JP2005506660A - プラズマ生成装置、方法およびrf駆動回路 - Google Patents
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Abstract
RFドライバ回路および直交アンテナ・アセンブリ/構成を、高密度プラズマを発生させるための方法およびシステムの一部として開示する。アンテナ・アセンブリ(105、115、110、120)は、低インピーダンスを提供するための適切なインピーダンス整合を備えた任意のRF発生器/回路(125、130)によって駆動することができる直交アンテナ・システムである。開示するRFドライバ回路にはスイッチング・タイプの増幅器素子が使用されており、低出力インピーダンスを提供している。開示する低出力インピーダンスRFドライバ回路により、プラズマと結合した固有インピーダンス変化とインターフェースするための整合回路の必要性が除去される。また、RFプラズマ源に同調を提供するためのキャパシタンス値またはインダクタンス値の選択が開示される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にプラズマ発生システムの設計および実施に関し、より詳細には無線周波数増幅器、アンテナ、およびプラズマを発生させるために増幅器とアンテナをインターフェースするための有効な回路接続に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、一般に、固体状態、液体状態、気体状態以外の、物質の第4の状態と見なされている。プラズマ状態では、物質の基本成分が実質的にイオン化された形態にあり、とりわけ強化された反応性、エネルギー、および有向ビーム形成に対する好適性により、多くの適用例に有用となっている。
【0003】
プラズマ発生器は、電子部品、集積回路および医療機器の製造に、また、様々な商品および機械の動作に日常的に使用されている。例えば、プラズマは、所望の物質の層を例えば化学反応またはソースからのスパッタリングに引き続いて蒸着するために、また、高い精度で材料をエッチングするために、また、プラズマ中の遊離基またはプラズマによって誘導された遊離基によって物体を殺菌するために、あるいは材料の表面特性を修正するために広く使用されている。
【0004】
無線周波数(「RF」)電源に基づくプラズマ発生器は、いつでもプラズマ源を提供することができ、また、しばしば携帯型で配置換えが容易であるため、実験的状況および工業的状況にしばしば使用されている。このようなプラズマは、一般的には低圧(および低密度)でRF放射をガスに結合させ、ガスをイオン化させることによって生成される。プラズマは、どのようなRFプラズマ生成システムにおいても、プロセス条件が変化したときアンテナ端子の可変負荷を表す。プロセス制御要素の中でもとりわけ使用ガスおよび使用圧力の変化は、アンテナ端子から見た装荷の量に影響を及ぼす。また、RF駆動波形自体の振幅もプラズマ温度および密度に影響を及ぼし、延いてはアンテナ装荷に影響を及ぼす。したがってアンテナ/プラズマの組合せは、RF電源が駆動する負荷が非定常であり、かつ、非線形であることを表す。
【0005】
典型的なRF源の出力インピーダンスは50オームであり、RF源を負荷に最も効率的に結合させるためには、整合する50オーム・インピーダンスを提供する負荷が必要である。プラズマの自己インダクタンス、実効抵抗、およびアンテナとの相互インダクタンスは、予測不可能に変化することがしばしばであるため、インピーダンスの整合は、発生したプラズマへのRF源からの満足すべきエネルギー伝達を得るために、いくつかの回路素子を、おそらくはプラズマを再同調することによってなされている。そのために、典型的には調整可能な「インピーダンス整合回路網」すなわち「整合箱」を使用し、プラズマ状態の変化による負荷インピーダンスの変動を補償する。通常、この整合箱には独立した2つの同調可能コンポーネントが含まれており、一方のコンポーネントが直列インピーダンスを調整し、もう一方のコンポーネントが分路インピーダンスを調整している。プラズマへの最適電力伝達を達成するためには、これらのコンポーネントを互いに連係して調整しなければならない。これらのコンポーネントを正確に同調させることがしばしば困難な工程であることは、決して驚くべきことではない。可能な自動化の程度がかなり限られているため、再同調には、通常、1つまたは複数のコンポーネントの値を調整するために手動式/機械式の操作/アクチュエータが必要であり、また、一般に洗練された帰還回路が必要である。
【0006】
十分に大きい電界をガスに印加することにより、ガス原子内の正に帯電した核から電子が分離し、それによりガスがイオン化され、プラズマとして知られる導電性の流体のような物質が形成されることは良く知られている。アンテナを介して無線周波数電界と無線周波数磁界を結合させることにより、このイオン化したガス中に誘導電流が発生し、発生した誘導電流によってガスがさらにイオン化され、それによりイオン化したガスの導電率が大きくなり、次いで、アンテナ・フィールドがガス中の帯電した粒子に結合する効率が向上し、それにより誘導電流が増加し、その結果として様々なメカニズムによってガスの電気的分解および実質的なイオン化がもたらされる。RF結合の有効性は、使用する特定のRF磁界および/または波によって決まる。以下、大量のプラズマの効率的な生成に適したいくつかのタイプの波について説明する。
【0007】
ホイッスラー波は、静磁界B0中に置かれた無限プラズマ中を伝搬することができる右回り円偏波電磁波(R波と呼ばれることもある)である。このホイッスラー波がシリンダなどの有限プラズマ中に生成されると、境界条件の存在すなわちシステムが無限ではないという事実により、左回り円偏波モード(L波)が全波フィールドに対する静電寄与と共に同時に存在することになる。これらの「有界ホイッスラー」は、ヘリコン波として知られている。Boswell,R.W.、Plasma Phys.26、1147頁(1981)を参照されたい。有界ホイッスラーの興味深く、かつ、有用な特性には、(1)他のRFプラズマ生成技法の効率より高い効率で比較的高い密度のプラズマが生成され、かつ、維持される、(2)RF入力電力がわずかに数kWの比較的小さいデバイスで、粒子の数が1立方センチメートル当たり最大Np〜1014個のプラズマ密度が得られる、(3)安定した比較的不活性状態のプラズマがほとんどの場合に得られる、(4)プラズマの一様性が優れている、および(5)数分の一ミリトールから数十ミリトールまでの広範囲の圧力に渡ってプラズマを生成することができる、などが含まれている。ヘリコン・モード励起と関連してプラズマが著しく改善されることが、安価なコンポーネントを使用して容易に、かつ、経済的に生成することができる比較的小さいB0磁界において観察される。
【0008】
プラズマ密度(Np)および一様性は、B0<150Gの比較的コンパクトなチャンバ内での低磁界m=+1ヘリコンR波の励起によって著しく改善することができる。これは、例えば空中線指向性図がアンテナ・フィールドと同じ体積を占める1つまたは複数のヘリコン・モードと類似し、したがってその1つまたは複数のヘリコン・モードと結合するアンテナを使用することによって達成することができる。結合状態の適切なセットには、印加磁界B0、RF周波数(FRF)、密度Np自体および物理寸法が含まれている。
【0009】
米国特許第4,792,732号、第6,264,812号および第6,304,036号に、RF電力をプラズマに結合するためのいくつかのアンテナ設計が開示されているが、これらの設計は比較的複雑であり、システムの取得および保全のコストを増加させる特注コンポーネントを必要とすることがしばしばである。また、必ずしもすべての設計が、本明細書において開示する好ましいモードであるヘリコン・モードの十分な発生に適しているわけではない。
【0010】
RF電源は、通常、入力として外部RF信号を受け取るか、あるいはRF信号発生回路を備えている。多くの処理適用例においては、このRF信号の周波数は13.56MHzであるが、本発明は、この周波数での動作に限定されない。このRF信号は、電力出力段で増幅された後、アンテナを介して、プラズマを生成するためのプラズマ発生器内でガス/プラズマに結合される。増幅器は、効率、直線性、増幅率、インピーダンスなどの増幅器の性能特性および意図する適用例に基づいて、慣習的に様々な等級に分類されている。電力増幅の場合、熱を放散するためのヒート・シンクを設けなければならず、延いては無効な増幅器を使用したデバイスのサイズが大きくなるため、熱として浪費される電力の量は重要な問題である。増幅器が浪費する電力は、増幅器の出力インピーダンスによって固有に制限されるため、重要な分類は出力インピーダンスである。
【0011】
典型的なRF増幅器は、50オームの標準出力インピーダンスを提供するように設計されている。このような増幅器の出力端子の両端間の電圧および出力端子に流れる電流は、いずれも非ゼロであるため、それらの積は、その増幅器が放散する電力の推定値を提供する。このような増幅器とは対照的に、スイッチは、短絡すなわち低インピーダンスに対応するON状態と、開回路すなわち無限(あるいは少なくとも極めて大きい)インピーダンスに対応するOFF状態の2つの状態を提供している。スイッチ・モード増幅器の場合、増幅器素子は、増幅すべき信号の制御を受けてスイッチとして働く。スイッチ素子の電力放散を最小化するために、電圧と電流が位相外れになるよう、例えば整合負荷回路網を使用して信号を適切に整形することによってそれらの間に位相差を導入することができる。つまり、電流が大きい場合、電圧を小さくするか、さらにはゼロにすることができ、逆の場合についても同様である。米国特許第3,919,656号および第5,187,580号に、スイッチ・モード増幅器の電力放散を低減し、さらには最小化するための様々な電圧/電流の関係が開示されている。
【0012】
また、米国特許第5,747,935号には、プラズマ・インピーダンス変動の観点から見てRF電源をより良好に安定化させるべく、所望の周波数で示されるインピーダンスが高く、一方、基本波の高調波が短絡されるスイッチ・モードRF増幅器および整合負荷回路網が開示されている。これらの整合回路網は、動的整合回路網を排除するどころか、スイッチ・モード電源を使用した動作をますます複雑にしている。
【0013】
効率的なプラズマ発生器の設計が直面している問題には、保全の必要がほとんどなく、アンテナの構成が容易であり、また、RF電源をプラズマによって提供される非線形動的インピーダンスに結合するための高価でかつ限られた整合回路網の排除、および有効なRF電源の必要性が含まれている。
【非特許文献1】
Boswell,R.W.のPlasma Phys.26、1147頁(1981)
【特許文献1】
米国特許第4,792,732号
【特許文献2】
米国特許第6,264,812号
【特許文献3】
米国特許第6,304,036号
【特許文献4】
米国特許第3,919,656号
【特許文献5】
米国特許第5,187,580号
【特許文献6】
