JP2005506515A - 多種検定用の標準希釈液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、通常は2つ以上の異なる標的分析物を内含するもののこの2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含んでいない標準希釈液、ならびに該標準希釈液に関係するキット及び方法を提供する。本発明の標準希釈液は、単一の検定において多数の標的分析物の量を較正するための正確で信頼性の高い手段を提供する。

Description

【0001】
発明の背景
標準希釈液は、免疫検定の主要成分である。それは、試験試料中の標的分析物を定量化するために用いられる基準標準を希釈するための緩衝液として使用される。一般に、試験試料中に存在する標的分析物の量を定量化するためには、異なる濃度の標的分析物を含有する一連の対照試料が調製される。次にこの一連の対照試料を用いて、一方の軸には標的分析物の濃度、もう一方の軸には検出信号強度がプロットされている標準曲線が作成される。試験試料中に存在する標的分析物の濃度は、かかる標準曲線から補間され得る。
【0002】
試験試料中の標的分析物の定量化が精確であるためには、標的分析物は標準希釈液中及び試験試料中で類似の形の挙動を示さなくてはならない。時として、試験試料中又は標準希釈液中に存在する成分は、その抗体に対する標的分析物の結合に影響を及ぼす可能性がある。例えば、標準希釈液中に存在するいくつかの未知の成分が、標的分析物に結合し、抗体に対するその結合を減少させる可能性がある。このような未知の成分は、試験試料中に存在しない可能性がある。そのような場合、標準希釈液を用いて生成された標準曲線から補間された試験試料中の標的分析物の濃度は、標的分析物と未知の成分の間の相互作用のため試験試料中の標的分析物の実際の濃度よりも高くなる。標準的には、標準希釈液及び試験試料を用いて生成された標準曲線が±20%以上の偏差を示さないように標準曲線が選択される。これは、免疫検定開発業者により、回復検定として一般に記述されている。
【0003】
単一の分析物の検出のためには、試験試料中の単一の抗体−分析物反応のみを模倣するよう標準希釈液を容易に最適化することができるため、標準希釈液を開発することは比較的容易である。標準希釈液は、一般に、検定すべき生体試験試料中に遭遇するものと同等の反応条件及び環境を提供するように処方されている。標準的には、単一の分析物を検出するため試験試料の条件を複製しうる標準希釈液として、タンパク質、緩衝液及び塩の人工的カクテルが用いられる。しかしながら、異なる標的分析物は異なる条件を必要とし、1つの標的分析物の分析に適した人工的カクテルがもう1つの標的分析物の分析に適さない可能性もある。
【0004】
近年、単一の検定プロセス(例えば単一のウェル内)で多数の異なる分析物を同時に検出する方法が開発されてきた。かかる方法は一般に、「多重検定」又は「多重免疫検定」といった語で知られている。多重免疫検定では、異なる分析物の全てに適した標準希釈液を選択することは、各々の抗体−分析物相互作用がその独自の条件セットの下で最もうまく行なわれることから、さらに複雑なものとなる。かくして、1つの分析物のための試験試料の条件を複製するように最適化された人工的カクテルを含む標準希釈液が、もう1つの分析物の検出及び計量にとって最適でない可能性がある。従って、多重検定に適した人工的標準希釈液を開発するのは、不可能とは言わないまでも困難でかつ時間のかかることである。特に同時に検出すべき標的分析物の数が例えば15〜20まで増大すると、同時に標的分析物の全てにとって適切な作業環境を提供する標準希釈液を開発するのはむずかしい。
【0005】
従って、2つ以上の異なる標的分析物を同時に検出し高い信頼性で定量化できるように多重検定のための標準希釈液を開発する必要性が存在する。本発明の実施形態は、この必要性及びその他の必要性に対処するものである。
【0006】
発明の要約
現在、多重免疫検定用の標準希釈液を、通常は免疫検定内で検出すべき2つ以上の異なる標的分析物を含有するもののこれらの標的分析物を実質的に含まなくなるように処理又はスクリーニングされている生体液から誘導できる、ということが発見されてきた。例えば、ヒト血清試料中で4つのタイプのサイトカインの同時検出が望まれる場合、サイトカインを定量化するべく基準標準を希釈するのに用いられる標準希釈液が、4つのタイプのサイトカインを実質的に含まないヒト血清から誘導される。「2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない」標準希釈液というのは、生体液中に通常存在する内因性レベルの標的分析物が標準希釈液中ではもはや検出できないこと又は、生体液中に存在する標的分析物の量が選択された閾値レベル(例えば10pg/mL)よりも低いことを意味する。標準的には、内因性レベルの標的分析物は、アフィニティクロマトグラフィにより生体液から除去される。代替的には、ドナーから得られた生体液は、検出可能でないか又は選択された閾値レベルより低い量で標的分析物を天然に含む生体液を同定するためにスクリーニングされ得る。このような処理又はスクリーニング済みの生体液は、基本的に、テストすべき試料と同じ基質成分を含み、標準希釈液として使用するのに理想的に適している。基本的に試験試料と同じ基質成分を提供することにより、本発明の標準希釈液は、生体試験試料と同等の多数の標的分析物のための反応条件及び環境を提供する。これらの長所により、本発明の標準希釈液は、生体試料中の標的分析物の信頼性の高い正確な計量を容易にする。
【0007】
本発明の標準希釈液は、さまざまな多重検定において、特に標的分析物の計量が正確である必要のある場合に有用である。例えば、該標準希釈液は、臨床試料内の標的分析物の量を監視するために多重検定中で使用可能である。例えば、標的分析物は、自己免疫疾患又はガンを患い、その疾病の進行度を見極めるために定期的にその免疫系を評価する必要のある患者における免疫系の成分(例えばサイトカイン)であり得る。代替的には、標的分析物は、ある種の疾病に結びつけられる様々なタンパク質であり得る。例えば、前立腺ガン患者においては、前立腺ガン抗原を含む多数のタンパク質が上昇することが知られている。前立腺ガン抗原及び前立腺ガンに付随するその他のタンパク質を実質的に含まない標準希釈液を用いて、臨床試料中のこれらのタンパク質の濃度を正確に決定することができる。もう1つの例では、検査薬により刺激される或る標的分析物の濃度の決定にあたっての薬物発見プログラムの中で該標準希釈液を使用することもできる。
