JP2005511027A - 蛍光タンパク質 - Google Patents
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Abstract
本発明は、蛍光特性が改良された蛍光タンパク質GFP(緑色蛍光タンパク質)の新規青色偏移変異型に関するものである。本発明は、GFPまたは機能的GFP類似体から誘導され、野生型GFPのアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、修飾蛍光タンパク質が、i)F64位におけるアミノ酸置換、ii)Y66位におけるアミノ酸置換、およびiii)S175位におけるアミノ酸置換を含み、修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質を提供する。
Description
本発明は、改良された蛍光特性を有する蛍光タンパク質GFP(緑色蛍光タンパク質)の新規青方偏移変異型に関するものである。
イクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)に由来する蛍光タンパク質の使用は、多くの細胞および分子生物学的プロセスに対する研究に大きな変革をもたらした。例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)の使用により、研究者らにとって内在蛍光体による細胞内でのタンパク質の標識が可能となったことから、タンパク質の化学的標識を実行するための必要条件が不要となり、無傷の生細胞における生物学的プロセスの検定法の開発が可能となった。
米国特許第5491084号は、生物学的リポーターとしてのGFPの使用について記載している。生物学的リポーターとしてのGFPの初期適用(Chalfie et al.Science、(1994)、263、802−5;Chalfie et al.、Photochem.Photobiol.、(1995)、62(4)、651−6)では、野生型(天然)GFP(wtGFP)を使用したが、これらの研究は、哺乳類細胞で使用されるリポーターとしてのwtGFPの2欠失領域を直ちに立証した。変温性海洋生物由来のタンパク質であることから、37℃で培養された哺乳類細胞で発現された場合 タンパク質折りたたみが有効に行なわれず、弱い蛍光しか発しない。
従って、細胞内リポーターとしての使用により適した特性をもつGFPの様々な突然変異形態の製造に多大な努力がはらわれた。
スペクトル特性が改変されたGFPの若干の突然変異形態が報告されている。変異型GFP(Heim et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.91、12501)は、タンパク質の励起および発光スペクトルを青方偏移させるY66H突然変異を含む。しかしながら、このタンパク質は、弱い蛍光を発するに過ぎず、励起後急速に光退色する。
国際公開第96/27675号は、それぞれ突然変異V163AおよびV163A+S175Gを含む、ランダムな突然変異および後続の明るさについての選択により得られる2種の変異型GFPを報告している。これらの変異型は、wtGFPに対し植物細胞においてより有効な発現をもたらし、タンパク質折りたたみの耐熱性を高めることが示された。二重突然変異体V163A+S175Gは、単一V163A突然変異体を単独で含む変異型より明るいことが観察された。この突然変異体は青方偏移した励起ピークを呈する。
米国特許第6172188号は、発色団に先行する1位のアミノ酸における突然変異により蛍光強度の増加がもたらされた変異型GFPについて報告している。上記突然変異には、F64I、F64V、F64A、F64GおよびF64Lがあり、F64Lが好ましい突然変異である。その結果、これらの突然変異体では、励起および発光極大波長のシフトを伴わずに、GFPの蛍光強度が増加している。F64L−GFPは、発色団成熟時間が短いため37℃で蛍光の約6倍増加をもたらすことが示された。
上記の個々の突然変異体または無作為に誘導された突然変異の組合わせに加えて、上記および他の突然変異から慎重に選択される2つまたはそれ以上の突然変異を含み、個々の突然変異の有利な特性を組合わせて哺乳類細胞における感受性生物学的リポーターとしての使用に適した発現およびスペクトル特性をもつタンパク質を製造することを目的とする様々な変異型GFPが作製された。
米国特許第6194548号は、少なくともF64LおよびV163AおよびS175Gの変化を含む 37℃での蛍光および折りたたみ特性が改良されたGFPを開示している。
米国特許第5777079号は、F64L、S65T、Y66HおよびY145F突然変異を含む青色蛍光タンパク質(BFP)について報告している。これは、UV励起により青色蛍光を発するが故に、BFP(青色蛍光タンパク質)と称される(R.Heim et al. Curr.Biol.(1996)、6、178−182;R.Heim et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(1994)、91、12501−12504)。しかしながら、このBFPは非常に光が弱く、緑色蛍光タンパク質と比べて重度の光退色を経験した。米国特許第6194548号は、F64L、Y66H、Y145FおよびL236R置換を含むさらに別のBFPについて記載している。この特許はまた、F64L、Y66H、Y145F、V163A、S175GおよびL236Rを含む突然変異体を開示している。Y66H、Y145F、V163AおよびS175G突然変異並びにF64L、Y66HおよびY145F突然変異を含むさらに別の突然変異体も報告されている。S65TおよびY231Lでのさらに別の所望による突然変異も報告されている。これらの突然変異体は、米国特許第5777079号に記載されたものよりも光安定性であるが、それらは依然としてある程度の光退色作用を被る。
本発明は、30℃より高温で非同種細胞において発現されたとき、および約390nmで励起されたとき、wtGFPよりも安定した蛍光特性を呈し、異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有する青色蛍光タンパク質(BFP)の新規遺伝子工学的誘導体および遺伝子工学的BFPをコード化する核酸を提供する。特に、本発明は、スペクトルの青色領域で蛍光を発する新規蛍光タンパク質(「BFP」)を提供する。さらに、驚くべきことに、青色蛍光タンパク質の新規遺伝子工学的誘導体は、先に報告されたBFPの場合よりも安定した細胞性蛍光を有することが見出された。本発明はまた、突然変異体核酸または突然変異体タンパク質遺伝子産物を含む組成物、例えば発現ベクターおよび細胞に関するものである。本発明方法を用いて製造された突然変異体蛍光タンパク質は、wtGFPに対し低い発現レベルおよび/または高い感受性で哺乳類細胞における多様なGFPリポーター検出手段を提供する。これによって、生きている細胞で細胞機能を研究する場合における蛍光タンパク質の有用性は大きく改善される。
本発明の第一の態様では、緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が、
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質が提供される。
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質が提供される。
好適には、64位におけるアミノ酸Fは、L、I、V、AおよびGから成る群から選択されるアミノ酸により置換され得、それによってF64L、F64I、F64V、F64AまたはF64G置換が提供され得る。好ましくは、64位におけるアミノ酸置換はF64L置換である。
好適には、66位におけるアミノ酸Yは、HおよびFから選択されるアミノ酸により置換され得、それによってY66HまたはY66F置換が提供され得る。好ましくは、66位におけるアミノ酸置換はY66H置換である。