米国特許第5,747,935号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の目的は、RF源をプラズマに有効に結合するための改良型アンテナ設計を提供することである。本発明のさらに他の目的は、RF電源を使用して、RF電源をプラズマに結合するための整合回路網を使用する必要なくプラズマを発生させるためのシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による実例プラズマ発生器システムは、ループ軸をそれぞれが有する複数のループを備え、複数のループが、各ループ軸が共通軸に対して実質的に直角をなすように該共通軸の周りに配列されたアンテナを有する少なくとも1つのプラズマ源と、ヘリコン・モードであることが好ましい円偏波モードでアンテナを介して駆動されるプラズマ負荷に結合された、複数のループを直角位相で駆動するための少なくとも1つの無線周波数電源と、実質的に共通軸に沿った静磁界と、整合回路網の必要性を除去するべく、プラズマが存在しない場合のアンテナ・ループとの共振周波数が特定の周波数にほぼ等しくなるようにスイッチング増幅器をアンテナ・ループに結合するリアクタンスとを備えている。スイッチング増幅器をアンテナ・ループに結合するリアクタンスは、少なくともその一部がコンデンサによって提供されることが好ましい。
【0016】
無線周波数電源は、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器および実質的にF級の増幅器からなるグループからの少なくとも1つの部材を備えていることが好ましい。一実施形態では、これらの部材は、駆動インピーダンスを小さい値に減少させるために、変圧器の一次側に接続されている。無線周波数電源は、D級増幅器を出力インピーダンスが比較的小さいプッシュプル構成で備えていることがより好ましい。
【0017】
好ましい一実施形態では、無線周波数電源の出力インピーダンスは、アンテナの入力インピーダンスと比較すると小さくなっている。この低出力インピーダンスは、50オームの標準インピーダンスよりはるかに小さいことがしばしばである。出力インピーダンスは、約0.5オーム未満、約2オーム未満、約3オーム未満、約5オーム未満、約8オーム未満、約10オーム未満および約20オーム未満からなるセットから選択される範囲内であることが好ましい。出力インピーダンスは5オーム未満であることが好ましく、0.5オームと2オームの間であることがより好ましく、1オーム未満であることが最も好ましい。開示する、ドライバをアンテナの電流ストラップに接続するための回路と共にこの低インピーダンス・ドライバを使用することによって整合箱の必要性が解消され、したがって回路の複雑さが軽減され、また、プラズマ処理システムにおける故障源が解消される。
【0018】
開示するシステムの他の利点は、アンテナに印加する電圧をプラズマの形成に先立って極めて大きくすることができるため、様々な使用条件でプラズマを起動する能力が強化されることである。プラズマが形成されると、より小さいレベルに電圧を降下させることによってプラズマが維持され、かつ、可能な高アンテナ電圧に起因する害が軽減される。
【0019】
アンテナ素子とB0の値の間の整相に応じて、ヘリコン源として、あるいは磁化誘導結合プラズマ(MICP)として動作させることができ、もしくはB0=0におけるICPとして動作させることができる。また、従来技術によるプラズマ源の使用および/または良好な利用が極めて困難な圧力状態において(例えば約100ミリトールのP0で)有効かつ頑丈に動作することが観察されている。中立圧力P0、入力電力PRFおよび外部から印加される軸方向磁界B0に対する条件が適正である場合、アンテナ素子に流れる電流は、突発的に直角位相励起モードに「ロック」されるようである。アンテナ素子に流れる電流が直角位相励起モードにロックされると、チャンバが概ね一様にプラズマによって充填されるものと思われ、それにより一様な処理条件が生成されるため、これは他のプラズマ源に勝る利点である。
【0020】
また、アンテナ・システムとRF発生器を組み合わせることにより、プラズマ・パラメータが他のプラズマ源に対して報告されている以上にはるかに広い範囲に渡って変化する条件(例えば、約1分間継続するサイクルで中立圧力P0が100ミリトールから5ミリトールまで降下し、再び100ミリトールを超える中立圧力に復帰する条件)の下で、整合回路網のコンポーネントの調整を何ら必要とすることなくプラズマを生成し、かつ、維持することができる。
【0021】
好ましい一実施形態では、プラズマを励起し、発生させるべくヘリコン・モードRF波が使用されているが、実例ヘリコン・モードに加えて他のモードを使用することも可能である。プラズマ源は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)タイプのデバイスとしても動作させることができる。また、変形形態は、容量結合モード(Eモード)動作に適している。
【0022】
添付の実例図は、本発明の様々な実施形態をより良く説明するためのものであり、特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
最初に図を参照すると、図1に、本発明の一実施形態に従って構成された2組のアンテナ素子を備えたプラズマ源チャンバが示されている。このアンテナ設計には、共通軸の周りに配列された2つの直交単巻きまたは多重巻きループ素子105、110、115および120が含まれている。アンテナ素子105、110、115および120は、図に示すRF電源A125またはB130によってそれぞれ駆動されている。アンテナ・ループの各々は、アンテナ素子を直角位相で駆動するために、分相器を備えた同じRF電源に結合することも、あるいは全く異なるRF電源に結合することもできる。アンテナ中のループは、8ゲージ・テフロン被覆線で構築されていることが好ましいが、銅線あるいは他の導体を使用することも可能である。
【0024】
図1には、直交する2組の2素子ヘルムホルツ・コイル様ループ・アンテナが示されており、第1の組がループ素子105および115を備え、第2の組がループ素子110および120を備えている。ループ素子は、電流がループ素子を通って流れる際に生成される磁界が絶縁シリンダ135の軸を概ね横切るように、絶縁シリンダ135の周りにアジマス方向に巻き付けられている。各組の対向する素子は、ヘルムホルツ構成で直列に接続されている。デバイスの動作には必ずしも必要ではないが、ループ素子に結合した漂遊磁界の相殺を強化するためには、対向するループ素子を相互接続している線は、隣接するセグメントに流れる電流が反対方向の電流になるように配列されることが好ましい。アンテナは、ほぼ横方向の回転磁界を生成するべく、両直交分岐に流れる電流がほぼ等しく、かつ、位相が90度になるように付勢される。
【0025】
ヘリコン・モード・プラズマの実施例の場合、軸方向の静B0磁界140は、例えば単純な電磁石によって生成される。この磁界は、シリンダの軸に沿って走っている。この静磁界の方向は、横方向回転磁界がm=+1ヘリコン波の横方向回転磁界を模倣する方向である。実際には、外部磁界を生成している電流の振幅および方向を調整することによって、プラズマ発生器の性能を修正することができる。ここで考察しているパラメータの場合、必要な磁界の総合振幅は、通常、10〜100ガウスの範囲であるが、サイズが異なるプラズマ源に対しては、別の範囲を使用することができる。静磁界の最適振幅および方向が一度選択されると、通常、振幅および方向のそれ以上の調整は不要である。
【0026】
アンテナ素子の静磁界とRF磁界を結合させることにより、絶縁シリンダ内のプラズマに、プラズマ放電を維持するm=+1ヘリコン・モードが生成される。ヘリコン・モードが直接励起されないよう、静磁界を変化させることによって離調させ、あるいは静磁界を全く印加しないようにすることも可能であることに留意されたい。この操作によってもプラズマが生成されるが、一般的にはヘリコン・モードほどには効率的ではない。当然のことではあるが、静磁界を印加することにより、プラズマ源/プラズマ発生器の動作を改善することができる。
【0027】
また、単一ループおよび/またはスクワット・ベル・ジャーの代わりに、例えば多重巻きループ・アンテナを使用して図1と同じ総合状態を達成することができることについても留意されたい。必要条件ではないが、ベル・ジャーの場合、ギャップが1/2インチ以内のアンテナ・フレーム内に適合させることが好ましい。
【0028】
プラズマ源セットアップの実施例の1つは次の通りである。水晶ベル・ジャーは、その内径が約12インチ(標準K.J.Lesker 12×12のように)であり、半径6インチの半球の頂部を備えた高さ約15cmの真っ直ぐな円筒セクションから成っている。水晶ベル・ジャーは、大よそ内径12インチ×高さ8インチの真空チャンバ(プラズマ源の一部ではない)の頂部に位置を占めている。アンテナは、2組の対向する密にパックされた概ね長方形の2巻き連続ループ・アンテナ素子からなっている。アンテナ素子はベル・ジャーを取り囲んでおり、アンテナとベル・ジャーの間は、すべてのポイントで約1/8インチ〜1/2インチの間隔を隔てている。各素子内の回は直列に接続され、各組の2つの素子もそれらのフィールドが互いに付加されるように直列に接続されている。各組の自己インダクタンスは、この実施例では約10マイクロヘンリーであり、2組の間の相互インダクタンスは、1マイクロヘンリー未満である。それぞれ長さ約25cmおよび20cmの垂直および水平アンテナ・ループ・セクションは、8ゲージ・テフロン被覆線からなっている。代替実施形態では、単巻きまたは多重巻きテフロン被覆線の代わりに、単巻きの剛直銅導体が使用されている。本明細書において説明する、横方向回転磁界を生成するための特定の実施形態は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0029】
図2〜4に示す従来のRF電源および整合スキームを使用して、上で説明したアンテナに流れるアンテナ電流を励起することができる。また、図2〜4に示す回路は、本発明による方法と両立している。本発明による方法には、低出力インピーダンスをRF電源に提供するステップ、RF電源をアンテナに結合しているリアクタンスを、プラズマが存在しない場合の共振周波数が所望のRF周波数になるように調整するステップなどのステップが含まれている。低出力インピーダンスは、プラズマが存在している場合と存在していない場合の回路のQ値「(Q)」を参照することによって理解することができる。プラズマが存在していない場合の「Q」は、プラズマが存在している場合の「Q」より5倍ないし10倍、さらにはそれ以上大きくなければならない。特に、知られている回路と異なり、RF電源とアンテナのこのような組合せには、プラズマが存在している場合に、プラズマ・インピーダンスの変化に応じてリアクタンスを変化させることによって再調整する必要がない。
【0030】
図2では、RF源200は、商用2MHz、0〜1kWの発生器であり、図1に示すポート「A」125で50オームの同軸ケーブルを介して直角位相/ハイブリッド回路に接続されている。直角位相/ハイブリッド回路の「+45度」および「−45度」の脚は、図に示すように、調整可能コンデンサ205、210、215および220から構成される個別のL形容量整合回路網に接続されている。動作周波数におけるコンデンサ225のリアクタンスは、それぞれ約100オームである。変圧器230の一方の側のリアクタンスは約100オームであり、もう一方の側はオープンである。図2に示すように、単一RF源200は、2つの個々のアンテナ・インダクタンス235および240と整合させるべく、受動電力分割器(直角位相/ハイブリッド回路)および4つの調整可能同調素子205、210、215および220と共に使用することができる。
