JP2005511756A - 冷却処理を行った保護剤を用いた低温保存のための生物試料の調製方法 - Google Patents

冷却処理を行った保護剤を用いた低温保存のための生物試料の調製方法 Download PDF

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Abstract

低温保存による生物材料を調製する方法を提示する。本方法は、凍結保護剤の凍結、解凍、及び解凍した保護剤で生物活性材料を処理することによって、潜熱フェーズ時に凍結保護剤から放出される熱量を減少させる。第一に、保護剤を凍結し、エネルギーの不可逆な放出とともに、不可逆的な相変化を導く。相変化が生じた後に、保護剤を溶かし、凍結させる生存可能な細胞又は他の生物活性材料を処理するのに用いる。生物活性細胞内の解凍した保護剤は、その後の凍結においても吸熱反応を減少させる。実施態様の1つとして、生物材料を凍結することには、冷却液体に生物材料を浸すこと、及び、生物材料がガラス状になるように、実質的に所定の一定の速度及び温度で、生物材料を経て冷却液体を循環させることを含み、このために細胞膜への損傷を最小限にすることができる。保護剤として、プロピレングリコール、グリセロール、DMSO、又は他の適切な保護剤とすることができる。

Description

本発明は、概して低温保存に関し、より詳細には、保護剤を用いた低温工程に関する。
細胞を保存するために低温保存を行うことは、18世紀から知られており、犬の精子を用いた実験を行い、細胞を凍結した後に解凍して、その後に少数の割合の精子が通常の生理学的機能を回復することが示された。20世紀初頭に、凍結保護剤と総称される化合物を使用することによって、凍結及び解凍サイクルに耐えるよう細胞を化学的に処理すれば、細胞回復率は改良されることが見出された。20世紀の後半に、凍結保護剤の開発、並びに、様々なタイプの細胞における冷却温度及び冷却速度の最適化のために、多大な研究がなされた。しかしながら、今日でも、技術の進歩にも関わらず、低温保存からの細胞の回復率は、通常50%あるいはそれ以下である。
一般に、凍結保護剤は水、塩、糖、タンパク源、及び、凍結保護剤又は凍結防止化合物と呼ばれる化学化合物から構成されている。塩は、凍結すべき細胞又は分子の耐性限界内のpHを維持するための、緩衝剤として機能するが、糖は、エネルギー源及び浸透圧物質として機能する。蛋白質は、凍結前に細胞質膜の構造を化学的に安定化し、ショック蛋白質の活性化を抑える。
今日、様々な凍結保護剤が用いられており、例えば、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、プロパンジオール(PPO)、及び卵黄/グリセロール溶液がある。広く普及している産業界の一般的な凍結保護剤であり、ほとんどのタイプの細胞を低温保護するのに用いられている凍結保護剤は、DMSOである。これは、DMSO系の凍結防止溶液が用いられてきたこれまでの経験及び知識によるものであり、DMSOが細胞内の水を除去する結果、凍結時に氷結晶の形成を減じ、優れた防止特性及び最大の細胞生存性を付与するという、一般的な認識によるものである。
これまで、低温保存回復率を改良する試みは、一般的に、凍結保護剤及び冷却技術に向けられてきた。それら両方の試みは、凍結工程時の氷結晶の形成のために細胞内の水分が膨張することによって引き起こされる、細胞ダメージを低減することに向けられていた。理論的には、凍結を極度に遅らせても、又は凍結を迅速に行っても、細胞内における氷結晶の形成を低減したりまたは除去することができる。極度に遅い凍結速度のための手段には、窒素蒸気を通して液体窒素内へと制御しつつ下降させたり、あるいは、過冷却された化合物を通して試料を移動させた後に液体窒素中に浸漬することが含まれている。迅速に凍結を行う技術として、細胞内の水を迅速に凍結して氷結晶形成を阻害するために、細胞を直接液体窒素に浸漬することがあげられる。このように短い時間での温度の急激な減少は、たびたび細胞膜に損傷を引き起こす原因になり、このことが回復率に悪影響を及ぼしている。
