsp70が、肺、乳房、腎臓、卵巣の悪性腫瘍、骨肉腫および結腸直腸ガン内の、ヒトの腫瘍において豊富にしかも優先的に発現するということは興味に値する(8−16)。低酸素症の結果として、Hsp70が腫瘍に過剰に発現することもある(24)。Hsp70は、広範囲にわたるアポトーシス、ネクローシスおよび低酸素などの刺激から細胞を保護することができるので、Hsp70は、腫瘍細胞に延命効果を与えると考えられている(17)。事実、最近のデータは、Hsp70の過剰発現が、大部分の腫瘍細胞が生存するための一般的でしかも必要な事象であることを示唆している(18、19)。様々な化学療法処置下で、Hsp70を多量発現した、腫瘍の特権的発症が報告されている(22、23)。このような耐性メカニズムを克服することに対し、かなり大きな関心が寄せられている。
最近、Triebらは、Hsp70タンパクに反応して増殖した腫瘍浸潤リンパ球系を、骨肉腫患者から単離した(20)。さらに、Gaudinらは、Hsp70の変異配列由来のエピトープに特異的なCTLクローンを単離し、開示している(21)。ただし、このクローンは、腫瘍細胞中の内因性非変異同系エピトープを認識しなかった。
本発明は、Hsp70を自然に産生する細胞、それも特に腫瘍細胞を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球を誘導できるペプチドを提供する。本発明に定義のペプチドは、多種多様なガンに効果がある。ウイルス感染した細胞の場合にも、Hsp70の発現が増加する。
本発明は、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と少なくとも65%同一である、少なくとも8個の連続したアミノ酸からなるアミノ酸配列を含むペプチドであって、構成的Hsc70アミノ酸配列と同じ長さのアミノ酸配列と少なくとも1個のアミノ酸で異なっており、誘導性Hsp70を自然に産生する細胞を特異的に認識でき、Hsc70エピトープではなく、変異型Hsp70エピトープおよび非変異型Hsp70エピトープの両方を認識できる、細胞傷害性Tリンパ球をインビトロ(in vitro)またはインビボ(in vivo)で誘導できるペプチドに関する。
特定の実施態様では、本発明に定義のペプチドは、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む。
逆免疫的(Reverse immunology)研究方法によって、必ずしも免疫学的に主要ではなく、したがってタンパクの全体において免疫原性ではないペプチドエピトープを同定および使用することができる。ただし、このような亜主要エピトープは、特異的リンパ球による腫瘍の認識を誘導するのに効率的で有用である。本発明に定義の8−mer〜10−merのペプチドは、腫瘍抗原としてしか作用せず、例えば、そのペプチドの担体の能力やシャペロン機能、タンパクの他の機能的活性は保持していない。
広範囲に渡って効率性を有する最適なHsp70ワクチン候補を追求する中で、本発明者らは、天然Hsp70がCTLによって認識される腫瘍抗原であることを実証している。逆免疫的研究方法を用いることにより、本発明者らは、驚くべき潜在的免疫原性を備えた天然エピトープを同定した。これらのエピトープは、インビボで担体としてあるいはこれに連結して使用することが可能である。
「誘導性Hsp70のアミノ酸配列」は、スイスプロットバンクデータベース内に受託番号P08107の下に登録されている、Hsp70−1遺伝子またはHsp70−2遺伝子によってコードされたHsp70−1タンパクのアミノ酸配列を意味する。「構成的Hsc70のアミノ酸配列」は、スイスプロットバンクデータベースに受託番号P11142の下に登録されているHsc70タンパクのアミノ酸配列を意味する。該アミノ酸配列は、実施例1の図1に示されている。
「誘導性Hsp−70を自然に産生する細胞」は、インビボでHsp−70を発現し、従ってある腫瘍細胞やウイルス感染細胞のように、いくらかのHsp70エピトープを提示する細胞を意味する。この定義には、例えばHsp−70をコードする遺伝物質によるトランスフェクションのような、Hsp70の発現を誘導することを目的として何らかの修飾を施した細胞、またはHsp70のフラグメントに対応するペプチドを「パルス供与した」細胞は含まない。
誘導性Hsp70を自然に産生する細胞を特異的に認識できる細胞傷害性Tリンパ球は、当業者によって既知の各種方法によって特徴付けされている。これらの方法では、細胞傷害性Tリンパ球IFN−γかTNF−α分泌、またはリンパ球が介在したペプチドパルス供与した放射性同位体標識細胞標的の特異的溶解を測定する。一例として、ELISPOT検定法を使用してもよい。
「Tリンパ球が、Hsc70エピトープではなく変異型Hsp70エピトープと非変異型Hsp70エピトープを認識する」とは、Tリンパ球がHsc70からのエピトープだけを発現する細胞は認識しないが、Hsp70からのエピトープだけでなく他のエピトープも発現する細胞は認識することを示している。
ストレス−誘導性Hsp70は、きわめて保存性のよいHsp70タンパク質ファミリーの一メンバーであるので、このファミリーの他のメンバー、構成的熱ショックタンパクHsc70との間で配列において相同性はきわめて高い。
Hsp70と、Hsc70のような遍在的発現プロファイルを有する他のタンパクとの間で共有されるエピトープは、免疫学的な自己に属し、特異的CD8+のレパートリーに対して寛容となっているはずである。したがって、このような寛容のリスクを最小にするために、高親和性配列の特異的選別を、Hsc70と共有されていない誘導性Hsp70ペプチドに限定する(実施例1)。
本発明の新規な免疫原性ペプチドは、HLAクラスI分子に対する安定性と高親和性に基づいて選択した(実施例2を参照)。親和性は、細胞の表面に基準量のHLAクラスI分子を安定させるのに必要なペプチド用量として定義する。ペプチド/HLA分子複合体間の安定性は、この複合体の半減期を決定することによって測定する。
もう1つの特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、誘導性Hsp−70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と同一のアミノ酸配列を含有している。
特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、構成的Hsc70のアミノ酸配列と同じ長さのいずれのアミノ酸配列と、ペプチドの3番目のアミノ酸から最後のC末端アミノ酸までの間に配置されている少なくとも1個のアミノ酸により異なっているアミノ酸配列を含む。もう1つの特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、構成的Hsc70のアミノ酸配列と同じ長さをもついずれかのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目のアミノ酸から最後のC末端アミノ酸までの間に配置されている少なくとも1個のアミノ酸により異なるアミノ酸配列を含む。
第1のアミノ酸の遊離アミノ官能基に対応する、ペプチドのN末端の先端から、最後のC末端アミノ酸の遊離酸官能基に対応する、ペプチドのC末端の先端まで、アミノ酸には便宜上番号が付されている。
さらにもう1つの特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、9個のアミノ酸を含むが、そのアミノ酸配列は、構成的Hsc70タンパク質のアミノ酸配列の同じ長さのいずれかのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目の位置から8番目の位置までの間に配置されている少なくとも1個のアミノ酸により異なる。
さらにもう1つの特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、10個のアミノ酸を含むが、そのアミノ酸配列は、構成的Hsc70タンパク質のアミノ酸配列の同じ長さのいずれのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目の位置から9番目の位置までの間に配置されている少なくとも1個のアミノ酸により異なる。
特定の実施態様によれば、本発明に従うペプチドは、誘導性Hsp70のアミノ酸配列の同じ長さのいずれかのアミノ酸配列と、ペプチドの1番目、2番目または最後のC末端に配置されている少なくとも1個のアミノ酸により異なるアミノ酸配列を含む。
もう1つの特定の実施態様では、本発明に従うペプチドは、3番目のアミノ酸から最後のC末端アミノ酸の1つ前のアミノ酸までのそのアミノ酸配列が、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さをもつ部分と同一であることを特徴とする。
