JP2005506187A - 触媒として適当な組成物 - Google Patents
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Abstract
下記の成分a):
a)鉄または鉄含有混合物および鉄を基礎とする化合物、
を含む触媒として適当な組成物であって、
X線回折によって測定される、鉄の平均微結晶サイズの平均値が1〜35nmの範囲であることを特徴とする組成物。
a)鉄または鉄含有混合物および鉄を基礎とする化合物、
を含む触媒として適当な組成物であって、
X線回折によって測定される、鉄の平均微結晶サイズの平均値が1〜35nmの範囲であることを特徴とする組成物。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記の成分a):
a)鉄または鉄含有混合物および鉄を基礎とする化合物、
を含む触媒として適当な組成物であって、X線回折によって測定される、鉄の平均微結晶サイズの平均値が1〜35nmの範囲であることを特徴とする組成物に関する。
【0002】
更に本発明は、このような組成物の製造方法、および触媒としてのこのような組成物の存在下にニトリル基含有化合物のニトリル基を水素化してアミノ基を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
鉄を主として含む触媒の存在下にアジポニトリルを水素化して、6−アミノカプロニトリルとヘキサメチレンジアミンとの混合物またはヘキサメチレンジアミンのみを形成可能であることは、例えばWeissermel/Arpe, Industrielle Organische Chemie, Verlag Chemie, 第3版, 1988, 266頁またはWO−A96/20166により一般に知られている。
【0004】
6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンは、ナイロン6またはナイロン6,6等の工業的に重要なポリマーの製造のための重要な中間体である。
【0005】
触媒は、高い機械強度および長い作用寿命を有し、そしてこの触媒により所望の生成物の6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンのみに対する高い空自収量を得ることが望ましい。特に、この水素化中に、触媒によって望まない副生成物のレベルを極めて低いものとする。
【0006】
このような望まない副生成物は、所望の生成物からかろうじて分離することができるだけである。
【0007】
したがって、例えば、アジポニトリルを6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンに水素化することにより、種々の量の、特にテトラヒドロアゼピン(THA)、1−アミノ−2−シアノシクロペンテン(ICCP)、2−アミノメチルシクロペンチルアミン(AMCPA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン(DCH)およびビスヘキサメチレントリアミン(BHMTA)を形成する。AMCPAおよびDCHをヘキサメチレンジアミンから非常な困難性をもってのみ分離可能であることは、US−A3696153により知られている。更に、多量の、特にAMCPA、DCHおよびTHAにより、相当な資本およびエネルギーコストをもたらす複雑な蒸留が必要となる。
【0008】
WO98/11059には、α,ω−アミノニトリルを、対応のニトリルを鉄含有触媒上で水素化することにより製造する方法を開示し、その方法により、高い触媒作用寿命および選択性を示し、更に低い副生成物濃度を可能にする。したがって、実施例2において、HMDに対して、DCH含有量3700ppm、AMCPA含有量430mmおよびICCP含有量80ppmの条件でヘキサメチレンジアミンおよび6−アミノカプロニトリルの合計選択率98.9%を80℃で達成する。開示された方法の不都合は、80℃で僅かに47.3%であるアジポニトリルの低い転化率である。したがって、この方法による空自収量は満足できるものではない。
【0009】
【特許文献1】
WO98/11059
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、触媒として適当である鉄含有組成物であって、その組成物の存在下に、簡易な方法でニトリルをアミンに水素化することができ、上述の不都合を回避する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記目的が、冒頭に定義された組成物、この組成物の製造方法、および触媒としてのこのような組成物の存在下にニトリル基含有化合物のニトリル基を水素化してアミノ基を形成する方法によって達成されることを見出した。
【0012】
本発明によれば、組成物中の鉄は、少なくとも1nm、好ましくは少なくとも5nm、特に少なくとも10nmの平均微結晶サイズ(平均クリスタリットサイズ:mean crystallite size)の平均値を有している。
【0013】
本発明によれば、組成物中の鉄は、35nm以下、好ましくは30nm以下の平均微結晶サイズの平均値を有している。
