JP2005512024A - 電気測温法および装置 - Google Patents

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Abstract

無細胞試料の熱力学的変化の発生能について試験薬剤をスクリーニングする方法であって、i)電気測温によって前記試料の温度を測定するステップと、ii)試料を前記試験薬剤と接触させるステップと、iii)ステップ(ii)から得られた試料温度を電気測温によって測定するステップと、iv)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップとを含み、温度測定ステップ(i)および(iii)を非侵襲的な電気測温法によって実施する方法。

Description

本発明は、一般に、温度測定に関し、特に、電気測温(electro thermometry)を用いて化学および生化学反応における温度変化をモニターするための方法に関する。この方法は、複数の疾患、障害および症状用の薬物候補をスクリーニングし、同定し、ランク付けするために使用することができる。この方法は、化学および生化学反応の熱力学的応答および動力学的応答をランク付けするために用いることもできる。
熱力学は、仕事と熱の関係に関する科学である。動物または細胞におけるほぼすべての化学反応または生理プロセスが、熱の吸収または発生を伴って起こり、したがって、系が吸収または発生するあらゆる熱は、なされた仕事量に関係する。出熱(すなわち、熱発生)の測定を用いて、化学反応および生理プロセスが使用または生成したエネルギーを推定することが可能である。したがって、化学および生化学反応から生じるわずかな温度変化を正確かつ精度良く測定することができる方法は、医薬品および化学物質の研究および開発に広範な有用性を有する。
生化学の分野において、細胞および細胞下レベルの両方で温度変化を測定する様々な方法が利用可能である。しかし、細胞における熱発生を調節するタンパク質(例えば、脱共役タンパク質、UCP)の発現を検出するために広範な方法(例えば、ノーザン又はウェスタン・ブロッティング)が利用可能であるが、これらの方法は、多大な労力を要し、タンパク質活性を直接測定するものではない。グアノシン5'−二リン酸(GDP)結合アッセイおよび蛍光色素(例えば、JC−1またはローダミン誘導体)は、UCP活性を直接測定することが可能である(NedergaardおよびCannon、Am.J.Physiol.248(3 Pt 1):C365〜C371(1985);(Reers等、Biochemistry 30:4480〜4486(1991))。しかし、GDP結合アッセイには、タンパク質精製が必要であり、色素の使用は、非選択的染色、細胞毒性、および細胞による色素代謝のために限られている。より重要なことに、これらの技術のすべてが、実時間の熱発生変動を直接測定することができず、侵襲的である。
ボンベ熱量計および微小熱量計によって、培養細胞(BottcherおよびFurst、J.Biochem.Biophys.Methods 32:191〜194(1996))または化学反応によって発生または消費される熱を定量的に測定する手段が提供される。しかし、マルチチャンネルの熱量計の開発における最近の進歩にもかかわらず、複数の同時反応(≧60)における熱変化を迅速に分析する方法はない。
最近、動物、植物、組織および単離細胞における実時間の熱発生を測定する迅速で非侵襲的な方法を提供する赤外サーモグラフ技術が示された(国際公開第99/60630号)。赤外サーモグラフィの使用に基づくこの方法を用いて、様々な疾患、障害および症状を治療するための薬物候補をスクリーニングし同定することもできる。これは比較的高感度で用途の広い技術ではあるが、赤外線画像システムなどの特殊で高価な装置を必要とする潜在的な欠点がある。
化学反応から生じる温度変化を正確にモニターするサーミスタの能力も実証された。すなわち、Danielsson等(Analyst、120、155〜160(1995))は、サーミスタを使用して、基質の連続流中の固定化酵素の下流で温度変化を測定した。これよりも最近では、Connolly&Sutherland(Agnew.Chem.112、4438〜4441(2000))が、サーミスタのマルチプレックス・アレイを使用して、化学および生化学触媒スクリーニングのための温度変化をモニターできることを報告した。この技術は、極めて高感度で100μKの変化を確実に検出できるが、本質的に侵襲性であり、生化学または化学反応を起こすアッセイ溶液中にサーミスタを投入する必要がある。サーミスタなどの異物を試験溶液中に導入することは、精査している系の熱力学を汚染しまたは変え、得られたデータに人為的な結果をもたらす恐れがある。
本発明は、電気測温、特に抵抗温度測定により、化学または生化学反応から生じる温度変化を確実に高感度で測定する非侵襲的な手段を提供する。本発明は、酵素触媒を含めて、より一般的には結合相手とのリガンド相互作用中の様々な細胞系および無細胞系における熱発生に対する様々な薬剤の効果を分析するために使用することができる。本発明は、熱放散を変化させる能力について化合物をスクリーニングし、インビトロおよびインビボでの用途において熱産性反応の変化を伴うものを含めて様々な疾患、障害および症状の治療に適用例を有する化合物を同定することが可能である。
本発明は、開発において、標準ウェル・プレート試験装置中に電子センシング(electronic sensing)を組み込み、それによって標準操作方法を向上させることも可能にする。遠隔測定を使用した電子インターフェースを含めて、電子インターフェースを組み込むこともできる。
本発明の一態様によれば、無細胞試料において熱力学的変化を発生させる能力について試験薬剤をスクリーニングする方法が提供される。本発明の方法は、
(i)前記試料の温度を測定するステップと、
(ii)前記試料を前記試験薬剤と接触させるステップと、
(iii)ステップ(ii)から生じる前記試料の温度を測定するステップと、
(iv)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップとを含み、温度測定ステップ(i)および(iii)が非侵襲的電気測温法によって実施される。
「非侵襲的」とは、本明細書では、試料がいかなる測定装置によっても(例えば、直接の接触を通して)侵されず、または撹乱されないことを意味する。
適切な電気測温法は、電気測温装置(すなわち、電気温度計)の使用に依拠し、抵抗温度測定、熱電対、サーモパイル、ボロメータおよび半導体素子の使用を含む。ボロメータは、伝導による熱伝達に対し、熱放射を記録する。
ステップ(i)で得られる温度とステップ(iii)で得られる温度との温度差は、前記試験薬剤が、前記試料の熱力学的変化を引き起こしていることを示している。
本明細書の方法は、広範な化学、生化学および生物学的反応プロセスにおいて熱力学的効果をモニターするのに適切である。
適切な化学用途としては、分析用途、有機合成用途、有機金属合成用途、無機合成用途などがある。具体例は、不均一触媒のスクリーニング、不斉触媒のスクリーニング、アミンおよびアルコールの酵素分割、およびエナンチオ選択反応のスクリーニングである。
具体的用途としては、熱力学的および動力学的応答に基づく化学反応のハイスループット・スクリーニングなどがある。反応は、ディールス・アルダー反応、Ugi反応などのコンビナトリアル・ケミストリーにおいて使用される典型的な反応とすることができる。本明細書の方法は、結晶化、リガンド結合、多形体形成などの化学反応およびプロセスの最適化にも使用することができる。
試料は、有機または無機化合物を含むことが適切である。
一態様においては、有機化合物は、タンパク質、炭水化物、脂質または核酸からなる群から選択される。有機化合物は、酵素、受容体などのタンパク質であることが適切である。
