JP2005505241A - 癌の検出のための方法およびプローブ - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本願は、2001年2月20日に出願された米国仮特許出願第60/270,271号からの優先権を主張するものである。この出願は、その全部が引用することにより本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、癌の検出のための方法およびプローブに関する。
【背景技術】
【0003】
肺癌は、毎年約156,000人の人々の命を奪う、米国における癌に起因する主な死亡原因である。95%を超える原発性肺癌の原因となる4つの主要な気管支原性癌細胞タイプがある:腺癌;扁平上皮細胞癌;大細胞癌;および小細胞癌。これらの細胞タイプは単独でもしくは組み合わせて発生する。残りの5%の腫瘍は、いくつかのまれな腫瘍タイプから成る。
【0004】
肺癌が発生すると、それは最初の癌部位からリンパ節に、そして次に、同時にもしくは順次、体の他の領域に広がる傾向がある。肺癌の広がり(転移)の最も一般的な部位は、脳、骨、肝臓、副腎、および高速の血流を有する任意の他の器官である。大部分の患者において死をもたらすのはこの転移のプロセスである。
【0005】
癌が健康診断によりもしくは診断検査(例えばX線もしくはスパイラルCTのような高解像度画像)により最初に発見される場合、通常、それは少なくとも1cmのサイズである。1cmのサイズである癌は、少なくとも約10億個の細胞を含有する。
【0006】
染色体DNAにおける変化は、悪性細胞への正常細胞の転化に付随して起こることが示されている。このために、特定の染色体改変の検出は、肺癌を検出および診断する手段を提供する。
【発明の開示】
【発明の要約】
【0007】
本発明は、高いレベルの感度で肺癌を検出するために特定のプローブおよびプローブ組を用いることができるという発見に基づく。本明細書に記述するプローブを用いることにより、常法と比較して高められた感度で肺癌を検出することができる。従って、本発明のプローブおよび方法は、肺癌の検出を容易にし、そして/もしくは初期段階での肺癌の検出を可能にする。本発明は、癌の検出のためのプローブ組、プローブおよびプローブ組を使用する方法、並びにプローブ組を選択する方法を含む。
【0008】
一つの態様として、本発明は2個のプローブの以下の組み合わせ:(a)5p染色体アームプローブ(chromosomal arm probe)並びに8q24遺伝子座特異的プローブ(locus specific probe)、3q染色体アームプローブ、20q染色体アームプローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、第16染色体計数プローブ(chromosome 16 enumeration probe)、第4染色体計数プローブ、第12染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブよりなる群から選択されるプローブ;(b)8q24遺伝子座特異的プローブ、並びに第17染色体計数プローブ、第1染色体計数プローブおよび第6染色体計数プローブよりなる群から選択されるプローブ;(c)7p12遺伝子座特異的プローブ、並びに3q染色体アームプローブおよび第6染色体計数プローブよりなる群から選択されるプローブ;(d)3q染色体アームプローブおよび第7染色体計数プローブ;または(e)第6染色体計数プローブおよび第7染色体計数プローブのいずれかを含む一組の染色体プローブを特徴とする。
【0009】
これらの2個のプローブに検出部分を連結することができる。検出部分は、蛍光標識を含有することができる。場合により、2個のプローブを異なる検出部分に連結することができる。例えば、検出部分は蛍光標識を含有することができる。
【0010】
別の態様として、本発明は3個のプローブの以下の組み合わせ:(a)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、並びに9p21遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブよりなる群から選択されるプローブ;(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、第12染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;(c)8q24遺伝子座特異的プローブ、第17染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;(d)8q24遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;または(e)5p15遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブおよび第12染色体計数プローブのいずれかを含む一組の染色体プローブを特徴とする。
【0011】
別の態様として、本発明は4個のプローブの以下の組み合わせ:(a)5p15遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブ、17p13遺伝子座特異的プローブおよび第17染色体計数プローブ;(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;(c)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;(d)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、20q染色体アームプローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;(e)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブ;(f)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;(g)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび第1染色体計数プローブ;(h)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;(i)5p15遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;(j)第7染色体計数プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;または(k)5p染色体アームプローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第7染色体計数プローブのいずれかを含む一組の染色体プローブを特徴とする。
【0012】
本明細書に記述するプローブ組、例えば、少なくとも2、3もしくは4個のプローブを含有する組のある態様として、5p染色体アームプローブを5p15遺伝子座特異的プローブの代わりに用いることができる。本明細書に記述するプローブ組の別の態様として、7p染色体アームプローブを7p12遺伝子座特異的プローブの代わりに用いることができる。
【0013】
別の態様として、本発明は、(a)被験体から生物学的サンプルを得ること;(b)本明細書に記述する組から、一組の少なくとも2個の異なる染色体プローブ、例えば少なくとも2、3もしくは4個のプローブを得ること;(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該組におけるプローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルにプローブの組を接触させること;および(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへの染色体プローブの組のハイブリダイゼーションパターンを検出することの工程を含む、被験体における肺癌をスクリーニングする方法を特徴とする。
【0014】
本明細書に記述する方法において用いるプローブは、第1染色体計数プローブ、第3染色体計数プローブ、第4染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブ、第7染色体計数プローブ、第8染色体計数プローブ、第9染色体計数プローブ、第10染色体計数プローブ、第11染色体計数プローブ、第12染色体計数プローブ、第16染色体計数プローブ、第17染色体計数プローブ、第18染色体計数プローブ、3p14遺伝子座特異的プローブ、3q26遺伝子座特異的プローブ、5p15遺伝子座特異的プローブ、5q31遺伝子座特異的プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、9p21遺伝子座特異的プローブ、10q23遺伝子座特異的プローブ、13q14遺伝子座特異的プローブ、17p13遺伝子座特異的プローブ、17q21遺伝子座特異的プローブ、20q13遺伝子座特異的プローブ、21q22遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブ、5p染色体アームプローブ、7p染色体アームプローブ、3p染色体アームプローブおよび20q染色体アームプローブよりなる群から選択することができる。
【0015】
本明細書に記述する方法において用いる生物学的サンプルは、気管支標本、肺生検もしくは喀痰サンプルを含むことができる。本明細書に記述する方法において用いる染色体プローブは、場合により、蛍光的に標識することができる。本明細書に記述する方法は、サンプルの細胞学的分析を行うことをさらに含むことができる。
【0016】
別の態様として、本発明は、(a)被験体から生物学的サンプルを得ること;(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブおよび第9染色体計数プローブよりなる群から選択される染色体プローブを得ること;(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該プローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルに染色体プローブを接触させること;および(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへのプローブのハイブリダイゼーションパターンを検出することの工程を含む、被験体における肺癌をスクリーニングする方法を特徴とする。
【0017】
別の態様として、本発明は、(a)第一の複数の染色体プローブを準備すること;(b)癌標本を正常標本から判別する第一の複数のプローブの各々の能力を決定すること;(c)正常標本と比較して癌標本を特定する第一の複数のプローブ内のプローブを選択して第二の複数のプローブを与えること、ここで、第二の複数のプローブは、各々、0.01未満のp値もしくは0.500未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定する;(d)癌標本を正常標本から判別する第二の複数のプローブから選択されるプローブの組み合わせの能力を決定すること;および(e)0.400未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定するプローブの組み合わせを選択することの工程を含む、癌の検出のためのプローブの組み合わせを選択する方法を特徴とする。
【0018】
一つの態様として、癌標本は肺癌標本である。例えば、標本は、肺癌にかかっていると診断される患者から得ることができる。正常標本は、肺癌にかかっていると診断されない患者から得られる肺組織標本であることができる。
【0019】
一つの態様として、方法の工程(c)は、正常標本と比較して癌標本を同定する第一の複数のプローブ内のプローブを選択して第二の複数のプローブを与えることを含み、ここで、第二の複数のプローブは、各々、0.005もしくは0.001未満のp値および/または0.400、0.300、0.200もしくは0.100未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定する。
【0020】
