JP2005502392A - ビタミン系界面活性剤含有組成物およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
コンタクトレンズおよび眼をケアする組成物は、液体水性媒体、および界面活性剤として有効な量で組成物に存在するビタミン誘導体成分を含有する。該組成物は、コンタクトレンズを、洗浄し、浸漬し、再湿潤し、殺菌剤を含有して殺菌するのに使用することができる。さらに、該組成物は、人工涙および洗眼液剤としても有効である。コンタクトレンズケアおよび眼をケアする方法も開示する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズケアおよび眼のケア用の組成物に関する。本発明は特に、そのような組成物中の界面活性剤として有用なビタミン誘導体を含有する組成物、およびそのような組成物を使用するコンタクトレンズケアおよび眼のケアの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非ニオン界面活性剤は、カチオン、両性およびアニオン界面活性剤と比較して、コンタクトレンズポリマーおよび眼組織との比較的少ない有害相互作用により、コンタクトレンズケアおよび眼のケア用途に使用するのが好ましい。非ニオン界面活性剤は、コンタクトレンズ多目的液剤に一般に使用されるポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)のようなカチオン殺菌剤との有害な相互作用を最小限にするという点からも好ましい。
【0003】
コンタクトレンズ多目的液剤、再湿潤液剤および眼内洗浄液剤に使用される現在の界面活性剤の例は、米国特許第4836986号に開示されている界面活性剤である。この特許は、使用の際に、好ましい中性または非イオン性界面活性剤が、洗浄特性およびコンディショニング特性を付与し、一般に約15wt%までの量で存在することを開示している。該界面活性剤は、レンズケア溶液に可溶性で、眼組織に非刺激性であり、一般に約12.4〜約18.8の親水性/親油性バランス(HLB)を有していなければならない。満足できる非ニオン界面活性剤は、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ココナツ、ポリソルベート、高級アルカン(C12〜C18)のポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンエーテルを包含するが、これらに限定されない。
【0004】
非ニオン界面活性剤の1つの群、付加物の少なくとも約40wt%がポリ(オキシエチレン)であり、分子量約7,500〜約27,000を有するエチレンジアミンのポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)付加物は、約0.01〜約15wt%の量で使用した場合に、ソフトおよびハードコンタクトレンズの両方の洗浄およびコンディショニングに使用するのに特に有効であることが見出された。この群の界面活性剤についての、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionaryでの採用名は、ポロキサミンである。そのような界面活性剤は、BASF Wyandotte Corp., Wyandotte, Mich.から登録商標「Tetronic」として入手可能である。類似した界面活性剤系列は、ポロキサマー系列であり、それらは、BASF Wyandotte Corp., Parsippany, NJ 07054から商標「Pluronic」として入手可能なポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックポリマーである。
【0005】
米国特許第4820352号は、一般にビグアニド殺菌剤と組み合わせる洗浄剤としての、ポロキサミン界面活性剤の使用を開示している。米国特許第5817277号、第5593637号および第5422073号は、界面活性剤チロキサポール、ポロキサミンまたはポロキサマーと組み合わせてポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)殺菌剤を含んで成る、コンタクトレンズの洗浄および殺菌用のコンタクトレンズ多目的液剤を開示している。
【0006】
現在のコンタクトレンズケア、眼内再湿潤、人工涙液および洗眼組成物、およびその中の界面活性剤についての1つの関心事は、眼組織における有益作用の不足に関する。即ち、現在の界面活性剤は、充分に機能し、例えば洗浄するが、それらが接触する眼組織に付加的利益を与えない。現在の界面活性剤に関するもう1つの関心事は、全身吸収に関する。眼に投与されたあらゆる液剤の有意量は、例えば鼻涙管を通って胃腸管に洗い流され、そこで全身吸収が生じうる。現在の界面活性剤は、レンズケア液剤と適合性であり、眼に快適であるにもかかわらず、代謝的に分解するかまたは有用であるかが分かっていない。
【0007】
多くの特許は、ビタミンE誘導体を開示しており、それらのいくつかは界面活性剤である。米国特許第5179122号は、ビタミンE、ビタミンE界面活性剤および不活性担体を含有する栄養補助食品を開示している。米国特許第5235073号は、界面活性剤活性を有するポリエトキシル化ビタミンEを開示している。
【0008】
いくつかの特許は、コンタクトレンズケアおよび眼科用途に使用されるのと同じ種類の保存剤と組み合わしたビタミンEまたはその誘導体を開示している。米国特許第5653695号および第6046143号は、水溶性潤滑剤を有する面および水溶性潤滑剤を有する医療装置を開示し、該潤滑剤は、微生物の増殖を抑制するシリコーン界面活性剤、ビタミンEまたはその誘導体およびポリヘキサメチレンビグアニドから成る。ビタミンEおよびその誘導体は、潤滑系の潤滑性を増加させる油性製品として開示されている。ビタミンE界面活性剤を包含する水溶性のビタミンE誘導体は開示されていない。
【0009】
米国特許第5603929号および第5653972号は、酸性薬剤、ポリマー第四級アンモニウム化合物および硼酸を含んで成る保存された保存安定性眼科用組成物、およびそのような組成物を使用して眼炎症を抑制する方法を開示している。ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートが配合成分として開示されている。米国特許第5886030号は、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートを包含するビタミンEトコフェリル誘導体の、抗炎症性眼科用組成物における使用を開示している。眼に刺激性の眼科用治療薬を含有する組成物において、眼炎症を治療または抑制し、快適性を増し、刺激を減少させる方法が開示されている。該組成物は、塩化ベンザルコニウム、Polyquad(商標)およびDymed(商標)(ポリヘキサメチレンビグアニド)のような保存剤を含有してよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば眼の組織および/または組成物が眼に投与されたヒトまたは動物に全身的に、1つまたはそれ以上の付加的利益を与える界面活性剤を含有する、コンタクトレンズケア組成物、および眼内使用組成物、およびそのような組成物の使用法を提供することが有利であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
例えばコンタクトレンズの殺菌および/または洗浄および/またはその他の処置に使用され、および/または眼内使用される新規眼科用組成物、およびそのような組成物の使用方法が見出された。本発明は一般に、そのような組成物、例えば、コンタクトレンズを殺菌し、洗浄し、濯ぎ、再湿潤し、保存し、その他の処置を行うのに有用な多目的コンタクトレンズ組成物、好ましくは液剤に含有された、ビタミン系界面活性剤に関する。さらに、そのようなビタミン系界面活性剤は、眼内のコンタクトレンズを再湿潤させるのに有効な眼内液剤または組成物、および人工涙組成物、洗眼組成物、灌注組成物等のような眼内適用に有効な他の組成物に含有させることができる。そのような組成物は、該組成物中の界面活性剤として非常に有効なビタミン系界面活性剤と共に使用した場合に、非常に有効であることが見出された。重要なことに、ビタミン系界面活性剤は、本発明組成物で処置したコンタクトレンズを眼に装着しているかまたは本発明組成物が眼に存在する個体、例えばヒトまたは動物に、付加的利益、例えばビタミンに関連した利益を与えることが見出された。本発明組成物は、簡単であり、眼科用に許容され、製造および使用が比較的容易である。
【0012】
1つの態様において、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な組成物を提供する。そのような組成物は、液体水性媒体;組成物に接触するコンタクトレンズを殺菌するのに有効な量で組成物に存在する殺菌成分;および、組成物中の界面活性剤として有効な量で存在するビタミン誘導体成分を含んで成る。
【0013】
ビタミン誘導体成分は、本発明組成物の液体水性媒体に可溶性であるのが好ましい。あらゆるビタミンの誘導体を本発明に使用しうるが、そのようなビタミン誘導体が本発明組成物中の界面活性剤として有効であることを条件とし、特に有効なビタミン誘導体成分は、ビタミンA、ビタミンA2、ビタミンC、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンE、ビタミンK1、ビタミンK2およびそれらの混合物から選択される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体である。特に有用なビタミン誘導体成分は、少なくとも1つのビタミンE誘導体を含有する。非常に有用な態様において、本発明のビタミン誘導体成分は、ビタミンEトコフェリルポリエチレンスクシネート、例えば、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(以下に、ビタミンE TPGSと称す)を含有する。
【0014】
他の非常に有用な態様において、本発明のビタミン誘導体成分は、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコールスクシンアミド、例えば、ビタミンEトコフェリルポリエチレン1000スクシンアミド(以下に、ビタミンE TPGSAと称す)を含有し、それにおいて、ビタミンE TPGS中のポリエチレングリコールと琥珀酸とのエステル結合がアミド結合で置き換わっている。
【0015】
1つの態様において、本発明組成物は、多目的コンタクトレンズケア液剤の形態である。
あらゆる好適なコンタクトレンズ殺菌成分を本発明に使用しうるが、殺菌成分は非酸化性殺菌剤であるのが好ましい。1つの有用な態様において、殺菌成分は、1つまたはそれ以上のビグアニドを含んで成る。非常に有効な殺菌成分は、ポリヘキサメチレンビグアニドを含んで成る。
【0016】
1つの態様において、本発明組成物は、コンタクトレンズを洗浄するのに有効である。そのような態様において、組成物に接触するコンタクトレンズから付着物を除去するのを少なくとも補助するのに有効な量、より好ましくは除去するのに有効な量で、ビタミン誘導体成分が存在するのが好ましい。
【0017】
本発明の他の広い局面において、眼内使用に有効な組成物を提供し、該組成物は、液体水性媒体、および組成物中の界面活性剤として有効な量で存在するビタミン誘導体成分を含んで成る。そのような組成物は、眼科用に許容され、1つまたはそれ以上の眼内適用に使用されるように適合される。好ましくは、そのような組成物は、コンタクトレンズ再湿潤剤、眼内洗浄剤、人工涙組成物、洗眼組成物、眼に使用される灌注組成物、例えば、手術の間の灌注剤として有効な組成物等の1つまたはそれ以上として使用されるように適合される。
【0018】
好ましくは、本発明組成物は、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、サルファ剤および低溶解性眼用剤を実質的に含有しない。本発明組成物は、治療効果を与えるどのような医薬的に活性な成分も実質的に含有しなくてよい。
【0019】
1つの有用な態様において、眼内適用に使用される本発明組成物は、有効量の保存剤(防腐剤)成分を含有し、それらの多くは一般的であり、当分野でよく知られている。あらゆる好適な保存剤成分を本発明組成物に使用しうるが、非常に有効な保存剤成分は亜塩素酸塩、例えば安定化二酸化塩素を含んで成る。安定二酸化塩素は、本発明組成物中の保存剤として非常に有効である。さらに、安定二酸化塩素は、組成物または組成物を投与された眼に対して、有害作用を有するとしても極僅かに有するにすぎない。
【0020】
コンタクトレンズを殺菌する方法も提供する。そのような方法は、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、本発明の殺菌成分含有組成物にコンタクトレンズを接触させることを含んで成る。
【0021】
さらに、コンタクトレンズを処置する方法も提供し、該方法は、コンタクトレンズのまたはコンタクトレンズへの所望の処置を与えるのに有効な条件において、コンタクトレンズを本発明組成物に接触させることを含んで成る。例えば、コンタクトレンズを洗浄する方法を提供し、該方法は、付着物、例えばタンパク質付着物を、付着物を有するコンタクトレンズから除去するのに有効な条件において、付着物を有するコンタクトレンズを本発明組成物に接触させることを含んで成る。
【0022】
眼を処置する方法を提供し、該方法は、有効量の本発明組成物を眼に投与することを含んで成る。
【0023】
本明細書に開示されている各特徴および全ての特徴、ならびにそのような特徴の2つまたはそれ以上の各組み合わせおよび全ての組み合わせは、本発明に含まれ、但し、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しないものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ソフト、硬質およびソフトまたは軟質透過性、シリコーンヒドロゲル、シリコーン非ヒドロゲルおよび従来のハードコンタクトレンズのような全てのコンタクトレンズと共に使用することを目的とした液剤に、本発明を使用することができる。人工涙、洗眼組成物、灌注組成物等のような、コンタクトレンズを目的としていない眼用液剤に、本発明を使用することができる。
【0025】
1つの態様において、本発明組成物は、コンタクトレンズケア用の多目的組成物として有用である。本明細書において使用される多目的組成物は、眼から外している間にコンタクトレンズを洗浄し、濯ぎ、殺菌し、再湿潤し、保存し、またはそれ以外の処置をするのに有用である。そのような多目的組成物は、眼にレンズを装着している間に、コンタクトレンズを、再湿潤し、洗浄するのにも有用である。レンズを眼に装着している間に、コンタクトレンズを再湿潤し、洗浄するのに有用な製品は、再湿潤剤(re−wetter)または「眼内」(in−the−eye)洗浄剤と称されることが多い。本発明組成物は、再湿潤剤または「眼内」洗浄剤としても有用である。本明細書において使用される「洗浄」という用語は、指操作の使用または不使用、および液剤を撹拌する補助装置の使用または不使用において、付着物および他の汚染物をコンタクトレンズから放すおよび/または除去することを含む。本明細書において使用される「再湿潤」という用語は、コンタクトレンズの少なくとも前表面の、少なくとも一部分、例えば少なくとも実質部分に、水を添加することを意味する。
【0026】
本発明組成物は、ドライアイおよび他の眼の不快症状の軽減に使用される人工涙として有用である。本発明は、洗眼薬および灌注組成物、例えば液剤または眼用ローション剤として有用であり、それらは、化学物質または異物のような外来存在物への暴露後に、眼を洗浄し、浸し、洗い流し、または濯ぐのに使用することができる。これに関連した外来存在物は、赤み、かゆみ、焼灼感などのようなアレルギー反応を引き起こす花粉、ダスト、ブタクサおよび他の外来抗原の1つまたはそれ以上を包含するが、これらに限定されない。単純食塩水点眼薬の使用は、季節性アレルギー性結膜炎の30〜35%に有効であることが示された。好都合にも、本発明のビタミン誘導体成分は、季節性アレルギー性結膜炎の症状を軽減し、治療し、または抑制することにおいて、単純食塩水の効果より優れている。
【0027】
本発明の組成物および方法に有用なビタミン誘導体成分は、眼の中および外の両方におけるコンタクトレンズの非常に有効な湿潤化および/または洗浄、および露出眼組織の眼内湿潤および/または洗浄を与える。本発明のビタミン誘導体成分は、眼に対して実質的に非毒性および/または非刺激性および/または非損傷性であり、眼の細胞および組織に細胞および組織保護機能を与えることができ、眼および全身の吸収の際に、代謝的に有用なビタミン源を与えることができる。
