JP2005504701A - アルミニウム酸化物粉体 - Google Patents

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Abstract

デルタ−Al23及びシータ−Al23で構成されるグループから選択された結晶性アルミニウム酸化物を含む粒子の集合体について説明される。この粒子は、約100nm未満の平均直径を有する。この粒子は、一般に、相応の大きさのBET表面積を有する。特定の実施形態において、この粒子集合体は、非常に均一である。一部の実施形態において、粒子の集合体は、平均直径が500nm未満のドープアルミニウム酸化物粒子を含む。この粒子の集合体は、コーティングとして堆積させることができる。望ましいアルミニウム酸化物粒子を製造する方法について説明される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム酸化物の粉体、特に、サブミクロンの平均粒子直径を有する粒子から形成された粉体に関する。本発明は、更に、サブミクロンのドープアルミニウム酸化物に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩により、処理パラメータに関する厳密な許容範囲を伴う改良された材料処理に対する需要が高まっている、特に、様々な化学物質の粉体は、多くの種類の処理状況において使用することが可能である。例えば、無機粉体は、フラットパネルディスプレイと、電子回路と、光学及び電気光学材料とのような電子デバイスの製造において、構成要素として使用することができる。
【0003】
対象となる特定の材料に関して、アルミニウム酸化物及びドープアルミニウム酸化物は、特定の用途にとって望ましい光学及び発光特性を有する。したがって、アルミニウム酸化物及びドープアルミニウム酸化物は、光伝送又はディスプレイ用途に関するガラスコーティング又は粉体コーティングとして応用することができる。更に、無機粉体は、一般に、化学処理の用途において、特に触媒として、有用となる場合がある。アルミニウム酸化物及びドープアルミニウム酸化物は、触媒として有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加えて、電子工学、ツール製造、及び他の多くの産業においては、平滑で平坦化された表面が様々な用途で求められる。研磨が必要な基板には、半導体、セラミック、ガラス、及び金属といった、硬質な材料が含まれる場合がある。小型化が更に継続するにしたがって、更に精度の高い研磨が求められることになる。現在のサブミクロン技術では、ナノメートルスケールの研磨精度が求められる。高精度の研磨技術では、基板の研磨物質との化学的相互作用を通じて作用する研磨組成物と、表面の機械的平滑化に有効な研磨材とが関与するメカノケミカル研磨を利用することができる。様々な結晶形を伴うアルミニウム酸化物の超微細粉体は、研磨物質として使用することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様において、本発明は、デルタ−Al23及びシータ−Al23で構成されたグループから選択された結晶性アルミニウム酸化物を含む粒子の集合体に関する。前記粒子は、約100nm未満の平均直径を有する。
【0006】
別の態様において、本発明は、ドープアルミニウム酸化物を含む粒子の集合体に関する。前記粒子は、約500nm未満の平均直径を有する。一部の実施形態において、本発明は、ドープアルミニウム酸化物粒子の集合体を含むコーティングに関する。
【0007】
更なる態様において、本発明は、ドープアルミニウム酸化物粒子の製造に関する方法に関する。前記方法は、流動反応物ストリームを、アルミニウム先駆物質と、酸素源と、ドーパント先駆物質とに反応させ、流動生成物ストリームにおいてドープアルミニウム酸化物粒子を形成するステップを含む。
【0008】
追加的な態様において、本発明は、生成サブミクロン結晶性アルミニウム酸化物粒子を製造する方法に関する。前記方法は、先駆サブミクロン炭素コーティングアルミニウム酸化物粒子の集合体を還元環境において加熱し、アルミニウム酸化物粒子の結晶構造を変換し、生成結晶性アルミニウム酸化物粒子を製造するステップを含む。前記生成結晶性アルミニウム酸化物粒子は、先駆アルミニウム酸化物粒子とは異なる結晶構造を伴う粒子を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
アルミナとも呼ばれるサブミクロン及びナノスケールのアルミニウム酸化物Al23の多数の結晶相の生成に関して、手法が開発されている。こうした処理は、光反応区域において強力な光ビームと交差する流動反応物ストリームを使用した、レーザ熱分解によるアルミニウム酸化物の生成に基づいている。一部の実施形態において、反応物ストリームは、アルミニウム先駆物質を伴うエアロゾルを含み、他の実施形態において、反応物ストリームは、気相の反応物のみを含む。結晶又はアモルファスであるドープアルミニウム酸化物ナノ粒子は、適切なドーパント先駆物質を、蒸気及び又はエアロゾルとして、反応物ストリームに導入することで、このアプローチを使用して製造できる。追加的な熱処理を使用して、レーザ熱分解によって合成した材料の特性を修正することができる。結晶又はアモルファスアルミニウム酸化物材料は、レーザ熱分解の粒子製造の特徴をコーティングの形成に適合させる光反応性堆積により、コーティングとして直接堆積させることができる。アモルファスアルミニウム酸化物材料は、SiO2及び又はP23といった他のガラス形成物と組み合わせることができる。
【0010】
望ましいナノ粒子を生成するために、レーザ熱分解は、単独で、或いは追加的な処理と組み合わせて、使用される。具体的には、レーザ熱分解は、平均粒子直径の狭い分布を伴う適切なアルミニウム酸化物粒子を効率的に製造する上で優れた処理である。加えて、レーザ熱分解によって製造されるナノスケールアルミニウム酸化物粒子は、加熱を施し、粒子の特性を改変及び又は改良することができる。具体的には、アルミニウム酸化物の結晶構造は、熱処理によって変化させることができる。
【0011】
アルミニウム酸化物ナノ粒子の製造に関して、レーザ熱分解の成果を上げた応用の基本的な特徴は、アルミニウム先駆物質化合物と、放射吸収体と、酸素源の役割を果たす反応物とを含む分子ストリームの生成である、ドーパント金属先駆物質は、他の反応物に加えて、反応物ストリームに導入することができる。エアロゾル先駆物質の伝達は、先駆物質の選択に関して、付加的な柔軟性を提供する。反応物ストリームの組成は、合成材料の望ましい化学量が生じるように選択することができる。
【0012】
分子ストリームは、レーザビーム等の高強度の光ビームによって熱分解される。分子ストリームがレーザビームを離れると、粒子は急速に冷却さ、極めて均一な粒子が製造される。酸化物に取り込まれる酸素は、当初、金属/半金属先駆物質内で結合させておくことが可能であり、及び又は、分子酸素等の別個の酸素源により供給することができる。同様に、金属先駆物質及び又は酸素源が適切な放射吸収体ではない場合、追加的な放射吸収体が、反応物ストリームに追加される。
【0013】
アルミニウム酸化物は、様々な用途に有用である。アルミニウム酸化物サブミクロン粉体の潜在的な用途には、例えば、化学機械研磨、光学材料、発光材料、及び触媒が含まれる。サブミクロンのガンマ−アルミニウム酸化物粉体の研磨材料としての使用については、同時係属で共通して譲渡されたライツらの米国特許出願第09/433,202号「粒子分散」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。酸化コバルトドープアルミニウム酸化物の低バンドギャップのサーモ光起電放射体としての使用については、ファーガスンらの米国特許第5,865,906号「低バンドギャップのサーモ光起電セルで使用するエネルギ帯を一致させた赤外線放射体」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。ジルコニウムドープアルミニウム酸化物は、自動車の排気ガスの触媒としての使用に関して、リューらの米国特許第5,089,247号「ジルコニウムをドープした偽ベーマイトを製造する処理」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。アルミニウム酸化物は、特定の光学用途に適した光学特性を有する場合がある。加えて、一部のドープアルミニウム酸化物は、望ましい光学特性を有する。光学用途でのドープアルミニウム酸化物ガラスの使用については、例えば、カクゼンらの米国特許第4,225,330号「ガラス部材を製造する処理」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。一部の用途、特に、光学及び発光性用途では、粉体をコーティングとして直接堆積させることが望ましい場合がある。光反応性堆積と呼ばれる処理が開発されており、これはレーザ熱分解の粒子製造能力を直接的なコーティングの製造に適合させる。光反応性堆積では、光反応区域において流動ストリーム内で製造された粒子は、反応チャンバ又は別個のコーティングチャンバ内の基板表面に向けられる。光反応性堆積において得られる高い粒子の均一性と、小さな粒子サイズと、粒子フラックスとは、非常に滑らかで均一なコーティングの形成を提供する。
【0014】
反応物流動による粒子合成
上記のように、レーザ熱分解は、サブミクロン及びナノスケールのアルミニウム酸化物粒子及びドープアルミニウム酸化物粒子の製造にとって有用なツールである。レーザ熱分解は、極めて均一で、極めて純粋な生成物粒子を製造するため、アルミニウム酸化物粒子の合成にとって好適なアプローチである。更に、レーザ熱分解は、望ましい量及び組成のドーパントによりドープアルミニウム酸化物粒子を製造する汎用性を有する。気相反応物先駆物質を使用したレーザ熱分解によるガンマ−アルミニウム酸化物の合成については、同時係属で共通して譲渡されたクマールらの米国特許出願第09/136,483号「アルミニウム酸化物粒子」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0015】
反応条件は、レーザ熱分解で製造される粒子の質を決定する。レーザ熱分解の反応条件は、望ましい特性を有する粒子を製造するために、比較的正確に制御することができる。特定のタイプの粒子を製造するのに適切な反応条件は、特定の装置の設計に依存する。特定の装置においてアルミニウム酸化物粒子を製造するための具体的な条件は、実施例において、下で説明されている。更に、反応条件と結果的に生じる粒子との間の関係について、いくつかの一般的な観察を行うことが可能である。
【0016】
光の出力を高めることで、反応領域での反応温度は増加し、冷却速度は更に高速となる。急速な冷却速度は、熱平衡に近い処理では得られない場合がある高エネルギ位相の形成を助ける傾向がある。同様に、チャンバ圧力を増加させることも、高エネルギ構造の形成を助ける傾向がある。更に、反応物ストリーム内で酸素源の役割を果たす反応物の濃度を高めることは、酸素の量が増加した粒子の製造に有利に働く。
【0017】
反応物の流量と反応ガスストリームの速度とは、粒子サイズと反比例の関係にあるため、反応ガスの流量又は速度を増加させることで、より小さな粒子サイズが生じる傾向にある。光の出力も粒子サイズに影響し、高い光出力は、低融点材料に関して大きな粒子に有利に働き、高融点材料に関しては小さな粒子に有利に働く。更に、粒子の成長のダイナミクスは、結果的に生じる粒子のサイズに重要な影響を与える。言い換えれば、異なる形態の生産組成物は、相対的に類似する条件下において、他の位相とは異なるサイズの粒子を形成する傾向を有する。同様に、異なる組成物を含む粒子の集団が形成される多相領域において、粒子の各集団は、一般に、独自の特徴のある粒子サイズの狭小な分布を有する。