凍結工程時には、凍結保護剤媒体中の化学成分の分子は強制的に整列する。この強制的な整列によって、媒体中の化学成分が吸熱反応を生じ、これによって、潜熱フェーズ(latent heat phase)時に、エネルギーを放出する。凍結材料が(付随する吸熱反応とともに)潜熱フェーズを経る時、この放出された熱によって凍結保護剤の温度は瞬間的に上昇する。もし一定の圧力下で相転移時に測定したならば(例えば、溶解、沸騰、昇華)、変態熱としても知られている、この潜熱は単にエンタルピーの変化に相当する。定圧工程におけるエンタルピーの変化は、系が最初の平衡状態から最後の平衡状態への微小の工程を経た際に変換される熱に等しい。
細胞の生存を最適にする、2つの重要な凍結保護剤の要素は、冷却温度及び冷却速度である。冷却速度の変更、及び、潜熱フェーズ時に見られる温度上昇は、低温保存工程、又は一般的な凍結工程における細胞の生存率を最適なものとするのに障害となる。
それ故、要求されていることは、現在利用可能な方法に付随した少なくともいくつかの問題点を克服し得るような、生存可能な単細胞、組織、器官、核酸、又は他の生物活性分子を保護するための改良された方法である。従って、本発明の少なくとも1の実施態様は、生物活性材料を解凍した保護剤で処理する前に、保護剤を冷却処理して不可逆な相変化(phase change)を導くこと、保護剤の昇華熱を減じることによって、低温保存回復率を改良しうる方法を提供する。
1つの実施態様として、保護剤を冷凍し、吸熱反応を誘導する。吸熱反応が起こった後、保護剤を解凍させて、凍結を行う生物活性細胞を処理するのに用いる。生物活性細胞の内部に有する解凍した保護剤は、その後の凍結においては吸熱反応を生じることがないので、本出願で開示する方法を用いれば、低温保存工程に供した生物材料に存在する生存可能な細胞数を実質的に増加させることができる。
本発明の他の実施態様として、低温保存時に、凍結保護剤が放出する熱を減ずる方法を提供する。本方法は、保護剤に不可逆な相変化を生じさせるためにあらかじめ冷却処理した保護剤で、生物活性材料を処理し、その後に処理した生物材料を凍結することを含む。
本発明の他の実施態様として、低温保存工程に供した生物材料を提供し、その低温保存工程は、凍結するまで保護剤を冷却処理して保護剤から不可逆なエネルギーの放出を導くこと、生物活性材料の処理に用いるのに都合の良い温度に保護剤を解凍すること、生物材料を解凍した保護剤で処理すること、及び、処理した生物材料を凍結することを含む。
本発明の少なくとも1つの実施態様の対象は、低温保存時の生物活性材料の生存率を向上することである。
本発明の少なくとも1つの実施態様の利点は、低温保存工程時の保存により放出される熱によって冷却速度が悪影響を受けないために、細胞生存損失率を低減できることである。
本発明の他の目的、利点、特性及び特徴、並びに、方法、関連構成要素の動作及び機能、並びに、部材どうしの組合せ及び製造の経済性は、明細書の一部を形成する添付図面を参考にして、以下に記す記載及び特許請求の範囲を理解することにより、明らかになるであろう。様々な図面にわたり、参照番号は対応する部分を表している。
図1-5には、本出願で開示されている様々な実施態様に従って、冷却処理を行った保護剤を使用した生物活性材料の低温保存工程を示し、本工程によって凍結工程における細胞の生存率を増加できることを示す。様々な実施態様として、生物活性材料には、生存可能な単細胞、生存可能な組織、生存可能な器官、生存可能な核酸、生存可能なリボ核酸、生存可能なアミノ酸系の化合物、及び生存可能な脂質系の化合物を含む。
理論的には、大部分の化学反応は双方向(可逆的)に進む。しかしながら、特定の反応ではエネルギーが必要であることから、実際には、多くの化学反応が一方向(不可逆的)に進むと考えられる。本出願で開示した保護剤においては、潜熱フェーズ時の熱の放出は、単なる一方向の化学反応である。それ故、いったん凍結すれば、本発明で開示した実施態様による保護剤は、その後の解凍及び再凍結において、長時間の相変化能(a long-duration phase change capability)〔不可逆な相変化〕を示す。
凍結時に放出される潜熱現象を図1に示す。図1は、本発明の様々な実施態様に従い、短い時間間隔で迅速に冷却することによって前処理を行っている3つの凍結保護剤の温度測定の線グラフである。図1で用いた凍結保護剤には、DMSO(110)と表記したジメチルスルフォキシド、Gly(115)と表記した卵黄/グリセロール溶液、PPO(120)と表記したプロパンジオールである。冷却工程において放出される変換エネルギーの熱効率は、時間間隔5(75秒)から6(90秒)の間で明確に観察され、その時間に、温度の顕著な上昇、すなわちスパイク(125)が全ての3つの溶質で観察される。スパイク(125)の後は、その後の引き続き行う観察において、測定期間の終了にいたるまで温度が減少する。