これらの差異は、該アミノ酸配列内の連続した位置または分離した位置に配置することができる。
ペプチド配列は、その免疫原性を人工的に増大させるため修飾してもよい。ペプチド内のアミノ酸置換は、HLAクラスI分子に対するそれらの親和性を高め、各個々のペプチドの正確な処理を促進するために実施する。例えば、各ペプチドの親和性は、好ましくないアミノ酸を同定し、より効能の優れたエピトープが得られることが示されているアラニンとこれらを置き換えることによって、増大させる。該突然変異体は、そのエピトープの特異性に影響を与えずに、ペプチドの免疫原性を高めることを意図している:該突然変異体は、エピトープペプチドと一部のHLA分子との間の親和性を高めることができるように設計されるが、細胞傷害性リンパ球によるエピトープの認識を大幅に修正するわけではない。
特に、HLA分子/T細胞レセプタと主に相互作用するエピトープペプチドの領域はペプチドのアミノ酸配列の3番目からC末端アミノ酸迄に配置されているので、ペプチドの1番目、2番目および/またはC末端の位置にのみ配置されるが、3番目のアミノ酸から最後のC末端アミノ酸の1つ前までの同一アミノ酸配列を保存する突然変異体は、細胞傷害性Tリンパ球によるペプチドの認識能力を維持しながらペプチドの免疫原性を高めることを意図される。
さらに、特にペプチドのN末端位置における配列の付加は、プロテアソームによるそれらの自然分解やTAP分子による小胞体への輸送を増大する。
本発明のもう1つの特定の実施態様では、上に定義のペプチドは、
Figure 2005512517

:からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと少なくとも65%相同であるかまたは同一であるいずれかのアミノ酸配列を含むか、または、このアミノ酸配列からなる。
本発明の別の特定の実施態様では、上に定義のペプチドは、
Figure 2005512517
:からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと少なくとも65%相同であるかまたは同一であるいずれかのアミノ酸配列を含むか、または、このアミノ酸配列からなる。
本発明の別の特定の実施態様では、上に定義のペプチドは、
Figure 2005512517

:からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと少なくとも65%相同であるかまたは同一であるいずれかのアミノ酸配列を含むか、または、このアミノ酸配列からなる。
本発明の別の特定の実施態様では、上に定義のペプチドは、
Figure 2005512517

:からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと少なくとも65%相同であるかまたは同一であるいずれかのアミノ酸配列を含むか、または、このアミノ酸配列からなる。
上に定義のようなHsp70由来のペプチド中のすべてが、HLA−A*0201、HLA−A*0301またはHLA−A*0701分子に結合するのに必要な、一次アンカーモチーフを有している。白人集団内では、HLA−A*0201、HLA−A*0301およびHLA−A*070がほとんど、代表的なHLA分子と定義される。このようなモチーフの存在は、ペプチドの免疫原性特性と相関関係を有する、このようなHLA分子に対する高親和性を付与するのに必要である。
次のアミノ酸配列:YLGYPVTNAV(HSP134)、LMGDKSENV(HSP380)、LLLLDVAPL(HSP391)およびLLDVAPLSL(HSP393)を有するペプチドは、HLA−A*0201トランスジェニックネズミ実験モデル(HHDマウス)で特異的細胞傷害性T細胞免疫反応を生じさせることができる。
HLA−A*0201によって制限されるペプチドHSP134、HSP380、HSP391およびHSP393は、Hsp70を過剰発現している様々な起源のヒト腫瘍細胞の表面に存在し、HLA−A*0201トランスジェニックHHDマウス内で誘導された特異的CTLによって認識される。これらは、Hsp70を過剰発現している腫瘍を認識する特異的ヒトCTLを刺激できることも実証されている。
HLA−A*0301やHLA−B*070のような他のHLA分子に対して高親和性のHsp70特異的エピトープも同定されている。
できれば、本発明に従うペプチドは、アミノ酸配列YLGYPVTNAV、LLLLDVAPLおよびLLDVAPLSLのいずれか1つを含むか、または、このアミノ酸配列からなることが好ましい。
本発明は、前に定義の配列群から選択した第1のアミノ酸配列と、
・該第1のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列、
・前に引用した配列群から選択され、該第1のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列、
・前に引用した配列群から選択されたいずれのアミノ酸配列と異なるエピトープアミノ酸配列
である少なくとも第2のアミノ酸配列を含むポリエピトープにも関する。
ポリエピトープは、HLA分子と結合して細胞表面に提示され、リンパ球によって認識される、細胞による抗原処理から派生するアミノ酸配列である複数のエピトープを含むか、または、これらのエピトープからなるポリペプチドとして定義される。ポリエピトープには、同じエピトープ、または同じタンパク質の複数の異なるエピトープ、または異なる抗原のエピトープの1つ以上のコピーを含んでいてもよい。これらのエピトープは、重複しているか、連続しているか、またはリンカーによって結合していてもよい。
上記のようなペプチドとして本発明に従うポリエピトープは、その免疫原性を人工的に高めるために修飾してもよい。このような修飾は、例えば、特にN末端上におけるアミノ酸置換や配列の付加であってもよい。
本発明の特定の実施態様では、ポリエピトープは、アミノ酸配列LMGDKSENVQDLLLLDVAPLSLを有するか、またはこのアミノ酸配列を含む。
HLA−A*0201に対する高親和性のために選択した、上記ポリペプチドエピトープのうちの3個(HSP380、HSP391およびHSP393)は一体となって、アミノ酸配列LMGDKSENVQDLLLLDVAPLSLを有する連続22−merポリエピトープを形成する。これらのポリペプチドとポリエピロープは、実施例3に図解されているように、HLA−A*0201トランスジェニックネズミ実験モデルで特異的細胞傷害性T細胞免疫反応を生じさせることができる。
22アミノ酸の天然ポリエピトープは、HHDネズミモデル内ではインビボで、およびヒトPBMCからはインビトロで、3個のHSP380、HSP391およびHSP393エピトープに対する3つの個別の免疫反応を生じることができるという特徴を有する(実施例を参照)。
本発明の別の実施態様では、上に定義のようなペプチドまたはポリエピトープは、担体に連結される。該担体は、使用のために、ペプチドまたはポリエピトープに結合した化合物であってもよい。例えば、担体は、ペプチドまたはポリエピトープの免疫原性特性を上げたり、食細胞によるエキソビボ(ex vivo)でのその摂取を促進することを意図してもよい。一例として、この担体は、天然または合成の生物分解性微粒子であってもよい。本発明に従うペプチドまたはポリエピトープは、恐らく微粒子の表面に結合(conjugate)されるであろう。
本発明は、上に定義のようなペプチドまたはポリエピトープをコードする核酸配列にも関する。
本発明の特定の実施態様では、この核酸配列は、ベクターに連結される。このベクターは、例えば、特定の宿主に適合させた発現ベクターまたは細胞、それも特に抗原提示細胞による該核酸の摂取を促進するよう設計されたベクターであってもよい。該ベクターは、プラスミド、アデノウイルスまたはレトロウイルスのベクターであってもよい。
本発明は、誘導性Hsp70を自然に発現する細胞を特異的に標的とする細胞傷害性Tリンパ球反応をインビトロで誘導する方法にも関する。該方法は、上に定義のようなペプチドまたは上に定義のポリエピトープを使用し、細胞傷害性Tリンパ球をインビトロで誘導することを意図とした、当業者によってよく知られているいずれの方法であってもよい。
本発明の特定の実施例では、細胞傷害性Tリンパ球反応をインビトロで誘導するためのこの方法では、上に定義のようなペプチドもしくは上に定義のようなポリエピトープをコードする核酸を使用する。
本発明は、この方法によって取得した細胞傷害性Tリンパ球にも関する。本発明に従う細胞傷害性Tリンパ球は、ヒトの腫瘍膜に存在する特異的ペプチドを介してヒトの腫瘍を認識できる(実施例4)。
本発明は、上に定義のような、少なくとも1つのペプチドを表面で提示する抗原提示細胞にも関する。また、上記のようなペプチドまたはポリエピトープとの接触に置かれた抗原提示細胞にも関する。