別の態様として、方法の工程(c)は、0.300、0.200もしくは0.100未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定するプローブの組み合わせを選択することを含む。
【0021】
別の態様として、本発明は、少なくとも2個の異なるプローブを含む一組の染色体プローブを特徴とし、ここで、プローブの該組は、例えば、少なくとも35人の肺癌患者を含有する集団に対して試験する場合に、少なくとも約60%の感度で肺癌を検出することができる。
【0022】
一例として、該組は少なくとも3個の異なるプローブを含有する。別の例として、該組は少なくとも4個の異なるプローブを含有する。
【0023】
一例として、該組は、約10%のカットオフ値で少なくとも約60%の感度で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は、気管支標本を含む生物学的サンプルに対して検出を行う場合に少なくとも約70%の感度で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は、約20%のカットオフ値で少なくとも約80%の感度で肺癌を検出することができる。
【0024】
本明細書に記述する組、例えば、少なくとも2、3もしくは4個の異なるプローブの組に含まれる染色体プローブは、第1染色体計数プローブ、第3染色体計数プローブ、第4染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブ、第7染色体計数プローブ、第8染色体計数プローブ、第9染色体計数プローブ、第10染色体計数プローブ、第11染色体計数プローブ、第12染色体計数プローブ、第16染色体計数プローブ、第17染色体計数プローブ、第18染色体計数プローブ、3p14遺伝子座特異的プローブ、3q26遺伝子座特異的プローブ、5p15遺伝子座特異的プローブ、5q31遺伝子座特異的プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、9p21遺伝子座特異的プローブ、10q23遺伝子座特異的プローブ、13q14遺伝子座特異的プローブ、17p13遺伝子座特異的プローブ、17q21遺伝子座特異的プローブ、20q13遺伝子座特異的プローブ、21q22遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブ、5p染色体アームプローブ、7p染色体アームプローブ、3p染色体アームプローブおよび20q染色体アームプローブよりなる群から選択することができる。
【0025】
別の態様として、本発明は、少なくとも2個の異なるプローブを含む一組の染色体プローブを特徴とし、ここで、該組は、例えば、少なくとも35人の肺癌患者および20人の正常人を含有する集団に対して試験する場合に、0.500未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。
【0026】
一例として、該組は約10%のカットオフ値で0.500未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は0.400未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は約15%のカットオフ値で0.400未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は0.300未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は約15%のカットオフ値で0.300未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は0.200未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。別の例として、該組は約20%のカットオフ値で0.200未満のベクトル値で肺癌を検出することができる。
【0027】
該組の少なくとも2個の異なるプローブは、第1染色体計数プローブ、第3染色体計数プローブ、第4染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブ、第7染色体計数プローブ、第8染色体計数プローブ、第9染色体計数プローブ、第10染色体計数プローブ、第11染色体計数プローブ、第12染色体計数プローブ、第16染色体計数プローブ、第17染色体計数プローブ、第18染色体計数プローブ、3p14遺伝子座特異的プローブ、3q26遺伝子座特異的プローブ、5p15遺伝子座特異的プローブ、5q31遺伝子座特異的プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、9p21遺伝子座特異的プローブ、10q23遺伝子座特異的プローブ、13q14遺伝子座特異的プローブ、17p13遺伝子座特異的プローブ、17q21遺伝子座特異的プローブ、20q13遺伝子座特異的プローブ、21q22遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブ、5p染色体アームプローブ、7p染色体アームプローブ、3p染色体アームプローブおよび20q染色体アームプローブよりなる群から選択することができる。
【0028】
本発明の利点は、細胞診のような常法と比較して、改善された感度で肺癌の検出を可能にすることである。従って、これらのプローブおよび方法は、例えば浸潤前段階で、肺癌の早期発見を可能にすることができる。
【0029】
本発明の別の利点は、細胞構造における肉眼で見える形態学的変化よりむしろ、遺伝子改変に基づく癌細胞の検出を可能にすることである。遺伝子改変は、初期段階で、例えば細胞構造の視覚的に検出可能な変化の発生の前に、検出することができる。
【0030】
他に特定しない限り、本明細書において用いる全ての技術および科学用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述するものと同様もしくは同等の方法および材料を本発明の実践もしくは試験に用いることができるが、適当な方法および材料を以下に記述する。本明細書に記載する全ての公開、特許出願、特許および他の参考文献は、それらの全部が引用することにより組み込まれる。専門用語における不一致の場合、本明細書が規制する。さらに、記述する材料および方法は実例となるだけであり、限定するものではない。
【0031】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および請求項から明らかである。
【発明の詳細な記述】
【0032】
本発明は、肺癌の検出のためのプローブ組並びにプローブおよびプローブ組を用いる方法を含む。本明細書に記述するプローブおよび方法は、気管支標本、肺生検もしくは喀痰サンプルのような生物学的サンプルにおける肺癌の迅速で且つ高感度の検出を可能にする。さらに、本発明は、癌の検出のためのプローブ組を選択する方法を含む。
染色体プローブ
本発明によるインサイチューハイブリダイゼーションに適当なプローブは、3種の幅広い群:染色体領域にハイブリダイズしそして染色体の有無を示す染色体計数プローブ;染色体領域にハイブリダイズしそして染色体の腕の有無を示す染色体アームプローブ;および染色体上の特定の遺伝子座にハイブリダイズしそして特定の遺伝子座の有無を検出する遺伝子座特異的プローブに分類される。染色体プローブおよびその組み合わせは、肺癌の検出のための方法に用いる場合、感度および/もしくは特異性に関して選択される。プローブ組は、任意の数のプローブ、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15もしくは20個のプローブを含むことができる。
【0033】
染色体計数プローブは、動原体の近くもしくはそれから離れて位置する反復配列にハイブリダイズすることができ、または染色体上の任意の位置に位置するユニーク配列にハイブリダイズすることができる。例えば、染色体計数プローブは、染色体の動原体と関連する反復DNAとハイブリダイズすることができる。霊長類染色体の動原体は、アルファ−サテライトDNAと呼ばれる、約171塩基対のモノマー反復長から成る、複雑な一群のDNAの長い縦列反復を含有する。染色体計数プローブの限定されない例には、第1、第3、第4、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第16、第17および第18染色体に対するプローブが包含される。いくつかの特定の染色体計数プローブおよびそれらのそれぞれの標的領域の例を実施例1の表1に記述する。
【0034】
染色体アームプローブは、既定の染色体の短腕もしくは長腕のいずれかの腕上に位置する反復もしくはユニーク配列にハイブリダイズすることができる。染色体アームプローブがハイブリダイズする配列の獲得もしくは喪失は、腕の獲得もしくは喪失を示すために用いることができる。染色体アームプローブの限定されない例には、染色体腕3q、5p、7p、3pおよび20qに対するプローブが包含される。特定の染色体アームプローブおよびそれらのそれぞれの標的領域の例を表1に記述する。
【0035】
遺伝子座特異的プローブは、染色体上の特定の非反復遺伝子座にハイブリダイズする。遺伝子座特異的プローブの限定されない例には、以下の遺伝子座:3p14;3q26;5p15;5q31;7p12;8q24;9p21;10q23;13q14;17p13;17q21;20q13;および21q22に対するプローブが包含される。これらの遺伝子座のいくつかは、癌のある形態において改変される遺伝子、例えば癌遺伝子および癌抑制遺伝子を含んでなる。従って、遺伝子のエキソン、イントロンもしくは調節配列のいずれかのこれらの遺伝子を標的とするプローブは、本明細書に記述する検出方法において用いることができる。標的遺伝子の例には:FHIT(3p14);EGR1(5q31);EGFR1(7p12);c−MYC(8q24);PTEN(10q23);RB(13q14);P53(17p13);およびHER−2/neu(17q21)が包含される。
【0036】
染色体プローブは、任意のサイズであることができるが、典型的には、約50〜約5x105ヌクレオチドの長さである。染色体プローブは反復配列、例えば約100〜約500ヌクレオチドの長さのフラグメントを含んでなることができる。動原体DNAおよび特定の染色体遺伝子座とハイブリダイズするプローブは、例えば、Vysis,Inc.(Downers Grove,IL)、Molecular Probes,Inc.(Eugene,OR)から、もしくはCytocell(Oxfordshire,UK)から市販されている。あるいはまた、プローブは、標準的な技術によって染色体もしくはゲノムDNAから非商業的に製造することができる。例えば、用いることができるDNA源には、ゲノムDNA、細菌人工染色体(BAC)のようなクローン化されたDNA配列、宿主の正常な染色体相補体(chromosome complement)と一緒に1本もしくは1本の一部のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッド、およびフローサイトメトリーもしくは顕微解剖により精製された染色体が包含される。当該領域、例えば表1に示す標的領域は、クローニングによって、もしくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による部位特異的増幅によって単離することができる。例えば、Nath and Johnson,Biotechnic Histochem.,1998,73(1):6−22;Wheeless et al.,Cytometry,1994,17:319−326;および米国特許第5,491,224号を参照。
【0037】
染色体プローブは、染色体にハイブリダイズした場合にプローブの検出を容易にする検出部分を含有することができる。検出部分の例には、下記のような、直接および間接標識の両方が包含される。
【0038】
