JP2005503928A - 端部開放鋳型 - Google Patents
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Abstract
本発明は薄いスラブ断面を有する金属ストランドを鋳造するための端部開放鋳型に関し、その内部において幅広側壁(1,2)は、鋳型注入口端部(5)から鋳型出口端部(6)まで延在し、かつ長方形出口断面(22)において開口する中央拡大領域(11)を形成する。本発明の目的は、ストランドが幅広側壁から分離するのをかなりの程度まで阻止することである。この目的のため、拡張領域(11)における鋳型キャビティ(7)の輪郭線が、鋳型の縦軸線(23)に対して垂直な断面内で、少なくとも一部領域においてクロソイド曲線(18,19,20,21)あるいはクロソイド型曲線をなす曲線(15)によって形成されており、曲率変化量(Δk)は最小限に抑えられるか、あるいはゼロまで低減されている。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は連続鋳造設備用の端部開放鋳型に関する。特に、最大厚みが150mmの薄いスラブ断面を有する金属ストランドを鋳造するための端部開放鉄鋼鋳造鋳型に関する。この端部開放鋳型は、冷却幅広側壁および幅狭側壁によって形成された鋳型キャビティを備え、互いに向き合う幅広側壁は中央拡張領域を形成し、それは鋳型注入口端部から鋳型出口端部まで延在し、かつそこで端部開放鋳型の長方形出口断面として終わりをなしている。しかも中央拡張領域は、互いに向き合う幅狭側壁の方向では幅狭側方調整領域に転じる。
【背景技術】
【0002】
このタイプの端部開放鋳型は、慣例的に「ファンネル鋳型(funnel molds)」と呼ばれており、しかも文献ではファンネル形拡張領域のさまざまな形状とともに説明されている。原型のRossi鋳型(特許文献1参照)から派生した多くの具体例、およびファンネル形拡張領域を備えた最初の試作的な鋳型(特許文献2参照)は、空間的に湾曲した拡張領域での、ストランドシェル(strand shell)の造形およびこのストランドシェルの成形における問題に鑑みたものである。
【特許文献1】
DE-C 887 990
【特許文献2】
EP-B 149 734
【0003】
注入口側に関して公知の端部開放鋳型は、メニスカス(meniscus)領域に、スピンドル形キャビティ断面を有する。それは、鋳造されるストランドのサイズまで、連続的に幅狭側壁の方向にしぼり込まれている。そして、ストランド引き出し方向あるいは鋳造方向には、やはり鋳型の途中で、あるいは出口断面で直接、あるいは連続鋳造設備の下流バックアップおよび案内ロールスタンド内で、所望のストランド厚み寸法に戻るよう構成されている。
【0004】
この形状によって、慣習的なスラブ幅を有し、150mmよりも小さな、しかしながら好ましくは30〜100mmのストランド厚みを有する鋳造鉄鋼ストランドを製造することが、そして同時に、鋳造ストランドの目標厚よりも厚みの大きな浸漬鋳造ノズルを備えた端部開放鋳型内に溶融物を導くことが可能である。
【0005】
凹凸湾曲スピンドル形状を折り重ねた弧部により、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面にファンネル形拡張領域が形成された端部開放鋳型については既に公知である(たとえば特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)。特に、互いに異なる半径を備えた円弧が互いに一線に組み合わされる変曲点においては、半径および曲率は急激に変化する。不連続なこれらのポイントにおいて、ストランドシェルは鋳型壁から離れる。これによってストランドシェルの温度条件が不均一になる。そしてその結果、ストランドシェルの発生に、ばらつきが生じる。さらなる結果として、隣り合うストランドゾーン間に熱応力が生じ、負荷が増大する。また、ある状況下では、ストランドシェルにダメージが及ぶ。
【特許文献3】
EP-A 1 002 599
【特許文献4】
DE-A 39 07 351
【特許文献5】
EP-A 552 501
【0006】
たとえば、ファンネル形拡張領域の輪郭線の曲率が縦方向に、すなわち鋳型の縦軸線に対して平行な断面に沿って、突然に、あるいは大きな変化を伴って変わる端部開放鋳型が知られている(たとえば特許文献4、特許文献5および特許文献6参照)。これはたいてい、鋳型出口端部から比較的大きな距離でファンネル形拡張領域が既に終わりをなしている鋳型に適用される。拡張領域を示している曲線の半径および曲率における突然の、あるいは大きな変化に関する上記の不利な点は別にしても、ストランドシェルへの付加的な負荷が鋳型の振動によって生じる。ストランドのファンネル形テーパーに関する局部的に増大された鋳型への打撃は、この領域において、ストランドシェルのさらなる弱化を引き起こす。
【特許文献6】
EP-A 909 597
【0007】
鋳型注入口端部から鋳型の全長にわたって延在する拡張領域を備え、鋳型出口断面において鋳造されるストランドの長方形断面に戻すようにだけ構成された、初めに説明したタイプの端部開放鋳型は既に知られている(たとえば特許文献7参照)。拡張領域の輪郭線が、互いに一線に組み合わされる円弧により、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内に形成されていることも、この鋳型については問題であり、しかも同様に上記不利な点を有する。拡張領域へ戻る結果として生じる不可避のストランドの周方向長さの短縮は、それに対応した幅狭側壁の調整により無効にされ、しかもストランドシェルのゆがみは、既にこの手法で回避されている。
【特許文献7】
DE-C 35 01 422
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の目的は、公知従来技術の上記不利な点を回避するとともに、鋳型壁からのストランドの分離が、メニスカスから鋳型出口端部までかなりの程度阻止され、その結果、鋳型内でストランドシェルの均質形成が保証されるよう、鋳型キャビティの輪郭線が最適化された端部開放鋳型を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこの目的は、少なくとも一部領域がクロソイドあるいはクロソイド曲線をなす曲線によって、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面に形成された、拡張領域における鋳型キャビティの輪郭線によって達成され、ここでは曲率の急な変化は最小限になり、あるいはゼロまで低減されている。曲率の急な変化を広範囲にわたって回避したことで、ストランドシェルの最適形成にとって最高の条件が得られる。