ペプチドもしくはポリエピトープを、エキソビボでヒト抗原提示細胞(APC)上に負荷すると、負荷された樹状細胞によって提示されるペプチドを認識する特異的Tリンパ球が効果的に活性化できる(実施例5)。このような負荷されたAPCは、特にインビトロでは特異的細胞傷害性T細胞を誘導し、インビボでは誘導性Hsp70を過剰発現している腫瘍に対する免疫イフェクター細胞によって媒介される、効能の高い抗腫瘍反応を誘導するのに特に効果的である。一例として、APCは樹状細胞であってもよい。
樹状細胞は、熟練した技術者によって何らかの方法でヒトもしくは動物の組織から採取された、精製されたか部分的に濃縮されたCD14+単球またはPBMC画分のような、単核球を分化させて調製してもよい。その後、臨床で使用するためには、細胞の採取は、サイトアファレーシス(cytapheresis)法または濃縮白血球アフェレーシスの密度勾配遠心分離法によって実施する。細胞は、臨床での使用に適した標準の装置、フラスコおよび培養器により培養する。
特定の実施態様では、樹状細胞は末梢血単球の培養によって取得し、WO 97/44441、Boyerら(28)もしくはBocaccioら(29)に従って洗い分けてもよい。簡単には、樹状細胞は、500U/ml GM−CSF(Leucomax、Novartis Pharma)および50ng/ml IL−13(Sanofi Synthelabo)を補充したAIMV培地で分化させ、7日間の培養後に洗い分ける。次に、取得した未熟な樹状細胞をIFNγ、ポリI:C、CD40のリガンド、抗CD40抗体、リポ多糖類、TNFαまたはFLAT3リガンドを含む作動性(agonistic)サイトカインのような、当業者によってよく知られた成熟化因子やサイトカインを使用することによって「成熟」させてもよい。未熟な樹状細胞は、WO 02/56675に記載の方法を用いて、恐らくはIFN−γと一緒にして、バクテリア膜抽出物および/またはリボソーム抽出物を使用することにより成熟化を促してもよい。
特定の実施態様では、未熟な樹状細胞をRibomunyl(1ug/ml)およびIFNγ(500U/ml)の存在下で、6時間、完全AIMV培地(Life Technologies、Paisley PA49RF、GB)内で培養する。凍結乾燥RibomunylR(Inava Laboratory、Pierre Fabre、Paris、France)の各試薬瓶には、K.pneumoniae、S.pneumoniae、S.pyogenesおよびH.influenzaeからの0,010mgのリボソーム画分、およびK.pneumoniaeからの0,015mgの膜画分が含まれている。IFNγ(Imukin)は、Boehringer Ingelheim Franceから取得した。細胞を、6時間洗浄した後に、完全AIMV培地(成熟化因子の非存在下で)で40時間の時点までさらに培養した。別の実施態様では、未熟な樹状細胞を抗CD40抗体(2μg/ml)およびポリI:C(100μg/ml)の存在下で、6時間、完全AIMV培地内で培養し、その後で洗浄してからさらに34時間培養した。
樹状細胞は、単核球の分化のためのIFN−αを用いて取得してもよい。次に、全PBMC、部分的濃縮したもしくは高度に精製した単球を、I型IFNの存在下で、直接培養する。単球は、抗CD14ミクロビーズ(MACS Cell Isolation Kits、Miltenyi Biotec、Germany)による正の免疫淘汰を用いて、混在したリンパ系細胞を激減させることによって、精製できる。あるいは、ハプテン結合CD3、CD7、CD19、CD45RAおよびCD56抗体(MACS Cell Isolation Kits、Miltenyi Biotec、Germany)のカクテルに向けられた抗ハプテンモノクローナル抗体と結合しているミクロビーズを、製造元の推奨通りに使用してもよい。
特に専用の手順では、細胞をVaccell(登録商標)プロセッサー(Immuno-Designed Molecules、Paris、France)のような「閉鎖プロセッサー」内で処理および培養するが、これには、1,000IU/mlのI型IFNおよび500U/mlのGM−CSFの存在下で、培地および自己血清を伴なう、ガス透過疎水性の袋内の5%のCO2湿潤空気中における、37℃での細胞培養が含まれる。便宜上、無血清培地、ヒトABもしくは自己血清を使用してもよい。別の種類の標準の培地(例えばRPMI-1630、MEM、Iscoveの修飾Dulbecco培地、Dulbeccoの修飾Eagle培地)はDCの以後の使用に従って使用するが、X−VIVO20やAIM−Vのようなヒトの患者の治療に適した培地を、臨床プロトコールに用いられるDCの培養のために使用することが好ましい。
いずれのI型IFN調製でも、IFN−DCの精製に使用できる:すなわち、組み換えIFNα:IFNα2b、IFNα2a、健全な対象者からの刺激を与えた白血球からの天然IFNα(IFNαn)、コンセンサスIFNα(CIFN)および組み換えIFNβである。適切な濃度は、たとえ500−2,000IU/ml、500−1,000IU/mlの範囲および特に1,000IU/mlの濃度が最も好ましい場合であっても、100IU/mlより高くなければならない。共刺激(Costimulatory)分子の上向調節に関しては、IFNの投与量が500〜1,000IU/mlの範囲内で最適な増強効果が観察されたが、100IU/mlのIFN投与では、有意な効果は認められなかった。DC表現型における比肩しうる増強効果は、3日間の培養期間中に、血液由来単球にGM−CSFとともに添加した天然のIFN−α、IFNα2b、CIFNおよびIFNβのようなI型IFNの各種製剤を用いて得られる。
最終的濃度が上に示した範囲内であることを前提として、培地にIFNを添加する代わりに、培地内でI型IFNを誘導できるいずれかの物質で処理してもよい。この処理の期間は通常3日以内であり、その終わりには、未付着のDCおよび緩やかに付着しているDCを採取する。2日目と3日目との間に回収された細胞を直接使用するか、または向流型遠心分離で洗い分けるか、または系特異的抗体と結合したビーズを用いた負の免疫磁性淘汰のいずれかによって精製することが好ましい。あるいは、連続的に使用するためには、便宜上、DCを低温保存してもよい。
方法には、単核球もしくは単球からDCを派生させた後、上記のような既知の成熟化剤の中から選択して使用する成熟化剤、DCのさらなる成熟化工程も含んでもよい。
樹状細胞は、Keoghらによって記述されるような、当業者によってよく知られた方法を用いて、他の樹状細胞前駆体から取得してもよい(30)。
抗原提示細胞は、当業者によってよく知られたいずれの方法で抗原を負荷してもよい。特定の実施態様では、樹状細胞には、37℃で2時間、本発明に従うペプチド(10μg/ml)でパルス供与してもよい。細胞は、成熟時間が終わる前に、ペプチドでパルス供与してもよい。
上に定義のようなペプチドまたはポリエピトープは、注入後に抗原提示細胞がさらに好ましく提示および処理できるように修飾してもよい。例えば、ペプチドまたはポリエピトープは、特定のベクターに結合するか、またはN端末端もしくはそれらのC端末端に荷電アミノ酸で付加してもよい。
前に定義の核酸は、APCに適正に負荷されるように、特定のベクターに連結してもよい。
特に誘導性Hsp70を過剰発現し、特に膜上にペプチドが十分に発現することを示されている、各種ヒトの腫瘍細胞系を用いることにより、ヒトの腫瘍を、本発明のポリペクチドを用いた免疫療法により標的とすることが可能であるという事実が実証された。
このように、同定されたHsp70エピトープは、恐らくは、外科手術、放射線療法、化学療法薬、または抗血管形成化合物のような、ガンの確立した治療法や発達中の療法と一緒に、広範囲のガンの免疫療法に利用すると、都合がよい。
本発明は、製剤上許容可能な賦形剤と一緒に、少なくとも、上に定義のペプチドまたはポリエピトープを作用物質として含む薬剤組成物もしくはワクチンにも関する。該ペプチドまたはポリエピトープは、恐らくは上に述べたベクターと連結する。
特定の実施例では、本発明に従う薬剤組成物もしくはワクチンは、少なくとも、製剤上許容可能な賦形剤と関連して、SLFEGIDFY、SLFEGIDFYT、LMGDKSENVからなる群から選択したいずれかのアミノ酸配列を含むか、または、このアミノ酸配列からなるペプチドを含む。
さらに詳細には、本発明は、少なくとも、製剤上許容可能な賦形剤と一緒に、アミノ酸配列LMGDKSENVを含むかまたは、このアミノ酸配列からなるペプチドを含む、本発明に従う薬剤組成物またはワクチンに関する。
