JP2005505289A - B型肝炎ウイルスdnaの捕獲、検出および定量のためのオリゴヌクレオチドの同定 - Google Patents

B型肝炎ウイルスdnaの捕獲、検出および定量のためのオリゴヌクレオチドの同定 Download PDF

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Abstract

B型肝炎ウイルスゲノムの保存領域に由来するB型肝炎ウイルス捕捉オリゴヌクレオチド、プライマーおよびプローブが、開示される。この捕捉オリゴヌクレオチド、プライマーおよびプローブを使用する核酸ベースのアッセイもまた、開示される。このオリゴヌクレオチドは、例えば、60ヌクレオチド長以下の単離されたオリゴヌクレオチドであって、このオリゴヌクレオチドは、(a)配列番号1〜10、13、14、および15からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列;(b)(a)のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;または、(c)(a)および(b)の相補体を含む、オリゴヌクレオチドである。

Description

【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般的にウイルス診断に関する。特に、本発明は、B型肝炎感染を正確に診断するための核酸ベースのアッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝臓の持続性細胞変性感染を引き起こす、小さなDNA含有ウイルスの群のメンバーである。ヒトにおけるHBV感染は、重篤な、黄疸、肝臓変性および死を引き起こし得る。HBVは、優先的に非経口経路で入り、60〜160日の特有の潜伏期間を有し、そして数年間慢性的保有者の血液中に生き残り得る。約6〜7%のヒト集団が感染され、この感染のレベルは、東南アジアおよびサハラ砂漠以南のアフリカの特定の領域において、人口の20%程度であることが見積もられる。
【0003】
B型肝炎は、医学的に非常に重要である。なぜなら、このB型肝炎は、おそらく、慢性肝臓疾患(ヒトに於ける肝細胞癌腫を含む)の最も共通した原因であるからである。感染した肝細胞は、連続して、血液中に高レベルまで蓄積するウイルス粒子を分泌する。これらの粒子は、以下の2つの型で存在する:(i)22nmの球および繊維状の過剰なウイルスコートタンパク質(Hbs Ag)(Australian抗原(Au)といわれる)からなり、核酸を含まない非感染性粒子(1013粒子/1ml血液までの濃度)、ならびに(ii)28nmのヌクレオカプシドコア(Hbc Ag)からなり、そのまわりに、主要ウイルスコートタンパク質、糖質、および脂質を含むエンベロープが構成され、より低い濃度(10粒子/1ml血液)で存在する、感染性DNA含有粒子(Dane粒子ヌクレオカプシド)。
【0004】
いくつかの試験が、血清および他の体液中のB型肝炎成分の存在を検出するために使用される。これらの試験は、原則として最初は、免疫学的試験であり、ヒトまたは動物において産生される抗原の存在に依存して、特定のウイルスタンパク質(例えば、B型肝炎表面抗原(HBs Ag)、B型肝炎コア抗原(HBc Ag)またはB型肝炎「E」抗原(HBe Ag))を検出する。最も感度のよい免疫学的技術であると考えられる、ラジオイムノアッセイは、125I標識化抗体を使用する。ラジオイムノアッセイは、HBs Agのナノグラム量を検出するのに十分感度がよい。しかし、免疫学的試験は、間接的であり、非特異的抗原抗体反応が、フォールスポジティブ測定を生じる。さらに、特定の例において、抗原抗体試験は、ドナー血清においてネガティブであるが、輸血の受容者は、B型肝炎ウイルス感染になる。従って、ラジオイムノアッセイおよび他の免疫学的試験は、深刻な欠点を有し、有用性が制限されており、そして潜在的なウイルス感染性の間接的指標のみを提供する。
【0005】
血清中の潜在的に感染性のウイルスを同定するために使用される他の試験には、ウイルスポリメラーゼアッセイおよび電子顕微鏡検査法がある。大抵は、これらの方法は、比較的低い感度の扱いにくいアッセイであり、日常的な実験室スクリーニング手順としての使用には非実用的である。
【0006】
核酸ハイブリダイゼーションによるB型肝炎DNAの検出は、このウイルス検出のためのより感度のよい方法である(Krogsgaard(1988)Liver 8:257−283)。従来のHBV DNAアッセイ(例えば、米国特許第4,562,159号に記載されるアッセイ)は、全ゲノムRNAプローブを使用して、ヒト血清中のHBVゲノムDNAの存在について試験する。しかし、直接ハイブリダイゼーションは、ポリメラーゼ連鎖反応のような核酸増幅工程の後の患者サンプルのアッセイによって示されるように、いく人かの患者において、HBV DNAを検出するための十分な感度を欠いている(Kanekoら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:312−316)。
【0007】
あるいは、第1のオリゴヌクレオチド単位および第2のオリゴヌクレオチド単位を含む分枝を含む、大きな櫛型分枝ポリヌクレオチドが、核酸検出アッセイにおけるシグナル増幅のために開発されてきた。この適用において、米国特許第5,710,264号および同第5,614,362号に記載されるように、分枝ポリヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチド単位を介して一本鎖分析物核酸にハイブリダイズされ、次いで、標識化オリゴヌクレオチドが、第2のオリゴヌクレオチド単位を介して分枝ポリヌクレオチドにハイブリダイズされる。このDNAハイブリダイゼーション技術は、HBVを検出するために使用される。他のHBV増幅プライマーおよびHBV検出プローブは、米国特許第6,225,053号に記載され、ヒトHBVに特異的なオリゴヌクレオチドおよびハイブリダイゼーションプローブは、米国特許第5,780,219号に記載される。
【0008】
HBV検出のための溶液相サンドイッチハイブリダイゼーションアッセイにおいて、米国特許第5,736,316号は、2つの異なるオリゴヌクレオチドプローブの使用を記載し、ここで、第1のプローブは、増幅プライマーとして有用であり、第2のオリゴヌクレオチドは、捕捉プローブとして有用である。
【0009】
PCRは、免疫学的方法または直接的観察技術(例えば、電子顕微鏡検査法)より良い感度(約100ゲノムコピー)を有する。しかし、決定的な工程は、サンプルからの効率的な核酸の抽出のままである。米国特許第4,894,324号および同第5,288,609号は、標的の同じ鎖または反対の鎖に相補的な2つの一本鎖ポリヌクレオチドセグメントを使用して、標的ポリヌクレオチドと二重のハイブリッドを形成し、標的ポリヌクレオチドを検出するための方法を記載する。1つの実施形態において、ハイブリッドは、支持体の上に捕捉される。米国特許第6,280,952号および同第6,110,628号は、サンプル中の標的ポリヌクレオチドを、固定された捕捉プローブを有する固体支持体上に捕捉し、標的ポリヌクレオチドの検出または増幅を実施することによって、この標的ポリヌクレオチドを検出する方法を記載する。
【0010】
血液製剤および血漿派生物によってかまたは密接な身体的接触による、ウイルスの伝染を防ぐために、ウイルス血症のサンプル中のHBVを検出する信頼性のある診断試験の開発に対する必要性が残されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、潜在的に感染した個体由来の生物学的サンプル中の、HBVの検出のための、感度がよく、信頼性のある核酸ベースの診断試験の開発に基づく。本明細書中に記載されるこれらの技術は、転写媒介増幅(TMA)を使用するHBV配列の保存されたゲノム領域の増幅のためのテンプレートおよび5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)におけるテンプレートとして、抽出されたサンプルDNAを使用する。これらの方法は、ウイルス血症サンプル中の約100IUのHBVの検出を可能にする。従って、感染サンプルが、同定され、輸血から排除され、そして血液製剤の調製から排除され得る。
【0012】
従って、1つの実施形態において、本発明は、生物学的サンプル中のHBV感染の検出方法に関する。本方法は、以下を包含する:
(a)固体支持体と捕捉核酸とを接触させる工程であって、ここでこの捕捉核酸は、固体支持体と結合される、工程、
(b)標的鎖が捕捉核酸とハイブリダイズするハイブリダイズ条件下で、(a)の固体支持体と、生物学的サンプルとを接触させる工程;
(c)(b)の固体支持体をサンプルから分離する工程;および、
(e)サンプル中のB型肝炎ウイルスの存在または非存在の指示として、増幅された標的オリゴヌクレオチドの存在を検出する工程。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、生物学的サンプル中のHBV感染を検出する方法に関する。この方法は、以下を包含する:
(a)配列番号1、2、3および4からなる捕捉核酸を、固体支持体と結合させる工程、
(b)標的鎖が捕捉核酸とハイブリダイズするハイブリダイズ条件下で、(a)の固体支持体と、生物学的サンプルとを接触させる工程;
(c)(b)の固体支持体をサンプルから分離する工程;および、
(d)配列番号5〜10からなるプライマーを使用して標的鎖を増幅する工程。
【0014】
特定の実施形態において、この方法は、配列番号7のプローブを使用して、サンプル中のB型肝炎ウイルスの存在または非存在の指示として、増幅された標的オリゴヌクレオチドの存在を検出する工程、ならびに配列番号13、14、および15のヌクレオチド配列を含む約10〜60ヌクレオチド長からのオリゴヌクレオチドを含む内部コントロールの使用、をさらに包含する。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明は、図1に示される配列からの少なくとも10連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列、図1に示されるヌクレオチド配列に対して90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、またはこれらの相補体を含む、60ヌクレオチド長以下の単離されたオリゴヌクレオチドに関する。
【0016】
なおさらなる実施形態において、本発明は、図2に示される配列からの少なくとも10連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列、図2に示されるヌクレオチド配列に対して90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、またはこれらの相補体を含む、60ヌクレオチド長以下の単離されたオリゴヌクレオチドに関する。
【0017】
なおさらなる実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドおよびプライマー、ならびに診断試験を実施するための指示書を含む、診断試験キットに関する。特定の実施形態において、試験キットは、検出標識に結合した約10〜約50ヌクレオチドのHBV特異的ハイブリダイズ配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブをさらに含む。
【0018】
さらなる実施形態において、本発明は、生物学的サンプル中のB型肝炎ウイルスを検出するためのキットに関する。本キットは、配列番号1、2、3および4からなる捕捉オリゴヌクレオチド;配列番号5、6、7、8、9、および10からなるプライマー;ならびに、配列番号13からなるオリゴヌクレオチドプローブを含む。特定の実施形態において、試験キットは、ポリメラーゼおよび診断試験を実施するための指示書をさらに含む。
【0019】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照して明らかになる。さらに、種々の参考文献が、本明細書中に記載され、これらは、特定の手順または組成物をより詳細に記述し、従って、これらの参考文献は、その全体が参考として援用される。
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示さない限り、当該分野の技術範囲内である、化学、生化学、組換えDNA技術およびウイルス学の従来の方法を用いる。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Fundamental Virology,第2版,第I版および第II版(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編);A.L.Lehninger,Biochemistry (Worth Publishers,Inc.,最新版);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan編、Academic Press,Inc.);Oligonucleotide Synthesis(N.Gait編、1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)を参照のこと。
