JP2005505667A - 蛍光増白剤、それらの組成物、それらの製造およびそれらの使用 - Google Patents

蛍光増白剤、それらの組成物、それらの製造およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

式(I)
〔式中、各nは、独立して、1または2を意味し、
浮動結合で示された基SOMは、4または5位に結合され、
各Mは、独立して、当量の非発色団カチオンを意味し、
各M′は、独立して、水素またはMを意味する〕の蛍光増白剤(PAB)であって、
しかも(PAB)のカチオンMの少なくとも一部は、ヘテロ原子環員または鎖員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリオール/エピクロロヒドリン/アミンポリマー(P)のカチオン性基であり、そしていずれの残部も、アルカリ金属カチオン、非置換アンモニウム並びにC1−3アルキルまたは/およびC2−3ヒドロキシアルキルで置換されたアンモニウムから選択されたカチオンであり、
ポリカチオン性ポリマー(P)は、その第4級アンモニウム基の一つまたはそれ以上によって少なくとも部分的に架橋されているポリマーであり、
(P)のカチオン性基に対するいずれの残りの対イオンも、低分子酸の非発色団アニオンであり、
しかも(PAB)のアニオン性蛍光増白剤部分中の全アニオン性基対(PAB)のポリカチオン性ポリマー(P)部分中のカチオン性アンモニウム基の全量の比率は≧80/100である蛍光増白剤(PAB)およびそれらの水性組成物(W)、それらの製造、並びに特に蛍光増白紙の製造のための、それらの使用およびまた白色ピグメントまたは充填材と組み合わせてのそれらの使用。

Description

【背景技術】
【0001】
紙の製造において、製品の製造速度または他の性質および歩留りを改善するために、リテンション剤(「留り剤」)、脱水剤および/または定着剤を用いることが通常である。これらの助剤はたいていカチオン特性を有し、そして蛍光増白紙を製造することが所望される場合、アニオン性蛍光増白剤の使用について、アニオン性物質とカチオン性物質の相互作用により沈殿が起こらないように注意が払われるべきである。かかる望ましくない沈殿を避けるために、カチオン性薬剤は、通常、アニオン性成分の添加の充分な時間後にて、シート形成直前の非常に短い時間範囲内(すなわち、集成装置の紙シート形成部にパルプを運搬する数秒前)またはシート形成後のどちらかにおいて添加される。
【0002】
日本国公開JP62−106965A2において、2モルの割合の塩化シアヌルを2モルの割合のアニリン−2,5−ジスルホン酸と、次いで1モルの割合の4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸とそして最後に2モルの割合の或る定められたアミノ酸(とりわけアスパラギン酸およびグルタミン酸も含めて)(天然のL形または合成のD,L形であり得る)と反応させることにより製造された4,4′−ビス−トリアジニルアミノ−スチルベン−2,2′−ジスルホン酸系の蛍光増白剤が記載されている。それらは、塩形態において特にナトリウム塩形態において、高水溶性の蛍光増白剤と記載されている。紙の蛍光増白のためのそれらの使用に関して、それらは内部添加剤としての使用については、すなわち紙を作る前のパルプスラリー中に添加することについては効率的でない、と述べられている。
【0003】
WO−A−99/67317において、ポリマーのヘテロ原子鎖員または環員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリマーの水溶液において、それらの第4級カチオン性基に対する対イオンの一部が、少なくとも1個のアニオン性基を含有するアニオン性蛍光増白剤のアニオン性基であり、しかも該カチオン性第4級アンモニウム基が該アニオン性蛍光増白剤のアニオン性基よりも実質的に過剰、特に100/60から100/2の範囲にある水溶液が記載されている。これらの組合せ生成物の水溶液は、高安定性を有し、また蛍光増白剤の活性およびカチオン性ポリマーの活性(例えば、紙の製造の際の留り助剤、濾水助剤または定着剤として)を併せ持つ多機能性薬剤を与え、しかして蛍光増白紙の製造において、例えばシート形成前の任意の時点において紙料に添加することにより、カチオン性ポリマーと一緒に蛍光増白剤の添加を可能にする。(この種の組合せ生成物はまた、白色鉱物ピグメントについてWO−A−01/46323に記載されている)。しかしながら、ポリマー対蛍光増白剤の限られた比率は高割合の蛍光増白剤または低割合のカチオン性ポリマーを用いる可能性を相応して制限し、そのためこれらの生成物は、或る範囲において高度に効果的であるけれども、紙工業において求めることができるような原紙またはボード(「ボール紙」)の品種の全範囲の要件を満たすのに充分であり得ない。優勢的アニオン特性−一方では強アニオン性スルホ基および所望により弱アニオン性カルボキシ基と他方ではカチオン性第4級アンモニウム基の全平衡から生じるときの−を組合せ生成物に与えるように、例示された蛍光増白剤対例示されたポリマーの割合が、60/100を実質的に越える特に80/100を越える比率までの全アニオン性蛍光増白剤のアニオン性基対全カチオン性ポリマーのカチオン性第4級アンモニウム基の比率に増加される場合、例えば製紙において用いるのに必要とされるような、水で希釈された組成物の粘度および粘着性は、増加アニオン性度と相応して増加して、硬質の塊までの粘稠で且つ粘着性の塊(「チューインガム様」)を与え、しかしてこれは特に製紙において、実用的目的にとって使用可能でない。
【0004】
定められた特定蛍光増白剤と定められた特定ポリマーの下記の−総合的にアニオン性の−結合物(PAB)で、高安定性の、流動性で且つ容易に希釈可能な濃厚水性組成物であって、しかも蛍光増白剤中のアニオン性基対ポリマー中のカチオン性第4級アンモニウム基の比率が80/100またはそれ以上であり、そのためたいていの様々な蛍光増白紙およびボール紙の品種の製造のためのいかなる要件にも適合することができるように、ポリマーに対する蛍光増白剤のいかなる所望の高割合も利用できるようになる組成物を製造することが可能である、ということが今般驚くべきことに見出された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、定められた組合せ生成物(PAB)、それらの水性組成物、それらの製造およびそれらの使用に関する。
【0006】
かくして、本発明は、式
【0007】
【化1】
Figure 2005505667
【0008】
〔式中、各nは、独立して、1または2を意味し、
浮動結合で示された基SOMは、4または5位に結合され、
各Mは、独立して、当量の非発色団カチオンを意味し、
各M′は、独立して、水素またはMを意味する〕
の蛍光増白剤(PAB)であって、
【0009】
しかも(PAB)のカチオンMの少なくとも一部は、ヘテロ原子環員または鎖員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリオール/エピクロロヒドリン/アミンポリマー(P)のカチオン性基であり、そしていずれの残部も、アルカリ金属カチオン、非置換アンモニウム並びにC1−3アルキルでまたは/およびC2−3ヒドロキシアルキルで置換されたアンモニウムから選択されたカチオンであり、
【0010】
ポリカチオン性ポリマー(P)は、その第4級アンモニウム基の一つまたはそれ以上によって少なくとも部分的に架橋されているポリマーであり、
【0011】
(P)のカチオン性基に対するいずれの残りの対イオンも、低分子酸の非発色団アニオンであり、
【0012】
しかも(PAB)のアニオン性蛍光増白剤部分中の全アニオン性基対(PAB)のポリカチオン性ポリマー(P)部分中のカチオン性アンモニウム基の全量の比率は≧80/100である蛍光増白剤(PAB)を提供する。