別の態様においては、試験薬剤が有機化合物に結合するときに試料の熱力学的変化が起こる。
一態様においては、ステップ(iii)から生じる試料は、結合対の両方のメンバーを含有する。結合対は、酵素とその基質、または受容体とそのリガンドを含むことがより好ましい。
別の態様においては、試験薬剤が結合対の各メンバーの結合を阻害または促進した場合、結合対の各メンバーが互いに結合しており試験薬剤を含まない対照(または応答が既知の対照)と比較して、ステップ(i)で得られる温度とステップ(iii)で得られる温度とに温度差が生じる。
一態様においては、ステップ(iii)は、ステップ(ii)から生じる試料温度を多数の時点で測定することを含み、ステップ(iv)は、各時点においてステップ(i)で得られた温度をステップ(iii)で得られた温度と比較するステップを含み、その際、少なくとも1つの時点におけるステップ(i)で得られた温度とステップ(iii)で得られた温度との温度差は、試験薬剤が試料の熱力学的変化を引き起こしていることを示している。
ステップ(i)および(iii)の測定を、特定の温度で特定の抵抗を有する抵抗温度計(または「抵抗温度検出器」)を用いて実施することが好ましい。抵抗温度計は、温度0℃において100オームまたは1000オームの抵抗を有する白金抵抗体(すなわち、Pt100またはPt1000抵抗体)を備えることがより好ましい。
白金抵抗温度計は、広い温度範囲にわたって高い精度と分解能を有する。様々な精度規格および多数のパッケージング・オプションを有する白金センサーが、多数の製造者から入手可能である。好ましいセンサーは、サイズが小さく、熱容量が小さい表面実装装置である。
操作原理は、金属(例えば、白金)素子の抵抗を測定することである。精密測定のためには、抵抗を温度に対して較正する必要がある。すなわち、温度と抵抗を関係付ける標準式を用いて温度を計算することができる。Pt1000抵抗体またはセンサーの場合、1℃の温度変化によって約3.84オームの抵抗変化が生じ、そのため、抵抗測定における小さな誤差でも温度測定における大きな誤差が生じ得る。センサーは、精密測定のために、試験電流を流す2本とセンサー素子間の電圧を測定する2本の計4本の線を有する。
抵抗体は、測定感度を確実に上げるために使用前にバランスを取ることが適切である。
本明細書の方法は、制御された環境条件、特に等温条件下で実施することが適切である。これは、一定温度を維持し、環境変化を最小限に抑える環境チャンバを使用して最適に実施することができる。
一態様においては、細胞試料の熱力学的変化をインビトロで引き起こすことができるかどうかについて試験薬剤をスクリーニングする方法を提供する。
一態様においては、細胞は培養細胞である。細胞は、哺乳動物細胞などの真核細胞(例えば、腫瘍細胞または脂肪細胞)であることが適切である。
別の態様においては、細胞は植物細胞である。
別の態様においては、細胞は原核細胞である。
本発明によってモニター可能である細胞としては、(初代培養および樹立細胞系を含めた)単離された天然の細胞、改変細胞(例えば、単離された改変細胞)などがある。細胞は、懸濁液とすることができ、あるいは固体担体に単層または多層として付着させることができる。適切な担体の例は、プラスチックまたはガラス・プレート、ディッシュまたはスライド、メンブレンおよびフィルター、フラスコ、チューブ、ビーズおよび他の関係する容器である。
プラスチックのマルチウェル・プレートを使用することが有利であり、96ウェルおよび384ウェル・マイクロタイター・プレートが好ましい。好ましい細胞力価は、付着細胞の場合は100〜100,000細胞/cmであり、懸濁液培養物の場合は100〜1,000細胞/μlであるが、潜在的にあらゆる細胞数/濃度を使用することができる。
本発明の方法によってモニターすることができる単離天然細胞としては、真核細胞、好ましくは哺乳動物細胞などがある。(American Type Culture Collectionから入手可能なものなどの)初代培養および樹立細胞系およびハイブリドーマを使用することができる。具体例は、脂肪(例えば、脂肪細胞およびその前駆体)、筋肉(例えば、筋管、筋芽細胞、筋細胞)、肝臓(例えば、肝細胞、クッパー細胞)、消化器系(例えば、腸上皮、唾液腺)、すい臓(例えば、αおよびβ細胞)、骨髄(例えば、骨芽細胞、破骨細胞およびそれらの前駆体)、血液(例えば、リンパ球、繊維芽細胞、網状赤血球、造血性の前駆体)、皮膚(例えば、ケラチノサイト、メラノサイト)、羊水または胎盤(例えば、絨毛)、腫瘍(例えば、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病)、脳(例えば、ニューロン、視床下部、副腎および脳下垂体)、呼吸器系(例えば、肺、気管)、結合組織(例えば、軟骨細胞)、眼、腎臓、心臓、膀胱、ひ臓、胸腺、生殖腺、甲状腺、および内分泌調節に関与する他の器官に由来する細胞または組織である。使用可能である細胞タイプに制限はない。本発明の方法は、植物、菌、原虫、およびモネラ界(例えば、細菌)に由来する細胞に適用可能である。細胞は、確立された培養技術を用いて培養することができ、生存度、増殖および/または分化を確実にするために培養条件を適宜最適化することができる。
別の態様においては、細胞は、異種タンパク質をコードする核酸配列を含有するように操作され、または細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作される。
本発明の方法によってモニター可能である改変細胞としては、温度調節、エネルギー・バランスおよび燃料利用(fuel utilization)、増殖および分化、および細胞が発生する熱を変える生理または代謝の他の面に直接または間接的に関与するタンパク質を産生または過剰産生するように操作された細胞などがある。このような細胞は、改変原核細胞(モネラ界:例えば、大腸菌)、改変高等または下等真核細胞、あるいはトランスジェニック動物中に存在する細胞またはトランスジェニック動物から単離された細胞とすることができる。(例えば、植物界および動物界の)高等真核細胞の例は、American Type Culture Collection(例えば、CV−1、COS−2、C3H10T1/2、HeLaおよびSF9)から入手可能である細胞系である。下等真核細胞の例は、菌(例えば、酵母)および原虫(例えば、粘菌および繊毛虫)である。細胞またはトランスジェニック動物は、核受容体および転写因子(例えば、レチノイド受容体、PPAR、CCAAT−エンハンサー結合タンパク質(CEBP)、ポリメラーゼ)、細胞表面受容体(例えば、膜貫通および非膜貫通受容体、Gタンパク質共役受容体、キナーゼ共役受容体)、膜輸送体およびチャネル(例えば、脱共役タンパク質、糖輸送体、イオン・チャネル)、シグナル伝達タンパク質、(例えば、ホスホジエステラーゼ、シクラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ)、およびウイルス(例えば、AIDS、ヘルペス、肝炎、アデノ)などを含めて、ただしこれらだけに限定されない様々なタンパク質のいずれかを発現するように操作可能である。改変細胞は、発現させるタンパク質をコードする配列を含む構築体および作動可能に結合されたプロモーターを、選択した宿主に導入することによって産生させることができる。適切なベクターおよびプロモーターは、所望の宿主に基づいて選択することができ、宿主への構築体の導入は、様々な標準形質移入/形質転換手順のいずれかを用いて実施することができる(Molecular Biology、A Laboratory Manual、第2版、J.Sambrook、E.F.FritschおよびT.Maniatis、Cold Spring Harbor Press、1989参照)。このようにして産生された細胞は、確立された培養技術を用いて培養することができ、導入したタンパク質コード配列が確実に発現するように培養条件を最適化することができる。