溶質凍結時の連続した測定から、潜熱フェーズ時に放熱される熱は、図1におけるスパイク(125)として観察されるような、保護剤における温度の急上昇として求めることが可能である。しかしながら、本出願に示す前処理工程において、まず最初に保護剤を迅速に凍結(過冷却)するならば、この温度の上昇は観察されない。なぜならば、あらかじめ処理を行った保護剤は、長時間の相変化能として明らかである化学特性の変化を受けるからである。溶質をあらかじめ処理することによる、長時間の相変化能の効果を評価したところ、本出願の開示に従ってあらかじめ処理した保護剤を本願の教授に従って凍結すれば、ほとんど熱を放出しないことが明らかになった。
1つの実施態様として、凍結/解凍サイクル後に、保護剤用の特定の温度の貯蔵は必要ない。本出願の教授に従ってあらかじめ処理を行った後は、保護剤は長時間の相変化能を有することは明らかであり、凍結工程時に望ましくない温度上昇が再び生じることなく、要望どおり再利用も可能である。本発明の実施態様に従って温度の上昇を抑えることによって、低温保存工程後の、細胞の及び分子の生存性及び存続性は増す。
次に、図2に関しては、本発明の実施態様による方法を図示する。この方法は工程(1010)で始まり、この工程は保護剤を迅速に凍結して、前記したエネルギーの不可逆な放出(不可逆な相変化)を誘導する。様々な実施態様で用いられる保護剤として、グリセロール、DMSO、又はプロピレングリコールが含まれるが、これに限定されるものではない。工程(1015)では、保護剤を0℃より高い温度に解凍することによって、保護剤は冷却前のコンシステンシー(consistency)に戻る。解凍後に、保護剤を−18℃以上へと迅速に凍結しても、液体相は分離しない。最初の冷却及び解凍サイクル後、その後の冷却サイクルにおける保護剤の可溶化が増すので、液体相の分離が生じないことは有用である。保護剤が十分なコンテンシーで解凍した後、凍結した生物材料を調製するために、工程(1020)で、凍結すべき生物材料を溶解した保護剤に浸す。工程(1025)では、生物材料を浸した保護剤を迅速に凍結する。1つの実施態様として、本方法が適用できる生物材料には、生存可能な単細胞、生存可能な組織、生存可能な器官、生存可能な核酸、生存可能なリボ核酸、生存可能なアミノ酸系の化合物、及び生存可能な脂質系の化合物を含む。
代わりに、特定の生物材料は、凍結に先立って他の化学的な調製が必要かもしれない。例えば、化学的に材料を調製することとして、細胞の増殖又は細胞の死によって分泌される有害な物質を除去することによって細胞の生存性を増す試薬(安定剤)を用いて材料を処理することが含まれる。有用な安定剤には、酸素ラジカルのような活性が高く損傷を与える分子を抑える、この分野における当業者に知られている化学薬品又は化学化合物が含まれる。
図2で示した工程については、順番どおりに示し、説明を行う。しかしながら、図示した方法は、工程の幾つか又は全てが連続して行われる又は異なる順番で行われるという特徴を有する。例えば、保護剤がすでに凍結/解凍サイクルを経ているならば、生物材料の処理に先立って、保護剤を再凍結する必要はない。
本出願で開示した技術を利用しておこなった研究によって、細胞の生存率が40%以上に向上することができたことを示す。豚の筋細胞を用いた実験の結果を図3に示す。棒グラフは、コントロール群に対する液体窒素を用いた方法(LN)及び本発明の1つの実施態様(SC)を表し、棒グラフ(400)と表示している。棒グラフ(400)は、コントロール群に対する、冷却処理を行った保護剤を用いて低温保存を行った生存可能な豚の筋細胞の数を比較している。コントロールは、本出願で開示した様々な実施態様に従う冷却処理を行わなかった保護剤で低温保存した。
