JP2005503424A - 尿疾患の治療用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、泌尿器学の分野に関する。本発明は、(i)ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第1化合物と(ii)5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第2化合物との薬学的に有効な組み合わせ、および任意に薬学的に許容される担体または希釈剤を含む新規な医薬組成物を提供する。本発明はまた、人を含めた哺乳動物の尿疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする人を含めた哺乳動物に、治療に有効な量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、泌尿器学の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、一般に、尿疾患の治療に特定のアゴニストおよび/またはアンタゴニストの組み合わせを用いることに基づく。
【0002】
発明の背景
尿疾患およびその症状には、下記のいくつかまたは全てが含まれる:排尿切迫、頻尿、尿失禁、尿漏れ、遺尿、排尿障害、排尿躊躇、および膀胱を空にするのが困難。特に、尿疾患には、例えば、不安定または過剰活動性膀胱に起因する尿失禁が含まれる。
【0003】
下部尿路症状(LUTS)という用語は、よく認められる医学的状態を説明する。LUTSには下記のいくつかまたは全てが含まれる:閉塞性尿路症状、例えば遅い排尿、排尿終了時での滴下、排尿不能および/または許容される速度で排尿するのに緊張を必要とすること、または刺激性症状、例えば排尿切迫および/または頻尿。これらの刺激性症状は、前立腺肥大または近位尿道平滑筋過剰反応性に起因する膀胱排尿口閉塞に付随的な排尿筋過剰活動の結果として生じる。
【0004】
成人人口のかなりの部分(5〜10%)は尿失禁で悩んでおり、特に、いわゆる切迫尿失禁は、加齢と共に増加する。不安定または過剰活動性膀胱の症状には、切迫尿失禁、排尿切迫および頻尿が含まれる。緊張性尿失禁と組み合わさった切迫尿失禁(混合尿失禁)に臨床医はしばしば出会う。
【0005】
不安定または過剰活動性膀胱は、膀胱の充填期における膀胱の筋膜を形成する平滑筋線維の束(排尿筋)の制御されない収縮によって生じると推定される。これらの収縮はコリン作動性ムスカリン様レセプターによって主に制御され、不安定または過剰活動性膀胱の薬理学的治療は伝統的にムスカリン様レセプターアンタゴニストに基づいてきた。
【0006】
膀胱筋が不適切に収縮する理由は、多くの場合はっきりしない。ある人々の場合、それは脳から膀胱へ走る神経シグナルに関する問題による。時たま神経の小さな損傷が手術または出産によって生じる。この筋肉は正常な回数よりもしばしばかつ不適切な時に締まったり収縮する。排尿筋は、尿が膀胱を満たしているとき静止しないで、膀胱が尿で満たされつつあると同時に収縮する。これによって、膀胱がいっぱいでなくても、人々は排尿したいという突然のまたは時々の抗しがたい衝動を感じる。
【0007】
別の大きな尿疾患は間質性膀胱炎である。膀胱炎は膀胱および関連組織の炎症である。現在、万能の有効治療プログラムはない。膀胱炎の症状には、排尿切迫、排尿頻度の増加および恥骨上の痛み(通常は排尿によって和らぐ)、関節炎、痙攣性結腸、微熱および過敏が含まれる。膀胱炎の哺乳動物は著しく無力になることがあり、手術が必要になるかもしれない。膀胱炎は、例えば感染症、外傷、アレルギーおよび悪性疾患に起因することがある。
【0008】
米国特許第5,382,600号には、トルテロジンの一般名を有する、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンとしても知られる、2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール、並びに他の置換3,3−ジフェニルプロピルアミンが、尿失禁の治療に有用であると開示されている。H. Postlind等, Drug Metabolism and Disposition, 26(4): 289-293(1998)には、トルテロジンがムスカリン様レセプターアンタゴニストであることが開示されている。トルテロジン並びに他の置換3,3−ジフェニルプロピルアミンの活性代謝産物は米国特許第5,559,269号に開示されている。
【0009】
米国特許第4,377,584号には、良性の前立腺肥大の治療にフィナステリド、5α−レダクターゼ阻害剤を使用することが開示されている。
米国特許第4,026,894号には、抗高血圧薬としてテラゾシン、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを使用することが開示されている。α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは平滑筋を弛緩させる。
【0010】
米国特許第5,990,114号には、尿失禁に特定の5HT1aレセプターアンタゴニストを使用することが開示されている。
本技術分野における上記の前進にもかかわらず、多くの人々の生活の質をさらに改善する新規な医薬組成物の開発が望まれている。
発明の概要
これらおよび他の理由のため、本発明の目的は、人を含めた哺乳動物における新しい尿疾患治療用医薬組成物を提供することであり、その組成物は、不安定な膀胱収縮を妨げ、または抑制し、そして不十分な排尿に関連する問題を解消する。
【0011】
本発明の目的はまた、人を含めた哺乳動物における新しい尿疾患治療法を提供することであり、その方法は、不安定な膀胱収縮を効果的に妨げ、または抑制し、そして不十分な排尿に関連する問題を解消する。
【0012】
次の記載から明らかになるこれらおよび他の目的のために、本発明は、
(i)ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第1化合物と
(ii)5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第2化合物
との薬学的に有効な組み合わせ、そして任意に薬学的に許容される担体または希釈剤
を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0013】
本発明は、ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、5−HT1a−アゴニストまたは−アンタゴニストとの組み合わせが、以下にさらに詳しく記すように、膀胱収縮性および膀胱貯留に有利な刺激効果をもたらすのを見出したことに基づく。5−HT1a−アゴニストは、例えば逆のアゴニストでもよく、5−HT1a−アンタゴニストは中性5−HT1aレセプターアンタゴニストでもよい。
【0014】
本発明による組成物の好ましい態様では、第1化合物はムスカリン様レセプターアンタゴニスト、またはその先駆体もしくは薬学的に許容される塩である。
本発明による組成物のより好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストは置換3,3−ジフェニルプロピルアミンである。ムスカリン様レセプターアンタゴニスト活性を有する置換3,3−ジフェニルプロピルアミンは、発明の背景で引用したものである。
【0015】
本発明による組成物のさらにより好ましい態様では、置換3,3−ジフェニルプロピルアミンはトルテロジンおよびヒドロキシトルテロジンよりなる群から選択される。好ましくは、置換3,3−ジフェニルプロピルアミンはトルテロジンである。本発明の組成物の最も好ましい態様では、第1化合物はトルテロジンL−酒石酸塩である。
【0016】
本発明による組成物の別の好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストはオキシブチニンおよびその活性誘導体から選択される。その活性誘導体の中では、活性代謝産物N−デセチルオキシブチニンである。ムスカリン様レセプターアンタゴニストはオキシブチニンであるのが好ましい。
【0017】
本発明による組成物のさらに別の好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストはダリフェナジンおよびその活性誘導体から選択される。その活性誘導体の中では、活性3´−ヒドロキシル代謝産物である。ムスカリン様レセプターアンタゴニストはダリフェナジンであるのが好ましい。
【0018】
本発明による組成物の1つの好ましい態様では、第1化合物は約0.1〜約100mgの量で存在する。
本発明による組成物の好ましい態様では、第2化合物は中性5−HT1aレセプターアンタゴニストである。
【0019】
本発明による組成物の1つの好ましい態様では、第2化合物は約0.1mg〜約1gの量で存在する。
本発明による組成物の別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は同じ放出賦形剤中に保持される。
【0020】
本発明による組成物のさらに別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は異なる放出賦形剤中に保持される。
本発明による組成物の好ましい態様では、組成物は哺乳動物、特に人であるが、イヌおよびネコのようなペットを含めた動物における尿疾患を治療するためのものである。
