JP2005504623A - 少量液体のための運動エレメント - Google Patents
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Abstract
本発明は少量液体の運動生起のための運動エレメントで、2つの主表面を有するプレート形の物体である。第1のアクティブ主面上には少なくとも1つの運動デバイスが配置され、それはアクティブ主面および運動デバイスのための電気接続エレメントと接触している液体を動かすため、電気操作可能である。本発明はさらに本発明の運動エレメントで使われる運動デバイス、本発明の運動エレメントを入れるためのカートリッジ、本発明のカートリッジを入れるための反応機器、少量液体での運動を生起するための方法を含む。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、少量液体を動かすための運動エレメント、本発明の運動エレメントで通常使われる運動デバイス、本発明の運動エレメントを入れるためのカートリッジ、カートリッジを入れるための反応機器及び少量液体の運動生成の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学、生物学または微生物学分析では、液体フィルムに含まれる物質を、例えば、スライドに塗った他の物質と接触させ、反応させることが必要になってくる。例えば、マクロ分子分析の迅速な方法として、いわゆるミクロアレイの使用が必要で、このミクロアレイでは、しばしば多種多様な、周知のマクロ分子が違った場所で、例えば、マトリックス形に配置されている。このマクロ分子は「プローブ分子」とも呼ばれる。第2のマクロ分子(サンプル分子)を有する液体はミクロアレイを通じて洗浄され、そのマクロ分子は少なくとも一種のプローブ分子とミクロアレイ上で特殊結合を行う(混交)。次いで、その液体が再び表面から取り除かれると、主として特殊結合の位置でのみ検査するサンプル分子が残る。局所分解測定、例えば、蛍光測定を使ってどの位置にサンプル液体が存在するかを検査できる。つまり、ミクロアレイのマトリックス形での個々のプローブ分子の、周知の位置から、検査の対象となるマクロ分子はどんな種類のマクロ分子と特殊結合したかを知ることができる。
【0003】
そのようなミクロアレイは、例えば、タンパク質、抗原、抗体のようなマクロ分子の検査に使われる。ミクロアレイは、特にDNAの検査、例えば、DNAスクリーニングに用いるられる。
【0004】
その分析実験時間は、主としてサンプル分子のプローブ分子への拡散によって決まり、したがって、すこし手間取るかも知れない。例えば、検査するマクロ分子の液体での濃度が小さければ、アレイ上でその結合パートナーを見つけるまで非常に長くかかる。したがって、いつでもミクロアレイでマクロ分子の均質な配分を得られるような、液体混合の装置が望まれる。
【0005】
分子動力学で示す装置は、ミクロアレイスライドプロセッサで、カバープレートが周囲のゴムシール上でミクロアレイを有するスライドに配置され、ネジで止めされる。このようにして完全パッキングされた、カバープレートとスライドの間の中間空間は、充填隔壁で液体で満たされる。そのような装置では、スライド全体が液体と接触する。この場合、液体量は手作業で行う実験よりも多い。つまり、スライドの最大半分が生物的に活性であり、また洗浄がかなりのむだな液体量を要求するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少量液体はしばしば、少量液体の導き、混合、反応に使われるミクロチャンネルからなるミクロ流体システムで操作される(例えば、オー・ミュラー、ラボ世界(Laborwelt)No.1/2000、第36頁以下に記載)。ここで少量液体をよく混合する、または流動させる問題が発生する。さまざまな方法でミクロチャンネルの薄層の流れを乱流にかえる試みがなされている。例えば、チャンネルの端に隆起を形成するか、またはチャンネルを複数に分岐し、それをまとめたものの端に隆起を形成する。この装置は固定されたもので、操作できない。
【0007】
本発明の課題は、液体、またはそれに含まれる物質の支持具上または支持具内での効率的で簡単な混合を促進する装置を作ることである。装置はコスト安で、扱いが簡単でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有する運動エレメント、請求項18の特徴を有する運動デバイス、請求項28の特徴を有する運動エレメントのためのカートリッジ、請求項36の特徴を有する反応機器、請求項38のシステム、請求項28の特徴を有する方法、または請求項27の特徴を有する方法で解決される。
【0009】
少量液体での運動生成のための、本発明の運動エレメントは2つの主平面を有するプレートを有し、その平面の1つはアクティブな主平面である。この主平面上には、少なくとも1つの運動デバイスがあり、それはアクティブな平面と接触している液体を動かすため電気操作可能である。さらに運動エレメントは運動デバイスと接続される電気接続エレメントを備えている。
【0010】
ここで電気接続エレメントは電気導線との直接の物理的接続となるか、あるいは照射された交番磁界を受けるためのアンテナ装置としてワイヤレス操作となる。
【0011】
「液体」の概念は、このテキストでは特に純粋な液体、混合液、拡散液、懸濁液、および固体の粒子、例えば、生物材のある液体を含む。
【0012】
スライドのような支持具の上にある液体は、そのような運動エレメントと接触できる。運動デバイスの電気制御は、液体のなかに運動を起こし、それは液体またはそれに含まれる物質の効果的で、均質な分散および/または混合を促す。プレートの形のため、本発明の運動エレメントは、取扱いが簡単で、適当なスペーサを通して簡単に支持具の上に置くことができる。
【0013】
本発明の運動エレメントは、本発明の他の装置や本発明の方法と同様、1つの液体を混合するため、幾つかの液体を互いに混ぜ合わせるため、および/または少量液体内に流れを起こすため使われる。
【0014】
また、本発明の運動エレメントは、例えば、従来の微流体構成要素と一緒に使うことができる。ここで本発明の運動エレメントはアクティブな側で微流体構成要素の全体または一部の上に置き、微流体構成要素の下の部分にある液体は、運動デバイスを使って混合できる。このようにして本発明の運動エレメントは、プラスチック、シリコン、ガラスなどの、考えられるすべての、従来の流体システムと共に使うことができる。
【0015】
運動エレメントの特別な実施形態は、運動デバイスとして少なくとも一つの表面音波生成器を含む。表面音波によって、インパルス伝導または表面の機械的変形またはそれに伴う電場と荷電または分極材料との相互作用により、液体またはその中に含まれる構成要素への力の作用が可能となる。このようにして液体の分散を促進する、液体の効果的な運動または/あるいは混合が達成される。
【0016】
特に、異なる表面音波生成器が側面で互いにずらして配置されている場合は、有利である。異なる表面音波生成器が適切なプログラムにより次々と表面音波の生成への刺激を受ければ、非定常の流れパターンができ上がる。これは、少量液体では流れは通常層流であり、したがって表面音波生成器が1つのときのみ安定した流れパターンが生じるため、有利である。非定常の流れパターンは懸濁した物質または液中のマクロ分子の混合または分散を促進するからである。
【0017】
表面音波の生成には圧電性の基板または圧電性表面を有する基板を使うのが有利である。圧電性の基板は、例えば、リチウムニオビウム酸塩または石英から作ることができる。あるいは、例えば、酸化亜鉛の圧電コーチングでもよい。圧電性の基板上には表面音波生成器として、表面音波フィルターテクノロジで使われているようなインターデジタルトランスデューサが少なくとも1つあるのが有利である。インターデジタルトランスデューサはもっとも簡単な実施形態は、くし状に噛み合う突起を有する2つの電極からなる。そのようなインターデジタルトランスデューサは、例えば、アール・エム・ホワイト、エフ・ダブリュ・ボルトマー、アプライドフィジックスレター7(Applied Physics Letters7)、第314頁以下(1965)に記載されている。交番電界を両方の電極に供給した場合、周波数が使用材質の表面音波速度とインターデジタルトランスデューサのくし間隔との商に対応する反響条件を満たせば、圧電性表面に表面音波を起こす。普通使われる周波数は数十から数百MHzである。インターデジタルトランスデューサを使用して極めて簡単に決まった表面音波を起こすことができる。圧電性の基板上でのインターデジタルトランスデューサの作成は従来のリトグラフの方法とコーティング技術でコスト安で、簡単である。
【0018】
インターデジタルトランスデューサを有する実施形態の場合では、非定常の流れパターンの生成には、空間的に基板上で分離して設置された、異なる反響周波数のインターデジタルトランスデューサを有する配置が適している。このインターデジタルトランスデューサは並列接続され、したがって全部で2つの電気接続部が必要である。個々のインターデジタルトランスデューサの操作は、供給した交流電圧の周波数変化によって行うことができる。異なるトランスデューサの操作は、各々特徴のある流れパターンとなり、パラメータとしては、周波数、デューティ比、強度、時間が可能である。操作は電気接続、あるいは適当な交番電界のワイヤレス照射によっても可能である。
【0019】
運動デバイスは運動エレメントのアクティブな主面に貼ることもできる。しかし運動デバイスをアクティブな面の凹みに設置し、表面音波生成器とアクティブな面とを同じ面にするのが有利である。そのようにして、アクティブな主面と表面音波生成器とに接触している液体への、表面音波インパルスの最上の伝導が保証される。
【0020】
運動デバイスの凹みへの取付は毛管現象による接着プロセスで行うのが有利である。運動デバイスまたはその基板は、運動デバイス自体よりも少し大きく作られた凹みに配置されている。隙間には液状の接着剤が充填されている。接着剤は毛管現象の効果で隙間に均等に配分され、それを滑らかに満たされる。
【0021】
他の有利な実施形態ではアクティブな面に追加して収容凹みを形成し、その中にスライドを入れる。この収容凹みの寸法は、従来のガラスのスライドの収容を可能にする。特に、この収容凹みの深さは、従来のスライドの厚みに合わせてある。例えば、機能がミクロアレイの形で存在しているスライドが、収容凹みに入れることができる。その時には運動エレメントのアクティブ主面に液体を設け、液体はアクティブ主面に分散し、スライドと運動デバイスとが接触する。運動デバイスの操作をすれば、例えば、交流電圧を運動デバイスの1つの実施形態のインターデジタルトランスデューサに印加すると、液体の中に動きが生れる。この動きは液体全体を通してスライドにある液体の一部に作用し、スライド上の液体を効果的に混合させ、分散させる。
【0022】
表面音波生成器を有する1つの実施形態では、表面音波生成器がある平面に穴、特に、平滑壁のめくら穴をつければ有利である。そのような穴の寸法は、表面張力と、形成されるエアクッションとにより液体でみたされないようにしなければならない。しかし、表面音波を使っての効果的な混合はそのような穴によって促進される。
【0023】
プレート形支持具がカード形をなす場合、例えば、それが従来のスライドに比較されるような寸法をもてば、とくに取扱いが便利である。そのようなカードは取り扱いやすく、簡単で、コスト安に作れる。可能な寸法は、例えば、従来のスライドに応じて約25×75mmである。
【0024】
カードの作りは堅牢で、傷つきやすい運動デバイスの保護となる。カードは簡単につかめて、取扱いに心配がなく、純粋にクリスタルな基板の使用より安価となる。
【0025】
