JP2005506597A - 不揮発性論理区画システム・データ管理 - Google Patents

Abstract

【課題】各論理区画に割り振られたシステム・リソースの構成を管理し、システム電力サイクルにまたがって構成データを持続的にするシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】不揮発性メモリと、それぞれが他の論理区画と独立に稼動する複数の論理区画とを含む、区画構成データを管理する論理区画（ＬＰＡＲ）コンピュータ・システムを開示する。このシステムには、オペレータによって入力される論理区画構成データを受け入れる、コンピュータ・システムに結合されたコンソールも含まれる。オペレータによって入力される構成データによって、システムについて定義される各論理区画に割り振られるプロセッサ、入出力、およびメモリが指定される。このシステムには、さらに、論理区画構成データを保管する不揮発性メモリ内で維持されるテーブルの組が含まれ、論理区画構成データが、システム電力サイクルにまたがって持続的になる。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、マルチプロセッサ・コンピュータ・システムに関し、具体的には、論理区画データを管理するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
論理分割は、単一のマルチプロセッシング・システムを、複数の独立のシステムであるかのように稼動させる能力である。各論理区画は、システム内のリソースの分割を表し、独立の論理システムとして動作する。各区画は、リソースの分割を物理的または仮想的とすることができるので、論理的なものである。例の論理区画が、それぞれがそれ自体のプロセッサ、主記憶装置、および入出力装置を有する、複数の独立のサーバへのマルチプロセッサ・コンピュータ・システムの分割である。
【０００３】
オペレータは、システム・リソースを所望の区画に割り当てることによって、システムを論理区画に構成する。しかし、予期されるまたは予期されないのいずれかで、システムの電源が断たれると、その構成が失われ、オペレータが、すべての論理区画を手動で再構成することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
したがって、各論理区画に割り振られたシステム・リソースの構成を管理し、システム電力サイクルにまたがって構成データを持続的にするシステムおよび方法が必要である。本発明は、そのような必要に対処する。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、区画構成データを管理する方法を有する論理区画（ＬＰＡＲ）コンピュータ・システムを提供する。このシステムには、不揮発性メモリと、それぞれが他の論理区画と独立に稼動する複数の論理区画が含まれる。このシステムには、オペレータによって入力される論理区画構成データを受け入れる、コンピュータ・システムに結合されたコンソールも含まれる。オペレータによって入力される構成データによって、システムについて定義される各論理区画に割り振られるプロセッサ、入出力、およびメモリが指定される。このシステムには、さらに、論理区画構成データを保管する不揮発性メモリ内で維持されるテーブルの組が含まれ、論理区画構成データが、システム電力サイクルにまたがって持続的になる。
【０００６】
したがって、本発明は、オペレータが当初にＬＰＡＲシステムを構成できるようにし、後にシステムを再構成できるようにする不揮発性メモリ・テーブルを提供する。構成の後に、このテーブルは、ＬＰＡＲシステムに、そのシステムがどのように分割され、ブートされるかを判定するのに必要な情報を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明は、区画システム・データを管理する方法を有する論理区画コンピュータ・システムを提供することに関する。以下の説明は、当業者が本発明を作り、使用することができるようにするために提示され、特許申請書およびその要件に関して提供されるものである。好ましい実施形態に対するさまざまな修正は、当業者にすぐに明白になり、本明細書にある包括的な原理を、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、示される実施形態に制限されることを意図したものではなく、本明細書に記載の原理および特徴との一貫性を有する最も広い範囲に従うものである。
【０００８】