【0021】
本発明による組成物のより好ましい態様では、疾患は、下部尿路症状、不安定または過剰活動性膀胱、膀胱流出閉塞、尿失禁、特に緊張性尿失禁、および間質性膀胱炎よりなる群から選択される。
【0022】
本発明による組成物の別の好ましい態様では、組成物は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
さらに、本発明は、人を含めた哺乳動物における尿疾患の治療用薬剤製造に本発明の組成物を用いるものである。本発明による使用の好ましい態様では、薬剤は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
【0023】
さらに、本発明は、人を含めた哺乳動物における尿疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする人を含めた哺乳動物に、治療に有効な量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0024】
本発明による方法の好ましい態様では、疾患は、下部尿路症状、不安定または過剰活動性膀胱、膀胱流出閉塞、尿失禁、特に緊張性尿失禁、および間質性膀胱炎よりなる群から選択される。
【0025】
本発明による方法の別の好ましい態様では、方法は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
本発明による方法の好ましい態様では、組成物は、直腸、膣内、局所、経口、舌下、鼻内、経皮または非経口投与される。
【0026】
本発明による方法の別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は同時に投与される。
本発明による方法のさらに別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は共存投与される。
【0027】
最後に、本発明は、
(i)上記のような第1化合物を含む第1の容器、
(ii)上記のような第2化合物を含む第2の容器、および
(iii)キットの使用説明書
を含む、人を含めた哺乳動物における尿疾患治療用医薬キットを提供する。
発明の説明
好ましい態様の説明では、明確にするために特定の用語を用いる。そのような用語は、列挙した態様、並びに類似の結果を得る類似の目的のために類似の方法で操作するあらゆる技術的に同等のものを包含するものである。薬学的に活性な化合物が開示または特許請求される範囲まで、生体内で生成される全ての活性代謝産物を含むことは明らかであり、そして、化合物がその光学的対掌、異性または互変異性形で存在しうる場合は、全ての光学的対掌体、異性体または互変異性体を含むことは明らかである。
【0028】
本発明は、
少なくとも1種のムスカリン様レセプターアンタゴニストまたは5α−レダクターゼ阻害剤またはα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストまたはノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤、および
5−HT1aアゴニストまたはアンタゴニスト
の組み合わせである新規な組成物を提供する。本発明の組成物は尿疾患の治療に有用である。
【0029】
尿疾患治療用の特に好ましい組成物は、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1aアンタゴニストとの組み合わせである。
本発明により、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1aアンタゴニストとの組み合わせでの治療が、膀胱収縮性および膀胱貯留に同時効果をもたらすことを見出したことは、意外なことでありかつ特許性のあることである。
【0030】
抗ムスカリン様治療は、中枢神経系からの遠心性インパルスに対する反応を阻害することによって効果器に作用する。従って、抗ムスカリン様治療は、特により高い投与量で、充填期の不安定な膀胱収縮を妨げるが、排出期に誘導される収縮も妨げ、それによって、排尿圧が低下することになり、最終的には膀胱が完全に空にならないというマイナスの結果となる。この効果は、これらの薬剤の許容される別の投与の可能性を制限する。さらに、抗ムスカリン様治療は、主に唾液腺、腸、およびCNSのような他の組織におけるムスカリン様レセプターの遮断により、それぞれ、ドライマウス、便秘および錯乱のような尿生殖器系以外での副作用をもたらす。膀胱平滑筋に対する選択性を有するトルテロジンのような新しい抗ムスカリン様薬剤を導入することによって、これらの副作用はある程度まで減じられてきた。しかしながら、膀胱選択性抗ムスカリン様薬剤でさえ、上記の排尿収縮におけるそれらの効果による過剰活動性膀胱の治療の場合、常に限定されるであろう。
【0031】
抗ムスカリン様薬剤の効果は動物モデルの範囲内で研究されており、それらが膀胱容量へ直接影響を及ぼすことなく排尿または排尿収縮の程度を減じることが一貫して示されている。これらの薬剤の場合、膀胱容量への影響が排尿圧の著しい減少と付随して生じることが常に示されてきた。
【0032】
膀胱の貯留作用に直接影響を及ぼさない臨床的に利用可能な薬剤はない。しかしながら、5−HT1a−アゴニストまたは−アンタゴニスト、特に中性5−HT1a−アンタゴニストと、抗ムスカリン様薬剤または5α−レダクターゼ阻害剤またはα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストまたはノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤、特に抗ムスカリン様薬剤との組み合わせが、膀胱の収縮性にマイナスの結果をもたらすことなく膀胱容量を増加させることをこのたび見出した。
【0033】
膀胱収縮性における抗ムスカリン様薬剤の効果評価モデルにおいて、中性5−HT−アンタゴニストと抗ムスカリン様薬剤との同時投与が、膀胱収縮性における抗ムスカリン様薬剤の効果を減少させないことが重要である。
【0034】
さらに、膀胱容量および排尿反射抑制における中性5−HT1a−アンタゴニストの効果を評価するためのモデルにおいて、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1a−アンタゴニストとの同時投与は、膀胱容量における5−HT1a−アンタゴニストの効果または排尿反射におけるその効果を減少させない。
【0035】
本発明の医薬組成物において有用なムスカリン様レセプターアンタゴニスト、すなわち抗ムスカリン様薬剤には、限定されないが、非選択性薬剤、膀胱−選択性薬剤およびムスカリン様M3レセプター−選択性薬剤が含まれる。ムスカリン様レセプターアンタゴニストの例は、限定されないが、トルテロジンおよびその活性代謝産物、例えばヒドロキシトルテロジン、YM905、プロピベリン、オキシブチニン、トロスピウム、プロパンテリン、ダリフェナシン、テミベリン、およびイプラトロピウム、並びにそれらの薬学的に許容される塩である。YM905は(1S)−(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル 3,4−ジヒドロ−1−フェニル−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートと配合したブタン二酸(1:1)(9CI)である。プロピベリンは1−メチル−4−ピペリジル−α,α−ジフェニル−α−(n−プロポキシ)アセテートであり、東ドイツ特許第106,643号およびCAS82−155841s(1975)に記載されている。オキシブチニンは4−(ジエチルアミノ)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレートであり、英国特許第940,540号に記載されている。トロスピウムは3α−ヒドロキシスピロ[1αH,5αH−ノルトロパン−8,1´−ピロリジニウム]クロリドベンジレートであり、米国特許第3,480,623号に記載されている。ダリフェナシンは(S)−2−{1−[2−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)エチル]−3−ピロリジニル}−2,2−ジフェニル−アセトアミドであり、米国特許第5,096,890号に記載されている。テミベリンはベンゼン酢酸、α−シクロヘキシル−α−ヒドロキシ−、4−(ジエチルアミノ)−1,1−ジメチル−2−ブチニルエステルであり、米国特許第5,036,098号に記載されている。イプラトロピウムは8−イソプロピルノルアトロピンメトブロマイドであり、米国特許第3,505,337号に記載されている。
【0036】
好ましいムスカリン様レセプターアンタゴニストは、抗ムスカリン様活性を有する置換3,3−ジフェニルプロピルアミン(例えば、米国特許第5,382,600号に記載されているもの)、並びにそれらの薬学的に許容される塩である。好ましいムスカリン様レセプターアンタゴニストには、限定されないが、トルテロジンおよびヒドロキシトルテロジン、オキシブチニンおよびそれらの活性誘導体、例えばN−デセチルオキシブチニン、およびダリフェナシンおよびその活性誘導体、例えばその3´−ヒドロキシル代謝産物、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0037】