冷却処理を行った保護剤を用いなかったコントロール群(405)は、本出願で開示する高温での凍結方法に従い、約−25℃で凍結した。一方、冷却処理を行わなかった保護剤を用いなかったコントロール群(410)は、液体窒素内で約−196℃で凍結を行った(LN)。両コントロール群(405)及び(410)、及び冷却処理を行った保護剤で処理した群(420)及び(425)として、一般的な組織から採取した。その組織を、異なる処理及び凍結方法に供するために複数の群に分けた(LN及びSC)。豚の筋細胞(425)は、本出願で開示する冷却処理を行った保護剤で処理後、液体窒素(LN)で低温保存に供した。豚の筋細胞(420)は、本出願で開示する冷却処理を行った保護剤で処理後、コントロール群(405)の凍結に用いたのと同様の高温凍結方法で低温保存に供した。
棒グラフ(400)に示すように、液体窒素(LN)を用いて、冷却処理を行った群(425)は、解凍後の生存率が約60−70%の間を示した。一方、同じようにLN凍結を行ったが、冷却処理を行った保護剤(410)を用いなかったコントロール群(410)は、解凍後の生存率が40−50%を示した。本出願で開示した高温凍結方法で凍結した場合は、冷却処理を行った群(420)は約80−90%の生存率を示した。一方、冷却処理を行った保護剤(405)を用いなかったコントロール群は、約80−90%の生存率を示した。全体的な細胞の生存率に関しては、LN低温保存方法は、高温凍結方法に比べて極めて劣っている。液体窒素を用いた凍結方法に供した群(410)及び(425)の場合は、本出願で開示した細胞用の冷却処理を行った保護剤の使用する場合、冷却処理を行わなかった保護剤を用いて処理した細胞の生存率よりも生存率が増加する。しかしながら、冷却処理を行った保護剤で処理した群(420)及び(425)との比較で明らかなように、高温凍結方法については、LN方法の生存率の約二倍に細胞生存率が増加する。同じ細胞を高温凍結方法で凍結した場合には、例えば群(405)及び(420)のように、冷却処理を行った保護剤の使用により生存率が著しく増加することはなかったが、別の実験による他の細胞タイプ(例えば図4で示すイノシシの精子)は、両方の凍結方法(LN及びSC)で著しい改善を示した。
次に、図4に関しては、一般的な保護剤を用いて処理したサンプル、及び、本出願の実施態様による冷却処理を行った保護剤で処理したサンプルを低温保存(凍結)し、実験のために解凍した後の、両サンプル中のイノシシ精液の運動性を示したグラフである。この実験に用いられた保護剤は、重量%換算で、グリセロールの濃度を様々に変更した、グリセロール及び水の混合物である。軸上の1%、2%等という数字は、最終グリセロール濃度が1%、2%、3%、4%及び5%であることを示す。コントロール群(505)は、本出願で開示する実施態様による冷却処理を行わなかった保護剤を、グリセロールの濃度を変えて用いて(1重量%−5重量%)処理した精子サンプルを表す。冷却処理を行った群(510)は、本出願で開示した冷却処理を行った保護剤を、グリセロールを様々な濃度に変えて用いて処理した精子サンプルを表す。本出願で示す高温凍結方法は、様々なイノシシ精子サンプルを凍結するのに用いた。
図4に示すように、冷却処理を行った群(510)は、ほとんど等しかった、3%グリセロールのデータを除き、全てのグリセロール濃度において、コントロール群(505)に比較して高い移動性を示した。これらのデータによって、本出願で開示する、長時間の相転移能(不可逆な相変化)を示すように前処理を行った媒体で凍結するならば、凍結により影響を受けやすい細胞は、優れた生存率を示すことができることが示唆された。更に、実験の結果から、本出願で開示する手法は、以前から凍結に耐性を示すと考えられていた種の生物試料とともに、全ての他の哺乳動物の生物試料にも適用できることが示唆された。精子に加えて、皮膚、細胞株、蛋白質、及び、本出願で開示する方法を適用することにより利益を受けうる他の生物活性材料のような他の多くの分野で用いることができる。
1つの実施態様として、本出願で開示する方法の適用は、ヒトに拡張することができ、人工授精又は体外受精の分野において低コストの不妊治療を供給することができる。本出願で開示するいくつかの凍結保護剤(例えばプロピレングリコール)は、他の凍結保護剤(例えばDMSO)が有する毒性効果を示さないので、保護剤で処理した精子を投与する患者への、長期間の相変化保護剤の使用による副作用は無いはずである。
