JP2005511769A - アポトーシスを誘導するフェチュインとポリペプチドの精製方法 - Google Patents

アポトーシスを誘導するフェチュインとポリペプチドの精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】 本発明は、フェチュインを調製するある改善された方法を提供し、その方法ではあるキレート化剤を用いて、フェチュインから亜鉛、カルシウム、バリウム等の無機イオン類を除いた後、その「裸」フェチュインを酢酸亜鉛を添加して主にフェチュイン−亜鉛から成るある産物を得る。フェチュイン−亜鉛または亜鉛を過剰添加したフェチュインを調製する、この改善された方法は、癌細胞でアポトーシスを誘導する効果性を3〜4倍増加させる。この特別に調製された、亜鉛を添加したフェチュインから、ある特定のペプチド断片が得られた。このポリペプチドは、CCD18co(正常な大腸)細胞に影響を与えずに、LNCaP(前立腺癌)細胞とHT−29(大腸癌)細胞でアポトーシスを強力に誘導した。このin vitro組織培養の研究は、アポトーシスを誘導するのに関して、該ポリペプチドはその母体分子(亜鉛を添加した全長のフェチュイン)より約10倍効力があることを実証した。

Description

人類は癌に対して長い戦いを行ってきた。癌は非常に広まっており、また非常に異なる仕方で現れ、非常に執拗であるため、効果的な癌治療の潜在的市場は莫大である。米国で1000万の人々が癌にかかっているか、または以前にかかったことがあると、見積もられている。米国国立癌研究所(NCI)は、1995年に米国で約120万の新しい癌の症例が診断されることになり、538,000人が癌のため死亡することを予測した。
癌は、現在、手術、化学療法、および放射線治療を組み合わせることによって、低い程度の成功率で治療されている。化学治療での低い程度の成功率の理由は、現在の化学治療方法が急速に分裂している腫瘍細胞を標的としているからである。このアプローチは、休止状態の癌、またはゆっくり成長する癌に対し効果的でない。また、このような治療は、急速に分裂する非癌細胞に影響し、有害な副作用を起こす。
数年前から、癌に対する戦いで、ある新しいアプローチが現れるようになった。このアプローチは、「アポトーシス」と呼ばれる新しく発見された生物学的現象に基づく。アポトーシスは、「プログラムされた細胞死」または「細胞自殺」とも呼ばれる(Krammerら、「Apotosis In the APO-1 System」、Apoptosis:The molecular Basis of Cell Death、87−99ページ、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1991)。細胞損傷(cell injury)によって起こされる細胞死とは対照に、アポトーシスは、遺伝子によって指図される細胞の自己破壊の能動的過程であり、生物学的に有意義な機能を果たす(Kerr、J.f.rおよびJ.Searle、J.Pathol.107:41、1971)。アポトーシスの生物学的に有意義な機能群の1つの例は、胚の形態形成である(Michaelson、J.Biol.Rev.62:115、1987)。彫刻物を彫刻するのに粘土の追加と同時に除去が必要であるように、胚の器官形成(形態形成)は、細胞成長(粘土の追加)と共に細胞死(粘土の除去)に依存する。実際、アポトーシスは胚発生の初期段階から老齢に関連する必然的な衰退に至るまで、人間の体で重要な役割を果たしている(Wyllie、A.h.Int.Rev.Cytol.68:251、1980)。免疫系、胃腸系、および造血系の正常な機能はアポトーシスの正常な機能に依存する。アポトーシスの正常な機能が働かない時、その原因、またはその結果は、癌、ウイルス感染、自己免疫疾患/アレルギー、神経変性疾患、または心血管疾患を含む、いくつかの疾患群の1つでありうる。人間の疾患でアポトーシスが果たすこの役割のため、アポトーシスが製薬研究分野で顕著な流行語になりつつある。アポトーシスがどのように作動するか、どのようにしてアポトーシスを促進されうるか、または阻害しうるか、実際の医学にとってどういう意味があるのかを理解するために、膨大な時間と巨額の金が使われている。この発生期の分野での研究を市場性の高い薬剤製品に転換することを主な目的とする、少数の会社が形成されている。いくつかの革新的な若い会社が現れたことに加え、確立された産業界の有力会社によって取られた試験的なステップによって、アポトーシス研究が、医学の学問の最も急速に成長し、最も期待できる分野となることを確かなものにしている。