本発明の医薬組成物において有用な5α−レダクターゼ阻害剤には、限定されないが、フィナステリド(米国特許第4,377,584号)、ドゥタステリド(米国特許第5,565,467号)、エプリステリド(米国特許第5,017,568号)、およびツロステリド(米国特許第5,155,107号)、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0038】
本発明の医薬組成物において有用なα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストには、限定されないが、テラゾシン(米国特許第4,026,894号)、ドキサゾシン(米国特許第4,188,390号)、プラゾシン(米国特許第3,511,836号)、ブナゾシン(米国特許第3,920,636号)、インドラミン(米国特許第3,527,761号)、アルフゾシン(米国特許第4,315,007号)、アバノクイル(米国特許第4,686,228号)、ナフトピジル(米国特許第3,997,666号)、フェントラミン、タムスロシン(米国特許第4,703,063号)、トラゾドン、ダピプラゾール、フェノキシベンズアミン、イダゾキサン(米国特許第4,818,764号)、エファロキサン(米国特許第4,411,908号)、ヨヒムビン、ジベンズアミン、トリマゾシン、トラゾリン、コリンタミン、ラウウォルシン、タムスロシン、およびピペロキサン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0039】
本発明の医薬組成物において有用なノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤には、限定されないが、ダロキセチン(米国特許第4,956,388号)、レボキセチン、[S,S]−レボキセチンスクシネート塩、並びにレボキセチンおよびセルトラリンのラセミ化合物(ゾロフト)が含まれる。
【0040】
第1化合物の投与量の選択は、患者の苦痛を和らげることができる量である。周知のようにこの化合物の投与量および投与管理(すなわち、1日当たり1、2、3回またはそれ以上の投与)は、選択された特定化合物の効果、投与方式、患者の年齢および体重、治療すべき状態の重症度等のようないくつかのファクターに基づく。これは医師の技術範囲に入ると考えられ、医師は成分に関する現存文献を検討して最適な投与を決定することができる。
【0041】
第1化合物が抗ムスカリン様薬剤であるとき、第1化合物の成人1日当たりの平均投与量は約0.05〜約5mg/kg体重であり、それぞれ約0.05〜約250mgの含有量で1回以上投与する。
【0042】
第1化合物が5α−レダクターゼ阻害剤であるとき、第1化合物は1回の投与当たり約2〜約20mg、好ましくは約5mg存在するのが好ましい。
第1化合物がα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストであるとき、第1化合物は1回の投与当たり約1〜約25mg、好ましくは約10mg存在するのが好ましい。
【0043】
本発明の医薬組成物において有用な5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニストには、限定されないが、5−HT1aサブタイプの5−HTレセプターに結合することによって中枢神経系に作用する化合物が含まれる。5−HT1aレセプターアンタゴニストの例は、限定されないが、WAY−100,635、すなわち、シクロヘキサンカルボキサミド、N−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−N−2−ピリジニル−、トリヒドロクロリド、ロバルゾタン、すなわち、(3R)−3−(ジシクロブチルアミノ)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−5−カルボキサミド、およびLY426965、すなわち、[(2S)−(±)−1−シクロヘキシル−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−2−メチル−2−フェニル−1−ブタノンモノヒドロクロリド]である。一般に、化合物は、α1およびD2レセプターのような他のレセプターに結合するよりもはるかに大きな程度で、5−HT1aサブタイプのレセプターに選択的に結合する。さらに、それらは薬理学的試験において5−HT1a−アゴニストおよび−アンタゴニストとして活性を示す。本発明の5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニストは、哺乳動物、特に人における不安のようなCNS疾患の治療に用いることができる。それらはまた、抗うつ薬、低血圧症薬、睡眠/目覚めサイクル、食事行動および/または性的機能を調節するための薬剤、認識障害を治療するための薬剤、および下部尿路の神経筋障害、特に尿意(排尿)を含むもの、例えば排尿障害、尿失禁、および遺尿を治療するための薬剤としても用いうる。
【0044】
中性アンタゴニストは、レセプターに結合し、レセプターにおいて固有の活性を持たないが、アゴニストによって引き出されるレセプター仲介機能活性を遮断する化合物である。これに関して、アゴニストとは、レセプターに結合し、レセプター仲介機能反応、例えば、限定されないが、アデニリルシクラーゼ活性またはカリウムチャンネル活性化の5−HT1a仲介阻害を活性化する化合物と定義される。
【0045】
第2化合物の投与量および投与管理(すなわち、1日当たり1、2、3回またはそれ以上の投与)は、第1化合物の選択された投与量に関連して示したファクターに基づく。第2化合物の成人1日当たりの平均投与量は約1μg〜約10mg/kg体重であり、それぞれ約50μg〜約1gの含有量で1回以上投与する。小児の投与量はこれより少ない。
【0046】
本発明の組成物で用いる薬学的に許容される塩の例は、限定されないが、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、臭化物、ブチン−1,4−二酸塩、カプロン酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、シュウ酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、キシレンスルホン酸塩等である。
【0047】
本発明の組成物は、都合のよいことには、適当な賦形剤と組み合わせた活性化合物を含有する医薬組成物の形で投与することができる。そのような医薬組成物は、本技術分野で周知の方法で製造することができ、そして本技術分野で周知の賦形剤を含有することができる。そのような方法および成分の一般に認められる概論は、E. W. MartinによるRemington´s Pharmaceutical Sciences(マーク出版、15版、1975)である。必要な範囲は、この引例を参照することによってここに記載されたものとする。本発明の組成物は非経口投与(例えば、静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内注射による)、局所、経口、舌下、経皮、鼻内、膣内、または直腸投与することができ、経口投与が特に好ましい。
【0048】
経口治療投与の場合、本発明の組成物は1種以上の賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、口内錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエファー、チューインガム、食品等の形で用いることができる。そのような組成物および製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含んでいるのが好ましい。もちろん、組成物および製剤の割合は変えてもよく、一定単位投与形の約0.1〜約100重量%であると都合がよい。そのような医薬的に有用な組成物中の活性化合物の量は、効果的な投与量レベルが得られるものである。
【0049】
錠剤、トローチ、ピル、カプセル等は次の成分をさらに含む:結合剤、例えばトラガカントガム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えばサッカロース、フルクトース、ラクトースもしくはアスパラギン酸塩または風味剤、例えばペパーミント、ヒメコウジ油、またはチェリー香料。上に挙げたものは代表的なものにすぎない。本技術分野における当業者であれば他の結合剤、賦形剤、甘味剤等を思いつくことができるであろう。単位投与形がカプセルであるとき、上記の材料の他に、液体担体、例えば植物油またはポリエチレングリコールを含んでいてもよい。他の様々な材料はコーティングとして存在しても、あるいは固体単位投与形の物理的な形を調節するために存在してもよい。例えば、錠剤、ピル、またはカプセルはゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖等で被覆してもよい。シロップまたはエリキシルは活性化合物、甘味剤としてのサッカロースまたはフルクトース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、およびチェリーまたはオレンジ風味としての風味剤を含んでいてもよい。もちろん、単位投与形の製造に用いられるどのような材料も薬学的に許容され、かつ用いられる量で実質的に非毒性でなければならない。さらに、活性成分は持続放出製剤およびデバイス、例えば、限定されないが、望ましい放出特性を得るために浸透圧に依存する持続放出製剤およびデバイスに組み込んでもよい。各活性成分ごとの配合物を1日1回投与することも特に含まれる。
