JP2005505431A - 回転出力シャフトと過負荷保護装置を備えた手持動力工具 - Google Patents

Abstract

手持動力工具が、回転モーター（１１）と、出力シャフト（１４）と、歯車（１３）と、歯車（１３）をモーターに接続する駆動スピンドル（１２；１１２）とを備え、動力伝達径路停止ロック装置（１７；１１７）が、作業器具取付け装置（１５）を簡単に緩め且つ／または締め付けるために配置され、解放可能な安全クラッチ（２３；１２３）が、出力シャフト／取付装置（１４；１５）に手動で加わる不利な大きさの過剰トルクの伝達に対して、歯車（１３）を保護するため、ロック装置（１７；１１７）と歯車（１３）との間に備えられる。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、作業器具を取付ける取付装置を備えた回転出力シャフトを有するタイプの手持動力工具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
このタイプの動力工具には、出力シャフトを作業器具用の取付装置を簡単に緩めたり、締め付けたりする手動回転に対して、出力シャフトを抑えるために組み込み型で手動操作可能なロック手段がある。通常、取付装置を操作するためにスパナまたは別のタイプの工具を使用する必要があり、所望の動作を行うには、かなり頻繁に相当高いトルクを取付装置に加えなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
殆んどの動力工具において、モーターが歯車を介して出力シャフトに接続されており、特にアングル駆動工具において、出力シャフト抑止ロック装置を実用的な理由で、モーターとアングル歯車との間の何処かに配置する必要がある。これは、取付装置／出力シャフトに随時加えられる高いトルクレベルを、アングル歯車を介してロック装置に伝達する必要があることを意味している。これは、アングル歯車部分に過剰なひずみを発生させ、何かの方法で計算された普通工具の動作負荷を超えるひずみを、生じさせ得る。関連して、取付装置による緩め及び締め付けが、アングル歯車を損傷させる危険性をもたらし得る。
【０００４】
取付装置／出力シャフトに取付けられたドリルが、製品素材を通り抜ける際に動かなくなって、回転モーターが失速した時、アングル歯車に関して別の過負荷状態が、時々アングルドリル工具に生じる。そのような状況において、オペレーターが工具ハウジングに回転トルクを加えて、ドリルに完全に製品素材を貫通させる必要がある。この追加のトルクが、アングル歯車の過負荷をしばしば発生させ得、したがってアングル歯車部分に損傷の危険性を生じさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の主な目的は、歯車を介して回転モーター接続した回転出力シャフトを有する、手持動力工具を提供することであり、それに関して、動力伝達径路停止ロック装置を、モーターと歯車との間に配置して、出力シャフトにおける作業器具取付装置を緩め且つ／または締め付けることを容易にし、解放可能な安全クラッチによって、歯車は作業器具取付装置の動作時に、過剰なトルク負荷を時々加わることにより損傷することから保護される。
【０００６】
本発明の別の目的は、アングル歯車と駆動スピンドルを介して回転モーターに接続された、出力シャフトを具備する手持動力工具を提供することであり、それに関して動力伝達径路停止ロック装置がアングル歯車とモーターとの間に配置され、更に解放可能な安全クラッチが、アングル歯車とロック装置との間に備えられて、過剰なトルク負荷が出力シャフトに加わる時、ロック装置と回転モーターの両方からアングル歯車を解放し、取り外すように配置される。
【０００７】
本発明の更なる目的及び利点は、以下の記載と請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
本発明の好ましい実施例を、添付図面を参照して以下に記載する。
【実施例１】
【０００９】
図１に図示されている工具は、回転作業器具を使用した何かの応用例、例えば穴あけ及び研磨を目的とした手持動力工具である。工具は、ハウジング１０、回転モーター１１、駆動スピンドル１２、アングル歯車１３と、作業器具を取付けるチャック１５のような取付装置を支持する出力シャフト１２を備えている。
【００１０】
チャック１５を容易に緩め且つ／または締め付けるため、スパナを使用し、そしてスパナでトルクを加える時、出力シャフトの回転を防止するため、動力伝達径路停止ロック装置１７を備えてている。アングルタイプの工具に、ロック装置１７を出力シャフト１４に配置するために非常に小さな空間があるので、ロック装置１７がアングル歯車１３と回転モーター１１との間で、駆動スピンドル１２に対して配置されている。
