JP2005509039A - C−3がs/oおよびs/nである新規なセファロスポリンのホルムアルデヒドアセタール誘導体およびその抗生物質としての使用 - Google Patents

C−3がs/oおよびs/nである新規なセファロスポリンのホルムアルデヒドアセタール誘導体およびその抗生物質としての使用 Download PDF

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Abstract

一般式(I)で表される化合物、その薬剤学的に許容な塩、エステル、およびアミド誘導体は有効な抗生物質であり、式(I)中、Rは、セファロスポリンの分野で慣習的に用いられている薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rは、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基を示す。
【化26】

Description

発明を解決するための手段
[発明の記載および背景]
本発明は、一般式Iで表されるセファロスポリンの新規な3−S/Oおよび3−S/Nホルムアルデヒドアセタール誘導体、またはその薬剤学的に許容可能な塩、エステル、あるいはアミド誘導体に関し、一般式I中、Rは、セファロスポリンの分野で慣習的に用いられている薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rは、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基を示す。
Figure 2005509039
より具体的には、本発明は、Rが、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、2−アミノ−2−フェニルアセチル、2−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−アミノ−2−(1,4−シクロヘキサジエニル)アセチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(メトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2,2−ジフルオロメトキシミノ)−アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(カルボキシメトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−((1−カルボキシ−1−(メチルエトキシ)イミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(ヒドロキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−2−ペンテノイル、2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−4−カルボキシ−1−オキソ−2−ブテニル、2−(シアノメチルチオ)アセチル、2−(ジフルオロメチルチオ)アセチル、2−(フルオロメチルチオ)アセチル、2−(2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)アセチル、α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−(2−(アミノメチル)フェニル)アセチル、[4−(2−アミノ−1−カルボキシ−2−オキソエチリジン)−1,3−ジエタン−2−イル]カルボニル、2−チエニルアセチル、1−(1H)−テトラゾリルアセチル、2−(3,5−ジクロロ−4−ピリドン−1−イル)アセチル、2−(5−カルボキシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル、フェニルスルフォアセチル、2−フラニル(メトキシミノ)アセチル、シアノアセチル、5−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル、2−(4−ピリジルチオ)アセチル、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチル、1H−ピラゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチルから選択される薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rが、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基であって、置換されたまたは未置換の:アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルチオカルボニルオキシ、アシルオキシ、チオアシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、カルバモイルオキシ、チオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルオキシカルボニルオキシ、ヘテロシクリルオキシチオカルボニルオキシ、N−ヘテロシクリルカルバモイルオキシ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、ヘテロシクリルチオカルボニルアミノ、ヘテロシクリルオキシカルボニルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシチオカルボニルアミノ、チオアシルアミノ、N−ヘテロシクリルカルバモイルアミノ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルアミノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、イミドイルアミノ、グアニジノ、N−ヘテロシクリル−アルコキシカルボニルアミノ、N−ヘテロシクリル−アルキルチオカルボニルアミノ、およびN−スルフォニルアミノを含む群から選択され、ここで、上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、チオアシルまたはイミドイル分子部位は1−6個の炭素原子を含み、ヘテロシクリル骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子は酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含む種から選択され、上記R群の置換基は互いに独立して、アルキル、アシル、チオアシル、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミジノアルコキシ、グアニジノアルコキシ、アシルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルオキシ、アミノアルキルヘテロシクリルオキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシ、ジアルキルカルバモイルオキシ、チオカルバモイル、アルキルチオカルバモイル、ジアルキルチオカルバモイル、チオカルバモイルオキシ、アルキルチオカルバモイルオキシ、ジアルキルチオカルバモイルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ヒドロキシアルキルチオ、アミノアルキルチオ、モノアルキルアミノアルキルチオ、ジアルキルアミノアルキルチオ、アミジノアルキルチオ、アシルチオ、ヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルチオ、アミノアルキルヘテロシクリルチオ、カルバモイルチオ、モノアルキルカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、チオカルバモイルチオ、アルキルチオカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、オキソ、オキシミノ、またはアルキルイミノ、イミドイルアミノ、アルキルイミドイルアミノ、ジアルキルイミドイルアミノ、テトラアルキルアンモニウム、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アルキルヘテロシクリルカルボニルアミノ、アシルアミノ、アミジノ、モノアルキルアミジノ、ジアルキルアミジノ、グアニジノ、アルキルグアニジノ、ジアルキルグアニジノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルカルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルチオカルバモイルアミノ、ニトロ、クロロ、ブロモ、フロオロ、ヨード、アジド、シアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、スルフォンアミド、スルファモイルオキシ、アルキルスルファモイルオキシ、アルキルスルフォニルオキシまたはスルフォ、スルフォキシ、カルボキサミド、N−モノアルキルカルボキサミド、N,N−ジアルキルカルボキサミドまたはカルボキシであることができ、前記置換は互いに独立して1個または数個存在し、前記アルキル骨格は1−6個の炭素原子を含み、前記ヘテロシクリック骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子のうち1ないしそれ以上が酸素原子、硫黄原子、および窒素原子を含む種から選択され、これらの化合物およびその薬剤学的に許容可能な塩、エステル、およびアミド誘導体は抗生物質として有用である。
薬剤学的に許容可能な基であるRは、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合を介して結合される。このR基は例えば、β−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタマーゼ阻害剤の分野で慣習的である。このような基は例えば、M.S.サシバー、A.ルイス,「応用微生物学の進歩」,1970年,D.パールマン編,アカデミックプレス,N.Y.(M.S.Sassiver, A.Lewis, "Advances in Applied Microbiology", Ed. D.Perlman, Academic Press N.Y.(1970))、あるいは、例えば米国特許第5,096,899号などの多くの特許に開示されている。
本明細書および特許請求の範囲で用いられる「薬剤学的に許容可能な塩」という用語は、無毒性の酸の塩および無毒性塩基の塩、ならびにズイッター(zwitter)イオン種を含む。塩基を用いた塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウム、あるいはアンモニウムのような非有機塩、およびトリアルキルアミン、アルカノルアミン、アルギニン、または環状アミン(例えば、ピペラジン、プロカイン)、ならびにカルボン酸塩を作成するのに用いられる他のアミンのような無毒性のアミンとの塩を含む。酸を用いた塩は、塩酸、硫酸、およびリン酸などの非有機塩、および酢酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、およびシュウ酸などの有機塩、ならびにアミンとの塩を作成する際に用いられる他の有機塩を含む。
「薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカル」なる用語は、当業者に知られている基を含み、例えば、「ドラッグリサーチにおける進歩」(1988年,第17巻,p.146−164(Advances in Drug Res. 17, 146-164(1988)))に掲載された多数のペニシリンまたはセファロスポリンの側鎖から当業者に知られている。
ここで用いられている薬剤学的に許容可能なエステルおよびアミド誘導体はプロドラックとして機能し、体内で加水分解されてそれ自体抗生物質となる。加水分解は主に消化酵素の影響下で起こるため、これらの薬剤学的に許容可能なエステルおよびアミド誘導体は経口投与されることが好ましい。非経口投与は加水分解が血中で起こる場合に用いることができる。薬剤学的に許容可能なエステルおよびアミド誘導体は、例えば「ドラッグリサーチにおける進歩」(1988年,第17巻,p.197−203(Advances in Drug Res. 17, 197-203(1988)))に掲載されているような、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野で知られておりかつ使用されている生理学的に加水分解可能なエステルおよびアミドを含む。このようなエステルおよびアミド誘導体は、当業者に知られている慣習的な手法によって調製される。
本発明の化合物は数個の不斉中心を有するため、数個の立体化学形態が存在しうる。本発明は異性体および個々の立体異性体の混合物を含む。式Iにおいて最も好ましい化合物は、セファクロル(Cefaclor)、セフジニル(Cefdinir)、セフェピム(Cefepime)、セフィキシム(Cefixime)、およびセフォタキシム(Cefotaxime)などのような多くの市販されているセファロスポリンの場合と同様に、天然のセファロスポリンCの6Rおよび7Rの配置を有する。これらの化合物ならびに多くの関連する化合物の構造式およびその配置は、メルクインデックス,第12版(Merck Index, Vol. 12)に記載されている。
