JP2005506796A - パイロット信号の同期検証の方法および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
第3世代(3G)のセルラー方式のようなワイヤレス通信システムでは、基地局(BS)間における可変する相対的な遅延が存在する。従って、ワイヤレス通信システムが同期していないかもしれないとともに相対的な遅延が時間的に変化するかもしれないので、あるBSは別のBSとは異なるパイロット・シーケンスを使用することがある。
【0002】
同期方法は、移動局(MS)をBSと同期させるために使用される。
同期は、パイロット信号の探索を行ない周波数の捕捉を行なうことにより行われる。パイロット信号の探索は受信機で行われる。しかしながら、受信機は、所望のパイロット信号、所望しないパイロット信号およびノイズを含む信号を受取る。更に、所望のパイロット信号および所望しないパイロット信号はそれら自身ノイズを含んでいる。したがって、誤検出または擬似警報が生じる。誤検出により所望しないパイロット信号を認識するかもしれないし、あるいはノイズ信号を所望のパイロット信号として識別するかもしれない。擬似警報は所望のパイロット信号を拒絶することになるかもしれない。更に、誤検出および擬似警報は周波数捕捉プロセスにエラーを発生させるかもしれない。
【0003】
したがって、パイロット信号の同期を検証するより良い方法ための、および周波数捕捉のための継続した必要性が存在する。
【0004】
発明とみなされる主題が特に指摘され、明細書の終了部分において明確に主張される。しかしながら、本発明は、動作の構成および方法の双方に関し、発明の目的、機能および利点と共に、次の詳細な記述を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0005】
図示の単純化および明瞭化のために、図中で示されるエレメントは必ずしも実際の寸法で描かれていないことを認識されたい。例えば、いくつかのエレメントの寸法は明瞭化のために他のエレメントに比べて誇張される。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は対応するエレメントまたは類似したエレメントを示すために図中で繰り返される。
【発明の開示】
【0006】
以下の詳細な説明では、発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細な事項に及んでいる。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細な事項がなくても当業者によって実施されることに理解されたい。他の実例において、周知の方法、手順、コンポーネントおよび回路は本発明を不明瞭にしないようにするために詳細に記述されていない。
【0007】
以下の詳細な説明におけるいくつかの部分は、コンピュータ・メモリ内のデータ・ビットまたは2進法のデジタル信号に対する動作のアルゴリズムおよびシンボル表現で示される。これらのアルゴリズムの記述および表現は、他の当業者に彼らの仕事の要旨を伝えるために信号処理技術の当業者によって使用される技術である。
【0008】
特に他に述べられない限り、以下の議論から明らかなように、明細書を通じて「処理」、「演算」、「計算」、「決定」または同種の用語を用いる議論は計算機、計算機システムまたは同種の電子コンピューティング装置に関するもので、それは計算機システムのレジスタおよび/またはメモリ内の電子量のような物理的に表わされたデータを計算機システムのメモリ、レジスタあるいは他の情報ストレージ、送信または表示装置内の物理量として表わされた他の同種のデータへ操作および/または変換される。
【0009】
本発明は多種多様の応用に使用できることが理解されよう。本発明はこの点で制限されてはいないが、ここに示された回路と技術は、ワイヤレスシステムの移動局のような多くの装置中に使用される。本発明の範囲内に含まれると意図した移動局は、例示だけとして、セルラー無線電話送受信機、双方向無線送受信機、デジタル・システム送受信機およびその他同種のものを含む。
【0010】
本発明の範囲内であると意図されるセルラー無線電話送受信機の種類は、符号分割多元接続(CDMA)、CDMA−2000、広帯域CDMA(WCDMA)、スペクトル拡散信号および同種のものを含むが、これらに限定されるものではない。
【0011】
図1に移って、本発明の実施例に従うワイヤレス通信システム10が示される。ワイヤレス通信システム10は、1またはそれ以上の基地局15,20を含んでもよい。例えば、基地局15,20の1つは、1またはそれ以上のアンテナを含む。基地局20は2つの送信機、2つのアンテナ24,26を含み。また、基地局15は1つの送信機および1つのアンテナ16を含む。本発明の範囲はこの実施例に制限されるものではないが、基地局15は1つのパイロット信号パターンを送信するために適合しており、また、基地局20は少なくとも2つの送信機のアンテナから2以上のパイロット信号パターンを送信するように適合する。更に、基地局20,15は1つのセルラー通信システムに含まれてもよい。しかしながら、音声やデータを転送する他の通信方法およびシステムが用いられてもよいことが理解されよう。