【0050】
2種以上の活性化合物を含有する本発明の組成物は、上記投与量に従いそして上記放出賦形剤中に同じ物理的形態ですなわち共存させて投与してもよい。各活性化合物の投与量は別々に判定することができ、そして単一組み合わせ投与としてまたは別々に投与することができる。それらは、両活性化合物が24時間を通じて一度は患者内にある限り、同時にまたは異なる時間に投与しうる。共存または同時投与とは、患者が1種類の薬剤を、他の薬剤を取る約5分以内に取ることを意味する。
【0051】
本発明はまた、人を含めた哺乳動物における尿疾患を治療するための医薬キットを提供する。組成物と同様に、キットは、上記のような第1化合物を含む第1の容器、上記のような第2化合物を含む第2の容器、およびキットの使用説明書を含む。
【0052】
「薬学的に許容される」とは、薬理学的/毒物学的観点から患者に、および組成物、製剤、安定性、患者の受容および生物学的利用能に関する物理的/化学的観点から薬剤師に受け入れられる性質および/または物質を指す。
【0053】
本発明の組成物は尿疾患の治療に用いられるものである。特に、組成物はどのようなタイプのLUTSまたは尿失禁、例えば緊張性尿失禁、真性緊張性尿失禁、および混合尿失禁の治療にも有用である。緊張性尿失禁は、せきまたはくしゃみのような腹腔内圧を上げる活動を行ったときの不随意の尿漏れを表す症状である。緊張性尿失禁はまた、介護者によって観察される、患者がせきまたはくしゃみをしたとき尿道(口)から漏れる尿の噴出の臨床的徴候でもある。真性緊張性尿失禁(切迫尿失禁)は、尿力学試験によって診断されるような不完全尿道括約筋の病理学的診断である。混合尿失禁は、緊張性尿失禁が切迫尿失禁と組み合わさったものである。後者は過剰活動性膀胱の合併症状の一部である。停滞は、流出閉塞(例えば、高尿道圧)、乏しい排尿筋(膀胱筋)収縮性、または排尿筋収縮と尿道弛緩との間の調整欠如による。本発明の薬剤の組み合わせは、緊張性尿失禁、切迫尿失禁または混合尿失禁に関して用いることができる。
【0054】
本発明の組成物はまた、間質性膀胱の治療に用いられる。
尿疾患の抗ムスカリン様治療が残尿の増加によって制限される状況では、治療は中性5−HT1aアンタゴニストを加えることによって高めることができる。この状況は、例えば前立腺肥大による、膀胱流出閉塞と付随して生じる過剰活動性膀胱の患者に特に見られるようである。
【0055】
他の場合、抗ムスカリン様治療は耐えられない副作用、例えばドライマウスによって制限されることがある。そのような場合、抗ムスカリン様投与量を減少させてもよいが、効果は中性5−HT1aアンタゴニストを加えることによって維持される。この組み合わせによって、膀胱に対して選択的でない抗ムスカリン様薬剤を、これらの薬剤が他のより膀胱選択性である薬剤よりも好ましい状況で使用することが可能になる。
【0056】
別の状況では、中性5−HT1aアンタゴニストでの治療は、膀胱収縮性効果がないことにより制限されるかもしれない。そのような場合、抗ムスカリン様薬剤を加えると追加の効果がもたらされる。そのような状況は、膀胱過剰反射、反射膀胱収縮の増大を伴うことが知られている状態の患者であるかもしれない。
【0057】
さらに別の状況では、中性5−HT1aアンタゴニストの有効性が副作用によって制限されるかもしれない。そのような場合、5−HTアンタゴニストの投与量の調整、およびそれによる効果は、抗ムスカリン様薬剤を加えることによって補うことができる。
【0058】
新規組成物は、有害な副作用できるだけ少なくして、上記の疾患または障害で悩んでいる患者の苦痛を速やかに緩和すると考えられる。
次の実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されない。
実施例
実施例1
医薬組成物は、トルテロジンと中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、トルテロジンを約0.05〜約4mg/kg患者の体重(例えば、体重60kgの人では3〜約240mg)、および中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.01〜約1mg/kg患者の体重含む。組成物は尿失禁、特に緊張性尿失禁、切迫尿失禁または混合尿失禁の治療のために患者に投与される。
実施例2
第1の医薬組成物は、中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを薬学的に許容される担体中で、約0.5〜約50mg/日の中性5−HT1aレセプターアンタゴニストが放出されるように、混合することによって製造される。第2の医薬組成物は、トルテロジンを薬学的に許容される担体中で、約0.05〜約4mg/kg患者の体重/日のトルテロジンが放出されるように、混合することによって製造される。
【0059】
第1の組成物は、1種以上の尿失禁に悩む患者に、1日に1、2、3、4回または6回、約0.5〜約50mg/日で投与する。第2の組成物は、同じ患者に、第1の組成物と同時に、または第1組成物を投与した24時間以内のいずれかの時間に1、2、3、4回または6回、1日当たりの投与量が約0.05〜約4mg/kg患者の体重のトルテロジンとなるように投与する。あるいは、第2組成物をまず投与し、次に、第1組成物を同時にまたは24時間以内に記載のように投与してもよい。
実施例3
医薬組成物は、5α−レダクターゼ阻害剤と中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、5α−レダクターゼ阻害剤を約2〜約20mgおよび中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.5〜約50mg/含む。組成物は尿疾患の治療のために患者に投与される。
実施例4
医薬組成物は、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストと中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを約1〜約25mgおよび中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.5〜約50mg/含む。組成物は尿疾患の治療のために患者に投与される。
【0060】
本発明を詳しくそして好ましい態様を参照することによって説明してきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく変更することが可能なことは明らかである。
【0001】
本発明は、泌尿器学の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、一般に、尿疾患の治療に特定のアゴニストおよび/またはアンタゴニストの組み合わせを用いることに基づく。
【0002】
発明の背景
尿疾患およびその症状には、下記のいくつかまたは全てが含まれる:排尿切迫、頻尿、尿失禁、尿漏れ、遺尿、排尿障害、排尿躊躇、および膀胱を空にするのが困難。特に、尿疾患には、例えば、不安定または過剰活動性膀胱に起因する尿失禁が含まれる。
【0003】
下部尿路症状(LUTS)という用語は、よく認められる医学的状態を説明する。LUTSには下記のいくつかまたは全てが含まれる:閉塞性尿路症状、例えば遅い排尿、排尿終了時での滴下、排尿不能および/または許容される速度で排尿するのに緊張を必要とすること、または刺激性症状、例えば排尿切迫および/または頻尿。これらの刺激性症状は、前立腺肥大または近位尿道平滑筋過剰反応性に起因する膀胱排尿口閉塞に付随的な排尿筋過剰活動の結果として生じる。
【0004】
成人人口のかなりの部分(5〜10%)は尿失禁で悩んでおり、特に、いわゆる切迫尿失禁は、加齢と共に増加する。不安定または過剰活動性膀胱の症状には、切迫尿失禁、排尿切迫および頻尿が含まれる。緊張性尿失禁と組み合わさった切迫尿失禁(混合尿失禁)に臨床医はしばしば出会う。
【0005】
不安定または過剰活動性膀胱は、膀胱の充填期における膀胱の筋膜を形成する平滑筋線維の束(排尿筋)の制御されない収縮によって生じると推定される。これらの収縮はコリン作動性ムスカリン様レセプターによって主に制御され、不安定または過剰活動性膀胱の薬理学的治療は伝統的にムスカリン様レセプターアンタゴニストに基づいてきた。
【0006】
膀胱筋が不適切に収縮する理由は、多くの場合はっきりしない。ある人々の場合、それは脳から膀胱へ走る神経シグナルに関する問題による。時たま神経の小さな損傷が手術または出産によって生じる。この筋肉は正常な回数よりもしばしばかつ不適切な時に締まったり収縮する。排尿筋は、尿が膀胱を満たしているとき静止しないで、膀胱が尿で満たされつつあると同時に収縮する。これによって、膀胱がいっぱいでなくても、人々は排尿したいという突然のまたは時々の抗しがたい衝動を感じる。
【0007】
別の大きな尿疾患は間質性膀胱炎である。膀胱炎は膀胱および関連組織の炎症である。現在、万能の有効治療プログラムはない。膀胱炎の症状には、排尿切迫、排尿頻度の増加および恥骨上の痛み(通常は排尿によって和らぐ)、関節炎、痙攣性結腸、微熱および過敏が含まれる。膀胱炎の哺乳動物は著しく無力になることがあり、手術が必要になるかもしれない。膀胱炎は、例えば感染症、外傷、アレルギーおよび悪性疾患に起因することがある。