【0008】
従って、1つの態様において、本発明は、通常は2つ以上の異なる標的分析物を内含するもののこの2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まなくなるように処理又はスクリーニングされた生体液を含む標準希釈液を提供する。好ましい実施形態においては、標準希釈液は、血清又は血漿から誘導され、標的分析物はサイトカインである。
【0009】
もう1つの態様において、本発明は、(a)通常は2つ以上の異なる標的分析物を内含するものの、この2つ以上の標的分析物を実質的に含んでいない生体液を含む標準希釈液;及び(b)2つ以上の異なる標的分析物を集合的に又は別々に含有する予め定められた量の単数又は複数の濃縮された材料、を含んで成るキットを提供している。かかるキットは、標準曲線を生成するべく異なる濃度の標的分析物を含有する一連の対照試料を作るために使用することができる。標準曲線は、その後試験試料中に存在する標的分析物の量を定量化するために使用できる。
【0010】
もう一つの態様では本発明は、血清又は血漿試料内で2つ以上の異なる標的分析物を検出するためのキットにおいて、(a)各々識別パラメータにより他のサブグループと識別できかつ異なる標的分析物に結合する捕獲試薬を各々の上に固定化させる能力をもつサブグループに分類できる固体支持体、及び(b)2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない血清又は血漿を含む標準希釈液を含んで成るキットを提供している。かかるキットは、血清又は血漿試料から多数の標的分析物を同時に検出しかつ定量化するために使用可能である。
【0011】
もう1つの態様では、本発明は、標準希釈液が単数又は複数の基準標準を希釈するために使用される、2つ以上の標的分析物について同時検定を行なう方法において、2つ以上の標的分析物を実質的に含まない生体液を標準希釈液として使用する段階を含む方法を含む。
【0012】
さらなる態様では、本発明は、予め定められた閾値より低い濃度までその濃度を減少させるべく標的分析物を除去するように標的分析物を含有する生体液を処理する段階を含む、2つ以上の標的分析物についての同時検定おいて使用するための標準希釈液の調製方法を含む。
【0013】
本発明のこれらの及びその他の特長、目的及び利点は、以下の記述からより容易に理解することができるだろう。
【0014】
特定の態様の説明
1態様では、本発明は、通常2つ以上の異なる標的分析物を内含するものの、本ケースではこれらの分析物を実質的に含まない生体液を含んで成る標準希釈液を提供している。標準希釈液を作るための生体液の選択は、標的分析物の検出が望まれる生体液の供給源によって左右される。「供給源」というのは、特定的個体を意味するのではなくむしろヒト又は1つのタイプ又は種の動物からの一般的タイプの生体液を意味するものとする。例えば、1被験者の免疫応答を監視するために血清中のさまざまなサイトカインの検出が、望まれる場合には、血清が、標準希釈液を作るための供給源とみなされる。従って、標的分析物の検出のための試験試料の選択に応じて、さまざまなタイプの生体液から標準希釈液を誘導することができる。例えば、その中で標的分析物が探究される生体液は、血清、血漿、尿素、脳脊髄液、組織又は細胞抽出物、羊水、汗、涙、唾液又は鼻汁であり得、それに相応して、標準希釈液は同じタイプの流体又は供給源から調製される。生体液は、ヒト又は非ヒト動物(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギなど)のいずれからでも得ることができる。流体は必ずしも、標的のためにその流体を分析しなければならないものと同じ種から得る必要はない。
【0015】
標準希釈液を2つ以上の異なる標的分析物を含まない状態にするために、標的分析物は標準的に生体液から除去される。標的分析物を除去するために使用できる既知の適切な技術は数多く存在する。この目的で好ましい技術は、アフィニティクロマトグラフィである。例えば、標的分析物を除去し、標準希釈液として使用するための実質的に標的分析物を含まない溶離剤を得るためには、カラムクロマトグラフィ技術を応用することができる。生体液から標的分析物を選択的に除去する能力をもつかぎり、適切なあらゆる吸着剤を使用することができる。生体液から標的分析物を除去するためには、標的分析物に特異的に結合する抗体を利用することが好ましい。「抗体」という語には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、1本鎖抗体などが含まれる。抗体の製造方法は、以下で詳述される。問題の抗体は、カラム基質に接合され得る。生体液をカラムに塗布することが可能であり、標的分析物が除去された溶離剤を収集し標準希釈液として使用することができる。カラムクロマトグラフィ及びその他のアフィニティクロマトグラフィ方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Scope,「タンパク質の精製、原理と実践、第3版、Springer−Verlag New York, Inc.(1994);及びDeutcher,「酵素学における諸方法:タンパク質精製のための指針」第182巻、Academic Press, San Diego(1990)。
【0016】
代替的には、内因性標的分析物を天然には全く含まない(すなわち検出可能な量を含まない)か又は極くわずかな量しか(予め定められた閾値より低い)含まないさまざまな供給源から生体液をスクリーニングすることによって、実質的に2つ以上の異なる標的分析物を含まない標準希釈液を得ることができる。例えば、血清中のサイトカインの検出が望まれる場合、サイトカインを実質的に含まない標準希釈液を、さまざまなドナーからの血清試料をスクリーニングすることで得ることができる。サイトカイン又はその他の標的分析物のレベルは、集団の間で変動する可能性があり、標的分析物について集団からの一定数のドナーをスクリーニングし、かくして標的分析物を実質的に含まない生体液を同定し得ることが可能であるかもしれない。かかる生体試料をスクリーニングし選択することで、標準希釈液を作るために生体液から標的分析物を除去する必要性が回避されることになる。
