JP2005507866A - 管理治療のための薬物放出システム - Google Patents
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Abstract
結合したポリプロピレングリコールを高い割合で含むポリマー組成物は、薬物及び医薬試剤を制御放出するためのマトリックスとなる。この組成物は、エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール含有モノマー類の重合によって生成される。エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール含有モノマー類とコモノマー類との共重合体も開示する。薬物を充填した本発明のポリマー組成物は、眼内に薬物(類)を制御放出するための眼科用挿入物として特に有用であることが分かった。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、国立衛生研究所(NIH)による承認番号第1R43EY13479−01号の下、政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、治療において活性な試剤を管理投与するための、組成物、方法、及びデバイスに関する。より詳細には、本発明は、いずれも“マトリックスシステム”に分類される投薬デバイス類に関する。望ましい実施の形態において、本発明は、ほ乳類である患者、特にこれらの患者の目に対し、長期に亘って管理しながら連続的に薬物を投与するためのマトリックスシステムに関するものである。本発明の別の態様は、このようなデバイス類の製造法に関する。
【背景技術】
【0003】
構成要素を構造的又は物理的に配置することにより、時間を設定してあるいは一定間隔で薬物を投与又は吸収させるよう調整し、ゆっくりした又は差動放出によって1回の投与で徐々にではあるが持続的に薬物を患者に供給する技術においては、多くの様々な組成物、生成物、器具、沈殿器(depositors)、塗布器(applicators)、投薬器(dispensers)、及び注射器が知られている。このようなデバイス類の長所は、患者への薬物投与濃度を医師がより注意深く管理できるという点である。持続放出デバイス類のもう一つの長所は、薬物の必要投与回数が減るという点である。
【0004】
経口投与が必要な場合、前述の目的を達成する手段の一つは、カプセル又は錠剤を使用して、カプセルが胃腸管を通過する間に一定速度で薬物を放出させるものである。過去においては、不活性物質が錠剤の分解又は薬物の溶解を妨げるように、薬物と1種類以上の不活性成分とを混ぜ合わせてこの目的を達成した。このような錠剤の形態の一つは、薬物と不活性物質とを交互に何層かに重ねた錠剤である。この方法では、交互に並んだ各保護層が分解するにつれて患者は次第に薬物の投与を受けることになる。しかしこのような錠剤には、薬物放出が均一かつ一定ではないという欠点がある。またこのような錠剤は正確な調製が困難で、多くの場合、所望の投与濃度が保証できない。更に、その分解又は溶解の速度が速いため、この錠剤では薬物を長期に亘って放出することは不可能である。また更に、このような可分解キャリヤは、好ましくない副作用、例えば、異物反応や瘢痕形成などをしばしば起こすことがあり、一般に広く用いることができない。
【0005】
これらの欠点に対応し、最近では、ある種の合成ポリマーキャリヤ、最も注目されているものではポリシロキサンゴムが開発された。これは、送達デバイスの分解を伴わずに患者へ薬物を投与するよう設計されている。代わりに、ポリマー薬物送達系は、薬物が比較的遅い速度でポリマー壁を通過して移動する拡散現象に基づくものである。このような系では、ポリマー材料から製造したポリマーキャリヤ全体に薬物を配置する。
【0006】
現在の眼科診療においては、眼の疾患、更には感染症や炎症の治療のため、様々な種類の薬物が頻繁に使用されている。これらの薬物は身体から速やかに排出され、あるいは局所投与されたいずれの部位からも拡散してしまうため、一般に重要な期間には繰り返し何度も薬物を投与する必要がある。治療用物質は様々な方法で眼内に入れることができる。一般的に用いられる方法は、点眼薬又は軟膏の形で結膜嚢中へ滴下するものである。この方法により薬物は角膜を通って広く眼内に入るが、効果的に行うには、多くの場合ほぼ連続的に薬物を投与しなければならない。現時点において、点眼薬又は軟膏を用いて一定期間に亘って時々投与したのでは、所定の薬物を連続投与することは不可能である。このような投薬形態での周期的な投与では、一般に、眼は投与された際に大量の、しかし不確定な量の薬物を受けるが、薬物は涙によってすぐに洗い流されるため、次の投与を受けるまで眼には薬物がないままとなってしまう。例えば、眼内圧の上昇という特徴的な症状を示す緑内障の患者では、基礎圧力を妥当な値以下に保つために大量の点眼液を頻繁に用いなければならない。緑内障の治療には一般にチモロールが用いられるが、薬物の降圧作用は長く持続しないため、頻繁に投与する必要がある。
【0007】
このように、頻繁に投与を行わなくても最大の薬効が得られるような、より良い眼への薬物投与法が求められている。
【0008】
急性緑内障の治療に提案された一つの方法は、例えば、薬物をポリビニル膜に封入して眼に投与するものであった。薬物を含んだ膜は眼瞼に付着させる。しかし、薬物を膜に入れたのでは、急性緑内障発作の一般的な治療において薬の効果が上がらないことが分かった。
【0009】
長期間、一般に、数時間又は数日、あるいは数ヶ月に亘って薬物を送達するデバイスを作成するため、多くの努力がなされてきた。このようなデバイスは2つの種類、受食性及び非受食性に分けることができる。
【0010】
受食性デバイスは一般に加水分解によって分解するポリマーである。デバイスの外側表面層が分解するにつれて含まれていた薬物がマトリックスから放出される。このようなデバイスの例は、オグラによる米国特許第5,707,643号に開示されている。場合によっては、薬物を含む水溶性ポリマー系の単なる溶解も受食性に分類される。このようなデバイスの例は、ハダドによる米国特許第5,556,633号に開示されている。
【0011】
非受食性デバイスにはいくつかの形態がある。貯蔵器送達系(リザーバデリバリーシステム)は、液体、固体、又はペースト状の中心物質を封入した固体の包(エンベロープ)又は殻(シェル)から成るものである。この固体の包又は殻は放出速度を制御する膜である。薬物などの中心物は、デバイスの内側と外側との間の中心物の濃度勾配の下、膜壁を通り抜けて拡散することにより貯蔵器から放出される。このようなデバイスの例は、アーノルドによる米国特許第3,961,628号、及びウォンによる米国特許第4,402,695号に開示されている。
【0012】
貯蔵器系とは対照的に、マトリックス(モノリシック)システムは、分散又は溶解した液体又は固体の薬物を含む、“完全に”固体の物質から成るものである。薬物は、濃度勾配の下、マトリックスを通り抜ける薬物分子の拡散によってマトリックスシステムより放出される。このようなデバイスの例は、シェルによる米国特許第4,281,654号に開示されている。
【0013】
膨潤制御系又はヒドロゲルは、水溶液中に置くと明瞭な3次元構造を保ったまま大量の水を吸収する、親水性ポリマー網目である。薬物はヒドロゲル網目中に分散又は溶解する。膨潤制御系又はヒドロゲルを患者の体内に投与すると、水がヒドロゲル内に拡散して膨潤が起き、薬物分子が拡散放出される。このようなデバイスの例は、サンによる米国特許第4,910,015号に開示されている。
【0014】
浸透系又は浸透ポンプは、浸透圧によってデバイスから薬物溶液を汲み出して薬物を送達するものである。浸透圧は、薬物分子あるいは添加した塩又糖によって生じる。浸透ポンプは、半透性の固いポリマーの外装と薬物粉末又は薬物溶液に浸透剤を加えたものとから構成される。浸透圧によって半透性のポリマー膜又は外装を通り抜けて水が拡散した後、薬物溶液は静水圧下で対流する。このようなデバイスの例は、リベラによる米国特許第5,607,696号及び米国特許第5,609,885号に開示されている。
【0015】
長期に亘って薬物を放出する系及びデバイスに関しては多くの進歩があったが、頻繁に投与を行わなくても最大の薬効が得られるような、より良い薬物送達法が更に求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願では、動物及びヒトに用いるためのポリマー生成物の製造法を提示する。より詳細には、本願は、治療において活性な物質を含むポリマーマトリックス又はキャリヤに関する。特に本願は、ポリプロピレングリコールを主材料とするポリマーマトリックス(すなわちキャリヤ)と、医学的疾患又は障害の治療に使用可能な治療用活性試剤とを含む、デバイス及び構成要素に関する。本発明の組成物は、特に眼に関する疾患又は障害の治療に有用である。
【0017】
驚くべきことに、ポリプロピレングリコールセグメントを高い割合で含むポリマー組成物は、高い濃度で薬物を充填でき、またその薬物を長期間に亘って放出することが分かった。これは、現在の薬物送達系に見られない多くの長所をもたらすものである。
【0018】
本薬物送達キャリヤに使用されるポリマー材料は、“マトリックスシステム”に分類される。本願の目的においては、マトリックスシステムは、液体、固体、又はペースト状の活性試剤を含む“完全に”固体の物質から成る、制御放出デバイスであるシステムと定義する。マトリックスシステムでは、1種以上の活性試剤とマトリックス材料(類)とを均一に混合する。活性試剤は、マトリックス中に分散、マトリックス中に溶解、あるいはその両方である。活性試剤は、濃度勾配の下、分子拡散によってマトリックス(及び細孔)を通ってマトリックスより放出される。
【0019】
従って、本発明の目的の一つは、局所的に又は全身に作用する試剤を投与して生理的又は薬理的効果を生じさせるためのデバイスの提示であって、更に、先行技術より技術的に進歩したデバイスの提示である。
【0020】
もう一つの目的は、特定期間に亘って眼に活性試剤を投与するための投薬管理法であって、この方法を用いれば、投与管理の開始時と終了時にのみ処置を行えば良いような管理法の提示である。
【0021】
更に別の目的は、長期間装着しても快適で、睡眠時や日常において使用しても不快でなく、同時に眼に薬物を投与する眼内挿入物の提示である。
【0022】
更に別の目的は、眼内レンズ系と一体を成す薬物放出成分の提示である。
【0023】
このような新しい眼内投薬デバイスの製造法も提示する。更に本発明は、優れた機械的及び物理的性質を持った、薬物を制御放出するための眼科用デバイスを提示する。
【0024】
ある態様では、眼内に挿入するための挿入物の形とした、長期に亘って活性試剤を連続投与するための眼科用送達デバイスを開示する。このデバイスは眼球強膜と瞼との間の結膜円蓋中に挿入し留置しても不快でないような形状とする。この用途に用いられる代表的な活性試剤は、薬物と眼科用潤滑剤である。
【0025】
別の態様では、眼自体の中で所定の期間に亘って活性物質を連続投与するための薬物送達マトリックスを提示する。この送達マトリックスは、例示的な実施の形態に示すように眼内レンズ系にしっかりと付着させる。眼内レンズに植え込まれると、活性試剤は長期に亘って眼内に放出される。この用途に用いられる代表的な活性物質は、抗生剤や抗炎症剤などの薬物である。
【0026】
本発明のその他の特徴及び長所は、以下の本発明の詳細な記述及び添付の請求項より、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
今回開示のデバイスを実施したところ、予想もしなかったことに、例えば拡散によって、薬剤組成物(例えば薬物)などの活性試剤を制御放出するためのデバイスの作成に、ある種のポリマー材料が使用可能なことが見出された。本願全てで使われているように、“薬物”の語は、医薬など多種多様な活性試剤を指す。
【0028】
開示のポリマー材料によって実現された長所とその利用により、図らずも、高濃度の薬物を充填し、長期に亘って放出するよう処方することが可能となった。更にポリマー材料は、親水性及び疎水性いずれもの広く様々な薬物を充填できるよう処方可能である。本ポリマー材料はヒトの組織と適合性を持つ。つまり、これらの材料は投与部位で分解せず、物質の吸収がなく、また配置した患部の敏感な組織に有害な作用を及ぼさずに、長期に亘って系を保持するものである。
【0029】
本件に開示の例示的なデバイス全ての目的に適うポリマーとしては、ポリマー類や共重合体類などが挙げられる。これらは遊離基重合により生成し、鋳込み(キャスティング)又は成形(モールディング)によって所望の形状に成形する。
【0030】
ある典型的な実施の形態に従って、薬物の制御放出用マトリックスとして適したポリマー材料を開示する。ポリマーマトリックスを成すポリマー材料は、次の構造式を持つポリプロピレングリコールセグメントを50重量%以上含むものである。
【化1】
式中、n=2〜約100である。
【0031】