【0012】
さらに、ワイヤレス通信システム10はさらに移動局100,110,120,130を含んでいる。図1に示されるように、移動局100,120は2つのアンテナを含み、また、移動局110,130は1つのアンテナを含む。ワイヤレス・チャンネルは、基地局のアンテナと移動局のアンテナとの間に存在する。例えば、チャンネルh1 30は、基地局20のアンテナ24と移動局100のアンテナ102との間に存在する。チャンネルh2 40は、基地局20のアンテナ26と移動局100のアンテナ104との間に存在する。ワイヤレス・チャンネルはいくつかの経路を含むが、各経路はその利得および遅延によって特徴づけられる。
【0013】
さて、図2に移って、WCDMAセルラー・システムで使用されるパイロット信号パターンの例が挙げられる。パイロット信号は1つ以上のパイロット信号パターンを含む。例えば、基地局20は、アンテナ24からパイロット信号パターン50およびアンテナ26からのパイロット信号パターン60を使用して、パイロット信号を送信する。更に、基地局15は、アンテナ16から1つのパイロット信号パターン50を送信する。パイロット信号パターン50,60はフレーム51,52を含む。フレームは15のスロットを含み、「スロット#0」53はフレーム52の最初のスロットであり、「スロット#14」54はフレーム51の最後のスロットである。スロットは10個の変調シンボル「±A」を含み、AはA=1+jを表わし、1つの変調シンボルは256チップを含む。さらに、基地局は、他の基地局を区別するために異なるチップ・シーケンスを使用する。このチップ・シーケンスは、「スクランブリング・コード」と名付けられる。図2に図示された実施例はWCDMAセルラー・システムに関連するが、本発明も他のパイロット信号パターンと共に使用してもよい。
【0014】
さて、図3を参照して、簡潔にするために移動局100のブロック図だけが記述されているが、移動局100,110,120または130の少なくとも1つにおいて使用される本発明の実施例のブロック図を示す。移動局100は、例えば、パイロット信号パターン50,60を受信するためのアンテナ101およびアンテナ102、同期装置104、検証器105、周波数捕捉モジュール106を含む。
【0015】
動作に関して、パイロット信号パターン50,60は、アンテナ101およびアンテナ102によって受信される。同期装置104は、基地局20から送信されるパイロット信号のシンボルの同期を達成しよう試みる。パイロット信号のシンボルの同期を達成することを試みている間、同期装置104は予測同期仮定(predictive synchronization hypotheses)を提供する。同期装置104は、さらにある間隔で可能な同期仮定としていくつかの候補のうちの1つを提供してもよい。したがって、多くの擬似警報仮定(false-alarm hypotheses)が同期装置104の出力で生じる。検証器105は、同期装置104によって提供される同期仮定を検証する。検証器105は、期間中に受信信号をテストし、受信信号の品質をある基準と比較する。検証器105は、同期仮定の妥当性を検証することがあり、検証されたシンボルを提供してもよい。本発明の範囲はこの点に制限されることはないが、周波数捕捉モジュール106は、有効になった同期仮定およびシンボルを用いて、移動局の周波数を基地局の周波数に同期しようと試みる。検証器105は、検証されたシンボルに対する周波数の捕捉の繰返しと同時に、パイロット信号の2つ以上のシンボルに対する同期を検証する。周波数捕捉モジュール106は、受信パイロット信号の周波数オフセットを測定し、周波数オフセット推定機が1回以上の繰返しの間で収束性閾値(convergence threshold)より小さくなるまで、その周波数ソース(源)を調節する。
【0016】
さて、検証器105および周波数捕捉モジュール106の動作を詳細に説明する。捕捉時間を削減するために、予め定義した閾値より小さい周波数オフセットに対しては、周波数捕捉モジュール106をバイパスしてもよいことが理解されるであろう。例えば、周波数捕捉のバイパスは、異なるシステムからの移動局100へのハンドオフ上で行われる。
【0017】
今、図4に移って、本発明に従う検証器105の実施例が示される。本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、検証器105は復調器131、比較器132、差動の積(差動積)の合計(the sum of differential product)計算器133、比較可能機能134、エネルギー累積器136および加算器137,138を含む。
【0018】