【0021】
本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、上記または下記いずれにせよ、その全体を参考として本明細書中に援用される。
【0022】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容がそうではないと明らかに示すのでない限り、複数形の参照を包含することに留意しなければならない。従って、例えば、「オリゴヌクレオチド」に対する参照は、2以上のオリゴヌクレオチドの混合物などを包含する。
【0023】
以下のアミノ酸略号は、本文全体にわたって用いられる:
アラニン:Ala(A) アルギニン:Arg(R)
アスパラギン:Asn(N) アスパラギン酸:Asp(D)
システイン:Cys(C) グルタミン:Gln(Q)
グルタミン酸:Glu(E) グリシン:Gly(G)
ヒスチジン:His(H) イソロイシン:Ile(I)
ロイシン:Leu(L) リジン:Lys(K)
メチオニン:Met(M) フェニルアラニン:Phe(F)
プロリン:Pro(P) セリン:Ser(S)
トレオニン:Thr(T) トリプトファン:Trp(W)
チロシン:Tyr(Y) バリン:Val(V)。
【0024】
(I.定義)
本発明を記載する際に、以下の用語が用いられ、そして以下に示されるように定義されることが意図される。
【0025】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」とは、アミノ酸残基のポリマーをいい、そして最小の長さの産物に限定されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどは、定義の中に含まれる。全長タンパク質およびそのフラグメントの両方は、定義によって包含される。この用語はまた、このポリペプチドの発現後修飾(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を包含する。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」とは、このタンパク質が所望の活性を保持する限り、ネイティブな配列に対して(一般に、本質的に保存的な)改変(例えば、欠失、付加および置換)を含むタンパク質をいう。これらの改変は、部位特異的変異誘発による場合のように意図的であってもよく、または例えば、タンパク質を産生する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因する誤りによる場合のように偶発的であってもよい。
【0026】
用語「アナログ」および「ムテイン」は、所望の活性(例えば、診断アッセイにおける免疫反応性)を保持する対象分子の生物学的に活性な誘導体、またはこのような誘導体のフラグメントをいう。一般的に、用語「アナログ」は、改変が免疫原性活性を損なわない限り、ネイティブのポリペプチド配列ならびに、ネイティブの分子に対する1つ以上のアミノ酸の付加、置換(一般的に、本質的に保存的である)、および/または欠失を伴う構造を有する化合物をいう。用語「ムテイン」は、1以上のペプチド模擬体(「ペプトイド」)(例えば、国際公開番号WO91/04282に記載されるようなもの)を有するペプチドをいう。好ましくは、アナログまたはムテインは、そのネイティブ分子と少なくとも同じ免疫活性を有する。ポリペプチドアナログおよびポリペプチドムテインを作製する方法は、当該分野で公知であり、そして以下にさらに記載される。
【0027】
「単離された」とは、ポリペプチドをいう場合、その分子が天然に見出される生物全体から分離されかつ独立しているか、または同じ型の他の生物学的高分子の実質的な非存在下で存在することを意味する。ポリヌクレオチドに関して、用語「単離された」は、天然においてそのポリヌクレオチドと通常関連する配列の全てもしくは一部を欠いた核酸分子;または天然で存在するが、その配列に関連する異種配列を有する配列;あるいは染色体から解離した分子である。
【0028】
指示された配列「に由来する」ポリヌクレオチドまたは指示された配列「に特異的な」ポリヌクレオチドは、指示されたヌクレオチド配列の領域に対応する、すなわち、同一であるかまたは相補的である、およそ少なくとも6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜12ヌクレオチド、およびさらにより好ましくは少なくとも約15〜20ヌクレオチドの連続した配列を含む、ポリヌクレオチドをいう。誘導ポリヌクレオチドは、目的のヌクレオチド配列に物理的に由来する必要はないが、任意の様式(ポリヌクレオチドが由来する領域に基づく配列によって提供される情報に基づいて、化学合成、複製、逆転写または転写が挙げられるが、これらに限定されない)で生成され得る。このように、このポリヌクレオチドは、元のポリヌクレオチドのセンス方向またはアンチセンス方向のいずれかを示し得る。
【0029】
「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド部分または2つのポリペプチド部分の間の相同性の割合をいう。2つのDNA配列または2つのポリペプチド配列は、これらの配列が、規定された長さの分子にわたって、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列相同性を示す場合、互いに「実質的に相同」である。本明細書中で使用される場合、実質的に相同はまた、特定のDNA配列またはポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列をいう。
【0030】
一般的に、「同一性」とは、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列それぞれの、正確なヌクレオチド−ヌクレオチドの対応またはアミノ酸−アミノ酸の対応物をいう。同一性の割合は、それらの配列を整列させ、2つの整列された配列の間の一致の正確な数を数え、より短い配列の長さで割り、そして結果に100を掛けることによる、2つの分子間の配列情報の直接的な比較によって決定され得る。
【0031】
容易に入手可能なコンピュータプログラム(例えば、ALIGN,Dayhoff,M.O.、Atlas of Protein Sequence and Structure M.O.Dayhoff編、補遺5、3:353〜358,National biomedical Research Foundation,Washington,DC(これは、ペプチド分析のために、SmithおよびWaterman Advances in Appl.Math.2:482〜489,1981の局所的相同性アルゴリズムを適合させる))は、相同性および同一性の分析を助けるために使用され得る。ヌクレオチド配列相同性を決定するためのプログラム(例えば、BESTFIT、FASTAおよびGAPプログラム(これらもまた、SmithおよびWatermanのアルゴリズムに依存する))は、Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8(Genetics Computer Group,Madison,WIから入手可能)において入手可能である。これらのプログラムは、製造業者によって推奨され、そして上に参照されるWisconsin Sequence Analysis Packageに記載されるデフォルトパラメーターを用いて容易に使用される。例えば、参照配列に対する特定のヌクレオチド配列の相同性の割合は、6つのヌクレオチド位置のデフォルトスコアリングテーブルおよびギャップペナルティーを用いてSmithおよびWatermanの相同性アルゴリズムを使用して決定され得る。
【0032】
本発明の状況において相同性の割合を確立する別の方法は、University of Edinburghによる著作権があり、John F.CollinsおよびShane S.Sturrokによって開発され、IntelliGenetics,Inc.(Mountain View,CA)によって配給されるプログラムのMPSRCHパッケージを使用することである。この総合ソフトウェアパッケージから、Smith−Watermanアルゴリズムを使用し得、ここで、デフォルトパラメーターは、スコアリングテーブルについて使用される(例えば、12のギャップオープンペナルティー、1のギャップ伸長ペナルティー、および6のギャップ)。生成されるデータから、「一致」値が「配列相同性」を反映する。配列間の同一性の割合または相同性の割合を計算するための他の適切なプログラムは、当該分野において一般的に公知であり、例えば、別の整列プログラムは、デフォルトパラメーターとともに使用されるBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、以下のデフォルトパラメーターを使用して用いられ得る:遺伝コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリクス(Matrix)=BLOSUM62;記載(Descriptions)=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース(Database)=縮重なし、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+Swiss protein +Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレスにおいて見出され得る:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST。
【0033】
あるいは、相同性は、相同な領域間に安定な二重鎖を形成する条件下でのポリクレオチドのハイブリダイゼーション、続いて、一本鎖特異的ヌクレアーゼでの消化、および消化されたフラグメントのサイズの決定によって決定され得る。実質的に相同であるDNA配列は、その特定の系について規定される場合、例えばストリンジェントな条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当該分野の技術の範囲内である。例えば、Sambrookら(上記);DNA Cloning(上記);Nucleic Acid Hybridization(上記)を参照のこと。
【0034】
「作動可能に連結される」とは、そのように記載される成分が、それらの所望の機能を実行するように構成されるエレメントの配置をいう。従って、核酸配列に作動可能に連結される所与のプロモーターは、適切な転写因子などが存在する場合、転写を生じ、コード配列の場合において、コード配列の発現をもたらし得る。プロモーターは、コード配列の転写および/または発現を指向するように機能する限り、核酸配列と連続である必要はない。従って、例えば、介在する、翻訳されないが転写される配列が、プロモーター配列とコード配列との間に存在し得(イントロンは転写され得るように)、プロモーター配列は、なお、コード配列に「作動可能に連結される」と考えられ得る。
【0035】
核酸分子を記載するために本明細書中で使用される場合、「組換え体」は、その起源または操作により、天然に付随するポリヌクレオチドのうちの全てまたは一部を付随しない、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して使用される場合、用語「組換え体」は、組換えポリヌクレオチドの発現によって産生されるポリペプチドを意味する。一般的に、目的の遺伝子は、以下にさらに記載のように、クローン化され、次いで、形質転換された生物において発現される。宿主生物は、発現条件下で外来遺伝子を発現してタンパク質を産生する。
【0036】
「制御エレメント」とは、それが連結するヌクレオチド配列の転写および/または翻訳を助けるポリヌクレオチド配列をいう。この用語は、プロモーター、転写終結配列、上流調節ドメイン、ポリアデニル化シグナル、非翻訳領域(5’−UTRおよび3’−UTRを含む)、ならびに適切な場合、リーダー配列およびエンハンサー(これらは、宿主細胞においてコード配列の転写および翻訳を、集合的に提供する)を含む。
【0037】
本明細書中で使用する場合、「プロモーター」は、ポリメラーゼに結合し得、そしてそれらに作動可能に連結されたヌクレオチド配列の下流(3’方向)の転写を開始し得る調節領域をいう。本発明の目的のため、プロモーター配列は、バックグラウンドより上の検出可能なレベルで、目的の配列の転写を開始するのに必要な最小数の塩基またはエレメントを含む。プロモーター配列内に、転写開始部位ならびにRNAポリメラーゼもしくはDNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が存在する。例えば、プロモーターは、特定の部位にて核酸に結合し、RNAの転写を開始するためのシグナルとして、DNA依存性RNAポリメラーゼ(転写酵素)によって認識される核酸配列であり得る。結合のために、このような転写酵素は、一般に、プロモーター配列およびその相補体を含む部分が二本鎖のDNAを必要とする;テンプレート部分(転写されるべき配列)は、二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、転写を促進する際にそれらの効率を顕著に変化させ得る種々の異なるプロモーター配列を認識する。RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合して、転写を開始する場合、そのプロモーター配列は、転写される配列の一部ではない。従って、それによって生成されるそのRNA転写産物は、その配列を含まない。