染色体プローブは、検出可能な標識で直接標識することができる。検出可能な標識の例には、発蛍光団、より低い波長/より高いエネルギーの光を吸収した後に蛍光を発する有機分子、並びに放射性同位体、例えば32Pおよび3Hが包含される。発蛍光団は、二次検出分子なしにプローブを視覚化させることができる。例えば、発蛍光団をヌクレオチドに共有結合的に連結した後、該ヌクレオチドをニックトランスレーション、ランダムプライミングおよびPCRラベリングのような標準的技術でプローブに直接導入することができる。あるいはまた、プローブ内のデオキシシチジンヌクレオチドをリンカーでアミノ基転移することができる。次に、アミノ基転移したデオキシシチジンヌクレオチドに発蛍光団を共有結合的に連結する。例えば、米国特許第5,491,224号を参照。
【0039】
本明細書に記述する方法において用いることができる発蛍光団の例は以下のとおりである:7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸(AMCA)、テキサスレッドTM(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR);5−(および−6)−カルボキシ−X−ローダミン、lissamineローダミンB、5−(および−6)−カルボキシフルオレセイン;フルオレセイン−5−イソチオシアネート(FITC);7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボン酸、テトラメチルローダミン−5−(および−6)−イソチオシアネート;5−(および−6)−カルボキシテトラメチルローダミン;7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸;6−[フルオレセイン5−(および−6)カルボキサミド]ヘキサン酸;N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4aジアザ−3−インダセンプロピオン酸;エオシン−5−イソチオシアネート;エリトロシン−5−イソチオシアネート;およびカスケーdTMブルーアセチルアジド(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)。
【0040】
複数のプローブを用いる方法において、該組の各染色体プローブを区別して視覚化できるように異なる色の発蛍光団を選択することができる。あるいはまた、該組の2個もしくはそれ以上のプローブを同じもしくは同様の発蛍光団で標識することができる。プローブは、蛍光顕微鏡および各発蛍光団に適切なフィルターで、もしくは複数の発蛍光団を観察するために二重もしくは三重帯域通過フィルター組を用いることにより調べることができる。例えば、米国特許第5,776,688号を参照。あるいはまた、フローサイトメトリーのような技術を染色体プローブのハイブリダイゼーションパターンを調べるために用いることができる。
【0041】
プローブはまた、標識されたプローブを視覚化するために二次検出分子、もしくはさらなる処理を必要とするが、例えばビオチンもしくはジゴキシゲニンで、間接的に標識することもできる。例えば、ビオチンで標識したプローブは、検出可能なマーカー、例えば発蛍光団に結合したアビジンにより検出することができる。さらに、アビジンはアルカリホスファターゼもしくは西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素マーカーに結合することができる。酵素マーカーは、酵素の基質を用いて標準的な比色反応において検出することができる。アルカリホスファターゼの基質には、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸およびニトロブルーテトラゾリウムが包含される。西洋ワサビペルオキシダーゼの基質としてジアミノベンゾエートを用いることができる。
インサイチューハイブリダイゼーション
染色体異常を有する細胞の有無は、インサイチューハイブリダイゼーションにより決定する。染色体異常を有する細胞は、例えば、異常な数の染色体を有し、そして/または表1に示すような遺伝子座もしくは染色体腕のような、特定の染色体領域の獲得もしくは喪失(例えばヘミ接合性もしくはホモ接合性喪失)のような染色体構造の改変を有する。例えば、一つもしくはそれ以上の染色体の獲得、例えば3コピーもしくはそれ以上の任意の既定の染色体を有する細胞は、本明細書に記述する方法において検査で陽性反応を示すと考えることができる。単染色体性および零染色体性を示す細胞もまた、ある特定の状況下で検査で陽性反応を示すと考えることができる。一般に、インサイチューハイブリダイゼーションは、生物学的サンプルを固定すること、固定した生物学的サンプル内に含まれる標的DNAに染色体プローブをハイブリダイズさせること、非特異的結合を除くために洗浄すること、およびハイブリダイズしたプローブを検出することの工程を含む。
【0042】
「生物学的サンプル」は、細胞もしくは細胞材料、例えば、肺実質、細気管支、気管支(bronchial)、気管支(bronchi)および気管が包含されるがこれらに限定されるものではない、肺構造から得られる細胞もしくは細胞材料を含有するサンプルである。肺癌の検出に有用な生物学的サンプルの限定されない例には、気管支標本、肺生検および喀痰サンプルが包含される。気管支標本の例には、気管支分泌物、洗浄液、洗浄、吸引および擦過が包含される。肺生検は、外科手術、気管支鏡検査および経胸郭針生検が包含される方法により得ることができる。一例として、肺生検からタッチプレパレーション(touch preparations)を作ることができる。
【0043】
さらに、生物学的サンプルは滲出液、例えば、胸水、心外膜液もしくは腹水を包含することができる。さらに、生物学的サンプルは、肺癌が一般に転移する組織から得られる細胞もしくは細胞材料を包含することができる。これらの組織には、例えば、リンパ節、血液、脳、骨、肝臓および副腎が包含される。従って、本明細書に記述するプローブおよびプローブ組は、肺癌および肺癌転移を検出するために用いることができる。
【0044】
典型的には、当業者に周知である技術を用いて細胞を生物学的サンプルから採取し、そして調製する。例えば、細胞は、気管支洗浄液のような生物学的サンプルを遠心分離しそしてペレットにした細胞を再懸濁することにより採取することができる。典型的には、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁する。細胞ペレットを得るために細胞懸濁液を遠心分離した後、細胞を例えば酸アルコール溶液、酸アセトン溶液、もしくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドのようなアルデヒドにおいて固定することができる。例えば、メタノールおよび氷酢酸をそれぞれ3:1の比率で含有する固定剤を固定剤として用いることができる。中性緩衝ホルマリン溶液もまた用いることができ、そしてリン酸ナトリウムの水溶液中約1%〜10%の37−40%ホルムアルデヒドを含む。固定剤の大部分を取り除き、ごく一部の溶液に懸濁した濃縮細胞を残すことにより細胞を含有するスライドを調製することができる。細胞がスライド上で重なり合わないように細胞懸濁液をスライドに加える。細胞密度は、光学もしくは位相差顕微鏡により測定することができる。
【0045】
インサイチューハイブリダイゼーションの前に、染色体プローブおよび細胞内に含まれる染色体DNAを各々変性させる。染色体プローブが一本鎖核酸として調製される場合、プローブの変性は必要とされない。変性は、典型的には、高いpH、熱(例えば約70℃〜約95℃の温度)、ホルムアミドおよびテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物のような有機溶媒、もしくはその組み合わせの存在下でインキュベーションすることにより行う。例えば、70℃より上の温度(例えば約73℃)と70%のホルムアミドおよび2XSSC(0.3M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)を含有する変性バッファーとの組み合わせにより染色体DNAを変性させることができる。変性条件は、典型的に、細胞形態が保たれるように定める。例えば、染色体プローブは、熱により、例えばプローブを約73℃に約5分間加熱することにより変性させることができる。
【0046】
変性する化学物質もしくは条件を取り除いた後、ハイブリダイズする条件下でプローブを染色体DNAにアニーリングさせる。「ハイブリダイズする条件」は、プローブと標的染色体DNA間のアニーリングを促進する条件である。ハイブリダイゼーション条件は、プローブの濃度、塩基組成、複雑さおよび長さ、並びにインキュベーションの塩濃度、温度および長さにより異なる。例えば、インサイチューハイブリダイゼーションは、典型的に、1−2XSSC、50−55%ホルムアミド、ハイブリダイゼーション促進剤(例えば10%硫酸デキストラン)、および非特異的ハイブリダイゼーションを抑制するためのブロッキングDNAを含有するハイブリダイゼーションバッファーにおいて行う。一般に、上記のようなハイブリダイゼーション条件は、約25℃〜約55℃の温度、および約0.5時間〜約96時間のインキュベーションの長さを含む。より特に、ハイブリダイゼーションは、約32℃〜約45℃で約2〜約16時間行うことができる。
【0047】
標的領域の他のDNAへの染色体プローブの非特異的結合は、一連の洗浄により除くことができる。各洗浄における温度および塩濃度は、所望のストリンジェンシーにより決まる。例えば、高いストリンジェンシー条件では、0.2X〜約2XSSC、および約0.1%〜約1%のNonidet P−40(NP40)のような非イオン性界面活性剤を用いて、約65℃〜約80℃で洗浄を行うことができる。ストリンジェンシーは、洗浄の温度を下げることによりもしくは洗浄の塩濃度を上げることにより低くすることができる。
染色体異常の検出
細胞における染色体プローブもしくは染色体プローブの組のハイブリダイゼーションパターン(例えば各プローブのシグナルの数)を調べ、そしてシグナルの数を記録することにより、細胞内の染色体もしくは染色体領域の獲得もしくは喪失を評価する。典型的なアッセイでは、ハイブリダイゼーションパターンを複数の細胞、例えば約25−5,000個の細胞において評価する。
【0048】
1個もしくはそれ以上、例えば少なくとも約5、6、7、8、9、10、15もしくは20個の細胞が「検査で陽性反応を示す」複数の細胞、例えば少なくとも約100個を含有するサンプルは、癌陽性と考えられる。「検査で陽性反応を示す」は、本明細書に記述するような染色体、染色体腕もしくは遺伝子座の獲得もしくは喪失を有することを意味する。「検査で陽性反応を示す」規準は、1、2、3、4個もしくはそれ以上のプローブで検査で陽性反応を示すことを含むことができる。さらに、「検査で陽性反応を示す」は、複数のプローブ、例えば4個のプローブでハイブリダイゼーション分析を行いそして一部のプローブ、例えば少なくとも2もしくは3個のプローブで異常なハイブリダイゼーションパターンを検出することを含むことができる。
【0049】
細胞、例えばスライドのような平面上に置かれた細胞を含有するサンプルは、様々な方法によりそして様々な規準を用いて評価することができる。本明細書に記述するプローブおよび方法は、特定のスクリーニング方法論での使用に限定されない。例えば、「走査法」として既知であるものにおいて、観察者は何百〜何千もの細胞を細胞学的異常に関して走査する(DAPIフィルターで調べて)。評価する細胞の数は、患者によって異なる標本の細胞充実性により決まる。必ずではないが一般に新生細胞と関連する細胞学的異常には、核の拡大(nuclear enlargement)、核の不規則(nuclear irregularity)、および異常なDAPI染色(しばしばまだらでそしていっそう薄い)が包含される。走査法において、観察者は、(FISHにより示されるような)染色体異常に関する細胞の評価を細胞学的異常もまた示す細胞に集中する。さらに、染色体異常は細胞学的異常がなくても起こるので、明らかな細胞学的異常がない細胞の一部を評価することができる。走査法は、米国特許第6,174,681号にさらに詳細に記述されており、その内容は引用することにより組み込まれる。
肺癌に関する患者のスクリーニング、モニタリングおよび診断