癌が不十分なアポトーシスによって起こり得るという考えは、比較的最近現れた(Cope、f.O.及びWille、J.J.、「Apoptosis」:The Molecular Basis of Cell Death、Cold Spring Harbor Laboratory Press、61ページ、1991)。この考えは、癌治療で新しい概念、すなわちアポトーシスを促進することで癌細胞を殺し得るという概念への扉を開いた。正常な発生に存在する過程に基づくアポトーシス調節は、腫瘍細胞の成長を制御する潜在的なメカニズムである。腫瘍細胞でアポトーシスを回復することは魅力的なアプローチである。その理由は、少なくとも理論的に、アポトーシスが細胞に自殺をするようにさせるからである。それにもかかわらず、癌の治療の目的がホストを殺さずに癌細胞を殺すことであることから、この治療の成功は、正常な細胞に影響を与えずに、腫瘍細胞でアポトーシスを選択的に誘導できる薬剤の利用性に依存する。この特許出願では、正常な細胞に影響を与えずに、癌細胞でアポトーシスを特異的に誘導するタンパク質類の単離の方法を記述する。これらのタンパク質類は、癌細胞でアポトーシスを誘導する、新しいクラスの抗癌剤を提供し、したがって癌治療での飛躍的な進歩をもたらす。
1.ウシのフェチュインの単離、および腫瘍細胞株でのそのアポトーシス効果
フェチュインは、その最も高い濃度が胚と胎児の血清と体液に見られるという意味で、主に胎児タンパク質である。例えば、ウシ血清でのフェチュインの濃度は、おそらく生後2〜3日以内に胎児レベルの1〜2%まで、急速に減少する(Yangら、Biochem.Biophy.Acta.1130、149−156、1992)。ある組織化学の研究は、フェチュインが胚発生中に組織リモデリングと生理学的細胞死を制御している可能性があることを示した(Von Bulowら、Histochemistry 99:13−22、1993)。この結果は、フェチュインが細胞死(アポトーシス)を誘導する作用を含む可能性を高めている。
したがって、フェチュインが調製され、アポトーシス活性に関して検査された。興味深いことに、その結果は、ある特別の方法で調製されたウシのフェチュインのみが腫瘍細胞株でアポトーシスを誘導しうることを示した。硫安沈殿とEDTA処理によって調製された市販のフェチュインは、腫瘍細胞でアポトーシスを誘導する点で非常に低い活性を有することが見つけられた。
1A.ウシフェチュインの調製
ウシフェチュインは、以下のステップにしたがって、修正されたSpiroの方法(Spiro r.G.、Journal of Biological Chemistry 235、10:2860、1960)によって調製された。
1.100ミリリットルのウシ胎児血清(FBS)
2.30%(V/V)エタノールを含む、0.05M酢酸亜鉛の200ミリリットルを加え、アンモニウム−塩化アンモニウムでpH6.4に調節し、−5℃で15時間保つ。
3.遠心により上澄みを収集し、1.0Mの酢酸バリウムと95%エタノールを加えて、0.03M酢酸バリウム、25%エタノールにする。−5℃で2時間保つ。
4.遠心により上澄みを収集し、95%エタノールを加えて40%エタノールにし、−10℃で15時間保つ。
5.沈殿物を収集する。そのペレットをリン酸緩衝食塩水で溶解する。
このように精製されたフェチュインは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で63Kダルトンのみかけの分子量を有する1つのタンパク質バンドを示した。
1B.ウシフェチュインを使用して腫瘍細胞でのアポトーシス誘導
上記に記述された手順によってウシ胎児血清から精製されたフェチュインを、リン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解した。遊離の酢酸亜鉛と酢酸バリウムを繰り返し濃縮化することによって除いた。フェチュインは、LNCaPとHL-60の細胞で検査された。LNCaPまたはHL−60(1,000細胞)を、37℃、5%の二酸化炭素下で、マイクロトレイプレート(25μlウエル、Robbins Scientific社)中で、15%または20%のウシ胎児血清、ペニシリン、およびストレプトマイシンを含む、10μlのRPMIに蒔いた。細胞が蒔かれた後の3〜4時間後に、100ng/mlの濃度でフェチュイン(10μlのPBS中)を加えた。該検査サンプルを細胞と15時間インキュベーションした後、2μlのヘキスト(Hoechst)色素(PBS中で0.03ng/ml)を加えた。2時間後に、ヘキスト色素で染色された細胞を蛍光顕微鏡下で検査した。アポトーシス状態の細胞の核はDNA濃縮化と断片化を示したが、これらはヘキスト色素染色で容易に同定可能であった。以下の式によって、アポトーシス状態の細胞の割合(%)を計算した。