【0014】
本発明の目的のために、平均微結晶サイズの平均値は、評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定される。
【0015】
他の好ましい実施の形態において、酸化物組成物は、a)に対して、更にc)0〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.4質量%、特に0.1〜0.2質量%の、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウムおよびこれらの混合物から選択されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物を含んでいても良い。
【0016】
別の好ましい実施の形態において、更に酸化物組成物は、
a)に対して、b)0.01〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、特に1〜3質量%の、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびバナジウムから選択される1、2、3、4または5個の単体を基礎とする促進剤、特にアルミニウム、ケイ素およびチタンから選択される1、2または3個の単体を基礎とする促進剤、および
a)に対して、c)0〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.4質量%、特に0.1〜0.2質量%の、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物、
を含んでいても良い。
【0017】
別の好ましい実施の形態において、酸化物組成物は、a)に対して、更にd)0.001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.3質量%、特に0.01〜0.2質量%のマンガンを含んでいても良い。
【0018】
本発明の触媒は、非担持触媒または担持触媒であっても良い。考え得る担体材料は、例えば酸化アルミニウム、酸化ランタン、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムまたは酸化亜鉛等の酸化物、またはゼオライトもしくは活性炭、またはこれらの混合物である。
【0019】
本発明の組成物は、鉄、酸素、必要により1成分以上の成分b)、c)およびd)を含み、且つ2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比が0.5以下である前駆体を、還元剤の存在下に少なくとも前駆体の融点まで加熱し、これにより得られた材料を25℃に冷却して、2価の鉄の、3価の鉄に対する比が0.5を超え5.5までの範囲、好ましくは0.57〜2.2の範囲の組成物を得て、その後、組成物を200〜500℃で水素含有ガスによって還元することによって有利に得ることができる。
【0020】
本発明による組成物の前駆体に含まれる2価の鉄および3価の鉄の割合は、本発明の目的のために、存在する結晶層の割合を評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定される。
【0021】
好ましい実施の形態において、本発明による組成物の前駆体は、2価の鉄および3価の鉄を、Fe(II)Fe(III)2O4のように、理想的な場合に式Fe3O4で示され得る磁鉄鉱の形態で含み、そして別の2価の鉄を部分的にまたは完全にウスタイトの形態で含んでいる。特に好ましい実施の形態において、0を超え90%まで、特に1.2〜77%の2価の鉄がウスタイトの形態で存在する。本発明の目的のために、ウスタイトは式Fe1−xO[但し、0=x=0.16]で表される酸化鉄である。
【0022】
ウスタイトの含有量を、存在する結晶層の割合を評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定して本発明の目的のために決定する。
【0023】
本発明による組成物の前駆体は、鉄、酸素、必要により1成分以上の成分b)、c)およびd)を含み、且つ2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比がa)で定義された原子比より低い原子比を有する前駆体を、還元剤の存在下に少なくとも前駆体の融点まで加熱することによって有利に得ることができる。
【0024】
鉄含有前駆体および酸素含有前駆体として、酸化鉄、水酸化鉄または酸化鉄水酸化物、例えば酸化鉄(III)、酸化鉄(II、III)、酸化鉄(II)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)またはFeOOH等の酸化鉄水酸化物を含む前駆体を用いることができる。合成または天然の酸化鉄、水酸化鉄または酸化物水酸化物、例えば、理想的な場合にFe3O4として示され得る磁鉄鉱、理想的な場合にFe2O3*H2Oとして示され得る褐鉄鉱、理想的な場合にFe2O3として示され得る赤鉄鉱を使用することができる。
【0025】