【0028】
本明細書において使用する場合、ビタミン誘導体成分またはビタミン系界面活性剤成分は、得られる成分が本発明の組成物および/または方法における界面活性剤として有効であるような化学構造物によって誘導体化されたビタミンを包含する。本発明をいかなる特定の作用理論にも限定するものではないが、本発明のビタミン誘導体成分は、ミセルを形成し、臨界ミセル濃度を有すると考えられる。そのような成分は、眼の中または外のコンタクトレンズの洗浄を少なくとも補助することができ、異物微粒子、屑、抗原などを眼から除去することを少なくとも補助することができ、好ましくは除去することができ、眼科用に許容され、および/または眼に対して実質的に非毒性である。
【0029】
本発明によるビタミン系界面活性剤は、単独か、または相互に組み合わせるかまたは混合して、使用することができる。ビタミンA、A2、C、D1、D2、D3、D4、E、K1、K2および葉酸は、誘導体化して本発明の界面活性剤を形成することができる好ましいビタミンである。本明細書に記載するように機能する、例えば界面活性剤として機能するのに有効であることを条件として、あらゆる好適なビタミン誘導体を使用することができる。そのような誘導体の例は、ビタミンA(レチノール)の琥珀酸エステルまたはアミドを包含するが、これらに限定されず、それらは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、それらの混合物等から選択されるポリアルキレングリコールを使用して製造することができ、次に、さらにエステル化するかまたはアミド化(例えば、アミド結合との結合)して、好適な界面活性剤を形成する。ポリエチレンングリコール1000は、1つの非常に有用なポリアルキレングリコールである。ビタミンD1、D2、D3またはD4もエステル化するかまたはアミド化して、好適な界面活性剤を形成することができる。ビタミンK1およびK2のジヒドロ誘導体を製造することができ、次に、琥珀酸およびポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール1000を使用してエステル化するかまたはアミド化する。葉酸は、その2個の遊離カルボン酸根のどちらかにおいて、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール1000によって、エステル化するかまたはアミド化することができる。非アニオンビタミンE誘導体が特に好ましい。
【0030】
2つの非常に有用なビタミンE誘導体に基づく界面活性剤は、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、およびそのアミド類似体(ビタミンE TPGSA)である。ビタミンE TPGSの構造は、下記の式によって示される:
【化1】
【0031】
ビタミンE TPGSは、D−α−トコフェリル酸スクシネートのポリエチレングリコール(PEG)エステルであり、該ポリエチレングリコール(PEG)の分子量は約1000である。次に、D−α−トコフェリル酸スクシネートは、D−α−トコフェロール、ビタミンEの琥珀酸エステルである。ビタミンE TPGSAは、PEG鎖と遠位琥珀酸遊離酸根の間にアミド結合を有するD−α−トコフェリル酸スクシネートのポリエチレングリコール(PEG)アミドであり、該PEGの分子量は約1000である。TPGSAの構造は下記の式によって示される:
【化2】
【0032】
ビタミンE TPGSは、高水溶性であり、全身的に投与した場合に、生物学的に活性なビタミンEの優れた源である。ビタミンE TPGSは、両親媒性を有し、分子のPEG部分は親水性であり、ビタミンEスクシネート構造物は疎水性である。この両親媒性を考慮すれば、ビタミンE TPGSは、表面活性剤(界面活性剤)であり、水ならびに泡中にミセルおよび/または種々の液体結晶相を形成すると考えられる。ビタミンE TPGSは、非ニオン界面活性剤のポリエチレングリコール種の1つである。それは、約13.2の親水性/親油性バランス(HLB)有する。ビタミンE TPGSは、優れた乳化剤および洗浄剤である。水中における臨界ミセル濃度(CMC)(それより高い界面活性剤濃度でミセルが形成される濃度)は、ビタミンE TPGSについて37℃で約0.02w/v%である。
【0033】
使用される界面活性剤濃度は、使用される特定の界面活性剤成分の臨界ミセル濃度を超えるのが好ましい。
【0034】
ビタミン誘導体成分は、本発明組成物中の界面活性剤として作用するのに有効な量で、本発明組成物に存在する。そのような量は、実際に使用される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体、組成物を使用する用途、組成物の化学構成などに基づいて広範囲に変化しうる。そのようなビタミン誘導体成分は、組成物の重量に基づいて約0.01%〜約0.5%、より好ましくは約0.01%〜約0.5%〜約1.0%、さらに好ましくは約0.02%〜約0.20%の量で使用するのが好都合である。
【0035】
他のビタミンEに基づく界面活性剤成分も本発明に使用しうる。α−トコフェロールの生物学的活性の少なくとも一部を示す全ての天然ビタミンE化合物、およびそれらの対応する合成形態を使用して、本発明に使用される界面活性剤を形成することができる。本発明で有用なビタミンE化合物は、α−、β−、χ−およびδ−トコフェノール、およびα−、β−、χ−およびδ−トコトリエノールを包含するが、これらに限定されない。これらの全ての化合物は、種々の異性体として存在する。商業的に入手可能なビタミンEの合成形態は、α−トコフェロールの8つの立体異性形のほぼ同量の混合物を含んで成る。現在の有用な界面活性剤は、単一のビタミン異性体またはビタミン異性体混合物に基づくことができる。
【0036】
ビタミン、例えばビタミンEまたは他のビタミンの、種々の界面活性剤形態を形成することができ、それらは本発明で有用である。これらの界面活性剤は、既知の合成化学法、例えば、ポリエチレングリコールのような界面活性剤鎖を使用するトコフェロールのフェノールOH基の直接エステル化またはアミド化、またはビタミンEスクシネートのような第一級エステル中間体の第二エステル化またはアミド化によって製造できる。トコフェロールのフェノールOH基のエステル化は、好ましい化学合成経路である。ビタミンに基づくエステルは、本発明の界面活性剤として使用するのに好ましい。エステルまたはアミド結合は、酵素、例えば、生物学的に活性なビタミンの生成を直接的に生じる生体内エステラーゼまたはアミドース活性を有する酵素によって、容易に加水分解される。眼組織は、眼科用プロドラッグにおいてエステルおよびアミド結合をそれぞれ加水分解するエステラーゼおよびアミドースを含有することが知られている。このように、眼組織エステラーゼまたはアミドースは、例えば、ビタミンE TPGSおよび他のエステルに基づくビタミン界面活性剤のエステルまたはアミド結合に作用して、生物学的な活性なビタミンを組織に放出する。
【0037】
エステル構造を有するビタミン系界面活性剤は、多くの場合、本発明の水性組成物、例えば溶液中で、界面活性剤活性を実質的かつ効果的に維持するのに充分に安定である。生物学的に活性なビタミンの生成も生じる他の生体内不安定結合を有する他の種類の界面活性剤を、その界面活性剤が、許容される水準の界面活性剤活性を与えるのに充分な、水溶液中での安定性を有するならば、製造することができる。例えば、アミド結合は、エステル結合より数オーダーの大きさでより加水分解安定性であると推定される。非ニオン界面活性剤が好ましい。ある条件では、例えば、殺菌剤の活性が減少せず、眼内安定性および快適性が維持される場合には、カチオン、両性およびアニオン界面活性剤も使用しうる。種々の非ニオン界面活性剤種、例えばポリエチレングリコール界面活性剤を、ビタミン先駆物質に基づいて製造し、本発明において使用しうる。現在の有用なビタミン系界面活性剤成分に対応する他の非ニオン界面活性剤種は、ポリオキシエチル化直鎖アルコール、ノノキシノール、オクトキシノール、ポリオキシエチル化ドデシルアミン、ソルビタンモノエステル等およびそれらの混合物を包含するが、これらに限定されない。
【0038】
本発明で有用な界面活性剤は、単独でまたは混合物として使用する場合に、水溶性であるのが有利である。そのような界面活性剤は、単独で使用する場合に、約12〜約13のHLB値を有するのが好ましい。加えて、使用される界面活性剤は、好ましくは、本発明の透明溶液を与える。
【0039】
ビタミンE TPGSは、酸性およびアルカリ性pH条件への暴露の際に、加水分解に不安定性であることが知られている。不安定性は、エステル結合の酸または塩基触媒加水分解によるものである。緩衝された溶液においてpHが中性に近づくにつれ、ビタミンE TPGSはより安定性になる。pH7.5がヒトの涙のpH7.45に近いので眼の快適性により最適である故に、これはいくつかの組成物において問題となりうる。従って、本発明組成物は、保存の間の加水分解に対して界面活性剤エステルをさらに安定化するために、ビタミンE界面活性剤エステル結合加水分解の加水分解生成物も場合により含有しうる。安定化のメカニズムは、既知の化学平衡および動力学理論、特にルシャトリエの法則として既知の原理に基づくと考えられる。従って、琥珀酸およびポリエチレングリコール1000のような化合物は、ビタミンE TPGSのエステル結合加水分解の加水分解生成物であるが故に、それらをそれぞれ単独でまたは組み合わせて使用して、水溶液中のビタミンE TPGSを安定化することができる。同様に、他のビタミン系界面活性剤のエステル形態の加水分解生成物を使用して、界面活性剤を安定化し、付加的ビタミン源を与えることができる。
【0040】
ビタミンE TPGSの、ビタミンEトコフェロールヘミスクシネートおよびポリエチレングリコールへの加水分解は、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)のような殺菌剤と不相溶性の溶液を生じうる。この理由は、形成されたビタミンEトコフェロールヘミスクシネート陰イオンの量が、陽イオンPHMBと実質的にイオン対を形成する場合があり、それによって、PHMBの抗微生物活性が減少されるかまたは中和されることが見出されたからである。水溶液中のビタミンE TPGSの加水分解は極めて遅く、ほとんどの場合、ppm濃度の加水分解生成物を生じる。それにもかかわらず、これは、PHMBのような殺菌剤または他の陽イオン抗微生物剤を不活性化するのに充分であると考えられる。そのような場合、他のアミド系界面活性剤、例えば、ビタミンE TPGSAを使用するのが好都合であると考えられる。ビタミンE TPGSの加水分解を抑制することが有効な場合もある。そのような抑制は、ルシャトリエの法則によって、少量のポリエチレングリコール、例えばPEG1000、および琥珀酸を使用し、溶液を弱酸性のpH約6.8〜6.9で緩衝し、立体障害非錯体生成緩衝剤、例えば、Bistris、2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−(ヒドロキシ−メチル)−1,3−プロパンジオールを使用して行うことができる。Bistrisの比較的大きい親水性ヒドロキシエチル基は、塩基性窒素を保護する作用をして、この緩衝剤がエステル加水分解の塩基触媒として作用するのをより困難にする。一般的な量(例えば、約0.5ppm〜約1ppm)のPHMBを含有する組成物において、より安定なアミドに基づくビタミン界面活性剤を使用するのが好ましく、そうしなければ、そのような組成物は不安定なビタミンE TPGSを生じうる。
【0041】
本発明のビタミン系界面活性剤は、一般的な非ビタミン界面活性剤、例えば、ノニオン、カチオン、アニオンおよび両性非ビタミン界面活性剤と一緒に使用することもできる。ビタミン系界面活性剤は、1つまたはそれ以上の非ビタミン界面活性剤と組み合わして使用する場合、ノニオン非ビタミン界面活性剤と一緒に使用するのが好ましい。
【0042】
液体水性媒体または他の物質は、眼組織に適合性であり、即ち、眼組織に接触した際に有意なまたは不当な有害作用を生じない場合に、「眼科用に許容性」である。好ましくは、眼科用に許容される物質は、本発明組成物の他の成分とも適合性である。
【0043】
本発明組成物は、殺菌成分をさらに含有してよく、好ましくは含有する。液体水性媒体中に存在する殺菌成分の量は、組成物に接触させたコンタクトレンズを殺菌するのに有効な量である。
【0044】
殺菌成分を本発明組成物に含ませる必要がある場合、殺菌成分は酸化性または非酸化性であってよい。
【0045】
特に有効な酸化性殺菌成分は、過酸化水素および/または1つまたはそれ以上のペルオキシ含有化合物、例えば1つまたはそれ以上の過酸化物である。
【0046】
過酸化水素については、水性液体媒体中に例えば0.5%(w/v)の濃度が、多くの場合、殺菌成分として有効である。少なくとも約1.0%または約2.0%(w/v)の過酸化水素を使用するのが好ましく、その濃度は、0.5%(w/v)の過酸化物濃度の場合より、殺菌時間を短縮する。殺菌成分が、処置されるコンタクトレンズ、または処置したコンタクトレンズの装用者の眼に、実質的な有害作用を有すべきでないという点で制限される以外は、本発明に使用しうる過酸化水素の量に上限はない。
【0047】
他の過酸化物に関しては、有効な殺菌濃度でそれらを使用すべきである。
【0048】
酸化性殺菌剤を本発明に使用する場合、酸化性殺菌剤、例えば過酸化水素を、実質的に全て化学的に還元するかまたは中和するのに充分な量の、還元または中和成分を使用する。
【0049】
そのような還元または中和成分は、酵素成分含有錠剤に組み込むのが好ましい。還元剤は一般にどのような非毒性還元剤であってもよい。還元成分は、SH(基)含有水溶性低級アルコール、有機アミンおよびそれらの塩、アミノ酸およびジまたはトリペプチド、例えば、システインヒドロクロリドエチルエステル、グルチオン、ホモシステイン、カルバモイルシステイン、システイニルグリシン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオニルグリシン、2−メルカプトエチルアミンヒドロクロリド、システイン、n−アセチルシステイン、β−メルカプトエタノール、システインヒドロクロリド、ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩および亜二チオン酸塩、例えば、亜硫酸、ピロ亜硫酸および亜二チオン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩、およびそれらの混合物を包含する。チオールが好ましく、N−アセチルシステインが特に有効である。
【0050】
一般に、還元成分は、液体媒体の約0.5%〜約10%(w/v)の量で使用される。
1つの態様において、還元剤の全てまたは一部を、過酸化水素のような酸化性殺菌成分の中和または分解を触媒する作用をするカタラーゼ成分で置き換える。そのようなカタラーゼ成分は、例えば、存在するなら還元剤と一緒に、液体媒体中に存在する全ての酸化性殺菌成分を破壊するかまたは分解するのに有効な量で、バリア成分被覆錠剤のコアに含有させることができる。そのようなカタラーゼ成分を使用して、酸化性殺菌成分を破壊する速度を増加するのが好都合であると考えられる。
【0051】
殺菌成分は、実質的に非酸化性の殺菌成分であるのが好ましい。本発明において使用される非酸化性殺菌成分は、細菌または微生物との化学的または生理化学的相互作用によって抗微生物活性を得る実質的に非酸化性の有機化学物質を包含する。好適な非酸化性殺菌成分は、眼科用途に一般に使用される非酸化性殺菌成分であり、下記のものを包含するがそれらに限定されない:眼科用途に使用される第四級アンモニウム塩、例えば、ポリ[ジメチルイミノ−2−ブテン−1,4−ジイル]クロリド、α−[4−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム]−ジクロリド(化学登録番号75345−27−6、Onyx Corporationから商標Polyquaternium 1(登録商標)として入手可能)、ハロゲン化ベンザルコニウム、およびビグアニド、例えば、アレキシジンの塩、アレキシジン遊離塩基、クロルヘキシジンの塩、ヘキサメチレンビグアニドおよびそれらのポリマー、抗微生物ポリペプチド等、およびそれらの混合物。特に有効な実質的に非酸化性の殺菌成分は、下記の1つまたはそれ以上(混合物)から選択される:トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、N−アルキル−2−ピロリドン、クロルヘキシジン、Polyquaternium−1、ヘキセチジン、ブロノポール、アレキシジン、極低濃度の過酸化物、眼科用に許容されるそれらの塩等。