次に、図5に関しては、本発明の少なくとも1の実施態様による、本方法の使用に適した冷却装置を図示する。この冷却装置は、冷却ユニット(800)として全体的に示されている。冷却ユニット(800)は、好ましくは、冷却液体(840)を含むタンク(810)を備えている。羽根車付きのモーターといった循環装置(834)、及び熱交換コイル(820)を、冷却液体(840)の中に浸す。冷却すべき材料は、生存可能な単細胞、組織、器官、核酸、リボ核酸、アミノ酸系の化合物、脂質系の化合物、及び他の生物活性材料を含むが、これに制限されるものではない。冷蔵ユニット(890)が、タンク(810)の外部に配置され、熱交換コイル(820)に連結している。
タンク(810)は、凍結すべき材料を冷却液体(840)に浸すのに必要な如何なる寸法のものとすることができ、寸法は、12インチ×24インチ×48インチとすることができる。本出願で示す指示に従って、他のタンクのサイズも使用することができる。例えば、1つの実施態様として(図示せず)、タンク(810)は、ちょうど冷却液体(840)を保持できるサイズであり、生物学的材料及び凍結保護剤を含む懸濁液を迅速に凍結するために、タンク(810)内に容器を入れることができる。他の実施態様として、タンク(810)を、迅速に凍結するために、組織全体を完全に浸すことができるほど大きくすることができる。当然のことながら、タンク(810)は、凍結すべき物質の様々なサイズ及び量に効率的に対応させるために、必要に応じて、大きくも小さくもできる。
タンク(810)には冷却液体(840)を入れることができる。1つの実施態様として、冷却液体は、食品用の溶質とすることができる。食品用の液体の好ましい例は、プロピレングリコール、塩化ナトリウム溶液、グリセロール等をベースとする液体である。好ましい実施態様として、冷却液体として、プロピレングリコール保護剤がある。様々な容器が、生物材料を入れるのに用いることができるが、本発明のいくつかの実施態様は、迅速かつ効果的な凍結のために冷却液体に直接浸した生物材料を提供する。
氷結晶の形成を避けながら材料を凍結するために、本発明の1の実施態様においては、凍結すべき材料の側を経て、幅24インチ深さ48インチを超えない領域に含まれている冷却液体の1フィート当りにつき、一分間当り35リットルという比較的一定の速度で、冷却液体(840)を循環させる。必要な循環は、1以上の循環装置(834)、例えばモーター及び羽根車の組合せでもたらされる。本発明の少なくとも1の実施態様では、浸した循環装置(834)は、凍結すべき材料を経て冷却液体(840)を循環させる。本発明の目的に合致する限りにおいて、様々なポンプを含む(図示せず)他の循環装置(834)を使用できる。本発明の少なくとも1の実施態様として、少なくとも1の循環装置(834)を用いることによって、冷却液体を循環できる領域及び容積を増やすことができる。複数の循環装置(834)を用いる実施態様では、冷却液体を循環させる領域及び容積は、使用されている付加的な循環装置に直接比例して増大する。例えば、好ましい実施態様として、およそ幅24インチ深さ48インチを超えない領域にわたって循環させる冷却液体の1フィートあたりにつき、1の付加的な循環装置を使用する。
好ましくは、循環装置(834)内のモーターを制御することによって、保存すべき材料を経ての冷却液体流速を所定の一定値に維持することができ、同時に、タンク(810)内の全ての場所において、±0.5℃以内という冷却液体温度分布さえ維持することができる。材料又は製品を通しての循環する冷却液体の、実質的に一定の所定の速度により、一定で一様な熱の除去が行え、物質を冷却又は凍結することができる。1の実施態様として、循環装置(834)内のモーターによって羽根車の回転速度又はトルクを必要に応じて増減するために、粘度、温度等の冷却液体の特性を測定してデータ処理を行い、制御シグナルを循環装置(834)に送る。他の実施態様として、モーターは、更なる熱の生成なしに、液体条件の範囲にわたって所定の回転速度を維持するように構築されている。そのような場合、モーターによってもたらされる羽根車のトルク又は回転速度は、外部からは制御されることはない。外部のポンプ、シャフト、又は滑車は、冷却装置には必要ないことは注目すべき事項である。モーター及び羽根車の組合せ、又は他の循環装置(834)を、直接冷却液体(840)に浸す。結果として、冷却液体(840)はタンク(810)内に置かれた材料を凍結するだけでなく、循環装置834内の部品(すなわち、モーター及び羽根車)を冷やしている。