ポリプロピレングリコールセグメントは、少なくとも一個のエチレン性不飽和部分を含み、この部分は重合反応に関与可能なものであって、一般に次の構造式を持つ。
【化2】
式中、Pは、エチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であって、次の中から選ばれる。
【化3】
Yは、次の基より選ばれるスペーサー基であるが、これらに限るものではない。
【化4】
【0032】
エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール組成物の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限るものではない。
【化5】
式中、Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化6】
式中、Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化7】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Rは水素又はアルキルであり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−であり、
x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数である。
あるいは、
【化8】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Rは水素又はアルキルであり、
w、x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
あるいは、
【化9】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
w、x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
あるいは、
【化10】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
x及びyはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
本デバイスでの使用に適したポリプロピレングリコール含有モノマー類の例としては次のものが挙げられる。
【化11】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化12】
又は
【化13】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化14】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化15】
又は
【化16】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
n及びmはそれぞれ2〜約100の整数である。
あるいは、
【化17】
式中、nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化18】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
【0033】
ある実施の形態に従えば、望ましいポリプロピレングリコール含有モノマー類としては次のものが挙げられる。
【化19】
又は
【化20】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化21】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化22】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化23】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
より望ましいポリプロピレングリコール含有モノマー類としては次のものが挙げられる。
【化24】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化25】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは2〜約100の整数である。
【0034】
ポリマーマトリックスの製造においては、多くの場合、ポリプロピレングリコール含有モノマーと1種類以上のコモノマー類との共重合体を生成することが望ましい。コモノマー(類)を選ぶことによって、これらの共重合体マトリックスからの薬物放出プロフィールを大きく変えることができる。例えば、ポリプロピレングリコール含有モノマーと共に疎水性のコモノマー(類)を用いると、疎水性の薬物と相容性を持ったマトリックスを生成することができる。反対に、親水性コモノマー(類)を用いると、より親水性薬物と相容性を持ったマトリックスができる。本発明に述べるマトリックスからの薬物放出プロフィールは、架橋度によっても変えることが可能である。架橋度の高いマトリックスはマトリックスからの薬物の拡散を抑制するため、放出速度は遅くなる。
【0035】
本デバイスの製造に用いるポリマー中に存在するモノマーは、共重合可能なビニルモノマーであればどのようなものでも良い。以下に使用できるコモノマー類の代表的なものを示すが、これらは例示のためであって、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0036】
適当なコモノマー類としては、アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、詳細には、C1〜C20アルキル=アクリラート類及びC1〜C20アルキル=メタクリラート類、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、等;アルカン酸ビニルエステル類、詳細には、C1〜C6アルカン酸ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、等;アルケン類、詳細には、C1〜C8アルケン類、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、等;スチレン類、詳細には、スチレン及びα−メチルスチレン;ビニルエーテル類、詳細には、C1〜C6アルキル=ビニル=エーテル類、例えば、メチル=ビニル=エーテル、エチル=ビニル=エーテル、ブチル=ビニル=エーテル、等;ジアルキル=マレアート類、フマラート類、又はイタコナート類、詳細には、C1〜C6ジアルキル=マレアート類、フマラート類、又はイタコナート類、例えば、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、等;アリルエーテル類及びエステル類、詳細には、アリル=C1〜C6アルキル=エーテル類及びC2〜C6アルカン酸アリルエステル類、例えば、アリル=メチル=エーテル、アリル=エチル=エーテル、酢酸アリル、等;パーフルオロC3〜C6アルキル=アクリラート類又はメタクリラート類;パーフルオロアルコキシル化ビスアクリラート類又はメタクリラート類;ポリ又はオリゴアルキルシロキサン=アクリラート類又はメタクリラート類、等が挙げられる。
【0037】
また、ポリマーの薬物放出特性、安定性、及び機械的性質を変えるため、少量の架橋剤が一般に用いられる。適当な架橋剤としては、例えば、C2〜C6アルキレンエーテル=ジメタクリラート類及びアクリラート類、例えば、エチレングリコール=ジメタクリラート、ジエチレングリコール=ジメタクリラート、トリエチレングリコール=ジメタクリラート、グリセリン=トリメタクリラート;アリル=アクリラート又はメタクリラート、ジビニルベンゼン、ポリ又はオリゴアルキルシロキサン=ジアクリラート又はメタクリラート、等が挙げられる。
【0038】
適当な親水性のコモノマー類は、ヒドロキシ置換低級アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、アクリルアミド、メタクリルアミド、(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、N,N−ジアルキルアクリルアミド類、エトキシル化アクリラート類及びメタクリラート類、ポリエチレングリコール=モノ(メタ)アクリラート類及びポリエチレングリコール=モノメチルエーテル=(メタ)アクリラート類、ヒドロキシ置換(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、ヒドロキシ置換低級アルキル=ビニルエーテル類、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−及び4−ビニルピリジン、ビニル性不飽和部分を持つ全炭素数が3〜5のカルボン酸、アミノ(低級アルキル)− (“アミノ”には4級アンモニウムも含む)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)及びジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)アクリラート類及びメタクリラート類、アリルアルコール、等が挙げられる。好ましいものとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシ置換低級アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、ヒドロキシ置換(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、及び、ビニル性不飽和部分を持つ全炭素数が3〜5のカルボン酸が挙げられる。
【0039】
適当なフッ素化モノマー類としては、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロデシル=アクリラート及びメタクリラート、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクチル=アクリラート及びメタクリラート、及び1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクチル=メタクリルアミド又はアクリルアミド、ヘキサフルオロイソプロピル=アクリラート、ヘキサフルオロイソプロピル=メタクリラート、パーフルオロシクロヘキシル=メタクリラート、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン;フルオロアルキル置換アミド−アルコール類、例えば、C7F15CON(C2H5)C2H4OHのアクリラート類及びメタクリラート類;スルホンアミド−アルコール類、例えば、C8F17C8H4SO2N(CH3)−C4H8OH、及びC8Cl7SO2N(C2H5)−C2H4OHのアクリラート類及びメタクリラート類;パーフルオロエーテルアルコール類、例えば、C3F7−O(C3F6O)2CF(CF3)−CH2OH、又は(CF3)2CFO(CF2CF2)2−CH2CH2OHのアクリラート類及びメタクリラート類;構造式CF3(CF2)fCH2CH2SCH2CH2CH2OHで示されるフッ素化チオエーテルアルコール類のアクリラート類及びメタクリラート類;スルホンアミド−アミン類、例えばRfSO2NH(CH3)CH2CH2N(CH3)−(CH2)3NH、及びRfCH3SO2NH(CH2)2のアクリラート類及びメタクリラート類;アミド−アミン類、例えば、RfCONH(CH2)2NH2のアクリラート類及びメタクリラート類;更に、前述のフッ素化アルコール類及びアミン類と、2−イソシアナトエチル=アクリラート又はメタクリラート、あるいは、m−イソプロペニル−1,1−ジメチルベンジル=イソシアナートとの反応より得られるビニルモノマー類が挙げられる。
【0040】
適当なシリコーン含有ビニルモノマー類は、2〜10のSi原子を含むオリゴシロキサニルシリルアルキル=アクリラート類及びメタクリラート類である。具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル=(メタ)アクリラート、トリフェニルジメチル−ジシロキサニルメチル=(メタ)アクリラート、ペンタメチル−ジシロキサニルメチル=(メタ)アクリラート、tert−ブチル−テトラメチル−ジシロキサニルエチル=(メタ)アクリラート、メチル−ジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピル−グリセリル=(メタ)アクリラート;ペンタメチル−ジシロキサニルメチル=メタクリラート;ヘプタメチル−シクロテトラシロキシメチル=メタクリラート;ヘプタメチル−シクロテトラシロキシプロピル=メタクリラート;(トリメチルシリル)デカメチル−ペンタシロキシプロピル=メタクリラート;ドデカメチル−ペンタシロキシプロピル=メタクリラートが挙げられる。
【0041】