本発明の方法は、様々な無細胞および細胞ベースの熱発生アッセイにおける薬剤の作用強度、選択性、効力、薬物動態学および薬力学に基づいて、様々な疾患、障害または症状の治療に使用するのに適切な薬剤(例えば、薬物または薬物候補)を同定し、特性を明らかにし、ランク付けし、選択するために使用することができる。例えば、試験薬剤は、電気測温を用いて、異化薬物または同化薬物としての潜在能力によってスクリーニングすることができる。培養細胞(例えば、脂肪細胞、酵母などの初代細胞、またはC3H10T1/2間葉幹細胞、骨芽細胞または脂肪細胞などの細胞系)は、試験薬剤で処理した後電気測温によって熱信号(heat signature)の変化を測定することができる。熱発生(細胞熱発生)を促進する薬剤は異化薬物として潜在的に有用であり、熱発生を抑制する薬剤は同化薬物として潜在的に有用である。
代謝変化に加えて、熱発生の変化も、増殖および分化の変化を反映することができる。したがって、本発明の方法は、代謝、毒性、細胞増殖、器官発達、および/または分化の変化に伴う疾患、障害または症状の治療または予防に使用するのに適切な薬剤(例えば、薬物または薬物候補)を同定し、特性を明らかにし、ランク付けし、選択するために使用することができる。
電気測温によって同定された同化薬剤を用いた治療に潜在的に適した病態生理の例は、食欲不振症、脱毛症、自己免疫病、悪液質、癌、老化に伴う異化作用、糖尿病、移植片拒絶、成長遅延、骨粗鬆症、発熱、細菌およびウイルス感染である。電気測温によって同定された異化薬剤を用いた治療に潜在的に適した疾患、障害または症状の例は、肥満に伴う疾患、障害または症状(例えば、高血圧、異脂肪血症および心血管疾患)、および加速増殖に伴う疾患、障害または症状(例えば、癌、巨人症、ある種のウイルス感染)である。電気測温によって同定された薬剤を用いた治療に適した病態生理は、同化作用または異化作用の変化に一般的に伴うもの(例えば、代謝疾患)だけに限らない。この手法は、男性の勃起不全(MED)、炎症、高血圧、胃腸疾患、行動障害(CNS疾患)、および血流変化に伴う疾患を含めて他の疾患、障害および症状にも適用可能である。医薬品研究および開発において本発明によって分析可能である病態生理(例えば、薬物作用強度、効力、毒性、薬物動態学および薬力学の分析)に制限はない。
リガンド(タンパク様または非タンパク様(例えば、核酸))と結合相手(タンパク様または非タンパク様(例えば、核酸))の結合は、その結合が発熱応答を誘発する場合、電気測温によってモニターすることができる。リガンドおよび/または結合相手は、細胞または無細胞環境(例えば、溶液)中に存在することができる。リガンドおよび/または結合相手は、通常天然には存在しない合成化学要素とすることができ、あるいは天然のタンパク質、核酸、多糖、脂質、ホルモンまたは他の天然の物質または細胞などの天然要素とすることができる。結合相手が発生する熱に対する試験薬剤(例えば、リガンド候補)の効果を、電気測温によって測定することができる。
適切な一方法は、i)結合相手が発生する熱を測定するステップと、ii)結合相手に試験薬剤を添加するステップと、iii)リガンド候補(試験薬剤)と結合相手を混合した後に発生する熱を測定するステップと、iv)(i)と(iii)の各測定値を比較するステップとを含み、その際、熱発生を変える薬剤は結合相手のリガンドである。また、試験薬剤は、その結合相手へのリガンドの結合から生じる発熱応答を変えることができるかどうかによってスクリーニングすることができる。このような薬剤は、リガンドおよび/または結合相手のアロステリックな制御因子、作用薬、あるいは拮抗薬とすることができる。このようなスクリーニングは、i)結合対の第1のメンバー(リガンドまたは結合相手)を結合対の第2のメンバーに添加することによって発生する熱を電気測温によって測定するステップと、ii)結合対の第1のメンバー、結合対の第2のメンバー、および試験薬剤の添加によって発生する熱を測定するステップと、iii)(i)の測定値を(ii)の測定値と比較するステップとを含み、その際、リガンドをその結合相手に添加すると観測される熱発生を変える薬剤は、例えば、結合対の一方または両方の成分と結合することによる相互作用の調節物質である。
薬剤は、特定の酵素の触媒速度を調整できるかどうかによってスクリーニングすることができる。この方法は、酵素をその基質に添加すると発生する熱を電気測温によって測定するステップと、試験薬剤、酵素およびその基質を添加すると発生する熱を測定するステップと、その結果を比較するステップとを含むことができる。熱発生を変える薬剤は、酵素阻害剤または活性化剤である可能性がある。このような方法に従って実施可能である対照としては、(基質の非存在下で)酵素を試験化合物に添加すると発生する熱を測定すること、(酵素の非存在下で)基質を試験化合物に添加すると発生する熱を測定することなどがある。このような対照によって、それぞれの添加から生じる熱発生に対する効果を決定することが可能になる。このような手法を用いて、基質として機能し得るかどうかによって試験薬剤をスクリーニングすることができる。このような薬剤は、任意の他の既知の基質の非存在下で酵素と混合させたとき熱発生を増加させることができる。別の実施形態においては、本発明は、様々な細胞(ヒト、動物、植物)における薬物−薬物相互作用をモニターする方法に関する。この方法は、i)薬剤に曝す前に細胞が発生する熱を電気測温によって測定するステップと、ii)(例えば、培地に添加することによって)細胞を単一の薬剤および複数の薬剤に曝すステップと、iii)単一の薬剤による処理後および複数の薬剤による処理後に細胞が発生する熱を電気測温によって測定するステップと、iv)ステップ(i)と(iii)において発生する熱の差を決定し、単一の各薬剤に曝した後に発生する熱の差を、混合薬剤に曝した後に発生する熱と比較するステップとを含む。(単一の各薬剤に対して)複数の薬剤に曝した後に発生する熱の差は、薬剤が相互に作用し、または発熱応答を誘発していることを示している。
上述したように、単独で用いたときよりも併用したときに熱発生の変化が生じる薬剤は、薬力学的な薬物−薬物相互作用に関与すると提案される。このような相互作用は、生物、組織または細胞に潜在的に有毒または有利であり得る。したがって、電気測温を使用して、異なる薬剤(例えば、薬物)がどのように相互作用するかを同定し、予測し、特徴づけ、ランク付けし、かつ/または選択することができる。使用可能である薬剤または細胞のタイプおよび数に制限はない。薬剤は、天然のもの、合成のもの、作用薬、拮抗薬、阻害剤、活性化剤、安全なもの、有毒なもの、同化のもの、異化のもの、既知のものまたは未知のもののいずれでもよい。細胞、組織および生物は、植物、動物(例えば、ヒト)、菌、原虫またはモネラから誘導することができる。電気測温は、暴露期間、薬剤濃度、薬剤組成、および使用する薬剤の数を変えることを含めて様々な薬物動態学および薬力学パラメータを変えることによって、細胞が発生する熱を測定するために使用することが可能である。
別の実施形態においては、本発明は、薬剤の安全プロファイルを評価する方法に関する。この実施形態に従って、薬剤が標的とする様々なタンパク質(例えば、チトクロムP450など)、細胞小器官(例えば、ミクロソームなど)、細胞を単離し、薬剤濃度を変えて処理し、電気測温を用いて熱発生をモニターすることができる。この方法は、i)所望の標的(例えば、薬剤の治療効果に関与するタンパク質、細胞小器官、細胞)における熱発生を刺激または阻止することに対する薬剤の作用強度および効力を決定するステップと、ii)望ましくない標的(例えば、薬剤の毒作用に関与するタンパク質、細胞小器官、細胞、組織)における熱発生を刺激または阻止することに対する薬剤の作用強度および効力を決定するステップと、iii)ステップ(i)と(ii)の作用強度および効力を比較することによって薬剤の選択性を決定するステップとを含むことができる。