【0038】
制御配列は、RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、そして隣接配列を転写する場合、ヌクレオチド配列の「転写を指向」する。
【0039】
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、相補的DNAコピーをDNAテンプレートから合成する酵素である。例は、E.coli由来のDNAポリメラーゼIおよびバクテリオファージT7 DNAポリメラーゼである。全ての公知のDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するために、相補的なプライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、相補的なDNAコピーをRNAテンプレートから合成し得る。
【0040】
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「転写酵素」は、複数のRNAコピーを、(通常は二本鎖)プロモーター配列を有する二本鎖のもしくは部分的二本鎖のDNA分子から合成する酵素である。そのRNA分子(「転写産物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置にて始まって、5’から3’方向に合成される。転写酵素の例は、E.coli、ならびにバクテリオファージT7、T3、およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0041】
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」は、相補的DNAコピーをRNAテンプレートから合成する酵素である。全ての公知の逆転写酵素はまた、相補的DNAコピーをDNAテンプレートから作製する能力を有し;従って、これらは、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼの両方である。プライマーは、RNAテンプレートおよびDNAテンプレートの両方を用いた合成を開始するために必要である。
【0042】
「RNAse H」は、RNA:DNA二重鎖のRNA部分を変性する酵素である。これらの酵素は、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。大部分の逆転写酵素は、通常、それらのポリメラーゼ活性に加えて、RNAse H活性を含み得る。しかし、関連するポリメラーゼ活性なしのRNAse Hの他の供給源が、利用可能である。その変性は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離を生じ得る。あるいは、RNAse Hは、RNAの部分がメルトオフ(melt off)されるかまたは酵素がRNAの部分の巻き戻しを可能にするように、単に、種々の位置にてRNAを切断し得る。
【0043】
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれか)を含むように、本明細書中で使用される。この用語は、その分子の一次構造のみをいう。従って、この用語は、三本鎖、二本鎖および一本鎖のDNA、ならびに三本鎖、二本鎖および一本鎖のRNAを含む。これはまた、例えば、メチル化および/またはキャッピングによる改変、ならびにポリヌクレオチドの改変形態を含む。より具体的には、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、任意の他の型のポリヌクレオチド(これは、プリン塩基またはピリミジン塩基のN−グリコシドまたはC−グリコシドである)、および他のポリマー(非ヌクレオチド骨格(例えば、ポリアミド(例えば、ペプチド核酸(PNA))およびポリモルホリノ(Anti−Virals,Inc.,Corvallis,OregonからNeugeneとして市販される)ポリマーを含む)、ポリマーが塩基対合および塩基スタッキング(例えば、DNAおよびRNAにおいて見いだされるような)を可能にする構成において核酸塩基を含むことを提供する他の合成配列特異的核酸ポリマーを含む。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」の間に意図される長さの差異はなく、これらの用語は、交換可能に使用される。これらの用語は、その分子の一次構造のみをいう。従ってこれらの用語は、例えば、3’−デオキシ−2’,5’−DNA、オリゴデオキシリボヌクレオチドN3’P5’ホスホルアミデート、2’−O−アルキル−置換RNA、二本鎖および一本鎖のDNA、ならびに二本鎖および一本鎖のRNA、DNA:RNAハイブリッド、およびPNAとDNAもしくはRNAとの間のハイブリッドを含み、そして既知の型の改変(例えば、当該分野で既知の標識)、メチル化、「キャップ」、1以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログでの置換、ヌクレオチド間改変(例えば、変化しない連結を有するもの(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)、負に荷電した連結を有するもの(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、および正に荷電した連結を有するもの(例えば、アミノアルキルホスホルアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル)、ペンダント部分(例えば、タンパク質(ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなどを含む)を含むもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレート化剤(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、改変された連結を有するもの(例えば、αアノマー核酸など)、ならびにポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドの改変されていない形態もまた含む。特に、DNAは、デオキシリボ核酸である。
【0044】
本明細書中で使用される場合、用語「標的核酸領域」または「標的核酸」は、増幅される「標的配列」を有する核酸分子を示す。標的核酸は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得、標的配列の他に、増幅されなくてもよい他の配列を含み得る。用語「標的配列」とは、増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列をいう。標的配列は、標的分子(これと、プローブが、望ましい条件下で安定なハイブリッドを形成する)内に含まれるプローブハイブリダイズ領域を含み得る。「標的配列」はまた、複合体化配列を含み、これに対してオリゴヌクレオチドプライマーが複合体になり、テンプレートとしての標的配列を使用して伸長され得る。標的核酸が最初は一本鎖である場合、用語「標的配列」は、標的核酸に存在する場合、「標的配列」に相補的な配列ともいわれる。「標的核酸」が最初は二本鎖である場合、用語「標的配列」は、プラス(+)鎖およびマイナス(−)鎖の両方をいう。
【0045】
本明細書中で使用される場合、用語「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」とは、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼのような重合誘導剤の存在下、および適切な温度、pH、金属濃度、および塩濃度)に置かれる場合に、相補的なDNA鎖の合成を開始するように作用するオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のために一本鎖であるが、代わりに二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーは、はじめにその鎖を分離するために処理され、その後、伸長産物を調製するために使用される。この変性工程は、代表的には、熱によってもたらされるが、代わりに、アルカリ、続く中和を使用して行われてもよい。従って、「プライマー」は、テンプレートに相補的であり、水素結合またはテンプレートとのハイブリダイゼーションによって複合体化して、ポリメラーゼによる合成の開始のためのプライマー/テンプレート複合体を与え、これは、DNA合成のプロセスにおいて、テンプレートに相補的なその3’末端に連結される共有結合された塩基の付加によって伸長される。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「プローブ」または「オリゴヌクレオチドプローブ」とは、標的核酸分析物に存在する核酸配列に相補的な核酸配列を含む、上記で規定されるポリヌクレオチドから構成される構造をいう。プローブのポリヌクレオチド領域は、DNAおよび/もしくはRNA、ならびに/または合成ヌクレオチドアナログから構成され得る。「オリゴヌクレオチドプローブ」が5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)において使用される場合、そのプローブは、任意の増幅される標的オリゴヌクレオチド配列を検出するために、少なくとも1つの蛍光剤(fluorescer)および反応において使用されるポリメラーゼの5’エンドヌクレアーゼ活性によって消化される少なくとも1つのクエンチャーを含む。この状況において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、使用される5’から3’ヌクレアーゼ活性が、結合されたプローブを効率的に変性して、その蛍光剤およびクエンチャーを分離し得るように、その5’末端に隣接する十分な数のホスホジエステル結合を有する。オリゴヌクレオチドプローブがTMA技術において使用される場合、これは、以下に記載されるように、適切に標識される。
【0047】
そのハイブリダイズしている配列が、必ずしも、完全な相補性を有して、安定なハイブリッドを提供する必要はないことは理解される。多くの状況において、塩基の約10%未満がミスマッチである場合に、4つ以上のヌクレオチドのループを無視して、安定なハイブリッドが形成される。従って、本明細書中で使用される場合、用語「相補的」とは、アッセイ条件下で、その「相補性」により安定な二重鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいう。ここで、一般に、約90%以上の相同性が存在する。
【0048】
用語「ハイブリダイズする」および「ハイブリダイゼーション」とは、Watson−Crick塩基対合を介して複合体を形成するのに十分相補的なヌクレオチド配列間での複合体の形成をいう。プライマーが標的(テンプレート)と「ハイブリダイズ」する場合、このような複合体(またはハイブリッド)は、例えば、DNAポリメラーゼによって必要とされる開始機能を供して、DNA合成を開始するに十分安定である。
【0049】
本明細書中で使用される場合、用語「結合対」とは、互いに特異的に結合する第1および第2の分子(例えば、核酸二重鎖を形成し得る相補的ポリヌクレオチド対)をいう。サンプル中の結合対の第1のメンバーと結合対の第2のメンバーとの「特異的結合」は、第1のメンバーと第2のメンバーとの結合により示され、逆もまた同様であり、サンプル中の他の成分より高い親和性および特異性を有する。結合対のメンバーの間の結合は、代表的は、非共有結合である。状況が明らかにそうでないと示さなければ、用語「親和性分子」および「標的分析物」は、それぞれ、結合対の第1のメンバーおよび第2のメンバーをいうように本明細書中で使用される。
【0050】
用語「特異的結合分子」および「親和性分子」は、本明細書中で交換可能に使用され、サンプル中に存在する検出可能な物質に、化学的手段または物理的手段を介して選択的に結合する分子をいう。「選択的に結合する」は、分子が、目的の標的に優先的に結合するか、または他の分子よりも大きな親和性で標的に結合することを意味する。例えば、DNA分子は、実質的に相補的な配列に結合し、関連しない配列には結合しない。
【0051】