好適には、175位におけるアミノ酸Sは、G、A、L、IおよびTから成る群から選択されるアミノ酸により置換され得、それによってS175G、S175A、S175L、S175IおよびS175T置換が提供され得る。好ましくは、175位におけるアミノ酸置換はS175G置換である。
所望により、第一態様による蛍光タンパク質は、以下S72A、Y145F、N146I、M153T、N198SおよびT203Iの一つまたはそれ以上から選択されるアミノ酸置換によりさらに修飾され得る。
好適には、新規蛍光タンパク質は、それらを発現する細胞を30℃またはそれより高温で、好ましくは32℃〜39℃、さらに好ましくは35℃〜38℃の温度および最も好ましくは約37℃の温度でインキュベーションしたとき、上記細胞において高い蛍光性を呈する。
好ましくは、第一態様による蛍光タンパク質は、配列番号2の配列を有する野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する。
本発明による好ましいタンパク質は、GFPの配列番号2に関して、64位のアミノ酸FがLにより置換され、66位のアミノ酸YがHにより置換され、そして175位のアミノ酸SがGにより置換され、配列番号3で示されたアミノ酸配列を有するものとして本明細書に示されているタンパク質である。
好適には、蛍光タンパク質を誘導するのに使用されるGFPまたは機能的GFP類似体は、任意の好都合な供給源から入手され得る。例えば、イクオレア(Aequorea)属の種、好適にはイクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)から誘導される天然GFPがある。イクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)由来のwtGFPにおける発色団は、予測される一次アミノ酸配列(配列番号2)の65〜67位にある。好ましい実施態様において、GFPは、イクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)から誘導される。
本発明の修飾タンパク質は、タンパク質をコード化する核酸配列において突然変異を導入することにより製造され得る。本明細書で使用されている、wtGFPをコード化する遺伝子の好ましい配列は、配列番号1(図1)として開示されているChalfie et al.(Science、(1994)、263、802−5)により発表された、イクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)から誘導される。対応するアミノ酸配列は、配列番号2(図2)に示されている。GFP遺伝子のこれに代わる配列、例えば、Prasher et al.(Gene(1992)、111、229)により報告されたGFP遺伝子のヌクレオチド(および予測されるアミノ酸)配列および国際公開第97/11094号に開示された配列も使用され得る。さらに、蛍光タンパク質をコード化する代替的遺伝子配列に、共通Kozakヌクレオチド配列(Kozak,M.、Cell(1986)、44、283)、または好ましい哺乳類コドンを組込むことにより、哺乳類系における翻訳が改良され得る。蛍光タンパク質に対応するヌクレオチド配列はまた、有用な制限酵素部位および追加的エレメント、例えば酵素についての標的部位および精製標識をコード化し得る。コザック領域、好ましい哺乳類コドン、制限酵素部位、酵素部位および精製標識の組込み方法は、当業界ではよく知られており、それらの方法によりアミノ酸残基が組込まれ、提供された配列でのwtGFP番号付けに対して蛍光タンパク質におけるアミノ酸残基の番号付けに変化がもたらされ得る。
本明細書で、アミノ酸について使用される省略形は、J.Biol.Chem.(1968)、243、3558に示されたものである。
本発明の第二態様では、緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が、
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質に融合された興味の対象であるタンパク質を含む融合化合物が提供される。
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質に融合された興味の対象であるタンパク質を含む融合化合物が提供される。
本発明の明細書において、「興味の対象であるタンパク質」の語はまた、ポリペプチドおよびペプチドフラグメントを包含するものとする。興味の対象である上記タンパク質の例には、NFκBおよびそのサブユニット、RAC1、PLCドメイン、MAPKAP2、PKC、シトクロムC、RHO、β‐アクチン、STAT6、プロテインキナーゼCイソ型、LAMP1/2TGN、ATP7A TGNおよびGLUT4がある。
本発明の第三態様では、緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が、
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子が提供される。
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子が提供される。
好ましくは、第三態様による核酸分子は、配列番号2の配列を有する野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質をコード化する。
第三態様の特定実施例において、核酸分子は、興味の対象であるタンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合された本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体由来の蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む。
好ましくは、核酸分子は、DNA配列を含む構築物である。
好ましくは、核酸分子は、配列番号3から成るアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質をコード化する。
好ましくは、核酸分子は、配列番号3から成るアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質をコード化する。
周知の通り、単一アミノ酸は、複数のヌクレオチドコドンによりコード化され得ることから、上記ヌクレオチド配列の各々に修飾を加えることにより、同じペプチドをコード化する代替的ヌクレオチド配列が生成され得る。すなわち、本発明の好ましい実施態様は、前記の好ましいタンパク質をコード化する代替的DNA配列を含む。好ましいタンパク質(およびそれらが誘導される核酸配列)は、追加的残基、特にN−およびC−末端アミノ酸、または5'−または3'−ヌクレオチド配列を含み、依然として本質的に本明細書に記載されている通りであり得ると考えられる。
好適には、新規蛍光タンパク質をコード化するDNA構築物は、確立された方法、例えばBeaucageおよびCaruthersにより報告されたホスホルアミダイト方法(Tetrahedron Letters(1981)、22、1859−1869)、またはMatthes et al.、(EMBO Journal(1984)、3、801−805)により報告された方法により、合成的に製造され得る。ホスホルアミダイト方法によると、オリゴヌクレオチドを例えば自動式DNA合成装置で合成し、精製し、アニーリングし、ライゲーションし、適切なベクターへクローン化する。
蛍光タンパク質をコード化するDNA構築物はまた、組換えDNA方法、例えばcDNAクローニングにより製造され得る。例えば、Sambrook, J et al(1989)Molecular Cloning−A Laboratory Manual、コールドスプリングハーバー・ラボラトリー・プレス参照。
DNA構築物はまた、例えば米国特許第4683202号またはSaiki et al(Science(1988)、239、487−491)により報告されている、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により製造され得る。PCR方法の概説は、PCR Protocols(1990)(アカデミック・プレス、サンディエゴ、カリフォルニア、米国)に記載されている。