【0018】
レーザ熱分解は、光ビームによって定められる狭小な反応領域を出た後の生成物の急速冷却を伴う、高強度の光放射によって駆動させる化学反応に関して、標準的な用語となっている。しかしながら、この名称は、強力で、非干渉だが集束する光ビームをレーザの代わりにできるという意味において誤っている。更に、この反応は、高温熱分解の意味においては熱分解ではない。レーザ熱分解反応は、反応物の発熱燃焼によって熱的に駆動されるものではない。実際には、一部のレーザ熱反応は、可視性の火炎が反応において観察されない条件下で実施することが可能である。
【0019】
特に対象となる酸化物は、例えば、アルミニウム酸化物Al23である。Al23は、下で更に説明するように、多数の潜在的な結晶構造を有する。ドープアルミニウム酸化物も対象となる。ドーパントの望ましい量及び組成は、一般に、特定の用途に応じて変化する。
【0020】
例えば、光学ガラスの形成に関して、アルミニウム酸化物に適した金属酸化物ドーパントは、酸化セシウム(Cs2O)と、酸化ルビジウム(Rb2O)と、酸化タリウム(Tl2O)と、酸化リチウム(Li2O)と、酸化ナトリウム(Na2O)と、酸化カリウム(K2O)と、酸化ベリリウム(BeO)と、酸化マグネシウム(MgO)と、酸化カルシウム(CaO)と、酸化ストロンチウム(SrO)と、酸化バリウム(BaO)とを含む。ガラスドーパントは、例えば、ガラスの屈折率、焼結温度、及び又は多孔性に影響を与えることができる。赤外線放射体に関して適切な金属酸化物ドーパントは、例えば、酸化コバルト(Co34)を含む。自動車の触媒に関して、適切なドーパントは、酸化ジルコニウム(ZrO2)である。反応物ストリームには、アルミニウム先駆物質及びその他の反応物と共に、ドーパント金属の適切な混合物を組み込む。
【0021】
レーザ熱分解は、気相/蒸気相の反応物により実行することができる。多くの金属先駆化合物は、ガス/蒸気として反応チャンバに伝達することができる。ガス伝達に適した金属/半金属先駆化合物は、一般に、妥当な蒸気圧、つまり望ましい量の先駆ガス/蒸気を反応物ストリームに入れるのに十分な蒸気圧を伴う化合物を含む。
【0022】
望ましい場合には、液体又は固体先駆化合物を保持する容器を加熱し、金属/非金属先駆物質の蒸気圧を高めることができる。固体先駆物質は、一般に、十分な蒸気圧を生成するために加熱される。搬送ガスは、液体先駆物質を通じて泡立たせ、望ましい量の先駆蒸気の伝達を促進することができる。同様に、搬送ガスは、固体先駆物質を通過させ、望ましい量の先駆蒸気の伝達を促進することができる。
【0023】
蒸気伝達に適した固体アルミニウム先駆物質は、例えば、塩化アルミニウム(AlCl3)と、アルミニウムエトキシド(Al(OC253)と、アルミニウムイソプロポキシド(Al[OCH(CH323)とを含む。蒸気伝達に適した液体アルミニウム先駆物質は、例えば、アルミニウムS−ブトキシド(Al(OC493)を含む。蒸気伝達に適した液体コバルト先駆物質は、例えば、コバルトトリカルボニルニトロシル(Co(Co)3NO)と、酢酸コバルト(Co(OOCCH33)とを含む。適切なタリウム先駆物質は、例えば、酢酸タリウム(TIC232)を含む。追加的なドーパント先駆物質は、こうした代表的な先駆物質との類似により選択することができる。
【0024】
気相のみの反応物の使用は、都合良く使用できる先駆化合物のタイプに関して、幾分限定的なものとなる。したがって、金属/半金属先駆物質を含むエアロゾルをレーザ熱分解チャンバに導入するための手法が開発されている。反応システムに適したエアロゾル伝達装置については、ガードナらの米国特許第6,193,936号「反応物伝達装置」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0025】
エアロゾル伝達装置を使用することで、固体先駆化合物は、溶媒中に組成物を溶解することで伝達可能となる。代替として、粉体化した先駆化合物を、エアロゾル伝達のために液体/溶媒中に分散させることができる。液体先駆化合物は、混合物のない液体、多数の液体の分散、又は液体の溶液からエアロゾルとして伝達することができる。エアロゾル反応物は、大きな反応物スループットを得るために使用することができる。溶媒/分散剤は、結果として生じる溶液/分散の望ましい特性を達成するために選択することができる。適切な溶媒/分散剤は、水と、メタノールと、エタノールと、イソプロプルアルコールと、その他の有機溶媒と、その混合物とを含む。イソプロプルアルコール等の一部の溶媒は、CO2レーザからの赤外線の著しい吸収体であり、CO2レーザが光源として使用される場合、反応物ストリーム内では、追加的なレーザ吸収化合物が必要なくなる場合がある。
【0026】
エアロゾル先駆物質が、溶媒の存在する状態で形成される場合、溶媒は、気相反応が発生可能となるように、反応チャンバ内で光ビームにより急速に蒸発させることができる。したがって、レーザ熱分解反応の基本的な特徴は、エアロゾルの存在によって変化することはない。それでもやはり、反応条件は、エアロゾルの存在に影響される。下の実施例では、特定のレーザ熱分解反応チャンバにおいて、エアロゾル先駆物質を使用して、ナノスケールアルミニウム酸化物粒子を製造するための条件について説明している。したがって、エアロゾル反応物伝達に関連するパラメータは、下の説明に基づいて、更に探究することが可能である。
【0027】
多数の適切な固体非希土類金属/半金属先駆化合物を、溶液からエアロゾルとして伝達することができる。例えば、硝酸アルミニウム(Al(NO33)は、水に溶解する。ヨウ化コバルト(CoI2)と、臭化コバルト(CoBr2)と、塩化コバルト(CoCl2)と、酢酸コバルト(Co(CH3CO22)と、硝酸コバルト(Co(NO33)とは、水、アルコール、その他の有機溶媒に溶解する。塩化ジルコニウム(ZrCl4)は、アルコール及びエーテルに溶解し、硝酸ジルコニウム(ZrO(NO32)は、水及びアルコールに溶解する。フッ化タリウム(TiF)と、硝酸タリウム(TiNO3)とは、水に溶解する。塩化ルビジウム(RbCl)は、水に溶解する。塩化セシウム(CsI)と、硝酸セシウム(CsNO3)は、水に溶解する。その他の適切なドーパント先駆物質を、同様に特定することが可能である。
【0028】
エアロゾル伝達に関する先駆化合物は、好ましくは約0.5モルを上回る濃度で溶液中に溶解させることができる。一般に、溶液中の先駆物質の濃度を高めると、反応チャンバを通じた反応物のスループットが増加する。しかしながら、濃度が高まるにつれ、溶液は粘度が増し、エアロゾルは、望ましいものより大きなサイズの小滴を有するようになる場合がある。したがって、溶液濃度の選択には、好適な溶液濃度の選択における要素のバランスが関与する場合がある。ドープアルミニウム酸化物粒子の形成において、金属先駆物質、即ち、ドーパント金属及びアルミニウムの相対的な量は、結果として生じるアルミニウム酸化物粒子中の(複数の)ドーパント金属の相対的な量にも影響する。したがって、様々な金属先駆物質の相対的な量は、望ましい生成物粒子組成が生じるように選択される。例えば、エアロゾル伝達のための溶液は、多数の金属酸化物組成を含むことが可能であり、ただし、金属酸化物質は、異なる溶液から、及び又は、エアロゾル及び蒸気形態の組み合わせから伝達することが可能である。
【0029】
酸素源の役割を果たす好適な二次反応物には、例えば、O2と、COと、H2Oと、CO2と、O3と、その混合物と、が含まれるが、ただし、金属先駆物質が酸素を含み、追加的な酸素含有反応物が必要ない場合もある。分子酸素は、空気として供給することができる。二次反応化合物は、反応区域に入る前に、(複数の)金属/半金属先駆物質との著しい反応を起こすべきではなく、これは一般に、大きな粒子の形成をことになる。反応物が自然反応性である場合、その反応物は、光ビームに到達する直前に組み合わせるように、別個のノズルで反応チャンバ内に伝達することができる。
【0030】
レーザ熱分解は、レーザ又はその他の強集束光源を使用して、様々な光学周波数により実行することができる。好適な光源は、電磁スペクトルの赤外線部分で動作する。CO2レーザは、特に好適な光源である。反応物ストリームに含める赤外線吸収体には、例えば、C24と、イソプロピルアルコールと、NH3と、SF6と、SiH4と、O3とが含まれる。O3は、赤外線吸収体と酸素源との両方として機能することができる。赤外線吸収体等の放射吸収体は、放射ビームからのエネルギを吸収し、このエネルギを他の反応物に分配し、熱分解を駆動する。
【0031】
レーザ熱分解を実行する時、光ビームから吸収されたエネルギは、制御された条件下で発熱反応によって熱が一般的に生成される速度を何倍も上回る、非常に高い速度で温度を増加させる。処理には、一般的に非平衡条件が伴うが、温度については、ほぼ吸収領域におけるエネルギに基づいて説明することができる。エネルギ源が反応を開始させるが、発熱反応により発せられたエネルギにより反応が駆動される燃焼リアクタ内での処理と比較して、レーザ熱分解処理は質的に異なるものである。したがって、この光駆動型処理は、レーザ熱分解と呼ばれるものの、従来の熱分解が熱処理であるのに対し、これは一般的には純粋な熱処理ではない。
【0032】
不活性遮蔽ガスは、反応チャンバ構成要素と接触する反応物及び生成物分子の量を減らすために使用することができる。不活性ガスは、搬送ガス及び又は反応減速材として、反応物ストリームに導入することもできる。適切な不活性ガスには、例えば、Arと、Heと、N2と、が含まれる。
【0033】
適切なレーザ熱分解装置は、一般に、周囲の環境から分離された反応チャンバを含む。反応物伝達装置に接続された反応物入口は、反応チャンバを通るガス流により、反応物ストリームを生成する。光ビーム経路は、反応区域で反応物ストリームと交差する。反応物/生成物ストリームは、反応区域後も出口へと続き、ここで反応物/生成物ストリームは反応チャンバを退出し、収集装置に達する。独立した粒子の収集を伴わないコーティング形成に関するレーザ熱分解の適合化については、光反応性堆積と呼ばれる処理において、下で更に説明する。一般に、レーザ等の光源は、反応チャンバの外部に位置しており、光ビームは適切な窓を通じて反応チャンバに入る。
【0034】
図1を参照すると、レーザ熱分解システムの特定の実施形態100には、反応物伝達装置102と、反応チャンバ104と、遮蔽ガス伝達装置106と、収集装置108と、光源110とが伴う。下で説明する第一の反応物伝達装置は、ガスのみの反応物を伝達するために使用することができる。代替の反応物伝達装置は、エアロゾルとしての一つ以上の反応物の伝達に関して説明される。
【0035】
図2を参照すると、反応物伝達装置102の第一の実施形態112は、先駆化合物のソース120を含む。液体又は固体反応物に関して、一つ以上の搬送ガスソース122からの搬送ガスは、反応物の伝達を促進するために、先駆物質ソース120に導入することが可能である。先駆物質ソース120は、液体保持容器、固体先駆物質伝達装置、又はその他の適切な容器にすることができる。搬送ガスソース122からの搬送ガスは、好ましくは、赤外線吸収体及び又は不活性ガスである。
【0036】