【0008】
米国特許第5,382,600号には、トルテロジンの一般名を有する、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンとしても知られる、2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール、並びに他の置換3,3−ジフェニルプロピルアミンが、尿失禁の治療に有用であると開示されている。H. Postlind等, Drug Metabolism and Disposition, 26(4): 289-293(1998)には、トルテロジンがムスカリン様レセプターアンタゴニストであることが開示されている。トルテロジン並びに他の置換3,3−ジフェニルプロピルアミンの活性代謝産物は米国特許第5,559,269号に開示されている。
【0009】
米国特許第4,377,584号には、良性の前立腺肥大の治療にフィナステリド、5α−レダクターゼ阻害剤を使用することが開示されている。
米国特許第4,026,894号には、抗高血圧薬としてテラゾシン、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを使用することが開示されている。α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは平滑筋を弛緩させる。
【0010】
米国特許第5,990,114号には、尿失禁に特定の5HT1aレセプターアンタゴニストを使用することが開示されている。
本技術分野における上記の前進にもかかわらず、多くの人々の生活の質をさらに改善する新規な医薬組成物の開発が望まれている。
発明の概要
これらおよび他の理由のため、本発明の目的は、人を含めた哺乳動物における新しい尿疾患治療用医薬組成物を提供することであり、その組成物は、不安定な膀胱収縮を妨げ、または抑制し、そして不十分な排尿に関連する問題を解消する。
【0011】
本発明の目的はまた、人を含めた哺乳動物における新しい尿疾患治療法を提供することであり、その方法は、不安定な膀胱収縮を効果的に妨げ、または抑制し、そして不十分な排尿に関連する問題を解消する。
【0012】
次の記載から明らかになるこれらおよび他の目的のために、本発明は、
(i)ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第1化合物と
(ii)5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第2化合物
との薬学的に有効な組み合わせ、そして任意に薬学的に許容される担体または希釈剤
を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0013】
本発明は、ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、5−HT1a−アゴニストまたは−アンタゴニストとの組み合わせが、以下にさらに詳しく記すように、膀胱収縮性および膀胱貯留に有利な刺激効果をもたらすのを見出したことに基づく。5−HT1a−アゴニストは、例えば逆のアゴニストでもよく、5−HT1a−アンタゴニストは中性5−HT1aレセプターアンタゴニストでもよい。
【0014】
本発明による組成物の好ましい態様では、第1化合物はムスカリン様レセプターアンタゴニスト、またはその先駆体もしくは薬学的に許容される塩である。
本発明による組成物のより好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストは置換3,3−ジフェニルプロピルアミンである。ムスカリン様レセプターアンタゴニスト活性を有する置換3,3−ジフェニルプロピルアミンは、発明の背景で引用したものである。
【0015】
本発明による組成物のさらにより好ましい態様では、置換3,3−ジフェニルプロピルアミンはトルテロジンおよびヒドロキシトルテロジンよりなる群から選択される。好ましくは、置換3,3−ジフェニルプロピルアミンはトルテロジンである。本発明の組成物の最も好ましい態様では、第1化合物はトルテロジンL−酒石酸塩である。
【0016】
本発明による組成物の別の好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストはオキシブチニンおよびその活性誘導体から選択される。その活性誘導体の中では、活性代謝産物N−デセチルオキシブチニンである。ムスカリン様レセプターアンタゴニストはオキシブチニンであるのが好ましい。
【0017】
本発明による組成物のさらに別の好ましい態様では、ムスカリン様レセプターアンタゴニストはダリフェナジンおよびその活性誘導体から選択される。その活性誘導体の中では、活性3´−ヒドロキシル代謝産物である。ムスカリン様レセプターアンタゴニストはダリフェナジンであるのが好ましい。
【0018】
本発明による組成物の1つの好ましい態様では、第1化合物は約0.1〜約100mgの量で存在する。
本発明による組成物の好ましい態様では、第2化合物は中性5−HT1aレセプターアンタゴニストである。
【0019】
本発明による組成物の1つの好ましい態様では、第2化合物は約0.1mg〜約1gの量で存在する。
本発明による組成物の別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は同じ放出賦形剤中に保持される。
【0020】
本発明による組成物のさらに別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は異なる放出賦形剤中に保持される。
本発明による組成物の好ましい態様では、組成物は哺乳動物、特に人であるが、イヌおよびネコのようなペットを含めた動物における尿疾患を治療するためのものである。
【0021】
本発明による組成物のより好ましい態様では、疾患は、下部尿路症状、不安定または過剰活動性膀胱、膀胱流出閉塞、尿失禁、特に緊張性尿失禁、および間質性膀胱炎よりなる群から選択される。
【0022】
本発明による組成物の別の好ましい態様では、組成物は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
さらに、本発明は、人を含めた哺乳動物における尿疾患の治療用薬剤製造に本発明の組成物を用いるものである。本発明による使用の好ましい態様では、薬剤は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
【0023】
さらに、本発明は、人を含めた哺乳動物における尿疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする人を含めた哺乳動物に、治療に有効な量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0024】
本発明による方法の好ましい態様では、疾患は、下部尿路症状、不安定または過剰活動性膀胱、膀胱流出閉塞、尿失禁、特に緊張性尿失禁、および間質性膀胱炎よりなる群から選択される。
【0025】
本発明による方法の別の好ましい態様では、方法は、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである。
本発明による方法の好ましい態様では、組成物は、直腸、膣内、局所、経口、舌下、鼻内、経皮または非経口投与される。
【0026】
本発明による方法の別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は同時に投与される。
本発明による方法のさらに別の好ましい態様では、第1化合物および第2化合物は共存投与される。
【0027】
最後に、本発明は、
(i)上記のような第1化合物を含む第1の容器、
(ii)上記のような第2化合物を含む第2の容器、および
(iii)キットの使用説明書
を含む、人を含めた哺乳動物における尿疾患治療用医薬キットを提供する。
発明の説明
好ましい態様の説明では、明確にするために特定の用語を用いる。そのような用語は、列挙した態様、並びに類似の結果を得る類似の目的のために類似の方法で操作するあらゆる技術的に同等のものを包含するものである。薬学的に活性な化合物が開示または特許請求される範囲まで、生体内で生成される全ての活性代謝産物を含むことは明らかであり、そして、化合物がその光学的対掌、異性または互変異性形で存在しうる場合は、全ての光学的対掌体、異性体または互変異性体を含むことは明らかである。
【0028】
本発明は、
少なくとも1種のムスカリン様レセプターアンタゴニストまたは5α−レダクターゼ阻害剤またはα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストまたはノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤、および
5−HT1aアゴニストまたはアンタゴニスト
の組み合わせである新規な組成物を提供する。本発明の組成物は尿疾患の治療に有用である。
【0029】
尿疾患治療用の特に好ましい組成物は、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1aアンタゴニストとの組み合わせである。
本発明により、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1aアンタゴニストとの組み合わせでの治療が、膀胱収縮性および膀胱貯留に同時効果をもたらすことを見出したことは、意外なことでありかつ特許性のあることである。