図１は、本発明の好ましい実施形態による、論理区画（ＬＰＡＲ）コンピュータ・システムのブロック図である。システム１０に、複数のプロセッサ１２ａ、大量のメモリ１２ｂ、および多数の入出力装置１２ｃが含まれる。システム１０のこれらのハードウェア・リソースを、独立の論理システムとして動作する論理区画１２に分割することができる。各論理区画１２は、それ自体のプロセッサ１２ａ、メモリ１２ｂ、および入出力装置１２ｃを有し、他の論理区画１２と独立に、それ自体のオペレーティング・システム１２ｄを稼動させることができる。好ましい実施形態では、システム１０が、１６個までの論理区画１２を有することができる。
【０００９】
システム１０には、制御サービス・プロセッサ１８、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ（ＮＶＲＡＭ）１４、および外部のハードウェア・サービス・コンソール（ＨＳＣ）１６も含まれる。好ましい実施形態では、ＨＳＣ１６を、Ｌｉｎｕｘ（Ｒ）オペレーティング・システムおよび適当なアプリケーション・ソフトウェアが稼動する通常のＰＣを使用して実施することができる。
【００１０】
システムのプロセッサ１２ａは、プロセッサ・ノード（図示せず）に配置される。複数のプロセッサ・ノードが、フレームに取り付けられ、このフレームには、プロセッサ１２ａの電源、スイッチ、ディスク・ドライブ、および他のハードウェアが含まれ、設けられる。フレームは、ドロワと称する位置を有し、このドロワは、プロセッサ・ノード基板、入出力装置１２ｂ基板、およびメモリ１２ｂ基板が取り付けられる、ある最大個数のスロットを有する。
【００１１】
ＨＳＣ１６を使用して、オペレータは、所望の区画にシステム・リソースを割り当てることによって、システム１０を論理区画１２に構成する。しかし、従来のＬＰＡＲシステム１０では、システム電源が断たれると、構成が失われ、オペレータが、すべての論理区画を手動で再構成することになる。
【００１２】
本発明は、オペレータに、各論理区画１２に割り振られたシステム・リソースの構成を管理する方法を提供する。本発明を用いると、制御サービス・プロセッサ１８が、システム１０全体をどのように始動するかを決定できるようにもなる。この方法およびシステムには、プロセッサ１２ａ、入出力装置１２ｃ、およびメモリ１２ｂのどれが、システム１０について定義された各論理区画１２に割り振られるかを保管する、ＮＶＲＡＭ１４内のテーブル２２の組を提供することが含まれる。システム・リソースの構成がＮＶＲＡＭ１４に保管されるので、構成データは、システム１０の電力サイクルにまたがって持続するようになる。さらに、オペレータは、テーブル２２内のシステム・リソースをＨＳＣ１６を介して再割振りすることによって、システム１０を再構成することができる。
【００１３】
１つの好ましい実施形態では、テーブル２２に、プロセッサ・テーブル２２ａ、ドロワ・テーブル２２ｂ、入出力スロット割当テーブル２２ｃ、区画状況／コマンド・テーブル２２ｄ、およびシステム・リソース・テーブル２２ｅが含まれる。プロセッサ・テーブル２２ａでは、システム１０のプロセッサ１２ａのそれぞれに関するレコードが維持される。各レコードに、たとえば、プロセッサ１２ａに割り当てられた論理区画１２のＩＤ、物理位置ＩＤ、プロセッサ状況、およびプロセッサ状態を含むフィールドを含めることができる。
【００１４】
ドロワ・テーブル２２ｂには、システム１０内のドロワごとにレコードが含まれ、ドロワ状況およびスロット数を含むフィールドを含めることができる。入出力スロット割当テーブル２２ｃには、システム１０内のスロットごとにレコードが含まれ、位置コード、入出力装置ＩＤ、およびスロットに割り当てられた区画１２のＩＤを含むフィールドを含めることができる。
【００１５】
区画状況／コマンド・テーブル２２ｄには、区画１２ごとにレコードが含まれ、たとえば、区画のコマンド状態、区画の現在のコマンド、および区画の最新のコマンドを含むフィールドを含めることができる。システム・リソース・テーブル２２ｅでは、システム１０について使用可能なリソースに関する情報が維持される。システム・リソース・テーブル２２ｅには、たとえば、スロットの最大個数、プロセッサ１２ａの最大個数、ドロワの最大個数、すべてのドロワ・タイプに関するスロットの最大個数、インストールされているメモリの総量、論理区画１２に割り振られているメモリの総量、およびシステム時刻情報を含むフィールドを含めることができる。
【００１６】
動作中に、システム１０が初めてブートされる時に、テーブル２２が、所定のデフォルト値を含むように初期化される。ブート処理中に、コントロール・サービス・プロセッサ１８で稼働するシステム・コードが、システム内のシステム・リソース（たとえば、プロセッサ１２ａ、メモリ１２ｂ、ドロワ、スロット、入出力装置１２ｃなどの数）を検出し、テーブル２２内の対応するレコードおよびフィールドを更新する。
【００１７】