【0017】
標準希釈液が、生体液から標的分析物を除去することによって得られるか、又はドナーから生体液をスクリーニングすることによって得られるかの如何に関わらず、免疫検定方法により標的分析物を検出できない場合又は標的分析物のレベルが選択された感受性閾値よりも低い場合、標準希釈液は、「2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない状態」にあるものとして言及される。例えば、行なわれるべき検定に応じて、試料中の標的分析物の感受性レベルを、およそ例えば20pg/mL、10pg/mL未満、5pg/mL未満、又は1pg/mL未満で多様に選択することができる。このようないずれの場合でも、標準希釈液は、それらの濃度が選択された閾値より低い場合に「2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない」と言うこととができる。
【0018】
標的分析物は、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、ハプテン又はそれらの組合せといったような生体液中のあらゆる成分であり得る。一般に、標的分析物はタンパク質又はペプチドである。例えば、標的分析物は、さまざまなサイトカイン、ステロイドといったホルモン、リポタンパク質、糖タンパク質又は腫瘍抗原でありうる。1つの実施形態においては、標的分析物は、サイトカイン、例えばインターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は腫瘍壊死因子である。好ましい1実施形態においては、標準希釈液を作るために用いられる生体液は、血清であり、標的分析物は、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−4(「IL−4」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、インターロイキン−8(「IL−8」)、インターロイキン−10(「IL−10」)、顆粒球−マクロファージ−コロニー刺激因子(「GM−CSF<マ>」)、腫瘍壊死因子アルファ(「INF−α」)及びインターフェロンガンマ(「IFN−γ」)のうちの2つ以上である。
【0019】
必要とあらば、標準希釈液を調製するために、生体液から逐次又は同時に、任意の数の標的分析物を除去することができる。例えば、1つの標準希釈液を作るため生体液から、2〜500の標的分析物、又は2〜100の標的分析物又は2〜50の標的分析物又はこれらの範囲の間に任意の整数の標的分析物を除去することができる。標準的には、3〜30の間、より標準的には3〜20の間、より一層標準的には、4〜15の間の標的分析物を生体液から除去して標準希釈液が作られる。明らかに、標準希釈液を調製するためには、試験試料の中で検出すべき標的分析物のみを生体液から除去することしか必要でない。
【0020】
標的分析物を実質的に含まない標準希釈液がひとたび調製されたならば、これを用いて基準標準(例えば標的分析物の濃縮材料)を希釈して、試験試料中の標的分析物の量を換算するための対照試料を作ることができる。この手順においては、一般に、2つ以上の異なる標的分析物を集合的に又は別々に含有する予め定められた量の濃縮材料が本発明の標準希釈液と混合される。例えば、試験試料中のIL−2、IL−4、IL−6、IL−8及びIL−10の較正が望まれる場合には、5つのインターロイキン全てを含む予め定められた量の濃縮材料を標準希釈液に添加して対象試料を作ることができる。その後、異なる量の標的分析物を含有する対象試料を用いて標準曲線を生成し、次にこの曲線を用いて試験試料中のこれらのインターロイキンの量を定量化することができる。
【0021】
数多くのケースにおいて、試験試料又は適切に希釈されている試験試料中で予想できる濃度範囲にまたがる又は一括する標的分析物の異なる濃度での一連の対照試料を調製することが有利となる。例えば、一連の対照試料は、標的分析物の濃度が1つの疾病を患っていない患者のものにほぼ等しいような1つの対照試料、この第1の対照試料のものより実質的に高い濃度で標的分析物を含有する第2の対照試料、そして第1及び第2の両方の対照試料のものよりも実質的に高い濃度で標的分析物を含有する第3の対照試料を内含することができる。例えば、血清中のサイトカインの検出のためには、5000pg/mL、500pg/mL、50pg/mL、8pg/mL、4pg/mL、2pg/mL及び0pg/mLのサイトカインを含む一連の対照試料を使用して標準曲線を生成することができる。
【0022】
従って、本発明の実施形態は同様に、(1)本発明の標準希釈液及び(b)2つ以上の異なる標的分析物を集合的に又は別々に含有する単数又は複数の濃縮材料を含むキットをも提供する。かかるキットは、免疫検定のための対象試料をユーザーが作るのに便利な1つの方法を提供し、標的分析物を含む濃縮された材料をユーザーが正確に測定する必要性を回避させる。標的分析物を含む濃縮材料は、液体又は固体の形をしていてよい。例えば、標的分析物を含む濃縮材料を冷凍乾燥させ、後に対照試料を作るべくユーザーがこれを溶解できるようにすることも可能である。
【0023】
該キットはさらに、異なる濃度の標的分析物を含む一連の対照試料を生成するべく標準希釈液を使用するための教材も含むことができる。例えば、教材には、試験試料中に見い出されると予想される標的分析物濃度範囲についての推奨事項と合わせて、標準希釈液で各濃度の材料を希釈することによって、希釈系列をいかに開始すべきかが含まれている可能性がある。キットは同様に、本書で記述されている検定のいずれかにおける単数又は複数のその他の試薬の使用についての説明文書(指示書)も内含する可能性がある。キットはさらに、標識付き又は標識無しの検出試薬及び自由か又は固体支持体に拘束されている捕獲試薬のうちの単数又は複数のものが入ったコンテナを含むことができる。好ましくは、キットは同様に、検出可能な標識の存在下で検出するために有用な試薬を含めた、検定において使用される試薬も内含することになる。
【0024】