先駆物質ソース120からのガスは、チューブ130の単一部分においてガスを組み合わせることにより、赤外線吸収体ソース124、不活性ガスソース126、及び又は二次反応物/酸素ソース128からのガスと混合される。ガスは、反応チャンバ104から十分な距離をとって組み合わせ、反応チャンバ104に入る前にガスが十分に混合されるようにする。チューブ130内で組み合わせたガスは、ダクト132を通じてチャネル134に入り、これは反応物入口256(図1)と流体に関して連絡している。
【0037】
第二の反応物は、第二の金属先駆反応物ソース138から供給することが可能であり、これは液体反応物伝達装置、固体反応物伝達装置、ガスボンベ、又はその他の適切な容器又は複数の容器にすることができる。図2に示すように、第二の反応物ソース138は、チューブ130を経由して、ダクト132に第二の反応物を伝達する。代わりに、質量流量コントローラ146を使用して、図2の反応物伝達システム内でのガスの流動を調節することができる。代替実施形態において、第二の反応物は、反応物が反応チャンバに入るまで混合しないように、第二のチャネルを通じた反応チャンバへの伝達のために、第二のダクトを通じて伝達することができる。複数の反応物伝達ノズルを伴うレーザ熱分解装置については、同時係属で共通して譲渡されたライツらの米国特許出願第09/266,202号「酸化亜鉛粒子」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。追加的な反応物は、同様に伝達することができる。
【0038】
上記のように、反応物ストリームは、一つ以上のエアロゾルを含むことができる。エアロゾルは、反応チャンバ104内で、或いは反応チャンバ104への注入の前に反応チャンバ104の外部で、形成することができる。エアロゾルが反応チャンバ104への注入の前に生成される場合、このエアロゾルは、図2の反応物入口134のような気体反応物に関して使用されるものと同様の反応物入口を通じて導入することができる。
【0039】
図3を参照すると、反応物供給システム102の実施形態210は、エアロゾルをダクト132に供給するために使用することができる。反応物供給システム210は、外部ノズル212と内部ノズル214とを含む。外部ノズル212は、図3の挿入部分に示すような外部ノズル212最上部の長方形出口218につながる上部チャネル216を有する。長方形出口218は、反応チャンバ内で望ましい広がりの反応物ストリームを生成するために、選択された寸法を有する。外部ノズル212は、基部プレート222に排出チューブ220を含む。排出チューブ220は、液化したエアロゾルを外部ノズル212から取り除くために使用される。内部ノズル214は、取付部224において外部ノズル212に固定される。
【0040】
内部ノズル214の最上部は、好ましくは、二穴内部混合噴霧器226である。液体は、チューブ228を通じて噴霧器に供給され、反応チャンバに導入するためのガスは、チューブ230を通じて噴霧器に供給される。ガスと液体との相互作用は、小滴の形成を助ける。一つ以上の金属先駆物質を、エアロゾル伝達により、単一の溶液からエアロゾルで伝達することができる。同様に、一つ以上の金属先駆物質を、第一のエアロゾル溶液と共に、蒸気又は別個のエアロゾル溶液として更に伝達することができる。
【0041】
図1を参照すると、反応チャンバ104は、メインチャンバ250を含む。反応物供給システム102は、注入ノズル252において、メインチャンバ250と接続する。反応チャンバ104は、反応物と不活性構成要素との混合物の装置内の圧力における露点を上回る表面温度まで加熱することができる。
【0042】
注入ノズル252の端部は、不活性遮蔽ガスの通路としての環状開口部254と、反応チャンバ内で反応物ストリームを形成する反応物の通路としての反応物入口256(左下の挿入部分)とを有する。反応物入口256は、図1の下の挿入部分に示すように、好ましくはスリットである。環状開口部254は、例えば、約1.5インチの直径と、約1/8インチ乃至約1/16インチの半径方向の幅とを有する。環状開口部254を通じた遮蔽ガスの流動は、反応チャンバ104全体に渡って、反応物ガス及び生成物粒子の散らばりを防止するのに役立つ。
【0043】
管状セクション260、262は、注入ノズル252の両側に位置する。管状セクション260、262は、例えば、それぞれZnSe窓264、266を含む。窓264、266は、直径約1インチである。窓264、266は、好ましくは、チャンバの中心とレンズの表面との間の距離に等しい焦点距離を有する円柱レンズであり、ノズル開口部の中止のすぐ下のポイントに光ビームの焦点を合わせる。窓264、266は、好ましくは、反射防止コーティングを有する。適切なZnSeレンズは、カリフォルニア州サンディエゴのLaser Power Opticsから入手できる。管状セクション260、262は、窓264、266が反応物及び又は生成物によって汚染される可能性が低くなるように、窓264、266をメインチャンバ250から離す変位量を提供する。窓264、266は、例えば、メインチャンバ250のエッジから約3cm外れている。
【0044】
窓264、266は、管状セクション260、262に対して、ゴムOリングにより密封され、反応チャンバ104へ外気が流入するのを防止する。管状入口268、270は、管状セクション260、262への遮蔽ガスの流入を提供し、窓264、266の汚染を低減する。管状入口268、270は、遮蔽ガス伝達装置106に接続される。
【0045】
図1を参照すると、遮蔽ガス伝達システム106は、不活性ガスダクト282に接続された不活性ガスソース280を含む。不活性ガスダクト282は、環状開口部254につながる環状チャネル284へ流入する。質量流量コントローラ286は、不活性ガスダクト282への不活性ガスの流入を調節する。図2の反応物伝達システム112が使用される場合、不活性ガスソース126は、望ましい場合に、ダクト282のための不活性ガスソースとしても機能することが可能である。図1を参照すると、不活性ガスソース280又は別個の不活性ガスソースを使用して、チューブ268、270へ不活性ガスを供給することができる。チューブ268、270への流入は、好ましくは、質量流量コントローラ288によって制御される。
【0046】
光源110は、窓264から入り、窓266から出る光ビーム300を生成するように位置調整される。窓264、266は、反応区域302において反応物の流れと交差する、メインチャンバ250を通じた光の経路を定める。窓266を出た後、光ビーム300は、ビームダンプとしても機能する出力計304に当たる。適切な出力計は、カリフォルニア州サンタクララのCoherent Inc.から入手できる。光源110は、レーザ、或いはアーク灯等の高強度の従来型光源にすることができる。好ましくは、光源110は、赤外線レーザであり、特に、ニュージャージ州ランディングのPRC Corp.から入手可能な最大出力1800ワットのレーザ等のCW CO2レーザである。
【0047】
注入ノズル252において反応物入口256を通過する反応物は、反応物ストリームを始動させる。反応物ストリームは、反応区域302を通過し、ここで、先駆化合物が関与する反応が発生する。反応区域302におけるガスの加熱は、極めて急速であり、特定の条件に応じて、大まかには約105℃/秒程度となる。この反応は、反応区域302を出た時点で急速に冷却され、反応物/生成物ストリームにおいて、粒子306が形成される。この処理の非平衡的性質により、非常に均一なサイズ分布と構造的な均質性を伴うナノ粒子の製造が可能となる。
【0048】
反応物ストリームの経路は、収集ノズル310へ続く。収集ノズル310は、図1の上の挿入部分に示すように、円形開口部312を有する。円形開口部312は、収集システム108への供給を行う。
【0049】
チャンバ圧は、メインチャンバに取り付けられた圧力計320によりモニタされる。望ましい酸化物の製造に好適なチャンバ圧は、一般に、約80Torr乃至約650Torrの範囲である。
【0050】
収集システム108は、好ましくは、収集ノズル310から続く曲線チャネル330を含む。粒子のサイズが小さいため、生成物粒子は、曲線の周囲のガスの流れに従う。収集システム108は、生成物粒子を収集するために、ガスの流れの中にフィルタ332を含む。曲線セクション330のため、フィルタは、チャンバの真上では支持されない。TeflonR(ポリテトラフルオロエチレン)、グラスファイバ等、その材料が不活性であり、粒子を捕らえる上で十分に微細な編み目を有する限り、様々な材料をフィルタとして使用することができる。フィルタに好適な材料には、例えば、ニュージャージ州バインランドのACE Glass Inc.のグラスファイバフィルタと、カリフォルニア州サニーベールのAF Equipment Co.の円筒型Nomex登録商標フィルタとが含まれる。
【0051】
ポンプ334は、収集システム108を選択した圧力に維持するために使用される。ポンプの排気は、スクラバ336を通じて流し、外気へ排出する前に、残存する何らかの反応性化学物質を除去することが望ましい場合がある。
【0052】
ポンプ速度は、ポンプ334とフィルタ332との間に挿入した手動ニードルバルブ又は自動スロットルバルブ338によって制御される。フィルタ332上での粒子の蓄積により、チャンバ圧が上昇するのに従って、手動バルブ又はスロットルバルブを調節し、ポンプ速度と、対応するチャンバ圧とを維持することができる。
【0053】
この装置は、コンピュータ350によって制御することができる。一般に、このコンピュータは、光源を制御し、反応チャンバ内の圧力をモニタする。このコンピュータは、反応物及び又は遮蔽ガスの流動を制御するために使用することができる。
【0054】
反応は、フィルタ332上で十分な粒子が収集され、ポンプ334が反応チャンバ104内で、フィルタ332を通じた抵抗に対して、望ましい圧力を維持できなくなるまで、継続させることができる。反応チャンバ104内の圧力を望ましい値に維持できなくなった時は、反応を停止させ、フィルタ332を取り外す。この実施形態により、一回の運転で、チャンバ圧が維持できなくなる前に、約1乃至300グラムの粒子を収集することができる。一回の運転は、一般に、反応物伝達システムと、製造する粒子のタイプと、使用されるフィルタのタイプとに応じて、約10時間まで続けることができる。
【0055】
図4に示すレーザ熱分解装置の代替実施形態において、レーザ熱分解装置400は、反応チャンバ402を含む。反応チャンバ402は、直方体の形状を有する。反応チャンバ402は、最長の寸法がレーザビームに沿った状態で延びる。反応チャンバ402は、動作中に反応区域が観察できるように、側部に確認窓404を有する。
【0056】
反応チャンバ402は、反応チャンバを通じて光学経路を定める管状延長部408、410を有する。管状延長部408は、密閉状態で円柱レンズ412に接続される。チューブ414は、レーザ416又はその他の光学ソースをレンズ412に接続する。同様に、管状延長部410は、密閉状態でチューブ418に接続され、これは更にビームダンプ/光度計420につながる。したがって、レーザ416乃至ビームダンプ420の光経路全体が囲まれる。
【0057】
入口ノズル426は、反応チャンバ402と、その下部表面428で接続する。入口ノズル426は、入口ノズル426を固定するために下部表面428にボルトで留めるプレート430を含む。図5及び6の断面図を参照すると、入口ノズル426は、内部ノズル432と外部ノズル434とを含む。内部ノズル432は、好ましくは、ノズルの最上部に、二穴内部混合噴霧器436を有する。適切なガス噴霧器は、イリノイ州ホイートンのSpraying Systemsから入手できる。二穴内部混合噴霧器436は、エアロゾル及びガス先駆物質の薄いシートを生成する扇形状を有する。液体は、チューブ438を通じて噴霧器に供給され、反応チャンバへの導入のためのガスは、チューブ440を通じて噴霧器に供給される。ガスと液体との相互作用は、小滴の形成を助ける。