熱交換コイル(820)は、好ましくは、複数の経路(すなわち、3つまたはそれ以上の経路)を通して冷媒を搬送し得る“多型路コイル(multi-path coil)”とされる。このことは、冷媒が通常は1つまたは2つの連続経路に限定されているような、従来技術の冷媒コイルとは対照的である。加えて、コイルサイズは、一定量の冷却液体(840)を含む横断面積に対して直接的に関係している。例えば、好ましい実施形態においては、タンク(810)は、1フィート長さ、2フィート深さ、4フィート幅であり、1フィート×2フィートである熱交換コイル(820)を使用する。タンク(810)の長さが、20フィートへと伸ばされたときには、熱交換コイル(820)の長さも、また、20フィートへと伸ばされる。結果として、熱交換コイル(820)は、同じ熱負荷を取り扱うのに必要とされる従来のコイルのサイズの約50%とすることができる。循環装置(834)は、凍結すべき材料上へ冷凍冷却液体(840)を循環させ、その後、より暖められた冷却液体を、冷却液体(840)内に浸した熱交換コイル(820)に供給する。少なくとも1つの実施形態においては、熱交換コイル(820)は、そのように構成されているために、凍結すべき材料から除去される熱量以上の熱量を冷却液体(840)から除去することができ、これにより、冷却液体(840)の温度を所定範囲に維持することができる。熱交換コイル(820)は、冷蔵ユニット(890)に接続されており、熱交換コイル(820)及びシステムから熱を放出する
好ましい実施形態においては、冷蔵ユニット(890)は、熱交換コイル(820)の負荷要求に適合し得るように構成されている。そのため、熱が、システムから平衡された態様で効果的に除去される。その結果、制御された態様で急速に材料が凍結される。冷蔵ユニット(890)の効率は、熱交換コイル(820)の効果的な供給によって吸気圧力を制御するために使用されている手法と、冷蔵ユニット(890)において使用されているコンプレッサの効果的出力と、に直接的に関連する。
この方法においては、冷蔵温度と冷却液体(140)の温度との間において、及び、凝縮温度と周囲温度との間において、非常に厳しい許容誤差を維持することを要求する。温度基準と熱交換コイル(820)の構成によって、熱交換コイル(820)に効果的に供給することができ、さらに、平衡的にかつ厳しく制御された態様でコンプレッサに供給を行うことができる。これにより、このコンプレッサからは、コンプレッサの製造業者の標準規格において記載されている性能よりも25%も優れた性能を得ることができる。
図5に図示されている実施態様においては、冷蔵ユニット(890)が、外部設置されて離間して配置された冷蔵システムとされていることに注意されたい。しかしながら、他の実施態様(図示せず)においては、冷蔵ユニット(890)は、タンク(810)の他の部分内に組み込まれる。当然のことながら、冷蔵ユニット(890)は、多かれ少なかれ、冷却ユニット(800)に適して配置されることができる。例えば、タンク(810)が極端に大きい場合には、別体として離間配置された冷蔵ユニット(890)が望ましい。一方、運搬可能なタイプの実施態様においては、一体型の冷蔵ユニット(890)から恩恵を受ける。そのような一体化は、本出願に示される原理を具現することによって得られる効率によってのみ、特にサイズを小さくした熱交換コイルの使用、によってのみ可能である。
冷蔵ユニット(890)及び熱交換コイル(820)により、好ましい実施態様においては、冷却液体は、冷却液体全体にわたって約±0.5℃未満という温度差でもって、−20℃から−30℃の間の温度へと冷却される。他の実施態様として、冷却液体を、物質を凍結する速度を制御するために、−20℃〜−30℃という範囲以外の温度にまで冷却する。他の実施態様として、液体を一分間当り少なくとも17℃の平均速度で過冷却する。他の実施態様として、望む凍結速度を得るために、冷却液体の循環速度を制御することがある。これに代えて、凍結速度を容易に変更することができるように、冷却液体の量を変更することができる。当然のことながら、冷却液体の循環速度、冷却液体量、及び冷却液体温度を様々に組み合わせることによって、望む凍結速度を得ることができる。