必要により存在していても良い1成分以上の成分b)、c)およびd)は、酸化物、水酸化物、無機酸の他の塩、例えば硝酸塩、塩化物、炭酸塩または硫酸塩、または有機酸の塩、例えばギ酸塩または酢酸塩の形態で前駆体に含まれていても良い。
【0026】
好ましい実施の形態において、天然の磁鉄鉱は、前駆体として使用される。かかる天然の磁鉄鉱の組成は、必要により1成分以上の成分c)、d)およびe)を添加することによって変更され得る。
【0027】
別の好ましい実施の形態において、使用される還元剤は、鉄、b)で規定された単体、c)で規定された単体、マンガン、炭素およびこれらの混合物から選択され、好ましくは鉄、アルミニウム、マグネシウム、炭素およびこれらの混合物から選択され、特に鉄である。
【0028】
酸化物組成物中の本発明により規定される2価の鉄の、3価の鉄に対する比を設定するのに必要とされる還元剤の量は、数種類の簡易な予備試験によって容易に決定することができる。
【0029】
鉄を還元剤として使用する場合、前駆体に存在する鉄および酸素の合計量に対して、1〜50質量%の鉄を添加するのが特に有利であると見出された。
【0030】
本発明による組成物の前駆体を、担持または非担持触媒、好ましくは非担持触媒に転化することができる。なぜなら、還元雰囲気での処理(“活性化”)、例えば触媒を、200〜500℃、好ましくは250〜450℃で、水素雰囲気または水素と不活性ガス(例えば、窒素)を含む気体混合物に2〜120時間に亘って曝すことによって、この触媒を水素化、特にニトリル基をアミン基に水素化するために好ましくは使用して、例えばアジポニトリルを部分的にまたは完全に6−アミノカプロニトリル、または6−アミノカプロニトリルとヘキサメチレンジアミンとの混合物に転化し、或いは部分的にまたは完全にヘキサメチレンジアミンに転化するからである。本実施の形態において、触媒上での空間速度は、1L(リットル)の触媒、1時間あたりに2000〜10000標準Lであるのが好ましい。
【0031】
活性化を、合成反応器中において直接的に有利に行うことができる。なぜなら、この活性化では、その他で必要となる中間工程、すなわち表面を20〜80℃、好ましくは25〜65℃の条件で酸素/窒素混合物(例えば、空気)によって不動態化する工程を省くのが一般的であるからである。不動態化触媒の活性化は、合成反応器中、水素含有雰囲気で180〜500℃、好ましくは200〜350℃にて行うのが好ましい。
【0032】
この触媒は、順流型または向流型の固定床触媒として、または懸濁触媒(suspended catalyst)として使用することができる。
【0033】
水素化の出発材料として、下式:
【0034】
【化1】
【0035】
[但し、nが1〜10までの整数、特に2、3、4、5または6を表す。]
で表されるα,ω−脂肪族ジニトリルを有利に使用することができる。特に好ましい化合物は、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリルおよびスベロニトリルであり、アジポニトリルが極めて好ましい。上述のジニトリルを、液体の希釈剤および上述の触媒の何れかの存在下に部分的に水素化して、下式:
【0036】
【化2】
【0037】
[但し、nが上記と同義である。]
で表されるα,ω−アミノニトリルを形成するのが好ましい。
【0038】
nが2、3、4、5または6、特に4であるアミノニトリル、すなわち4−アミノブタノニトリル、5−アミノペタノニトリル、6−アミノヘキサノニトリル(“6−アミノカプロニトリル”)、7−アミノヘプタノニトリルおよび8−アミノオクタノニトリルが特に好ましく、6−アミノカプロニトリルが極めて好ましい。
【0039】
反応が懸濁液中で行われる場合、40〜150℃の範囲、好ましくは50〜100℃の範囲、特に好ましくは60〜90℃の範囲の温度を選択するのが一般的である;圧力は、2〜30MPaの範囲、好ましくは3〜30MPaの範囲、特に好ましくは4〜9MPaの範囲となるように選択されるのが一般的である。滞留時間は、所望の収率、選択性および所望の転化率に主として依存し、通常、最大収率が達成されるように、例えば50〜275分の範囲、好ましくは70〜200分の範囲で選択される。
【0040】
懸濁水素化において、液体の希釈剤として、アンモニア、アミン、ジアミンまたはトリアミン(1個のアミン側鎖に1〜6個の炭素原子を有する)、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンまたはトリブチルアミン、またはアルコール、特にメタノールまたはエタノールを使用し、アンモニアを使用するのが特に好ましい。ジニトリルの濃度は、ジニトリルおよび液体の希釈剤の合計に対して、有利には10〜90質量%の範囲、好ましくは30〜80質量%の範囲、特に好ましくは40〜70質量%の範囲である。
【0041】
使用される触媒の量は、用いられるジニトリルの量に対して、1〜50質量%の範囲が一般的であり、5〜20質量%の範囲が好ましい。
【0042】
懸濁水素化は、バッチまたは好ましくは連続的に、一般に液相中で行うことができる。
【0043】
