JP2005506661A - 金属酸化物バリスタを有するコネクタ組立体 - Google Patents
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Abstract
コネクタ組立体は、システム作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐させる金属酸化物バリスタを有する。コネクタ組立体は、例えば、エアバッグ装置のような車両装置に印刷回路板を接続するために使用する。コネクタ組立体は、印刷回路板と協働する第１のコネクタと、車両装置と協働する第２のコネクタとを有する。金属酸化物バリスタは、第１のコネクタハウジングまたは第２のコネクタハウジングの内部に装着する。金属酸化物バリスタをコネクタ組立体に直接装着すると、金属酸化物バリスタが印刷回路板上のその伝統的な位置を外れるため、印刷回路板の全体サイズを減少することができる。
Description
【背景技術】
【０００１】
本発明は、サージ保護機能をコネクタハウジング内に直接組み込んだ電子制御ユニット用コネクタ組立体に関する。
【０００２】
電子制御ユニットは、例えば、エアバッグ装置のような車両装置の制御信号を送信するために種々の車両に使用できる。電子制御ユニットは、ハウジング内に装着された印刷回路板を有する。コネクタ組立体は、印刷回路板をそれぞれの車両装置に電気接続するために使用される。サージ保護装置は、作動電圧が所定の電圧限界を超えると過剰な電流を分岐するために電子制御回路に組み込まれている。
【０００３】
サージ保護装置の一例として、金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）がある。一般的に、ＭＯＶは、中心部の金属酸化物片が一対の半導体により電力線とアース線とに接続されたものである。このＭＯＶは、伝統的に印刷回路板に直接装着される。ＭＯＶを印刷回路板それ自体に装着すると、他のコンポーネントに使用可能な貴重な空間が占有されるか、または小型電子制御ユニットモジュールを必要とする用途では印刷回路板のサイズを減少できなくなる。
【０００４】
従って、サージ保護装置を印刷回路板それ自体に組み込まないでサージ保護を与えると共に従来技術の他の上述した問題を解消する電子制御ユニットを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【０００５】
電子制御ユニット用コネクタ組立体は、システム作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）を有する。このＭＯＶはコネクタ組立体内に直接組み込まれるため、関連の印刷回路板のサイズを減少できる。
【０００６】
１つの実施例では、このコネクタ組立体を印刷回路板と車両装置との接続に使用する。コネクタ組立体は、印刷回路板と協働する第１のコネクタと、車両装置と協働する第２のコネクタとを有する。ＭＯＶは第１または第２のコネクタハウジング部材のうち一方の内部に装着される。
【０００７】
コネクタハウジングは、一対の孔部を有する装着インターフェイスを備えるのが好ましい。ＭＯＶは、一対の横方向に延びる脚部を有する中央本体部分を備えている。これらの脚部は孔部内に受容されてＭＯＶをコネクタハウジング部分に直接接続する。コネクタ組立体及びＭＯＶは、組立体をしっかり接続するために互いにはんだ付けされる。
【０００８】
本発明のシステム及び方法は、ＭＯＶを電子制御ユニット用コネクタ組立体内に組み込むことにより関連の印刷回路板上の他のコンポーネントのための空間を増加させるか、あるいはオプションとして印刷回路板のサイズの減少を可能にする。本発明の上記及び他の特徴は、以下の説明及び添付図面からもっともよく理解できるであろう。
【実施例】
【０００９】
図１は、電子制御ユニット（ＥＣＵ）を総括的に１０で示す。ＥＣＵ１０はハウジング１２を有し、このハウジング内には、図示のように印刷回路板（ＰＣＢ）１４が収容されている。ＥＣＵ１０は、コネクタ組立体１８により、例えば、エアバッグ装置のような車両装置１６に接続するのが好ましい。
【００１０】
コネクタ組立体１８は、ＰＣＢ１４に作動的に関連する第１のコネクタ２０と、車両装置１６に作動的に関連する第２のコネクタ２２とを有する。第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２は互いに係合して、ＥＣＵ１０を車両装置１６に電気接続する。
【００１１】
図２に示すように、金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）２４は、コネクタ組立体１８内に装着されて、作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する。ＭＯＶ２４は、第１のコネクタ２０または第２のコネクタ２２の何れかの内部に装着することも可能である。
【００１２】