【００１１】
動力伝達径路停止ロック装置１７は、工具ハウジングに対し可動に支持され、選択的にシフト可能なラッチ要素１８と、駆動スピンドル１２に結合される管状スリーブ要素２０に、孔の形をしたアバットメント手段１９とを備えている。
【００１２】
ロック装置１７は、アングル歯車１３が取付装置１５に加わる締め付け及び／または緩めトルクを全て工具ハウジングに伝えるポイントに配置することに関連して、過負荷保護手段提供して、出力シャフト１４に過剰なトルク負荷が随時加わる時、アングル歯車１３を損傷させるのを避ける。この過負荷保護手段は、スリーブ要素２０を駆動スピンドル１２に結合する、解放可能な安全クラッチ２３を備えている。
【００１３】
図３で図示したように安全クラッチ２３が、互いに径方向に向かい合って配置した二つの横の貫通開口部２４と、開口部２４とは逆の駆動スピンドル１２に配置された二つの孔２６と、開口部２４で可動に支持され、且つスリーブ要素２０の厚さを超えた直径を有する二つのボール２８とを備えている。円形の板バネ３０がスリーブ要素２０を囲み、ボール２８を片側に寄せる力を加えて、ボールを駆動スピンドル１２における孔２に入れて嵌め込む。バネ３０が、その一端をスリーブ要素２０内のスロット３１に折り曲げて挿入することによって、スリーブ要素２０にロックされている。
【００１４】
作業器具が、出力シャフト１４に取付けるか、それから取り外して、スパナまたは類似の工具をチャック１５に付けて、出力シャフト１４を具備した動力伝達径路の回転を防止するため、ラッチ要素１８をスリーブ要素２０にある孔１９に押して嵌め込んでいる。過剰なトルクがチャック１５を緩めるか、締め付けるために必要であれば、バネ３０の片寄せ作用に対してボール２８を孔２６から押し出して嵌め込みを解いて、駆動スピンドル１２とスリーブ要素２０との間を関連回転させる。これは安全クラッチ２３が、過剰に高い大きさのトルクを、アングル歯車１３を介してハウジングに伝わるのを防止することを意味している。それによって、アングル歯車１３を不利な過負荷から保護している。
【００１５】
通常の場合、通して、チャック１５を緩め且つ／または締め付けるのに必要なトルクがアングル歯車１３によって安全に伝達可能なトルクの大きさを超えないようにし、それに関してアングル歯車１３を設計し且つその寸法を決める。これは、多くの場合に安全クラッチ２３が連結されたままで、充分に高い停止トルクを駆動スピンドル１２に与え、チャック１５をスパナによって好ましく動作できるようにする。
【実施例２】
【００１６】
図２に図示されておる実施例において、すなわちまた回転モーター１１を失速させて止める時、出力シャフト１４を外の力によって回転させる時、アングル歯車１３を不利な過負荷から保護するため、上記のクラッチ２３に関して、幾分か広い機能を有した安全クラッチ１２３を具備している。これは時折、穴あけに適用する際に、ドリルが製品素材を通り抜ける直前の穴あけ動作の最後に動かなくなって、モーターが過負荷により止まることを意味している。この状態で、オペレーターが工具ハウジングに手動の力を与え、ドリルを製品素材に完全に貫通させようとする。モーターが失速しているので、それは回転せず、ロック装置１７が作動しないにも係わらず、出力シャフト１４を強制的に回転させると、それは加わる手動の力が、アングル歯車１３に対して過剰なトルク負荷を生じさせ得、それが最大許容可能な負荷を超え得る。
【００１７】
モーター１１が失速した時でも、出力シャフト１４に加わる過剰なトルク負荷からアングル歯車１３を保護するため、駆動スピンドル１１２が、モーター１１に接続された第一部分と、アングル歯車１３に接続された第二部分１０３とに分割されている。駆動スピンドル１１２の第一部分１０２は、ラッチ要素１８を嵌め込んで、それによって駆動ライン抑制ロック装置１１７を形成するための外孔１１９を備えた、管状スリーブ要素１２０に形成されている。安全クラッチ１２３が、第一駆動スピンドル部分１０２におけるスリーブ要素１２０と、第二駆動スピンドル部分１０３との間に配置され、スリーブ要素１２０における二つの向かい合った貫通開口部１２４と、それら開口部１２４において可動に支持された二つのボール１２８とを備えている。駆動スピンドル１１２の第二部分１０３が、スリーブ要素の中に延びて、開口部１２４に向かい合って配置された二つの孔１２６を形成している。円形板バネ１３０が、スリーブ要素１２０の外側に取付けられており、ボール１２８を片側に寄せて孔１２６に嵌め込んでで連結するように配置されている。