蛍光タンパク質をコード化する遺伝子配列を、興味の対象であるタンパク質をコード化する遺伝子と枠内で連結し、適切な発現ベクターへ挿入すると、所望の融合タンパク質が生成され得る。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応または相補的オリゴヌクレオチドを用いて、興味の対象であるタンパク質に対応する遺伝子配列に対し蛍光タンパク質、5'または3'に対応するポリヌクレオチド配列を遺伝子工学的に組込ませ得る。別法として、同技術を用いることにより、興味の対象であるタンパク質をコード化する遺伝子配列の挿入前に発現ベクターの多重クローニング部位へ蛍光タンパク質配列5'または3'に対応するポリヌクレオチド配列を遺伝子工学的に組込ませ得る。蛍光タンパク質配列に対応するポリヌクレオチド配列には、クローニング部位、リンカー、転写および翻訳開始および/または終結シグナル、標識および精製標識を含むように 追加的ヌクレオチド配列が含まれ得る。
第四の態様では、本発明による核酸分子に機能し得るように結合された適切な発現制御配列を含む発現ベクターが提供される。本発明のDNA構築物は組換えベクターに挿入され得、これは好都合に組換えDNA手順にかけられ得るものであればいかなるベクターでもよい。ベクターの選択は、それが導入される宿主細胞により異なることが多い。すなわち、ベクターは、自律複製ベクター、すなわち染色体外独立体として存在し、その複製は染色体複製とは独立したものであるベクター、例えばプラスミドであり得る。別法として、ベクターは、宿主細胞へ導入されたとき、宿主細胞ゲノムへ組込まれ、それが組込まれた染色体(複数も可)と一緒に複製されるものであり得る。
ベクターは、好ましくは本発明蛍光タンパク質をコード化するDNA配列がDNAの複写に要求される追加セグメントに機能し得るように結合された発現ベクターである。一般に、発現ベクターは、プラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、または両方のエレメントを含み得る。「機能し得るように結合された」の語は、セグメントが意図された目的について協調して機能するように配置されていることを意味し、例えば転写はプロモーターで始まり、本発明の蛍光タンパク質についてコードするDNA配列を通して前進する。
プロモーターは、蛍光タンパク質発現用に選択された適切な宿主細胞(例、細菌細胞、哺乳類細胞、酵母細胞または昆虫細胞)で転写活性を示すDNA配列であり得る。プロモーターは、宿主細胞にとって同種または異種であるタンパク質をコード化する遺伝子から誘導され得る。
哺乳類細胞において本発明蛍光タンパク質をコード化するDNA配列の転写を指令する適切なプロモーターの例には、CMVプロモーター(米国特許第5168062号、米国特許第5385839号)、ユビキチンCプロモーター(Wulff,M.et al.、FEBS Lett.(1990)、261、101−105)、SV40プロモーター(Subramani et al.、Mol.Cell Biol.(1981)、1、854−864)およびMT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al.、Science(1983)、222、809−814)がある。昆虫細胞での使用に適切なプロモーターの一例は、多角体タンパク質プロモーターである(米国特許第4745051号;Vasuvedan et al.、FEBS Lett.,(1992)311、7−11)。酵母宿主細胞での使用に適切なプロモーターの例には、酵母解糖遺伝子(Hitzeman et al.、J.Biol.Chem.、(1980)、255、12073−12080;AlberおよびKawasaki、J.Mol.Appl.Gen.、(1982)、1、419−434)またはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al.、Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals(Hollaender et al.編)、プレナム・プレス、ニューヨーク、1982)からのプロモーター、またはTPI1(米国特許第4599311号)またはADH2−4c(Russell et al.、Nature、(1983)、304、652−654)プロモーターがある。
細菌宿主細胞での使用に適切なプロモーターの例には、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子、バシラス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)アルファ‐アミラーゼ遺伝子、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)BANアミラーゼ遺伝子、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)アルカリ性プロテアーゼ遺伝子、またはバシラス・プミラス(Bacillus pumilus)キシロシダーゼ遺伝子のプロモーター、またはファージラムダPRまたはPLプロモーターまたはエシェリキア・コリ(Escherichia coli)lac、trpまたはtacプロモーターがある。
本発明の新規蛍光タンパク質をコード化するDNA配列はまた、必要ならば、適切なターミネーター、例えばヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al.、前出)または(真菌宿主の場合)TPI1(AlberおよびKawasaki、前出)またはADH3(McKnight et al.、前出)ターミネーターに機能し得るように結合され得る。ベクターは、さらにエレメント、例えばポリアデニル化シグナル(例、SV40またはアデノウイルス5Elb領域から)、転写エンハンサー配列(例、SV40エンハンサー)および翻訳エンハンサー配列(例、アデノウイルスVA RNAをコード化するもの)を含み得る。
ベクターは、さらに1個の2シストロン性転写mRNA分子から2タンパク質を内部リボソーム侵入および発現させ得るDNA配列を含み得る。例えば、脳心筋炎ウイルスからの内部リボソーム侵入配列がある(Rees S et al.、Bio Techniques(1996)、20、102−110および米国特許第4937190号)。
組換えベクターは、さらに問題の宿主細胞でベクターを複製させ得るDNA配列を含み得る。上記配列の一例(宿主細胞が哺乳類細胞であるとき)は、SV40複製起点である。
宿主細胞が酵母細胞であるとき、ベクターを複製させ得る適切な配列の例は、酵母プラスミド2μ複製遺伝子REP1−3および複製起点である。
ベクターはまた、選択マーカー、例えば薬剤、例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、プロマイシン、ネオマイシンまたはハイグロマイシンに対する耐性を付与する遺伝子を含み得る。
本発明蛍光タンパク質をコードするDNA配列、プロモーターおよび所望によるターミネーターおよび/またはターゲッティング配列をそれぞれライゲーション(連結)し、そして複製に必要な情報を含む適切なベクターへそれらを挿入するのに使用される手順は、当業者には周知である(例、Sambrook et al.、前出)。
本発明の第五の態様では、本発明による発現ベクターを含むDNA構築物により形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞が提供される。