【0030】
抗ムスカリン様治療は、中枢神経系からの遠心性インパルスに対する反応を阻害することによって効果器に作用する。従って、抗ムスカリン様治療は、特により高い投与量で、充填期の不安定な膀胱収縮を妨げるが、排出期に誘導される収縮も妨げ、それによって、排尿圧が低下することになり、最終的には膀胱が完全に空にならないというマイナスの結果となる。この効果は、これらの薬剤の許容される別の投与の可能性を制限する。さらに、抗ムスカリン様治療は、主に唾液腺、腸、およびCNSのような他の組織におけるムスカリン様レセプターの遮断により、それぞれ、ドライマウス、便秘および錯乱のような尿生殖器系以外での副作用をもたらす。膀胱平滑筋に対する選択性を有するトルテロジンのような新しい抗ムスカリン様薬剤を導入することによって、これらの副作用はある程度まで減じられてきた。しかしながら、膀胱選択性抗ムスカリン様薬剤でさえ、上記の排尿収縮におけるそれらの効果による過剰活動性膀胱の治療の場合、常に限定されるであろう。
【0031】
抗ムスカリン様薬剤の効果は動物モデルの範囲内で研究されており、それらが膀胱容量へ直接影響を及ぼすことなく排尿または排尿収縮の程度を減じることが一貫して示されている。これらの薬剤の場合、膀胱容量への影響が排尿圧の著しい減少と付随して生じることが常に示されてきた。
【0032】
膀胱の貯留作用に直接影響を及ぼさない臨床的に利用可能な薬剤はない。しかしながら、5−HT1a−アゴニストまたは−アンタゴニスト、特に中性5−HT1a−アンタゴニストと、抗ムスカリン様薬剤または5α−レダクターゼ阻害剤またはα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストまたはノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤、特に抗ムスカリン様薬剤との組み合わせが、膀胱の収縮性にマイナスの結果をもたらすことなく膀胱容量を増加させることをこのたび見出した。
【0033】
膀胱収縮性における抗ムスカリン様薬剤の効果評価モデルにおいて、中性5−HT−アンタゴニストと抗ムスカリン様薬剤との同時投与が、膀胱収縮性における抗ムスカリン様薬剤の効果を減少させないことが重要である。
【0034】
さらに、膀胱容量および排尿反射抑制における中性5−HT1a−アンタゴニストの効果を評価するためのモデルにおいて、抗ムスカリン様薬剤と中性5−HT1a−アンタゴニストとの同時投与は、膀胱容量における5−HT1a−アンタゴニストの効果または排尿反射におけるその効果を減少させない。
【0035】
本発明の医薬組成物において有用なムスカリン様レセプターアンタゴニスト、すなわち抗ムスカリン様薬剤には、限定されないが、非選択性薬剤、膀胱−選択性薬剤およびムスカリン様M3レセプター−選択性薬剤が含まれる。ムスカリン様レセプターアンタゴニストの例は、限定されないが、トルテロジンおよびその活性代謝産物、例えばヒドロキシトルテロジン、YM905、プロピベリン、オキシブチニン、トロスピウム、プロパンテリン、ダリフェナシン、テミベリン、およびイプラトロピウム、並びにそれらの薬学的に許容される塩である。YM905は(1S)−(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル 3,4−ジヒドロ−1−フェニル−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートと配合したブタン二酸(1:1)(9CI)である。プロピベリンは1−メチル−4−ピペリジル−α,α−ジフェニル−α−(n−プロポキシ)アセテートであり、東ドイツ特許第106,643号およびCAS82−155841s(1975)に記載されている。オキシブチニンは4−(ジエチルアミノ)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレートであり、英国特許第940,540号に記載されている。トロスピウムは3α−ヒドロキシスピロ[1αH,5αH−ノルトロパン−8,1´−ピロリジニウム]クロリドベンジレートであり、米国特許第3,480,623号に記載されている。ダリフェナシンは(S)−2−{1−[2−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)エチル]−3−ピロリジニル}−2,2−ジフェニル−アセトアミドであり、米国特許第5,096,890号に記載されている。テミベリンはベンゼン酢酸、α−シクロヘキシル−α−ヒドロキシ−、4−(ジエチルアミノ)−1,1−ジメチル−2−ブチニルエステルであり、米国特許第5,036,098号に記載されている。イプラトロピウムは8−イソプロピルノルアトロピンメトブロマイドであり、米国特許第3,505,337号に記載されている。
【0036】
好ましいムスカリン様レセプターアンタゴニストは、抗ムスカリン様活性を有する置換3,3−ジフェニルプロピルアミン(例えば、米国特許第5,382,600号に記載されているもの)、並びにそれらの薬学的に許容される塩である。好ましいムスカリン様レセプターアンタゴニストには、限定されないが、トルテロジンおよびヒドロキシトルテロジン、オキシブチニンおよびそれらの活性誘導体、例えばN−デセチルオキシブチニン、およびダリフェナシンおよびその活性誘導体、例えばその3´−ヒドロキシル代謝産物、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0037】
本発明の医薬組成物において有用な5α−レダクターゼ阻害剤には、限定されないが、フィナステリド(米国特許第4,377,584号)、ドゥタステリド(米国特許第5,565,467号)、エプリステリド(米国特許第5,017,568号)、およびツロステリド(米国特許第5,155,107号)、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0038】
本発明の医薬組成物において有用なα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストには、限定されないが、テラゾシン(米国特許第4,026,894号)、ドキサゾシン(米国特許第4,188,390号)、プラゾシン(米国特許第3,511,836号)、ブナゾシン(米国特許第3,920,636号)、インドラミン(米国特許第3,527,761号)、アルフゾシン(米国特許第4,315,007号)、アバノクイル(米国特許第4,686,228号)、ナフトピジル(米国特許第3,997,666号)、フェントラミン、タムスロシン(米国特許第4,703,063号)、トラゾドン、ダピプラゾール、フェノキシベンズアミン、イダゾキサン(米国特許第4,818,764号)、エファロキサン(米国特許第4,411,908号)、ヨヒムビン、ジベンズアミン、トリマゾシン、トラゾリン、コリンタミン、ラウウォルシン、タムスロシン、およびピペロキサン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0039】
本発明の医薬組成物において有用なノルエピネフリンおよび/またはセロトニン再取り込み阻害剤には、限定されないが、ダロキセチン(米国特許第4,956,388号)、レボキセチン、[S,S]−レボキセチンスクシネート塩、並びにレボキセチンおよびセルトラリンのラセミ化合物(ゾロフト)が含まれる。
【0040】
第1化合物の投与量の選択は、患者の苦痛を和らげることができる量である。周知のようにこの化合物の投与量および投与管理(すなわち、1日当たり1、2、3回またはそれ以上の投与)は、選択された特定化合物の効果、投与方式、患者の年齢および体重、治療すべき状態の重症度等のようないくつかのファクターに基づく。これは医師の技術範囲に入ると考えられ、医師は成分に関する現存文献を検討して最適な投与を決定することができる。
【0041】
第1化合物が抗ムスカリン様薬剤であるとき、第1化合物の成人1日当たりの平均投与量は約0.05〜約5mg/kg体重であり、それぞれ約0.05〜約250mgの含有量で1回以上投与する。
【0042】
第1化合物が5α−レダクターゼ阻害剤であるとき、第1化合物は1回の投与当たり約2〜約20mg、好ましくは約5mg存在するのが好ましい。
第1化合物がα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストであるとき、第1化合物は1回の投与当たり約1〜約25mg、好ましくは約10mg存在するのが好ましい。
【0043】