また、部分水素化は、順流型または向流型の固定床反応器において、一般に20〜150℃、好ましくは30〜90℃の温度および一般に2〜40MPaの範囲、好ましくは3〜30MPaの範囲の圧力の条件下でバッチまたは連続的に行うことができる。部分水素化は、液体の希釈剤、好ましくはアンモニア、アミン、ジアミンまたはトリアミン(1個のアミン側鎖に1〜6個の炭素原子を有する)、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンまたはトリブチルアミン、またはアルコール、特にメタノールまたはエタノール、特に好ましくはアンモニアの存在下に行われるのが好ましい。
【0044】
好ましい実施の形態において、アンモニアの量は、1gのジニトリルあたり、1〜10gの範囲、好ましくは2〜6gの範囲となるように選択される。触媒上での空間速度は、触媒1L、1時間あたり、0.1〜2.0kgの範囲、好ましくは0.3〜1.0kgの範囲のジニトリルとなるのが好ましい。ここでもまた、転化率およびこれによる選択率を、残留時間の変更によって調節することができる。
【0045】
部分水素化により、ジニトリル、α,ω−アミノニトリルおよびα,ω−ジアミンを含む混合物を得る。完全な水素化により、α,ω−ジアミンを含む混合物を得る。
【0046】
1種以上の所望の生成物をこれらの混合物から、この混合物に用いるそれ自体公知の方法、例えば蒸留または抽出によって分離することができる。このような分離方法(分離処理)は、例えばWO96/20166、WO98/11059、WO99/44983およびWO99/44984に記載されている。
【実施例】
【0047】
[実施例1] 本発明による酸化物組成物の製造
900kgの天然磁鉄鉱と75kgの鉄粉末との混合物を空気中において1550℃で溶融することによって、組成物を製造した。この溶融物を室温に冷却し、固化した後、組成物は、下記の成分:すなわち72質量%の鉄、0.17質量%のマンガン、0.08質量%のアルミニウム、0.03質量%のカルシウム、0.05質量%のマグネシウム、0.12質量%のケイ素、0.01質量%のチタン、平衡酸素からなっていた。ウスタイト含有量は、全質量に対して44%であった。2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比は1.76であった。
【0048】
[実施例2] 触媒の製造
実施例1に記載されている組成物をジョークラッシャーにおいて粉砕した。1.5〜3mmの篩分率を予備選択(篩分率で篩い分けし)し、そして水素/窒素の流れで450℃にて72時間に亘って還元した。窒素下での冷却後、窒素中において1%の空気からなる混合物を用いて24時間に亘って触媒を不動態化し、その際、触媒床の温度は、この発熱反応中に65℃未満に保持した。
【0049】
鉄の平均微結晶サイズの平均値は29.5nmであった。
【0050】
[実施例3] 固定床におけるアジポニトリルの水素化
連続して連結した3基の管状反応器(全長=4.5m、直径=6mm)に、141ml(239g)の、実施例2に記載のように調製された触媒(1.5〜3mmのサイズ分)を充填し、次いで、大気圧下で水素の流れにおいて還元した(200L/時)。この目的のために、温度を24時間に亘って70℃から340℃に昇温させ、次いで、340℃で72時間保持した。温度を低減後、75.0ml/時のADN(アジポニトリル)、370ml/時のNH3および200標準L/時のH2からなる混合物を250バールの圧力条件で反応器に供給した。
【0051】
上述の条件下で、下記の結果を、温度の関数として得られた:
【0052】
【表1】
【0053】
[比較実施例1] 触媒の製造
触媒を、WO98/11059の実施例2aに記載のように調製した。
【0054】
鉄の平均微結晶サイズの平均値は37nmであった。
【0055】
[比較実施例2] 固定床におけるアジポニトリルの水素化
比較実施例1で調製された触媒を用いて、アジポニトリルを、WO98/11059の実施例2bに記載のように固定床で水素化した。
【0056】
下記の結果を得た:
【0057】
【表2】
【0001】
本発明は、下記の成分a):
a)鉄または鉄含有混合物および鉄を基礎とする化合物、
を含む触媒として適当な組成物であって、X線回折によって測定される、鉄の平均微結晶サイズの平均値が1〜35nmの範囲であることを特徴とする組成物に関する。
【0002】
更に本発明は、このような組成物の製造方法、および触媒としてのこのような組成物の存在下にニトリル基含有化合物のニトリル基を水素化してアミノ基を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
鉄を主として含む触媒の存在下にアジポニトリルを水素化して、6−アミノカプロニトリルとヘキサメチレンジアミンとの混合物またはヘキサメチレンジアミンのみを形成可能であることは、例えばWeissermel/Arpe, Industrielle Organische Chemie, Verlag Chemie, 第3版, 1988, 266頁またはWO−A96/20166により一般に知られている。
【0004】