本発明のDNA構築物または組換えベクターは、本DNA構築物を発現し得るものであればいかなる細胞もであり得、例として細菌、酵母および高等真核生物細胞が挙げられる宿主細胞へ適切に導入される(Unger,T.F.、The Scientist(1997)、11(17)、20−23、Smith,C.,The Scientist(1998)、12(22):20;Smith,C.,The Scientist(1998)、12(3)、18;Fernandez,J.M. & Hoeffler,J.P.、Gene Expression Systems-using nature for the art of expression、アカデミック・プレス1999)。
培養時に、本発明のDNA構築物を発現し得る細菌宿主細胞の例は、グラム陽性菌類、例えばバシラス(Bacillus)種またはグラム陰性菌類、例えばエシェリキア・コリ(E.coli)である。細菌の形質転換は、自体公知の方法(Sambrook et al.、前出参照)で形質転換能細胞を用いて実施され得る。
適切な哺乳類セルラインの例は、HEK293およびヒーラセルライン、一次細胞、およびCOS(例、ATCC CRL 1650)、BHK(例、ATCC CRL 1632、ATCC CCL 10)、CHL(例、ATCC CCL39)またはCHO(例、ATCC CCL 61)セルラインである。哺乳類細胞をトランスフェクションし、細胞において導入されたDNA配列を発現させる方法は、例えばKaufmanおよびSharp、J.Mol.Biol.、(1982)、159、601−621;SouthernおよびBerg、J.Mol.Appl.Genet.,(1982)、1、327−341;Loyter et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(1982)、79、422−426;Wigler et al.,Cell、(1978)、14、725;CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics、(1981)、7、603、Grahamおよびvan der Eb、Virology(1973)、52、456;およびNeumann et al.、EMBO J.、(1982)、1、841−845に記載されている。
適切な酵母細胞の例には、サッカロミセス(Saccharomyces)類またはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)類、特にサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはサッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)の株の細胞がある。異種DNAによる酵母細胞の形質転換およびそこからの異種ポリペプチドの製造方法は、例えば米国特許第4599311号、米国特許第4931373号、米国特許第4870008号、米国特許第5037743号および米国特許第4845075号に記載されており、それらについては全て出典明示により援用する。選択マーカー、一般には薬剤耐性または特定栄養素、例えばロイシンの不存在下における成長能により決定される表現型により形質転換細胞を選択する。酵母での使用に好ましいベクターは、米国特許第4931373号に開示されたPOT1ベクターである。本発明の蛍光タンパク質をコード化するDNA配列には、例えば上記の通り、シグナル配列および所望による先導配列が先行し得る。適切な酵母細胞のさらに別の例は、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、例えばクルイベロミセス・ラクティス(K.lactis)、ハンセヌラ(Hansenula)、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(H.polymorpha)、またはピチア(Pichia)、例えばピチア・パストリス(P.pastoris)株である(Gleeson et al.,J.Gen.Microbiol.、(1986)、132、3459−3465;米国特許第4882279号参照)。
昆虫細胞の形質転換およびそこでの異種ポリペプチドの製造は、米国特許第4745051号、米国特許第4879236号、米国特許第5155037号、米国特許第5162222号、欧州特許第397485号に記載された要領で実施され得、これらについては全て出典明示で援用する。宿主として使用される昆虫セルラインは、好適にはレピドプテラ(Lepidoptera)セルライン、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞またはトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)細胞であり得る(米国特許第5077214号)。培養条件は、好適には例えば国際公開第89/01029号または国際公開第89/01028号、または上記で挙げた参考文献のいずれかに記載されたものと同じであり得る。
第六の態様において、本発明は、緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質の製造方法であって、
本発明によるヌクレオチド配列により形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞を培養し、そこから上記ヌクレオチド配列により発現されたポリペプチドを得ることを含む方法を提供する。
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質の製造方法であって、
本発明によるヌクレオチド配列により形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞を培養し、そこから上記ヌクレオチド配列により発現されたポリペプチドを得ることを含む方法を提供する。
好適には、上記の形質転換またはトランスフェクション宿主細胞は、本発明DNA構築物の発現を可能にする条件下、適切な栄養培地で培養され、その後それらの細胞は本発明のスクリーニング方法で使用され得る。別法として、細胞は破壊され得、その後細胞抽出物および/または上清は、蛍光について分析および/または本発明GFPまたは機能的GFP類似体の精製に使用され得る。
細胞の培養に使用する培地は、宿主細胞の成長に適切なものであればいずれの慣用的培地でもよく、例えば適切な補足物質を含む最少または複合培地であり得る。適切な培地は、市販供給業者から入手され得るか、または公開されたプロトコールに従って製造され得る(例、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログ;Sambrook et al.、前出)。
例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)およびGFPを含む融合タンパク質を、構築し、エシェリキア・コリ(E.coli)で発現させ得る。GFPは、pGEXプラスミドベクター(アマーシャム・ファルマシア・バイオテック)におけるGSTのC−末端に枠内で連結され得る。融合タンパク質の組換え的製造を、標準エシェリキア・コリ(E.coli)発現宿主を用いて実施し、その後グルタチオンアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、タンパク質分解的開裂によりGST標識を除去する。
本発明の第七の態様では、細胞における興味の対象であるタンパク質の発現を測定する方法が提供される。この方法は、i)本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、興味の対象であるタンパク質の発現を加減する発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子を細胞へ導入し、ii)興味の対象であるタンパク質の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、そしてiii)興味の対象であるタンパク質の発現を測定する手段として緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体の蛍光放射を検出することを含む。