本発明のポリプロピレングリコール含有モノマー類単独での、あるいはコモノマー類との重合は、エチレン性不飽和部分を持つモノマー類の重合において一般に使われるような、活性化エネルギーを与えると遊離基を発生する開始剤を用いて行うことができる。遊離基開始剤に含まれるものとしては、アゾ化合物、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシド類など、熱によって活性化される一般の開始剤が挙げられる。このような開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過安息香酸t−ブチル、ジイソプロピル=ペルオキシ二炭酸、クメンヒドロペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)、等が挙げられる。一般に、約0.01〜5重量%の熱的開始剤を用いる。
【0042】
UVで開始する重合は光開始剤を用いて行う。このような開始剤は公知であり、例えば、重合の技術においては、例えば、カルバート及びピッツ著,“Photochemistry”,John Wiley & Sons (1966)、第2章に述べられている。望ましい開始剤は、組成物に照射を行うと重合を促進する光開始剤である。このような開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾイン=メチル=エーテル、ベンゾイン=エチル=エーテル、ベンゾイン=イソプロピル=エーテル、ベンゾイン=イソブチル=エーテル、及びα−メチルベンゾインなどのアシロインとその誘導体;ベンジル及びビアセチルなどのジケトン類;アセトフェノン、α,α,α−トリブロモアセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、o−ニトロ−α,α,α−トリブロモアセトフェノン、ベンゾフェノン、及びp,p'−テトラメチルジアミノベンゾフェノンなどのケトン類;ベンジル−(O−エトキシカルボニル)−α−モノオキシムなどのα−アシルオキシムエステル類;ベンゾフェノン/N−メチルジエタノールアミン、ベンゾフェノン/トリブチルアミン、及びベンゾフェノン/ミヒラーケトンなどのケトン/アミン配合物;ベンジル=ジメチル=ケタール、ベンジル=ジエチル=ケタール、及び2,5−ジクロロベンジル=ジメチル=ケタールなどのベンジルケタール類が挙げられる。通常、光開始剤の使用量は全組成物の約0.01〜5重量%である。
【0043】
可視光重合は、可視光、特に青い光によって活性化される開始剤を用いて行う。具体例としては、フェロセニウム塩類、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールヨードニウム塩類、及びトリアリールスルホニウム塩類、ショウノウキノン系、及び染料/共開始剤系が挙げられる。
【0044】
重合は、従来法でのバルク、又は溶媒の存在下で行うことができる。薬物などを加える場合には、これらの成分を混合するために一般に溶媒が必要である。溶媒を用いる場合、溶媒の量は、コモノマー類と薬物の性質や相対量によって変わる。重合を行うために有用な溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサンなどのケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はエチルセロソルブなどのアルコール類;エチレングリコール又はジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル又は酢酸イソプロピルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
【0045】
重合は型の中で行うことができる。型は、プラスチックス、ガラス、金属、あるいはその他適当な素材から成るもので、例えば、フィルム、シート、又は棒状などどのような形であっても良い。
【0046】
モノマー混合物は、そのまま重合させても、あるいは含まれる薬物と共に重合させても良い。重合後、鋳造物を型から外し、存在する溶媒を従来の手段で全て除去する。
【0047】
重合混合物中に薬物が含まれない場合には、薬物充填工程を行う必要がある。この工程は通常、適当な溶媒(例えば、マトリックスポリマーを膨潤させるもの)に薬物を溶解し、この溶液中にマトリックスポリマーを置いて薬物を吸収させることによって行う。平衡に達したら、薬物を充填したマトリックスを溶媒から取り出して乾燥する。
【0048】
本発明の送達デバイスと共に使用可能な適当な薬物又は活性試剤としては、次のものが挙げられるが、これらは例示のためであって制限するものではない。
【0049】
抗感染薬:テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシンB、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、及びエリスロマイシンなどの抗生物質;スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフィソキサゾールなどのスルホンアミド類;オフロキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシン(sporfloxacin)などのキノロン類;アミカシン、トブラマイシン、ゲンタマイシンなどのアミノ配糖体類;セファロスポリン類;抗生物質の組み合わせ;イドクスウリジン、トリフルリジン、ビダラビン、シドフォビル、ホスカネットナトリウム、ガンシクロビルナトリウム、及びアシクロビルなどの抗ウィルス薬;アンホテリシンB、ナイスタチン、フルシトシン、フルコナゾール、ナタマイシン、ミコナゾール、及びケトコナゾールなどの抗真菌薬;ニトロフラゾン、及びプロピオン酸ナトリウムなどのその他の抗感染薬。
【0050】
抗アレルギー薬:アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、ピリラミン及びプロフェンピリダミン、エメダスチン、ケトロラク、レボカバスチン、ロドキサミド、ロテプレドノール、ナファゾリン/アンタゾリン、ナファゾリン/フェニラミン、オロパタジン、及びクロモリンナトリウムなど。
【0051】
抗炎症薬:ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−リン酸、フルオシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸、酢酸プレドニゾロン、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、メドリゾン、ロテプレドノールエタボネート、リメキソロン(rimexolone)など。
【0052】
非ステロイド系抗炎症薬:フルルビプロフェン、スプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、及びケトロラクなど。
【0053】
鬱血除去薬:フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、及びテトラヒドラゾリンなど。
【0054】
縮瞳薬及び抗コリンエステラーゼ薬:ピロカルピン、サリチル酸エセリン、カルバコール、フルオロリン酸ジイソプロピル、フォスフォリンアイオダイド、及び臭化デメカリウムなど。
【0055】
散瞳薬:硫酸アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、オイカトロピン、及びヒドロキシアンフェタミンなど。
【0056】
更に、次のような活性試剤も本デバイスにおいて有用である。
【0057】
抗緑内障薬:エピネフリン及びジピベフリン、ホウ酸エピネフリンなどの、アドレナリン作用薬;レボブノロール、ベタキソロール、メチプラノロール、チモロール、カルテオロールなどの、β−アドレナリン遮断薬;アプラクロニジン、クロニジン、ブリモニジンなどの、α−アドレナリン作用薬;ピロカルピン、カルバコールなどの副交感神経作用薬;イソフルロフェート、臭化デメカリウム、ヨウ化エコチオフェートなどの、コリンエステラーゼ阻害薬;ジクロルフェナミド、アセタゾラミド、メタゾルアミド、ドルゾラミド、ブリンゾラミド(brinzolamide)、ジクロルフェナミド、などの炭酸脱水素酵素阻害薬;ラタノプロスト、トラバタン(travatan)、ビマトプロスト(bimatoprost)などの、プロスタグランジン類;ジコノソイド類(diconosoids)、等、及び、例えば、β−アドレナリン遮断薬と炭酸脱水素酵素阻害薬などの、上記の物質の組み合わせ、など。
【0058】
抗白内障薬:トレレスタット(tolerestat)、スタトール(statol)、ソルビニルなどの、アルドースレダクターゼ阻害薬;アスコルビン酸、ビタミンEなどの、抗酸化薬;グルタチオン及び亜鉛などの栄養補給物、など。
【0059】
潤滑剤:グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリグリセリン類など。
【実施例】
【0060】
次の実施例は、活性試剤の制御送達に用いられる本発明のキャリヤを明示するためであって、この実施例はいかなる方法であっても本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0061】
実施例1〜実施例16で使用する成分の略号を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
[実施例1]
以下の実施例では、本デバイス類(例えば、キャリヤ類)の例示的な配合物に使用されるモノマー類の精製について詳述する。酸化アルミナに吸着を行って、入手のモノマー類から不純物と阻害物とを取り除いた。その方法は以下のとおりである。約2.0gの活性化した塩基性の酸化アルミナを100mlの広口瓶に入れ、次に約20.0gのモノマーを加えた。瓶に磁気回転子を加えて蓋をし、内容物を約2日間静かに撹拌した。0.45μmのシリンジフィルタに通して濾過し、精製モノマーを回収した。精製モノマーは使用まで冷蔵保存した。
【0064】
[実施例2]
次の手順は、ある例示的な組成物の処方及び重合を示すものである。これは本デバイスの実施に使用可能な多くの方法の一つであって、本発明を制限しようとするものではないことは理解されよう。
【0065】
まず、開始剤と薬物とを適当な溶媒に溶解した。次に、この溶液に精製したモノマー(類)を混合して透明な溶液とした。この配合物を小型試験管、一般に10mm×75mmの試験管に移した。配合物を窒素でパージして酸素を除いた。次に試験管に栓をし、50℃の湯浴中に約3日間置いて重合させた。その後試験管からポリマーを取り出し、5〜7日間室温で溶媒を蒸発させた。こうして薬物放出試験用のポリマー/薬物配合物を準備した。
【0066】
[実施例3]
次の処方は、その疎水性/親水性特性において本質的に“中性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0067】
【表2】
【0068】
PPGMは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は透明なゴム状物質であった。
【0069】
[実施例4]
次の処方は、その特性において本質的に“疎水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0070】
【表3】
【0071】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0072】
[実施例5]
次の処方は、その特性において本質的に“親水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0073】
【表4】
【0074】
PPGM及びHEMAは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は透明なゴム状物質であった。
【0075】
[実施例6]
次の処方は、その特性において本質的に“中性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0076】
【表5】
【0077】
PPGMは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0078】
[実施例7]
次の処方は、その特性において本質的に“疎水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0079】
【表6】
【0080】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0081】
[実施例8]
次の処方は、その特性において本質的に“親水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0082】
【表7】
【0083】
PPGM及びHEMAは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0084】
[実施例9]