二本鎖DNAの「融解温度」または「Tm」は、DNAのらせん構造の半分が、加熱または塩基対の間の水素結合の他の解離(例えば、酸またはアルカリ処理などによって)に起因して喪失される温度として規定される。DNA分子のTは、その長さおよびその塩基組成に依存する。GC塩基対がリッチなDNA分子は、AT塩基対を豊富に有するDNA分子よりも高いTを有する。DNAの分離した相補鎖は、温度がそのTより低下している場合に、自発的に再会合またはアニールして、二重鎖DNAを形成する。そのTより約25℃低い温度にて、核酸ハイブリダイゼーションの最高速度が生じる。Tは、以下の関係を使用して推定され得る:T=69.3+0.41(GC)%(Marmurら(1962)J.Mol.Biol.5:109−118)。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」とは、通常、被験体によって生成される抗体を含む、被験体から単離された組織または流体のサンプルをいう。このような抗体を含む代表的なサンプルは、当該分野で公知であり、以下が挙げられるが、それらに限定されない:血液、血漿、血清、糞便、尿、骨髄、胆汁、脊髄液、リンパ液、皮膚サンプル、皮膚の分泌物、呼吸器の分泌物、腸管の分泌物、および尿生殖器管の分泌物、涙、唾液、乳汁、血球、器官、生検。インビトロ細胞培養成分のサンプルとしてはまた、以下が挙げられるが、それらに限定されない:培養培地中の細胞および組織(例えば、組換え細胞)の増殖から得られる馴化培地、ならびに細胞成分。
【0053】
本明細書中で使用される場合、用語「標識」および「検出可能な標識」とは、検出が可能な分子をいい、これらとしては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:放射活性同位体、蛍光剤、化学発光剤、発色団、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、発色団、色素、金属イオン、金属ゾル、リガンド(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンまたはハプテン)など。用語「蛍光剤」とは、検出可能な範囲にて蛍光を示し得る物質またはその一部をいう。
【0054】
本明細書中で使用される場合、「固体支持体」とは、磁性ビーズ、ラテックスビーズ、マイクロタイタープレートウェル、ガラスプレート、ナイロン、アガロース、アクリルアミドなどのような固体表面をいう。
【0055】
(II.発明を実施する形態)
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、特定の処方またはプロセスのパラメーターに限定されず、よって、当然のことながら、変化し得ることが理解されるべきである。本明細書中で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を記載する目的に過ぎず、限定すると意図されないこともまた理解されるべきである。
【0056】
本明細書中に記載の組成物および方法に類似または等価な、多くの組成物および方法が、本発明の実施において使用され得るが、好ましい材料および方法が、本明細書中に記載される。
【0057】
上記のように、本発明は、生物学的サンプル中でB型肝炎ウイルス(HBV)感染を正確に検出するための新規な診断法の発見に基づく。この方法は、少量のウイルスを含有するサンプル中でHBV標的核酸配列の同定を可能にする、感度の高い核酸ベースの検出技術に依存する。
【0058】
本発明のストラテジーにおいて、その標的核酸は、固体支持体上に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドを使用して、相同でないDNA/RNAから分離される。その捕捉オリゴヌクレオチドは、検出される生物に特異的であり得る。従って、HBVの検出のために、好ましくは、配列番号1、2、3および4(それぞれ、図1A〜1D)を含む捕捉ヌクレオチドが、使用される。次いで、分離された標的核酸は、レポーター基でタグ化されたオリゴヌクレオチドプローブの使用によって検出され得るか、または増幅され得る。HBVに関して、分離された標的核酸は、好ましくは、配列番号5、6、7、8、9および10(それぞれ図2A〜2F)の配列を含む、X領域中のプライマーを使用して増幅される。
【0059】
本発明の1つの実施形態において、潜在的に標的核酸を有する生物学的サンプルは、捕捉オリゴヌクレオチドが結合した固体支持体と接触される。その捕捉オリゴヌクレオチドは、例えば、プローブ部分の固体支持体への共有結合によって、アフィニティー結合によって、水素結合によって、または非特異的結合によって、その固体支持体と結合され得る。
【0060】
固体支持体は、多くの形態をとり得る。これらの形態としては、例えば、以下が挙げられる:粒子状形態に変化され、支持体含有サンプル媒体をシーブに通過させる際に回収可能なニトロセルロース;ニトロセルロースまたは磁場を印加する場合にサンプル媒体内でニトロセルロースを移動することが可能な、磁性粒子などで含浸された材料;濾過され得るかまたは電磁気的特性を示し得るビーズまたは粒子;および水性媒体の表面にて分配されるポリスチレンビーズ。
【0061】
本発明の好ましい実施形態は、磁性ビーズを含む固体支持体を含む。好ましくは、磁性ビーズは、捕捉オリゴヌクレオチドの磁性支持体粒子への共有結合または会合を容易にする1級アミン官能基を含む。あるいは、その磁性ビーズは、その上にホモポリマー(例えば、ポリT配列またはポリA配列)が固定化されている。
【0062】
磁性ビーズまたは粒子は、標準的な技術を使用して生成され得るか、または市販の供給源から得られ得る。一般に、その粒子またはビーズは、磁性粒子から構成され得るが、それらはまた、純粋でない形態であろうと、合金であろうと、または複合形態であろうと、それらが反応性の表面を有し、磁場に対して反応する能力を示す限り、他の磁性金属であっても金属酸化物であってもよい。個々に使用され得るかまたは鉄と組み合わせて使用され得る他の材料としては、コバルト、ニッケル、およびケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。本発明における適用に適した磁性ビーズとしては、商品名Sera−MagTM磁性オリゴヌクレオチドビーズの下で、Seradyn,Indianopolis,INにより市販される、ポリdT基を含む磁性ビーズが挙げられる。
【0063】
次に、捕捉オリゴヌクレオチドの固体支持体との結合は、その固体支持体と、捕捉オリゴヌクレオチドを含有する媒体とを接触させることにより開始される。好ましい実施形態において、ポリdT基を含む磁性ビーズは、HBVゲノムの保存された一本鎖領域から選択された配列と連続するポリdAを含む標的配列とハイブリダイズされる。捕捉オリゴヌクレオチド上のポリdAおよび固体支持体上のポリdTは、ハイブリダイズされ、よってその捕捉オリゴヌクレオチドを固体支持体と固定または結合される。
【0064】
捕捉オリゴヌクレオチドを結合した固体支持体は、ハイブリダイゼーション条件下で生物学的サンプルと接触される。その捕捉オリゴヌクレオチドは、生物学的サンプル中に存在する標的鎖とハイブリダイズする。代表的には、捕捉オリゴヌクレオチドの標的に対するハイブリダイゼーションは、約15分で達成され得るが、3〜48時間程度かかり得る。
【0065】
次いで、固体支持体は、濾過、カラムを通過させること、または磁性手段によって、生物学的サンプルから分離される。当業者に認識されるように、分離方法は、選択される固体支持体の型に依存する。標的は、固体支持体に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするので、標的鎖は、それによりサンプル中の不純物から分離される。いくつかの場合において、外来の核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、細胞細片、および他の不純物が、その支持体になお結合していることがあるが、生物学的サンプル中に最初に見いだされるより遙かに低い濃度である。当業者は、いくつかの所望されないサンプルが、洗浄媒体で洗浄することによって除去され得ることを認識する。固体支持体の生物学的サンプルからの分離は、好ましくは、サンプル中に存在する、少なくとも約70%、より好ましくは、約90%、および最も好ましくは少なくとも約95%の非標的核酸を除去する。
【0066】
本発明の方法はまた、捕捉された標的オリゴヌクレオチドを増幅して、増幅された核酸を生成する工程を包含し得る。標的核酸を増幅する工程は、標的オリゴヌクレオチドまたはそのフラグメントの複数のコピーを生成するために核酸ポリメラーゼを使用する。適切な増幅技術は、当該分野で周知であり、例えば、転写関連増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、レプリカーゼ媒介性増幅、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)である。
【0067】
本発明のアッセイとともに使用するための捕捉オリゴヌクレオチドおよびプライマーは、好ましくは、存在が検出される生物に特有である。従って、HBVの検出のために、例えば、捕捉オリゴヌクレオチドおよびプライマーは、HBVの一本鎖領域中の保存された領域(例えば、図1および2に示されるもの)から得られる。
【0068】
このアッセイにおいて使用するためのプライマーおよび捕捉オリゴヌクレオチドは、標準的な技術(例えば、本明細書中に参考として援用される、米国特許第4,458,066号および同第4,415,732号;Beaucageら(1992)Tetrahedron 48:2223−2311;ならびにApplied Biosystems User Bulletin No.13(1987年4月1日)において開示される、ホスホルアミダイト化学を介した固相合成)によって容易に合成される。他の化学的合成法としては、例えば、Narangら,Meth.Enzymol.(1979)68:90により記載されるホスホトリエステル法およびBrownら,Meth.Enzymol.(1979)68:109によって開示されるホスホジエステル法が挙げられる。ポリ(A)またはポリ(C)、あるいは他の非相補的ヌクレオチド伸長は、これらの同じ方法を使用してプローブに組み込まれ得る。ヘキサエチレンオキシド伸長は、当該分野で公知の方法によってプローブに連結され得る。Cloadら(1991)J.Am.Chem.Soc.113:6324−6326;米国特許第4,914,210号(Levensonら);Durandら(1990)Nucleic Acids Res.18:6353−6359;およびHornら(1986)Tet.Lett.27:4705−4708。代表的には、そのプライマー配列は、長さが約10〜75ヌクレオチドの間の範囲(例えば、15〜60、20〜40など)、より代表的には、18〜40ヌクレオチド長の間の範囲、および示される範囲の間の任意の長さである。代表的なプローブは、10〜50ヌクレオチド長(例えば、15〜40、18〜30など)の間の範囲、および示される範囲の間の任意の長さである。
【0069】
さらに、そのプローブは、検出のために標識に連結され得る。標識の付加を可能にする反応性官能基でオリゴヌクレオチドを誘導体化するためのいくつかの手段が公知である。例えば、いくつかのアプローチは、放射活性標識、蛍光標識、化学発光標識、酵素標的、または電子密度標識が、アビジンを介して結合され得るように、ビオチン化プローブについて利用可能である。例えば、Brokenら,Nucl.Acids Res.(1978)5:363−384(これは、フェリチン−アビジン−ビオチン標識の使用を開示する);およびCholletら,Nucl.Acids Res.(1985)13:1529−1541(これは、オリゴヌクレオチドの5’末端の、アミノアルキルホスホルアミドリンカーアームを介するビオチン化を開示する)を参照のこと。いくつかの方法もまた、アミノ反応性基(例えば、イソチオシアネート、N−ヒドロキシスクシンイミドなど)により誘導体化された蛍光型または他の型の化合物によって容易に標識される。アミノ誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するために利用可能である。例えば、Connolly(1987)Nucl.Acids Res.15:3131−3139、Gibsonら(1987)Nucl.Acids Res.15:6455−6467および米国特許第4,605,735号(Miyoshiら)を参照のこと。チオール特異的標識と反応し得るスルフヒドリル誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するための方法もまた利用可能である。例えば、米国特許第4,757,141号(Fungら)、Connollyら(1985)Nucl.Acids Res.13:4485−4502およびSpoatら(1987)Nucl.Acids Res.15:4837−4848を参照のこと。DNAフラグメントを標識するための方法論の包括的な総説は、Matthewsら, Anal.Biochem.(1988)169:1−25において提供される。
【0070】
例えば、プローブは、プローブに連結していない末端に蛍光分子を連結させることによって蛍光的に標識され得る。適切な蛍光標識を選択するための手引きは、Smithら,Meth.Enzymol.(1987)155:260−301;Kargerら,Nucl.Acids Res.(1991)19:4955−4962;Haugland(1989)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)において見いだされ得る。特定の方法は、標識として蛍光分子を利用する。なぜなら、多くの市販の機器は、蛍光標識される核酸の検出のために開発されたからである。種々の蛍光分子が、標識として使用され得、例えば、フルオレセインおよびフルオレセイン誘導体、ローダミンおよびローダミン誘導体、ナフチルアミンおよびナフチルアミン誘導体、シアニンおよびシアニン誘導体、ベンズアミジゾール(benzamidizole)、エチジウム、プロピジウム、アントラサイクリン、ミトラマイシン、アクリジン、アクチノマイシン、メロシアニン(merocyanine)、クマリン、ピレン、クリセン、スチルベン、アントラセン、ナフタレン、サリチル酸、ベンズ−2−オキサ−1−ジアゾール(ベンゾフラザン(benzofurazan)ともいわれる)、フルオレスカミンおよびbodipy色素が挙げられる。