本発明の運動エレメントの特別な実施形態では、アクティブ主面を第2の主面と結びつける通し穴をつける。このような実施形態は、支持具と運動エレメントの間に薄い液体膜を作るために用いられる。場合によっては支持具と運動エレメントの間にスペーサを置くが、それは別につくってもいいし、支持具または運動エレメントと一体でもいい。支持具と運動エレメントの間には隙間が生じる。運動エレメントのアクティブ主面は支持具の方向を示す。通し穴を通じて、例えば、ピペットまたはディスペンサを使って液体をこの隙間に入れることができる。隙間は、液体が毛管現象で支持具と運動エレメントの間に自然に広がるように設計する。支持具と運動エレメントの間の空間の正確で簡単な充填はこのようにして保証される。通し穴が漏斗形となれば、充填はより簡単となる。
【0026】
本発明の運動エレメントを発展した形では、運動デバイスまたは全運動エレメントの上に保護コーティングを形成し、運動デバイスと扱う液体との直接の接触を避ける。生物学で適用するときは、バイオコンパティブルなコーティング、例えば、石英が有利である。表面音波生成器を有する実施形態では、保護コーティングは十分に薄くして、表面音波がそれによって妨害されず、インパルスの液体への伝導が可能なようにする。
【0027】
運動エレメントは透明にし、液体の拡張を観察できるようにするのが有利である。運動エレメントと接触している液体、または液体の反応物との視覚検査も透明な運動エレメントを通じて可能である。通常運動エレメントはプラスチック、例えば、ポリ炭酸塩、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)またはポリエチレンテレフタラート(PET)でできている。プラスチックはコスト安で、加工が簡単である。ダイカストまたはフレースプロッタで簡単に作ることができる。
【0028】
上に述べたように、運動デバイスは接着により運動エレメントのアクティブ主面に固定することができる。例えば、クリップによる取外し可能に設けると、必要に応じて欠陥運動デバイスを簡単に取りかえることができる。
【0029】
本発明の運動エレメントの他の実施形態では、プレートのアクティブ主面上に複数の運動デバイスを規則的にマトリックス形に設けることができる。このマトリックス形の間隔寸法は従来のミクロタイター(滴定濃度)プレートの間隔寸法と同じにするのがよい。そのような実施形態は、ミクロタイタープレートの凹みにある液体サンプルを同時に混合するのに用いるのが有利である。そのためには、運動デバイスを有する本発明のこの実施形態の運動エレメントはミクロタイタープレートに載せ、液体での運動を起こすため運動デバイスを操作する。運動デバイスがインターデジタルトランスデューサである実施形態では、運動デバイスは、例えば、各々のインターデジタルトランスデューサの反響周波数の交流電圧で励起される。
【0030】
つまり、この実施形態は、ミクロタイタープレートの個々の収納部における液体の反応を均質にしまたは促進するために、ミクロタイタープレート上の並設された個々の液体を動かすまたは混ぜるために用いることができる。
【0031】
液体内で運動を生成するための運動デバイスで、通常本発明の運動エレメントで使われる運動デバイスは、独立の保護が必要である。そのような本発明の運動デバイスは、圧電性の基板または圧電コーティングを有する基板を有する。さらに本発明の運動デバイスは、その表面の1つに少なくとも1つの表面音波生成器を備えている。通常は表面音波生成器は上に述べたような、しばしば保護コーチングでカバーされているインターデジタルトランスデューサを備えている。
【0032】
運動デバイスのとくに好まれる実施形態は、幾つかの側面で互いにオフセットされて並んでいる表面音波生成器、通常は異なる反響周波数の幾つかのインターデジタルトランスデューサを備えている。そのような実施形態は、上述した本発明の運動エレメントの実施形態に関して述べた特長を有する。
【0033】
本発明の運動デバイスは本発明の運動エレメントとは無関係に、例えば、ミクロチャンネルから成り立つミクロ流体システムに使用し、その中を動く液体を刺激するか、混合することができる。ここで本発明の運動デバイスはミクロ流体システム内の液体の運動方向に平行、垂直、または斜めに、またミクロ流体システムの壁、上部突端、底にとり付けてもよい。運動デバイスはミクロ流体システムと融合した構成要素とすることができる、つまりこれに固定し、組み込むことができる。
【0034】
他の実施例では、本発明の運動デバイスがミクロ流体システムと融合した構成要素ではなく、独立している。そのような本発明の独立した運動デバイスは、例えば、ミクロ流体システム、あるいはミクロ分析・ミクロ反応システムのいろいろな場所に使うことができる。希望の時点・場所で運動デバイスを、例えば、漬けることによって、システム内の液を接触させることができる。本発明の運動デバイスの操作は、表面音波を生成し、それが液体に伝わり、上に述べた意味で液体の混合、流動、または運動を促す。高周波信号の連結はワイヤレスでもいいし、独立した運動デバイスの停止にも使われる接続リード線でもいい。そのような独立した運動デバイスは、例えば、ミキサー棒の形にしてもいい。ここでは本発明の運動デバイスは、例えば、ミクロ流体システム内の液体に漬けることができる支持具に固定されている。支持具は、例えば、適当な大きさの針で、その動きはロボット制御とすることができる。
【0035】
少量液体内の動きを生成するための本発明の方法では、少量液体は、それが少なくとも1つの表面音波と相互作用する表面と接触する。表面音波との相互作用は、表面音波の液体または液体に含まれる成分へのインパルス伝導によって液体の効果的な運動、混合、または分散を促す。
【0036】
本発明の方法は、例えば、運動デバイスを上または側面につけた運動エレメントで行うことができる。同じく、本発明の方法は、例えば、ミクロ流体システムに配置されるか、あるいは配置されないで、ミクロ流体システムに存在する液体に漬けるか、それと接触する本発明の運動デバイスで行うことができる。
【0037】
この方法の1つのバリエーションでは、液体は異なる時点で異なる場所での表面音波と相互作用する。そのような有利な方法は、例えば、側面で互いにオフセットした表面音波生成器を備えた運動デバイスで行うことができる。一定のプログラムで個々の表面音波生成器を操作すれば、時点々々で変化する、特定の流れパターンが生成され、それで、例えば、安定した流れの形成を防ぐことができる。
【0038】
本発明の運動エレメントを受入れるための本発明のカートリッジは、液体を載せうる支持具の収容空間を備えている。本発明のカートリッジは、さらに本発明の運動エレメントを収容する第2の空間をもち、その空間は本発明の運動エレメントの運動デバイスが第1の収容空間の支持具にある液体と接触できるようになっている。さらに本発明のカートリッジは、本発明の運動エレメント上での運動デバイスの電気接続を行うための装置をもっている。そのようなカートリッジに、液体が載っているような、または液体が載せられるような支持具を入れる。第2の収容空間には、本発明の運動エレメントをセットする。実施形態によってはスライドと運動エレメントを適当な大きさのスペーサで分離することも可能である。しかし、カートリッジは、適当な装置を設けて希望の間隔を設けることも可能である。本発明の運動エレメントの少なくとも1つの運動デバイスに電気コネクタを通じて運動デバイスを能動化する電源をつける。運動デバイスは、液体を動かし、効果的な分散または混合を行う。カートリッジは簡単で確実な扱いを可能にする。
【0039】
電気接続のための装置は、金属コネクタで、カートリッジの第2の収容空間に置かれた本発明の運動エレメント上の運動デバイスが金属コネクタと接触するようカートリッジの中に取り付けられている。そのような実施形態では金属コネクタは、電源をつけるためカートリッジの外から接続可能なようになっている。特に、簡単な実施形態では、電気接続の装置は、外部の電気接続のための通し開口部から構成されている。そのように、カートリッジに置かれた運動エレメントでは、その運動デバイスは外から金属コネクタと接続し、運動デバイスの電源を確保する。
【0040】
本発明のカートリッジの特別な実施形態では蓋を備え、それを使って収容空間を閉じ、閉じた空間を形成し、および/あるいはカートリッジの中で運動エレメントを固定する。また、蓋で閉じることにより、定まった実験条件が作られる。さらに追加して、例えば、蓋で閉じた空間で一定の空気湿度を保持するため、操作中の液を貯めておく貯水タンクを設けることができる。
【0041】
運動エレメントを、しばしばスペーサを通じて液体を有する支持具に対して固定するスプリングをつければ有利である。簡単な実施形態は、カートリッジの蓋のスプリングプレートで、蓋を閉じるとき運動エレメントを支持具の方向に押す。例えば、ボルトでの特別な固定は不必要である。
【0042】
もちろんカートリッジは、支持具、液体、例えば、蓋で閉じる運動エレメントの各々に対し幾つかを収容可能性に構成されている。
【0043】
支持具と運動エレメントの間の空間には、例えば、毛管現象の効果により液体が広がり、気泡が発生しないことがある。その場合は効果的な分散/混合は運動エレメントを使って行われるか、促進される。
【0044】
カートリッジにはヒータ装置、例えば、抵抗ヒータをつけ、液体の分散または混合中にそれを暖め、反応を促進することができる。
【0045】
ヒータ付きカートリッジの特別な実施形態では、ヒータープレートがあり、外部でカートリッジに与えた熱の支持具またはその上にある液体への伝導を確保する。そのようなヒータプレートは通常よく熱を通す金属で作る。
【0046】
収容空間の温度または入れた液体の温度を知るため、カートリッジに温度計をつけることができる。
【0047】
変形した実施形態では、運動エレメントをカートリッジの蓋内または側面につけ、カートリッジの蓋を閉じるとき、運動エレメントが第1の収容空間の支持具上の、1つまたは複数の液と接触し、それを動かす。
【0048】
本発明の1つのカートリッジは従来のミクロタイタープレート収容のため、複数の液体が並行してミクロタイタープレートの個々の収容空間で動けるような大きさにすることができる。
【0049】
本発明の反応機器は、本発明のカートリッジの受入れに使われる。さらに、カートリッジ収容空間に収容されているカートリッジにある、本発明の運動エレメントを電気的に接続するように配置された接続エレメントをつけることができる。さらに、本発明の反応機器は交流電圧を起こすための交流電圧生成器をつけ、交流電圧を接続エレメントを通じてそのような運動エレメントに供給することができる。
【0050】
カートリッジ収容空間はかならずしもカートリッジ収容の凹みでなくてもいい。適当な固定手段、例えば、クリップでもいい。
【0051】
運動エレメントの接続の通し穴を有するカートリッジを使うときには、反応機器の接続エレメントは適当な電気接続ピンで、このピンはカートリッジを受入れたときにはこの通し穴を通じて入り込み、運動エレメントを運動デバイスと電気的に接続させる。交流電圧起動装置は交流電圧の生成に使われ、例えば、インターデジタルトランスデューサを備えている運動デバイスでは表面音波生成のための交流電圧を供給する。
【0052】
カートリッジをカートリッジ収容空間に固定するため、実施形態によっては適当な栓とかクリップを使う。
【0053】
適切なパラメータの選択にインプット手段を用いる。反応機器の個々のコンポーネントを制御するため、しばしばインプット装置、表示手段、交流電圧生成器と連繋されているミクロプロセッサを使うのが有利である。また、本発明の反応機器は、例えば、コンピューターを使っての外部の選択とか制御のためのインターフェイスを備えることができる。複数の表面音波生成器、例えば、インターデジタルトランスデューサのついた運動デバイスを有する運動エレメントを使うときには、そのようなインターフェイスを通じるか、または組み込まれたミクロプロセッサを使って、準備されたプログラムの実行を制御できる。液体の層流または安定流れを防止し、液体を特有の非定常の流れパターンにするために、そのプログラムにしたがって個々のインターデジタルトランスデューサを決まった時間的経過で操作する。場合によっては、ミクロプロセッサを使うか、あるいはインターフェイスを通じて温度計を読取るか、および/あるいはヒーター装置を操作して温度チェックを行う。