本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、本発明の実施例は、例えば移動局100で、復調器131の2つ以上の受信アンテナおよび追加のモジュールを含む。差動積の合計計算器133およびエネルギー累積器136は、受信アンテナのために提供される。加算器137,138は、差動積の合計133の信号、およびエネルギー累積器136の合計信号をそれぞれ結合する。しかしながら、単純化のために、下記の記述は、1つの受信アンテナを備える実施例に関連する。復調器131、差動積の合計計算器133およびエネルギー累積器136は、パイロット信号パターンの数に従って1つ以上のモジュールを含む。
【0019】
本発明の範囲はこの点に制限されるものではないが、受信パイロット信号パターン50,60は復調器131によって復調される。復調器131は、例えば、WCDMAセルラー・システムのパイロット信号を受信するように適合されており、復調された受信シンボル(復調受信シンボル)135を出力する。さらに、復調器131は、基地局の拡散コードに一致した1以上の逆拡散器を含んでもよい。復調受信シンボル135は、方程式1a,1b(Eq.1a,Eq.1b)によって与えられる。方程式1aはN個のアンテナを備える基地局用の一般的な場合であり、また、方程式1bは2つのアンテナを備える基地局の例である。単純化のために、下記の実施例は、2つのアンテナ(基地局20)を備える基地局および1つのアンテナ(移動局110)を備える移動局の場合に与えられる。しかしながら、本発明はこの実施例に制限されるものではないが、任意の数のアンテナを備える基地局および移動局に適用可能である。
【数1】
[方程式1a][方程式1b]
【0020】
ここで、pkはアンテナkから送信されたパイロット信号パターンであり、Tはパイロット・シンボル期間であり、sincはシンボル内の信号の回転による損失を与え、その指数(exponent)はシンボルからシンボルまで全体の信号の回転を示し、nは熱雑音,他のセル,マルチパスあるいは他の影響による等価ノイズ項であり、iは受信復調シンボルの時間インデックスであり、f0は基地局20と移動局100との間の相対的な周波数オフセットであり、θは未知の一定の位相である。
【0021】
復調受信シンボル135は、差動積の合計計算器133へ入力される。差動積の合計計算器133は任意の2つのシンボルのために計算し、sign(p2(i))=sign(p2(i+1))を満たし、次の差動積を求める。
【0022】
【数2】
[方程式2]
ここで、チャンネルはシンボル・レートに比べてゆっくり変化するので、h(i)=h(i+1)が推定される。更に、差動積の合計計算器133は上記の差動積を蓄積し、方程式3によって示されるように少なくとも2つの復調されたシンボルの差動積の合計を生成する。
【数3】
[方程式3]
【0023】
本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、N個の送信アンテナが使用されるとき、方程式3で使用されるインデックスiは、ある実施例において、すべての送信アンテナに対し、pk(i)=pk(i+1)を満たす。別の実施例では、差動積の合計は、少なくとも連続2つの時間インデックス(i,i+1)以上にわたり受信シンボルの対に対して行なわれ、ここで少なくとも1つのパイロット信号パターンの差動積の合計は、第1および第2の送信パイロット・パターン・シンボルに対して実質的に等しい値を含む。
【0024】
差動積の合計は比較可能機能134へ入力される。比較可能機能134は、差動積の合計の複素数値から実数の比較可能な値を生成する。本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、比較可能機能134は、例えば、差動積の合計の実数部、または差動積の合計の絶対値を使用する。
【0025】
比較器132は、比較可能な値、例えば、パイロット信号パターン50,60
【数4】
の少なくとも2つの復調シンボルの差動積(方程式3、Eq.3)の合計の絶対値を適応性閾値(adaptive threshold)と比較する。復調受信シンボルのエネルギーの合計に依存する適応性閾値の例は、
【数5】
によって与えられる。しかしながら、本発明の別の実施例では、もし所望されるなら、異なるエネルギー推定器が使用される。
【0026】
比較器132の動作は、方程式4(Eq.4)から以下に与えられる。
【数6】
[方程式4]
【0027】
検証器105は、方程式4の左辺がその右辺より大きな場合テストされる仮定は有効であると検証してもよく、または検証器105はテストされる仮定を認めなくてもよい。
【0028】
更に、検証器105は、非有効な仮定を拒絶する能力および有効な仮定を拒絶しない能力によって推定されてもよい。非有効な仮定を拒絶する能力は「擬似警報確率」と名付けられ、それは理想的には0である。有効な仮定を拒絶しない能力は「誤検出確率」と名付けられ、それは理想的には0である。
【0029】