本発明はまた、化合物(I)を調製する工程、このような化合物を含む薬剤組成物、ならびに抗菌性効果が示唆される場合にこのような化合物ならびに組成物を投与することを含む治療方法に関する。
この種類の化合物の専門用語はまた、「セフェム(Cephem)」という基本名(root name)を基盤とすることができ、この「セフェム」は一般的でかつ単純な命名法システム(一般的な記載で用いられる)を採用する。あるいは、これらの化合物はまた、この属の個々の化合物を表記するのにより適しているケミカルアブストラクトシステム(二環性−命名法)に従った命名法によって表記することができる。
Figure 2005509039
これにより、ケミカルアブストラクトの命名法は本実施例の欄で用いられている。
セファロスポリンは最も重要な抗生物質に属する。より高いインビトロ活性を有するペネム(penem)またはカルバペネム(carbapenem)のような新しい世代のβ−ラクタムがごく最近開発されているけれども、セファロスポリンは市場での地位を確保している。これは、セファロスポリンの毒性が他の多くの抗生物質の毒性と比較して極めて低いことに起因する。典型的なLD50は5,000[mg/kg]を超える。別の重要な特徴は、血清中におけるより高い安定性であり、上述した伝統的でないβ−ラクタムよりも高い血中濃度が得られる。このことは、注射が可能である第三世代のセファロスポリン(例えば、セフトリアキソン(Ceftriaxone)またはセフタジジム(Ceftazidime))において極めて特徴的であり、この第三世代のセファロスポリンは、多くのペニシリン耐性菌に対して十分な活性を有する。
多くのセファロスポリンのLD50の値がメルクインデックス,第12版に開示されており、セファロスポリンおよびカルバペメムの血清安定性は、D.ミラトビック、I.ブラヴェニィ,「インフェクチョネン」,第6版,1997年,ヴューグ編,ブラウンシュウェイグ(D.Milatovic, I.Braveny, "Infektionen", 6th ed. Vieweg, Braunschweig, 1997)。
第三世代のセファロスポリンはまた、経口投与用に開発されている。第三世代のセファロスポリンは市場において、旧来の経口ペニシリンまたはセファロスポリンの地位には到達していない。セファレキシン(Cephalexin)またはセファクロル(Cefaclor)のような旧来の経口セファロスポリンと比較して、より新しいセファロスポリンは吸収性が相対的に低い。結果として、吸収されない抗生物質は大腸に残存し、細菌群を阻害し、非常に悪い副作用をもたらす。この問題に関する詳細な記述は、モエレリング,R.C.Jr.(編),「経口セファロスポリン」,1995年,抗生物質および化学療法,第47巻,p.1−7,72−109,161−181,バセル,カルガー(Moellering,R.C.Jr.(ed),"Oral Cephalosporins", Antibiot. Chemother., Vol.47, p.1-7, 72-109, 161-181, Basel, Karger, 1995)に開示されている。
結果として、新しい抗生物質を求める継続的な要望が存在する。この研究は、ヒト血清中で安定であり、β−ラクタマ―ゼ(例えば、TEM1β−ラクタマーゼ)のような耐細菌性酵素について耐性を有し、かつ経口経路にて良好に吸収されるβ−ラクタムに関して特に重大である。
これにより、本発明の目的は、高い血清安定性およびβ−ラクタマーゼに対する安定性を有し、かつ経口経路にて吸収される新規な種類のセファロスポリンを提供することである。
上述の式Iで表される化合物は、下記の反応式にしたがって慣習的に調製される。
Figure 2005509039
上記反応式において、3−ヒドロキシ−セフェムエステル2は、活性化剤および非有機塩基または有機塩基を用いて活性化エノール3へと変換される。このような活性化剤の例としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物またはジフェニルホスホロニルクロライドなどが挙げられる。非有機塩基の例としては、水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどが挙げられる。これらは好ましくは、そのままあるいは層間移動法によって水溶液中で用いられる。好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたはアセトニトリルあるいは塩化メチレン−水混合物である。有用な有機塩基はトリエチルアミンまたはN−ジイソプロピルエチルアミンなどである。有機塩基を用いて有機溶媒(好ましくは塩化メチレン)中で反応が行われる。
3−ヒドロキシ−セフェムエステル2は当業者に知られており、例えば、S.クコルジャ他,ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ,1976年,第98巻,p.5040−5041(S. Kukolja et al. Journ. Amer. Chem. Soc. 1976, 98, 5040-5041)およびH.タナカ他,ブリテン・ケミカル・ソサイエティ・ジャパン,1995年,第68巻,p.1385−1391(H.Tanaka et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1995, 68, 1385-1391)に記載されている。エステル保護基であるRは当業者に知られている脱離基である。具体例としては、2,2,2−トリクロロエチル,p−ニトロベンジルまたは好ましくはベンジルヒドリルである。
上述した3−ヒドロキシセフェムエステル2において、アシル基Rは、以降の反応においてあまり重要ではない。これらの残基は天然のペニシリンGまたはペニシリンVの側鎖から誘導されるため、R=PhCHCOまたはR=PhOCHCOを用いるのが好ましい。
活性化されたエノール3は次に、チオールHS−CH−Rおよび有機塩基(例えばトリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン)を用いてS/OまたはS/Nホルムアルデヒドアセタール誘導体4へと変換される。チオールの調製および置換反応は当業者に知られており、カルバペネムの分野で最近開示されている(PCT出願番号EP99 05 295号、PCT公開公報番号WO 00 05 574A)。この工程は、3−セフェムの二重結合の転位を避けるために、低温(好ましくは−78℃)にてゆっくりと塩基を添加することにより行われるのが好ましい。
上述のHS/O−またはHS/N−ホルムアルデヒドアセタールの高い反応性に起因して、反応温度は広い範囲内で変更可能である。好ましくは、工程3→4は−70℃〜室温の間で行われる。塩化メチレンまたはアセトニトリル、あるいは好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドのような非極性溶媒または極性溶媒が望ましい。工程3→4はまた、層間移動条件下実行可能であり、例えば、水と、四塩化炭素または塩化メチレンのような非極性触媒と、テトラブチルアンモニウムブロマイドのような層間移動触媒とを用いる条件で実行することができる。
工程3→4はまた、予め形成された塩(好ましくは、HS/O−またはHS/N−ホルムアルデヒドヘミアセタールのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、またはテトラアルキルアンモニウム塩)を用いて実行することができる。非有機塩を用いて、工程3→4は好ましくは、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)を用いて付加的な塩基を用いずに実行することができる。溶解性がより高いテトラアルキルアンモニウム塩を用いる場合、テトラヒドロフランのように極性がより低い溶媒が好ましい。
より好ましいワンポット(one pot)プロセスにおいては、活性化エノール3は単離されずにインシチュ(in situ)でS/OまたはS/Nホルムアルデヒドアセタール誘導体4へと変換される。
HS/O−またはHS/N−ホルムアルデヒドヘミアセタールであるHS−CH−Rはごく最近発見され、PCT出願番号EP99 05 295号(PCT公開公報番号WO 00 05 574A)にて開示された2種類の化合物である。これらは本発明のセファロスポリンの調製に必須である。これらの試薬は2000年より前に開示されていないため、本発明における式Iのセファロスポリンの新規なC−3のS/OまたはS/Nホルムアルデヒドアセタール誘導体はそれ以前に調製されていないし、文献に記載されてもいない。
次いで、アシル基Rを3工程の手順にて脱離させる。4のアミド基はまず、非有機酸塩化物(好ましくはPCl)および有機塩基(モルフォリン、トリエチルアミン、およびピリジンなど)、好ましくは、有機溶媒(好ましくは塩化メチレン)中でN,N−ジメチルアニリンを用いてイミド塩化物5へと変換される。
Figure 2005509039
イミノ塩化物5は次いで、低温で乾燥アルコール(イソブタノール,イソプロパノールまたはエタノールなど)を用いてイミノエーテル6へと変換される。この工程のための好ましいアルコールは乾燥メタノールであり、−20℃にてイミノエーテル6の純粋な塩酸塩を沈殿させ、これにより単離を容易にする。
イミノ塩化物5およびイミノエーテル6はシス−トランス異性体混合物として存在することができる。両立体異性体は加水分解によって単一の立体異性体すなわち7−アミノ−セフェム7へと変換することができるため、これらの立体異性体の混合物の比はあまり重要ではない。
最終的に、イミノエーテル6またはその塩酸塩は、硫酸または塩酸のような酸性水溶液を用いて加水分解され、非有機塩基を用いて中和し、有機溶媒(好ましくは酢酸エチル)にて抽出した後に遊離の7−アミノ−セフェム7を与える。
セファロスポリンの側鎖を脱離させる3工程の手順はこの分野では知られており、例えば、G.I.グレゴリー編,「最近の先端化学」,β−ラクタム抗生物質,1980年,特別号,第38巻,p.109−124,ザ ロイヤル ソサイヤティ,ロンドン(G.I.Gregory, ed., Recent Adv.Chem.β−Lact. Antibiot., Special Publ. No. 38, p.109-124, The Royal Soc., London 1980)に記載されている。
脱離可能なエステル基Rを7−アミノ−セフェム7から脱離させて、保護されていないズィッター(zwitter)イオン性骨格(nucleus)8を得ることができる。この工程のための試薬は保護基の特性に依存し、かつ当業者に知られている。例えば、過剰の強酸またはルイス酸(好ましくはトリフルオロ酢酸または三塩化アルミニウム)および捕捉剤(好ましくはメトキシベンゼン)を用いることにより、ベンジヒドリル基Rを脱離させることができる。
Figure 2005509039
出発物質2および上記の中間体3−8中の保護基Rはそれ自体知られている容易に除去可能なラジカルであり、有機合成におけるその目的のために通常用いられる。この種類の保護基は例えば、グンダI.ジョーグ,「β−ラクタムの有機化学」,1993年,VCH出版,イギリス,ケンブリッジ,p.1−29(Gunda I. Georg, "The Organic Chemistry of β-Lactams", VCH Publishers, UK, Cambridge, 1993, p.1-29.)に開示されている。
Figure 2005509039
アシル化工程7→9は、活性化された側鎖カルボン酸の反応によって行われ、この側鎖カルボン酸は保護されているかまたは保護されていない。この工程により、側鎖が6−アミノセフェム7または8に導入される。関連する側鎖カルボン酸R−OHは、ペニシリンまたはセファロスポリンの分野で知られている方法にて活性させることができる。例えばアルキルカルボン酸とともに、例えば側鎖カルボン酸の酸塩化物または混合無水物を用いることができる。別の手法では、チオエステル(例えば、側鎖カルボン酸R−OHおよび2−メルカプトベンズチアゾールから誘導されたチオエステル)を用いる。活性化された側鎖カルボン酸は当業者に知られている保護基を含むことができる。アシル化の特に好ましい態様では、活性化されたカルボン酸を用いる。この活性化されたカルボン酸は、エステル保護基であるRと同時に開裂される保護基によって保護されている。この態様の実施例は側鎖中にN−BOC保護基を含み、このN−BOC基は、強酸(例えばトリフルオロ酢酸または三塩化アルミニウム)によって、ベンズヒドリル保護基であるRと同時に開裂される。同時に脱保護化する場合の態様はまた、本特許出願の実施例の欄に例示される。
アシル化工程はエステル7から開始されて、塩基の存在下あるいは塩基なしで、種々の有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなど)中で実行可能であり、例えばトリエチルアミンまたはピリジンの存在下で−70℃〜室温の間の温度にて実行可能である。アシル化工程はまた、水と有機溶媒との混合物を用いた層間移動条件下で実行可能であり、例えば、有機溶媒としてジクロロメタンを用いて非有機塩基(例えば炭酸水素ナトリウム)とともに0℃〜室温の間の温度にて実行可能である。
アシル化工程はズイッターイオン種8から開始され、このアシル化工程は有機溶媒中、または水中、あるいは塩基(例えば炭酸水素ナトリウム)を用いた有機溶媒と水との混合物中で行われる。
代わりに、8の遊離のカルボン酸基をシリル化剤(例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセタミド)で保護し、中間体のシリルエステルをアシル化することもできる。アシル化されたシリルエステルは次いで水溶液中で加水分解され、アシル化されたセファロスポリン1が得られる。
脱保護工程9→1においては、遊離のカルボン酸またはそれに相当する非有機塩または有機塩が形成される。脱保護工程9→1にて使用される反応条件および試薬はエステル保護基Rの特性に依存する。本工程9→1に用いる試薬は当業者に知られており、例えば、グンダI.ジョーグ,「β−ラクタムの有機化学」,1993年,VCH出版,イギリス,ケンブリッジ,p.1−29(Gunda I. Georg, "The Organic Chemistry of β-Lactams", VCH Publishers, UK, Cambridge, 1993, p.1-29.)に開示されている。
本発明の一般的な記述において、Rは、セファロスポリンの分野で慣習的に用いられている薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rは、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基を示す。
化合物Iの好ましい種類としては、Rが、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、2−アミノ−2−フェニルアセチル、2−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−アミノ−2−(1,4−シクロヘキサジエニル)アセチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(メトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2,2−ジフルオロメトキシミノ)−アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(カルボキシメトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−((1−カルボキシ−1−(メチルエトキシ)イミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(ヒドロキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−2−ペンテノイル、2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−4−カルボキシ−1−オキソ−2−ブテニル、2−(シアノメチルチオ)アセチル、2−(ジフルオロメチルチオ)アセチル、2−(フルオロメチルチオ)アセチル、2−(2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)アセチル、α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−(2−(アミノメチル)フェニル)アセチル、[4−(2−アミノ−1−カルボキシ−2−オキソエチリジン)−1,3−ジエタン−2−イル]カルボニル、2−チエニルアセチル、1−(1H)−テトラゾリルアセチル、2−(3,5−ジクロロ−4−ピリドン−1−イル)アセチル、2−(5−カルボキシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル、フェニルスルフォアセチル、2−フラニル(メトキシミノ)アセチル、シアノアセチル、5−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル、2−(4−ピリジルチオ)アセチル、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチル、1H−ピラゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチルから選択される薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、
が、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基であって、置換されたまたは未置換の:アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルチオカルボニルオキシ、アシルオキシ、チオアシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、カルバモイルオキシ、チオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルオキシカルボニルオキシ、ヘテロシクリルオキシチオカルボニルオキシ、N−ヘテロシクリルカルバモイルオキシ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、ヘテロシクリルチオカルボニルアミノ、ヘテロシクリルオキシカルボニルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシチオカルボニルアミノ、チオアシルアミノ、N−ヘテロシクリルカルバモイルアミノ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルアミノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、イミドイルアミノ、グアニジノ、N−ヘテロシクリル−アルコキシカルボニルアミノ、N−ヘテロシクリル−アルキルチオカルボニルアミノ、およびN−スルフォニルアミノを含む群から選択され、ここで、上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、チオアシルまたはイミドイル分子部位は1−6個の炭素原子を含み、ヘテロシクリル骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子は酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含む種から選択され、上記R群の置換基は互いに独立して、アルキル、アシル、チオアシル、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミジノアルコキシ、グアニジノアルコキシ、アシルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルオキシ、アミノアルキルヘテロシクリルオキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシ、ジアルキルカルバモイルオキシ、チオカルバモイル、アルキルチオカルバモイル、ジアルキルチオカルバモイル、チオカルバモイルオキシ、アルキルチオカルバモイルオキシ、ジアルキルチオカルバモイルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ヒドロキシアルキルチオ、アミノアルキルチオ、モノアルキルアミノアルキルチオ、ジアルキルアミノアルキルチオ、アミジノアルキルチオ、アシルチオ、ヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルチオ、アミノアルキルヘテロシクリルチオ、カルバモイルチオ、モノアルキルカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、チオカルバモイルチオ、アルキルチオカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、オキソ、オキシミノ、またはアルキルイミノ、イミドイルアミノ、アルキルイミドイルアミノ、ジアルキルイミドイルアミノ、テトラアルキルアンモニウム、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アルキルヘテロシクリルカルボニルアミノ、アシルアミノ、アミジノ、モノアルキルアミジノ、ジアルキルアミジノ、グアニジノ、アルキルグアニジノ、ジアルキルグアニジノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルカルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルチオカルバモイルアミノ、ニトロ、クロロ、ブロモ、フロオロ、ヨード、アジド、シアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、スルフォンアミド、スルファモイルオキシ、アルキルスルファモイルオキシ、アルキルスルフォニルオキシまたはスルフォ、スルフォキシ、カルボキサミド、N−モノアルキルカルボキサミド、N,N−ジアルキルカルボキサミドまたはカルボキシであることができ、前記置換は互いに独立して1個または数個存在し、前記アルキル骨格は1−6個の炭素原子を含み、前記ヘテロシクリック骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子のうち1ないしそれ以上が酸素原子、硫黄原子、および窒素原子を含む種から選択され、これらの化合物および薬剤学的に許容可能な塩、エステル、およびアミド誘導体は抗生物質として有用である。
化合物Iの特に好ましい種類は、Rが、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、2−アミノ−2−フェニルアセチル、2−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−アミノ−2−(1,4−シクロヘキサジエニル)アセチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(メトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2,2−ジフルオロメトキシミノ)−アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(カルボキシメトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−((1−カルボキシ−1−(メチルエトキシ)イミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(ヒドロキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−2−ペンテノイル、2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−4−カルボキシ−1−オキソ−2−ブテニル、2−(シアノメチルチオ)アセチル、2−(ジフルオロメチルチオ)アセチル、2−(フルオロメチルチオ)アセチル、2−(2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)アセチル、α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−(2−(アミノメチル)フェニル)アセチル、[4−(2−アミノ−1−カルボキシ−2−オキソエチリジン)−1,3−ジエタン−2−イル]カルボニル、2−チエニルアセチル、1−(1H)−テトラゾリルアセチル、2−(3,5−ジクロロ−4−ピリドン−1−イル)アセチル、2−(5−カルボキシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル、フェニルスルフォアセチル、2−フラニル(メトキシミノ)アセチル、シアノアセチル、5−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル、2−(4−ピリジルチオ)アセチル、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチル、1H−ピラゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチルから選択される薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rが、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基であって、メトキシおよびアセチルアミノから選択される基である。
本発明にかかるセファロスポリン誘導体Iにおいて、R基は抗菌活性に強い影響力を有する。このような多くの種類の側鎖が高い抗菌活性ならびにβ―ラクタマーゼの高安定性に導くことが当業者に知られており、例えば「ドラッグリサーチにおける進歩」,1988年,第17巻,p.61−234(Advances in Drug Res. 17, 61-234, 1988)から、非経口セファロスポリンの分野において優位に記載されている。
本発明にかかる化合物Iの選択は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して高いインビトロ抗菌活性を有する。驚くべきことに、最小阻害濃度は実際には細菌の濃度に依存しない。すなわち、化合物は、R.C.モエレリング,Jr.,「抗生物質および化学療法」,1995年,第47巻,p.83−87,カルガー,バセル(R.C.Moellering, Jr., "Antibiotics and Chemotherapy",Vol.47 p.83-87, Karger, Basel, 1995)に記載されているような他の経口セファロスポリンに観察される接種材料(inocculum)効果を示さない。
化合物Iの選択は、0.01N(規定)の塩酸水溶液ならびにpH7.4のリン酸緩衝液中で極めて安定である。そのうえ、安定性は対応するウシ血清中でも観測され、現在使用されている経口セファロスポリンの安定性よりも高かった。
インビボにおいては、抗菌活性はマウスを用いた実験的浸透性注射モデルにて検証された。その活性は、臨床で用いられるペニシリンとβ−ラクタマーゼ阻害剤との組み合わせまたは経口セファロスポリンよりも高かった。
これにより、本発明は、動物またはヒトの治療ならびに非動物(inanimate)のシステムにおいて重要である新しい種類のセファロスポリン抗生物質を提供することを目的とする。本発明にかかる化合物Iの高い安定性および広範囲の抗菌スペクトル活性は、(高い細菌接種材料においても)従来技術の経口活性を考慮したとしても、従来技術からその程度を予測することはできないだろう。
本発明にかかる新規な化合物は、多くのペニシリンおよびセファロスポリン耐性株を含むグラム陽性菌およびグラム陽性菌に対して活性を有する有用な抗微生物活性物質である。
遊離の酸および特にズィッターイオン種のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は有用な殺菌剤であり、ヒトおよび動物において、微生物の除去や治療用として歯科用器具および医科用器具から病原体を除去するのに使用することができる。後者の目的としては、薬剤学的に許容可能な塩がそれ自体知られており、ペニシリンおよびセファロスポリンの投与に用いられている。これらの塩は、薬剤学的に許容可能な液体状賦形剤および固体状賦形剤とともに使用可能であり、これにより、丸薬、錠剤、カプセル、坐剤、シロップ、およびエリキシル剤などの適切な単位投与量の形態を形成し、これらはそれ自体知られている工程にて調製することが可能である。
新しい化合物は多くの病原性ペニシリン感受性細菌またはペニシリン耐性細菌に対して有用な抗生物質であり、これにより、ヒトおよび動物の薬剤として有用である。これらは、グラム陽性菌およびグラム陰性菌(例えば、スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)、エスシェリシア コリ(Escherichia coli)、エンテロコッカス ファエカリス(Enterococcus faecalis)、バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)、ストレプトコッカス ピョゲネス(Staphylococcus pyogenes)、ストレプトコッカス ニュモイアエ(Staphylococcus pneumoniae)、およびハエポピルス インフルエンザエ(Haemophilius influenzae))によって引き起こされる感染を処理するための抗菌性薬剤として使用することができる。
抗生物質薬剤はさらに、動物の飼料、食物または飼料の保存料の添加物として、ならびに感染防止剤として用いることができる。医療用設備における有害な細菌の成長を破壊し阻害するために、例えば、溶液百万部に対して0.1〜100部の範囲の濃度の前記抗生物質薬剤水溶液を使用することができ、さらに、産業上の用途(例えば、水を基剤とした塗料および水車用の軟水)における殺菌剤として、有害な細菌の成長を阻害するために該抗生物質薬剤を使用することができる。
本発明にかかる製品は、大多数の薬剤学的調剤のいずれにおいても、単独あるいは他の活性成分とともに使用することができる。これらの調剤はカプセルの形態でまたは錠剤、粉末、液体状溶液、あるいは懸濁液またはエリキシル剤として用いることができる。これらは経口、静脈内、または筋肉内に投与することができる。
前記調剤は好ましくは、胃腸管を介して吸収に適した形態で投与される。経口投与のための錠剤およびカプセルは単位投与量の形態であることができ、慣習的な医療用賦形剤を含むことができる。慣習的な医療用賦形剤は、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、またはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば、ラクトース、砂糖、メイズ(コーン)スターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、またはグリシン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、またはシリカ)、錠剤分解物質(例えば、ポテトスターチ)、または許容可能な保湿剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)である。錠剤はそれ自体知られている工程によってコーティングされる。経口液体状調剤は水溶性懸濁液または油状懸濁液、溶液、乳液、シロップ、およびエリキシル剤などの形態にすることができ、あるいは(例えば、水または他の好ましい賦形剤を用いる前の再構成(reconstitution)のために)、乾燥製品とすることができる。この種の液体状調剤は、それ自体知られている添加剤を含むことができ、該添加剤は例えば、懸濁剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/砂糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、または水素化食用油(例えば、アーモンド油、分留ココナツ油)、油状エステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール、保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)である。坐剤はそれ自体知られている坐剤用基剤(例えば、ココアバターまたは他のグリセリド)を含む。
注射用調剤は、アンプル内で単位投与量の形態、あるいは添加された保存剤とともに数回の投与量を含む容器の形態であることができる。前記調剤は、油状または水性の賦形剤中の懸濁液、溶液、または乳液の形態であることができ、これらは懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤用薬剤を含むことができる。あるいは、活性成分は、適切な賦形剤(例えば、殺菌済みの水、発熱物質を含まない(pyrogen-free)水)を用いる前の再構成のために粉末状の形態であることができる。
前記調剤はまた、鼻、喉、または気管支組織の粘膜(muscous membrane)を介した吸収に適した形態であることができ、粉末状または液体状スプレーまたは吸入剤、吸入甘味料、喉の塗布剤などの形態にすることができる。
目および耳の治療に対しては、前記調剤は、液体状または半固体状の個別のカプセルの形態で用いることができ、あるいは、ドロップ等として用いることができる。塗布用として用いることもでき、あるいは軟膏、クリーム、ローション、塗料、粉末等として疎水性ビヒクル(vehicle)として製剤化することもできる。
本発明にかかる調剤は、賦形剤とともに、他の成分(例えば、安定剤、結合剤、抗酸化剤、保存剤、潤滑剤、懸濁剤、粘度調整剤、または香料など)を含むことができる。
本発明にかかる調剤は、賦形剤に加えて、他の薬理的な薬剤、例えば、ウリコスリア(uricosurica)、例えばプロベニシド(probenicid)、またはβ−ラクタマーゼ阻害剤(例えば、クラブラネート(clavulanate))を用いることができる。
加えて、前記調剤は1ないしはそれ以上の活性抗菌性成分を含むことができ、これにより、より広い抗菌範囲を得ることができる。そのような他の活性成分の例としては、ペニシリンまたはアミノグリコシドが挙げられる。
動物用薬剤としては、前記調剤は例えば、長期作用ビヒクルまたは短期放出ビヒクルのいずれかにおいて乳房内(intramammary)調剤として製剤化することができる。
投与量は治療対象の状態および個体の重量、ならびに投与方法および投与回数に大きく依存する。一般に、1日の経口投与量は、1日当たり1回ないしはそれ以上投与する場合、対象の体重1[kg]当たり約10〜約120[mg]の活性成分を含む。ヒト成人の好ましい1日の投与量は、体重1[kg]当たり約20〜約80[mg]の範囲内である。
本発明にかかる調剤は種々の単位投与量の形態にて投与することができ、例えば、経口投与において固体状または液体状の投与形態であることができる。前記調剤は、固体状または液体状の形態にて、単位投与量の0.1〜99%の活性材料を含むことができる。好ましい範囲は約10〜60%である。前記調剤は一般に、15〜約1500[mg]の活性成分を含むことができるが、一般に、約250〜1000[mg]の範囲の投与量を用いることが好ましい。非経口投与の場合、単位投与量は通常、殺菌済みの水溶液に含まれる純化合物であるか、あるいは溶解可能な粉末の形態であることができ、これらは溶解させることができる。
下記の実施例は、本発明の製品、工程、調剤、および治療方法を示す。
ジフェニルメチル(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェニルアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレートの調製
Figure 2005509039
ジフェニルメチル(6R,7R)−8−オキソ−7−フェニルアセタミノ−3−トリフルオロメチルスルフォニルオキシ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
メカニカルスターラ、ゴム製のセプタム、および乾燥窒素を入れた風船を取り付けた三ツ口フラスコ内で、−78℃にて、(6R,7R)ジフェニルメチル−3−ヒドロキシ−8−オキソ−7−フェニルアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(15.02g, 30mmol)の乾燥ジクロロメタン(300ml)溶液にジイソプロピルエチルアミン(4.46g, 34.5mmol)を添加し、次いで、激しく攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物 (9.73g, 34.5mmol)を5分間以内で添加した。ベージュ色の沈殿が直ちに形成された。懸濁液を−78℃で30分間さらに攪拌した。反応懸濁液をジクロロメタン(2500ml)で希釈すると、黄色の溶液が得られた。この溶液を10%塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。得られた水層を合わせてジクロロメタン(200ml)で2回再抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウム存在下で乾燥させて、ロータリーエバポレータで溶媒を留去することにより、ベージュ色の固体が得られた。精製のために、生成物を乾燥エーテル(300ml)中で懸濁させた。濾過により固体を分取し、この固体をエーテル−ペンタン(1:1, 200ml)にて2回洗浄した。高真空下で乾燥させた後、無色の結晶粉末(18.28g, 96%)が得られた。融点は211-212℃であった。
ジフェニルメチル(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェニルアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
メカニカルスターラ、滴下ロート、および乾燥窒素を入れた風船を取り付けた三ツ口フラスコ内で、−78℃にて、上記のエノールトリフラート(15.84g, 25mmol)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)溶液に乾燥ジクロロメタン(50ml)を添加し、次いで、メトキシメタンチオール(2.54g, 32.5mmol)のCDCl溶液(4.71ml)を一気に滴下した。この混合物に、N,N−ジイソプロピルアミン(3.55g, 27.5mmol)をジクロロメタン(125ml)に溶解させたものを、激しく攪拌しながら−78℃にて3.5時間かけてゆっくりと添加した。添加が終了した後、シリカゲルTLCが反応の完了を示すまで、反応混合物を−78℃にて90分間さらに攪拌した。この混合物を酢酸エチル(1000ml)で希釈し、次いで1NHCl(500ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)、および10%塩化ナトリウム水溶液(500ml)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させ、濾過した。得られた溶液を真空ロータリーエバポレータで留去して、得られたオイルを高真空下で乾燥させることにより、薄黄色の発泡状物質が得られた。精製のために、粗生成物をエーテル−ペンタン(1:1,250ml)にて洗浄した。生成物を濾過後、高真空下で乾燥させた後、薄黄色の結晶粉末(11.28g, 84%)が得られた。融点は159-161℃であった。
ジフェニルメチル(6R,7R)−(8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ)−3−トリフルオロメチルスルフォニルオキシ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート、およびジフェニルメチル(6R,7R)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(ワンポットプロセス)
Figure 2005509039
マグネチックスターラ、ゴム製のセプタム、および乾燥窒素を入れた風船を取り付けた三ツ口フラスコ内で、−78℃にて、(6R,7R)ジフェニルメチル(3−ヒドロキシ−8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(2.00g, 3.87mmol)の乾燥ジクロロメタン(30ml)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(500mg, 3.87mmol)を添加し、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 (1.09g, 3.87mmol)を攪拌しながら添加すると、反応混合物が明黄色へと変化した。この溶液を−78℃で30分間攪拌すると、シリカゲルTLCにおいて反応完了が示唆された。この溶液に、メトキシメタンチオール(393mg, 5.03mmol)を含むCDCl溶液(8.48ml)を−78℃で添加した。次いで、ジクロロメタン(20ml)に溶解させたN,N−ジイソプロピルエチルアミン(551mg, 4.26mmol)を−78℃で3時間かけてゆっくりと滴下した。反応混合物をさらに−78℃にて60分間攪拌し、次いで酢酸エチル(600ml)で希釈した。得られた溶液を1N塩酸(300ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)、および10%塩化ナトリウム水溶液(300ml)で順に洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた。濾過後、真空ロータリーエバポレータにて溶媒を留去して、薄ベージュ色の非晶性固体(発泡状)が得られた。この粗生成物はクロロホルム−ヘキサンから再結晶により精製された(1.89g, 81%)。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3400, 2920, 1780, 1725, 1690, 1595, 1510, 1485, 1370, 1220, 1170, 1085 cm−1
ジフェニルメチル(6R,7R)−(8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ)−3−トリフルオロメチルスルフォニルオキシ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート、およびジフェニルメチル(6R,7R)−3−アセタミノメチルチオ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(ワンポットプロセス)
Figure 2005509039
マグネチックスターラ、ゴム製のセプタム、および乾燥窒素を入れた風船を取り付けた三ツ口フラスコ内で、−78℃にて、(6R,7R)ジフェニルメチル(3−ヒドロキシ−8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(100mg, 0.193mmol)の乾燥ジクロロメタン(1.5ml)溶液にN−エチルジイソプロピルアミン(25mg, 0.193mmol)を添加し、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 (54.5mg, 0.193mmol)を攪拌しながら添加すると、反応混合物が明黄色へと変化した。懸濁液を−78℃で30分間さらに攪拌した後、シリカゲルTLCにおいて反応完了が示唆された。この溶液に、アセタミノメタンチオール(105 mg, 0.25mmol)を含むCDCl溶液(0.50ml)を−78℃で添加した。次いで、ジクロロメタン(1.0ml)に溶解させたN,N−ジイソプロピルエチルアミン(27.5mg, 0.21mmol)を−78℃で3時間かけてゆっくりと滴下した。反応混合物をさらに−78℃で60分間攪拌し、次いで酢酸エチル(30ml)で希釈した。得られた溶液を1N塩酸(15ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)、および10%塩化ナトリウム水溶液(15ml)で順に洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた。濾過後、真空ロータリーエバポレータにて溶媒を留去して、薄ベージュ色の非晶性固体(発泡状)が得られた。これをトルエン−酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、非晶性固体(55.9mg, 52%)を得た。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3450, 2920, 1780, 1725, 1715, 1690, 1595, 1510, 1485cm−1
ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(G側鎖の脱離)
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネットスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、−20℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェニルアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(2.80g, 5mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液にN,N−ジメチルアニリン(1.50g, 12.5mmol)を添加し、次いで五塩化リンを5分間以内に添加した。反応混合物は暗色に変化した。−15℃〜−20℃で1.5時間攪拌を続けた。同じ温度にて乾燥メタノール(10ml)を添加し、さらに3.5時間攪拌を行なった。この操作中、薄黄色の沈殿が形成され、反応混合物は見えなくなった。酢酸エチル(300ml)および水(150ml)を添加し、得られた混合物を20分間攪拌した。水層のpHは1から2の間であった。有機層を取り出し、水層を酢酸エチル(100ml)にて2回抽出した。有機層を合わせて10%塩化ナトリウム水溶液(250ml)および飽和塩化ナトリウム水溶液(250ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた。濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去して、黄色のオイルを得た。これをトルエン−酢酸エチル(5:2,20フラクション,各30ml)を用いたシリカゲル(30g)によるカラムクロマトグラフィーにて精製して、薄黄色の非晶性固体(発泡状, 1.50g, 68%)が得られた。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3400, 3330, 3030, 2960, 2930, 1775, 1725, 1600, 1490, 1445, 1365, 1220, 1180, 1130, 1085, 1010, 950cm−1。CDCl中のNMR−スペクトル(ppm):1.89(br s, 2H), 3.31(s, 3H), 3.70(d, 1H), 3.81(d, 1H, J=17.4Hz), 4.64(d, 1H, J=12.2Hz), 4.72(d, 1H, J=4.9Hz), 4.80(d, 1H, 9H, J=12.2Hz), 4.97(d, 1H, J=4.9Hz), 6.96(s, 1H), 7.24-7.47(m, 10H)。
ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(V側鎖の脱離)
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、−20℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェノキシアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(600mg, 1.04mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液にN,N−ジメチルアニリン(315mg, 2.6mmol)を添加し、次いで五塩化リン(303mg, 1.46mmol)を5分間以内に添加した。反応混合物を−20℃で60分間攪拌した。さらに1時間攪拌した後、少量のサンプルを15分間加水分解して、シリカゲルTLCにて有機層を調べた。これにより、反応完了が確認された。反応混合物を酢酸エチル(75ml)で希釈し、得られた混合物を水(35ml)とともに20分間攪拌した。水層のpHは1から2の間であった。有機層を取り出し、水層を酢酸エチル(25ml)にて2回抽出した。有機層を合わせて10%塩化ナトリウム水溶液(50ml)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた。濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去して、黄色のオイルを得た。これをトルエン−酢酸エチル(5:2,25フラクション,各3ml)を用いたシリカゲル(3.3g)によるカラムクロマトグラフィーにて精製して、薄黄色の非晶性固体(331mg, 72%)が得られた。スペクトルデータは、G側鎖が脱離して得られた生成物のスペクトルデータと一致した。
(6R,7R)−7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッドの調製
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた10mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(221.3mg, 0.5mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液にトリフルオロ酢酸(2ml)を攪拌しながらゆっくりと添加した。3時間後、この反応混合物をペンタン−エーテル(4:1)の混合液(40ml)に攪拌しながらゆっくりと添加すると、無色の沈殿が形成された。この沈殿を遠心分離にて集め、ペンタン−エーテル(4:1)の混合液(10ml)で2回洗浄した。冷水(1.5ml)中にトリフルオロ酢酸塩(110.4mg, 80%)を溶解させて、10%炭酸水素ナトリウムでpH7に調整した。水(5フラクション, 各10ml)、水−メタノール(4:1, 5フラクション, 各10ml)、水−メタノール(3:2)を用いたHP−20ダイアイオンポリマーレジン(10g,スロークロマトグラフィー)にて精製し、真空中で溶媒を留去した後、純生成物(73mg, 53%)が得られた。この残渣を冷水(7ml)に溶解させ、−20℃で凍結乾燥させて純生成物(73mg, 53%)を得た。DO中のNMR−スペクトル(ppm):3.4(s, 3H), 3.5(d, 1H, J=18Hz), 3.9(d,1H, J=18Hz), 4.7(d, 1H, J=12Hz), 4.9(d, J=12Hz), 5.2(d, J=4Hz), 5.7(d, J=4Hz)。
(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェノキシアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド(1d)の調製(脱保護による)
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた10mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(576mg, 1mmol)のメトキシベンゼン(5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(5ml)をゆっくりと添加し、この反応混合物を3.5時間0℃で攪拌した。シリカゲルTLCにおいて反応完了が示唆された。この反応混合物を0℃でゆっくりとペンタン−エーテル(4:1)の混合液(100ml)に添加し、遠心分離によって残渣沈殿物を収集した。この残渣沈殿物をペンタン−エーテル(4:1)の混合液(20ml)で2回洗浄して、生成物を非晶性粉末として得た(292mg, 74%)。CDCl/CDCOOD中のNMR−スペクトル(ppm):3.4(s, 3H), 3.7(d, 1H, J=18Hz), 3.9(d, 1H, J=18Hz), 4.6(s, 2H), 4.85(s, 2H), 4.8, 5.1(d, 1H, J=4Hz), 5.8(dd, 1H, J=4Hz, J=9Hz), 6.9-7.3(m, 5H), 7.4(d, 1H, J=9Hz)。
(6R,7R)−(3−アセタミノメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェノキシアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド(1 e)の調製(脱保護による)
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた5mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−3−アセタミノメチルチオ−8−オキソ−7−フェノキシアセタミノ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(55.9mg, 0.1mmol)のメトキシベンゼン(0.5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5ml)をゆっくりと添加し、この反応混合物を3.5時間0℃で攪拌した。シリカゲルTLCにおいて反応完了が示唆された。この反応混合物を0℃でゆっくりとペンタン−エーテル(4:1)の混合液(10ml)に添加し、遠心分離によって残渣沈殿物を収集した。これをペンタン−エーテル(4:1)の混合液(2ml)で2回洗浄して、生成物を非晶性粉末として得た(24mg, 55%)。DO/KHCO中のNMR−スペクトル(ppm):2.0(s, 3H), 3.7(d, 1H, J=18Hz), 3.9(d, 1H, J=18Hz), 4.6(s, 2H), 4.4および4.6(Abq, 2H, J=14Hz), 4.7(d, 1H, J=12Hz), 5.1(d, 1H, J=4Hz), 5.8(dd 1H, J=4Hz, J=9Hz), 5.8-6.2(m, 5H)。
(6R,7R)−(3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−7−(2−フェノキシアセタミノ)−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド(1d)の調製(アシル化による)
Figure 2005509039
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた10mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、炭酸水素ナトリウム(140mg, 1.66mmol)を含む、(6R,7R)−7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド(138mg, 0.5mmol)の水(0.4ml)およびアセトン(0.3ml)溶液に、フェノキシアセチルクロライド(93mg, 0.55mmol)の溶液を0℃にて攪拌しながらゆっくりと滴下した。この反応混合物を一晩5℃で攪拌した。アセトンを真空留去して、水溶液を水(2ml)で希釈し、次いで酢酸エチル(2ml)で洗浄し、さらに、酢酸エチル(5ml)の存在下で冷却しながらpHが2.5になるように酸性にした。有機層を冷水(2ml)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた。濾過後、溶媒を真空留去して、生成物を無色固体として得た(143mg, 70%)。NMR−スペクトルは脱保護プロセス(実施例7)から得られた生成物と一致した。
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(1a)の調製
Figure 2005509039
ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた25mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(200mg, 0.45mmol)および(Z)−(2−N−Boc−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸(BOC-ATHMOA, 143mg, 0.48mmol)のジクロロメタン(3.4ml)懸濁液に、N−メチルモルフォリン(105mg, 1.04mmol)を−20℃にてシリンジで添加した。透明な溶液が得られるまで攪拌を続けた(5分間)。フェニルフォスフォリルジクロライド(114mg, 0.54mmol)を滴下し、この反応混合物を−20℃にてさらに45分間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(15ml)で希釈し、次いで、1N塩酸(7ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(7ml)、10%塩化ナトリウム水溶液(7ml)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(7ml)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させ、濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去した。高真空下で短時間乾燥させた後、黄色の非晶性固体(発泡状)が得られた。この固体はトルエン−酢酸エチル(7:1)およびフラクション(各9ml)を用いたシリカゲル(9g)によるクロマトグラフィーによって精製された。フラクション6−19から溶媒を留去し、高真空で乾燥させて、生成物が薄黄色の非晶性固体として得られた(279mg, 85%,発泡状)。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3395, 3250, 3030, 2930, 1750, 1715, 1680, 1600, 1540, 1445, 1370, 1220, 1155, 1085, 1045, 1000, 950, 890cm−1
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(1a)
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けたシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(508mg, 0.70mmol)のメトキシベンゼン(3.5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(3.5ml)をゆっくりと添加した。シリカゲルTLCおよび逆相シリカゲルで反応完了が示唆されるまでこの混合物を室温で3.5時間攪拌した。この反応混合物をペンタン−エーテル(4:1)の混合液(70ml)に攪拌しながらゆっくりと滴下した。ベージュ色の固体が沈殿した。この沈殿を遠心分離にて集め、ペンタン−エーテル(4:1)の混合液(40ml)で2回洗浄した。粗生成物を冷水(14ml)に懸濁させ、固体状のKHCOを溶解させてpHを8に調整した。この溶液について、水(7フラクション, 各30ml)および水−メタノール(4:1, 7フラクション, 各30ml)を用いたHP−20ダイアイオンポリマーレジン(31g)にてゆっくりとクロマトグラフィーを行なった。ドライアイスのトラップを用いた高真空のロータリーエバポレータによって、フラクション8−13から溶媒を留去した。高真空で乾燥させた後、残渣を乾燥エーテルで処理して、ベージュ色の固体を得た(220mg, 63%)。融点194-197℃(dec)。DO中のNMR−スペクトル(ppm):3.41(s, 3H), 3.63(d, 1H, J=17.6Hz), 3.91(d, 1H, J=17.6Hz), 4.00(s, 3H), 4.76(d,1H, J=11.7Hz), 4.94(d, 1H, J=11.7Hz), 5.27(d, 1H, J=4.8Hz), 5.80(d, 1H, J=4.8Hz), 7.04(s, 1H)。
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−ヒドロキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(1f)の調製
Figure 2005509039
ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−チアゾイル−4−イル)−2−トリフェニルメチルオキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた25mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(100mg, 0.225mmol)および(Z)−(2−N−Boc−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−トリフェニルメトキシイミノ酢酸(84.4mg, 0.24mmol)のジクロロメタン(1.7ml)懸濁液に、N−メチルモルフォリン(52.5mg, 0.52mmol)を−20℃にてシリンジで添加した。透明な溶液が得られるまで攪拌を続けた(5分間)。フェニルフォスフォリルジクロライド(57mg, 0.26mmol)を滴下し、この反応混合物を−20℃にてさらに45分間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、次いで、1N塩酸(5ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、10%塩化ナトリウム水溶液(5ml)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(5ml)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させ、濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去した。高真空下で短時間乾燥させた後、黄色の非晶性固体(発泡状)が得られた。この固体はトルエン−酢酸エチル(19:1)を用いたシリカゲル(5g)によるクロマトグラフィーによって精製されて、生成物を薄黄色の非晶性固体として得た(149mg, 66%,発泡状)。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3395, 3250, 3030, 2930, 1750, 1715, 1680, 1600, 1540, 1220, 1155, 1085cm−1
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(1f)
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けたシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−チアゾイル−4−イル)−2−トリフェニルメトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(99.6mg, 0.07mmol)のメトキシベンゼン(0.35ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.35ml)をゆっくりと添加した。シリカゲルTLCおよび逆相シリカゲルで反応完了が示唆されるまでこの混合物を室温で3.5時間攪拌した。この反応混合物をペンタン−エーテル(4:1)の混合液(7ml)に攪拌しながらゆっくりと滴下した。ベージュ色の固体が沈殿した。この沈殿を遠心分離にて集め、ペンタン−エーテル(4:1)の混合液(7ml)で2回洗浄した。粗生成物を冷水(7ml)に懸濁させ、固体状のKHCOを溶解させてpHを8に調整した。この溶液について、水(7フラクション, 各3ml)および水−メタノール(4:1, 7フラクション, 各3ml)を用いたHP−20ダイアイオンポリマーレジン(3g)にてゆっくりとクロマトグラフィーを行なった。ドライアイスのトラップを用いた高真空のロータリーエバポレータによって、フラクション8−12から溶媒を留去した。高真空で乾燥させた後、残渣を乾燥エーテルで処理して、ベージュ色の固体を得た(22mg, 64%)。DO中のNMR−スペクトル(ppm):3.4(s, 3H), 3.5(d, 1H, J=17.6Hz), 3.8(d, 1H, J=17.6Hz), 4.7(d, 1H, J=11.7Hz), 4.9(d, 1H, J=11.7Hz), 5.2(d, 1H, J=4.8Hz), 5.8(d, 1H, J=4.8Hz), 7.0(s, 1H)。
ジポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−カルボキシメトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(1b)の調製
Figure 2005509039
ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−(tert−ブトキシカルボキシ−メトキシミノ)−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた25mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(443mg, 1mmol)および(Z)−2−(2−アミノチアゾイル−4−イル)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メトキシイミノ)−酢酸(ATMA)のジクロロメタン(7.5ml)懸濁液に、N−メチルモルフォリン(233mg, 2.3mmol)を−20℃にてシリンジで添加した。透明な溶液が得られるまで−20℃で10分間攪拌を続けた。フェニルフォスフォリルジクロライド(253mg, 1.2mmol)を滴下し、この反応混合物を−20℃にて1.5時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(30ml)で希釈し、次いで、1N塩酸(15ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)、10%塩化ナトリウム水溶液(15ml)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(15ml)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させ、濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去した。高真空下で短時間乾燥させた後、黄色の非晶性固体(発泡状)が得られた。この固体はトルエン−酢酸エチル(3:2)を用いたシリカゲル(18g)によるクロマトグラフィーによって精製されて、フラクションが採取された(各18ml)。フラクション8−18から溶媒を留去して高真空で乾燥させて、生成物を薄黄色の非晶性固体として得た(573mg, 79%,発泡状)。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3480, 3380, 3250, 3030, 2970, 2930, 1780, 1720, 1680, 1600, 1530, 1450, 1375, 1220, 1145, 1120, 1085, 1040, 1000, 950, 890, 845, 810 cm−1
ジポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−カルボキシ−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けたシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−(tert−ブトキシカルボキシ−メトキシミノ)−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(73mg, 0.10mmol)のメトキシベンゼン(0.5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5ml)をゆっくりと添加した。シリカゲルTLCおよび逆相シリカゲルで反応完了が示唆されるまでこの混合物を室温で3.5時間攪拌した。この反応混合物をペンタン−エーテル(4:1)の混合液(10ml)に滴下した。ベージュ色の固体が沈殿した。この沈殿を遠心分離にて集め、ペンタン−エーテル(4:1)の混合液(7ml)で2回洗浄した。粗生成物を冷水(3ml)に懸濁させ、固体状のKHCOを溶解させてpHを8に調整した。この溶液について、水(10フラクション, 各5ml)を用いたHP−20ダイアイオンポリマーレジン(5g)にてゆっくりとクロマトグラフィーを行なった。ドライアイスのトラップを用いた高真空のロータリーエバポレータによって、フラクション5−9から溶媒を留去した。高真空で乾燥させた後、残渣を乾燥エーテルで処理して、ベージュ色の固体を得た(29mg, 50%)。融点.196-198℃(dec).DO中のNMR−スペクトル(ppm):3.41(s, 3H), 3.63(d, 1H, J=17.6Hz), 3.90(d, 1H, J=17.6 Hz), 4.58(s, 2H), 4.76(d, 1H, J=11.7Hz), 4.95(d, 1H, J=11.7Hz), 5.27(d, 1H, J=4.8Hz), 5.82(d, 1H, J=4.8Hz), 7.05(s, 1H)。
ポタシウム(2'R,6R,7R)−7−(2'−アミノ−2'−フェニルアセタミノ)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド(1c)の調製
Figure 2005509039
ジフェニルメチル(2'R,6R,7R)−7−(2'−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−2'−フェニルアセタミノ)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシレート
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けた10mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、ジフェニルメチル(6R,7R)−(7−アミノ−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート(100mg, 0.23mmol)およびBOC−D−フェニルグリシン(60mg, 0.24mmol)のジクロロメタン(1ml)懸濁液に、N−メチルモルフォリン(233mg, 2.3mmol)を−20℃にてシリンジで添加した。透明な溶液が得られるまで−20℃で5分間攪拌を続けた。フェニルフォスフォリルジクロライド(57mg, 0.27mmol)を滴下し、この反応混合物を−20℃にてさらに30分間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、次いで、1N塩酸(5ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、10%塩化ナトリウム水溶液(5ml)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(5ml)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム存在下で乾燥させ、濾過後、溶媒を真空ロータリーエバポレータで留去した。高真空下で短時間乾燥させた後、黄色の非晶性固体(発泡状)が得られた。この固体はトルエン−酢酸エチル(9:1)およびフラクション(各6ml)を用いたシリカゲル(6g)によるクロマトグラフィーによって精製された。フラクション5−19から溶媒を留去し、高真空で乾燥させて、生成物が薄黄色の非晶性固体として得られた(573mg, 79%,発泡状)。ジクロロメタン中のIRスペクトル:3400, 3400, 3020, 2960, 2920, 1780, 1720, 1685, 1595, 1495, 1365, 1310, 1215, 1160, 1110, 1080, 1025, 950cm−1
(2'R,6R,7R)−7−(2'−アミノ−2'−フェニルアセタミノ)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシリックアシッド
ゴム製のセプタム、マグネチックスターラ、およびアルゴンを充填した風船を取り付けたシュレンク(Schlenk)フラスコ内で、0℃にて、ジフェニルメチル(2'R,6R,7R)−7−(2'−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−2'−フェニルアセタミノ)−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシレート(67mg, 0.10mmol)のメトキシベンゼン(0.5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5ml)をゆっくりと添加した。この混合物を室温で1.5時間攪拌した。この反応混合物を攪拌しながらペンタン−エーテル(4:1)の混合液(10ml)に0℃でゆっくりと滴下した。ベージュ色の固体が沈殿した。この沈殿を遠心分離にて集め、ペンタン−エーテル(4:1)の混合液(5ml)で2回洗浄した。粗生成物を冷水(3ml)に懸濁させた。この溶液について、水(5フラクション, 各5ml)、水−メタノール(4:1)(5フラクション, 各5ml)、および水−メタノール(3:2) (5フラクション, 各5ml)を用いたHP−20ダイアイオンポリマーレジン(4.1g)にてゆっくりとクロマトグラフィーを行なった。ドライアイスのトラップを用いた高真空のロータリーエバポレータによって、フラクション6−13から溶媒を留去した。高真空で乾燥させた後、残渣を乾燥エーテルで処理して、ベージュ色の固体を得た(25mg, 61%)。融点219-222℃(dec)。DO中のNMR−スペクトル(ppm):3.37(s, 3H), 3.43(d, 1H, J=17.6Hz), 3.75(d,1H, J=17.6Hz), 4.58(s, 2H), 4.71(d, 1H, J=11.6Hz), 4.88(d, 1H, J=11.6Hz), 5.11(s, 1H), 5.12(d, 1H, J=4.6Hz), 5.69(d, 1H, J=4.6Hz), 7.42-7.54(m, 5H)。
セファロスポリンIのインビトロ活性
最小阻害濃度(MIC)は、異なる濃度の抗生物質(0.1μg/ml最大64μl)のDIFCOバクト栄養寒天(pH6.8)を用いる10cmの殺菌済みプレートを用いて決定された。次いで、このプレートは殺菌済みの懸濁液を用いて接種された。この殺菌済みの懸濁液は、19ピンの接種具(マスト ダイアゴノスティクス(Mast Diagnostics)製)を用いたDIFCOバクト栄養寒天(pH6.8)中で一晩培養した培地(37℃)を、殺菌済みの1%塩化ナトリウム(1:1000)で希釈することにより得られた。MIC(μg/ml)は37℃で18時間インキュベートした後に決定された。
Figure 2005509039
希釈していない、一晩培養した培地を用いて接種した後の接種効果を示す(表1と比較)。MIC(μg/ml)は37℃で18時間インキュベートした後に決定された。
Figure 2005509039
セファロスポリンIの化学的安定性
加水分解による半減期(h=時間)は、生理的リン酸緩衝液ならびに0.01Nの塩酸(HCl)を含む生理的塩化ナトリウム溶液におけるUVスペクトルによって37℃にて決定された。
Figure 2005509039
セファロスポリンIの血清安定性
血清中での安定性は、エスシェリシア コリ TEM1(Escherichia coli TEM1)を用いた寒天拡散試験(agar diffusion test)を用いて微生物学的に決定された。化合物Iは、殺菌済みのウシ血清(OXOID)を用いて37℃でインキュベートされた。等分されたサンプルは0時間、1時間、2時間、および4時間の間隔で観察され、活性な抗生物質の残存量は、30[μg]、15[μg]、7.5[μg]、および3.75[μg]の抗生物質を用いて得られた阻害半径(15-30mm)と比較して、阻害半径(18-30mm)から計算された。
Figure 2005509039
セファロスポリン1aのインビボ活性
インビボ活性(ED50)が決定された。イーコリ3981 TEM−1(E.coli 3981 TEM-1)のca.10CFUをマウスに腹腔内注入した。未処理の動物は投与後48時間以内に死亡した。化合物は、1回目を注入後10分経過後に、そして2回目を4時間経過後に経口投与または皮下投与された。50%有効量(ED50)は、各投与量において7日目まで生存している動物の割合からスペアマン−カーバー(Spearman-Karber)法により計算された。
Figure 2005509039
薬剤学的調剤の製造
60[mg]のポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレートを、20[mg]のラクトースおよび5[mg]のステアリン酸マグネシウムと混合することにより単位投与量の形態を調製し、この85[mg]の混合物をNo.3のゼラチンカプセルに添加した。同様に、より活性が高い成分およびより少ない量のラクトースが用いられる場合、他の投与量の形態を利用可能であり、No.3のゼラチンカプセルに詰められる。同様に、より大きなゼラチンカプセルおよび圧縮された錠剤ならびに丸薬も製造可能である。以下の実施例は薬剤学的調剤の製造を図示する。
錠剤(経口投与用)
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート 120mg
コーンスターチ 6mg
ステアリン酸マグネシウム 232mg
リン酸ジカルシウム 192mg
ラクトース 250mg
活性成分は、リン酸ジカルシウム、ラクトース、および半量のコーンスターチと混合され、粗くふるいにかけられる(coarse-sieved)。これを高真空で乾燥させ、1.00[mm]幅(No.16スクリーン)のメッシュを使用したふるいを用いて再び漉す。残りのコーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムを添加し、この混合物を圧縮して、各重量が800[mg]で直径約1.27[cm](0.5インチ)の錠剤を得る。
非経口溶液
アンプル
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート 250mg
殺菌済み水(使用する直前にシリンジを用いて個別のアンプルから添加された) 4ml
眼用溶液
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート 50mg
ヒドキシプロピルメチルセルロース 5mg
殺菌済み水(使用する直前にシリンジを用いて個別のアンプルから添加された) 1ml
耳用溶液
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート 50mg
塩化ベンザルコニウム 0.1mg
殺菌済み水(使用する直前にシリンジを用いて個別のアンプルから添加された) 1ml
塗布用クリームまたは軟膏
ポタシウム(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾイル−4−イル)−2−メトキシミノ−アセチルアミノ]−3−メトキシメチルチオ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン)−2−カルボキシレート 100mg
ポリエチレングリコール4000 400mg
ポリエチレングリコール400 1.0g
上記調剤における活性成分は、単独であるいは他の生物学的活性成分(例えば、ペニシリンまたはセファロスポリンのような他の抗生物質薬剤またはプロベニシドのような他の治療用薬剤)と混合可能である。
明細書および実施例は例示的なものであって、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および範囲内で他の実施形態が当業者に示唆されるであろうと理解される。

Claims (10)

  1. 構造式Iで表される化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、エステル、あるいはアミド誘導体(構造式I中、Rは、セファロスポリンの分野で慣習的に用いられている薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、Rは、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基を示す。)。
    Figure 2005509039
  2. が、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、2−アミノ−2−フェニルアセチル、2−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−アミノ−2−(1,4−シクロヘキサジエニル)アセチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(メトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2,2−ジフルオロメトキシミノ)−アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(カルボキシメトキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−((1−カルボキシ−1−(メチルエトキシ)イミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−2−(ヒドロキシミノ)アセチル、Z−2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−2−ペンテノイル、2−(2−アミノ−4−チアゾイル)−4−カルボキシ−1−オキソ−2−ブテニル、2−(シアノメチルチオ)アセチル、2−(ジフルオロメチルチオ)アセチル、2−(フルオロメチルチオ)アセチル、2−(2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)アセチル、α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)−α−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−(2−(アミノメチル)フェニル)アセチル、[4−(2−アミノ−1−カルボキシ−2−オキソエチリジン)−1,3−ジエタン−2−イル]カルボニル、2−チエニルアセチル、1−(1H)−テトラゾリルアセチル、2−(3,5−ジクロロ−4−ピリドン−1−イル)アセチル、2−(5−カルボキシ−4−イミダゾリルカルボキサミド)フェニルアセチル、フェニルスルフォアセチル、2−フラニル(メトキシミノ)アセチル、シアノアセチル、5−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル、2−(4−ピリジルチオ)アセチル、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチル、1H−ピラゾル−3−イル(メトキシミノ)アセチルから選択される薬剤学的に許容可能な側鎖ラジカルを示し、
    が、酸素−炭素単結合または窒素−炭素単結合によって分子の残存部位に結合する薬剤学的に許容可能な基であって、置換されたまたは未置換の:アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルチオカルボニルオキシ、アシルオキシ、チオアシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、カルバモイルオキシ、チオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルオキシカルボニルオキシ、ヘテロシクリルオキシチオカルボニルオキシ、N−ヘテロシクリルカルバモイルオキシ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、ヘテロシクリルチオカルボニルアミノ、ヘテロシクリルオキシカルボニルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシチオカルボニルアミノ、チオアシルアミノ、N−ヘテロシクリルカルバモイルアミノ、N−ヘテロシクリルチオカルバモイルアミノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、イミドイルアミノ、グアニジノ、N−ヘテロシクリル−アルコキシカルボニルアミノ、N−ヘテロシクリル−アルキルチオカルボニルアミノ、およびN−スルフォニルアミノを含む群から選択され、ここで、上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、チオアシルまたはイミドイル分子部位は1−6個の炭素原子を含み、ヘテロシクリル骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子は酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含む種から選択され、上記R群の置換基は互いに独立して、アルキル、アシル、チオアシル、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミジノアルコキシ、グアニジノアルコキシ、アシルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルオキシ、アミノアルキルヘテロシクリルオキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシ、ジアルキルカルバモイルオキシ、チオカルバモイル、アルキルチオカルバモイル、ジアルキルチオカルバモイル、チオカルバモイルオキシ、アルキルチオカルバモイルオキシ、ジアルキルチオカルバモイルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ヒドロキシアルキルチオ、アミノアルキルチオ、モノアルキルアミノアルキルチオ、ジアルキルアミノアルキルチオ、アミジノアルキルチオ、アシルチオ、ヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、ヒドロキシアルキルヘテロシクリルチオ、アミノアルキルヘテロシクリルチオ、カルバモイルチオ、モノアルキルカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、チオカルバモイルチオ、アルキルチオカルバモイルチオ、ジアルキルカルバモイルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、オキソ、オキシミノ、またはアルキルイミノ、イミドイルアミノ、アルキルイミドイルアミノ、ジアルキルイミドイルアミノ、テトラアルキルアンモニウム、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アルキルヘテロシクリルカルボニルアミノ、アシルアミノ、アミジノ、モノアルキルアミジノ、ジアルキルアミジノ、グアニジノ、アルキルグアニジノ、ジアルキルグアニジノ、カルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルカルバモイルアミノ、チオカルバモイルアミノ、アルキルチオカルバモイルアミノ、ニトロ、クロロ、ブロモ、フロオロ、ヨード、アジド、シアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、スルフォンアミド、スルファモイルオキシ、アルキルスルファモイルオキシ、アルキルスルフォニルオキシまたはスルフォ、スルフォキシ、カルボキサミド、N−モノアルキルカルボキサミド、N,N−ジアルキルカルボキサミドまたはカルボキシであることができ、前記置換は互いに独立して1個または数個存在し、前記アルキル骨格は1−6個の炭素原子を含み、前記ヘテロシクリック骨格は単環性または二環性でかつ3−10個の環原子を含み、該環原子のうち1ないしそれ以上が酸素原子、硫黄原子、および窒素原子を含む種から選択された、請求項1に記載の化合物、およびその薬剤学的に許容可能な塩、エステル、ならびにアミド誘導体。
  3. は請求項2に定義された通りであり、Rはメトキシまたはアセチルアミノから選択される薬剤学的に許容可能な基を示す、請求項1または2に記載の化合物、およびその薬剤学的に許容可能な塩、エステル、およびアミド誘導体。
  4. 抗菌性に関して有効な量の請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物と、薬剤学的な賦形剤とを含む、抗菌性組成物。
  5. 単位投与量の形態である、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物。
  6. 下記式で表される化合物(式中、Rは請求項1−3に定義された通りであり、Xは慣習的な脱離基であり、Rは水素原子または慣習的なカルボキシ保護基である。)を、式HS−CH−Rで表される慣習的なチオールまたはその有機塩あるいは非有機塩(式中、Rは請求項1−3に定義された通りである。)と反応させることを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物を調製する方法。
    Figure 2005509039
  7. 下記式で表される化合物(式中、Rは請求項1−3に定義された通りであり、Rは水素原子であり、Rは慣習的なカルボキシ保護基または水素原子である。)を、式R−Xで表されるアシル化剤(式中、Rは請求項1−3に定義された通りであり、Xは慣習的な脱離基である。)と反応させることを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物を調製する方法。
    Figure 2005509039
  8. 下記式で表される化合物(式中、RおよびRは請求項1−3に定義された通りであり、Rは慣習的なカルボキシ保護基である。)を脱保護化剤と反応させることを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物を調製する方法。
    Figure 2005509039
  9. 下記式で表される化合物(式中、Rは請求項1−3に定義された通りであり、Rはフェニルアセチルまたはフェノキシアセチルであり、Rは慣習的なカルボキシ保護基である。)を、非有機酸塩化物、炭素原子数が1−6個のアルコール、および水と順に反応させることを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物の調製における中間体へと導く脱N−アシル化方法。
    Figure 2005509039
  10. 下記式で表される、請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物の調製のための中間体(式中、Rは請求項1−3に定義された通りであり、Rは水素原子であり、Rは水素原子または慣習的なカルボキシ保護基である。)。
    Figure 2005509039
JP2003544055A 2001-11-12 2002-11-04 C−3がs/oおよびs/nである新規なセファロスポリンのホルムアルデヒドアセタール誘導体およびその抗生物質としての使用 Pending JP2005509039A (ja)

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