【0010】
ストランドシェルの分離を回避したことに関する上記利点は、概ねあるいは正確に、円弧あるいは直線により形成された湾曲部が、クロソイドあるいはクロソイド曲線により形成された湾曲部によって連結されており、かつ、その変移点でのそれら湾曲部の曲率の急な変化が最小化されるか、あるいはゼロまで低減されている場合にも等しく得られる。
【0011】
拡張領域の中央領域における好ましい形状は、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、凸凹プロファイルを有する幅狭側壁に関して対称的に延びる曲線によって、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内に形成されており、わずかな曲率を有するか、あるいは湾曲していない鋳型キャビティ輪郭線中心から始まる曲線が、曲率が連続的に増大する領域に転じる場合に得られる。これは効果的に、中央領域においてストランドシェルが分離する傾向を抑える。
【0012】
好ましい条件は、鋳型キャビティ輪郭線の中心における曲率(k)が、kを曲率(mm)、Hを最大鋳型キャビティ拡張量の半値(mm)、Lを拡張領域B1の幅の半値(mm)としたとき、条件式k≦0.3*(4H)/(H2+L2)を満たす場合、それによって得られる。
【0013】
ストランドシェルの形成および幅広側壁に沿ったストランドシェルの案内における改善は、中央拡張領域から幅狭側方調整領域への変移における、および曲線プロファイルの変曲接線の位置における曲率の急な変化が最小化されており、好ましくは限りなくゼロに近い場合に得られる。これは、中央拡張領域(11)から幅狭側方調整領域(12,13)への変移における曲率の急な変化(Δk)が、条件式Δk≦0.5*(4H)/(H2+L2)を満たす場合に、あるいは変曲接線の位置(25)における曲率の急な変化(Δk)が、条件式Δk≦0.4*(8H)/(H2+L2)を満たす場合に、好ましい条件を創出する。
【0014】
鋳型の幅広側壁からのストランドシェルの分離は、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内で、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間の直線により形成されている場合に、かなりの程度回避される。鋳型の縦方向における、中央拡張領域のこの直線構成は、ストランドシェルの分離を助ける曲率の変化が鋳型出口のみで生じるという効果を有する。しかしながら、不均一な温度分布による逆効果は予想されない。なぜなら、この領域では、鋳造ストランドへの直接スプレー冷却の影響を受け始めるからである。
【0015】
鋳型の幅広側壁からのストランドシェルの分離に関する臨界領域は、最大拡張量、中央拡張領域から隣接する幅狭側方調整領域への変移、そして変曲点を有する鋳型キャビティの領域によって形成される。ゆえに、ストランドシェルの分離の最小化は、一方では、幅狭側方調整領域に横方向に隣接する、中央拡張領域および幅狭側方調整領域からの変移が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部とを、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内で連結する直線から形成されることで達成され、他方では、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面を備えた鋳型キャビティの輪郭線における変曲接線の位置が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間で、鋳型の縦軸線に対して平行な断面内に存在する直線をなすことで達成される。
【0016】
作業上のプラクティスによると、直線がストランド収縮の程度により傾斜させられた構成となっている場合には有利である。この傾斜は、その空間的方位および幅狭側のテーパー調整の慣例的な値に対する大きさの程度に対応する。この手法は、ストランド引き出し方向における平行壁領域から拡張領域内への変移を経てストランドシェルが移動しなければならないのを避けることを意図したものである。
【0017】
特定グレードの鉄鋼の特殊な凝固および収縮条件を満足させるため、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内に、鋳込まれる金属の凝固条件に依存して、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間に湾曲したプロファイル、好ましくは放物線状プロファイルを有していれば好都合である。これはまた、収縮依存傾斜についての考慮が適切ならば、特に、中央拡張領域から隣接する幅狭側方調整領域への変移領域、および変曲点あるいは変曲接線の位置に適用される。
【0018】
鋳造されるストランドの品質に関するさらに好ましい影響は、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内における、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線の曲率半径が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間で、鋳型出口端部の方向に増大し、かつ出口端部において無限大となっている場合に得られる。総体的な鋳型概念を考慮すると、幅狭側方調整領域における幅広側壁は本質的に互いに平行に配置され、しかも幅狭側壁は、鋳込まれる金属それぞれの収縮挙動に依存して凸状に形成されれば好都合である。
【0019】