もう1つの態様においては、本発明は同様に、標的分析物に結合する捕獲試薬が上に固定化されている固体支持体をさらに含んで成る、試験試料中の多数の標的分析物の同時検出用キットをも提供している。かかるキットを使用する検定においては、異なる標的分析物に結合する捕獲試薬を含む固体支持体を単一のウェル(例えば)の中で混合し、試験試料を導入することができる。標的分析物は、当該技術分野において既知の検出方法を用いて検出することができる。多数の標的分析物の各々の量は、本発明の対照試料を用いて高い信頼性で決定することができる。試験試料からの多数の標的分析物のこの同時分析は、コスト及び便利さの面であきらかな利点をもつ。その上、単一のウェル内で多数の標的分析物を同時に検定できることから、少量の試験試料しか必要とされない。
【0025】
かかるキット内で標的分析物を結合させるためには、適切なあらゆるCPAを使用することができる。例えば捕獲試薬は、標的分析物に特異的に結合する抗体(例えばモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体)、抗体フラグメント、1本鎖抗体などであり得る。抗体は通常、少なくとも約0.1mM、より普通には少なくとも約1μM、好ましくは少なくとも約0.1μM以上、そして最も好ましくは0.01μM以上のKdで結合することになる。
【0026】
当該技術分野において既知のさまざまな手順を、標的分析物に特異的に結合する抗体の産生のために使用することができる。ポリクローナル抗体の産生のためには、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどを含めた(ただしこれらに制限されない)さまざまな宿主動物のいずれにでも接種するべく標的分析物を使用することができる。モノクローナル抗体は、もともとKohler及びMilsteinにより開発されたハイブリドーマ技法(Nature256:495−497(1975))、ならびにトリオーマ技法、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kozbor et al., Immunology Today 4:72(1983))、及びヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリドーマ技法(Cole et al.「モノクローナル抗体及びガン療法」中Alan R. Liss, Inc., pp.77−96(1985))を含めた、培養中の連続細胞系統による抗体分子の産生を提供するあらゆる技術によって調製可能である。
【0027】
結合部分としては、抗体のフラグメントも同様に有用である。さまざまな抗体フラグメントを、無傷の抗体の消化によって得ることができるが、当業者であれば、かかるフラグメントを、化学的に又は組換え型DNA方法を利用することによって新たに合成できるということがわかるだろう。検出部分を構築するためには、一本鎖抗体も同じく有用である。1本鎖抗体を産生するための方法は、例えば米国特許第4,946,778号の中で記述された。Fab発現ライブラリの構築のための技術は、Huse et al., Science246:1275−1281(1989)によって記述された。これらの技術は、標的分析物に対する所望の特異性によるモノクローナルFa生体液Gの高速同定を容易にする。適切な結合部分には、ファージ・ディスプレイといったような方法を用いて得られるものも含まれる。
【0028】
捕獲試薬は、当該技術分野において知られているような共有又は非共有方法のいずれかによって、支持体上に固定され得る。例えばPluskal et al., BioTechniques4:272−283(1986)参照のこと。適切な支持体としては、例えば、ガラス、プラスチック、重合体、金属、半金属、セラミクス、有機材料などが含まれる。特定の例としては、マイクロタイタープレート、平坦な基板(例えばチップ)、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、及び誘導体化されたナイロン膜と同様に、アガロース、デキストランなどのビーズといった微粒子又はビーズが含まれるが、これらに制限されるわけではない。多重検定のための適切な固体支持体及び分析方法は同様に、米国特許第5,567,627号、米国特許第5,981,180号、米国特許第5,641,640号、国際出願WO98/59360号及びMichael et al., Anal. Chem.70:1242−8(1998)にも記述されている。
【0029】
1つの実施形態においては、固体支持体は、サブグループに分類可能な微粒子の集団であり、ここで、各サブグループは、識別パラメータにより他と識別でき、各サブグループは又、異なる標的分析物に結合する能力をもつ捕獲試薬を上に固定化された状態で有している。識別パラメータというのは、ここで1つのサブグループにおける検定結果の検出をもう1つのサブグループにおけるものから分離できるようにする区別可能な特性を示すべく使用されている語である。例えば、微粒子のさまざまなサブグループの間で区別するのに用いることのできる識別パラメータとしては、粒度、粒子蛍光、粒子光散乱、発光及び吸光特性が含まれる。各標的分析物のための捕獲試薬をこのとき、各微粒子サブグループにカップリングさせることができる。多重検定では、異なる微粒子サブグループが一緒にプールされるが、各微粒子サブグループに付随する識別パラメータにより、ユーザーは、どの標的分析物がどの微粒子サブグループに結合させられるかを決定することができる。
【0030】
好ましい1実施形態では、さまざまな微粒子サブグループの間で区別するのに用いられる識別パラメータは、蛍光染料又は顔料である。例えば、微粒子は、各サブグループ内の微粒子を蛍光色素濃度といったような蛍光特性に基づいて他から識別できるような形で、それらの中に取込まれた状態で2つ以上の蛍光色素を有することができる。例えば、各々の微粒子サブグループは、異なる濃度のCy5.5といったようなオレンジ蛍光色素と合わせて、異なる濃度のCy5といった赤色蛍光色素を有することができる。2つの蛍光色素の各々の濃度を変動させることにより、異なる蛍光発光をもつ何百又は何千もの微粒子サブグループを得ることができる。多重検定内で使用できる微粒子サブグループの数をさらに拡大させるべく、付加的な蛍光色素を微粒子の中に取込むことができる。すでに取込まれかくして本発明の中で使用するのに適した染料を伴う微粒子は、Luminex Corporation (Austin, Texas) 及びMolecular Probes, Inc.(Eugene, Oregon)といったような供給業者から市販されている。