【0031】
図3に示す他の実施形態では、2つの個別RF電源305および310が使用されており、したがって、それぞれ同調可能コンデンサ315、320、325および330を介してインダクタンス335および340に接続されている2つのアンテナ電力回路は完全に分離されている。このような構造は、個々のRF源を全電力で動作させることができ、したがって、単一RF源の場合と比較して入力電力の量を2倍にすることができ、また、整相および振幅比をアンテナ間で調整することができる点で有利である。励起モードの性質を変化させるべく、振幅および/または位相差を変化させることは可能であるが、通常、RF源305および310は、概ね同じ振幅および90度の位相外れで動作している。例えば、異なる振幅でRF源を動作させることにより、厳密な円偏波モードではなく、楕円偏波プラズマ・ヘリコン・モードを維持することができる。
【0032】
図4に示す、受動共振回路を備えた第3の実施形態は、一方の脚に誘導子/アンテナ・インダクタンス405および調整可能コンデンサ410を備え、アンテナ・インダクタンス425に接続された同調可能コンデンサ415および420を有する整合回路を備えたRF源400を備えたもう一方の脚を駆動している。この構造には、プラズマ中の同じ種類の楕円へリコン・モードを励起する傾向があり、受動側が被駆動側に対して約90度の位相外れで動作するため、単一のRF源および整合回路網のみで、本発明による利点の多くが提供される。
【0033】
この実施例のセットアップにおける使用ガスはアルゴンであり、その圧力は、10ミリトールから100ミリトールを超える範囲に及んでいる。軸方向の静磁界は、0〜−150Gの範囲で手動による設定が可能であり、ベル・ジャー/アンテナ・アセンブリの外部に設けられた半径約9インチのコイルによって生成されている。
【0034】
約75ミリトールの圧力におけるプラズマの動作は、少なくとも3つの全く異なるモードを示している。第1のモードは、PRFが約200W以下の場合に、B0<Bcriticalに対して観察される、プラズマがベル・ジャーのエッジの近傍に集中するブライト・モードである。ここで、B0は軸方向の磁界であり、Bcriticalは、ヘリコン・モードを使用してプラズマを励起するための軸方向磁界の臨界値である。同様に、電力レベルPRFおよびPthresholdは、アンテナに供給されるRF電力および以下で説明する閾値電力を表している。このブライト・モードでは、RFアンテナ電流は、直角位相ではなく、180度程度の位相外れになる傾向がある。第2のモードは、B0>BcriticalかつPRF<Pthresholdの場合に観察される、より大きい電力時における密度/グローが一様であり、かつ、より小さい電力時におけるベル・ジャーの壁に沿った暗部の厚さが約1〜2cmであるダル・グロー放電様モードである。この場合、RF電流は強固な直角位相であり、プラズマ形成後、程なくして約90度の移相に突発的に固定される。第3のモードは、より高いPRF>PthresholdかつB0>Bcriticalにおける、モード(1)の場合よりさらに一様に放射状に分布すると思われるブライト・プラズマが形成され、かつ、この場合もアンテナ電流が直角位相整相にロックされる傾向を示すモードである。これらの状態の各々がプラズマ処理適用例を有しているが、この第3の状態は有効な動作モードを表しており、知られているプラズマ源の利用が極めて困難であることが確認されている中立ガス圧力で達成することができる。
【0035】
また、一態様では、本発明により、流線形電力回路のために、図2〜4に関連して説明した従来のRF電源および同調可能整合回路網をなくすことができる。
【0036】
本発明による好ましい一実施形態では、RF電力回路が、図5に示すような構造を使用してアンテナ電流ストラップを直接駆動している。図5に示すRF増幅器は、当分野で知られている、低出力インピーダンス(すなわちプッシュプル出力段)を有する多くのタイプのRF増幅器のうちの1つであることが好ましい。トランジスタ505および510は、当分野の技術者に知られているように、適切な回路500によってプッシュプル配列で駆動されている。この配列の場合、導通状態にあるのは常に一方のトランジスタのみであり、通常、そのデューティ・サイクルは50%以下である。2つのトランジスタの出力が結合され、完全な信号が生成されている。
【0037】
好ましい一実施形態では、出力段の電力半導体、例えばトランジスタ505および510は、スイッチング・モードで動作している。図5〜7では、これらのトランジスタはFETとして示されているが、例えばバイポーラ・トランジスタ、IGBT、真空管あるいは他の任意の適切な増幅デバイスを使用することもできる。スイッチング・モードの一例は、D級動作によって提供される。このスイッチング・モードでは、RF波形の相対する半サイクル毎に出力デバイスが交互に急速にオンおよびオフされる。理論上、出力デバイスがゼロ電圧降下で完全にオンし、あるいは電流が流れることなく完全にオフするため、電力の放散は存在しない。したがって、理論上、D級動作は100%の効率を発揮することができるが、この評価には、無限高速スイッチング時間のゼロ・オン・インピーダンス・スイッチが仮定されている。実際の実施態様の効率は、通常、約90%である。
【0038】
このRFドライバは、コンデンサであることが好ましい固定または可変のリアクタンス515を介してアンテナ電流ストラップ520に直接結合されている。この結合リアクタンスの値は、結合リアクタンスを備えた回路とアンテナの、プラズマが存在しない場合の共振周波数がRF動作周波数にほぼ等しくなるような値であることが好ましい。
【0039】
図6(A)は、この回路の出力段の代替構造を示したもので、電気分離を提供するべく、ドライバ600およびトランジスタ605、610を備えたプッシュプル段の後段に変圧器620を備えており、あるいはプッシュプル段に変圧器620が組み込まれている。変圧器620は、プッシュプル段の出力インピーダンスが大き過ぎる場合、任意選択で低インピーダンスに変換するように構成することができる。コンデンサ615は、変圧器620とアンテナ電流ストラップ625によって形成される誘導性回路と所望の駆動周波数で共振するようになされている。図6(B)は、同様の実施形態を示したもので、コンデンサ630を使用して直流が除去され、コンデンサ635は、変圧器620の漏れインダクタンスと電流ストラップ625のインダクタンスによって形成される直列回路中で共振している。
【0040】
図7は、本発明によるさらに他のRF電源およびアンテナ電流ストラップ構成を示したものである。中央タップが施された、直流電力フィード内に組み込まれた誘導子725は、プッシュプル・ドライバ700およびトランジスタ705、710を有する出力段に接続されている。変圧器720によって分離されている。この場合も、導通状態にあるのは常に一方のトランジスタのみであり、通常、そのデューティ・サイクルは50%未満である。図5〜7に示す回路は、実例実施例として示したものに過ぎず、良く知られている任意のプッシュプル段あるいは低出力インピーダンスを提供する他の構成を所定の位置に使用することができる。
【0041】
また、RF電源は、対称アンテナ構成(Nogoya型IIIまたはその変形形態、例えばBoswell型パドル形アンテナ)あるいは非対称アンテナ構成(例えば右回りヘリカル・アンテナ、ねん回Nogoya−IIIアンテナ)のいずれかなどの任意のヘリコン・アンテナ、あるいは他の任意の非ヘリコン誘導結合構成と共に使用することができる。
【0042】
一般的には、本発明によるプラズマ発生器システムは、実質的にA級増幅器としての動作、実質的にAB級増幅器としての動作、実質的にB級増幅器としての動作、実質的にC級増幅器としての動作、実質的にD級増幅器としての動作、実質的にE級増幅器としての動作、実質的にF級増幅器としての動作、あるいはそれらの任意のサブコンビネーションに基づく無線周波数電源を使用することができる。ヘリコン・モードを励起するための電源とアンテナのこのような組合せは、高密度プラズマの生成に適している。また、図2〜4に示すような非スイッチング増幅器の場合、RF源のインピーダンスを低出力インピーダンスに変換するための中間段を使用して、本明細書において説明した実施形態に基づくスイッチング増幅器の有効な動作を近似することができる。
【0043】
誘導結合プラズマ源の場合、アンテナ電流ストラップは、プラズマが形成される領域に近接した、一般的には絶縁容器の外側に配置される。回路の観点からすると、アンテナ素子が非理想変圧器の一次側を形成し、プラズマが二次側を形成している。図8は等価回路を示したもので、誘導子810は、電流ストラップおよび配線中のあらゆるインダクタンス、例えばいくつかの実施形態に存在しているドライバの出力変圧器によって付加されるあらゆるインダクタンスを含むすべてのインダクタンスを表す集中素子を表している。プラズマを表すPのラベルが振られた枠内のコンポーネントである誘導子820は、プラズマの自己インダクタンスであり、インピーダンス815は、実効抵抗としてモデル化されたプラズマ放散を表している。Mは、アンテナとプラズマの間の相互インダクタンスを表している。トランジスタ・ドライバ800は、方形波電圧源として表されている。キャパシタンス805は、システム設置時に、回路の共振周波数が所望の動作周波数に概ね整合するように調整されている。固定のコンデンサを備えた代替実施形態では、RF周波数を調整することによって同じ効果が達成されている。
【0044】
図9は、システムの動作を示すべく、システム全体をモデル化したものである。図9では、インダクタンス905にすべての誘導子が一括され、キャパシタンス910にすべてのコンデンサが一括され、また、抵抗器915にすべての放散素子が一括されている。また、増幅器は、RF電圧源として理想的に動作している(すなわち出力インピーダンスがゼロである)ものとする。
【0045】
プラズマが存在しない場合、放散がほとんどないため、Rは小さく、また、図9に示す回路は、図10に示すように、周波数の変化に対する共振応答が狭くなっている。これは、回路動作における利点の1つであり、アンテナの電圧を比較的小さい電力入力で高い値に駆動することができ、それにより反応チャンバ内のガスを容易に初期崩壊させることができる。プラズマが形成されると、図11に示すように、システムの減衰によって共振ピークが著しく広がり、回路全体のQが小さくなる。プラズマの状態によって共振の中心周波数が変動するが、その変動は、プラズマ負荷が存在する場合の共振応答の幅と比較すると無視することができる。したがって、プラズマ負荷が掛かっている状態で回路を動作させると、動作状態の変化に比較的鈍感な回路になり、再同調が不要になる。図11は、これを示したもので、Qが十分に減少し、システムの動作はその有効性を維持しているが、システム全体の共振周波数がわずかに変動している。回路のQが小さくなると、プラズマに印加する電圧の自己調整を、プラズマが存在しない場合に対して著しく小さくしなければならない。いくつかの実施形態では、プラズマ形成時における共振周波数の変動に応じて、RFドライブバの動作周波数を、プラズマが存在しない場合の正確な共振からどちらか一方の側へ実際にわずかに離調させることが若干有利である。