【００１８】
上記の実施例のように、出力シャフト１４に対する外部トルクが、非常に高くなって、スリーブ要素１２０と第二駆動スピンドル部分１０３との間を回転させると、負荷ボール１２８を二つの孔１２６に嵌め込んで連結した状態から押し出される。しかし別の設計では、駆動スピンドル部分１０２、１０３が互いに回転できるようになっており、それは出力シャフト１４に手動で加える過剰なトルクを、ロック装置１１７を介する代わりに、ストール“ロックアップ”回転モーター１１を介して、伝達できることを意味している。これは、アングル歯車１３を不利なトルク過負荷から、ストールモーターの場合でも保護することを意味する。
【００１９】
本発明は、空気圧動力工具に使用するにも適しているが、更に電動工具に使用してもよい。本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲によって定義された全ての例を含んでいる。例えば安全クラッチが、ボール要素の数を変え、ボール平衡バネを別のタイプにする等、多数の方法で設計されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の一実施例による動力工具の概略図。
【図２】本発明の別の実施例による動力工具の概略図。
【図３】図１及び図２に示された電動工の一方の断面図。

Claims (5)

1. ハウジング（１０）と、回転モーター（１１）と、作業器具を取付けるための取付け装置を具備した出力シャフト（１４）と、モーター（１１）に接続された駆動スピンドル（１２；１１２）を具備する伝動装置と、駆動スピンドル（１２；１１２）を出力シャフト（１４）に接続する歯車（１３）と、を備えた、手持動力工具において、
   別の作動可能なロック装置（１７；１１７）が、ハウジング（１０）に可動に支持され、且つハウジング（１０）に関する回転に対して駆動スピンドル（１２；１１２）を抑止するため、駆動スピンドル（１２）と同時回転する一つかそれ以上のアバットメント手段（１９；１１９）と嵌め込み可能な、ラッチ要素（１８）と、歯車（１３）とアバットメント手段（１９；１１９）との間に配置し且つ、歯車（１３）を解放し、それによって時折出力シャフト（１４）に加わる過剰なトルクレベルを受けることから、歯車（１３）を保護するための構成された、トルク反応安全クラッチ（２３；１２３）とを備えることを特徴とする動力工具。
2. 歯車（１３）がアングル歯車を備え、ロック装置（１７；１１７）と安全クラッチ（２３；１２３）が、アバットメント手段（１９；１１９）とアングル歯車（１３）との間に配置されることを特徴とする請求項１に記載の動力工具。
3. 安全クラッチ（２３）が駆動スピンドル（１２）を囲む管状スリーブ要素（２０）を備え、スリーブ要素（２０）がアバットメント手段（１９）を備え、一つかそれ以上の貫通開口部（２４）を有し、駆動スピンドル（１２）がスリーブ要素（２０）の複数の貫通開口部（２４）に向かい合って配置した、一つかそれ以上の孔（２６）と、複数の横の貫通開口部（２４）において可動に支持され、スリーブ要素（２０）の放射方向の厚さを超える直径を有した、一つかそれ以上のボール（２８）と、一つまたは複数のボール（２８）を放射方向へ複数の孔に寄せるために配置された少なくとも一つのバネ要素（３０）と、を有することを特徴とする請求項１に記載の動力工具。
4. 安全クラッチ（１２３）が、駆動スピンドル（１１２）の第一部分（１０２）に含まれ、且つモーター（１１）によって動力供給される、管状スリーブ要素（１２０）を備え、スリーブ要素（１２０）がアバットメント手段（１１９）を備え、一つかそれ以上の横の貫通開口部（１２４）を有し、駆動スピンドル（１１２）の第二部分（１０３）が、歯車（１３）に接続され、且つスリーブ要素（１２０）の中に延び、駆動スピンドル（１１２）の第二部分（１０３）がスリーブ要素（１２０）の複数の横の貫通開口部（１２４）に向かい合って配置した、一つかそれ以上の孔（１２６）を有し、一つまたはそれ以上のボール（１２８）が複数の横の貫通開口部（１２４）において可動に支持され、スリーブ要素（１２０）の放射方向の厚さを超える直径を有し、少なくとも一つのバネ要素（１３０）が一つまたは複数のボールを放射方向へ複数の孔（１２６）の中に寄せるために配置されることを特徴とする請求項１に記載の動力工具。
5. 少なくとも一つのバネ要素（３０；１３０）が、スリーブ要素（２０；１２０）の外側に取付けられた単一の円形板バネを備え、放射方向の片寄せ力を一つまたは複数のボール（２８；１２８）に掛けるために配置されることを特徴とする請求項３または４に記載の動力工具。