【0031】
もう1つの態様においては、本発明のキットはさらに、検出試薬を含んでいる。標的分析物の存在は、一般に、標的分析物に特異的に結合する結合部分から成る検出試薬を用いて検出される。検出試薬は、直接標識づけされるすなわち、検出可能な標識を含むかこれを産生するように反応するか、又は、間接的に標識づけされる、すなわち検出可能な標識を含むか又はこれを産生するように反応する分子に結合するかのいずれかである。標識は、化学的又は組換え型方法により検出試薬に直接付着されても又は検出試薬内に取込まれてもよい。例えば、標識は、化学的リンカーを通して標的分析物に特異的に結合する抗体といったような分子にカップリングさせられる。
【0032】
検出試薬に付着させられる本発明の検定中で使用される検出可能な標識は、一次標識(標識が直接的に検出されるか又は直接的に検出可能な要素を産生する要素を含む場合)又は二次標識(検出された標識が、例えば免疫学的標識付けにおいて一般的であるように一次標識に結合する場合)でありうる。標識、標識づけ手順及び標識の検出に対する導入は、Polak and Van Noorden(1997).免疫細胞化学入門、第2版、Springer Verlag, NY及びMolecular Probes. Inc., Eugene ORにより刊行された便覧とカタログの組合せであるHaugland(1996)の「蛍光プローブ及び研究用化学物質便覧」の中に見い出される。かかる標識の使用について記述した特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;及び同第4,366,241号が含まれる。
【0033】
一次及び二次標識は、未検出元素ならびに検出済み元素を内含しうる。本発明において有用な一次及び二次標識には、分光標識例えば緑色蛍光タンパク質、蛍光染料〔例えばフルオレセイン及びフルオレセインイソチオシアネート(FITC<マ>)及びオレゴングリーンといったような誘導体、ローダミン及び誘導体(例えばテキサスレッド、テトラローダミンイソチオシアネート(TRITC)など)、ジゴキシゲニン、ビオチン、フィコエリスン、AMCA,CyDyes(商標)など〕、放射性標識(例えはH、125I、35S、14C、32P、33P、など)、酵素(例えばホースラディシュペルオキシターゼ、アルカリホスファターゼなど)、分光比色標識例えばコロイド金又は着色ガラス又はプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズが含まれ得る。標識は、当該技術分野において周知の方法に従って、検出検定の一成分(例えば検出試薬)に対し直接的又は間接的にカップリングされ得る。上述のように、多様な標識を使用することができ、標識の選択は、所要選択性、化合物との接合の安易さ、安定性必要条件、利用可能な計装、及び廃棄規定により左右される。
【0034】
多数の標的分析物を検出するための検定は、複数の方式のうちのいずれかで実施できる。例えば、標的分析物に結合する固定化された捕獲試薬が上に固定化される固体支持体と接触した状態に試験試料を置くことによって、サンドイッチ検定を実施することができる。固体支持体上に固定化された捕獲試薬は、標的分析物の全てが結合するように標的分析物について疑われている数量範囲と比べて余剰に存在する。標的分析物は、試料内に存在する場合、捕獲試薬に結合する。固体支持体はこのとき、標的分析物上の異なるエピトープに結合する検出試薬と接触させられる。固定化された標的分析物に結合するのに充分な時間、検出済み試薬をインキュベートした後、未結合の検出試薬があればそれを例えば洗浄により除去する。検出試薬に付随する検出可能標識(例えばフィコエリスリン)を次に検出する。例えば、検出可能標識が蛍光である場合には、蛍光は、試料中に存在する特定の標的分析物の量に比例して観察されることになる。
【0035】
もう1つの例では、1つの試料中の標的分析物を検出するために、競合的結合測定法を用いることもできる。この検定は、1つの試料に対し標的分析物の標識付けされた類似体を添加することによって実施される。これらの検定では、固体支持体に結合した捕獲試薬は、全ての分析物が結合するような形で標的分析物について疑われている数量範囲に比べて余剰に存在する。試料中に存在する標識付けされた類似体及び標的分析物は、固体支持体上に固定化された捕獲試薬の結合部位について競合する。適当なインキュベーション時間の後、残った未結合の分析物及び標識があれば全て洗い流される。固体支持体に結合した標的分析物の標識された類似体の量は、試料中の標的分析物の濃度と反比例する。
【0036】
標識の存在は、検査によって検出可能であるか又は、検出試薬標識を検出するために、特定のプローブ又はプローブ組合せを監視する検出器が用いられる。標準的な検出器としては、分光光度計、光電管及びフォトダイオード、顕微鏡、シンチレーションカウンタ、カメラ、フィルムなど、ならびにその組合せが含まれる。適切な検出器の例は、当業者にとっては周知のさまざまな商業的供給源から広く入手可能である。
【0037】
好ましい実施形態においては、固体支持体は、微粒子であり、試料中の標的分析物の存在を検出するためにフローサイトメトリーが使用される。フローサイトメトリーの方法及びそのための計装は、当該技術分野において既知である。フローサイトメトリーは一般に、領域の中を一度に1つの微粒子だけが通るような形での、光ビーム及び電気光学センサーを通過する1つの流れとしての微粒子の浮遊物の通過にある。各々の微粒子がこの領域を通過するにつれて、光ビームはこの微粒子の存在により混乱させられ、結果として散乱した蛍光が検出される。個別の検定結果が達成されるように、標識の有無と量と共に各々の微粒子が属するサブグループを同定するために計装によた光信号が使用される。フローサイトメトリー用の計装及び方法の説明は、例えば、McHughの「多数の可溶分析物の定量的な同時検出のためのフローミクロスフェア免疫検定法」、Methods in Cell Biology 42,Part B(Academic Press, 1994);McHugh et al.,「フローサイトメトリー計装を用いたミクロスフェアベースの蛍光免疫検定法」、Clinical Flow Cytometry, Bauer, K. D., et al., eds.(Baltimore, Maryland, USA:Williams and Williams, 1993),pp. 535−544の中に見い出される。