前記詳細な説明においては、明細書の一部をなす添付図面を参照した。添付図面には、一例として、本発明を実施可能とする特定の実施態様が図示されている。これら実施態様については、この分野における当業者が本発明を実施できる程度に十分に詳細に記載されている。そして、他の実施態様を使用することができること、及び、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく論理的、機械的、化学的及び電気的変更を行うことができることは理解されるであろう。この分野における当業者が本発明を実施するうえで必要でない詳細を避けるために、上記説明は、この分野における当業者にとっては公知の情報を割愛した。そのため、上記詳細な説明は、本発明を制限するとみなすものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
図1は、本発明の少なくとも1の実施態様に従って、短時間の間隔にわたる、迅速な冷却に供することによって前処理を行った3つの凍結保護剤の温度を測定したグラフである; 図2は、本発明の少なくとも1の実施態様に従って、方法を示したフロー図である; 図3は、本発明の少なくとも1の実施態様に従って、コントロール群に対する本発明の及び液体窒素での低温保存方法の実験結果を比較した棒グラフである; 図4は、本発明の少なくとも1の実施態様に従って、凍結−解凍サイクルを行った後に移動性を保持しているイノシシ精子の割合を示した棒グラフである;及び 図5は、本発明の少なくとも1の実施態様による方法を実施するのに適した冷却装置の断面図である。
符号の説明
800 冷却ユニット
810 タンク
820 熱交換コイル
834 循環装置
840 冷却液体
890 冷蔵ユニット

Claims (40)

  1. 保護剤を冷却して保護剤から不可逆なエネルギーの放出を導く工程;
    前記保護剤で生物活性材料を処理する工程;及び
    前記の処理した生物活性材料を凍結する工程;
    を含む方法。
  2. 前記前処理溶質が、一分間当り少なくとも約6.5℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記前処理溶質が、室温から約−23℃未満の温度に過冷却することによって処理された溶質である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記前処理溶質が、室温から、約−23℃から−26℃の間に過冷却することによって処理された溶質である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記前処理溶質が、一分間当り約6.5℃から8.5℃の間の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記前処理溶質が、少なくとも一部の時間において、一分間当り少なくとも約17℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記前処理溶質の熱吸収速度が、約−23℃から−26℃の間の温度で約135 BTUである、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記生物活性材料を処理する工程の前に、保護剤を加温する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記保護剤を加温する工程が、保護剤を0℃より高くなるように加温することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記保護剤がプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記保護剤がグリセロールを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記保護剤がDMSOを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記生物活性材料が、生存可能な単細胞、生存可能な組織、生存可能な器官、生存可能な核酸、生存可能なリボ核酸、生存可能なアミノ酸系の化合物、及び生存可能な脂質系の化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 約−23℃より低く保護剤を冷却して保護剤から不可逆なエネルギーの放出を導く工程;