【0058】
外部ノズル434は、チャンバセクション450と、漏斗セクション452と、伝達セクション454とを含む。チャンバセクション450は、内部ノズル432の噴霧器を保持する。漏斗セクション452は、エアロゾル及びガス先駆物質を伝達セクション454へ向ける。伝達セクション450は、図5の挿入部に示す3インチ掛ける0.5インチの長方形の出口456につながる。外部ノズル434は、外部ノズルにおいて収集された任意の液体を除去する排出部458を含む。外部ノズル434は、出口456を囲む遮蔽ガス開口部462を形成する外壁460によって覆われる。不活性ガスは、入口464を通じて導入される。
【0059】
図4を参照すると、出口ノズル466は、反応チャンバ402の最上面において、装置400と接続する。出口ノズル466は、フィルタチャンバ468につながる。フィルタチャンバ468は、ポンプへと続くパイプ470に接続する。パイプ470への開口部には、円筒型フィルタが取り付けられる。適切な円筒型フィルタについては、上で説明している。
【0060】
レーザ熱分解装置の別の代替設計については、ビーらに対する米国特許第5,958,348号「化学反応による粒子の効率的な製造」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。この代替設計は、レーザ熱分解によって商業品質の粒子の製造を促進することを意図したものである。商業用の能力のあるレーザ熱分解装置に関する追加的な実施形態及びその他の適切な機能については、同時係属で共通して譲渡されたモッソらの米国特許出願第09/362,631号「粒子製造装置」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0061】
商業用の能力のあるレーザ熱分解装置の好適な一実施形態では、反応物及び生成物のスループットの増加を提供するために、反応チャンバ及び反応物入口は、光ビームに沿って著しく引き延ばされる。この装置の当初の設計は、純粋なガス反応物の導入に基づいていた。エアロゾル反応物の伝達に関する前述の実施形態は、延長反応チャンバの設計に適合させることができる。一つ以上のエアロゾル生成器による、延長反応チャンバへのエアロゾルの導入に関する追加的な実施形態については、ガードナらの米国特許第6,193,936号「反応物伝達装置」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0062】
一般に、延長反応チャンバ及び反応物入口が付いたレーザ熱分解装置は、チャンバ壁の汚染を低減し、製造能力を増加させ、リソースの効率的な使用を行うように設計される。こうした目的を達成するために、延長反応チャンバでは、反応物及び生成物のスループットの増加を、これに対応してチャンバのデッドボリュームを増加させずに提供する。チャンバのデッドボリュームは、未反応組成物及び又は反応生成物により汚染された状態になる可能性がある。更に、遮蔽ガスの適切な流れは、反応チャンバを通じた流動ストリームの内部に、反応物及び生成物を閉じ込める。反応物の高いスループットにより、レーザエネルギは効率的に利用される。
【0063】
改良された反応チャンバ472の設計は、図7に概略的に表示されている。反応物入口474は、メインチャンバ476につながる。反応物入口474は、全体としてメインチャンバ476の形状と一致する。メインチャンバ476は、特定の生成物、何らかの未反応ガス、及び不活性ガスの除去のために、反応物/生成物ストリームに沿った出口478を含む。遮蔽ガス入口480は、反応物入口474の両側に配置される。遮蔽ガス入口は、反応物ストリームの側面に不活性ガスのブランケットを形成し、チャンバ壁と反応物又は生成物との間での接触を妨げるために使用される。延長メインチャンバ476及び反応物入口474の寸法は、好ましくは、高効率の粒子製造のために設計される。セラミックナノ粒子の製造に関する反応物入口474の妥当な長さは、1800ワットCO2レーザを使用する時、約5mm乃至約1メートルとなる。
【0064】
管状セクション482、484は、メインチャンバ476から延びる。管状セクション482、484は、反応チャンバ472を通じて光ビーム経路490を定めるために、窓486、488を保持する。管状セクション482、484は、不活性ガスの管状セクション482、484への導入のために、不活性ガス入口492、494を含むことができる。
【0065】
商業規模の反応システムは、反応物ストリームからナノ粒子を除去する収集装置を含む。この収集システムは、製造を終了する前に大量の粒子を収集することを伴うバッチモードにおいて粒子を収集するように設計することができる。フィルタ又はその他を使用して、バッチモードで粒子を収集することができる。代わりに、この収集システムは、収集装置内部で様々な粒子収集器を切り替えること、或いは収集システムを雰囲気に晒すことなく粒子の除去を提供することにより、連続製造モードで作動するように設計することができる。連続的な粒子製造に関する収集装置の好適な実施形態については、同時係属で共通して譲渡されたガードナらの米国特許出願第09/107,729号「粒子収集装置及び関連する方法」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0066】
熱処理
サブミクロン及びナノスケール粒子の重要な特性は、熱処理によって修正することができる。熱処理に適した開始サブミクロン及びナノスケール材料には、レーザ熱分解によって製造した粒子が含まれる。加えて、熱処理の開始材料として使用される粒子には、粒子の合成に続いて、様々な条件下で、一つ以上の事前の加熱ステップを施しておくことができる。レーザ熱分解によって形成された粒子の熱処理に関しては、追加的な熱処理により、結晶性を改善/変更すること、元素状態の炭素等の汚染物を除去すること、及び又は、例えば、追加的な酸素の取り込み、或いは酸素基又は水酸基の除去によって、化学量を変更することが可能となる。加えて、熱処理により、ドーパントの均一な組み込みを促進することができる。
【0067】
特に対象となるものとして、レーザ熱分解によって形成されたアルミニウム酸化物及びドープアルミニウム酸化物には、熱処理ステップを施すことができる。これらの粒子は、箱形炉その他において加熱し、全般的に均一な加熱を提供する。この熱処理により、こうした粒子を、望ましい高品質の結晶形態に変換することができる。処理条件は、全般的に穏やかなものとし、望ましくない量の粒子の焼結が起こらないようにする。したがって、加熱の温度は、好ましくは、開始材料及び生成材料の融点に比べて低くする。具体的には、この熱処理では、レーザ熱分解による粒子のサブミクロン又はナノスケールのサイズとサイズの均一性とを十分に維持することができる。言い換えると、粒子サイズ及び表面積は、熱処理によって大幅に劣化することはない。
【0068】
粒子上の雰囲気は、静止させることが可能であり、或いは、システムを通じてガスを流動させることができる。加熱処理の雰囲気は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、又は不活性雰囲気にすることができる。特に、アモルファス粒子の結晶粒子への変換、或いは、ある結晶構造から基本的に同じ化学量の異なる結晶構造への変換に関して、雰囲気は、一般に不活性にすることができる。
【0069】
適切な酸化ガスは、例えば、O2、O3、CO、CO2、及びこれらの組み合わせを含む。O2は、空気として供給することができる。還元ガスは、例えば、H2及びHN3を含む。酸化ガス又は還元ガスは、随意的に、Ar、He、及びN2といった不活性ガスと混合することができる。不活性ガスが酸化/還元ガスと混合される時、そのガス混合物は、約1パーセント酸化/還元ガス乃至約99パーセント酸化/還元ガスを含むことが可能であり、更に好ましくは、約5パーセント酸化/還元ガス乃至約99パーセント酸化/還元ガスを含むことができる。代替として、必要に応じて、本質的に純粋な酸化ガス、純粋な還元ガス、又は純粋な不活性ガスのいずれかを使用することも可能である。極めて高濃度の還元ガスを使用する時には、爆発の防止に関して注意する必要がある。
【0070】
製造したアルミニウム酸化物粒子の結晶構造を変化させるために、厳密な条件を変更することができる。例えば、温度と、加熱時間と、加熱及び冷却速度と、周囲のガスと、ガスに関する露出条件とを全て選択し、望ましい生成物粒子を製造することができる。一般に、酸化性雰囲気での加熱では、加熱期間が長いほど、平衡に達する前に材料に取り込まれる酸素は多くなる。平衡状態に達すると、全体的な条件によって、粉体の結晶相が決定される。
【0071】
様々な炉その他を使用して、加熱を実行することができる。この処理を実行する装置500の例は、図8に表示している。装置500は、ガラス又はその他の不活性材料で作成可能なジャー502を含み、この中に粒子が配置される。適切なガラス反応ジャーは、Ace Glass(ニュージャージ州バインランド)から入手できる。更に高温の場合には、合金ジャーをガラスジャーの代わりに使用することができる。ガラスジャー502の最上部は、ガラスキャップ504で密封され、ジャー502とキャップ504との間にはTeflonRのガスケット506が伴う。キャップ504は、一つ以上のクランプによって所定の位置に保持することができる。キャップ504は、複数のポート508を含み、それぞれにTeflon登録商標のブッシングが付いている。マルチブレードのステンレス鋼撹拌棒510が、好ましくは、キャップ504の中央ポート508を通じて挿入される。撹拌棒510は、適切なモータに接続される。
【0072】
ジャー502にガスを伝達するために、一本以上のチューブ512が、ポート508を通じて挿入される。チューブ512は、ステンレス鋼又はその他の不活性材料で作成することができる。ディフューザ514をチューブ512の先端に含め、ジャー502内のガスを分配することができる。ヒータ/窯516は、一般にジャー502の周囲に配置される。適切な抵抗加熱ヒータは、Glas−col(インディアナ州テレホート)から入手できる。一ポートは、好ましくは、T接続部518を含む。ジャー502内の温度は、T接続部518を通じて挿入された熱電対518により測定することができる。T接続部518は、更にベント520に接続できる。ベント520は、ジャー502を通じて循環するガスの排気を提供する。好ましくは、ベント520は、換気フード又は代替の換気装置への排気を行う。
【0073】
好ましくは、ジャー502を通じて、望ましいガスを流動させる。チューブ512は、一般に、一つ以上のガスソースに接続される。望ましい雰囲気を生成する酸化ガス、還元ガス、不活性ガス、又はこれらの組み合わせを、適切な(複数の)ガスソースからジャー502内に配置することができる。様々な流量を使用できる。流量は、好ましくは、約1標準立方センチメートル毎分(sccm)乃至約1000sccmであり、更に好ましくは、約10sccm乃至約500sccmである。流量は、一般には、処理ステップを通じて一定だが、ガスの流量と組成とは、望ましい場合、処理中、時間と共に体系的に変化させることができる。代替として、静的なガス雰囲気を使用することができる。還元ガスソースを、酸化ガスソース538に差し換えることができる。
【0074】
少量のナノ粒子を熱処理するための代替装置530は、図9に表示されている。粒子は、チューブ534内のボート532その他の内部に配置される。チューブ534は、例えば、石英、アルミナ、又はジルコニアから製造することができる。好ましくは、チューブ534を通じて、望ましいガスを流動させる。ガスは、例えば、不活性ガスソース536又は酸化ガスソース538から供給することができる。