【0038】
一例としては、標的分析物Aに結合する抗体が、緑色蛍光色素を含む微粒子サブグループに固定化され;標的分析物Bに結合する抗体が赤色蛍光色素を伴う微粒子サブグループに固定化され;標的分析物Cに結合する抗体は、黄色蛍光色素を伴う微粒子サブグループに固定化される。各サブグループ内の微粒子をそのそれぞれの抗体とカップリングさせた後、それらは一緒にプールされ、試料が適用される。その後、標的分析物に結合する検出試薬が混合物に添加される。一般に、検出試薬は微粒子中に含まれた蛍光色素と区別できるもう1つの測定可能標識で標識付けされる。その後、捕獲試薬及び検出試薬は、標的分析物のまわりにサンドイッチを形成する。その後、この結合を、検出試薬と会合した標識(例えばフィコエリスリン)で視覚化することができる。
【0039】
その後、微粒子をフローサイトメトリーを通して走行させ、各々の微粒子を、その区別用特性により分類する。捕獲試薬に特異的な標的分析物の存在は、各々の微粒子のフィコエリスリンを測定することによって検出できる。サイズ又は色といった微粒子のパラメータの差により、微粒子上に担持された捕獲試薬を同定するものとして役立つ、微粒子が属するサブグループを決定することが可能となる。微粒子のフィコエリスリン由来のパラメータは、試験試料中に存在する捕獲試薬と標的分析物の反応度表わす。これらの多重検定方法は、例えば米国特許第5,981,180号及び米国特許第5,567,637号の中で詳述されている。上述の多重検定は、本発明の用途の例示にすぎない。当業者であれば、本発明の標準希釈液をその他の多重検定方式でも使用できるということを認識することだろう。
【0040】
以下の例は、本発明を例示するものであるが、いかなる形であれ、その範囲を制限することが意図されているわけではない。
【0041】
例1
【0042】
本例は、ヒト血清由来の本発明に従った標準希釈液の調製、及び血清試料中の8つのサイトカイン分析物を決定するためのプロセスにおけるその使用を例示している。
【0043】
標準希釈液の調製
【0044】
以下のとおり血清試料から8つの標的分析物を実質的に除去するために、アフィニティクロマトグラフィカラムを調製した。
【0045】
標的分析物は、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、GM−SCF、IFNγ及びTNFαであった。各々の標的分析物に特異的なモノクローナル抗体を獲得し、塩を精製し、氷上に保管した。
【0046】
特異的モノクローナル抗体を用いて各標的分析物を分離するために1本ずつの計8本のカラムを構築した。各々50μLのビーズを含む100μLの分量の形で、Affi−gel(商標)ビーズのスラリーを調製した。これらのビーズは、ビーズに対する抗体の共有カップリングを可能にする中性の10原子スペーサアームを含んでいる。スラリーを脱イオン水で洗浄し、カラム内に設置した。カラムに各抗体を5μg添加した。次にカラムを回転する振とう機上で40℃で4〜16時間インキュベートさせた。次に、リン酸緩衝液でビーズを洗浄した。
【0047】
その後、直列状態の8本のカラムにヒト血清を通過させた。今や8つの標的分析物を実質的に含まない状態となった血清を、後続する検定で標準希釈液として使用するために収集した。
【0048】
標的分析物についての検定
【0049】
各患者の血液試料を凝固させ、次にこれを遠心分離し、血清を収集した。試料1体積につき希釈液3体積の比で、以上で調製した標準希釈液で分量の血清を希釈することにより、希釈試料を調製した。
【0050】
それぞれのサイトカイン500,000pg/mL含む標準原料を生成するため、無菌精製水でもどした凍結乾燥状態のサイトカインから、サイトカイン標準を調製した。次に各々の標準原料を希釈して、それぞれ50,000,5000、500、50、8、4、2及び0pg/mLの濃度の該当するサイトカインを有する一連の希釈標準を生成した。
【0051】
標的分析物の決定のため、異なる蛍光色素で各々特徴づけされた8つの5.5ミクロンのポリスチレンビーズグループを選択した。8つの標的分析物に特異的なモノクローナル抗体を各々、特定の蛍光色素を含むビーズに共有カップリングさせた。標的分析物1つにつき合計2.6×10ビーズmLを調製した。
【0052】
検定緩衝液で予備加湿することによって、96ウェルの平板を1枚調製した。1つのウェルを各患者の試料に利用し、対照(単複)のために単数又は複数の付加的なウェルを利用した。各ウェルには、8つのビーズ−抗体接合体の各々を2μlずつ(すなわち合計16μLの接合済みビーズ)と残りの量のBioRad Bio−Plex(商標)検定緩衝液(この場合34μLの緩衝液)を内含する50μLの材料を充てんした。組合せたビーズ原料を、試験で合計ウェル数に必要なだけ充分な体積で(1ウェルあたり50μLのビーズ原料)調製し、ウェルに添加する前に渦流に付した。
【0053】
充てんした平板にカバーをつけ、次にまずは1100rpmで30秒間、次に30分間300rpmで振とうさせた。(望まれる場合、300rpmで振とうしながら4℃で一晩インキュベートすることにより試験の感受性を改善することができる)。ビーズをBio−Plex Bufferで3回洗浄した。平板を暗所に置いた。
【0054】
8つのサイトカイン抗体に特異的な一連のビオチニル化された検出抗体の原料を調製した。検定抗体原料(100×)をBio−Rad Bio−Plex(商標)検出抗体希釈液で希釈して、各ウェルが0.5μLの各検出抗体を収容している状態で、1つのウェルあたり最終体積50μLの希釈した検出抗体を得た。
【0055】
希釈した検出抗体原料を渦流に付し、その後、50μLを各ウェルに添加した。平板をカバーし、まずは室温で30秒間1100rpmで、次に300rpmで30分間振とうした。ビーズを再び、洗浄緩衝液で3回洗浄した。平板を乾燥させ、再び暗所に保った。
【0056】