本発明の第八の態様では、興味の対象であるタンパク質の細胞および/または細胞外局在性の測定方法であって、
i)興味の対象であるタンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合された本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、適切な発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子を細胞へ導入し、
ii)興味の対象であるタンパク質の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、そして
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより興味の対象であるタンパク質の細胞および/細胞外局在性を測定する
ことを含む方法が提供される。
i)興味の対象であるタンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合された本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、適切な発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子を細胞へ導入し、
ii)興味の対象であるタンパク質の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、そして
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより興味の対象であるタンパク質の細胞および/細胞外局在性を測定する
ことを含む方法が提供される。
本発明蛍光タンパク質はまた、細胞における興味の対象である2種またはそれ以上の異なるタンパク質の発現および/または転位の調節に対する試験物質の効果を検出および比較する方法で使用され得る。別法として、それらは、試験物質に応じた興味の対象であるタンパク質の発現および発現制御配列の同時活性を比較する方法で使用され得る。蛍光タンパク質はまた、試験物質に応じた細胞における2種またはそれ以上の発現制御配列の活性を比較する方法でも使用され得る。上記方法は、そのプロセスに対する効果を測定すべき試験物質の存在および不存在下で実施され得る。例えば、遺伝子の発現調節は、例えばF64L−Y66H−S175G−GFPをコード化するDNA構築物へ発現制御配列を融合させ、蛍光を測定し、構成的に発現されたスペクトルでが異なる分子の蛍光に対してそれを正規化することにより定量的にモニターされ得るため、検出可能な一リポーター分子は内部対照標準として、別のは可変マーカーとして使用され得る。構成的に発現されたスペクトルが異なる蛍光分子、例えばGFPは、内部対照標準として作用する。
すなわち、本発明の第九の態様では、細胞において興味の対象である1種またはそれ以上の異なるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性に対する1種またはそれ以上の試験物質(複数も可)の効果を比較する方法であって、
i)細胞へ
a)所望により興味の対象である第一タンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合されていてもよい本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、第一発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子、および所望により、
b)所望により興味の対象である異なるタンパク質に融合されていてもよいタンパク質リポーター分子をコード化する少なくとも1個の異なる核酸分子であって、各々第二発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれており、上記タンパク質リポーター分子が上記蛍光タンパク質のとはスペクトルで区別される発光シグナルを有するかまたはそれを発生し得る核酸分子
を導入し、
ii)試験物質(複数も可)の存在および不存在下、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより細胞における興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性を測定し、そして
iv)試験物質(複数も可)の存在および不存在下で得られる蛍光放射を比較することにより、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性に対する試験物質(複数も可)の効果を測定する
ことを含む方法が提供される。
i)細胞へ
a)所望により興味の対象である第一タンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合されていてもよい本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、第一発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子、および所望により、
b)所望により興味の対象である異なるタンパク質に融合されていてもよいタンパク質リポーター分子をコード化する少なくとも1個の異なる核酸分子であって、各々第二発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれており、上記タンパク質リポーター分子が上記蛍光タンパク質のとはスペクトルで区別される発光シグナルを有するかまたはそれを発生し得る核酸分子
を導入し、
ii)試験物質(複数も可)の存在および不存在下、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより細胞における興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性を測定し、そして
iv)試験物質(複数も可)の存在および不存在下で得られる蛍光放射を比較することにより、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性に対する試験物質(複数も可)の効果を測定する
ことを含む方法が提供される。
第九態様の方法は、同様に/所望によりデータベースへの照会により実施され得、その場合試験物質の不存在下で培養された細胞の応答は、(iii)段階で測定された蛍光放射に関して既に測定され、この値(複数も可)はデータベースに蓄積されていることは当然である。次いで、試験物質(複数も可)の存在下における細胞の蛍光放射((iv)段階で測定された)を、試験物質(複数も可)の不存在下でのデータベースに蓄積された値(複数も可)と比較することにより、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性に対する試験物質(複数も可)の効果を測定する。
第九態様の好ましい実施例では、液体培地中の細胞の試料を、調べるべき試験物質の各々について個別の容器に導入する。
好ましくは、第一および第二発現制御配列は異なる。
好ましくは、第一および第二発現制御配列は異なる。
好適には、タンパク質リポーター分子は、蛍光タンパク質および酵素から成る群から選択され得る。好ましい蛍光タンパク質は、本発明による蛍光タンパク質の発光波長と比較した場合スペクトルにより区別され得る発光波長を有するもの、例えばBFPである。適切な酵素リポーターは、基質において検出可能な(例、ルミネセンスまたは蛍光)シグナルの発生に適切なものである。適切な酵素/基質には、ルシフェラーゼ/ルシフェリン、β−ガラクトシダーゼ/DDAOガラクトシド、β−ガラクトシダーゼ/フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド、アルカリ性ホスファターゼ/Attophos(蛍光源性基質)がある。