さらなる細部、特徴および利点については、保護範囲を限定しない代表的実施形態についての説明および図示から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るタイプの端部開放鋳型は、図1(a)〜(c)にその概略が示されている。この端部開放鋳型は、2枚の互いに向き合う幅広側壁1,2と、2枚の同様に互いに向き合う幅狭側壁3,4とを具備し、フォーマット調整の意味で、二つのポジションB,B1の間で調節することができる。鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で、幅広側壁1,2および幅狭側壁3,4によって、端部開放鋳型の鋳型キャビティ7の範囲が定められている。その内部では、ストランドシェル9および液体コア10を具備する鋳造ストランドが、図2に示すように、メニスカス(液体金属レベル)8と鋳型出口端部6との間で形成される。
【0021】
幅広側壁1,2は中央拡張領域11を有する。これは本質的に、幅狭側壁3,4の最も幅の狭い調整領域B1によって範囲が定められる。中央拡張領域11は、両側で、幅狭側方調整領域12,13に転じる。これら幅狭側方調整領域は、幅広側壁1,2の互いに面平行な壁部によって形成され、かつ、鋳型注入口端部5から鋳型出口端部6まで延びている。この実施形態から出発すると、幅広側壁は、ストランドが引き出される方向あるいは幅狭側方調整領域の部位内での幅狭側壁の方向に収束するように構成された平坦表面領域を形成することが完全に可能である。
【0022】
中央拡張領域11は、鋳型注入口端部5において、軸形状に狭まって幅狭側方調整領域12,13となる断面を有する。それは、中央領域において、浸漬鋳造ノズル14を収容するために適当な幅を備える。しかも、幅狭側方調整領域12,13に向かって、ほとんど急な変化のない曲率プロファイルを備えた曲線15によって、鋳造される金属ストランドの厚みDまで減少する。これら曲線15はたとえば円弧16,17を具備し、これらはクロソイド18,19,20,21あるいはクロソイド曲線によって一線に連結されている。しかも、その曲率プロファイルは、急激な変化を伴わずに、あるいは急な変化が最小限のものとされて延びている。
【0023】
中央拡張領域11は、鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で連続的に絞り込まれており、しかも鋳型出口端部6において、長方形出口断面22のサイズまで縮小させられている。これは所望の鋳造断面に合致する。鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間の中央拡張領域11の輪郭線プロファイルは、鋳型の縦軸線23に平行で、かつ幅狭側壁3,4に平行な断面に関して、直線24a,24b,…24nから形成されている。鋳造方向における中央拡張領域のこの直線形状によって、垂直ストランド引き出し方向におけるゆがみが生じないようになる。上記断面に関するこの明白な事実は、幅狭側壁3,4が互いに面平行に配置されており、それゆえテーパー調整が不要であるという仮定に基づいている。その結果、平らな幅狭側壁の端面は、鋳型の縦軸線と平行に位置される。それゆえ実際に提供される幅狭側壁のテーパー調整は、上記直線の向きを変えない。中央拡張領域11はまた、鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で、放物線状のプロファイル26を持つ曲線によって絞り込むこともできる。(図1d)
【0024】
図3には、図示端部が長方形であり、かつ直線I(これは図1(a)の鋳型の縦軸線(23)に対応する)と幅狭側方調整領域との間で逆方向に延び、かつ、メニスカスと直線Aとの間で縦方向に延びる中央拡張領域を備えた従来技術による端部開放鋳型の実例による、メニスカスと鋳型出口端部との間の幅広側壁の半区間での有限要素原理による数値解析の結果を示す。淡い色の領域は、幅広側壁からのストランドシェルの分離が特に顕著な領域を示す。この領域においては、中央拡張領域の輪郭線の曲率が大きく変化する。これらポイントでは、温度条件の不均一およびストランドシェルの成長低下が予想される。ここでは、垂直線I,II,IIIによって示される横方向に関する本質的に三つの領域と、水平線Aによって示される縦方向に関する領域とを区別できる。特に、二つの領域(線II,III)へと続く、鋳型の最も拡張された領域(線I)が、鋳型端部に向かう曲線の変移においてリスクにさらされる。縦方向に関し、ファンネル端部においては、幅広側壁に対してストランドシェルの接触程度が低減した延在領域(線A)が続く。これは、鋳型内でファンネルが終わりをなしているファンネル鋳型の重大な欠点と見なされる。
【0025】
図4は、従来技術から同様に公知である、メニスカスと鋳型出口端部との間に、V形構造の拡張領域を備えたファンネル鋳型に関する類似の結果を示す。図の構造的配置は図3に対応する。このタイプの鋳型の場合も、ストランドシェルと鋳型との間には、接触が阻害された大きな領域が生じる。これはV形ファンネル端部(線V)に起因する。このV形ファンネル端部は鋳造方向に対して傾斜しており、そこをストランド/ストランドシェルは通過しなければならない。縦方向における曲率の関連する変化は、接触挙動を乱す原因となる。
【0026】
図5は、本発明による端部開放鋳型についての有限要素原理による数値解析の結果を示す。この図示の構造的配置は、同様に図3のそれに対応する。鋳型の鋳型キャビティの輪郭線に関する本発明による最適化の結果として、ストランドシェルと幅広側壁との間で接触が妨害された淡い色の領域は、今度は鋳型出口端部の直近に生じている。ここでは、ストランドシェルの形成に関する不都合な影響はもはや生じない。
【0027】
鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面に関する、従来技術によるファンネル鋳型および本発明による鋳型についての、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線の比較が図6には示されている。図の上半分に示されているのは、鋳型の中心(鋳型の縦軸線)を起点とした、鋳型幅に対する輪郭線プロファイルであり、図の下半分に示されているのは、鋳型幅全体にわたって付与された曲率プロファイルである。従来技術による輪郭線プロファイル(点線で示す)は、一方を他方に組み合わせた二つの弧部分から形成されており、しかも幅狭側方調整領域を区別する直線で終わりをなしている。関連する曲率プロファイル(点線で示す)は、二つの弧部分の接点(変曲点25’)で、それまでの一定の負値から一定の正値へと急変する。ここに生じているのは、不利な点として説明し、かつストランドシェルの分離に重大な影響を与える曲率プロファイルにおける甚だしい不連続点である。同じ影響をもたらす状況は、幅狭側方調整領域への変移における弧から直線への変移において生じる。ここで曲率は、不連続点において値がゼロに急変する。これに対して、実線で示されるのは本発明の実施形態による輪郭線プロファイルであり、これは(鋳型の中心を基点とする)、曲率が連続的に増大するクロソイド18あるいはクロソイド曲線から形成される。それは、一定曲率を有する弧部分16によって結び付けられている。これは、二つのクロソイド19,20あるいはクロソイド曲線から形成される変移部分によって結び付けられている。しかもそのプロファイルに関して、変曲点25を通過したとき、曲率は負の最大値から正の最大値まで連続的に変化する。そこで、さらに正の曲率値を有する弧部分17が付加される。これは、その後、クロソイド21あるいはクロソイド変移曲線により曲率値がゼロの直線に変容する。この輪郭線プロファイルによって、曲率の急な変化が回避される。