【0052】
アレキシジンおよびクロルヘキシジンの塩は、有機または無機であってよく、一般に、殺菌グルコン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、燐酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物等である。一般に、ポリアミノプロピルビグアニド(PAPB)またはポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)とも称されるヘキサメチレンビグアニドポリマーは、約100,000までの分子量を有する。そのような化合物は既知であり、米国特許第4758595号に開示されている。
【0053】
本発明に有用な非酸化性殺菌成分は、液体水性媒体中に約0.00001%〜約2%(w/v)の濃度で存在するのが好ましい。
【0054】
より好ましくは、非酸化性殺菌成分は、使用者が液体水性媒体から消毒したレンズを取り出し、その直ぐ後に安全かつ快適にレンズを眼に装着しうるような、眼科用に許容されるかまたは安全な濃度で、水性媒体に存在する。
【0055】
殺菌成分でコンタクトレンズを消毒する必要がある場合、レンズを消毒するのに有効な量の殺菌剤が使用される。好ましくは、そのような有効量の殺菌剤は、コンタクトレンズの微生物負荷を3時間で1対数程度減少させる。より好ましくは、有効量の殺菌剤は、微生物負荷を1時間で1対数程度減少させる。
【0056】
本発明の殺菌成分は、好ましくは、液体水性媒体に供給され、より好ましくは、液体水性媒体に可溶性である。
【0057】
本発明組成物は、有効量の1つまたはそれ以上の付加的成分、例えば、付加的洗浄成分、例えば酵素成分等;コンディショニング成分;湿潤成分;装用性改善成分;緩衝成分;張度調整成分等;およびそれらの混合物をさらに含んでいてよい。コンタクトレンズケア組成物に有用であることが知られており、必要とされる作用または利益を与えるのに有効な量で含有される物質から、付加的成分を選択しうる。付加的成分を含有する場合、該成分は、一般的な使用および保存条件において、組成物の他の成分と適合性であるのが好ましい。例えば、殺菌成分を含有する場合、前記の付加的成分は、殺菌剤の存在下に実質的に安定であるのが好ましい。
【0058】
付加的成分が存在する場合、各付加的成分は、本発明組成物の個体形態または液体形態中に存在しうる。付加的成分が固体として存在する場合、それらは、散剤または圧縮錠剤におけるように緊密に混合することができ、またはそれらは、カプセルに入れたペレット剤または錠剤におけるように、同じ粒子中であるが、実質的に分離させることができる。ビタミン系界面活性剤成分と付加的成分との組み合わせが液体形態である場合、それらは一般に、液体水性媒体に可溶性である。ビタミン系界面活性剤成分および付加的成分の1つまたは両方が、使用するまで固体形態であることができ、使用の際に、コンタクトレンズ表面に効果的に接触させるために、それらを液体水性媒体に溶解させることができる。
【0059】
付加的洗浄成分を本発明組成物に含有させる場合、洗浄成分は、コンタクトレンズからの堆積物または付着物の除去を少なくとも促進するのに有効な量、好ましくは除去するのに有効な量で存在すべきである。洗浄成分の例は、洗剤または界面活性剤、例えばノニオン界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20 − 商標 Tween 20)、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマー(例えば、商標Tyloxapolとして市販されているポリマー)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のグリコールエステル等、アニオン界面活性剤、例えばアルキルエーテルスルフェート等、およびそれらの混合物である。
【0060】
界面活性剤成分が存在する場合、その量は、多くの因子、例えば、使用される特定のビタミン系界面活性剤成分、特定の1つまたはそれ以上の非ビタミン界面活性剤(使用される場合)、組成物中の他の成分等に依存して、広範囲に変化する。多くの場合、界面活性剤成分の合計量は、液体媒体の約0.005%〜約0.1%または約0.5%(w/v)である。
【0061】
洗浄酵素も使用してよい。洗浄酵素成分は、コンタクトレンズからの付着物の除去を少なくとも促進するのに有効な量で添加しうる。コンタクトレンズに付着しうる付着物または堆積物の種類は、タンパク質、脂質、および炭水化物に基づくかまたはムチンに基づく堆積物である。1種またはそれ以上の堆積物が、特定レンズに存在しうる。
【0062】
使用される洗浄酵素成分は、コンタクトレンズの酵素的洗浄に一般に使用される酵素から選択してよい。好ましい酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ等である。酵素の例は、Huthらの米国特許第32672 RE、およびKarageozianらの米国特許第3910296号に開示されており、それらに開示の内容は参照として本明細書に組み入れられる。
【0063】
好ましいタンパク質分解酵素は、酸化性殺菌剤の活性酸素と反応して酵素を不活性にしうるスルフヒドリル基またはジスルフィド結合を実質的に含有しない。二価の金属イオンを含有する酵素、メタロプロテアーゼも使用しうる。
【0064】
より好ましいタンパク質分解酵素群は、セリンプロテアーゼ、例えば、バチルス属およびストレプトミセス属細菌ならびにアスペルギルス属糸状菌に由来するセリンプロテアーゼである。この種の酵素のうち、より好ましい酵素は、一般にサブチリシン酵素と称されるアルカリプロテアーゼに由来する酵素である。
【0065】
この用途に好ましい他の酵素は、パンクレアチン、トリプシン、コラゲナーゼ、ケラチナーゼ、カルボキシラーゼ、アミノペプチダーゼ、エラスターゼ、およびアスペルギロペプチダーゼAおよびB、プロナーゼE(S. griseus由来)およびジスパーゼ(Bacillus polymyxa由来)を包含する。
【0066】
1つの態様において、そのような洗浄酵素成分を含有する液体水性媒体は、1つのレンズ処置に対して、0.001〜約3アンソン単位、より好ましくは約0.01〜約1アンソン単位を与えるのに充分な酵素を有するのが好ましい。しかし、より多いまたはより少ない量を使用してもよい。さらに、酵素活性はpH依存性であるので、酵素の好ましいpH範囲は、当業者なら決めることができる。
【0067】
特に注目すべき本発明組成物の態様は、タンパク質分解酵素を実質的に含有しない。そのような配合物は、洗浄後にレンズを濯いで酵素をレンズから除去する必要のない有効なコンタクトレンズ洗浄を与える。
【0068】
本発明の組成物は、防腐剤、安定剤、過酸化水素分解の色指示薬、可塑剤、増粘剤等も含有しうる。
本発明組成物における、これらの付加的成分の許容される有効濃度は、当業者に明らかである。
【0069】
本発明組成物は、有効量の防腐剤成分を含有しうる。あらゆる好適な防腐剤、または防腐剤の組み合わせを使用しうる。好適な防腐剤の例は、塩化ベンザルコニウム、メチルおよびエチルパラベン、ヘキセチジン、フェニル水銀塩等、およびそれらの混合物を包含するがそれらに限定されない。本発明組成物に含有される防腐剤成分の量は、組成物を保存するのに有効な量であり、使用される特定の防腐剤成分およびそれを含有する特定の組成物等の要因に依存して変化しうる。防腐剤の濃度は、組成物の約0.00001%〜約0.05%または約0.1%(w/v)である場合が多い。
【0070】
本発明における防腐剤成分の非常に有用な例は、亜塩素酸塩成分を包含するがそれに限定されない。本発明の防腐剤として有用な亜塩素酸塩成分の特定の例は、安定化二酸化塩素(SCD)、金属亜塩素酸塩、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属亜塩素酸塩等、およびそれらの混合物である。工業グレード(またはUSPグレード)の亜塩素酸塩ナトリウムは、極めて有用な防腐剤成分である。多くの亜塩素酸塩成分、例えばSCDの正確な化学組成は、充分にはわかっていない。特定の亜塩素酸塩成分の調製または製造は、McNicholasの米国特許第3278447号に開示されており、それに開示の内容は全て参照として本明細書に組み入れられる。有用なSCD製品の特定の例は、商標Dura KlorでRio Linda Chemical Company, Inc.によって市販されている製品、および商標Anthium DioxideでInternational Dioxide, Inc.によって市販されている製品である。特に有用なSCDは、商標Purite(登録商標)でBio-Cide International, Inc.によって市販されている製品である。
【0071】
使用される液体水性媒体は、処理されるレンズ、または処理したレンズの装用者、または本発明組成物を眼に投与されたヒトまたは動物に、実質的に有害な作用を有さないように選択される。液体媒体は、即時レンズ処理または眼内使用を可能にし、促進さえするように構成される。液体水性媒体は、約5または約6〜約8または約10のpH、および少なくとも約150mOsmol/kg、例えば約300または約350〜約400mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有するのが有利である。液体水性媒体は、実質的に等張性または低張性(例えば、僅かに低張性)および/または眼科用に許容されるのがより好ましい。液体水性媒体は、液体媒体に所望の張度を与えるのに有効な量の張度調整成分を含有するのが好ましい。本発明の液体水性媒体は、該媒体のpHを所望の範囲に維持するのに有効な量で存在する緩衝成分を含有するのが好ましい。そのような張度調整成分および緩衝成分は、液体水性媒体に存在してよく、および/または液体水性媒体に導入してよい。
【0072】
特に有用な媒体は、塩水、例えば、一般的な食塩水、または緩衝食塩水から誘導される。さらに、液体水性媒体は、例えば本明細書の他の部分に記載するような、1つまたはそれ以上の他の物質を、そのような媒体に接触するコンタクトレンズおよび/または眼組織を処置する(例えば、コンタクトレンズおよび/または眼組織に有利な特性を付与する)のに有効な量で含有してよい。
【0073】
本発明組成物は、下記のような粘度調整剤を含有してよい:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを包含するセルロースポリマー;カルボマー(例えば、カルボポール、RTM);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;アルギン酸塩;カラゲナン;および、グアール、カラヤ、アガロース、ローカストビーン、トラガカントおよびキサンタンガム。そのような粘度調整剤の濃度は、約0.01〜約5%w/vである。
【0074】
本発明組成物は緩衝剤を含有してよい。種々の一般的緩衝剤、例えば、燐酸、硼酸、クエン酸、酢酸、ヒシチジン、トリス、ビス−トリス等を使用してよい。硼酸緩衝剤は、硼酸およびその塩、例えば、硼酸ナトリウムまたはカリウムを包含する。溶液中で硼酸またはその塩を生成する四硼酸カリウムまたはメタ硼酸カリウムも使用しうる。硼酸ナトリウム十水和物のような水和塩も使用しうる。燐酸緩衝剤は、燐酸およびその塩、例えばM2HPO4およびMH2PO4[Mは、NaおよびKのようなアルカリ金属塩である]を包含する。Na2HPO4・7H2OおよびNaH2PO2・H2Oのような水和塩も使用しうる。「燐酸」という用語は、溶液中で燐酸またはその塩を生成する化合物も包含する。さらに、前記緩衝剤の有機対イオンも使用しうる。緩衝剤の濃度は一般に約0.05〜約2.5w/v%、より好ましくは約0.05〜約0.5w/v%である。緩衝剤の種類および量は、配合物が溶液の機能性能基準、例えば界面活性剤安定性、抗微生物有効性および緩衝能を満たすように選択される。緩衝剤は、眼および使用を目的としたあらゆるコンタクトレンズに適合性のpHを与えるようにも選択される。一般に、ヒトの涙のpH7.45に近いpHが極めて有効であるが、約5.0〜約8.5、より好ましくは約6.0〜約8.0、最も好ましくは約6.8〜約7.8の広いpH範囲も許容される。1つの態様において、本発明組成物は約7.0のpHを有する。
【0075】
ある場合には、本発明の溶液に金属イオン封鎖剤を含有して、金属イオンと結合させることが望ましく、そうしなければ金属イオンが微生物の細胞膜を安定化し、それによって至適殺菌活性を妨げる場合がある。または、金属イオンと結合して、溶液中の他の種との相互作用を防止することが望ましい場合もある。金属イオン封鎖剤は、一般に、約0.01〜約0.2w/v%の量で添加される。金属イオン封鎖剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびそのカリウムまたはナトリウム塩、および低分子量有機酸、例えばクエン酸、酒石酸およびそれらの塩、例えばナトリウム塩である。
【0076】
一般に、本発明の水溶液を張度調整剤で調節して、塩化ナトリウムの0.9w/v%溶液に相当する通常の涙液の浸透圧に近づける。好適な張度調整剤の例は下記のものであるがそれらに限定されない:塩化ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム、デキストロース、グリセリンおよびプロピレングリコール。これらの調整剤は一般に、それぞれ約0.001〜約2.5w/v%の量で使用される。好ましくは、溶液は、約0.14w/v%の塩化カリウム、ならびに各0.006w/v%の塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムを含有し、後者の2つの化合物は可能であれば金属封鎖剤の不存在下に存在する。これらの量は、眼組織の完全性を維持するのに最適であることが見出された。好ましくは、調度調整剤は、最終浸透圧値約150〜約450mOsm/kg、より好ましくは約250〜約350mOsm/kg、最も好ましくは約270〜約320mOsm/kgを与える量で使用される。
【0077】
本明細書に開示した組成物を使用してコンタクトレンズを処理する方法は、本発明に含まれる。そのような方法は、コンタクトレンズに所望の処理を与えるのに有効な条件において、コンタクトレンズをそのような組成物に接触させることを含んで成る。
【0078】
接触温度は、好ましくは約0℃〜約100℃、より好ましくは約10℃〜約60℃、さらに好ましくは約15℃〜約30℃である。室温またはほぼ室温での接触が極めて一般的であり、有効である。接触は、大気圧またはほぼ大気圧で行うのが好ましい。接触は、約5分間または約1時間〜約12時間またはそれ以上で行うのが好ましい。
【0079】
コンタクトレンズは、液体水性媒体にレンズを浸すことによって、液体水性媒体に接触させることができる。接触時間の少なくとも一部の時間にわたって、例えば液体水性媒体およびコンタクトレンズを含有する容器を振とうすることによって、コンタクトレンズを含有する液体媒体を撹拌して、レンズからの付着物の除去を少なくとも促進することができる。そのような接触段階後に、コンタクトレンズを手でこすって、レンズからさらに付着物を除去してよい。該洗浄法は、レンズを装用者の眼に戻す前に、液体水性媒体を実質的に有さないレンズを濯ぐことも含みうる。
【0080】
さらに、例えば外科処置の前、その間および/またはその後に、人工涙を適用または投与し、洗眼し、眼組織を灌注する方法も、本発明に含まれる。好適な化学構造を有する本発明組成物は、これらの各方法において、および他の眼内適用において有用である。これらの組成物は、一般的なよく知られた方法によって、眼内適用に使用しうる。言い換えれば、本発明組成物は、従来の組成物を同一適用に使用するのと実質的に同じ方法によって、眼内適用に使用することができる。本明細書の他の部分で記載した本発明組成物の1つまたはそれ以上の利点は、そのような眼内使用の結果として付与される。
【0081】
下記の非制限的実施例は、本発明の特定の局面を例示するものである。
【0082】
本発明の溶液中の界面活性剤、または他の成分または構成要素の量は、溶液を製造する際に、処方され、溶液に導入される量を意味する。
[実施例1]
【0083】
ビタミン E TPGS を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
0.06w/v%のビタミンE TPGS濃度は、CMC濃度より高く、従って、多目的液剤中の界面活性剤のFDA条件を満たすので、ただ1つの界面活性剤洗浄剤としてコンタクトレンズ多目的液剤に組み込むのに選択する。多目的液剤の配合を表1に示す。
【表1】
【0084】
ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)は、この配合物における殺菌剤である。表1の配合は、ビタミンE TPGSを含有せず、ノニオン界面活性剤Poloxamer 237を0.05w/v%で含有する対照殺菌配合物と実質的に同じである。この対照配合物は現在Allergan, Inc.によってComplete(登録商標)Comfort Plus(商標)Multi−Purpose Solutionとして市販されている。
【0085】
表1に示した液剤は、ガラス容器中の約65%の精製水に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を先ず添加し、これを激しく撹拌しながら50℃に加熱することによって調製する。約20分後、溶液が45℃に冷却された時に、この溶液に、ビタミンE TPGS(Eastman Chemical Company, Kingsport, TN)を添加する。加熱を停止し、溶液を撹拌しながら一晩で冷却させる。PHMB以外の残りの成分を、約35%の精製水に室温で添加し、次の成分を添加する前に各成分を溶解させる。HPMCおよびビタミンE TPGSを含有する溶液に、この溶液を添加する。溶液を濯ぎ、定量的に移すために、少量の精製水を使用する。混合溶液のpHは7.18であり、これは調整を必要としない。適量のPHMB保存溶液を0.0503w/v%で添加して、最終PHMB濃度0.00011w/v%にする。抗微生物活性試験用に、最終溶液を0.22ミクロンの酢酸セルロース濾膜に通して滅菌濾過する。
【0086】
コンタクトレンズ多目的液剤の殺菌有効性を測定する工業規格法を使用して、表1に示した配合物および前記対照液剤を評価する。この方法は、FDA Contact Lens Disinfection Panelを代表する5種類の微生物それぞれの約105〜106コロニー形成ユニット(CFU)/mLの接種物で、液剤を攻撃することを含む。種々の時間にわたって液剤に接触させ、次に、残留殺菌剤を中和し、残留生存微生物を培養する。残留生存微生物を、特定接触時間における採収(cfu/mL)として示す。最後に、生存微生物の減少を、初期接種物からの対数(底10;log10)減少として、各接触時間について算出する。
【0087】
2つの液剤を、初期スクリーニングパネルとして約105〜106CFU/mL濃度のS. aureusおよびC. albicansで先ず攻撃し、2時間および4時間で評価した。Complete(登録商標)Comfort Plus(商標)Multi−Purpose Solutionについては、最低4時間の浸漬が、殺菌およびタンパク質除去に関して現在承認され推奨されている。結果を表2に示す。
【表2】
【0088】
どの所定時間においても試験変動が対数減少の数10分の1(several tenths)である場合が多いことを考慮すれば、2つの液剤の抗微生物活性が本質的に同等であることを、結果は示している。これらの有利な結果を考慮して、試験微生物の全抗微生物パネルを使用して抗微生物有効性試験を繰り返す。結果を表3に示す。
【表3】
【表4】
【0089】
これらの結果は、最初の抗微生物有効性試験を確認するものである。表4は、4時間の接触時間における、2つの抗微生物剤の有効性試験の概要を示す。結果は、組成物1を対照液剤と比較した場合、S. aureusについての活性において0.9対数減少を示すが、この場合、3.0を越えるS. aureusのどのような対数減少でも許容されると考えられるので、これは重大でないと考えられる。
[実施例2]
【0090】
ビタミン E TPGS を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
3つの濃度のビタミンE TPGSを、2つのpH値で含有する、4種のコンタクトレンズ多目的液剤を調製して、抗微生物剤の殺菌有効性、細胞毒性および安定性を評価する。5番目の液剤をビタミンE TPGSを使用せずに調製して、対照液剤とする。この液剤は、標準ノニオン界面活性剤Pluronic F87(Poloxamer 237としても知られる)を含有する。
【0091】
下記のように液剤を製造する:0.90w/v%HPMC、F4Mグレードの保存溶液3Lを製造する。精製水約2Lを、激しく撹拌しながら70℃に加熱する。HPMC27.0gを添加し、溶液を撹拌し、約2〜3時間で60〜70℃に加熱する。加熱を停止し、溶液を最終容量3Lに調整し、溶液を使用するまで撹拌を継続する。10.0gのビタミンE TPGS(Eastman Chemical Company, Kingsport, TN)を精製水約900mLに激しく撹拌しながら45℃で添加することによって、ビタミンE TPGSの1.0w/v%保存溶液を製造する。ビタミンE TPGSが充分に溶解するまで、溶液を40〜45℃で加熱しながら4時間撹拌する。加熱を停止し、溶液を一晩静置する。精製水をビタミンE TPGS溶液に添加して、合計容量を1Lに調整する。4リットルのガラスフラスコを使用して、表5に示した最終液剤配合物各3Lを製造する。各塩を計量し、次の塩を添加する前に、表5に示した順序で各フラスコ中の精製水約2Lに添加し、溶解させる。Pluronic F87を計量し、グリセリンの添加前に、液剤配合物1に添加する。次に、HPMC保存溶液500mLを配合物1に添加する。次に、PHMBの0.1032w/v%保存溶液3.198mLを、液剤配合物1に添加する。最後に、精製水を使用して、溶液を最終容量3.000Lに調整する。
【0092】
同様の方法でビタミンE TPGS溶液を製造するが、但し、ビタミンE TPGSをHPMCの後に添加する。ビタミンE TPGS保存溶液180mLを、各配合物2および3に添加する。90mLおよび300mLのビタミンE TPGS保存溶液をそれぞれ、配合物4および5に添加する。PHMB保存溶液3.198mLを、各配合物2〜5に添加し、溶液を最終容量3.000Lに調整する。
【0093】
さらに試験するために、全ての溶液を0.22ミクロンの酢酸セルロース濾膜に通して滅菌濾過する。安定性評価のために、液剤配合物1〜3を4オンスの高密度ポリエチレンプラスチックボトルに充填する。液剤配合物4および5を、透明プラスチック容器またはガラス容器に保存する。表5は、配合物ならびに初期の物理的および化学的アッセイの結果を示す。
【表5】
【0094】
3つの濃度(0.03、0.06および0.10w/v%)のビタミンE TPGSを評価した。液剤の2つのpH値(pH7.5およびpH7.0)を評価した。pH7.5はヒトの涙のpH7.45により近いので、眼の快適性にとって好ましい。pH7.0はビタミンE TPGSの水性安定性に好都合である。製造後約1週間で試験した表5の配合物のコンタクトレンズ殺菌有効性を、表6および7に示す。F. solaniについては、これらの全ての配合物がこの微生物に対して許容される活性を示すと考えられるので、試験しない。
【表6】
【表7】
【0095】
表6および7の結果は、ビタミンE TPGSを含有する配合物2〜5の抗微生物活性が、対照液剤、配合物1と同等であることを示す。全ての液剤は、適切な殺菌活性より高い活性を有する。
【0096】
表5の配合物の細胞毒性を、いくつかの標準細胞毒性アッセイによって評価する。これらは、細胞膜損傷を評価するニュートラルレッド保持アッセイ、および代謝活性の阻害を評価するAlamar Blueアッセイを包含する。これらのアッセイの結果は、全ての液剤が非細胞毒性であることを示す。これらの結果は、コンタクトレンズ装用者に一般に快適なコンタクトレンズ多目的液剤と一致する。
【0097】
表5の配合物1〜3の化学的安定性を、物理的および化学的アッセイによって、重量オスモル濃度、pH、PHMB、ビタミンE TPGS分解および表面張力について、1ヶ月間にわたって評価する。ビタミンE TPGSを定量するHPLCアッセイによって、ビタミンE TPGS分解を監視する。安定性試験用試料を25℃、40℃、50℃、60℃および70℃で保存する。
【0098】
重量オスモル濃度は、4週間目で、配合物1、2および3が、301、297および295mOsm/kgへの僅かな増加を示した70℃以外の全ての温度において、実質的に一定に維持される。この増加は、3つの液剤に関して、それぞれ8、8および11mOsm/kgにすぎない。これらの増加は、この高温でのボトルからの蒸散による水の減少によると考えられる。
【0099】
液剤pHは、60℃および70℃で保存した試料以外は、最初のpH値の0.1pH単位内に維持される。配合物1、2および3は、4週間の保存後に、60℃で7.42、7.31および6.85のpH値、および70℃で7.17、7.18および6.74のpH値をそれぞれ有していた。pHの減少は、これらの温度における配合物1のPluronic F87、および配合物2および3のビタミンE TPGSの加水分解と一致する。
【0100】
PHMB濃度は、4週間の保存後に、25℃、40℃および50℃において、本質的に変化なく維持される。配合物1、2および3におけるPHMB濃度は、4週間の保存後に、それぞれ、60℃において0.56、0.58および0.77ppmに減少し、70℃において0.36、0.22および0.33ppmに減少した。これらの減少は、これらの配合物へのそのような高温ストレスに関して予期されないことではない。現在のいくつかのコンタクトレンズ多目的液剤におけるPHMBの保存期間規格値は0.6〜1.2ppmであり、室温に対する分解速度加速係数は60℃で容易に>18になりうる故に、データは抗微生物活性が妥当な保存期間にわたって維持されることを示す。
【0101】
0時間において、配合物3はpH7.0であり、配合物2はpH7.5であるので、ビタミンE TPGSは、予想されるように、配合物2より配合物3においてより安定である。ビタミンE TPGSは、70℃で4週間後に、配合物2においては0.0344%の濃度に達し、配合物3においては0.0479%に達する。25℃または40℃において、配合物2または3のいずれにおいても、ビタミンE TPGS濃度の変化は観測されなかった。50℃および60℃において、両配合物におけるいくらかの濃度変化が観測された。配合物2につての50℃、60℃および70℃からのデータを使用して、ビタミンE TPGS分解のアレニウス分析を行った。ビタミンE TPGSの少ない突出減少は驚くべきであり、そのような液剤におけるビタミンE TPGSの機能安定性を裏づけるものである。
【0102】
表面張力の変化も、主として高温において観測される。組成物に使用される特定のビタミン系界面活性剤の量は、製品の保存期間中に減少する界面活性剤の量を考慮すべきである。界面活性剤の量は、製品の保存期間中に臨界ミセル濃度(CMC)より高く維持されるような量にすべきである。
[実施例4]
【0103】
人工涙および洗眼液剤
種々の成分をブレンドすることによって、本発明の人工涙および洗眼液剤を調製する。この液剤は、表8に示す組成を有する。
【表8】
* Puriteは、安定化二酸化塩素の商標である
【0104】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例5]
【0105】
ビタミン A ポリエチレングリコール 1000 スクシネート(ビタミン A RPGS )を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
ビタミンAポリエチレングリコール1000スクシネート、ビタミンA RPGSは、一般的な合成化学法によって、レチノールの遊離アルコール基においてレチノールを琥珀酸でエステル化し、次に、琥珀酸の残りの遊離カルボン酸根をポリエチレングリコール1000でエステル化することによって製造される。
【0106】
種々の成分をブレンドすることによる多目的コンタクトレンズケア液剤の調製において、このビタミンA RPGSを使用する。この液剤の組成を表9に示す。
【表9】
【0107】
この液剤を試験すると、コンタクトレンズのケアに有効であることがわかる。
[実施例6]
【0108】
人工涙および洗眼液剤
種々の成分をブレンドすることによって、本発明の人工涙および洗眼液剤を製造する。この液剤は、表10に示す組成を有する。
【表10】
【0109】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例7]
【0110】
葉酸ポリエチレングリコール 1000 を含有する人工涙および洗眼液剤
葉酸ポリエチレングリコールは、一般的な合成化学法によって、1個または両方の遊離酸根をポリエチレングリコール1000でエステル化することによって製造される。
【0111】
種々の成分をブレンドすることによる本発明の人工涙および洗眼液剤の調製において、この葉酸ポリエチレングリコールを使用する。この液剤は、表11に示す組成を有する。
【表11】
【0112】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例8]
【0113】
ビタミン E TPGS を含有する他のコンタクトレンズ多目的液剤
0.05w/v%ビタミンE TPGSA(アミド)の濃度は、CMC濃度より高く、従って、多目的液剤中の界面活性剤のFDA条件を満たすので、ただ1つの界面活性剤洗浄剤としてコンタクトレンズ多目的液剤に組み込むのに選択する。多目的液剤の配合を表12に示す。
【表12】
【0114】
この組成物の抗微生物有効性は、請求項1の液剤の抗微生物有効性と同等かまたはそれより優れている。
【0115】
種々の特定の実施例および態様に関して本発明を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、請求の範囲内で変更を加えて実施しうるものと理解される。
【0001】
本発明は、コンタクトレンズケアおよび眼のケア用の組成物に関する。本発明は特に、そのような組成物中の界面活性剤として有用なビタミン誘導体を含有する組成物、およびそのような組成物を使用するコンタクトレンズケアおよび眼のケアの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非ニオン界面活性剤は、カチオン、両性およびアニオン界面活性剤と比較して、コンタクトレンズポリマーおよび眼組織との比較的少ない有害相互作用により、コンタクトレンズケアおよび眼のケア用途に使用するのが好ましい。非ニオン界面活性剤は、コンタクトレンズ多目的液剤に一般に使用されるポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)のようなカチオン殺菌剤との有害な相互作用を最小限にするという点からも好ましい。
【0003】
コンタクトレンズ多目的液剤、再湿潤液剤および眼内洗浄液剤に使用される現在の界面活性剤の例は、米国特許第4836986号に開示されている界面活性剤である。この特許は、使用の際に、好ましい中性または非イオン性界面活性剤が、洗浄特性およびコンディショニング特性を付与し、一般に約15wt%までの量で存在することを開示している。該界面活性剤は、レンズケア溶液に可溶性で、眼組織に非刺激性であり、一般に約12.4〜約18.8の親水性/親油性バランス(HLB)を有していなければならない。満足できる非ニオン界面活性剤は、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ココナツ、ポリソルベート、高級アルカン(C12〜C18)のポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンエーテルを包含するが、これらに限定されない。
【0004】
非ニオン界面活性剤の1つの群、付加物の少なくとも約40wt%がポリ(オキシエチレン)であり、分子量約7,500〜約27,000を有するエチレンジアミンのポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)付加物は、約0.01〜約15wt%の量で使用した場合に、ソフトおよびハードコンタクトレンズの両方の洗浄およびコンディショニングに使用するのに特に有効であることが見出された。この群の界面活性剤についての、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionaryでの採用名は、ポロキサミンである。そのような界面活性剤は、BASF Wyandotte Corp., Wyandotte, Mich.から登録商標「Tetronic」として入手可能である。類似した界面活性剤系列は、ポロキサマー系列であり、それらは、BASF Wyandotte Corp., Parsippany, NJ 07054から商標「Pluronic」として入手可能なポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックポリマーである。
【0005】