本明細書に記述する方法は、肺癌に関して個体をスクリーニングするためにもしくは肺癌と診断される患者をモニターするために用いることができる。例えば、スクリーニング形態において、喫煙するかもしくは煙に慢性的にさらされている個体、またはアスベストに慢性的にさらされる個体のような肺癌の危険にさらされている個体を肺癌のいっそう早期の発見という目的でスクリーニングする。さらに、本明細書に記述するプローブおよび方法は、症状のある患者の診断に用いることができる。本明細書に記述する方法は、単独でもしくは他の試験とともに用いることができる。例えば、画像分析、例えばCT、スパイラルCT、およびX線解析、並びに/もしくは細胞診のような他の標準試験と一緒に本明細書に記述するようなインサイチューハイブリダイゼーションを行うことにより肺癌の増大した危険を有する患者を肺癌に関してスクリーニングすることができる。あるいはまた、最初に標準方法を患者に対して行うことができ、そして標準試験が疑わしいもしくは陰性の結果を与える場合に、本明細書に記述する方法を行うことができる。
【0050】
本明細書に記述する方法はまた、肺癌にかかっていると診断される患者に対して治療を選択するために用いることもできる。従って、該方法は、肺癌を診断し、同時に、癌の可能な処置に関する有用な情報を提供することができる。本明細書に記述するプローブのいくつかは、癌遺伝子および癌抑制遺伝子に向けられる。患者が癌にかかっているという決定の過程でこれらの遺伝子の1個もしくはそれ以上が改変されていることが見出される場合、この情報を治療、例えばこれらの遺伝子および/もしくはそれらのタンパク質産物の存在もしくは活性を調節する(増加するもしくは減少する)治療を選択するために用いることができる。例えば、17q21遺伝子座の改変が見出される場合、この情報をHer−2に基づく治療を設計するために用いることができる(例えば、Cragg et al.,Curr.Opin.Immunol.,1999,11:541−547を参照)。特定の癌遺伝子および癌抑制遺伝子を含有する遺伝子座を表1に示す。
プローブ選択法
個々のプローブおよびプローブ組の選択は、実施例に記述する原理を用いて行うことができる。これらの選択法は、高感度での肺癌の検出に有用なプローブおよびプローブ組を選択するために判別および/もしくは組み合わせ分析を利用する。
【0051】
本明細書に記述する方法は、好ましくは、特に肺癌の早期発見のための、常法のものより優れている組み合わせた感度および特異性を有する。実施例に記述するように、26個の染色体プローブを27個の異なる肺腫瘍標本および12個の正常隣接組織標本にハイブリダイズさせ、そして各標的の獲得および喪失の程度を測定した。このデータを分析しそして最も有用なプローブ組を選択するために、組み合わせて考慮した場合に、高い感度および特異性を有するプローブ組をもたらすいくつかの基準を開発した。各基準は厳格ではないが、最適に遂行するプローブ組に到達するために他の基準に対して重視する一般的な優先を提示する。
【0052】
(1)プローブ組に選択される各プローブは、独力で腫瘍と正常な組織を判別する能力を有するべきである。高い判別能力を有するプローブが好ましい。判別分析は2つの異なる方法を利用する:(a)プローブ標的の各々の標的獲得および喪失を有する細胞のパーセンテージの平均および標準偏差を腫瘍標本組および正常隣接腫瘍標本間で比較すること、並びに(b)獲得および喪失した標的の細胞パーセンテージの様々なカットオフ値に対して、腫瘍および正常隣接腫瘍標本を特定する各プローブの感度および特異性を個々に計算すること。方法(a)を評価するためにいくつかの異なる測定基準を作製することができ、これらにはD.V.(判別値)、S.D.M.(「中間点」での標準偏差)およびp値の計算が包まれた。D.V.およびp値は、評価のために一般に認められている方法である。S.D.M.の妥当性は、それが腫瘍および正常平均からの標準偏差の倍数として、平均および標準偏差が2つの集団の真の値に実際に等しい場合に感度が特異性と等しいカットオフ値であることである。例えば、中間点が腫瘍標本の平均から腫瘍標本の1標準偏差および正常隣接標本の平均から正常隣接標本の1標準偏差である場合、感度および特異性は各々84%に等しい(これはまた、正常隣接組織分布では0へのそれらの近似のために真実である可能性が低い、各集団の正規誤差分布も仮定する)。S.D.M.が大きいほどそのプローブの感度および特異性は大きい。
【0053】
(2)組み合わせた感度および特異性の主な測定基準は、理想的な(感度=特異性=1)および測定された感度および特異性を示す特異性に対する感度のプロット上の点の間で引いたベクトルの大きさである「ベクトル」と呼ばれる量である。従って、ベクトル値は、理想的な場合の0から最も悪い場合で1.414である。
【0054】
(3)プローブ組に選択される各プローブは、他の選択されたプローブを補足すべきであり、すなわち、それは、他のプローブ(1個もしくは複数)が特定できなかった追加の腫瘍標本を特定すべきである。プローブの最も良い補足する組を特定する一つの方法は、最も低いベクトル値を有するプローブを選び、それが特定する腫瘍標本の群を腫瘍標本の完全な組から取り除き、そして次に残りの腫瘍標本に対して最も低いベクトル値を有するプローブを決定することである。プローブ組を完成するために必要に応じてこの方法を続けることができる。全ての可能なプローブの組み合わせを作製しそして各々の感度および特異性を計算する本明細書において選択する方法は、全ての可能なプローブ組の性能を予測し、そして最も高い性能特性を有する最小限のプローブ組の選択を可能にする。また、同様に高い性能特性を有する様々な組み合わせも得られる。試験する標本の限定された数のために起こりうる誤差を考慮して、高位のプローブの組み合わせのいくつかを疾患の予後診断との関連性もしくはプローブを製造することにおける困難のような他の実用的特徴に基づいて比較することができる。
【0055】
(4)相互に補足し合うプローブの能力は、以下の(5)に示す場合を除いて、個々のプローブの判別能力より重要である。
【0056】
(5)他のプローブを補足する測定された能力にかかわらず、各プローブは、腫瘍標本組と正常隣接組織標本組間で統計的に異なるパーセンテージの検査で陽性反応を示す細胞を特定しなければならない。この条件が満たされない場合、プローブは見かけの相補性に基づいて誤って選択されるかもしれない。
【0057】
(6)2個のプローブの組み合わせのデータは、3個のプローブの組み合わせのデータより信頼性があり、そして3個のプローブの組み合わせのデータは、4個のプローブの組み合わせのデータより信頼性がある。これは、より多数のプローブおよび試験する限定された数の標本間の相関関係をもたらす能力の低下に起因する。
【0058】
(7)カットオフ値の関数としてのプローブおよびプローブの組み合わせの性能の依存性を考慮しなければならない。「カットオフ値」は、陽性とみなされるサンプルで獲得もしくは喪失を有するはずである集団における細胞のパーセンテージをさす。従って、サンプルにおける細胞のパーセンテージがカットオフ値より上であるかもしくはカットオフ値と等しいかもしくはそれ未満であるかによりサンプルを陽性もしくは陰性と称する。
【0059】
一般に、プローブの組み合わせた特異性および感度は、低いカットオフ値でいっそう優れている。しかしながら、癌細胞が、気管支分泌物もしくは喀痰のような、多数の正常細胞を含有するマトリックス内に分散している場合、高いカットオフで最も良く遂行するプローブが、検出される可能性が高い。これは、高いカットオフでの優れた性能が、異常性を含有する細胞のいっそう高い普及率(prevalence)を示すからである。計算に用いることができるカットオフ値の例には、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%および60%が包含される。
【0060】
(8)標的獲得の測定は、標的喪失の測定より好ましい。重複する標的もしくはある細胞への弱いハイブリダイゼーションは、単染色体性を誤って示唆する可能性がある。欠失プローブは、最小に欠失した領域を越えて広がってはならないので、欠失を検出するために設計する遺伝子座特異的もしくは染色体アームプローブは、一般に、獲得を検出するために設計する遺伝子座特異的もしくは染色体アームプローブより小さい。「欠失プローブ」のあまりに多くが欠失配列を越えて広がる場合、誤って計数されるのに十分なシグナルが残り得る。通常、「欠失プローブ」は小さくしておくので、それらのシグナルは典型的に獲得される標的のシグナルほど強くない。これは言い換えると、欠失をモニターする標的からの実際のシグナルを誤算し得る可能性を高くする。同様に、本発明に用いるいくつかの染色体計数プローブのような反復配列プローブは、通常、遺伝子座特異的プローブより鮮明なシグナルを与えそして速くハイブイダイズするので、単一の遺伝子座プローブより好ましい。一方、反復配列プローブは、多型に対して遺伝子座特異的プローブより感度が高い。
【0061】
(9)プローブもしくはプローブの組み合わせは、好ましくは、細胞診のような常法より優れた改善を示す。プローブもしくはプローブの組み合わせは、好ましくは、少なくとも約50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは100%さえの感度で肺癌を検出する。プローブもしくはプローブの組み合わせは、好ましくは、約0.500、0.450、0.400、0.350、0.300、0.250、0.200、0.150もしくは0.100未満のベクトル値で肺癌を検出する。
【0062】
本発明を以下の実施例においてさらに記述し、これらは請求項に記述する本発明の範囲を限定しない。
【実施例】
【0063】
実施例1:プローブ選択
インサイチューハイブリダイゼーションにより肺癌における染色体異常を検出するための候補として26個のプローブの収集物を集めた。これらのプローブを肺癌タッチプレパレーションの収集物にハイブリダイズさせ、そして各プローブ標的の細胞当たりのコピー数の分布を決定した。腫瘍標本を保全するために、多色ハイブリダイゼーションを利用して標本当たりのハイブリダイゼーション領域の数を8に限定した。これを成し遂げるために、26個のプローブをいくつかの異なる発蛍光団で標識した。標識したプローブから各々3もしくは4個のプローブの混合物を調製して8プローブ組を生成せしめた。可能である場合、全染色体異数性と染色体内の領域の獲得および喪失を判別するために同じ染色体を標的とする染色体計数プローブおよび遺伝子座特異的プローブを同じ組に組み合わせた。
【0064】
肺タッチプレパレーションへのハイブリダイゼーションに選択した26個のプローブを表1に記述する。これらのプローブには、13個の染色体計数プローブ(Vysis,Inc.からのCEPTMプローブ;反復動原体配列を標的とする)および13個の遺伝子座特異的プローブ(Vysis,Inc.からのLSITMもしくはBAC調製物;増幅もしくは欠失した染色体領域と関連するユニーク配列を標的とする)が含まれた。表1の第3縦列は、26個のプローブの各々の標的位置を記述する。これらのプローブのいくつかには、関連遺伝子座に位置する癌遺伝子もしくは癌抑制遺伝子もまた記載する。
【0065】
SpectrumAquaTM、ApectrumGreenTMおよびSpectrumOrangeTMで標識した3個のプローブ、もしくはSpectrumAquaTM、ApectrumGreenTM、SpectrumGoldTMおよびSpectrumRedTMで標識した4個のプローブの混合物を調製して8プローブ組を生成せしめた。各プローブに用いた蛍光標識および各プローブを含有するプローブ組を表1のそれぞれ第4および第5縦列に記述する。
【0066】
各種の肺癌にかかっている27人の患者から取り除いた肺癌から調製した腫瘍タッチプレパレーションを26個のプローブを試験するのに用いた。さらに、12人の該患者からの腫瘍から一般に少し離れた正常な肺組織より調製した標本(NAL=正常隣接肺組織)もまた、各プローブの獲得および喪失標的のバックグラウンドレベルを調べるために試験した。肺腫瘍および正常標本の特徴を表2に記載する。タッチプレパレーションは、一片の肺腫瘍もしくは正常隣接組織を顕微鏡スライドガラスに押し付けそしてエタノールにおいて短時間固定することにより調製した。次にこれらの標本は、使用の準備ができるまで−20℃で保存した。
【0067】
インサイチューハイブリダイゼーションの前に、タッチプレパレーションを以下のプロトコルによりインサイチューハイブリダイゼーション性能を向上するために処理した。
【0068】
(1)標本スライドを新しいCarnoy溶液(3:1メタノール:酢酸)において室温で20分間固定する。スライドを風乾させる。
【0069】
(2)スライドを45℃のホットプレート上に15分間置く。
【0070】
(3)スライドを2xSSCにおいて37℃で10分間インキュベーションする。
【0071】
(4)スライドをペプシン溶液(0.05mgペプシン/ml 10mM HCl)に37℃で13分間置く。ペプシン溶液は、25μLのペプシンストック溶液(100mgペプシン/mL水;2,500−3,000U/mgペプシンを用いる)を50mLの10mM HClに希釈することにより毎日新しく調製する。
【0072】
(5)スライドを1xPBSに室温で5分間置く。
【0073】
(6)スライドを1%ホルムアルデヒドにおいて室温で5分間固定する。ホルムアルデヒド溶液は、1.35mLの37%ホルムアルデヒドを48.15mLの1xPBSおよび0.5mLの2M MgCl2と混合することにより調製する。毎日の使用後に廃棄する。
【0074】
(7)スライドを1xPBSに室温で5分間置く。
【0075】
(8)スライドを一連のエタノール溶液(70%、85%、100%)に溶液当たり1−5分置くことにより標本を脱水する。変性させる前に標本を風乾させる。
【0076】
上記の処理を行った後、以下のように蛍光インサイチューハイブリダイゼーションを全ての標本に対して行った。
【0077】
(1)スライドを70%ホルムアミド/2xSSCの溶液に73℃で5分間置くことにより標本のDNAを変性させる。
【0078】
(2)スライドを一連のエタノール溶液(70%、85%、100%)に溶液当たり1−5分置くことにより標本を脱水する。変性したプローブを加える前に標本を風乾させる。
【0079】
(3)プローブを含有するチューブを73℃の水浴に5分間置くことによりプローブ溶液を変性させる。
【0080】
(4)変性したプローブ溶液を変性したスライドに加え、溶液上にカバースリップを置き、そして縁に沿ってゴムセメントを付けることによりカバースリップを密封する。プローブを給湿チャンバーにおいて37℃で一晩ハイブリダイズさせる。
【0081】
(5)スライドをコプリン(Coplin)ジャーにおいて0.4xSSC/0.3% NP−40中70℃で3分間(もしくは73℃で1分)洗浄する。コプリンジャー当たり4枚のスライドを同時に洗浄する。
【0082】
(6)スライドを2xSSC/0.1% NP−40に数秒〜数分間浸す。
【0083】
(7)退色防止/対比染色溶液を加え、そしてカバースリップで覆う。分析するまでスライドを−20℃で保存する。
【0084】
ハイブリダイズした標本スライドを4種の蛍光標識およびDAPI対比染色の各々に特異的な単一帯域通過フィルター組を用いて蛍光顕微鏡上で調べた。100個の連続した非炎症細胞における各蛍光色の点の数を計数することにより各タッチプレパレーションを分析し、そして各プローブ標的のコピー数を記録した。標本のいくつかは、26個全てのプローブと十分にハイブリダイズするとは限らず、従って、試験する標本の数は各プローブで異なる。さらに、プローブ組8を全ての標本に対して試験したとは限らなかった。
実施例2:インサイチューハイブリダイゼーションデータの分析
正常および腫瘍標本の各々の標的コピー数データを、腫瘍標本と正常標本を判別する各プローブの能力(判別分析)および腫瘍標本と正常標本を判別するプローブ組み合わせの能力(組み合わせ分析)に関して分析した。これらの分析は、肺癌細胞を最もよく特定するためにどのプローブを個々にもしくは合わせて用いるべきかを決定することにおいて考慮するデータの一部として用いた。
判別分析
正常標本群と腫瘍標本群を判別する個々のプローブの能力は、各群において見出される異常細胞のパーセンテージの平均および標準偏差を比較することによってまず評価した。これらのデータを表3(正常標本群)および4(腫瘍標本群)に記載する。各表の最初の26列は、試験する26個のプローブの各々の細胞当たりの絶対標的計数から得られたデータを記載する。これらの計算では、2コピーより多く存在する個々の標的はコピー数の異常な獲得とみなし、そして2コピーより少なく存在する標的はコピー数の異常な喪失と見なした。表3および4の最後の8列は、LSI/CEP標的数の比、もしくは第5染色体の場合にはLSI 5p15/LSI 5q31標的数の比から得られるデータを示す。比は、両方のプローブが同じプローブ組に含まれる場合にのみ計算した。これらの比は、細胞ごとに計算した。これらの計算の上で、比が1より大きい場合には細胞が標的獲得を、そして比が1未満である場合には標的喪失を有すると見なした。
【0085】
表3および4において、「・・・細胞の%の平均」の見出しのある縦列は、見出しに示すように、標的コピー数獲得もしくは標的コピー数喪失のいずれかを有する各標本において見出される細胞のパーセンテージの平均である。「・・・細胞の%のS.D.」は、各特定のプローブの判断可能なハイブリダイゼーションが得られた標本の数(「標本の数」の縦列)の平均細胞パーセンテージの標準偏差である。
【0086】
表4には、腫瘍標本群と正常標本群を判別する各プローブの能力の異なる基準を含む3つの縦列が含まれる。判別値、D.V.は、式:1:
DV=(MT−MN)2/(SDT 2+SDN 2) (1)
に従って計算され、値は、正常標本の平均、MNおよび腫瘍標本の平均、MT間の大きい分離に対して、そして正常、S.D.Nおよび腫瘍、S.D.T標本の小さい標準偏差に対して大きい。
【0087】
「中間点でのSD」、S.D.M.は式2:
S.D.M.=(MT−MN)/(SDT+SDN) (2)
により計算され、そして平均の分離に等しい腫瘍および正常群平均からの標準偏差の数である。平均および標準偏差が腫瘍および正常集団の真の値である場合、S.D.M.は感度および特異性が相互に等しい点である。S.D.M.が大きいほど、感度および特異性の値は大きい。
【0088】
表4に記載する第三の判別基準は、測定された平均が同じ集団からである確率、pである。pの値は、スチューデントt検定から決定する。実際、p値が小さいほど、腫瘍集団は正常集団といっそう大きく統計的に異なる。p<0.05は、典型的に、2群間の統計的に有意な差を表すと考えられる。
【0089】
表4のp値は、26個のプローブの全てが、絶対標的数を用いる場合に、正常群に対する腫瘍標本群の統計的に有意な(p<0.05)獲得を検出したことを示す。LSIと対応するCEPもしくはLSI標的数間の比として調べると、8個の比のうち5個が有意な差を示した(表4の最後の8列)。それに反して、26個のプローブのうち2個のみが絶対標的数の統計的に有意な喪失を検出し(LSI 8p24およびCEP17)、一方、8個の比のうち5個が有意な差を示した。
【0090】
表4の列は、標的の獲得の最も高いD.V.から最も低いD.V.に分類される。絶対標的計数から得られたデータは、比率データと別個に分類される。標的獲得のD.V.、S.D.M.およびp値の試験は、これら3つの判別パラメーター間の比較的よい対応を示す。3つ全てのパラメーターにより選択されるトップ5個の判別プローブは同じもの、降順にLSI 5p15、LSI 7p12、CEP1、CEP6およびLSI 8q24である(全て腫瘍標本における標的の獲得を示す)。
【0091】
どのプローブが正常標本と腫瘍標本の最もよい判別を与えるかを決定する総合選択法内の別の方法は、各プローブによって正しく特定される標本の数を調べることである。これは、獲得もしくは喪失を有する細胞のパーセンテージのカットオフ数を選択することを必要とする。次に、サンプルにおける細胞のパーセンテージが、それぞれ、カットオフ値より上であるかもしくはカットオフ値に等しいかもしくはそれ未満であるかにより、サンプルを癌に陽性もしくは陰性と称する。次に、最もよいプローブを選択するために陽性サンプル(感度)および陰性サンプル(特異性)を特定する精度を用いる。
【0092】
表5は、26個全てのプローブ標的並びに表3および4に記載するのと同じCEP/LSIおよび5q/p比の獲得および喪失の特異性および感度を記載する。この表には、6つの異なるカットオフ値(5%、10%、20%、30%、40%および50%)での特異性および感度値が含まれる。腫瘍標本と正常標本を判別する総合能力は特異性および感度の両方により決まるので、この表にはまた、組み合わせた特異性および感度の2つの基準も含まれる。第一の組み合わせた特質は、特異性および感度の積である。積は、特異性および感度の両方が高い場合に最も大きく、そしていずれかもしくは両方が低い場合に減少する。「ベクトル」と称する、もう一つの組み合わせた特質は、式3:
ベクトル=[(1−特異性)2+(1−感度)2]0.5 (3)
に従って計算される。この特質は、特異性および感度=1の場合に0の値を有し、そして両方が0に近づくにつれて1.414まで増加する。
【0093】
表5の列は、各カットオフ値の増加するベクトル値により分類される。絶対標的計数から得られたデータは、比率データと別個に分類される。標的獲得は表のトップを占め、そして同じプローブは、それらの相対的順位はカットオフ値とともに変わるが、最も低いベクトル値を示す傾向がある。ベクトル値および絶対標的計数に基づく一貫して高い判別能力を示すプローブには、LSI 8q24、LSI 5p15、LSI 7p12、LSI 3q26、LSI 20q13、LSI 5q31、LSI 3p14、LSI 17q21、CEP1、CEP4、CEP6、CEP7、CEP9およびCEP16が包含される。これらのプローブの各々は、少なくとも二つのカットオフ値のトップ10列に見出される。標的比は、一般に、それらの絶対標的計数に基づく最もよいプローブのいくつかと匹敵するベクトル値を有する染色体5p15/5q31比を除いて、より低いベクトル値を示した。
組み合わせ分析
合わせて用いる複数のプローブのアッセイ感度を上げる(相補性)能力を組み合わせ分析を用いて調べた。一群のプローブの全ての可能な組み合わせを作製することにより分析を開始した。次に、各組み合わせにおけるプローブのいずれかが細胞の閾値数を越えてそれらの標的の獲得もしくは喪失を特定するかどうかを決定するために各標本からの計数データを調べた。組み合わせにおけるプローブのいずれかが陽性である場合、標本をその組み合わせで癌に陽性と見なした。
【0094】
組み合わせは最大4個のプローブに保った。獲得および喪失に関して各々を調べる26個のプローブおよびそれらの関連比に対して作製される多数の可能な組み合わせにより(1、2、3および4個のプローブの866,847の可能な組み合わせ)、全ての組み合わせを作製するために26個のプローブの完全な一揃いは用いなかった。その代わりに、プローブおよび比の組は、p<0.01で獲得を同定したプローブおよび喪失を同定したプローブ(表4)のみを含むように限定した。これは、個々のプローブの無作為に高い標的計数の結果としてプローブの組み合わせが過大に評価されないいくらかの保証を与えた。複雑さをさらに減らすために、プローブの2つの異なる群を別個に調べた。群1は、絶対計数がp<0.01で標的獲得もしくは喪失を特定したプローブの全てを含んだ。群2は、比がp<0.01で標的獲得もしくは喪失を同定した場合に、群1のメンバーをそれらの対応するLSI/CEPもしくはLSI/LSI比で置き換えた。従って、群1は、表4の最初の25列に記載する獲得のプローブの全てからなり(その高い有意性のために、LSI 5p15/LSI 5q31もまたこの群に含まれた)、そして喪失のプローブのいずれからもならなかった。群2:獲得にはLSI 7p12およびLSI 8q24をそれぞれLSI 7p12/CEP7およびLSI 8q24/CEP8で置き換え;p>0.01で対応するLSI/CEP比を有した他のLSIプローブを削除し;そして喪失にはLSI 9p21/CEP9およびLSI 17p13/CEP17を加えた。
【0095】
表6〜9は、それぞれ、10%(表6)、20%(表7)、30%(表8)および40%(表9)のカットオフ値の、組み合わせた最も高い感度および特異性を有する2、3および4個のプローブの組み合わせを記載する。組み合わせを順序付けるために用いる組み合わせた感度および特異性の基準は、ベクトル値であった。組み合わせにおける一部のプローブが、等しいかもしくはより低いベクトル値を与える場合には、特定の組み合わせを表から除いた。カットオフ値を上げるにつれて最もよい組み合わせに寄与するプローブは変わった。単一のプローブに対して表5において以前に認められたように、最もよいベクトル値もまたカットオフ値を上げるにつれて増加した。組み合わせにおけるプローブの数を決定する際に、比は、比におけるプローブの一方が組み合わせ中にもある場合を除いて、2個のプローブとして計数した。一般に、比は、LSI 5p15/LSI 5q31比を除いて、よりよい評点の組み合わせにおいて見出されなかった。また、標的喪失は、トップの遂行するプローブ組み合わせにめったに位置付けられなかった。結果として、さらなる説明において、特に喪失と示さない限り、標的の獲得を意味する。
【0096】
10%のパーセント細胞カットオフ値で(表6)、LSI 8q24およびLSI 5p15は、2個のプローブのトップの遂行する組み合わせに一般に見出され、そしてその上お互いを補足し合った。LSI 8q24はまた、LSI 17q21、LSI 5q31、LSI 9p21、CEP1、CEP6、CEP7、CEP9、CEP11およびCEP17によってもよく補足された。LSI 5p15はまた、LSI 17q21、LSI 5q31、LSI 9p21、LSI 13q14、CEP8、CEP12およびCEP17によってもよく補足された。
【0097】
さらに、LSI 7p12およびCEP1はお互いによく補足し合った。同じプローブはまた、3個および4個のプローブの優れた組み合わせにおいても見出された。
【0098】
カットオフを20%に上げた場合(表7)、LSI 5p15は2個のトップの組み合わせにとどまり、そしてLSI 3q26、CEP16、LSI 20q13、LSI 17q21およびCEP4によって最もよく補足された。LSI 8q24、LSI 3p14、LSI 5q31、LSI 7p12、CEP3、CEP6およびCEP9もまたLSI 5p15に対する優れた相補性を与えた。LSI 8q24は、依然として優れた遂行者であるが、表の下位へ落ち、LSI 7p12およびCEP6によって補足された。3個および4個のプローブの優れた組み合わせもまた、これらのプローブ並びに10のカットオフでの優れた組み合わせに上記で同定された他のプローブを含んだ。
【0099】
カットオフを30%に上げた場合(表8)、LSI 5p15は優れた組み合わせに存続し、そしてLSI 8q24は高位を占める組み合わせになかった。LSI 5p15の相補性は、CEP6、CEP16、LSI 20q13、LSI 3q26、LSI 17q21、LSI 7p12およびLSI 3p14によって与えられた。また、LSI 7p12はCEP6によって補足され、そしてCEP6およびCEP7はお互いを補足し合った。標的喪失の検出は、4個のプローブの組み合わせにおいてのみ重要であると見出された(CEP7に対するLSI 17p13の喪失)。
【0100】
カットオフ値を40%に増やすことは(表9)、2個のプローブの組み合わせにおけるLSI 5p15の重要性を下げ、そしてLSI 7p12を表のトップに置き、これはLSI 3q26およびCEP6によって、そしてまたCEP18、CEP4、CEP16、LSI20q13およびLSI 5p15によっても最もよく補足された。CEP6は、CEP1もしくはCEP7のいずれかによって補足される場合に高位を占めた。他の高位を占めるプローブ対には、LSI 5p15、CEP1もしくはCEP7のいずれかとLSI 3q26が含まれた。3個のプローブの組み合わせにおいて、CEP11とLSI 7p12およびCEP6の組み合わせは、同様にCEP11によって補足される、CEP1もしくはCEP7のいずれかとCEP6の組み合わせのすぐ前の、表のトップであった。3個の優れた遂行する組み合わせに含まれる他のプローブは、17q21、LSI 3q26、CEP4、CEP16、CEP18およびLSI 20qであった。4個のプローブの組み合わせにおいて、CEP1もしくはCEP7のいずれかと組み合わせたCEP6は、17p13/CEP16喪失によって補足される場合に表のトップであった。別の喪失、9p21/CEP9は、CEP7およびLSI3qと組み合わせた場合に次であった。4個の他の高位を占める組み合わせには、LSI 7p12、LSI 10q23、CEP10、CEP11、LSI 5p15、LSI 5q31、LSI 5p/LSI 5q、CEP6、CEP7およびCEP9が含まれた。
実施例3:プローブ組の選択
表13は、判別および組み合わせ分析からのデータを分析しそして本明細書に記述するプローブ選択規準を適用することにより選択されるプローブおよびプローブ組を記載する。表13のプローブ組は、サイズが単一のプローブから4個のプローブまでである。追加のプローブ、例えば4個より多く、および追加の蛍光標識を用いるアッセイを行うことができる。
【0101】
表13に記載する単一のプローブは、細胞診より優れた改善を個々に示したプローブである。これらには、LSI 5p15、LSI 7p12、LSI 8q24、CEP1、CEP6およびCEP9が包含される。これらのプローブの各々で、ベクトル値は、試験するカットオフ値の二つで0.400未満であった。本明細書に記述する他のプローブもまた、単一のカットオフで0.400未満のベクトル値を与えた。しかしながら、2つのカットオフ値での優れた性能は、プローブがいっそう強力であることを意味する。
【0102】
次に、表13は2個のプローブの組み合わせを記載する。この群に置かれるプローブ対は、0.400未満のベクトル値を有しそして少なくとも一つのカットオフ値でトップ約30のプローブ対(最も低いベクトル値)を占めることが必要とされた。プローブ対がトップ30に位置付けられた各カットオフ値の各プローブ対のベクトル値を表に記載する。特に注目すべきであるのは、3つの異なるカットオフ値で0.400未満のベクトル値を有する、LSI 5p15+LSI 8q24、LSI 5p15+CEP12、およびLSI 5p15+LSI 17q21のプローブ対である。
【0103】
次に、表13は3個のプローブの組み合わせを記載する。3個のプローブのほんのわずかな組み合わせのみが、任意の特定のカットオフ値で2個のプローブの組み合わせより改善された数組であるので、これらをこの見出しの下に記載する。
【0104】
次に、表13は4個のプローブの組み合わせを記載する。4個のプローブの1つの組み合わせのみが、任意の特定のカットオフ値で2および3個のプローブの組み合わせより改善された唯一の組み合わせであったので、これをこの見出しの下に記載する。
【0105】
3および4個のFISHプローブを一緒に用いることの実用的能力を利用するために、重複の戦略を導入することができる。この戦略下で、第三のプローブは、それが一対の相補的プローブの一方もまた補足する場合にこれら2個のプローブに加えることができる。あるいはまた、それはいずれのプローブも十分に補足しないかもしれないが、その代わりにそれは次に最も高い遂行する単一プローブであるかもしれない。同様に、4個のプローブ対は、相補的プローブの対を組み合わせることにより作製することができる。表13に記載する2個のプローブ対の重複を用いて作製するいくつかの3および4個のプローブ組を同じ表の下の部分に記載する。代わりの方法は、2個のプローブ対を選択し、そして一方が最初の対の一方のメンバーを補足しそしてもう一方が最初の対のもう一方のメンバーを補足する追加の2個のプローブを加えることである。重複プローブの一つの利点は、標本を異常と称するために標的の2つが獲得されることを必要とすることによりアッセイの特異性が改善されるかもしれないことである。重複はまた、1つのプローブハイブリダイゼーションがアッセイにおいて失敗する場合に重複するプローブがなお標的獲得を検出するかもしれないので、感度を向上することもできる。他の実用的問題をプローブ選択において考えることができる。例えば、LSI 5p15+LSI 8q24+LSI 7p12+LSI 17q21の4個のプローブ組は、表13に記載する2個のプローブのトップの遂行する組み合わせの3つにおけるプローブから構築することができる。このプローブ組の意義は、それが治療的に重要な2つの遺伝子座、HER−2/neu遺伝子を含有する17q21および上皮成長因子受容体遺伝子(EGFR)を含有する7p12を検出することである。これらの遺伝子座での異常の同定は、適切な処置処方計画を選択するために用いることができる。
実施例4:肺癌検出
一連の気管支分泌物標本に対する予備試験のために2つの3色プローブ組を選択した。この研究の結果は、通常の細胞診と同等のもしくはそれより優れた特異性および感度を多色FISHパネルで得ることができることを示した。
【0106】
21個の気管支分泌物塗抹標本の各々に対する3色プローブ組のハイブリダイゼーションの結果を標本特定数、臨床診断、細胞診結果、および気管支鏡生検結果(追加の生検を行う場合には2つの結果)と一緒に表12に記載する。各標本を2つの異なる3色プローブ組とハイブリダイズさせた。第一の3色プローブ組は、LSI 8q24、LSI 5p15およびCEP1を含有し、そして第二の組は、LSI 8q24、LSI 5p15およびCEP6を含有した。5p15標的の獲得は、13個のFISH陽性標本のうち13個において見出された。8q24、CEP1およびCEP6標的の獲得は、それぞれ、13個のFISH陽性標的の11、7および5個で見出された。標本スライドの一つは、劣悪な形態のためにFISHにより評価することができず、そして残りの7個の標本においてFISH異常は見出されなかった。表11および12において通常の細胞診およびFISHの性能をそれぞれ臨床診断と比較する。臨床診断は、臨床医に利用可能な組み合わせた情報に基づき、そしてFISH結果を含まなかった。
【0107】
上記の方法において、気管支分泌物の塗抹標本は、標本を2枚の顕微鏡スライド間に置きそしてわずかな圧力をかけながらスライドを相互から離して滑らせることにより調製した。次に、スライドをエタノールで短時間固定し、そして使用の準備ができるまで−20℃で保存した。
【0108】
以下のプロトコルにより気管支分泌物の塗抹標本をインサイチューハイブリダイゼーションのために調製した。
【0109】
(1)スライドを2xSSCにおいて37℃で10分間インキュベーションする。
【0110】
(2)スライドをペプシン溶液(0.05mgペプシン/mL 10mM HCl)に37℃で13分間置く。
【0111】
(3)スライドを1xPBSに室温で5分間置く。
【0112】
(4)スライドを1%ホルムアルデヒドに室温で5分間置くことにより標本を固定する。
【0113】
(5)スライドを1xPBSに室温で5分間置く。
【0114】
以下のようにインサイチューハイブリダイゼーションを標本に対して行った。
【0115】
(1)スライドを70%ホルムアミド/2xSSCの溶液に73℃で5分間置くことにより標本DNAを変性させる。
【0116】
(2)スライドを一連のエタノール溶液(70%、85%、100%)に溶液当たり1−5分置くことにより標本を脱水する。変性したプローブを加える前に標本を風乾させる。
【0117】
(3)プローブを含有するチューブを73℃の水浴に5分間置くことによりプローブ溶液を変性させる。
【0118】
(4)変性したプローブ溶液を変性したスライドに加え、溶液上にカバースリップを置き、そして縁に沿ってゴムセメントを付けることによりカバースリップを密封する。
【0119】
(5)プローブを給湿チャンバーにおいて37℃で一晩ハイブリダイズさせる。
【0120】
(6)スライドをコプリンジャーおいて0.4xSSC/0.3% NP−40中70℃で3分間(もしくは73℃で1分)洗浄する。コプリンジャー当たり4枚のスライドを同時に洗浄する。
【0121】
(7)スライドを2xSSC/0.1% NP−40に数秒〜数分間浸す。
【0122】
(8)退色防止/対比染色溶液を加え、そしてカバースリップで覆う。分析するまでスライドを−20℃で保存する。
【0123】
全標本を走査することにより気管支分泌物塗抹標本を分析した。標的獲得を有する細胞を探索する4つの単一帯域通過フィルター組(DAPIに加えて3種のプローブ標識)で各顕微鏡視野を順次調べた。3個のプローブの各々の標的の数を3個の標的の一つもしくはそれ以上における獲得を示すあらゆる細胞に対して記録した。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
【表7】
【0131】
【表8】
【0132】
【表9】
【0133】
【表10】
【0134】
【表11】
【0135】
【表12】
【0136】
【表13】
【0137】
【表14】
【0138】
【表15】
【0139】
【表16】
【0140】
【表17】
【0141】
【表18】
【0142】
【表19】
【0143】
【表20】
【0144】
【表21】
【表22】
【0145】
実施例5:気管支洗浄物標本における肺癌の検出
本研究は、細胞学的分析によって以前に特性化されている74個の気管支洗浄物標本における肺癌を検出するために間期FISHアッセイ(4個のプローブの多色FISHパネルを用いる)を用いた。48個の標本は、癌に陽性の臨床診断を有する患者からであり、そして26個の標本は、癌に陰性の臨床診断を有する患者からであった。
【0146】
気管支洗浄物標本は、スイス、バーゼルのInstitute of Pathologyの細胞病理学アーカイブから選択した。これらの細胞診標本は、PAP染色液で前染色され、そしてカバースリップ下で永久的に標本にされた。標本は、数ヶ月〜2年におよぶ期間にわたって保管された。
【0147】
FISHアッセイに用いる4個のプローブには、SpectrumAquaTM、ApectrumGreenTM、SpectrumGoldTMおよびSpectrumRedTMでそれぞれ標識した、第1染色体に対してセントロメリックな(centromeric to chromosome 1)反復配列プローブ(CEP1)、並びに遺伝子座5p15、8q24(c−myc遺伝子を含有する)および7p12(EGFR遺伝子を含有する)に対する3個のユニーク配列プローブが含まれた。これらのプローブを一緒に混合し、そして各気管支洗浄物標本に同時にハイブリダイズさせた。
【0148】
保管されたスライドをカバースリップが落ちるまでキシレンに浸し(約4−5日)、そして次に新しいキシレンにおいて2回、洗浄当たり5分洗浄した。次に、スライドを95%エタノール、85%エタノールおよび70%エタノールに順次置き(溶液当たり5分)、続いてスライドを2xSSCバッファーに1分間浸した。次に、スライドを10mM HCl中0.5mg/mlのペプシン溶液において37℃で10分間インキュベーションし、その後にPBS洗浄を5分間続けた。スライドを1%中性緩衝ホルマリンの新しく調製した溶液において4℃で5分間固定し、続いてPBSに5分間浸した。次に、スライドを70%ホルムアミド/2xSSCにおいて73℃で10分間変性させ、70%、85%および100%エタノールのエタノールシリーズにおいて脱水し(溶液当たり5分)、そしてスライド保温器上に37−45℃で1分間置いて乾燥させた。ハイブリダイゼーション混合物中のプローブは、混合物を含有するチューブを73℃の水浴に5分間置くことにより変性させた。変性したプローブハイブリダイゼーション混合物を標本に加え、カバースリップで覆い、そしてゴムセメントで密封した。スライドを37℃で一晩インキュベーションし、その後でスライドを2xSSC/0.3% NP−40において73℃で2−5分間洗浄した。次に、スライドを2xSSC/0.1% NP−40に数秒〜数分間置いた。DAPI IIを標的領域に加え、そして単一帯域通過フィルター組を用いて蛍光顕微鏡下でスライドを分析した。
【0149】
FISHシグナルおよびバックグラウンド染色の技術的質を最初に評価するために標本スライドを蛍光顕微鏡下で評価した。質が許容しうる場合、スライドを計数した。総合的なサンプルの外見は、40xの倍率でDAPI単一帯域通過フィルター組で評価した。以下のサンプル特徴は、注意することが重要であった:1)まばらなもしくは密な粘液性繊維の存在;2)細胞が粘液性繊維内に捕捉された程度;3)核の多型性の存在;および4)破壊された細胞(明瞭な核境界がない、不定形の形状)の存在。細胞もしくは細胞群がはっきりと特定される核境界を有しそして好ましくは粘液性繊維のない領域にある場合にのみそれらをシグナル計数のために選択した。
【0150】
計数は、DAPI単一帯域通過フィルター組および3つのプローブに特異的な単一帯域通過フィルター組(Vysis aqua、green、goldおよびred)を用いて以下の規則に従って実施した。全ての標本評価は、標本の正体が分からない検査者で行った。
【0151】
(1)DAPI単一帯域通過フィルター組を用いて細胞を有する適切な領域を選択する。
【0152】
(2)金色もしくは緑色単一帯域通過フィルター組に変え、そして視野を観察する。シグナルコピー獲得を有する細胞が存在する場合、他の3つのプローブ特異的単一帯域通過フィルター組に順次変えて(順序は重要でない)、4個全てのプローブのこれらの細胞におけるコピー数パターンを記録する。細胞が金色もしくは緑色フィルター組で二染色体に見える場合、他の3つのプローブ特異的フィルター組の一つに変え、そして視野を観察する。シグナルコピー獲得を有する細胞が存在する場合、4個全てのプローブのそれらのシグナルパターンを記録する。視野を4つ全てのプローブ特異的フィルター組で走査するまでこれを行う。任意の一つの細胞のパターンを1回記録するのみである。
【0153】
(3)新しい領域に動かし、そして評価を繰り返す。
【0154】
(4)少なくとも25個の細胞を評点するかもしくはスライドの端に達すると計数を止める。
【0155】
各プローブのシグナルコピー数の計数結果をJMP3.2バージョン統計ソフトウェアを用いて分析した。
【0156】
本研究に用いるサンプルは、癌の臨床診断を有する48個の標本の約半分が細胞診によっても陽性と診断され、そして約半分が細胞診によって陰性と診断されるように選択した。癌陽性標本の大部分は、腺癌にかかっている患者(23標本)、続いて扁平上皮細胞癌にかかっている患者(11標本)からであった。残りの標本は、大細胞癌(6標本)、小細胞癌(6標本)、類癌腫(1標本)および平滑筋肉腫(1標本)にかかっている患者からであった。癌に臨床的に陰性である26個全ての標本は、陰性の細胞診結果を有した。陰性の臨床診断および陽性の細胞診結果を有する標本は選択しなかった(本研究における細胞診特異性は故意に100%であった)。
【0157】
表14は、本研究に用いた患者のコホートにおける細胞診結果の分布を示す。細胞診結果は22人の患者で陽性であり、48人の患者で陰性であり、そして4人の患者で疑わしかった。臨床診断により癌に陽性である48個のサンプルの群の細胞診の感度は45.8%であった。13個の標本は、組織の過度の喪失のためにFISH評価から退けた(癌陽性患者からの9個の標本および癌陰性患者からの4個の標本)。FISHにより評価されなかったスライドを除いて、残りの39人の癌陽性患者の細胞診感度は50%であった。細胞診で疑わしいサンプルを陽性として計数する場合、細胞診感度は53.9%に上がった。
【0158】
【表23】
【0159】
気管支洗浄物標本を、キシレンに浸すことによりカバースリップを取り除いた後に多色FISHプローブ混合物とハイブリダイズさせた。各サンプルの総合的な外見を評価した。標本が過度に無細胞であるように見えるか、もしくは細胞の形態が乱れているか、もしくはハイブリダイゼーションシグナルが弱すぎる場合、FISH計数に対してサンプルを退けた。
【0160】
FISH結果を評価するためには、癌確信規準を作成する必要があった。これは、個々の細胞を悪性腫瘍に関して疑わしい(異常)もしくは疑わしくない(正常)と分類する基準を作成することおよび標本を癌に陽性と分類するために必要な異常細胞の最小数のカットオフ値を定めることを含んだ。
【0161】
細胞が、プローブ混合物に含まれる少なくとも2個のプローブに対してコピー数獲得を示す場合(これを「複数DNA遺伝子座獲得」と称した)、それを異常と分類した。いったんこの基準が定められると、標本データの全てを評価し、そして標本の各々における「異常」細胞の数を表にした。何が「癌確信規準」(癌陰性症例と癌陽性症例を判別するための定量的基準)であるべきかを決定するために、データ分析に受信動作特性(ROC)曲線法を適用した。この方法を用いて、一連の仮のカットオフ点を設定し、そして各点で感度および特異性を計算する。本明細書に提示するデータでは、標本当たり1〜10個の細胞のカットオフ値を用いた。各カットオフ値で、癌陽性患者のコホートに対して感度を決定し、そして癌陰性患者のコホートに対して特異性を決定した。次に、ROC曲線を[1−特異性](x軸)の関数としての感度(y軸)に対してプロットした(図1)。
【0162】
図1に示すように、特異性がほぼ同じ状態のままで感度が有意に増加する曲線上の部分がある。カットオフ点は、曲線が方向を変える部分において選択されることが多い。このアッセイにおける方向を変える点は、癌確信の規準を満たす5−6個の細胞を見出すカットオフ値に相当した。その結果、本研究に用いる標本を陽性と分類する基準は以下のとおりであった:サンプルが「複数遺伝子座獲得」を有する6個もしくはそれ以上の異常細胞を含有する場合、それを「癌陽性」と分類した。サンプルが6個未満の異常な細胞を有する場合、それを「癌陰性」と分類した。
【0163】
表15は、「癌陽性」患者の群の細胞診とFISH結果間の相関関係を示す。細胞診は48人の「癌陽性」患者のうち22人において陽性であり、45.8%の感度を与えた。別の4標本では、細胞診が細胞病理学者によって再評価され、そしてこれらの標本は「疑わしい」と分類された。「疑わしい」結果を「癌陽性」と判断する場合、細胞診の感度は53.8%になった。数個のサンプルは、低い細胞充実性および他の理由のためにFISH評価から退けられ、その結果、FISHにより評価する症例の数は、細胞診により評価する症例の数と異なった。FISHによっても評価した症例の細胞診結果を再計算すると、細胞診の感度は46.2%になり(18/39症例)、「疑わしい」結果を陽性結果と計数する場合、感度は53.8%である。従って、FISHで退けられたサンプルを計算に含むにせよ除くにせよ感度結果に有意な差はなかった。同じ群の患者のFISH結果は、39人の「癌陽性」患者の中で32の陽性結果を示し、82.0%の感度を与えた。
【0164】
【表24】
【0165】
FISHは、細胞診で疑わしい標本の2つ(さらにもう1つの標本はFISH評価には退けられた)を「癌陽性」標本の範疇に置くことによりそれらを分類することができた。これらの標本の各々における異常細胞の数は、小細胞癌標本では8個、そして大細胞癌標本では10個であった。なおさらに重要であるのは、18の細胞診陰性/癌陽性症例の群で得られた結果である。表15は、細胞診によって見逃されたこれらの癌患者に対して、FISHは15/18症例において陽性であり、従って83.8%の症例において診断を改善したことを示す。
【0166】
FISHおよび細胞診結果を腫瘍のタイプに関しても分析した。データは、FISHが、扁平上皮細胞癌と診断された標本に対してその最も低い感度を有することを示した(5/9標本、55.5%)。このタイプの肺腫瘍に対して、細胞診は54.5%の感度を示した。腺癌、大細胞癌および小細胞癌は、それぞれ、86.4%(19/22症例)、100%(5/5症例)および100%(3/3症例)のFISHによる感度を示した。これらの腫瘍の細胞診感度は以下のとおりであった:腺癌では60.9%;大細胞癌では50%;そして小細胞癌では100%。
【0167】
「癌陰性」患者の群は26人の患者からなった。細胞診結果は、100%の特異性を設定するこの選択した群における患者の全てに対して陰性であった。4個の標本は、低い細胞充実性のためにFISH評価から退けられ、従って、22個の標本のみを評価した。これらの22個の標本の中で、FISHは18人の患者において明らかに陰性であり、81.8%の特異性を与えた(表16)。4個の標本は、陽性のFISH結果を有した。これら4個の標本は、25個の評価した疑わしい細胞当たり19、15、11および8個もの数の「異常」細胞を含有した。標本のうち2個では、コピー数獲得の大きさが一方の症例では細胞当たり7−8コピーそしてもう一方の症例では細胞当たり11−12コピーほどと高かったことに注意することもまた重要である。これらの標本の一方は、標本を調製する約1年前に進行した結腸直腸癌にかかっていると診断された患者から得られた(患者は本研究時までに死亡した)。もう一方の患者は大量の喫煙の既往歴があり、そして鉱夫という職業上の危険を有した。従って、これらのFISH陽性であるが「細胞診陰性」の標本は、肺癌を発症する危険にさらされた患者から得られたと考えられる。
【0168】
【表25】
【0169】
表17は、74人の患者の全集団の細胞診およびFISHの感度および特異性に関する比較データを示す。
【0170】
【表26】
【0171】
実施例6:気管支鏡標本における肺癌の検出