【0054】
本発明の反応機器の1つの実施形態はセットしたパラメータが表示される表示手段を備えている。
【0055】
もちろん本発明の反応機器は、複数のカートリッジのための複数の収容空間を備え、それらは場合によっては1つの操作ユニットで応答する。
【0056】
カートリッジの収容空間には、ヒーター、例えば、抵抗ヒータをつけることができる。そのヒータはとりつけたカートリッジを通じてその中にある液体を温め、反応を促進する。もちろんこのヒータも備え付けの制御装置で操作可能である。そのようなヒータは、カートリッジの特別な実施形態にはついているヒータプレートと相互に稼動するのが有利である。独自のヒータ、例えば、抵抗ヒータを有する本発明のカートリッジが使われると、本発明の反応機器には、カートリッジがセットされた際、カートリッジヒータへの電気供給を確保する接続部がついている。
【0057】
本発明の反応機器では、簡単な扱いと操作により、例えば、種々な試薬のシリーズ検査のような反応が可能である。確実で簡単は扱いは方法を促進する。
【0058】
本発明の装置で、例えば、液体内でのマクロ分子の検査あるいは確認を行うことができる。これにはマクロ分子を有するスポットが従来の並べ方で使用されるか、あるいはピペットロボット、ディスペンサ、あるいはスポッターで使用される支持具が使われる。そのような支持具は本発明のカートリッジの第1の収容空間に入れる。場合によっては、カートリッジにスペーサを設ける。本発明のカートリッジの第2の収容空間には、本発明の運動エレメントを、運動デバイス、つまり、例えば、インターデジタルトランスデューサが支持具の方向を示すように設ける。支持具と運動エレメントの間には液体を入れる。カートリッジは閉じて、本発明の反応機器に入れる。本発明の反応機器の操作で運動デバイスが能動化される。例えば、適当な交流電圧がインターデジタルトランスデューサに印加される。運動デバイス上に複数の表面音波生成器を有する実施形態では、運動デバイスは準備されたプログラムで操作され、液体内に非定常の流れパターンを作る。検査すべきマクロ分子がある液体は運動デバイスによって誘起される動きによって、効果的かつ迅速に分散する。液体内のマクロ分子とカートリッジに設けられたマクロ分子とは、場合によっては混交反応を行う。続いて、支持具はどの場所でどのマクロ分子が液体内のマクロ分子と結合したかに関して検査できる。このようにして個々のマクロ分子の性質を決めることができる。そのような方法は、例えば、DNAスクリーニングでの使用に適している。
【0059】
もちろん他の反応や現象も検査できる。例えば、支持具と運動エレメントの間に繊維片を設け、本発明の運動エレメントで分散される液体と繊維片との相互作用を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の装置の実施形態を添付の図に基づいて説明する。図は略図であり、かならずしも縮尺通りではない。
【0061】
図1aは、本発明の1つの運動エレメントをアクティブ主面への平面図で示す。これはほぼ従来のスライドに対応する寸法のプラスチックカード15を含む。カードは、例えば、25mm×75mmで長方形である。カード15は、図2aと2bで詳しく説明し、図1aでは細部を表現しない運動デバイス1のための収容空間13を含む。カード15の1つの側に、下に記すように、支持具27の収容空間33から容易に取り出せるように切り欠き17を設けている。
【0062】
図1bは図1aをA−Aの位置で切断した断面図を示す。16は図1aで示したカード15のアクティブ主面を示す。運動デバイス1の収容空間13は、深さ19の凹みで、運動デバイス1がほぼメイン平面16で端になるよう設定されている。
【0063】
図2aは、例えば、圧電性のリチウムニオビウム酸塩または石英のチップ11を含む、本発明の運動デバイス1の1つの実施形態を示す。
【0064】
運動エレメント15の収容空間の寸法は、収容する運動デバイス1の寸法に合わせ、例えば、深さ0.5mmで8×1mmとする。チップ11の寸法は、収容空間13に収容できるようになっている。
【0065】
ここに示した実施形態では、チップ11の表面には、表面音波テクノロジーで使われている最も簡単な実施形態のインターデジタルトランスデューサ4が設けられている。他の実施形態は要求にしたがって非平行または非等間隔のくし型の電極を含む。
【0066】
インターデジタルトランスデューサ4は、互いに噛み込むくし状の突起3を有する電極5と7を備えている。図は概略である。実際の実施形態は、例えば、はるかに多くのくし状の電極を含む。ここに示した実施形態では、電極5は接続電極9に接続され、より軽いコンタクトとなっている。交番電界の周波数が表面音波速度とくし間隔との商と同じという反響条件をほぼ満たせば、数十から数百MHz程度の交番電界を供給したときに圧電結晶11の表面に表面音波が生成する。表面音波の拡大方向は、電極3の枝に垂直である。表面音波テクノロジーで知られているように、種々異なるインターデジタルトランスデューサ配置が使える。
【0067】
運動デバイス1のチップ11は、収容空間13のカード15に挿入されている。例えば、インターデジタルトランスデューサ4がほぼ平面16にあるようにクリップされている。端子7と9はこのように外から接続可能である。
【0068】
図2bは本発明の運動デバイス1の他の実施例を示し、異なる反響周波数を有する複数のインターデジタルトランスデューサ4を備えている。個々のインターデジタルトランスデューサは、異なるくし間隔または異なる配置を有するが、ほぼ図2bには開示されていない。全体を示すために省略されているが、インターデジタルトランスデューサ4は並列接続で、2つの接続電極につながっている。
【0069】
示しない他の実施形態では、運動デバイス1は側面あるいは下から接続され、インターデジタルトランスデューサの電極配置もそれに応じている。そのような実施形態ではカード15は、その側面あるいは主面16に対面する面に導かれ、そこからコンタクトされる電気リード線を備えている。代わりに、インターデジタルトランスデューサが電気的交流電界の照射によってワイヤレスで操作できる。これには電極5と7とが適切な方法で受信装置(アンテナ)と結ばれる。アンテナはチップ上の設置できる。
【0070】
図3は本発明のカートリッジ27の横断図である。カートリッジ27は第1の収容空間35を有するプラスチックケーシングを含む。この収容空間は支持具21、例えば、スライドを入れるのに使われる。収容空間35の大きさは使われる支持具構造に合わせてある。収容空間35はさらに広い収容空間33に向って開く。その寸法は運動エレメント15を受入れるに十分である。収容空間33はカートリッジの裏と通し穴25で連通している。カートリッジ27はスプリングプレート31を備え、図で示したはね蓋29を有する。図3は、支持具と運動エレメント15とを入れ、蓋を開いたカートリッジ27を示す。支持具21は収容空間35にある。支持具上には複数のスペーサが一体物で、あるいは分離したエレメントとなって設けられ、それはプラスチックカード15で支えられている。このカードは、アクティブ主面16が支持具21の方向にある。蝶番で閉じられる蓋29を閉じればスプリングプレート31がプラスチックカード15と接触し、カードがスペーサ23または支持具21に押しつけられる。通し穴25は、各々の運動デバイス1の電極7と9を備え且つ挿入された運動エレメント15が通し穴25の上側にくるように適切な数だけ設けられている。
【0071】
38は、カートリッジ25の底に入っている金属のヒータープレートである。このプレートは、外側からカートリッジの底で支持具に加えられる熱伝導または支持具上の液体への熱伝導に用いられる。温度を知るためカートリッジ27に取りつけられた抵抗温度計は図示されていない。
【0072】
22は、挿入された支持具21と挿入された運動エレメント15の間の空間を示す。間隙22に操作中、動かす液体が入っている。
【0073】
図3の実施形態とは異なり、表面音波生成器15は蓋29に固定して、カートリッジを閉じたときはじめて、図3に示した位置にくるようにしてもよい。
【0074】
図4は、外観図でもう一度カートリッジ27を示す。蓋を閉じるのに用いられる閉じクリップ37と39も示している。カートリッジの標準寸法は深さが1.5cmで、縦横が、例えば、14cm×6.5cmである。この寸法でカートリッジは取扱いが容易である。
【0075】
図5は本発明の反応機器を示す。反応機器は、カートリッジを入れるか、それを固定できるような寸法のカートリッジ収容空間43を備えている。それには固定エレメント47、例えば、スプリングクリップが使われる。カートリッジ収容空間43の中にはヒーターエレメント53、例えば、抵抗ヒーターがある。カートリッジ収容空間43にセットされたカートリッジ27では抵抗ヒーター53はカートリッジ27のヒータープレート38と接触し、抵抗ヒータ53で生じた熱を効果的に支持具21またはその上にある液体に伝えることができる。
【0076】
45はカートリッジ27をセットするとき通し穴25に嵌り込むスプリングピンコンタクトである。さらに反応機器は、反応機器操作のパラメーターをインプットできるキー49をもっている。その側に選んだパラメータ表示のための表示盤51がある。反応機器は、数十から数百MHzの周波数交流電圧の生成に使われる、表示されていない交流電圧生成器のあるケーシング41を含む。この交流電圧生成器は、スプリングピンコンタクトに電圧を供給し、カートリッジ27がセットされているときにはその中の運動エレメント15で電極7と9を通じてインターデジタルトランスデューサ4に電気を供給する。さらにケーシング41にはミクロプロセッサ制御が組み込まれ、抵抗エレメント53、スプリングピンコンタクト45、表示盤51、キー49の制御を受け持つ。
【0077】
図6は、ここに表示されていないカートリッジ27に使われた各種のエレメントの操作中の部分略図である。この実施形態は、マクロ分子がよく使われるスポット59が支持具21上に配置されている。支持具21上にはスペーサ23が配置され、それにはまた運動エレメント15を配置されている。漏斗形の通し穴55とめくら穴54のついた実施形態が示されている。めくら穴の側面の寸法は支持具21と運動エレメント15の間隔よりも大きい。運動エレメントはスペーサ23に設けられている。運動エレメント15と支持具21の隙間22には操作中液体57があり、それは、例えば、他のマクロ分子を含み、そのスポット59につながれたマクロ分子との混交を検査する。同様に、運動デバイス1および運動エレメント15と端が同一面になる接着剤61により収容空間13で接着されている運動デバイス1が示されている。接着は毛管現象の接着を使って簡単に行う。運動デバイス1と収容空間13の間の隙間には液体接着剤を流し、接着剤は毛管現象の効果で隙間に均等に分散し、その端と表面とが同一平面となる。
【0078】
本発明のシステムコンポーネントは次のように使う。ここでもマクロ分子の混交を検査する実施例が記されている。
【0079】
カートリッジ27には、マクロ分子のスポット59が一般的に配置された支持具21を挿入する。支持具21にはスペーサ23を置く。支持具21方向へのアクティブ主面16で、運動エレメント15をカートリッジ27の収容空間33に入れる。しかも運動デバイス1の電極7、9が通し穴25の上側にくるようにする。通し穴25を通して第2のマクロ分子を有する液体は運動エレメント15と支持具21の隙間に入れる。毛管現象により隙間22の中の液体は外に向って動き、マクロ分子のスポット59を覆う。隙間にあるエアは外に向って押されるため、気泡は生じない。通し穴55が存在しなければ、運動エレメント15が挿入されるまえに、液体は支持具21に設けられている。