システム１０が、そのブート処理を終え、区画スタンバイ状態に達し、区画をインスタンス化する準備ができた後に、オペレータは、ＨＳＣ１６を介してテーブルにアクセスして、システム・リソースを論理区画１２に構成することができる。オペレータが、どのシステム・リソースをどの論理区画１２に割り振るかを定義した構成データを入力する際に、テーブル２２内の対応するレコードおよびフィールドが、その構成データを用いて更新される。システムを構成した後に、オペレータは、ＨＳＣで「区画ブート」コマンドを入力して、論理区画１２の１つまたはすべてをブートすることができる。それに応答して、コントロール・サービス・プロセッサ１８で稼動するソフトウェアが、テーブル２２にアクセスし、テーブルからの情報を使用して論理区画をブートする。
【００１８】
ＮＶＲＡＭ ＬＰＡＲ テーブル２２を用いると、オペレータが、ＨＳＣインターフェースを介して、最初にＬＰＡＲシステム１０を構成し、後にシステムを再構成できるようになる。構成の後に、ＮＶＲＡＭ ＬＰＡＲ テーブル２２は、制御サービス・プロセッサ１８に、システムを分割し、ブートする方法を判定するのに必要な情報を提供する。
【００１９】
論理区画データを管理するシステムおよび方法を開示した。本発明を、図示の実施形態によって説明したが、当業者は、実施形態に対する変形形態がありえることと、その変形形態が本発明の趣旨および範囲に含まれることをすぐに理解するであろう。したがって、当業者は、請求項の趣旨および範囲から逸脱せずに、多数の修正形態を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の好ましい実施形態による、論理区画コンピュータ・システムのブロック図を示すブロック図である。

Claims (24)

1. 論理区画（ＬＰＡＲ）コンピュータ・システムであって、
   不揮発性メモリと、
   複数の論理区画であって、それぞれが、他の論理区画と独立に稼動する、複数の論理区画と、
   オペレータによって入力される論理区画構成データを受け入れる、コンピュータ・システムに結合されたコンソールであって、オペレータによって入力される論理区画構成データが、システムについて定義される各論理区画に割り振られるプロセッサ、入出力、およびメモリを含む、コンソールと、
   論理区画構成データがシステム電力サイクルにまたがって持続的になるように、論理区画構成データを保管する、不揮発性メモリ内で維持されるテーブルの組と
   を含むＬＰＡＲシステム。
2. システムのプロセッサが、プロセッサ・ノードに配置され、複数のプロセッサ・ノードがフレームに取り付けられ、フレームが、さらに、ドロワを含み、ドロワのそれぞれが、プロセッサ・ノード基板、入出力装置基板、およびメモリ基板が取り付けられる複数のスロットを有する、請求項１に記載のＬＰＡＲシステム。
3. テーブルが、プロセッサ・テーブル、ドロワ・テーブル、入出力スロット割当テーブル、区画状況／コマンド・テーブル、およびシステム・リソース・テーブルを含む、請求項２に記載のＬＰＡＲシステム。
4. プロセッサ・テーブルが、システム内のプロセッサごとのレコードを維持し、各レコードが、プロセッサに割り当てられた論理区画のＩＤ、物理位置ＩＤ、プロセッサ状況、およびプロセッサ状態を含むフィールドを含む、請求項３に記載のＬＰＡＲシステム。
5. ドロワ・テーブルが、システム内のドロワごとのレコードを含み、各レコードが、ドロワ状況およびスロットの数を含むフィールドを含む、請求項３に記載のＬＰＡＲシステム。
6. 入出力スロット割当テーブルが、システム内のスロットごとのレコードを含み、各レコードが、位置コード、入出力装置ＩＤ、およびスロットに割り当てられた区画のＩＤを含むフィールドを含む、請求項３に記載のＬＰＡＲシステム。
7. 区画状況／コマンド・テーブルが、区画ごとのレコードを含み、各レコードが、区画のコマンド状態、区画の現在のコマンド、および区画の最新のコマンドを含むフィールドを含む、請求項３に記載のＬＰＡＲシステム。
8. システム・リソース・テーブルが、システムについて使用可能なリソースに関する情報を維持し、スロットの最大個数、プロセッサの最大個数、ドロワの最大個数、すべてのドロワ・タイプに関するスロットの最大個数、インストールされているメモリの総量、論理区画に割り振られているメモリの総量、およびシステム時刻情報を含むフィールドを含む、請求項３に記載のＬＰＡＲシステム。
9. システムが最初にブートされる時に、テーブルが、所定のデフォルト値を含むように初期化される、請求項１に記載のＬＰＡＲシステム。
10. ブート処理中に、システム内のシステム・リソースが、検出され、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドが、更新される、請求項９に記載のＬＰＡＲシステム。