【0013】
本発明は、更に、蛍光増白剤(PAB)を含む液状水性蛍光増白剤組成物(W)を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記に定められた蛍光増白剤(PAB)およびそれらの組成物(W)の製造方法は、特に、アニオン性蛍光増白剤(B)中の全アニオン性基対ポリカチオン性ポリマー(P)中のカチオン性アンモニウム基の全量が≧80/100になるような当量比にて、
【0015】
(B) 所望により水性分散体または溶液の形態の、式
【0016】
【化2】
Figure 2005505667
【0017】
〔式中、各nは、独立して、1または2を意味し、
そして
浮動結合で示された基SOHは、4または5位に結合され、しかも遊離酸またはアルカリ金属もしくは/およびアンモニウム塩形態にあり、該アンモニウムは置換されていないかまたはC1−3アルキルでもしくは/およびC2−3ヒドロキシアルキルで置換されている〕
のアニオン性蛍光増白剤を、
【0018】
(P) ポリマーのヘテロ原子鎖員または環員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリオール/エピクロロヒドリン/アミンポリマーであって、しかも該ポリマーはその第4級アンモニウム基の一つまたはそれ以上によって少なくとも部分的に架橋されており、且つカチオン性第4級アンモニウム基に対する対イオンは鉱酸のアニオン、低分子カルボン酸のアニオンまたは四級化剤由来のアニオンであるポリマーの水溶液に添加するか、
【0019】
あるいは遊離酸またはアルカリ金属塩の形態の(B)の水溶液を(P)の前駆体(PPA)の水溶液に添加し、そして(P)の前駆体(PPA)に添加された場合は更に反応させて(P)または(PAB)をそれぞれ形成させ、
【0020】
しかも得られた生成物(PAB)が液状水性組成物(W)の形態にある、ことを特徴とする。
【0021】
式(I)においておよび式(II)において、浮動結合で示された基SOMまたはSOHは、好ましくは、5位に結合される。
【0022】
Mが(P)の対イオン−特に第4級アンモニウムカチオン−でない場合、それはアルカリ金属カチオン(好ましくはリチウム、ナトリウムまたはカリウム、一層好ましくはナトリウム)、あるいは置換されていないかまたはC1−3アルキルもしくは/およびC2−3ヒドロキシアルキル(好ましくは、モノ−、ジ−またはトリ−エタノール−または−イソプロパノール−アンモニウム)で置換されているかのどちらかであるアンモニウムである。これらのカチオンの中で、アルカリ金属カチオン特にナトリウムが好ましい。
【0023】

【化3】
Figure 2005505667
【0024】
の基は、所望によりM塩形態の、アスパラギン酸またはグルタミン酸の基であり、そして所望によりM塩形態の、D−、L−またはDL−アスパラギン酸または−グルタミン酸の基であり得る。
【0025】
蛍光増白剤(B)は、商業的に入手できるようないかなる形態にても例えば粉末または顆粒として用いられ得、しかも該形態は(P)との結合前に水中に溶解され得、あるいは格別の利点で、それらは直接的に生成からの水溶液の形態にて使用することができる。通常、それらは三段階反応シーケンスにて、塩化シアヌルを最初にアミノベンゼン−2,4−または−2,5−ジスルホン酸と、次いで4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸とそして最後にアスパラギン酸またはグルタミン酸(所望により、塩形態にて)と、水性媒質中で脱塩化水素条件下で(例えば、アルカリ金属水酸化物の添加と共に、pH4〜7および5〜15℃にて第1塩素、pH6〜9および10〜40℃にて第2塩素並びにpH8〜11および60〜100℃にて第3塩素)反応させることにより生成される。
【0026】
(P)中の第4級アンモニウム基は、ポリマーの少なくとも2個の炭素原子に共有結合される。ポリマー(P)は、有利には、脂肪族特性を有する。それらは、更なるヘテロ原子特に酸素原子および/または非第4級アミノ基を含有することができる。ポリマー中のヘテロ原子は、好ましくは、互いから2から6個の炭素原子の距離にある。
【0027】
ポリマー(P)は、エピクロロヒドリン誘導ポリ第4級ポリマー、特に、少なくとも部分架橋に通じる条件下でのエピクロロヒドリンとポリオールおよびアミン(好ましくは、第2級および/または第3級アミン)との反応生成物である。
【0028】
とりわけに、エピクロロヒドリン誘導ポリマー(P)は、二または三段階合成、すなわち第1段階においてエピクロロヒドリンをポリオールと反応させてクロロ末端付加物(PPA)を生じさせ、そして第2段階において該クロロ末端付加物(PPA)を少なくとも二官能性の第2級または第3級アミンと反応させてポリマー構造中に第4級アンモニウム基を有する架橋生成物を得、この反応生成物中に末端塩素が依然存在する場合、これは第3段階において例えば一官能性第3級アミンと反応することができる二または三段階合成により得ることができる、ポリ第4級の少なくとも部分的に架橋されたポリマーである。
【0029】
出発ポリオールとして、好ましくは脂肪族ヒドロキシ化合物、特に多官能性アルコール好ましくはオリゴヒドロキシ化合物(好ましくは、2から6個の炭素原子を有する)および平均分子量M好ましくは≦2,000の且つアルキレンが2〜4個の炭素原子を含有するポリアルキレングリコールを使用することができる。
【0030】
適当なヒドロキシ化合物は、特にオリゴ官能性脂肪族アルコールおよび/またはポリ(C2−4アルキレン)グリコール、とりわけ、炭化水素基中に6個まで好ましくは3から6個の炭素原子を有する二−から六−官能性脂肪族アルコール特に
【0031】
次の式
X−(OH)x1 (IIIa)
〔式中、Xは、C3−6アルカンのx1価基を意味し、
そして
x1は、3からX中の炭素原子の数までの数を意味する〕
を有するもの、
【0032】
もしくは式(IIIa)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、
もしくは式(IIIa)の1種もしくはそれ以上のオリゴヒドロキシアルカンとC2−3アルカンジオールとの混合物、
【0033】
またはポリアルキレングリコール特に平均式
HO−(アルキレン−O)x2−H (IIIb)
〔式中、アルキレンは、C2−4アルキレンを意味し、
そして
x2は、2から40の数を意味する〕
を有するものである。
【0034】
式(IIIa)の好ましい化合物は、式
H−(CHOH)x1′−H (IIIa′)
を有するものであり、しかしてx1′は3から6である。
式(IIIb)中のアルキレンはエチレン、プロピレンおよび/またはブチレンであり、そして式(IIIb)のポリアルキレングリコールはホモまたはコポリマー好ましくは水溶性生成物(20℃およびpH7において少なくとも10g/lの水中溶解度を有する)であり得る。式(IIIb)のポリアルキレングリコールとして、好ましくは、ポリエチレングリコールまたは優勢的モル割合のエチレンオキシ単位を含有するコポリアルキレングリコールが用いられる。一層好ましくは、ポリエチレングリコール、すなわちアルキレンがエチレンのみを意味する式(IIIb)の化合物が用いられる。
【0035】
ヒドロキシ基とエピクロロヒドリンとの反応により、エピクロロヒドリンのエポキシ環は開かれ、そして2−ヒドロキシ−3−クロロ−プロピル−1基を含有するところの対応する付加物が形成される。この反応は、好ましくは、いかなる他の溶媒(特に、ヒドロキシにとっての)も存在させないで、触媒(例えば、ルイス酸好ましくは三フッ化ホウ素(例えば、そのエーテラートまたは酢酸錯体の形態にて)である)の存在下で行われる。この反応は発熱性であり、そしてエピクロロヒドリンは利用可能なヒドロキシ基と反応し、また反応が進行するにつれて反応中に形成された2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−1基のヒドロキシ基とも反応し得、そのため多官能性出発反応体(例えば、式(IIIa)のもの)中のヒドロキシ基のいくつかは未反応のままであってもよい。モル比、出発ヒドロキシ化合物の官能性およびその立体配置−特に式(IIIa)中のx1が4から6である場合−に依存して、x1個のOH基とエピクロロヒドリンとの反応度は変動し得、そして例えば出発ポリオール中に当初に存在するOH基の総数の50から95%たいてい70から90%の範囲にあり得る。得られた付加物(PPA)は、クロロ末端生成物である。
【0036】
クロロ末端付加物(PPA)は次いで適当なアミンと反応されてポリ第4級架橋生成物を生成し、しかして好ましくは、橋かけ第4級アンモニウム基を与えることが可能である架橋性反応体(適当には、好ましくは脂肪族の第3級オリゴアミンまたは第2級モノアミンである)と反応される。かかるアミンは、例えば、エピクロロヒドリンと、第1級または第2級アミン、例えばモノ−もしくはジ−(C1−4アルキル)−アミン、モノ−もしくはジ−(C2−4ヒドロキシアルキル)−アミンまたはアルキレン橋中に2から4個の炭素原子を有するオリゴアミン(モノもしくはジメチルアミン、モノもしくはジエチルアミン、モノもしくはジイソプロピルアミン、モノもしくはジエタノールアミン、モノもしくはジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンまたはN−(2−アミノエチル)−エタノールアミンのような)との反応生成物であり得、あるいは好ましくはそれらは次の式
【0037】
【化4】
Figure 2005505667
【0038】
〔式中、Yは、C2−3アルキレンを意味し、
yは、0から3の数を意味し、
R′は、C1−3アルキルまたはC2−3ヒドロキシアルキルを意味し、
そして
R″は、yが1から3である場合R′の意味を有し、またはyが0である場合水素を意味する〕
に相当し(特に、出発オリゴヒドロキシ化合物が式(IIIa)を有する場合の架橋に通じる反応体として)、または次の式
【0039】
【化5】
Figure 2005505667
【0040】
〔式中、R″′は、水素またはC1−3アルキルを意味し、
そして
wは、2から6の数を意味する〕
に相当し、しかして式(V)のアミンは、出発オリゴヒドロキシ化合物が式(IIIb)を有する場合の反応体として特に適している。
【0041】
随意の連鎖停止四級化反応のために、例えば、好ましくは式
N(R′) (VI)
の、第3級モノアミンを使用することができる。
【0042】
式(IV)、(V)および(VI)のアミノ化合物として、公知のアミンを使用することができる。R′、R″およびR″′におけるC1−3アルキル基はメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり得、しかしてより低分子のもの特にメチルが好ましい。C2−3ヒドロキシアルキル基は、好ましくは、2−ヒドロキシ−エチルまたは−プロピルである。C1−3アルキル基およびC2−3ヒドロキシアルキル基の中で、C1−3アルキル基特にメチルが好ましい。添え字yは、0から3のいかなる数好ましくは0から2一層好ましくは0または1であり得る。式(IV)の代表的アミンは、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、N,N−ジエタノール−N′,N′−ジメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミンおよびヘキサメチルトリエチレンテトラミン(それらの中で、二官能性アミン特により低分子のものが好ましい)、特にジメチルアミンおよびテトラメチルエチレンジアミンである。式(V)において、添え字wは、好ましくは、2または3である。式(V)の代表的アミンは、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエタノールアミノプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミンおよびN,N−ジエタノール−N′,N′−ジメチルエチレンジアミンである。式(VI)の代表的アミンはトリメチルアミン、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミンであり、しかしてそれらの中でトリメチルアミンおよびトリエチルアミンが好ましい。
【0043】
ポリカチオン性ポリ第4級生成物(P)または蛍光増白剤(PAB)は、少なくとも(PPA)とアミンとの反応がポリマーに通じるかもしくは出発物がポリマーである(例えば、ポリアルキレングリコールである)かのどちらかまたは両方である限り、ポリマーである。
【0044】
四級化性アミン対エピクロロヒドリン付加物(PPA)のモル比は、適当には、ポリマー特性の生成物が生成されるように選ばれる。四級化性アミン対式(IIIa)の化合物のエピクロロヒドリン付加物のモル比は、好ましくは、塩素に関して付加物の1モル当量につき0.5モルの架橋性アミン好ましくは式(IV)のもの±30%例えば±10%が用いられるように選ばれる。四級化性アミン対式(IIIb)の化合物のエピクロロヒドリン付加物のモル比は、好ましくは、塩素に関して付加物の1モル当量につき1モルの式(IV)のアミン±40%例えば±20%が用いられるように選ばれる。四級化性アミン対式(IIIb)の化合物のエピクロロヒドリン付加物のモル比は、好ましくは、塩素に関して付加物の1モル当量につき0.9モルの式(V)のアミン±40%例えば±20%(両方のR″′が、水素である場合)または0.5モルの式(V)のアミン±30%例えば±10%(両方のR″′が、水素以外である場合)または0.7モルの式(V)のアミン±35%例えば±15%(一方のR″′が水素でありそして他方が水素以外である場合)が用いられるように選ばれる。
【0045】
四級化性アミンと付加物との反応は、好ましくは水性媒質中で、および好ましくは加熱状態で例えば50から100℃好ましくは60から90℃の範囲の温度にて行われる。反応中、少なくとも開始時において、アミンの塩基性度は、付加物でのすなわちアルキル化剤として用いられる塩化物でのアミンの四級アルキル化にとって充分である。反応混合物のpHは、好ましくは、4から9の範囲にあり、しかして開始時において好ましくは7から9の範囲にある。反応が進行するにつれて、混合物のアルカリ性度および架橋性アミンの濃度は減少する。所望されるより高い共有結合塩素の割合が反応生成物中に存在する場合、例えば、一官能性第3級アミンである更なる反応体が添加され得、および/または出発架橋性反応体が第2級モノアミンである場合、pHが好ましくは7から9の範囲に維持されるように、アルカリ金属水酸化物好ましくは水酸化ナトリウムのような適当な強塩基が添加することができる。反応が完了したまたは所望度に達した時、反応混合物は、適当には、慣用の酸好ましくは鉱酸(塩酸、硫酸またはリン酸のような)または低分子脂肪族カルボン酸例えば1から6個の炭素原子を有するもの(ギ酸、酢酸、クエン酸または乳酸のような)の添加により酸性化されて、好ましくは7未満一層好ましくは4から7の範囲最も好ましくは5から6.5の範囲のpHに達する。反応の進行は、架橋度すなわち四級化度の経験的印象を与える反応混合物の粘度を調べることにより追跡することができる。適当な粘度は、例えば、200から3,000cPの範囲にある。
【0046】
(P)の生成の際に−(B)の不存在下で−反応体の濃度は、好ましくは、生じる水性生成物中の(P)の濃度が重量により10から75%好ましくは20から70%の範囲になるように選ばれる。
【0047】
好ましいポリマー(P)は、
(PA1) エピクロロヒドリンとオリゴヒドロキシアルカン特に式(IIIa)または好ましくは(IIIa′)のものとの反応およびアミンとの更なる四級化反応により得られたポリマー、
【0048】
および
(PA2) エピクロロヒドリンとポリアルキレングリコール特に式(IIIb)のもの好ましくはポリエチレングリコールとの反応および四級化性アミンとの更なる反応により得られたポリマーである。
【0049】
上記の中で、(PA1)が好ましい。
【0050】
(PAB)の製造のために、生成ポリマー(P)は、所望される場合別のカチオン性ポリマー特にカチオン性デンプンとの混合状態にて例えば20%までの後者対(P)の重量(質量)比にて、好都合には水溶液の形態にて、(B)の水溶液と一緒にすることができる。しかしながら、好ましくは−(PAB)の製造のために−、(P)はいかなる他のカチオン性ポリマーとも一緒にされない。本方法の一つの特徴によれば、(B)の水溶液は(P)の水溶液に、好ましくは少しずつおよび加熱状態で例えば40℃から沸騰までの範囲好ましくは40から90℃の範囲の温度にて添加される。(PAB)の製造方法の好ましい特徴によれば、(B)の溶液は、(P)の重合および/または架橋が完了する前に、(PPA)に添加される。(PA1)または(PA2)からの組成物(PAB)の製造のために、蛍光増白剤(B)の少なくとも一部を架橋反応が完了する前に添加しそして(B)の溶液の残部を架橋反応中に添加し、その結果蛍光増白剤アニオンの少なくとも一部が(PA1)または(PA2)のカチオンの少なくとも一部に対する対イオンであり且つ(B)もまた(PA1)または(PA2)により同伴されている(または絡み合っている)水性組成物が得られるようにすることが好ましい。pHは、適当には、(P)と(B)との塩形成に有利であるように、好都合には弱酸性から明らかにアルカリ性の範囲にて、好ましくは5から10一層好ましくは5.5から9の範囲のpHに選ばれる。(B)対(P)またはその前駆体(PPA)の比率は、得られる生成物(PAB)がアニオン特性((B)中に存在するアニオン性基(すなわち、スルホ基およびカルボキシ基)に因る総アニオン電荷またはpKが(P)の第4級アンモニウム基に因る総カチオン電荷またはpKより優勢であることを意味する)を有するように選ばれる。好ましくは、(P)中または(PAB)中のそれぞれのカチオン特に第4級カチオンの数は、(B)で導入されるアニオンの数に等しいかまたは劣る。(B)で導入される全アニオン性基対(P)または(PAB)中のそれぞれの全第4級アンモニウム基の比率は、例えば、80/100から1,000/100好ましくは100/100から600/100一層好ましくは>100/100の範囲、特に102/100から250/100好ましくは105/100から180/100の範囲にある。(B)対(P)の重量(質量)比は、相応して適当な具合に選ばれる。(B)対(P)の適当な前駆体の重量(質量)比は、相応して選ばれる。(PAB)のアニオン性度、すなわち存在する全スルホおよびカルボキシ基の総アニオン強度は、存在する第4級アンモニウム基の総カチオン強度より優勢である。(P)とかかり合っていない(B)のアニオン性基の数は、(PAB)のグラム当たりのミリ当量数で表して、好ましくは、(B)とかかり合っていない(P)のカチオン性基の数に等しいかまたは多い(好ましくは、少なくとも0.1meq/g多い)。その差は、例えば、0から1.2meq/g好ましくは0から1meq/g一層好ましくは0から0.85meq/gの範囲にある。アニオン性度は、例えば、光電池を備えた「電荷分析計」により、指示薬としてトルイジンブルー(青=カチオン性からピンク=アニオン性)を用いて、pH4、7および9(塩酸または水酸化カリウム溶液により調整される)において、硫酸カリウムポリビニル溶液(例えば、0.00052N)での0.1重量(質量)%(PAB)溶液の滴定により滴定することができる。
【0051】
成分の添加速度および濃度は、好都合には、得られる溶液の粘度の明確な増分が起こり且つ組合せ生成物(PAB)の溶液が依然として容易に撹拌可能である(例えば、5,000cP未満好ましくは200から4,000cP一層好ましくは400から2,000cPの範囲の粘度を有する)ように選ばれる。(B)の溶液についての適当な濃度は、5から70好ましくは10から50重量(質量)%の範囲にある。(P)の溶液についての適当な濃度は、10から80好ましくは20から70重量(質量)%の範囲にある。(PAB)の生成溶液または分散体についての適当な濃度は、10から90好ましくは20から80重量(質量)%の範囲にある。これらの濃度についての特に好ましい粘度は、500から2,000cPの範囲にある。(PAB)の得られた水性組成物(W)は、水溶液すなわち真溶液もしくは少なくともコロイド溶液、または分散体である。(W)中の(PAB)含有率は、特に予定使用および輸送形態に依存して、広く変動することができる。濃厚組成物(W)において、(PAB)含有率は、例えば、重量により5から70%好ましくは8から50%一層好ましくは10から40%である。それは生成されたまま直接的に用いられ得、あるいは−所望される場合−それは塩の含有率および/もしくは濃度について変えられ得(例えば膜濾過によって、溶液に)並びに/またはそれはいかなる更なる所望成分特に少なくとも1種の処方添加剤(F)と一緒にすることができる。適当な処方添加剤は、一般に本質的に慣用のもの、特に
【0052】
(F)抗微生物添加剤、
(F)pH調整用の酸、塩基もしくは/および緩衝塩、
(F)ヒドロトロープ
並びに/または
(F)消泡剤
である。
【0053】
添加剤(F)は、特に、微生物の損傷効果に抗するための添加剤例えば妨害微生物の成長を停止する薬剤または殺微生物剤(好ましくは、殺真菌剤)(例えば、液状組成物に関して0.001から0.1重量(質量)%の濃度にて)である。
【0054】
(F)として、pHを所望値((W)特に濃厚(W)について、例えば4から7好ましくは4.5から6.5一層好ましくは5から6の範囲にある)に調整するのに適しているような、蛍光増白剤または紙工業において慣用のいかなる酸、塩基または緩衝剤(例えばアルカリ金属水酸化物、鉱酸または有機脂肪酸、およびリン酸塩緩衝剤、例えばリチウム、ナトリウムもしくはカリウムの水酸化物、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸もしくはシュウ酸、および/またはリン酸一もしくは二ナトリウム)も適している。
【0055】
ヒドロトロープ(F)例えば尿素またはオリゴエチレングリコール(例えば、(PAB)の1から20重量(質量)%の濃度にて)は、所望される場合使用することができる。好ましくは、(F)は、(W)において全く用いられない。
【0056】
(F)として適当な消泡剤もまた慣用のものであり、例えばパラフィンまたはシリコーンを基剤とした消泡剤である。それらは、非常に低い濃度にて、例えば液状組成物に関して0.001から0.1重量(質量)%の範囲にて使用することができる。
【0057】
(W)の粘度は有利には5,000cP未満であり、濃厚組成物(W)についてはそれは好ましくは200から4,000cP一層好ましくは400から2,000cPの範囲にある。
【0058】
そのように製造された組成物(W)は、蛍光増白剤としての成分(B)の性質並びに製紙の際の内部または外部添加剤としての例えば凝集剤、濾水助剤、留り助剤および/または定着剤としての成分(P)の性質を併せ持ち、またサイジングまたはコーティング用組成物の成分特にバインダー、白色ピグメントおよび充填材と適合することができる。本発明の蛍光増白剤(PAB)組成物(W)は、特に、紙ウエブまたはシートの形成前、中または後の任意の時点においてアニオン性蛍光増白剤を添加する可能性を与える。これは、例えば、本発明の多機能性組成物が紙シートを直ちに作製する必要なしに水性紙料中にも添加することができること、あるいはそれがサイジング用組成物−無機充填材を含有するサイジング用組成物も−と一緒にまたはサイジング用組成物において使用することができる(サイズ紙を製造するために紙料中においてまたはシートもしくはウエブの形成後にサイズプレスにおけるサイジング用組成物の施用により本質的に慣用的に用いられるように)こと、あるいはそれがコーティング用組成物特に無機白色ピグメントを含有する組成物において一緒にすることができることを意味する。本明細書において用いられる場合の用語「紙」は、文字通りの紙のみならず、比較的重い紙品種特にボール紙(ペーパーボード(「板紙」)、カードボード(「カード用厚紙」)、ボックスボード(「箱用板紙」))、およびキャスト紙形材も含めて、製紙工業において得ることができるいかなる製品も含む。
【0059】
(B)対(P)の比率を非常に広い範囲にて変動させることが可能であるために、本発明の蛍光増白剤(PAB)組成物または(W)は、それぞれ、相応して高度の白色度およびまた高い白色度最大値を達成するために所望することができるように、(B)対(P)の割合を非常に高い比率まで増加させる可能性を呈する。
【0060】
本発明の特定の特徴によれば、異なるアニオン性度の生成物(PAB)を混合して、例えば高アニオン性蛍光増白剤(PAB1)を低アニオン性蛍光増白剤(PAB2)と所要比率にて混合することにより、或る所望アニオン性度目標値に合わせることも可能である。この目的のために、(PAB1)は、例えば、その(B)の全アニオン性基対その(P)の全第4級アンモニウム基の比率が>150/100特に180/100から600/100好ましくは200/100から400/100の範囲にある蛍光増白剤(PAB)であり得、そして(PAB2)は、例えば、その(B)の全アニオン性基対その(P)の全第4級アンモニウム基の比率が≦150/100特に80/100から150/100好ましくは100/100から120/100例えば100/100から105/100の範囲にある蛍光増白剤(PAB)であり得、しかも(PAB1)中のおよび(PAB2)中のポリマー(P)は同じであり且つ(PAB1)中のおよび(PAB2)中の蛍光増白剤(B)は同じである。好ましいアニオン性度にある或る(PAB)例えばその(B)の全アニオン性基対その(P)の全第4級アンモニウム基の比率が105/100から180/100の範囲にある蛍光増白剤(PAB3)に相当するより幾分高いまたは低いアニオン性度を用いることが所望される場合、これは(PAB1)または(PAB )のそれぞれの相応する調整量と混合され得、しかも(PAB3)中のおよび混合される(PAB1)または(PAB2)中のポリマー(P)は同じであり且つ(PAB3)中のおよび混合される(PAB1)または(PAB2)中の蛍光増白剤(B)は同じである。この目的のために、生成物(PAB1)と(PAB2)のペアまたは生成物(PAB3)と(PAB1)もしくは(PAB2)のどちらかとのペアは、好ましくは、(B)に関して同じ濃度の水性組成物(W)すなわち(W)と(W)または(W)と(W)もしくは(W)の形態にて用いられる。
【0061】
本発明の別の側面によれば、蛍光増白剤(PAB)組成物(W)は、紙ウエブもしくはシートまたは形材の形成前にそれらを紙料中に添加することにより蛍光増白紙を製造するのに適している。
【0062】
好都合には上記に記載された方法により生成されたままの水性組成物の形態の、本発明の(PAB)組成物は、いかなる割合にても水と容易に希釈可能である。それらは、紙の製造からのバックウォーター(白水)中のバックウォーター成分例えば濁り成分の量を減少するための紙の製造の際の助剤として、特に定着剤として、および蛍光増白紙を製造するための蛍光増白剤として同時に働く。しかしながら、本発明の(PAB)組成物はまた、紙料中に存在または添加することができる他のカチオン性添加剤または成分(例えば、留り剤および/またはカチオン性界面活性剤)、およびまた他のアニオン性添加剤とも適合することができる。
【0063】
かくして、本発明の特定の特徴は、蛍光増白紙の製造方法において、上記に定められた水性(PAB)溶液または分散体(W)を、所望により他のカチオン性添加剤の存在下で、機能性内部または外部添加剤として用いる方法によっても表される。
【0064】
かくして、本発明はまた、水性紙料から紙特に紙ウエブまたはシートを製造する方法において、(PAB)または(W)をそれぞれ多機能性助剤として、特に蛍光増白剤として且つ定着剤として用いる方法を提供する。水性紙料として、製紙のために用いられるいかなる紙料(特に、セルロース紙料)も予定され、しかしてパルプ懸濁液は、製紙のために慣用的に用いられるようないかなる源例えばバージン繊維(ケミカルまたはメカニカルパルプ)、機械損紙(特に、コーテッド損紙)および古紙(特に、脱インクされたおよび所望により漂白された古紙)に由来することができる。水性製紙用パルプまたは紙料はまた、サイズ剤、充填材、凝集剤、濾水および/または留り助剤のような、或る品質のために所望することができるような更なる添加剤を含有し得、しかしてこれらの添加剤は、好ましくは、(PAB)の添加前、同時または後にいかなる所望の順序にても添加される。紙料濃度は、使用されるパルプ、機械、方法および所望紙品質にとって適当であるいかなる慣用範囲にても、例えば乾燥パルプの0.4から10%好ましくは0.8から6%(重量による)の範囲にて変動することができる。本発明の特定の特徴によれば、コーテッド損紙および/または漂白、脱インクされた古紙からのパルプ(所望により他のパルプとブレンドされる)が用いられる。
【0065】
蛍光増白剤(PAB)は、乾燥パルプに関して、好ましくは0.05から0.5重量(質量)%一層好ましくは0.1から0.4重量(質量)%の範囲の濃度にて用いられる。pHは、弱塩基性から明らかに酸性の範囲好ましくはpH4からpH8一層好ましくはpH5からpH7の範囲にあり得る。紙は、本質的に慣用の態様にて、いかなる慣用製紙機を用いても製造することができる。生じるバックウォーターは、減少汚染物含有率を有し、特に減少濁度を有し、そして従ってBODおよび/またはCODのそれぞれの値もまた減少される。
【0066】
本発明の更なる側面によれば、組成物(PAB)は、紙ウエブもしくはシートまたは他の形材の形成後に紙基材に施用されるサイジングまたは/およびコーティング用組成物中にそれらを添加することにより、蛍光増白され且つサイジングまたは/およびコーティングされた紙を製造するのに適している。
【0067】
サイジング用組成物は、慣用成分、特にバインダーおよび所望により共バインダー、充填材、ピグメント、分散剤並びに/または本質的に慣用の更なる助剤を含有することができる。
【0068】
サイジング用組成物において慣用のいかなるバインダーおよび共バインダーも用いられ得、しかしてそれらは、例えば、所望により改質された天然製品例えばデンプン(例えばデンプンまたはデンプン誘導体、特に天然デンプン、カチオン性デンプンまたはアニオン性デンプン)、カゼイン、ダイズタンパク質もしくは改質セルロース(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、または合成ラテックス例えばスチレン/ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、ビニルアセテートポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよび所望によりポリウレタンである。それらは、サイジング用組成物において本質的に慣用の濃度にて、好ましくは水性サイジング用組成物の1から20%一層好ましくは2から12%(重量による)の範囲にて使用することができる。
【0069】
所望される場合、サイジング用組成物は、無機の充填材またはピグメントを含有することができる。充填材またはピグメントとして、慣用のものを使用することができる。しかしながら、それらは好ましくはいかなる充填材も含有せず、そして一層好ましくはピグメントも含有しない。
【0070】
蛍光増白剤(PAB)は、乾燥紙に関して、好ましくは0.02から0.5重量(質量)%一層好ましくは0.05から0.2重量(質量)%の範囲の濃度にて用いられる。pHは、弱塩基性から明らかに酸性の範囲好ましくはpH4からpH8一層好ましくはpH5からpH7の範囲にあり得る。紙ウエブもしくはシートまたは他の形材は、いかなる慣用製紙機を用いても製造することができる。
【0071】
コーティング用組成物は、慣用成分、特に無機ピグメント、バインダー(例えば、上記に挙げられたものから選択される)、分散剤(ポリアクリレートまたはポリホスフェート)および所望により本質的に慣用の更なる助剤を含有することができる。
【0072】
無機ピグメントは、一般に、白色ピグメントまたは充填材(もしくは充填剤)として通常用いられそしてとりわけに製紙の際に非着色形態にて慣用的に用いられるところの、公知の無機物質を含む。
【0073】
無機のピグメントまたは充填材は、天然に存在ししかも所望により物理的に改質されたまたは合成的に製造されたそして好ましくは特に紙用コーティング剤においてまたは充填材もしくは充填剤として紙シートにおいて(例えば、サイズ剤中にまたはまた製紙用パルプ懸濁液中に添加されるように)用いられるような、いかなるかかる物質でもあり得る。それらは、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、亜鉛の酸化物および硫化物、並びに無機塩例えば低原子価イオン、主としてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたは土類金属イオン、特にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよび/またはアルミニウムのケイ酸塩、アルミン酸塩、チタン酸塩、硫酸塩および炭酸塩のような、鉱物物質および合成的に製造された無機物質を包含することができる。次のものが、例として挙げることができる。すなわち、二酸化チタン(ルチル、アナターゼ)、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、硫酸カルシウム(セッコウまたは硬セッコウ)、様々な形態のシリカ(例えば、ケイソウ土のような無定形シリカ)、アルミナ三水和物、シリコアルミン酸ナトリウム、タルク(MgO・4SiO・HO)、硫酸バリウム(バライト、永久白)、スルホアルミン酸カルシウム(サテンホワイト)、クリソタイル、様々な度合の白色度のチャイナクレー(主としてAl・SiO・HOおよび所望により酸化鉄、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウムおよび/または酸化カリウムのような更なる金属酸化物を含む)および様々な形態(鉱物天然形態または合成沈殿および/もしくは結晶化形態)の炭酸カルシウム。それらは、商業的に入手できるような、特に様々な度合の白色度例えば>80たいてい>82の白色度(ISO法に従って測定される)の形態にて使用することができるが、しかしまた白さの劣る製品、例えば≦82または≦80さえの例えば70から80の範囲の白色度(分光測光法にて測定することができるような、例えばCIE白色度)のものも使用することができる。
【0074】
ピグメントまたは充填材の粒子サイズは、慣用方法により例えば粉砕および/もしくは摩砕並びに/または−必要とされる場合−篩処理(「篩分け」)およびスクリーン処理(「スクリーニング」)によりあるいは適当な沈殿および/または(微)結晶化法により得ることができるような、通常の範囲例えば0.1から40μmの範囲にあり得る。商業的に入手できる製品は、たいてい、一般に或る割合の0.1μmより小さい粒子(粉塵)および/または40μmより大きいいくらかの顆粒を含有する。これらの比較的大きいサイズの成分は、好ましくは≦20重量(質量)%一層好ましくは≦10重量(質量)%である。かかる無機ピグメントの平均粒子サイズは、好ましくは0.1から20μm一層好ましくは0.2から10μm最も好ましくは0.2から5μmの範囲内にあり、しかして粒子の好ましくは少なくとも75%一層好ましくは≧80%がこれらの範囲内にある。好ましい無機のピグメントおよび充填材は、例えば、5から24m/g好ましくは7から18m/gの範囲の比表面積を有する。挙げられたピグメントおよび充填材の中で、炭酸塩特に炭酸カルシウムを含むものが好ましい。
【0075】
無機のピグメントおよび充填材は、商業的に入手できる形態にて用いられ得、しかしてそれらはまたその表面上に慣用の分散剤または湿潤剤例えばポリホスフェートを、通常のような例えば<0.5重量(質量)%好ましくは<0.3重量(質量)%の適当な低濃度にて含み得る。本発明の目的にとって、かかる界面活性剤の存在は必須ではなく、そしてピグメントもまた分散剤または湿潤剤不含であり得る。上記に記載されたように、ピグメントは商業的に入手できるような形態にて用いられ得、特にそれは乾燥形態にてまたは濃厚水性スラリー例えば40から70重量(質量)%の範囲の固形分含有率を有するものの形態にて使用することができる。
【0076】
コーティング用組成物の製造のために、蛍光増白剤(PAB)組成物(W)は、蛍光増白剤を除く慣用のコーティング用組成物成分、特にピグメント、分散剤、接着剤および水並びに所望により更なる助剤(泡止め剤または消泡剤、流れ調整剤、滑剤および所望により表面仕上げ剤または助剤のような)と混合することができる。
【0077】
所望される場合、(PAB)で前処理された白色ピグメントまたは充填材が、水性スラリーの形態にてまたは乾燥形態にてさえ製造することができる。この目的のために、無機の白色ピグメントまたは充填材は、例えば水性媒質中で(PAB)または(W)とそれぞれ混合され得、あるいは(PAB)の溶液または分散体(W)が乾燥無機白色ピグメントまたは充填材粉末上に撹拌状態で吹き付けることができる。生成された水性懸濁液は、所望することができる場合、濾過および乾燥されて、相当する粒子サイズの乾燥粒子形態の(PAB)含有白色ピグメントまたは充填材にすることができる。所望される場合、それは、より大きい集塊状粒子に、例えば圧縮により例えば顆粒、ペレットまたはタブレットに集塊化することができる。この方法は、好ましくは、反応を妨害する具合に妨害する更なる機能性添加剤の実質的に不存在下で、特に他の機能性製紙用添加剤および成分(樹脂、繊維および/または紙用サイズ剤成分のような)の不存在下で行われる。(PAB)対無機のピグメントまたは充填材の重量(質量)比−それぞれの乾燥形態に関して−は、所望の使用および効果に依存して広範囲にあり得る。それは、例えば、0.01:100から10:100好ましくは0.2:100から5:100一層好ましくは0.3:100から4:100の範囲にあり得る。圧縮乾燥形態について、この重量(質量)比は、好ましくは0.01:100から3:100一層好ましくは0.2:100から2:100の範囲にある。
【0078】
蛍光増白剤組成物(PAB)は、例えば0.1から700g/lの範囲の濃度の、水性溶液または分散体(W)の形態にて、無機ピグメントにいかなる適当な方法によっても施用することができる。無機ピグメントが水性スラリーの形態にて用いられる場合、(PAB)組成物(W)は、好ましくは濃厚溶液または分散体−例えば20g/lから700g/lの範囲好ましくは50g/lから600g/lの範囲の濃度の−であり、そしてそれと所望の割合にて、例えば普通の撹拌によりおよび所望により加熱もしくは冷却状態で、例えば5から60℃好ましくは10から40℃の範囲の温度にて一層好ましくはわずかな加熱状態で例えば25から40℃の温度範囲にて、または何ら加熱もしくは冷却することなく周囲条件にて混合することができる。無機ピグメントが乾燥形態にある場合、(PAB)の吹付け可能な好ましくは一層希釈された水性溶液または分散体−例えば0.1から40g/l好ましくは0.5から20g/lの範囲の濃度の−が、例えば、吹付けおよび混合により、所望により加熱もしくは冷却状態で、例えば5から60℃好ましくは10から40℃の範囲の温度にて一層好ましくはわずかな加熱状態で例えば25から40℃の温度範囲にて、または何ら加熱もしくは冷却することなく周囲条件にて施用することができる。(PAB)の水性組成物(W)のpHは、広範囲例えば弱酸性から弱塩基性の範囲特にpH5からpH8好ましくはpH5.5からpH7.5の範囲にあり得る。
【0079】
無機の白色ピグメントまたは充填材への(PAB)または(W)のそれぞれの施用の生成物であるところの、そのように改質された白色ピグメントまたは充填材は、無機の白色ピグメントまたは充填材の物理的性質と(PAB)の化学的性質とを併せ持つ。すなわち、それらは紙の製造の様々な段階においてピグメントまたは充填材として用いられ得、また(PAB)中の(B)対(P)の割合を高度に増加させることが可能であるために、それらは非常に高度の白色度およびまた非常に高い白色度最大値を達成する可能性を与え、更にそれらは濾水、留りおよび定着に有利であり、また圧縮形態は水中に容易に分散可能であって正則懸濁液を生じ、しかして該正則懸濁液は、増白剤と充填材または白色ピグメントとを含有するコーティング剤、サイズ液または製紙用パルプ懸濁液を製造するために使用することができる。これらの増白剤で処理された白色ピグメントはまた、濾水助剤、留り助剤および定着剤のような紙の製造の際に使用することができる他のカチオン性製品と、例えばカチオン性デンプンと容易に適合することができる。
【0080】
かくして、本発明はまた、水性紙料から紙特に紙ウエブまたはシートを製造する方法において、(PAB)で処理された白色ピグメントまたは充填材を白色ピグメントまたは充填材として用いる方法を提供する。
【0081】
(PAB)または(W)のそれぞれの使用により、凝集剤、留り助剤または濾水助剤のような他のウエットエンド用添加剤特にカチオン性のものの効率の改善も達成され得、また最適品質の紙を得ることができる一方、妨害アニオン性汚染物に因る紙の破損の発生が相応して減少され、また蛍光増白剤(B)の効率は最適であり、また高歩留りにて非常に正規の白色度の紙を得ることができる。そのように製造された紙はグラフィック用紙として適しており、また特にインクジェット印刷用基材として使用することができる。
【0082】
次の例において、別段指摘されていなければ、部および百分率は重量による。重量(質量)部は、ミリリットル数に対するグラム数としての容量部数に関する。温度は、摂氏度にて指摘されている。応用例DおよびEにおいて、゜SRはショッパー−リーグラー度を意味し、そしてp%およびサイズ剤百分率は出発水性パルプ懸濁液に対する重量に関する。
【実施例】
【0083】
実施例1
オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、滴下漏斗および検定済み温度計を備えている密閉容器中で、ソルビトール70.2部をグリセロール35.5部と混合しそして90℃に加熱して、溶液を形成させる。この溶液を80℃に冷却しそして三フッ化ホウ素酢酸錯体(M187.91)0.5部を添加し、そしてこの触媒が反応混合物の全体にわたって完全に分散されるまで撹拌を続ける。エピクロロヒドリン10部を80℃にて添加し、その結果発熱が生じることになる。次いで、エピクロロヒドリンの更なる202.1部を、冷却状態で80〜85℃にて1時間にわたって添加する。次いで、この反応混合物を30℃に冷却し、容器中の空気を排出し、60%ジメチルアミン水溶液86.8部を導入し、そしてこの反応混合物をゆっくり90℃に加熱しそして80〜90℃に1時間保つ。次いで、真空を解放し、そしてこの反応混合物を60℃に冷却する。この温度にて、式
【0084】
【化6】
Figure 2005505667
【0085】
の蛍光増白剤(L−アスパラギン酸を用いて製造された)のナトリウム塩の18%水溶液971.0部および30%水溶液の形態の水酸化ナトリウム90.4部を65〜70℃にて添加する。この混合物を65〜70℃に保ち、しかしてそれは重合するにつれてゆっくり増粘する。この反応混合物が1,000cPの粘度に達した時、5.5のpHを生じるべくギ酸20部の添加により反応を停止させる。
【0086】
実施例2
実施例1に記載された手順を繰り返すが、蛍光増白剤溶液971.0部の代わりにその1294.8部を用いることが相違する。
【0087】
実施例3
実施例1に記載された手順を繰り返すが、蛍光増白剤溶液971.0部の代わりにその1553.6部を用いることが相違する。
【0088】
実施例4
実施例1に記載された手順を繰り返すが、蛍光増白剤溶液971.0部の代わりにその1942.0部を用いることが相違する。
【0089】
実施例5〜8
実施例1〜4の各々に記載された手順を繰り返すが、L−アスパラギン酸を用いて製造された式(1)の蛍光増白剤の代わりに、ラセミアスパラギン酸を用いて製造された式(1)の蛍光増白剤を用いることが相違する。
【0090】
実施例9
実施例1に記載された手順を繰り返すが、式(1)の蛍光増白剤のナトリウム塩の18%溶液971.0部の代わりに、式
【0091】
【化7】
Figure 2005505667
【0092】
の蛍光増白剤(L−グルタミン酸を用いて製造された)のナトリウム塩の18%溶液989.0部を用いることが相違する。
【0093】
実施例10〜12
実施例2〜4に記載された手順を繰り返すが、式(1)の蛍光増白剤の18%溶液の指摘量の代わりに、式(2)の蛍光増白剤の18%溶液の当量を用いることが相違する。
【0094】
応用例A
実施例1の生成物の予定量(蛍光増白剤に関して0、1.25、2.5、5、7.5および10mmol/kg)を、典型的なサイズプレス用デンプン(典型的には、National StarchからのCATO-SIZEのようなカチオン性デンプンまたはTunnel AvebeからのPerfectamylのようなアニオン性デンプン)の撹拌されている水溶液に60℃にて添加することにより、サイジング用溶液を作製する。この溶液を水で希釈して、10%のデンプン含有率濃度にする。このサイジング用溶液を実験室用サイズプレスの移動ローラー間に注ぎ、そして商業用の75g/mの、中性サイジングされた(慣用のアルキルケテンダイマーで)漂白原紙シートに、基材の乾燥重量に関して30重量(質量)%の吸収量まで施用する。この処理紙を、平床型乾燥機において70℃にて5分間乾燥する。この乾燥紙を状態調節し、次いで検定済みDatacolor ELREPHO 2000分光光度計にてCIE白色度について測定する。これらの測定値は、実施例1の生成物で処理されたシートについて、驚くべきほど高い白色度および歩留りを示す。
【0095】
応用例B
白亜(2.7のISO787/10による密度を有する微細な白色の高純度炭酸カルシウム,スイス国オフトリンゲンのPluess-Stauffer AGの商品名HYDROCARB OG下で商業的に入手できる)3,000部、水1,932部、アニオン性分散剤(ナトリウムポリアクリレート)18部およびラテックス(pH7.5〜8.5のn−ブチルアクリレートとスチレンのコポリマーラテックス,商品名ACRONAL S320D下で商業的に入手できる)600部を含有するコーティング用組成物を作製する。実施例1の生成物の予定量(蛍光増白剤に関して0、0.313、0.625、0.938、1.25および1.875mmol/kg)を該コーティング用組成物に撹拌状態で添加し、そして水の添加により固形分含有率を55%に調整する。次いで、そのように作製されたコーティング用組成物を、自動式線巻バー型アプリケーターを用いて、標準速度設定およびバー上の標準荷重で、商業用の75g/mの、中性サイジングされた(慣用のアルキルケテンダイマーで)漂白原紙シートに施用する。このコーテッド紙を、熱空気流中で70℃にて5分間乾燥する。この乾燥紙を状態調節し、次いで検定済みDatacolor ELREPHO 2000分光光度計にてCIE白色度について測定する。これらの測定値は、実施例1の生成物で処理されたシートについて、驚くべきほど高い白色度および歩留りを示す。
【0096】
応用例C