アポトーシス状態の細胞(%)=DNA濃縮化と断片化を示す細胞数/全細胞数
対照サンプル(PBS)と共にインキュベーションされたLNCaP細胞の核は正常で健全であった。しかし、フェチュイン(PBS中で100ng/ml)と共にインキュベーションされたLNCaP細胞の核は、アポトーシスの特徴を示した。第一に、フェチュイン存在下での細胞は、対照の核と比較して、より強度な蛍光によって実証されるように核の濃縮化を示した。第二に、核濃縮は、核の切断によって実証されるように、DNAの断片化を伴っていた。核の濃縮化とDNA断片化は、アポトーシス下にある細胞の2つの形態的特徴であるため、これらの結果は、フェチュインがLNCaP細胞でアポトーシスを誘導する活性を含むことを示唆する。
同様に対照緩衝液(PBS)と共にインキュベーションされたHL−60細胞の核は正常で健全であった。しかし、フェチュインと共にインキュベーションされたHL−60細胞の核は、アポトーシスの特徴を示した。フェチュインは、対照の核と比較して、より強度な蛍光によって実証されるように核の濃縮化を起こした。第二に、核濃縮は、核の切断によって実証されるように、DNAの断片化を伴っていた。上記したように、核の濃縮化とDNA断片化は、アポトーシス下にある細胞の2つの形態的特徴である。したがって、これらの結果は、フェチュインがHL−60細胞でアポトーシスを誘導する活性を含むことを示唆する。
1C.ウシフェチュインは、正常な細胞株に影響を与えずに、癌細胞にアポトーシスを選択的に誘導する。
種々の細胞株で、フェチュインのアポトーシス誘導の効果を比較した。上記のように調製されたフェチュインは、50μg/mlの濃度で、以下の腫瘍細胞株で強力にアポトーシスを誘導した。それらは、LNCaP(前立腺癌)、PC−3(前立腺癌)、HL−60(白血病)、MCF−7(乳癌)、Colo205(大腸癌)、Calu−1(肺癌)である。
フェチュインは、LNCaP(前立腺癌)、HL−60(白血病)、およびMCF−7(乳癌)で高度にアポトーシスを誘導する濃度(25μg/ml)で、CCD39Lu細胞(正常な肺の繊維芽細胞)でアポトーシスを誘導するのに不活性であることが見つかった。上記にように調製されたフェチュイン(25μg/ml)を、マイクロトレイプレート中でMEM中で成長されたCCD39Lu細胞と15時間インキュベーションした。これらのCCD39Lu細胞はフェチュインの存在下で形態的に変化しなかった。
1D.上記の方法で調製されたフェチュインのみが腫瘍細胞株でアポトーシスを誘導できる。
Sigma社から購入したフェチュインはLNCaP細胞でのアポトーシス誘導に関して非常に低い活性を有する。しかし上記のセクション1Aで説明した方法によって我々の研究室で調製したフェチュイン(25μg/ml)は、4時間内にLNCaP 細胞で90%までアポトーシスを誘導する。Sigma社から購入したフェチュインでは、アポトーシス誘導活性は、非常に高濃度(250μg/ml以上)で長いインキュベーション期間(2日)のみに見られる。当初、我々の研究室で調製したフェチュインの活性は、他の方法で調製されたフェチュインの活性より50,000倍以上高かった。
これらの初期の発見に引き続いた何年もの研究で、セクション1Aで調製されたようなフェチュインは、他の方法で調製されたフェチュインより100倍以上高いアポトーシス活性を有すると、控えめに見積もられている。これは当初報告された50,000倍の増加ほど劇的ではないが、インキュベーション時間とLD50値に関して以前に使用可能なフェチュインより有意なアポトーシス性有利性を、なお示している。
Sigma社フェチュインの調製方法のある調査は、これらのフェチュインが硫安沈殿とEDTA処理を含む方法で調製されていることを明らかにした。これらの処理の両者も、タンパク質から亜鉛イオンの剥奪を起こす可能性があり、その剥奪がタンパク質活性の不可逆的損失を起こす可能性がある。
1E.胎児フェチュインの、In vivoでの白血病細胞への効果
我々の以前のデータは、フェチュインがIn vitroでの癌細胞中でアポトーシスを誘導することを実証した。以下に提供するデータは、白血病を有するマウスでフェチュインのIn vivoでの試験の成功を示す。その結果は、フェチュインがマウスで抗白血病効果を有することを示す。表1は、白血病をもつマウスでの胎児フェチュインの使用を説明する試験データを表し、胎児フェチュインで治療された、白血病を有するマウスの生存の増加を示す。