【0075】
チューブ534は、炉又は窯540の内部に位置する。炉540は、ノースカロライナ州アシュビルのLindberg/Blue MのMini−Mite登録商標 1100℃管状炉といった市販の窯を適合させることができる。炉540は、チューブの関連部分を相対的に一定の温度に維持するが、この温度は、望ましい場合、処理ステップを通じて、体系的に変化させることができる。温度は、熱電対542によりモニタすることができる。
【0076】
好適な温度範囲は、開始材料と、目的の生成アルミニウム酸化物とに応じて変化する。ナノスケールのアルミニウム酸化物の処理に関して、この温度は、好ましくは、約600℃乃至約1400℃である。特定の温度は、ドーパントの存在と、望ましい結晶構造とに応じて変化する。加熱は、一般に、約五分より長く継続され、通常は、約十分乃至約120時間、たいていの状況では、約十分乃至約五時間に渡って継続される。好適な加熱時間も、ドーパントの存在の有無と、望ましい結晶構造とに応じて変化することになる。ある程度の経験的な調節は、望ましい材料を発生させるのに適した条件を生成するのに役立つ場合がある。通常、サブミクロン及びナノスケール粉体は、低温での処理においても、望ましい反応を達成することができる。穏やかな条件を使用することで、大きな粒子サイズを発生させる粒子間の多大な焼結が回避される。粒子の成長を妨げるためには、好ましくは、粒子を高温で短時間に、或いは低温で長時間に渡って加熱する。ある程度の制御された粒子の焼結を幾分高い温度で実行し、僅かに大きな平均粒子直径を生成することが可能である。
【0077】
上記のように、熱処理を使用して、ナノ粒子に関する様々な望ましい変換を実行することができる。デルタ−アルミニウム酸化物からアルファ−アルミニウム酸化物への変換のための条件については、下の例において説明している。加えて、結晶性VO2を斜方晶系V25及び二次元結晶性V25に変換する条件と、アモルファスV25を斜方晶系V25及び二次元結晶性V25に変換する条件とについては、ビーらの米国特許第5,989,514号「バナジウム酸化物粒子の熱による処理」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。金属酸化物ナノ粒子からの炭素コーティングの除去に関する条件については、同時係属で共通して譲渡された米国特許出願第09/123,255号「酸化金属(ケイ素)/炭素複合体粒子」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。熱処理プロセスにおけるリチウム塩からのリチウムの金属酸化物ナノ粒子への組み込みについては、同時係属で共通して譲渡されたライツらの米国特許出願第09/311,506号「金属バナジウム酸化物粒子」と、同時係属で共通して譲渡されたクマールらの米国特許出願第09/334,203号「三成分粒子を製造する反応方法」とにおいて説明されており、これらは共に参照により本明細書に組み込むものとする。
【0078】
レーザ熱分解による炭素コーティングを共なる粒子を形成することで、焼結が低減又は排除された状態で、アルミニウム酸化物の高温相を生成できることが発見されている。炭素コーティング金属酸化物粒子の形成については、同時係属で共通して譲渡されたビーらの米国特許出願第09/123,255号「酸化金属(ケイ素)/炭素複合体」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。炭素コーティングは、条件が適切に調節されている時に、光反応区域における炭素源の存在によって生じる。具体的には、高いチャンバ圧力と高いレーザ出力とが、炭素コーティングの形成につながる。
【0079】
炭素コーティング粒子が熱処理される時、炭素コーティングは、その粒子を隣接する粒子から分離し、その粒子が多大な焼結及び結合又は融合を起こさないようにする。この熱処理は、炭素コーティングのバーンオフが生じないような非酸化性雰囲気において実行するべきである。これにより、粒子の多大な焼結を伴わずに、非常に微細なアルファ−アルミニウム酸化物を形成することができる。アルファ−アルミニウム酸化物の形成に関して、粒子は、好ましくは、約1000℃乃至約1400℃の温度まで、更に好ましくは、約1100℃乃至約1350℃の温度まで加熱される。アルミニウム酸化物の望ましい結晶形態の形成に続いて、炭素コーティング粒子は、約500℃の穏やかな温度において、酸化条件下で加熱し、炭素を除去することができる。
【0080】
粒子の特性
対象となる粒子の集合体は、一般に、一次粒子に関して、約1000nm未満の平均直径を有し、これは大部分の実施形態では約500nm未満であり、他の実施形態では約2nm乃至約100nmであり、更なる実施形態では約3nm乃至約75nmであり、追加的な実施形態では約5nm乃至約50nmであり、更に他の実施形態では約5nm乃至約25nmとなる。当業者が認識するように、こうした特定の範囲内に含まれる他の平均直径の範囲も考えられ、これらは本開示の範囲内にある。粒子の直径は、一般に、透過型電子顕微鏡により評価される。非対称の粒子での直径の測定は、粒子の主軸に沿った長さの測定値の平均に基づいて行われる。
【0081】
一次粒子は、通常、ほぼ球形の全体的な外観を有する。粒子はほぼ球形のように見えるが、厳密に検査すると、結晶粒子は、一般に、基盤となる結晶格子に対応した小面を有する。にもかかわらず、結晶一次粒子は、レーザ熱分解において、三つの物理的寸法でほぼ等しい成長を示し、全体的に球形の外観となる傾向にある。アモルファス粒子は、一般に、更に球形となる態様を有する。一部の実施形態では、一次粒子の95パーセント、好ましくは99パーセントにおいて、短軸に沿った寸法に対する長軸に沿った寸法の比率が、約2未満となる。一部の実施形態では、結晶格子が、非球形の粒子を発生させる傾向を有する場合がある。この非球形の態様は、熱処理後に特に顕著となる場合がある。
【0082】
小さなサイズであることから、一次粒子は、近くの粒子との間のファンデルワールス及びその他の電磁力により、緩い集塊を形成する傾向にある。こうした集塊は、必要な場合、有効な度合いまで分散させることができる。粒子が緩い集塊を形成していても、一次粒子のナノメートルのスケールは、粒子の透過型電子顕微鏡写真において、明瞭に観察される。こうした粒子は、一般に、顕微鏡写真において観察されるようなナノメートルのスケールの粒子に対応する表面積を有する。更に、こうした粒子は、その小さなサイズと、材料の重量当たりの大きな表面積とにより、独自の特性を示すことができる。例えば、酸化バナジウムナノ粒子は、参照により本明細書に組み込むビーらの米国特許第5,952,125号「電気活性ナノ粒子による電池」において説明されるように、リチウム電池において驚くほど高いエネルギ密度を示すことができる。
【0083】
一次粒子は、好ましくは、サイズにおいて、高度な均一性を有する。上記のように、レーザ熱分解は、一般に、非常に狭小な範囲の粒子直径を有する粒子を発生させる。しかしながら、サイズの均一性は、レーザ熱分解装置の処理条件に敏感である場合がある。更に、相応の穏やかな条件下での熱処理は、この非常に狭小な範囲の粒子直径を変化させない。レーザ熱分解に関する反応物のエアロゾル伝達により、粒子の直径の分布は、反応条件に対して特に敏感となる。にもかかわらず、反応条件が正しく制御される場合、エアロゾル伝達システムにより、非常に狭小な分布の粒子直径を得ることができる。透過型電子顕微鏡写真の調査から判断されるように、一次粒子は、一般に、一次粒子の少なくとも約95パーセント、好ましくは99パーセントが平均直径の約40パーセントより大きく、平均直径の約225パーセントより小さい直径を有するようなサイズの分布を有する。好ましくは、一次粒子は、一次粒子の少なくとも約95パーセント、好ましくは99パーセントが平均直径の約45パーセントより大きく、平均直径の約200パーセントより小さい直径を有するような直径の分布を有する。
【0084】
更に、好適な実施形態では平均直径の約五倍、好ましくは平均直径の約四倍、更に好ましくは平均直径の約三倍より大きい平均直径を有する一次粒子は存在しない。言い換えれば、粒子サイズの分布は、事実上、著しく大きなサイズを伴う少数の粒子を示す尾部を有していない。これは、小さな反応領域と、これに対応する粒子の急速な冷却との結果である。サイズ分布の尾部における有効な切り捨ては、平均直径を上回る指定の切り捨て値より大きな直径を有するものが106のうち約1粒子未満となる状態を示す。狭小なサイズ分布と、分布における尾部の欠如と、ほぼ球形の形態とは、様々な用途で利用することができる。
【0085】
粒子サイズに関連する特性は、粒子の表面積である。この分野においては、BET表面積が、粒子表面積の測定に関するアプローチとして確立されている。BET表面積は、粒子表面上にガスを吸着させることで測定される。粒子に吸着されるガスの量は、表面積の測定値と相関関係にある。不活性ガスが、吸着ガスとして使用される。適切な不活性ガスには、例えば、Ar及びN2が含まれる。表面積の測定値は、粒子の多孔性にも敏感であり、多孔性粒子は大きな表面積を有する。好適な粒子の集合体は、少なくとも約10m2/g、一部の実施形態では少なくとも約30m2/g、他の実施形態では約100m2/g乃至約200m2/gのBET表面積を有する。
【0086】
加えて、ナノ粒子は、一般に、非常に高い純度レベルを有する。上記の方法で製造されたナノ粒子は、反応物より高い純度を有すると予想され、これはレーザ熱分解反応と、該当する場合は結晶形成処理とが粒子から汚染物を排除する傾向を有するためである。更に、レーザ熱分解によって製造される結晶ナノ粒子は、高度な結晶性を有する。同様に、熱処理によって製造された結晶ナノ粒子は、高度な結晶性を有する。特定の不純物が粒子の表面に存在する場合には、粒子を加熱することによって除去し、高い結晶純度だけでなく、全体的な高純度を達成することができる。
【0087】
アルミニウム酸化物は、いくつかの結晶相で存在することが知られており、これにはα−Al23と、γ−Al23と、ε−Al23と、θ−Al23と、η−Al23とが含まれる。例えば、デルタ(δ)相は、正方結晶構造を有し、ガンマ(γ)相は、立方結晶構造を有する。ガンマ(γ)−アルミニウム酸化物の熱処理では、連続的に増加する平衡温度と共に、デルタ(δ)−アルミニウム酸化物と、シータ(θ)−アルミニウム酸化物と、アルファ(α)−アルミニウム酸化物とが生じる。したがって、デルタ(δ)−アルミニウム酸化物の熱処理により、シータ(θ)−アルミニウム酸化物と、アルファ(α)−アルミニウム酸化物とを発生させることが可能であり、シータ(θ)−アルミニウム酸化物の熱処理により、アルファ(α)−アルミニウム酸化物を発生させることが可能である。短期間の熱処理では、低い平衡温度により、中間の結晶構造を発生させることができる。ガンマ−アルミニウム酸化物の熱処理によるデルタ又はシータ−アルミニウム酸化物への転換は、最初の結晶形態を破壊することなく発生させることができる。デルタ又はシータ−アルミニウム酸化物のアルファ−アルミニウム酸化物への変換は、再構成的なものであり、核生成及び成長処理によって発生させることができる。
【0088】
特定の状況下では混合相の材料が形成されるが、レーザ熱分解は、一般に、単相の結晶性粒子を製造するために効果的に使用することができる。レーザ熱分解の条件は、単一の選択された相の結晶性Al23の形成を助けるように変化させることができる。アモルファスアルミニウム酸化物を形成することも可能である。アモルファス粒子の形成を助ける条件には、例えば、高い圧力と、高い流量と、高いレーザ出力と、これらの組み合わせとが含まれる。