【0046】
プラズマに入力する電力レベルは、RF出力段の直流電源レベルの調整などの様々な技法を使用して制御することができる。一実施形態では、プラズマ源への比較的安定した電力を維持するべく、センスしたプラズマ装荷の変化に応じて電源電圧を変化させることができる。図12に示すように、直流電源レギュレータ1230によって調整するためのプラズマ装荷のセンシングは、例えば電圧センサ1200を使用して直流電源1215からの電圧をモニタし、かつ、電流センサ1205を使用してRF/プラズマ・システムへの直流電流をモニタし、それらの積を増幅器効率に対する前回の測定近似値と共にモジュール1210で使用して、RF増幅器1220からプラズマ1225への次の電力を予測することによって達成することができる。利得モジュール1235の効率乗算器は、例えばシステムの様々なポイントにおける熱負荷をモニタすることによって異なる出力レベルを測定し、かつ、ディジタル的に記憶することができ、それにより、出力レベルによる効率変化が補償される。別法としては、RF電圧および電流を測定し、それらの同相積を評価することにより、プラズマ中で放散する有効電力を予測することができる。
【0047】
本明細書において使用されている「低」インピーダンスは、図9に示す直列共振回路のプラズマが存在していない場合のQが、プラズマが存在している場合のQより5倍ないし10倍、さらにはそれ以上大きくなければならないことを意味している。つまり、増幅器の出力インピーダンスを十分に小さくし、出力の半サイクルで放散するエネルギーを、リアクタンス・コンポーネントに蓄積されるエネルギーよりはるかに小さくしなければならない。この条件は、Z_out<<sqrt(L/C)で数学的に定義される。LおよびCは、図9に示す一括値である。RF増幅器は、この条件が維持される場合、電圧源として動作することになる。
【0048】
プラズマの起動に先立って、所与のプロセスに特有の使用ガスが反応チャンバに充填される。本発明により、プラズマが存在しない場合の回路の大きいQにより、プラズマが存在していない場合に、比較的小さい電力で高い電圧をアンテナ素子に誘導することができるという事実により、このガスを崩壊させ、かつ、プラズマを起動することができる利点が提供される。プラズマが存在しない場合のこの電圧を制御することにより、使用ガスをプログラムによって崩壊させることができる。プラズマが形成されると、プラズマ中の誘導電流がシステムに対する負荷として作用し、それによりこれらのより高い電圧が崩壊し、延いてはシステムに対するストレスが回避される。
【0049】
上で説明した本発明による回路構造の場合、固定キャパシタンスCのみが必要であり、したがって機械式調整可能コンデンサなどの可変同調素子は不要であるが、例えば、プラズマの動作点に実時間でインピーダンス整合させる必要のない好ましい一実施形態では、システムの共振を所望の動作周波数に整合させるために調整される可変コンデンサを使用して様々な回路を構築することも可能である。このような整合は、L−C共振周波数が変動する原因となる機械的な振動あるいは経年変化による影響を阻止するには有効である。
【0050】
一実施形態では、動作周波数を調整することによって共振からの微小な逸脱を補償し、また、コンデンサを機械的に同調させることによって大きな逸脱を補償している。一実施形態では、コンデンサを同調させることによって調整されている。好ましい(同調)実施形態では、この同調が自動化され、RF源がオフラインの状態にある間に実施されている。他の態様では、例えばプロセス条件を微調整するためのプロセス制御の一環としての同調により、調整可能同調素子を備えた実施形態における開示構造の調整可能素子の数をわずかに1個に低減している。
【0051】
当分野の技術者には理解されるように、開示した本発明には、本発明の教示または精神を逸脱することなく、多くの変形形態および代替実施態様が可能である。このような修正は、添付の特許請求の範囲内に帰するものとする。例えば、従来の増幅器と組み合わせた変圧器を使用して低インピーダンスとのインピーダンス整合を提供することができる。したがって、特許請求の範囲は、このような修正、変形形態およびそれらの均等物を包含するものとして解釈すべきである。また、本明細書に記載したすべての参考文献は、参照によりその開示および教示のすべてが組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】2組のアンテナ素子を備えたプラズマ源チャンバを示す図である。
【図2】アンテナに結合されたRF電源を備えた同調可能回路を示す図である。
【図3】アンテナに結合されたRF電源を備えた第2の同調可能回路を示す図である。
【図4】アンテナに結合されたRF電源を備えた第3の同調可能回路を示す図である。
【図5】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた回路を示す図である。
【図6】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた第2の回路を示す図である。
【図7】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた第3の回路を示す図である。
【図8】RF電力増幅器、アンテナ電流ストラップおよびプラズマの簡易モデルを示す図である。
【図9】図8に示すモデルと等価の集中回路を示す図である。
【図10】プラズマが存在しない場合のプラズマ源の周波数応答を示すグラフである。
【図11】プラズマが存在する場合のプラズマ源の周波数応答を示すグラフである。
【図12】プラズマ源を制御するための帰還構造を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
105、110、115、120…ループ素子(アンテナ素子)、125、130…RF電源、135…絶縁シリンダ、140…静磁界、200…RF源、205、210、215、220…調整可能コンデンサ、225…コンデンサ、230…変圧器、235、240…アンテナ・インダクタンス、305、310…RF電源、315、320、325、330…同調可能コンデンサ、335、340…インダクタンス、400…RF源、405…誘導子/アンテナ・インダクタンス、410…調整可能コンデンサ、415、420…同調可能コンデンサ、425…アンテナ・インダクタンス、500…回路、505、510…トランジスタ、515…リアクタンス、520…アンテナ電流ストラップ、600…ドライバ、605、610…トランジスタ、615…コンデンサ、620…変圧器、625…アンテナ電流ストラップ、630…コンデンサ、635…コンデンサ、700…プッシュプル・ドライバ、705、710…トランジスタ、720…変圧器、725…誘導子、800…トランジスタ・ドライバ、805…キャパシタンス、810、815…インピーダンス、820…誘導子、905…インダクタンス、910…キャパシタンス、915…抵抗器、1200…電圧センサ、1205…電流センサ、1210…モジュール、1215…直流電源、1220…RF増幅器、1225…プラズマ、1230…直流電源レギュレータ、1235…利得モジュール
【0001】
本発明は一般にプラズマ発生システムの設計および実施に関し、より詳細には無線周波数増幅器、アンテナ、およびプラズマを発生させるために増幅器とアンテナをインターフェースするための有効な回路接続に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、一般に、固体状態、液体状態、気体状態以外の、物質の第4の状態と見なされている。プラズマ状態では、物質の基本成分が実質的にイオン化された形態にあり、とりわけ強化された反応性、エネルギー、および有向ビーム形成に対する好適性により、多くの適用例に有用となっている。
【0003】
プラズマ発生器は、電子部品、集積回路および医療機器の製造に、また、様々な商品および機械の動作に日常的に使用されている。例えば、プラズマは、所望の物質の層を例えば化学反応またはソースからのスパッタリングに引き続いて蒸着するために、また、高い精度で材料をエッチングするために、また、プラズマ中の遊離基またはプラズマによって誘導された遊離基によって物体を殺菌するために、あるいは材料の表面特性を修正するために広く使用されている。
【0004】
無線周波数(「RF」)電源に基づくプラズマ発生器は、いつでもプラズマ源を提供することができ、また、しばしば携帯型で配置換えが容易であるため、実験的状況および工業的状況にしばしば使用されている。このようなプラズマは、一般的には低圧(および低密度)でRF放射をガスに結合させ、ガスをイオン化させることによって生成される。プラズマは、どのようなRFプラズマ生成システムにおいても、プロセス条件が変化したときアンテナ端子の可変負荷を表す。プロセス制御要素の中でもとりわけ使用ガスおよび使用圧力の変化は、アンテナ端子から見た装荷の量に影響を及ぼす。また、RF駆動波形自体の振幅もプラズマ温度および密度に影響を及ぼし、延いてはアンテナ装荷に影響を及ぼす。したがってアンテナ/プラズマの組合せは、RF電源が駆動する負荷が非定常であり、かつ、非線形であることを表す。
【0005】
典型的なRF源の出力インピーダンスは50オームであり、RF源を負荷に最も効率的に結合させるためには、整合する50オーム・インピーダンスを提供する負荷が必要である。プラズマの自己インダクタンス、実効抵抗、およびアンテナとの相互インダクタンスは、予測不可能に変化することがしばしばであるため、インピーダンスの整合は、発生したプラズマへのRF源からの満足すべきエネルギー伝達を得るために、いくつかの回路素子を、おそらくはプラズマを再同調することによってなされている。そのために、典型的には調整可能な「インピーダンス整合回路網」すなわち「整合箱」を使用し、プラズマ状態の変化による負荷インピーダンスの変動を補償する。通常、この整合箱には独立した2つの同調可能コンポーネントが含まれており、一方のコンポーネントが直列インピーダンスを調整し、もう一方のコンポーネントが分路インピーダンスを調整している。プラズマへの最適電力伝達を達成するためには、これらのコンポーネントを互いに連係して調整しなければならない。これらのコンポーネントを正確に同調させることがしばしば困難な工程であることは、決して驚くべきことではない。可能な自動化の程度がかなり限られているため、再同調には、通常、1つまたは複数のコンポーネントの値を調整するために手動式/機械式の操作/アクチュエータが必要であり、また、一般に洗練された帰還回路が必要である。
【0006】
十分に大きい電界をガスに印加することにより、ガス原子内の正に帯電した核から電子が分離し、それによりガスがイオン化され、プラズマとして知られる導電性の流体のような物質が形成されることは良く知られている。アンテナを介して無線周波数電界と無線周波数磁界を結合させることにより、このイオン化したガス中に誘導電流が発生し、発生した誘導電流によってガスがさらにイオン化され、それによりイオン化したガスの導電率が大きくなり、次いで、アンテナ・フィールドがガス中の帯電した粒子に結合する効率が向上し、それにより誘導電流が増加し、その結果として様々なメカニズムによってガスの電気的分解および実質的なイオン化がもたらされる。RF結合の有効性は、使用する特定のRF磁界および/または波によって決まる。以下、大量のプラズマの効率的な生成に適したいくつかのタイプの波について説明する。