ここに記述された実施例では、同期装置104から来る非有効な候補に対して、方程式4の両側のランダム変数がノイズによることが理解される。本発明の範囲および応用がこれらの実施例に制限されることはないと理解されるが、Const1の値は0.01未満の擬似警報可能性に対して0.3以上に設定される。さらに、0の擬似警報確率はより高い誤検出確率を引き起こすかもしれない。したがって、選択された適応性閾値は2つの確率をバランスさせるために選択される。
【0030】
さて、図5を参照して、本発明の別の実施例が示される。本発明の範囲はこの点に制限されることはないが、実施例500はWCDMAセルラー・システムの移動局である。実施例500は、アンテナ501、アンテナ502、同期装置104、検証器105、フラッシュ・メモリ520、周波数捕捉モジュール530および自動周波数制御装置(AFC)540を含む。
【0031】
本発明の範囲はこの点に制限されることはないが、周波数捕捉モジュール530は推定された周波数オフセットに従って周波数訂正信号を提供するために適合しているが、そのオフセットは検証された復調受信シンボルの差動積の合計に従って推定される。周波数捕捉モジュール530は周波数オフセット推定器531、周波数検証計算器532、比較器533、比較器534および制御装置535を含む。
【0032】
動作に関して、アンテナ501,502は、例えば、図2のパイロット信号パターン50,60を受信する。同期装置104と検証器105は同期し、方程式4の中で示されるように、少なくとも1つのパイロット信号パターン50,60における復調受信シンボルの差動積の合計のうち比較可能値を適応性閾値と比較することにより、パイロット信号パターン50,60の同期を検証する。同じかまたは同様の同期装置および検証器の動作の例が、図3および図4を参照して詳細に上述された。検証器105は、周波数捕捉モジュール530による周波数捕捉の繰返しと同時に、パイロット信号パターン50,60のシンボルの同期を検証する。
【0033】
この実施例の範囲がこの点で制限されることはないが、フラッシュ・メモリ520は制御装置535や検証器105の実行可能なプログラム、および計算に使用される値および係数を格納するために使用される。
【0034】
本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、周波数捕捉モジュール530は検証器105から復調受信シンボルの合計および復調受信シンボルを受信する。周波数オフセット推定器531は、検証器105から受信された復調受信シンボルの差動積の合計に従って周波数オフセットを推定することができ、周波数オフセット推定器531によって推定される推定周波数オフセットに従って、訂正信号537を制御装置535に送る。制御装置535は、周波数を減少させるか増加させるために命令538をAFC540に送る。更に、制御装置535は1組のルールに従って周波数捕捉を制御する。
【0035】
本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、周波数捕捉モジュール530は、15000Hzのサンプリング周波数を使用し、また、±7500Hz以内の周波数オフセットをサポートする。周波数捕捉モジュール530は、2つの動作モード、すなわち定常状態モードおよび遷移モードへ分割される。例えば、遷移モードにおいては、周波数オフセットが大きい(数kHz)と仮定してもよい。さらに、定常状態モードでは、周波数オフセットが小さい(1kHz未満)と仮定してもよい。本発明の範囲はこの点で制限されることはないが、遷移モードにおいて、周波数オフセット推定器531は方程式3の差動計量を行ない、下記方程式5で示されるような推定周波数オフセットを計算する。
【数7】
[方程式5]
【0036】
この値は訂正信号537としてAFC540へ送られる。
【0037】
図6を参照して、本発明の実施例による定常状態モードにおける周波数オフセット推定器531のブロック図が示される。周波数オフセット推定器531はセパレータ610、低域フィルタ(LPF)620、LPF630、M2量(metric)の計算器640および周波数オフセット計算器650を含む。本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、セパレータ610は、第1および第2の送信アンテナから送信された2つのパイロット信号パターンに関連する2つの受信シーケンスに受信信号を分離する。その分離は、次の方程式(方程式6および方程式7)に従ってなされる。
【数8】
[方程式6][方程式7]
【0038】
iはフレーム内のシンボル・インデックスであり、また、f0は残余の周波数オフセットである。
【0039】
方程式6および方程式7のインデックスiは、方程式8を満たすように選択される。
sign(p2(2i))=−sign(p2(2i+1)) Eq.8
[方程式8]
【0040】
本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、|sin(πf0T)|<<1ならば、分離は達成される。
【0041】