【0028】
この代表的な実施形態において具体的に説明した輪郭線プロファイルにおける弧部分の代わりに、円弧に類似するよう形成された湾曲部分を用いてもよい。拡張領域における最大拡張領域には、直線から、あるいは概ね直線からなる湾曲部分を付与してもよい。これら全ての変更は本発明の保護の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の一つの可能な実施形態による、本発明による端部開放鋳型の概略平面図(Z視)、概略正面図、概略側面図(A−A断面)であり、(d)は本発明による端部開放鋳型のさらなる実施形態の側面図である(図1(c)におけるA−A断面に類似する)。
【図2】浸漬された鋳造ノズルおよび鋳造ストランドとともに本発明による端部開放鋳型を示す縦断面図である。
【図3】従来技術による連続鋳造鋳型において、長方形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図4】従来技術による連続鋳造鋳型において、台形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図5】本発明による連続鋳造鋳型において、長方形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図6】本発明および従来技術による鋳型に関する、中央拡張領域の輪郭線および関連する曲率プロファイルの比較を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1,2 幅広側壁
3,4 幅狭側壁
5 鋳型注入口端部
6 鋳型出口端部
7 キャビティ
8 メニスカス(液体金属レベル)
9 ストランドシェル
10 液体コア
11 中央拡張領域
12,13 幅狭側方調整領域
14 浸漬鋳造ノズル
15 曲線
16,17 円弧
18,19,20,21 クロソイド
22 長方形出口断面
23 縦軸線
24a,24b,…24n 直線
25 変曲点
26 放物線プロファイル
【0001】
本発明は連続鋳造設備用の端部開放鋳型に関する。特に、最大厚みが150mmの薄いスラブ断面を有する金属ストランドを鋳造するための端部開放鉄鋼鋳造鋳型に関する。この端部開放鋳型は、冷却幅広側壁および幅狭側壁によって形成された鋳型キャビティを備え、互いに向き合う幅広側壁は中央拡張領域を形成し、それは鋳型注入口端部から鋳型出口端部まで延在し、かつそこで端部開放鋳型の長方形出口断面として終わりをなしている。しかも中央拡張領域は、互いに向き合う幅狭側壁の方向では幅狭側方調整領域に転じる。
【背景技術】
【0002】
このタイプの端部開放鋳型は、慣例的に「ファンネル鋳型(funnel molds)」と呼ばれており、しかも文献ではファンネル形拡張領域のさまざまな形状とともに説明されている。原型のRossi鋳型(特許文献1参照)から派生した多くの具体例、およびファンネル形拡張領域を備えた最初の試作的な鋳型(特許文献2参照)は、空間的に湾曲した拡張領域での、ストランドシェル(strand shell)の造形およびこのストランドシェルの成形における問題に鑑みたものである。
【特許文献1】
DE-C 887 990
【特許文献2】
EP-B 149 734
【0003】
注入口側に関して公知の端部開放鋳型は、メニスカス(meniscus)領域に、スピンドル形キャビティ断面を有する。それは、鋳造されるストランドのサイズまで、連続的に幅狭側壁の方向にしぼり込まれている。そして、ストランド引き出し方向あるいは鋳造方向には、やはり鋳型の途中で、あるいは出口断面で直接、あるいは連続鋳造設備の下流バックアップおよび案内ロールスタンド内で、所望のストランド厚み寸法に戻るよう構成されている。
【0004】
この形状によって、慣習的なスラブ幅を有し、150mmよりも小さな、しかしながら好ましくは30〜100mmのストランド厚みを有する鋳造鉄鋼ストランドを製造することが、そして同時に、鋳造ストランドの目標厚よりも厚みの大きな浸漬鋳造ノズルを備えた端部開放鋳型内に溶融物を導くことが可能である。
【0005】
凹凸湾曲スピンドル形状を折り重ねた弧部により、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面にファンネル形拡張領域が形成された端部開放鋳型については既に公知である(たとえば特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)。特に、互いに異なる半径を備えた円弧が互いに一線に組み合わされる変曲点においては、半径および曲率は急激に変化する。不連続なこれらのポイントにおいて、ストランドシェルは鋳型壁から離れる。これによってストランドシェルの温度条件が不均一になる。そしてその結果、ストランドシェルの発生に、ばらつきが生じる。さらなる結果として、隣り合うストランドゾーン間に熱応力が生じ、負荷が増大する。また、ある状況下では、ストランドシェルにダメージが及ぶ。
【特許文献3】
EP-A 1 002 599
【特許文献4】
DE-A 39 07 351
【特許文献5】
EP-A 552 501
【0006】