11. オペレータが、どのシステム・リソースがどの論理区画に割り振られるかを定義する構成データを入力する時に、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドが、構成データを用いて更新される、請求項１０に記載のＬＰＡＲシステム。
12. システムを構成した後に、オペレータが、論理区画の１つまたはすべてをブートするために、コンソールで区画ブート・コマンドを入力することができ、これに応答して、システムが、テーブルにアクセスし、テーブルからの情報を使用して論理区画をブートする、請求項１１に記載のＬＰＡＲシステム。
13. マルチプロセッサ・コンピュータ・システムで論理区画データを管理する方法であって、
    （ａ）システムについて定義された論理区画のそれぞれに割り振られるプロセッサ、入出力、およびメモリを保管する、不揮発性メモリ内のテーブルの組を設けるステップと、
    （ｂ）オペレータが、コンソール・インターフェースを介して、テーブル内のシステム・リソースを再割り振りすることによってシステムを構成できるようにするステップと
    を含む方法。
14. ステップ（ａ）が、システムが最初にブートされる時に、所定のデフォルト値を含むようにテーブルを初期化するステップをさらに含む、請求項１３に記載の方法。
15. ステップ（ａ）が、ブート処理中にシステム内のシステム・リソースを検出し、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドを更新するステップをさらに含む、請求項１４に記載の方法。
16. ステップ（ｂ）が、オペレータが、どのシステム・リソースがどの論理区画に割り振られるかを定義する構成データを入力する時に、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドを、構成データを用いて更新するステップをさらに含む、請求項１５に記載の方法。
17. オペレータが、論理区画の１つまたはすべてをブートするために、コンソールで区画ブート・コマンドを入力することに応答して、テーブルにアクセスし、テーブルからの情報を使用して論理区画をブートするステップ（ｃ）
    をさらに含む、請求項１６に記載の方法。
18. ステップ（ａ）が、プロセッサ・テーブル、ドロワ・テーブル、入出力スロット割当テーブル、区画状況／コマンド・テーブル、およびシステム・リソース・テーブルを設けるステップをさらに含む、請求項１３に記載の方法。
19. マルチプロセッサ・コンピュータ・システムで論理区画データを管理するプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体であって、
    （ａ）システムについて定義された論理区画のそれぞれに割り振られるプロセッサ、入出力、およびメモリを保管する、不揮発性メモリ内のテーブルの組を設けるプログラム命令と、
    （ｂ）オペレータが、コンソール・インターフェースを介して、テーブル内のシステム・リソースを再割り振りすることによってシステムを構成できるようにするプログラム命令と
    を含むコンピュータ可読媒体。
20. 命令（ａ）が、システムが最初にブートされる時に、所定のデフォルト値を含むようにテーブルを初期化する命令をさらに含む、請求項１９に記載のコンピュータ可読媒体。
21. 命令（ａ）が、ブート処理中にシステム内のシステム・リソースを検出し、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドを更新する命令をさらに含む、請求項２０に記載のコンピュータ可読媒体。
22. 命令（ｂ）が、オペレータが、どのシステム・リソースがどの論理区画に割り振られるかを定義する構成データを入力する時に、テーブル内の対応するレコードおよびフィールドを、構成データを用いて更新する命令をさらに含む、請求項２１に記載のコンピュータ可読媒体。
23. オペレータが、論理区画の１つまたはすべてをブートするために、コンソールで区画ブート・コマンドを入力することに応答して、テーブルにアクセスし、テーブルからの情報を使用して論理区画をブートする命令（ｃ）
    をさらに含む、請求項２２に記載のコンピュータ可読媒体。
24. 命令（ａ）が、プロセッサ・テーブル、ドロワ・テーブル、入出力スロット割当テーブル、区画状況／コマンド・テーブル、およびシステム・リソース・テーブルを設ける命令をさらに含む、請求項１９に記載のコンピュータ可読媒体。

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