    前記保護剤を0℃より高くなるように加温する工程;
    前記保護剤で生物活性材料を処理する工程;及び
    前記の処理した生物活性材料を凍結する工程;
    を含む方法。
  15. 前記前処理溶質が、一分間当り少なくとも約6.5℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記前処理溶質が、室温から約−23℃未満の温度に過冷却することによって処理された溶質である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記前処理溶質が、室温から、約−23℃から−26℃の間に過冷却することによって処理された溶質である、請求項14に記載の方法。
  18. 前記前処理溶質が、一分間当り約6.5℃から8.5℃の間の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項14に記載の方法。
  19. 前記前処理溶質が、少なくとも一部の時間において、一分間当り少なくとも約17℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項14に記載の方法。
  20. 前記前処理溶質の熱吸収速度が、約−23℃から−26℃の間の温度で約135 BTUである、請求項14に記載の方法。
  21. 前記保護剤がプロピレングリコールを含む、請求項14に記載の方法。
  22. 前記保護剤がグリセロールを含む、請求項14に記載の方法。
  23. 前記保護剤がDMSOを含む、請求項14に記載の方法。
  24. 前記生物活性材料が、生存可能な単細胞、生存可能な組織、生存可能な器官、生存可能な核酸、生存可能なリボ核酸、生存可能なアミノ酸系の化合物、及び生存可能な脂質系の化合物を含む、請求項14に記載の方法。
  25. 保護剤を冷却して保護剤から不可逆なエネルギーの放出を導く工程;
    前記保護剤で生物活性材料を処理する工程;及び
    前記の処理した生物活性材料を凍結する工程;
    を含む低温保存処理を受けた生物材料。
  26. 前記前処理溶質が、一分間当り少なくとも約6.5℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項25に記載の生物材料。
  27. 前記前処理溶質が、室温から約−23℃未満の温度に過冷却することによって処理された溶質である、請求項25に記載の生物材料。
  28. 前記前処理溶質が、室温から、約−23℃から−26℃の間に過冷却することによって処理された溶質である、請求項25に記載の生物材料。
  29. 前記前処理溶質が、一分間当り約6.5℃から8.5℃の間の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項25に記載の生物材料。
  30. 前記前処理溶質が、少なくとも一部の時間において、一分間当り少なくとも約17℃の平均速度で過冷却することによって処理された溶質である、請求項25に記載の生物材料。
  31. 前記前処理溶質の熱吸収速度が、約−23℃から−26℃の間の温度で約135 BTUである、請求項25に記載の生物材料。
  32. 前記低温保存工程が、前記生物活性材料を処理する工程の前に、保護剤を加温する工程を含む、請求項25に記載の生物材料。
  33. 前記低温保存工程が、保護剤を0℃より高くなるように加温することを含む、請求項32に記載の生物材料。
  34. 前記生物材料が、生存可能な単細胞を含む、請求項25に記載の生物材料。
  35. 前記生物材料が、生存可能な組織を含む、請求項25に記載の生物材料。
  36. 前記生物材料が、生存可能な器官を含む、請求項25に記載の生物材料。
  37. 前記生物材料が、生存可能な核酸を含む、請求項25に記載の生物材料。
  38. 前記生物材料が、生存可能なリボ核酸を含む、請求項25に記載の生物材料。
  39. 前記生物材料が、生存可能なアミノ酸系の化合物を含む、請求項25に記載の生物材料。
  40. 前記生物材料が、生存可能な脂質系の化合物を含む、請求項25に記載の生物材料。















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