薬剤組成物もしくはワクチンの各投与量には、上に定義のようなペプチドまたはポリペプチドを含んでいてもよく、恐らくは当業者によってよく知られたいずれかの抗原に由来するいくらかの他のペプチドまたはポリエピトープを含んでいてもよい。一例として、本発明に従う薬剤組成物には、上に定義のような有効投与量のペプチドまたはポリエピトープと、いくつかの腫瘍細胞に特異的に発現している抗原から派生する有効投与量のペプチドエピトープを含有していてもよい。有効投与量のペプチドまたはポリエピトープは、100μg〜10mgのペプチドまたはポリエピトープを含む。
本発明の別の実施態様では、薬剤組成物またはワクチンは、恐らくはベクターに連結する該ペプチドまたはポリエピトープをコードする核酸を含有する。
各投与量の薬剤組成物またはワクチンには、100μg〜10mgの核酸を含有していてもよい。該薬剤組成物またはワクチンは、上に定義の有効投与量の核酸と、当業者によってよく知られたいずれかの抗原をコードする有効投与量の核酸とを含有してもよい。
本発明の別の実施態様では、薬剤組成物またはワクチンは、前に述べた方法によって取得したような細胞傷害性Tリンパ球を含有する。
本発明の別の実施態様では、薬剤組成物またはワクチンは、上に定義の、少なくとも1つのペプチドをその表面に提示する抗原提示細胞を含有する。
薬剤組成物またはワクチンは、皮内、皮下、静脈内、リンパ管内、結節内、粘膜内または筋肉内投与のような、各種生薬形態で患者に投与してもよい。
本発明は、ガンやウイルス性疾患の治療に有用な薬剤の調製での、本発明に従う薬剤組成物もしくはワクチンの使用にも関する。
本発明に従う薬剤組成物またはワクチンは、化学療法(例えば、シスプラチンや5フルオロウラシルでの治療による)、または抗血管形成治療と併用してもよい。
本発明は、ガンやウイルス性疾患の治療に有用な薬剤の調製での、上に記載のようなペプチド、ポリエピトープ、核酸、細胞傷害性Tリンパ球または抗原提示細胞のいずれかの使用に関する。
特定の実施態様では、本発明は、ガンやウイルス性疾患の治療に有用な薬剤の調製での、SLFEGIDFY、SLFEGIDFYT、LMGDKSENVからなる群から選択したいずれかのアミノ酸配列を含有するか、または、このアミノ酸配列からなるペプチドの使用に関する。
〔材料と方法〕
HLAクラスIに対するペプチドの相対的親和性の測定。研究対象のHLAクラスI分子(3x105細胞/mL)を発現するTap−/−細胞を、16時間、37℃で100ng/mlのヒトβ−2mを補給した無血清RPMI1640培地中で100μM〜0.1μMの範囲の各種ペプチド濃度を用いて培養した。次に、細胞を2回洗浄し、まず特異的抗クラスImAbで、続いてFITC結合ヤギ抗マウスIg mAbで染色して、HLA−A*0201の発現を定量化した。各種ペプチド濃度ごとに、HLA特異的染色率を、100μMの基準ペプチドで得た染色の%として計算した。相対的親和性(RA)は、RA=(20%のHLA発現を誘導する各ペプチドの濃度/20%のHLA発現を誘導する基準ペプチドの濃度):として決定した。RA値が低くなるほど、HLAに対するペプチド結合が増強していく。各ペプチドの平均RA値は、少なくとも3回の独立した実験から決定した。
HLA−A*0201に対する相対的親和性の研究のためには、Tap−/−HLA−A*0201 T2細胞、HLA−A*0201特異的mAb BB7.2および基準のHLA−A*0201結合ペプチドHIVpol589(IVGAETFYV)を使用した。HLA−A*0301に対する相対的親和性の研究のためには、Tap−/−HLA−A*0301T2−A3細胞を用いる。HLA−B*0701に対する相対的親和性の研究のためには、Tap−/−HLA−B*0701 T2−B7細胞を用いる。
ペプチド/HLAクラスI複合体の安定性に関する評価。Tap−/−細胞(106/mL)を、100ng/mLのβ−2mを補給した無血清RPMI1640培地中で37℃で100μMの各ペプチドと供に一晩培養した。次に、細胞を4回洗浄して、遊離ペプチドを除去し、1時間、ブレフェルジン(Brefeldin)A(10μg/mL)で培養して、新たに合成されるHLA分子の細胞表面の発現を遮断し、洗浄して0時間、2時間、4時間または6時間、37℃で培養した。その後で、まず細胞をHLA特異的mAb、続いてFITC結合ヤギ抗マウスIg mAbで染色した。各時点で、ペプチドにより誘導されたHLAの発現を、ペプチド培養前細胞の平均蛍光度−ペプチドの非存在下で同様の条件の下に処理した細胞の平均蛍光度:として計算した。DC50(溶解複合体;DC)を、t=0での安定したHLA−A*0201/ペプチド複合体の50%の損失に必要な時間として定義した。
HLAトランスジェニックマウスにおけるCTLの生成。140μgのI−Ab制限HBVコア由来Tヘルパーエピトープ(128−140;配列TPPAYRPPNAPIL)の存在下で、HLAトランスジェニックマウスの尻尾の根元に不完全フロイドアジュバント(IFA)で乳化した100μgのペプチドを皮下注射した。11日後に、脾臓細胞(10mL中5x107細胞)をペプチド(10μM)によりインビトロで刺激した。培養6日目に、大半の応答集団を特異的細胞傷害性について試験した。反応時には、さらに、1〜0.1μMのペプチドと50U/mL IL−2(Proleukin、Chiron Corp.)の存在下で、20x106の35Gyを照射した脾臓細胞により、インビトロでCTL株を週1回再刺激した。最後に刺激してから6日後に細胞傷害性を検査し、7日目に50U/mL IL−2を追加して11〜13日後に、TNF−α分泌を検査した。HLA−A*0201トランスジェニックHHDマウスを用いた。B7B7KdマウスおよびHLA−A*0301トランスジェニックマウスを、HLA−B*0701およびHLA−A*0301制限ペプチドをそれぞれ研究するために用いた。
ヒト末梢血単核球(PBMC)からのCTLの生成。インフォームドコンセントを取得した健全なドナーから採取した新鮮なPBMCを、研究対象のHLAクラスI分子に対して血清学的に類別し、標準のフィコール−パック(Amersham Pharmacia Biotech AB)を用いて精製した。樹状細胞(DC)を、500U/mLのGM−CSF(R&D Systems Inc. MN)および500U/mLのIL−4(R&D Systems Inc. MN)の存在下で、Keoghら(30)によって記述されているように7日間プラスチック付着性PBMCを培養することによって調製した。
次に、DCを2μg/mLの抗CD40抗体および100ng/mLのポリI:C(Sigma-Aldrich)を用いて2日間成熟化させた。このDC増強集団の免疫蛍光染色は、>90%がCD86/B7−2+およびHLA−DR+細胞であることを示した。自己CD8+精製T細胞(CD8 MicroBeads、Miltneyi Biotec Inc. CA)に、培地(CM;10%のヒトAB血清、10nMのLグルタミンおよびゲンタイマイシンを補給したRPMI1640)中に10:1のT:DC比で、週1回、ペプチド(10μM)を2時間に渡ってパルス付与したDCを用いて刺激を与え、そして35Gyを照射した。1x103U/mLのIL−6および5U/mLのIL−12(R&D Systems Inc. MN)を、培養の最初の1週間の間添加した。20U/mL臨床等級のIL−2(Proleukin、Chiron Corp.)および10ng/mLのIL−7(R&D Systems Inc. MN)を、培養の次の2週間の間に添加した。最後にDCで刺激してから7日後に、HLA−A*0201+B−EBV細胞(IFN-γ Secretion Assay、Miltenyi Biotec Inc. CA)によって提示されたペプチドの接触後、ペプチド特異的IFN−γを分泌するCD8+T細胞を磁気により選別した。ペプチド特異的T細胞の特徴付けについては、精製工程後7日に試験した。
ガン患者から採取したHsp70特異的TILの同定。インフォームドコンセントを取得したガン患者から採取した新鮮なPBMCを、研究対象のHLAクラスI分子に対して血清学的に類別し、標準のフィコール−パック(Amersham Pharmacia Biotech AB)を用いて精製した。
コラゲナーゼ溶液で固形腫瘍を粉砕した小片を溶解することによって、腫瘍浸潤リンパ球と腫瘍細胞株を調製した。大半の腫瘍株は10%FCSのDMEM培地中で培養し、最後にクローン化した。さらに、切除した新鮮な腫瘍浸潤リンパ節から、押しつぶして細胞を培地中に放出させてTリンパ球を取得した。
はじめに、HLAクラスI分子とHsp70の発現プラスミドの両方でトランスフェクトしたCOS細胞とHsp70ペプチドテトラマー陽性CD8+細胞の接触したときのTNF−α分泌の検出を通じて、Hsp70特異的TILの検出に取り組んだ。