6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンは、ナイロン6またはナイロン6,6等の工業的に重要なポリマーの製造のための重要な中間体である。
【0005】
触媒は、高い機械強度および長い作用寿命を有し、そしてこの触媒により所望の生成物の6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンのみに対する高い空自収量を得ることが望ましい。特に、この水素化中に、触媒によって望まない副生成物のレベルを極めて低いものとする。
【0006】
このような望まない副生成物は、所望の生成物からかろうじて分離することができるだけである。
【0007】
したがって、例えば、アジポニトリルを6−アミノカプロニトリルおよびヘキサメチレンジアミンに水素化することにより、種々の量の、特にテトラヒドロアゼピン(THA)、1−アミノ−2−シアノシクロペンテン(ICCP)、2−アミノメチルシクロペンチルアミン(AMCPA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン(DCH)およびビスヘキサメチレントリアミン(BHMTA)を形成する。AMCPAおよびDCHをヘキサメチレンジアミンから非常な困難性をもってのみ分離可能であることは、US−A3696153により知られている。更に、多量の、特にAMCPA、DCHおよびTHAにより、相当な資本およびエネルギーコストをもたらす複雑な蒸留が必要となる。
【0008】
WO98/11059には、α,ω−アミノニトリルを、対応のニトリルを鉄含有触媒上で水素化することにより製造する方法を開示し、その方法により、高い触媒作用寿命および選択性を示し、更に低い副生成物濃度を可能にする。したがって、実施例2において、HMDに対して、DCH含有量3700ppm、AMCPA含有量430mmおよびICCP含有量80ppmの条件でヘキサメチレンジアミンおよび6−アミノカプロニトリルの合計選択率98.9%を80℃で達成する。開示された方法の不都合は、80℃で僅かに47.3%であるアジポニトリルの低い転化率である。したがって、この方法による空自収量は満足できるものではない。
【0009】
【特許文献1】
WO98/11059
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、触媒として適当である鉄含有組成物であって、その組成物の存在下に、簡易な方法でニトリルをアミンに水素化することができ、上述の不都合を回避する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記目的が、冒頭に定義された組成物、この組成物の製造方法、および触媒としてのこのような組成物の存在下にニトリル基含有化合物のニトリル基を水素化してアミノ基を形成する方法によって達成されることを見出した。
【0012】
本発明によれば、組成物中の鉄は、少なくとも1nm、好ましくは少なくとも5nm、特に少なくとも10nmの平均微結晶サイズ(平均クリスタリットサイズ:mean crystallite size)の平均値を有している。
【0013】
本発明によれば、組成物中の鉄は、35nm以下、好ましくは30nm以下の平均微結晶サイズの平均値を有している。
【0014】
本発明の目的のために、平均微結晶サイズの平均値は、評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定される。
【0015】
他の好ましい実施の形態において、酸化物組成物は、a)に対して、更にc)0〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.4質量%、特に0.1〜0.2質量%の、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウムおよびこれらの混合物から選択されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物を含んでいても良い。
【0016】
別の好ましい実施の形態において、更に酸化物組成物は、
a)に対して、b)0.01〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、特に1〜3質量%の、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびバナジウムから選択される1、2、3、4または5個の単体を基礎とする促進剤、特にアルミニウム、ケイ素およびチタンから選択される1、2または3個の単体を基礎とする促進剤、および
a)に対して、c)0〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.4質量%、特に0.1〜0.2質量%の、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物、
を含んでいても良い。
【0017】
別の好ましい実施の形態において、酸化物組成物は、a)に対して、更にd)0.001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.3質量%、特に0.01〜0.2質量%のマンガンを含んでいても良い。