方法
40匹のDBA/2メスマウス(17〜20グラム;Simonsen Laboratories、Inc.、Gilroy、CA)は標準餌料と水を自由に摂取できるように保たれ、腫瘍細胞株P388D1(ATCC細胞株番号:CCL46)で接種された。これらのマウスは無作為に10匹づつのグループに分離された。亜鉛を加えた胎児フェチュイン(10mg/ml)を、グループ1でマウス一匹当たり0.002ml、グループ2でマウス一匹当たり0.02ml、グループ3でマウス一匹当たり0.2mlを、マウスの腹膜に注射した。グループ4は対照グループであり、0.5mlの食塩水を注射した。これらの注射は10日間続けた。60日間、死亡率を記録した。結果を以下のように定義された延命率(ILS)として表した。

ILS=100×(処置されたマウスの平均生存期間−対照マウスの平均生存期間)/対照マウスの生存期間
表1は、白血病を有するマウスの未処理の100%が24日後に死亡したが、フェチュインの高い投与量、すなわち100mg/Kgの胎児フェチュインで処理されたマウスの80%は、58日以上生存した。このIn vivo実験は、胎児フェチュインで処理された、白血病を有するマウスが、141%の増加した生存期間をもつことを実証する。
1F.過剰に亜鉛を加えたフェチュインの調製方法
亜鉛を含むフェチュインを調製する方法は洗練され、改良されてきた。上述されたように、セクション1Aで記述された方法で調製されたフェチュインは、腫瘍細胞株でアポトーシスを誘導できる。しかし、Sigma社からのような市販のフェチュインは、腫瘍細胞でのアポトーシス誘導、およびLNCaP細胞でのアポトーシス誘導で非常に低い活性を有することが見つけられている。Sigma社からのフェチュインに関して、アポトーシス誘導活性は、非常に高濃度(250μg/ml以上)で長いインキュベーション期間(2日)のみに見られる。一方、セクション1Aで調製されたフェチュイン(25μg/ml)は、4時間内にLNCaP細胞で90%までアポトーシスを誘導した。当初、セクション1Aで調製されたフェチュインの活性は、他の方法で調製されたフェチュインの活性より50,000倍以上高かった。この根本的に異なる結果は、市販のフェチュインとセクション1Aでの手順に従って調製されたフェチュインの化学的組成物での基本的な差を示唆する。
当初の発見に続く、何年もの研究で、Sigma社からのフェチュインは非常に高濃度(5mM以上)で長いインキュベーション時間(2日)でアポトーシスを誘導する一方、上記のセクション1Aで調製されたフェチュイン(約50μM)は、LNCaP細胞で4時間内に90%までアポトーシスを誘導したことを観察した。控えめに見積もって、セクション1Aで調製されたフェチュインは、他の方法で調製されたフェチュインより100倍以上高い活性を有する。これは、当初報告された50,000倍の増加ほど劇的ではないが、インキュベーション時間とLD50値に関して、なお、以前に利用可能なフェチュインより有意なアポトーシス有利性を表す。
市販のフェチュインの調製に使用された方法に関する調査は、フェチュインの調製に硫安沈殿とEDTA処理が使用されていることを明らかにした。この硫安沈殿とEDTA処理によってタンパク質からイオン類の剥奪を起こし、タンパク質活性の不可逆的損失を起こす可能性がある。しかし、市販のフェチュインでの減少したアポトーシス活性の原因が、亜鉛イオンだけの損失であるのか、または他のイオンの損失との組み合わせであるのかは知られていなかった。フェチュイン−Caがアポトーシスの誘導に不活性であるのは実証されており(ここにデータは示されていない)、またバリウムはほんの微量しか存在しないが、どのイオンまたはどのイオン類の組み合わせがフェチュインのアポトーシス能力を増加するのに最も効果的であるかを決定するために、上記のセクション1Aで調製されたフェチュインを、EDTAのようなキレート化剤で処理し、亜鉛、カルシウム、およびバリウムを含むすべての無機イオン類をタンパク質から取り除いた。これらの無機イオン類が取り除かれた後、この「裸(naked)」フェチュインを0.5Mの酢酸亜鉛で処理するか、インキュベーションして、亜鉛のみをフェチュインを再添加させるか、または結合させた。この洗練化された過程の結果が、LD50値を決定に関して、表2〜3の例で示されている。表2〜3は、フェチュイン−亜鉛、または「過剰添加した(supercharged)亜鉛フェチュイン」が、パート1Aで調製されたような、亜鉛を結合する元来のフェチュインと比較して、癌細胞でのアポトーシス誘導するフェチュインの能力を3〜4倍高めたことを示している。以前にカルシウムとバリウムしていたフェチュインは、そのタンパク質の不活性なある型を与えると仮定される。すべてのイオンを取り除き、それらを亜鉛で置き換えることによって、不活性なフェチュイン分子が活性型に変換され、そのようにしてアポトーシス活性の劇的な増加を説明できる。そのような亜鉛を過剰添加したフェチュインは、癌に対する戦いで貴重な前進である。