ＭＯＶ２４は、接続部の電圧サージまたはスパイクをアースに消散させるためのサージ保護装置として働く。ＭＯＶ２４のサージ保護装置は、電圧のかかった電力ラインとアースラインとの間の接続部を形成する。通常、ＭＯＶ２４は、中心部の金属酸化物片が一対の半導体により電力線とアース線とに接続されたものである。
【００１３】
これらの半導体は電圧により変化する可変抵抗を有する。電圧がある特定のレベル以下にあると、半導体内の電子は非常に高い抵抗を発生させるような態様で流れる。電圧がそのレベルを超えると、電子の挙動が変化して低い抵抗となる。作動電圧が通常であれば、ＭＯＶ２４は何の働きもしない。電圧サージまたはスパイク現象が発生すると、ＭＯＶ２４は電流の有意の部分を導通させるように動作して、過剰な電圧を消滅または減少させる。
【００１４】
過剰な電流がＭＯＶ２４を介してアースに分岐されると、電圧は通常の作動レベルに戻り、ＭＯＶ２４の抵抗も高レベルに復帰する。従って、ＭＯＶ２４は標準的な電流を流してそれぞれの車両装置１６給電しながらも、サージ電流だけを分岐するものである。
【００１５】
コネクタ組立体１８の第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２はそれぞれ、ハウジング部分２６を有する。ハウジング部分２６は、第１の複数のリード線３０の第１の支持構造２８と第２の複数のリード線３４の第２の支持構造３２とを有する。第１の支持構造２８及び第２の支持構造３２は、コネクタ組立体１８に用いるリード線３０、３４の数及び種類により異なる所定の距離だけ互いに離隔するのが好ましい。ハウジング部分２６の基部３６は、ＭＯＶ２４を装着するための装着インターフェイス３８を有する。装着インターフェイス３８は、第１の支持構造２８と第２の支持構造３０との間に位置する。
【００１６】
装着インターフェイス３８は、基部３６に予め形成した一対の孔部４０を備えるのが好ましい。これらの孔部４０は、ハウジング部分２６内において、第１の複数のリード線３０及び第２の複数のリード線３４からほぼ等距離離れた中央に位置する。
【００１７】
ＭＯＶ２４は、中央本体部分４２と、一対の横方向に延びる脚部４４とを備えている。これらの脚部４４は、孔部４０内に受容されてＭＯＶ２４をハウジング部分２６に直接装着する。脚部４４を孔部４０に挿入し、第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２を互いに係合させた後、ＭＯＶ２４及びコネクタ２０、２２を互いにはんだ付けして、ＥＣＵ１０と車両装置１６との間をしっかり接続する。はんだ付けプロセスは当該技術分野でよく知られているため、さらに詳述しない。図３は、コネクタハウジング部分２６に組み込んだＭＯＶ２４を示す。
【００１８】
ＭＯＶ２４をコネクタ組立体１８内に直接装着すると、ＭＯＶがＰＣＢ１４上のその伝統的な位置からはずれるため、ＰＣＢ１４の全体サイズの減少が可能となり、またはオプションとして、他のコンピュータのためにＰＣＢ１４上の別の空間を明け渡すことができる。ＭＯＶ２４をコネクタ組立体１８内に配置すると、ＰＣＢ１４の上面の空間が８０平方ミリメートル以上節約され、ＰＣＢ１４のはんだ付け面の空間が約４００平方ミリメートル節約される。
【００１９】
本発明を好ましい実施例につき説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなくある特定の変形例及び設計変更を想到するであろう。そのため、頭書の特許請求の範囲を本発明の真の範囲及び内容を決定するために検討すべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明を組み込んだ車両装置制御用電子制御ユニットの概略図である。
【図２】本発明を組み込んだ電子制御ユニット用コネクタ組立体の展開図である。
【図３】装着位置にある金属酸化物を示す図２の組立体の正面図である。
【０００１】
本発明は、サージ保護機能をコネクタハウジング内に直接組み込んだ電子制御ユニット用コネクタ組立体に関する。
【０００２】
電子制御ユニットは、例えば、エアバッグ装置のような車両装置の制御信号を送信するために種々の車両に使用できる。電子制御ユニットは、ハウジング内に装着された印刷回路板を有する。コネクタ組立体は、印刷回路板をそれぞれの車両装置に電気接続するために使用される。サージ保護装置は、作動電圧が所定の電圧限界を超えると過剰な電流を分岐するために電子制御回路に組み込まれている。
【０００３】
サージ保護装置の一例として、金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）がある。一般的に、ＭＯＶは、中心部の金属酸化物片が一対の半導体により電力線とアース線とに接続されたものである。このＭＯＶは、伝統的に印刷回路板に直接装着される。ＭＯＶを印刷回路板それ自体に装着すると、他のコンポーネントに使用可能な貴重な空間が占有されるか、または小型電子制御ユニットモジュールを必要とする用途では印刷回路板のサイズを減少できなくなる。
【０００４】