その後、ビーズ−抗体接合体にストレプトアビジン−フィコエリスリン接合体をカップリングさせた。ストレプトアビジン−フィコエリスリン接合体(もとの濃度100×)を、検定緩衝液で1×まで希釈し、次に50μLの希釈接合体を渦流に付し、各ウェルに添加した。平板を再びカバーし、振とうさせ、洗浄した。各ウェル内のビーズを検定緩衝液内で再度懸濁させ、振とうし、試料を読取るまで暗所に保った。
【0057】
患者試料及び対照中の8つのサイトカインを、フローサイトメトリーを用いて決定した。結果を以下の下表1に示す。標準曲線を図1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2005506515
【0059】
例2
【0060】
本例は、本発明に従った標準希釈液及び3つの異なる供給源からの血清を内含する回復検定を例示している。決定されたサイトカインは、IL−2、IL−10及びTNFαであった。0〜10、000pg/mLという量の抗原を、本発明に従って調製し3つの標的サイトカインが欠如した50μlの標準希釈液内及び3つの患者血清の1:4の希釈液内にスパイクした。試料を、同一条件で2回走らせた。結果を図2に示す。
【0061】
例3
【0062】
本例は、多重検定におけるマウス血清中のサイトカインの決定のための本発明に従った標準希釈液の使用を例示している。
【0063】
例1と類似の形で、同じ8つのサイトカインについてマウス血清をテストした。本試験で決定された標準曲線を、図3に示す。
【0064】
例4
【0065】
本例は、マウス内の回復検定を例示する。手順は、プールされたマウス血清の3つの異なるパッチの50μLの標準希釈液内に0〜50、000pg/mLの抗原をスパイクしたという点を除いて、例2のものと類似していた。結果を、図4に示す。
【0066】
本発明は、多重検定用の標準希釈液、キット及び該標準希釈液に関連する方法を提供する。特定の例が提供されたものの、以上の記述は例示を目的とし、制限的な意味をもつものではない。前述の実施形態(態様)の特長のうちのいずれか単数又は複数のものを、本発明の中のその他のあらゆる実施形態の単数又は複数の特長とあらゆる形で組合わせることが可能である。さらに、明細書をみれば、当業者には、発明の多くの変形形態が明らかになるであろう。従って、本発明の範囲は、以上の記述を基準にして決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物全体を基準にして決定されるべきである。
【0067】
本出願に引用されている全ての刊行物及び特許文書を、個々の刊行物又は特許文書の各々がそのように個々に示されている場合と同じ範囲で、あらゆる目的のために、全体として援用する。本出願人は、本書中にさまざまな参考文献を引用することで、いずれか特定の参考文献が自らの発明に対する「先行技術」であることを認めるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、11名の患者から得られた血清試料内で同時に測定された8つのサイトカインの量を例示している。
【図2】
図2は、3人の人間の患者において標準希釈液及び血清試料を比較する回復研究を例示する。
【図3】
図3は、マウス血清中の図1の場合と同じ8つのサイトカインの同時決定からの標準曲線を例示している。
【図4】
図4は、マウスの2つのロットから血清試料が採取されたマウス血清回復研究を例示している。

Claims (48)

  1. (a)通常には2つ以上の異なる標的分析物を内含するものの、この2つ以上の標的分析物を実質的に含んでいない生体液を含む標準希釈液;及び
    (b)2つ以上の異なる標的分析物を集合的に又は別々に含有する予め定められた量の単数又は複数の濃縮された材料、
    を含むキット。
  2. アフィニティクロマトグラフィにより生体液から2つ以上の異なる標的分析物を除去することによって前記標準希釈液が生成される、請求項1に記載のキット。
  3. 前記標準希釈液が、2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない生体液をもつ宿主の生体液から得られる、請求項1に記載のキット。
  4. 前記アフィニティクロマトグラフィが、標的分析物に結合する抗体を用いて2つ以上の異なる標的分析物を除去する段階を含む、請求項2に記載のキット。
  5. 前記生体液が、血清、血漿、尿、脳脊髄液、細胞抽出物、羊水、汗、涙、唾液又は鼻汁から成るグループの中から選択される、請求項1に記載のキット。
  6. 前記生体液がヒト又はマウスから得られる、請求項5に記載のキット。
  7. 前記2つ以上の異なる標的分析物がサイトカインである、請求項1に記載のキット。
  8. 前記サイトカインが、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項7に記載のキット。
  9. 前記標的分析物が、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、GM−CSF、TNF−α及びIFN−γのうちの2つ以上のものである、請求項1に記載のキット。
  10. 前記2つ以上の異なる標的分析物が混合されて、部分(b)内の単一濃縮材料を形成する、請求項1に記載のキット。
  11. 前記標準希釈液を使用して、異なる濃度の標的分析物を含む一連の対照材料を生成するための指示書をさらに含む、請求項1に記載のキット。
  12. 前記標的分析物に結合する捕獲試薬が上に固定化された固体支持体をさらに含む、請求項1に記載のキット。
  13. 前記固体支持体を、各々識別パラメータにより他のグループと識別できかつ異なる標的分析物に結合する能力をもつ捕獲試薬が各々の上に固定化されているサブグループに分類できる、請求項12に記載のキット。
  14. 前記識別パラメータが固体支持体の色又は蛍光性である、請求項13に記載のキット。
  15. 前記固体支持体が微粒子である、請求項12に記載のキット。
  16. 前記捕獲試薬が、標的分析物に結合する抗体である、請求項12に記載のキット。
  17. 前記標的分析物に結合する検出試薬をさらに含む、請求項16に記載のキット。
  18. 免疫検定内の試薬試料中の2つ以上の異なる標的分析物の量を換算するための対照材料において、