本発明の医薬組成物において有用な5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニストには、限定されないが、5−HT1aサブタイプの5−HTレセプターに結合することによって中枢神経系に作用する化合物が含まれる。5−HT1aレセプターアンタゴニストの例は、限定されないが、WAY−100,635、すなわち、シクロヘキサンカルボキサミド、N−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−N−2−ピリジニル−、トリヒドロクロリド、ロバルゾタン、すなわち、(3R)−3−(ジシクロブチルアミノ)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−5−カルボキサミド、およびLY426965、すなわち、[(2S)−(±)−1−シクロヘキシル−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−2−メチル−2−フェニル−1−ブタノンモノヒドロクロリド]である。一般に、化合物は、α1およびD2レセプターのような他のレセプターに結合するよりもはるかに大きな程度で、5−HT1aサブタイプのレセプターに選択的に結合する。さらに、それらは薬理学的試験において5−HT1a−アゴニストおよび−アンタゴニストとして活性を示す。本発明の5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニストは、哺乳動物、特に人における不安のようなCNS疾患の治療に用いることができる。それらはまた、抗うつ薬、低血圧症薬、睡眠/目覚めサイクル、食事行動および/または性的機能を調節するための薬剤、認識障害を治療するための薬剤、および下部尿路の神経筋障害、特に尿意(排尿)を含むもの、例えば排尿障害、尿失禁、および遺尿を治療するための薬剤としても用いうる。
【0044】
中性アンタゴニストは、レセプターに結合し、レセプターにおいて固有の活性を持たないが、アゴニストによって引き出されるレセプター仲介機能活性を遮断する化合物である。これに関して、アゴニストとは、レセプターに結合し、レセプター仲介機能反応、例えば、限定されないが、アデニリルシクラーゼ活性またはカリウムチャンネル活性化の5−HT1a仲介阻害を活性化する化合物と定義される。
【0045】
第2化合物の投与量および投与管理(すなわち、1日当たり1、2、3回またはそれ以上の投与)は、第1化合物の選択された投与量に関連して示したファクターに基づく。第2化合物の成人1日当たりの平均投与量は約1μg〜約10mg/kg体重であり、それぞれ約50μg〜約1gの含有量で1回以上投与する。小児の投与量はこれより少ない。
【0046】
本発明の組成物で用いる薬学的に許容される塩の例は、限定されないが、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、臭化物、ブチン−1,4−二酸塩、カプロン酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、シュウ酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、キシレンスルホン酸塩等である。
【0047】
本発明の組成物は、都合のよいことには、適当な賦形剤と組み合わせた活性化合物を含有する医薬組成物の形で投与することができる。そのような医薬組成物は、本技術分野で周知の方法で製造することができ、そして本技術分野で周知の賦形剤を含有することができる。そのような方法および成分の一般に認められる概論は、E. W. MartinによるRemington´s Pharmaceutical Sciences(マーク出版、15版、1975)である。必要な範囲は、この引例を参照することによってここに記載されたものとする。本発明の組成物は非経口投与(例えば、静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内注射による)、局所、経口、舌下、経皮、鼻内、膣内、または直腸投与することができ、経口投与が特に好ましい。
【0048】
経口治療投与の場合、本発明の組成物は1種以上の賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、口内錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエファー、チューインガム、食品等の形で用いることができる。そのような組成物および製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含んでいるのが好ましい。もちろん、組成物および製剤の割合は変えてもよく、一定単位投与形の約0.1〜約100重量%であると都合がよい。そのような医薬的に有用な組成物中の活性化合物の量は、効果的な投与量レベルが得られるものである。
【0049】
錠剤、トローチ、ピル、カプセル等は次の成分をさらに含む:結合剤、例えばトラガカントガム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えばサッカロース、フルクトース、ラクトースもしくはアスパラギン酸塩または風味剤、例えばペパーミント、ヒメコウジ油、またはチェリー香料。上に挙げたものは代表的なものにすぎない。本技術分野における当業者であれば他の結合剤、賦形剤、甘味剤等を思いつくことができるであろう。単位投与形がカプセルであるとき、上記の材料の他に、液体担体、例えば植物油またはポリエチレングリコールを含んでいてもよい。他の様々な材料はコーティングとして存在しても、あるいは固体単位投与形の物理的な形を調節するために存在してもよい。例えば、錠剤、ピル、またはカプセルはゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖等で被覆してもよい。シロップまたはエリキシルは活性化合物、甘味剤としてのサッカロースまたはフルクトース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、およびチェリーまたはオレンジ風味としての風味剤を含んでいてもよい。もちろん、単位投与形の製造に用いられるどのような材料も薬学的に許容され、かつ用いられる量で実質的に非毒性でなければならない。さらに、活性成分は持続放出製剤およびデバイス、例えば、限定されないが、望ましい放出特性を得るために浸透圧に依存する持続放出製剤およびデバイスに組み込んでもよい。各活性成分ごとの配合物を1日1回投与することも特に含まれる。
【0050】
2種以上の活性化合物を含有する本発明の組成物は、上記投与量に従いそして上記放出賦形剤中に同じ物理的形態ですなわち共存させて投与してもよい。各活性化合物の投与量は別々に判定することができ、そして単一組み合わせ投与としてまたは別々に投与することができる。それらは、両活性化合物が24時間を通じて一度は患者内にある限り、同時にまたは異なる時間に投与しうる。共存または同時投与とは、患者が1種類の薬剤を、他の薬剤を取る約5分以内に取ることを意味する。
【0051】
本発明はまた、人を含めた哺乳動物における尿疾患を治療するための医薬キットを提供する。組成物と同様に、キットは、上記のような第1化合物を含む第1の容器、上記のような第2化合物を含む第2の容器、およびキットの使用説明書を含む。
【0052】
「薬学的に許容される」とは、薬理学的/毒物学的観点から患者に、および組成物、製剤、安定性、患者の受容および生物学的利用能に関する物理的/化学的観点から薬剤師に受け入れられる性質および/または物質を指す。
【0053】
本発明の組成物は尿疾患の治療に用いられるものである。特に、組成物はどのようなタイプのLUTSまたは尿失禁、例えば緊張性尿失禁、真性緊張性尿失禁、および混合尿失禁の治療にも有用である。緊張性尿失禁は、せきまたはくしゃみのような腹腔内圧を上げる活動を行ったときの不随意の尿漏れを表す症状である。緊張性尿失禁はまた、介護者によって観察される、患者がせきまたはくしゃみをしたとき尿道(口)から漏れる尿の噴出の臨床的徴候でもある。真性緊張性尿失禁(切迫尿失禁)は、尿力学試験によって診断されるような不完全尿道括約筋の病理学的診断である。混合尿失禁は、緊張性尿失禁が切迫尿失禁と組み合わさったものである。後者は過剰活動性膀胱の合併症状の一部である。停滞は、流出閉塞(例えば、高尿道圧)、乏しい排尿筋(膀胱筋)収縮性、または排尿筋収縮と尿道弛緩との間の調整欠如による。本発明の薬剤の組み合わせは、緊張性尿失禁、切迫尿失禁または混合尿失禁に関して用いることができる。
【0054】
本発明の組成物はまた、間質性膀胱の治療に用いられる。
尿疾患の抗ムスカリン様治療が残尿の増加によって制限される状況では、治療は中性5−HT1aアンタゴニストを加えることによって高めることができる。この状況は、例えば前立腺肥大による、膀胱流出閉塞と付随して生じる過剰活動性膀胱の患者に特に見られるようである。
【0055】
他の場合、抗ムスカリン様治療は耐えられない副作用、例えばドライマウスによって制限されることがある。そのような場合、抗ムスカリン様投与量を減少させてもよいが、効果は中性5−HT1aアンタゴニストを加えることによって維持される。この組み合わせによって、膀胱に対して選択的でない抗ムスカリン様薬剤を、これらの薬剤が他のより膀胱選択性である薬剤よりも好ましい状況で使用することが可能になる。
【0056】
別の状況では、中性5−HT1aアンタゴニストでの治療は、膀胱収縮性効果がないことにより制限されるかもしれない。そのような場合、抗ムスカリン様薬剤を加えると追加の効果がもたらされる。そのような状況は、膀胱過剰反射、反射膀胱収縮の増大を伴うことが知られている状態の患者であるかもしれない。
【0057】
さらに別の状況では、中性5−HT1aアンタゴニストの有効性が副作用によって制限されるかもしれない。そのような場合、5−HTアンタゴニストの投与量の調整、およびそれによる効果は、抗ムスカリン様薬剤を加えることによって補うことができる。
【0058】
新規組成物は、有害な副作用できるだけ少なくして、上記の疾患または障害で悩んでいる患者の苦痛を速やかに緩和すると考えられる。
次の実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されない。