本発明方法では、本発明によるDNA構築物により形質転換またはトランスフェクションされた細胞の蛍光は、好適には光学的手段、例えば分光光度計、蛍光計、蛍光顕微鏡、冷却電荷結合素子(CCD)撮像素子(例えば走査式イメージャーまたはエリアイメージャー)、蛍光活性化細胞分取装置、共焦点顕微鏡または走査型共焦点装置により測定され得、その場合、培養中の細胞のスペクトル特性は、光励起および放射のスキャンとして測定され得る。
本発明の蛍光タンパク質は、多くの追加的適用性を有しており、例えば以下の通りである:
i)少なくとも本発明蛍光タンパク質をコード化する発現ベクターを含むトランスフェクション細胞の選択を目的とする非毒性マーカーとしての使用。蛍光放射を用いてトランスフェクション細胞を単離することにより、毒性分子、例えば抗生物質による選択の必要性が克服され得る。
ii)生細胞および固定細胞におけるタンパク質標識としての使用。新規タンパク質は、強い蛍光を呈するため、低濃度で存在するタンパク質についての適切な標識である。基質は必要とされず、蛍光タンパク質の視覚化が細胞に損傷を与えることは無いため、ダイナミックな分析が実施され得る。
i)少なくとも本発明蛍光タンパク質をコード化する発現ベクターを含むトランスフェクション細胞の選択を目的とする非毒性マーカーとしての使用。蛍光放射を用いてトランスフェクション細胞を単離することにより、毒性分子、例えば抗生物質による選択の必要性が克服され得る。
ii)生細胞および固定細胞におけるタンパク質標識としての使用。新規タンパク質は、強い蛍光を呈するため、低濃度で存在するタンパク質についての適切な標識である。基質は必要とされず、蛍光タンパク質の視覚化が細胞に損傷を与えることは無いため、ダイナミックな分析が実施され得る。
iii)細胞または細胞小器官(オルガネラ)融合におけるマーカーとしての使用。新規タンパク質、例えばF64L−Y66H−S175G−GFPで1個またはそれ以上の細胞または細胞小器官を、そして同一または別の蛍光体で他の細胞または細胞小器官を標識することにより、融合、例えばヘテロカリオン形成がモニターされ得る。
iv)本発明の新規タンパク質に融合されたタンパク質の転位が視覚化され得る。特異的細胞小器官への細胞内タンパク質の転位は、蛍光タンパク質、例えばF64−Y66H−S175G−GFPに興味の対象であるタンパク質を融合させ、別の蛍光分子、例えば蛍光タンパク質で細胞小器官を標識することにより視覚化され得る。次いで、転位は、特異的細胞小器官における蛍光タンパク質のスペクトル偏移として検出され得る。
iv)本発明の新規タンパク質に融合されたタンパク質の転位が視覚化され得る。特異的細胞小器官への細胞内タンパク質の転位は、蛍光タンパク質、例えばF64−Y66H−S175G−GFPに興味の対象であるタンパク質を融合させ、別の蛍光分子、例えば蛍光タンパク質で細胞小器官を標識することにより視覚化され得る。次いで、転位は、特異的細胞小器官における蛍光タンパク質のスペクトル偏移として検出され得る。
v)分泌マーカーとしての使用。シグナルペプチドまたは分泌されるペプチドへの本発明蛍光タンパク質の融合により、続いて分泌が生細胞において行われ得る。
vi)トランスジェニック動物における遺伝リポーターまたはタンパク質標識としての使用。新規タンパク質は強い蛍光を発する故、シグナル対ノイズ比は先行技術のタンパク質、例えば野生型GFPよりも著しく改善されるため、それらはタンパク質および遺伝子発現についての標識として適切である。
vi)トランスジェニック動物における遺伝リポーターまたはタンパク質標識としての使用。新規タンパク質は強い蛍光を発する故、シグナル対ノイズ比は先行技術のタンパク質、例えば野生型GFPよりも著しく改善されるため、それらはタンパク質および遺伝子発現についての標識として適切である。
vii)細胞または細胞小器官保全マーカーとしての使用。細胞小器官へターゲッティングした新規タンパク質を発現させることにより、タンパク質の漏出を計算し、それを細胞保全の尺度として使用することが可能である。
viii)トランスフェクションマーカーとして、およびFACS選別と組合わせて使用されるマーカーとしての使用(例、実施例3記載の通り)。
viii)トランスフェクションマーカーとして、およびFACS選別と組合わせて使用されるマーカーとしての使用(例、実施例3記載の通り)。
ix)トランスポゾンベクター突然変異導入は、転写および翻訳融合におけるマーカーとして新規タンパク質を用いることにより実施され得る。トランスポゾンは、新規タンパク質をコード化する微生物で使用され得る。トランスポゾンは、翻訳および転写融合用に構築され、プロモーターについてのスクリーニングに使用され得る。新規タンパク質、例えばF64L−Y66H−S175G−GFPをコード化するトランスポゾンベクターは、プラスミドおよび染色体を標識するために使用され得る。
x)バクテリオファージのゲノムへ新規タンパク質を導入することによる、細菌検出用リポーターとしての使用。ファージのゲノムへ新規タンパク質、例えばF64L−Y66H−S175G−GFPを遺伝子工学的に導入することにより、診断ツールが設計され得る。F64L−Y66H−S175G−GFPは、生きている宿主へゲノムをトランスフェクションしたときのみ発現される。宿主特異性はバクテリオファージにより特定される。
x)バクテリオファージのゲノムへ新規タンパク質を導入することによる、細菌検出用リポーターとしての使用。ファージのゲノムへ新規タンパク質、例えばF64L−Y66H−S175G−GFPを遺伝子工学的に導入することにより、診断ツールが設計され得る。F64L−Y66H−S175G−GFPは、生きている宿主へゲノムをトランスフェクションしたときのみ発現される。宿主特異性はバクテリオファージにより特定される。
以下の実施例および図により本発明をさらに説明する:
図1は、wtGFPのヌクレオチド配列(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5)であり、本明細書では配列番号1と称す。
図2は、wtGFPの対応するアミノ酸配列(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5)であり、本明細書では配列番号2と称す。
図1は、wtGFPのヌクレオチド配列(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5)であり、本明細書では配列番号1と称す。
図2は、wtGFPの対応するアミノ酸配列(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5)であり、本明細書では配列番号2と称す。
図3は、F64L−Y66H−S175G−GFPの予測されるアミノ酸配列であり、本明細書では配列番号3と称す。
図4は、本発明による突然変異体BFPの平均蛍光強度を示すプロットである。
図5は、本発明による突然変異体BFPの相対的光劣化を示すプロットである。
図4は、本発明による突然変異体BFPの平均蛍光強度を示すプロットである。
図5は、本発明による突然変異体BFPの相対的光劣化を示すプロットである。
実施例
1.GFP遺伝子のクローニングおよび鋳型ベクター構築
本試験で使用されるGFP遺伝子は、クロンテック・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(パロアルト、カリフォルニア、米国)から入手されるプラスミドpGFP(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5;ジェンバンク受入番号U17997)内に含まれていた。プロトコールに従ってPfuポリメラーゼ(プロメガ、マディソン、ウィスコンシン、米国)を用いるPCRにより遺伝子を増幅した(Saiki et al.、Science、(1988)、239、487−491)。使用されたプライマーの配列は以下の通りであった:
1.GFP遺伝子のクローニングおよび鋳型ベクター構築