次の実施例では、高充填量の分散させた薬物を含むポリマービヒクルの製造について詳述する。この実施例で用いた薬物は、水溶性の化合物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0085】
【表8】
【0086】
PPGM及びTRISは実施例1に詳述の手順で精製した。AZOとBMEとをメタノールに溶解した後、PPGMを加え、次にTRISを加えた。この配合物を激しくかき混ぜながら、これにDEXA−P粉末を分散させた。配合物を10mm×75mmの試験管に入れ、素早く窒素でパージして栓をし、ラヨネット(Rayonet)光化学(UV)反応器中に置いた。5分間UV源に露光した後、試料を反応器から取り出した。配合物は重合し、中に薬物を均一に分散させたゴム状のゲルとなった。次に試験管を50℃の湯浴中に3日間置いて重合過程を完了させた。その後試験管からポリマーを取り出し、2〜7日間室温で溶媒を蒸発させた。得られたポリマー/薬物組成物は白色のゴム状物質であった。
【0087】
[実施例10]
次の実施例では、本発明の、より詳細には実施例3〜実施例9に開示したポリマー/薬物組成物からの薬物放出形態を観察するために用いる方法について詳述する。
【0088】
濃度範囲5〜1,000ppmの、デキサメタゾンのユニゾール(Unisol)(登録商標)4緩衝液(保存料不使用のpH調節塩類溶液、アルコン・ラボラトリーズ(Alcon Laboratories)製)溶液を調製した。UV走査分光計を用いて、デキサメタゾン(λmax=242)の濃度(g/ml)対吸光度の検量線を作製した。
【0089】
更に、リン酸デキサメタゾン(λmax=242)についても同様な検量線を作製した。重さ100〜150mgで同じ形状の薬物充填ポリマーの試料を、4mlのバイアルに入れた。このバイアルに1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液を加えた。室温で24時間置いた後、試料を取り出して別の4mlのバイアルに入れ、新たな1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液に浸した。24時間放出させたバイアルに栓をし、標識を付けて分析用に保存した。この手順を更に4回繰り返し、1日、2日、3日、4日、及び5日間放出のデータを取った。その後のサンプリング間隔は3〜5日毎に広くした。放出試験は全体で約60日間行った。
【0090】
薬物放出試料をUV分光法で分析し、読み取った吸光度を検量線を用いて薬物の重量に変換した。放出された薬物の累積重量を時間に対してプロットした。
【0091】
[実施例11]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例3で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の15日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0092】
中性のゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0093】
[実施例12]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例4で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の15日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0094】
疎水性ゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0095】
[実施例13]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例5で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、30日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0096】
親水性ゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0097】
[実施例14]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例6で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0098】
中性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0099】
[実施例15]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例7で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、40日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0100】
疎水性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0101】
[実施例16]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例8で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、初日以降30日間の試験期間に亘って、薬物はほぼ一定速度で放出されることが分かった。
【0102】
親水性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0103】
[実施例17]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例9で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。試料中の薬物量が多いため、比較のために結果を試料重量1.0mgに換算した。プロットの結果より、薬物の大部分は最初の5日間のうちに急速に放出され、約10日後の試料では薬剤は尽きてしまったと見られる。
【0104】
試料重量0.001gに換算した、11.76%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0105】
[実施例18]
次の配合物を調製し、重合させた。これらの組成物は、制御薬物送達に有用なポリマーマトリックスの例である。
【0106】
【表9】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー組成物は透明なゴム状物質であった。
【0107】
[実施例19]
次の実施例は、実施例18の各配合物の親水性/疎水性バランスを示すものである。乾燥したポリマーマトリックス試料(実施例18より)を、使用する溶媒20mlに浸して平衡溶媒含量を求めた。
【0108】
試料の重さを量った後、それぞれの溶媒に室温で浸した。10日後、平衡となった試料の重量を計った。溶媒和した重量と乾燥重量とから体積溶媒含量(溶媒膨潤)を%で求めた。3個の試料を試験してその結果を平均した(表10参照)。
【0109】
【表10】
【0110】
水、キシレン、及びアセトニトリルでの結果を比較すると、前述の試料の親水性/疎水性バランスの変化は明白である。共重合体中のTRISの含量が増えると含水量は急激に減少する。非常に極性の分子であるアセトニトリル中での膨潤は、TRIS含量が増えると減少する。一方キシレンでの膨潤は、共重合体中のTRIS含量の増加と共に増大する。イソプロパノールでの膨潤は僅かに傾向があるが、ジクロロメタンでは全く傾向は見られなかった。2つの極性溶媒、水及びアセトニトリルと、非極性のキシレンでは、4つの試料それぞれの親水性/疎水性バランスと矛盾のない溶媒膨潤を示した。
【0111】
[実施例20]
この実施例では、実施例18のポリマーマトリックスに薬物を混合するための一つの方法を示す。
【0112】
4種のポリマーマトリックスを溶媒で膨潤させ、ポリマー内に薬物を分配させることによってマレイン酸チモロールを充填した。重量100〜200mgで同じ形状の乾燥ポリマーマトリックス材料の試料を、10mlの2.0重量%マレイン酸チモロール/イソプロパノール(IPA)溶液と共に20mlのガラス製バイアルに入れた。ポリマーマトリックス試料を、マレイン酸チモロール/IPA溶液中で15日間、室温で膨潤させ、平衡になるまで薬物を充填した。次に、薬物を充填した試料を室温で1週間乾燥させて、全てのIPAを除いた。これは一定重量になるまで乾燥することにより確認した。
【0113】
重さ約80mgの各薬物充填ポリマーを30mlのIPA中に置いてチモロールを抽出することにより、薬物の取り込み量を求めた。試料は室温で21日間抽出した。抽出されたチモロールの量は、UV吸光度を検量線を用いてμgに変換して求めた。イソプロパノール中のマレイン酸チモロールの吸光度は、緩衝液中のマレイン酸チモロールのそれとほぼ同じであった。
【0114】
それぞれのポリマーマトリックスに含まれるマレイン酸チモロールの総量を次に示す。
【0115】
【0116】
各ポリマーマトリックス中のマレイン酸チモロールの量は、TRISの量が増えるに従って減少した。これは、マレイン酸チモロールが塩(極性)であり、より極性の高いポリマーマトリックスに溶け易いためと考えられる。TRIS含量が増加するとポリマーマトリックスはより疎水性になる。
【0117】
[実施例21]
次の実施例では、本発明の、より詳細には実施例20に開示したポリマー/薬物組成物からの薬物放出形態を観察するために用いる方法について詳述する。
【0118】
濃度範囲5〜1,000ppmの、マレイン酸チモロールのユニゾール(登録商標)4緩衝液(保存料不使用のpH調節塩類溶液、アルコン・ラボラトリーズ製)溶液を調製した。UV走査分光計を用いて、マレイン酸チモロール(λmax=290)の濃度(g/ml)対吸光度の検量線を作製した。
【0119】
重さ100〜150mgで同じ形状の薬物充填ポリマーの試料を、4mlのバイアルに入れた。このバイアルに1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液を加えた。室温で24時間置いた後、試料を取り出して別の4mlのバイアルに入れ、新たな1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液に浸した。24時間放出させたバイアルに栓をし、標識を付けて分析用に保存した。この手順を更に4回繰り返し、1日、2日、3日、4日、及び5日間放出のデータを取った。その後のサンプリング間隔は3〜5日毎に広くした。放出試験は全体で約60日間行った。
【0120】
薬物放出試料をUV分光法で分析し、読み取った吸光度を検量線を用いて薬物の重量に変換した。放出された薬物の累積重量を時間に対してプロットした。
【0121】
[実施例22]
次の実施例では、実施例20に述べたポリマーマトリックスからのチモロールの制御放出を示す。実施例20に述べたポリマーマトリックスのチモロール放出特性を、実施例21に定めた方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。
【0122】
【0123】
最も親水性の高いポリマーマトリックスである試料Aは、最も高い濃度のチモロールを含有し、約20日間に亘ってチモロールを急速に放出した。約40日後には全てのチモロールが放出された。90/10の共重合体である試料Bのチモロール放出は試料Aよりも遅く、100日後においてそのチモロール含量の約86%が放出された。試料C及び試料Dは最も興味深い結果を示した。最初の数日間の放出における初期パルス後、続く30日間の放出速度は次第に遅くなり、その後チモロールの放出はほぼ一定となった。実際には、試料Cの40日から100日の放出速度は11.7μg/日で一定であった。試料Dは、8.3μg/日で一定の放出速度であった。100日間放出後、試料Cはその充填チモロールの79%を放出し、試料Dはその充填チモロールの66%を放出した。放出速度がほぼ一定となり、またその放出が100日間あるいは潜在的にはそれ以上長く続くというこの結果は、注目に値する。
【0001】
本発明は、国立衛生研究所(NIH)による承認番号第1R43EY13479−01号の下、政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、治療において活性な試剤を管理投与するための、組成物、方法、及びデバイスに関する。より詳細には、本発明は、いずれも“マトリックスシステム”に分類される投薬デバイス類に関する。望ましい実施の形態において、本発明は、ほ乳類である患者、特にこれらの患者の目に対し、長期に亘って管理しながら連続的に薬物を投与するためのマトリックスシステムに関するものである。本発明の別の態様は、このようなデバイス類の製造法に関する。
【背景技術】
【0003】