既知のHsp70ペプチドに特異的なTILの同定には、エリスポット検査で取り組んだ。この検査の感度を高めるために、分析前にインビトロで1回リンパ球を刺激した(22)。0日目に、PBLまたは押しつぶしたリンパ節を解凍し、10mMのペプチドの存在下で、10%のヒトAB血清培地中に2x106細胞の濃度で24ウェルプレート(Nunc)に2mL/ウェルで分注した。各実験には、ペプチドが分注されていないウェルも含む。2日後に、300IU/mL臨床等級のインターロイキン2(Proleukin、Chiron Corp.)を培地に添加した。12日目に、エリスポットで培養細胞の反応度を試験した。
エリスポット(ELISPOT)検査。エリスポット検査を用いて、ペプチドエピトープ特異的IFN−γ放出エフェクター細胞を定量化した。混合セルロースエステル膜96ウェルプレート(MultiScreen MAHA S4510;Millipore)に一晩、抗IFN−γ抗体(MAB285)を塗布しておいた。これらのウェルを洗浄し、10%のヒトAB血清培地でふさぎ、各種濃度の細胞を4重でウェルに添加した。次に、ペプチドを各ウェルに添加し、プレートを一晩培養した。翌日、培地を廃棄し、ビオチン化抗体(BAF285-Biotin)を添加する前に洗浄した。プレートを2時間インキュベーションしてから洗浄し、ストレプトアビジン−酵素結合体(Streptavidin-AP;Boehringer Mannheim GmbH)を各ウェルに添加した。室温で1時間プレートをインキュベーションし、pH9.5のホスファターゼアルカリ緩衝液(100mM tris HCl、100mM NaCl、5mM MgCl2)中の酵素基質BCIP−NBT(S3771;Promega、France)を各ウェルに添加し、10〜20分間室温でインキュベーションした。暗紫色のスポットが出現した時点で水道水で洗浄することによって、反応を終結させた。スポットを自動画像分析システムELISPOT Reader(AID Strassberg、Germany)を用いてカウントした。ペプチド特異的IFN−γ分泌細胞の頻度は、スポット形成細胞の数と抗CD8 mAb(clone 3B5;Caltag Laboratories、CA)で免疫染色処理によりあたった研究対象のリンパ球集団におけるCD8+の頻度から計算することができた。
これらの検査はすべて、各種ペプチド抗原ごとに、4重で実施した。
細胞傷害性検査。標的を、90分間、100μCiの51Crで標識し、3回洗浄した後に、96ウェルのV底プレート(100μLのRPMI1640+5%FCS中、2.5x103細胞/ウェル)内に分注した。これらを、60分間、37℃でペプチドをパルス供与した。次に、様々な数の100μLのエフェクターをウェルに添加し、4時間、37℃で培養した。培養後に、100μLの上澄を採取し、γカウンターで放射活性を測定した。特異的溶解率を溶解率=(実験的放出−自然放出)/(最大放出−自然放出)x100:として決定した。自然放出は、常に3NのHClによって誘導された最大放出の<20%であった。
TAP欠損ネズミRMAS−HHDおよびヒトT2細胞を、細胞傷害性のためのHLA−A*0201の標的として使用した。また、ネズミP815−B7およびヒトT2−B7細胞を、細胞傷害性のためのHLA−B*0701の標的として使用した。
COSトランスフェクト細胞におけるペプチド処理検査。各種条件に対して4重で、平底の96ウェルプレート内の10%FCSのDMEMに2.2x104サルCOS細胞を分注した。18時間後に、培地を廃棄し、Hsp70とHLAクラスI分子をコードする各DNAプラスミド100ngを、10%のNuserum 10mMのクロロキン 10mg/mLのDEAE デキストランのDMEM内でCOS細胞と接触させて置いた。37℃で4時間培養した後、トランスフェクション培地を廃棄し、プラスミドを取り込むために、50μLの10%DMSOのPBSを2分間添加した。次に、これを廃棄し、トランスフェクトCOS細胞を40時間10%FCSのDMEM内に置いた。その後で、TNF−α分泌検査で、トランスフェクトCOS細胞を5x104のネズミCTLとともに用いた。
TNF−α分泌検査。4日目にトランスフェクトCOS細胞または105標的腫瘍細胞を50μLの10%FCSのRPMIに分注し、必要に応じて、1時間、10μMのペプチドを用いて培養した。遮断実験では、1時間30分、抗HLAクラスI抗体w6/32または無関係の抗体を標的細胞とともに培養した。次に、5x104のT細胞を50μLの10%FCSのRPMIに添加し、6時間培養した。各条件を4重で試験した。50μLの上澄を採取した。104〜0.08pg/mLの範囲のTNF−α(I. Apfler、Bender Wien、Austriaにより提供)の最終量で50μLの標準の希釈液を調製した。上澄と標準の希釈液の両方に、50μLの3x104のTNF−α感受性WEHI−164c13細胞を添加した。これらを、37℃で16時間培養した(23)。細胞増殖の阻害度をMTT比色分析法によって評価した。簡単には、50μLの2.5mg/mLのMTT(Sigma-Aldrich)を添加し、37℃で4時間培養した。次に、細胞を100μLのpH4.7の33%N、N−ジメチルホルムアミド(Sigma-Aldrich)20%SDS水溶液を用いて溶解させた。細胞溶解の2時間後、ODをDynatechのMR5000分光光度計を用いて、550nmで測定した。標準の希釈液を線形補間することによってTNF−αの定量を計算した。
腫瘍細胞によるHsp70発現に関するウエスタンブロット分析。細胞標本をPBSですすいだ後、3mMのEDTA、10mMのNaFおよび0.1%のスルホベタイン14を含有するpH6.8の125mMのTris/HCl中で、4℃で30分間溶解させた。遠心分離処理後(13000rpm、10分、4℃)、BCA検査(Pierce)を用いて上澄中のタンパク質含有量を定量化した。30μgのタンパク質を変性条件下で、5−15%勾配のSDS−PAGEに充填し、ニトロセルロース膜に転移させた。37℃で、適量の抗体(抗HSP70、Stressgen、希釈1:1000、抗アクチン、Chemicon、希釈1:2000)を用いて1時間膜をインキュベーションすることによって、HSP70およびアクチンを検出した。一次抗体の固定を、ペルオキシダーゼ結合抗マウスIg(Sigma)およびECLキット(Amersham Pharmacia)を用いて検出した。
細胞内IFN−g染色。5x104のT細胞を105の刺激ペプチド負荷EBV−B細胞もしくは105の腫瘍細胞と供に、20μg/mlブレフェルジンA(Sigma、Oakville、Canada)の存在下で培養した。6時間後に、これらを洗浄し、PBS中のr−フィコエリトリン結合抗CD8抗体(Caltag Laboratories、Burlingame、CA)を用いて、4℃の温度条件下で、25分間染色し、洗浄し、4%のPFAで固定した。次に、細胞を0.5%のBSA 0.2%のサポニン(Sigma、Oakville、Canada)のPBSで浸透化させ、4℃で25分間アロフィコシアニン結合抗IFNg mAb(PharMingen、Mississauga、Canada)で染色した。細胞をFACSCalibur(登録商標)(Becton Dickinson、Mountain View、CA)で分析した。
結果
実施例1:特異的Hsp70領域の選択。ヒト誘導性Hsp70と構成的Hsc70のアミノ酸配列を整列し、不一致を目立たせた(図1)。少なくとも1つの不一致を含む、9−merペプチドまたは10−merペプチドは、この後研究が集中し選択した領域を形成していた。
アミノ酸1−7、52−64、68−81、85−119、128−144、154−163、177−191、204−221、228−243、246−240、246−255、273−288、297−315、320−334、337−346、348−358、372−381、388−427、449−462、480−498、505−514、522−632を含有する領域が、このようなペプチドすべての1番目のアミノ酸を決める。
これらのHsp70特異的領域に属するペプチドの中から、我々は、HLA−A*0201(位置2におけるL、M、VまたはIおよびC末端位置におけるL、V、MまたはI)、HLA−A*0301(位置2におけるL、VまたはMおよびC末端位置におけるK、YまたはF)およびHLA−B*0702(位置2におけるP)と結合するのに必要なアンカーモチーフを有しているペプチドを選択した。
a)HLA−A*0201アンカーモチーフを有するペプチド:42個のペプチド
Figure 2005512517
Figure 2005512517

b)HLA−A*0301アンカーモチーフを有するペプチド:17個のペプチド
Figure 2005512517
c)HLA−B*0702アンカーモチーフを有するペプチド:28個のペプチド
Figure 2005512517
ただし、表示「位置番号」は、対応するポリペプチド(HspまたはHsc)におけるペプチドの1番目のアミノ酸の位置の番号に対応しているということに注意されたい。