たとえば、ファンネル形拡張領域の輪郭線の曲率が縦方向に、すなわち鋳型の縦軸線に対して平行な断面に沿って、突然に、あるいは大きな変化を伴って変わる端部開放鋳型が知られている(たとえば特許文献4、特許文献5および特許文献6参照)。これはたいてい、鋳型出口端部から比較的大きな距離でファンネル形拡張領域が既に終わりをなしている鋳型に適用される。拡張領域を示している曲線の半径および曲率における突然の、あるいは大きな変化に関する上記の不利な点は別にしても、ストランドシェルへの付加的な負荷が鋳型の振動によって生じる。ストランドのファンネル形テーパーに関する局部的に増大された鋳型への打撃は、この領域において、ストランドシェルのさらなる弱化を引き起こす。
【特許文献6】
EP-A 909 597
【0007】
鋳型注入口端部から鋳型の全長にわたって延在する拡張領域を備え、鋳型出口断面において鋳造されるストランドの長方形断面に戻すようにだけ構成された、初めに説明したタイプの端部開放鋳型は既に知られている(たとえば特許文献7参照)。拡張領域の輪郭線が、互いに一線に組み合わされる円弧により、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内に形成されていることも、この鋳型については問題であり、しかも同様に上記不利な点を有する。拡張領域へ戻る結果として生じる不可避のストランドの周方向長さの短縮は、それに対応した幅狭側壁の調整により無効にされ、しかもストランドシェルのゆがみは、既にこの手法で回避されている。
【特許文献7】
DE-C 35 01 422
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の目的は、公知従来技術の上記不利な点を回避するとともに、鋳型壁からのストランドの分離が、メニスカスから鋳型出口端部までかなりの程度阻止され、その結果、鋳型内でストランドシェルの均質形成が保証されるよう、鋳型キャビティの輪郭線が最適化された端部開放鋳型を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこの目的は、少なくとも一部領域がクロソイドあるいはクロソイド曲線をなす曲線によって、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面に形成された、拡張領域における鋳型キャビティの輪郭線によって達成され、ここでは曲率の急な変化は最小限になり、あるいはゼロまで低減されている。曲率の急な変化を広範囲にわたって回避したことで、ストランドシェルの最適形成にとって最高の条件が得られる。
【0010】
ストランドシェルの分離を回避したことに関する上記利点は、概ねあるいは正確に、円弧あるいは直線により形成された湾曲部が、クロソイドあるいはクロソイド曲線により形成された湾曲部によって連結されており、かつ、その変移点でのそれら湾曲部の曲率の急な変化が最小化されるか、あるいはゼロまで低減されている場合にも等しく得られる。
【0011】
拡張領域の中央領域における好ましい形状は、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、凸凹プロファイルを有する幅狭側壁に関して対称的に延びる曲線によって、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内に形成されており、わずかな曲率を有するか、あるいは湾曲していない鋳型キャビティ輪郭線中心から始まる曲線が、曲率が連続的に増大する領域に転じる場合に得られる。これは効果的に、中央領域においてストランドシェルが分離する傾向を抑える。
【0012】
好ましい条件は、鋳型キャビティ輪郭線の中心における曲率(k)が、kを曲率(mm)、Hを最大鋳型キャビティ拡張量の半値(mm)、Lを拡張領域B1の幅の半値(mm)としたとき、条件式k≦0.3*(4H)/(H2+L2)を満たす場合、それによって得られる。
【0013】
ストランドシェルの形成および幅広側壁に沿ったストランドシェルの案内における改善は、中央拡張領域から幅狭側方調整領域への変移における、および曲線プロファイルの変曲接線の位置における曲率の急な変化が最小化されており、好ましくは限りなくゼロに近い場合に得られる。これは、中央拡張領域(11)から幅狭側方調整領域(12,13)への変移における曲率の急な変化(Δk)が、条件式Δk≦0.5*(4H)/(H2+L2)を満たす場合に、あるいは変曲接線の位置(25)における曲率の急な変化(Δk)が、条件式Δk≦0.4*(8H)/(H2+L2)を満たす場合に、好ましい条件を創出する。
【0014】
鋳型の幅広側壁からのストランドシェルの分離は、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内で、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間の直線により形成されている場合に、かなりの程度回避される。鋳型の縦方向における、中央拡張領域のこの直線構成は、ストランドシェルの分離を助ける曲率の変化が鋳型出口のみで生じるという効果を有する。しかしながら、不均一な温度分布による逆効果は予想されない。なぜなら、この領域では、鋳造ストランドへの直接スプレー冷却の影響を受け始めるからである。
【0015】
鋳型の幅広側壁からのストランドシェルの分離に関する臨界領域は、最大拡張量、中央拡張領域から隣接する幅狭側方調整領域への変移、そして変曲点を有する鋳型キャビティの領域によって形成される。ゆえに、ストランドシェルの分離の最小化は、一方では、幅狭側方調整領域に横方向に隣接する、中央拡張領域および幅狭側方調整領域からの変移が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部とを、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内で連結する直線から形成されることで達成され、他方では、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面を備えた鋳型キャビティの輪郭線における変曲接線の位置が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間で、鋳型の縦軸線に対して平行な断面内に存在する直線をなすことで達成される。
【0016】
作業上のプラクティスによると、直線がストランド収縮の程度により傾斜させられた構成となっている場合には有利である。この傾斜は、その空間的方位および幅狭側のテーパー調整の慣例的な値に対する大きさの程度に対応する。この手法は、ストランド引き出し方向における平行壁領域から拡張領域内への変移を経てストランドシェルが移動しなければならないのを避けることを意図したものである。