【0018】
本発明の触媒は、非担持触媒または担持触媒であっても良い。考え得る担体材料は、例えば酸化アルミニウム、酸化ランタン、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムまたは酸化亜鉛等の酸化物、またはゼオライトもしくは活性炭、またはこれらの混合物である。
【0019】
本発明の組成物は、鉄、酸素、必要により1成分以上の成分b)、c)およびd)を含み、且つ2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比が0.5以下である前駆体を、還元剤の存在下に少なくとも前駆体の融点まで加熱し、これにより得られた材料を25℃に冷却して、2価の鉄の、3価の鉄に対する比が0.5を超え5.5までの範囲、好ましくは0.57〜2.2の範囲の組成物を得て、その後、組成物を200〜500℃で水素含有ガスによって還元することによって有利に得ることができる。
【0020】
本発明による組成物の前駆体に含まれる2価の鉄および3価の鉄の割合は、本発明の目的のために、存在する結晶層の割合を評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定される。
【0021】
好ましい実施の形態において、本発明による組成物の前駆体は、2価の鉄および3価の鉄を、Fe(II)Fe(III)2O4のように、理想的な場合に式Fe3O4で示され得る磁鉄鉱の形態で含み、そして別の2価の鉄を部分的にまたは完全にウスタイトの形態で含んでいる。特に好ましい実施の形態において、0を超え90%まで、特に1.2〜77%の2価の鉄がウスタイトの形態で存在する。本発明の目的のために、ウスタイトは式Fe1−xO[但し、0=x=0.16]で表される酸化鉄である。
【0022】
ウスタイトの含有量を、存在する結晶層の割合を評価用のTOPASソフトウエアを用いるD5000シータ/シータ回折計(シーメンス社製、ドイツ)でX線回折によって測定して本発明の目的のために決定する。
【0023】
本発明による組成物の前駆体は、鉄、酸素、必要により1成分以上の成分b)、c)およびd)を含み、且つ2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比がa)で定義された原子比より低い原子比を有する前駆体を、還元剤の存在下に少なくとも前駆体の融点まで加熱することによって有利に得ることができる。
【0024】
鉄含有前駆体および酸素含有前駆体として、酸化鉄、水酸化鉄または酸化鉄水酸化物、例えば酸化鉄(III)、酸化鉄(II、III)、酸化鉄(II)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)またはFeOOH等の酸化鉄水酸化物を含む前駆体を用いることができる。合成または天然の酸化鉄、水酸化鉄または酸化物水酸化物、例えば、理想的な場合にFe3O4として示され得る磁鉄鉱、理想的な場合にFe2O3*H2Oとして示され得る褐鉄鉱、理想的な場合にFe2O3として示され得る赤鉄鉱を使用することができる。
【0025】
必要により存在していても良い1成分以上の成分b)、c)およびd)は、酸化物、水酸化物、無機酸の他の塩、例えば硝酸塩、塩化物、炭酸塩または硫酸塩、または有機酸の塩、例えばギ酸塩または酢酸塩の形態で前駆体に含まれていても良い。
【0026】
好ましい実施の形態において、天然の磁鉄鉱は、前駆体として使用される。かかる天然の磁鉄鉱の組成は、必要により1成分以上の成分c)、d)およびe)を添加することによって変更され得る。
【0027】
別の好ましい実施の形態において、使用される還元剤は、鉄、b)で規定された単体、c)で規定された単体、マンガン、炭素およびこれらの混合物から選択され、好ましくは鉄、アルミニウム、マグネシウム、炭素およびこれらの混合物から選択され、特に鉄である。
【0028】
酸化物組成物中の本発明により規定される2価の鉄の、3価の鉄に対する比を設定するのに必要とされる還元剤の量は、数種類の簡易な予備試験によって容易に決定することができる。
【0029】
鉄を還元剤として使用する場合、前駆体に存在する鉄および酸素の合計量に対して、1〜50質量%の鉄を添加するのが特に有利であると見出された。
【0030】
本発明による組成物の前駆体を、担持または非担持触媒、好ましくは非担持触媒に転化することができる。なぜなら、還元雰囲気での処理(“活性化”)、例えば触媒を、200〜500℃、好ましくは250〜450℃で、水素雰囲気または水素と不活性ガス(例えば、窒素)を含む気体混合物に2〜120時間に亘って曝すことによって、この触媒を水素化、特にニトリル基をアミン基に水素化するために好ましくは使用して、例えばアジポニトリルを部分的にまたは完全に6−アミノカプロニトリル、または6−アミノカプロニトリルとヘキサメチレンジアミンとの混合物に転化し、或いは部分的にまたは完全にヘキサメチレンジアミンに転化するからである。本実施の形態において、触媒上での空間速度は、1L(リットル)の触媒、1時間あたりに2000〜10000標準Lであるのが好ましい。
【0031】
活性化を、合成反応器中において直接的に有利に行うことができる。なぜなら、この活性化では、その他で必要となる中間工程、すなわち表面を20〜80℃、好ましくは25〜65℃の条件で酸素/窒素混合物(例えば、空気)によって不動態化する工程を省くのが一般的であるからである。不動態化触媒の活性化は、合成反応器中、水素含有雰囲気で180〜500℃、好ましくは200〜350℃にて行うのが好ましい。
【0032】
この触媒は、順流型または向流型の固定床触媒として、または懸濁触媒(suspended catalyst)として使用することができる。
【0033】
水素化の出発材料として、下式:
【0034】
【化1】
【0035】
[但し、nが1〜10までの整数、特に2、3、4、5または6を表す。]
で表されるα,ω−脂肪族ジニトリルを有利に使用することができる。特に好ましい化合物は、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリルおよびスベロニトリルであり、アジポニトリルが極めて好ましい。上述のジニトリルを、液体の希釈剤および上述の触媒の何れかの存在下に部分的に水素化して、下式:
【0036】
【化2】
【0037】
[但し、nが上記と同義である。]
で表されるα,ω−アミノニトリルを形成するのが好ましい。
【0038】
nが2、3、4、5または6、特に4であるアミノニトリル、すなわち4−アミノブタノニトリル、5−アミノペタノニトリル、6−アミノヘキサノニトリル(“6−アミノカプロニトリル”)、7−アミノヘプタノニトリルおよび8−アミノオクタノニトリルが特に好ましく、6−アミノカプロニトリルが極めて好ましい。
【0039】
反応が懸濁液中で行われる場合、40〜150℃の範囲、好ましくは50〜100℃の範囲、特に好ましくは60〜90℃の範囲の温度を選択するのが一般的である;圧力は、2〜30MPaの範囲、好ましくは3〜30MPaの範囲、特に好ましくは4〜9MPaの範囲となるように選択されるのが一般的である。滞留時間は、所望の収率、選択性および所望の転化率に主として依存し、通常、最大収率が達成されるように、例えば50〜275分の範囲、好ましくは70〜200分の範囲で選択される。
【0040】
懸濁水素化において、液体の希釈剤として、アンモニア、アミン、ジアミンまたはトリアミン(1個のアミン側鎖に1〜6個の炭素原子を有する)、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンまたはトリブチルアミン、またはアルコール、特にメタノールまたはエタノールを使用し、アンモニアを使用するのが特に好ましい。ジニトリルの濃度は、ジニトリルおよび液体の希釈剤の合計に対して、有利には10〜90質量%の範囲、好ましくは30〜80質量%の範囲、特に好ましくは40〜70質量%の範囲である。
【0041】
使用される触媒の量は、用いられるジニトリルの量に対して、1〜50質量%の範囲が一般的であり、5〜20質量%の範囲が好ましい。
【0042】
懸濁水素化は、バッチまたは好ましくは連続的に、一般に液相中で行うことができる。
【0043】
また、部分水素化は、順流型または向流型の固定床反応器において、一般に20〜150℃、好ましくは30〜90℃の温度および一般に2〜40MPaの範囲、好ましくは3〜30MPaの範囲の圧力の条件下でバッチまたは連続的に行うことができる。部分水素化は、液体の希釈剤、好ましくはアンモニア、アミン、ジアミンまたはトリアミン(1個のアミン側鎖に1〜6個の炭素原子を有する)、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンまたはトリブチルアミン、またはアルコール、特にメタノールまたはエタノール、特に好ましくはアンモニアの存在下に行われるのが好ましい。
【0044】
好ましい実施の形態において、アンモニアの量は、1gのジニトリルあたり、1〜10gの範囲、好ましくは2〜6gの範囲となるように選択される。触媒上での空間速度は、触媒1L、1時間あたり、0.1〜2.0kgの範囲、好ましくは0.3〜1.0kgの範囲のジニトリルとなるのが好ましい。ここでもまた、転化率およびこれによる選択率を、残留時間の変更によって調節することができる。
【0045】
部分水素化により、ジニトリル、α,ω−アミノニトリルおよびα,ω−ジアミンを含む混合物を得る。完全な水素化により、α,ω−ジアミンを含む混合物を得る。
【0046】
1種以上の所望の生成物をこれらの混合物から、この混合物に用いるそれ自体公知の方法、例えば蒸留または抽出によって分離することができる。このような分離方法(分離処理)は、例えばWO96/20166、WO98/11059、WO99/44983およびWO99/44984に記載されている。
【実施例】
【0047】
[実施例1] 本発明による酸化物組成物の製造
900kgの天然磁鉄鉱と75kgの鉄粉末との混合物を空気中において1550℃で溶融することによって、組成物を製造した。この溶融物を室温に冷却し、固化した後、組成物は、下記の成分:すなわち72質量%の鉄、0.17質量%のマンガン、0.08質量%のアルミニウム、0.03質量%のカルシウム、0.05質量%のマグネシウム、0.12質量%のケイ素、0.01質量%のチタン、平衡酸素からなっていた。ウスタイト含有量は、全質量に対して44%であった。2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比は1.76であった。