前方とC末端位置との間に少なくとも1つの不一致部を含む、9−merペプチドまたは10−merペプチドは、この後で研究が集中した領域を形成していた。
d)HLA−A*0201アンカーモチーフ及び、前方とC末端位置間に不一致部のHsp70/Hsc70を有するペプチド:32個のペプチド
Figure 2005512517

Figure 2005512517

e)HLA−A*0301アンカーモチーフ及び、前方とC末端位置間に不一致部のHsp70/Hsc70を有するペプチド:10個のペプチド
Figure 2005512517
f)HLA−B*0702アンカーモチーフ及び、前方とC末端位置間に不一致部のHsp70/Hsc70を有するペプチド:22個のペプチド
Figure 2005512517
実施例2:高親和性を備えた特異的HSP配列の選択
正常な細胞における基本の発現プロファイルにもかかわらず、Hsp70は免疫学的な自己に属し、胸腺または末梢で提示されるHsp70エピトープが、特異的CD8+レパートリーに寛容を有することを除外できない。ペプチドがHLA−A*0201トランスジェニックHHDマウスの免疫学的な自己にも属する場合には、このようなモデルで、エキソビボにおける寛容現象を研究できる。したがって、Hspの免疫原性配列を同定するためのアプローチは、ネズミHsp70配列と共有するHsp70ペプチドの研究に限定した。
コンピュータ化したアルゴリズムによって、ヒト誘導性Hsp70タンパク質の配列をHLA−A*0201結合ペプチドに対して選別した。HLA−A*0201に対する親和性および安定性を実験的に研究するため、強力なHLA−A*0201結合体として予想されるが、Hsc70には存在せず、ネズミHsp70に存在する4個の9または10−merペプチドを選択した。ヒトHsp70タンパク質および配列におけるそれらの位置を、以下の表1に要約する。実験の相対的親和性は、同じ量の基準ペプチドHIV Polに相対して、基準数のHLA−A*0201/ペプチド複合体を取得するのに必要なペプチド投与量を表している。HLA−A*0201/ペプチド複合体の安定性は、外因性のペプチド源を除去した時点における複合体の半減期として決定した。
Figure 2005512517
相対的親和性の決定によって、各ペプチドの親和性を実験的に検査した:T2細胞の表面に基準量のHLA−A*0201分子を安定させるのに必要なペプチド投与量:および各ペプチドの安定性を、ペプチド/HLA−A*0201分子複合体の半減期(DC50:解離複合体50)を決定することによって検査した。
4つの候補すべてが、相対的親和性<5の所望のプロファイルを示し、それらの免疫原性を確保するのに十分高い親和性を備えていた。相対的親和性が5未満のペプチドの98%より多くが、免疫原性であることがすでに実証されている(27)。
この後者のプロファイルを示す3つの候補は、3つすべて22のアミノ酸内に位置する。これらは、天然の22−merポリエピトープ:HSP380、HSP391およびHSP393を形成している。
ペプチドに関する研究は、ネズミHSP70の配列に存在していないペプチドにまで拡大している。このようなペプチドに関する相対的親和性の決定から、HLA−A*0201に対して強力な親和性をもつペプチドHSP134(10)を同定するに至った(表1)。ヒトの場合においても同様に、このペプチドは対象である。
高親和性ペプチドの発見から、MHC分子HLA−B*0702に対しても導かれた。HLA−B*0702の一次アンカーモチーフを提示するかもしくはコンピュータ化プログラムBIMASによって高い親和性を示すことが示される11個のペプチドについて、それらの相対的親和性を試験した。1つのペプチドHSP137は、HLA−B*0702に対して高度な親和性を示した。以下の表2には、ネズミのHsp70と共有されているHsp70ペプチドの配列と、それらの同系Hsc70ペプチドおよびHLA−B*0702分子に対する相対的親和性が示されている。
Figure 2005512517
実施例3:HHDマウスにおける誘導性HSP70ポリペプチドの免疫原性
我々は、HHDマウスで、選択した4つのHLA−A*0201制限Hsp70ペプチドの免疫原性を研究した。インビボで4つのペプチドすべてに対してCTLを誘導し、高活性CTL株をインビトロで再刺激した後に得た。実際に、各CTL株は、HSP380に対しては約10nMの活性(最大溶解度の50%)で、HSP134、HSP391およびHSP393に対しては10nM未満の活性でそれぞれのHsp70ペプチドを認識している。ただし、これらの後者ペプチドに対する活性が常にHsp70同系ペプチドに対してより約3ログ(log)分高いので、これらは、Hsc70同系ペプチドをかすかに認識するに過ぎなかった(図2)。これらのCTL株はそれぞれ、mCTL134、mCTL380、mCTL391およびmCTL393として表されている。
選択した4種類のペプチドを適正に処理し、実際にエピトープであることを示した。Hsp70とHHDの両タンパク質の高度な発現を可能にするCOSモデルにおいて、4つの細胞株mCTL134、mCTL380、mCTL391およびmCTL393がHsp70およびHHDの両発現ベクターをトランスフェクトしたCOS細胞を、はっきりと特異的に認識した(図3)。したがって、我々は、4種類のペプチドHSP134、HSP380、HSP391およびHSP393のすべてがエピトープであるということを、明確に実証した。
実施例4:誘導性Hsp70過剰発現腫瘍は、特異的ポリペプチドに対し生成された細胞傷害性リンパ球によって認識される。
我々は、特定の腫瘍細胞株に記述されるHsp70の過剰発現が、腫瘍細胞の表面にこれらのエピトープを提示させるのに十分高いかどうかを研究した。我々は、このような高いCTL結合活性によって、最も多いHsp70を発現するヒト腫瘍細胞を認識できるという仮説を立てて、この課題を取り組むために、入手してあった高活性をもつネズミCTLを使用した。我々は、HLA−A*0201およびHsp70発現に対してヒト腫瘍細胞を選別し、4つのHLA−A*0201+Hsp70+各種の腫瘍:
乳ガン(MCF−7)、肉腫(SAOS)、結腸ガン(Caco−2)および膀胱ガン(SEG)のプールを同定した(図4)。
我々は、コントロールの腫瘍細胞株HLA−A0201+Hsp70−(黒色腫M113およびM44)も同定した。
乳ガン由来腫瘍細胞株MCF−7および肉腫由来腫瘍細胞株SAOSは、最も高い構成的Hsp70レベルを示したので、認識検査に用いた。実際に、mCTL393は、TNF−α分泌検査によって実証されたようにクラスI特異的様式で、両ヒトHLA−A*0201+Hsp70+腫瘍細胞株を特異的に認識した。これにより、特に、HSP393がHsp70過剰発現腫瘍の表面に適正に提示されるエピトープであり、したがってHsp70由来ペプチドがガンの免疫治療におけるCTLの良い標的を表わしていることを実証している。
腫瘍細胞の表面におけるHSP380とHSP391の両エピトープの認識も実証されている。
実施例5:ペプチド負荷ヒト樹状細胞によるHSPペプチド特異的CTLの活性化
前に選択した3つのHSPエピトープに対してヒトCTLを誘導可能であるかどうかを調査するため、我々は、ペプチド負荷樹状細胞でCD8+細胞を刺激した。我々はペプチド特異的CTLを誘導した(hCTL380、hCTL391およびhCTL393に関しては図7Aと図7Bのデータを参照)。これらのヒトCTLは、図3に記載されているHsp70を過剰発現する各種組織学的型の数多くのパネルの腫瘍細胞の表面における特異的エピトープを認識できる。
これらの高親和性HSP70ポリペプチドエピトープはさらに、ネズミHsp70発現EL−4/HHD腫瘍での攻撃からHHDマウスを保護する能力により特徴づけられる。
実施例6:3種類のHsp70エピトープに対する多特異的免疫反応を生じる、22−merのp380ポリエピトープの潜在能力
22 a.a.天然ポリエピトープは、HHDネズミモデルにおけるインビボでの3種類のHSP380、HSP391およびHSP393エピトープに対する3種類の異なる免疫反応を生じることができるという特徴をもつ。HHDマウスにワクチンを接種し、各エピトープに対するそれらの免疫反応をエキソビボでIFN−γエリスポット検査によって評価した。22−merポリエピトープでのワクチン接種によって、ほとんどのマウスで免疫反応が誘導された(図8Aの左のパネルと図8B)。面白いことに、22−merポリエピトープでのワクチン接種は、3つのHsp70エピトープすべてに対する免疫反応を誘導したが、3種類の混合物でワクチン接種したときには、HSP391だけに対する偏った反応が生じた(図8Aの右のパネル)。このことは、22−merポリエピトープが、HHDマウスでは、複数のHsp70エピトープに対してインビボで多特異的免疫反応を生じるという利点のあることを実証している。