本試験で使用されるGFP遺伝子は、クロンテック・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(パロアルト、カリフォルニア、米国)から入手されるプラスミドpGFP(Chalfie et al、Science、(1994)、263、802−5;ジェンバンク受入番号U17997)内に含まれていた。プロトコールに従ってPfuポリメラーゼ(プロメガ、マディソン、ウィスコンシン、米国)を用いるPCRにより遺伝子を増幅した(Saiki et al.、Science、(1988)、239、487−491)。使用されたプライマーの配列は以下の通りであった:
プライマーGFP−1は、GFP遺伝子の5'領域との相同性を呈し、哺乳類系における翻訳を有効に開始させるために開始コドンの前に部分的コザック部位(Kozak,M, Cell,(1986)、44、283)を含む。プライマーGFP−2は、GFP遺伝子の3'領域との相同性を呈し、GFPのC−末端への融合によりタンパク質のクローニングを容易にするために停止コドンの直前に追加的AgeI制限酵素部位を含む。プライマーGFP−3は、GFP遺伝子の5'領域との相同性を呈するプライマーGFP−1と類似しているが、GFPのN−末端への融合によりタンパク質のクローニングを容易にするために開始コドンの直後に追加的制限部位(BamHI)を含む。プライマーGFP−1およびGFP−2、およびGFP−3およびGFP−2を含むPCR反応から生じる増幅生成物に対し、Taqポリメラーゼ(アマーシャム・ファルマシア・バイオテック、アマーシャム、英国)を用いて単一3'−デオキシアデノシンでテーリングし、製造業者の使用説明書に従ってTAクローニングベクターpTARGET(プロメガ)へライゲーションした。CMVプロモーターおよび挿入体の配列に対する正確な配向を、自動式DNA配列決定法により決定した。
2.GFPの突然変異体の生成
本試験では、以下のGFPの突然変異体:F64L−Y66H−GFP、F64L−Y66H−S175G−GFP、F64L−Y66H−V163A−GFPを生成した。
pTARGET(実施例1参照)内におけるGFP遺伝子の突然変異体(配列番号3)構築物を、製造業者の使用説明書に従ってクイックチェンジ(QuikChange、登録商標)位置指定突然変異導入キット(ストラタジーン、ラジョラ、カリフォルニア、米国)を用いることにより作製した。F64L、V163A、S175GおよびY66H単一突然変異体の作製に使用されるプライマーの配列は、表1に示されている。多重突然変異GFP分子は、連続突然変異誘発反応を通じて生成された。GFP突然変異体の配列は全て、自動式配列決定装置により立証された。
本試験では、以下のGFPの突然変異体:F64L−Y66H−GFP、F64L−Y66H−S175G−GFP、F64L−Y66H−V163A−GFPを生成した。
pTARGET(実施例1参照)内におけるGFP遺伝子の突然変異体(配列番号3)構築物を、製造業者の使用説明書に従ってクイックチェンジ(QuikChange、登録商標)位置指定突然変異導入キット(ストラタジーン、ラジョラ、カリフォルニア、米国)を用いることにより作製した。F64L、V163A、S175GおよびY66H単一突然変異体の作製に使用されるプライマーの配列は、表1に示されている。多重突然変異GFP分子は、連続突然変異誘発反応を通じて生成された。GFP突然変異体の配列は全て、自動式配列決定装置により立証された。
3.哺乳類細胞で発現された場合のBFPに対するF64L、Y66H、V163AおよびS175G突然変異の組合わせの影響
ハイスピード(HiSpeed)プラスミド精製キット(キアゲン、ウエストバーグ、オランダ国)を用いて、トランスフェクションに使用されるプラスミドDNAを、全BFP構築物に関して調製した。DNAを18−メグオームの水(シグマ)中で100ng/μlに希釈し、1μgをトランスフェクションに使用した。トランスフェクション当日の時点で培養飽和密度の50〜80%にするため、ヒーラ細胞を、6ウェルプレート中5×104/ウェルの密度で平板培養し、一晩インキュベーションした。1:3(1μg:3μg)比のDNA対フージーン(FuGene)6試薬(ロシュ)を、各一次的トランスフェクション反応に使用した。3μlのフージーン6を、87μlの血清不含有DMEM培地(シグマ)(ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン(ギブコBRL)含有)に加え、静かにタッピングして混合し、次いで10μl(1μg)の構築物DNAを加え、再び静かに混合した。フージーン6:DNA複合体を室温で40分間インキュベーションし、次いで培地を変えずに細胞へ直接滴下し、プレートを渦状に回して一様に分布させた。
ハイスピード(HiSpeed)プラスミド精製キット(キアゲン、ウエストバーグ、オランダ国)を用いて、トランスフェクションに使用されるプラスミドDNAを、全BFP構築物に関して調製した。DNAを18−メグオームの水(シグマ)中で100ng/μlに希釈し、1μgをトランスフェクションに使用した。トランスフェクション当日の時点で培養飽和密度の50〜80%にするため、ヒーラ細胞を、6ウェルプレート中5×104/ウェルの密度で平板培養し、一晩インキュベーションした。1:3(1μg:3μg)比のDNA対フージーン(FuGene)6試薬(ロシュ)を、各一次的トランスフェクション反応に使用した。3μlのフージーン6を、87μlの血清不含有DMEM培地(シグマ)(ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン(ギブコBRL)含有)に加え、静かにタッピングして混合し、次いで10μl(1μg)の構築物DNAを加え、再び静かに混合した。フージーン6:DNA複合体を室温で40分間インキュベーションし、次いで培地を変えずに細胞へ直接滴下し、プレートを渦状に回して一様に分布させた。
トランスフェクションの24時間後に蛍光測定を実施した。簡単に述べると、細胞をリン酸緩衝食塩水中で洗浄し、2滴のトリプシン(ギブコBRL)を加えて浮遊させ、1mlの完全DMEM培地(ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミンおよび胎児ウシ血清(シグマ)含有)に再懸濁した。細胞を渦状に流し、FACSヴァンテージフローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン&カンパニー、ニュージャージー、米国)で解析することにより全細胞蛍光を特性検定し、382nmでの励起および発光を蛍光フィルターセット424/44nm(402〜446nm範囲)で検出した。各トランスフェクションについて10000事象を集め、FACS解析からの蛍光強度を等比中項(対数法での平均蛍光)として得、これらを図4に示す。
4.BFP突然変異体の光劣化
BFP突然変異体の相対的光劣化度を評価するため、実施例3で概説した方法に従って50ngのDNAをヒーラ細胞にトランスフェクションした。トランスフェクション当日の時点で培養飽和密度の50〜80%とするため、ヒーラ細胞を、ビュープレート(ViewPlate、登録商標)−96(パッカード、メリデン、コネティカット、米国)中5×103/ウェルの密度で平板培養した。トランスフェクションの24時間後、細胞をリードシーカー(Leadseeker、登録商標)細胞分析システム(アマーシャム・ファルマシア・バイオテック)において生で画像化し、364nmのUVレーザー(発光フィルター420〜25nm)により高いレーザー出力(39.79mW)で退色させた。32の個々の画像を非連続照明により260秒間にわたって撮ると、蛍光タンパク質は全て、図5に示されている通り著しい光劣化を示した。
BFP突然変異体の相対的光劣化度を評価するため、実施例3で概説した方法に従って50ngのDNAをヒーラ細胞にトランスフェクションした。トランスフェクション当日の時点で培養飽和密度の50〜80%とするため、ヒーラ細胞を、ビュープレート(ViewPlate、登録商標)−96(パッカード、メリデン、コネティカット、米国)中5×103/ウェルの密度で平板培養した。トランスフェクションの24時間後、細胞をリードシーカー(Leadseeker、登録商標)細胞分析システム(アマーシャム・ファルマシア・バイオテック)において生で画像化し、364nmのUVレーザー(発光フィルター420〜25nm)により高いレーザー出力(39.79mW)で退色させた。32の個々の画像を非連続照明により260秒間にわたって撮ると、蛍光タンパク質は全て、図5に示されている通り著しい光劣化を示した。