実施例
実施例1
医薬組成物は、トルテロジンと中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、トルテロジンを約0.05〜約4mg/kg患者の体重(例えば、体重60kgの人では3〜約240mg)、および中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.01〜約1mg/kg患者の体重含む。組成物は尿失禁、特に緊張性尿失禁、切迫尿失禁または混合尿失禁の治療のために患者に投与される。
実施例2
第1の医薬組成物は、中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを薬学的に許容される担体中で、約0.5〜約50mg/日の中性5−HT1aレセプターアンタゴニストが放出されるように、混合することによって製造される。第2の医薬組成物は、トルテロジンを薬学的に許容される担体中で、約0.05〜約4mg/kg患者の体重/日のトルテロジンが放出されるように、混合することによって製造される。
【0059】
第1の組成物は、1種以上の尿失禁に悩む患者に、1日に1、2、3、4回または6回、約0.5〜約50mg/日で投与する。第2の組成物は、同じ患者に、第1の組成物と同時に、または第1組成物を投与した24時間以内のいずれかの時間に1、2、3、4回または6回、1日当たりの投与量が約0.05〜約4mg/kg患者の体重のトルテロジンとなるように投与する。あるいは、第2組成物をまず投与し、次に、第1組成物を同時にまたは24時間以内に記載のように投与してもよい。
実施例3
医薬組成物は、5α−レダクターゼ阻害剤と中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、5α−レダクターゼ阻害剤を約2〜約20mgおよび中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.5〜約50mg/含む。組成物は尿疾患の治療のために患者に投与される。
実施例4
医薬組成物は、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストと中性5−HT1aレセプターアンタゴニストとを薬学的に許容される担体中で混合することによって製造される。組成物は、α−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを約1〜約25mgおよび中性5−HT1aレセプターアンタゴニストを約0.5〜約50mg/含む。組成物は尿疾患の治療のために患者に投与される。
【0060】
本発明を詳しくそして好ましい態様を参照することによって説明してきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく変更することが可能なことは明らかである。
Claims (43)
- (i)ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第1化合物と
(ii)5−HT1aレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、並びにそれらの先駆体および薬学的に許容される塩よりなる群から選択される第2化合物
との薬学的に有効な組み合わせ、および任意に薬学的に許容される担体または希釈剤
を含む医薬組成物。 - 第1化合物が、ムスカリン様レセプターアンタゴニスト、またはその先駆体もしくは薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
- ムスカリン様レセプターアンタゴニストが置換3,3−ジフェニルプロピルアミンである、請求項2に記載の組成物。
- 置換3,3−ジフェニルプロピルアミンが、トルテロジンおよびヒドロキシトルテロジンよりなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
- 置換3,3−ジフェニルプロピルアミンが、トルテロジンである、請求項4に記載の組成物。
- 第1化合物がトルテロジンL−酒石酸塩である、請求項5に記載の組成物。
- ムスカリン様レセプターアンタゴニストが、オキシブチニンおよびその活性誘導体、例えばN−デセチルオキシブチニンから選択される、請求項2に記載の組成物。
- ムスカリン様レセプターアンタゴニストがオキシブチニンである、請求項7に記載の組成物。
- ムスカリン様レセプターアンタゴニストが、ダリフェナシンおよびその活性誘導体、例えばその3´−ヒドロキシ代謝産物から選択される、請求項2に記載の組成物。
- ムスカリン様レセプターアンタゴニストがダリフェナシンである、請求項9に記載の組成物。
- 第1化合物が約0.1〜約100mgの量で存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 第2化合物が中性5−HT1aレセプターアンタゴニストである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- 第2化合物が約0.1mg〜約1gの量で存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
- 第1化合物および第2化合物が同じ放出賦形剤中に保持される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 第1化合物および第2化合物が異なる放出賦形剤中に保持される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 人を含めた哺乳動物における尿疾患を治療するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
- 疾患が下部尿路症状である、請求項16に記載の組成物。
- 疾患が不安定または過剰活動性膀胱である、請求項16に記載の組成物。
- 疾患が膀胱流出閉塞である、請求項16に記載の組成物。
- 疾患が尿失禁である、請求項16に記載の組成物。
- 疾患が緊張性尿失禁である、請求項20に記載の組成物。
- 疾患が間質性膀胱炎である、請求項16に記載の組成物。
- うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するための、請求項16〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 人を含めた哺乳動物における尿疾患治療用薬剤製造への請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が下部尿路症状である、請求項24に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が不安定または過剰活動性膀胱である、請求項24に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が膀胱流出閉塞である、請求項24に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が尿失禁である、請求項24に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が緊張性尿失禁である、請求項28に記載の医薬組成物の使用。
- 疾患が間質性膀胱炎である、請求項24に記載の医薬組成物の使用。
- 薬剤が、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するためのものである、請求項24〜30のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
- 人を含めた哺乳動物の尿疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする人を含めた哺乳動物に、治療に有効な量の請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む方法。
- 疾患が下部尿路症状である、請求項32に記載の治療方法。
- 疾患が不安定または過剰活動性膀胱である、請求項32に記載の治療方法。
- 疾患が膀胱流出閉塞である、請求項32に記載の治療方法。
- 疾患が尿失禁である、請求項32に記載の治療方法。
- 疾患が緊張性尿失禁である、請求項36に記載の治療方法。
- 疾患が間質性膀胱炎である、請求項32に記載の治療方法。
- さらに、うつ病が尿疾患と付随して生じる、哺乳動物におけるうつ病を治療するための、請求項32〜38のいずれか1項に記載の治療方法。
- 組成物が直腸、膣内、局所、経口、舌下、鼻内、経皮または非経口投与される、請求項32〜39のいずれか1項に記載の治療方法。
- 組成物の第1化合物および第2化合物が同時に投与される、請求項32〜40のいずれか1項に記載の治療方法。
- 組成物の第1化合物および第2化合物が共存投与される、請求項32〜40のいずれか1項に記載の治療方法。
- (i)請求項1〜10のいずれか1項に記載の第1化合物を含む第1の容器、
(ii)請求項1または12のいずれか1項に記載の第2化合物を含む第2の容器、および任意に
(iii)キットの使用説明書
を含む、人を含めた哺乳動物における尿疾患治療用医薬キット。
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