【0071】
検出プライマーおよび/または検出産物が、エネルギー移動して発光強度を増強し得るか、またはアッセイを単純化し得る蛍光色素で標識される方法について、多数のドナー(またはレポーター)およびアクセプター(またはクエンチャー)色素が入手可能である。1つの群のドナー色素およびアクセプター色素としては、キサンテン色素(例えば、フルオレセイン色素)およびローダミン色素が挙げられる。これらの色素の種々の誘導体は、市販される。しばしば、官能基がこれらの色素のフェニル基に導入されて、オリゴヌクレオチドへの連結部位として作用する。色素の別の一般的な基としては、α位またはβ位にアミノ基を有するナフチルアミンが挙げられる。この一般的種類の色素としては、1−ジメチルアミノナフチル−5−スルホネート、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネートおよび2−p−トルイジニル−6−ナフタレンスルホネートが挙げられる。
【0072】
他の色素としては、3−フェニル−7−イソシアナトクマリン(3−pheniyl−7−isocyanatocoumarini)、アクリジン(例えば、9−イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジ)、ピレン、ベンゾオキサジアゾール、およびスチルベンが挙げられる。さらなる色素としては、3−(ε−カルボキシフェニル)−3’−エチル−5,5’−ジメチルオキサ−カルボシアニン(CYA);6−カルボキシフルオレセイン(FAM);5,6−カルボキシローダミン−110(R110);6−カルボキシローダミン−6G(R6G);N’,N’,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX);2’,4’,5’,7’,−テトラクロロ−4−7−ジクロロフルオレセイン(TET);2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−6カルボキシローダミン(JOE);6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX);ALEXA;Cy3およびCy5。これらの色素は、種々の供給業者(例えば、Applied Biosystems Division of Perkin Elmer Corporation(Foster City,Calif.)およびMolecular Probes,Inc.(Eugene,Oregon))から市販されている。好ましい蛍光標識としては、フルオレセインおよびその誘導体(例えば、米国特許第4,318,846号およびLeeら,Cytometry(1989)10:151−164に開示されるもの、ならびに6−FAM、JOE、TAMRA、ROX、HEX−1、HEX−2、ZOE、TET−1またはNAN−2など)が挙げられる。
【0073】
さらに、プローブは、以下に記載される技術を用いてアクリジニウム(acridinium)エステル(AE)で標識され得る。現行の技術は、AE標識がプローブ内の任意の位置に配置されるのを可能にする。例えば、Nelsonら(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」、Nonisotopic Probing,Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CA;Nelsonら(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay (HPA)to PCR」、The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MA;Weeksら,Clin.Chem.(1983)29:1474−1479;Berryら,Clin.Chem.(1988)34:2087−2090を参照のこと。AE分子は、プローブ内での任意の位置での標識の配置を可能にする非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を用いてプローブに直接的に結合され得る。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。
【0074】
特定の実施形態では、内部コントロール(IC)または内部標準が添加されて、標的の捕捉および増幅についてのコントロールとして役立つ。好ましくは、このICは、標的配列とは異なる配列であって、サンプルからその生物に対して特異的なオリゴヌクレオチドを分離するために用いられるプローブ配列とハイブリダイズし得、そして増幅し得る配列を包含する。内部コントロールの使用は、分離プロセス、増幅プロセス、および検出系の制御を可能にし、そしてアッセイ性能のモニタリングおよびサンプルについての定量化を許容する。このICは、任意の適切な点で(例えば、溶解緩衝液中で)含まれ得る。1つの実施形態では、このICは、HBVヌクレオチド配列の一部を含むM13 ssDNAおよびこのプローブとハイブリダイズする独特の配列を含む。例えば、HBVについてのICは、HbsAgおよびプロテインXをコードする領域を含み、ここで、この標的配列は、5、10、もしくは15または任意の数の整数の塩基を他の塩基で置換することによって改変される。この置換塩基は好ましくは、2または3の保存的配列のみが置換されるように、標的配列の全体にわたって位置する。従って、例えば、標的配列がAGGTGAAGCGAAGTGCACACGG(配列番号11)であるならば、この配列は、このIC中でAGCTAGACCTGCATGTCACTG(配列番号12)で置換される。固体支持体は、内部標準に特異的なプローブ(ICプローブ)をさらに含み得る。従って、この内部コントロールは、ICプローブを用いて捕獲され得る。このICプローブは、標識配列についての検出可能な標識とは異なる検出可能な標識と必要に応じて結合され得る。検出可能な標識が発蛍光団である実施形態では、このICは、分光光度学的に、そして検出研究の制限によって、定量され得る。代表的に、標的の検出を妨害しないICのコピー数は、ICを固定された標的IUで(好ましくは末端で)力価測定し、そして国際的に受け入れられたIUのサンプルを希釈することによって標準曲線を作成することによって決定される。HBV検出の感度研究については、90IU〜4.5IUの5つのメンバーのパネルが用いられ得、一方、セロコンバージョン試験については、100,000IU〜50IUの12のメンバーのパネルが用いられ得る。
【0075】
他の実施形態では、ICは、本明細書中に記載されるように、当業者に公知の標準的な技術に従ってサンプルから単離されたRNAと組み合わされる。次いで、このRNAは、逆転写酵素を用いて逆転写されて、コピーDNAが提供される。このcDNA配列は、標識されたプライマーを用いて(例えば、PCRによって)、必要に応じて増幅され得る。この増幅産物は、代表的には電気泳動によって分離され、そして放射能の量(増幅産物の量に比例する)が決定される。次いで、サンプル中のmRNAの量が、既知の標準によって産生されるシグナルとの比較によって算出される。
【0076】
上述のプライマーおよびプローブは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの技術において使用され得て、生物学的サンプル中のHBV感染を検出する。PCRは、核酸分子または分子の混合物中に含まれる所望の核酸配列を増幅するための技術である。PCRにおいて、一対のプライマーが過剰に利用されて、標的核酸の相補的鎖にハイブリダイズする。これらのプライマーは、各々、テンプレートして標的核酸を使用してポリメラーゼによって伸長される。これらの伸長産物は、オリジナルの標的鎖から解離した後にそれ自体、標的配列となる。次いで、新たなプライマーが、ハイブリダイズして、そして、ポリメラーゼによって伸長され、そして、この周期は、標的配列分子の数を幾何級数的に増大するように繰り返される。サンプルにおける標的核酸配列を増幅するためのPCR法は、当該分野において周知であり、そして、例えば、以下において記載されている:Innisら(編)PCR Protocols(Academic Press,NY 1990);Taylor(1991)Polymerase chain reaction:basic principles and automation,in PCR:A Practical Approach,McPhersonら(編)IRL Press,Oxford;Saikiら(1986)Nature 324:163;ならびに米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,889,818号(これらの全ては、本明細書中において、それらの全体が参考として援用される)。
【0077】
特に、PCRは、増幅される標的ヌクレオチド配列に隣接する比較的短いオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、この標的ヌクレオチド配列は指向されて、その結果、それらの3’末端は、互いに向き合い、各々のプライマーは、もう一方に対して伸長する。このポリヌクレオチドサンプルは、抽出され、そして、好ましくは、熱によって変性され、そして、過剰モル量で存在する、第1プライマーおよび第2プライマーとハイブリダイズする。重合は、プライマー依存性ポリヌクレオチド重合因子およびテンプレート依存性重合因子(例えば、プライマー伸長産物(例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメント、T4 DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)(種々の供給元から利用可能である(例えば、Perkin Elmer))、Thermus thermophilus(United States Biochemicals)、Bacillus stereothermophilus(Bio−Rad)またはThermococcus litoralis(”Vent”ポリメラーゼ、New England Biolabs)から単離された熱安定性DNAポリメラーゼを産生し得る任意の酵素)を使用して、4つのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP、つまり、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)の存在下で触媒される。これは、それらの5’末端でそれらのもとの鎖の新たに合成した相補鎖に共有結合されたそれぞれのプライマーを含む2つの「長い産物」を生じる。次いで、この反応混合物は、例えば、温度を低下させること、変性剤を不活性化させること、またはより多くのポリメラーゼを添加することによって、重合条件に戻され、そして、第二のサイクルが開始される。この第2のサイクルは、2つのもとの鎖、第一のサイクルに由来する2つの長い鎖、これらのもとの鎖から複製された新規の長い産物、およびこれらの長い産物から複製した2つの「短い産物」を提供する。これらの短い産物は、各端にプライマーを有した標的配列の配列を有している。さなるサイクルの各々において、さらなる2つの長い産物は、産生され、そして、短い産物の数は、その前のサイクルの終わりにおいて残っていた長い産物および短い産物の数と等しい。従って、標的配列を含む短い産物の数は、各サイクルに対して指数関数的に増加する。好ましくは、PCRは、市販のサーマルサイクラー(例えば、Perkin Elmer製)を用いて実施される。
【0078】
RNAは、mRNAをcDNAに逆転写され得、次いで、上述のように、PCR(RT−PCR)を実施することによって増幅され得る。あるいは、単一の酵素が米国特許第5,322,770号に記載のような両方の工程のために使用され得る。mRNAはまた、cDNAに逆転写され得、その後、Marshallら(1994)PCR Meth.App.4:80〜84に記載の非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(asymmetric gap ligase chain reaction)(RT−AGLCR)が、続く。
【0079】
蛍光発生(flurogenic)5’ヌクレアーゼアッセイ(これは、TaqManTMアッセイ(Perkin−Elmer)として公知である)は、核酸標的に対する、強力かつ多用途のPCRベースの検出システムである。従って、本明細書中で記載されるような、HBVゲノムの領域に由来するプライマーおよびプローブは、TaqManTM分析において使用され、生物学的サンプル中の感染の存在を検出し得る。蛍光シグナルの発生をモニタリングすることによって、温度サイクルと併用して、分析は実施される。このアッセイは、必要ならば、ゲル電気泳動に対する必要はなく、そして、標的コピー数の決定を可能にする定量データを生成するだけの能力を有する。