【0080】
カートリッジ27は蓋27を閉めて閉じるため、スプリングプレート31は運動エレメント15を支持具21の方向に押す。ロックエレメント37と38で蓋を閉める。
【0081】
閉めたカートリッジ27は図5の反応機器のカートリッジ収容空間43に入れる。もちろん、個々のコンポーネントをカートリッジ27に入れれば、カートリッジはすでに反応機器に配置されていることもある。
【0082】
カートリッジ27を反応機器に入れているあいだにスプリングピンコンタクト45が通し穴25を通って現われ、運動デバイス1の個々のインターデジタルトランスデューサの電極7と9と接触する。カートリッジは反応容器のケーシング41の固定エレメント47に支えられている。
【0083】
キー49へのインプットにより反応機器の交流電圧装置からスプリングピンコンタクト45に交流電圧が供給され、それは電極7と9を通して個々の運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4に供給され、チップ11の表面に表面音波を起こす。これはそのインパルスを液体57に伝導する。
【0084】
液体内には表面音波によって、液体のスポット59への最良の分散を保証する運動が励起される。さらに表面音波は液体の効果的な混合を促す。液体内のマクロ分子はスポット59のマクロ分子と混交する。場合によっては反応機器の抵抗ヒーター53を使ってカートリッジ27のヒータープレート38が暖められ、それはさらに支持具21とその上にある液体を温め、反応を促進する。通常の拡散システムに較べ大きく短縮されている標準混交時間のあと、支持具21は取外し、スポット59のどれで混交が行われたかを検査する。このようにして個々のマクロ分子の種類についての情報が得られる。また、例えば、DNAスクリーニングも効果的に行える。
【0085】
図2bの運動デバイス1の1つの実施形態では、種々異なるインターデジタルトランスデューサ4が定まったタイムプログラムで操作され、異なる時点で異なる場所で表面音波が液体と相互作用する。このようにして非定常な流れパターンが生成され、分散および/または混合を促進する。
【0086】
図7には本発明の運動エレメント60の他の実施形態が示されている。運動エレメント60はカード形で、例えば、35mm×85mmの寸法で長方形である。運動エレメント60には収容凹み62があり、その寸法は従来のスライドを収容するように設定されている。64は挿入されたスライドで、その表面は運動エレメント60の表面と同じ平面にある。スライド64上には、例えば、マクロ分子のミクロアレイがある。
【0087】
他の凹み13には本発明の運動デバイス1が設けられている。
【0088】
そのような運動エレメント60は以下のように入れる。従来の配置のマクロ分子のミクロアレイを有するスライド64は収容凹み62に入れる。カード形の運動エレメント60に他のマクロ分子を含む液体を設ける。液体は運動デバイス1にも、スライド64にも触れる。運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4に電気交番電界を供給すれば表面音波が生成され、それはインパルスを液体またはそれに含まれる構成要素に伝導する。液体の運動は液体全体を通じて継続し、スライド64の上側の液体部分でも特定の流れパターンを生成する。ここで最良の混合と分散が得られ、それによってスライド64上の液体内のマクロ分子の混交が促進される。
【0089】
支持具21上に検査する液体が設けられ、運動エレメント60が支持具21の方向のアクティブ主面を有する収容空間33に入れれば、そのような本発明の運動エレメント60は本発明のカートリッジ27でも使うことができる。
【0090】
もちろん本発明の装置、本発明のシステムの適用はマクロ分子の検査には限定されない。システムは液体の効果的な分散と混合が必要な反応には適している。
【0091】
図8には従来のミクロタイタープレートを使っての本発明の運動エレメント70の一部が示されている。複数の収容空間73があり、そこには個別の運動デバイス1、例えば、インターデジタルトランスデューサ4を有する圧電基板がセットされている。個々の運動デバイス1の間隔は、入手可能な従来のミクロタイタープレートの標準的な間隔寸法に一致する。ミクロタイタープレートの液体収容空間に入れた液体は本発明の実施形態の運動エレメント70を使って容易に、平行に流動または混合される。これには運動デバイス1を有する本発明の運動エレメント70を、液体を有するミクロタイタープレート上に置く。適当な交流電圧を運動デバイス1に印可すると、表面音波生成のための運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4が励起され、表面音波はミクロタイタープレートの個々の液体収容空間の液体に伝わる。
【0092】
図9bには本発明の運動エレメントの他の実施形態が側面断面図の略図で示されている。カード形の物体109には運動デバイス1、例えば、表面音波生成器を有するチップがある。運動デバイス1の操作のための電気接続は表示されていないが、上の実施形態に関して述べた接続に似ている。カード形の物体109には通し穴101がある。
【0093】
本発明の運動エレメントは、図9bに111で示した従来のミクロ流体システムと一緒に使える。図9aは、図9bで示したように、矢印Cの方向の流動システム面への平面図である。103は、例えば、従来の方法でエッチングで作られるようなミクロ流体のチャンネルを示す。105は混合あるいは流動される液体がある凹みである。107は液体が流出できる開口部である。この開口部は、例えば、ミクロ流体システム111、またはカード形物体109につけることができる。図9aには、カード形物体109が、矢印115の方向のミクロ流体システム111に置かれた場合、開口部101と接触する場所が斜線で示されている。
【0094】
9aでは矢印Dは図9bの方向を示している。面D−Dには示されていないが、図9bではチャンネル103と開口部101が示されている。
【0095】
そのような実施形態は以下のように使える。本発明の運動エレメントは矢方向115のミクロ流体システムに設けられている。開口部101を通じて液体はミクロ流体システムに入れる。液体はチャンネル103に沿い、凹み105の方向に流れる。運動デバイス1、例えば、上記の実施形態に関連して述べたようなインターデジタルトランスデューサが電気的に励起され、凹み105内の液体の混合または流動に導く。続いて、液体は流出口107を通って流れ出る。この過程は、液体がチャンネル103に沿って動いている間、例えば、連続的に行える。
【0096】
このシステムと個々のコンポーネントによって簡単な扱いが可能である。特に、しばしば使う場合、個々のコンポーネントが取扱いで大きな手間を必要としないことは、有利である。とくに簡単な構造の運動エレメントによって簡単に液体の分散と混合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1a】本発明の運動エレメントの1つの実施形態の平面図である。
【図1b】図1aをA−A面で切った切断図である。
【図2a】本発明の運動デバイスの1つの実施形態の平面略図である。
【図2b】本発明の運動デバイスの他の実施形態の平面略図である。
【図3】本発明の支持具の1つの実施形態の側面図である。
【図4】本発明の支持具の概観図である。
【図5】本発明の反応機器の概観図である。
【図6】本発明の運動エレメントの使用中の部分切断図である。
【図7】本発明の運動エレメントの1つの平面図である。
【図8】本発明の運動エレメントの他の実施形態の部分平面図である。
【図9a】本発明の運動エレメントでの使用のミクロ流体システムである。
【図9b】ミクロ流体システムを有する本発明の運動エレメント使用を示すための部分側面図である。
【0001】
本発明は、少量液体を動かすための運動エレメント、本発明の運動エレメントで通常使われる運動デバイス、本発明の運動エレメントを入れるためのカートリッジ、カートリッジを入れるための反応機器及び少量液体の運動生成の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学、生物学または微生物学分析では、液体フィルムに含まれる物質を、例えば、スライドに塗った他の物質と接触させ、反応させることが必要になってくる。例えば、マクロ分子分析の迅速な方法として、いわゆるミクロアレイの使用が必要で、このミクロアレイでは、しばしば多種多様な、周知のマクロ分子が違った場所で、例えば、マトリックス形に配置されている。このマクロ分子は「プローブ分子」とも呼ばれる。第2のマクロ分子(サンプル分子)を有する液体はミクロアレイを通じて洗浄され、そのマクロ分子は少なくとも一種のプローブ分子とミクロアレイ上で特殊結合を行う(混交)。次いで、その液体が再び表面から取り除かれると、主として特殊結合の位置でのみ検査するサンプル分子が残る。局所分解測定、例えば、蛍光測定を使ってどの位置にサンプル液体が存在するかを検査できる。つまり、ミクロアレイのマトリックス形での個々のプローブ分子の、周知の位置から、検査の対象となるマクロ分子はどんな種類のマクロ分子と特殊結合したかを知ることができる。
【0003】
そのようなミクロアレイは、例えば、タンパク質、抗原、抗体のようなマクロ分子の検査に使われる。ミクロアレイは、特にDNAの検査、例えば、DNAスクリーニングに用いるられる。
【0004】
その分析実験時間は、主としてサンプル分子のプローブ分子への拡散によって決まり、したがって、すこし手間取るかも知れない。例えば、検査するマクロ分子の液体での濃度が小さければ、アレイ上でその結合パートナーを見つけるまで非常に長くかかる。したがって、いつでもミクロアレイでマクロ分子の均質な配分を得られるような、液体混合の装置が望まれる。
【0005】
分子動力学で示す装置は、ミクロアレイスライドプロセッサで、カバープレートが周囲のゴムシール上でミクロアレイを有するスライドに配置され、ネジで止めされる。このようにして完全パッキングされた、カバープレートとスライドの間の中間空間は、充填隔壁で液体で満たされる。そのような装置では、スライド全体が液体と接触する。この場合、液体量は手作業で行う実験よりも多い。つまり、スライドの最大半分が生物的に活性であり、また洗浄がかなりのむだな液体量を要求するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少量液体はしばしば、少量液体の導き、混合、反応に使われるミクロチャンネルからなるミクロ流体システムで操作される(例えば、オー・ミュラー、ラボ世界(Laborwelt)No.1/2000、第36頁以下に記載)。ここで少量液体をよく混合する、または流動させる問題が発生する。さまざまな方法でミクロチャンネルの薄層の流れを乱流にかえる試みがなされている。例えば、チャンネルの端に隆起を形成するか、またはチャンネルを複数に分岐し、それをまとめたものの端に隆起を形成する。この装置は固定されたもので、操作できない。
【0007】
本発明の課題は、液体、またはそれに含まれる物質の支持具上または支持具内での効率的で簡単な混合を促進する装置を作ることである。装置はコスト安で、扱いが簡単でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有する運動エレメント、請求項18の特徴を有する運動デバイス、請求項28の特徴を有する運動エレメントのためのカートリッジ、請求項36の特徴を有する反応機器、請求項38のシステム、請求項28の特徴を有する方法、または請求項27の特徴を有する方法で解決される。
【0009】