次に我々は、22−merポリエピトープをパルス供与したヒト樹状細胞が、ヒトPBMCから多特異的CTL反応を生じることができるか否かについて調査した。CD8+細胞をポリエピトープパルス供与樹状細胞で複数回再刺激したときに、3つのHsp70エピトープすべてに対する特異性を示すCTL株を取得することができた(図9)。このことは、ポリエピトープが、22−mer形態からその3つの構成エピトープに適正に処理され、このエピトープをパルス供与したヒト樹状細胞が3つのエピトープすべてに対する多特異的免疫反応の潜在的誘導因子となることを示している。
これらの結果はすべて、22−merポリエピトープが、インビトロおよびインビボの両方で、3つのHsp70エピトープに対する多特異的免疫反応を誘導できることを実証している。
Figure 2005512517
Figure 2005512517
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図と表の説明
Hsp70に特異的に存在しHsc70には存在していない9−merペプチドおよび10−merペプチドの第1のアミノ酸(□四角で囲ったアミノ酸)を含有する領域の同定。 特異的Hsp70ペプチドに対するネズミのCTL活性と、それらのHsc70同系ペプチドの認識。4つのグラフは、それぞれHSP134(mCTL134株)、HSP380(mCTL380株)、HSP391(mCTL391株)およびHSP393(mCTL393株)のペプチドで刺激した後に取得したCTL株による細胞溶解を示す。これら細胞標的に対するCTLの活性は、40:1のエフェクター:標的比を用いた51Cr放出検査によって決定する。標的細胞の溶解率は、X軸に表される培地におけるペプチド濃度の関数として、Y軸に表される。各グラフでは、ダイヤモンド形の点のある黒い曲線が、HSPペプチド存在下における細胞溶解を表し、一方、四角い点のある灰色の曲線が、同系のHSCペプチド存在下における細胞溶解を表す。HSP134を提示する細胞に関するmCTL134の活性を測定するためのペプチド濃度は、0、01〜1mMの範囲である。mCTL380、mCTL391およびmCTL393に対して、それぞれのペプチド濃度は、1pM〜1μMの範囲である。各曲線上の個々の点は、左から右へ、1pM、10pM、100pM、1nM、10nM、100nMおよび1μMのペプチド濃度に対応する。 エピトープHSP380、HSP391、HSP393およびHSP134の処理。トランスフェクトしたCOS細胞とネズミのCTL株を接触させた後のCOS細胞のCTL認識が、上澄(X軸、TNF−αは、0〜500pg/mlの範囲である)中のCTL分泌のTNF−α量として表される。これらのグラフは、COS細胞に接触した後に、それぞれmCTL380、mCTL391、mCTL393およびmCTL134の細胞傷害性細胞株別の、TNF−α量を表す。各グラフでは、上下方向にある棒線が、CTLと接触している各種細胞、それぞれ、陰性のコントロール(COS細胞なし)、COS細胞、Hsp70発現プラスミドをトランスフェクトしたCOS細胞、HHD発現プラスミドをトランスフェクトしたCOS細胞、陽性のコントロール(HHDをトランスフェクトし、各ペプチドでパルス化されたCOS細胞)、HHDおよびHsp70発現プラスミドでトランスフェクトされたCOS細胞を表わす。 Hsp70発現のための様々な起源の腫瘍細胞株の選択。細胞内における誘導性Hsp70の発現に関しては、相対的定量化コントロールとしてアクチン発現を用いて、ウエスタンブロット法により検査を行った。誘導性Hsp70の発現は、試験の上側で検出され、コントロールのアクチンの発現は、試験の下側で検出された。左から右に配置された腫瘍細胞株抽出物は次の、M44、M113、SEG、Caco−2、SAOS、MCF−7である。 Hsp70を過剰発現しているヒト腫瘍細胞の表面における、エピトープのネズミのCTLによる認識。腫瘍細胞のCTLによる認識は、細胞と接触した後の上澄(X軸、TNF−αは0〜1000pg/mlの範囲である)中のCTL分泌のTNF−α量として表される。上下方向の棒線は、CTLと接触している各種細胞および試薬、それぞれ、2つの陰性のコントロール(M113、M44)、SAOS、MCF−7、混合培養前の抗クラスI(w6/32)抗体で遮断したMCF−7、および混合培養前に無関係な抗体で遮断したMCF−7を表わす。 エピトープHSP391およびHSP393による特異的ヒトCTLの誘導。 特異性は、10μMのペプチドをパルス供与した標的細胞で、51Cr放出検査を用いて検証した。X軸は、CTL/標的細胞比、すなわち20/1と10/1を表す。Y軸は、標的細胞溶解率を表す。上下のグラフは、ヒトCTL hCTL391およびhCTL393でそれぞれ取得した結果を表す。ダイヤモンド形の点のある黒い曲線は、関連するペプチド、すなわちHSP391またはHSP393の存在下における細胞溶解に対応する。四角い点のある灰色の曲線は、無関係のペプチド(HIV Polペプチド)の存在下における細胞溶解に対応する。 対応するペプチドに特異的なヒトCTLによる、Hsp70ペプチドを負荷した細胞の認識能力。 hCTL380、hCTL391およびhCTL393と題する3つのグラフは、それぞれ、p380、p391およびp393の特異的ヒトCTLの試験を表す。p391およびp393の特異的CTLについては、EBV−B細胞で試験し、p380特異的CTLについては、T2細胞で試験した。X軸に示される、活性化時の105のCD8+細胞に対するIFN−γ産生CD8+細胞の数を、CD8および細胞内IFN−γの細胞を染色することによる評価として、測定した。p380、p391、p393のいずれかをEBV−BまたはT2細胞に負荷した。無関係のHIVpol589ペプチドを負荷したEBV−BまたはT2細胞を陰性のコントロールとして用いた。 特異的ヒトCTLによる、Hsp70を発現するヒト腫瘍細胞の認識。 hCTL391およびhCTL393と題する2つのグラフは、それぞれ、p391およびp393特異的ヒトCTLの試験を表す。p391およびp393特異的CTLは、CD8および細胞内IFN−γの細胞を染色することによる評価として、活性化時にIFN−γを産生するCD8+細胞を測定することによってHsp70を発現するヒト腫瘍細胞MCF−7およびSAOSの認識に対して試験した。活性化時の105のCD8+細胞に対するIFN−γを産生するCD8+細胞の数は、X軸上に示される。p380、p391、p393のいずれかをEBV−BまたはT2細胞に負荷した。Hsp70陰性M44およびM113腫瘍細胞を陰性のコントロールとして用いた。 ポリエピトープの免疫原性:HHDマウスにワクチン接種したときの、エピトープp380、p391およびp393に対する複数の免疫反応の誘導。左のグラフは、ポリエピトープでHHDマウスが免疫を獲得した後に得られた結果を表し、右のグラフは、ペプチドp380、p391およびp393の混合ペプチドでHHDマウスを次の免疫した後に得られた結果を表している。IFN−γエリスポット(Elispot)検査で、免疫反応をエキソビボでモニターした。X軸は、各種エピトープに反応した、免疫を獲得したマウスの割合を表している。Y軸上の上下方向の棒線は、エピトープに対して免疫反応を示したマウスの全比率と、それぞれp380、p391およびp393ペプチドに対して反応したマウスの比率を表す。 免疫反応を示したマウスにおける特異的IFN−γ分泌細胞の頻度。8つのグラフには、22−merエピトープで免疫を獲得したマウスのそれぞれに関して取得した免疫反応を表す。X軸は、活性化時に、105エキソビボCD8+細胞に対するIFN−γを産生するCTLの数を表す。Y軸上の棒線は、p391かp393ペプチドまたは無関係のHIV pol589ペプチドに対するIFN−γを産生するCTLのそれぞれのレベルを表す。 p380、p391またはp393に対するインビトロでの免疫反応を誘導を通じた、ヒト設定におけるポリエピトープの免疫原性。ポリエピトープ誘導のヒトCTLに関して、細胞内のIFN−γ染色でp380、p391もしくはp393または無関係のHIVpol589ペプチドを負荷したT2細胞に対する反応能力を試験した。X軸は、IFN−γを産生するCTL/105のCD8+細胞の数を表している。Y軸上の上下方向の棒線は、無関係のHIV pol589ペプチド又は、p380、p391もしくはp393ペプチドを細胞にそれぞれ負荷したときに得られた結果を表す。

Claims (28)