【0017】
特定グレードの鉄鋼の特殊な凝固および収縮条件を満足させるため、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線が、鋳型の縦軸線および幅狭側壁に対して平行な断面内に、鋳込まれる金属の凝固条件に依存して、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間に湾曲したプロファイル、好ましくは放物線状プロファイルを有していれば好都合である。これはまた、収縮依存傾斜についての考慮が適切ならば、特に、中央拡張領域から隣接する幅狭側方調整領域への変移領域、および変曲点あるいは変曲接線の位置に適用される。
【0018】
鋳造されるストランドの品質に関するさらに好ましい影響は、鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面内における、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線の曲率半径が、鋳型注入口端部と鋳型出口端部との間で、鋳型出口端部の方向に増大し、かつ出口端部において無限大となっている場合に得られる。総体的な鋳型概念を考慮すると、幅狭側方調整領域における幅広側壁は本質的に互いに平行に配置され、しかも幅狭側壁は、鋳込まれる金属それぞれの収縮挙動に依存して凸状に形成されれば好都合である。
【0019】
さらなる細部、特徴および利点については、保護範囲を限定しない代表的実施形態についての説明および図示から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るタイプの端部開放鋳型は、図1(a)〜(c)にその概略が示されている。この端部開放鋳型は、2枚の互いに向き合う幅広側壁1,2と、2枚の同様に互いに向き合う幅狭側壁3,4とを具備し、フォーマット調整の意味で、二つのポジションB,B1の間で調節することができる。鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で、幅広側壁1,2および幅狭側壁3,4によって、端部開放鋳型の鋳型キャビティ7の範囲が定められている。その内部では、ストランドシェル9および液体コア10を具備する鋳造ストランドが、図2に示すように、メニスカス(液体金属レベル)8と鋳型出口端部6との間で形成される。
【0021】
幅広側壁1,2は中央拡張領域11を有する。これは本質的に、幅狭側壁3,4の最も幅の狭い調整領域B1によって範囲が定められる。中央拡張領域11は、両側で、幅狭側方調整領域12,13に転じる。これら幅狭側方調整領域は、幅広側壁1,2の互いに面平行な壁部によって形成され、かつ、鋳型注入口端部5から鋳型出口端部6まで延びている。この実施形態から出発すると、幅広側壁は、ストランドが引き出される方向あるいは幅狭側方調整領域の部位内での幅狭側壁の方向に収束するように構成された平坦表面領域を形成することが完全に可能である。
【0022】
中央拡張領域11は、鋳型注入口端部5において、軸形状に狭まって幅狭側方調整領域12,13となる断面を有する。それは、中央領域において、浸漬鋳造ノズル14を収容するために適当な幅を備える。しかも、幅狭側方調整領域12,13に向かって、ほとんど急な変化のない曲率プロファイルを備えた曲線15によって、鋳造される金属ストランドの厚みDまで減少する。これら曲線15はたとえば円弧16,17を具備し、これらはクロソイド18,19,20,21あるいはクロソイド曲線によって一線に連結されている。しかも、その曲率プロファイルは、急激な変化を伴わずに、あるいは急な変化が最小限のものとされて延びている。
【0023】
中央拡張領域11は、鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で連続的に絞り込まれており、しかも鋳型出口端部6において、長方形出口断面22のサイズまで縮小させられている。これは所望の鋳造断面に合致する。鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間の中央拡張領域11の輪郭線プロファイルは、鋳型の縦軸線23に平行で、かつ幅狭側壁3,4に平行な断面に関して、直線24a,24b,…24nから形成されている。鋳造方向における中央拡張領域のこの直線形状によって、垂直ストランド引き出し方向におけるゆがみが生じないようになる。上記断面に関するこの明白な事実は、幅狭側壁3,4が互いに面平行に配置されており、それゆえテーパー調整が不要であるという仮定に基づいている。その結果、平らな幅狭側壁の端面は、鋳型の縦軸線と平行に位置される。それゆえ実際に提供される幅狭側壁のテーパー調整は、上記直線の向きを変えない。中央拡張領域11はまた、鋳型注入口端部5と鋳型出口端部6との間で、放物線状のプロファイル26を持つ曲線によって絞り込むこともできる。(図1d)
【0024】
図3には、図示端部が長方形であり、かつ直線I(これは図1(a)の鋳型の縦軸線(23)に対応する)と幅狭側方調整領域との間で逆方向に延び、かつ、メニスカスと直線Aとの間で縦方向に延びる中央拡張領域を備えた従来技術による端部開放鋳型の実例による、メニスカスと鋳型出口端部との間の幅広側壁の半区間での有限要素原理による数値解析の結果を示す。淡い色の領域は、幅広側壁からのストランドシェルの分離が特に顕著な領域を示す。この領域においては、中央拡張領域の輪郭線の曲率が大きく変化する。これらポイントでは、温度条件の不均一およびストランドシェルの成長低下が予想される。ここでは、垂直線I,II,IIIによって示される横方向に関する本質的に三つの領域と、水平線Aによって示される縦方向に関する領域とを区別できる。特に、二つの領域(線II,III)へと続く、鋳型の最も拡張された領域(線I)が、鋳型端部に向かう曲線の変移においてリスクにさらされる。縦方向に関し、ファンネル端部においては、幅広側壁に対してストランドシェルの接触程度が低減した延在領域(線A)が続く。これは、鋳型内でファンネルが終わりをなしているファンネル鋳型の重大な欠点と見なされる。
【0025】
図4は、従来技術から同様に公知である、メニスカスと鋳型出口端部との間に、V形構造の拡張領域を備えたファンネル鋳型に関する類似の結果を示す。図の構造的配置は図3に対応する。このタイプの鋳型の場合も、ストランドシェルと鋳型との間には、接触が阻害された大きな領域が生じる。これはV形ファンネル端部(線V)に起因する。このV形ファンネル端部は鋳造方向に対して傾斜しており、そこをストランド/ストランドシェルは通過しなければならない。縦方向における曲率の関連する変化は、接触挙動を乱す原因となる。