米国特許第4820352号は、一般にビグアニド殺菌剤と組み合わせる洗浄剤としての、ポロキサミン界面活性剤の使用を開示している。米国特許第5817277号、第5593637号および第5422073号は、界面活性剤チロキサポール、ポロキサミンまたはポロキサマーと組み合わせてポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)殺菌剤を含んで成る、コンタクトレンズの洗浄および殺菌用のコンタクトレンズ多目的液剤を開示している。
【0006】
現在のコンタクトレンズケア、眼内再湿潤、人工涙液および洗眼組成物、およびその中の界面活性剤についての1つの関心事は、眼組織における有益作用の不足に関する。即ち、現在の界面活性剤は、充分に機能し、例えば洗浄するが、それらが接触する眼組織に付加的利益を与えない。現在の界面活性剤に関するもう1つの関心事は、全身吸収に関する。眼に投与されたあらゆる液剤の有意量は、例えば鼻涙管を通って胃腸管に洗い流され、そこで全身吸収が生じうる。現在の界面活性剤は、レンズケア液剤と適合性であり、眼に快適であるにもかかわらず、代謝的に分解するかまたは有用であるかが分かっていない。
【0007】
多くの特許は、ビタミンE誘導体を開示しており、それらのいくつかは界面活性剤である。米国特許第5179122号は、ビタミンE、ビタミンE界面活性剤および不活性担体を含有する栄養補助食品を開示している。米国特許第5235073号は、界面活性剤活性を有するポリエトキシル化ビタミンEを開示している。
【0008】
いくつかの特許は、コンタクトレンズケアおよび眼科用途に使用されるのと同じ種類の保存剤と組み合わしたビタミンEまたはその誘導体を開示している。米国特許第5653695号および第6046143号は、水溶性潤滑剤を有する面および水溶性潤滑剤を有する医療装置を開示し、該潤滑剤は、微生物の増殖を抑制するシリコーン界面活性剤、ビタミンEまたはその誘導体およびポリヘキサメチレンビグアニドから成る。ビタミンEおよびその誘導体は、潤滑系の潤滑性を増加させる油性製品として開示されている。ビタミンE界面活性剤を包含する水溶性のビタミンE誘導体は開示されていない。
【0009】
米国特許第5603929号および第5653972号は、酸性薬剤、ポリマー第四級アンモニウム化合物および硼酸を含んで成る保存された保存安定性眼科用組成物、およびそのような組成物を使用して眼炎症を抑制する方法を開示している。ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートが配合成分として開示されている。米国特許第5886030号は、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートを包含するビタミンEトコフェリル誘導体の、抗炎症性眼科用組成物における使用を開示している。眼に刺激性の眼科用治療薬を含有する組成物において、眼炎症を治療または抑制し、快適性を増し、刺激を減少させる方法が開示されている。該組成物は、塩化ベンザルコニウム、Polyquad(商標)およびDymed(商標)(ポリヘキサメチレンビグアニド)のような保存剤を含有してよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば眼の組織および/または組成物が眼に投与されたヒトまたは動物に全身的に、1つまたはそれ以上の付加的利益を与える界面活性剤を含有する、コンタクトレンズケア組成物、および眼内使用組成物、およびそのような組成物の使用法を提供することが有利であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
例えばコンタクトレンズの殺菌および/または洗浄および/またはその他の処置に使用され、および/または眼内使用される新規眼科用組成物、およびそのような組成物の使用方法が見出された。本発明は一般に、そのような組成物、例えば、コンタクトレンズを殺菌し、洗浄し、濯ぎ、再湿潤し、保存し、その他の処置を行うのに有用な多目的コンタクトレンズ組成物、好ましくは液剤に含有された、ビタミン系界面活性剤に関する。さらに、そのようなビタミン系界面活性剤は、眼内のコンタクトレンズを再湿潤させるのに有効な眼内液剤または組成物、および人工涙組成物、洗眼組成物、灌注組成物等のような眼内適用に有効な他の組成物に含有させることができる。そのような組成物は、該組成物中の界面活性剤として非常に有効なビタミン系界面活性剤と共に使用した場合に、非常に有効であることが見出された。重要なことに、ビタミン系界面活性剤は、本発明組成物で処置したコンタクトレンズを眼に装着しているかまたは本発明組成物が眼に存在する個体、例えばヒトまたは動物に、付加的利益、例えばビタミンに関連した利益を与えることが見出された。本発明組成物は、簡単であり、眼科用に許容され、製造および使用が比較的容易である。
【0012】
1つの態様において、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な組成物を提供する。そのような組成物は、液体水性媒体;組成物に接触するコンタクトレンズを殺菌するのに有効な量で組成物に存在する殺菌成分;および、組成物中の界面活性剤として有効な量で存在するビタミン誘導体成分を含んで成る。
【0013】
ビタミン誘導体成分は、本発明組成物の液体水性媒体に可溶性であるのが好ましい。あらゆるビタミンの誘導体を本発明に使用しうるが、そのようなビタミン誘導体が本発明組成物中の界面活性剤として有効であることを条件とし、特に有効なビタミン誘導体成分は、ビタミンA、ビタミンA2、ビタミンC、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンE、ビタミンK1、ビタミンK2およびそれらの混合物から選択される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体である。特に有用なビタミン誘導体成分は、少なくとも1つのビタミンE誘導体を含有する。非常に有用な態様において、本発明のビタミン誘導体成分は、ビタミンEトコフェリルポリエチレンスクシネート、例えば、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(以下に、ビタミンE TPGSと称す)を含有する。
【0014】
他の非常に有用な態様において、本発明のビタミン誘導体成分は、ビタミンEトコフェリルポリエチレングリコールスクシンアミド、例えば、ビタミンEトコフェリルポリエチレン1000スクシンアミド(以下に、ビタミンE TPGSAと称す)を含有し、それにおいて、ビタミンE TPGS中のポリエチレングリコールと琥珀酸とのエステル結合がアミド結合で置き換わっている。
【0015】
1つの態様において、本発明組成物は、多目的コンタクトレンズケア液剤の形態である。
あらゆる好適なコンタクトレンズ殺菌成分を本発明に使用しうるが、殺菌成分は非酸化性殺菌剤であるのが好ましい。1つの有用な態様において、殺菌成分は、1つまたはそれ以上のビグアニドを含んで成る。非常に有効な殺菌成分は、ポリヘキサメチレンビグアニドを含んで成る。
【0016】
1つの態様において、本発明組成物は、コンタクトレンズを洗浄するのに有効である。そのような態様において、組成物に接触するコンタクトレンズから付着物を除去するのを少なくとも補助するのに有効な量、より好ましくは除去するのに有効な量で、ビタミン誘導体成分が存在するのが好ましい。
【0017】
本発明の他の広い局面において、眼内使用に有効な組成物を提供し、該組成物は、液体水性媒体、および組成物中の界面活性剤として有効な量で存在するビタミン誘導体成分を含んで成る。そのような組成物は、眼科用に許容され、1つまたはそれ以上の眼内適用に使用されるように適合される。好ましくは、そのような組成物は、コンタクトレンズ再湿潤剤、眼内洗浄剤、人工涙組成物、洗眼組成物、眼に使用される灌注組成物、例えば、手術の間の灌注剤として有効な組成物等の1つまたはそれ以上として使用されるように適合される。
【0018】
好ましくは、本発明組成物は、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、サルファ剤および低溶解性眼用剤を実質的に含有しない。本発明組成物は、治療効果を与えるどのような医薬的に活性な成分も実質的に含有しなくてよい。
【0019】
1つの有用な態様において、眼内適用に使用される本発明組成物は、有効量の保存剤(防腐剤)成分を含有し、それらの多くは一般的であり、当分野でよく知られている。あらゆる好適な保存剤成分を本発明組成物に使用しうるが、非常に有効な保存剤成分は亜塩素酸塩、例えば安定化二酸化塩素を含んで成る。安定二酸化塩素は、本発明組成物中の保存剤として非常に有効である。さらに、安定二酸化塩素は、組成物または組成物を投与された眼に対して、有害作用を有するとしても極僅かに有するにすぎない。
【0020】
コンタクトレンズを殺菌する方法も提供する。そのような方法は、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、本発明の殺菌成分含有組成物にコンタクトレンズを接触させることを含んで成る。
【0021】
さらに、コンタクトレンズを処置する方法も提供し、該方法は、コンタクトレンズのまたはコンタクトレンズへの所望の処置を与えるのに有効な条件において、コンタクトレンズを本発明組成物に接触させることを含んで成る。例えば、コンタクトレンズを洗浄する方法を提供し、該方法は、付着物、例えばタンパク質付着物を、付着物を有するコンタクトレンズから除去するのに有効な条件において、付着物を有するコンタクトレンズを本発明組成物に接触させることを含んで成る。
【0022】
眼を処置する方法を提供し、該方法は、有効量の本発明組成物を眼に投与することを含んで成る。
【0023】
本明細書に開示されている各特徴および全ての特徴、ならびにそのような特徴の2つまたはそれ以上の各組み合わせおよび全ての組み合わせは、本発明に含まれ、但し、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しないものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ソフト、硬質およびソフトまたは軟質透過性、シリコーンヒドロゲル、シリコーン非ヒドロゲルおよび従来のハードコンタクトレンズのような全てのコンタクトレンズと共に使用することを目的とした液剤に、本発明を使用することができる。人工涙、洗眼組成物、灌注組成物等のような、コンタクトレンズを目的としていない眼用液剤に、本発明を使用することができる。
【0025】
1つの態様において、本発明組成物は、コンタクトレンズケア用の多目的組成物として有用である。本明細書において使用される多目的組成物は、眼から外している間にコンタクトレンズを洗浄し、濯ぎ、殺菌し、再湿潤し、保存し、またはそれ以外の処置をするのに有用である。そのような多目的組成物は、眼にレンズを装着している間に、コンタクトレンズを、再湿潤し、洗浄するのにも有用である。レンズを眼に装着している間に、コンタクトレンズを再湿潤し、洗浄するのに有用な製品は、再湿潤剤(re−wetter)または「眼内」(in−the−eye)洗浄剤と称されることが多い。本発明組成物は、再湿潤剤または「眼内」洗浄剤としても有用である。本明細書において使用される「洗浄」という用語は、指操作の使用または不使用、および液剤を撹拌する補助装置の使用または不使用において、付着物および他の汚染物をコンタクトレンズから放すおよび/または除去することを含む。本明細書において使用される「再湿潤」という用語は、コンタクトレンズの少なくとも前表面の、少なくとも一部分、例えば少なくとも実質部分に、水を添加することを意味する。
【0026】
本発明組成物は、ドライアイおよび他の眼の不快症状の軽減に使用される人工涙として有用である。本発明は、洗眼薬および灌注組成物、例えば液剤または眼用ローション剤として有用であり、それらは、化学物質または異物のような外来存在物への暴露後に、眼を洗浄し、浸し、洗い流し、または濯ぐのに使用することができる。これに関連した外来存在物は、赤み、かゆみ、焼灼感などのようなアレルギー反応を引き起こす花粉、ダスト、ブタクサおよび他の外来抗原の1つまたはそれ以上を包含するが、これらに限定されない。単純食塩水点眼薬の使用は、季節性アレルギー性結膜炎の30〜35%に有効であることが示された。好都合にも、本発明のビタミン誘導体成分は、季節性アレルギー性結膜炎の症状を軽減し、治療し、または抑制することにおいて、単純食塩水の効果より優れている。
【0027】
本発明の組成物および方法に有用なビタミン誘導体成分は、眼の中および外の両方におけるコンタクトレンズの非常に有効な湿潤化および/または洗浄、および露出眼組織の眼内湿潤および/または洗浄を与える。本発明のビタミン誘導体成分は、眼に対して実質的に非毒性および/または非刺激性および/または非損傷性であり、眼の細胞および組織に細胞および組織保護機能を与えることができ、眼および全身の吸収の際に、代謝的に有用なビタミン源を与えることができる。
【0028】
本明細書において使用する場合、ビタミン誘導体成分またはビタミン系界面活性剤成分は、得られる成分が本発明の組成物および/または方法における界面活性剤として有効であるような化学構造物によって誘導体化されたビタミンを包含する。本発明をいかなる特定の作用理論にも限定するものではないが、本発明のビタミン誘導体成分は、ミセルを形成し、臨界ミセル濃度を有すると考えられる。そのような成分は、眼の中または外のコンタクトレンズの洗浄を少なくとも補助することができ、異物微粒子、屑、抗原などを眼から除去することを少なくとも補助することができ、好ましくは除去することができ、眼科用に許容され、および/または眼に対して実質的に非毒性である。
【0029】
本発明によるビタミン系界面活性剤は、単独か、または相互に組み合わせるかまたは混合して、使用することができる。ビタミンA、A2、C、D1、D2、D3、D4、E、K1、K2および葉酸は、誘導体化して本発明の界面活性剤を形成することができる好ましいビタミンである。本明細書に記載するように機能する、例えば界面活性剤として機能するのに有効であることを条件として、あらゆる好適なビタミン誘導体を使用することができる。そのような誘導体の例は、ビタミンA(レチノール)の琥珀酸エステルまたはアミドを包含するが、これらに限定されず、それらは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、それらの混合物等から選択されるポリアルキレングリコールを使用して製造することができ、次に、さらにエステル化するかまたはアミド化(例えば、アミド結合との結合)して、好適な界面活性剤を形成する。ポリエチレンングリコール1000は、1つの非常に有用なポリアルキレングリコールである。ビタミンD1、D2、D3またはD4もエステル化するかまたはアミド化して、好適な界面活性剤を形成することができる。ビタミンK1およびK2のジヒドロ誘導体を製造することができ、次に、琥珀酸およびポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール1000を使用してエステル化するかまたはアミド化する。葉酸は、その2個の遊離カルボン酸根のどちらかにおいて、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール1000によって、エステル化するかまたはアミド化することができる。非アニオンビタミンE誘導体が特に好ましい。
【0030】
2つの非常に有用なビタミンE誘導体に基づく界面活性剤は、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、およびそのアミド類似体(ビタミンE TPGSA)である。ビタミンE TPGSの構造は、下記の式によって示される:
【化1】
【0031】
ビタミンE TPGSは、D−α−トコフェリル酸スクシネートのポリエチレングリコール(PEG)エステルであり、該ポリエチレングリコール(PEG)の分子量は約1000である。次に、D−α−トコフェリル酸スクシネートは、D−α−トコフェロール、ビタミンEの琥珀酸エステルである。ビタミンE TPGSAは、PEG鎖と遠位琥珀酸遊離酸根の間にアミド結合を有するD−α−トコフェリル酸スクシネートのポリエチレングリコール(PEG)アミドであり、該PEGの分子量は約1000である。TPGSAの構造は下記の式によって示される:
【化2】
【0032】
ビタミンE TPGSは、高水溶性であり、全身的に投与した場合に、生物学的に活性なビタミンEの優れた源である。ビタミンE TPGSは、両親媒性を有し、分子のPEG部分は親水性であり、ビタミンEスクシネート構造物は疎水性である。この両親媒性を考慮すれば、ビタミンE TPGSは、表面活性剤(界面活性剤)であり、水ならびに泡中にミセルおよび/または種々の液体結晶相を形成すると考えられる。ビタミンE TPGSは、非ニオン界面活性剤のポリエチレングリコール種の1つである。それは、約13.2の親水性/親油性バランス(HLB)有する。ビタミンE TPGSは、優れた乳化剤および洗浄剤である。水中における臨界ミセル濃度(CMC)(それより高い界面活性剤濃度でミセルが形成される濃度)は、ビタミンE TPGSについて37℃で約0.02w/v%である。
【0033】
使用される界面活性剤濃度は、使用される特定の界面活性剤成分の臨界ミセル濃度を超えるのが好ましい。
【0034】
ビタミン誘導体成分は、本発明組成物中の界面活性剤として作用するのに有効な量で、本発明組成物に存在する。そのような量は、実際に使用される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体、組成物を使用する用途、組成物の化学構成などに基づいて広範囲に変化しうる。そのようなビタミン誘導体成分は、組成物の重量に基づいて約0.01%〜約0.5%、より好ましくは約0.01%〜約0.5%〜約1.0%、さらに好ましくは約0.02%〜約0.20%の量で使用するのが好都合である。
【0035】
他のビタミンEに基づく界面活性剤成分も本発明に使用しうる。α−トコフェロールの生物学的活性の少なくとも一部を示す全ての天然ビタミンE化合物、およびそれらの対応する合成形態を使用して、本発明に使用される界面活性剤を形成することができる。本発明で有用なビタミンE化合物は、α−、β−、χ−およびδ−トコフェノール、およびα−、β−、χ−およびδ−トコトリエノールを包含するが、これらに限定されない。これらの全ての化合物は、種々の異性体として存在する。商業的に入手可能なビタミンEの合成形態は、α−トコフェロールの8つの立体異性形のほぼ同量の混合物を含んで成る。現在の有用な界面活性剤は、単一のビタミン異性体またはビタミン異性体混合物に基づくことができる。
【0036】
ビタミン、例えばビタミンEまたは他のビタミンの、種々の界面活性剤形態を形成することができ、それらは本発明で有用である。これらの界面活性剤は、既知の合成化学法、例えば、ポリエチレングリコールのような界面活性剤鎖を使用するトコフェロールのフェノールOH基の直接エステル化またはアミド化、またはビタミンEスクシネートのような第一級エステル中間体の第二エステル化またはアミド化によって製造できる。トコフェロールのフェノールOH基のエステル化は、好ましい化学合成経路である。ビタミンに基づくエステルは、本発明の界面活性剤として使用するのに好ましい。エステルまたはアミド結合は、酵素、例えば、生物学的に活性なビタミンの生成を直接的に生じる生体内エステラーゼまたはアミドース活性を有する酵素によって、容易に加水分解される。眼組織は、眼科用プロドラッグにおいてエステルおよびアミド結合をそれぞれ加水分解するエステラーゼおよびアミドースを含有することが知られている。このように、眼組織エステラーゼまたはアミドースは、例えば、ビタミンE TPGSおよび他のエステルに基づくビタミン界面活性剤のエステルまたはアミド結合に作用して、生物学的な活性なビタミンを組織に放出する。
【0037】
エステル構造を有するビタミン系界面活性剤は、多くの場合、本発明の水性組成物、例えば溶液中で、界面活性剤活性を実質的かつ効果的に維持するのに充分に安定である。生物学的に活性なビタミンの生成も生じる他の生体内不安定結合を有する他の種類の界面活性剤を、その界面活性剤が、許容される水準の界面活性剤活性を与えるのに充分な、水溶液中での安定性を有するならば、製造することができる。例えば、アミド結合は、エステル結合より数オーダーの大きさでより加水分解安定性であると推定される。非ニオン界面活性剤が好ましい。ある条件では、例えば、殺菌剤の活性が減少せず、眼内安定性および快適性が維持される場合には、カチオン、両性およびアニオン界面活性剤も使用しうる。種々の非ニオン界面活性剤種、例えばポリエチレングリコール界面活性剤を、ビタミン先駆物質に基づいて製造し、本発明において使用しうる。現在の有用なビタミン系界面活性剤成分に対応する他の非ニオン界面活性剤種は、ポリオキシエチル化直鎖アルコール、ノノキシノール、オクトキシノール、ポリオキシエチル化ドデシルアミン、ソルビタンモノエステル等およびそれらの混合物を包含するが、これらに限定されない。
【0038】
本発明で有用な界面活性剤は、単独でまたは混合物として使用する場合に、水溶性であるのが有利である。そのような界面活性剤は、単独で使用する場合に、約12〜約13のHLB値を有するのが好ましい。加えて、使用される界面活性剤は、好ましくは、本発明の透明溶液を与える。
【0039】
ビタミンE TPGSは、酸性およびアルカリ性pH条件への暴露の際に、加水分解に不安定性であることが知られている。不安定性は、エステル結合の酸または塩基触媒加水分解によるものである。緩衝された溶液においてpHが中性に近づくにつれ、ビタミンE TPGSはより安定性になる。pH7.5がヒトの涙のpH7.45に近いので眼の快適性により最適である故に、これはいくつかの組成物において問題となりうる。従って、本発明組成物は、保存の間の加水分解に対して界面活性剤エステルをさらに安定化するために、ビタミンE界面活性剤エステル結合加水分解の加水分解生成物も場合により含有しうる。安定化のメカニズムは、既知の化学平衡および動力学理論、特にルシャトリエの法則として既知の原理に基づくと考えられる。従って、琥珀酸およびポリエチレングリコール1000のような化合物は、ビタミンE TPGSのエステル結合加水分解の加水分解生成物であるが故に、それらをそれぞれ単独でまたは組み合わせて使用して、水溶液中のビタミンE TPGSを安定化することができる。同様に、他のビタミン系界面活性剤のエステル形態の加水分解生成物を使用して、界面活性剤を安定化し、付加的ビタミン源を与えることができる。
【0040】
ビタミンE TPGSの、ビタミンEトコフェロールヘミスクシネートおよびポリエチレングリコールへの加水分解は、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)のような殺菌剤と不相溶性の溶液を生じうる。この理由は、形成されたビタミンEトコフェロールヘミスクシネート陰イオンの量が、陽イオンPHMBと実質的にイオン対を形成する場合があり、それによって、PHMBの抗微生物活性が減少されるかまたは中和されることが見出されたからである。水溶液中のビタミンE TPGSの加水分解は極めて遅く、ほとんどの場合、ppm濃度の加水分解生成物を生じる。それにもかかわらず、これは、PHMBのような殺菌剤または他の陽イオン抗微生物剤を不活性化するのに充分であると考えられる。そのような場合、他のアミド系界面活性剤、例えば、ビタミンE TPGSAを使用するのが好都合であると考えられる。ビタミンE TPGSの加水分解を抑制することが有効な場合もある。そのような抑制は、ルシャトリエの法則によって、少量のポリエチレングリコール、例えばPEG1000、および琥珀酸を使用し、溶液を弱酸性のpH約6.8〜6.9で緩衝し、立体障害非錯体生成緩衝剤、例えば、Bistris、2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−(ヒドロキシ−メチル)−1,3−プロパンジオールを使用して行うことができる。Bistrisの比較的大きい親水性ヒドロキシエチル基は、塩基性窒素を保護する作用をして、この緩衝剤がエステル加水分解の塩基触媒として作用するのをより困難にする。一般的な量(例えば、約0.5ppm〜約1ppm)のPHMBを含有する組成物において、より安定なアミドに基づくビタミン界面活性剤を使用するのが好ましく、そうしなければ、そのような組成物は不安定なビタミンE TPGSを生じうる。
【0041】
本発明のビタミン系界面活性剤は、一般的な非ビタミン界面活性剤、例えば、ノニオン、カチオン、アニオンおよび両性非ビタミン界面活性剤と一緒に使用することもできる。ビタミン系界面活性剤は、1つまたはそれ以上の非ビタミン界面活性剤と組み合わして使用する場合、ノニオン非ビタミン界面活性剤と一緒に使用するのが好ましい。
【0042】
液体水性媒体または他の物質は、眼組織に適合性であり、即ち、眼組織に接触した際に有意なまたは不当な有害作用を生じない場合に、「眼科用に許容性」である。好ましくは、眼科用に許容される物質は、本発明組成物の他の成分とも適合性である。
【0043】
本発明組成物は、殺菌成分をさらに含有してよく、好ましくは含有する。液体水性媒体中に存在する殺菌成分の量は、組成物に接触させたコンタクトレンズを殺菌するのに有効な量である。
【0044】
殺菌成分を本発明組成物に含ませる必要がある場合、殺菌成分は酸化性または非酸化性であってよい。
【0045】
特に有効な酸化性殺菌成分は、過酸化水素および/または1つまたはそれ以上のペルオキシ含有化合物、例えば1つまたはそれ以上の過酸化物である。
【0046】
過酸化水素については、水性液体媒体中に例えば0.5%(w/v)の濃度が、多くの場合、殺菌成分として有効である。少なくとも約1.0%または約2.0%(w/v)の過酸化水素を使用するのが好ましく、その濃度は、0.5%(w/v)の過酸化物濃度の場合より、殺菌時間を短縮する。殺菌成分が、処置されるコンタクトレンズ、または処置したコンタクトレンズの装用者の眼に、実質的な有害作用を有すべきでないという点で制限される以外は、本発明に使用しうる過酸化水素の量に上限はない。
【0047】
他の過酸化物に関しては、有効な殺菌濃度でそれらを使用すべきである。
【0048】
酸化性殺菌剤を本発明に使用する場合、酸化性殺菌剤、例えば過酸化水素を、実質的に全て化学的に還元するかまたは中和するのに充分な量の、還元または中和成分を使用する。
【0049】
そのような還元または中和成分は、酵素成分含有錠剤に組み込むのが好ましい。還元剤は一般にどのような非毒性還元剤であってもよい。還元成分は、SH(基)含有水溶性低級アルコール、有機アミンおよびそれらの塩、アミノ酸およびジまたはトリペプチド、例えば、システインヒドロクロリドエチルエステル、グルチオン、ホモシステイン、カルバモイルシステイン、システイニルグリシン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオニルグリシン、2−メルカプトエチルアミンヒドロクロリド、システイン、n−アセチルシステイン、β−メルカプトエタノール、システインヒドロクロリド、ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩および亜二チオン酸塩、例えば、亜硫酸、ピロ亜硫酸および亜二チオン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩、およびそれらの混合物を包含する。チオールが好ましく、N−アセチルシステインが特に有効である。
【0050】
一般に、還元成分は、液体媒体の約0.5%〜約10%(w/v)の量で使用される。
1つの態様において、還元剤の全てまたは一部を、過酸化水素のような酸化性殺菌成分の中和または分解を触媒する作用をするカタラーゼ成分で置き換える。そのようなカタラーゼ成分は、例えば、存在するなら還元剤と一緒に、液体媒体中に存在する全ての酸化性殺菌成分を破壊するかまたは分解するのに有効な量で、バリア成分被覆錠剤のコアに含有させることができる。そのようなカタラーゼ成分を使用して、酸化性殺菌成分を破壊する速度を増加するのが好都合であると考えられる。
【0051】
殺菌成分は、実質的に非酸化性の殺菌成分であるのが好ましい。本発明において使用される非酸化性殺菌成分は、細菌または微生物との化学的または生理化学的相互作用によって抗微生物活性を得る実質的に非酸化性の有機化学物質を包含する。好適な非酸化性殺菌成分は、眼科用途に一般に使用される非酸化性殺菌成分であり、下記のものを包含するがそれらに限定されない:眼科用途に使用される第四級アンモニウム塩、例えば、ポリ[ジメチルイミノ−2−ブテン−1,4−ジイル]クロリド、α−[4−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム]−ジクロリド(化学登録番号75345−27−6、Onyx Corporationから商標Polyquaternium 1(登録商標)として入手可能)、ハロゲン化ベンザルコニウム、およびビグアニド、例えば、アレキシジンの塩、アレキシジン遊離塩基、クロルヘキシジンの塩、ヘキサメチレンビグアニドおよびそれらのポリマー、抗微生物ポリペプチド等、およびそれらの混合物。特に有効な実質的に非酸化性の殺菌成分は、下記の1つまたはそれ以上(混合物)から選択される:トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、N−アルキル−2−ピロリドン、クロルヘキシジン、Polyquaternium−1、ヘキセチジン、ブロノポール、アレキシジン、極低濃度の過酸化物、眼科用に許容されるそれらの塩等。
【0052】
アレキシジンおよびクロルヘキシジンの塩は、有機または無機であってよく、一般に、殺菌グルコン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、燐酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物等である。一般に、ポリアミノプロピルビグアニド(PAPB)またはポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)とも称されるヘキサメチレンビグアニドポリマーは、約100,000までの分子量を有する。そのような化合物は既知であり、米国特許第4758595号に開示されている。
【0053】
本発明に有用な非酸化性殺菌成分は、液体水性媒体中に約0.00001%〜約2%(w/v)の濃度で存在するのが好ましい。
【0054】
より好ましくは、非酸化性殺菌成分は、使用者が液体水性媒体から消毒したレンズを取り出し、その直ぐ後に安全かつ快適にレンズを眼に装着しうるような、眼科用に許容されるかまたは安全な濃度で、水性媒体に存在する。
【0055】
殺菌成分でコンタクトレンズを消毒する必要がある場合、レンズを消毒するのに有効な量の殺菌剤が使用される。好ましくは、そのような有効量の殺菌剤は、コンタクトレンズの微生物負荷を3時間で1対数程度減少させる。より好ましくは、有効量の殺菌剤は、微生物負荷を1時間で1対数程度減少させる。
【0056】
本発明の殺菌成分は、好ましくは、液体水性媒体に供給され、より好ましくは、液体水性媒体に可溶性である。
【0057】
本発明組成物は、有効量の1つまたはそれ以上の付加的成分、例えば、付加的洗浄成分、例えば酵素成分等;コンディショニング成分;湿潤成分;装用性改善成分;緩衝成分;張度調整成分等;およびそれらの混合物をさらに含んでいてよい。コンタクトレンズケア組成物に有用であることが知られており、必要とされる作用または利益を与えるのに有効な量で含有される物質から、付加的成分を選択しうる。付加的成分を含有する場合、該成分は、一般的な使用および保存条件において、組成物の他の成分と適合性であるのが好ましい。例えば、殺菌成分を含有する場合、前記の付加的成分は、殺菌剤の存在下に実質的に安定であるのが好ましい。
【0058】
付加的成分が存在する場合、各付加的成分は、本発明組成物の個体形態または液体形態中に存在しうる。付加的成分が固体として存在する場合、それらは、散剤または圧縮錠剤におけるように緊密に混合することができ、またはそれらは、カプセルに入れたペレット剤または錠剤におけるように、同じ粒子中であるが、実質的に分離させることができる。ビタミン系界面活性剤成分と付加的成分との組み合わせが液体形態である場合、それらは一般に、液体水性媒体に可溶性である。ビタミン系界面活性剤成分および付加的成分の1つまたは両方が、使用するまで固体形態であることができ、使用の際に、コンタクトレンズ表面に効果的に接触させるために、それらを液体水性媒体に溶解させることができる。
【0059】
付加的洗浄成分を本発明組成物に含有させる場合、洗浄成分は、コンタクトレンズからの堆積物または付着物の除去を少なくとも促進するのに有効な量、好ましくは除去するのに有効な量で存在すべきである。洗浄成分の例は、洗剤または界面活性剤、例えばノニオン界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20 − 商標 Tween 20)、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマー(例えば、商標Tyloxapolとして市販されているポリマー)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のグリコールエステル等、アニオン界面活性剤、例えばアルキルエーテルスルフェート等、およびそれらの混合物である。
【0060】
界面活性剤成分が存在する場合、その量は、多くの因子、例えば、使用される特定のビタミン系界面活性剤成分、特定の1つまたはそれ以上の非ビタミン界面活性剤(使用される場合)、組成物中の他の成分等に依存して、広範囲に変化する。多くの場合、界面活性剤成分の合計量は、液体媒体の約0.005%〜約0.1%または約0.5%(w/v)である。
【0061】
洗浄酵素も使用してよい。洗浄酵素成分は、コンタクトレンズからの付着物の除去を少なくとも促進するのに有効な量で添加しうる。コンタクトレンズに付着しうる付着物または堆積物の種類は、タンパク質、脂質、および炭水化物に基づくかまたはムチンに基づく堆積物である。1種またはそれ以上の堆積物が、特定レンズに存在しうる。
【0062】
使用される洗浄酵素成分は、コンタクトレンズの酵素的洗浄に一般に使用される酵素から選択してよい。好ましい酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ等である。酵素の例は、Huthらの米国特許第32672 RE、およびKarageozianらの米国特許第3910296号に開示されており、それらに開示の内容は参照として本明細書に組み入れられる。
【0063】
好ましいタンパク質分解酵素は、酸化性殺菌剤の活性酸素と反応して酵素を不活性にしうるスルフヒドリル基またはジスルフィド結合を実質的に含有しない。二価の金属イオンを含有する酵素、メタロプロテアーゼも使用しうる。
【0064】
より好ましいタンパク質分解酵素群は、セリンプロテアーゼ、例えば、バチルス属およびストレプトミセス属細菌ならびにアスペルギルス属糸状菌に由来するセリンプロテアーゼである。この種の酵素のうち、より好ましい酵素は、一般にサブチリシン酵素と称されるアルカリプロテアーゼに由来する酵素である。
【0065】
この用途に好ましい他の酵素は、パンクレアチン、トリプシン、コラゲナーゼ、ケラチナーゼ、カルボキシラーゼ、アミノペプチダーゼ、エラスターゼ、およびアスペルギロペプチダーゼAおよびB、プロナーゼE(S. griseus由来)およびジスパーゼ(Bacillus polymyxa由来)を包含する。
【0066】
1つの態様において、そのような洗浄酵素成分を含有する液体水性媒体は、1つのレンズ処置に対して、0.001〜約3アンソン単位、より好ましくは約0.01〜約1アンソン単位を与えるのに充分な酵素を有するのが好ましい。しかし、より多いまたはより少ない量を使用してもよい。さらに、酵素活性はpH依存性であるので、酵素の好ましいpH範囲は、当業者なら決めることができる。
【0067】
特に注目すべき本発明組成物の態様は、タンパク質分解酵素を実質的に含有しない。そのような配合物は、洗浄後にレンズを濯いで酵素をレンズから除去する必要のない有効なコンタクトレンズ洗浄を与える。
【0068】
本発明の組成物は、防腐剤、安定剤、過酸化水素分解の色指示薬、可塑剤、増粘剤等も含有しうる。
本発明組成物における、これらの付加的成分の許容される有効濃度は、当業者に明らかである。
【0069】
本発明組成物は、有効量の防腐剤成分を含有しうる。あらゆる好適な防腐剤、または防腐剤の組み合わせを使用しうる。好適な防腐剤の例は、塩化ベンザルコニウム、メチルおよびエチルパラベン、ヘキセチジン、フェニル水銀塩等、およびそれらの混合物を包含するがそれらに限定されない。本発明組成物に含有される防腐剤成分の量は、組成物を保存するのに有効な量であり、使用される特定の防腐剤成分およびそれを含有する特定の組成物等の要因に依存して変化しうる。防腐剤の濃度は、組成物の約0.00001%〜約0.05%または約0.1%(w/v)である場合が多い。
【0070】
本発明における防腐剤成分の非常に有用な例は、亜塩素酸塩成分を包含するがそれに限定されない。本発明の防腐剤として有用な亜塩素酸塩成分の特定の例は、安定化二酸化塩素(SCD)、金属亜塩素酸塩、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属亜塩素酸塩等、およびそれらの混合物である。工業グレード(またはUSPグレード)の亜塩素酸塩ナトリウムは、極めて有用な防腐剤成分である。多くの亜塩素酸塩成分、例えばSCDの正確な化学組成は、充分にはわかっていない。特定の亜塩素酸塩成分の調製または製造は、McNicholasの米国特許第3278447号に開示されており、それに開示の内容は全て参照として本明細書に組み入れられる。有用なSCD製品の特定の例は、商標Dura KlorでRio Linda Chemical Company, Inc.によって市販されている製品、および商標Anthium DioxideでInternational Dioxide, Inc.によって市販されている製品である。特に有用なSCDは、商標Purite(登録商標)でBio-Cide International, Inc.によって市販されている製品である。
【0071】
使用される液体水性媒体は、処理されるレンズ、または処理したレンズの装用者、または本発明組成物を眼に投与されたヒトまたは動物に、実質的に有害な作用を有さないように選択される。液体媒体は、即時レンズ処理または眼内使用を可能にし、促進さえするように構成される。液体水性媒体は、約5または約6〜約8または約10のpH、および少なくとも約150mOsmol/kg、例えば約300または約350〜約400mOsmol/kgの重量オスモル濃度を有するのが有利である。液体水性媒体は、実質的に等張性または低張性(例えば、僅かに低張性)および/または眼科用に許容されるのがより好ましい。液体水性媒体は、液体媒体に所望の張度を与えるのに有効な量の張度調整成分を含有するのが好ましい。本発明の液体水性媒体は、該媒体のpHを所望の範囲に維持するのに有効な量で存在する緩衝成分を含有するのが好ましい。そのような張度調整成分および緩衝成分は、液体水性媒体に存在してよく、および/または液体水性媒体に導入してよい。
【0072】
特に有用な媒体は、塩水、例えば、一般的な食塩水、または緩衝食塩水から誘導される。さらに、液体水性媒体は、例えば本明細書の他の部分に記載するような、1つまたはそれ以上の他の物質を、そのような媒体に接触するコンタクトレンズおよび/または眼組織を処置する(例えば、コンタクトレンズおよび/または眼組織に有利な特性を付与する)のに有効な量で含有してよい。
【0073】
本発明組成物は、下記のような粘度調整剤を含有してよい:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを包含するセルロースポリマー;カルボマー(例えば、カルボポール、RTM);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;アルギン酸塩;カラゲナン;および、グアール、カラヤ、アガロース、ローカストビーン、トラガカントおよびキサンタンガム。そのような粘度調整剤の濃度は、約0.01〜約5%w/vである。
【0074】
本発明組成物は緩衝剤を含有してよい。種々の一般的緩衝剤、例えば、燐酸、硼酸、クエン酸、酢酸、ヒシチジン、トリス、ビス−トリス等を使用してよい。硼酸緩衝剤は、硼酸およびその塩、例えば、硼酸ナトリウムまたはカリウムを包含する。溶液中で硼酸またはその塩を生成する四硼酸カリウムまたはメタ硼酸カリウムも使用しうる。硼酸ナトリウム十水和物のような水和塩も使用しうる。燐酸緩衝剤は、燐酸およびその塩、例えばM2HPO4およびMH2PO4[Mは、NaおよびKのようなアルカリ金属塩である]を包含する。Na2HPO4・7H2OおよびNaH2PO2・H2Oのような水和塩も使用しうる。「燐酸」という用語は、溶液中で燐酸またはその塩を生成する化合物も包含する。さらに、前記緩衝剤の有機対イオンも使用しうる。緩衝剤の濃度は一般に約0.05〜約2.5w/v%、より好ましくは約0.05〜約0.5w/v%である。緩衝剤の種類および量は、配合物が溶液の機能性能基準、例えば界面活性剤安定性、抗微生物有効性および緩衝能を満たすように選択される。緩衝剤は、眼および使用を目的としたあらゆるコンタクトレンズに適合性のpHを与えるようにも選択される。一般に、ヒトの涙のpH7.45に近いpHが極めて有効であるが、約5.0〜約8.5、より好ましくは約6.0〜約8.0、最も好ましくは約6.8〜約7.8の広いpH範囲も許容される。1つの態様において、本発明組成物は約7.0のpHを有する。
【0075】
ある場合には、本発明の溶液に金属イオン封鎖剤を含有して、金属イオンと結合させることが望ましく、そうしなければ金属イオンが微生物の細胞膜を安定化し、それによって至適殺菌活性を妨げる場合がある。または、金属イオンと結合して、溶液中の他の種との相互作用を防止することが望ましい場合もある。金属イオン封鎖剤は、一般に、約0.01〜約0.2w/v%の量で添加される。金属イオン封鎖剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびそのカリウムまたはナトリウム塩、および低分子量有機酸、例えばクエン酸、酒石酸およびそれらの塩、例えばナトリウム塩である。
【0076】
一般に、本発明の水溶液を張度調整剤で調節して、塩化ナトリウムの0.9w/v%溶液に相当する通常の涙液の浸透圧に近づける。好適な張度調整剤の例は下記のものであるがそれらに限定されない:塩化ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム、デキストロース、グリセリンおよびプロピレングリコール。これらの調整剤は一般に、それぞれ約0.001〜約2.5w/v%の量で使用される。好ましくは、溶液は、約0.14w/v%の塩化カリウム、ならびに各0.006w/v%の塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムを含有し、後者の2つの化合物は可能であれば金属封鎖剤の不存在下に存在する。これらの量は、眼組織の完全性を維持するのに最適であることが見出された。好ましくは、調度調整剤は、最終浸透圧値約150〜約450mOsm/kg、より好ましくは約250〜約350mOsm/kg、最も好ましくは約270〜約320mOsm/kgを与える量で使用される。
【0077】
本明細書に開示した組成物を使用してコンタクトレンズを処理する方法は、本発明に含まれる。そのような方法は、コンタクトレンズに所望の処理を与えるのに有効な条件において、コンタクトレンズをそのような組成物に接触させることを含んで成る。
【0078】
接触温度は、好ましくは約0℃〜約100℃、より好ましくは約10℃〜約60℃、さらに好ましくは約15℃〜約30℃である。室温またはほぼ室温での接触が極めて一般的であり、有効である。接触は、大気圧またはほぼ大気圧で行うのが好ましい。接触は、約5分間または約1時間〜約12時間またはそれ以上で行うのが好ましい。
【0079】
コンタクトレンズは、液体水性媒体にレンズを浸すことによって、液体水性媒体に接触させることができる。接触時間の少なくとも一部の時間にわたって、例えば液体水性媒体およびコンタクトレンズを含有する容器を振とうすることによって、コンタクトレンズを含有する液体媒体を撹拌して、レンズからの付着物の除去を少なくとも促進することができる。そのような接触段階後に、コンタクトレンズを手でこすって、レンズからさらに付着物を除去してよい。該洗浄法は、レンズを装用者の眼に戻す前に、液体水性媒体を実質的に有さないレンズを濯ぐことも含みうる。
【0080】
さらに、例えば外科処置の前、その間および/またはその後に、人工涙を適用または投与し、洗眼し、眼組織を灌注する方法も、本発明に含まれる。好適な化学構造を有する本発明組成物は、これらの各方法において、および他の眼内適用において有用である。これらの組成物は、一般的なよく知られた方法によって、眼内適用に使用しうる。言い換えれば、本発明組成物は、従来の組成物を同一適用に使用するのと実質的に同じ方法によって、眼内適用に使用することができる。本明細書の他の部分で記載した本発明組成物の1つまたはそれ以上の利点は、そのような眼内使用の結果として付与される。
【0081】
下記の非制限的実施例は、本発明の特定の局面を例示するものである。
【0082】
本発明の溶液中の界面活性剤、または他の成分または構成要素の量は、溶液を製造する際に、処方され、溶液に導入される量を意味する。
[実施例1]
【0083】
ビタミン E TPGS を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
0.06w/v%のビタミンE TPGS濃度は、CMC濃度より高く、従って、多目的液剤中の界面活性剤のFDA条件を満たすので、ただ1つの界面活性剤洗浄剤としてコンタクトレンズ多目的液剤に組み込むのに選択する。多目的液剤の配合を表1に示す。
【表1】
【0084】
ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)は、この配合物における殺菌剤である。表1の配合は、ビタミンE TPGSを含有せず、ノニオン界面活性剤Poloxamer 237を0.05w/v%で含有する対照殺菌配合物と実質的に同じである。この対照配合物は現在Allergan, Inc.によってComplete(登録商標)Comfort Plus(商標)Multi−Purpose Solutionとして市販されている。
【0085】
表1に示した液剤は、ガラス容器中の約65%の精製水に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を先ず添加し、これを激しく撹拌しながら50℃に加熱することによって調製する。約20分後、溶液が45℃に冷却された時に、この溶液に、ビタミンE TPGS(Eastman Chemical Company, Kingsport, TN)を添加する。加熱を停止し、溶液を撹拌しながら一晩で冷却させる。PHMB以外の残りの成分を、約35%の精製水に室温で添加し、次の成分を添加する前に各成分を溶解させる。HPMCおよびビタミンE TPGSを含有する溶液に、この溶液を添加する。溶液を濯ぎ、定量的に移すために、少量の精製水を使用する。混合溶液のpHは7.18であり、これは調整を必要としない。適量のPHMB保存溶液を0.0503w/v%で添加して、最終PHMB濃度0.00011w/v%にする。抗微生物活性試験用に、最終溶液を0.22ミクロンの酢酸セルロース濾膜に通して滅菌濾過する。
【0086】
コンタクトレンズ多目的液剤の殺菌有効性を測定する工業規格法を使用して、表1に示した配合物および前記対照液剤を評価する。この方法は、FDA Contact Lens Disinfection Panelを代表する5種類の微生物それぞれの約105〜106コロニー形成ユニット(CFU)/mLの接種物で、液剤を攻撃することを含む。種々の時間にわたって液剤に接触させ、次に、残留殺菌剤を中和し、残留生存微生物を培養する。残留生存微生物を、特定接触時間における採収(cfu/mL)として示す。最後に、生存微生物の減少を、初期接種物からの対数(底10;log10)減少として、各接触時間について算出する。
【0087】
2つの液剤を、初期スクリーニングパネルとして約105〜106CFU/mL濃度のS. aureusおよびC. albicansで先ず攻撃し、2時間および4時間で評価した。Complete(登録商標)Comfort Plus(商標)Multi−Purpose Solutionについては、最低4時間の浸漬が、殺菌およびタンパク質除去に関して現在承認され推奨されている。結果を表2に示す。
【表2】
【0088】
どの所定時間においても試験変動が対数減少の数10分の1(several tenths)である場合が多いことを考慮すれば、2つの液剤の抗微生物活性が本質的に同等であることを、結果は示している。これらの有利な結果を考慮して、試験微生物の全抗微生物パネルを使用して抗微生物有効性試験を繰り返す。結果を表3に示す。
【表3】
【表4】
【0089】
これらの結果は、最初の抗微生物有効性試験を確認するものである。表4は、4時間の接触時間における、2つの抗微生物剤の有効性試験の概要を示す。結果は、組成物1を対照液剤と比較した場合、S. aureusについての活性において0.9対数減少を示すが、この場合、3.0を越えるS. aureusのどのような対数減少でも許容されると考えられるので、これは重大でないと考えられる。
[実施例2]
【0090】
ビタミン E TPGS を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
3つの濃度のビタミンE TPGSを、2つのpH値で含有する、4種のコンタクトレンズ多目的液剤を調製して、抗微生物剤の殺菌有効性、細胞毒性および安定性を評価する。5番目の液剤をビタミンE TPGSを使用せずに調製して、対照液剤とする。この液剤は、標準ノニオン界面活性剤Pluronic F87(Poloxamer 237としても知られる)を含有する。
【0091】
下記のように液剤を製造する:0.90w/v%HPMC、F4Mグレードの保存溶液3Lを製造する。精製水約2Lを、激しく撹拌しながら70℃に加熱する。HPMC27.0gを添加し、溶液を撹拌し、約2〜3時間で60〜70℃に加熱する。加熱を停止し、溶液を最終容量3Lに調整し、溶液を使用するまで撹拌を継続する。10.0gのビタミンE TPGS(Eastman Chemical Company, Kingsport, TN)を精製水約900mLに激しく撹拌しながら45℃で添加することによって、ビタミンE TPGSの1.0w/v%保存溶液を製造する。ビタミンE TPGSが充分に溶解するまで、溶液を40〜45℃で加熱しながら4時間撹拌する。加熱を停止し、溶液を一晩静置する。精製水をビタミンE TPGS溶液に添加して、合計容量を1Lに調整する。4リットルのガラスフラスコを使用して、表5に示した最終液剤配合物各3Lを製造する。各塩を計量し、次の塩を添加する前に、表5に示した順序で各フラスコ中の精製水約2Lに添加し、溶解させる。Pluronic F87を計量し、グリセリンの添加前に、液剤配合物1に添加する。次に、HPMC保存溶液500mLを配合物1に添加する。次に、PHMBの0.1032w/v%保存溶液3.198mLを、液剤配合物1に添加する。最後に、精製水を使用して、溶液を最終容量3.000Lに調整する。
【0092】
同様の方法でビタミンE TPGS溶液を製造するが、但し、ビタミンE TPGSをHPMCの後に添加する。ビタミンE TPGS保存溶液180mLを、各配合物2および3に添加する。90mLおよび300mLのビタミンE TPGS保存溶液をそれぞれ、配合物4および5に添加する。PHMB保存溶液3.198mLを、各配合物2〜5に添加し、溶液を最終容量3.000Lに調整する。
【0093】
さらに試験するために、全ての溶液を0.22ミクロンの酢酸セルロース濾膜に通して滅菌濾過する。安定性評価のために、液剤配合物1〜3を4オンスの高密度ポリエチレンプラスチックボトルに充填する。液剤配合物4および5を、透明プラスチック容器またはガラス容器に保存する。表5は、配合物ならびに初期の物理的および化学的アッセイの結果を示す。
【表5】
【0094】
3つの濃度(0.03、0.06および0.10w/v%)のビタミンE TPGSを評価した。液剤の2つのpH値(pH7.5およびpH7.0)を評価した。pH7.5はヒトの涙のpH7.45により近いので、眼の快適性にとって好ましい。pH7.0はビタミンE TPGSの水性安定性に好都合である。製造後約1週間で試験した表5の配合物のコンタクトレンズ殺菌有効性を、表6および7に示す。F. solaniについては、これらの全ての配合物がこの微生物に対して許容される活性を示すと考えられるので、試験しない。
【表6】
【表7】
【0095】
表6および7の結果は、ビタミンE TPGSを含有する配合物2〜5の抗微生物活性が、対照液剤、配合物1と同等であることを示す。全ての液剤は、適切な殺菌活性より高い活性を有する。
【0096】
表5の配合物の細胞毒性を、いくつかの標準細胞毒性アッセイによって評価する。これらは、細胞膜損傷を評価するニュートラルレッド保持アッセイ、および代謝活性の阻害を評価するAlamar Blueアッセイを包含する。これらのアッセイの結果は、全ての液剤が非細胞毒性であることを示す。これらの結果は、コンタクトレンズ装用者に一般に快適なコンタクトレンズ多目的液剤と一致する。
【0097】
表5の配合物1〜3の化学的安定性を、物理的および化学的アッセイによって、重量オスモル濃度、pH、PHMB、ビタミンE TPGS分解および表面張力について、1ヶ月間にわたって評価する。ビタミンE TPGSを定量するHPLCアッセイによって、ビタミンE TPGS分解を監視する。安定性試験用試料を25℃、40℃、50℃、60℃および70℃で保存する。
【0098】
重量オスモル濃度は、4週間目で、配合物1、2および3が、301、297および295mOsm/kgへの僅かな増加を示した70℃以外の全ての温度において、実質的に一定に維持される。この増加は、3つの液剤に関して、それぞれ8、8および11mOsm/kgにすぎない。これらの増加は、この高温でのボトルからの蒸散による水の減少によると考えられる。
【0099】
液剤pHは、60℃および70℃で保存した試料以外は、最初のpH値の0.1pH単位内に維持される。配合物1、2および3は、4週間の保存後に、60℃で7.42、7.31および6.85のpH値、および70℃で7.17、7.18および6.74のpH値をそれぞれ有していた。pHの減少は、これらの温度における配合物1のPluronic F87、および配合物2および3のビタミンE TPGSの加水分解と一致する。
【0100】
PHMB濃度は、4週間の保存後に、25℃、40℃および50℃において、本質的に変化なく維持される。配合物1、2および3におけるPHMB濃度は、4週間の保存後に、それぞれ、60℃において0.56、0.58および0.77ppmに減少し、70℃において0.36、0.22および0.33ppmに減少した。これらの減少は、これらの配合物へのそのような高温ストレスに関して予期されないことではない。現在のいくつかのコンタクトレンズ多目的液剤におけるPHMBの保存期間規格値は0.6〜1.2ppmであり、室温に対する分解速度加速係数は60℃で容易に>18になりうる故に、データは抗微生物活性が妥当な保存期間にわたって維持されることを示す。
【0101】
0時間において、配合物3はpH7.0であり、配合物2はpH7.5であるので、ビタミンE TPGSは、予想されるように、配合物2より配合物3においてより安定である。ビタミンE TPGSは、70℃で4週間後に、配合物2においては0.0344%の濃度に達し、配合物3においては0.0479%に達する。25℃または40℃において、配合物2または3のいずれにおいても、ビタミンE TPGS濃度の変化は観測されなかった。50℃および60℃において、両配合物におけるいくらかの濃度変化が観測された。配合物2につての50℃、60℃および70℃からのデータを使用して、ビタミンE TPGS分解のアレニウス分析を行った。ビタミンE TPGSの少ない突出減少は驚くべきであり、そのような液剤におけるビタミンE TPGSの機能安定性を裏づけるものである。
【0102】
表面張力の変化も、主として高温において観測される。組成物に使用される特定のビタミン系界面活性剤の量は、製品の保存期間中に減少する界面活性剤の量を考慮すべきである。界面活性剤の量は、製品の保存期間中に臨界ミセル濃度(CMC)より高く維持されるような量にすべきである。
[実施例4]
【0103】
人工涙および洗眼液剤
種々の成分をブレンドすることによって、本発明の人工涙および洗眼液剤を調製する。この液剤は、表8に示す組成を有する。
【表8】
* Puriteは、安定化二酸化塩素の商標である
【0104】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例5]
【0105】
ビタミン A ポリエチレングリコール 1000 スクシネート(ビタミン A RPGS )を含有するコンタクトレンズ多目的液剤
ビタミンAポリエチレングリコール1000スクシネート、ビタミンA RPGSは、一般的な合成化学法によって、レチノールの遊離アルコール基においてレチノールを琥珀酸でエステル化し、次に、琥珀酸の残りの遊離カルボン酸根をポリエチレングリコール1000でエステル化することによって製造される。
【0106】
種々の成分をブレンドすることによる多目的コンタクトレンズケア液剤の調製において、このビタミンA RPGSを使用する。この液剤の組成を表9に示す。
【表9】
【0107】
この液剤を試験すると、コンタクトレンズのケアに有効であることがわかる。
[実施例6]
【0108】
人工涙および洗眼液剤
種々の成分をブレンドすることによって、本発明の人工涙および洗眼液剤を製造する。この液剤は、表10に示す組成を有する。
【表10】
【0109】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例7]
【0110】
葉酸ポリエチレングリコール 1000 を含有する人工涙および洗眼液剤
葉酸ポリエチレングリコールは、一般的な合成化学法によって、1個または両方の遊離酸根をポリエチレングリコール1000でエステル化することによって製造される。
【0111】
種々の成分をブレンドすることによる本発明の人工涙および洗眼液剤の調製において、この葉酸ポリエチレングリコールを使用する。この液剤は、表11に示す組成を有する。
【表11】
【0112】
この液剤を試験すると、ヒトに人工涙を与えるのに有効であり、ヒト用洗眼剤として有効であることがわかる。
[実施例8]
【0113】
ビタミン E TPGS を含有する他のコンタクトレンズ多目的液剤
0.05w/v%ビタミンE TPGSA(アミド)の濃度は、CMC濃度より高く、従って、多目的液剤中の界面活性剤のFDA条件を満たすので、ただ1つの界面活性剤洗浄剤としてコンタクトレンズ多目的液剤に組み込むのに選択する。多目的液剤の配合を表12に示す。
【表12】
【0114】
この組成物の抗微生物有効性は、請求項1の液剤の抗微生物有効性と同等かまたはそれより優れている。
【0115】
種々の特定の実施例および態様に関して本発明を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、請求の範囲内で変更を加えて実施しうるものと理解される。
Claims (39)
- コンタクトレンズを殺菌するのに有効な組成物であって、
液体水性媒体;
該組成物に接触するコンタクトレンズを殺菌するのに有効な量で、該組成物に存在する殺菌成分;および
界面活性剤として有効な量で、該組成物に存在するビタミン誘導体成分
を含んで成る組成物。 - ビタミン誘導体成分が該液体水性媒体に可溶性である請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンA、ビタミンA2、ビタミンC、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンE、ビタミンK1、ビタミンK2、葉酸およびそれらの混合物から選択される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体を含有する請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、少なくとも1つのビタミンE非アニオン誘導体を含有する請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、1つまたはそれ以上のアミド誘導体を含有する請求項1に記載の組成物。
- 多目的コンタクトレンズケア液剤の形態の請求項1に記載の組成物。
- 該殺菌成分が非酸化性殺菌剤である請求項1に記載の組成物。
- 該殺菌成分が、1つまたはそれ以上のビグアニドを含有する請求項1に記載の組成物。
- 該殺菌成分が、ポリヘキサメチレンビグアニドを含有する請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、該組成物に接触するコンタクトレンズから付着物を除去するのを少なくとも補助するのに有効な量で存在する請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンE TPGSを含有する請求項1に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンE TPGSAを含有する請求項1に記載の組成物。
- 眼内使用に有効な組成物であって、
液体水性媒体;および
界面活性剤として有効な量で、該組成物に存在するビタミン誘導体成分;
を含んで成り、
該組成物が、眼科用に許容され、コンタクトレンズ再湿潤剤、眼内コンタクトレンズ洗浄剤、人工涙組成物、洗眼成分または灌注組成物としての使用に適合した組成物。 - コンタクトレンズ再湿潤剤の形態の請求項13に記載の組成物。
- 眼内コンタクトレンズ洗浄剤の形態の請求項13に記載の組成物。
- 人工涙組成物の形態の請求項13に記載の組成物。
- 洗眼組成物の形態の請求項13に記載の組成物。
- 灌注組成物の形態の請求項13に記載の組成物。
- ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、サルファ剤、および低溶解性眼用剤を実質的に含有しない請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、該液体水性媒体に可溶性である請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンA、ビタミンA2、ビタミンC、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンE、ビタミンK1、ビタミンK2、葉酸およびそれらの混合物から選択される1つまたはそれ以上のビタミン誘導体を含有する請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、少なくとも1つのビタミンE非アニオン誘導体を含有する請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、1つまたはそれ以上のアミド誘導体を含有する請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンE TPGSを含有する請求項13に記載の組成物。
- ビタミン誘導体成分が、ビタミンE TPGSAを含有する請求項13に記載の組成物。
- 有効量の保存剤成分を含有する請求項13に記載の組成物。
- 該保存剤成分が安定化二酸化塩素を含有する請求項26に記載の組成物。
- コンタクトレンズを殺菌する方法であって、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項1に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを殺菌する方法であって、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項5に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを殺菌する方法であって、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項6に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを殺菌する方法であって、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項11に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを殺菌する方法であって、コンタクトレンズを殺菌するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項12に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを処置する方法であって、コンタクトレンズに必要とされる処置を与えるのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項6に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを洗浄する方法であって、タンパク質付着物を有するコンタクトレンズからタンパク質付着物を除去するのに有効な条件において、タンパク質付着物を有するコンタクトレンズを請求項10に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- コンタクトレンズを再湿潤する方法であって、コンタクトレンズを再湿潤するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項16に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- 眼内のコンタクトレンズを洗浄する方法であって、コンタクトレンズを洗浄するのに有効な条件において、コンタクトレンズを請求項13に記載の組成物に接触させることを含んで成る方法。
- 有効量の請求項16に記載の組成物を眼に投与することを含んで成る眼の処置法。
- 有効量の請求項17に記載の組成物を眼に投与することを含んで成る眼の洗浄法。
- 有効量の請求項18に記載の組成物を眼に投与することを含んで成る眼の灌注法。
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