Claims (20)
- 緑色蛍光タンパク質(GFP)または何れかの機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が、
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質。 - 64位にあるアミノ酸Fが、L、I、V、AおよびGから成る群から選択されるアミノ酸により置換されている、請求項1記載の蛍光タンパク質。
- 66位にあるアミノ酸Yが、HおよびFから選択されるアミノ酸により置換されている、請求項1または請求項2記載の蛍光タンパク質。
- 175位にあるアミノ酸Sが、G、A、L、IおよびTから成る群から選択されるアミノ酸により置換されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光タンパク質。
- F64L−Y66H−S175G−GFPである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光タンパク質。
- 配列番号2の配列を有する野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光タンパク質。
- 緑色蛍光タンパク質(GFP)から誘導され、配列番号3に示されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質。
- 蛍光タンパク質に融合された興味の対象であるタンパク質を含む融合化合物であって、蛍光タンパク質が請求項1〜7のいずれか1項に記載の修飾タンパク質である化合物。
- 緑色蛍光タンパク質(GFP)または何れかの機能的GFP類似体から誘導され、野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質であって、上記修飾蛍光タンパク質が、
i)F64位におけるアミノ酸置換、
ii)Y66位におけるアミノ酸置換、および
iii)S175位におけるアミノ酸置換
を含み、上記修飾GFPが野生型GFPと比べて異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有している蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子。 - 配列番号2の配列を有する野生型緑色蛍光タンパク質のアミノ酸配列とは異なりアミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質をコード化する、請求項9記載の核酸。
- 配列番号3であるアミノ酸配列を有する蛍光タンパク質をコード化する、請求項9または10記載の核酸分子。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の蛍光タンパク質に融合された興味の対象であるタンパク質を含む融合タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子。
- 請求項9〜12のいずれか1項に記載の核酸分子に機能し得るように結合された適切な発現制御配列を含む発現ベクター。
- 請求項13記載の発現ベクターを含むDNA構築物により形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞。
- 宿主細胞が、哺乳類細胞、細菌細胞、酵母細胞および昆虫細胞から成る群から選択される、請求項14記載の宿主細胞。
- 本発明による緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体の製造方法であって、請求項14または請求項15記載の宿主を培養し、そこから上記ヌクレオチド配列により発現されるポリペプチドを得ることを含む方法。
- 細胞における興味の対象であるタンパク質の発現を測定する方法であって、
i)請求項1〜7のいずれか1項記載の緑色蛍光タンパク質(GFP)または何れかの機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、興味の対象であるタンパク質の発現を加減する発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子を細胞へ導入し、
ii)興味の対象であるタンパク質の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、そして
iii)興味の対象であるタンパク質の発現を測定する手段として緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体の蛍光放射を検出する
ことを含む方法。 - 興味の対象であるタンパク質の細胞および/または細胞外局在性の測定方法であって、
i)興味の対象であるタンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合された請求項1〜7のいずれか1項記載の緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体から誘導された蛍光タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、適切な発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子を細胞へ導入し、
ii)興味の対象であるタンパク質の発現に適切な条件下で上記細胞を培養し、そして
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより興味の対象であるタンパク質の細胞および/または細胞外局在性を測定する
ことを含む方法。 - 細胞において興味の対象である1種またはそれ以上の異なるタンパク質の発現および/または局在性に対する1種またはそれ以上の試験物質の効果を比較する方法であって、
i)細胞へ
a)所望により興味の対象である第一タンパク質をコード化するヌクレオチド配列に融合されていてもよい請求項1〜7のいずれか1項記載の緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体をコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、第一発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれている核酸分子、および所望により、
b)所望により興味の対象である異なるタンパク質に融合されていてもよいタンパク質リポーター分子をコード化する少なくとも1個の異なる核酸分子であって、各々第二発現制御配列に機能し得るように結合され、その制御下に置かれており、上記タンパク質リポーター分子が緑色蛍光タンパク質(GFP)または機能的GFP類似体とスペクトルで区別される発光シグナルを有するかまたはそれを発生し得る核酸分子
を導入し、
ii)試験物質(複数も可)の存在および不存在下、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現に適切な条件下で細胞を培養し、
iii)光学的手段によって蛍光放射を検出することにより細胞における興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性を測定し、そして
iv)試験物質(複数も可)の存在および不存在下で得られる蛍光放射を比較することにより、興味の対象であるタンパク質(複数も可)の発現および/または局在性に対する試験物質(複数も可)の効果を測定する
ことを含む方法。 - 液体培地中の細胞の試料を、調べるべき試験物質の各々について個別の容器に導入する、請求項19記載の方法。
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