【0048】
[実施例2] 触媒の製造
実施例1に記載されている組成物をジョークラッシャーにおいて粉砕した。1.5〜3mmの篩分率を予備選択(篩分率で篩い分けし)し、そして水素/窒素の流れで450℃にて72時間に亘って還元した。窒素下での冷却後、窒素中において1%の空気からなる混合物を用いて24時間に亘って触媒を不動態化し、その際、触媒床の温度は、この発熱反応中に65℃未満に保持した。
【0049】
鉄の平均微結晶サイズの平均値は29.5nmであった。
【0050】
[実施例3] 固定床におけるアジポニトリルの水素化
連続して連結した3基の管状反応器(全長=4.5m、直径=6mm)に、141ml(239g)の、実施例2に記載のように調製された触媒(1.5〜3mmのサイズ分)を充填し、次いで、大気圧下で水素の流れにおいて還元した(200L/時)。この目的のために、温度を24時間に亘って70℃から340℃に昇温させ、次いで、340℃で72時間保持した。温度を低減後、75.0ml/時のADN(アジポニトリル)、370ml/時のNH3および200標準L/時のH2からなる混合物を250バールの圧力条件で反応器に供給した。
【0051】
上述の条件下で、下記の結果を、温度の関数として得られた:
【0052】
【表1】
【0053】
[比較実施例1] 触媒の製造
触媒を、WO98/11059の実施例2aに記載のように調製した。
【0054】
鉄の平均微結晶サイズの平均値は37nmであった。
【0055】
[比較実施例2] 固定床におけるアジポニトリルの水素化
比較実施例1で調製された触媒を用いて、アジポニトリルを、WO98/11059の実施例2bに記載のように固定床で水素化した。
【0056】
下記の結果を得た:
【0057】
【表2】
Claims (12)
- 下記の成分a):
a)鉄または鉄含有混合物および鉄を基礎とする化合物、
を含む触媒として適当な組成物であって、
X線回折によって測定される、鉄の平均微結晶サイズの平均値が1〜35nmの範囲であることを特徴とする組成物。 - 更に下記の成分:
b)a)に対して、0.01〜5質量%の、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびバナジウムから選択される1、2、3、4または5個の単体を基礎とする促進剤、および
c)a)に対して、0〜0.5質量%の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物、
を含む請求項1に記載の組成物。 - 更に下記の成分:
b)a)に対して、0.01〜5質量%の、アルミニウム、ケイ素およびバナジウムから選択される1、2または3個の単体を基礎とする促進剤、および
c)a)に対して、0〜0.5質量%の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物、
を含む請求項1に記載の組成物。 - 更に、a)に対して0〜0.5質量%の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を基礎とする化合物c)を含む請求項1に記載の組成物。
- 更に、0.001〜1質量%の、マンガンを基礎とする化合物の形のマンガンd)を含む請求項1〜4の何れかに記載の組成物。
- 触媒として適当であり且つ非担持触媒の形態である請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
- 触媒として適当であり且つ担体と組み合わせて担持触媒を形成する請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
- 鉄、酸素、必要により1成分以上の成分b)、c)およびd)を含み、2価の鉄の、3価の鉄に対する原子比が0.5以下である前駆体を、還元剤の存在下に少なくとも前駆体の融点まで加熱し、これにより得られた材料を25℃まで冷却して、2価の鉄の、3価の鉄に対する比が0.5を超え、5.5までの範囲である組成物を得、その後、組成物を200〜500℃の条件で水素含有ガスで還元する、請求項1〜7の何れかに記載の組成物の製造方法。
- 触媒の存在下にニトリル基を含む化合物のニトリル基を水素化して、アミノ基を形成する方法であって、
触媒として、請求項1〜7の何れかに記載の組成物を使用することを特徴とする方法。 - 使用されるニトリル基を含む化合物がアジポニトリルである請求項9に記載の方法。
- アジポニトリルを部分的にまたは完全に水素化して、6−アミノカプロニトリルとする請求項9に記載の方法。
- アジポニトリルを部分的にまたは完全に水素化して、ヘキサメチレンジアミンとする請求項9に記載の方法。
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---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061108 |