【0026】
図5は、本発明による端部開放鋳型についての有限要素原理による数値解析の結果を示す。この図示の構造的配置は、同様に図3のそれに対応する。鋳型の鋳型キャビティの輪郭線に関する本発明による最適化の結果として、ストランドシェルと幅広側壁との間で接触が妨害された淡い色の領域は、今度は鋳型出口端部の直近に生じている。ここでは、ストランドシェルの形成に関する不都合な影響はもはや生じない。
【0027】
鋳型の縦軸線に対して直角をなす断面に関する、従来技術によるファンネル鋳型および本発明による鋳型についての、拡張領域の鋳型キャビティの輪郭線の比較が図6には示されている。図の上半分に示されているのは、鋳型の中心(鋳型の縦軸線)を起点とした、鋳型幅に対する輪郭線プロファイルであり、図の下半分に示されているのは、鋳型幅全体にわたって付与された曲率プロファイルである。従来技術による輪郭線プロファイル(点線で示す)は、一方を他方に組み合わせた二つの弧部分から形成されており、しかも幅狭側方調整領域を区別する直線で終わりをなしている。関連する曲率プロファイル(点線で示す)は、二つの弧部分の接点(変曲点25’)で、それまでの一定の負値から一定の正値へと急変する。ここに生じているのは、不利な点として説明し、かつストランドシェルの分離に重大な影響を与える曲率プロファイルにおける甚だしい不連続点である。同じ影響をもたらす状況は、幅狭側方調整領域への変移における弧から直線への変移において生じる。ここで曲率は、不連続点において値がゼロに急変する。これに対して、実線で示されるのは本発明の実施形態による輪郭線プロファイルであり、これは(鋳型の中心を基点とする)、曲率が連続的に増大するクロソイド18あるいはクロソイド曲線から形成される。それは、一定曲率を有する弧部分16によって結び付けられている。これは、二つのクロソイド19,20あるいはクロソイド曲線から形成される変移部分によって結び付けられている。しかもそのプロファイルに関して、変曲点25を通過したとき、曲率は負の最大値から正の最大値まで連続的に変化する。そこで、さらに正の曲率値を有する弧部分17が付加される。これは、その後、クロソイド21あるいはクロソイド変移曲線により曲率値がゼロの直線に変容する。この輪郭線プロファイルによって、曲率の急な変化が回避される。
【0028】
この代表的な実施形態において具体的に説明した輪郭線プロファイルにおける弧部分の代わりに、円弧に類似するよう形成された湾曲部分を用いてもよい。拡張領域における最大拡張領域には、直線から、あるいは概ね直線からなる湾曲部分を付与してもよい。これら全ての変更は本発明の保護の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の一つの可能な実施形態による、本発明による端部開放鋳型の概略平面図(Z視)、概略正面図、概略側面図(A−A断面)であり、(d)は本発明による端部開放鋳型のさらなる実施形態の側面図である(図1(c)におけるA−A断面に類似する)。
【図2】浸漬された鋳造ノズルおよび鋳造ストランドとともに本発明による端部開放鋳型を示す縦断面図である。
【図3】従来技術による連続鋳造鋳型において、長方形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図4】従来技術による連続鋳造鋳型において、台形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図5】本発明による連続鋳造鋳型において、長方形の中央拡張領域で曲率に大きな変化が生じた場合の、幅広側壁からのストランドの分離挙動を示す図である。
【図6】本発明および従来技術による鋳型に関する、中央拡張領域の輪郭線および関連する曲率プロファイルの比較を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1,2 幅広側壁
3,4 幅狭側壁
5 鋳型注入口端部
6 鋳型出口端部
7 キャビティ
8 メニスカス(液体金属レベル)
9 ストランドシェル
10 液体コア
11 中央拡張領域
12,13 幅狭側方調整領域
14 浸漬鋳造ノズル
15 曲線
16,17 円弧
18,19,20,21 クロソイド
22 長方形出口断面
23 縦軸線
24a,24b,…24n 直線
25 変曲点
26 放物線プロファイル
Claims (18)
- 連続鋳造設備用の端部開放鋳型、特に、最大厚みが150mmの薄いスラブ断面を有する金属ストランドを鋳造するための端部開放鉄鋼鋳造鋳型であって、
冷却幅広側壁(1,2)および幅狭側壁(3,4)から形成された鋳型キャビティ(7)を有し、互いに向き合う前記幅広側壁は中央拡張領域(11)を形成しており、この中央拡張領域(11)は鋳型注入口端部(5)から鋳型出口端部(6)まで延在し、かつそこで前記端部開放鋳型の長方形出口断面(22)として終わりをなし、かつ互いに向き合う前記幅狭側壁(3,4)の方向では幅狭側方調整領域(12,13)に転じており、
前記拡張領域(11)の前記鋳型キャビティ(7)の輪郭線は、少なくとも一部領域においてクロソイド(18,19,20,21)あるいはクロソイド曲線をなす曲線(15)によって、前記鋳型の縦軸線(23)に対して直角をなす断面内に形成されており、その曲率の急な変化(Δk)は最小化されるか、あるいはゼロまで低減されていることを特徴とする端部開放鋳型。 - 概ねあるいは正確に、円弧(16,17)あるいは直線により形成された湾曲部は、クロソイド(18,19,20,21)あるいはクロソイド曲線により形成された湾曲部によって連結されており、かつ、その変移点でのそれら湾曲部の曲率の急な変化(Δk)は最小化されるか、あるいはゼロまで低減されていることを特徴とする請求項1に記載の端部開放鋳型。
- 前記拡張領域(11)の前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線は、凸凹プロファイルを有する前記幅狭側壁(3,4)に関して対称的に延びる曲線(15)によって、前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して直角をなす断面内に形成されており、わずかな曲率(k)を有するか、あるいは湾曲していない前記鋳型キャビティ輪郭線中心から始まる前記曲線は、曲率が連続的に増大する領域に転じることを特徴とする請求項1に記載の端部開放鋳型。