【0080】
蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイは、簡便性のために、例えば、AmpliTaq GoldTM DNAポリメラーゼ(これは、蛍光レポーター色素とクエンチャーの両方によって標識された内部のオリゴヌクレオチドプローブを消化するために内因性5’ヌクレアーゼ活性を有する)を使用して実施される(Hollandら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276〜7280;およびLeeら,Nucl.Acids Res.(1993)21:3761−3766を参照のこと)。アッセイの結果は、蛍光プローブが消化されたときに増幅サイクル中で生じる蛍光変化を測定し、この色素とクエンチャー標識との結合を解き、そして標的DNAの増幅に対して比例した蛍光シグナルの増大を生じさせることによって、検出される。
【0081】
これらの増幅産物は、溶液中で検出されるかまたは固体支持体を使用して検出され得る。この方法において、このTaqManTMプローブは、所望するPCR産物中の標的配列にハイブリダイズするように設計されている。このTaqManTMプローブの5’末端は、蛍光レポーター色素を含む。このプローブの3’末端は、プローブの伸長を妨害するためにブロックされ、そして、5’発蛍光団の蛍光を消光する色素を含む。続く増幅の間に、この5’発蛍光団標識は、5’エンドヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが反応において存在する場合に切断される。5’発蛍光団の切断によって、検出され得る蛍光の増大を生じる。
【0082】
従って、本発明は、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ、HBV標的配列にハイブリダイズし得る1以上のプライマー、およびこのプライマーに対して3’側のHBV標的配列にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを使用する、標的HBVヌクレオチド配列を増大する方法に関連する。増幅の間に、このポリメラーゼは、このポリメラーゼが標的配列にハイブリダイズして、オリゴヌクレオチドプローブを消化して、それによって、このレポーター分子をクエンチャー分子から分離する。この増幅が実施されると、レポーター分子の蛍光は、モニターされ、蛍光は、核酸増幅の存在に対応する。このレポーター分子は、好ましくは、フルオレセイン色素であり、そして、このクエンチャー分子は、好ましくは、ローダミン色素である。
【0083】
プライマーおよびプローブの長さは変動し得るが、プローブの配列は、それらがプライマー配列よりも高い融解温度を有するように選択される。好ましくは、そのプローブ配列は、増幅プライマー配列についての融解温度よりも約10℃高い推定(anestimated)融解温度を有する。従って、このプライマー配列は、一般的には、プローブ配列よりも短い。代表的には、このプライマー配列は、10ヌクレオチド長と75ヌクレオチド長との間の範囲、より代表的には20ヌクレオチド長と45ヌクレオチド長との間の範囲にある。代表的プローブは、10ヌクレオチド長と50ヌクレオチド長との間の範囲、より代表的には15ヌクレオチド長と40ヌクレオチド長との間の範囲にある。
【0084】
固体支持体が使用される場合、そのオリゴヌクレオチドプローブは、種々の様式でその固体支持体に付着され得る。例えば、そのプローブは、その固体支持体にプローブの3’末端ヌクレオチドもしくは5’末端ヌクレオチドを結合することにより、固体支持体に付着され得る。より好ましくは、そのプローブは、その固体支持体からプローブを離すために役立つリンカーにより固体支持体に付着される。そのリンカーは、通常は、少なくとも15〜30原子長、より好ましくは少なくとも15〜50原子長である。必要なリンカーの長さは、使用される特定の固体支持体に依存する。例えば、6原子リンカーは、一般的には、固体支持体として高架橋ポリスチレンが使用される場合に十分である。
【0085】
固体支持体にオリゴヌクレオチドプローブを付着するために使用され得る広範な種類のリンカーが、当該分野で公知である。そのリンカーは、固体支持体に付着したプローブに標的配列がハイブリダイゼーションするのを有意には干渉しない、任意の化合物から形成され得る。そのリンカーは、自動合成によりリンカーに容易に付加され得るホモポリマーオリゴヌクレオチドから形成され得る。あるいは、ポリマー(例えば、官能化ポリエチレングリコール)が、リンカーとして使用され得る。そのようなポリマーが、ホモポリマーオリゴヌクレオチドより好ましい。なぜなら、そのようなポリマーは、標的オリゴヌクレオチドにプローブがハイブリダイゼーションするのを有意には干渉しないからである。ポリエチレングリコールが、特に好ましい。
【0086】
固体支持体と、リンカーと、プローブとの間の結合は、高温での塩基性条件下で塩基性保護基を除去する間に好ましくは切断されない。好ましい結合の例としては、カルバメート結合およびアミド結合が挙げられる。
【0087】
オリゴヌクレオチドプローブの固定のための固体支持体の好ましい型の例としては、制御孔ガラス、ガラスプレート、ポリスチレン、アビジンコートポリスチレンビーズ、セルロース、ナイロン、アクリルアミドゲル、および活性化デキストランが挙げられる。
【0088】
TaqManTMアッセイ、そのアッセイにおける使用のための試薬および条件の詳細な説明について、例えば、Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1991)88:7276〜7280;米国特許第5,538,848号、同第5,723,591号および同第5,876,930号(すべてその全体が参考として本明細書中で援用される)を参照のこと。
【0089】
本明細書中に記載されるHBV配列はまた、転写媒介増幅(TMA)アッセイのための基礎として使用され得る。TMAは、生物学的サンプル中に極少量で存在する標的核酸配列を同定する方法を提供する。このような配列は、直接的なアッセイ方法を使用して検出することが難しく、または不可能であり得る。特に、TMAは、何十億を超える標的配列のRNAコピーを提供し得る等温の自己触媒核酸標的増幅システムである。このアッセイは、定性的に行なわれ得、生物学的サンプル中の標的配列の存在または非存在を正確に検出する。このアッセイはまた、様々なオーダーの大きさの濃度範囲にわたって標的配列の量の定量的測定を提供し得る。TMAは、反応条件(例えば、温度、イオン強度およびpH)の反復性操作なしに、標的核酸配列の複数コピーを自己触媒的に合成する方法を提供する。
【0090】
一般的に、TMAは、以下の工程を包含する:(a)HBVで感染されていることが予測される目的の生物学的サンプルからRNAを含む核酸を単離する工程;および(b)以下の反応混合物に混合する工程(i)単離された核酸、(ii)第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマー、RNA標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合配列を有する第1のプライマー((例えば、(+)鎖)が存在する場合、これらと複合体化する)、ならびにその相補体の標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合配列を有する第2のプライマー((例えば、(−)鎖)が存在する場合、これらと複合体化する)、ここで、第1のオリゴヌクレオチドは、プロモーターを含む複合配列に対して5’側の配列をさらに含み、(iii)逆転写酵素またはRNAおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ、(iv)RNA−DNA複合体のRNA鎖を選択的に分解する酵素活性(例えば、RNAse H)ならびに(v)プロモーターを認識するRNAポリメラーゼ。
【0091】
反応混合物の成分は、段階的または一度に混合され得る。この反応混合物は、DNAプライムおよび核酸合成条件(リボヌクレアーゼトリホスフェートおよびデオキシリボヌクレオチドトリホスフェートを含む)を含む条件下で、複数コピーの標的配列を提供するのに十分な時間、インキュベートされ、それによって、オリゴヌクレオチド/標的配列が形成される。この反応は、反応成分(例えば、成分酵素)の安定性を維持するために適切な条件下で、増幅反応過程の間、反応条件の改変または操作を必要とせず、有利に生じる。従って、この反応は、実質的に等温性であり、そして実質的に一定のイオン強度およびpHを含む条件下で生じ得る。この反応は、第1のDNA伸長反応によって生成されたRNA−DNA複合体を分離するための変性工程を都合よく必要としない。
【0092】
適切なDNAポリメラーゼとしては、逆転写酵素(例えば、トリ骨髄芽細胞症ウイルス(AMV)逆転写酵素(例えば、Seikagaku America,Inc.から入手可能)、およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(例えば、Bethesda Research Laboratoriesから入手可能)が挙げられる。
【0093】
プライマー中に取り込まれるのに適切なプロモーターまたはプロモーター配列は、その配列を認識し、そして結合し、そして転写のプロセスを開始し、それによってRNA転写物を産生するRNAポリメラーゼによって特異的に認識される核酸配列(天然に存在するか、合成的に産生されたか、または制限消化の産物のいずれか)である。その配列は、必要に応じて、RNAポリメラーゼの実際の認識部位を越えて、伸長するヌクレオチド塩基(さらなる安定性または分解プロセスに対するさらなる感受性、または増加した転写効率を与え得るヌクレオチド塩基)を含み得る。有用なプロモーターの例としては、特定のバクテリオファージポリメラーゼ(例えば、バクテリオファージT3、T7またはSP6由来のポリメラーゼ)によって認識されるプロモーター、あるいは、E.coli由来のプロモーターが挙げられる。これらRNAポリメラーゼは、市販の供給源(例えば、New England BiolabsおよびEpicentre)から容易に入手可能である。
【0094】
本明細書中の方法における使用に適切な逆転写酵素(例えば、AMV逆転写酵素)のいくつかは、RNaseH活性を有する。しかし、AMV逆転写酵素を使用する場合であっても、外来性のRNaseH(例えば、E.coli RNaseH)を添加することが好ましくあり得る。RNaseHは、例えば、Bethesda Research Laboratoriesから、容易に入手可能である。
【0095】
これらの方法によって産生されたRNA転写物は、上記のメカニズムによって標的配列のさらなるコピーを産生する鋳型として役立ち得る。このシステムは、自己触媒性であり、そして増幅は、温度、pH、イオン強度などのような反応条件を反復的に調整も変更もする必要なしに、自己触媒的に生じる。
【0096】
検出は、直接的配列決定、配列特異的オリゴマーとのハイブリダイゼーション、ゲル電気泳動、および質量分析法を含む広範な種々の方法を用いてなされ得る。これらの方法は、不均一形式または均一形式、同位体標識または非同位体標識を用いてもよく、そして全く標識を用いなくてもよい。
【0097】
1つの好ましい検出方法は、上記の標的配列特異的オリゴヌクレオチドプローブの使用である。これらのプローブは、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)において使用され得る。この実施形態において、プローブは、アクリジニウムエステル(AE)(高度に化学発光性の分子)を用いて簡便に標識される。例えば、Nelsonら(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」、Nonisotopic Probing、Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CA;Nelsonら(1994)「Application of the Hybrdization Protection Assay(HPA) to PCR」、The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MA;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474−1479;Berryら,Clin.Chem.(1988)34:2087−2090。1つのAE分子は、非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を使用してプローブに直接結合され、この非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学によりこのプローブ内の任意の位置における標識の置換が可能になる。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。化学発光は、アルカリ性過酸化水素との反応により発生し、この反応は、励起N−メチルアクリドンを生じ、これが続いて光子を放出して基底状態に落ちる。