従って、サージ保護装置を印刷回路板それ自体に組み込まないでサージ保護を与えると共に従来技術の他の上述した問題を解消する電子制御ユニットを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【０００５】
電子制御ユニット用コネクタ組立体は、システム作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）を有する。このＭＯＶはコネクタ組立体内に直接組み込まれるため、関連の印刷回路板のサイズを減少できる。
【０００６】
１つの実施例では、このコネクタ組立体を印刷回路板と車両装置との接続に使用する。コネクタ組立体は、印刷回路板と協働する第１のコネクタと、車両装置と協働する第２のコネクタとを有する。ＭＯＶは第１または第２のコネクタハウジング部材のうち一方の内部に装着される。
【０００７】
コネクタハウジングは、一対の孔部を有する装着インターフェイスを備えるのが好ましい。ＭＯＶは、一対の横方向に延びる脚部を有する中央本体部分を備えている。これらの脚部は孔部内に受容されてＭＯＶをコネクタハウジング部分に直接接続する。コネクタ組立体及びＭＯＶは、組立体をしっかり接続するために互いにはんだ付けされる。
【０００８】
本発明のシステム及び方法は、ＭＯＶを電子制御ユニット用コネクタ組立体内に組み込むことにより関連の印刷回路板上の他のコンポーネントのための空間を増加させるか、あるいはオプションとして印刷回路板のサイズの減少を可能にする。本発明の上記及び他の特徴は、以下の説明及び添付図面からもっともよく理解できるであろう。
【実施例】
【０００９】
図１は、電子制御ユニット（ＥＣＵ）を総括的に１０で示す。ＥＣＵ１０はハウジング１２を有し、このハウジング内には、図示のように印刷回路板（ＰＣＢ）１４が収容されている。ＥＣＵ１０は、コネクタ組立体１８により、例えば、エアバッグ装置のような車両装置１６に接続するのが好ましい。
【００１０】
コネクタ組立体１８は、ＰＣＢ１４に作動的に関連する第１のコネクタ２０と、車両装置１６に作動的に関連する第２のコネクタ２２とを有する。第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２は互いに係合して、ＥＣＵ１０を車両装置１６に電気接続する。
【００１１】
図２に示すように、金属酸化物バリスタ（ＭＯＶ）２４は、コネクタ組立体１８内に装着されて、作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する。ＭＯＶ２４は、第１のコネクタ２０または第２のコネクタ２２の何れかの内部に装着することも可能である。
【００１２】
ＭＯＶ２４は、接続部の電圧サージまたはスパイクをアースに消散させるためのサージ保護装置として働く。ＭＯＶ２４のサージ保護装置は、電圧のかかった電力ラインとアースラインとの間の接続部を形成する。通常、ＭＯＶ２４は、中心部の金属酸化物片が一対の半導体により電力線とアース線とに接続されたものである。
【００１３】
これらの半導体は電圧により変化する可変抵抗を有する。電圧がある特定のレベル以下にあると、半導体内の電子は非常に高い抵抗を発生させるような態様で流れる。電圧がそのレベルを超えると、電子の挙動が変化して低い抵抗となる。作動電圧が通常であれば、ＭＯＶ２４は何の働きもしない。電圧サージまたはスパイク現象が発生すると、ＭＯＶ２４は電流の有意の部分を導通させるように動作して、過剰な電圧を消滅または減少させる。
【００１４】
過剰な電流がＭＯＶ２４を介してアースに分岐されると、電圧は通常の作動レベルに戻り、ＭＯＶ２４の抵抗も高レベルに復帰する。従って、ＭＯＶ２４は標準的な電流を流してそれぞれの車両装置１６給電しながらも、サージ電流だけを分岐するものである。
【００１５】
コネクタ組立体１８の第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２はそれぞれ、ハウジング部分２６を有する。ハウジング部分２６は、第１の複数のリード線３０の第１の支持構造２８と第２の複数のリード線３４の第２の支持構造３２とを有する。第１の支持構造２８及び第２の支持構造３２は、コネクタ組立体１８に用いるリード線３０、３４の数及び種類により異なる所定の距離だけ互いに離隔するのが好ましい。ハウジング部分２６の基部３６は、ＭＯＶ２４を装着するための装着インターフェイス３８を有する。装着インターフェイス３８は、第１の支持構造２８と第２の支持構造３０との間に位置する。
【００１６】
装着インターフェイス３８は、基部３６に予め形成した一対の孔部４０を備えるのが好ましい。これらの孔部４０は、ハウジング部分２６内において、第１の複数のリード線３０及び第２の複数のリード線３４からほぼ等距離離れた中央に位置する。
【００１７】