【0007】
ホイッスラー波は、静磁界B0中に置かれた無限プラズマ中を伝搬することができる右回り円偏波電磁波(R波と呼ばれることもある)である。このホイッスラー波がシリンダなどの有限プラズマ中に生成されると、境界条件の存在すなわちシステムが無限ではないという事実により、左回り円偏波モード(L波)が全波フィールドに対する静電寄与と共に同時に存在することになる。これらの「有界ホイッスラー」は、ヘリコン波として知られている。Boswell,R.W.、Plasma Phys.26、1147頁(1981)を参照されたい。有界ホイッスラーの興味深く、かつ、有用な特性には、(1)他のRFプラズマ生成技法の効率より高い効率で比較的高い密度のプラズマが生成され、かつ、維持される、(2)RF入力電力がわずかに数kWの比較的小さいデバイスで、粒子の数が1立方センチメートル当たり最大Np〜1014個のプラズマ密度が得られる、(3)安定した比較的不活性状態のプラズマがほとんどの場合に得られる、(4)プラズマの一様性が優れている、および(5)数分の一ミリトールから数十ミリトールまでの広範囲の圧力に渡ってプラズマを生成することができる、などが含まれている。ヘリコン・モード励起と関連してプラズマが著しく改善されることが、安価なコンポーネントを使用して容易に、かつ、経済的に生成することができる比較的小さいB0磁界において観察される。
【0008】
プラズマ密度(Np)および一様性は、B0<150Gの比較的コンパクトなチャンバ内での低磁界m=+1ヘリコンR波の励起によって著しく改善することができる。これは、例えば空中線指向性図がアンテナ・フィールドと同じ体積を占める1つまたは複数のヘリコン・モードと類似し、したがってその1つまたは複数のヘリコン・モードと結合するアンテナを使用することによって達成することができる。結合状態の適切なセットには、印加磁界B0、RF周波数(FRF)、密度Np自体および物理寸法が含まれている。
【0009】
米国特許第4,792,732号、第6,264,812号および第6,304,036号に、RF電力をプラズマに結合するためのいくつかのアンテナ設計が開示されているが、これらの設計は比較的複雑であり、システムの取得および保全のコストを増加させる特注コンポーネントを必要とすることがしばしばである。また、必ずしもすべての設計が、本明細書において開示する好ましいモードであるヘリコン・モードの十分な発生に適しているわけではない。
【0010】
RF電源は、通常、入力として外部RF信号を受け取るか、あるいはRF信号発生回路を備えている。多くの処理適用例においては、このRF信号の周波数は13.56MHzであるが、本発明は、この周波数での動作に限定されない。このRF信号は、電力出力段で増幅された後、アンテナを介して、プラズマを生成するためのプラズマ発生器内でガス/プラズマに結合される。増幅器は、効率、直線性、増幅率、インピーダンスなどの増幅器の性能特性および意図する適用例に基づいて、慣習的に様々な等級に分類されている。電力増幅の場合、熱を放散するためのヒート・シンクを設けなければならず、延いては無効な増幅器を使用したデバイスのサイズが大きくなるため、熱として浪費される電力の量は重要な問題である。増幅器が浪費する電力は、増幅器の出力インピーダンスによって固有に制限されるため、重要な分類は出力インピーダンスである。
【0011】
典型的なRF増幅器は、50オームの標準出力インピーダンスを提供するように設計されている。このような増幅器の出力端子の両端間の電圧および出力端子に流れる電流は、いずれも非ゼロであるため、それらの積は、その増幅器が放散する電力の推定値を提供する。このような増幅器とは対照的に、スイッチは、短絡すなわち低インピーダンスに対応するON状態と、開回路すなわち無限(あるいは少なくとも極めて大きい)インピーダンスに対応するOFF状態の2つの状態を提供している。スイッチ・モード増幅器の場合、増幅器素子は、増幅すべき信号の制御を受けてスイッチとして働く。スイッチ素子の電力放散を最小化するために、電圧と電流が位相外れになるよう、例えば整合負荷回路網を使用して信号を適切に整形することによってそれらの間に位相差を導入することができる。つまり、電流が大きい場合、電圧を小さくするか、さらにはゼロにすることができ、逆の場合についても同様である。米国特許第3,919,656号および第5,187,580号に、スイッチ・モード増幅器の電力放散を低減し、さらには最小化するための様々な電圧/電流の関係が開示されている。
【0012】
また、米国特許第5,747,935号には、プラズマ・インピーダンス変動の観点から見てRF電源をより良好に安定化させるべく、所望の周波数で示されるインピーダンスが高く、一方、基本波の高調波が短絡されるスイッチ・モードRF増幅器および整合負荷回路網が開示されている。これらの整合回路網は、動的整合回路網を排除するどころか、スイッチ・モード電源を使用した動作をますます複雑にしている。
【0013】
効率的なプラズマ発生器の設計が直面している問題には、保全の必要がほとんどなく、アンテナの構成が容易であり、また、RF電源をプラズマによって提供される非線形動的インピーダンスに結合するための高価でかつ限られた整合回路網の排除、および有効なRF電源の必要性が含まれている。
【非特許文献1】
Boswell,R.W.のPlasma Phys.26、1147頁(1981)
【特許文献1】
米国特許第4,792,732号
【特許文献2】
米国特許第6,264,812号
【特許文献3】
米国特許第6,304,036号
【特許文献4】
米国特許第3,919,656号
【特許文献5】
米国特許第5,187,580号
【特許文献6】
米国特許第5,747,935号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の目的は、RF源をプラズマに有効に結合するための改良型アンテナ設計を提供することである。本発明のさらに他の目的は、RF電源を使用して、RF電源をプラズマに結合するための整合回路網を使用する必要なくプラズマを発生させるためのシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による実例プラズマ発生器システムは、ループ軸をそれぞれが有する複数のループを備え、複数のループが、各ループ軸が共通軸に対して実質的に直角をなすように該共通軸の周りに配列されたアンテナを有する少なくとも1つのプラズマ源と、ヘリコン・モードであることが好ましい円偏波モードでアンテナを介して駆動されるプラズマ負荷に結合された、複数のループを直角位相で駆動するための少なくとも1つの無線周波数電源と、実質的に共通軸に沿った静磁界と、整合回路網の必要性を除去するべく、プラズマが存在しない場合のアンテナ・ループとの共振周波数が特定の周波数にほぼ等しくなるようにスイッチング増幅器をアンテナ・ループに結合するリアクタンスとを備えている。スイッチング増幅器をアンテナ・ループに結合するリアクタンスは、少なくともその一部がコンデンサによって提供されることが好ましい。
【0016】
無線周波数電源は、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器および実質的にF級の増幅器からなるグループからの少なくとも1つの部材を備えていることが好ましい。一実施形態では、これらの部材は、駆動インピーダンスを小さい値に減少させるために、変圧器の一次側に接続されている。無線周波数電源は、D級増幅器を出力インピーダンスが比較的小さいプッシュプル構成で備えていることがより好ましい。
【0017】
好ましい一実施形態では、無線周波数電源の出力インピーダンスは、アンテナの入力インピーダンスと比較すると小さくなっている。この低出力インピーダンスは、50オームの標準インピーダンスよりはるかに小さいことがしばしばである。出力インピーダンスは、約0.5オーム未満、約2オーム未満、約3オーム未満、約5オーム未満、約8オーム未満、約10オーム未満および約20オーム未満からなるセットから選択される範囲内であることが好ましい。出力インピーダンスは5オーム未満であることが好ましく、0.5オームと2オームの間であることがより好ましく、1オーム未満であることが最も好ましい。開示する、ドライバをアンテナの電流ストラップに接続するための回路と共にこの低インピーダンス・ドライバを使用することによって整合箱の必要性が解消され、したがって回路の複雑さが軽減され、また、プラズマ処理システムにおける故障源が解消される。
【0018】
開示するシステムの他の利点は、アンテナに印加する電圧をプラズマの形成に先立って極めて大きくすることができるため、様々な使用条件でプラズマを起動する能力が強化されることである。プラズマが形成されると、より小さいレベルに電圧を降下させることによってプラズマが維持され、かつ、可能な高アンテナ電圧に起因する害が軽減される。
【0019】
アンテナ素子とB0の値の間の整相に応じて、ヘリコン源として、あるいは磁化誘導結合プラズマ(MICP)として動作させることができ、もしくはB0=0におけるICPとして動作させることができる。また、従来技術によるプラズマ源の使用および/または良好な利用が極めて困難な圧力状態において(例えば約100ミリトールのP0で)有効かつ頑丈に動作することが観察されている。中立圧力P0、入力電力PRFおよび外部から印加される軸方向磁界B0に対する条件が適正である場合、アンテナ素子に流れる電流は、突発的に直角位相励起モードに「ロック」されるようである。アンテナ素子に流れる電流が直角位相励起モードにロックされると、チャンバが概ね一様にプラズマによって充填されるものと思われ、それにより一様な処理条件が生成されるため、これは他のプラズマ源に勝る利点である。
【0020】
また、アンテナ・システムとRF発生器を組み合わせることにより、プラズマ・パラメータが他のプラズマ源に対して報告されている以上にはるかに広い範囲に渡って変化する条件(例えば、約1分間継続するサイクルで中立圧力P0が100ミリトールから5ミリトールまで降下し、再び100ミリトールを超える中立圧力に復帰する条件)の下で、整合回路網のコンポーネントの調整を何ら必要とすることなくプラズマを生成し、かつ、維持することができる。
【0021】
好ましい一実施形態では、プラズマを励起し、発生させるべくヘリコン・モードRF波が使用されているが、実例ヘリコン・モードに加えて他のモードを使用することも可能である。プラズマ源は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)タイプのデバイスとしても動作させることができる。また、変形形態は、容量結合モード(Eモード)動作に適している。
【0022】
添付の実例図は、本発明の様々な実施形態をより良く説明するためのものであり、特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