本研究は、外科病理学分析によって以前に特性化されている191個の気管支標本における肺癌を検出するために間期FISHアッセイ(4個のプローブの多色FISHパネルを用いる)を用いた。本研究に用いる標本の外科病理学結果を表18に要約する。104の標本(55%)は、肺癌に陽性の臨床診断を有する患者からであった。84個の標本(44%)は、肺癌に陰性の臨床診断を有する患者からであった。
【0172】
【表27】
【0173】
4個のプローブの以下の3つの組の一つを各FISHアッセイに用いた:
(1)第1染色体に対する動原体の反復配列プローブ(CEP1)、並びに遺伝子座5p15、8q24および7p12に対する3個のユニーク配列プローブ;(2)第16染色体(CEP16)および第17染色体(CEP17)に対する動原体の反復配列プローブ、並びに遺伝子座3q26および20q13に対する2個のユニーク配列プローブ;もしくは(3)第6染色体に対する動原体の反復配列プローブ(CEP6)、並びに遺伝子座5p15、8q24および7p12に対する3個のユニーク配列プローブ。これらのプローブを一緒に混合し、そして各気管支標本に同時にハイブリダイズさせた。
【0174】
104個の癌陽性標本のFISHおよび細胞診分析の各々により検出される感度を表19(38個の気管支擦過サンプル)および表20(66個の気管支分泌物サンプル)に示す。表19に示すように、FISHは、気管支擦過サンプルの細胞診(51%)と比較して有意に高められた感度(72%)を示した。気管支分泌物サンプルではFISHと細胞診間で有意な差は認められなかった(表20)。
【0175】
【表28】
【0176】
【表29】
【0177】
肺癌に陰性である(外科病理学分析により決定する場合)84個の標本のFISHおよび細胞診分析により検出される特異性を表21(49個の気管支擦過サンプル)および表22(35個の気管支分泌物サンプル)に示す。外科病理学分析により陰性であるがFISH分析により陽性であった表21および22に記述するサンプルの中には、外科病理学方法により同定されなかった癌性および/もしくは前癌性細胞を含有するいくつかの標本があり得ると考えられる。そのような場合、FISHは肺癌の早期発見を可能にすることができる。
【0178】
【表30】
【0179】
【表31】
【0180】
他の態様
本発明は、その詳細な記述とともに記述されているが、先の記述は本発明の範囲を例示するものでありそして限定するものではないと理解されるべきである。本発明の他の態様、利点および改変は、以下に記述する請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】癌陽性および癌陰性患者からの標本のFISH分析から得られる受信動作特性(ROC)曲線を示す。感度(y軸)および特異性(x軸;1−特異性)は、標本当たり1〜10個の細胞であるカットオフ値に対して示す。
Claims (20)
- 2個のプローブの以下の組み合わせ:
(a)5p染色体アームプローブ(chromosome arm probe)、並びに8q24遺伝子座特異的プローブ(locus specific probe)、3q染色体アームプローブ、20q染色体アームプローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、第16染色体計数プローブ(chromosome 16 enumeration probe)、第4染色体計数プローブ、第12染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブよりなる群から選択されるプローブ;
(b)8q24遺伝子座特異的プローブ、並びに第17染色体計数プローブ、第1染色体計数プローブおよび第6染色体計数プローブよりなる群から選択されるプローブ;
(c)7p12遺伝子座特異的プローブ、並びに3q染色体アームプローブおよび第6染色体計数プローブよりなる群から選択されるプローブ;
(d)3q染色体アームプローブおよび第7染色体計数プローブ;または
(e)第6染色体計数プローブおよび第7染色体計数プローブ、
のいずれかを含んでなる一組の染色体プローブ。 - 検出部分が2個のプローブに連結されている請求項1の染色体プローブの組。
- 検出部分が蛍光標識を含んでなる請求項2の染色体プローブの組。
- 2個のプローブが異なる検出部分に連結されている請求項1の染色体プローブの組。
- 検出部分が蛍光標識を含んでなる請求項4の染色体プローブの組。
- 3個のプローブの以下の組み合わせ:
(a)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、並びに9p21遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブよりなる群から選択されるプローブ;
(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、第12染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;
(c)8q24遺伝子座特異的プローブ、第17染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;
(d)8q24遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブおよび9p21遺伝子座特異的プローブ;または
(e)5p15遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブおよび第12染色体計数プローブ、
のいずれかを含んでなる一組の染色体プローブ。 - 4個のプローブの以下の組み合わせ:
(a)5p15遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブ、17p13遺伝子座特異的プローブおよび第17染色体計数プローブ;
(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;
(c)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、3q染色体アームプローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;
(d)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、20q染色体アームプローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;
(e)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブおよび17q21遺伝子座特異的プローブ;
(f)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブ;
(g)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび第1染色体計数プローブ;
(h)5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;
(i)5p15遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;
(j)第7染色体計数プローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第12染色体計数プローブ;または
(k)5p染色体アームプローブ、第1染色体計数プローブ、第6染色体計数プローブおよび第7染色体計数プローブ、
のいずれかを含んでなる一組の染色体プローブ。 - (a)被験体から生物学的サンプルを得ること;
(b)請求項1の染色体プローブの組を得ること;
(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該組におけるプローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルにプローブの組を接触させること;および
(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへの染色体プローブの組のハイブリダイゼーションパターンを検出すること、
を含んでなる被験体における肺癌をスクリーニングする方法。 - 生物学的サンプルが気管支標本、肺生検もしくは喀痰サンプルを含んでなる請求項8の方法。
- 染色体プローブを蛍光的に標識する請求項8の方法。
- サンプルの細胞学的分析を行うことをさらに含んでなる請求項8の方法。
- (a)被験体から生物学的サンプルを得ること;
(b)5p15遺伝子座特異的プローブ、第1染色体計数プローブ、7p12遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブおよび第9染色体計数プローブよりなる群から選択される染色体プローブを得ること;
(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該プローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルに染色体プローブを接触させること;および
(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへのプローブのハイブリダイゼーションパターンを検出すること、
を含んでなる被験体における肺癌をスクリーニングする方法。 - 生物学的サンプルが気管支標本、肺生検もしくは喀痰サンプルを含んでなる請求項12の方法。
- 染色体プローブを蛍光的に標識する請求項12の方法。
- サンプルの細胞学的分析を行うことをさらに含んでなる請求項12の方法。
- (a)被験体から生物学的サンプルを得ること;
(b)請求項6の染色体プローブの組を得ること;
(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該組におけるプローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルにプローブの組を接触させること;および
(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへの染色体プローブの組のハイブリダイゼーションパターンを検出すること、
を含んでなる被験体における肺癌をスクリーニングする方法。 - (a)被験体から生物学的サンプルを得ること;
(b)請求項7の染色体プローブの組を得ること;
(c)もしあれば、サンプル中の染色体への該組におけるプローブのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な条件下で生物学的サンプルにプローブの組を接触させること;および
(d)被験体が肺癌にかかっているかどうかを決定するために生物学的サンプルへの染色体プローブの組のハイブリダイゼーションパターンを検出すること、
を含んでなる被験体における肺癌をスクリーニングする方法。 - 染色体プローブの組が5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブを含んでなる請求項17の方法。
- 染色体プローブの組が5p15遺伝子座特異的プローブ、8q24遺伝子座特異的プローブ、第6染色体計数プローブおよび7p12遺伝子座特異的プローブからなる請求項17の方法。
- 第一の複数の染色体プローブを準備すること;
癌標本を正常標本から判別する第一の複数のプローブの各々の能力を決定すること;
正常標本と比較して癌標本を同定する第一の複数のプローブ内のプローブを選択して第二の複数のプローブを与えること、ここで、第二の複数のプローブ内の各プローブは、0.01未満のp値もしくは0.500未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定する;
癌標本を正常標本から判別する第二の複数のプローブから選択されるプローブの組み合わせの能力を決定すること;および
0.400未満のベクトル値で正常標本と比較して癌標本を同定するプローブの組み合わせを選択すること、
を含んでなる癌の検出のためのプローブの組み合わせを選択する方法。
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