少量液体での運動生成のための、本発明の運動エレメントは2つの主平面を有するプレートを有し、その平面の1つはアクティブな主平面である。この主平面上には、少なくとも1つの運動デバイスがあり、それはアクティブな平面と接触している液体を動かすため電気操作可能である。さらに運動エレメントは運動デバイスと接続される電気接続エレメントを備えている。
【0010】
ここで電気接続エレメントは電気導線との直接の物理的接続となるか、あるいは照射された交番磁界を受けるためのアンテナ装置としてワイヤレス操作となる。
【0011】
「液体」の概念は、このテキストでは特に純粋な液体、混合液、拡散液、懸濁液、および固体の粒子、例えば、生物材のある液体を含む。
【0012】
スライドのような支持具の上にある液体は、そのような運動エレメントと接触できる。運動デバイスの電気制御は、液体のなかに運動を起こし、それは液体またはそれに含まれる物質の効果的で、均質な分散および/または混合を促す。プレートの形のため、本発明の運動エレメントは、取扱いが簡単で、適当なスペーサを通して簡単に支持具の上に置くことができる。
【0013】
本発明の運動エレメントは、本発明の他の装置や本発明の方法と同様、1つの液体を混合するため、幾つかの液体を互いに混ぜ合わせるため、および/または少量液体内に流れを起こすため使われる。
【0014】
また、本発明の運動エレメントは、例えば、従来の微流体構成要素と一緒に使うことができる。ここで本発明の運動エレメントはアクティブな側で微流体構成要素の全体または一部の上に置き、微流体構成要素の下の部分にある液体は、運動デバイスを使って混合できる。このようにして本発明の運動エレメントは、プラスチック、シリコン、ガラスなどの、考えられるすべての、従来の流体システムと共に使うことができる。
【0015】
運動エレメントの特別な実施形態は、運動デバイスとして少なくとも一つの表面音波生成器を含む。表面音波によって、インパルス伝導または表面の機械的変形またはそれに伴う電場と荷電または分極材料との相互作用により、液体またはその中に含まれる構成要素への力の作用が可能となる。このようにして液体の分散を促進する、液体の効果的な運動または/あるいは混合が達成される。
【0016】
特に、異なる表面音波生成器が側面で互いにずらして配置されている場合は、有利である。異なる表面音波生成器が適切なプログラムにより次々と表面音波の生成への刺激を受ければ、非定常の流れパターンができ上がる。これは、少量液体では流れは通常層流であり、したがって表面音波生成器が1つのときのみ安定した流れパターンが生じるため、有利である。非定常の流れパターンは懸濁した物質または液中のマクロ分子の混合または分散を促進するからである。
【0017】
表面音波の生成には圧電性の基板または圧電性表面を有する基板を使うのが有利である。圧電性の基板は、例えば、リチウムニオビウム酸塩または石英から作ることができる。あるいは、例えば、酸化亜鉛の圧電コーチングでもよい。圧電性の基板上には表面音波生成器として、表面音波フィルターテクノロジで使われているようなインターデジタルトランスデューサが少なくとも1つあるのが有利である。インターデジタルトランスデューサはもっとも簡単な実施形態は、くし状に噛み合う突起を有する2つの電極からなる。そのようなインターデジタルトランスデューサは、例えば、アール・エム・ホワイト、エフ・ダブリュ・ボルトマー、アプライドフィジックスレター7(Applied Physics Letters7)、第314頁以下(1965)に記載されている。交番電界を両方の電極に供給した場合、周波数が使用材質の表面音波速度とインターデジタルトランスデューサのくし間隔との商に対応する反響条件を満たせば、圧電性表面に表面音波を起こす。普通使われる周波数は数十から数百MHzである。インターデジタルトランスデューサを使用して極めて簡単に決まった表面音波を起こすことができる。圧電性の基板上でのインターデジタルトランスデューサの作成は従来のリトグラフの方法とコーティング技術でコスト安で、簡単である。
【0018】
インターデジタルトランスデューサを有する実施形態の場合では、非定常の流れパターンの生成には、空間的に基板上で分離して設置された、異なる反響周波数のインターデジタルトランスデューサを有する配置が適している。このインターデジタルトランスデューサは並列接続され、したがって全部で2つの電気接続部が必要である。個々のインターデジタルトランスデューサの操作は、供給した交流電圧の周波数変化によって行うことができる。異なるトランスデューサの操作は、各々特徴のある流れパターンとなり、パラメータとしては、周波数、デューティ比、強度、時間が可能である。操作は電気接続、あるいは適当な交番電界のワイヤレス照射によっても可能である。
【0019】
運動デバイスは運動エレメントのアクティブな主面に貼ることもできる。しかし運動デバイスをアクティブな面の凹みに設置し、表面音波生成器とアクティブな面とを同じ面にするのが有利である。そのようにして、アクティブな主面と表面音波生成器とに接触している液体への、表面音波インパルスの最上の伝導が保証される。
【0020】
運動デバイスの凹みへの取付は毛管現象による接着プロセスで行うのが有利である。運動デバイスまたはその基板は、運動デバイス自体よりも少し大きく作られた凹みに配置されている。隙間には液状の接着剤が充填されている。接着剤は毛管現象の効果で隙間に均等に配分され、それを滑らかに満たされる。
【0021】
他の有利な実施形態ではアクティブな面に追加して収容凹みを形成し、その中にスライドを入れる。この収容凹みの寸法は、従来のガラスのスライドの収容を可能にする。特に、この収容凹みの深さは、従来のスライドの厚みに合わせてある。例えば、機能がミクロアレイの形で存在しているスライドが、収容凹みに入れることができる。その時には運動エレメントのアクティブ主面に液体を設け、液体はアクティブ主面に分散し、スライドと運動デバイスとが接触する。運動デバイスの操作をすれば、例えば、交流電圧を運動デバイスの1つの実施形態のインターデジタルトランスデューサに印加すると、液体の中に動きが生れる。この動きは液体全体を通してスライドにある液体の一部に作用し、スライド上の液体を効果的に混合させ、分散させる。
【0022】
表面音波生成器を有する1つの実施形態では、表面音波生成器がある平面に穴、特に、平滑壁のめくら穴をつければ有利である。そのような穴の寸法は、表面張力と、形成されるエアクッションとにより液体でみたされないようにしなければならない。しかし、表面音波を使っての効果的な混合はそのような穴によって促進される。
【0023】
プレート形支持具がカード形をなす場合、例えば、それが従来のスライドに比較されるような寸法をもてば、とくに取扱いが便利である。そのようなカードは取り扱いやすく、簡単で、コスト安に作れる。可能な寸法は、例えば、従来のスライドに応じて約25×75mmである。
【0024】
カードの作りは堅牢で、傷つきやすい運動デバイスの保護となる。カードは簡単につかめて、取扱いに心配がなく、純粋にクリスタルな基板の使用より安価となる。
【0025】
本発明の運動エレメントの特別な実施形態では、アクティブ主面を第2の主面と結びつける通し穴をつける。このような実施形態は、支持具と運動エレメントの間に薄い液体膜を作るために用いられる。場合によっては支持具と運動エレメントの間にスペーサを置くが、それは別につくってもいいし、支持具または運動エレメントと一体でもいい。支持具と運動エレメントの間には隙間が生じる。運動エレメントのアクティブ主面は支持具の方向を示す。通し穴を通じて、例えば、ピペットまたはディスペンサを使って液体をこの隙間に入れることができる。隙間は、液体が毛管現象で支持具と運動エレメントの間に自然に広がるように設計する。支持具と運動エレメントの間の空間の正確で簡単な充填はこのようにして保証される。通し穴が漏斗形となれば、充填はより簡単となる。
【0026】
本発明の運動エレメントを発展した形では、運動デバイスまたは全運動エレメントの上に保護コーティングを形成し、運動デバイスと扱う液体との直接の接触を避ける。生物学で適用するときは、バイオコンパティブルなコーティング、例えば、石英が有利である。表面音波生成器を有する実施形態では、保護コーティングは十分に薄くして、表面音波がそれによって妨害されず、インパルスの液体への伝導が可能なようにする。
【0027】
運動エレメントは透明にし、液体の拡張を観察できるようにするのが有利である。運動エレメントと接触している液体、または液体の反応物との視覚検査も透明な運動エレメントを通じて可能である。通常運動エレメントはプラスチック、例えば、ポリ炭酸塩、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)またはポリエチレンテレフタラート(PET)でできている。プラスチックはコスト安で、加工が簡単である。ダイカストまたはフレースプロッタで簡単に作ることができる。
【0028】
上に述べたように、運動デバイスは接着により運動エレメントのアクティブ主面に固定することができる。例えば、クリップによる取外し可能に設けると、必要に応じて欠陥運動デバイスを簡単に取りかえることができる。
【0029】
本発明の運動エレメントの他の実施形態では、プレートのアクティブ主面上に複数の運動デバイスを規則的にマトリックス形に設けることができる。このマトリックス形の間隔寸法は従来のミクロタイター(滴定濃度)プレートの間隔寸法と同じにするのがよい。そのような実施形態は、ミクロタイタープレートの凹みにある液体サンプルを同時に混合するのに用いるのが有利である。そのためには、運動デバイスを有する本発明のこの実施形態の運動エレメントはミクロタイタープレートに載せ、液体での運動を起こすため運動デバイスを操作する。運動デバイスがインターデジタルトランスデューサである実施形態では、運動デバイスは、例えば、各々のインターデジタルトランスデューサの反響周波数の交流電圧で励起される。
【0030】
つまり、この実施形態は、ミクロタイタープレートの個々の収納部における液体の反応を均質にしまたは促進するために、ミクロタイタープレート上の並設された個々の液体を動かすまたは混ぜるために用いることができる。
【0031】
液体内で運動を生成するための運動デバイスで、通常本発明の運動エレメントで使われる運動デバイスは、独立の保護が必要である。そのような本発明の運動デバイスは、圧電性の基板または圧電コーティングを有する基板を有する。さらに本発明の運動デバイスは、その表面の1つに少なくとも1つの表面音波生成器を備えている。通常は表面音波生成器は上に述べたような、しばしば保護コーチングでカバーされているインターデジタルトランスデューサを備えている。
【0032】
運動デバイスのとくに好まれる実施形態は、幾つかの側面で互いにオフセットされて並んでいる表面音波生成器、通常は異なる反響周波数の幾つかのインターデジタルトランスデューサを備えている。そのような実施形態は、上述した本発明の運動エレメントの実施形態に関して述べた特長を有する。
【0033】
本発明の運動デバイスは本発明の運動エレメントとは無関係に、例えば、ミクロチャンネルから成り立つミクロ流体システムに使用し、その中を動く液体を刺激するか、混合することができる。ここで本発明の運動デバイスはミクロ流体システム内の液体の運動方向に平行、垂直、または斜めに、またミクロ流体システムの壁、上部突端、底にとり付けてもよい。運動デバイスはミクロ流体システムと融合した構成要素とすることができる、つまりこれに固定し、組み込むことができる。
【0034】
他の実施例では、本発明の運動デバイスがミクロ流体システムと融合した構成要素ではなく、独立している。そのような本発明の独立した運動デバイスは、例えば、ミクロ流体システム、あるいはミクロ分析・ミクロ反応システムのいろいろな場所に使うことができる。希望の時点・場所で運動デバイスを、例えば、漬けることによって、システム内の液を接触させることができる。本発明の運動デバイスの操作は、表面音波を生成し、それが液体に伝わり、上に述べた意味で液体の混合、流動、または運動を促す。高周波信号の連結はワイヤレスでもいいし、独立した運動デバイスの停止にも使われる接続リード線でもいい。そのような独立した運動デバイスは、例えば、ミキサー棒の形にしてもいい。ここでは本発明の運動デバイスは、例えば、ミクロ流体システム内の液体に漬けることができる支持具に固定されている。支持具は、例えば、適当な大きさの針で、その動きはロボット制御とすることができる。
【0035】
少量液体内の動きを生成するための本発明の方法では、少量液体は、それが少なくとも1つの表面音波と相互作用する表面と接触する。表面音波との相互作用は、表面音波の液体または液体に含まれる成分へのインパルス伝導によって液体の効果的な運動、混合、または分散を促す。
【0036】
本発明の方法は、例えば、運動デバイスを上または側面につけた運動エレメントで行うことができる。同じく、本発明の方法は、例えば、ミクロ流体システムに配置されるか、あるいは配置されないで、ミクロ流体システムに存在する液体に漬けるか、それと接触する本発明の運動デバイスで行うことができる。
【0037】
この方法の1つのバリエーションでは、液体は異なる時点で異なる場所での表面音波と相互作用する。そのような有利な方法は、例えば、側面で互いにオフセットした表面音波生成器を備えた運動デバイスで行うことができる。一定のプログラムで個々の表面音波生成器を操作すれば、時点々々で変化する、特定の流れパターンが生成され、それで、例えば、安定した流れの形成を防ぐことができる。
【0038】
本発明の運動エレメントを受入れるための本発明のカートリッジは、液体を載せうる支持具の収容空間を備えている。本発明のカートリッジは、さらに本発明の運動エレメントを収容する第2の空間をもち、その空間は本発明の運動エレメントの運動デバイスが第1の収容空間の支持具にある液体と接触できるようになっている。さらに本発明のカートリッジは、本発明の運動エレメント上での運動デバイスの電気接続を行うための装置をもっている。そのようなカートリッジに、液体が載っているような、または液体が載せられるような支持具を入れる。第2の収容空間には、本発明の運動エレメントをセットする。実施形態によってはスライドと運動エレメントを適当な大きさのスペーサで分離することも可能である。しかし、カートリッジは、適当な装置を設けて希望の間隔を設けることも可能である。本発明の運動エレメントの少なくとも1つの運動デバイスに電気コネクタを通じて運動デバイスを能動化する電源をつける。運動デバイスは、液体を動かし、効果的な分散または混合を行う。カートリッジは簡単で確実な扱いを可能にする。
【0039】
電気接続のための装置は、金属コネクタで、カートリッジの第2の収容空間に置かれた本発明の運動エレメント上の運動デバイスが金属コネクタと接触するようカートリッジの中に取り付けられている。そのような実施形態では金属コネクタは、電源をつけるためカートリッジの外から接続可能なようになっている。特に、簡単な実施形態では、電気接続の装置は、外部の電気接続のための通し開口部から構成されている。そのように、カートリッジに置かれた運動エレメントでは、その運動デバイスは外から金属コネクタと接続し、運動デバイスの電源を確保する。
【0040】
本発明のカートリッジの特別な実施形態では蓋を備え、それを使って収容空間を閉じ、閉じた空間を形成し、および/あるいはカートリッジの中で運動エレメントを固定する。また、蓋で閉じることにより、定まった実験条件が作られる。さらに追加して、例えば、蓋で閉じた空間で一定の空気湿度を保持するため、操作中の液を貯めておく貯水タンクを設けることができる。
【0041】
運動エレメントを、しばしばスペーサを通じて液体を有する支持具に対して固定するスプリングをつければ有利である。簡単な実施形態は、カートリッジの蓋のスプリングプレートで、蓋を閉じるとき運動エレメントを支持具の方向に押す。例えば、ボルトでの特別な固定は不必要である。
【0042】
もちろんカートリッジは、支持具、液体、例えば、蓋で閉じる運動エレメントの各々に対し幾つかを収容可能性に構成されている。
【0043】
支持具と運動エレメントの間の空間には、例えば、毛管現象の効果により液体が広がり、気泡が発生しないことがある。その場合は効果的な分散/混合は運動エレメントを使って行われるか、促進される。
【0044】
カートリッジにはヒータ装置、例えば、抵抗ヒータをつけ、液体の分散または混合中にそれを暖め、反応を促進することができる。
【0045】
ヒータ付きカートリッジの特別な実施形態では、ヒータープレートがあり、外部でカートリッジに与えた熱の支持具またはその上にある液体への伝導を確保する。そのようなヒータプレートは通常よく熱を通す金属で作る。
【0046】
収容空間の温度または入れた液体の温度を知るため、カートリッジに温度計をつけることができる。
【0047】
変形した実施形態では、運動エレメントをカートリッジの蓋内または側面につけ、カートリッジの蓋を閉じるとき、運動エレメントが第1の収容空間の支持具上の、1つまたは複数の液と接触し、それを動かす。
【0048】
本発明の1つのカートリッジは従来のミクロタイタープレート収容のため、複数の液体が並行してミクロタイタープレートの個々の収容空間で動けるような大きさにすることができる。
【0049】
本発明の反応機器は、本発明のカートリッジの受入れに使われる。さらに、カートリッジ収容空間に収容されているカートリッジにある、本発明の運動エレメントを電気的に接続するように配置された接続エレメントをつけることができる。さらに、本発明の反応機器は交流電圧を起こすための交流電圧生成器をつけ、交流電圧を接続エレメントを通じてそのような運動エレメントに供給することができる。
【0050】
カートリッジ収容空間はかならずしもカートリッジ収容の凹みでなくてもいい。適当な固定手段、例えば、クリップでもいい。
【0051】
運動エレメントの接続の通し穴を有するカートリッジを使うときには、反応機器の接続エレメントは適当な電気接続ピンで、このピンはカートリッジを受入れたときにはこの通し穴を通じて入り込み、運動エレメントを運動デバイスと電気的に接続させる。交流電圧起動装置は交流電圧の生成に使われ、例えば、インターデジタルトランスデューサを備えている運動デバイスでは表面音波生成のための交流電圧を供給する。
【0052】
カートリッジをカートリッジ収容空間に固定するため、実施形態によっては適当な栓とかクリップを使う。
【0053】
適切なパラメータの選択にインプット手段を用いる。反応機器の個々のコンポーネントを制御するため、しばしばインプット装置、表示手段、交流電圧生成器と連繋されているミクロプロセッサを使うのが有利である。また、本発明の反応機器は、例えば、コンピューターを使っての外部の選択とか制御のためのインターフェイスを備えることができる。複数の表面音波生成器、例えば、インターデジタルトランスデューサのついた運動デバイスを有する運動エレメントを使うときには、そのようなインターフェイスを通じるか、または組み込まれたミクロプロセッサを使って、準備されたプログラムの実行を制御できる。液体の層流または安定流れを防止し、液体を特有の非定常の流れパターンにするために、そのプログラムにしたがって個々のインターデジタルトランスデューサを決まった時間的経過で操作する。場合によっては、ミクロプロセッサを使うか、あるいはインターフェイスを通じて温度計を読取るか、および/あるいはヒーター装置を操作して温度チェックを行う。
【0054】
本発明の反応機器の1つの実施形態はセットしたパラメータが表示される表示手段を備えている。
【0055】
もちろん本発明の反応機器は、複数のカートリッジのための複数の収容空間を備え、それらは場合によっては1つの操作ユニットで応答する。
【0056】
カートリッジの収容空間には、ヒーター、例えば、抵抗ヒータをつけることができる。そのヒータはとりつけたカートリッジを通じてその中にある液体を温め、反応を促進する。もちろんこのヒータも備え付けの制御装置で操作可能である。そのようなヒータは、カートリッジの特別な実施形態にはついているヒータプレートと相互に稼動するのが有利である。独自のヒータ、例えば、抵抗ヒータを有する本発明のカートリッジが使われると、本発明の反応機器には、カートリッジがセットされた際、カートリッジヒータへの電気供給を確保する接続部がついている。
【0057】
本発明の反応機器では、簡単な扱いと操作により、例えば、種々な試薬のシリーズ検査のような反応が可能である。確実で簡単は扱いは方法を促進する。
【0058】
本発明の装置で、例えば、液体内でのマクロ分子の検査あるいは確認を行うことができる。これにはマクロ分子を有するスポットが従来の並べ方で使用されるか、あるいはピペットロボット、ディスペンサ、あるいはスポッターで使用される支持具が使われる。そのような支持具は本発明のカートリッジの第1の収容空間に入れる。場合によっては、カートリッジにスペーサを設ける。本発明のカートリッジの第2の収容空間には、本発明の運動エレメントを、運動デバイス、つまり、例えば、インターデジタルトランスデューサが支持具の方向を示すように設ける。支持具と運動エレメントの間には液体を入れる。カートリッジは閉じて、本発明の反応機器に入れる。本発明の反応機器の操作で運動デバイスが能動化される。例えば、適当な交流電圧がインターデジタルトランスデューサに印加される。運動デバイス上に複数の表面音波生成器を有する実施形態では、運動デバイスは準備されたプログラムで操作され、液体内に非定常の流れパターンを作る。検査すべきマクロ分子がある液体は運動デバイスによって誘起される動きによって、効果的かつ迅速に分散する。液体内のマクロ分子とカートリッジに設けられたマクロ分子とは、場合によっては混交反応を行う。続いて、支持具はどの場所でどのマクロ分子が液体内のマクロ分子と結合したかに関して検査できる。このようにして個々のマクロ分子の性質を決めることができる。そのような方法は、例えば、DNAスクリーニングでの使用に適している。
【0059】
もちろん他の反応や現象も検査できる。例えば、支持具と運動エレメントの間に繊維片を設け、本発明の運動エレメントで分散される液体と繊維片との相互作用を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の装置の実施形態を添付の図に基づいて説明する。図は略図であり、かならずしも縮尺通りではない。
【0061】
図1aは、本発明の1つの運動エレメントをアクティブ主面への平面図で示す。これはほぼ従来のスライドに対応する寸法のプラスチックカード15を含む。カードは、例えば、25mm×75mmで長方形である。カード15は、図2aと2bで詳しく説明し、図1aでは細部を表現しない運動デバイス1のための収容空間13を含む。カード15の1つの側に、下に記すように、支持具27の収容空間33から容易に取り出せるように切り欠き17を設けている。
【0062】
図1bは図1aをA−Aの位置で切断した断面図を示す。16は図1aで示したカード15のアクティブ主面を示す。運動デバイス1の収容空間13は、深さ19の凹みで、運動デバイス1がほぼメイン平面16で端になるよう設定されている。
【0063】
図2aは、例えば、圧電性のリチウムニオビウム酸塩または石英のチップ11を含む、本発明の運動デバイス1の1つの実施形態を示す。
【0064】
運動エレメント15の収容空間の寸法は、収容する運動デバイス1の寸法に合わせ、例えば、深さ0.5mmで8×1mmとする。チップ11の寸法は、収容空間13に収容できるようになっている。
【0065】
ここに示した実施形態では、チップ11の表面には、表面音波テクノロジーで使われている最も簡単な実施形態のインターデジタルトランスデューサ4が設けられている。他の実施形態は要求にしたがって非平行または非等間隔のくし型の電極を含む。
【0066】
インターデジタルトランスデューサ4は、互いに噛み込むくし状の突起3を有する電極5と7を備えている。図は概略である。実際の実施形態は、例えば、はるかに多くのくし状の電極を含む。ここに示した実施形態では、電極5は接続電極9に接続され、より軽いコンタクトとなっている。交番電界の周波数が表面音波速度とくし間隔との商と同じという反響条件をほぼ満たせば、数十から数百MHz程度の交番電界を供給したときに圧電結晶11の表面に表面音波が生成する。表面音波の拡大方向は、電極3の枝に垂直である。表面音波テクノロジーで知られているように、種々異なるインターデジタルトランスデューサ配置が使える。
【0067】
運動デバイス1のチップ11は、収容空間13のカード15に挿入されている。例えば、インターデジタルトランスデューサ4がほぼ平面16にあるようにクリップされている。端子7と9はこのように外から接続可能である。
【0068】
図2bは本発明の運動デバイス1の他の実施例を示し、異なる反響周波数を有する複数のインターデジタルトランスデューサ4を備えている。個々のインターデジタルトランスデューサは、異なるくし間隔または異なる配置を有するが、ほぼ図2bには開示されていない。全体を示すために省略されているが、インターデジタルトランスデューサ4は並列接続で、2つの接続電極につながっている。
【0069】
示しない他の実施形態では、運動デバイス1は側面あるいは下から接続され、インターデジタルトランスデューサの電極配置もそれに応じている。そのような実施形態ではカード15は、その側面あるいは主面16に対面する面に導かれ、そこからコンタクトされる電気リード線を備えている。代わりに、インターデジタルトランスデューサが電気的交流電界の照射によってワイヤレスで操作できる。これには電極5と7とが適切な方法で受信装置(アンテナ)と結ばれる。アンテナはチップ上の設置できる。
【0070】
図3は本発明のカートリッジ27の横断図である。カートリッジ27は第1の収容空間35を有するプラスチックケーシングを含む。この収容空間は支持具21、例えば、スライドを入れるのに使われる。収容空間35の大きさは使われる支持具構造に合わせてある。収容空間35はさらに広い収容空間33に向って開く。その寸法は運動エレメント15を受入れるに十分である。収容空間33はカートリッジの裏と通し穴25で連通している。カートリッジ27はスプリングプレート31を備え、図で示したはね蓋29を有する。図3は、支持具と運動エレメント15とを入れ、蓋を開いたカートリッジ27を示す。支持具21は収容空間35にある。支持具上には複数のスペーサが一体物で、あるいは分離したエレメントとなって設けられ、それはプラスチックカード15で支えられている。このカードは、アクティブ主面16が支持具21の方向にある。蝶番で閉じられる蓋29を閉じればスプリングプレート31がプラスチックカード15と接触し、カードがスペーサ23または支持具21に押しつけられる。通し穴25は、各々の運動デバイス1の電極7と9を備え且つ挿入された運動エレメント15が通し穴25の上側にくるように適切な数だけ設けられている。
【0071】
38は、カートリッジ25の底に入っている金属のヒータープレートである。このプレートは、外側からカートリッジの底で支持具に加えられる熱伝導または支持具上の液体への熱伝導に用いられる。温度を知るためカートリッジ27に取りつけられた抵抗温度計は図示されていない。
【0072】
22は、挿入された支持具21と挿入された運動エレメント15の間の空間を示す。間隙22に操作中、動かす液体が入っている。
【0073】
図3の実施形態とは異なり、表面音波生成器15は蓋29に固定して、カートリッジを閉じたときはじめて、図3に示した位置にくるようにしてもよい。
【0074】
図4は、外観図でもう一度カートリッジ27を示す。蓋を閉じるのに用いられる閉じクリップ37と39も示している。カートリッジの標準寸法は深さが1.5cmで、縦横が、例えば、14cm×6.5cmである。この寸法でカートリッジは取扱いが容易である。
【0075】
図5は本発明の反応機器を示す。反応機器は、カートリッジを入れるか、それを固定できるような寸法のカートリッジ収容空間43を備えている。それには固定エレメント47、例えば、スプリングクリップが使われる。カートリッジ収容空間43の中にはヒーターエレメント53、例えば、抵抗ヒーターがある。カートリッジ収容空間43にセットされたカートリッジ27では抵抗ヒーター53はカートリッジ27のヒータープレート38と接触し、抵抗ヒータ53で生じた熱を効果的に支持具21またはその上にある液体に伝えることができる。
【0076】
45はカートリッジ27をセットするとき通し穴25に嵌り込むスプリングピンコンタクトである。さらに反応機器は、反応機器操作のパラメーターをインプットできるキー49をもっている。その側に選んだパラメータ表示のための表示盤51がある。反応機器は、数十から数百MHzの周波数交流電圧の生成に使われる、表示されていない交流電圧生成器のあるケーシング41を含む。この交流電圧生成器は、スプリングピンコンタクトに電圧を供給し、カートリッジ27がセットされているときにはその中の運動エレメント15で電極7と9を通じてインターデジタルトランスデューサ4に電気を供給する。さらにケーシング41にはミクロプロセッサ制御が組み込まれ、抵抗エレメント53、スプリングピンコンタクト45、表示盤51、キー49の制御を受け持つ。
【0077】
図6は、ここに表示されていないカートリッジ27に使われた各種のエレメントの操作中の部分略図である。この実施形態は、マクロ分子がよく使われるスポット59が支持具21上に配置されている。支持具21上にはスペーサ23が配置され、それにはまた運動エレメント15を配置されている。漏斗形の通し穴55とめくら穴54のついた実施形態が示されている。めくら穴の側面の寸法は支持具21と運動エレメント15の間隔よりも大きい。運動エレメントはスペーサ23に設けられている。運動エレメント15と支持具21の隙間22には操作中液体57があり、それは、例えば、他のマクロ分子を含み、そのスポット59につながれたマクロ分子との混交を検査する。同様に、運動デバイス1および運動エレメント15と端が同一面になる接着剤61により収容空間13で接着されている運動デバイス1が示されている。接着は毛管現象の接着を使って簡単に行う。運動デバイス1と収容空間13の間の隙間には液体接着剤を流し、接着剤は毛管現象の効果で隙間に均等に分散し、その端と表面とが同一平面となる。
【0078】
本発明のシステムコンポーネントは次のように使う。ここでもマクロ分子の混交を検査する実施例が記されている。
【0079】
カートリッジ27には、マクロ分子のスポット59が一般的に配置された支持具21を挿入する。支持具21にはスペーサ23を置く。支持具21方向へのアクティブ主面16で、運動エレメント15をカートリッジ27の収容空間33に入れる。しかも運動デバイス1の電極7、9が通し穴25の上側にくるようにする。通し穴25を通して第2のマクロ分子を有する液体は運動エレメント15と支持具21の隙間に入れる。毛管現象により隙間22の中の液体は外に向って動き、マクロ分子のスポット59を覆う。隙間にあるエアは外に向って押されるため、気泡は生じない。通し穴55が存在しなければ、運動エレメント15が挿入されるまえに、液体は支持具21に設けられている。
【0080】
カートリッジ27は蓋27を閉めて閉じるため、スプリングプレート31は運動エレメント15を支持具21の方向に押す。ロックエレメント37と38で蓋を閉める。
【0081】
閉めたカートリッジ27は図5の反応機器のカートリッジ収容空間43に入れる。もちろん、個々のコンポーネントをカートリッジ27に入れれば、カートリッジはすでに反応機器に配置されていることもある。
【0082】
カートリッジ27を反応機器に入れているあいだにスプリングピンコンタクト45が通し穴25を通って現われ、運動デバイス1の個々のインターデジタルトランスデューサの電極7と9と接触する。カートリッジは反応容器のケーシング41の固定エレメント47に支えられている。
【0083】
キー49へのインプットにより反応機器の交流電圧装置からスプリングピンコンタクト45に交流電圧が供給され、それは電極7と9を通して個々の運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4に供給され、チップ11の表面に表面音波を起こす。これはそのインパルスを液体57に伝導する。
【0084】
液体内には表面音波によって、液体のスポット59への最良の分散を保証する運動が励起される。さらに表面音波は液体の効果的な混合を促す。液体内のマクロ分子はスポット59のマクロ分子と混交する。場合によっては反応機器の抵抗ヒーター53を使ってカートリッジ27のヒータープレート38が暖められ、それはさらに支持具21とその上にある液体を温め、反応を促進する。通常の拡散システムに較べ大きく短縮されている標準混交時間のあと、支持具21は取外し、スポット59のどれで混交が行われたかを検査する。このようにして個々のマクロ分子の種類についての情報が得られる。また、例えば、DNAスクリーニングも効果的に行える。
【0085】
図2bの運動デバイス1の1つの実施形態では、種々異なるインターデジタルトランスデューサ4が定まったタイムプログラムで操作され、異なる時点で異なる場所で表面音波が液体と相互作用する。このようにして非定常な流れパターンが生成され、分散および/または混合を促進する。
【0086】
図7には本発明の運動エレメント60の他の実施形態が示されている。運動エレメント60はカード形で、例えば、35mm×85mmの寸法で長方形である。運動エレメント60には収容凹み62があり、その寸法は従来のスライドを収容するように設定されている。64は挿入されたスライドで、その表面は運動エレメント60の表面と同じ平面にある。スライド64上には、例えば、マクロ分子のミクロアレイがある。
【0087】
他の凹み13には本発明の運動デバイス1が設けられている。
【0088】
そのような運動エレメント60は以下のように入れる。従来の配置のマクロ分子のミクロアレイを有するスライド64は収容凹み62に入れる。カード形の運動エレメント60に他のマクロ分子を含む液体を設ける。液体は運動デバイス1にも、スライド64にも触れる。運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4に電気交番電界を供給すれば表面音波が生成され、それはインパルスを液体またはそれに含まれる構成要素に伝導する。液体の運動は液体全体を通じて継続し、スライド64の上側の液体部分でも特定の流れパターンを生成する。ここで最良の混合と分散が得られ、それによってスライド64上の液体内のマクロ分子の混交が促進される。
【0089】
支持具21上に検査する液体が設けられ、運動エレメント60が支持具21の方向のアクティブ主面を有する収容空間33に入れれば、そのような本発明の運動エレメント60は本発明のカートリッジ27でも使うことができる。
【0090】
もちろん本発明の装置、本発明のシステムの適用はマクロ分子の検査には限定されない。システムは液体の効果的な分散と混合が必要な反応には適している。
【0091】
図8には従来のミクロタイタープレートを使っての本発明の運動エレメント70の一部が示されている。複数の収容空間73があり、そこには個別の運動デバイス1、例えば、インターデジタルトランスデューサ4を有する圧電基板がセットされている。個々の運動デバイス1の間隔は、入手可能な従来のミクロタイタープレートの標準的な間隔寸法に一致する。ミクロタイタープレートの液体収容空間に入れた液体は本発明の実施形態の運動エレメント70を使って容易に、平行に流動または混合される。これには運動デバイス1を有する本発明の運動エレメント70を、液体を有するミクロタイタープレート上に置く。適当な交流電圧を運動デバイス1に印可すると、表面音波生成のための運動デバイス1のインターデジタルトランスデューサ4が励起され、表面音波はミクロタイタープレートの個々の液体収容空間の液体に伝わる。
【0092】
図9bには本発明の運動エレメントの他の実施形態が側面断面図の略図で示されている。カード形の物体109には運動デバイス1、例えば、表面音波生成器を有するチップがある。運動デバイス1の操作のための電気接続は表示されていないが、上の実施形態に関して述べた接続に似ている。カード形の物体109には通し穴101がある。
【0093】
本発明の運動エレメントは、図9bに111で示した従来のミクロ流体システムと一緒に使える。図9aは、図9bで示したように、矢印Cの方向の流動システム面への平面図である。103は、例えば、従来の方法でエッチングで作られるようなミクロ流体のチャンネルを示す。105は混合あるいは流動される液体がある凹みである。107は液体が流出できる開口部である。この開口部は、例えば、ミクロ流体システム111、またはカード形物体109につけることができる。図9aには、カード形物体109が、矢印115の方向のミクロ流体システム111に置かれた場合、開口部101と接触する場所が斜線で示されている。
【0094】
9aでは矢印Dは図9bの方向を示している。面D−Dには示されていないが、図9bではチャンネル103と開口部101が示されている。
【0095】
そのような実施形態は以下のように使える。本発明の運動エレメントは矢方向115のミクロ流体システムに設けられている。開口部101を通じて液体はミクロ流体システムに入れる。液体はチャンネル103に沿い、凹み105の方向に流れる。運動デバイス1、例えば、上記の実施形態に関連して述べたようなインターデジタルトランスデューサが電気的に励起され、凹み105内の液体の混合または流動に導く。続いて、液体は流出口107を通って流れ出る。この過程は、液体がチャンネル103に沿って動いている間、例えば、連続的に行える。
【0096】
このシステムと個々のコンポーネントによって簡単な扱いが可能である。特に、しばしば使う場合、個々のコンポーネントが取扱いで大きな手間を必要としないことは、有利である。とくに簡単な構造の運動エレメントによって簡単に液体の分散と混合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1a】本発明の運動エレメントの1つの実施形態の平面図である。
【図1b】図1aをA−A面で切った切断図である。
【図2a】本発明の運動デバイスの1つの実施形態の平面略図である。
【図2b】本発明の運動デバイスの他の実施形態の平面略図である。
【図3】本発明の支持具の1つの実施形態の側面図である。
【図4】本発明の支持具の概観図である。
【図5】本発明の反応機器の概観図である。
【図6】本発明の運動エレメントの使用中の部分切断図である。
【図7】本発明の運動エレメントの1つの平面図である。
【図8】本発明の運動エレメントの他の実施形態の部分平面図である。
【図9a】本発明の運動エレメントでの使用のミクロ流体システムである。
【図9b】ミクロ流体システムを有する本発明の運動エレメント使用を示すための部分側面図である。
Claims (38)
- 少量液体内の運動生起のための運動エレメントであって、
2つのアクティブ主面を有するプレート(15,60,70,109)と、
アクティブ主面(16)と接触する液体(57)を動かすために電気操作可能で、プレート(15,60,70,109)の第1のアクティブ主面(16,113)に設置された少なくとも1つの運動デバイス(1)と、
少なくとも1つの運動デバイス(1)のための電気接続エレメントとを備えている運動エレメント。 - 請求項1の運動エレメントにおいて、
少なくとも1つの運動デバイス(1)は、少なくとも1つの表面音波生成器(4)を備えている運動エレメント。 - 請求項2の運動エレメントにおいて、
運動デバイス(1)は、側方にオフセットして設置された複数の表面音波生成器(4)を備えている運動エレメント。 - 請求項2または3の運動エレメントにおいて、
少なくとも1つの表面音波生成器(4)は、チップ(11)上、特に、結晶材の固体チップ上に設置されている運動エレメント。 - 請求項4の運動エレメントにおいて、
少なくとも1つの表面音波生成器がインターデジタルトランスデューサ(4)を備え、チップ(11)が圧電性を有するか、または圧電性の表面部分を備えている運動エレメント。 - 請求項3〜5の何れか1の運動エレメントにおいて、
運動デバイス(1)は、異なる反響周波数の複数のインターデジタルトランスデューサを備えている運動エレメント。 - 請求項2〜6の何れか1の運動エレメントにおいて、
表面音波生成器(4)とアクティブ主面(16,113)とは、基本的に同一面になるように、少なくとも1つの運動デバイス(1)がアクティブ主面(16,113)の凹み(13,73)に設けられている運動エレメント。 - 請求項7の運動エレメントにおいて、
スライド(64)を収容させる横寸法とスライドの厚みに相当する深さとを有するスライド(64)のための収容凹み(62)を備えている運動エレメント。 - 請求項2〜8の何れか1の運動エレメントにおいて、
アクティブ主面(16,113)は、滑らかな壁のめくら穴(54)を備えている運動エレメント。 - 請求項1〜9の何れか1の運動エレメントにおいて、
プレート(15,60,70,109)はカード形である運動エレメント。 - 請求項1〜10の何れか1の運動エレメントにおいて、
アクティブ主面(16,113)と第2の主面とを繋げ、且つ第2の主面に向って開く、漏斗型の少なくとも1つの通し穴(55,101)を備えている運動エレメント。 - 請求項1〜11の何れか1の運動エレメントにおいて、
少なくとも運動デバイス(1)上には、バイオコンパチブルな保護コーティングが設けられている運動エレメント。 - 請求項1〜12の何れか1の運動エレメントにおいて、
プレート(15,60,70)は、少なくとも部分的に透明である運動エレメント。 - 請求項1〜13の何れか1の運動エレメントにおいて、
プレート(15,60,70)は、プラスチック、特に、ポリ炭酸塩、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)またはポリエチレンテレフタラート(PET)で形成されている運動エレメント。 - 請求項1〜14の何れか1の運動エレメントにおいて、
少なくとも1つの運動デバイス(1)は、独立してプレート(15,109)に接続されている運動エレメント。 - 請求項1〜15の何れか1の運動エレメントにおいて、
電気接続エレメントは、電気制御信号をワイヤレスで送受信するアンテナ装置を備えている運動エレメント。 - 請求項1〜16の何れか1の運動エレメントにおいて、
ミクロタイタープレートの間隔寸法に相応する間隔寸法で、マトリックス形に規則的に配列された複数の運動デバイス(1)をプレート(70)のアクティブ主面上に備えている運動エレメント。 - 請求項1〜17の何れか1の運動エレメントに用いられ、少量液体のための運動デバイスであって、
圧電性の基板(11)または圧電コーティングを備えた基板と、
基板(11)の表面上に少なくとも1つの表面音波生成器とを備えている運動デバイス。 - 請求項18の運動デバイスにおいて、
側方にオフセットして設置された複数の表面音波生成器(4)を備えている運動デバイス。 - 請求項18または19の運動デバイスにおいて、
少なくとも1つの表面音波生成器が少なくとも1つのインタートランスデューサ(4)を備えている。 - 請求項20の運動デバイスにおいて、
異なる反響周波数の複数のインタートランスデューサ(4)を備えている運動デバイス。 - 請求項18〜21の何れか1の運動デバイスにおいて、
少なくとも1つの表面音波生成器(4)上には、バイオコンパチブルな保護コーティングが設けられている運動デバイス。 - 少量液体内の運動生起のための方法であって、
少量液体(57)は、表面(16,113)に接触し、表面上で少なくとも1つの表面音波と相互作用する方法。 - 請求項23の方法において、
少量液体はミクロ流体システムに配置されている方法。 - 請求項23の方法において、
少量液体はミクロタイタープレートに配置されている方法。 - 請求項23〜25の何れか1の方法において、
少量液体は、異なる時点で異なる位置で表面音波と相互作用する方法。 - 少量液体内の運動生起のための方法であって、
少量液体は、間隔寸法(a,b)を有するミクロタイタープレートに配置され、請求項17の運動エレメントのアクティブ主面に接触し、運動エレメントの運動デバイス(1)によって動かされる方法。 - 請求項1〜17の何れか1の運動エレメント(15,60,70,109)を入れるためのカートリッジであって、
少なくとも1つの少量液体(57)のための支持具用(21,111)の第1の収容空間(35)と、
第1の収容空間と繋がり、第1の収容空間(35)の支持具(21,111)上にある少量液体(57)と相互作用する運動エレメント(15,60,70,109)を入れるための第2の収容空間(33)と、
運動デバイスまたは運動エレメント(15,60,70,109)上に配置された運動デバイス(1)に電気接続するためのデバイス(25)とを備えているカートリッジ。 - 請求項28のカートリッジにおいて、
電気接続するためのデバイスは電気コネクタ(45)のための通し穴(25)を備えているカートリッジ。 - 請求項28または29のカートリッジにおいて、
収容空間(33,35)を閉じるための蓋(29)を備えているカートリッジ。 - 請求項28〜30の何れか1のカートリッジにおいて、
第1の収容空間(35)に入れられた支持具(21,111)に対して第2の収容空間(33)の入れられた運動エレメント(15,60,70,109)を固定するためのスプリングエレメント(31)を備えているカートリッジ。 - 請求項28〜31の何れか1のカートリッジにおいて、
カートリッジ(27)にセットされた支持具(21,111)上の液体を暖めるために、カートリッジの底にあるヒーターエレメント(38)を備えているカートリッジ。 - 請求項32のカートリッジにおいて、
ヒーターエレメントは抵抗ヒーターであるカートリッジ。 - 請求項32のカートリッジにおいて、
ヒーターエレメントは、外部からきた熱をカートリッジにセットされた支持具(21,111)に伝導する金属のヒータープレート(38)であるカートリッジ。 - 請求項28〜34の何れか1のカートリッジにおいて、
カートリッジ(27)にセットされた支持具(21,111)上の液体(57)の温度を検知するめの温度計を備えているカートリッジ。 - 少量液体の検査および反応の少なくとも何れかを行うための反応機器であって、
請求項28〜35の何れか1のカートリッジをいれるためのカートリッジ収容空間(43)と、
請求項1〜15及び17の何れか1の運動エレメント(15,60,70,109)を、カートリッジ収容空間(43)に入れたカートリッジ(27)で電気的に接続されるように配置された接続エレメント(45)と、
カートリッジ収容空間(43)にあるカートリッジ(27)に入れた運動エレメント(15,60,70,109)に接続エレメント(45)を通じて供給する交流電圧を起こすための交流電圧生成器とを備えている反応機器。 - 請求項32において、
カートリッジ収容空間(43)のヒーターエレメント(53)は、抵抗ヒーターエレメントである反応機器。 - 液体内の運動生成のためのシステムであって、
請求項28〜35の何れか1のカートリッジ(27)と、
請求項36及び37の何れか1の反応機器(41)と、
請求項1〜17の何れか1の運動エレメント(15)とを備えているシステム。
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