- 前記鋳型キャビティ輪郭線の中心における曲率(k)は、kを曲率(mm)、Hを前記鋳型キャビティ拡張量の半値(mm)、Lを前記拡張領域B1の幅の半値(mm)としたとき、条件式k≦0.3*(4H)/(H2+L2)を満たすことを特徴とする請求項3に記載の端部開放鋳型。
- 前記中央拡張領域(11)から前記幅狭側方調整領域(12,13)への変移における、および前記曲線プロファイルの変曲接線の位置(25)における曲率の急な変化(Δk)は最小化されており、好ましくは限りなくゼロに近いことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記中央拡張領域(11)から前記幅狭側方調整領域(12,13)への変移における曲率の急な変化(Δk)は、条件式Δk≦0.5*(4H)/(H2+L2)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の端部開放鋳型。
- 前記変曲接線の位置(25)における曲率の急な変化(Δk)は、条件式Δk≦0.4*(8H)/(H2+L2)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の端部開放鋳型。
- 前記拡張領域(11)の前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線は、前記鋳型の前記縦軸線(23)および前記幅狭側壁(3,4)に対して平行な断面内では、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)との間の直線(24a,24b,24n)により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記幅狭側方調整領域(12,13)に横方向に隣接する、前記中央拡張領域(11)および前記幅狭側方調整領域(12,13)からの変移は、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)とを、前記鋳型の前記縦軸線(23)および前記幅狭側壁(3,4)に対して平行な断面内で連結する直線(24a)からなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して直角をなす断面を備えた前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線における前記変曲接線の位置は、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)との間で、前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して平行な断面内に存在する直線(24d)をなしていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記直線(24a,24b,24n)は、ストランド収縮の程度により傾斜させられた構成となっていることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記拡張領域(11)の前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線は、前記鋳型の前記縦軸線(23)および前記幅狭側壁(3,4)に対して平行な断面内に、鋳込まれる金属の凝固条件に依存して、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)との間に湾曲したプロファイル、好ましくは放物線状プロファイル(26)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記幅狭側方調整領域(12,13)に横方向に隣接する、前記中央拡張領域(11)および前記幅狭側方調整領域(12,13)からの変移は、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)とを、前記鋳型の前記縦軸線(23)および前記幅狭側壁(3,4)に対して平行な断面内で連結する、本質的に放物線状のプロファイル(26)を有する曲線からなることを特徴とする請求項12に記載の端部開放鋳型。
- 前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して直角をなす断面を備えた前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線における前記変曲接線の位置は、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)との間で、前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して平行な断面内に存在する、本質的に放物線状のプロファイル(26)を有する曲線をなしていることを特徴とする請求項12に記載の端部開放鋳型。
- 本質的に放物線状のプロファイル(26)を有する曲線は、ストランド収縮の程度により傾斜させられた構成となっていることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記鋳型の前記縦軸線(23)に対して直角をなす断面内における、前記拡張領域(11)の前記鋳型キャビティ(7)の前記輪郭線の曲率半径は、前記鋳型注入口端部(5)と前記鋳型出口端部(6)との間で、前記鋳型出口端部の方向に増大し、かつ前記出口端部において無限大となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記幅狭側方調整領域(12,13)における前記幅広側壁(1,2)は、本質的に互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
- 前記幅狭側壁(3,4)は、鋳込まれる金属それぞれの収縮挙動に依存して、凸状に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の端部開放鋳型。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |