JP2005508004A - 丸形コンダクタnmr用rf共鳴器 - Google Patents
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Abstract
【課題】RFロスを減らし、NMR測定感度を向上させ、磁場均一性を向上させる高周波コイルおよびコイルアセンブリを提供する。
【解決手段】核磁気共鳴(NMR)プローブ用高周波(RF)コイルは、シートにより形成された端部リングを連結する丸形縦コンダクタを含む。丸形コンダクタは、カールされたシートまたはワイヤによって形成され得る。丸形コンダクタは、コイルウインドウ縁でのRFロスを減らし、それによってコイル感度を増す。丸形コンダクタはまた、直交コイルにより生じる磁場への透過率を増すことにより、前記直交コイルのコイル感度を増す。単一のエッチングを施したシートの縦セクションをカールしてチューブ状縦コンダクタを形成することにより、カールシートRFコイルを製造できる。
【選択図】図2−A
【解決手段】核磁気共鳴(NMR)プローブ用高周波(RF)コイルは、シートにより形成された端部リングを連結する丸形縦コンダクタを含む。丸形コンダクタは、カールされたシートまたはワイヤによって形成され得る。丸形コンダクタは、コイルウインドウ縁でのRFロスを減らし、それによってコイル感度を増す。丸形コンダクタはまた、直交コイルにより生じる磁場への透過率を増すことにより、前記直交コイルのコイル感度を増す。単一のエッチングを施したシートの縦セクションをカールしてチューブ状縦コンダクタを形成することにより、カールシートRFコイルを製造できる。
【選択図】図2−A
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、核磁気共鳴器(NMR)に関し、特に、NMR用高周波(RF)コイルおよびコイルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴(NMR)分析器は典型的には静磁場B0を生じる超伝導マグネットと、前記磁場B0と直交する時間変化磁場B1を生じ且つ印加された磁場へのサンプルの応答を検知するための1個またはそれ以上の特定目的高周波(RF)コイルとを含む。各RFコイルは、サンプル中に存在する当該核のラーモア周波数で共鳴する。RFコイルは、典型的にはNMRプローブの一部として提供され、試験管またはフローセル中に置かれたサンプルの分析に使用される。静磁場B0の方向は一般にz軸と呼ばれ、一方、z軸と直交する平面は、一般にx−yまたはθ平面と呼ばれる。下記の説明において、「縦」という言葉は通常z方向を指すために使用され、一方、「横」という言葉はθ方向を指すために使用される。
【0003】
NMRに使用される従来のRFコイルは、らせんコイル、サドル状コイル、共鳴キャビティおよびバードケージ共鳴器を含む。バードケージ共鳴器についての情報を得るには、たとえば下記特許文献1、下記特許文献2および下記特許文献3を参照されたい。サドル状コイルおよび他のコイルについての情報を得るには、たとえば下記特許文献4、下記特許文献5、下記特許文献6、下記特許文献7、下記特許文献8、下記特許文献9、下記特許文献10および下記特許文献11を参照されたい。
【0004】
NMRコイルによって達成される測定感度は、コイル特性係数Qおよびその充填係数(フィルファクター)nと共に増加する。特性係数Qは、コイルロスを減少させることにより最大化できる。充填係数nは、サンプルに対するコイル寸法を小さくすることにより増大させ得る。同時に、サンプルに対するコイル寸法を小さくすると、磁場の不均一性が増す。RF磁場の不均一性は、測定感度に悪い影響を与える。さらに、コイルデザインとコイルの大きさとは、コイルを所望の周波数範囲内で共鳴させねばならないことにより限定される。目的とする共鳴周波数は、目的とする核と印加する静磁場B0の強さとにより決定される。
【0005】
従来のコイルの導電部は、典型的には、丸い横断面を有するワイヤかまたは薄いシートからなる導電パターンにより形成されている。シートからなるコイルは、一定のコイル寸法と共鳴周波数に対し、比較的高い分散キャパシタンスを有し、従って比較的低いインダクタンスを有しうる。典型的なシートコンダクタコイルにより達成できる測定感度は、コイルロスにより制約される。
【0006】
NMRプローブは多数のNMRコイルを含んでよく、NMRコイルのそれぞれは異なる当該核のNMR測定を行うようにチューニングされている。たとえば、あるNMRプローブはプロトンについてNMR測定を行う1個のコイルと、13Cまたは15Nのような他の対象とする核のNMR測定を行うもう1個のコイルとを含むことができる。このようなNMRプローブにおいて、1個のコイルのデザインは、他のコイルの測定能力に影響を与える。2個のコイル間のカップリングを減らすために、これらのコイルは直角(クワドラチャ)状に配置され、その結果これらのコイルによって生じる磁場は互いに直交する。この構成は、コイル間の相互インダクタンスを最小にする。
【0007】
コイルコンダクタに磁化率補償ワイヤまたはシートを使用することにより、静磁場およびRF磁場の均一性を向上させることができる。サンプル付近での磁化率の急変は、サンプル領域における磁場均一性を大いに低下させる。磁化率補償コイルは、一般には空気または真空であるコイル環境の磁化率と等しい磁化率を有する。磁化率補償シートコイルは、2層またはそれ以上の多層のサンドイッチにより形成できる。その場合の複数層の材料および厚さは、コイルにとって所望の効果的な磁化率を生じるように選択される。たとえば、常磁性層と反磁性層とを共に積層すると、単一層それぞれの磁化率よりも絶対値においてきわめて低い効果的な磁化率を生じ得る。磁化率補償を効果的に行うためには、RFコイル厚さが制限される。たとえばゼロに近い効果的なコイル磁化率を達成するには、比較的薄いシートが必要であろう。磁化率補償NMRコイルに関するさらなる情報については、下記特許文献12および下記特許文献13を参照されたい。
【0008】
上記の説明から明らかなように、NMRに使用するRFコイルのデザインは、多数のパラメータにより高度に制約される。RFコイルまたはコイルアセンブリの測定感度を最大化するには、種々のデザインパラメータの効果をバランスよくしなければならない。システムデザイナーに大きなデザインフレキシビリティを与えるコイルデザインは、感度の高いMNRシステムを可能にするであろう。
【特許文献1】
米国特許第4,692,705号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,236,206号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,285,189号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,398,149号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,388,601号明細書
【特許文献6】
米国特許第4,517,516号明細書
【特許文献7】
米国特許第4,641,098号明細書
【特許文献8】
米国特許第4,840,700号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,192,911号明細書
【特許文献10】
米国特許第5,818,232号明細書
【特許文献11】
米国特許第6,201,392号明細書
【特許文献12】
米国特許第3,091,732号明細書
【特許文献13】
米国特許第6,054,855号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、RFロスを減らし、NMR測定感度を向上させ、磁場均一性を向上させる高周波コイルおよびコイルアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
NMRプローブおよび分析器のための高周波コイルは、1対の縦に離間配置されたほぼ横のリング状コンダクタを相互接続する複数個の丸縁縦コンダクタを含む。現在の好ましい実施形態において、各丸縁縦コンダクタは、チューブ状または円筒状部を含むほぼ縦のカールシートから形成される。カールシートおよび横リング形コンダクタは、単一の磁化率補償シートから形成できる。他の実施形態において、各縦コンダクタは、チューブ状ソリッドワイヤから形成される。RFコイルは、バードケージコイルまたはサドル形コイルであってもよい。丸縁シートコイルは、この丸縁コイルに直交し且つ同軸状に配置された追加高周波コイルを含むコイルアセンブリの一部として提供することができる。
【0011】
横シートコンダクタは比較的大きい分散キャパシタンスを提供し、一方、丸形縦コンダクタはコイルロスを減らし且つ直交する磁場に対する透過性を増加させることができる。コイル縁をコイルウインドウの周囲で丸くすることにより、コイル縁でのRF電流の集中を減らし、それによってコイル内のRFロスを減らすことができる。RFロスが減少すると、測定感度が向上する。縦コンダクタの丸い形状もまた、追加直交コイルにより生じる磁場に対する縦コンダクタの透過性を増加させることができる。
【0012】
回転自在のスロット入り縦カーリング部材を含むシートカーリングツールを用いると、単一シートから丸形コンダクタコイルを簡単に製造できる。カーリング部材は、カールされるべきシートコンダクタを保持するための、カーリング部材に沿って延びる縦スロットを有している。スロットの終端は、カーリング部材の縦端部の開口先端に存在する。開口先端は、シートコンダクタをカーリング部材内へ挿入し、またカーリング部材から抜き出すことを可能にする。カーリング部材は、2個の縦に離間配置されたほぼ横の平行なプレートを有する支持体上に装着されている。2個のプレートの一方の上に1対の縦ガイドが装着されている。縦ガイドは他方のプレートの対応する孔を貫通しており、それによって2枚のプレートは縦に滑動して両プレート間に配置されたパターンシートを把持することができる。いったんシートが固着されると、パターンシートのウイングがカーリング部材の縦スロット内に挿入され、カーリング部材がその縦軸の周囲に回転されてウイングを円筒状にカールする。
【0013】
上記本発明の局面および特徴は、添付図面を参照した下記の詳細な説明によりよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
下記の説明において、引用した部材および構造は、一体構造または一体構造の一部として形成されるかまたは多数の別々の構造から形成されていてもよい。「カールされた」すなわち「丸形」コンダクタは、コンダクタが属するコイルの全体的曲率半径よりも小さい曲率半径を有する少なくとも一部分を含むものと理解される。「カールされた」すなわち「丸形」コンダクタは、シートの厚さよりも大きいカールまたは丸形の曲率半径を有するものと理解される。コイルはサンプルホルダに機械的に連結されているという文章は、コイルがサンプルホルダに固定状態で保持されているという意味である。このようなコイルは、中間支持構造を介してターゲットホルダに間接的に連結されていてもよい。第1コイルが第2コイルに対し直交状態に配置されているということは、第1および第2コイルにより形成される磁場が互いにほぼ直交することを意味する。第1コイルは第2コイルに対し同軸状に配置されているということは、これらの2個のコイルがほぼ一致する縦(長手方向の)軸を有するという意味である。「リング」という用語は、スロットを有する(不連続の)リングおよび断面が円形でないリングを含むものと理解される。「チューブ」という用語は、ソリッド(中実)チューブ(たとえばワイヤ製チューブ)および中空チューブ(カールしたシートで形成したチューブ)を含むものと理解される。
【0015】
次に、本発明の実施形態を例を介して説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
図1は、本発明による核磁気共鳴(NMR)分析器12の概略図である。分析器12は、マグネット16と、マグネット16の孔内に挿入されたNMRプローブ20と、マグネット16およびプローブ20とに電気的に接続された制御/取得システム18とを含む。プローブ20は、サンプル22の測定時に目的とするサンプル22を保持する従来のサンプルホルダすなわちサンプル保持部材を含む。プローブ20は、フロースループローブまたは静止サンプルプローブであってもよい。フロースループローブにおいては、サンプル22は典型的にはフローセル内に保持される。静止サンプルプローブでは、サンプル22は、典型的には試験管内に保持される。
【0016】
マグネット16は、サンプルに静止縦磁場B0を印加する。制御/取得システム18は、プローブ20に所望の高周波パルスを与え且つプローブ20内のサンプルの核磁気共鳴特性を示すデータを取得する電子部材を含む。プローブ20はサンプル22に横高周波磁場B1を印加するための、および/または印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するための1個またはそれ以上の高周波(RF)コイル(共鳴器)30a―bを有するコイルアセンブリを含む。同一コイルを、RF磁場を印加するためと印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するためとの両方に使用できる。または、1個のコイルをRF磁場の印加に使用し、もう1個のコイルを印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するために使用してもよい。
【0017】
各RFコイル30a―bは、サンプル22に電磁的に結合されており、且つ制御/取得システム18に電気的に接続されている。RFコイル30a―bは、好ましくはプローブ20の縦軸に対し同軸状に配置されている。RFコイル30a―bは、好ましくは互いに直交して配置され且つ互いに直交する横磁場を生じる。各RFコイル30a―bは、目的とするNMR測定に影響しないように選択された水晶やサファイヤのような材料からなる支持体上に装着され得る。
【0018】
各RFコイル30a―bは、異なる共鳴周波数を有することができる。たとえば、コイル30a―bの1個は、1HのNMR測定を行うために同調され、他方は13CのNMR測定のために同調されていてもよい。コイル30a―bは、一般に、19Fや31Pのような他の目的とする核の測定に使用できる。この実施形態において、下記に説明する、内側の丸形シートによるコイル30aは、1HのNMR測定を行うために使用され、また外側の直交ワイヤコイル30bは、13CのNMR測定を行うために使用される。この実施形態において、外側のワイヤコイル30bは、磁化率補償ワイヤにより作られた従来のサドル形コイルである。
【0019】
図2−Aは、本発明の好ましい実施形態による丸形シート高周波(RF)コイル30aの導電部の等角投影図である。コイル30aの導電部は、図2−Bに示された円筒状誘電支持体60上に装着されている。図2−Aに戻ると、コイル30aは、導電性中心構造32と、この中心構造32の縦方向両側に配置された1対の円筒状導電性フローティングシールド34a―bとを含む。各シールド34a―bの中心軸は、中心構造32の縦中心軸と一致している。測定室36が、中心構造32の中心のシールド34a―b間に形成されている。測定室36は、フローセルの円筒状サンプルチューブに保持された目的とするNMRサンプルを次々に収容する。シールド34a―bは、測定室36に隣接するシールド36a―b表面の少なくとも一部分に沿って中心構造32に結合されている。シールド34a―bは、コイルリードまたは他の導電構造からのRFピックアップによるNMRサンプルの寄生励起を減少させ且つ望まない外部電界からNMRサンプルをシールドする役割を果たす。シールド34a―bはまた、コイル30aに追加の分散キャパシタンスを与える。
【0020】
中心構造32は、測定室36から遠ざかりシールド34aの先端に向かって縦に延びる1対の外側縦リード38a−bを含む。リード38a−bは、制御/測定エレクトロニクス18(図1参照)に電気的接続させる。中心構造32はさらに、1対のリング状横コンダクタ(リング)40a−bと、リング40a−bを相互接続する4個1組の端部丸形縦コンダクタ52a−dとを含む。
【0021】
リング40a−bは、測定室36に関して反対側に配置されており、且つシールド34a―bの近接端の周囲に配置されている。リング40aは、それを貫通する1対の縦空隙44a−bを有する。空隙44a−bは、リング40aの反対側に位置する。リング40aを別個の弓形リングセクション46a−bに分けるために、空隙44a−bはリング40aの縦長さ全体にわたって延びている。空隙44a−bは、電流がリング40aの全円周にわたって流れることを防ぐ。リング40bは、それを貫通する1対の縦空隙48a−bを有する。空隙48a−bは、リング40bの軸に関して反対側で、空隙44a−bに対してほぼ90度をなして位置する。リング40aを別個の弓形リングセクション50a−bに分けるために、空隙48a−bはリング40bの縦長さ全体にわたって延びている。空隙48a−bは、電流がリング40bの全円周にわたって流れることを防ぐ。
【0022】
複数個の細長い、縦カールシート導電セグメント(桟、コンダクタ)52a−dは、リング40a−bを相互接続している。縦セグメント52a−dは、リング40a−b間の測定室36に沿って延びている。縦セグメント52a−dは、チューブ状で、好ましくは円筒状の閉鎖型縦コンダクタである。各縦セグメント52a−bは、セクション46aをセクション50a−bにそれぞれ連結している。各縦セグメント52c−dは、セクション46bをセクション50a−bにそれぞれ連結している
好ましくは、各縦セグメント52a−dは、リング40a−bの外側で、リング40a−bに関して横方向外側に配置されている。各セグメント52a−dは、外向きにカールしており、各セグメント52a−dの曲率の符号は、対応するリングセクション46,50のそれの逆であることが好ましい。セグメント52a−dとリング40a−bとを形成するシートの曲率は、セグメント52a−dとリング40a−bとの間のインタフェースにおいて符号が変わる。したがって、コイル30aは、異なる曲率の2領域、すなわち比較的大きい曲率半径を有する、リング40a−bによって限定された横コンダクタ領域と、比較的小さい曲率半径を有し且つ逆の曲率符号を有する、セグメント52a−dによって限定された縦コンダクタ領域とを有する。セグメント52a−dを外側に配置することによって、コイルの製造が比較的容易になる。これとは逆に、縦セグメント52a−dを内側にカールさせてリング40a−bの内側に配置してもよい。
【0023】
リング40a−bおよびセグメント52a−dは横(xまたはy)方向に沿ってRF磁場54を形成するために、その方向に沿って互いに向き合う2個のループを形成している。電流は2個のループを同一方向(時計回りまたは反時計回り)に通り抜け、その結果2個のループにより形成されたRF磁場は互いに強め合う。外部電圧がリード38a−bに印加されると、電流は、リード38aからリングセクション46a、縦セグメント52a−bを通り、リングセクション50a−b、縦セグメント52c−dおよびリングセクション46bを通りリード38bへ流れる。コイル30aを流れる電流は図2−Aに矢印54で示された横RF磁場を生じる。
【0024】
リング40a−bと縦コンダクタ52a−dとを含む中心構造32は、単一の薄い磁化率補償シートから形成される。この実施形態において、中心構造32とシールド34a―bとは、厚さ約0.002インチの磁化率補償パラジウムメッキ銅で作られている。一般に、中心構造32およびシールド34a―bには、アルミニウム、プラチナ、銅およびこのような材料の積層が適している。たとえば、Al−Cuの磁化率補償サンドイッチが使用できる。逆の符号の磁化率を有する他の材料は、空気または真空の磁化率と等しいコイル30aの磁化率を生じさせるために使用できる。
【0025】
本実施形態において、リング40a−bとシールド34a―bとの全体的な横寸法は、1cmのオーダであり、各縦コンダクタ52a−bの横寸法は約1mmである。典型的なNMR適用には、コイル30aの横コイルサイズは数mmから数cmの範囲が可能であり、縦コンダクタ52a−bの横寸法は10分の数mmから数mmの範囲が可能である。縦コンダクタ52a−bとリング40a−bとの縦長さは数cmのオーダであってもよい。
【0026】
各縦コンダクタ52a−dのチューブ状部の横寸法と曲率半径とは、リング40a−bの横寸法および曲率半径よりもきわめて小さい(たとえば1/5より小さいかまたは1/10より小さい)ことが好ましい。同時に、各縦コンダクタ52a−dの曲率半径は、その縦コンダクタを形成しているシ−トの厚さよりも大きい。縦コンダクタ52a−dの横寸法を小さくすると、縦コンダクタ52a−dが外側直交RFコイル30bにより生じる磁場を妨害する程度が小さくなり、外側直交RFコイル30bの感度が改善できる。同時に、縦コンダクタ52a−dの境界特性の横寸法を過度に小さくすると、縦コンダクタ52a−dのいずれかの鋭利な縁にRF電流が集中するため、縦コンダクタ52a−dにおけるRFロスが大きくなる。
【0027】
図2−Bは、コイル30aの導電部を支持するのに適した誘電コイル支持体60の等角投影図である。支持体60は、中空円筒状シェルの形状を有しており、サンプルチューブまたは目的とするフローセルを受容する縦内孔66を有している。内孔66は、支持体60の上端から下端まで延びている。支持体60は縦外表面62と縦内表面64とを有している。シールド34a―b(図2−Aに示す)は内表面64に取り付けられ且つ内表面64に接している。リング40a−bおよびリード38a―b(図2−Aに示す)は、外表面62に取り付けられ且つ外表面62に接している。支持体60は、好ましくは水晶やサファイヤなどのNMR測定に干渉しない誘電体材料からなる。支持体60は、その縦方向の両端がコイル30aを含むプローブの構造に取り付けられている。
【0028】
コイル30aの導電部のための他の誘電支持体は、複数個の細い縦ロッドを含んでいてもよく、その場合の各ロッドは、縦コンダクタ52a−dの1個の内部を貫通し且つ内部に接する。ロッドは、図2−Bに示したような内部円筒状誘電支持体に取り付けられた横端部構造により支持されてもよい。このようなロッドは、コイル30aの製造時に縦コンダクタ52a−dをロッドの周りに回転させるのに役立つ。
【0029】
図3−Aは、コイル30aと組み合わせてコイルアセンブリにおいて使用するのに適した、従来のマルチターンサドル形RFコイル30bの導電部の概略等角投影図である。図3−Aのコンダクタは、従来の磁化率補償サドル形ワイヤであってもよい。コイル30bが生じる横RF磁場の方向は、矢印78によって示されている。コイル30bが生じる磁場は、コイル30aが生じる磁場と直交する。
【0030】
図3−Bは、コイル30bのコンダクタを支持するのに適した従来のコイル支持体82の等角投影図である。コイル支持体82は、2個の平行な横装着プレート86a−bと横装着プレート86a−bを連結する複数個の縦ロッド88とを含む。装着プレート86a−bは、コイル30aと目的とするサンプルとを受け入れる内側コイルスペース90を形成する、対応して直線上に並んだ中心孔を有している。縦ロッド88は、装着プレート86a−bの中心孔の周囲に配置されている。図3−Aに示されたワイヤの各縦コンダクタは、1個または多数個の点において縦ロッド88の1個に取り付けられている。装着プレート86a−bは、コイル30bを含むプローブの構造に取り付けられている。
【0031】
図4−Aおよび4−Bは、内側カールシートコイルおよび外側ワイヤコイルを含むコイルアセンブリと、2個のコイルにより生じた磁場を示す合成的に形成された磁場の向きの線との横断面図である。図4−Aは内側カールシートコイルにより生じた磁場を示し、図4−Bは外側ワイヤコイルにより生じた磁場を示す。磁場の向きの線は、コイルアセンブリによって区画された測定室を貫通するほぼ中央横断面に対応する。磁場計算は、横コイル寸法がRF電界の波長よりもきわめて小さいと仮定して、図4−Aおよび4−Bに示された形状に配置された非常に長い縦コンダクタについてなされている。図示目的のために、800MHzの周波数が数十センチメートルの波長に対応しているが、これは、1cmのオーダである典型的な横コイル寸法よりもきわめて大きい。
【0032】
図4−Cおよび4−Dは、先行技術の内側フラットシートコイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリの横断面図である。内側コイルは比較的フラットですなわちカールされていない。内側コイルの縦コンダクタの曲率半径は、コイル全体の横半径に等しい。図4−Cは内側フラットシートコイルにより生じた磁場を示し、図4−Dは外側ワイヤコイルにより生じた磁場を示す。図示された磁場の向きの線は、上記の図4−Aおよび4−Bに関する非常に長いコンダクタと小さいコイル寸法との仮定を用いて計算された。図4−Cおよび4−Dについて述べた「先行技術の」という語は、図に示された特別の磁場の向きの線の計算よりもむしろ示された一般的なコイル形状を意味する。
【0033】
図4−Dに示されたように、内側フラットシートコイルにより提供された比較的大きい表面積は、外側ワイヤコイルにより生じた磁場の測定室への侵入を制限する。したがって、内側フラットシートコイルは、外側ワイヤコイルで達成される感度を大いに制限し得る。さらに、内側フラットシートコイルの比較的鋭利な縁は、電流をこれらの縁に集中させる。電流の集中によりRFロスが大きくなり、したがって内側フラットシートコイルの感度を低下させる。
【0034】
この好ましい実施形態において、図2−Aに示された縦コンダクタ52a−dは、カール(丸形)シートコイルの少なくとも一部からなる。図4−Aおよび図4−Bに示したように各セグメント52a−dの外部境界は、丸い形状を有している。好ましくは、セグメント52a−dの外部境界は円形または円形に準ずる形状を有し、鋭利な縁を含まない。円形に準ずる形状とは間隙を有する円のように完全に閉じていない円を含み得る。
【0035】
再度図2―Aを参照して、測定室36周囲のコイル30aの窓およびスロットの周縁を丸形にすると、測定室36のRF場の均一性を向上できるとともに、コイル30aによるRFパワーの消散を減らすことができる。鋭利な縁を有する比較的フラットなシートにおいて、RF電流は、シート縁に集中しがちである。この電流集中によって、印加されたRFパルスに対するRFパワーロスが増加し且つ測定感度が低下する。丸形縁コイルにおいては、RF電流が比較的均一に分散される。比較的均一な電流分散によって、パワーのロスが減少し、測定感度が増す。コイル縁を丸形にすることによって達成されるコイル効率の向上は、所望するならば磁場の均一性と交換(トレード・オフ)できる。たとえば、コイル30aの全体的な横寸法を増すことにより、コイル30aに関する感度が低下するが、両方のコイル30a−bに対応する磁場の均一性を増すことも可能である。
【0036】
コイル30aを製造するために、まず、所望の材料のフラットなシートにおいて適切なパターンが公知の方法で切断される。フラットなパターンはガラスまたは水晶チューブの周囲に巻き付けられてコイル30aの端部リング40a−bを形成する。それによって、巻かれたコイルは、1組のフラットな縦セクションすなわちウイングを有し、これらはカールされて縦コンダクタ52a−dを形成する。コイルは下記のシートカーリングツールに挿入され、シートカーリングツールは、フラットな各縦セクションをカールしてチューブ状コンダクタにするのに使用される。
【0037】
図5は、本発明の好ましい実施形態によるシートカーリングツールの等角投影図である。カーリングツール120は、支持体124と、支持体124上に装着された縦長のカーリング部材130とを含む。支持体124は、2個の平行なほぼ横方向のプレート132a−bと、下部プレート132bに装着された2個の平行な縦ガイドすなわちレール134a−bと、上部プレート132aに連結された高さ制御部136とを含む。上部プレート132aには、2個の縦孔が貫通形成されている。これらの孔の寸法は、ガイド134a−bが上部プレート132aを貫通して滑動できるように決定されている。高さ制御部136は、上部プレート132a内に突入してガイド134aに接触し、それによって上部プレート132aを下部プレート132bに対する位置にロックできるネジである。ガイド134a−bの長さは、製造すべきコイルの高さよりも大きい。
【0038】
カーリング部材130は、上部プレート132aを貫通して着脱自在に装着され得る。カーリング部材130は、細長い円柱形状を有しており、カーリング部材130の先端(上端)から近接端(下端)まで延びる細い縦スロット150を有している。スロット150の幅は、カールされるシートがスロット150にしっかりと嵌め込まれるように選択されている。たとえば、カールされるシートの厚さが0.002インチである本実施形態においては、シートをカールするために使用される対応するスロット150は、0.004〜0.005インチの厚さを有する。カーリング部材30の直径は、カールされた縦コイルコンダクタの所望の直径と等しいように選択される。回転自在のカーリング制御部すなわちノブ170は、カーリング部材130に取り付けられている。ノブ170は、カーリング部材130の縦軸まわりの回転を制御するために使用される。
【0039】
シートカーリングツール120の作動を開始するために、制御部136をゆるめて上部プレート132aをガイド134a−bから取り外す。次にコイル30aを下部プレート132b上に配置し、上部プレート132aをガイド134a−b上に下降させる。コイル30aは、円筒状ガラス支持体60の周囲に巻き付けたシートコンダクタを含んでいる。このシートコンダクタは、巻かれた本体から延びる4個のフラットな縦セクションすなわちウイングを含む。分かり易くするために、図5にはフラットな縦セクションは図示されていない。コイル30aをプレート132a−b間に固定すると、上部プレート132aの下部プレート132bに関する縦方向移動を防ぐために制御部136を上部プレート132a内にねじ込む。
【0040】
次にカーリング部材130を上部プレート132aから挿入し、カーリング部材130を定位置に下降させながら、コイル30aのフラットな縦セクションの1個をスロット150に挿入する。次にカーリング部材130をその縦軸のまわりに回転させ、コイル30aのフラットセクションをカーリング部材130の周囲でカールさせる。このカーリングステップにおいて、コイル30aの横リングを回転させてもよい。フラットセクションをカールしてチューブが形成されると、チューブの2つの縦側部を1滴の接着ハンダを用いて互いに固着できる。次にカーリング部材130をチューブから縦方向に抜き出し、コイル30aを回転させて別のフラットセクションをカーリング位置に配置し、前記ステップを繰り返す。
【0041】
図6は、本発明の他の実施形態による丸形シートRFコイル230の中心横断面図である。コイル230は、対称的に配置された4個の縦コンダクタ252を含む。コンダクタ252は、図2−Aに示した横リングを含む大きいシートの一部である。図6を再度参照すると、各コンダクタ252は、丸形のチューブ状部270とそれに隣接するほぼフラット部(ストリップ)272とを含む。コイル230により生じるRF磁場の方向は、矢印254で示されている。チューブ状部270により提供される丸い縁によって、コイル230におけるコイルパワーのロスを減らすことができる。ストリップ272はコイル230により生じる磁場をほとんど妨害しない。フラット部を有するコイルは、別の直交コイルを含まないプローブにおける使用に特に適している。直交コイルを含むプローブの磁場はフラット部により妨害される。
【0042】
図7は、本発明の他の実施形態による丸形シートRFコイルの中心横断面図である。コイル330は、対称的に配置された4個の縦コンダクタ352を含む。コンダクタ352は、図2−Aに示した横リングを含む大きいシートの一部である。図7を再度参照すると、各コンダクタ352は、カール部370とそれに隣接するフラット部(ストリップ)372とを含む。コイル330により生じるRF磁場の方向は、矢印354で示されている。カール部370は、180度以上カールしており、コイル330の縦縁をコイル370の前部ウインドウにおける高磁場領域からコイル330側の低磁場領域へ移すことができる。
【0043】
本発明のコイルは必ずしも4個の縦コンダクタを有する必要はない。特に所望のコイルの形状およびコイルの巻き数に応じて、4個よりも少数または多数の縦コンダクタを使用してもよい。さらに、カールシート縦コンダクタの代わりに、丸形断面を有するソリッドワイヤ縦コンダクタを使用してもよい。異なる磁化率を有する多数の同心材料からなる磁化率補償ワイヤは、当技術において公知である。このようなワイヤコンダクタは、図2−Aに示したリングのようなシート状横リングに取り付けることができる。フラットなシート状横コンダクタは比較的高い分散キャパシタンスを提供し、また丸形ワイヤ縦コンダクタはコイルの鋭利な縁の周の長さを減らし且つコイルの直交磁場に対する透過率を増すことができる。同時にワイヤコンダクタとシートリングとの間のアタッチメントインタフェースは、コイルにおけるさらなるRFロスを生じ得る。さらに、ワイヤコンダクタをシートリングに取り付ける必要のあるコイルは、図2−Aに示したコイル形状よりも製造しにくい。
【0044】
図8−A〜8−Cは、本発明による3個の丸形コンダクタRFコイル430a−cの中心横断面図である。コイル430a−cは、それぞれ、複数個の縦ソリッドワイヤコンダクタのセット452a―cを含む。縦コンダクタ452a―cは、端部において図2−Aに示したような横シートコンダクタに取り付けられる。図8−A〜8−Cを再度参照すると、コイル430a―cにより生じる磁場の方向は、それぞれ矢印454a―cにより示されている。特別のコイル設計を望むならば、多数の丸形縦コンダクタを使用してもよい。
【0045】
図9は、本発明によるカールシートバードケージRFコイル530の導電部の等角投影図である。コイル530は、導電中心構造532と、この中心構造532に容量結合されている1対のシールド534とを含む。中心構造532は、1対のスロット付き横導電リング540a―bと、前記リング540a―bを相互接続した複数個のカールシート縦コンダクタ552と、リング540bに連結された2対の対向して離間配置された導電リード538とを含む。
【0046】
中心構造532は、円の周囲に90度の間隔で装着された4個の別々のコンダクタにより形成されている。リング540aは、4個の縦スロットにより分離された4個の別々の導電セクション556を含む。同様に、リング540bは、4個の縦スロットにより分離された4個の別々の導電セクション558を含む。各セクション556は、縦コンダクタ552を介して対応して直線状に並んだセクション558に連結されている。各導電リード538は、対応するセクション558に連結されている。コイル530は、リード538を介して駆動される。2対の対向して離間配置されたリード538は、印加された駆動電流における相対的位相シフトにより駆動されてもよい。当業者には明らかなように、実際にはバードケージコイルは4個以上のセクションを含んでよい。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく上記実施形態をさまざまに変更できることは、当業者には明らかであろう。丸形コンダクタを有するRFコイルは、測定対象が生きている人間の組織すなわち人体部分である磁気共鳴画像(MRI)のような磁気共鳴用途に利用できる。本発明のコイルの縦セグメントの外部境界の適切な横断面形状は、楕円や楕円に準ずる形を含む。縦コンダクタの内部横断面は、重大ではない。本発明の丸形コンダクタシートコイルは、従来の直交ワイヤもしくはシートコイル、または別の直交丸形コンダクタシートコイルと組み合わせて使用できる。直交コイルは、丸形コンダクタコイルの外側または内側に配置できる。測定室に隣接する横リング状コンダクタの横側の端部もまた内側または外側にカールすることができる。それによって測定室は、円形縦断面を有する導電トロイドにより境界を限定される。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその法的均等物により決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるNMR分析器の概略図である。
【図2−A】本発明による丸形コンダクタRFコイルの導電部の等角投影図である。
【図2−B】本発明による、図2−Aの導電部を支持する誘電支持体の等角投影図である。
【図3−A】本発明による、図2−Aのコイルと結合して使用するのに適した、コイルのサドル形導電部の等角投影図である。
【図3−B】本発明による、図3−Aの導電部を支持する支持体の等角投影図である。
【図4−A】本発明による、図2−Aに示したような内側コイルを含むコイルアセンブリと、内側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−B】本発明による、図2−Aに示したような内側コイルを含むコイルアセンブリと、外側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−C】先行技術のフラット(カールされていない)シート内側コイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリと、内側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−D】先行技術のフラット(カールされていない)シート内側コイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリと、外側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図5】本発明によるシートカーリングツールの等角投影図である。
【図6】本発明による他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図7】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−A】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−B】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−C】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図9】本発明による丸形コンダクタバードケージコイルの1例の等角投影図である。
【0001】
本発明は、核磁気共鳴器(NMR)に関し、特に、NMR用高周波(RF)コイルおよびコイルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴(NMR)分析器は典型的には静磁場B0を生じる超伝導マグネットと、前記磁場B0と直交する時間変化磁場B1を生じ且つ印加された磁場へのサンプルの応答を検知するための1個またはそれ以上の特定目的高周波(RF)コイルとを含む。各RFコイルは、サンプル中に存在する当該核のラーモア周波数で共鳴する。RFコイルは、典型的にはNMRプローブの一部として提供され、試験管またはフローセル中に置かれたサンプルの分析に使用される。静磁場B0の方向は一般にz軸と呼ばれ、一方、z軸と直交する平面は、一般にx−yまたはθ平面と呼ばれる。下記の説明において、「縦」という言葉は通常z方向を指すために使用され、一方、「横」という言葉はθ方向を指すために使用される。
【0003】
NMRに使用される従来のRFコイルは、らせんコイル、サドル状コイル、共鳴キャビティおよびバードケージ共鳴器を含む。バードケージ共鳴器についての情報を得るには、たとえば下記特許文献1、下記特許文献2および下記特許文献3を参照されたい。サドル状コイルおよび他のコイルについての情報を得るには、たとえば下記特許文献4、下記特許文献5、下記特許文献6、下記特許文献7、下記特許文献8、下記特許文献9、下記特許文献10および下記特許文献11を参照されたい。
【0004】
NMRコイルによって達成される測定感度は、コイル特性係数Qおよびその充填係数(フィルファクター)nと共に増加する。特性係数Qは、コイルロスを減少させることにより最大化できる。充填係数nは、サンプルに対するコイル寸法を小さくすることにより増大させ得る。同時に、サンプルに対するコイル寸法を小さくすると、磁場の不均一性が増す。RF磁場の不均一性は、測定感度に悪い影響を与える。さらに、コイルデザインとコイルの大きさとは、コイルを所望の周波数範囲内で共鳴させねばならないことにより限定される。目的とする共鳴周波数は、目的とする核と印加する静磁場B0の強さとにより決定される。
【0005】
従来のコイルの導電部は、典型的には、丸い横断面を有するワイヤかまたは薄いシートからなる導電パターンにより形成されている。シートからなるコイルは、一定のコイル寸法と共鳴周波数に対し、比較的高い分散キャパシタンスを有し、従って比較的低いインダクタンスを有しうる。典型的なシートコンダクタコイルにより達成できる測定感度は、コイルロスにより制約される。
【0006】
NMRプローブは多数のNMRコイルを含んでよく、NMRコイルのそれぞれは異なる当該核のNMR測定を行うようにチューニングされている。たとえば、あるNMRプローブはプロトンについてNMR測定を行う1個のコイルと、13Cまたは15Nのような他の対象とする核のNMR測定を行うもう1個のコイルとを含むことができる。このようなNMRプローブにおいて、1個のコイルのデザインは、他のコイルの測定能力に影響を与える。2個のコイル間のカップリングを減らすために、これらのコイルは直角(クワドラチャ)状に配置され、その結果これらのコイルによって生じる磁場は互いに直交する。この構成は、コイル間の相互インダクタンスを最小にする。
【0007】
コイルコンダクタに磁化率補償ワイヤまたはシートを使用することにより、静磁場およびRF磁場の均一性を向上させることができる。サンプル付近での磁化率の急変は、サンプル領域における磁場均一性を大いに低下させる。磁化率補償コイルは、一般には空気または真空であるコイル環境の磁化率と等しい磁化率を有する。磁化率補償シートコイルは、2層またはそれ以上の多層のサンドイッチにより形成できる。その場合の複数層の材料および厚さは、コイルにとって所望の効果的な磁化率を生じるように選択される。たとえば、常磁性層と反磁性層とを共に積層すると、単一層それぞれの磁化率よりも絶対値においてきわめて低い効果的な磁化率を生じ得る。磁化率補償を効果的に行うためには、RFコイル厚さが制限される。たとえばゼロに近い効果的なコイル磁化率を達成するには、比較的薄いシートが必要であろう。磁化率補償NMRコイルに関するさらなる情報については、下記特許文献12および下記特許文献13を参照されたい。
【0008】
上記の説明から明らかなように、NMRに使用するRFコイルのデザインは、多数のパラメータにより高度に制約される。RFコイルまたはコイルアセンブリの測定感度を最大化するには、種々のデザインパラメータの効果をバランスよくしなければならない。システムデザイナーに大きなデザインフレキシビリティを与えるコイルデザインは、感度の高いMNRシステムを可能にするであろう。
【特許文献1】
米国特許第4,692,705号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,236,206号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,285,189号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,398,149号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,388,601号明細書
【特許文献6】
米国特許第4,517,516号明細書
【特許文献7】
米国特許第4,641,098号明細書
【特許文献8】
米国特許第4,840,700号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,192,911号明細書
【特許文献10】
米国特許第5,818,232号明細書
【特許文献11】
米国特許第6,201,392号明細書
【特許文献12】
米国特許第3,091,732号明細書
【特許文献13】
米国特許第6,054,855号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、RFロスを減らし、NMR測定感度を向上させ、磁場均一性を向上させる高周波コイルおよびコイルアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
NMRプローブおよび分析器のための高周波コイルは、1対の縦に離間配置されたほぼ横のリング状コンダクタを相互接続する複数個の丸縁縦コンダクタを含む。現在の好ましい実施形態において、各丸縁縦コンダクタは、チューブ状または円筒状部を含むほぼ縦のカールシートから形成される。カールシートおよび横リング形コンダクタは、単一の磁化率補償シートから形成できる。他の実施形態において、各縦コンダクタは、チューブ状ソリッドワイヤから形成される。RFコイルは、バードケージコイルまたはサドル形コイルであってもよい。丸縁シートコイルは、この丸縁コイルに直交し且つ同軸状に配置された追加高周波コイルを含むコイルアセンブリの一部として提供することができる。
【0011】
横シートコンダクタは比較的大きい分散キャパシタンスを提供し、一方、丸形縦コンダクタはコイルロスを減らし且つ直交する磁場に対する透過性を増加させることができる。コイル縁をコイルウインドウの周囲で丸くすることにより、コイル縁でのRF電流の集中を減らし、それによってコイル内のRFロスを減らすことができる。RFロスが減少すると、測定感度が向上する。縦コンダクタの丸い形状もまた、追加直交コイルにより生じる磁場に対する縦コンダクタの透過性を増加させることができる。
【0012】
回転自在のスロット入り縦カーリング部材を含むシートカーリングツールを用いると、単一シートから丸形コンダクタコイルを簡単に製造できる。カーリング部材は、カールされるべきシートコンダクタを保持するための、カーリング部材に沿って延びる縦スロットを有している。スロットの終端は、カーリング部材の縦端部の開口先端に存在する。開口先端は、シートコンダクタをカーリング部材内へ挿入し、またカーリング部材から抜き出すことを可能にする。カーリング部材は、2個の縦に離間配置されたほぼ横の平行なプレートを有する支持体上に装着されている。2個のプレートの一方の上に1対の縦ガイドが装着されている。縦ガイドは他方のプレートの対応する孔を貫通しており、それによって2枚のプレートは縦に滑動して両プレート間に配置されたパターンシートを把持することができる。いったんシートが固着されると、パターンシートのウイングがカーリング部材の縦スロット内に挿入され、カーリング部材がその縦軸の周囲に回転されてウイングを円筒状にカールする。
【0013】
上記本発明の局面および特徴は、添付図面を参照した下記の詳細な説明によりよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
下記の説明において、引用した部材および構造は、一体構造または一体構造の一部として形成されるかまたは多数の別々の構造から形成されていてもよい。「カールされた」すなわち「丸形」コンダクタは、コンダクタが属するコイルの全体的曲率半径よりも小さい曲率半径を有する少なくとも一部分を含むものと理解される。「カールされた」すなわち「丸形」コンダクタは、シートの厚さよりも大きいカールまたは丸形の曲率半径を有するものと理解される。コイルはサンプルホルダに機械的に連結されているという文章は、コイルがサンプルホルダに固定状態で保持されているという意味である。このようなコイルは、中間支持構造を介してターゲットホルダに間接的に連結されていてもよい。第1コイルが第2コイルに対し直交状態に配置されているということは、第1および第2コイルにより形成される磁場が互いにほぼ直交することを意味する。第1コイルは第2コイルに対し同軸状に配置されているということは、これらの2個のコイルがほぼ一致する縦(長手方向の)軸を有するという意味である。「リング」という用語は、スロットを有する(不連続の)リングおよび断面が円形でないリングを含むものと理解される。「チューブ」という用語は、ソリッド(中実)チューブ(たとえばワイヤ製チューブ)および中空チューブ(カールしたシートで形成したチューブ)を含むものと理解される。
【0015】
次に、本発明の実施形態を例を介して説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
図1は、本発明による核磁気共鳴(NMR)分析器12の概略図である。分析器12は、マグネット16と、マグネット16の孔内に挿入されたNMRプローブ20と、マグネット16およびプローブ20とに電気的に接続された制御/取得システム18とを含む。プローブ20は、サンプル22の測定時に目的とするサンプル22を保持する従来のサンプルホルダすなわちサンプル保持部材を含む。プローブ20は、フロースループローブまたは静止サンプルプローブであってもよい。フロースループローブにおいては、サンプル22は典型的にはフローセル内に保持される。静止サンプルプローブでは、サンプル22は、典型的には試験管内に保持される。
【0016】
マグネット16は、サンプルに静止縦磁場B0を印加する。制御/取得システム18は、プローブ20に所望の高周波パルスを与え且つプローブ20内のサンプルの核磁気共鳴特性を示すデータを取得する電子部材を含む。プローブ20はサンプル22に横高周波磁場B1を印加するための、および/または印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するための1個またはそれ以上の高周波(RF)コイル(共鳴器)30a―bを有するコイルアセンブリを含む。同一コイルを、RF磁場を印加するためと印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するためとの両方に使用できる。または、1個のコイルをRF磁場の印加に使用し、もう1個のコイルを印加された磁場に対するサンプルの反応を測定するために使用してもよい。
【0017】
各RFコイル30a―bは、サンプル22に電磁的に結合されており、且つ制御/取得システム18に電気的に接続されている。RFコイル30a―bは、好ましくはプローブ20の縦軸に対し同軸状に配置されている。RFコイル30a―bは、好ましくは互いに直交して配置され且つ互いに直交する横磁場を生じる。各RFコイル30a―bは、目的とするNMR測定に影響しないように選択された水晶やサファイヤのような材料からなる支持体上に装着され得る。
【0018】
各RFコイル30a―bは、異なる共鳴周波数を有することができる。たとえば、コイル30a―bの1個は、1HのNMR測定を行うために同調され、他方は13CのNMR測定のために同調されていてもよい。コイル30a―bは、一般に、19Fや31Pのような他の目的とする核の測定に使用できる。この実施形態において、下記に説明する、内側の丸形シートによるコイル30aは、1HのNMR測定を行うために使用され、また外側の直交ワイヤコイル30bは、13CのNMR測定を行うために使用される。この実施形態において、外側のワイヤコイル30bは、磁化率補償ワイヤにより作られた従来のサドル形コイルである。
【0019】
図2−Aは、本発明の好ましい実施形態による丸形シート高周波(RF)コイル30aの導電部の等角投影図である。コイル30aの導電部は、図2−Bに示された円筒状誘電支持体60上に装着されている。図2−Aに戻ると、コイル30aは、導電性中心構造32と、この中心構造32の縦方向両側に配置された1対の円筒状導電性フローティングシールド34a―bとを含む。各シールド34a―bの中心軸は、中心構造32の縦中心軸と一致している。測定室36が、中心構造32の中心のシールド34a―b間に形成されている。測定室36は、フローセルの円筒状サンプルチューブに保持された目的とするNMRサンプルを次々に収容する。シールド34a―bは、測定室36に隣接するシールド36a―b表面の少なくとも一部分に沿って中心構造32に結合されている。シールド34a―bは、コイルリードまたは他の導電構造からのRFピックアップによるNMRサンプルの寄生励起を減少させ且つ望まない外部電界からNMRサンプルをシールドする役割を果たす。シールド34a―bはまた、コイル30aに追加の分散キャパシタンスを与える。
【0020】
中心構造32は、測定室36から遠ざかりシールド34aの先端に向かって縦に延びる1対の外側縦リード38a−bを含む。リード38a−bは、制御/測定エレクトロニクス18(図1参照)に電気的接続させる。中心構造32はさらに、1対のリング状横コンダクタ(リング)40a−bと、リング40a−bを相互接続する4個1組の端部丸形縦コンダクタ52a−dとを含む。
【0021】
リング40a−bは、測定室36に関して反対側に配置されており、且つシールド34a―bの近接端の周囲に配置されている。リング40aは、それを貫通する1対の縦空隙44a−bを有する。空隙44a−bは、リング40aの反対側に位置する。リング40aを別個の弓形リングセクション46a−bに分けるために、空隙44a−bはリング40aの縦長さ全体にわたって延びている。空隙44a−bは、電流がリング40aの全円周にわたって流れることを防ぐ。リング40bは、それを貫通する1対の縦空隙48a−bを有する。空隙48a−bは、リング40bの軸に関して反対側で、空隙44a−bに対してほぼ90度をなして位置する。リング40aを別個の弓形リングセクション50a−bに分けるために、空隙48a−bはリング40bの縦長さ全体にわたって延びている。空隙48a−bは、電流がリング40bの全円周にわたって流れることを防ぐ。
【0022】
複数個の細長い、縦カールシート導電セグメント(桟、コンダクタ)52a−dは、リング40a−bを相互接続している。縦セグメント52a−dは、リング40a−b間の測定室36に沿って延びている。縦セグメント52a−dは、チューブ状で、好ましくは円筒状の閉鎖型縦コンダクタである。各縦セグメント52a−bは、セクション46aをセクション50a−bにそれぞれ連結している。各縦セグメント52c−dは、セクション46bをセクション50a−bにそれぞれ連結している
好ましくは、各縦セグメント52a−dは、リング40a−bの外側で、リング40a−bに関して横方向外側に配置されている。各セグメント52a−dは、外向きにカールしており、各セグメント52a−dの曲率の符号は、対応するリングセクション46,50のそれの逆であることが好ましい。セグメント52a−dとリング40a−bとを形成するシートの曲率は、セグメント52a−dとリング40a−bとの間のインタフェースにおいて符号が変わる。したがって、コイル30aは、異なる曲率の2領域、すなわち比較的大きい曲率半径を有する、リング40a−bによって限定された横コンダクタ領域と、比較的小さい曲率半径を有し且つ逆の曲率符号を有する、セグメント52a−dによって限定された縦コンダクタ領域とを有する。セグメント52a−dを外側に配置することによって、コイルの製造が比較的容易になる。これとは逆に、縦セグメント52a−dを内側にカールさせてリング40a−bの内側に配置してもよい。
【0023】
リング40a−bおよびセグメント52a−dは横(xまたはy)方向に沿ってRF磁場54を形成するために、その方向に沿って互いに向き合う2個のループを形成している。電流は2個のループを同一方向(時計回りまたは反時計回り)に通り抜け、その結果2個のループにより形成されたRF磁場は互いに強め合う。外部電圧がリード38a−bに印加されると、電流は、リード38aからリングセクション46a、縦セグメント52a−bを通り、リングセクション50a−b、縦セグメント52c−dおよびリングセクション46bを通りリード38bへ流れる。コイル30aを流れる電流は図2−Aに矢印54で示された横RF磁場を生じる。
【0024】
リング40a−bと縦コンダクタ52a−dとを含む中心構造32は、単一の薄い磁化率補償シートから形成される。この実施形態において、中心構造32とシールド34a―bとは、厚さ約0.002インチの磁化率補償パラジウムメッキ銅で作られている。一般に、中心構造32およびシールド34a―bには、アルミニウム、プラチナ、銅およびこのような材料の積層が適している。たとえば、Al−Cuの磁化率補償サンドイッチが使用できる。逆の符号の磁化率を有する他の材料は、空気または真空の磁化率と等しいコイル30aの磁化率を生じさせるために使用できる。
【0025】
本実施形態において、リング40a−bとシールド34a―bとの全体的な横寸法は、1cmのオーダであり、各縦コンダクタ52a−bの横寸法は約1mmである。典型的なNMR適用には、コイル30aの横コイルサイズは数mmから数cmの範囲が可能であり、縦コンダクタ52a−bの横寸法は10分の数mmから数mmの範囲が可能である。縦コンダクタ52a−bとリング40a−bとの縦長さは数cmのオーダであってもよい。
【0026】
各縦コンダクタ52a−dのチューブ状部の横寸法と曲率半径とは、リング40a−bの横寸法および曲率半径よりもきわめて小さい(たとえば1/5より小さいかまたは1/10より小さい)ことが好ましい。同時に、各縦コンダクタ52a−dの曲率半径は、その縦コンダクタを形成しているシ−トの厚さよりも大きい。縦コンダクタ52a−dの横寸法を小さくすると、縦コンダクタ52a−dが外側直交RFコイル30bにより生じる磁場を妨害する程度が小さくなり、外側直交RFコイル30bの感度が改善できる。同時に、縦コンダクタ52a−dの境界特性の横寸法を過度に小さくすると、縦コンダクタ52a−dのいずれかの鋭利な縁にRF電流が集中するため、縦コンダクタ52a−dにおけるRFロスが大きくなる。
【0027】
図2−Bは、コイル30aの導電部を支持するのに適した誘電コイル支持体60の等角投影図である。支持体60は、中空円筒状シェルの形状を有しており、サンプルチューブまたは目的とするフローセルを受容する縦内孔66を有している。内孔66は、支持体60の上端から下端まで延びている。支持体60は縦外表面62と縦内表面64とを有している。シールド34a―b(図2−Aに示す)は内表面64に取り付けられ且つ内表面64に接している。リング40a−bおよびリード38a―b(図2−Aに示す)は、外表面62に取り付けられ且つ外表面62に接している。支持体60は、好ましくは水晶やサファイヤなどのNMR測定に干渉しない誘電体材料からなる。支持体60は、その縦方向の両端がコイル30aを含むプローブの構造に取り付けられている。
【0028】
コイル30aの導電部のための他の誘電支持体は、複数個の細い縦ロッドを含んでいてもよく、その場合の各ロッドは、縦コンダクタ52a−dの1個の内部を貫通し且つ内部に接する。ロッドは、図2−Bに示したような内部円筒状誘電支持体に取り付けられた横端部構造により支持されてもよい。このようなロッドは、コイル30aの製造時に縦コンダクタ52a−dをロッドの周りに回転させるのに役立つ。
【0029】
図3−Aは、コイル30aと組み合わせてコイルアセンブリにおいて使用するのに適した、従来のマルチターンサドル形RFコイル30bの導電部の概略等角投影図である。図3−Aのコンダクタは、従来の磁化率補償サドル形ワイヤであってもよい。コイル30bが生じる横RF磁場の方向は、矢印78によって示されている。コイル30bが生じる磁場は、コイル30aが生じる磁場と直交する。
【0030】
図3−Bは、コイル30bのコンダクタを支持するのに適した従来のコイル支持体82の等角投影図である。コイル支持体82は、2個の平行な横装着プレート86a−bと横装着プレート86a−bを連結する複数個の縦ロッド88とを含む。装着プレート86a−bは、コイル30aと目的とするサンプルとを受け入れる内側コイルスペース90を形成する、対応して直線上に並んだ中心孔を有している。縦ロッド88は、装着プレート86a−bの中心孔の周囲に配置されている。図3−Aに示されたワイヤの各縦コンダクタは、1個または多数個の点において縦ロッド88の1個に取り付けられている。装着プレート86a−bは、コイル30bを含むプローブの構造に取り付けられている。
【0031】
図4−Aおよび4−Bは、内側カールシートコイルおよび外側ワイヤコイルを含むコイルアセンブリと、2個のコイルにより生じた磁場を示す合成的に形成された磁場の向きの線との横断面図である。図4−Aは内側カールシートコイルにより生じた磁場を示し、図4−Bは外側ワイヤコイルにより生じた磁場を示す。磁場の向きの線は、コイルアセンブリによって区画された測定室を貫通するほぼ中央横断面に対応する。磁場計算は、横コイル寸法がRF電界の波長よりもきわめて小さいと仮定して、図4−Aおよび4−Bに示された形状に配置された非常に長い縦コンダクタについてなされている。図示目的のために、800MHzの周波数が数十センチメートルの波長に対応しているが、これは、1cmのオーダである典型的な横コイル寸法よりもきわめて大きい。
【0032】
図4−Cおよび4−Dは、先行技術の内側フラットシートコイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリの横断面図である。内側コイルは比較的フラットですなわちカールされていない。内側コイルの縦コンダクタの曲率半径は、コイル全体の横半径に等しい。図4−Cは内側フラットシートコイルにより生じた磁場を示し、図4−Dは外側ワイヤコイルにより生じた磁場を示す。図示された磁場の向きの線は、上記の図4−Aおよび4−Bに関する非常に長いコンダクタと小さいコイル寸法との仮定を用いて計算された。図4−Cおよび4−Dについて述べた「先行技術の」という語は、図に示された特別の磁場の向きの線の計算よりもむしろ示された一般的なコイル形状を意味する。
【0033】
図4−Dに示されたように、内側フラットシートコイルにより提供された比較的大きい表面積は、外側ワイヤコイルにより生じた磁場の測定室への侵入を制限する。したがって、内側フラットシートコイルは、外側ワイヤコイルで達成される感度を大いに制限し得る。さらに、内側フラットシートコイルの比較的鋭利な縁は、電流をこれらの縁に集中させる。電流の集中によりRFロスが大きくなり、したがって内側フラットシートコイルの感度を低下させる。
【0034】
この好ましい実施形態において、図2−Aに示された縦コンダクタ52a−dは、カール(丸形)シートコイルの少なくとも一部からなる。図4−Aおよび図4−Bに示したように各セグメント52a−dの外部境界は、丸い形状を有している。好ましくは、セグメント52a−dの外部境界は円形または円形に準ずる形状を有し、鋭利な縁を含まない。円形に準ずる形状とは間隙を有する円のように完全に閉じていない円を含み得る。
【0035】
再度図2―Aを参照して、測定室36周囲のコイル30aの窓およびスロットの周縁を丸形にすると、測定室36のRF場の均一性を向上できるとともに、コイル30aによるRFパワーの消散を減らすことができる。鋭利な縁を有する比較的フラットなシートにおいて、RF電流は、シート縁に集中しがちである。この電流集中によって、印加されたRFパルスに対するRFパワーロスが増加し且つ測定感度が低下する。丸形縁コイルにおいては、RF電流が比較的均一に分散される。比較的均一な電流分散によって、パワーのロスが減少し、測定感度が増す。コイル縁を丸形にすることによって達成されるコイル効率の向上は、所望するならば磁場の均一性と交換(トレード・オフ)できる。たとえば、コイル30aの全体的な横寸法を増すことにより、コイル30aに関する感度が低下するが、両方のコイル30a−bに対応する磁場の均一性を増すことも可能である。
【0036】
コイル30aを製造するために、まず、所望の材料のフラットなシートにおいて適切なパターンが公知の方法で切断される。フラットなパターンはガラスまたは水晶チューブの周囲に巻き付けられてコイル30aの端部リング40a−bを形成する。それによって、巻かれたコイルは、1組のフラットな縦セクションすなわちウイングを有し、これらはカールされて縦コンダクタ52a−dを形成する。コイルは下記のシートカーリングツールに挿入され、シートカーリングツールは、フラットな各縦セクションをカールしてチューブ状コンダクタにするのに使用される。
【0037】
図5は、本発明の好ましい実施形態によるシートカーリングツールの等角投影図である。カーリングツール120は、支持体124と、支持体124上に装着された縦長のカーリング部材130とを含む。支持体124は、2個の平行なほぼ横方向のプレート132a−bと、下部プレート132bに装着された2個の平行な縦ガイドすなわちレール134a−bと、上部プレート132aに連結された高さ制御部136とを含む。上部プレート132aには、2個の縦孔が貫通形成されている。これらの孔の寸法は、ガイド134a−bが上部プレート132aを貫通して滑動できるように決定されている。高さ制御部136は、上部プレート132a内に突入してガイド134aに接触し、それによって上部プレート132aを下部プレート132bに対する位置にロックできるネジである。ガイド134a−bの長さは、製造すべきコイルの高さよりも大きい。
【0038】
カーリング部材130は、上部プレート132aを貫通して着脱自在に装着され得る。カーリング部材130は、細長い円柱形状を有しており、カーリング部材130の先端(上端)から近接端(下端)まで延びる細い縦スロット150を有している。スロット150の幅は、カールされるシートがスロット150にしっかりと嵌め込まれるように選択されている。たとえば、カールされるシートの厚さが0.002インチである本実施形態においては、シートをカールするために使用される対応するスロット150は、0.004〜0.005インチの厚さを有する。カーリング部材30の直径は、カールされた縦コイルコンダクタの所望の直径と等しいように選択される。回転自在のカーリング制御部すなわちノブ170は、カーリング部材130に取り付けられている。ノブ170は、カーリング部材130の縦軸まわりの回転を制御するために使用される。
【0039】
シートカーリングツール120の作動を開始するために、制御部136をゆるめて上部プレート132aをガイド134a−bから取り外す。次にコイル30aを下部プレート132b上に配置し、上部プレート132aをガイド134a−b上に下降させる。コイル30aは、円筒状ガラス支持体60の周囲に巻き付けたシートコンダクタを含んでいる。このシートコンダクタは、巻かれた本体から延びる4個のフラットな縦セクションすなわちウイングを含む。分かり易くするために、図5にはフラットな縦セクションは図示されていない。コイル30aをプレート132a−b間に固定すると、上部プレート132aの下部プレート132bに関する縦方向移動を防ぐために制御部136を上部プレート132a内にねじ込む。
【0040】
次にカーリング部材130を上部プレート132aから挿入し、カーリング部材130を定位置に下降させながら、コイル30aのフラットな縦セクションの1個をスロット150に挿入する。次にカーリング部材130をその縦軸のまわりに回転させ、コイル30aのフラットセクションをカーリング部材130の周囲でカールさせる。このカーリングステップにおいて、コイル30aの横リングを回転させてもよい。フラットセクションをカールしてチューブが形成されると、チューブの2つの縦側部を1滴の接着ハンダを用いて互いに固着できる。次にカーリング部材130をチューブから縦方向に抜き出し、コイル30aを回転させて別のフラットセクションをカーリング位置に配置し、前記ステップを繰り返す。
【0041】
図6は、本発明の他の実施形態による丸形シートRFコイル230の中心横断面図である。コイル230は、対称的に配置された4個の縦コンダクタ252を含む。コンダクタ252は、図2−Aに示した横リングを含む大きいシートの一部である。図6を再度参照すると、各コンダクタ252は、丸形のチューブ状部270とそれに隣接するほぼフラット部(ストリップ)272とを含む。コイル230により生じるRF磁場の方向は、矢印254で示されている。チューブ状部270により提供される丸い縁によって、コイル230におけるコイルパワーのロスを減らすことができる。ストリップ272はコイル230により生じる磁場をほとんど妨害しない。フラット部を有するコイルは、別の直交コイルを含まないプローブにおける使用に特に適している。直交コイルを含むプローブの磁場はフラット部により妨害される。
【0042】
図7は、本発明の他の実施形態による丸形シートRFコイルの中心横断面図である。コイル330は、対称的に配置された4個の縦コンダクタ352を含む。コンダクタ352は、図2−Aに示した横リングを含む大きいシートの一部である。図7を再度参照すると、各コンダクタ352は、カール部370とそれに隣接するフラット部(ストリップ)372とを含む。コイル330により生じるRF磁場の方向は、矢印354で示されている。カール部370は、180度以上カールしており、コイル330の縦縁をコイル370の前部ウインドウにおける高磁場領域からコイル330側の低磁場領域へ移すことができる。
【0043】
本発明のコイルは必ずしも4個の縦コンダクタを有する必要はない。特に所望のコイルの形状およびコイルの巻き数に応じて、4個よりも少数または多数の縦コンダクタを使用してもよい。さらに、カールシート縦コンダクタの代わりに、丸形断面を有するソリッドワイヤ縦コンダクタを使用してもよい。異なる磁化率を有する多数の同心材料からなる磁化率補償ワイヤは、当技術において公知である。このようなワイヤコンダクタは、図2−Aに示したリングのようなシート状横リングに取り付けることができる。フラットなシート状横コンダクタは比較的高い分散キャパシタンスを提供し、また丸形ワイヤ縦コンダクタはコイルの鋭利な縁の周の長さを減らし且つコイルの直交磁場に対する透過率を増すことができる。同時にワイヤコンダクタとシートリングとの間のアタッチメントインタフェースは、コイルにおけるさらなるRFロスを生じ得る。さらに、ワイヤコンダクタをシートリングに取り付ける必要のあるコイルは、図2−Aに示したコイル形状よりも製造しにくい。
【0044】
図8−A〜8−Cは、本発明による3個の丸形コンダクタRFコイル430a−cの中心横断面図である。コイル430a−cは、それぞれ、複数個の縦ソリッドワイヤコンダクタのセット452a―cを含む。縦コンダクタ452a―cは、端部において図2−Aに示したような横シートコンダクタに取り付けられる。図8−A〜8−Cを再度参照すると、コイル430a―cにより生じる磁場の方向は、それぞれ矢印454a―cにより示されている。特別のコイル設計を望むならば、多数の丸形縦コンダクタを使用してもよい。
【0045】
図9は、本発明によるカールシートバードケージRFコイル530の導電部の等角投影図である。コイル530は、導電中心構造532と、この中心構造532に容量結合されている1対のシールド534とを含む。中心構造532は、1対のスロット付き横導電リング540a―bと、前記リング540a―bを相互接続した複数個のカールシート縦コンダクタ552と、リング540bに連結された2対の対向して離間配置された導電リード538とを含む。
【0046】
中心構造532は、円の周囲に90度の間隔で装着された4個の別々のコンダクタにより形成されている。リング540aは、4個の縦スロットにより分離された4個の別々の導電セクション556を含む。同様に、リング540bは、4個の縦スロットにより分離された4個の別々の導電セクション558を含む。各セクション556は、縦コンダクタ552を介して対応して直線状に並んだセクション558に連結されている。各導電リード538は、対応するセクション558に連結されている。コイル530は、リード538を介して駆動される。2対の対向して離間配置されたリード538は、印加された駆動電流における相対的位相シフトにより駆動されてもよい。当業者には明らかなように、実際にはバードケージコイルは4個以上のセクションを含んでよい。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく上記実施形態をさまざまに変更できることは、当業者には明らかであろう。丸形コンダクタを有するRFコイルは、測定対象が生きている人間の組織すなわち人体部分である磁気共鳴画像(MRI)のような磁気共鳴用途に利用できる。本発明のコイルの縦セグメントの外部境界の適切な横断面形状は、楕円や楕円に準ずる形を含む。縦コンダクタの内部横断面は、重大ではない。本発明の丸形コンダクタシートコイルは、従来の直交ワイヤもしくはシートコイル、または別の直交丸形コンダクタシートコイルと組み合わせて使用できる。直交コイルは、丸形コンダクタコイルの外側または内側に配置できる。測定室に隣接する横リング状コンダクタの横側の端部もまた内側または外側にカールすることができる。それによって測定室は、円形縦断面を有する導電トロイドにより境界を限定される。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその法的均等物により決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるNMR分析器の概略図である。
【図2−A】本発明による丸形コンダクタRFコイルの導電部の等角投影図である。
【図2−B】本発明による、図2−Aの導電部を支持する誘電支持体の等角投影図である。
【図3−A】本発明による、図2−Aのコイルと結合して使用するのに適した、コイルのサドル形導電部の等角投影図である。
【図3−B】本発明による、図3−Aの導電部を支持する支持体の等角投影図である。
【図4−A】本発明による、図2−Aに示したような内側コイルを含むコイルアセンブリと、内側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−B】本発明による、図2−Aに示したような内側コイルを含むコイルアセンブリと、外側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−C】先行技術のフラット(カールされていない)シート内側コイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリと、内側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図4−D】先行技術のフラット(カールされていない)シート内側コイルと先行技術の外側ワイヤコイルとを含むコイルアセンブリと、外側コイルにより生じた計算された磁場との中心横断面図である。
【図5】本発明によるシートカーリングツールの等角投影図である。
【図6】本発明による他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図7】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−A】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−B】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図8−C】本発明によるさらに他の丸形コンダクタRFコイルの中心部の中心横断面図である。
【図9】本発明による丸形コンダクタバードケージコイルの1例の等角投影図である。
Claims (47)
- a)1対の縦に離間配置されたほぼ横の導電シートリングと、
前記リングを電気的に相互接続する複数個のカールシート縦コンダクタとを含む第1横磁場高周波コイルと、
b)前記第1コイルに対して実質的に直交方向に且つ同軸状に配置された第2横磁場高周波コイルとを備えた、
核磁気共鳴プローブ用核磁気共鳴コイルアセンブリ。 - 前記縦コンダクタの各々がほぼ円形の横断面を有する、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記縦コンダクタの各々がほぼ閉じた横断面を有する、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記縦コンダクタの各々が前記導電シートリングに対して外側にカールされている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルが前記第2コイルによって横方向に包囲されている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第2コイルが前記第1コイルによって横方向に包囲されている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記導電シートリングと前記縦コンダクタとが単一の導電シートから形成されている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記単一の導電シートが磁化率補償されている、請求項7に記載のコイルアセンブリ。
- 前記縦コンダクタの各々と前記導電シートリングの各々とが磁化率補償されている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記縦コンダクタの各々の横寸法は、前記導電シートリングの横寸法の少なくとも5分の1よりも小さい、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルが縦円筒状誘電支持体をさらに含み、前記誘電支持体上に前記導電シートリングが装着されている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルが複数個の縦誘電支持ロッドをさらに含み、各縦コンダクタは前記縦誘電支持ロッドの1つの周囲に近接してカールされている、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルが、前記導電シートリングに関して内側に配置されており、前記縦コンダクタの縦方向の両側に位置し前記縦コンダクタから遠ざかる方向へ延びる、1対のサンプルシールドをさらに含む、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルがサドル形コイルである、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- 前記第1コイルがバードケージコイルである、請求項1に記載のコイルアセンブリ。
- a)1対の縦に離間配置されたほぼ横の導電シートリングと、
b)前記リングを電気的に相互接続する複数個のカールシート縦コンダクタとを含む、
核磁気共鳴プローブ用高周波コイル。 - 前記縦コンダクタの各々がほぼ円形の横断面を有する、請求項16に記載のコイル。
- 前記縦コンダクタの各々がほぼ閉じた横断面を有する、請求項16に記載のコイル。
- 前記縦コンダクタの各々が前記導電シートリングに対して外側にカールされている、請求項16に記載のコイル。
- 前記導電シートリングと前記縦コンダクタとが単一の導電シートから形成されている、請求項16に記載のコイル。
- a)各々が、ほぼ縦の実質的にチューブ状の部分を有するカールシートを含む、複数個のほぼ縦のコンダクタと、
b)前記縦コンダクタを相互接続する、1対の縦に離間配置されたほぼ横のシートコンダクタとを備えた、
核磁気共鳴測定を実施するための高周波コイル。 - 前記縦コンダクタの各々がほぼ円形の横断面を有する、請求項21に記載のコイル。
- 前記縦コンダクタの各々がほぼ閉じた横断面を有する、請求項21に記載のコイル。
- 前記縦コンダクタの各々が前記横シートコンダクタに対して外側にカールされている、請求項21に記載のコイル。
- 前記横シートコンダクタと前記縦コンダクタとが単一の導電シートから形成されている、請求項21に記載のコイル。
- a)各々が縦のほぼチューブ状の部分を有する、複数個のほぼ縦のコンダクタと、
b)前記縦コンダクタを相互接続する、1対の縦に離間配置されたほぼ横のシートコンダクタとを備えた、
核磁気共鳴測定を実施するための高周波コイル。 - 前記各縦コンダクタがチューブ形の部分を有する、請求項26に記載のコイル。
- 前記チューブ形の部分がソリッドワイヤから形成されている、請求項26に記載のコイル。
- 前記ワイヤが磁化率補償されている、請求項28に記載のコイル。
- 前記チューブ形の部分が横にカールされたシートから形成されている、請求項26に記載のコイル。
- 前記各縦コンダクタが、前記チューブ形の部分に接続された、カールされていない縦ストリップをさらに含む、請求項30に記載のコイル。
- 前記チューブ形の部分が円形の横断面を有する、請求項26に記載のコイル。
- 前記チューブ形の部分が、前記横シートコンダクタに対して横方向外側に配置されている、請求項26に記載のコイル。
- a)各々が、ほぼ縦の実質的円筒状部分を有するカールされた磁化率補償シートを含む、2対の平行でほぼ縦のコンダクタと、
b)第1の対の縦空隙により分離された2個の別々の第1セクションを有する第1のほぼ横の弓形磁化率補償シートコンダクタであって、各第1セクションは前記1対の縦コンダクタを電気的に相互接続している、第1シートコンダクタと、
c)第2の対の縦空隙により分離された2個の別々の第2セクションを有する第2のほぼ横の弓形磁化率補償シートコンダクタであって、前記第2シートコンダクタは、前記縦コンダクタに関して前記第1シートコンダクタと縦方向反対側に配置されており、各第2セクションは、前記2対のうちの一方の対の縦コンダクタと前記2対のうちの他の対の縦コンダクタとを相互接続している、第2シートコンダクタとを備えた、
サンプルに対し核磁気共鳴測定を実施するための高周波コイル。 - 1対の円筒状サンプルシールドをさらに含み、各サンプルシールドは、前記弓形シートコンダクタの1個に関して内側に且つ同軸状に配置されており、前記サンプルシールドは、前記縦コンダクタの縦方向反対側に配置され且つ前記縦コンダクタから遠ざかる方向に延びている、請求項34に記載のコイル。
- 当該コイルを支持するための円筒状でほぼ縦の誘電支持体をさらに含んでおり、前記支持体は縦内表面と縦外表面とを有しており、前記サンプルシールドは前記内表面上に装着されており、前記第1シートコンダクタと前記第2シートコンダクタとは前記外表面上に装着されている、請求項35に記載のコイル。
- a)サンプルをサンプル測定室内の静磁場に配置するためのサンプルホルダと、
b)各々が、前記サンプル測定室に沿って延びる縦の、実質的にチューブ形の部分を含む含む、複数個のほぼ縦のコンダクタと、
前記縦コンダクタを相互接続し且つ前記サンプル測定室の縦方向反対側に配置された、1対のほぼ横のシートコンダクタとを含む、
前記サンプルホルダに機械的に結合された第1の横磁場高周波コイル、とを備えた、
サンプルに対し核磁気共鳴測定を実施するための核磁気共鳴プローブ。 - 前記サンプルホルダに機械的に結合されており、そして前記第1のコイルに対して実質的に直交し且つ同軸状に配置された、第2の横磁場高周波コイルをさらに含む、請求項37に記載のプローブ。
- a)静磁場を生じさせるマグネットと、
b)前記サンプルをサンプル測定室内の静磁場に配置するためのサンプルホルダと、
第1の横磁場高周波コイルであって、
各々が、前記サンプル測定室に沿って延びる縦の、実質的にチューブ形の部分を含む含む、複数個のほぼ縦のコンダクタと、
前記縦コンダクタを相互接続し且つ前記サンプル測定室の縦方向反対側に配置された、1対のほぼ横のシートコンダクタとを含む、
前記サンプルホルダに機械的に結合された第1の横磁場高周波コイルとを有する、
前記マグネットの孔内に配置された核磁気共鳴プローブ、とを備えた、
サンプルに対し核磁気共鳴測定を実施するための核磁気共鳴分析器。 - 前記サンプルホルダに機械的に結合されており、そして前記第1のコイルに対して実質的に直交し且つ同軸状に配置された、第2の横磁場高周波コイルをさらに含む、請求項39に記載の分析器。
- a)核磁気共鳴プローブ内に形成されたサンプル測定室内にサンプルを配置するステップであって、前記プローブは高周波コイルを含み、前記高周波コイルは
各々が、前記サンプル測定室に沿って延びる縦の、実質的にチューブ形の部分を含む含む、複数個のほぼ縦のコンダクタと、
前記縦コンダクタを相互接続し且つ前記サンプル測定室の縦方向反対側に配置された、1対のほぼ横のシートコンダクタとを含む、ステップと、
b)前記核磁気共鳴プローブを核磁気共鳴分析器のマグネットの孔内に配置するステップと、
c)前記マグネットおよび前記高周波コイルを用いて、サンプルに対し核磁気共鳴測定を実施するステップとを含む、
核磁気共鳴測定方法。 - a)1対の縦に離間配置されたほぼ横の導電シートリングを形成するステップと、
b)前記リングを電気的に相互接続する複数個のカールシート縦コンダクタを形成するステップとを含む
核磁気共鳴用高周波コイルの製造方法。 - a)導電シート上にコイルパターンを形成するステップであって、前記パターンは複数個のほぼ縦のコンダクタと前記縦コンダクタを相互接続する1対のほぼ横のコンダクタとを区画している、ステップと、
b)前記シートを縦軸の周りに巻いて各横コンダクタにリング形状を与えるステップと、
c)各縦コンダクタをカールしてチューブ状縦部分を含む形状にするステップとを含む、
核磁気共鳴用高周波コイルの製造方法。 - 前記チューブ状縦部分の横寸法が前記リング形の横コンダクタの横寸法の少なくとも5分の1よりも小さくなるように、前記カーリングステップを実施することを含む、請求項43に記載の方法。
- 各縦コンダクタをカーリングするステップは、
a)各縦コンダクタを縦カーリング部材の縦スロット内に取り付けるステップと、
b)各縦コンダクタを前記カーリング部材のまわりでカールするステップとを含む、
請求項43に記載の方法。 - a)コイルを定位置に保持する支持体と、
b)前記支持体上に装着された縦に細長いカーリング部材とを含み、
前記カーリング部材は、前記縦コンダクタを挿入して定位置に取り付けできるような寸法の縦スロットを有しており、
前記スロットは前記縦コンダクタを受けるための開口先端を有しており、それによって前記縦コンダクタを当該スロット内に取り付けでき、
前記カーリング部材はその縦軸の周囲に回転自在であり、前記縦コンダクタを前記スロットに取り付けた状態で前記カーリング部材が回転して前記縦コンダクタを前記カーリング部材のまわりでカールする、
核磁気共鳴高周波コイルの縦コンダクタをカールするためのシートカーリングツール。 - 前記支持体が、
a)第1のほぼ横のプレートと、
b)前記第1のプレートに対して縦に離間配置され且つそれ自体を貫通する1対の縦孔を有する第2のほぼ横のプレートと、
c)前記第2のプレートの前記第1のプレートに関する縦移動をガイドして前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に前記コイルを取り付けるための、前記第1のプレートに結合され且つそれぞれ前記1対の縦孔を貫通して延びる1対の縦ガイドとを含む、
請求項46に記載のシートカーリングツール。
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