本調製過程の好適な実施様態では:
1.インキュベーション混合液:700μgのフェチュイン(0.2ml;セクション1Aで上述されたような方法で調製されたもの)を、0.5mlの0.1EDTAで約1時間インキュベーションした。
2.このインキュベーション混合液に1.5mlの生理食塩水を加え、モレキュラーシーブと遠心力を使用してほぼ乾燥状態まで濃縮する。この過程を4回繰り返し、無機イオン類のほとんどが取り除かれる。この「裸」フェチュインが、フィルター(モレキュラーシーブ)の上に残る。
3.その「裸」フェチュイン(0.2ml)を0.5mlの0.5M酢酸亜鉛と約3時間インキュベーションする。
4.上記のステップ2で記述したように、生理食塩水、モレキュラーシーブ、および遠心力の組み合わせを用いて遊離の酢酸亜鉛を取り除く。
2.癌細胞でアポトーシスを起こすフェチュイン−亜鉛からの特異的なペプチド断片
a.フェチュイン断片の調製
セクション1F(亜鉛を過剰添加したフェチュインの調製方法)で上述されたように、亜鉛を添加したフェチュイン、または亜鉛を過剰添加したフェチュインが、ウシ胎児のフェチュインをあるキレート化剤(EDTA)で前処理することによって調製され、亜鉛イオン、カルシウムイオン、およびバリウムイオンを含む無機イオン類をフェチュインから取り除く。このようにして得られた、剥奪されたフェチュインを0.5M酢酸亜鉛とインキュベーションして、フェチュインを亜鉛で「過剰添加(supercharge)」、すなわち装填(load)した。亜鉛を添加(charge)したフェチュインの300μgを、50μlの生理食塩水中に溶解した後、真空下で試験管中で乾燥させた。この乾燥化段階が亜鉛を添加したフェチュインをペプチド断片に分解すると仮定される。
乾燥された断片(亜鉛を添加したフェチュインの断片)を50μlの水中で再構成した。この断片溶液を、10,000ダルトンの分子量カットオフを有するモレキュラーシーブ膜に通した。そのようにして得られた断片の濾液を収集し、細胞でアポトーシスアッセイの検査した。図2に示されるように、LNCaP細胞を、亜鉛を添加したフェチュインの断片濾液と共に6時間インキュベーションすると、これらのLNCaP細胞がはがれ、死ぬ。図1で示されるようにコントロール(濾液を含まないLNCaP細胞)に比較して、図2は、亜鉛を添加したフェチュインの濾液と共に前立腺癌細胞をインキュベーションすると、癌細胞でアポトーシスが起こることを示している。図4は、亜鉛を添加したフェチュインの濾液で処理されたLNCaP細胞にもまた、アポトーシス中の細胞に典型的な特徴である、膜の「膨らみ」が見られることを示している。図3は、亜鉛を添加したフェチュインの濾液なしのLNCaP細胞を示すが、このような膜の「膨らみ」とアポトーシスの特徴を欠く。
b.プロテアーゼ感受性を有する
さらに、SEQ ID NO:1のアポトーシス誘導活性は、プロテアーゼ感受性を有することが見つかった。SEQ ID NO:1とプロテイナーゼKとのインキュベーションは、アポトーシス誘導活性を失わせた。プロテイナーゼKはペプチド結合を開裂させる酵素であり、クエン酸とEDTAのようなキレート化剤は、プロテイナーゼKの酵素活性に影響を与えない。
セクション1Fで記述したように、亜鉛を過剰添加したフェチュイン、または亜鉛を添加したフェチュインを調製した後、得られた組成物を試験管中で真空下で乾燥した。このように、亜鉛を過剰添加し、乾燥させたフェチュインを50μlの水に再構成した。この溶液をモレキュラーシーブ膜(10,000ダルトンの分子量を有するCentricon10試験管)を通して濾過した。その濾液を収集し、5μl(1ユニット/μl)のプロテイナーゼKで37℃で3時間、処理した。プロテイナーゼKでの処理後、プロテイナーゼKを除くために、処理された濾液をモレキュラーシーブ膜(Centricon10試験管)を通して濾過した。プロテイナーゼKはその膜に残り、処置された濾液はその膜を通過した。
この濾液のアポトーシス活性に関するプロテアーゼの効果を検査するために、プロテイナーゼKで処理した濾液を癌細胞で検査した。これらの結果を、プロテイナーゼKで処理されなかった濾液と比較した。
フェチュイン−亜鉛の断片のアポトーシス能力に関するプロテイナーゼKの効果が、表4で要約されている。実験1と実験2は、亜鉛を添加したフェチュインの濾液の一組で行い、実験3は、亜鉛を添加したフェチュインの濾液の別の組で行った。表4は、プロテアーゼとのインキュベーションによって、亜鉛を添加したフェチュインの断片のアポトーシス効果が不活性化されることを示している。プロテイナーゼKのようなプロテアーゼはペプチド結合を開裂するので、表4の検査結果は、フェチュインのペプチドまたはタンパク質は癌細胞でアポトーシス誘導に関与することを強く示唆する。
c.該濾液はフェチュインから由来する2つの主要なペプチドを含む。
乾燥して再構成した濾液は、ペプチド断片を含んでいることがわかった。アミノ酸配列分析は該濾液中に2つの主要なペプチド断片を明らかにした。:
(1)フェチュインのH−T−F−S−G−V−A−S−V−E(アミノ酸番号300−309;His Thr Phe Ser Gly Val Ala Ser Val Glu;SEQ ID NO:1)と、
(2)S‐A−S−G−E−A−F−H(アミノ酸番号310−317;Ser Ala Ser Gly Glu Ala Phe His;SEQ ID NO:2)
これらのペプチド断片のどちらが、アポトーシス誘導活性に関与するかを同定するために、これらの2つの断片、SEQ ID NO:1とSEQ ID NO:2が化学的に合成された。これらの化学的に合成されたペプチド活性のIn vitro検査で、SEQ ID NO:1がより高いアポトーシス活性を有することが示された。LNCaP(前立腺癌細胞)をSEQ ID NO:1と共にインキュベーションした。図6に見られるように、化学的に合成されたSEQ ID NO:1は3時間のインキュベーション後にLNCaP細胞で膜の「膨らみ」を起こした。図5は、SEQ ID NO:1を含まないLNCaP細胞のコントロールを示す。これらの結果は、アポトーシスを誘導し、該濾液に存在するペプチド断片はSEQ ID NO:1に対応することを示す。
3.SEQ ID NO:1の特徴
a.SEQ ID NO:1は選択的に癌細胞でアポトーシスを誘導し、正常な細胞では誘導しなかった。
以前に、フェチュインと亜鉛を添加したフェチュインは、いくつかの正常な細胞に影響せずに、種々の癌細胞でアポトーシスを誘導したことが知られていた。フェチュインから由来するSEQ ID NO:1が癌細胞でアポトーシスを誘導し、正常な細胞に影響しない、この選択性を保持しているかを検査するために、種々の濃度のSEQ ID NO:1を、HT−29(大腸癌)細胞、CCD−18Co(正常な大腸)細胞、およびLNCaP(前立腺癌)細胞で検査した。図7に示されるように、SEQ ID NO:1はCCD−18Co細胞には影響を与えず、HT−29細胞とLNCaP細胞でアポトーシスを誘導した。これらの結果は、選択的に癌細胞でアポトーシスを誘導し、正常細胞でアポトーシスで誘導しない点に関して、該断片がフェチュインと亜鉛を添加したフェチュインに類似していることを示唆する。
b.SEQ ID NO:1はHT−29(大腸癌)細胞でアポトーシスを急速に誘導した。
図8は、SEQ ID NO:1によるアポトーシス誘導の時間の効果を示す。4時間で、SEQ ID NO:1は0.4μMの濃度で、HT−29大腸癌細胞の52%でアポトーシスを誘導した。6時間では、ほとんどすべてのHT−29細胞でアポトーシスが誘導された。たとえ、少しだけ長いインキュベーション時間(4時間から6時間まで)でも、SEQ ID NO:1のアポトーシス能力が、この短い期間内に急速に増加する。
c.フェチュインから由来したペプチド断片は、アポトーシス誘導に関してフェチュインまたは亜鉛を添加したフェチュインより強力である。
以前に、LNCaP細胞で全長の亜鉛を添加したフェチュインのLD50(50%細胞死の誘導のための用量)は、3〜10μMであると判定された。しかし、SEQ ID NO:1のLD50は、0.3〜0.4μMであると判定された。したがって、癌細胞で同じ程度のアポトーシス活性を誘導するのに、全長の、亜鉛を添加したフェチュインで必要なより、ずっと少量のSEQ ID NO:1しか必要でない。また、SEQ ID NO:1は、その母体の分子よりアポトーシスを誘導するのに強力である(SEQ ID NO:1を含む、フェチュインと種々のフェチュイン断片に対するLD50値の表である表5を参照)。
以下の以前の推定を考慮すると、
(1)上記のセクション1Aで調製されたようなフェチュインは、他の方法で調製されたフェチュインより約100倍強力である、
(2)亜鉛を「過剰添加」したフェチュイン(亜鉛を添加したフェチュイン)は、セクション1Aで調製したフェチュインより約3〜4倍強力である(表2〜3を参照)、
(3)SEQ ID NO:1は、亜鉛を「過剰添加」したフェチュインより約8〜10倍強力である(表5を参照)、
SEQ ID NO:1が他の方法で調製されたフェチュインより約数千倍強力であることが予測される。
4.他の源泉に由来するフェチュインの他の配列
さらに、ブタ、ヒツジ、およびマウスを含む他の動物の血清からのペプチド配列が決定された(k.M.Dziegielewskaら、Fetuin、16−17、(r.G.Landes Co.1995))。これらのペプチド配列は、ウシ血清から単離されたフェチュインと60〜90%の類似性を有する。現在の応用法から、これらの類似のフェチュインペプチドもまた、価値のあるアポトーシス活性を有することがわかっている。他の種からのフェチュインアミノ酸番号300−309のペプチド配列は:
ヒト(H‐T‐F‐M‐G‐V‐V‐S‐L‐G;His Thr Phe Met Gly Val Val Ser Leu Gly;SEQ ID NO:3);
ブタ(H‐S‐F‐S‐G‐V‐A‐S‐V‐E;His Ser Phe Ser Gly Val Ala Ser Val Glu;SEQ ID NO:4);
ヒツジ(H‐T‐F‐S‐G‐V‐A‐S‐V‐E;His Thr Phe Ser Gly Val Ala Ser Val Glu;SEQ ID NO:5);
ラット(H‐T‐F‐S‐G‐V‐A‐S‐V‐E;His Thr Phe Ser Gly Val Ala Ser Val Glu;SEQ ID NO:6);
マウス(H‐A‐F‐S‐P‐V‐A‐S‐V‐E;His Ala Phe Ser Pro Val Ala Ser Val Glu;SEQ ID NO:7)Id
これらの類似体もまた、本出願によって学んだように、請求される。
Figure 2005511769
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図1は、SEQ ID NO:1を含む濾液の処置を行わなかったLNCaP(前立腺癌)細胞の1つのスライドを示す。 図2は、SEQ ID NO:1を含む濾液と共に6時間、インキュベーションしたLNCaP細胞の1つのスライドを示す。 図3は、SEQ ID NO:1を含む濾液の処置を行わなかったLNCaP(前立腺癌)細胞の、もう1つの別のスライドを示す。 図4は、SEQ ID NO:1を含む濾液と共にインキュベーションしたLNCaP細胞の1つのスライドを示し、また、アポトーシスに入った細胞の指標である、膜の膨らみ(membrane bubbling)を表すLNCaP細胞をも示す。 図5は、SEQ ID NO:1を含む濾液を含まないLNCaP細胞の1つのスライドを示す。 図6は、LNCaP細胞の1つのスライドであり、これらのLNCaP細胞は、SEQ ID NO:1を含む濾液と共に3時間、インキュベーションされたが、アポトーシスに入った細胞の指標である、膜の「膨らみ(bubbling)」を表している。 図7は、SEQ ID NO:1(断片の濃度、nM)に対する、HT−29、CCD‐18 Co、およびLNCaPの各細胞でのアポトーシスの割合(%)のグラフである。 図8は、SEQ ID NO:1の濾液のインキュベーション時間に対する、HT−29細胞とCCD‐18 Co細胞でのアポトーシスの割合(%)のグラフである。
【配列表】
Figure 2005511769
Figure 2005511769

Claims (19)

  1. 亜鉛を過剰添加したフェチュインの精製方法であって、
    (a)キレート化剤を含む溶液中でフェチュインをインキュベーションするステップと、
    (b)ステップ(a)から裸フェチュインを単離するステップと、
    (c)酢酸亜鉛を含む溶液中で裸フェチュインのインキュベーションをするステップと、
    (d)ステップ(c)での溶液から、亜鉛を過剰添加したフェチュインを単離するステップと
    を有する方法。
  2. フェチュインは約0.2mlの溶液中に700μgある、請求項1の亜鉛を過剰添加したフェチュインの精製方法。
  3. キレート化剤が0.1EDTAである、請求項1の亜鉛を過剰添加したフェチュインの精製方法。
  4. 約0.2mlの溶液中の裸フェチュインが約0.5mlの0.5M酢酸亜鉛と3時間インキュベーションされる、請求項1の亜鉛を過剰添加したフェチュインの精製方法。
  5. 亜鉛を過剰添加したフェチュインの精製方法であって、
    (a)約0.2mlの溶液中の700μgのフェチュインを、約0.5mlの約0.1EDTAとインキュベーションするステップと、
    (b)前記のインキュベーション混合液に生理食塩水を加えて、モレキュラーシーブと遠心力を用いて前記の混合液をほとんど乾燥状態になるまで濃縮化し、前記の生理食塩水、モレキュラーシーブ、および遠心力を複数回使用して、前記の濃縮化を繰り返し、モレキュラーシーブ上で裸フェチュインを得るステップと、
    (c)約0.2mlの溶液中に含まれる、その裸フェチュインを、約0.5mlの約0.5Mの酢酸亜鉛とインキュベーションするステップと、
    (d)モレキュラーシーブと遠心力を用いて遊離の酢酸亜鉛を除き、亜鉛を過剰添加したフェチュインを得るステップと
    を有する方法。
  6. 以下のステップを用いて調製された、亜鉛を過剰添加したフェチュイン:
    (a)溶液中のフェチュインをあるキレート化剤とインキュベーションするステップと、
    (b)ステップ(a)から裸フェチュインを単離するステップと、
    (c)溶液中の裸フェチュインを酢酸亜鉛とインキュベーションするステップと、
    (d)ステップ(c)の溶液から、亜鉛を過剰添加したフェチュインを単離するステップ。
  7. 約0.2mlの溶液中にフェチュインが700μgある、請求項6の亜鉛を過剰添加したフェチュイン。
  8. キレート化剤が0.1EDTAである、請求項6の亜鉛を過剰添加したフェチュイン。
  9. 約0.2mlの溶液中の裸フェチュインが、約0.5mlの0.5M酢酸亜鉛と3時間インキュベーションされる、請求項6の亜鉛を過剰添加したフェチュイン。
  10. フェチュインから単離された、アポトーシスを有するポリペプチドを調製する方法であり:
    (a)溶液中のフェチュインをキレート化剤と共にインキュベーションするステップと、
    (b)ステップ(a)から裸フェチュインを単離するステップと、
    (c)溶液中の前記の裸フェチュインを亜鉛と共にインキュベーションするステップと、
    (d)ステップ(c)で製作した溶液から亜鉛を添加したフェチュインを単離するステップと、
    (e)ステップ(d)から、亜鉛を添加したフェチュインを乾燥させるステップと、
    (f)前記の乾燥させた、亜鉛を添加したフェチュインを水に溶解させ、溶液を作製するステップと、
    (g)ステップ(f)で作製した溶液から、癌細胞でアポトーシス活性を有するとわかっている濾液を単離するステップと
    を有する方法。
  11. キレート化剤が0.1EDTAである、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  12. 亜鉛が酢酸亜鉛である、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  13. ステップ(a)から裸フェチュインの単離にモレキュラーシーブと遠心力の使用を含む、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  14. ステップ(d)からの亜鉛を添加したフェチュインの乾燥が真空下で行われる、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  15. ステップ(f)で作製された溶液から、癌細胞でアポトーシス活性を有するとわかっている濾液の単離に、10,000ダルトンの分子量カットオフを有するモレキュラーシーブの使用を含む、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  16. 癌細胞が前立腺癌と大腸癌の細胞である、請求項10のフェチュインから単離されたアポトーシス活性を有するポリペプチドの精製方法。
  17. SEQ ID NO:1を有するポリペプチドから成る、大腸癌と前立腺癌の治療用の化合物。
  18. SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、およびそれらの類似体を有するポリペプチド群から成るグループから選択された、大腸癌と前立腺癌の治療用の化合物。
  19. SEQ ID NO:3のペプチド配列を含むフェチュインペプチド断片で、前記のペプチド配列が大腸癌と前立腺癌の細胞でアポトーシスを起こすようなペプチド断片。
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