2つの分離された信号612,614は、ノイズ・パワーを減少させるためにLPF620,630を通して渡される。LPF620,630は、例えば無限インパルス応答(IIR)フィルタまたは有限インパルス応答(FIR)フィルタである。LPF620およびLPF630の出力における濾波(filtered)信号LpfOutput1 622およびLpfOutput2 624は、M2量計算器640へそれぞれ入力される。M2量計算器640は、以下の方程式9に従って計算を行なう。
【数9】
[方程式9]
【0042】
方程式9によれば、周波数オフセット計算器650は下記方程式10で示されるような出力を計算する。
【数10】
[方程式10]
【0043】
図5に戻って、制御装置535は、周波数オフセット推定器531の出力を受信する。更に、制御装置535は、周波数オフセット推定器531の出力にファクタαを掛けて、その乗算結果をAFC540へ送る。ファクタαは、収束速度(convergence speed)対最終の周波数オフセット変動(final frequency offset variance)をトレードオフすることができる。本発明の範囲はこの実施例に制限されることはないが、上記パラメータのために選択された値はN=50シンボル、α=0.5である。
【0044】
更に、比較器534は、周波数オフセット推定器531から、量M1から復調受信シンボルの差動積の合計における実数部を受信してもよく、周波数捕捉の1回以上の反復に亘って、差動積の合計の実数部を検証閾値と比較することができる。検証閾値を超過するまで、このプロセスが繰り返される。
【0045】
図7に移って、本発明の実施例による周波数捕捉の方法が示される。本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、この方法は制御装置535によって使用される。制御装置535は、下記方法に従って周波数捕捉プロセスを制御する。この方法は、ブロック700で、周波数捕捉反復回数が0の初期値で始まる。次のステップは、ブロック710で、周波数訂正値(〜f1または〜f2を遷移モードおよび定常状態モードでそれぞれ使用して)計算する。制御装置535は、ブロック720で、命令ライン538を経由してAFC540へ周波数訂正値を送る。周波数検証計算器532は、ブロック730で、周波数検証量(frequency verification metric)を計算する。そのような量の例は、以下の方程式12の中で与えられる。周波数検証量は、復調受信シンボルの実数部の変動合計(sliding sum)である。比較器534は、ブロック740で、例えば、量M3の変動合計を周波数検証閾値と比較して、周波数検証を処理する。本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、このプロセスは以下の方程式11中に表わされる。
【数11】
[方程式11]
【0046】
方程式4中で得られた絶対値に対抗するものとして差動量M1の実数部が使用されてもよいことに注意すること。
【0047】
周波数検証量は方程式12の中に表わされる。
【数12】
[方程式12]
【0048】
本発明の範囲がこの点で制限されることはないが、選択されたパラメータ値は、NRA=3(最後の4つの値に亘る合計)およびFrequencyVerifierThreshold=1.0である。方程式12の基準に合致する場合、制御装置535が成功(ブロック760)を宣言する前に、第2の基準がテストされる(ブロック750)。第2の基準は、周波数オフセットが収束性閾値より小さいということである。比較器533は、推定された周波数閾値の絶対値を収束性閾値と比較する。更に、周波数オフセットが収束性閾値より小さくなるまで、制御装置535は周波数捕捉を繰り返す。しかしながら、上記の基準が満たされなかった場合、ブロック770で、第3の基準がテストされる。制御装置535は推定された周波数エラーが周波数発散性閾値(frequency divergence threshold)より大きくなるかどうかをテストし、その基準に合致する場合(ブロック795)、失敗信号を提供する。上記の基準が満たされない場合、ブロック780で示されるように、制御装置535はカウンタを1だけ増加させることにより、周波数捕捉反復回数を計数する。ブロック790で、失敗を宣言する前に、制御装置535は周波数捕捉の試みをNMAXの反復回数だけ許可する。制御装置535は、予め定められた反復回数内に周波数捕捉を首尾よく終えると成功信号を提供し(760)、予め定められた反復回数内での周波数捕捉の失敗に対し失敗信号を提供する(795)。
【0049】
単純化のために、上記の記述は、2つのアンテナを備えた基地局、例えば基地局20、および1つのアンテナを備えた移動局、例えば移動局110のケースに対して行われた。しかしながら、本発明の範囲はこの実施例に制限されることはなく、任意の数のアンテナを備える基地局および移動局に適用可能である。
【0050】