最初に図を参照すると、図1に、本発明の一実施形態に従って構成された2組のアンテナ素子を備えたプラズマ源チャンバが示されている。このアンテナ設計には、共通軸の周りに配列された2つの直交単巻きまたは多重巻きループ素子105、110、115および120が含まれている。アンテナ素子105、110、115および120は、図に示すRF電源A125またはB130によってそれぞれ駆動されている。アンテナ・ループの各々は、アンテナ素子を直角位相で駆動するために、分相器を備えた同じRF電源に結合することも、あるいは全く異なるRF電源に結合することもできる。アンテナ中のループは、8ゲージ・テフロン被覆線で構築されていることが好ましいが、銅線あるいは他の導体を使用することも可能である。
【0024】
図1には、直交する2組の2素子ヘルムホルツ・コイル様ループ・アンテナが示されており、第1の組がループ素子105および115を備え、第2の組がループ素子110および120を備えている。ループ素子は、電流がループ素子を通って流れる際に生成される磁界が絶縁シリンダ135の軸を概ね横切るように、絶縁シリンダ135の周りにアジマス方向に巻き付けられている。各組の対向する素子は、ヘルムホルツ構成で直列に接続されている。デバイスの動作には必ずしも必要ではないが、ループ素子に結合した漂遊磁界の相殺を強化するためには、対向するループ素子を相互接続している線は、隣接するセグメントに流れる電流が反対方向の電流になるように配列されることが好ましい。アンテナは、ほぼ横方向の回転磁界を生成するべく、両直交分岐に流れる電流がほぼ等しく、かつ、位相が90度になるように付勢される。
【0025】
ヘリコン・モード・プラズマの実施例の場合、軸方向の静B0磁界140は、例えば単純な電磁石によって生成される。この磁界は、シリンダの軸に沿って走っている。この静磁界の方向は、横方向回転磁界がm=+1ヘリコン波の横方向回転磁界を模倣する方向である。実際には、外部磁界を生成している電流の振幅および方向を調整することによって、プラズマ発生器の性能を修正することができる。ここで考察しているパラメータの場合、必要な磁界の総合振幅は、通常、10〜100ガウスの範囲であるが、サイズが異なるプラズマ源に対しては、別の範囲を使用することができる。静磁界の最適振幅および方向が一度選択されると、通常、振幅および方向のそれ以上の調整は不要である。
【0026】
アンテナ素子の静磁界とRF磁界を結合させることにより、絶縁シリンダ内のプラズマに、プラズマ放電を維持するm=+1ヘリコン・モードが生成される。ヘリコン・モードが直接励起されないよう、静磁界を変化させることによって離調させ、あるいは静磁界を全く印加しないようにすることも可能であることに留意されたい。この操作によってもプラズマが生成されるが、一般的にはヘリコン・モードほどには効率的ではない。当然のことではあるが、静磁界を印加することにより、プラズマ源/プラズマ発生器の動作を改善することができる。
【0027】
また、単一ループおよび/またはスクワット・ベル・ジャーの代わりに、例えば多重巻きループ・アンテナを使用して図1と同じ総合状態を達成することができることについても留意されたい。必要条件ではないが、ベル・ジャーの場合、ギャップが1/2インチ以内のアンテナ・フレーム内に適合させることが好ましい。
【0028】
プラズマ源セットアップの実施例の1つは次の通りである。水晶ベル・ジャーは、その内径が約12インチ(標準K.J.Lesker 12×12のように)であり、半径6インチの半球の頂部を備えた高さ約15cmの真っ直ぐな円筒セクションから成っている。水晶ベル・ジャーは、大よそ内径12インチ×高さ8インチの真空チャンバ(プラズマ源の一部ではない)の頂部に位置を占めている。アンテナは、2組の対向する密にパックされた概ね長方形の2巻き連続ループ・アンテナ素子からなっている。アンテナ素子はベル・ジャーを取り囲んでおり、アンテナとベル・ジャーの間は、すべてのポイントで約1/8インチ〜1/2インチの間隔を隔てている。各素子内の回は直列に接続され、各組の2つの素子もそれらのフィールドが互いに付加されるように直列に接続されている。各組の自己インダクタンスは、この実施例では約10マイクロヘンリーであり、2組の間の相互インダクタンスは、1マイクロヘンリー未満である。それぞれ長さ約25cmおよび20cmの垂直および水平アンテナ・ループ・セクションは、8ゲージ・テフロン被覆線からなっている。代替実施形態では、単巻きまたは多重巻きテフロン被覆線の代わりに、単巻きの剛直銅導体が使用されている。本明細書において説明する、横方向回転磁界を生成するための特定の実施形態は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0029】
図2〜4に示す従来のRF電源および整合スキームを使用して、上で説明したアンテナに流れるアンテナ電流を励起することができる。また、図2〜4に示す回路は、本発明による方法と両立している。本発明による方法には、低出力インピーダンスをRF電源に提供するステップ、RF電源をアンテナに結合しているリアクタンスを、プラズマが存在しない場合の共振周波数が所望のRF周波数になるように調整するステップなどのステップが含まれている。低出力インピーダンスは、プラズマが存在している場合と存在していない場合の回路のQ値「(Q)」を参照することによって理解することができる。プラズマが存在していない場合の「Q」は、プラズマが存在している場合の「Q」より5倍ないし10倍、さらにはそれ以上大きくなければならない。特に、知られている回路と異なり、RF電源とアンテナのこのような組合せには、プラズマが存在している場合に、プラズマ・インピーダンスの変化に応じてリアクタンスを変化させることによって再調整する必要がない。
【0030】
図2では、RF源200は、商用2MHz、0〜1kWの発生器であり、図1に示すポート「A」125で50オームの同軸ケーブルを介して直角位相/ハイブリッド回路に接続されている。直角位相/ハイブリッド回路の「+45度」および「−45度」の脚は、図に示すように、調整可能コンデンサ205、210、215および220から構成される個別のL形容量整合回路網に接続されている。動作周波数におけるコンデンサ225のリアクタンスは、それぞれ約100オームである。変圧器230の一方の側のリアクタンスは約100オームであり、もう一方の側はオープンである。図2に示すように、単一RF源200は、2つの個々のアンテナ・インダクタンス235および240と整合させるべく、受動電力分割器(直角位相/ハイブリッド回路)および4つの調整可能同調素子205、210、215および220と共に使用することができる。
【0031】
図3に示す他の実施形態では、2つの個別RF電源305および310が使用されており、したがって、それぞれ同調可能コンデンサ315、320、325および330を介してインダクタンス335および340に接続されている2つのアンテナ電力回路は完全に分離されている。このような構造は、個々のRF源を全電力で動作させることができ、したがって、単一RF源の場合と比較して入力電力の量を2倍にすることができ、また、整相および振幅比をアンテナ間で調整することができる点で有利である。励起モードの性質を変化させるべく、振幅および/または位相差を変化させることは可能であるが、通常、RF源305および310は、概ね同じ振幅および90度の位相外れで動作している。例えば、異なる振幅でRF源を動作させることにより、厳密な円偏波モードではなく、楕円偏波プラズマ・ヘリコン・モードを維持することができる。
【0032】
図4に示す、受動共振回路を備えた第3の実施形態は、一方の脚に誘導子/アンテナ・インダクタンス405および調整可能コンデンサ410を備え、アンテナ・インダクタンス425に接続された同調可能コンデンサ415および420を有する整合回路を備えたRF源400を備えたもう一方の脚を駆動している。この構造には、プラズマ中の同じ種類の楕円へリコン・モードを励起する傾向があり、受動側が被駆動側に対して約90度の位相外れで動作するため、単一のRF源および整合回路網のみで、本発明による利点の多くが提供される。
【0033】
この実施例のセットアップにおける使用ガスはアルゴンであり、その圧力は、10ミリトールから100ミリトールを超える範囲に及んでいる。軸方向の静磁界は、0〜−150Gの範囲で手動による設定が可能であり、ベル・ジャー/アンテナ・アセンブリの外部に設けられた半径約9インチのコイルによって生成されている。
【0034】
約75ミリトールの圧力におけるプラズマの動作は、少なくとも3つの全く異なるモードを示している。第1のモードは、PRFが約200W以下の場合に、B0<Bcriticalに対して観察される、プラズマがベル・ジャーのエッジの近傍に集中するブライト・モードである。ここで、B0は軸方向の磁界であり、Bcriticalは、ヘリコン・モードを使用してプラズマを励起するための軸方向磁界の臨界値である。同様に、電力レベルPRFおよびPthresholdは、アンテナに供給されるRF電力および以下で説明する閾値電力を表している。このブライト・モードでは、RFアンテナ電流は、直角位相ではなく、180度程度の位相外れになる傾向がある。第2のモードは、B0>BcriticalかつPRF<Pthresholdの場合に観察される、より大きい電力時における密度/グローが一様であり、かつ、より小さい電力時におけるベル・ジャーの壁に沿った暗部の厚さが約1〜2cmであるダル・グロー放電様モードである。この場合、RF電流は強固な直角位相であり、プラズマ形成後、程なくして約90度の移相に突発的に固定される。第3のモードは、より高いPRF>PthresholdかつB0>Bcriticalにおける、モード(1)の場合よりさらに一様に放射状に分布すると思われるブライト・プラズマが形成され、かつ、この場合もアンテナ電流が直角位相整相にロックされる傾向を示すモードである。これらの状態の各々がプラズマ処理適用例を有しているが、この第3の状態は有効な動作モードを表しており、知られているプラズマ源の利用が極めて困難であることが確認されている中立ガス圧力で達成することができる。
【0035】
また、一態様では、本発明により、流線形電力回路のために、図2〜4に関連して説明した従来のRF電源および同調可能整合回路網をなくすことができる。
【0036】
本発明による好ましい一実施形態では、RF電力回路が、図5に示すような構造を使用してアンテナ電流ストラップを直接駆動している。図5に示すRF増幅器は、当分野で知られている、低出力インピーダンス(すなわちプッシュプル出力段)を有する多くのタイプのRF増幅器のうちの1つであることが好ましい。トランジスタ505および510は、当分野の技術者に知られているように、適切な回路500によってプッシュプル配列で駆動されている。この配列の場合、導通状態にあるのは常に一方のトランジスタのみであり、通常、そのデューティ・サイクルは50%以下である。2つのトランジスタの出力が結合され、完全な信号が生成されている。
【0037】