    (b)通常は2つ以上の異なる標的分析物を内含するものの、この2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含んでいない生体液を含む標準希釈液と混合された2つ以上の異なる標的分析物を含む予め定められた量の濃縮材料を含んで成る、対照試料。
  19. 前記標的分析物がサイトカインである、請求項18に記載の対照試料。
  20. 血清又は血漿試料内で2つ以上の異なる標的分析物を検出するためのキットにおいて、
    (a)各々識別パラメータにより他のサブグループと識別できかつ異なる標的分析物に結合する捕獲試薬を各々の上に固定化させる能力をもつサブグループに分類できる固体支持体、及び
    (b)2つ以上の異なる標的分析物を実質的に含まない血清又は血漿を含む標準希釈液
    を含んで成るキット。
  21. 前記識別パラメータが固体支持体の色又は蛍光性である、請求項20に記載のキット。
  22. 前記固体支持体が微粒子である、請求項20に記載のキット。
  23. 各々の標的分析物のための捕獲試薬が固体支持体の各サブグループ上に固定化されている、請求項20に記載のキット。
  24. 前記アフィニティクロマトグラフィによって血清又は血漿から2つ以上の異なる標的分析物を除去することによって標準希釈液が生成される、請求項20に記載のキット。
  25. 前記標準希釈液が、検出不能な内因性レベルの2つ以上の異なる標的分析物を有する宿主の血清又は血漿から得られる、請求項20に記載のキット。
  26. 前記標準希釈液のための血清又は血漿がヒト又はマウスから得られる、請求項20に記載のキット。
  27. 前記2つ以上の異なる標的分析物がサイトカインである、請求項20に記載のキット。
  28. 前記サイトカインが、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項27に記載のキット。
  29. 前記標的分析物が、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、GM−CSF、TNF−α及びIFN−γのうちの2つ以上のものである、請求項27に記載のキット。
  30. 前記2つ以上の異なる標的分析物を集合的に又は別々に含有する予め定められた量の単数又は複数の濃縮された材料、
    をさらに含む、請求項20に記載のキット。
  31. 前記捕獲試薬が、標的分析物に結合する抗体である、請求項20に記載のキット。
  32. 前記標準希釈液が単数又は複数の基準標準を希釈するために使用される、2つ以上の標的分析物について同時検定を行なう方法において、2つ以上の標的分析物を実質的に含まない生体液を標準希釈液として使用する段階を含む方法。
  33. 前記検定が第1の生体液内の標的分析物について実施され、希釈液には基本的に第1の生体液と同じ基質成分を含む第2の生体液が含まれ、該第2の生体液が実質的に2つ以上の標的分析物を含んでいない、請求項32に記載の方法。
  34. 一連の生体液をスクリーニングし、予め定められた閾値より低い濃度で2つ以上の標的分析物を含有する単数又は複数の生体液を同定することによって第2の生体液が得られる、請求項33に記載の方法。
  35. 予め定められた閾値より低い濃度までその濃度を減少させるべく標的分析物を除去するように生体液を処理することによって第2の生体液が得られる、請求項33に記載の方法。
  36. 前記標的分析物がアフィニティクロマトグラフィにより除去される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記標的分析物に結合する抗体と生体液を接触させることにより、標的分析物が除去される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記生体液が、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は脳腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項33に記載のキット。
  39. 前記2つ以上の異なる標的分析物がサイトカインである、請求項33に記載の方法。
  40. 前記サイトカインが、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項33に記載の方法。
  41. 前記標的分析物が、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、GM−CSF、TNF−α及びIFN−γのうちの2つ以上のものである、請求項40に記載の方法。
  42. 予め定められた閾値より低い濃度までその濃度を減少させるべく標的分析物を除去するように標的分析物を含有する生体液を処理する段階を含んで成る、2つ以上の標的分析物についての同時検定において使用するための標準希釈液の調製方法。
  43. 前記標的分析物がアフィニティクロマトグラフィにより除去される、請求項45に記載の方法。
  44. 前記標的分析物に結合する抗体と生体液を接触させることにより、標的分析物が除去される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記生体液が、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は脳腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項42に記載のキット。
  46. 前記2つ以上の異なる標的分析物がサイトカインである、請求項42に記載の方法。
  47. 前記サイトカインが、インターロイキン、リンフォカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、血小板活性化因子及び/又は腫瘍壊死因子の中から選択される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記標的分析物が、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、GM−CSF、TNF−α及びIFN−γのうちの2つ以上のものである、請求項47に記載の方法。
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