本発明のある機能がここに表わされかつ記述される一方、多くの修正、代替、変更および均等が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の請求項は、本発明の技術思想の範囲内で全ての修正および変更を包含するように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例に従うワイヤレス通信システムの一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に従うパイロット信号のパターン構造を図示する。
【図3】本発明に従う移動局の実施例のブロック図である。
【図4】本発明の実施例に従う検証器のブロック図である。
【図5】本発明に従う移動局の他の実施例を示すブロック図である。
【図6】図5の周波数オフセット推定機のブロック図である。
【図7】発明に従って使用され得る周波数方程式の方法を示すフローチャートである。
Claims (35)
- 第1および第2復調受信シンボルの差動積の合計値を適応性閾値と比較することにより、パイロット信号パターンの同期を検証する段階、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記第1および第2復調受信シンボルのエネルギーの合計に従って、前記適応性閾値を適応させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 送信アンテナによって前記パイロット信号パターンを送信する段階と、
受信アンテナによって前記パイロット信号パターンを受信する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 2つの送信アンテナによって2つのパイロット信号パターンを送信する段階と、
前記受信アンテナによって前記2つのパイロット信号パターンを受信する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。 - 差動積の前記合計を連続する復調受信シンボルの対に亘って計算する段階であって、ここで前記復調受信シンボルの第1時間インデックスおよび連続した第2時間インデックスにおける送信パイロット信号の差動積は、パイロット信号パターンに対して実質的に等しい値からなる、計算する段階、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 同期を検証する段階は、前記第1および第2復調受信シンボルの差動積の前記合計の絶対値を前記適応性閾値と比較する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 周波数を捕捉する間に前記パイロット信号の2つのシンボルへの同期を検証する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記周波数を捕捉する段階は、
検証された復調受信シンボルの差動積の合計に従って周波数オフセットを推定する段階と、
前記推定された周波数オフセットに従って前記周波数を調整する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。 - 前記周波数を捕捉する段階は、
前記周波数オフセットが1回以上の反復の間に収束性閾値より小さくなるまで前記周波数を捕捉する段階を繰り返す段階を、
をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の方法。 - 前記周波数を捕捉する段階は、
推定された周波数エラーが1回以上の反復の間に周波数発散性閾値より大きくなるときに前記周波数を捕捉する段階を終了する段階を、
をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。 - 前記周波数を捕捉する段階は、
前記周波数捕捉の1回以上の反復に亘って前記復調受信シンボルの前記合計差動積の実数部の変動合計を検証閾値の量と比較する段階と、
閾値を越えるまで前記周波数を捕捉する段階を繰り返す段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。 - 差動積の合計を連続する復調受信シンボルの対に亘って計算する差動積の合計計算器であって、ここで復調受信シンボルの第1時間インデックスおよび連続した時間インデックスでの送信パイロット信号の差動積は、パイロット信号パターンに対して実質的に等しい値からなる、差動積の合計計算器、
を含むことを特徴とする装置。 - 前記復調受信シンボルのエネルギーの合計に従って、前記適応性閾値を適応させるエネルギー累積器をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の装置。
- 前記パイロット信号パターンの少なくとも2つの復調されたシンボルの差動積の前記合計を前記適応性閾値と比較する比較器をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の装置。
- 復調受信シンボルの差動積の前記合計の絶対値を前記適応性閾値と比較する比較可能機能をさらに含むことを特徴とする請求項14記載の装置。