  1. 誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と少なくとも65%一致する、少なくとも8個の連続したアミノ酸のアミノ酸配列を含有するペプチドであって、ペプチドのアミノ酸配列が、構成的Hsc70アミノ酸配列と同じ長さのアミノ酸配列と、少なくとも1つのアミノ酸で異なっており、誘導性Hsp70を自然に産生する細胞を特異的に認識でき、Hsc70エピトープではなく変異型および非変異型Hsp70エピトープの両方を認識できる細胞傷害性Tリンパ球をインビトロまたはインビボで誘導できることを特徴とするペプチド。
  2. アミノ酸配列が、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と少なくとも75%一致する、請求項1に記載のペプチド。
  3. アミノ酸配列が、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分に一致する、請求項1または2に記載のペプチド。
  4. アミノ酸配列が、構成的Hsc70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、ペプチドの3番目から最後のC末端アミノ酸までに配置されるアミノ酸の少なくとも1個で異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチド。
  5. アミノ酸配列が、構成的Hsc70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目から最後のC末端アミノ酸までに配置されるアミノ酸の少なくとも1個で異なることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペプチド。
  6. アミノ酸配列が、9個のアミノ酸を含有し、構成的Hsc70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目から9番目のアミノ酸までに配置されるアミノ酸の少なくとも1個で異なることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド。
  7. アミノ酸配列が、10個のアミノ酸を有し、構成的Hsc70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、ペプチドの4番目から10番目のアミノ酸までに配置されるアミノ酸の少なくとも1個で異なることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド。
  8. アミノ酸配列が、誘導性Hsp70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、ペプチドの1番目、2番目または最後のC末端アミノ酸に配置されるアミノ酸の少なくとも1個で異なることを特徴とする、請求項1、2または請求項4〜7のいずれか1項に記載のペプチド。
  9. 3番目のアミノ酸から最後のC末端アミノ酸の1つ前までのアミノ酸配列が、誘導性Hsp70のアミノ酸配列内の同じ長さの部分と一致することを特徴とする、請求項1、2または請求項4〜8のいずれか1項に記載のペプチド。
  10. アミノ酸配列が、誘導性Hsp70アミノ酸配列の同じ長さのアミノ酸配列と、少なくとも1個のアミノ酸で異なることを特徴とする、請求項1、2または請求項4〜9のいずれか1項に記載のペプチド。
  11. Figure 2005512517

    からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと、少なくとも65%の相同性を有するかもしくは同一であるアミノ酸配列を含有するかまたはこのアミノ酸配列からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチド。
  12. Figure 2005512517

    からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと、少なくとも65%の相同性を有するかもしくは同一であるアミノ酸配列を含有するかまたはこのアミノ酸配列からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチド。
  13. Figure 2005512517

    からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと、少なくとも65%の相同性を有するかまたは同一であるアミノ酸配列を有するか、またはこのアミノ酸からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチド。
  14. Figure 2005512517

    からなるアミノ酸配列群のいずれかのメンバーと少なくとも65%の相同性を有するかまたは同一であるアミノ酸配列を含有するか、またはこのアミノ酸配列からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチド。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の第1のアミノ酸配列と、
    該第一のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載され、該第1のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載のアミノ酸配列とは異なるエピトープアミノ酸配列
    からなる群から選択した少なくとも1つの第2のアミノ酸配列とを含有するポリエピトープ。
  16. アミノ酸配列LMGDKSENVQDLLLLDVAPLSLを含有するか、またはこのアミノ酸配列からなる、請求項15に記載のポリエピトープ。
  17. 生物分解性微粒子である担体に連結していることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のペプチド、または請求項15または16に記載のポリエピトープ。
  18. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のペプチド、または請求項15または16に記載のポリエピトープをコードする核酸配列。
  19. ベクターに連結していることを特徴とする、請求項18に記載の核酸配列。
  20. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のペプチド、または請求項15もしくは16に記載のポリエピトープ、または請求項17に記載のペプチドもしくはポリエピトープ、または請求項18もしくは19に記載の核酸を用いることにより、誘導性Hsp70を自然に発現する細胞を特異的に標的とする細胞傷害性Tリンパ球反応をインビトロで誘導するための方法。
  21. 請求項20に記載の方法によって取得し得る、細胞傷害性Tリンパ球。
  22. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の、少なくとも1個のペプチドを表面上に提示する、抗原提示細胞。
  23. 製剤上許容可能な賦形剤と一緒に、請求項1〜14のいずれか1項に記載のペプチド、請求項15もしくは16に記載のポリエピトープ、請求項17に記載のペプチドもしくはポリエピトープ、請求項18もしくは19に記載の核酸、請求項21に記載の細胞傷害性Tリンパ球、または請求項22に記載の抗原提示細胞を少なくとも含有する医薬組成物またはワクチン。
  24. 製剤上許容可能な賦形剤と一緒に、SLFEGIDFY、SLFEGIDFYTおよびLMGDKSENVからなる群から選択したアミノ酸配列を含有するかまたはこのアミノ酸配列からなるペプチドを少なくとも含有する、医薬組成物またはワクチン。
  25. 製剤上許容可能な賦形剤と一緒に、次の配列LMGDKSENVと少なくとも65%同一であるアミノ酸配列を含有するか、またはこのアミノ酸配列からなるペプチドを少なくとも含有する、医薬組成物またはワクチン。
  26. ガンもしくはウイルス性疾患の治療に有用な薬剤の調製のための、請求項1〜14のいずれか1項に記載のペプチド、請求項15もしくは16に記載のポリエピトープ、請求項17に記載のペプチドもしくはポリエピトープ、請求項18もしくは19に記載の核酸、請求項21に記載の細胞傷害性Tリンパ球、または請求項22に記載の抗原提示細胞の使用。
  27. ガンの治療に有用な薬剤の調製のための、SLFEGIDFY、SLFEGIDFYT、LMGDKSENVからなる群から選択したアミノ酸配列を含有するかまたはこのアミノ酸配列からなるペプチドの使用。
  28. ガンまたはウイルス性疾患の治療に有用な薬剤の調製のための、LMGDKSENVのアミノ酸配列を含有するかまたはこのアミノ酸配列からなるペプチドの使用。
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