好ましい一実施形態では、出力段の電力半導体、例えばトランジスタ505および510は、スイッチング・モードで動作している。図5〜7では、これらのトランジスタはFETとして示されているが、例えばバイポーラ・トランジスタ、IGBT、真空管あるいは他の任意の適切な増幅デバイスを使用することもできる。スイッチング・モードの一例は、D級動作によって提供される。このスイッチング・モードでは、RF波形の相対する半サイクル毎に出力デバイスが交互に急速にオンおよびオフされる。理論上、出力デバイスがゼロ電圧降下で完全にオンし、あるいは電流が流れることなく完全にオフするため、電力の放散は存在しない。したがって、理論上、D級動作は100%の効率を発揮することができるが、この評価には、無限高速スイッチング時間のゼロ・オン・インピーダンス・スイッチが仮定されている。実際の実施態様の効率は、通常、約90%である。
【0038】
このRFドライバは、コンデンサであることが好ましい固定または可変のリアクタンス515を介してアンテナ電流ストラップ520に直接結合されている。この結合リアクタンスの値は、結合リアクタンスを備えた回路とアンテナの、プラズマが存在しない場合の共振周波数がRF動作周波数にほぼ等しくなるような値であることが好ましい。
【0039】
図6(A)は、この回路の出力段の代替構造を示したもので、電気分離を提供するべく、ドライバ600およびトランジスタ605、610を備えたプッシュプル段の後段に変圧器620を備えており、あるいはプッシュプル段に変圧器620が組み込まれている。変圧器620は、プッシュプル段の出力インピーダンスが大き過ぎる場合、任意選択で低インピーダンスに変換するように構成することができる。コンデンサ615は、変圧器620とアンテナ電流ストラップ625によって形成される誘導性回路と所望の駆動周波数で共振するようになされている。図6(B)は、同様の実施形態を示したもので、コンデンサ630を使用して直流が除去され、コンデンサ635は、変圧器620の漏れインダクタンスと電流ストラップ625のインダクタンスによって形成される直列回路中で共振している。
【0040】
図7は、本発明によるさらに他のRF電源およびアンテナ電流ストラップ構成を示したものである。中央タップが施された、直流電力フィード内に組み込まれた誘導子725は、プッシュプル・ドライバ700およびトランジスタ705、710を有する出力段に接続されている。変圧器720によって分離されている。この場合も、導通状態にあるのは常に一方のトランジスタのみであり、通常、そのデューティ・サイクルは50%未満である。図5〜7に示す回路は、実例実施例として示したものに過ぎず、良く知られている任意のプッシュプル段あるいは低出力インピーダンスを提供する他の構成を所定の位置に使用することができる。
【0041】
また、RF電源は、対称アンテナ構成(Nogoya型IIIまたはその変形形態、例えばBoswell型パドル形アンテナ)あるいは非対称アンテナ構成(例えば右回りヘリカル・アンテナ、ねん回Nogoya−IIIアンテナ)のいずれかなどの任意のヘリコン・アンテナ、あるいは他の任意の非ヘリコン誘導結合構成と共に使用することができる。
【0042】
一般的には、本発明によるプラズマ発生器システムは、実質的にA級増幅器としての動作、実質的にAB級増幅器としての動作、実質的にB級増幅器としての動作、実質的にC級増幅器としての動作、実質的にD級増幅器としての動作、実質的にE級増幅器としての動作、実質的にF級増幅器としての動作、あるいはそれらの任意のサブコンビネーションに基づく無線周波数電源を使用することができる。ヘリコン・モードを励起するための電源とアンテナのこのような組合せは、高密度プラズマの生成に適している。また、図2〜4に示すような非スイッチング増幅器の場合、RF源のインピーダンスを低出力インピーダンスに変換するための中間段を使用して、本明細書において説明した実施形態に基づくスイッチング増幅器の有効な動作を近似することができる。
【0043】
誘導結合プラズマ源の場合、アンテナ電流ストラップは、プラズマが形成される領域に近接した、一般的には絶縁容器の外側に配置される。回路の観点からすると、アンテナ素子が非理想変圧器の一次側を形成し、プラズマが二次側を形成している。図8は等価回路を示したもので、誘導子810は、電流ストラップおよび配線中のあらゆるインダクタンス、例えばいくつかの実施形態に存在しているドライバの出力変圧器によって付加されるあらゆるインダクタンスを含むすべてのインダクタンスを表す集中素子を表している。プラズマを表すPのラベルが振られた枠内のコンポーネントである誘導子820は、プラズマの自己インダクタンスであり、インピーダンス815は、実効抵抗としてモデル化されたプラズマ放散を表している。Mは、アンテナとプラズマの間の相互インダクタンスを表している。トランジスタ・ドライバ800は、方形波電圧源として表されている。キャパシタンス805は、システム設置時に、回路の共振周波数が所望の動作周波数に概ね整合するように調整されている。固定のコンデンサを備えた代替実施形態では、RF周波数を調整することによって同じ効果が達成されている。
【0044】
図9は、システムの動作を示すべく、システム全体をモデル化したものである。図9では、インダクタンス905にすべての誘導子が一括され、キャパシタンス910にすべてのコンデンサが一括され、また、抵抗器915にすべての放散素子が一括されている。また、増幅器は、RF電圧源として理想的に動作している(すなわち出力インピーダンスがゼロである)ものとする。
【0045】
プラズマが存在しない場合、放散がほとんどないため、Rは小さく、また、図9に示す回路は、図10に示すように、周波数の変化に対する共振応答が狭くなっている。これは、回路動作における利点の1つであり、アンテナの電圧を比較的小さい電力入力で高い値に駆動することができ、それにより反応チャンバ内のガスを容易に初期崩壊させることができる。プラズマが形成されると、図11に示すように、システムの減衰によって共振ピークが著しく広がり、回路全体のQが小さくなる。プラズマの状態によって共振の中心周波数が変動するが、その変動は、プラズマ負荷が存在する場合の共振応答の幅と比較すると無視することができる。したがって、プラズマ負荷が掛かっている状態で回路を動作させると、動作状態の変化に比較的鈍感な回路になり、再同調が不要になる。図11は、これを示したもので、Qが十分に減少し、システムの動作はその有効性を維持しているが、システム全体の共振周波数がわずかに変動している。回路のQが小さくなると、プラズマに印加する電圧の自己調整を、プラズマが存在しない場合に対して著しく小さくしなければならない。いくつかの実施形態では、プラズマ形成時における共振周波数の変動に応じて、RFドライブバの動作周波数を、プラズマが存在しない場合の正確な共振からどちらか一方の側へ実際にわずかに離調させることが若干有利である。
【0046】
プラズマに入力する電力レベルは、RF出力段の直流電源レベルの調整などの様々な技法を使用して制御することができる。一実施形態では、プラズマ源への比較的安定した電力を維持するべく、センスしたプラズマ装荷の変化に応じて電源電圧を変化させることができる。図12に示すように、直流電源レギュレータ1230によって調整するためのプラズマ装荷のセンシングは、例えば電圧センサ1200を使用して直流電源1215からの電圧をモニタし、かつ、電流センサ1205を使用してRF/プラズマ・システムへの直流電流をモニタし、それらの積を増幅器効率に対する前回の測定近似値と共にモジュール1210で使用して、RF増幅器1220からプラズマ1225への次の電力を予測することによって達成することができる。利得モジュール1235の効率乗算器は、例えばシステムの様々なポイントにおける熱負荷をモニタすることによって異なる出力レベルを測定し、かつ、ディジタル的に記憶することができ、それにより、出力レベルによる効率変化が補償される。別法としては、RF電圧および電流を測定し、それらの同相積を評価することにより、プラズマ中で放散する有効電力を予測することができる。
【0047】
本明細書において使用されている「低」インピーダンスは、図9に示す直列共振回路のプラズマが存在していない場合のQが、プラズマが存在している場合のQより5倍ないし10倍、さらにはそれ以上大きくなければならないことを意味している。つまり、増幅器の出力インピーダンスを十分に小さくし、出力の半サイクルで放散するエネルギーを、リアクタンス・コンポーネントに蓄積されるエネルギーよりはるかに小さくしなければならない。この条件は、Z_out<<sqrt(L/C)で数学的に定義される。LおよびCは、図9に示す一括値である。RF増幅器は、この条件が維持される場合、電圧源として動作することになる。
【0048】
プラズマの起動に先立って、所与のプロセスに特有の使用ガスが反応チャンバに充填される。本発明により、プラズマが存在しない場合の回路の大きいQにより、プラズマが存在していない場合に、比較的小さい電力で高い電圧をアンテナ素子に誘導することができるという事実により、このガスを崩壊させ、かつ、プラズマを起動することができる利点が提供される。プラズマが存在しない場合のこの電圧を制御することにより、使用ガスをプログラムによって崩壊させることができる。プラズマが形成されると、プラズマ中の誘導電流がシステムに対する負荷として作用し、それによりこれらのより高い電圧が崩壊し、延いてはシステムに対するストレスが回避される。
【0049】
上で説明した本発明による回路構造の場合、固定キャパシタンスCのみが必要であり、したがって機械式調整可能コンデンサなどの可変同調素子は不要であるが、例えば、プラズマの動作点に実時間でインピーダンス整合させる必要のない好ましい一実施形態では、システムの共振を所望の動作周波数に整合させるために調整される可変コンデンサを使用して様々な回路を構築することも可能である。このような整合は、L−C共振周波数が変動する原因となる機械的な振動あるいは経年変化による影響を阻止するには有効である。
【0050】
一実施形態では、動作周波数を調整することによって共振からの微小な逸脱を補償し、また、コンデンサを機械的に同調させることによって大きな逸脱を補償している。一実施形態では、コンデンサを同調させることによって調整されている。好ましい(同調)実施形態では、この同調が自動化され、RF源がオフラインの状態にある間に実施されている。他の態様では、例えばプロセス条件を微調整するためのプロセス制御の一環としての同調により、調整可能同調素子を備えた実施形態における開示構造の調整可能素子の数をわずかに1個に低減している。
【0051】
当分野の技術者には理解されるように、開示した本発明には、本発明の教示または精神を逸脱することなく、多くの変形形態および代替実施態様が可能である。このような修正は、添付の特許請求の範囲内に帰するものとする。例えば、従来の増幅器と組み合わせた変圧器を使用して低インピーダンスとのインピーダンス整合を提供することができる。したがって、特許請求の範囲は、このような修正、変形形態およびそれらの均等物を包含するものとして解釈すべきである。また、本明細書に記載したすべての参考文献は、参照によりその開示および教示のすべてが組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】2組のアンテナ素子を備えたプラズマ源チャンバを示す図である。
【図2】アンテナに結合されたRF電源を備えた同調可能回路を示す図である。
【図3】アンテナに結合されたRF電源を備えた第2の同調可能回路を示す図である。
【図4】アンテナに結合されたRF電源を備えた第3の同調可能回路を示す図である。