【0089】
金属酸化物ドーパントは、アルミニウム酸化物結晶内での他の金属酸化物の組み込みを伴う。このドーパントはアルミニウム酸化物の結晶格子を変形させる場合があるが、アルミニウム酸化物の結晶格子の基本的な特徴は、ドーパントが存在する状態で確認することができる。望ましいドーパントは、材料の使用目的に基づいて選択される。特定の用途に関する一部のドーパントについては、上で説明している。一般に、ドープアルミニウム酸化物は、約10モルパーセント以下のドーパント酸化物を含む。多くの実施形態において、ドープアルミニウム酸化物は、約0.01モルパーセント乃至約5モルパーセントを含み、他の実施形態では、約0.05モルパーセント乃至約1モルパーセントを含む。当業者が理解するように、本発明は、こうした明示的な範囲の中間にあるモルパーセント範囲を対象とする。ドーパントは、表面をコーティングすることが可能だが、一般には、ホスト材料の格子に組み込まれる。
【0090】
コーティングの堆積
光反応性堆積は、反応物ストリームからの望ましい組成物の合成を駆動するために高強度の光源を使用するコーティングアプローチである。高強度の光源が反応を駆動する点において、これは、レーザ熱分解との類似性を有する。しかしながら、光反応性堆積において、結果として生じる組成物は、基板表面へ向けられ、ここでコーティングが形成される。非常に均一な粒子の製造につながるレーザ熱分解の特徴によって、結果的に均一性の高いコーティングが製造される。更に、光反応性堆積は、広範な組成の材料を形成する能力に関して、レーザ熱分解の汎用性を維持している。
【0091】
光反応性堆積において、基板のコーティングは、反応チャンバから分離されたコーティングチャンバにおいて実行することが可能であり、或いは、このコーティングは、反応チャンバにおいて実行することができる。こうした構成のいずれかにおいて、反応伝達システムは、アルミニウム酸化物又はドープアルミニウム酸化物の製造のためのレーザー熱分解装置に関する反応物伝達システムと同様に構成することができる。したがって、上記及び下の例におけるレーザ熱分解によるアルミニウム酸化物粒子の製造の説明は、このセクションで説明するアプローチを使用するコーティングの製造に適合させることが可能である。
【0092】
反応チャンバから分離されたコーティングチャンバにおいてコーティングが実行される場合、反応チャンバは、レーザ熱分解を実行するための反応チャンバと本質的に同じだが、スループットと反応物ストリームのサイズとは、コーティング処理に適切となるように設計してもよい。こうした実施形態において、コーティングチャンバと、コーティングチャンバを反応チャンバに接続するコンジットとは、レーザ熱分解システムの収集システムに取って代わる。
【0093】
分離された反応チャンバとコーティングチャンバとを伴うコーティング装置は、図10に概略的に表示されている。図10を参照すると、コーティング装置566は、反応チャンバ558と、コーティングチャンバ560と、反応装置をコーティングチャンバ560に接続するコンジット562と、コーティングチャンバ560からつながる排気コンジット564と、排気コンジット564に接続されたポンプ566とを備える。バルブ568は、ポンプ566への流動を制御するために使用することができる。バルブ568は、例えば、手動ニードルバルブ又は自動スロットルバルブにすることができる。バルブ568は、ポンプ速度と、対応するチャンバ圧とを制御するために使用することができる。
【0094】
図11を参照すると、粒子製造装置558からのコンジット562は、コーティングチャンバ560へとつながる。コンジット562は、チャンバ560内の開口部572において終了する。一部の好適な実施形態において、開口部572は、基板574の表面近くに位置し、粒子ストリームの勢いにより、粒子は直接基板574の表面へと向かうようになる。基板574は、開口部572に対して基板574を配置するために、ステージ又はその他のプラットフォーム576上にマウントされる。収集システム、フィルタ、スクラバ、又はその他578を、コーティングチャンバ560とポンプ566との間に配置し、基板表面にコーティングされなかった粒子を取り除くことが可能である。
【0095】
粒子製造装置からのコンジットに対して基板を配置するステージの実施形態は、図12に表示されている。粒子ノズル590は、粒子を回転ステージ592へ向ける。図12に示すように、四枚の基板594が、ステージ592にマウントされている。対応するステージ及びチャンバサイズの修正により、これより多い又は少ない基板を、可動ステージにマウントすることが可能である。ステージ592の移動は、基板表面を越えて粒子ストリームを掃過し、特定の基板594をノズル590の経路内に配置させる。図12に示すように、モータを使用して、ステージ592を回転させる。ステージ592は、好ましくは、ステージ592上の基板の温度制御を提供するために、熱制御特徴部を含む。代替の設計には、ステージの直線的な移動又はその他の動作が伴う。別の実施形態においては、粒子ストリームを集中させず、基板全体又はその望ましい部分が、生成物の流れと相対的に基板を移動させることなく、同時にコーティングされるようにする。
【0096】
コーティングが反応チャンバ内部で実行される場合、基板は、反応区域から流動する生成組成物を受領するようにマウントされる。組成物は、完全に固体粒子へと凝固していなくてもよいが、固体粒子を形成するのに十分な速度で冷却してもよい。組成物が固体粒子に凝固しているかどうかに関係なく、この粒子は、好ましくは、非常に均一にする。一部の実施形態において、基板は、反応区域の近くにマウントする。
【0097】
反応チャンバ内部で基板のコーティングを実行する装置600は、図13に概略的に表示されている。反応/コーティングチャンバ602は、反応物供給システム604と、放射源606と、排気部608とに接続される。排気部608は、ポンプ610に接続することが可能だが、反応物自体からの圧力により、システムを通じた流動を維持することもできる。
【0098】
様々な構成を使用して、生成物が反応区域を出る際に、コーティングを基板表面全体に掃過させることができる。一実施形態は、図14及び15に表示されている。基板620は、右向きの矢印で示すように、反応物ノズル622と相対的に移動する。反応物ノズル622は、基板620のすぐ上に配置される。光学経路624は、経路624に沿って光ビームを方向付ける適切な光学素子によって定められる。光学経路624は、ノズル622と基板620との間に配置され、基板620の表面のすぐ上に反応区域を定める。高温粒子は、より温度の低い基板表面に貼り付く傾向がある。断面図が、図15に表示されている。粒子コーティング626は、基板が反応区域を越えてスキャンされるのに従って形成される。
【0099】
一般に、基板620は、コンベヤ628で運ぶことができる。一部の実施形態において、コンベヤ628の位置は、基板626乃至反応区域の距離を変更するために調整可能である。基板乃至反応区域の距離の変化により、基板に衝突する粒子の温度は、これに対応して変化する。基板に衝突する粒子の温度は、結果として生じるコーティングの特性と、コーティングの硬化のための熱処理のような後続処理の要件とを変化させる場合がある。基板と反応区域との間の距離は、経験的に調整し、望ましいコーティング特性を生成することができる。加えて、基板を支持するステージ/コンベヤは、必要に応じて、基板の温度を高温又は低温に調整できるような熱制御特徴部を含むことが可能である。
【0100】
コーティング処理で形成されるコーティングによって形成される、基板表面上の個別のデバイス又は構造の製造に関して、この堆積処理は、基板の一部のみをコーティングするように設計することができる。代替として、様々なパターン形成アプローチを使用することができる。例えば、フォトリソグラフィ及びドライエッチングといった集積回路の製造での従来のアプローチを使用して、堆積後のコーティングでパターン形成を行うことができる。
【0101】
パターン形成前又は形成後には、コーティングを熱処理し、コーティングを個別の粒子の層から連続的な層に変えることができる。一部の好適な実施形態では、コーティング内の粒子を加熱し、粒子をガラス又は均一な結晶層へと硬化させる。材料は、材料の融点を僅かに越えて加熱し、コーティングを平滑で均一な材料へと硬化させることができる。温度を高くしすぎなければ、材料が大幅に流動することはないが、粉体は、均質な材料へと変化する。加熱及び冷却時間は、硬化したコーティングの特性を変化させるために調節することができる。
【0102】
この説明に基づいて、リン酸ガラスと結晶性材料とによるコーティングの形成を、基板上で行うことができる。このコーティングは、保護層として、或いはその他の機能に関して使用することができる。
【0103】
光反応性堆積によるコーティングの形成、ケイ素ガラス堆積、及び光学デバイスについては、同時係属で共通して譲渡されたビーらの米国特許出願第09/715,935号「反応性堆積によるコーティング形成」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0104】
望ましい酸化物を形成する処理
様々なアルミニウム酸化物材料を、本明細書の説明に基づいて製造することが可能である。具体的には、この処置は粉体の製造を対象としているが、この粉体は、均一層へと加工することが可能なコーティングとして加えることができる。粉体と均一層とは、アモルファスガラス又は結晶性にすることができる。結晶形態は、いくつかの異なる形態のいずれかを取ることができる。こうした材料形態の任意のものは、Al23又はドープAl23にすることができる。
【0105】
アルミニウム酸化物粉体は、研磨組成物への組み込みと触媒の用途とに関して特に適している。粉体は、レーザ熱分解により製造し、収集される。光学材料は、好ましくは、光反応性堆積を使用してコーティングとして形成されるが、収集した粉体の応用に基づく代替的なアプローチで、粉体を光学デバイスへと加工することが可能である。ドープアルミニウム酸化物の発光特性に基づく応用において、この材料は、粉体又はコーティングとして処理し、光学ディスプレイ等の様々なデバイスを形成することができる。
【0106】
粉体及びコーティングは、一般には、熱処理により更に処理される。熱処理の条件は、一般に、望ましい生成物形態に応じて変化する。アモルファス粒子は、一般に、ガラス生成物の形成に使用される。アモルファスの性質を維持してガラスを得るためには、熱処理は、一般に、十分に急速な冷却を伴う比較的短いものにするべきである。均一なガラスを形成するために、粒子は、その流動温度を超えて加熱される。この温度は、粒子が緻密化及び流動し、望ましい均一な材料となるのに十分な長さで維持する。アモルファス粒子が最終生成物として求められる場合でも、粒子を熱処理して汚染物を除去し、材料の均一性を高め、ドーパントが存在する場合には、アルミニウム酸化物材料へのドーパントの組み込みを向上させることが望ましい場合がある。この熱処理は、注意深く制御された穏やかな条件下で実行し、粒子のアモルファスの特徴を維持するべきである。
【0107】