【0098】
AE分子が核酸プローブに共有結合で結合する場合、加水分解は、穏やかなアルカリ性条件下で急速である。AE標識したプローブが標的核酸に正確に相補的である場合、AE加水分解の速度は、大きく減少する。従って、加水分解され、かつハイブリダイズしないAE標識プローブは、物理的分離の必要なしに、溶液中で直接検出され得る。
【0099】
HPAは、一般的に、以下の工程から構成される:(a)AE標識プローブを、約15〜約30分間溶液中で標的核酸とハイブリダイズさせる。次いで、穏やかなアルカリ溶液を加え、そしてハイブリダイズしていないプローブにカップリングされたAEを加水分解する。この反応は、およそ5〜10分かかる。残りのハイブリッド結合AEを、存在する標的の量の尺度として検出する。この工程は、およそ2〜5秒かかる。好ましくは、示差的加水分解工程が、ハイブリダイゼーション工程と同じ温度(代表的には、50〜70℃)で行われる。あるいは、第2の示差的加水分解工程が、室温で行われ得る。これにより、高いpH(例えば、10〜11の範囲)が使用され得、加水分解されたAE標識プローブと未加水分解AE標識プローブとの間の加水分解速度においてより大きな差が得られ得る。HPAは、例えば、米国特許第6,004,745号;同第5,948,899号;および同第5,283,174号に詳細に記載され、それらの開示は、本明細書中にその全体が参考として援用される。
【0100】
TMAは、例えば、米国特許第5,399,491号において詳細に記載され、この開示は、その全体において参考として本明細書中に援用される。代表的なアッセイの1つの例では、単離された核酸サンプル(HBV標的配列を含む疑いのある)は、緩衝液濃縮物(緩衝剤、塩、マグネシウム、ヌクレオチド三リン酸、プライマー、ジチオスレイトールおよびスペルミジンを含む)と混合される。反応物を、必要に応じて約100℃でおよそ2分間インキュベートし、全ての二次構造を変性させる。室温まで冷却した後、逆転写酵素であるRNAポリメラーゼ、およびRNAse Hを添加し、そしてこの混合物を、37℃で2〜4時間インキュベートする。次いで、この反応物を、生成物を変性させることによってアッセイし、プローブ溶液を添加し、60℃で20分間インキュベートし、ハイブリダイズしていないプローブを選択的に加水分解するための溶液を添加し、この反応物を60℃で6分間インキュベートし、そしてルミノメーター(luminometer)によって残存する化学発光を測定し得る。
【0101】
本発明の別の局面において、上記の試験のうちの2つ以上は、生物の存在を確認するために実行される。例えば、第1の試験で、検出用の核酸を増幅させるために転写媒介性増幅(TMA)を使用した場合、代替的核酸試験(NAT)アッセイは、例えば、本明細書中で記載されるような、PCR増幅、RT PCRなどを使用することによって実施される。従って、サンプルが、例えば、HIVおよびパルボウイルスB19のような他の生物を含む場合でさえ、B型肝炎ウイルスは、特異的にかつ選択的に検出され得る。
【0102】
容易に明らかなように、本明細書中に記載されるアッセイの設計は、多くのバリエーションに供され、多くの形式が当該分野で公知である。上の説明は、単に指針として提供されるのみであり、当業者は、当該分野で周知の技術を使用して記載されるプロトコルを容易に改変し得る。
【0103】
上記のようなアッセイを実施するために、上記のアッセイ試薬(プライマー、プローブ、結合したプローブを有する固体支持体、および他の検出試薬を含む)が、適切な指示書および他の必要な試薬とともにキットにおいて提供され得る。このキットは、通常、プライマーおよびプローブ(固体マトリクスに既に結合されているか、またはマトリクスにそれらを結合させるための試薬と別個でかのいずれかで)、コントロール処方物(ポジティブおよび/またはネガティブ)、標識化試薬(標識が直接的シグナルを生じないという条件で、アッセイ形式が、同一でありかつシグナル生成試薬(例えば、酵素基質)を必要とする場合)の組み合わせを別個の容器に含む。アッセイを実施するための指示書(例えば、書面、テープ(tape)、VCR、CD−ROMなど)が、通常キットに備えられる。このキットはまた、使用される特性のアッセイに依存して、他のパッケージ試薬および物質(すなわち、洗浄緩衝液など)を備え得る。上に記載されるような標準的なアッセイは、これらのキットを使用して実行され得る。
【0104】
(III.実験)
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。本実施例は、例示目的のみのために提供され、そして本発明の範囲をいずれにも限定することは意図されない。
【0105】
使用した数値(例えば、量、温度など)に関して精度を確実にするための努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差は、当然考慮されるべきである。
【0106】
以下の実施例において、酵素を、市販の供給源から購入し、製造業者の指示書に従って使用した。ニトロセルロースフィルターなどもまた、市販の供給源から購入した。
【0107】
DNAフラグメントの単離において、示された場合以外は、全てのDNA操作を、標準の手順に従って実施した。Sambrookら(上述)を参照のこと。制限酵素、T DNAリガーゼ、E.coli、DNAポリメラーゼI、Klenowフラグメント、および他の生物学的試薬を、市販の供給源から購入し得、製造業者の指示書に従って使用した。二本鎖DNAフラグメントを、アガロースゲル上で分離した。
【実施例】
【0108】
(実施例1)
(生物学的サンプル由来のHBV DNAの抽出)
HBV核酸ポジティブ血清を、Aocrometrix(Berkeley,CA)から購入した。2つのアプローチを使用して、0.5mlの血漿/血清から核酸を単離した。特に、DNAを、(a)シリカに対する結合工程;および(b)標的特異的オリゴヌクレオチドに対するアニーリング工程によって抽出した。
【0109】
((a)シリカに対する結合による核酸の単離)
Boom,R.ら、(1990)「Rapid and simple method for purification of nucleic acids」J.Clin.Microbiol.28,495−503によって記載される方法に、一般的に従った。高濃度のカオトロープ塩(例えば、イソチオシアン酸グアニジニウム)の存在下において、核酸は、シリカに結合する。小さなサイズの核酸は、酸性pH条件下で、シリカにより効率的に結合する。結合した核酸を、高温で、低塩、アルカリpH緩衝液中に効率的に溶出する。通常のシリカを磁化シリカに置換することは、核酸単離の洗浄工程および溶出工程を大きく促進する。磁性基体を使用して、核酸結合シリカ粒子を捕捉し、従って、通常のシリカ粒子を沈殿するのに必要な遠心分離工程を削除する。
【0110】
使用された溶解緩衝液は、Organon−Teknika(Durham,NC)製であった。この溶解緩衝液は、タンパク質を可溶化し、RNaseおよびDNaseを不活性化する、イソチオシアン酸グアニジニウムを含有する。界面活性剤Triton X−100はさらに、細胞構造および核タンパク質の可溶化および崩壊の工程を容易にし、それによって核酸を放出する。溶解試薬を酸性化し、核酸の結合を増強し、そして50μlのアルカリ溶出緩衝液を、結合核酸を溶出するために使用した。核酸の単離後、HBVの存在を、以下に記載されるようなTaqManTM PCRを実施することによって決定した。
【0111】
((b)標的特異的オリゴヌクレオチドにアニーリングすることによる核酸の単離)
磁化シリカの使用は、洗浄工程および溶出工程の間、迅速かつ容易な操作を大いに容易にするが、核酸の単離は、なお困難でありそして時間がかかる。従って、磁気ビーズを使用する、特異的な核酸標的の血漿または血清からの1工程捕捉を、使用した。これを広く種々のウイルス核酸捕捉試験に適用可能にするために、オリゴdTと結合された一般的な磁気ビーズを使用した。約14マーのオリゴdT長さを有するSera−Mag磁気オリゴ(dT)ビーズ(Seradyn,Indianapolis,IN)を、使用されるHBV特異的配列と3’末端で連続する約20のポリAを含む捕捉オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用した(以下に特定される配列の末端に示される)。
【0112】
使用されるアンチセンス捕捉オリゴヌクレオチドは、以下の通りであった:
【0113】
【化1】
Figure 2005505289

【0114】
磁気ビーズを、Novagen溶解緩衝液(Madison,WI)中に懸濁し、一連の20の捕捉オリゴヌクレオチド(上記されるような保存された領域に相補的なVHBVC22〜VHBVC41)を、個々にまたは組み合わせて試験し、Acrometrix(Berkeley,CA)から購入した血清サンプルからHBV DNAを捕捉した。
【0115】
(実施例2)
(ビーズ洗浄緩衝液)
捕捉の後、ビーズを、0.3M NaClおよび0.5% NP−40中の、pH7.5に緩衝化された10mM Hepesを含む緩衝液で洗浄した。溶解緩衝液での血清の処理、ハイブリダイゼーション、ビーズの磁気吸着、および溶解緩衝液の除去の後、1.5mlの洗浄緩衝液を、ビーズに添加した。通常のボルテックス工程、磁気吸着、および洗浄緩衝液の除去の後、ビーズを、0.5mlの同じ緩衝液中で2回目として洗浄し、その結果、磁気ビーズを、Taqmanアッセイ用の全ての試薬を含む100mlの万能PCR緩衝液中に容易に懸濁されるように、密にされ得る。捕捉されたDNAを有するビーズを、以下に記載されるようにTaqManTM PCRによって検出するためにTaqManTMプレートに移した。いくつかのオリゴヌクレオチドの組み合わせは、TaqManTMアッセイによって検出される場合、HBV捕捉で有効であった。
【0116】
(実施例3)
(TaqManTMによるHBV DNAの検出および定量化)
特に、TaqManTM技術は、捕捉された標的核酸を、DNAアンプリコンとして増幅する。代替は、捕捉された標的をRNAとして増幅する。これについて、増幅オリゴヌクレオチドは、HBV特異的プライマーからなった。プライマーは、以下の通りであった:
【0117】
【化2】
Figure 2005505289

【0118】
実施例1からの核酸を、約100IU/20μl得るために希釈した。50mlの最終容量のTaqManTM反応混合物は、以下を含んだ:25mlのTaqManTM万能PCRマスターMix、45pmolの各増幅プライマー、および8pmolのプローブ。反応条件は、ABI7900 Sequence Detectorにおける、AmpEase UNG活性のための50℃、酵素を活性化するための95℃での10分、続く、95℃30秒と60℃30秒が交互である45サイクルを含んだ。S抗原、核、およびRegion Xを含む保存領域に対応する、6セットのPCR増幅プライマー(VHBV1〜VHBV26)を試験した。増幅を、VHBV1プライマー、VHBV24プライマー、およびVHBV26プライマーを使用して実施し、検出プライマーは、VHBV3およびVHBV19であった。X領域中のプライマー(配列番号5〜10)は、広い範囲のMg2+濃度(2〜5mM)を許容し、従って好ましかった。
【0119】
捕捉プライマーおよびTaqManTM技術を用いる標的のプロトコルを使用して、12IU程度を、容易に検出し得た。さらに、捕捉プライマーは、HBVの全ての遺伝子型および全てのサブタイプを捕捉し得た。
【0120】
従って、これらの配列を使用する新規のHBV配列および検出アッセイが開示された。前記から、本発明の特定の実施形態が、例示の目的のために本明細書中に記載されたが、種々の改変が、その意図および範囲から逸脱することなくなされ得ることは理解される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1A〜1D(それぞれ、配列番号1〜4)は、生物学的サンプルからHBV核酸を単離するための例示的捕捉オリゴヌクレオチドを示す。
【図2】図2A〜2H(それぞれ、配列番号5〜10、13、および14)は、単離されたHBV核酸の増幅における使用のためのプライマーおよびプローブを示し、ここでXは、6−FAMまたはTETであり、Zは、リンカーおよびTAMRAであり、配列番号13および14は、内部コントロールである。
【図3】図3(配列番号15)は、標的捕捉および増幅のコントロールとしての使用のための例示的内部コントロール配列を示す。

Claims (41)

  1. 60ヌクレオチド長以下の単離されたオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドは、以下:
    (a)配列番号1〜10、13、14、および15からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列;
    (b)(a)のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;または、
    (c)(a)および(b)の相補体、
    を含む、オリゴヌクレオチド。