構成要素を構造的又は物理的に配置することにより、時間を設定してあるいは一定間隔で薬物を投与又は吸収させるよう調整し、ゆっくりした又は差動放出によって1回の投与で徐々にではあるが持続的に薬物を患者に供給する技術においては、多くの様々な組成物、生成物、器具、沈殿器(depositors)、塗布器(applicators)、投薬器(dispensers)、及び注射器が知られている。このようなデバイス類の長所は、患者への薬物投与濃度を医師がより注意深く管理できるという点である。持続放出デバイス類のもう一つの長所は、薬物の必要投与回数が減るという点である。
【0004】
経口投与が必要な場合、前述の目的を達成する手段の一つは、カプセル又は錠剤を使用して、カプセルが胃腸管を通過する間に一定速度で薬物を放出させるものである。過去においては、不活性物質が錠剤の分解又は薬物の溶解を妨げるように、薬物と1種類以上の不活性成分とを混ぜ合わせてこの目的を達成した。このような錠剤の形態の一つは、薬物と不活性物質とを交互に何層かに重ねた錠剤である。この方法では、交互に並んだ各保護層が分解するにつれて患者は次第に薬物の投与を受けることになる。しかしこのような錠剤には、薬物放出が均一かつ一定ではないという欠点がある。またこのような錠剤は正確な調製が困難で、多くの場合、所望の投与濃度が保証できない。更に、その分解又は溶解の速度が速いため、この錠剤では薬物を長期に亘って放出することは不可能である。また更に、このような可分解キャリヤは、好ましくない副作用、例えば、異物反応や瘢痕形成などをしばしば起こすことがあり、一般に広く用いることができない。
【0005】
これらの欠点に対応し、最近では、ある種の合成ポリマーキャリヤ、最も注目されているものではポリシロキサンゴムが開発された。これは、送達デバイスの分解を伴わずに患者へ薬物を投与するよう設計されている。代わりに、ポリマー薬物送達系は、薬物が比較的遅い速度でポリマー壁を通過して移動する拡散現象に基づくものである。このような系では、ポリマー材料から製造したポリマーキャリヤ全体に薬物を配置する。
【0006】
現在の眼科診療においては、眼の疾患、更には感染症や炎症の治療のため、様々な種類の薬物が頻繁に使用されている。これらの薬物は身体から速やかに排出され、あるいは局所投与されたいずれの部位からも拡散してしまうため、一般に重要な期間には繰り返し何度も薬物を投与する必要がある。治療用物質は様々な方法で眼内に入れることができる。一般的に用いられる方法は、点眼薬又は軟膏の形で結膜嚢中へ滴下するものである。この方法により薬物は角膜を通って広く眼内に入るが、効果的に行うには、多くの場合ほぼ連続的に薬物を投与しなければならない。現時点において、点眼薬又は軟膏を用いて一定期間に亘って時々投与したのでは、所定の薬物を連続投与することは不可能である。このような投薬形態での周期的な投与では、一般に、眼は投与された際に大量の、しかし不確定な量の薬物を受けるが、薬物は涙によってすぐに洗い流されるため、次の投与を受けるまで眼には薬物がないままとなってしまう。例えば、眼内圧の上昇という特徴的な症状を示す緑内障の患者では、基礎圧力を妥当な値以下に保つために大量の点眼液を頻繁に用いなければならない。緑内障の治療には一般にチモロールが用いられるが、薬物の降圧作用は長く持続しないため、頻繁に投与する必要がある。
【0007】
このように、頻繁に投与を行わなくても最大の薬効が得られるような、より良い眼への薬物投与法が求められている。
【0008】
急性緑内障の治療に提案された一つの方法は、例えば、薬物をポリビニル膜に封入して眼に投与するものであった。薬物を含んだ膜は眼瞼に付着させる。しかし、薬物を膜に入れたのでは、急性緑内障発作の一般的な治療において薬の効果が上がらないことが分かった。
【0009】
長期間、一般に、数時間又は数日、あるいは数ヶ月に亘って薬物を送達するデバイスを作成するため、多くの努力がなされてきた。このようなデバイスは2つの種類、受食性及び非受食性に分けることができる。
【0010】
受食性デバイスは一般に加水分解によって分解するポリマーである。デバイスの外側表面層が分解するにつれて含まれていた薬物がマトリックスから放出される。このようなデバイスの例は、オグラによる米国特許第5,707,643号に開示されている。場合によっては、薬物を含む水溶性ポリマー系の単なる溶解も受食性に分類される。このようなデバイスの例は、ハダドによる米国特許第5,556,633号に開示されている。
【0011】
非受食性デバイスにはいくつかの形態がある。貯蔵器送達系(リザーバデリバリーシステム)は、液体、固体、又はペースト状の中心物質を封入した固体の包(エンベロープ)又は殻(シェル)から成るものである。この固体の包又は殻は放出速度を制御する膜である。薬物などの中心物は、デバイスの内側と外側との間の中心物の濃度勾配の下、膜壁を通り抜けて拡散することにより貯蔵器から放出される。このようなデバイスの例は、アーノルドによる米国特許第3,961,628号、及びウォンによる米国特許第4,402,695号に開示されている。
【0012】
貯蔵器系とは対照的に、マトリックス(モノリシック)システムは、分散又は溶解した液体又は固体の薬物を含む、“完全に”固体の物質から成るものである。薬物は、濃度勾配の下、マトリックスを通り抜ける薬物分子の拡散によってマトリックスシステムより放出される。このようなデバイスの例は、シェルによる米国特許第4,281,654号に開示されている。
【0013】
膨潤制御系又はヒドロゲルは、水溶液中に置くと明瞭な3次元構造を保ったまま大量の水を吸収する、親水性ポリマー網目である。薬物はヒドロゲル網目中に分散又は溶解する。膨潤制御系又はヒドロゲルを患者の体内に投与すると、水がヒドロゲル内に拡散して膨潤が起き、薬物分子が拡散放出される。このようなデバイスの例は、サンによる米国特許第4,910,015号に開示されている。
【0014】
浸透系又は浸透ポンプは、浸透圧によってデバイスから薬物溶液を汲み出して薬物を送達するものである。浸透圧は、薬物分子あるいは添加した塩又糖によって生じる。浸透ポンプは、半透性の固いポリマーの外装と薬物粉末又は薬物溶液に浸透剤を加えたものとから構成される。浸透圧によって半透性のポリマー膜又は外装を通り抜けて水が拡散した後、薬物溶液は静水圧下で対流する。このようなデバイスの例は、リベラによる米国特許第5,607,696号及び米国特許第5,609,885号に開示されている。
【0015】
長期に亘って薬物を放出する系及びデバイスに関しては多くの進歩があったが、頻繁に投与を行わなくても最大の薬効が得られるような、より良い薬物送達法が更に求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願では、動物及びヒトに用いるためのポリマー生成物の製造法を提示する。より詳細には、本願は、治療において活性な物質を含むポリマーマトリックス又はキャリヤに関する。特に本願は、ポリプロピレングリコールを主材料とするポリマーマトリックス(すなわちキャリヤ)と、医学的疾患又は障害の治療に使用可能な治療用活性試剤とを含む、デバイス及び構成要素に関する。本発明の組成物は、特に眼に関する疾患又は障害の治療に有用である。
【0017】
驚くべきことに、ポリプロピレングリコールセグメントを高い割合で含むポリマー組成物は、高い濃度で薬物を充填でき、またその薬物を長期間に亘って放出することが分かった。これは、現在の薬物送達系に見られない多くの長所をもたらすものである。
【0018】
本薬物送達キャリヤに使用されるポリマー材料は、“マトリックスシステム”に分類される。本願の目的においては、マトリックスシステムは、液体、固体、又はペースト状の活性試剤を含む“完全に”固体の物質から成る、制御放出デバイスであるシステムと定義する。マトリックスシステムでは、1種以上の活性試剤とマトリックス材料(類)とを均一に混合する。活性試剤は、マトリックス中に分散、マトリックス中に溶解、あるいはその両方である。活性試剤は、濃度勾配の下、分子拡散によってマトリックス(及び細孔)を通ってマトリックスより放出される。
【0019】
従って、本発明の目的の一つは、局所的に又は全身に作用する試剤を投与して生理的又は薬理的効果を生じさせるためのデバイスの提示であって、更に、先行技術より技術的に進歩したデバイスの提示である。
【0020】
もう一つの目的は、特定期間に亘って眼に活性試剤を投与するための投薬管理法であって、この方法を用いれば、投与管理の開始時と終了時にのみ処置を行えば良いような管理法の提示である。
【0021】
更に別の目的は、長期間装着しても快適で、睡眠時や日常において使用しても不快でなく、同時に眼に薬物を投与する眼内挿入物の提示である。
【0022】
更に別の目的は、眼内レンズ系と一体を成す薬物放出成分の提示である。
【0023】
このような新しい眼内投薬デバイスの製造法も提示する。更に本発明は、優れた機械的及び物理的性質を持った、薬物を制御放出するための眼科用デバイスを提示する。
【0024】
ある態様では、眼内に挿入するための挿入物の形とした、長期に亘って活性試剤を連続投与するための眼科用送達デバイスを開示する。このデバイスは眼球強膜と瞼との間の結膜円蓋中に挿入し留置しても不快でないような形状とする。この用途に用いられる代表的な活性試剤は、薬物と眼科用潤滑剤である。
【0025】
別の態様では、眼自体の中で所定の期間に亘って活性物質を連続投与するための薬物送達マトリックスを提示する。この送達マトリックスは、例示的な実施の形態に示すように眼内レンズ系にしっかりと付着させる。眼内レンズに植え込まれると、活性試剤は長期に亘って眼内に放出される。この用途に用いられる代表的な活性物質は、抗生剤や抗炎症剤などの薬物である。
【0026】
本発明のその他の特徴及び長所は、以下の本発明の詳細な記述及び添付の請求項より、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
今回開示のデバイスを実施したところ、予想もしなかったことに、例えば拡散によって、薬剤組成物(例えば薬物)などの活性試剤を制御放出するためのデバイスの作成に、ある種のポリマー材料が使用可能なことが見出された。本願全てで使われているように、“薬物”の語は、医薬など多種多様な活性試剤を指す。
【0028】
開示のポリマー材料によって実現された長所とその利用により、図らずも、高濃度の薬物を充填し、長期に亘って放出するよう処方することが可能となった。更にポリマー材料は、親水性及び疎水性いずれもの広く様々な薬物を充填できるよう処方可能である。本ポリマー材料はヒトの組織と適合性を持つ。つまり、これらの材料は投与部位で分解せず、物質の吸収がなく、また配置した患部の敏感な組織に有害な作用を及ぼさずに、長期に亘って系を保持するものである。
【0029】
本件に開示の例示的なデバイス全ての目的に適うポリマーとしては、ポリマー類や共重合体類などが挙げられる。これらは遊離基重合により生成し、鋳込み(キャスティング)又は成形(モールディング)によって所望の形状に成形する。
【0030】
ある典型的な実施の形態に従って、薬物の制御放出用マトリックスとして適したポリマー材料を開示する。ポリマーマトリックスを成すポリマー材料は、次の構造式を持つポリプロピレングリコールセグメントを50重量%以上含むものである。
【化1】
式中、n=2〜約100である。
【0031】
ポリプロピレングリコールセグメントは、少なくとも一個のエチレン性不飽和部分を含み、この部分は重合反応に関与可能なものであって、一般に次の構造式を持つ。
【化2】
式中、Pは、エチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であって、次の中から選ばれる。
【化3】
Yは、次の基より選ばれるスペーサー基であるが、これらに限るものではない。
【化4】
【0032】
エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール組成物の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限るものではない。
【化5】
式中、Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化6】
式中、Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化7】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Rは水素又はアルキルであり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−であり、
x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数である。
あるいは、
【化8】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
Rは水素又はアルキルであり、
w、x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
あるいは、
【化9】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