様々な標的(例えば、タンパク質、細胞小器官、細胞、組織および/または器官)間の選択性が高い薬剤は、安全プロファイルが向上していると予想される。この実施形態と一致して、結合相手および/または酵素触媒が発生する熱に対して試験薬剤濃度を変えることの効果を、複数の標的に対する選択性および安全プロファイルを評価するために使用することができる。望ましい標的と望ましくない標的(例えば、細胞タイプ、結合相手または酵素)間の最適な選択性は、当業者であれば容易に決定することができる。
一態様においては、ステップ(iii)はステップ(ii)から得られる試料温度を複数の時点で測定することを含み、ステップ(iv)は各時点においてステップ(i)で得られた温度をステップ(iii)で得られた温度と比較するステップを含み、少なくとも1つの時点におけるステップ(i)で得られた温度とステップ(iii)で得られた温度との温度差によって、試験薬剤が試料における熱力学的変化を引き起こしたことが示される。
細胞は、異種核酸配列を含むように操作されることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、試料において熱力学的変化を発生させる能力について試験薬剤をスクリーニングする方法が提供される。この方法は、
(i)試料またはその一部の温度を測定するステップと、
(ii)試料またはその一部を試験薬剤と接触させるステップと、
(iii)ステップ(ii)から得られる試料またはその一部の温度を測定するステップと、
(iv)ステップ(i)〜(iii)を少なくとも1回繰り返すステップと、
(v)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップとを含み、温度測定ステップ(i)および(iii)は非侵襲的電気測温法によって実施される。
ステップ(i)で得られた温度とステップ(iii)において得られた温度との温度差によって、試験薬剤が試料の熱力学的変化を引き起こしたことが示される。
試料は無細胞試料であることが適切である。一態様においては、試料は細胞を含有する試料である。
試料中に存在する細胞は真核細胞であることが適切である。一態様においては、細胞は哺乳動物細胞(例えば、腫瘍細胞または脂肪細胞)である。
細胞は植物細胞であることが適切である。別の態様においては、細胞は原核細胞である。
別の態様においては、細胞は、異種タンパク質をコードする核酸配列を含有するように操作され、または細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作される。
ステップ(i)および(iii)の測定は、抵抗温度計を用いて実施されることが好ましい。温度計は、白金1000または白金100抵抗体を備えることがより好ましい。
一態様においては、細胞は、異種核酸配列を含むように操作される。
本発明の別の態様によれば、試料における熱力学的変化の発生能について複数の試験薬剤をスクリーニングする方法が提供される。この方法は、
(i)試料またはその一部の温度を測定するステップと、
(ii)試料またはその一部を試験薬剤と接触させるステップと、
(iii)ステップ(ii)から得られる試料またはその一部の温度を測定するステップと、
(iv)ステップ(ii)〜(iii)を複数の異なる試験薬剤を用いて個々に繰り返すステップと、
(v)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップとを含み、温度測定ステップ(i)および(iii)は、非侵襲的電気測温法によって実施される。
試験化合物の1つを試料またはその一部に添加して得られた温度差によって、試験薬剤の1つが試料の熱力学的変化を引き起こしたことが示される。
一態様においては、試料は無細胞試料である。
別の態様においては、試料は、細胞含有試料である。試料中に存在する細胞は真核細胞であることが好ましい。細胞は哺乳動物細胞(例えば、腫瘍細胞または脂肪細胞)であることがより好ましい。
場合によっては、細胞は植物細胞である。
一態様においては、細胞は原核細胞である。
細胞は、異種タンパク質をコードする核酸配列を含有するように操作され、または細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作されることが適切である。
ステップ(i)および(iii)の測定は、抵抗温度計を用いて実施されることが好ましい。温度計は、白金1000または白金100抵抗体を備えることがより好ましい。
別の態様においては、細胞は異種核酸を含むように操作される。
本発明の別の態様によれば、非侵襲的な電気測温法によって、化合物または組成物の温度を経時的に測定するステップを含む、化合物または組成物の物理的状態をモニターする方法が提供される。
この実施形態によれば、この方法は、化合物が固体(すなわち、凍結液体)から液体(すなわち、融解)、液体から固体(すなわち、結晶化)、液体から気体(すなわち、蒸発、気化)、固体から気体(すなわち、昇華)になる物理的性質の変化に関係するので、この方法によって化合物の物理的状態を決定することが可能である。この実施形態は、開放容器、閉鎖系、圧力容器(すなわち、吸入剤)中の化合物に適用可能であるが、これらだけに限定されない。液体の量を、本発明によって測定することが可能である。この実施形態に一致して、各試験薬剤量が変化することによって、特有の熱プロファイルが得られ、その特有の熱特性によって、薬剤の存在量を測定することが可能である。
一態様においては、化合物または組成物が、気体から液体、または液体から気体、液体から固体、または固体から液体、あるいは固体から気体、または気体から固体に変化するときにモニタリングが行われる。
本明細書の方法は、多相系、例えば、気体/固体、気体/液体、および液体/固体系にも適用することができる。
本発明の別の態様においては、容器中に存在する化合物または組成物の量を決定する方法が提供される。この方法は、非侵襲的電気測温法を用いて、前記容器中に存在する前記化合物または組成物の温度を測定するステップを含む。
一態様においては、化合物または組成物は液体である。
容器は、マルチウェル・マイクロタイター・プレートであることが適切である。
本発明の別の態様によれば、試料に対する試験薬剤の発熱効果を決定する方法が提供される。この方法は、
i)試料またはその一部を第1の量の薬剤と接触させ、生じた温度を測定するステップと、
ii)第2の異なる量の薬剤を用いてステップ(i)を少なくとも1回繰り返すステップとを含み、温度測定ステップ(i)は、非侵襲的電気測温法によって実施される。
最低限の量で試料に発熱変化をもたらす試験薬剤は、試料に発熱効果を及ぼす薬剤である。
一態様においては、試料は無細胞試料である。
別の態様においては、試料は、細胞含有試料である。
本発明の別の態様によれば、試料に対する試験薬剤の発熱効果を決定する方法が提供される。この方法は、試料またはその一部を試験薬剤と接触させるステップと、非侵襲的電気測温法を用いて複数の時点において得られた温度を測定するステップとを含み、少なくとも1つの前記時点において試料に発熱変化を起こす試験薬剤は、試料に発熱効果を及ぼす薬剤である。
試料は無細胞試料であることが好ましい。
試料は細胞含有試料であることがより好ましい。
別の実施形態においては、本発明は、様々な生物(動物、植物、組織および細胞)における温度をモニターする方法に関する。温度は、薬物または他の活性薬剤によって引き起こされる生理学的作用または生物学的作用を示すことが多く、適切に装着された熱電センサーによって測定することができる。装着には、適切な手段による、例えば、適切なクリップによる表面への結合または保持を介した直接的な装着が含まれる。
一態様においては、この方法は、i)異なる環境条件下の(例えば、異なる食事、すなわち、高脂肪または低脂肪、タンパク質または炭水化物食事を与えた)生物が発生する熱を、1つまたは複数の熱電センサーを用いて測定するステップ、または様々な遺伝的背景を有する生物(例えば、同系動物、個体群)が発生する熱を測定するステップと、ii)単独または複数の生物を様々な薬剤に単独でまたは複合的に(例えば、未処置の対照を含めたプラセボまたは発熱薬剤)に曝すステップと、iii)薬剤による治療後に、1つまたは複数の熱電センサーを用いて、生物が発生する熱を測定するステップと、iv)ステップ(i)と(iii)の測定値を比較して、環境変化および遺伝的背景の影響を決定するステップとを含む。
本発明の別の態様によれば、試料を入れる容器と、試料温度を測定するための容器に連結された電気温度計とを備えるスクリーニング装置が提供される。使用時には、電気温度計は試料に接触しない。
複数の態様においては、容器(例えば、ウェル・プレート)は、1つまたは複数のコーティング材料で被覆されている。適切なコーティング材料としては、シリコーン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などのポリマー材料などがある。コーティングは、一般に、刷毛塗り、浸漬またはスプレーによって塗布される。典型的なコーティングは、数十ミクロンオーダー(例えば、10〜90ミクロン)の厚さである。
一測定態様においては、2つの電気測温(例えば、抵抗温度計)装置の示差的配置を用いて、ウェル・プレートの2つのウェル間の温度差、または1つのウェルと周囲との温度差を測定する。ブリッジ;1つの抵抗温度計が基準電圧または電流を供給し、第2の抵抗温度計が信号を与えるレシオメトリック信号;およびその後読み取り値を減算する2つの別々の抵抗温度測定値の使用を含む配置を含めて、いくつかのタイプの配置が考えられる。
狭帯域化技術を使用して、検出した電気測温信号のシグナル/ノイズ比を向上させることができる。一態様においては、抵抗温度計はAC電源で動き、位相判別増幅器(phase−sensitive amplifier)を用いて信号が検出される。
様々な省電力およびエネルギー効率改善技術を使用することができる。一態様においては、自己加熱を削減し、自給式電源装置のバッテリー寿命を延長させるために、測定を記録している間のみ、電気温度計にパルス型低負荷サイクル駆動(low duty cycle drive)がかけられる。
一態様においては、電力は、(例えば、コードレス充電器に使用されるタイプの)高周波トランスによって供給される。変形形態においては、第1の高周波トランスは、装置のロボット工学的に適切な面に組み込まれ、第2の高周波トランスはウェル・プレート上に配置される。
スクリーニング装置は、電気測温・センサーから抵抗データを受信する電子データ管理システムと通信することが適切である。電子データ管理システムは、一般に、前記データを(例えば、適切なユーザー・インターフェースを介して)処理し、分析し、表示することが可能である。
スクリーニング装置は、遠隔測定機能をさらに具備しており、すなわち、ネットワーク・コンピュータ・システムと電子データ管理システムとのデータ転送を可能にするネットワーク・コンピュータ・システムとの無線通信用通信機を備えることが適切である。通信機は、ネットワーク・コンピュータ・システムと電子データ管理システムとの双方向データ転送が可能であることが好ましい。
ネットワーク・コンピュータ・システムと電子データ管理システムとの間で暗号形式でデータを通信可能であることが適切である。暗号化または部分的な暗号化に適切なすべての方法が想定される。パスワード保護を使用することもできる。通信機は、高周波信号または光信号を使用することが適切である。
一態様においては、通信機は、ネットワーク・コンピュータ・システムへのゲートウェイを介して通信する。別の態様においては、通信機は、ネットワークと直接通信できるようにネットワーク・サーバー(例えば、ウェブ・サーバー)を備える。
別の態様においては、通信機は、第2の通信装置を介してゲートウェイと通信する。好ましくは、第2の通信装置は電気通信装置であり、より好ましくは携帯電話またはページャである。通信機は、スペクトラム拡散高周波信号によって第2の通信装置と通信することが好ましい。適切なスペクトラム拡散プロトコルは、複数の周波数(例えば、79個の異なる周波数)間の迅速な(例えば、毎秒1600回)ホッピングを使用したBluetooth(商標)規格である。このプロトコルは、さらに複数のデータ・ビット送信(例えば、三重の送信(sending in triplicate))を使用して干渉を抑えることができる。
一態様においては、ネットワーク・コンピュータ・システムは、公衆ネットワーク・コンピュータ・システムを含む。インターネットは、公衆ネットワーク・コンピュータ・システムの適切な一例であり、そのアクセス・ポイントは、インターネット・サービス・プロバイダによって管理されているエントリー・ポイントを含めたあらゆる適切なエントリー・ポイントとすることができる。公衆ネットワーク・コンピュータ・システムは、電気通信システムの一部を形成することもできる。電気通信システム自体は、従来の銅線システム、セルラー・システムまたは光ネットワークとすることができる。
別の態様においては、ネットワーク・コンピュータ・システムは、プライベート・アクセス・ネットワーク・コンピュータ・システムを含む。プライベート・アクセス・ネットワーク・システムは、例えば、イントラネットまたはエクストラネットを含むことができる。ネットワークは、例えば、パスワード保護、ファイアウォール、および適切な暗号化手段を含むことができる。
通信機は、ネットワーク・コンピュータ・システム内のユーザ占有型ネットワーク・アドレスと通信できることが好ましい。
ユーザ占有型ネットワーク・アドレスは、ウェブサイト・アドレス、電子メール・アドレスおよびファイル転送プロトコル・アドレスからなる群から選択することができる。ユーザ占有型ネットワーク・アドレスは、遠隔の情報源からの情報が利用可能になるように遠隔情報源にアクセス可能であることが好ましい。ユーザ占有型ネットワーク・アドレスからの情報が、遠隔情報源で利用可能になることがより好ましい。
装置が、容器中に含まれる試料の温度を測定する電気温度計をそれぞれ備える複数の容器を含む実施形態も考えられる。
複数の態様においては、容器は、ペトリ皿、試験管およびマイクロタイター・ディッシュからなる群から選択される。
本発明の目的および利点は、以下の記述から明確になるはずである。
白金抵抗温度計(PRT)は、広い温度範囲にわたって高い精度を有する。様々な精度規格および多数のパッケージング・オプションを有するセンサーが、多数の製造者から入手可能である。本発明に使用されるセンサーは、サイズが小さく、熱容量が小さい表面実装装置である。白金100または1000表面実装抵抗温度計は、化学および医薬品業界において化学および生化学スクリーニングのために広範に使用されているマイクロタイター・プレートでの使用に特に適切である。
マイクロタイター・プレートは、様々な形式(一般に、24、48、96、384、1536および6144ウェル形式)で提供され、化学物質および/または生物学的材料などの試験試薬がその中で反応するいくつかのウェルを含む平面プラスチック・プレートからなる。これらのマイクロタイター・プレートは、一般に、ハイスループット・スクリーニング用自動アッセイに使用され、化学および生物学的反応が、一般に、比色手段または蛍光手段によってモニターされる。図1は、典型的なマイクロタイター・プレート10の平面図であり、12×8形式で整列した96ウェル15が示されている。
図2に、Pt1000抵抗体120が、ウェルD2(115)の底面に表面実装され、導電性ワイヤー130によってモニタリング装置(図示せず)に接続されている同様の96ウェル・マイクロタイター・プレート110の一部を示す。ウェル115内の反応媒体において測定可能な温度変化をもたらすマイクロタイター・プレート内のあらゆる反応を、白金抵抗体120によって検出することができる。本発明の実施形態の概略断面透視図を図3に示す。マイクロタイター・プレート210のウェル215a〜cは、化学反応物240a〜cで一部満たされ、薄いゴムのセプタム250で覆われている。反応物は、従来の手段(例えば、マグネチック・スターラ)によって撹拌またはかき混ぜられて、あらゆる化学反応が促進されるように確実に完全混合される。セプタム250は、(例えば、反応を開始させるために)セプタムを通して注入することができる反応物が蒸発するのを防止する。プレート210は、一般に、化学または生物学的反応物による汚染を防止するために使い捨てできるものであり、ポリマーで構成されている。図3からわかるように、ウェル215a〜cの底部216a〜cは、白金抵抗体220a〜cへの熱伝導率が最大になるように、壁217a〜cに比べて極めて薄い。底部216a〜cの厚さは、一般に、5〜100μmである。別の実施形態(図示せず)においては、底部216a〜cの組成物は、極めて高い熱拡散率を有するが、導電性の低い他の材料とすることができ、これら均衡の取れた所望の諸特性をもたらす材料も含まれる。容易に理解されるように、これらのマイクロタイター・プレートは、ウェル底部の熱伝導率を最大限にするためにアッセイ用に特別に製造されたものでなければならない。これは、標準マイクロタイター・プレートから既存の底部を取り外し、適切な厚さおよび/または組成の底部で置き換えることによって得ることができる。
白金抵抗体220a〜cは、ウェル215a〜cの底部216a〜cに配置され、プリント回路板250に接続されている。ウェル215a〜c内の反応物のあらゆる温度変化が、白金抵抗体220a〜cによって検出され、プリント回路板260を経由してデータ記録装置(図示せず)に中継される。
本明細書の態様においては、ウェル215a〜cは、内容物を環境から遮断するセプタムを備え、したがって蒸発による熱損失が減少する。セプタムによって、ウェル中に試薬を注入することができる。これは、モニタリング感度に資する。
この方法は、一般に、熱安定性を最大限にし、かつ環境への影響を最小限に抑える慎重に制御された環境において実施される。特に、装置は、環境チャンバに封入されていることが適切である。場合によっては、撹拌機によって反応媒体を撹拌することができる。
本発明の別の実施形態を図4に示す。この断面図は、プリント回路板360に接続された白金抵抗体320に接触しているウェルインサート315a〜cを有する担体プレート370を示している。明瞭にするために、白金抵抗体320およびプリント回路板360は、1つのウェルインサート315cにのみ接触して示されており、このような構成要素はプレート370のすべてのウェルインサート315a〜cに存在することを理解されたい。複数の実施形態においては、ウェルインサート315a〜cは、単独型(すなわち、別個の)またはアレイの形で担体プレート370に嵌入させることができる。ウェルインサートは、一般に、射出成形によって形成され、前述のように薄い底部を有する。担体プレート370は、ウェル底部316a〜cと白金抵抗体320(1つのみが示されている)の最適な熱接触が得られる位置でウェルインサート315a〜cを支持するように設計されている。各ウェル底部316a〜cは各反応混合物340a〜c内に発生する温度変化を別個にモニターするために抵抗体320に接触していることを理解されたい。ウェル底部は、試料の化学成分に適合した熱拡散率の高い材料で構成されていなければならず、熱伝導率を最大にする厚さ(例えば、5〜100μm)とすべきである。前図と同様、薄いゴム・セプタム350が、蒸発を防止するために各ウェル315上に配置されている。
図5に、熱プレート・リーダー用プリント回路板470のレイアウトを示す。コネクタ472によって、温度記録装置(図示せず)との通信が可能になる。白金抵抗体420a〜fは、マイクロタイター・ウェル(図示せず)の底部と最適に接触し、導電性ワイヤー474を介してコネクタ472と通信するように配置されている。図示した回路板において、ホール476が底部に開けられて、赤外線カメラによる温度の読み取り(thermal reading)が容易になり比較試験(下記参照)が可能になる。この実施形態においては、96個のウェル位置のうちわずか6個しか抵抗体が連結されていないが、96個のウェル位置すべてが抵抗体に連結されたタイプも考えられる。
複数の態様においては、図3〜5のプリント回路板360、360、460は、堅くはなく柔軟な形態を有し、物理的なコンプライアンス、したがってウェル・プレートのウェルとの熱接触に資するように配置されている。他の態様においては、白金抵抗体をこのような柔軟なプリント回路板の層の下に封入し、あるいは、適切な抵抗要素をプリント回路板上に蒸着し、印刷し、またはスパッターすることができる。さらに別の態様においては、加熱素子および/または冷却素子を、プリント回路板または他の支持体上に組み込むことができる。白金抵抗体自体を、実際に加熱素子として使用することができる。
システムからの出力例を図6に示す。この図では、赤外線カメラ・モニタリング・システム(国際公開第99/60630号に開示されたものなど)を用いた温度感度を白金100抵抗体システムと比較している。薄い底部を有するポリテン・ベースのポリマーでできたウェルインサートに入れられた水の試料100μlに、6ボルト、300mAの電球から10秒ごとに120秒間光をパルスした。図示したように、白金抵抗体(ライン572)の温度変化(スケールは1目盛り0.2℃である)検出感度は、赤外線画像技術(ライン575)のそれと極めて類似している。2つの白金1000抵抗体を使用する以外は上述と類似したシステムを用いて、マイクロタイター・プレートの2つのウェルにおいて1組のアルコール希釈アッセイで生じる温度変化を測定した(図7a〜c)。4ワイヤー・モードで抵抗1Kオームおよび6.5桁分解能で抵抗を測定するように設定されたAgilent 34970Aメーターを用いて抵抗を測定した。一定量(5μ1)の純水(HPLCグレード)を、濃度10%(図7a)および3.3%(図7b)のエタノール(純度95%、実験試薬等級)水溶液100μlに添加した。参照標準(図7c)は、水を添加しない以外は同一の試料であった。予想通り、希薄溶液(図7b)よりも濃度の高いアルコール溶液(図7a)に水を添加したときにより大きな熱応答が見られる。5μ1一定量の水を純水に添加する基準試料における「応答」は、システムの感度が高いことによるものであり、その感度は空のピペットが近づいただけで、かなりの温度増加を引き起こすのに十分である(図7c)。図7a〜cからわかるように、システムの熱感度または分解能は、数mKのオーダーである。
図8に、センサーのサンプリング・アレイの回路図を示す。図示したように、アレイのただ1つの要素のみが詳細に標識されているが、他の各要素も同様の特徴を有する。より詳細には、抵抗温度センサー720は、基準抵抗体722およびアナログ・ディジタル変換器780を有する回路中にある。この回路は、インターフェース782を介してマイクロコントローラ790と通信する。マイクロコントローラは、高周波通信インターフェース792、光通信インターフェース794、および有線通信インターフェース796と通信して(例えば、ネットワーク・コンピュータ・システムへの)データ通信を容易にする。システム全体は、電源798によって電力を供給されている。
図9に、本明細書の一連のセンサーの回路図を示す。わかり易くするために、3つのセンサーのみを図示する。より詳細には、抵抗体R、RおよびR 820a〜cは、回路を通ってそれぞれの電源リレーS、SおよびS 824a〜cおよび測定リレーM、MおよびM 826a〜c、および電流源898および電圧計897に接続されている。抵抗測定を行うときに、電源リレーS、SおよびS 824a〜cは、測定リレーM、MおよびM 826a〜cと対になる。例えば、リレーS 824aが閉じられると一定電流が抵抗体R 820aを通って流れる。リレーM 826aも閉じられると、R 820aの電圧が電圧計によって測定される。R 820aの抵抗は、電流と電圧から決定される。温度は、ルックアップ表または較正曲線を用いて抵抗から決定される。
図10に、無線遠隔測定機能を含む本明細書のウェル・プレート用電気測温・モニタリング・システムまたは他のモニタリング装置の単純化した系統図を示す。このような構成の利点は、プレートが、データ・ディスプレーおよびユーザー・インターフェース・システムからは分離して位置するが、無線で交信できる点にある。
アナログ・デジタル・インターフェースを備えるマイクロコントローラ9100は、システムの様々な構成部分のコントロール・ハブとして働く。温度センサー9110は、温度データを増幅器9112を介してマイクロコントローラ9100に送る。データは、コンピュータ・インターフェース9120でさらに処理するために転送可能であり、コンピュータ・インターフェース9120はファームウェアをアップロードするため、またはデータを読み出すために配置された外部コンピュータ9122に接続される。マイクロコントローラ9100は、さらに、データの無線転送のための光学素子、高周波素子または誘導素子を備える遠隔測定サブシステム9130と情報交換する。遠隔測定サブシステムは、遠隔測定トランシーバ9132、コンピュータ・インターフェース9134、ならびにデータ・ロギングおよびディスプレー用の別のコンピュータ9136と接続される。無線遠隔測定通信リンク9138は、トランシーバ9132、コンピュータ・インターフェース9134および別のコンピュータ9136を、モニタリング・システムの残りからは離れて配置できることを意味していることを理解されたい。
本開示は説明の目的のためだけにあり、本発明がその改変形態、変更形態および改良形態に及ぶことを理解されたい。
この明細書本文および特許請求の範囲がその一部をなす本願を、あらゆる後願特許に関する優先権の基礎として使用することができる。そのような後願特許の特許請求の範囲は、そこに記載されるあらゆる特徴または特徴の組み合せを対象とすることができる。それらは、生成物クレーム、方法クレームまたは用途クレームの形式をとることができ、例示として、限定することなく、1つまたは複数の以下の請求項を含むことができる。
マイクロタイター・プレートの概略平面図である。 白金抵抗体がプレートの底部に接続されたマイクロタイター・プレートの詳細な下面図である。 熱プレート・リーダー上に配置されたマイクロタイター・プレートの概略断面図である。 抵抗温度計に接触しているウェルを支持する担体プレートの概略断面図である。 本発明に従って装着された抵抗温度計を有するプリント回路板の図である。 赤外線熱画像および電気測温の熱感度を比較したグラフである。 図7aは、10%エタノール溶液100μ1への水5μl分量の添加のモニタリングにおける電気測温の熱感度を示すグラフである。図7bは、3.3%エタノール溶液100μ1への水5μl分量の添加のモニタリングにおける電気測温の熱感度を示すグラフである。図7cは、水100μ1への水5μl分量の添加のモニタリングにおける電気測温の熱感度を示すグラフである。 センサーのサンプリング・アレイの回路図である。 センサーのサンプリング・アレイの回路図である。 本明細書の電気測温・モニタリング・システムの系統図である。

Claims (67)

  1. 無細胞試料において熱力学的変化を発生させる能力について試験薬剤をスクリーニングする方法であって、
    i)前記試料の温度を測定するステップと、
    ii)前記試料を前記試験薬剤と接触させるステップと、
    iii)ステップ(ii)から生じる前記試料の温度を測定するステップと、
    iv)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップと
    を含み、温度測定ステップ(i)および(iii)を非侵襲的な電気測温法によって実施する方法。
  2. 前記電気測温法に、抵抗温度計、熱電対、サーモパイル、ボロメータおよび半導体素子からなる群から選択される装置を使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料が有機または無機化合物を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機化合物が、タンパク質、炭水化物、脂質または核酸からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記有機化合物がタンパク質である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記タンパク質が酵素である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記タンパク質が受容体である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記試験薬剤が前記有機化合物に結合した場合に、前記試料の熱力学的変化が生じる、請求項3に記載の方法。
  9. ステップ(iii)から生じる前記試料が、結合対の両方のメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記結合対が、酵素とその基質、または受容体とそのリガンドを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試験薬剤が前記結合対の前記各メンバーの結合を阻害または促進した場合に、前記結合対の前記各メンバーが互いに結合している対照と比較して、ステップ(i)で得られた温度とステップ(iii)で得られた温度に温度差が生じる、請求項9に記載の方法。
  12. ステップ(iii)が、ステップ(ii)から生じる前記試料の前記温度を多数の時点で測定するステップを含み、ステップ(iv)が、前記時点の各々においてステップ(i)で得られた温度をステップ(iii)で得られた温度と比較するステップを含み、その際、前記時点の少なくとも1つの時点おけるステップ(i)で得られた温度とステップ(iii)で得られた温度との温度差が、前記試験薬剤が前記試料の熱力学的変化を引き起こしたことを示すものである、請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(i)および(iii)の前記測定が抵抗温度計を用いて実施される、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記抵抗温度計が、白金1000または白金100抵抗体を含む、請求項13に記載の方法。
  15. インビトロで細胞試料において熱力学的変化を発生させる能力について試験薬剤をスクリーニングする、請求項1に記載の方法。
  16. 前記細胞が培養細胞である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記細胞が真核細胞である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記細胞が脂肪細胞である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記細胞が植物細胞である、請求項15に記載の方法。
  22. 前記細胞が原核細胞である、請求項17に記載の方法。