応用例Bに記載された手順を繰り返すが、白亜HYDROCARB OG3,000部の代わりに、白亜HYDROCARB 90(英国のOmyaから)3,000部を用いることおよびアニオン性デンプン(Tunnel AvebeからのPerfectamyl A4692)150部を更に添加することが相違する。
【0097】
応用例D
パルプ懸濁液(約20゜SRの叩解度に叩解されたところの漂白された針葉樹および広葉樹パルプの50%混合物の2.5%水性懸濁液)200gをビーカー中に計り取り、そして撹拌する。この懸濁液を1分間撹拌し、そして実施例1の生成物p%を添加する(p=0、0.1、0.2、0.4、0.8、1、1.4、1.8および2;p=0はブランク表す)。添加後、この混合物を更に0.5分間撹拌し、そして次いで中性サイズ剤1.7%(3.4g)を添加する(典型的には、水中のAquapel 360X2.5gの分散体−Aquapel 360XはHercules Ltd.からのアルキルケテンダイマーサイズ剤懸濁液である)。サイズ剤の添加後、留り助剤が添加されてもよい−典型的にはCartaretin PC。次いで、この混合物を1リットルに希釈し、そして紙シートを実験室用シート形成機にて形成させる(基本的には、これは底部に金網を備えたシリンダーである−該シリンダーに水を部分的に満たし、パルプ懸濁液を添加し、次いで空気を吹き込んでパルプが充分に分散されるのを確実にし、次いで真空を適用して該金網を通じてパルプスラリーを引いて紙シートを残し、そしてこのシートを該金網から取り去り、そして圧搾しそして乾燥する)。Datacolor ELREPHO 2000分光光度計を用いて、シートの白色度を測定する。これらの測定値は、実施例1の生成物で処理されたシートについて、驚くべきほど高い白色度および歩留りを示す。
【0098】
応用例E
パルプ懸濁液(約20゜SRの叩解度に叩解されたところの漂白された針葉樹および広葉樹パルプの50%混合物の2.5%水性懸濁液)200gをビーカー中に計り取り、そして撹拌する。この懸濁液を1分間撹拌し、そして実施例1の生成物p%を添加する(p=0、0.1、0.2、0.4、0.8、1、1.4、1.8および2;p=0はブランク表す)。添加後、この混合物を更に5分間撹拌しそして次いでロジンサイズ剤溶液2%を添加し(典型的には、Herculesからの「T size 22/30」)、この混合物を更に2分間撹拌しそして次いでミョウバン溶液(水1リットル中ミョウバン50g)3mlを添加し、そしてこの混合物を更に2分間撹拌する。次いで、この混合物を1リットルに希釈し、そして紙シートを実験室用シート形成機にて形成させる。Datacolor ELREPHO 2000分光光度計を用いて、シートの白色度を測定する。これらの測定値は、実施例1の生成物で処理されたシートについて、驚くべきほど高い白色度および歩留りを示す。
【0099】
実施例1の生成物と類似して、実施例2から12の各々の生成物が、上記の応用例A、B、C、DおよびEにおいて用いられる。

Claims (12)


  1. Figure 2005505667
    〔式中、各nは、独立して、1または2を意味し、
    浮動結合(floating bond)で示された基SOMは、4または5位に結合され、
    各Mは、独立して、当量の非発色団カチオンを意味し、
    各M′は、独立して、水素またはMを意味する〕
    の蛍光増白剤(PAB)であって、
    且つ、(PAB)のカチオンMの少なくとも一部は、ヘテロ原子環員(member)または鎖員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリオール/エピクロロヒドリン/アミンポリマー(P)のカチオン性基であり、そしていずれの残部も、アルカリ金属カチオン、非置換アンモニウム並びにC1−3アルキルまたは/およびC2−3ヒドロキシアルキルで置換されたアンモニウムから選択されたカチオンであり、
    ポリカチオン性ポリマー(P)は、その第4級アンモニウム基の一つまたはそれ以上によって少なくとも部分的に架橋されているポリマーであり、
    (P)のカチオン性基に対するいずれの残りの対イオンも、低分子酸の非発色団アニオンであり、
    且つ、(PAB)のアニオン性蛍光増白剤部分中の全アニオン性基対(PAB)のポリカチオン性ポリマー(P)部分中のカチオン性アンモニウム基の全量の比率は≧80/100である蛍光増白剤(PAB)。
  2. 請求項1に記載の蛍光増白剤(PAB)を含む液状水性蛍光増白剤組成物(W)。
  3. 少なくとも1種の処方添加剤(F)を更に含有する、請求項2に記載の液状水性組成物(W)。
  4. (PAB)のアニオン性蛍光増白剤部分中の全アニオン性基対(PAB)のポリカチオン性ポリマー(P)部分中のカチオン性アンモニウム基の全量の比率が、100/100から600/100の範囲にある、請求項1に記載の蛍光増白剤(PAB)または請求項2または3に記載の水性組成物(W)。
  5. 請求項2に記載の水性組成物(W)の形態の請求項1に記載の(PAB)の製造方法において、アニオン性蛍光増白剤(B)中の全アニオン性基対ポリカチオン性ポリマー(P)中のカチオン性アンモニウム基の全量が≧80/100になるような当量比にて、
    (B) 式
    Figure 2005505667
    〔式中、各nは、独立して、1または2を意味し、
    そして
    浮動結合で示された基SOHは、4または5位に結合され、しかも遊離酸またはアルカリ金属もしくは/およびアンモニウム塩形態にあり、該アンモニウムは置換されていないかまたはC1−3アルキルもしくは/およびC2−3ヒドロキシアルキルで置換されている〕
    のアニオン性蛍光増白剤の水溶液を、
    (P) ポリマーのヘテロ原子鎖員または環員として塩形態の第4級アンモニウム基を含有するポリカチオン性ポリオール/エピクロロヒドリン/アミンポリマーであって、しかも該ポリマーはその第4級アンモニウム基の一つまたはそれ以上によって少なくとも部分的に架橋されており、且つカチオン性第4級アンモニウム基に対する対イオンは鉱酸のアニオン、低分子カルボン酸のアニオンまたは四級化剤由来のアニオンであるポリマー
    の水溶液に添加するか、
    あるいは遊離酸またはアルカリ金属塩の形態の(B)の水溶液を(P)の前駆体(PPA)に重合および/または架橋の完了前に添加し、そして重合および/または架橋反応を(B)の存在下で完了させて、少なくとも部分的に同伴されたまたは絡み合った塩形態の(B)を含有するポリマー(PAB′)である生成物(PAB)の溶液または分散体を生じさせ、
    且つ得られた生成物(PAB)が液状水性組成物(W)の形態にある方法。
  6. 1種またはそれ以上の請求項3に記載の処方添加剤(F)を、(PAB)の生成の完了後に添加する、請求項5に記載の方法。
  7. アニオン性蛍光増白剤で増白可能な基材を蛍光増白するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の(PAB)または(W)の使用。
  8. 紙またはボール紙の蛍光増白のための、請求項7に記載の使用。
  9. 増白剤含有の白色ピグメントまたは充填材(filler)であって、水性スラリーの形態または乾燥形態の、請求項1または4に記載の蛍光増白剤(PAB)を含む白色ピグメントまたは充填材。
  10. (PAB)と充填材または白色ピグメントとが所望により請求項9に記載の形態にあるところの充填材または白色ピグメントを含有するサイズ剤またはコーティング剤組成物中の(PAB)または(W)の施用による、紙を蛍光増白するための請求項7または8に記載の使用。
  11. 請求項7、8または10に記載の方法により製造された紙。
  12. インクジェット印刷用基材(substrate)としての、請求項11に記載の紙の使用。
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