ＭＯＶ２４は、中央本体部分４２と、一対の横方向に延びる脚部４４とを備えている。これらの脚部４４は、孔部４０内に受容されてＭＯＶ２４をハウジング部分２６に直接装着する。脚部４４を孔部４０に挿入し、第１のコネクタ２０及び第２のコネクタ２２を互いに係合させた後、ＭＯＶ２４及びコネクタ２０、２２を互いにはんだ付けして、ＥＣＵ１０と車両装置１６との間をしっかり接続する。はんだ付けプロセスは当該技術分野でよく知られているため、さらに詳述しない。図３は、コネクタハウジング部分２６に組み込んだＭＯＶ２４を示す。
【００１８】
ＭＯＶ２４をコネクタ組立体１８内に直接装着すると、ＭＯＶがＰＣＢ１４上のその伝統的な位置からはずれるため、ＰＣＢ１４の全体サイズの減少が可能となり、またはオプションとして、他のコンピュータのためにＰＣＢ１４上の別の空間を明け渡すことができる。ＭＯＶ２４をコネクタ組立体１８内に配置すると、ＰＣＢ１４の上面の空間が８０平方ミリメートル以上節約され、ＰＣＢ１４のはんだ付け面の空間が約４００平方ミリメートル節約される。
【００１９】
本発明を好ましい実施例につき説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなくある特定の変形例及び設計変更を想到するであろう。そのため、頭書の特許請求の範囲を本発明の真の範囲及び内容を決定するために検討すべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明を組み込んだ車両装置制御用電子制御ユニットの概略図である。
【図２】本発明を組み込んだ電子制御ユニット用コネクタ組立体の展開図である。
【図３】装着位置にある金属酸化物を示す図２の組立体の正面図である。
Claims (14)
- 印刷回路板を車両装置に接続するコネクタ組立体であって、
印刷回路板と協働する第１のコネクタと、
車両装置と協働し、第１のコネクタと着脱自在に係合して印刷回路板と車両装置とを電気接続する第２のコネクタと、
第１のコネクタまたは第２のコネクタの内部に装着されて、作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する金属酸化物バリスタとより成るコネクタ組立体。 - 第１または第２のコネクタのうちの一方は装着インターフェイスを画定するコネクタハウジングを有し、金属酸化物バリスタは装着インターフェイスと直接係合する請求項１の組立体。
- 装着インターフェイスはコネクタハウジング内に形成された少なくとも２つの孔部を有し、金属酸化物バリスタは一部が孔部内に受容される一対の脚部を有する請求項２の組立体。
- 孔部はハウジング内の中心に位置する請求項３の組立体。
- コネクタハウジングは、第１のリード線支持構造と、該第１のリード線支持構造から所定距離だけ離隔した第２のリード線支持構造とを有し、装着インターフェイスは第１と第２のリード線支持構造間に位置する請求項２の組立体。
- サージ保護付き電子制御ユニットを車両装置に接続する方法であって、
（ａ）印刷回路板と協働する第１のコネクタと、車両装置と協働する第２のコネクタとを有するコネクタ組立体を用意し、
（ｂ）第１または第２のコネクタの内部に金属酸化物バリスタを装着し、
（ｃ）第１のコネクタと第２のコネクタとを係合させて車両装置と電子制御ユニットとを電気接続し、
（ｄ）作動電圧が所定の電圧限界を超えると金属酸化物バリスタにより電流を分岐するステップより成る方法。 - 金属酸化物バリスタ、第１及び第２のコネクタをはんだ付けして互いにしっかり固定するステップを含む請求項６の方法。
- 第１及び第２のコネクタにコネクタハウジング部分を設け、ステップ（ｂ）の間に金属酸化物バリスタをそれぞれのコネクタハウジング部分に直接接続するステップを含む請求項６の方法。
- コネクタハウジング部分内に一対の孔部を形成し、金属酸化物バリスタに一対の脚部を形成し、脚部を孔部内に挿入するステップを含む請求項８の方法。
- 車両装置組立体を制御する電子制御ユニットであって、
電子制御ユニットのハウジングと、
電子制御ユニットのハウジング内に収容された印刷回路板と、
印刷回路板と協働する第１のコネクタと、
第１のコネクタと係合して印刷回路板を車両装置に接続する第２のコネクタと、
第１または第２のコネクタと直接係合して、作動電圧が所定の電圧限界を超えると電流を分岐する少なくとも１つの金属酸化物バリスタとより成る電子制御ユニット。 - 金属酸化物バリスタは、車両装置に唯一のサージ保護を与える請求項１０の電子制御ユニット。
- 第１及び第２のコネクタはコネクタハウジング部分を有し、金属酸化物バリスタはコネクタハウジング部分内において複数のリード線に隣接して装着される請求項１０の電子制御ユニット。
- 金属酸化物バリスタは円形の本体部分と、一対の脚部とを有し、コネクタハウジング部分は一対の脚部を受容する一対の孔部を有する請求項１２の電子制御ユニット。
- 一対の孔部はコネクタハウジング部分内の中心に位置する請求項１３の電子制御ユニット。
Applications Claiming Priority (2)
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2002
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