- 2つのアンテナを有し、2つのパイロット信号パターンを送信するために適合した基地局と、
復調受信シンボルの差動積の合計の比較可能値を適応性閾値と比較することにより、前記2つのパイロット信号パターンへの同期を検証するために適合した移動局と、
を含むことを特徴とするワイヤレス通信システム。 - 前記移動局は、
前記復調受信シンボルのエネルギーの前記合計に従って前記適応性閾値を調整するエネルギー累積器、
をさらに含むことを特徴とする請求項16記載のワイヤレス通信システム。 - 前記移動局は、
推定された周波数オフセットに従って周波数訂正信号を提供する周波数捕捉モジュール、
をさらに含むことを特徴とする請求項16記載のワイヤレス通信システム。 - 復調受信シンボルの差動積の合計を適応性閾値と比較することにより、パイロット信号パターンへの同期を検証するために適合した検証器と、
前記検証器に動作可能に結合されたフラッシュ・メモリ装置と、
を含むことを特徴とする装置。 - 前記復調受信シンボルのエネルギーの前記合計に従って前記適応性閾値を調整するエネルギー累積器をさらに含むことを特徴とする請求項19記載の装置。
- 前記パイロット信号パターンが2つのパイロット信号パターンを含むことを特徴とする請求項20記載の装置。
- 検証された復調受信シンボルの差動積の合計により推定された推定周波数オフセットに従って周波数訂正信号を提供する周波数捕捉モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項19記載の装置。
- 遷移モードで第1の差動量に従ってオフセット周波数を推定し、かつ定常状態モードで第2の差動量に従って前記オフセット周波数を推定するために適合した周波数オフセット推定器、
を含むことを特徴とする装置。 - 復調受信シンボルの実数部の変動合計を計算する周波数検証計算器と、
前記推定された周波数オフセットに従って周波数訂正信号を提供する制御装置と、
をさらに含むことを特徴とする請求項23記載の装置。 - 前記推定された周波数オフセットを収束性閾値と比較する第1比較器であって、前記制御装置は前記周波数オフセットが前記収束性閾値より小さくなるまで、周波数捕捉を繰り返すように適合している、第1比較器、
をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の装置。 - 復調受信シンボルの実数部の前記変動合計を周波数検証閾値と比較する第2比較器であって、前記制御装置は前記変動合計が前記周波数検証閾値を越えるまで、前記周波数捕捉を繰り返すように適合している、第2比較器、
をさらに含むことを特徴とする請求項25記載の装置。 - コンピューティング・プラットホームによって実行されたとき、
復調受信シンボルの差動積の合計の比較可能値を適応性閾値と比較することにより、パイロット信号パターンへの同期を検証する結果となる命令を格納した記憶媒体、
を含むことを特徴とする物品。 - 前記命令はさらに、
少なくとも1つの受信機アンテナによって受信される前記パイロット信号パターンの前記復調受信シンボルのエネルギー合計に従って前記適応性閾値を適応させる結果となる、
ことを特徴とする請求項27記載の物品。 - 前記命令はさらに、
少なくとも2回の連続した時間インデックス(i,i+1)での対の復調受信シンボルに亘り差動積の前記合計を計算する結果となり、第1時間インデックス(i)および第2時間インデックス(i+1)での少なくとも1つのパイロット信号の前記差動積は、前記パイロット信号パターンに対して実質的に等しい値を含む、
ことを特徴とする請求項28記載の物品。 - 前記命令はさらに、
復調受信シンボルの差動積の前記合計の絶対値を前記適応性閾値と比較する結果となる、
ことを特徴とする請求項29記載の物品。 - 前記命令さらに、
周波数捕捉の反復と同時に1つのパイロット信号パターンの少なくとも1つのシンボルへの同期を検証する結果となる、
ことを特徴とする請求項29記載の物品。 - コンピューティング・プラットホームによって実行されたとき、
周波数捕捉の2回の反復に亘る復調受信シンボルの前記合計差動積の実数部を検証閾値と比較し、
閾値を越えるまで前記周波数捕捉を繰り返す結果となる命令を格納した記憶媒体、
を含むことを特徴とする物品。 - 前記命令はさらに、
前記周波数オフセットが収束性閾値より小さくなるまで前記周波数捕捉を繰り返す結果となる、
ことを特徴とする請求項32記載の物品。 - 前記命令はさらに、
推定された周波数エラーが周波数発散性閾値より大きくなるときに、前記周波数捕捉を中止する結果となること、
を特徴とする請求項33記載の物品。 - 前記命令はさらに、
検証された復調受信シンボルの差動積の合計に従って周波数オフセットを推定し、
推定された周波数オフセットに従って周波数を訂正する結果となること、
を特徴とする請求項34記載の物品。
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