結晶性材料を形成するために、粉体は、好ましくは、最初の形成処理において結晶性粒子が発生する条件下で形成される。更なる処理によって、一般には、結晶性生成物が生じる。こうした実施形態において、熱処理は、平衡生成物を製造するために実行することができる。しかしながら、早い時期に停止することで、結果的に異なる結晶形態の製造を導くことができる。レーザ熱分解では、ベーマイト結晶構造を有するガンマ−Al23の形成を導くことができる。気相反応先駆物質を使用したレーザ熱分解によるガンマ−アルミニウム酸化物の合成については、同時係属で共通して譲渡されたクマールらの米国特許出願第09/136,483号「酸化アルミニウム粒子」において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。下の例では、エアロゾル先駆物質と蒸気先駆物質とを使用したデルタ−アルミニウム酸化物の形成について説明されている。ガンマ−アルミニウム酸化物の加熱では、デルタ−Al23と、シータ−Al23と、アルファ−Al23との連続的な形成が生じる。アルファ−アルミニウム酸化物は、1000℃を超える温度まで加熱した際のアルミニウム酸化物の熱力学的に安定した形態である。ガンマ−Al23を起点とするデルタ−Al23と、シータ−Al23と、アルファ−Al23との形成については、下の例で説明している。
【0108】
ドーパントは、Al23の任意の結晶形態に導入することができる。ドーパントの原料は、好ましくは、レーザ熱分解合成のための先駆物質ストリームに導入する。処理ステップは、相対的にドーパントの存在に見合ったものにするべきだが、一部のドーパントは、処理温度に対する大きな影響を有することになる。特に、一部のドーパントは、融解温度及びガラス遷移温度を低下させるのに有効である。ドーパントに基づく処理条件の改変は、経験的に実行することができる。結晶構造の評価は、実施例において説明するように、X線回折を使用して、直接的に実行することができる。ドーパントは、レーザ熱分解によって製造する材料の収集に続く熱処理ステップまでに、アルミニウム酸化物材料に組み込んでも、組み込まなくてもよい。
【実施例】
【0109】
実施例1−エアロゾル先駆物質によるアルミナのレーザ熱分解合成
この例では、エアロゾルによるレーザ熱分解でのデルタ−アルミニウム酸化物の合成を実証する。レーザ熱分解は、基本的に図4乃至6に関して上で説明したような反応チャンバを使用して実行した。
【0110】
硝酸アルミニウム(Al(NO32・9H2O)(99.999%、1.0モル)先駆物質を脱イオン水に溶解させた。この硝酸アルミニウム先駆物質は、マサチューセッツ州ウォードヒルのAlfa Aesar, Inc.から入手した。この溶液を、加熱板上で、時期攪拌機を使用して撹拌した。この水性金属先駆物質溶液を、エアロゾルとして反応チャンバ内に搬送した。C24ガスをレーザ吸収ガスとして使用し、窒素を不活性希釈ガスとして使用した。金属先駆物質、N2、O2、及びC24を含む反応混合物を反応物ノズルに導入し、反応チャンバに注入した。実施例1に関連するレーザ熱分解合成の追加的なパラメータは、表1に記載している。
【0111】
表1
Figure 2005504701
【0112】
slm=一分間当たりの標準リットル
アルゴン−窓=窓412を通過するアルゴン流
アルゴン−遮蔽=スロット462を通じたアルゴン流
*大部分のエアロゾル先駆物質はノズルの下へ戻り、再循環される。
【0113】
原子配列を評価するために、試料を、リガクMiniflex X線回折計において、Cu(Kα)放射ラインを使用したX線回折によって調査した。表1の列1及び2に記載した条件下で製造した試料のX線回折図は、図16に表示されており、試料1及び2に対応して、それぞれ1及び2と付記されている。それぞれの試料において、結晶相は、既知の回折図との比較により、デルタ−アルミニウム酸化物(Al23)に対応することが確認された。
【0114】
更に、表1の列1及び2に記載の条件下でレーザ熱分解により製造した二種類の粒子試料のBET表面積を測定した。このBET表面積は、Micromeritics Tristar 3000TM装置により、N2ガス吸収質を使用して判定した。表1の列1及び2に記載したようにレーザ熱分解で製造した試料は、それぞれ13m2/g及び26m2/gのBET表面積を有した。これらの結果は、表1の列2の条件下で製造した粒子がより小さな粒子サイズを有することを示している。C、H、Cl、及びNの不純物レベルは、原子吸光により判定し、全般的に約1重量%未満となった。
【0115】
表1の列2の条件下で製造したアルミニウム酸化物ナノ粒子について、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影した。このTEM顕微鏡写真は、図17に表示されている。この粒子は、全般的に球状の形態を有する。この顕微鏡写真では、透明なシェルタイプの粒子を稠密な粒子と共に見ることができる。反応条件の調節を使用して、均一の稠密な粒子を得ることができる。
【0116】
実施例2−蒸気先駆物質によるアルミナのレーザ熱分解合成
この例では、蒸気先駆物質を使用したデルタ−アルミニウム酸化物のレーザ熱分解合成について説明する。この反応は、蒸気/ガス反応物用の1.75インチ×0.11インチ開口部を伴う入口ノズルが付いた、図4に示すチャンバと同等のチャンバにおいて実行した。
【0117】
塩化アルミニウム(AlCl3)(マサチューセッツ州ニューベリーポートのStrem Chemical, Inc.)先駆物質蒸気は、N2ガスが加熱した塩化アルミニウム固体を通過する昇華チャンバから反応チャンバへ搬送した。AlCl3、O2、窒素、及びC24を含む反応ガス混合物を、反応ガスノズルに導入し、反応チャンバに注入した。C24をレーザ吸収ガスとして使用した。窒素は、搬送ガス及び反応を緩和する不活性ガスとして使用した。分子酸素を酸素源として使用した。過剰な酸素又は化学量論的な酸素量での実行により、最善の粉体が製造された。
【0118】
蒸気先駆物質によるアルミニウム酸化物粒子の製造に関する代表的な反応条件は、表2に記載されている。
表2
Figure 2005504701
【0119】
sccm=1分間当たりの標準立方センチ
slm=一分間当たりの標準リットル
アルゴン−窓=窓412を通過するアルゴン流
アルゴン−遮蔽=スロット462を通じたアルゴン流
表2の条件下で製造された試料3乃至5に関する生成ナノ粒子のX線回折図は、図16において、それぞれに番号を付した上の三種類のスペクトルとして表示されている。試料3乃至5は、ガンマ−アルミニウム酸化物のX線回折図の特徴を有する。しかしながら、粒子のサイズが低減すると、予想されるように、回折のピークが拡張し、個別のピークが分離されないようになる。BET表面積は、実施例1において説明したように測定した。BET表面積の値は、表2に記載されている。これらの粒子は、より大きな表面積を有しており、これはエアロゾル先駆物質により製造した粒子に比べ、より小さな粒子サイズであることを示している。C、H、Cl、及びNの不純物レベルは、原子吸光により判定し、全般的に約1重量%未満となった。
【0120】
約77m2/gのBET表面積を有する、蒸気先駆物質によりレーザ熱分解で製造した同様のアルミニウム酸化物粉体に関して、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影した。この顕微鏡写真は、図18に表示されている。この粒子は、100nmを大幅に下回る平均粒子サイズを有した。更に、表2の第二の列の条件下で製造した試料(試料4)について、TEM顕微鏡写真を撮影した。この顕微鏡写真は、図18に表示されている。この粒子は、結晶性が高く見え、結晶面を明瞭に見ることができる。これらの結晶は、約20nm未満の平均粒子サイズと、非常に均一な粒子サイズ分布とを有した。観察された粒子サイズに基づいて計算された表面積は、測定されたBET表面積とほぼ同じであり、この粒子が稠密で、非多孔性粒子であることを示している。
【0121】
表2の列4の条件下で製造された試料6は、炭素コーティングを伴うデルタ−アルミニウム酸化物となった。炭素コーティングの存在により、下で更に説明するように、このアルミニウム酸化物粒子を還元性雰囲気で熱処理し、粒子を焼結させることなく、アルファ−アルミニウム酸化物を製造することが可能となった。炭素コーティングを伴う金属酸化物粒子の製造については、同時係属で共通して譲渡されたビーらの米国特許出願第09/123,255号「酸化金属(ケイ素)/炭素複合体」において更に説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。
【0122】
実施例3−レーザ熱分解によるアルミナ粒子の熱処理
熱処理の開始材料は、実施例1及び2において説明した条件下で製造したアルミニウム酸化物粒子とした。この熱処理により、主に、デルタ−アルミニウム酸化物からのアルファ−アルミニウム酸化物の製造が導かれた。
【0123】
ナノ粒子は、2インチ×6インチのアルミナ坩堝に試料を配置することで、ボックス内で熱処理した。焼成は、フォーミングガスによる熱処理を除き、実験室の空気条件で実行した。ナノ粒子は、特定の試料に関して下で説明するように、熱処理によって、結晶性アルファ−Al23粒子に変換され、一部の試料は僅かなシータAl23の部分を有した。
【0124】
第一の熱処理使用(H1)は、表1の第二の列で説明するように製造したデルタ−アルミニウム酸化物から準備した。この試料を、表3に記載するように加熱し、炉をオフにした時の自然な冷却速度で冷却した。
【0125】
表3
Figure 2005504701
【0126】
結果として生じた熱処理粒子(H1)の結晶構造は、X線回折によって判定した。試料H1のX線回折図は、熱処理をしていない対応する粉体の回折図と共に、図20に提示されている。上の回折図は、熱処理材料により生じたものであり、下の回折図は、熱処理前の試料である。この熱処理により、最初のデルタ−アルミニウム酸化物は、非常に少量のシータ−アルミニウム酸化物を伴う、比較的純粋な位相のアルファ−アルミニウム酸化物に変換された。熱処理後、粒子は、約12m2/gのBET表面積を有した。表面積の低下は、一般に、中空粒子が崩壊し稠密粒子になることに対応するものだが、ある程度の焼結も発生する場合がある。
【0127】
透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、熱処理使用の粒子サイズと形態とを評価した。試料H1のTEM顕微鏡写真は、図21に表示されている。図21で確認できるように、全ての中空粒子が崩壊し、稠密粒子となった訳ではない。材料の均一性は、レーザ反応区域における反応物の密度を低減することで改善することができる。
【0128】
加えて、レーザ熱分解で気相反応物により製造したデルタ−アルミニウム酸化物の試料を熱処理し、大部分がアルファ−アルミニウム酸化物であり、一部が残存するデルタ−アルミニウム酸化物とシータ−アルミニウム酸化物とである、混合相のアルミニウム酸化物を生成した。実施例2において説明したように製造した、同じ開始材料の三種類の試料(H2、H3、H4)を、表3に記載した条件下で熱処理した。これらの試料(H2、H3、H4)は、それぞれ31m2/g、19m2/g、及び7m2/gのBET表面積を有した。三種類の熱処理試料のX線回折図は、図22に表示されている。表面積31m2/gの試料は、大部分がアルファ−アルミニウム酸化物に変換されたが、ある程度のデルタ−アルミニウム酸化物が残存した。7m2/gの試料は、X線回折図のスペクトルによれば、高い結晶性を伴う純粋なアルファ−アルミニウム酸化物となった。
【0129】
31m2/g熱処理試料のTEM顕微鏡写真は、図23に表示されている。小さく均一な粒子を、大きな相互接続構造と共に見ることができる。制限視野回折を使用して、アルファ−アルミニウム酸化物粒子からデルタ−アルミニウム酸化物粒子を識別した。TEM顕微鏡写真の小さな粒子の制限視野回折は、この粒子が、デルタ相又はシータ相結晶と十分に一致するd−間隔を伴う高い結晶性を有することを示した。全体として、この試料は、ほぼ81%がアルファ相となった。