w、x、y、及びzはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
あるいは、
【化10】
式中、Qはそれぞれ、水素、アルキル基、又はP−Y−であり、
Pはエチレン性不飽和部分を持つ重合可能な基であり、
Yはスペーサー基であり、
x及びyはそれぞれ2〜約100の整数であり、
Q基のうち少なくとも1つはP−Y−である。
本デバイスでの使用に適したポリプロピレングリコール含有モノマー類の例としては次のものが挙げられる。
【化11】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化12】
又は
【化13】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化14】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化15】
又は
【化16】
式中、Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
n及びmはそれぞれ2〜約100の整数である。
あるいは、
【化17】
式中、nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化18】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
【0033】
ある実施の形態に従えば、望ましいポリプロピレングリコール含有モノマー類としては次のものが挙げられる。
【化19】
又は
【化20】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化21】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化22】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
あるいは、
【化23】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは4〜約100の整数である。
より望ましいポリプロピレングリコール含有モノマー類としては次のものが挙げられる。
【化24】
式中、Rは水素又はメチルであり、
Tは末端基であって、望ましくは水素又はアルキル基であり、
nは2〜約100の整数である。
あるいは、
【化25】
式中、Rは水素又はメチルであり、
nは2〜約100の整数である。
【0034】
ポリマーマトリックスの製造においては、多くの場合、ポリプロピレングリコール含有モノマーと1種類以上のコモノマー類との共重合体を生成することが望ましい。コモノマー(類)を選ぶことによって、これらの共重合体マトリックスからの薬物放出プロフィールを大きく変えることができる。例えば、ポリプロピレングリコール含有モノマーと共に疎水性のコモノマー(類)を用いると、疎水性の薬物と相容性を持ったマトリックスを生成することができる。反対に、親水性コモノマー(類)を用いると、より親水性薬物と相容性を持ったマトリックスができる。本発明に述べるマトリックスからの薬物放出プロフィールは、架橋度によっても変えることが可能である。架橋度の高いマトリックスはマトリックスからの薬物の拡散を抑制するため、放出速度は遅くなる。
【0035】
本デバイスの製造に用いるポリマー中に存在するモノマーは、共重合可能なビニルモノマーであればどのようなものでも良い。以下に使用できるコモノマー類の代表的なものを示すが、これらは例示のためであって、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0036】
適当なコモノマー類としては、アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、詳細には、C1〜C20アルキル=アクリラート類及びC1〜C20アルキル=メタクリラート類、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、等;アルカン酸ビニルエステル類、詳細には、C1〜C6アルカン酸ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、等;アルケン類、詳細には、C1〜C8アルケン類、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、等;スチレン類、詳細には、スチレン及びα−メチルスチレン;ビニルエーテル類、詳細には、C1〜C6アルキル=ビニル=エーテル類、例えば、メチル=ビニル=エーテル、エチル=ビニル=エーテル、ブチル=ビニル=エーテル、等;ジアルキル=マレアート類、フマラート類、又はイタコナート類、詳細には、C1〜C6ジアルキル=マレアート類、フマラート類、又はイタコナート類、例えば、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、等;アリルエーテル類及びエステル類、詳細には、アリル=C1〜C6アルキル=エーテル類及びC2〜C6アルカン酸アリルエステル類、例えば、アリル=メチル=エーテル、アリル=エチル=エーテル、酢酸アリル、等;パーフルオロC3〜C6アルキル=アクリラート類又はメタクリラート類;パーフルオロアルコキシル化ビスアクリラート類又はメタクリラート類;ポリ又はオリゴアルキルシロキサン=アクリラート類又はメタクリラート類、等が挙げられる。
【0037】
また、ポリマーの薬物放出特性、安定性、及び機械的性質を変えるため、少量の架橋剤が一般に用いられる。適当な架橋剤としては、例えば、C2〜C6アルキレンエーテル=ジメタクリラート類及びアクリラート類、例えば、エチレングリコール=ジメタクリラート、ジエチレングリコール=ジメタクリラート、トリエチレングリコール=ジメタクリラート、グリセリン=トリメタクリラート;アリル=アクリラート又はメタクリラート、ジビニルベンゼン、ポリ又はオリゴアルキルシロキサン=ジアクリラート又はメタクリラート、等が挙げられる。
【0038】
適当な親水性のコモノマー類は、ヒドロキシ置換低級アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、アクリルアミド、メタクリルアミド、(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、N,N−ジアルキルアクリルアミド類、エトキシル化アクリラート類及びメタクリラート類、ポリエチレングリコール=モノ(メタ)アクリラート類及びポリエチレングリコール=モノメチルエーテル=(メタ)アクリラート類、ヒドロキシ置換(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、ヒドロキシ置換低級アルキル=ビニルエーテル類、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−及び4−ビニルピリジン、ビニル性不飽和部分を持つ全炭素数が3〜5のカルボン酸、アミノ(低級アルキル)− (“アミノ”には4級アンモニウムも含む)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)及びジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)アクリラート類及びメタクリラート類、アリルアルコール、等が挙げられる。好ましいものとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシ置換低級アルキル=アクリラート類及びメタクリラート類、ヒドロキシ置換(低級アルキル)アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、及び、ビニル性不飽和部分を持つ全炭素数が3〜5のカルボン酸が挙げられる。
【0039】
適当なフッ素化モノマー類としては、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロデシル=アクリラート及びメタクリラート、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクチル=アクリラート及びメタクリラート、及び1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクチル=メタクリルアミド又はアクリルアミド、ヘキサフルオロイソプロピル=アクリラート、ヘキサフルオロイソプロピル=メタクリラート、パーフルオロシクロヘキシル=メタクリラート、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン;フルオロアルキル置換アミド−アルコール類、例えば、C7F15CON(C2H5)C2H4OHのアクリラート類及びメタクリラート類;スルホンアミド−アルコール類、例えば、C8F17C8H4SO2N(CH3)−C4H8OH、及びC8Cl7SO2N(C2H5)−C2H4OHのアクリラート類及びメタクリラート類;パーフルオロエーテルアルコール類、例えば、C3F7−O(C3F6O)2CF(CF3)−CH2OH、又は(CF3)2CFO(CF2CF2)2−CH2CH2OHのアクリラート類及びメタクリラート類;構造式CF3(CF2)fCH2CH2SCH2CH2CH2OHで示されるフッ素化チオエーテルアルコール類のアクリラート類及びメタクリラート類;スルホンアミド−アミン類、例えばRfSO2NH(CH3)CH2CH2N(CH3)−(CH2)3NH、及びRfCH3SO2NH(CH2)2のアクリラート類及びメタクリラート類;アミド−アミン類、例えば、RfCONH(CH2)2NH2のアクリラート類及びメタクリラート類;更に、前述のフッ素化アルコール類及びアミン類と、2−イソシアナトエチル=アクリラート又はメタクリラート、あるいは、m−イソプロペニル−1,1−ジメチルベンジル=イソシアナートとの反応より得られるビニルモノマー類が挙げられる。
【0040】
適当なシリコーン含有ビニルモノマー類は、2〜10のSi原子を含むオリゴシロキサニルシリルアルキル=アクリラート類及びメタクリラート類である。具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル=(メタ)アクリラート、トリフェニルジメチル−ジシロキサニルメチル=(メタ)アクリラート、ペンタメチル−ジシロキサニルメチル=(メタ)アクリラート、tert−ブチル−テトラメチル−ジシロキサニルエチル=(メタ)アクリラート、メチル−ジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピル−グリセリル=(メタ)アクリラート;ペンタメチル−ジシロキサニルメチル=メタクリラート;ヘプタメチル−シクロテトラシロキシメチル=メタクリラート;ヘプタメチル−シクロテトラシロキシプロピル=メタクリラート;(トリメチルシリル)デカメチル−ペンタシロキシプロピル=メタクリラート;ドデカメチル−ペンタシロキシプロピル=メタクリラートが挙げられる。
【0041】
本発明のポリプロピレングリコール含有モノマー類単独での、あるいはコモノマー類との重合は、エチレン性不飽和部分を持つモノマー類の重合において一般に使われるような、活性化エネルギーを与えると遊離基を発生する開始剤を用いて行うことができる。遊離基開始剤に含まれるものとしては、アゾ化合物、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシド類など、熱によって活性化される一般の開始剤が挙げられる。このような開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過安息香酸t−ブチル、ジイソプロピル=ペルオキシ二炭酸、クメンヒドロペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)、等が挙げられる。一般に、約0.01〜5重量%の熱的開始剤を用いる。
【0042】
UVで開始する重合は光開始剤を用いて行う。このような開始剤は公知であり、例えば、重合の技術においては、例えば、カルバート及びピッツ著,“Photochemistry”,John Wiley & Sons (1966)、第2章に述べられている。望ましい開始剤は、組成物に照射を行うと重合を促進する光開始剤である。このような開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾイン=メチル=エーテル、ベンゾイン=エチル=エーテル、ベンゾイン=イソプロピル=エーテル、ベンゾイン=イソブチル=エーテル、及びα−メチルベンゾインなどのアシロインとその誘導体;ベンジル及びビアセチルなどのジケトン類;アセトフェノン、α,α,α−トリブロモアセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、o−ニトロ−α,α,α−トリブロモアセトフェノン、ベンゾフェノン、及びp,p'−テトラメチルジアミノベンゾフェノンなどのケトン類;ベンジル−(O−エトキシカルボニル)−α−モノオキシムなどのα−アシルオキシムエステル類;ベンゾフェノン/N−メチルジエタノールアミン、ベンゾフェノン/トリブチルアミン、及びベンゾフェノン/ミヒラーケトンなどのケトン/アミン配合物;ベンジル=ジメチル=ケタール、ベンジル=ジエチル=ケタール、及び2,5−ジクロロベンジル=ジメチル=ケタールなどのベンジルケタール類が挙げられる。通常、光開始剤の使用量は全組成物の約0.01〜5重量%である。
【0043】
可視光重合は、可視光、特に青い光によって活性化される開始剤を用いて行う。具体例としては、フェロセニウム塩類、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールヨードニウム塩類、及びトリアリールスルホニウム塩類、ショウノウキノン系、及び染料/共開始剤系が挙げられる。
【0044】
重合は、従来法でのバルク、又は溶媒の存在下で行うことができる。薬物などを加える場合には、これらの成分を混合するために一般に溶媒が必要である。溶媒を用いる場合、溶媒の量は、コモノマー類と薬物の性質や相対量によって変わる。重合を行うために有用な溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサンなどのケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はエチルセロソルブなどのアルコール類;エチレングリコール又はジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル又は酢酸イソプロピルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
【0045】
重合は型の中で行うことができる。型は、プラスチックス、ガラス、金属、あるいはその他適当な素材から成るもので、例えば、フィルム、シート、又は棒状などどのような形であっても良い。
【0046】
モノマー混合物は、そのまま重合させても、あるいは含まれる薬物と共に重合させても良い。重合後、鋳造物を型から外し、存在する溶媒を従来の手段で全て除去する。
【0047】
重合混合物中に薬物が含まれない場合には、薬物充填工程を行う必要がある。この工程は通常、適当な溶媒(例えば、マトリックスポリマーを膨潤させるもの)に薬物を溶解し、この溶液中にマトリックスポリマーを置いて薬物を吸収させることによって行う。平衡に達したら、薬物を充填したマトリックスを溶媒から取り出して乾燥する。
【0048】
本発明の送達デバイスと共に使用可能な適当な薬物又は活性試剤としては、次のものが挙げられるが、これらは例示のためであって制限するものではない。
【0049】
抗感染薬:テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシンB、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、及びエリスロマイシンなどの抗生物質;スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフィソキサゾールなどのスルホンアミド類;オフロキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシン(sporfloxacin)などのキノロン類;アミカシン、トブラマイシン、ゲンタマイシンなどのアミノ配糖体類;セファロスポリン類;抗生物質の組み合わせ;イドクスウリジン、トリフルリジン、ビダラビン、シドフォビル、ホスカネットナトリウム、ガンシクロビルナトリウム、及びアシクロビルなどの抗ウィルス薬;アンホテリシンB、ナイスタチン、フルシトシン、フルコナゾール、ナタマイシン、ミコナゾール、及びケトコナゾールなどの抗真菌薬;ニトロフラゾン、及びプロピオン酸ナトリウムなどのその他の抗感染薬。
【0050】
抗アレルギー薬:アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、ピリラミン及びプロフェンピリダミン、エメダスチン、ケトロラク、レボカバスチン、ロドキサミド、ロテプレドノール、ナファゾリン/アンタゾリン、ナファゾリン/フェニラミン、オロパタジン、及びクロモリンナトリウムなど。
【0051】
抗炎症薬:ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−リン酸、フルオシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸、酢酸プレドニゾロン、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、メドリゾン、ロテプレドノールエタボネート、リメキソロン(rimexolone)など。
【0052】
非ステロイド系抗炎症薬:フルルビプロフェン、スプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、及びケトロラクなど。
【0053】
鬱血除去薬:フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、及びテトラヒドラゾリンなど。
【0054】
縮瞳薬及び抗コリンエステラーゼ薬:ピロカルピン、サリチル酸エセリン、カルバコール、フルオロリン酸ジイソプロピル、フォスフォリンアイオダイド、及び臭化デメカリウムなど。
【0055】
散瞳薬:硫酸アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、オイカトロピン、及びヒドロキシアンフェタミンなど。
【0056】
更に、次のような活性試剤も本デバイスにおいて有用である。
【0057】
抗緑内障薬:エピネフリン及びジピベフリン、ホウ酸エピネフリンなどの、アドレナリン作用薬;レボブノロール、ベタキソロール、メチプラノロール、チモロール、カルテオロールなどの、β−アドレナリン遮断薬;アプラクロニジン、クロニジン、ブリモニジンなどの、α−アドレナリン作用薬;ピロカルピン、カルバコールなどの副交感神経作用薬;イソフルロフェート、臭化デメカリウム、ヨウ化エコチオフェートなどの、コリンエステラーゼ阻害薬;ジクロルフェナミド、アセタゾラミド、メタゾルアミド、ドルゾラミド、ブリンゾラミド(brinzolamide)、ジクロルフェナミド、などの炭酸脱水素酵素阻害薬;ラタノプロスト、トラバタン(travatan)、ビマトプロスト(bimatoprost)などの、プロスタグランジン類;ジコノソイド類(diconosoids)、等、及び、例えば、β−アドレナリン遮断薬と炭酸脱水素酵素阻害薬などの、上記の物質の組み合わせ、など。
【0058】
抗白内障薬:トレレスタット(tolerestat)、スタトール(statol)、ソルビニルなどの、アルドースレダクターゼ阻害薬;アスコルビン酸、ビタミンEなどの、抗酸化薬;グルタチオン及び亜鉛などの栄養補給物、など。
【0059】
潤滑剤:グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリグリセリン類など。
【実施例】
【0060】
次の実施例は、活性試剤の制御送達に用いられる本発明のキャリヤを明示するためであって、この実施例はいかなる方法であっても本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0061】
実施例1〜実施例16で使用する成分の略号を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
[実施例1]
以下の実施例では、本デバイス類(例えば、キャリヤ類)の例示的な配合物に使用されるモノマー類の精製について詳述する。酸化アルミナに吸着を行って、入手のモノマー類から不純物と阻害物とを取り除いた。その方法は以下のとおりである。約2.0gの活性化した塩基性の酸化アルミナを100mlの広口瓶に入れ、次に約20.0gのモノマーを加えた。瓶に磁気回転子を加えて蓋をし、内容物を約2日間静かに撹拌した。0.45μmのシリンジフィルタに通して濾過し、精製モノマーを回収した。精製モノマーは使用まで冷蔵保存した。
【0064】
[実施例2]
次の手順は、ある例示的な組成物の処方及び重合を示すものである。これは本デバイスの実施に使用可能な多くの方法の一つであって、本発明を制限しようとするものではないことは理解されよう。
【0065】
まず、開始剤と薬物とを適当な溶媒に溶解した。次に、この溶液に精製したモノマー(類)を混合して透明な溶液とした。この配合物を小型試験管、一般に10mm×75mmの試験管に移した。配合物を窒素でパージして酸素を除いた。次に試験管に栓をし、50℃の湯浴中に約3日間置いて重合させた。その後試験管からポリマーを取り出し、5〜7日間室温で溶媒を蒸発させた。こうして薬物放出試験用のポリマー/薬物配合物を準備した。
【0066】
[実施例3]
次の処方は、その疎水性/親水性特性において本質的に“中性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0067】
【表2】
【0068】
PPGMは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は透明なゴム状物質であった。
【0069】
[実施例4]
次の処方は、その特性において本質的に“疎水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0070】
【表3】
【0071】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0072】
[実施例5]
次の処方は、その特性において本質的に“親水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、比較的疎水性の薬物であるデキサメタゾンである。
【0073】
【表4】
【0074】
PPGM及びHEMAは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は透明なゴム状物質であった。
【0075】
[実施例6]
次の処方は、その特性において本質的に“中性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0076】
【表5】
【0077】
PPGMは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0078】
[実施例7]
次の処方は、その特性において本質的に“疎水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0079】
【表6】
【0080】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0081】
[実施例8]
次の処方は、その特性において本質的に“親水性”である薬物送達ポリマービヒクルを示す。この実施例で用いた薬物は、非常に親水性で水溶性の薬物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0082】
【表7】
【0083】
PPGM及びHEMAは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー/薬物組成物は半透明のゴム状物質であった。
【0084】
[実施例9]
次の実施例では、高充填量の分散させた薬物を含むポリマービヒクルの製造について詳述する。この実施例で用いた薬物は、水溶性の化合物であるリン酸デキサメタゾンである。
【0085】
【表8】
【0086】
PPGM及びTRISは実施例1に詳述の手順で精製した。AZOとBMEとをメタノールに溶解した後、PPGMを加え、次にTRISを加えた。この配合物を激しくかき混ぜながら、これにDEXA−P粉末を分散させた。配合物を10mm×75mmの試験管に入れ、素早く窒素でパージして栓をし、ラヨネット(Rayonet)光化学(UV)反応器中に置いた。5分間UV源に露光した後、試料を反応器から取り出した。配合物は重合し、中に薬物を均一に分散させたゴム状のゲルとなった。次に試験管を50℃の湯浴中に3日間置いて重合過程を完了させた。その後試験管からポリマーを取り出し、2〜7日間室温で溶媒を蒸発させた。得られたポリマー/薬物組成物は白色のゴム状物質であった。
【0087】
[実施例10]
次の実施例では、本発明の、より詳細には実施例3〜実施例9に開示したポリマー/薬物組成物からの薬物放出形態を観察するために用いる方法について詳述する。
【0088】
濃度範囲5〜1,000ppmの、デキサメタゾンのユニゾール(Unisol)(登録商標)4緩衝液(保存料不使用のpH調節塩類溶液、アルコン・ラボラトリーズ(Alcon Laboratories)製)溶液を調製した。UV走査分光計を用いて、デキサメタゾン(λmax=242)の濃度(g/ml)対吸光度の検量線を作製した。
【0089】
更に、リン酸デキサメタゾン(λmax=242)についても同様な検量線を作製した。重さ100〜150mgで同じ形状の薬物充填ポリマーの試料を、4mlのバイアルに入れた。このバイアルに1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液を加えた。室温で24時間置いた後、試料を取り出して別の4mlのバイアルに入れ、新たな1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液に浸した。24時間放出させたバイアルに栓をし、標識を付けて分析用に保存した。この手順を更に4回繰り返し、1日、2日、3日、4日、及び5日間放出のデータを取った。その後のサンプリング間隔は3〜5日毎に広くした。放出試験は全体で約60日間行った。
【0090】
薬物放出試料をUV分光法で分析し、読み取った吸光度を検量線を用いて薬物の重量に変換した。放出された薬物の累積重量を時間に対してプロットした。
【0091】
[実施例11]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例3で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の15日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0092】
中性のゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0093】
[実施例12]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例4で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の15日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0094】
疎水性ゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0095】
[実施例13]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例5で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、30日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0096】
親水性ゲルマトリックス/疎水性デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0097】
[実施例14]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例6で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、60日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0098】
中性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0099】
[実施例15]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例7で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、薬物は最初の10日間は速い速度で放出されるが、その後遅くなり、40日までより安定した速度で放出されることが分かった。
【0100】
疎水性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0101】
[実施例16]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例8で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。プロットの結果より、初日以降30日間の試験期間に亘って、薬物はほぼ一定速度で放出されることが分かった。
【0102】
親水性ゲルマトリックス/親水性リン酸デキサメタゾン
試料重量0.100gに換算した、1%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0103】
[実施例17]
次の実施例では、本発明のポリマー材料組成物が制御しながら薬物を送達する性能を示す。実施例9で製造したポリマーマトリックスの薬物放出特性を、実施例10に詳述の方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。試料中の薬物量が多いため、比較のために結果を試料重量1.0mgに換算した。プロットの結果より、薬物の大部分は最初の5日間のうちに急速に放出され、約10日後の試料では薬剤は尽きてしまったと見られる。
【0104】
試料重量0.001gに換算した、11.76%リン酸デキサメタゾン含有ゲルの放出速度
【0105】
[実施例18]
次の配合物を調製し、重合させた。これらの組成物は、制御薬物送達に有用なポリマーマトリックスの例である。
【0106】
【表9】
PPGM及びTRISは、実施例1に詳述の手順で精製し、実施例2に示す方法で重合させた。得られたポリマー組成物は透明なゴム状物質であった。
【0107】
[実施例19]
次の実施例は、実施例18の各配合物の親水性/疎水性バランスを示すものである。乾燥したポリマーマトリックス試料(実施例18より)を、使用する溶媒20mlに浸して平衡溶媒含量を求めた。
【0108】
試料の重さを量った後、それぞれの溶媒に室温で浸した。10日後、平衡となった試料の重量を計った。溶媒和した重量と乾燥重量とから体積溶媒含量(溶媒膨潤)を%で求めた。3個の試料を試験してその結果を平均した(表10参照)。
【0109】
【表10】
【0110】
水、キシレン、及びアセトニトリルでの結果を比較すると、前述の試料の親水性/疎水性バランスの変化は明白である。共重合体中のTRISの含量が増えると含水量は急激に減少する。非常に極性の分子であるアセトニトリル中での膨潤は、TRIS含量が増えると減少する。一方キシレンでの膨潤は、共重合体中のTRIS含量の増加と共に増大する。イソプロパノールでの膨潤は僅かに傾向があるが、ジクロロメタンでは全く傾向は見られなかった。2つの極性溶媒、水及びアセトニトリルと、非極性のキシレンでは、4つの試料それぞれの親水性/疎水性バランスと矛盾のない溶媒膨潤を示した。
【0111】
[実施例20]
この実施例では、実施例18のポリマーマトリックスに薬物を混合するための一つの方法を示す。
【0112】
4種のポリマーマトリックスを溶媒で膨潤させ、ポリマー内に薬物を分配させることによってマレイン酸チモロールを充填した。重量100〜200mgで同じ形状の乾燥ポリマーマトリックス材料の試料を、10mlの2.0重量%マレイン酸チモロール/イソプロパノール(IPA)溶液と共に20mlのガラス製バイアルに入れた。ポリマーマトリックス試料を、マレイン酸チモロール/IPA溶液中で15日間、室温で膨潤させ、平衡になるまで薬物を充填した。次に、薬物を充填した試料を室温で1週間乾燥させて、全てのIPAを除いた。これは一定重量になるまで乾燥することにより確認した。
【0113】
重さ約80mgの各薬物充填ポリマーを30mlのIPA中に置いてチモロールを抽出することにより、薬物の取り込み量を求めた。試料は室温で21日間抽出した。抽出されたチモロールの量は、UV吸光度を検量線を用いてμgに変換して求めた。イソプロパノール中のマレイン酸チモロールの吸光度は、緩衝液中のマレイン酸チモロールのそれとほぼ同じであった。
【0114】
それぞれのポリマーマトリックスに含まれるマレイン酸チモロールの総量を次に示す。
【0115】
【0116】
各ポリマーマトリックス中のマレイン酸チモロールの量は、TRISの量が増えるに従って減少した。これは、マレイン酸チモロールが塩(極性)であり、より極性の高いポリマーマトリックスに溶け易いためと考えられる。TRIS含量が増加するとポリマーマトリックスはより疎水性になる。
【0117】
[実施例21]
次の実施例では、本発明の、より詳細には実施例20に開示したポリマー/薬物組成物からの薬物放出形態を観察するために用いる方法について詳述する。
【0118】
濃度範囲5〜1,000ppmの、マレイン酸チモロールのユニゾール(登録商標)4緩衝液(保存料不使用のpH調節塩類溶液、アルコン・ラボラトリーズ製)溶液を調製した。UV走査分光計を用いて、マレイン酸チモロール(λmax=290)の濃度(g/ml)対吸光度の検量線を作製した。
【0119】
重さ100〜150mgで同じ形状の薬物充填ポリマーの試料を、4mlのバイアルに入れた。このバイアルに1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液を加えた。室温で24時間置いた後、試料を取り出して別の4mlのバイアルに入れ、新たな1.0mlのユニゾール(登録商標)4緩衝液に浸した。24時間放出させたバイアルに栓をし、標識を付けて分析用に保存した。この手順を更に4回繰り返し、1日、2日、3日、4日、及び5日間放出のデータを取った。その後のサンプリング間隔は3〜5日毎に広くした。放出試験は全体で約60日間行った。
【0120】
薬物放出試料をUV分光法で分析し、読み取った吸光度を検量線を用いて薬物の重量に変換した。放出された薬物の累積重量を時間に対してプロットした。
【0121】
[実施例22]
次の実施例では、実施例20に述べたポリマーマトリックスからのチモロールの制御放出を示す。実施例20に述べたポリマーマトリックスのチモロール放出特性を、実施例21に定めた方法で求めた。累積放出量(μg)を経過時間(日)に対してプロットした。比較のため、結果は試料重量0.100gに換算した。
【0122】
【0123】
最も親水性の高いポリマーマトリックスである試料Aは、最も高い濃度のチモロールを含有し、約20日間に亘ってチモロールを急速に放出した。約40日後には全てのチモロールが放出された。90/10の共重合体である試料Bのチモロール放出は試料Aよりも遅く、100日後においてそのチモロール含量の約86%が放出された。試料C及び試料Dは最も興味深い結果を示した。最初の数日間の放出における初期パルス後、続く30日間の放出速度は次第に遅くなり、その後チモロールの放出はほぼ一定となった。実際には、試料Cの40日から100日の放出速度は11.7μg/日で一定であった。試料Dは、8.3μg/日で一定の放出速度であった。100日間放出後、試料Cはその充填チモロールの79%を放出し、試料Dはその充填チモロールの66%を放出した。放出速度がほぼ一定となり、またその放出が100日間あるいは潜在的にはそれ以上長く続くというこの結果は、注目に値する。
Claims (17)
- 活性試剤の制御放出を行うためのキャリヤであって、前記キャリヤは、重合させたエチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール含有モノマーから成るポリマーマトリックスを含み、前記ポリプロピレングリコール含有モノマーは、前記ポリマーマトリックスの50重量%を占めることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール含有モノマー類と他のモノマー類とを共重合させて、共重合体を生成することを特徴とするキャリヤ。
- 請求項8に記載のキャリヤであって、前記共重合体は、
70〜95重量%の、次の構造式で示されるモノマーから成る群より選ばれるモノマーであって、
Tは末端基であり、
nは2〜約100の整数である、
モノマーと、
5〜30重量%の、次の構造式を持つモノマーであって、
式中、Z基は次の構造式で示される基であり、
モノマーと、
を含むことを特徴とするキャリヤ。 - 請求項1に記載のキャリヤであって、前記活性試剤は前記ポリマーマトリックスに溶解していることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記活性試剤は前記ポリマーマトリックス全体に分散していることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記キャリヤは、眼内挿入物として形成されることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記活性試剤は、本質的に、抗感染薬、抗アレルギー薬、抗炎症薬、鬱血除去薬、縮瞳薬、抗コリンエステラーゼ薬、散瞳薬、抗緑内障薬、及び抗白内障薬から成る群より選ばれることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記ポリプロピレングリコールは、エチレン性不飽和部分を持つポリプロピレングリコール含有モノマー類のみから誘導されることを特徴とするキャリヤ。
- 請求項1に記載のキャリヤであって、前記キャリヤは、75重量%以上のポリプロピレングリコールセグメントを含むことを特徴とするキャリヤ。
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