  2. 前記オリゴヌクレオチドが、配列番号1〜10、13、14、および15からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  3. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  4. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号2を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  5. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号3を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  6. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号4を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  7. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号5を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  8. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号6を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  9. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号7を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  10. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号8を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  11. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号9を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  12. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号10を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  13. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号13を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  14. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号14を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  15. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号7、13、または14を含み、5’末端および/または3’末端に検出可能な標識をさらに含む、請求項9、13、または14に記載のオリゴヌクレオチド。
  16. 前記検出可能な標識が、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、および2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4−7−ジクロロフルオレセイン(TET)からなる群から選択される蛍光標識である、請求項15に記載のオリゴヌクレオチド。
  17. 前記生物学的サンプル中のHBV感染を検出するための方法における、請求項1〜16のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの使用。
  18. 生物学的サンプル中のB型肝炎ウイルス(HBV)感染を検出するための方法であって、該方法は、以下:
    HBVを含むことが推測される生物学的サンプルから核酸を単離する工程;
    少なくとも2つのプライマーを使用して該核酸を増幅する工程であって、ここで
    (a)各プライマーが、約60ヌクレオチド長以下であり、配列番号5,6、8、9、および10からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したヌクレオチド配列を含むか、または
    (b)プライマーが、(a)のヌクレオチド配列に対して90%の配列同一性を有し、ここで各2つのプライマーが、該単離された核酸の、それぞれセンス鎖およびアンチセンス鎖とハイブリダイズするために十分に該センス鎖およびアンチセンス鎖の一部に対して相補性である、工程;ならびに、
    該サンプル中のHBVの存在または非存在の指標として増幅された核酸の存在を検出する工程、
    を含む、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、ここで前記核酸は、下記の方法によって前記生物学的サンプルから単離され、該方法は:
    (a)固体支持体に接合した捕捉核酸を含む固体支持体を、ハイブリダイズ条件下で、生物学的サンプルと接触させる工程であって、ここで標的核酸鎖は、捕捉核酸とハイブリダイズする、工程
    (b)該固体支持体を該サンプルから分離する工程、
    を包含する、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記捕捉核酸は、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含み、ここで各オリゴヌクレオチドは、約60ヌクレオチド長以下であり、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したヌクレオチドを含む、方法。
  21. 増幅工程が、PCR、転写媒介増幅(TMA)または5’蛍光発生(fluorogenic)ヌクレアーゼアッセイを含む、請求項18に記載の方法。
  22. 増幅工程が、TMAを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記センスプライマーが、配列番号5を含む、60ヌクレオチド長以下のオリゴヌクレオチドである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記アンチセンスプライマーが、2つのオリゴヌクレオチドであって、ここで該オリゴヌクレオチドの各々は、60ヌクレオチド長以下のオリゴヌクレオチドであり、配列番号6および8または配列番号9および10を含む配列の少なくとも10の連続するヌクレオチドを含む、請求項22に記載の方法。
  25. 約60ヌクレオチド長以下のプローブオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含む少なくとも10の連続するオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  26. 前記プローブが、5’末端および3’末端に検出可能な標識をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記検出可能な標識が、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、および2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4−7−ジクロロフルオレセイン(TET)からなる群から選択される蛍光標識である、請求項26に記載の方法。
  28. 生物学的サンプル中のB型肝炎ウイルス(HBV)感染を検出するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)固体支持体を、配列番号1、2、3、および4からなる群から選択される1つ以上の捕捉核酸が該固体支持体と結合される条件下で、該捕捉核酸と接触させる工程;
    (b)(a)の該固体支持体を、ハイブリダイズする条件下で、該生物学的サンプルと接触される工程であって、ここで、存在する場合、HBVからの標的核酸鎖は、該捕捉核酸とハイブリダイズする、工程;および
    (c)(b)の固体支持体を該サンプルから分離する工程;
    (d)配列番号5を含むセンスプライマーならびに配列番号6および8または配列番号9および10を含む少なくとも2つのアンチセンスプライマーを使用して核酸を増幅する工程であって、ここで、該センスプライマーおよびアンチセンスプライマーは、該単離された核酸のそれぞれセンス鎖およびアンチセンス鎖とハイブリダイズするために十分に、該センス鎖およびアンチセンス鎖の一部に対して十分相補性である、工程;ならびに、
    (e)該サンプル中のHBVの存在または非存在の指標として増幅された核酸の存在を検出する工程、
    を包含する、方法。
  29. 前記固体支持体がビーズを含む、請求項18または28に記載の方法。
  30. 前記ビーズは、磁気ビーズである、請求項29に記載の方法。
  31. 内部標準をさらに含む、請求項18または28に記載の方法。
  32. 前記内部標準が、約60ヌクレオチド長以下の標識されたオリゴヌクレオチドを含み、配列番号13および14からなる群から選択される配列の少なくとも10の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記標識が、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、および2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4−7−ジクロロフルオレセイン(TET)からなる群から選択される蛍光標識である、請求項32に記載の方法。
  34. HBV核酸の捕捉において使用するための単離されたオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドは、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、各オリゴヌクレオチドは、約60ヌクレオチド長以下であり、配列番号1、2、3、および4からなる群から選択される配列の少なくとも10の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド。
  35. 請求項20または34に記載のオリゴヌクレオチドであって、ここで、前記1つ以上のオリゴヌクレオチドは、ポリA、ポリT、ポリG、ポリC、およびポリUからなる群から選択される、約15〜25ヌクレオチド長のホモポリマー鎖をさらに含む、オリゴヌクレオチド。
  36. 前記ホモポリマー鎖が、ポリA鎖である、請求項35に記載のオリゴヌクレオチド。
  37. HBV核酸の検出において使用するためのプライマーであって、該プライマーは、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを含み、ここで、該センスプライマーおよび該アンチセンスプライマーは、約60ヌクレオチド長以下であり、少なくとも10の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含み、ここで、該センスプライマーは、配列番号5を含み、該アンチセンスプライマーは、配列番号6、8、9、および10からなる群から選択される、プライマー。
  38. 前記アンチセンスプライマーは、配列番号9および10からなる、請求項37に記載のプライマー。
  39. 生物学的サンプル中のB型肝炎(HBV)感染を検出するためのキットであって、該キットは:
    1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸であって、各該オリゴヌクレオチドは、約60ヌクレオチド長以下であり、そして配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4からなる群から選択される配列の少なくとも10ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、捕捉核酸;
    プライマーオリゴヌクレオチドであって、該プライマーオリゴヌクレオチドは、約60ヌクレオチド長以下であり、配列番号5、6、8、9、および10からなる群から選択される配列からの少なくとも10の連続したオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、プライマーオリゴヌクレオチド;ならびに、
    HBV感染を同定するための指示書、
    を含む、キット。
  40. ポリメラーゼおよび緩衝液をさらに含む、請求項39に記載のキット。
  41. 請求項40に記載のキットであって、該キットは、約60ヌクレオチド長以下の標識オリゴヌクレオチドを含む内部標準をさらに含み、該標識オリゴヌクレオチドは、配列番号13および14からなる群から選択される配列の少なくとも10の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、キット。
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