【0130】
比較のために、表面積22m2/gの熱処理試料(H5)のX線回折図スペクトルを、8m2/gのBET表面積を有するSt.Gobain(フランス)からのデルタ−アルミニウム酸化物の市販の試料のX線回折図スペクトルと共に、図24に表示している。熱処理試料H5は、蒸気先駆物質によりレーザ熱分解で最初に製造された試料から、表3に記載した熱処理条件で製造された。この熱処理試料は、大部分がアルファ−アルミニウム酸化物で、少量のデルタ−アルミニウム酸化物が伴った。市販の試料は、未知の汚染物に対応する未確認のピークを有した。市販の試料の元素分析では、熱処理したレーザ熱分解試料での約0.5重量パーセントに比べ、およそ9重量パーセントの汚染物が確認された。
【0131】
上記の実施形態は、制限ではなく例示を意図したものである。追加的な実施形態は、請求項の範囲内にある。以上、本発明について好適な実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を加え得るることを認識し得よう。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】放射経路の中央で断面を取り出した、レーザ熱分解装置の実施形態の略断面図であって、上方の挿入部分が収集ノズルの下面図であり、下方の挿入部分が注入ノズルの上面図である略断面図
【図2】図1のレーザ熱分解装置に対する蒸気反応物の伝達のための反応物伝達装置の略側面図
【図3】装置の中心で断面を取り出した、図1のレーザ熱分解装置に対するエアロゾル反応物の伝達のための反応物伝達装置の略断面図
【図4】レーザ熱分解装置の代替実施形態の斜視図
【図5】ノズルの長さに沿って、その中心で断面を取り出した、図4の代替レーザ熱分解装置の入口ノズルの断面図
【図6】ノズルの幅に沿って、その中心で断面を取り出した、図4の代替レーザ熱分解装置の入口ノズルの断面図
【図7】レーザ熱分解を実行するための細長い反応チャンバの実施形態の斜視図
【図8】装置の中心で断面を取り出した、ナノ粒子を熱処理する装置の略断面図
【図9】チューブの中心で断面を取り出した、ナノ粒子を加熱する炉の略断面図
【図10】独立したコーティングチャンバにコンジットを通じて接続された粒子製造装置と共に形成された光反応性堆積装置の概略図
【図11】内部構成要素が見えるようにチャンバの壁を透明にしたコーティングチャンバの斜視図
【図12】回転ステージに取り付けられた基板に向けられた粒子ノズルの斜視図
【図13】粒子製造チャンバ内で粒子コーティングが基板に加えられる光反応性堆積装置の概略図
【図14】基板近くに位置する反応区域に反応物を伝達する反応物ノズルの斜視図
【図15】線15−15に沿って取り出した、図14の装置の断面図
【図16】蒸気反応物又はエアロゾル反応物のいずれかにより製造された、レーザ熱分解により製造したアルミニウム酸化物試料に関する五種類のX線回折プロット図であって、デルタ−アルミニウム酸化物に関する回折図のピークのラインプロットが、比較のため、下の挿入部分に提示される図
【図17】エアロゾル反応物によりレーザ熱分解で製造したアルミニウム酸化物試料の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図18】蒸気反応物によりレーザ熱分解で製造したアルミニウム酸化物粒子試料の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図19】蒸気反応物によりレーザ熱分解で製造した別のアルミニウム酸化物粒子試料の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図20】エアロゾル反応物によりレーザ熱分解で製造した、熱処理後のアルミニウム酸化物粒子試料(上の曲線)と、対応する熱処理前の試料(下の曲線)とに関するX線回折プロット図であって、比較のため、三種類の位相のアルミニウム酸化物に関する回折図のピークのラインプロットが、図の下部に提示される図
【図21】熱処理前にエアロゾル反応物によりレーザ熱分解で製造した試料について、熱処理後のアルミニウム酸化物粒子試料の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図22】蒸気反応物によりレーザ熱分解で製造した、熱処理後の三種類のアルミニウム酸化物粒子試料(上の曲線)と、代表的な熱処理前の試料(下の曲線)とに関するX線回折プロット図であって、比較のため、三種類の位相のアルミニウム酸化物に関する回折図のピークのラインプロットが、図の下部に提示される図
【図23】熱処理前に蒸気反応物によりレーザ熱分解で製造した試料について、熱処理後のアルミニウム酸化物粒子試料の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図24】市販のアルファ−アルミニウム酸化物試料(下の曲線)と、蒸気反応物によりレーザ熱分解で製造したデルタ−アルミニウム酸化物の熱処理後のアルファ−アルミニウム酸化物試料(上の曲線)とに関するX線回折プロット図であって、比較のため、二種類の位相のアルミニウム酸化物に関する回折図のピークのラインプロットが、図の下部に提示される図

Claims (35)

  1. デルタ−Al23及びシータ−Al23で構成されるグループから選択された結晶性アルミニウム酸化物を含む粒子の集合体であって、この粒子が約100nm未満の平均直径を有する粒子の集合体。
  2. 結晶性アルミニウム酸化物が、デルタ−Al23を含む、請求項1記載の粒子の集合体。
  3. 粒子が、シータ−Al23を含む、請求項1記載の粒子の集合体。
  4. 粒子が、約50nm未満の平均直径を有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  5. 粒子が、約25nm未満の平均直径を有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  6. 粒子が、約30m2/g乃至約200m2/gのBET表面積を有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  7. 粒子が、約100m2/g乃至約200m2/gのBET表面積を有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  8. 事実上、粒子の集合体の平均直径の約四倍より大きい直径を有する粒子が存在しない、請求項1記載の粒子の集合体。
  9. 事実上、粒子の集合体の平均直径の約三倍より大きい直径を有する粒子が存在しない、請求項1記載の粒子の集合体。
  10. 少なくとも約95パーセントの粒子が平均直径の約40パーセントより大きく、平均直径の約160パーセントより小さい直径を有するような粒子サイズの分布を、粒子の集合体が有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  11. ドーパント金属酸化物を伴うアルミニウム酸化物粒子を含み、前記アルミニウム酸化物粒子が、アルミニウムに対するドーパント金属の比率に基づいて、約0.05モルパーセント乃至約5モルパーセントのドーパントを有する、請求項1記載の粒子の集合体。
  12. ドープアルミニウム酸化物を含む粒子の集合体であって、前記粒子が約500nm未満の平均直径を有する粒子の集合体。
  13. 約3nm乃至約150nmの平均直径を有する、請求項12記載の粒子の集合体。
  14. 約3nm乃至約50nmの平均直径を有する、請求項12記載の粒子の集合体。
  15. ドープアルミニウム酸化物粒子が、ガンマ−アルミニウム酸化物構造を伴う粒子を含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  16. ドープアルミニウム酸化物粒子が、アルファ−アルミニウム酸化物構造を伴う粒子を含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  17. ドーパントが、酸化セシウム(Cs2O)と、酸化ルビジウム(Rb2O)と、酸化タリウム(Tl2O)と、酸化リチウム(Li2O)と、酸化ナトリウム(Na2O)と、酸化カリウム(K2O)と、酸化ベリリウム(BeO)と、酸化マグネシウム(MgO)と、酸化カルシウム(CaO)と、酸化ストロンチウム(SrO)と、酸化バリウム(BaO)と、これらの組み合わせとから成るグループから選択される、請求項12記載の粒子の集合体。
  18. ドーパントが、酸化コバルト(Co34)を含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  19. ドーパントが、酸化ジルコニウム(ZrO2)を含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  20. アルミニウム酸化物粒子が、アルミニウムに対するドーパント金属の比率に基づいて、約0.01モルパーセント乃至約10モルパーセントを含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  21. アルミニウム酸化物粒子が、アルミニウムに対するドーパント金属の比率に基づいて、約0.05モルパーセント乃至約5モルパーセントを含む、請求項12記載の粒子の集合体。
  22. 請求項12記載の粒子の集合体を含むコーティング。
  23. ドープアルミニウム酸化物粒子の製造に関する方法であって、流動生成物ストリーム内でドープアルミニウム酸化物粒子を形成するために、アルミニウム先駆物質と、酸素源と、ドーパント先駆物質とを含む流動反応物ストリームを反応させるステップを備える方法。
  24. 反応物ストリームが、エアロゾルを含む、請求項23記載の方法。
  25. エアロゾルが、アルミニウム先駆物質とドーパント先駆物質とを含む、請求項24記載の方法。
  26. アルミニウム先駆物質が、酸素源を含んだ化合物を含む、請求項23記載の方法。
  27. 酸素源が、O2である、請求項23記載の方法。
  28. 反応物ストリームの反応が、光ビームから吸収された熱によって駆動される、請求項23記載の方法。
  29. コーティングを形成するために、ドープアルミニウム酸化物粒子を伴う流動ストリームを基板に方向付けるステップを更に備える、請求項23記載の方法。
  30. 生成サブミクロン結晶性アルミニウム酸化物粒子を製造する方法であって、アルミニウム酸化物粒子の結晶構造を変換して生成結晶性アルミニウム酸化物粒子を製造するために、先駆サブミクロン炭素コーティングアルミニウム酸化物粒子の集合体を還元環境で加熱するステップを含み、前記生成結晶性アルミニウム酸化物粒子が、先駆アルミニウム酸化物粒子とは異なる結晶構造を伴う粒子を含む方法。
  31. 先駆粒子の集合体が、ガンマ−アルミニウム酸化物を含む、請求項30記載の方法。
  32. 先駆粒子の集合体が、デルタ−アルミニウム酸化物を含む、請求項30記載の方法。
  33. 加熱が、1000°乃至1400°の温度で実行される、請求項30記載の方法。
  34. 生成結晶性アルミニウム酸化物粒子が、アルファ−アルミニウム酸化物を含む、請求項30記載の方法。
  35. 炭素コーティングを除去するために、生成結晶性アルミニウム酸化物粒子を酸化環境において加熱することを更に含む、請求項30記載の方法。
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