  23. 前記細胞が異種タンパク質をコードする核酸配列を含むように操作され、または前記細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作されている、請求項15に記載の方法。
  24. 前記細胞が異種核酸配列を含むように操作されている、請求項15に記載の方法。
  25. 試料において熱力学的変化を発生させる能力について試験薬剤をスクリーニングする方法であって、
    (i)試料またはその一部の温度を測定するステップと、
    (ii)前記試料またはその一部を前記試験薬剤と接触させるステップと、
    (iii)ステップ(ii)から生じる前記試料またはその一部の温度を測定するステップと、
    (iv)ステップ(i)〜(iii)を少なくとも1回繰り返すステップと、
    (v)ステップ(i)において得られた温度をステップ(iii)において得られた温度と比較するステップと
    を含み、
    温度測定ステップ(i)および(iii)を、非侵襲的電気測温法によって実施する方法。
  26. 前記試料が無細胞試料である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記試料が細胞含有試料である、請求項25に記載の方法。
  28. 前記試料中に存在する前記細胞が真核細胞である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞が脂肪細胞である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記細胞が植物細胞である、請求項27に記載の方法。
  33. 前記細胞が原核細胞である、請求項27に記載の方法。
  34. 前記細胞が異種タンパク質をコードする核酸配列を含むように操作され、または前記細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作されている、請求項27に記載の方法。
  35. ステップ(i)および(iii)の前記測定が抵抗温度計を用いて実施される、請求項25に記載の方法。
  36. 前記抵抗温度計が白金1000または白金100抵抗体を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記細胞が異種核酸配列を含むように操作されている、請求項27に記載の方法。
  38. 試料において熱力学的変化を発生させる能力について複数の試験薬剤をスクリーニングする方法であって、
    (i)試料またはその一部の温度を測定するステップと、
    (ii)前記試料またはその一部を前記試験薬剤と接触させるステップと、
    (iii)ステップ(ii)から生じる前記試料またはその一部の前記温度を測定するステップと、
    (iv)ステップ(ii)〜(iii)を複数の異なる試験薬剤を用いて個々に繰り返すステップと、
    (v)ステップ(i)において得られた温度とステップ(iii)において得られた温度とを比較するステップと
    を含み、温度測定ステップ(i)および(iii)を非侵襲的電気測温法によって実施する方法。
  39. 前記試料が無細胞試料である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記試料が細胞含有試料である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記試料中に存在する前記細胞が真核細胞である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記細胞が脂肪細胞である、請求項42に記載の方法。
  45. 前記細胞が植物細胞である、請求項41に記載の方法。
  46. 前記細胞が原核細胞である、請求項40に記載の方法。
  47. 前記細胞が異種タンパク質をコードする核酸配列を含むように操作され、または前記細胞の内在性タンパク質を過剰発現するように操作されている、請求項40に記載の方法。
  48. ステップ(i)および(iii)の前記測定が抵抗温度計を用いて実施される、請求項38に記載の方法。
  49. 前記抵抗温度計が白金1000または白金100抵抗体を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記細胞が異種核酸配列を含むように操作されている、請求項40に記載の方法。
  51. 化合物または組成物の物理的状態をモニターする方法であって、非侵襲的電気測温法によって、前記化合物または組成物の温度を経時的に測定するステップを含む方法。
  52. 前記化合物または組成物が、気体から液体、または液体から気体、液体から固体、または固体から液体、あるいは固体から気体、または気体から固体に変化しているときに前記モニタリングを行う、請求項51に記載の方法。
  53. 容器中に存在する化合物または組成物の量を決定する方法であって、非侵襲的電気測温法を用いて、前記容器中に存在する前記化合物または組成物の温度を測定するステップを含む方法。
  54. 前記化合物または組成物が液体である、請求項53に記載の方法。
  55. 前記容器がマルチウェル・マイクロタイター・プレートである、請求項53に記載の方法。
  56. 試料に対する試験薬剤の発熱効果を決定する方法であって、
    i)前記試料またはその一部を第1の量の前記薬剤と接触させ、生じた温度を測定するステップと、
    ii)第2の異なる量の前記薬剤を用いてステップ(i)を少なくとも1回繰り返すステップと
    を含み、温度測定ステップ(i)を、非侵襲的電気測温法によって実施する方法。
  57. 前記試料が無細胞試料である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記試料が細胞含有試料である、請求項56に記載の方法。
  59. 試料に対する試験薬剤の発熱効果を決定する方法であって、前記試料またはその一部を前記試験薬剤と接触させ、生じた温度を非侵襲的電気測温法によって多数の時点で測定するステップを含み、その際、前記時点の少なくとも1つの時点において前記試料の発熱変化を引き起こす試験薬剤が、前記試料に発熱効果を及ぼす薬剤である方法。
  60. 前記試料が無細胞試料である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記試料が細胞含有試料である、請求項60に記載の方法。
  62. 試料を入れる容器と、前記試料の温度を測定するための前記容器に連結された電気温度計とを備えるスクリーニング装置であって、使用時に、前記電気温度計が前記試料に接触しないスクリーニング装置。
  63. 前記電気温度計から電気測温データを受け取る電子データ管理システムと通信するようになされた、請求項62に記載のスクリーニング装置。
  64. ネットワーク・コンピュータ・システムと電子データ管理システムとのデータ転送を可能にする前記ネットワーク・コンピュータ・システムとの無線通信のための通信機をさらに含む、請求項63に記載のスクリーニング装置。
  65. 容器が、ペトリ皿、試験管およびマイクロタイター・ディッシュからなる群から選択される、請求項62〜64のいずれかに記載のスクリーニング装置。
  66. 請求項62〜65のいずれか1項に記載のスクリーニング装置と、それとの通信時に、電気温度計から電気測温データを受け取る電子データ管理システムとを備えるスクリーニング・システム。
  67. 前記電子データ管理システムが前記データを処理し表示することが可能である、請求項66に記載のスクリーニング・システム。
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