【図5】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた回路を示す図である。
【図6】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた第2の回路を示す図である。
【図7】アンテナ電流ストラップに結合されたRF電力増幅器を備えた第3の回路を示す図である。
【図8】RF電力増幅器、アンテナ電流ストラップおよびプラズマの簡易モデルを示す図である。
【図9】図8に示すモデルと等価の集中回路を示す図である。
【図10】プラズマが存在しない場合のプラズマ源の周波数応答を示すグラフである。
【図11】プラズマが存在する場合のプラズマ源の周波数応答を示すグラフである。
【図12】プラズマ源を制御するための帰還構造を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
105、110、115、120…ループ素子(アンテナ素子)、125、130…RF電源、135…絶縁シリンダ、140…静磁界、200…RF源、205、210、215、220…調整可能コンデンサ、225…コンデンサ、230…変圧器、235、240…アンテナ・インダクタンス、305、310…RF電源、315、320、325、330…同調可能コンデンサ、335、340…インダクタンス、400…RF源、405…誘導子/アンテナ・インダクタンス、410…調整可能コンデンサ、415、420…同調可能コンデンサ、425…アンテナ・インダクタンス、500…回路、505、510…トランジスタ、515…リアクタンス、520…アンテナ電流ストラップ、600…ドライバ、605、610…トランジスタ、615…コンデンサ、620…変圧器、625…アンテナ電流ストラップ、630…コンデンサ、635…コンデンサ、700…プッシュプル・ドライバ、705、710…トランジスタ、720…変圧器、725…誘導子、800…トランジスタ・ドライバ、805…キャパシタンス、810、815…インピーダンス、820…誘導子、905…インダクタンス、910…キャパシタンス、915…抵抗器、1200…電圧センサ、1205…電流センサ、1210…モジュール、1215…直流電源、1220…RF増幅器、1225…プラズマ、1230…直流電源レギュレータ、1235…利得モジュール
Claims (42)
- プラズマ源チャンバと、複数のアンテナ素子を有し前記チャンバ内に電磁界を形成することができるように配置されたアンテナと、を有する少なくとも1つのプラズマ源と、
前記複数のアンテナ素子に結合された少なくとも1つの無線周波数電源と、を備え、
前記複数のアンテナ素子の各々は少なくとも1つのループを有し、該ループはループ軸を有し、前記複数のアンテナ素子は、各ループ軸が共通軸に対して実質的に直角をなすように前記共通軸の周りに配列されたことを特徴とするプラズマ発生器システム。 - 前記少なくとも1つの電源が、前記チャンバ内に回転磁界を形成するように、前記アンテナ素子中の前記ループを付勢することができる、請求項1に記載のシステム。
- 前記回転磁界が円偏波磁界である、請求項2に記載のシステム。
- 少なくとも1つのアンテナ素子が単巻きループからなる、請求項1に記載のシステム。
- 少なくとも1つのアンテナ素子が多重巻きループからなる、請求項1に記載のシステム。
- 4つのアンテナ素子が存在し、前記電源が、前記アンテナ素子を直角位相で付勢することができる、請求項1に記載のシステム。
- 実質的に前記共通軸に沿った静磁界を発生することができる静磁界発生器をさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
- 前記回転磁界がヘリコン・モード磁界である、請求項7に記載のシステム。
- 少なくとも2つのアンテナ素子が全く異なる無線周波数電源に結合された、請求項1に記載のシステム。
- 前記アンテナ中の少なくとも1つのループが、8ゲージ・テフロン被覆線および銅線のうちの1つから構築された、請求項1に記載のシステム。
- 前記アンテナと前記プラズマ源チャンバの間に約1/8インチの隔たりが存在している、請求項1に記載のシステム。
- 少なくとも2つのアンテナ素子が、付加的である磁界を生成することができる、請求項1に記載のシステム。
- 少なくとも2つのアンテナ素子が直列に接続された、請求項1に記載のシステム。
- 前記2つのアンテナ素子の自己インダクタンスが約10マイクロヘンリーである、請求項12に記載のシステム。
- 2つのアンテナ素子の間の相互インダクタンスが約1マイクロヘンリー未満である、請求項1に記載のシステム。
- 少なくとも1つのアンテナ素子が、それぞれ長さ約25cmおよび20cmの垂直ループ・セクションおよび水平ループ・セクションからなる、請求項1に記載のシステム。
- 複数のプラズマ源がアレイに配列され、空間的に広範囲のプラズマを発生する、請求項1に記載のシステム。
- プラズマ源チャンバと、前記チャンバ内に電磁界を形成することができるように配置されたアンテナとを備えた少なくとも1つのプラズマ源と、
少なくとも1つの無線周波数電源と、
少なくとも1つのリアクタンス回路とを備え、
前記チャンバ内にプラズマが存在している場合、前記リアクタンス回路、アンテナおよびプラズマの組合せによる共振周波数の変動が、前記組合せによる共振周波数ピークの広がりより小さく、
前記電源から引き渡される電力が、前記共振周波数応答の変動に実質的に影響されないプラズマ発生器システム。 - 前記リアクタンス回路がコンデンサからなる、請求項18に記載のシステム。
- 前記リアクタンス回路が、前記電源と前記アンテナの間を直流分離する変圧器をさらに備えた、請求項19に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器および実質的にF級の増幅器のうちの少なくとも1つを備えた、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、少なくとも1つのRF信号発生器を備えた、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源がプッシュプル回路を備えた、請求項18に記載のシステム。
- 前記プッシュプル回路が、低出力インピーダンスを提供する少なくとも2つのトランジスタを備えた、請求項23に記載のシステム。
- 第1の組のアンテナ素子を駆動するための第1の回路と、
前記第1の組のアンテナ素子に対して直角位相で第2の組のアンテナ素子を駆動するための第2の回路とをさらに備えた、請求項24に記載のシステム。 - 前記2つのトランジスタのうちの少なくとも1つが、実質的にD級のモード、E級のモード、およびF級のモードのうちの1つに従って動作する、請求項23に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、プッシュプル構成のスイッチング・モードD級増幅器を備えた、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つのプラズマ源が誘導結合プラズマを発生する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つのプラズマ源が容量結合モード(「Eモード」)プラズマを発生する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、約0.5オーム未満の出力インピーダンスを有する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、約0.5オームと約2オームの間の出力インピーダンスを有する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、約2オームと約5オームの間の出力インピーダンスを有する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、約5オームと約10オームの間の出力インピーダンスを有する、請求項18に記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの無線周波数電源が、約10オームと約20オームの間の出力インピーダンスを有する、請求項18に記載のシステム。
- 前記アンテナが、前記プラズマ源チャンバの近傍に配置された電流ストラップの少なくとも1つのループを備えた、請求項18に記載のシステム。
- 無線周波数電源によって無線周波数電力を生成するステップと、
前記無線周波数電力を少なくとも1つのリアクタンス回路を介して少なくとも1つのアンテナに結合するステップとを含むプラズマを発生させるための方法であって、
プラズマ源チャンバ内に電磁界を形成することができるように前記アンテナが配置され、
前記チャンバ内にプラズマが存在している場合、前記リアクタンス回路、アンテナおよびプラズマの組合せによる共振周波数の変動が、前記組合せによる共振周波数ピークの広がりより小さく、
前記電源から引き渡される電力が、前記共振周波数応答の変動に実質的に影響されない方法。 - 整合回路の必要性を除去するプラズマ源を設計する方法であって、
無線周波数電源に低出力インピーダンスを提供するステップと、
前記無線周波数電源を少なくとも1組のアンテナ・ループに結合するキャパシタンスを選択するステップであって、プラズマが存在しない場合の前記キャパシタンスと前記アンテナ・ループの共振周波数が、前記プラズマの特定の周波数に概ね等しくなるように選択されるステップとを含む方法。 - 前記選択されたキャパシタンスを実施するために可変コンデンサを任意選択で提供するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
- プラズマが存在する場合の予測Qが、プラズマ・インピーダンスが存在しない場合のQの少なくとも1/5になるように、結合キャパシタンス、アンテナおよびプラズマの結合インピーダンスを前記無線周波数電源の前記低出力インピーダンスに不整合させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
- 前記予測Qが、プラズマ・インピーダンスが存在しない場合のQの少なくとも1/10である、請求項26に記載の方法。
- 前記結合コンデンサおよび前記少なくとも1組のアンテナ・ループの入力インピーダンスが、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍および少なくとも約1000倍からなるグループから選択される係数だけ前記無線周波数電源の前記低出力インピーダンスより大きくなるように、前記無線周波数電源、前記結合コンデンサおよび前記少なくとも1組のアンテナ・ループを不整合させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
- 前記プラズマに結合された電力を帰還を介して調整するステップと、直流電源から前記無線周波数電源への出力電圧および電流を決定するステップと、前記無線周波数電源の測定効率を補償するステップと、前記直流電源からの前記出力電圧と前記出力電流の積に応答して前記直流電源の出力を変更するステップとをさらに含む、請求項24に記載の方法。
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